説明

情報処理装置、帳票処理システム、及び帳票処理方法

【課題】再撮影の要否の検査対象を自動的に選別して検査の効率性を高めること。
【解決手段】帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させる表示制御部と、を備える情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、帳票処理システム、及び帳票処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスその他の用途において、注文書や請求書等の帳票類を電子化して処理する情報システムが広く利用されている。そうしたシステムでは、典型的には、多数の帳票を連続的に撮影可能な撮影装置を用いて、日々の業務で発生する帳票が高速に撮影され、画像データとして電子化される。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、特に医療機関で大量に発生するレセプトなどの帳票を納入先ごとに分類した上で1つの撮影装置を用いて連続的に撮影することのできる帳票分類処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−85554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、帳票を連続的に撮影する場合、入力された帳票に折れや破れが含まれていたなどの理由で、撮影された画像を正式なデータ(例えば原本データ)として扱うことができない恐れがある。そうした場合に備えて、帳票の撮影後に全ての画像データを目視で検査することも考えられるが、帳票の数が多い場合にはユーザの作業負担が大きいため望ましくない。また、文字認識の結果に応じて検査すべき帳票画像を自動的に選別することも考えられるが、その場合、文字認識に影響しない部分の帳票の折れや破れを検出することができない。
【0006】
そこで、本発明は、再撮影の要否の検査対象を自動的に選別して検査の効率性を高めることのできる、新規かつ改良された情報処理装置、帳票処理システム、及び帳票処理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある実施形態によれば、帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させる表示制御部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0008】
また、前記情報処理装置は、前記帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域について画像を補正する画像補正部、をさらに備えてもよい。
【0009】
また、前記情報処理装置は、前記判定部による判定の結果を前記帳票画像と関連付けて記憶する記憶部、をさらに備えてもよい。
【0010】
また、前記記憶部は、前記画像補正部による補正量に関するデータを、さらに前記帳票画像と関連付けて記憶してもよい。
【0011】
また、前記表示制御部は、前記補正量に関するデータを、前記帳票画像と共に前記端末装置へ配信してもよい。
【0012】
また、前記補正量に関するデータは、前記画像補正部により補正された補正領域の面積を含んでもよい。
【0013】
また、前記補正量に関するデータは、前記画像補正部により補正された補正領域の面積の前記帳票画像の総面積に対する割合を含んでもよい。
【0014】
また、前記情報処理装置は、前記帳票画像に含まれる文字を認識して文字データを生成する文字認識部、をさらに備え、前記表示制御部は、前記文字認識部により認識されなかった文字又は誤って認識された文字が存在する可能性がある場合に、前記帳票画像を前記端末装置又は他の端末装置に配信してもよい。
【0015】
また、本発明の別の実施形態によれば、帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出する検出部、前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定する判定部、及び、前記判定部による判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させる表示制御部、を備える情報処理装置と、前記情報処理装置から配信される前記帳票画像を表示する表示部、を備える端末装置と、を含む帳票処理システムが提供される。
【0016】
また、前記情報処理装置は、前記帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域について画像を補正する画像補正部、をさらに備えてもよい。
【0017】
また、前記表示制御部は、前記画像補正部による補正量に関するデータを、前記帳票画像と共に前記端末装置へ配信してもよい。
【0018】
また、前記表示部は、前記補正量に関するデータに応じて、前記帳票画像を並び替えて表示してもよい。
【0019】
また、前記表示部は、前記帳票画像のうち前記画像補正部により補正された領域を強調して表示してもよい。
【0020】
また、前記端末装置は、前記表示部により表示された前記帳票画像のうち、前記検査の結果として再撮影が必要であると判断された帳票画像について帳票を撮影可能な撮影部、をさらに備えてもよい。
【0021】
また、本発明の別の実施形態によれば、帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出するステップと、検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定するステップと、前記判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させるステップと、を含む帳票処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る情報処理装置、帳票処理システム、及び帳票処理方法によれば、再撮影の要否の検査対象を自動的に選別して検査の効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態に係る帳票処理システムの概要を示す模式図である。
【図2】正常な帳票の一例を示す説明図である。
【図3】折れと破れが発生した帳票の一例を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】帳票の輪郭点について説明するための説明図である。
