説明

情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム

【課題】所定のジョブについての、ユーザごとに定められた上限値の管理を適切に行なうことができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】子情報処理装置と連携して所定のジョブを実行する情報処理装置において、前記所定のジョブについての全体上限値と、現在までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、前記子情報処理装置と連携して、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記情報処理装置と前記子情報処理装置とに割り振る割り振り手段を有することを特徴とする情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザごとに、上限値を定めている画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、例えば、ユーザ甲に対して、一ヶ月間で、コピー枚数の上限値を1000枚と定めておく。そうすると、当該画像形成装置は、ユーザ甲に対しては、当該一ヶ月の間に、1000枚を超えるコピー処理を行なわない。従って、ユーザに対して、上限値を遵守した処理を提供することが出来る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、所定の処理(例えば、コピー処理)を複数の画像形成装置で連携して行なう画像形成システムが提案されている。上述した特許文献1には、当該画像形成システムに対して、上限値を適用する形態については開示されていない。従って、当該画像形成システムでは、上限値の管理を適切に行なうことはできない。
【0004】
本発明では、所定のジョブについての、ユーザごとに定められた上限値の管理を適切に行なうことができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、子情報処理装置と連携して所定のジョブを実行する情報処理装置において、前記所定のジョブについての全体上限値と、現在までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、前記子情報処理装置と連携して、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記情報処理装置と前記子情報処理装置とに割り振る割り振り手段を有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムによれば、所定のジョブについての、ユーザごとに定められた上限値の管理を適切に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の画像形成システムの一例を示す図。
【図2】本実施例の画像形成装置の機能構成例のブロック図を示す図。
【図3】本実施例の権限情報などの一例を示す図。
【図4】本実施例の処理フローを示す図。
【図5】本実施例の能力値の一例を示す図。
【図6】本実施例の全体差分値、差分値などの一例を示す図。
【図7】別の実施形態の全体差分値、差分値などの一例を示す図。
【図8】別の実施形態の処理フローの一例を示す図。
【図9】別の実施形態の画像形成装置の一例を示す図。
【図10】別の実施形態の全体差分値、差分値などの一例を示す図。
【図11】別の実施形態の権限情報などの一例を示す図。
【図12】本実施例の親機などを示す図。
【図13】本実施例の親機などを示す図。
【図14】本実施例の親機などを示す図。
【図15】本実施例の親機などを示す図。
【図16】本実施例の親機などを示す図。
【図17】別の実施形態の処理フローの一例を示す図。
【図18】親機の異常を検知するための処理フローを示す図。
【図19】代理機、子機の異常を検知するための処理フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態1]
まず、用語について説明する。本発明の情報処理装置とは、情報を処理するものであれば、何でも良く、例えば、画像データを処理する画像処理装置である。画像処理装置とは、画像データを処理するものであり、画像を形成する画像形成装置や、画像を表示する画像表示装置(例えば、プロジェクタ)や、画像データを補正する画像補正装置などがある。
【0009】
また、画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。また、記録媒体は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。画像形成とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に付与すること、液滴(インク)を記録媒体に着弾させることをいう。
【0010】
以下では、情報処理装置を画像形成装置とし、複数の情報処理装置から構成される情報処理システムを画像形成システムとする。また、画像形成装置が行なう所定のジョブとは、コピージョブ、プリントジョブ、スキャンジョブ、ファックスジョブなどをいう。以下では、所定のジョブをコピージョブとする。また、以下の説明では、各実施形態において、機能構成例、処理フロー、の説明では、同じ処理については、同じ参照番号、同じステップ番号を付加し、重複説明を省略する。
【0011】
