情報処理装置、印刷設定方法、及びプログラム
【課題】印刷実行時に、現在選択されている用紙種類をサポートしていない用紙サイズが指定された場合、プリンタドライバでは禁則処理が動作し、その用紙サイズが使用できない。
【解決手段】用紙種類の設定内容を、用紙サイズの選択内容より優先する機能を有することで、用紙種類を変更することなく、所望する印刷データを印刷することが可能となる。
【解決手段】用紙種類の設定内容を、用紙サイズの選択内容より優先する機能を有することで、用紙種類を変更することなく、所望する印刷データを印刷することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷指示を行う情報処理装置、印刷設定方法、及びプログラムに関し、特に、印刷装置にて用いられる用紙の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントコンピュータなどにインストールされているプリンタドライバにおいて、印刷に使用する媒体(用紙等)の設定項目としては、大きさを表す用紙サイズやその性質などを表す用紙種類などがある。
【0003】
一方、印刷に使用するプリンタエンジンやオプション類と多岐に渡る機能との組み合わせによっては、ユーザに不利益な印刷結果を生じさせる。そのため、プリンタドライバは、仕組み上、同時に使用することのできない組み合わせなどに対し、それら使用不可能な設定項目をグレーアウトや非表示などの処理を施し、選択できないようにしている(以降、これを禁則処理と呼ぶ)。
【0004】
また、プリンタドライバでは、ユーザが作成する原稿の用紙サイズを表す用紙サイズ(以降「原稿サイズ」と表す)と、実際にプリンタで出力する物理的な用紙を表す用紙サイズ(以降「出力用紙サイズ」と表す)の両方が選択可能となっているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−137923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザは自分が作成した書類に限らず、電子的に配布された資料やインターネットから取得した文書などを、自分が使用するプリンタにて対応可能な用紙を任意に選択して印刷することができる。例えば、プリンタドライバの初期設定として、出力用紙サイズを「A4」、用紙種類を「インデックス紙」に設定している場合、印刷する文書がインデックス紙をサポートしていない用紙サイズ(例えばA3、11x17など)で作成されていることもある。この文書を印刷する場合、ユーザは通常、プリンタドライバの設定画面を開くことなく印刷を実行してしまうが、プリンタドライバは内部処理として禁則処理を実行する。例えば、初期設定などに設定の丸め処理を行うことが多い。特に禁則処理では、用紙サイズの設定内容の方が、用紙種類の設定より強くなっている場合が多く、用紙種類が最も一般的な普通紙などに丸められてしまう。
【0007】
例えば、特許文献1においては、プリンタ本体の構成情報を取得し、構成情報にて示される各給紙段の用紙の情報を用いて、ユーザが指定した用紙にのみ印刷を行うことにより、意図しない無駄な出力を防いでいる。
【0008】
このように、文書側で指定された用紙サイズを、プリンタドライバで指定している用紙種類では使用できない、という課題がある。あるいは、ユーザは設定変更のために、プリンタドライバの設定画面を開き、出力用紙サイズを「A4」などに変更しなければならない、という煩わしさも課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願発明に係る情報処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理手段と、前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段とを有し、前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更する。
【0010】
また、本願発明に係る情報処理装置の他の構成として、以下の構成を有する。すなわち、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理手段と、原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付手段と、前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段とを有し、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記禁則処理手段は、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、前記設定変更受付手段は、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付ける。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、様々な文書を簡単な操作で所望する用紙にて印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】印刷システムのシステム構成を示す図。
【図2】クライアントコンピュータのブロック図。
【図3】プリンタドライバのモジュール構成図。
【図4】ブリタンドライバのインストール方法フローチャート。
【図5】従来のプリンタドライバにて提供される表示例を説明するための図。
【図6】従来のプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図7】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図8】第一実施形態に係る処理を示すフローチャート。
【図9】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図10】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図11】第一実施形態に係る処理を示すフローチャート。
【図12】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図13】第二実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第一実施形態>
図1〜図12を用いて、本発明による第一実施形態について説明する。
【0014】
[システム構成]
図1は、本発明が適用可能な印刷システムの構成の一例である。ここで示す印刷システムにおいて、コンピュータネットワーク104を介して、クライアントコンピュータ101およびネットワークプリンタ102、103が接続される。なお、この構成に限定するものではなく、他の各種装置と接続していても構わない。
【0015】
クライアントコンピュータ101には、オペレーティングシステム(以下、OS)、各種アプリケーションおよびプリンタドライバがインストールされている。ユーザは、クライアントコンピュータ101から各種印刷データをネットワークプリンタ102、103へ送信し、印刷をさせることができる。また、ネットワークプリンタ102、103は、受信した各種印刷データを印刷する。なお、ネットワークプリンタ102、103は印刷機能のみを有する印刷装置であっても構わないし、その他の機能も併せて有する複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)などであっても構わない。
【0016】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置であるクライアントコンピュータ101の内部ブロックの一例を示す図である。クライアントコンピュータ101は、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)203、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)204、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)205、キーボードコントローラ206、マウスコントローラ207、ビデオコントローラ208、外部記憶装置コントローラ209、外部メディア装置コントローラ210、および、ネットワークI/Fコントローラ211から構成される。
【0017】
ユーザがクライアントコンピュータ101を操作するためのキーボード212およびマウス213はそれぞれ、キーボードコントローラ206およびマウスコントローラ207に接続される。表示装置214は、ビデオコントローラ208に接続される。また大容量のデータを保存するための不揮発性の外部記憶装置215は、外部記憶装置コントローラ209に接続され、アプリケーションやデータの読み書きが行われる。また、外部メディア装置コントローラ210は、外部メディア制御装置216を制御する。これにより、アプリケーションやドライバソフトウエアなどが外部メディア(CD−ROMやDVD−ROM)などで提供されている場合、ユーザは外部メディア制御装置216にCD−ROMなどのメディアをセットし、プログラムを読み込ませることができる。また、クライアントコンピュータ101は、ネットワークI/Fコントローラ211を介して図1で説明したコンピュータネットワーク104に接続され、他の機器と通信を行う。
【0018】