【図6】帳票画像及び帳票の外形データの一例を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態に係る判定部による判定結果の一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態に係る画像補正部による補正処理について説明するための説明図である。
【図9】第1の実施形態に係る検査端末の構成を示すブロック図である。
【図10】帳票画像検査画面の一例を示す説明図である。
【図11】帳票画像検査画面の他の例を示す説明図である。
【図12】帳票画像の検査結果について説明するための説明図である。
【図13】第1の実施形態に係る帳票処理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】一変形例に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図15】補正量に関するデータの一例を示す説明図である。
【図16】一変形例に係る検査端末の構成を示すブロック図である。
【図17】第3の実施形態に係る帳票処理システムの概要を示す模式図である。
【図18】第3の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図19】第3の実施形態に係る文字認識部による文字認識結果の一例を示す説明図である。
【図20】第3の実施形態に係るエントリ端末の構成を示すブロック図である。
【図21】第3の実施形態に係るエントリ結果の一例を示す説明図である。
【図22】第3の実施形態に係る帳票処理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
なお、説明の順序は以下の見出しの通りとする。
1.第1の実施形態の説明
1−1.システムの全体像
1−2.情報処理装置の構成例
1−3.検査端末の構成例
1−4.処理フロー
1−5.変形例
2.第2の実施形態の説明
2−1.システムの全体像
2−2.情報処理装置の構成例
2−3.エントリ端末の構成例
2−4.処理フロー
【0026】
<1.第1の実施形態の説明>
[1−1.システムの全体像]
まず、図1は、本発明の第1の実施形態に係る帳票処理システム1の概要を示す模式図である。図1を参照すると、帳票処理システム1は、連続撮影装置10、情報処理装置100、及び検査端末200を含む。
【0027】
連続撮影装置10は、複数の帳票12を連続的に撮影して各帳票の画像データである帳票画像を生成することのできる装置である。連続撮影装置10は、典型的には、帳票の表面を走査して得た反射光又は透過光を撮像素子を用いて電気信号に変換し、当該電気信号から画像データを生成するイメージスキャナであってよい。連続撮影装置10は、例えば、ユーザの日々の業務において発生する多数の帳票を連続的に撮影して帳票画像を生成し、当該帳票画像を情報処理装置100へ送信する。
【0028】
図2を参照すると、本実施形態において取り扱うことのできる帳票の一例としての帳票12aが示されている。帳票12aには、手書きされ又は電子計算機を用いてタイプされる様々な文字が記載される。図2の例では、帳票12aは、折れや破れなどの異常個所を含んでいない。従って、図1に示した連続撮影装置10は、帳票12aを正常に撮影し、例えば原本データとして扱い得る帳票画像を生成することができる。
【0029】
一方、図3を参照すると、本実施形態において取り扱うことのできる帳票の他の例としての帳票12bが示されている。帳票12bに記載される内容は、図2に示した帳票12aと同様である。しかし、帳票12bには、折れ14及び破れ16といった異常個所が含まれている。従って、帳票12bをこのまま連続撮影装置10に入力した場合、例えば原本データとして扱うことのできない不適切な帳票画像が生成される可能性がある。
【0030】
図1に示した情報処理装置100には、このように異常個所を含んでいる可能性のある複数の帳票画像が入力される。情報処理装置100は、かかる帳票画像について、それぞれ再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定し、その判定結果に応じて当該帳票画像を検査端末200へ配信する。情報処理装置100による上記判定処理及び配信処理については、後にさらに説明する。なお、情報処理装置100は、例えば、連続撮影装置10及び検査端末200との間でネットワークを介して接続されるサーバ装置として構成されてもよい。その代わりに、情報処理装置100は、例えば、帳票画像を画像データとして保持しているデータベースにアクセス可能な端末装置であってもよい。
【0031】
検査端末200は、情報処理装置100から配信される帳票画像を所定の画面に表示し、帳票画像の再撮影が必要であるか否かをユーザに検査させる。検査端末200により表示される画面については後にさらに説明する。なお、検査端末200は、典型的には、情報処理装置100との間でネットワークを介して接続される端末装置であってよい。また、検査端末200は、PC(Personal Computer)やワークステーションなどの汎用的なコンピュータであってもよく、又は帳票画像の検査に使用される専用の装置であってもよい。
【0032】
次に、図1に示した情報処理装置100及び検査端末200の具体的な構成について順に説明する。
【0033】
[1−2.情報処理装置の構成例]
図4は、本実施形態に係る情報処理装置100の具体的な構成を示すブロック図である。図4を参照すると、情報処理装置100は、外形検出部110、判定部120、画像補正部130、記憶部140、及び表示制御部150を備える。
【0034】
外形検出部110は、連続撮影装置10から受信した帳票画像を解析し、当該帳票画像に含まれる帳票の外形を検出する。より具体的には、外形検出部110は、まず、例えば帳票画像に含まれる画素ごとの濃度の変化に応じて、帳票の輪郭上に位置する複数の輪郭点を検出する。図5は、帳票の輪郭点について説明するための説明図である。図5を参照すると、帳票12bについて検出された複数の輪郭点112a、112b…が、網掛けされた円を用いて示されている。外形検出部110は、例えば帳票画像に含まれる画素ごとの濃度の変化に応じて、このような複数の輪郭点を検出し、各輪郭点の座標データを帳票画像と関連付けて記憶部140に記憶させる。
【0035】