図1に画像形成システム1の機能構成例を示す。図1の例では、親画像形成装置100と子画像形成装置200(n=1,...,N Nは1以上の自然数)とユーザ端末装置50がネットワーク30に接続されることで構成される。親画像形成装置100とは、ユーザ端末装置50から(ユーザから)当該親画像形成装置100に依頼された所定のジョブ(コピージョブ)を子画像形成装置200(n=1,...,N)に割り振るものである。また、子画像形成装置200は、親画像形成装置100から割り振られたコピージョブを実行するものである。
【0012】
例えば、ユーザがユーザ端末装置50から、親画像形成装置100に対して、所定のジョブとして、1000枚のコピーを依頼したとする。一般的に、親画像形成装置100のみで、1000枚のコピーを行なう場合には、処理時間が多大になってしまう。そこで、親画像形成装置100は、当該親画像形成装置100および子画像形成装置200に対して、コピーされるべき1000枚を割り振る。割り振る手法については様々な手法が提案されているので、当該提案されている手法の何れかを用いればよい。
【0013】
図2に、親画像形成装置100の機能構成例のブロック図を示す。親画像形成装置100は、記憶手段102、割り振り手段108などを有する。記憶手段102には、少なくとも、ユーザごとの権限情報が記憶されている。図3に権限情報などの一例を示す。図3の例での権限情報は、全体上限値と、全体実行値、全体差分値が含まれる。
【0014】
また、図3の例では、権限情報の他に、ユーザ識別情報が含まれている。ユーザ識別情報と、権限情報はそれぞれユーザごとに定められる。ユーザ識別情報には、ユーザIDと、パスワードとに大別される。以下の説明では、ユーザIDが「User001」、パスワードが「Pass001」のユーザを「甲」とする。また、ユーザ識別情報とは、ユーザがログインするため、つまり、ユーザを認証するために用いられる。また、権限情報は、ユーザごとに定められている。また、権限情報では、各所定のジョブごとに、全体上限値、全体実行値、全体差分値が定められている。
【0015】
全体上限値とは、特定のユーザに対する、画像形成システム1全体で実行される所定のジョブについての値をいう。図3の例では、ユーザ甲については、コピージョブについての、画像形成システム1全体の全体上限値は「1000」である。当該全体上限値は、所定期間Tごと(例えば、一ヶ月)についてのものである。つまり、ユーザ甲は、一ヶ月間であれば、1000枚のコピーを行なうことができ、それ以上はコピーできない。そして、一ヶ月経過すると、ユーザ甲は、1000枚のコピーを行なうことができるようになる。
【0016】
また、全体実行値とは、特定のユーザに対する画像形成システム1全体で実行された所定のジョブについての値をいう。また、実行値とは、所定のジョブについて、親画像形成装置100、子画像形成装置200〜200それぞれが実行した値である。つまり、親画像形成装置100、子画像形成装置200〜200それぞれの実行値を加算したものが全体実行値となる。図3の例では、ユーザ甲は、コピージョブについては、画像形成システム1により現時点で400枚コピー(=全体実行値)されたことを示す。また、全体実行値は、所定期間T経過ごとに、「0」に戻される(リセットされる)。以下では、当該リセットされる時刻を「リセット時刻」という。リセット時刻とは、管理者により予め定めるようにして、リセット時刻になると、自動的にリセットするようにしても良いし、管理者がリセット時刻になると、手動でリセットするようにしてもよい。つまり、所定期間Tとは、隣接するリセット時刻間の期間をいう。また、全体実行値は、所定期間T内において、ジョブが実行されるごとに、当該ジョブの実行についての実行値が加算されていく。
【0017】
また、全体差分値とは、「全体上限値−所定期間T内での全体実行値」で定まるものである。つまり、全体差分値とは、現時点から次回のリセット時刻までに、実行できる値である。図3の例では、コピージョブについての全体差分値は「600」であることから、ユーザ甲は、コピージョブについては、次回のリセット時刻までに600枚コピーすることが出来る。また、次回のリセット時刻になると、全体実行値が「0」にリセットされることから、全体上限値=全体差分値になる。つまり、図3の例では、次回のリセット時刻では、ユーザ甲のコピージョブの全体差分値は、「1000」になり、ユーザ甲は1000枚コピーできるようになる。
【0018】
また、図3の説明では、ユーザ甲について説明したが、ユーザIDがUser002、パスワードがPass002のユーザ(以下、ユーザ乙とする。)についても、各所定のジョブについて、全体上限値、全体実行値、全体差分値が定められている。従ってユーザ甲以外のユーザ(例えば、ユーザ乙)についても同様のことが言える。また、図3の説明では、コピージョブについて説明したが、他のジョブ(プリントジョブ、スキャンジョブ、ファックスジョブ)についても同様のことが言える。
【0019】
以下では、親画像形成装置100を親機100といい、子画像形成装置200〜200を子機200〜200という。次に、本実施例の親機100の具体的な処理について説明する。図4に、親機100の処理フローを示す。ここでは、当該所定のジョブとは、「コピージョブ」とし、ユーザを「甲」とする。まず、ユーザ甲が、ユーザ端末装置50から、ログインをする。当該ログインとは、ユーザ甲は、ユーザ識別情報をユーザ端末装置50に入力することである。
【0020】
そして、認証手段104は、ログインしようとしているユーザに対して、認証を行う(ステップS2)。認証手段104は、入力されたユーザ識別情報と、予め記憶されているユーザ識別情報(図3参照)とを比較する。入力されたユーザ識別情報と、予め記憶されているユーザ識別情報とは一致すれば、認証成功となり(ステップS2のYes)、一致しなければ、認証失敗となる(ステップS2のNo)。当該認証は、ユーザ甲が画像形成システム1によるコピー処理についてのものである。
