説明

情報処理装置、情報処理システムおよび振分方法

【課題】自動取引装置内の媒体不足や媒体過多を容易に抑制可能とする。
【解決手段】取引管理部1aは、自動取引装置3,3a,3bそれぞれで予約されている取引の予約数を管理する。媒体管理部1bは、自動取引装置3,3a,3bそれぞれが保持する媒体の数量に応じた、媒体に関する取引の種別ごとの、自動取引装置3,3a,3bそれぞれの優先度を管理する。制御部1cは、媒体に関する取引の種別が入力されると、取引管理部1aが管理する予約数と媒体管理部1bが管理する優先度とに基づいて、入力された取引の振分先とする自動取引装置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は自動取引装置の処理を管理する情報処理装置、情報処理システムおよび振分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の店舗、小売店および公共施設などに媒体(紙幣や貨幣)の自動取引を行う自動取引装置(ATM:Automated Teller Machine)が設置されている。例えば、金融機関の店舗では、顧客は、ATMの前に順番に並び、ATMが空くと該ATMで所望の取引を行う。このとき、ATMの数に対して、顧客の数が多いと、順番が後方の顧客ほど取引開始までの時間が長くなることがあり、顧客の待ち時間が増えるおそれがある。そこで、順番待ちする顧客の利便性向上を図ることが考えられている。
【0003】
例えば、最初に事前入力台に取引の内容を顧客に入力させ、該取引が可能なATMを選択・表示する提案がある(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、このようなシステムにおいて、利用者の希望する取引に適したATMを選択するときに、ATM内の媒体の残量が不十分であるか否かを判断する提案がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
なお、ATMで媒体の不足が発生すると、該ATMが、受付中の取引を実行可能な他のATMを特定し、他のATMへ顧客を誘導する提案もある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−51955号公報
【特許文献2】特開2001−250145号公報
【特許文献3】特開平11−25352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、顧客をATMに対して均等に振り分けるとすると、あるATMに所定の取引が偏ることがある。例えば、出金の取引を行う頻度が高いATMでは、ATM内の媒体不足が生じ易い。媒体不足が発生すると、媒体の補充に伴う作業コストがかかる。一方、入金の取引を行う頻度が高いATMでは、ATM内の媒体過多が生じ易い。媒体過多が発生すると、媒体の回収に伴う作業コストがかかる。
【0007】
そこで、各ATM内の媒体の不足/過多を未然に抑制しながら取引を振り分ける仕組みを、どのように容易に実現するかが問題となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、自動取引装置内の媒体不足や媒体過多を容易に抑制できるようにした情報処理装置、情報処理システムおよび振分方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
取引管理部と媒体管理部と制御部とを有する情報処理装置が提供される。取引管理部は、複数の自動取引装置それぞれで予約されている取引の予約数を管理する。媒体管理部は、複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量に応じた、媒体に関する取引の種別ごとの、複数の自動取引装置それぞれの優先度を管理する。制御部は、媒体に関する取引の種別が入力されると、取引管理部が管理する予約数と媒体管理部が管理する優先度とに基づいて、入力された取引の振分先とする自動取引装置を決定する。
【0009】
また、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とを有する情報処理システムが提供される。第1の情報処理装置は、入力部と送信部とを備える。入力部は、利用者による、媒体に関する取引の種別の入力操作を受け付ける。送信部は、入力部が受け付けた媒体に関する取引の種別を送信する。第2の情報処理装置は、取引管理部と媒体管理部と制御部とを有する。取引管理部は、複数の自動取引装置それぞれで予約されている取引の予約数を管理する。媒体管理部は、複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量に応じた、取引の種別ごとの優先度を管理する。制御部は、送信部が送信した媒体に関する取引の種別を受信すると、取引管理部が管理する予約数と媒体管理部が管理する優先度とに基づいて、受信した取引の振分先とする自動取引装置を決定する。
【0010】
また、情報処理装置が実行する振分方法が提供される。この振分方法では、媒体に関する取引の種別が入力されると、複数の自動取引装置それぞれで予約されている取引の予約数と、複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量に応じた、取引の種別ごとの優先度と、に基づいて、入力された取引の振分先とする自動取引装置を決定する。
【発明の効果】
【0011】