図6は、記憶部140により記憶される帳票画像、及び当該帳票画像と関連付けられる帳票の外形データの一例を示す説明図である。図6の左側には、帳票12bを撮影して得られた帳票画像が示されている。また、図6の右側には、帳票12bについて外形検出部110により検出された輪郭点の個数(n個)とn個の輪郭点の座標データとを含む外形データ142が示されている。外形検出部110は、かかる外形データ142を、例えばTIFF(Tagged Image File Format)形式の画像データ144の中に属性値として格納してもよい。その代わりに、外形検出部110は、外形データ142を例えば帳票画像のファイルパス又は識別子などと関連付けることのできるデータベースに格納してもよい。
【0036】
判定部120は、外形検出部110により検出された帳票の外形に基づいて、帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定する。より具体的には、判定部120は、まず、例えば記憶部140から上述した帳票の輪郭点の座標データを取得する。次に、判定部120は、例えば、取得した輪郭点の座標データにより帳票の外形に相当する矩形が形成されるか否かを判定する。例えば、隣り合う輪郭点を結ぶ複数の線分が0度(180度)又は90度以外の角度をなす場合には、判定部120は、帳票の外形に相当する矩形が形成されないとみなすことができる。また、例えば、帳票の輪郭点の座標から5つ以上の頂点が認識された場合に、判定部120は、帳票の外形に相当する矩形が形成されないとみなすこともできる。そうした場合には、判定部120は、輪郭点の座標データにより帳票の外形に相当する矩形が形成されないため、帳票画像を再撮影の要否の検査対象とすることを決定し得る。例えば、図5の例では、外形検出部110により検出された隣り合う輪郭点を結ぶ線分は、折れ14及び破れ16の周囲において0度(180度)又は90度以外の角度をなしている。また、外形検出部110により検出された輪郭点により、5つ以上の頂点が認識されている。従って、判定部120は、図5に示した帳票12bを、再撮影の要否の検査の対象とするように判定し得る。また、判定部120は、例えば、入力される帳票が定型帳票であって正常な帳票の外形が予め与えられている場合には、外形検出部110により検出された外形を既知の正常な外形と比較してもよい。その場合、判定部120は、例えば外形の相違する部分の面積等が所定の閾値を超える場合に、帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするように判定することができる。判定部120は、このような判定の結果を、帳票画像と関連付けて記憶部140に記憶させる。
【0037】
図7は、上述した判定部120による判定結果の一例を示す説明図である。図7を参照すると、3つの帳票画像についての判定結果が、各帳票画像のファイルパスに関連付けて記憶されている。図7の例では、判定結果は、“0:検査不要”又は“1:要検査”の2種類の値をとり得る検査フラグというデータ項目によって表されている。このうち、帳票画像“IMAGE001.tif”の検査フラグは“0:検査不要”である。一方、帳票画像“IMAGE002.tif”及び“IMAGE003.tif”の検査フラグは“1:要検査”である。それにより、後者の2つの帳票画像について、何らかの異常が検出され、帳票の再撮影の要否の検査が必要であると判定されたことが分かる。
【0038】
画像補正部130は、帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域について、画像を補正する。また、画像補正部130は、帳票画像に写っている帳票の周囲に位置する不要な黒枠を除去してもよい。図8は、画像補正部130による帳票画像の補正処理について説明するための説明図である。このうち、図8(A)は、画像補正部130により補正処理が行われる前の帳票画像の一例を示している。画像補正部130は、例えば、かかる帳票画像が入力されると、まず、帳票画像の外形データから帳票の輪郭に一致する矩形を認識し、認識した矩形よりも外側の黒色の領域である黒枠17を除去する。図8(B)は、画像補正部130により黒枠が除去された帳票画像の一例を示している。次に、画像補正部130は、黒枠を除去した後に残った異常な黒色領域について白色を補完する(以下、かかる処理を白補完という)。例えば、図8(B)の例では、帳票の折れを原因とする異常領域18a、及び破れを原因とする異常領域18bが黒枠除去後の帳票画像に残っている。このような異常領域は、仮に帳票が正常に撮影されたとすれば、帳票画像に残らない。画像補正部130は、例えば、帳票画像の画素値に基づいてかかる異常領域を認識し、異常領域に含まれる画素の画素値を白色に補正する。図8(C)は、画像補正部130により白補完された帳票画像の一例を示している。
【0039】
図4に戻り、情報処理装置100の構成の説明を継続する。
【0040】
記憶部140は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリなどの記憶装置を用いて、外形検出部110から出力される帳票の外形データ、判定部120による判定結果、及び画像補正部130により補正された帳票画像などを記憶する。また、記憶部140は、次に説明する表示制御部150からの要求に応じて、記憶装置に記憶している帳票画像及び帳票画像に関連付けられた所定のデータを出力する。
【0041】
表示制御部150は、判定部120による上述した判定の結果に応じて、記憶部140に記憶されている帳票画像を検査端末200へ配信して表示させる。より具体的には、表示制御部150は、例えば検査端末200を介して受信するユーザからの要求に応じて、記憶部140に記憶されている帳票画像のうち、図7に示した検査フラグが“1:要検査”となっている帳票画像を取得して検査端末200へ配信する。このとき、表示制御部150は、帳票画像と関連付けられている外形データを帳票画像と共に検査端末200へ配信してもよい。そして、表示制御部150は、検査端末200から帳票画像の検査結果を受信すると、例えば記憶部140に記憶されている検査フラグを更新する。また、表示制御部150は、例えば検査端末200から再撮影された帳票画像を受信すると、記憶部140に記憶されている帳票画像を再撮影後の帳票画像に更新する。
【0042】
かかる情報処理装置100の構成により、再撮影の要否を検査すべき対象として自動的に選別された帳票画像が、検査端末200へ配信される。次に、かかる帳票画像を受信して表示する検査端末200の構成について説明する。