【0021】
認証成功となると、ユーザ端末装置50の表示手段(図示せず)に、認証成功の旨を表示させる。ユーザは認証成功の旨の表示を認識すると、画像形成システム1に実行させたい所定のジョブと、当該ジョブで実行させたい値を入力する。ここでは、所定のジョブを、コピージョブとし、当該ジョブで実行させたい値とは、300枚(コピー枚数)とする。
【0022】
次に、制御手段106は、所定のタイミングであるか否かを判断する(ステップS4)。ここで、所定のタイミングの例とは、所定のジョブを実行するタイミングである。所定のジョブを実行するタイミングとは、例えば、(1)ログインされたタイミングか、(2)指定された時刻であるとする。
【0023】
(2)指定されたタイミングの例について説明する。例えば、所定のジョブが「ファックスジョブ」である場合には、当該ファックスジョブについて、ユーザはファックス送信する時刻を予約することが出来る(予約送信)。指定されたタイミングの例とは、予約されたファックス送信時刻である。ここでは、所定のタイミングとして、(1)ログインされたタイミングであるとする。
【0024】
ステップS4では、ログインが終了している(ステップS2)ことから、制御手段は、所定のタイミングであると判断する(ステップS4のYes)。制御手段106が、未だ所定のタイミングに至らないと判断した場合には(ステップS4のNo)、当該所定のタイミングに至るまで待機する。
【0025】
次に、割り振り手段108は、全体差分値を親機100および子機200〜200を割り振る。ここで、ユーザ甲のコピージョブの全体差分値は「600」であり、当該「600」を親機100および子機200〜200に対して、割り振る。また、以下では、各親機100および子機200〜200に対して、割り振られた全体差分値を「差分値」という。つまり、各親機100および子機200〜200に対して割り振られた差分値を合計すると、全体差分値となる。
【0026】
ここで、割り振り手段108が、全体差分値を親機100および子機200〜200を割り振る理由について説明する。全体差分値を親機100および子機200〜200に割り振ることで、親機100および子機200〜200は自分自身が実行することが出来るジョブの処理量を把握できるからである。もし、全体差分値を親機100および子機200〜200に割り振らないと、親機100および子機200〜200は、自分自身が実行することが出来るジョブの処理量を把握できない。従って、例えば、子機200が、全体差分値を超えた所定のジョブの実行をしてしまい、結果として、ジョブの処理量が全体上限値を超える場合がある。
【0027】
ここで、割り振る手法については、様々な手法がある。例えば第1の手法として、親機100および子機200〜200に対して、全体差分値を均等に割り振ることが出来る。この場合には、割り振り手段108は、親機100および子機200〜200それぞれに対して、差分値「150(=600/4)」を割り振る。この第1の手法の場合には、単純に、全体差分値を、親機および子機の合計台数で割ればよいので、処理コストを削減することが出来る。
【0028】
また、第2の手法として、親機100および子機200〜200に対して割り振られる差分値を、ユーザが設定可能となるようにしてもよい。具体的には、ユーザが、ユーザ端末装置50から、親機100および子機200〜200それぞれに割り振られる差分値を設定する。そして、取得手段110が、当該設定された差分値を取得し、割り振り手段108が、当該取得された差分値を割り振る。この第2の手法の場合には、ユーザの意向を反映することが出来る。
【0029】
また、第3の手法として、親機100および子機200〜200の能力値を用いるようにしてもよい。図5に、親機100および子機200〜200の能力値の能力値テーブルの一例を示す。図5の例では、能力値として、単位時間(1秒)当たりのコピーできる枚数を示す。例えば、親機100は、1秒当たり、4枚印刷できる。
【0030】
そして、割り振り手段108は、全体差分値を、能力値の比に応じて割り振る。図5の例では、親機:子機200:子機200:子機200=4:3:2:5の割合で、全体差分値を分ける。このように、割り振り手段108は、能力値の比に応じて、全体差分値を親機100および子機200〜200に割り振ることで、各親機100および子機200〜200は、全体差分値を効率よく用いることが出来る。また、第4の手法もあるが、第4の手法については、実施形態3で説明する。
【0031】
また、割り振り先については、親機100は、予め、子機200〜200の識別情報s200〜s200を保持している。当該識別情報s200〜s200とは、例えば、子機200〜200それぞれのIPアドレスである。また割り振り手段108は、差分値を通信手段112経由で、割り振る(送信する)。
【0032】
図6に、第2の手法を用いて、全体差分値を割り振った場合の振分先などを示す。図6の例では、コピーの全体差分値について、親機100の割り振り手段108は、親機100に対して差分値「200」を割り振り、子機200に対して差分値「100」を割り振り、子機200に対して差分値「50」を割り振り、子機200に対して差分値「250」を割り振る。つまり、今回のコピージョブにおいて、親機100は、200枚までコピー可能であり、子機200は、100枚までコピー可能であり、子機200は、50枚までコピー可能であり、子機200は、250枚までコピー可能である。
【0033】