通常、クライアントコンピュータ101を起動するための初期プログラムや、クライアントコンピュータ101の各モジュールを制御するための基本的なプログラムは、ROM205に保存されている。また、OSやアプリケーション、プリンタドライバは、外部記憶装置215に保存されている。クライアントコンピュータ101の電源が投入されると、まずROM205に保存されているコンピュータを起動するためのプログラム(ブートローダ)が実行される。そして、そのプログラムが外部記憶装置215に保存されているOSをRAM204にロードし、その後、制御権をOSに渡す。OSは、必要なモジュールやドライバをさらに外部記憶装置215からRAM204に読み込む。さらにユーザの指示により、必要なアプリケーションを外部記憶装置215からRAM204に読み込み、実行する。
【0019】
本実施形態で説明する、プリンタドライバおよびプリンタドライバのインストーラはCD−ROMなどの外部メディアから供給されるものとする。この場合において、ユーザが外部メディア制御装置216にCD−ROMなどをセットし、CPU203は必要に応じてRAM204に読み込んだり、外部記憶装置215に保存したりする。
【0020】
なお、クライアントコンピュータ101の構成は上記で述べた構成に限定するものではなく、他の構成要素を含んでいても構わない。
【0021】
[プリンタドライバインストール]
次にプリンタドライバについて説明する。本実施形態において、クライアントコンピュータ101に対してインストールされるプリンタドライバは、図3に示すようなモジュール群で構成されている。プリンタドライバ301は、グラフィックレンダリングモジュール302、UI制御モジュール303、プリンタ仕様記述ファイル304、色処理モジュール305、入出力制御モジュール306から構成される。なお、プリンタドライバの機能によっては、この他のモジュールから構成されてもよい。グラフィックレンダリングモジュール302は、各プリンタの仕様に合わせてページ記述言語およびプリンタ制御コマンドを発行する。UI制御モジュール303は、プリンタ仕様記述ファイル304に合わせてUIを表示、制御する。プリンタ仕様記述ファイルは、プリンタドライバ301が対応するプリンタに関する仕様が記述されている。
【0022】
プリンタドライバ301では、上記構成に基づき更にいくつかの構成を有することができる。例えば一つのプリンタドライバで複数のプリンタを対応するために、グラフィックレンダリングモジュール302およびUI制御モジュール303を複数のプリンタに対応できるように作成しておいてもよい。また、プリンタ仕様記述ファイル304に関しては、対応しているプリンタの分だけ、プリンタドライバ301に同梱しておいてもよい。
【0023】
次に、このような構成のプリンタドライバ301をクライアントコンピュータ101へインストールする手順を説明する。図4は、プリンタドライバのインストール手順を示したものである。なお、ユーザはプリンタドライバが格納されたCD−ROMを準備するか、ネットワーク経由でプリンタドライバインストーラ(不図示)を入手しているものとする。
【0024】
S401において、ユーザは入手したプリンタドライバインストーラを起動させる。この動作に起因して、402において、プリンタドライバインストーラはプリンタドライバモジュールを外部記憶装置215の所定の場所に格納する。格納場所は印刷システムによって異なるが、例えばWindows7(登録商標)では、以下のディレクトリ配下にプリンタドライバモジュールを格納する。
¥Windows¥system32¥spool¥drivers¥w32x86
これでプリンタドライバのインストールは完了する。
【0025】
[プリンタドライバ設定内容の保持方法]
プリンタドライバは、インストール時に内部で保持している初期設定情報を全ての設定項目に対して割り当てる。これらの内容は、下記のレジストリと呼ばれる、OSが管理する記憶手段に登録される。以下に、レジストリにおける設定項目の保持先の例を示す。なお、以下の保存先に限定するものではない。
HKEY_CURRENT_USER¥Software
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥
【0026】
[用紙サイズと用紙種類の表示方法]
本実施形態において、印刷装置は、各種用紙を扱うことができ、それぞれの用紙には、用紙サイズおよび用紙種類の情報が定義される。用紙サイズとしては例えば、A5、A4、B4、レター、はがき、長形3号などのいわゆる定型用紙サイズや、印刷に使用するプリンタエンジンの通紙可能な最大及び最小のサイズの範囲から縦横のサイズを自由に組み合わせた非定型サイズなどがある。一方、用紙種類としては、普通紙、厚紙、薄紙などの一般的なものから、エンボス紙、ベラム紙、コート紙、OHP用紙などの特殊なものなどあり、更にこれらも坪量(単位面積あたりの重量)により細分化されて定義されている場合もある。
【0027】
従来のプリンタドライバが提供する画面の表示例について、図5および図6を用いて説明する。従来のプリンタドライバでは、上述したように、アプリケーションで作成した原稿データに対する原稿用紙サイズを表す「原稿サイズ」と、該プリンタドライバ用プリンタ本体が給排紙可能な用紙を表す「出力用紙サイズ」とをプリンタドライバのユーザインタフェースで扱う。「原稿サイズ」は、プリンタドライバの設定画面(ユーザインタフェース)を表示することなく、アプリケーションがプリンタドライバの「原稿サイズ」の情報を書き換え、印刷処理を実行することも可能である。例えば、Windows(登録商標)システムでは、この「原稿サイズ」の情報はDEVMODEと呼ばれる。
【0028】
一方、「出力用紙サイズ」は、例えばA4サイズで作成された原稿データに対して、用紙サイズに対する原稿のレイアウトをそのままに、別の用紙サイズ(例:A3など)に印刷する場合に利用される。なお、「出力用紙サイズ」の初期設定の例としては、「原稿サイズと同じ」と表示し、ユーザやアプリケーションが作成した「原稿サイズ」と同じサイズで出力されるのが、最も一般的である。
【0029】
例えば、プリンタドライバが提供する設定画面のうち、図5(a)に示す「ページ設定」画面501にて「原稿サイズ」502および「出力用紙サイズ」503が設定され、図5(b)に示す「給紙」画面504にて「用紙種類」505を設定されている。また、図5(b)に示すように、「用紙種類」として「インデックス紙」が選択されている場合に、「原稿サイズ」として「A3」を選択した場合(「原稿サイズ603」)のメッセージ602の表示例を図6に示す。
【0030】
図6に示すメッセージ602により、「A3サイズのインデックス紙」が存在しない(あるいは、プリンタエンジンがこの組み合わせの用紙をサポートしない)場合に、「用紙種類」の切り換えを促している。ここでは、アプリケーションから指定される原稿サイズをプリンタドライバでは最優先としているため、用紙種類よりも用紙サイズの方を優先していることを表す。
【0031】
なお、プリンタエンジンがサポートする用紙サイズと用紙種類との組み合わせは、上述したプリンタ仕様記述ファイル304に定義されている。そして、印刷時等に、用紙サイズまたは用紙種類がキーボード212またはマウス213を用いてユーザから選択された場合、それらの組み合わせかどうかをCPU203が判断する。そして、UI制御モジュール303は予め定義された禁則条件に基づいて、禁則処理を実行し、組み合わせ不可の場合は、プリンタドライバの初期値設定に丸めるなどの処理を施す。
【0032】
続いて図7を用いて、本実施形態に係る機能の表示例を示す。プリンタドライバ301の「デバイスの設定」画面701であり、ここに「用紙種類の設定を優先する」というチェックボックス702を設ける。このチェックボックス702により、優先設定受付手段を実現する。この優先設定を決定するためのチェックボックス702がユーザから選択された場合のプリンタドライバ301の動作について、図8のフローチャートを使用して説明する。
【0033】
プリンタドライバ301がアプリケーションの印刷実行時に起動されると、S801にて、UI制御モジュール303は、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されているかどうかを判定する。チェックボックス702が選択されている場合(S801にてYES)、S802にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301で現在選択されている「用紙種類」を、用紙サイズの選択に対して優先するために固定する。この場合、UI制御モジュール303は、例えば内部のフラグ(不図示)を立てるなどして、禁則処理の実行を行うようにする。また、S803にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301で現在選択されている「原稿サイズ」の情報を、記憶部(例えばRAM204など)に記憶させる。
【0034】
S804にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301がクライアントコンピュータ101を操作しているユーザがプリンタドライバ301の表示画面601の各設定項目を設定変更することで、禁則処理を実行する。例えば、図5(b)の「給紙」画面504の「用紙種類」505において「インデックス紙」が選択され、また図5(a)の「ページ設定」画面501の「原稿サイズ」502が「A4」になっている状態を考える。この状態において、「原稿サイズ」502を、「インデックス紙」としてサポートされていない「A3」に変更するように、ユーザによって選択されたとする。この時点でUI制御モジュール303は、プリンタ仕様記述ファイル304に記載の内容を読み込み、禁則処理を実行する。そして、すでに選択されている「用紙種類」の「インデックス紙」と、直前の操作によって選択された「原稿サイズ」の「A3」とが禁則関係にあることが検知される。
【0035】