【0043】
[1−3.検査端末の構成例]
図9は、本実施形態に係る検査端末200の具体的な構成を示すブロック図である。図9を参照すると、検査端末200は、帳票画像取得部210、表示部220、及び撮影部240を備える。
【0044】
帳票画像取得部210は、例えば、帳票画像の検査を担当するユーザからの要求に応じて、情報処理装置100へ検査対象の帳票画像の配信を要求する。そうすると、上述したように、情報処理装置100の表示制御部150は、検査対象の帳票画像を検査端末200へ配信する。帳票画像取得部210は、このように配信された帳票画像を受信し、表示部220へ出力する。
【0045】
表示部220は、帳票画像取得部210から入力された帳票画像を検査端末200に接続された表示装置に表示する。また、表示部220は、例えば、帳票画像を表示した画面を介してユーザから入力される検査結果を、情報処理装置100へ送信する。
【0046】
図10は、表示部220により表示される帳票画像検査画面の一例を示す説明図である。図10を参照すると、帳票画像表示ウィンドウ224及びユーザインタフェース226を含む帳票画像検査画面222が示されている。このうち、帳票画像表示ウィンドウ224には、情報処理装置100の判定部120により再撮影の要否の検査の対象とされた1枚の帳票の帳票画像が表示されている。ユーザは、かかる帳票画像を参照し、帳票の再撮影が必要か否かを検査する。例えば、帳票に記載されているべきデータを折れや破れによって視認できない場合には、ユーザは、帳票の再撮影が必要であると判断し得る。そうした場合には、ユーザは、検査結果としてユーザインタフェース226に含まれる「再撮影」ボタンを押下する。また、ユーザは、帳票の再撮影が必要ないと判断した場合には、検査結果としてユーザインタフェース226に含まれる「撮影不要」ボタンを押下する。また、ユーザは、「次へ」ボタンを押下することにより、次の帳票画像を検査することができる。
【0047】
さらに、図10に示した帳票画像検査画面222では、帳票画像に含まれる異常領域を例えば赤色などの特定の色を用いて強調表示し、又は原画像の通りに表示させるためのボタンも設けられている。帳票画像に含まれる異常領域をユーザが視認し易いように強調して表示することにより、帳票の再撮影の要否の検査の作業効率が高まることが期待される。
【0048】
図11は、表示部220により表示される帳票画像検査画面の他の例を示す説明図である。図11を参照すると、複数の帳票画像表示ウィンドウ234及びユーザインタフェース236を含む帳票画像検査画面232が示されている。帳票画像検査画面232では、情報処理装置100の判定部120により再撮影の要否の検査の対象とされた複数の帳票画像を一覧形式で参照することができる。ユーザは、かかる複数の帳票画像を参照し、帳票の再撮影が必要であると判断した帳票画像については、帳票画像の近傍に配置された「再撮影」を指示するチェックボックスをチェックする。そして、例えば、ユーザがユーザインタフェース236に含まれる「検査終了」ボタンを押下することにより、帳票画像の検査結果が情報処理装置100へ送信される。
【0049】
図12は、ユーザによる帳票画像の検査結果について説明するための説明図である。図12を参照すると、図7の例において“1:要検査”と判定されていた2つの帳票画像“IMAGE002.tif”及び“IMAGE003.tif”について、再撮影の要否の検査が行われている。そして、検査の結果として、帳票画像“IMAGE002.tif”については検査フラグが“3:要再撮影”に更新されている。また、帳票画像“IMAGE003.tif”については検査フラグが“2;検査済み”に更新されている。それにより、検査対象となった2つの帳票画像のうち、“IMAGE002.tif”についてユーザにより帳票の再撮影が必要であると判断されたことが分かる。
【0050】
図9に示した検査端末200の撮影部240は、ユーザによる操作に応じて、上述した検査の結果再撮影が必要であると判断された帳票を再撮影する。撮影部240は、典型的には、帳票を1枚ずつ撮影して帳票画像を生成することのできるイメージスキャナなどであってよい。図1に示した連続撮影装置10とは異なり、撮影部240を用いて帳票を撮影する場合には、ユーザは撮影された帳票画像を1枚ずつ目視して折れや破れなどの異常が含まれていないことを確認する。そして、撮影部240は、再撮影により得られた帳票画像を情報処理装置100へ送信する。そうすると、情報処理装置100の表示制御部150は、撮影部240から受信した新たな帳票画像を記憶部140に格納する。このとき、表示制御部150は、例えば、図12に示した“3:要再撮影”の検査フラグを“4:再撮影済み”などの値に更新する。
【0051】
[1−4.処理フロー]
図13は、本実施形態に係る帳票処理システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
図13を参照すると、まず、情報処理装置100の外形検出部110により、帳票を撮影して得られた帳票画像が取得される(S102)。次に、外形検出部110により、帳票の外形が検出され、例えば図6を用いて説明した帳票の外形データが生成される(S104)。次に、判定部120により、当該帳票の外形データに基づいて、帳票画像を再撮影の要否の検査対象とするか否かが判定される(S106)。さらに、画像補正部130により、例えば、帳票画像の黒枠除去及び白補完処理が行われる(S108)。
【0053】
その後、上述したステップS106において検査が必要であると判定された帳票画像が存在しない場合には、処理は終了する。一方、検査が必要であると判定された帳票画像が存在する場合には、処理はステップS112へ進む(S110)。
【0054】
ステップS112では、例えば検査端末200を介したユーザからの要求に応じて、情報処理装置100から検査端末200の帳票画像取得部210へ、検査対象の帳票画像が配信される(S112)。そうすると、検査端末200の表示部220により、帳票の再撮影が必要であるか否かをユーザに検査させるための画面が表示される(S114)。その後、ユーザによる検査の結果、帳票の再撮影は必要でないと判定された場合には、処理は終了する。一方、帳票の再撮影が必要であると判定された場合には、処理はステップS118へ進む(S116)。そして、ステップS118では、撮影部240により帳票が再撮影され、新たな帳票画像が情報処理装置100へ送信される(S118)。