そして、割り振り手段108が、全体差分値を割り振ると、割り振り手段108は、所定のジョブを割り振る(ステップS8)。図6の例では、ユーザによりユーザ端末装置50から、400枚コピーするというコピージョブが入力されたとする。また、このように、所定のジョブについて、ユーザが画像形成システム1全体で処理させる値を「全体処理値」という。つまり、今回のコピージョブについての全体処理値(画像形システム1全体でコピーすべき枚数)については「400」となる。
【0034】
そして、図6の例では、割り振り手段108は、所定の方法を用いて、全体処理値(400)を、親機100、子機200、子機200、子機200に対して、処理値(親機100、子機200〜200それぞれでコピーすべき枚数)として150、60、30、160を割り振ったとする。このように、割り振られる処理値は、割り振られた差分値より小さいことが好ましい。そして、親機100、子機200〜200は、全体差分値を遵守しつつ、割り振られたジョブを実行する。
【0035】
そして、各子機200〜200それぞれは、自分自身の所定のジョブが終了すると、当該終了したことを示す終了情報を親機100に対して送信する。親機100の制御手段106は、親機100自身のコピージョブが終了したこと、および、各子機200〜200それぞれから、終了情報を受信すると、画像形成システム1全体のコピージョブが終了したと、判断する。判断手段が、コピージョブが終了したと判断すると(ステップS10のYes)、画像形成システム1全体のコピージョブは終了する。また、制御手段106は、画像形成システム1全体のコピージョブが終了するまで、待機する(ステップS10のNo)。
【0036】
この実施形態1の画像形成装置100(親機100)、および、画像形成システム1によれば、親機100が、全体差分値を、親機および全ての子機に割り振る。そして、親機および全ての子機は、全体差分値を遵守して、割り振られたジョブを実行することで、画像形成システム1において、全体上限値を超えないように、割り振られたジョブを実行することが出来る。従って、本実施形態1の画像形成装置100、画像形成システム1によれば、所定のジョブについての、ユーザごとに定められた上限値の管理を適切に行なうことができる。
【0037】
また、上述した特許文献1では、全体上限値などを所定のサーバに記憶させて用いていたが、この実施形態1の画像形成装置によれば、当該所定のサーバを設ける必要はなく、サーバレスな画像形成システムを構築することが出来る。
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置100、画像形成システム1について説明する。上記実施形態1では、親機、子機に割り振られる処理値は、割り振られた差分値より小さいことが好ましい、と説明した。しかし、処理値を割り振る手法においては、親機、子機に割り振られる処理値は、割り振られた差分値より大きくなることがある。実施形態2では、このような場合であっても、適切に、全体上限値を遵守した、ジョブの実行を提供するものである。図7に、実施形態2のコピー全体差分値、コピー全体処理値などについて示す。また、実施形態2の画像形成装置100の機能構成例のブロック図は図2と同様である。
【0038】
図7の例では、図6の例と比較して、図6では、子機200、200に割り振られたコピージョブは、それぞれ、30、160であるが、図7では、子機200、200に割り振られたコピージョブは、それぞれ、60、130である。そして、子機200の差分値は50であることから、子機200は、60枚全てをコピーすることが出来ない(50枚しかコピーすることが出来ない)。つまり、子機200は10枚印刷することが出来ない。
【0039】
このような場合には、今回のコピー処理において、子機200は、50枚コピー終了した時点で、差分値到達情報を、親機100に送信する。差分値到達情報とは、子機200が実行した実行値(50枚)が、割り振られた差分値(50枚)に到達したこと、および、未実行値(実行できなかった値であり、割り振られた処理値−差分値の値(10枚))が含まれた情報である。親機100の通信手段112は、当該差分値到達情報を受信すると、制御手段106は、子機200が10枚コピーできていない状態で、差分値に到達したことを認識する。
【0040】
また、親機100は、割り振った差分値、割り振った処理値については、認識していることから、余裕のある差分値を保持している親機100、他の子機200、200を認識している。そこで、制御手段106は、余裕のある差分値を保持している親機100、他の子機200、200のうち、少なくとも1つに対して差分値を要求する。そして、当該親機100、他の子機200、200から、余裕のある差分値(ここでは、10)を取得すると、割り振り手段108は当該取得した差分値を子機200に対して、割り振る。このようにすることで、子機200の差分値が増加し(50→60)、再び、子機200はコピージョブを実行することが出来る。
【0041】
この実施形態2によれば、所定のジョブについての実行値(上記の例は、子機200の「50」)が、割り振り手段108に割り振られた差分値(上記の例は、子機200の「50」)に到達した親機または子機が存在する場合がある(上記の例は、子機200)。この場合には、所定のジョブについての実行値が、割り振られた差分値に到達しない親機または子機のうち少なくとも1つ(上記の例では、親機100、子機200、200)の差分値を取得し、当該取得した差分値を、到達した親機または子機(上記の例は、子機200)に割り振る。従って、実行値が差分値に到達した親機または子機(この例では子機200)は引き続き、振り分けられたコピージョブを実行することが出来る。
【0042】
また、当該新たに割り振る差分値は、未実行値(差分値に到達したことで実行できなかった値(上記の例では「10」))であることが好ましい。
[実施形態3]