従来技術では、図6で示したようなメッセージ602を表示する。しかし、本実施形態では、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されている場合、「用紙種類」の変更を促すメッセージを表示しない。本実施形態では、UI制御モジュール303は、「用紙種類」を極力変更することがないように、以下に説明するUIの制御を行う。
【0036】
S805にて、UI制御モジュール303は、S804の禁則処理において「原稿サイズ」がユーザにより変更されたかどうかを確認する。「原稿サイズ」が変更された場合(S805にてYES)、S806にて、UI制御モジュール303は、S803で記憶部に記憶させた「原稿サイズ」の情報を「出力用紙サイズ」に反映させる。
【0037】
上記例で具体的に説明すると、「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態で、インデックス紙にサポートされていない「A3」が「原稿サイズ」として選択されると、この時点で禁則処理が動作する。禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、「原稿サイズ」として記憶しておいた「A4」を「出力用紙サイズ」として、UI制御モジュール303が表示を切り替える。例えば、「出力用紙サイズ」の初期設定として「原稿サイズと同じ」に設定されていた場合、「A4」に設定変更される。
【0038】
「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されていない場合(S801にてNO)、S807では、UI制御モジュール303は、従来通りの禁則処理を行う。S808にて、UI制御モジュール303は、印刷データを作成する。そして、S809で、UI制御モジュール303は、ネットワークI/Fコントローラ211、コンピュータネットワーク104などを介して、ネットワークプリンタ102、103に作成した印刷データを送信する。
【0039】
図9に本発明による禁則処理が動作する場合の表示結果を示す。「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されているものとし、図9(a)の画面901に示すように用紙種類を指定し、ここでの「用紙種類」は、「インデックス紙」となっている(設定項目902、903)。この場合において、図9(b)の画面904に示すように、「出力用紙サイズ」905は「A3」へと変更される。
【0040】
[アプリケーションからの指定]
なお、クライアントコンピュータ101にインストールされている、文書作成アプリケーションや表計算ソフト、グラフィックス処理用ソフトなどから、プリンタドライバ301のユーザインタフェースを表示させることなく印刷を実行することも可能である。これらのアプリケーションソフトでは、用紙サイズの情報を所持しており、例えばWindows(登録商標)システムにおいては上述したDEVMODEを介して、プリンタドライバ301に指示している。
【0041】
上記例を用いて、具体的に説明する。「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態のプリンタドライバ301に対し、インデックス紙にサポートされていない「A3」がアプリケーションソフトから指示されると、UI制御モジュール303は禁則処理を実行する。禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、「原稿サイズ」として記憶しておいた「A4」の設定を実際の印刷に使用する用紙サイズとして、印刷データを作成する。
【0042】
[派生例]
図10は本実施形態の派生型を示す、プリンタドライバにて提供されるメッセージの表示例であり、図11はこの派生例を表すフローチャートである。
【0043】
プリンタドライバ301がアプリケーションの印刷実行時に起動されると、S1101にて、UI制御モジュール303は、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されているかどうかを判定する。チェックボックス702が選択されている場合(S1101にてYES)、S1102にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301で現在選択されている「用紙種類」を、用紙サイズの選択に対して優先するために固定する。この場合、UI制御モジュール303は、例えば内部のフラグ(不図示)を立てるようにする。
【0044】
S1103にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301がクライアントコンピュータ101を操作しているユーザがプリンタドライバ301の表示画面601の各設定項目を設定、変更すると、禁則処理を実行する。例えば、図5(b)の「給紙」画面504の「用紙種類」505において「インデックス紙」が選択され、また図5(a)の「ページ設定」画面501の「原稿サイズ」502が「A4」になっている状態を考える。この状態において、「原稿サイズ」502を、「インデックス紙」としてサポートされていない「A3」に変更するように、ユーザよって選択されたとする。この時点でUI制御モジュール303は、プリンタ仕様記述ファイル304に記載の内容を読み込み、禁則処理を実行する。そして、すでに選択されている「用紙種類」の「インデックス紙」と、直前の操作によって選択された「原稿サイズ」の「A3」とが禁則関係にあることが検知される。
【0045】
従来技術では、図6で示したような「用紙種類」の変更を促すメッセージ602を表示する。しかし、本実施形態では、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されている場合、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002を表示する。
【0046】
S1104にて、UI制御モジュール303は、S1103の禁則処理において、「原稿サイズ」がユーザにより変更されたかどうかを確認する。「原稿サイズ」が変更された場合(S1104にてYES)、S1105にて、UI制御モジュール303は、「出力用紙サイズ」として切り替えるかどうかを示すメッセージ1002を表示する。ここで切り替える設定値としては、「インデックス紙」に対応している用紙サイズの中で、プリンタ仕様記述ファイル304に記憶されている、プリンタドライバ301の初期設定である用紙サイズ(例えば「A4」)を用いる。S1105で表示したメッセージ1002の「OK」ボタン1003がユーザによって選択された場合は(S1105にてYES)、S1106にて、UI制御モジュール303は、メッセージの表示内容に従って、用紙サイズを「出力用紙サイズ」として切り替える。上記例の場合は、「原稿サイズと同じ」から「A4」に変更される。
【0047】
チェックボックス702が選択されていない場合(S1101にてNO)、S1107にて、UI制御モジュール303は従来の禁則処理を行う。あるいは、S1105で表示したメッセージ1002の「キャンセル」ボタン1004がユーザによって選択された場合(S1105にてNO)、S1107にて、UI制御モジュール303は従来の禁則処理を行う。S1108にて、UI制御モジュール303は、印刷データを作成する。そして、S1109にて、UI制御モジュール303は、ネットワークI/Fコントローラ211、コンピュータネットワーク104などを介して、ネットワークプリンタ102、103へ作成した印刷データを送信する。
【0048】
[アプリケーションからの指定]
クライアントコンピュータ101にインストールされている、文書作成アプリケーションや表計算ソフト、グラフィックス処理用ソフトなどから、プリンタドライバ301のユーザインタフェースを表示させることなく印刷を実行することも可能である。これらのアプリケーションソフトでは、用紙サイズの情報を所持しており、例えばWindows(登録商標)システムでは上述したDEVMODEを介して、プリンタドライバ301に指示している。
【0049】
上記例を用いて、具体的に説明する。「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態のプリンタドライバ301に対し、インデックス紙にサポートされていない「A3」がアプリケーションソフトから指示されると、UI制御モジュール303は禁則処理を実行する。禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002を表示する。その後の動作は図11のS1105以降と同様である。
【0050】
なお、プリンタドライバ301のユーザインタフェースが表示されないで印刷が実行される場合には、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002を表示しなくても良い。
【0051】
また、図10で示したような、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002の代わりに、図12で示すような、複数の用紙サイズの中から出力用紙サイズを選択させるメッセージ1202を表示するようにしてもよい。ただし、この場合に選択可能な「出力用紙サイズ」としては、上記の例では「インデックス紙」に対応する「A4」や「レター」などだけを変更可能とすることが考えられる。また、選択可能に複数の用紙サイズを提示した場合、使用頻度の高い用紙サイズや、直近に用いられた用紙などの使用履歴などの情報を基準として用いて優先的に選択肢の上位に配置するようにしても構わない。また、図12において、ユーザが独自に設定した用紙サイズを選択可能な候補として提示しても構わない。
【0052】