【0055】
ここまで、図1〜図13を用いて、本発明の第1の実施形態について説明した。本実施形態によれば、帳票画像を解析して検出される帳票の外形に基づいて、帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かが情報処理装置100により予め判定される。それにより、多数の帳票画像を1枚ずつ確認するユーザの負担が軽減される。また、外形データに応じて帳票の折れや破れが生じている可能性のある箇所を強調表示することで、ユーザによる再撮影の要否の判断を支援することができる。
【0056】
ここで、通常、図8を用いて説明した画像補正部130による白補完処理における補正量が多いほど、帳票の再撮影が必要である可能性が高いということができる。よって、例えば帳票画像の検査を担当するユーザ向けの表示内容を、白補完処理における補正量に応じて制御することが考えられる。そこで、次項において、白補完処理における帳票画像の補正量に応じて表示内容を変化させ、ユーザの検査の負担をさらに軽減させる一変形例について説明する。
【0057】
[1−5.変形例]
図14は、本実施形態の一変形例に係る情報処理装置300の具体的な構成を示すブロック図である。図14を参照すると、情報処理装置300は、外形検出部110、判定部120、画像補正部330、記憶部340、及び表示制御部350を備える。
【0058】
本変形例において、画像補正部330は、上述した画像補正部130と同様、帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域について、白補完処理を行う。帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域とは、例えば図8(B)に示した異常領域18a及び18bなどに該当する。そして、画像補正部330は、白補完処理により補正された補正量に関するデータを、補正した帳票画像と関連付けて記憶部340に記憶させる。また、画像補正部330は、帳票画像に写っている帳票の周囲に位置する不要な黒枠を除去してもよい。
【0059】
図15は、画像補正部330から記憶部340へ出力される補正量に関するデータの一例を示す説明図である。図15を参照すると、4つの帳票画像“IMAGE001.tif”〜“IMAGE004.tif”について、「検査フラグ」及び「補正面積」の2つのデータ項目が示されている。このうち、「補正面積」は、上述した補正量に関するデータの一例であって、帳票画像ごとの画像補正部330により白補完された異常領域の総面積を表す項目である。図15の例では、「補正面積」は、帳票画像“IMAGE001.tif”については“0”である。即ち、帳票画像“IMAGE001.tif”については折れや破れなどの異常領域が存在せず、画像補正部330による白補完が行われなかったことが分かる。一方、帳票画像“IMAGE002.tif”〜“IMAGE004.tif”については、「補正面積」は、それぞれ“20”、“7300”、及び“15”である。補正面積の単位は、例えば画素数などであってよい。画像補正部330は、このような補正面積の値を、補正した帳票画像と関連付けて記憶部340に記憶させる。なお、補正量に関するデータの種類はかかる例に限定されない。例えば、補正量に関するデータとは、上述した補正面積の帳票画像の総面積に対する割合などであってもよい。
【0060】
記憶部340は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリなどの記憶装置を用いて、外形検出部110から出力される帳票の外形データ、判定部120による判定結果、並びに画像補正部330により補正された帳票画像及び補正量に関するデータなどを記憶する。また、記憶部340は、表示制御部350からの要求に応じて、記憶装置に記憶している帳票画像及び上述した補正量に関するデータを出力する。
【0061】
表示制御部350は、判定部120による判定の結果に応じて、記憶部340に記憶されている帳票画像を端末装置(例えば後述する検査端末400)へ配信して表示させる。より具体的には、表示制御部350は、例えば端末装置を介して受信するユーザからの要求に応じて、記憶部340に記憶されている帳票画像のうち、図15に示した検査フラグが“1:要検査”となっている帳票画像を取得して配信する。このとき、表示制御部350は、帳票画像と関連付けられている補正量に関するデータを帳票画像と共に配信する。そして、表示制御部350は、端末装置から帳票画像の検査結果を受信すると、例えば記憶部340に記憶されている検査フラグを更新する。また、表示制御部350は、例えば端末装置から再撮影された帳票画像を受信すると、記憶部340に記憶されている帳票画像を再撮影後の帳票画像に更新する。
【0062】
図16は、本変形例に係る端末装置の一例としての検査端末400の具体的な構成を示すブロック図である。図16を参照すると、検査端末400は、帳票画像取得部410、表示部420、及び撮影部240を備える。
【0063】
帳票画像取得部410は、例えば、帳票画像の検査を担当するユーザからの要求に応じて、情報処理装置300へ検査対象の帳票画像の配信を要求する。そうすると、上述したように、情報処理装置300の表示制御部350は、検査対象の帳票画像及び当該帳票画像に関連付けられた補正量に関するデータを検査端末400へ配信する。帳票画像取得部410は、このように配信された帳票画像及び補正量に関するデータを受信し、表示部420へ出力する。
【0064】
表示部420は、帳票画像取得部410から入力された帳票画像を検査端末400に接続された表示装置に表示する。表示部220により表示される帳票画像検査画面は、例えば図10に示した帳票画像検査画面222と同様の画面であってよい。但し、このとき、表示部420は、帳票画像を補正量に関するデータ値が大きい順に表示する。例えば、図15に示した3つの帳票画像“IMAGE002.tif”〜“IMAGE004.tif”が検査対象であったと想定する。その場合、補正面積の大きさに従い、帳票画像“IMAGE003.tif”(補正面積“7200”)、帳票画像“IMAGE002.tif”(補正面積“20”)、帳票画像“IMAGE004.tif”(補正面積“15”)の順に帳票画像が表示される。その後、ユーザによる帳票画像の検査が終了すると、表示部420は、情報処理装置300へ検査結果を送信する。
【0065】