次に実施形態3について説明する。実施形態3の画像形成装置(親機100−3)について説明する。図4中のステップS10で入力されたジョブが終了すると、親機100、子機200〜200についての実行値が増加し、差分値が減少する。従って、次に、入力される所定のジョブの実行に備えて、全体差分値に対して、当該減少した差分値を反映すべきである(全体差分値を更新すべきである)。
【0043】
図8に、実施形態3の親機100−3の処理フローを示し、図9に実施形態3の親機100−3の機能構成例のブロック図を示す。図9の親機100−3と、図2の親機100と比較すると、更新手段114が追加されている点で異なる。図10に、図4中のステップS10記載のコピージョブが終了した後の状態を示す。なお、図10では図面簡略化のために、ユーザ端末装置50の記載を省略する。
【0044】
図10に示すように、親機100、各子機200〜200のそれぞれは、各子機200〜200自身が実行した(実行終了した)実行値と、当該実行終了したことにより減少した差分値を記憶している。図10では、例えば、親機100では実行値150であり、差分値は50(=200(今回、割り振られた差分値)−50(今回、コピージョブを実行した実行値))である。
【0045】
そして、図8に示すように、制御手段106は、親機100、各子機200〜200の全てにおいて、振り分けられたコピージョブが終了すると(ステップS10のYes)、制御手段106は、更新タイミングに至ったか否かを判断する(ステップS11)。ここで、更新タイミングとは、後述するステップS12、S14で全体差分値を更新すべきである。更新タイミングとは、例えば、所定時刻(例えば、深夜滞の所定時刻)に至った時や、管理者が親機100の更新ボタン(図示せず)を押下する時などである。
【0046】
制御手段106は、更新タイミングに至るまで、待機する(ステップS11のNo)。そして、制御手段106は、更新タイミングに至ると(ステップS11のYes)、次のステップS12に移行する。
【0047】
取得手段110は、各子機200〜200から差分値を要求する。ここで、当該差分値はジョブの実行が終了した後に、減少された差分値である。具体的には、取得手段110は、通信手段112経由で、差分値を要求するための要求情報を各子機200〜200に対して送信する。各子機200〜200は、要求情報を受信すると、親機100に対して、差分値を送信する。そして、取得手段110は、親機100、各子機200〜200からの差分値を取得する(ステップS12)。図10の例では、取得手段110は、子機200からは差分値40を取得し、子機200からは差分値20を取得し、子機200からは差分値90を取得する。また、親機100の差分値については、記憶手段102に記憶されていることから、取得手段110は、記憶手段102から差分値50を取得する。
【0048】
そして、更新手段114は、取得した差分値を全体差分値に更新する(ステップS14)。更新手段114の具体的な処理内容として、取得手段110が、ステップS12で取得した親機100、子機200〜200からの差分値を全て合計し、当該合計された値を全体差分値とする。
【0049】
図10の例では、親機100、子機200〜200からの差分値50、40、20、90を合計すると、200となる。そして、更新手段114は、当該合計値200を現在の全体差分値として更新する。図11に、更新後の権限情報などの一例を示す。図11に示すように、図3記載の権限情報と比較して、コピージョブを実行する前では、ユーザ甲のコピージョブについて、全体差分値が「600」であり、全体実行値が「400」であったが、当該コピージョブが終了することで、更新手段114により、全体実行値が「400」→「800」となり、全体差分値が「600」→「200」に更新された。この更新は、ユーザにより依頼された全体処理値が「400」であり、画像形成システム1全体で実行された値も「400」であることにも由来する。
【0050】
この実施形態3によれば、親機100の取得手段110は、子機200〜200がコピージョブを実行した後の差分値(=「割り振られた差分値」−「今回のコピージョブでの実行値」)を、当該子機200〜200から取得する。そして、更新手段114は、当該子機200〜200から取得した差分値(3つの差分値)を全体差分値に反映する。従って、親機、子機が所定のジョブを実行したことに追従して、ユーザについての全体差分値を更新することができる。また、当該更新は、更新タイミング(ステップS11参照)に至ると行なわれる。従って、更新回数を少なくすることが出来、更新コストを削減することが出来る。
【0051】
また、割り振り手段108による割り振り処理の第4の手法について説明する。第4の手法では、過去に、取得手段110が親機100、子機200〜200から取得した差分値に応じて、上限値を割り振る。取得手段110が取得した差分値が小さいということは、当該小さい差分値を出力した親機または子機は、能力値が高い(処理速度が速い)といえる。また、取得手段110が取得した差分値が大きいということは、当該大きい差分値を出力した親機または子機は、能力値が低い(処理速度が遅い)といえる。
【0052】
そこで、親機100は、当該親機100または子機200〜200から、過去に取得した差分値の逆数の比に応じて、割り振る上限値を定めることが出来る。
[実施形態4]
次に、実施形態4の画像形成装置(親機100−4)について説明する。画像形成システムにおいて、親機100が故障したり、親機100に接続されているネットワーク30が断線して、親機との通信が故障する場合(以下では、親機が異常になる、という。)がある。親機が異常になった場合には、当該親機は権限情報やユーザ識別情報の管理(図3で説明)を行なうことが出来なくなる。そこで、本実施形態4では代理機を用いる。代理機とは、1以上の子機のうちの何れか1つであり、親機が異常になった場合に、当該親機の処理(例えば、権限情報の管理や、全体差分値の割り振りなど)を代理する代理機を用いる。代理機は、1以上の子機のうちの1つであり、代理機は予め管理者により定められる。従って、親機が異常になった場合であっても、適切に、全体上限値などの保持や、親機の処理を担保することが出来る。