また、用紙サイズが変更された場合にのみ、その旨を表示するようにしても構わない。また、デバイスドライバが提供する設定画面を介さずにユーザが印刷指示を行った場合には、各種メッセージを表示せずに、禁則処理、設定変更を行うようにしても構わない。
【0053】
また、本実施形態では、S1104において初期設定値が適用されるようにしたが、これに限定するものではなく、用紙種類に対応する用紙サイズ候補のうち、使用頻度や直近に使われた用紙などの使用履歴などの情報を用いて決定するようにしても構わない。
【0054】
また、印刷処理の実行後において、実際に用いられた用紙サイズおよび用紙種類を提示するようにしても構わない。
【0055】
以上により、簡単な操作にて、印刷時の用紙を指定することができ、意図しない用紙における印刷出力を防ぐことができる。
【0056】
<第二実施形態>
図1〜図4、図7及び図13を用いて第二実施形態について説明する。なお、図1〜図4、及び図7は第一実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0057】
プリンタドライバの中には、複数の文書データに対して、プレビュー画面、および統合や印刷時の変更を可能とする画面を提供するものがある。ここでは、禁則関係に従って、出力用紙サイズの変更を行う場合に、この機能に対応した設定画面を表示し、設定変更を可能とする実施形態について述べる。
【0058】
図13は、第二実施形態に係るプリンタドライバが提供する画面の表示例である。本実施形態において、プリンタドライバ301は、図13(a)の画面1301の設定項目1302で示すように、印刷実行時において、文書データに対する出力イメージであるプレビューの画面を表示するための画面に切り替える設定項目を有する。
【0059】
図13(b)に示すプレビュー画面1303では、印刷を指示される文書データがアイコンとして表示され、このアイコンをマウス213の右クリックなどで選択することにより、文書の編集や印刷実行、削除、設定変更が可能である。プレビュー画面1303の「印刷設定の変更」1304を選択すると、図13(c)に示すように、印刷に関する各種の設定内容を表示する画面1305が表示される。画面1305においても設定変更が可能であるが、更に詳細な設定を変更したい場合は、「詳細設定」ボタン1306をユーザが選択することで、プリンタドライバ301の画面も表示することが可能である。通常は設定項目1302で示すように、「出力方法」の設定値において「編集+プレビュー」が選択されている時にのみ、印刷時にプレビュー画面1303を表示する。
【0060】
本実施形態では、図7に示したチェックボックス702が選択され、且つ、例えば、「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態で、インデックス紙としてサポートされていない「A3」が「原稿サイズ」として選択されると、禁則処理が動作する。
【0061】
禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、UI制御モジュール303は「原稿サイズ」として記憶しておいた「A4」を「出力用紙サイズ」として切り替える。この時点で「出力用紙サイズ」が変更されたことを表すフラグなどを、記憶部(RAM204など)に記憶しておく。
【0062】
そして、実際の印刷を実行する時に、記憶された「出力用紙サイズ」が変更されたことを、UI制御モジュール303が検知した場合、「編集+プレビュー」の機能が働き、プレビューおよび設定変更が可能なプレビュー画面1303を表示させる。これにより、設定変更受付手段を実現する。
【0063】
これにより、第一実施形態の効果に加え、プリンタドライバ301のユーザは、表示されたプレビュー画面1303から、出力用紙サイズが変更されたことを確認でき、また更に別の出力用紙サイズに変更することも可能になる。
【0064】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷指示を行う情報処理装置、印刷設定方法、及びプログラムに関し、特に、印刷装置にて用いられる用紙の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントコンピュータなどにインストールされているプリンタドライバにおいて、印刷に使用する媒体(用紙等)の設定項目としては、大きさを表す用紙サイズやその性質などを表す用紙種類などがある。
【0003】
一方、印刷に使用するプリンタエンジンやオプション類と多岐に渡る機能との組み合わせによっては、ユーザに不利益な印刷結果を生じさせる。そのため、プリンタドライバは、仕組み上、同時に使用することのできない組み合わせなどに対し、それら使用不可能な設定項目をグレーアウトや非表示などの処理を施し、選択できないようにしている(以降、これを禁則処理と呼ぶ)。
【0004】
また、プリンタドライバでは、ユーザが作成する原稿の用紙サイズを表す用紙サイズ(以降「原稿サイズ」と表す)と、実際にプリンタで出力する物理的な用紙を表す用紙サイズ(以降「出力用紙サイズ」と表す)の両方が選択可能となっているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−137923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザは自分が作成した書類に限らず、電子的に配布された資料やインターネットから取得した文書などを、自分が使用するプリンタにて対応可能な用紙を任意に選択して印刷することができる。例えば、プリンタドライバの初期設定として、出力用紙サイズを「A4」、用紙種類を「インデックス紙」に設定している場合、印刷する文書がインデックス紙をサポートしていない用紙サイズ(例えばA3、11x17など)で作成されていることもある。この文書を印刷する場合、ユーザは通常、プリンタドライバの設定画面を開くことなく印刷を実行してしまうが、プリンタドライバは内部処理として禁則処理を実行する。例えば、初期設定などに設定の丸め処理を行うことが多い。特に禁則処理では、用紙サイズの設定内容の方が、用紙種類の設定より強くなっている場合が多く、用紙種類が最も一般的な普通紙などに丸められてしまう。
【0007】
例えば、特許文献1においては、プリンタ本体の構成情報を取得し、構成情報にて示される各給紙段の用紙の情報を用いて、ユーザが指定した用紙にのみ印刷を行うことにより、意図しない無駄な出力を防いでいる。
【0008】
このように、文書側で指定された用紙サイズを、プリンタドライバで指定している用紙種類では使用できない、という課題がある。あるいは、ユーザは設定変更のために、プリンタドライバの設定画面を開き、出力用紙サイズを「A4」などに変更しなければならない、という煩わしさも課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願発明に係る情報処理装置は、以下の構成を有する。すなわち、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理手段と、前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段とを有し、前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更する。
【0010】
また、本願発明に係る情報処理装置の他の構成として、以下の構成を有する。すなわち、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理手段と、原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付手段と、前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段とを有し、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記禁則処理手段は、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、前記設定変更受付手段は、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付ける。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、様々な文書を簡単な操作で所望する用紙にて印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】印刷システムのシステム構成を示す図。
【図2】クライアントコンピュータのブロック図。
【図3】プリンタドライバのモジュール構成図。
【図4】ブリタンドライバのインストール方法フローチャート。
【図5】従来のプリンタドライバにて提供される表示例を説明するための図。
【図6】従来のプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図7】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図8】第一実施形態に係る処理を示すフローチャート。
【図9】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図10】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図11】第一実施形態に係る処理を示すフローチャート。
【図12】第一実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【図13】第二実施形態に係るプリンタドライバにて提供される表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第一実施形態>