本変形例によれば、検査端末400において、帳票画像に含まれる折れや破れなどの異常領域の大きさと対応する補正量の大きさの順に帳票画像が表示される。従って、ユーザは、帳票の再撮影が必要である可能性の高い順に帳票画像を検査することができる。そのため、検査の際の作業負担がさらに軽減され得る。
【0066】
<2.第2の実施形態の説明>
上述した本発明の第1の実施形態によれば、帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かが情報処理装置100により予め判定されるため、帳票画像を1枚ずつ確認するユーザの負担が軽減される。ここで、帳票を帳票画像として電子的に取り扱うシステムにおいて、帳票画像に含まれる文字を文字データとして自動的に認識するためのOCR(Optical Character Reader:光学文字認識)と呼ばれる技術が用いられる場合がある。この場合、帳票を撮影して得られた帳票画像から、帳票に手書きで記入され又はタイプされた文字がOCRを用いて文字データとして認識され、認識された文字データが電子的に処理される。このとき、OCRによる文字認識の成功率は必ずしも100%ではないため、特にエラーが許されない分野においては、撮影された画像を人間が目視して誤読箇所を訂正し、又は不読箇所に対してデータ入力するといった対策が採られている。即ち、この場合、帳票画像が撮影された後、誤読箇所の訂正又は不読箇所へのデータ入力(以下、両者を合わせて“エントリ”という)、及び帳票画像の検査という2種類のユーザによるオペレーションが行われ得る。そこで、例えば、文字認識後のエントリの際に帳票画像の検査と同等の作業をユーザが行うことができれば、全体としての作業負担はさらに小さくなる。よって、本節では、文字認識後のエントリの際にユーザが帳票画像の検査と同等の作業を行うことを可能とする、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0067】
[2−1.システムの全体像]
図17は、本発明の第2の実施形態に係る帳票処理システム2の概要を示す模式図である。図17を参照すると、帳票処理システム2は、連続撮影装置10、検査端末200、情報処理装置500、及びエントリ端末700を含む。
【0068】
情報処理装置500は、連続撮影装置10から入力される帳票画像について、帳票に手書きで記入され又はタイプされた文字を文字データとして自動的に認識する。そして、情報処理装置500は、文字認識の結果として誤読又は不読の可能性がある場合には、誤読又は不読の可能性がある帳票画像をエントリ端末700へ配信する。また、情報処理装置500は、帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定し、その判定結果に応じて当該帳票画像を検査端末200へ配信する。
【0069】
エントリ端末700は、情報処理装置500から配信される帳票画像を所定の画面に表示し、ユーザにエントリ作業を実施させる。また、エントリ端末700は、帳票画像の再撮影が必要であるか否かの検査結果を入力可能なユーザインタフェースをユーザに提供する。エントリ端末700は、例えばPCやワークステーションなどの汎用的なコンピュータであってもよく、又はエントリに使用される専用の装置であってもよい。
【0070】
次に、図17に示した情報処理装置500及びエントリ端末700の具体的な構成について順に説明する。
【0071】
[2−2.情報処理装置の構成例]
図18は、本実施形態に係る情報処理装置500の具体的な構成を示すブロック図である。図18を参照すると、情報処理装置500は、外形検出部110、判定部120、画像補正部130、文字認識部538、記憶部540、及び表示制御部550を備える。
【0072】
文字認識部538は、例えば上述したOCR技術を用いて、連続撮影装置10から受信した帳票画像に含まれる文字を認識し、文字データを生成する。そして、文字認識部538は、生成した文字データを帳票画像と関連付けて記憶部540に記憶させる。また、文字認識部538は、認識に失敗した可能性のある文字が存在する場合には、文字認識の対象とした帳票画像をエントリ作業の対象とすることを表すデータを記憶部540に記憶させる。
【0073】
図19は、記憶部540により記憶される文字認識の結果の一例を示す説明図である。図19を参照すると、まず、テーブルの第1列目に、4つの帳票画像“IMAGE001.tif”〜“IMAGE004.tif”のファイルパスが示されている。次に、第2列目には、各帳票画像を再撮影の要否の検査対象とするか否かの判定結果を表す検査フラグの値が示されている。次に、第3列目には、各帳票画像をエントリ作業の対象とするか否かを表すエントリフラグの値が示されている。さらに、第4列目以降には、文字認識部538により認識された文字データが、項目A〜項目Nに分けてそれぞれ示されている。このうち、エントリフラグは、“0:エントリ不要”又は“1:要エントリ”のいずれかの値を示している。例えば、帳票画像“IMAGE001.tif”及び“IMAGE003.tif”のエントリフラグは“0:エントリ不要”である。一方、帳票画像“IMAGE002.tif”及び“IMAGE004.tif”のエントリフラグは“1:要エントリ”である。それにより、帳票画像“IMAGE002.tif”及び“IMAGE004.tif”については、エントリ作業が必要であることが分かる。例えば、帳票画像“IMAGE002.tif”の項目A、及び帳票画像“IMAGE004.tif”の項目Nの値は“?”となっており、これらの項目がエントリ作業の対象となり得る。
【0074】
記憶部540は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリなどの記憶装置を用いて、帳票の外形データ、判定部120による判定結果、帳票画像、及び文字認識部538による上述した文字認識結果などを記憶する。また、記憶部540は、次に説明する表示制御部550からの要求に応じて、記憶装置に記憶している帳票画像及び帳票画像に関連付けられた所定のデータを出力する。
【0075】