【0053】
図12〜図16に、本実施形態の画像形成システム2などについて示す。また、図3に示す権限情報やユーザ識別情報(少なくとも権限情報)については、親機と代理機の両者が保持する。また、親機、子機(代理機も含む)の機能構成例は、図2や図9に示すものとなる。
【0054】
図12〜図16のAでは、4台の画像形成装置により画像形成システムが構成されているとし、図面簡略化のために、4台の画像形成装置を機器11〜14として示す。また、図中の「○」は異常ではない(正常である)ことを示し、「×」は、異常であることを示す。また、太線で囲っている機器は親機であることを示す。
【0055】
図12〜図16のBは、連携テーブルの一例である。連携テーブルは、全ての機器11〜14が保持しているものであり、各機器11〜14と、当該各機器の状態とを対応付けているものである。状態とは、親機であるか、代理機であるか、子機であるか、異常であるかを示すものである。
【0056】
そして、実施形態4の画像形成システム2では、動的に、親機、代理機が変更される。親機、代理機の変更順序については、予め管理者などが定めるようにしておけばよい。図12Aでは、全ての機器11〜14において、正常となっている。そして、図12Bの連携テーブルから明らかなように、機器11が親機であり、機器12が代理機、機器13、14が子機となっている。また、親機である機器11、代理機である機器12が権限情報(およびユーザ識別情報)を保持している。
【0057】
そして、図13Aに示すように、親機である機器11が異常になったとする。そうすると、代理機である機器12が親機となる。そして、機器13が代理機となる。このように、親機(機器11)が異常になった場合には、代理機であった機器12が親機になるのであるが、この機器12が保持している権限情報を代理機になる機器13に送信する。従って、図13の状態では、機器12(親機)と機器13(代理機)とが、権限情報を保持していることになる。また、図13Bに示すように、連携テーブルも更新される。
【0058】
次に、図14Aに示すように、機器12も異常になったとする。この場合には、代理機であった機器13が親機となり、機器14が代理機となる。また、機器13は保持しいていた権限情報を機器14に送信する。
【0059】
そして、図15Aに示すように、機器11が、復旧して、異常から正常に戻ったとする。この場合には、親機、代理機はそれぞれ機器13、14のままで、機器11が、子機となる。
【0060】
そして図16Aに示すように、代理機である機器14が異常になったとする。この場合には、機器11が代理機となる。また、親機である機器13が保持している権限情報を機器11に送信する。
【0061】
次に、図17に、本実施形態4の親機、子機の処理フローを示す。以下では、図12に示す場合であるとし、つまり、機器11を親機11とし、機器12〜14を子機12〜14とし、子機12は代理機12でもあるとする。
【0062】
ステップS2の認証処理が成功すると、親機11は、他の子機12〜14に対して、当該認証成功したことを通知する。そして、子機12〜14の制御手段106は、親機11が異常であるか否かを判断する(ステップS24)。このステップS24の判断処理について後述の図18で説明する。子機12〜14の少なくとも1つの制御手段106が、親機11が異常であると判断すると(ステップS24のYes)、子機13、14は、親機11が異常である旨を代理機12に通知する(ステップS26)。また、代理機12は自分自身で、親機11が異常であると判断する。そうすると、図12→図13になったように、代理機12が親機12となる。また、子機12〜14が保持する連携テーブルも更新される。
【0063】
そして子機13、14のうち少なくとも1つの制御手段106(図2など参照)は、親機12に対して送信していない差分値が存在するか否かを判断する(ステップS28)。子機13、14のうち少なくとも1つの制御手段106が、親機に対して送信していない差分値があると判断すると(ステップS28のYes)、当該送信されていない差分値を保持している子機は、当該送信されていない差分値を親機12に対して送信する(ステップS29)。
【0064】
そして、親機12は、ステップS14において、全体差分値の更新を行なう。図8では、更新タイミングになった場合に(ステップS11のYes)、ステップS14で全体差分値を更新した。更新タイミングの他の例として、図17に示すように、親機11の異常が検知されたタイミング(更には、ステップS28とステップS29の処理終了後)としてもよい。
【0065】
そして、親機12は、ステップS14の処理の後、全体差分値を子機13、14に割り振る(ステップS6)。なお、親機11は異常であることから、親機11には、全体差分値は振り分けられない。そして、親機12は、ユーザから入力されたジョブ(上述の説明では、コピージョブ)を、親機12、子機13、14に割り振る(ステップS8)。そして、親機12の制御手段106は、ステップS10の処理を行なう。
【0066】
また、子機12、13、14の制御手段106が、親機11が異常でないと判断すると(ステップS24のNo)、親機を変更することなく、親機11が、ステップS4、S14、S6、S8、S10の処理を行ない、子機12、13、14の処理は終了する。また、子機13、14の全ての制御手段106が、親機に対して送信していない差分値がないと判断すると(ステップS28のNo)、処理を終了させる。