図1〜図12を用いて、本発明による第一実施形態について説明する。
【0014】
[システム構成]
図1は、本発明が適用可能な印刷システムの構成の一例である。ここで示す印刷システムにおいて、コンピュータネットワーク104を介して、クライアントコンピュータ101およびネットワークプリンタ102、103が接続される。なお、この構成に限定するものではなく、他の各種装置と接続していても構わない。
【0015】
クライアントコンピュータ101には、オペレーティングシステム(以下、OS)、各種アプリケーションおよびプリンタドライバがインストールされている。ユーザは、クライアントコンピュータ101から各種印刷データをネットワークプリンタ102、103へ送信し、印刷をさせることができる。また、ネットワークプリンタ102、103は、受信した各種印刷データを印刷する。なお、ネットワークプリンタ102、103は印刷機能のみを有する印刷装置であっても構わないし、その他の機能も併せて有する複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)などであっても構わない。
【0016】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置であるクライアントコンピュータ101の内部ブロックの一例を示す図である。クライアントコンピュータ101は、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)203、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)204、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)205、キーボードコントローラ206、マウスコントローラ207、ビデオコントローラ208、外部記憶装置コントローラ209、外部メディア装置コントローラ210、および、ネットワークI/Fコントローラ211から構成される。
【0017】
ユーザがクライアントコンピュータ101を操作するためのキーボード212およびマウス213はそれぞれ、キーボードコントローラ206およびマウスコントローラ207に接続される。表示装置214は、ビデオコントローラ208に接続される。また大容量のデータを保存するための不揮発性の外部記憶装置215は、外部記憶装置コントローラ209に接続され、アプリケーションやデータの読み書きが行われる。また、外部メディア装置コントローラ210は、外部メディア制御装置216を制御する。これにより、アプリケーションやドライバソフトウエアなどが外部メディア(CD−ROMやDVD−ROM)などで提供されている場合、ユーザは外部メディア制御装置216にCD−ROMなどのメディアをセットし、プログラムを読み込ませることができる。また、クライアントコンピュータ101は、ネットワークI/Fコントローラ211を介して図1で説明したコンピュータネットワーク104に接続され、他の機器と通信を行う。
【0018】
通常、クライアントコンピュータ101を起動するための初期プログラムや、クライアントコンピュータ101の各モジュールを制御するための基本的なプログラムは、ROM205に保存されている。また、OSやアプリケーション、プリンタドライバは、外部記憶装置215に保存されている。クライアントコンピュータ101の電源が投入されると、まずROM205に保存されているコンピュータを起動するためのプログラム(ブートローダ)が実行される。そして、そのプログラムが外部記憶装置215に保存されているOSをRAM204にロードし、その後、制御権をOSに渡す。OSは、必要なモジュールやドライバをさらに外部記憶装置215からRAM204に読み込む。さらにユーザの指示により、必要なアプリケーションを外部記憶装置215からRAM204に読み込み、実行する。
【0019】
本実施形態で説明する、プリンタドライバおよびプリンタドライバのインストーラはCD−ROMなどの外部メディアから供給されるものとする。この場合において、ユーザが外部メディア制御装置216にCD−ROMなどをセットし、CPU203は必要に応じてRAM204に読み込んだり、外部記憶装置215に保存したりする。
【0020】
なお、クライアントコンピュータ101の構成は上記で述べた構成に限定するものではなく、他の構成要素を含んでいても構わない。
【0021】
[プリンタドライバインストール]
次にプリンタドライバについて説明する。本実施形態において、クライアントコンピュータ101に対してインストールされるプリンタドライバは、図3に示すようなモジュール群で構成されている。プリンタドライバ301は、グラフィックレンダリングモジュール302、UI制御モジュール303、プリンタ仕様記述ファイル304、色処理モジュール305、入出力制御モジュール306から構成される。なお、プリンタドライバの機能によっては、この他のモジュールから構成されてもよい。グラフィックレンダリングモジュール302は、各プリンタの仕様に合わせてページ記述言語およびプリンタ制御コマンドを発行する。UI制御モジュール303は、プリンタ仕様記述ファイル304に合わせてUIを表示、制御する。プリンタ仕様記述ファイルは、プリンタドライバ301が対応するプリンタに関する仕様が記述されている。
【0022】
プリンタドライバ301では、上記構成に基づき更にいくつかの構成を有することができる。例えば一つのプリンタドライバで複数のプリンタを対応するために、グラフィックレンダリングモジュール302およびUI制御モジュール303を複数のプリンタに対応できるように作成しておいてもよい。また、プリンタ仕様記述ファイル304に関しては、対応しているプリンタの分だけ、プリンタドライバ301に同梱しておいてもよい。
【0023】
次に、このような構成のプリンタドライバ301をクライアントコンピュータ101へインストールする手順を説明する。図4は、プリンタドライバのインストール手順を示したものである。なお、ユーザはプリンタドライバが格納されたCD−ROMを準備するか、ネットワーク経由でプリンタドライバインストーラ(不図示)を入手しているものとする。
【0024】
S401において、ユーザは入手したプリンタドライバインストーラを起動させる。この動作に起因して、402において、プリンタドライバインストーラはプリンタドライバモジュールを外部記憶装置215の所定の場所に格納する。格納場所は印刷システムによって異なるが、例えばWindows7(登録商標)では、以下のディレクトリ配下にプリンタドライバモジュールを格納する。
¥Windows¥system32¥spool¥drivers¥w32x86
これでプリンタドライバのインストールは完了する。
【0025】
[プリンタドライバ設定内容の保持方法]
プリンタドライバは、インストール時に内部で保持している初期設定情報を全ての設定項目に対して割り当てる。これらの内容は、下記のレジストリと呼ばれる、OSが管理する記憶手段に登録される。以下に、レジストリにおける設定項目の保持先の例を示す。なお、以下の保存先に限定するものではない。
HKEY_CURRENT_USER¥Software
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥
【0026】
[用紙サイズと用紙種類の表示方法]
本実施形態において、印刷装置は、各種用紙を扱うことができ、それぞれの用紙には、用紙サイズおよび用紙種類の情報が定義される。用紙サイズとしては例えば、A5、A4、B4、レター、はがき、長形3号などのいわゆる定型用紙サイズや、印刷に使用するプリンタエンジンの通紙可能な最大及び最小のサイズの範囲から縦横のサイズを自由に組み合わせた非定型サイズなどがある。一方、用紙種類としては、普通紙、厚紙、薄紙などの一般的なものから、エンボス紙、ベラム紙、コート紙、OHP用紙などの特殊なものなどあり、更にこれらも坪量(単位面積あたりの重量)により細分化されて定義されている場合もある。
【0027】
従来のプリンタドライバが提供する画面の表示例について、図5および図6を用いて説明する。従来のプリンタドライバでは、上述したように、アプリケーションで作成した原稿データに対する原稿用紙サイズを表す「原稿サイズ」と、該プリンタドライバ用プリンタ本体が給排紙可能な用紙を表す「出力用紙サイズ」とをプリンタドライバのユーザインタフェースで扱う。「原稿サイズ」は、プリンタドライバの設定画面(ユーザインタフェース)を表示することなく、アプリケーションがプリンタドライバの「原稿サイズ」の情報を書き換え、印刷処理を実行することも可能である。例えば、Windows(登録商標)システムでは、この「原稿サイズ」の情報はDEVMODEと呼ばれる。
【0028】
一方、「出力用紙サイズ」は、例えばA4サイズで作成された原稿データに対して、用紙サイズに対する原稿のレイアウトをそのままに、別の用紙サイズ(例:A3など)に印刷する場合に利用される。なお、「出力用紙サイズ」の初期設定の例としては、「原稿サイズと同じ」と表示し、ユーザやアプリケーションが作成した「原稿サイズ」と同じサイズで出力されるのが、最も一般的である。
【0029】
例えば、プリンタドライバが提供する設定画面のうち、図5(a)に示す「ページ設定」画面501にて「原稿サイズ」502および「出力用紙サイズ」503が設定され、図5(b)に示す「給紙」画面504にて「用紙種類」505を設定されている。また、図5(b)に示すように、「用紙種類」として「インデックス紙」が選択されている場合に、「原稿サイズ」として「A3」を選択した場合(「原稿サイズ603」)のメッセージ602の表示例を図6に示す。
【0030】