表示制御部550は、例えば、文字認識部538による上述した判定の結果に応じて、記憶部540に記憶されている帳票画像をエントリ端末700へ配信して表示させる。より具体的には、表示制御部550は、例えばエントリ端末700を介して受信するユーザからの要求に応じて、記憶部540に記憶されている帳票画像のうち、図19に示したエントリフラグが“1:要エントリ”となっている帳票画像を取得してエントリ端末700へ配信する。このとき、表示制御部550は、帳票画像と関連付けられている文字データ(例えば図19の項目A〜項目N)を帳票画像と共にエントリ端末700へ配信してもよい。そして、表示制御部550は、エントリ端末700からエントリ結果を受信すると、例えば記憶部540に記憶されているエントリフラグ及び文字データを更新する。さらに、表示制御部550は、エントリ端末700から帳票画像の検査結果を受信し、記憶部540に記憶されている検査フラグを更新することができる。
【0076】
さらに、表示制御部550は、第1の実施形態に係る表示制御部150と同様、判定部120による判定結果に応じて、記憶部540に記憶されている帳票画像を検査端末200へ配信して表示させる。このとき、検査端末200へ配信される帳票画像は、上述したエントリ端末700を用いたエントリ作業と並行して行われる検査の結果に応じて数が絞り込まれた画像となる。
【0077】
次に、かかる表示制御部550から配信される帳票画像を受信して表示するエントリ端末700の構成について説明する。
【0078】
[2−3.エントリ端末の構成例]
図20は、本実施形態に係るエントリ端末700の具体的な構成を示すブロック図である。図20を参照すると、エントリ端末700は、帳票画像取得部710、及び表示部720を備える。
【0079】
帳票画像取得部710は、例えば、エントリを担当するユーザからの要求に応じて、情報処理装置500へエントリ対象の帳票画像の配信を要求する。そうすると、上述したように、情報処理装置500の表示制御部550は、エントリ対象の帳票画像をエントリ端末700へ配信する。帳票画像取得部710は、このように配信された帳票画像を受信し、表示部720へ出力する。
【0080】
表示部720は、帳票画像取得部710から入力された帳票画像をエントリ端末700に接続された表示装置に表示する。また、表示部720は、例えば、帳票画像を表示した画面を介してユーザから入力されるエントリ結果を、情報処理装置500へ送信する。表示部720により表示されるエントリ画面は、例えば、図10に示した帳票画像検査画面222に所定の項目についてのデータ入力欄が付加された画面であってもよい。また、表示部720は、例えば、帳票画像を表示した画面を介してユーザから入力される帳票画像の検査結果を、情報処理装置500へ送信する。
【0081】
図21は、ユーザによるエントリ結果について説明するための説明図である。図21を参照すると、図19の例において“1:要エントリ”と判定されていた2つの帳票画像“IMAGE002.tif”及び“IMAGE004.tif”についてのエントリフラグが、“2:エントリ済み”に更新されている。また、帳票画像“IMAGE002.tif”については、検査フラグが“1:要検査”から“3:要再撮影”に更新されている。また、帳票画像“IMAGE004.tif”については、検査フラグが“1:要検査”から“2:検査済み”に更新されている。それにより、エントリ対象となった2つの帳票画像についてエントリ作業と並行して帳票画像の検査が行われ、例えば帳票画像“IMAGE004.tif”についてはユーザにより再撮影が不要である判断されたことが分かる。それにより、その後検査端末200から検査対象の帳票画像の配信要求が情報処理装置500へ送信されたとしても、帳票画像“IMAGE004.tif”は、検査端末200への配信対象から除外される。
【0082】
[3−4.処理フロー]
図22は、本実施形態に係る帳票処理システム2における処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
図22を参照すると、まず、情報処理装置500の外形検出部110により、帳票を撮影して得られた帳票画像が取得される(S202)。次に、外形検出部110により、帳票の外形が検出され、例えば図6を用いて説明した帳票の外形データが生成される(S204)。次に、判定部120により、当該帳票の外形データに基づいて、帳票画像を再撮影の要否の検査対象とするか否かが判定される(S206)。次に、画像補正部130により、例えば、帳票画像の黒枠除去及び白補完処理が行われる(S208)。さらに、文字認識部538により、帳票画像に含まれる文字が文字データとして認識される(S210)。
【0084】
その後、上述したステップS210においてエントリが必要であると判定された帳票画像が存在しない場合には、処理はステップS220へ進む。一方、エントリが必要であると判定された帳票画像が存在する場合には、処理はステップS214へ進む(S212)。
【0085】
ステップS214では、例えばエントリ端末700を介したユーザからの要求に応じて、情報処理装置500からエントリ端末700の帳票画像取得部710へ、エントリ対象の帳票画像が配信される(S214)。そうすると、エントリ端末700の表示部720により、帳票画像に含まれる誤読又は不読箇所についてユーザにエントリさせるための画面が表示される(S216)。そして、ユーザによるエントリ結果及び検査結果がエントリ端末700から情報処理装置500へ送信され、情報処理装置500の記憶部540に登録される(S218)。
【0086】
その後、検査が必要な帳票画像が存在するか否かが判定される(S220)。ここで、検査が必要な帳票画像が存在しないと判定された場合には、処理は終了する。一方、検査が必要な帳票画像が存在すると判定された場合には、処理はステップS222へ進む。
【0087】
ステップS222では、例えば検査端末200を介したユーザからの要求に応じて、情報処理装置500から検査端末200の帳票画像取得部210へ、検査対象の帳票画像が配信される(S222)。そうすると、検査端末200の表示部220により、帳票の再撮影が必要であるか否かをユーザに検査させるための画面が表示される(S224)。その後、ユーザによる検査の結果、各帳票について再撮影は必要でないと判定された場合には、処理は終了する。一方、帳票の再撮影が必要であると判定された場合には、処理はステップS228へ進む(S226)。そして、ステップS228では、撮影部240により帳票が再撮影され、新たな帳票画像が情報処理装置500へ送信される(S228)。
【0088】
ここまで、図17〜図22を用いて、本発明の第2の実施形態について説明した。本実施形態によれば、帳票画像の検査に先立ち、文字認識結果を受けてのエントリ作業がエントリ端末700を用いて行われる。その際、エントリを担当するユーザは、エントリ作業と並行して帳票の再撮影が必要か否かを検査することができる。そして、エントリを担当するユーザによるエントリ結果及び検査結果が情報処理装置500に登録されることで、その後の帳票画像の検査の対象が絞り込まれ、全体としてのユーザの作業負担が軽減される。