【0067】
次に、図18に、ステップS24の処理の詳細を示す。子機12〜14は、親機11の状態を監視する。監視手法の一例として、子機12〜14は親機11に対して、親機11が正常か否かを判断するための確認情報を送信する。もし、親機11が正常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を、子機12〜14それぞれに対して送信する。また、親機11が異常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を、子機12〜14それぞれに対して送信することが出来ない。つまり、子機12〜14は、親機11から応答情報を受信していない場合には、親機が異常であると認識する。
【0068】
各子機12〜14それぞれの制御手段106は、親機11が異常であるか否かを判断する(ステップS244)。当該判断の手法は、親機11から応答情報が返信されたら親機11は正常であり、親機11から応答情報が返信されなかったら親機11は異常であると判断する。
【0069】
各子機12〜14それぞれの制御手段106は、親機11が正常であると判断すると(ステップS244のNo)、ステップS242の処理に戻る。また、各子機12〜14それぞれが、親機11が異常であると判断すると(ステップS244のYes)、各子機12〜14それぞれは、他の子機に対して親機の変更可否を確認する(ステップS246)。そして、全ての子機12〜14それぞれの制御手段106は、親機変更可能か否かを判断する(ステップS248)。当該判断は、他の子機から親機の変更可能である旨の情報を受信したら、親機変更可能であると判断する。
【0070】
親機変更可能である判断されたら(ステップS248のYes)、ステップS26に移行する。また、親機変更不可能であると判断されたら(ステップS248のNo)、ステップS246に戻り、全ての子機から確認とれるまで待機する。また、ステップS26において、代理機に親機を変更する旨を通知する際には、図12〜図16で説明したように、子機を代理機に指定し、連携テーブルを更新させる。
【0071】
この実施形態4の画像形成装置によれば、親機が異常になった場合でも、代理機が親機の処理を代理することから、権限情報の整合をとることができ、適切にユーザごとに定められた権限情報を遵守することが出来る。また、親機、子機それぞれに上限値、差分値が割り振られている。従って、例えば、子機13に接続されているネットワークが断線され、子機13がスタンドアローンの状態になった場合であり、かつ、ユーザが子機13に対して、処理を実行させようとしている場合でも、子機13は、割り振られた差分値を遵守して、ユーザに入力されたジョブを実行することが出来る。
[その他の実施形態]
次にその他の実施形態について説明する。図19に、親機11による子機12〜14の状態を監視する処理フローを示す。図19の処理フローは、親機11により一定時間ごとに行なわれる。親機11は、子機12〜14の状態を監視する。監視手法の一例として、親機11は子機12〜14に対して、子機12〜14が正常か否かを判断するための確認情報を送信する。もし、子機12〜14が正常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を、親機11に対して送信する。また、子機12〜14が異常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を、親機11に対して送信することが出来ない。
【0072】
そして、親機11の制御手段106は、代理機である子機12が異常であると判断した場合には(ステップS304のYes)、ステップS306に移行する。ステップS306では、親機11は、他の子機13または14を代理機に指定し、親機11は、親機11および子機13、14が保持する連携テーブルを更新する(ステップS306)。
【0073】
また、子機12(代理機)以外の子機13、14が異常であると判断した場合には(ステップS308のYes)、親機11と、子機12と、子機13または子機14のうち異常でない方が保持する連携テーブルを更新する(ステップS310)また、代理機12、子機13、14のうち何れも異常でない場合には、ステップS302に戻る。
【0074】
また、上記の説明では、情報処理装置が権限情報を保持する例について説明したが、その他の実施形態の画像形成システムとして、権限情報やユーザ識別情報を保持するだけのサーバやPCを具備させるようにしてもよい。
【0075】
また、親機や子機の異常の検知の手法例を、図17や図18に示したが、他の手法を用いても良い。例えば、管理者が所定期間ごと(例えば、月1回)にまとめて親機、子機から差分値が収集されているか否かを判断する。そして、親機、子機のうち、差分値を送信していないものがあれば、当該送信していないものが異常であると判断しても良い。
【0076】
また、上述した親機、代理機、子機の処理をコンピュータに行なわせるプログラムを記憶媒体に格納してもよい。この記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータにインストールさせ当該コンピュータに、実施形態1〜4で説明した親機、代理機、子機の処理を行なわせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
50 ユーザ端末装置
100 親画像形成装置
102 記憶手段
104 認証手段
106 制御手段
108 割り振り手段
110 取得手段