図6に示すメッセージ602により、「A3サイズのインデックス紙」が存在しない(あるいは、プリンタエンジンがこの組み合わせの用紙をサポートしない)場合に、「用紙種類」の切り換えを促している。ここでは、アプリケーションから指定される原稿サイズをプリンタドライバでは最優先としているため、用紙種類よりも用紙サイズの方を優先していることを表す。
【0031】
なお、プリンタエンジンがサポートする用紙サイズと用紙種類との組み合わせは、上述したプリンタ仕様記述ファイル304に定義されている。そして、印刷時等に、用紙サイズまたは用紙種類がキーボード212またはマウス213を用いてユーザから選択された場合、それらの組み合わせかどうかをCPU203が判断する。そして、UI制御モジュール303は予め定義された禁則条件に基づいて、禁則処理を実行し、組み合わせ不可の場合は、プリンタドライバの初期値設定に丸めるなどの処理を施す。
【0032】
続いて図7を用いて、本実施形態に係る機能の表示例を示す。プリンタドライバ301の「デバイスの設定」画面701であり、ここに「用紙種類の設定を優先する」というチェックボックス702を設ける。このチェックボックス702により、優先設定受付手段を実現する。この優先設定を決定するためのチェックボックス702がユーザから選択された場合のプリンタドライバ301の動作について、図8のフローチャートを使用して説明する。
【0033】
プリンタドライバ301がアプリケーションの印刷実行時に起動されると、S801にて、UI制御モジュール303は、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されているかどうかを判定する。チェックボックス702が選択されている場合(S801にてYES)、S802にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301で現在選択されている「用紙種類」を、用紙サイズの選択に対して優先するために固定する。この場合、UI制御モジュール303は、例えば内部のフラグ(不図示)を立てるなどして、禁則処理の実行を行うようにする。また、S803にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301で現在選択されている「原稿サイズ」の情報を、記憶部(例えばRAM204など)に記憶させる。
【0034】
S804にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301がクライアントコンピュータ101を操作しているユーザがプリンタドライバ301の表示画面601の各設定項目を設定変更することで、禁則処理を実行する。例えば、図5(b)の「給紙」画面504の「用紙種類」505において「インデックス紙」が選択され、また図5(a)の「ページ設定」画面501の「原稿サイズ」502が「A4」になっている状態を考える。この状態において、「原稿サイズ」502を、「インデックス紙」としてサポートされていない「A3」に変更するように、ユーザによって選択されたとする。この時点でUI制御モジュール303は、プリンタ仕様記述ファイル304に記載の内容を読み込み、禁則処理を実行する。そして、すでに選択されている「用紙種類」の「インデックス紙」と、直前の操作によって選択された「原稿サイズ」の「A3」とが禁則関係にあることが検知される。
【0035】
従来技術では、図6で示したようなメッセージ602を表示する。しかし、本実施形態では、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されている場合、「用紙種類」の変更を促すメッセージを表示しない。本実施形態では、UI制御モジュール303は、「用紙種類」を極力変更することがないように、以下に説明するUIの制御を行う。
【0036】
S805にて、UI制御モジュール303は、S804の禁則処理において「原稿サイズ」がユーザにより変更されたかどうかを確認する。「原稿サイズ」が変更された場合(S805にてYES)、S806にて、UI制御モジュール303は、S803で記憶部に記憶させた「原稿サイズ」の情報を「出力用紙サイズ」に反映させる。
【0037】
上記例で具体的に説明すると、「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態で、インデックス紙にサポートされていない「A3」が「原稿サイズ」として選択されると、この時点で禁則処理が動作する。禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、「原稿サイズ」として記憶しておいた「A4」を「出力用紙サイズ」として、UI制御モジュール303が表示を切り替える。例えば、「出力用紙サイズ」の初期設定として「原稿サイズと同じ」に設定されていた場合、「A4」に設定変更される。
【0038】
「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されていない場合(S801にてNO)、S807では、UI制御モジュール303は、従来通りの禁則処理を行う。S808にて、UI制御モジュール303は、印刷データを作成する。そして、S809で、UI制御モジュール303は、ネットワークI/Fコントローラ211、コンピュータネットワーク104などを介して、ネットワークプリンタ102、103に作成した印刷データを送信する。
【0039】
図9に本発明による禁則処理が動作する場合の表示結果を示す。「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されているものとし、図9(a)の画面901に示すように用紙種類を指定し、ここでの「用紙種類」は、「インデックス紙」となっている(設定項目902、903)。この場合において、図9(b)の画面904に示すように、「出力用紙サイズ」905は「A3」へと変更される。
【0040】
[アプリケーションからの指定]
なお、クライアントコンピュータ101にインストールされている、文書作成アプリケーションや表計算ソフト、グラフィックス処理用ソフトなどから、プリンタドライバ301のユーザインタフェースを表示させることなく印刷を実行することも可能である。これらのアプリケーションソフトでは、用紙サイズの情報を所持しており、例えばWindows(登録商標)システムにおいては上述したDEVMODEを介して、プリンタドライバ301に指示している。
【0041】
上記例を用いて、具体的に説明する。「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態のプリンタドライバ301に対し、インデックス紙にサポートされていない「A3」がアプリケーションソフトから指示されると、UI制御モジュール303は禁則処理を実行する。禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、「原稿サイズ」として記憶しておいた「A4」の設定を実際の印刷に使用する用紙サイズとして、印刷データを作成する。
【0042】
[派生例]
図10は本実施形態の派生型を示す、プリンタドライバにて提供されるメッセージの表示例であり、図11はこの派生例を表すフローチャートである。
【0043】
プリンタドライバ301がアプリケーションの印刷実行時に起動されると、S1101にて、UI制御モジュール303は、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されているかどうかを判定する。チェックボックス702が選択されている場合(S1101にてYES)、S1102にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301で現在選択されている「用紙種類」を、用紙サイズの選択に対して優先するために固定する。この場合、UI制御モジュール303は、例えば内部のフラグ(不図示)を立てるようにする。
【0044】
S1103にて、UI制御モジュール303は、プリンタドライバ301がクライアントコンピュータ101を操作しているユーザがプリンタドライバ301の表示画面601の各設定項目を設定、変更すると、禁則処理を実行する。例えば、図5(b)の「給紙」画面504の「用紙種類」505において「インデックス紙」が選択され、また図5(a)の「ページ設定」画面501の「原稿サイズ」502が「A4」になっている状態を考える。この状態において、「原稿サイズ」502を、「インデックス紙」としてサポートされていない「A3」に変更するように、ユーザよって選択されたとする。この時点でUI制御モジュール303は、プリンタ仕様記述ファイル304に記載の内容を読み込み、禁則処理を実行する。そして、すでに選択されている「用紙種類」の「インデックス紙」と、直前の操作によって選択された「原稿サイズ」の「A3」とが禁則関係にあることが検知される。
【0045】
従来技術では、図6で示したような「用紙種類」の変更を促すメッセージ602を表示する。しかし、本実施形態では、「用紙種類の設定を優先する」のチェックボックス702が選択されている場合、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002を表示する。
【0046】
S1104にて、UI制御モジュール303は、S1103の禁則処理において、「原稿サイズ」がユーザにより変更されたかどうかを確認する。「原稿サイズ」が変更された場合(S1104にてYES)、S1105にて、UI制御モジュール303は、「出力用紙サイズ」として切り替えるかどうかを示すメッセージ1002を表示する。ここで切り替える設定値としては、「インデックス紙」に対応している用紙サイズの中で、プリンタ仕様記述ファイル304に記憶されている、プリンタドライバ301の初期設定である用紙サイズ(例えば「A4」)を用いる。S1105で表示したメッセージ1002の「OK」ボタン1003がユーザによって選択された場合は(S1105にてYES)、S1106にて、UI制御モジュール303は、メッセージの表示内容に従って、用紙サイズを「出力用紙サイズ」として切り替える。上記例の場合は、「原稿サイズと同じ」から「A4」に変更される。