【0089】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な2つの実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0090】
例えば、図13又は図22を用いて説明した帳票画像の処理手順を、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って実行しなくてもよい。各処理ステップは、並列的に又は個別に独立して実行される処理を含んでもよい。
【0091】
また、本明細書において説明した一連の処理は、ハードウェアで実現されてもよく、又はソフトウェアで実現されてもよい。一連の処理又はその一部をソフトウェアで実行させる場合には、例えば、ソフトウェアを構成するプログラムが予めROMに格納され、実行時にRAMに読み込まれてCPUにより実行される。
【符号の説明】
【0092】
1、2 帳票処理システム
10 連続撮影装置
12 帳票
14 折れ
16 破れ
17 黒枠
18 異常領域
100、300、500 情報処理装置
110 外形検出部
120 判定部
130、330 画像補正部
538 文字認識部
140、340、540 記憶部
150、350、550 表示制御部
200、400 検査端末
210、410 帳票画像取得部
220、420 表示部
222、232 帳票画像検査画面
224、234 帳票画像表示ウィンドウ
226、236 ユーザインタフェース
240 撮影部
700 エントリ端末
710 帳票画像取得部
720 表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出する検出部と;
前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定する判定部と;
前記判定部による判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させる表示制御部と;
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域について画像を補正する画像補正部、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記判定部による判定の結果を前記帳票画像と関連付けて記憶する記憶部、
をさらに備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記画像補正部による補正量に関するデータを、さらに前記帳票画像と関連付けて記憶する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記補正量に関するデータを、前記帳票画像と共に前記端末装置へ配信する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記補正量に関するデータは、前記画像補正部により補正された補正領域の面積を含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記補正量に関するデータは、前記画像補正部により補正された補正領域の面積の前記帳票画像の総面積に対する割合を含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記帳票画像に含まれる文字を認識して文字データを生成する文字認識部、
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記文字認識部により認識されなかった文字又は誤って認識された文字が存在する可能性がある場合に、前記帳票画像を前記端末装置又は他の端末装置に配信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出する検出部、
前記検出部により検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定する判定部、
及び、前記判定部による判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させる表示制御部、
を備える情報処理装置と;
前記情報処理装置から配信される前記帳票画像を表示する表示部、
を備える端末装置と;
を含む帳票処理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記帳票画像に含まれる領域であって正常に撮影されなかったと推定される領域について画像を補正する画像補正部、
をさらに備える、請求項9に記載の帳票処理システム。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記画像補正部による補正量に関するデータを、前記帳票画像と共に前記端末装置へ配信する、請求項10に記載の帳票処理システム。
【請求項12】
前記表示部は、前記補正量に関するデータに応じて、前記帳票画像を並び替えて表示する、請求項11に記載の帳票処理システム。
【請求項13】
前記表示部は、前記帳票画像のうち前記画像補正部により補正された領域を強調して表示する、請求項11に記載の帳票処理システム。
【請求項14】
前記端末装置は、
前記表示部により表示された前記帳票画像のうち、前記検査の結果として再撮影が必要であると判断された帳票画像について帳票を撮影可能な撮影部、
をさらに備える、請求項9に記載の帳票処理システム。
【請求項15】
帳票を撮影して得られた帳票画像に含まれる前記帳票の外形を検出するステップと;
検出された前記帳票の外形に基づいて、前記帳票画像を再撮影の要否の検査の対象とするか否かを判定するステップと;
前記判定の結果に応じて、前記帳票画像を端末装置に配信して表示させるステップと;
を含む帳票処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−204806(P2010−204806A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47877(P2009−47877)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】