112 通信手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2008−186101号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子情報処理装置と連携して所定のジョブを実行する情報処理装置において、
前記所定のジョブについての全体上限値と、現在までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、
前記子情報処理装置と連携して、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記情報処理装置と前記子情報処理装置とに割り振る割り振り手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
親情報処理装置と連携して所定のジョブを実行する情報処理装置において、
前記所定のジョブについての全体上限値と、現時点までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、
前記親情報処理装置が異常になった場合、かつ、子情報処理装置と連携して、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記情報処理装置と前記子情報処理装置とに割り振る割り振り手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記割り振り手段は、前記所定のジョブについての実行値が、前記割り振り手段に割り振られた差分値に到達した前記情報処理装置または前記子情報処理装置が存在する場合には、前記所定のジョブについての実行値が、前記割り振り手段に割り振られた差分値に到達しない前記情報処理装置または前記子情報処理装置の差分値を、前記到達した前記情報処理装置または前記子情報処理装置に割り振ることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記子情報処理装置が前記所定のジョブを実行した後の差分値を、当該子情報処理装置から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された差分値を前記全体差分値に更新する更新手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記割り振り手段は、前記取得手段から取得した前記子情報処理装置からの差分値、および、前記情報処理装置についての差分値と、に基づいて、前記全体差分値を割り振ることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記割り振り手段は、前記情報処理装置の能力値、および、前記子情報処理装置の能力値に基づいて、前記全体差分値を割り振ることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の情報処理装置を含み、当該複数の情報処理装置で連携して、所定のジョブを実行する情報処理システムにおいて、
前記複数の情報処理装置には、親情報処理装置と、当該親情報処理装置が異常になった場合に当該親情報処理装置の処理を代理する代理情報処理装置とが含まれ、
前記親情報処理装置および前記代理情報処理装置は、前記所定のジョブについての全体上限値と、現在までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、
前記親情報処理装置は、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記複数の情報処理装置に割り振る割り振り手段を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
前記親情報処理装置は、前記複数の情報処理装置が実行した後の差分値を、当該複数の情報処理装置それぞれから取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記複数の差分値を前記全体差分値に更新する更新手段と、を有することを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータを、
子情報処理装置と連携して所定のジョブを実行させる情報処理プログラムにおいて、
前記所定のジョブについての全体上限値と、現在までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、
前記子情報処理装置と連携して、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記情報処理装置と前記子情報処理装置とに割り振る割り振り手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
親情報処理装置と連携して所定のジョブを実行させる情報処理プログラムにおいて、
前記所定のジョブについての全体上限値と、現時点までに実行された前記所定のジョブについての全体実行値との全体差分値を記憶する記憶手段と、
前記親情報処理装置が異常になった場合、かつ、子情報処理装置と連携して、前記所定のジョブを実行する場合には、前記全体差分値を、前記情報処理装置と前記子情報処理装置とに割り振る割り振り手段として機能させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−54482(P2013−54482A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191287(P2011−191287)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】