【0047】
チェックボックス702が選択されていない場合(S1101にてNO)、S1107にて、UI制御モジュール303は従来の禁則処理を行う。あるいは、S1105で表示したメッセージ1002の「キャンセル」ボタン1004がユーザによって選択された場合(S1105にてNO)、S1107にて、UI制御モジュール303は従来の禁則処理を行う。S1108にて、UI制御モジュール303は、印刷データを作成する。そして、S1109にて、UI制御モジュール303は、ネットワークI/Fコントローラ211、コンピュータネットワーク104などを介して、ネットワークプリンタ102、103へ作成した印刷データを送信する。
【0048】
[アプリケーションからの指定]
クライアントコンピュータ101にインストールされている、文書作成アプリケーションや表計算ソフト、グラフィックス処理用ソフトなどから、プリンタドライバ301のユーザインタフェースを表示させることなく印刷を実行することも可能である。これらのアプリケーションソフトでは、用紙サイズの情報を所持しており、例えばWindows(登録商標)システムでは上述したDEVMODEを介して、プリンタドライバ301に指示している。
【0049】
上記例を用いて、具体的に説明する。「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態のプリンタドライバ301に対し、インデックス紙にサポートされていない「A3」がアプリケーションソフトから指示されると、UI制御モジュール303は禁則処理を実行する。禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002を表示する。その後の動作は図11のS1105以降と同様である。
【0050】
なお、プリンタドライバ301のユーザインタフェースが表示されないで印刷が実行される場合には、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002を表示しなくても良い。
【0051】
また、図10で示したような、印刷に使用できる「出力用紙サイズ」の変更の許可を求めるメッセージ1002の代わりに、図12で示すような、複数の用紙サイズの中から出力用紙サイズを選択させるメッセージ1202を表示するようにしてもよい。ただし、この場合に選択可能な「出力用紙サイズ」としては、上記の例では「インデックス紙」に対応する「A4」や「レター」などだけを変更可能とすることが考えられる。また、選択可能に複数の用紙サイズを提示した場合、使用頻度の高い用紙サイズや、直近に用いられた用紙などの使用履歴などの情報を基準として用いて優先的に選択肢の上位に配置するようにしても構わない。また、図12において、ユーザが独自に設定した用紙サイズを選択可能な候補として提示しても構わない。
【0052】
また、用紙サイズが変更された場合にのみ、その旨を表示するようにしても構わない。また、デバイスドライバが提供する設定画面を介さずにユーザが印刷指示を行った場合には、各種メッセージを表示せずに、禁則処理、設定変更を行うようにしても構わない。
【0053】
また、本実施形態では、S1104において初期設定値が適用されるようにしたが、これに限定するものではなく、用紙種類に対応する用紙サイズ候補のうち、使用頻度や直近に使われた用紙などの使用履歴などの情報を用いて決定するようにしても構わない。
【0054】
また、印刷処理の実行後において、実際に用いられた用紙サイズおよび用紙種類を提示するようにしても構わない。
【0055】
以上により、簡単な操作にて、印刷時の用紙を指定することができ、意図しない用紙における印刷出力を防ぐことができる。
【0056】
<第二実施形態>
図1〜図4、図7及び図13を用いて第二実施形態について説明する。なお、図1〜図4、及び図7は第一実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0057】
プリンタドライバの中には、複数の文書データに対して、プレビュー画面、および統合や印刷時の変更を可能とする画面を提供するものがある。ここでは、禁則関係に従って、出力用紙サイズの変更を行う場合に、この機能に対応した設定画面を表示し、設定変更を可能とする実施形態について述べる。
【0058】
図13は、第二実施形態に係るプリンタドライバが提供する画面の表示例である。本実施形態において、プリンタドライバ301は、図13(a)の画面1301の設定項目1302で示すように、印刷実行時において、文書データに対する出力イメージであるプレビューの画面を表示するための画面に切り替える設定項目を有する。
【0059】
図13(b)に示すプレビュー画面1303では、印刷を指示される文書データがアイコンとして表示され、このアイコンをマウス213の右クリックなどで選択することにより、文書の編集や印刷実行、削除、設定変更が可能である。プレビュー画面1303の「印刷設定の変更」1304を選択すると、図13(c)に示すように、印刷に関する各種の設定内容を表示する画面1305が表示される。画面1305においても設定変更が可能であるが、更に詳細な設定を変更したい場合は、「詳細設定」ボタン1306をユーザが選択することで、プリンタドライバ301の画面も表示することが可能である。通常は設定項目1302で示すように、「出力方法」の設定値において「編集+プレビュー」が選択されている時にのみ、印刷時にプレビュー画面1303を表示する。
【0060】
本実施形態では、図7に示したチェックボックス702が選択され、且つ、例えば、「用紙種類」として「インデックス紙」が選択された状態で、インデックス紙としてサポートされていない「A3」が「原稿サイズ」として選択されると、禁則処理が動作する。
【0061】
禁則処理の結果、「原稿サイズ」として「A3」が選択できないため、UI制御モジュール303は「原稿サイズ」として記憶しておいた「A4」を「出力用紙サイズ」として切り替える。この時点で「出力用紙サイズ」が変更されたことを表すフラグなどを、記憶部(RAM204など)に記憶しておく。
【0062】
そして、実際の印刷を実行する時に、記憶された「出力用紙サイズ」が変更されたことを、UI制御モジュール303が検知した場合、「編集+プレビュー」の機能が働き、プレビューおよび設定変更が可能なプレビュー画面1303を表示させる。これにより、設定変更受付手段を実現する。
【0063】
これにより、第一実施形態の効果に加え、プリンタドライバ301のユーザは、表示されたプレビュー画面1303から、出力用紙サイズが変更されたことを確認でき、また更に別の出力用紙サイズに変更することも可能になる。
【0064】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理手段と、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段と
を有し、
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先される場合において、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係にないサイズに変更する画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記禁則処理手段は、ユーザにより前記原稿用紙サイズが変更された場合、前記出力用紙サイズを変更する画面の表示をしないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記禁則処理手段は、前記出力用紙サイズを変更する際に、使用頻度、使用履歴、初期設定、のうちのいずれかに従って変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先される場合において、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係である場合、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係にない複数の用紙サイズから選択して変更可能な画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の用紙サイズから選択して変更可能な画面において、使用頻度、使用履歴、初期設定、のうちのいずれかを基準として、複数の用紙サイズを順に提示することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理手段と、
原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付手段と、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段と
を有し、
前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、
前記禁則処理手段は、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、
前記設定変更受付手段は、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付けることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
保持手段が、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を予め記憶部に保持する保持工程と、
禁則処理手段が、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理工程と、
優先設定受付手段が、前記所定の禁則条件において、前記記憶部に保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付工程と
を有し、
前記禁則処理工程において、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更することを特徴とする印刷設定方法。
【請求項9】
保持手段が、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を予め記憶部に保持する保持工程と、
禁則処理手段が、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理工程と、
設定変更受付手段が、原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付工程と、
優先設定受付手段が、前記所定の禁則条件において、前記記憶部にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付工程と
を有し、
前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、
前記禁則処理工程において、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、
前記設定変更受付工程において、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付けることを特徴とする印刷設定方法。
【請求項10】
コンピュータを、
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理手段、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段
として機能させ、
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理手段、
原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付手段、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段
として機能させ、
前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、
前記禁則処理手段は、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、
前記設定変更受付手段は、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付けることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理手段と、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段と
を有し、
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先される場合において、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係にないサイズに変更する画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記禁則処理手段は、ユーザにより前記原稿用紙サイズが変更された場合、前記出力用紙サイズを変更する画面の表示をしないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記禁則処理手段は、前記出力用紙サイズを変更する際に、使用頻度、使用履歴、初期設定、のうちのいずれかに従って変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先される場合において、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係である場合、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係にない複数の用紙サイズから選択して変更可能な画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の用紙サイズから選択して変更可能な画面において、使用頻度、使用履歴、初期設定、のうちのいずれかを基準として、複数の用紙サイズを順に提示することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段と、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理手段と、
原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付手段と、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段と
を有し、
前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、
前記禁則処理手段は、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、
前記設定変更受付手段は、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付けることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
保持手段が、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を予め記憶部に保持する保持工程と、
禁則処理手段が、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理工程と、
優先設定受付手段が、前記所定の禁則条件において、前記記憶部に保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付工程と
を有し、
前記禁則処理工程において、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更することを特徴とする印刷設定方法。
【請求項9】
保持手段が、原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を予め記憶部に保持する保持工程と、
禁則処理手段が、所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理工程と、
設定変更受付手段が、原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付工程と、
優先設定受付手段が、前記所定の禁則条件において、前記記憶部にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付工程と
を有し、
前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、
前記禁則処理工程において、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、
前記設定変更受付工程において、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付けることを特徴とする印刷設定方法。
【請求項10】
コンピュータを、
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせである禁則関係を判定する禁則処理手段、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段
として機能させ、
前記禁則処理手段は、前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
原稿データに対して印刷装置が印刷時に出力する出力用紙サイズおよび用紙の種類を保持する保持手段、
所定の禁則条件に基づいて、用紙におけるサイズと種類との選択できない組み合わせを判定する禁則処理手段、
原稿データの出力イメージを表示し、当該原稿データに対する設定変更を受け付ける設定変更受付手段、
前記所定の禁則条件において、前記保持手段にて保持された用紙の種類と前記原稿データにて指定された原稿用紙サイズとのうちいずれの設定を優先させるかの設定を受け付ける優先設定受付手段
として機能させ、
前記用紙の種類が優先されると設定され、かつ、前記用紙の種類と前記原稿用紙サイズとが禁則関係を満たす場合、
前記禁則処理手段は、前記原稿用紙サイズの設定をそのままとし、前記出力用紙サイズを前記用紙の種類と禁則関係を満たさないように変更し、
前記設定変更受付手段は、前記出力イメージを表示し、ユーザからの前記出力用紙サイズの変更を受け付けることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−226664(P2012−226664A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95282(P2011−95282)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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