自動取引装置内の媒体不足や媒体過多を容易に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態の情報処理システムを示す図である。
【図2】第2の実施の形態の自動取引システムを示す図である。
【図3】引換券の例を示す図である。
【図4】自動取引システムの利用例を示す図である。
【図5】サーバ装置のハードウェア例を示す図である。
【図6】ATMのハードウェア例を示す図である。
【図7】サーバ装置の機能を示すブロック図である。
【図8】キューの例を示す図である。
【図9】ATM管理テーブルの例を示す図である。
【図10】予約済取引管理テーブルの例を示す図である。
【図11】発券端末装置が送信する電文の例を示す図である。
【図12】発券処理を示すシーケンス図である。
【図13】引換券を用いた取引処理を示すシーケンス図である。
【図14】キュー振分制御を示すフローチャートである。
【図15】現金出金時のキュー振分制御の具体例を示す図である。
【図16】現金入金時のキュー振分制御の具体例を示す図である。
【図17】発券処理の第1の画面例を示す図である。
【図18】発券処理の第2の画面例を示す図である。
【図19】引換券を用いた取引処理の第1の画面例を示す図である。
【図20】引換券を用いた取引処理の第2の画面例を示す図である。
【図21】第3の実施の形態の平均取引間隔テーブルの例を示す図である。
【図22】通常時の取引処理を示すシーケンス図である。
【図23】運用切替制御を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理システムを示す図である。この情報処理システムは、情報処理装置1,2および自動取引装置3,3a,3bを含む。情報処理装置1,2および自動取引装置3,3a,3bは、ネットワークを介して接続され、相互に通信可能である。
【0014】
情報処理装置2は、利用者による操作入力を受け付け、入力内容を情報処理装置1に送信する。該入力内容には、自動取引装置3,3a,3bで行う取引の種別を示す情報が含まれる。自動取引装置3,3a,3bは、媒体(紙幣や貨幣)に関する取引を行うATMである。ここで、媒体に関する取引の種別(取引種別ということもある)とは、自動取引装置3,3a,3bへの媒体の投入を伴う取引(入金)や、自動取引装置3,3a,3bからの媒体の取出を伴う取引(出金)を示す。なお、自動取引装置3には識別情報“#1”が付与されている。自動取引装置3aには識別情報“#2”が付与されている。自動取引装置3bには識別情報“#3”が付与されている。
【0015】
情報処理装置1は、情報処理装置2から受信した取引の種別に基づいて、該取引の振分先の自動取引装置を決定する。情報処理装置1は、取引管理部1a、媒体管理部1bおよび制御部1cを有する。
【0016】
取引管理部1aは、自動取引装置3,3a,3bそれぞれで予約されている取引の予約数を管理する。予約されている取引とは、該自動取引装置に振り分けられた取引であり、これから実行が予定されている取引のことである。例えば、自動取引装置3の予約数が“2”、自動取引装置3aの予約数が“3”、自動取引装置3bの予約数が“4”というように管理する。取引管理部1aは、制御部1cから取引の振分結果を取得することで自動取引装置3,3a,3bの予約数を管理してもよいし、自動取引装置3,3a,3bに現在の予約数を問い合わせることで自動取引装置3,3a,3bの予約数を管理してもよい。
【0017】
媒体管理部1bは、媒体に関する取引の種別ごとの、自動取引装置3,3a,3bそれぞれの優先度を管理する。例えば、優先度の数値が小さいほど、優先度が高いとしたとき、“入金”という取引の種別に対して、自動取引装置3の優先度を“1”、自動取引装置3aの優先度を“2”、自動取引装置3bの優先度を“3”というように管理する。媒体管理部1bは、自動取引装置3,3a,3bの優先度を、自動取引装置3,3a,3bが保持する媒体の数量に応じて決定する。例えば、保持する媒体の数量が少ない自動取引装置ほど、入金の優先度を高くし、出金の優先度を低くすることが考えられる。また、例えば、保持する媒体の数量が多い自動取引装置ほど、入金の優先度を低くし、出金の優先度を高くすることが考えられる。例えば、媒体管理部1bは、自動取引装置3,3a,3bが保持する媒体の数量を自動取引装置3,3a,3bに問い合わせることで、自動取引装置3,3a,3bの優先度を管理する。
【0018】
制御部1cは、媒体に関する取引の種別が入力されると、取引管理部1aが管理する予約数と媒体管理部1bが管理する優先度とに基づいて、入力された取引の処理の振分先とする自動取引装置を決定する。取引の種別は、取引に関する情報とともに制御部1cに入力される。例えば、情報処理装置2から取引の種別“入金”が入力されたとする。すると、制御部1cは、予約数が最小(“2”)で、かつ、入金の取引の優先度が最高(“1”)の自動取引装置3を振分先に決定する。また、例えば、情報処理装置2から取引の種別“出金”が入力されたとする。すると、制御部1cは、予約数と出金の優先度とのバランスを考慮して、入金の取引の優先度が“3”で、かつ、出金の取引の優先度が“2”の自動取引装置3aを振分先に決定する。
【0019】
情報処理装置1によれば、取引管理部1aにより、自動取引装置3,3a,3bそれぞれで予約されている取引の予約数が管理される。媒体管理部1bにより、自動取引装置3,3a,3bそれぞれが保持する媒体の数量に応じた、媒体に関する取引の種別ごとの、自動取引装置3,3a,3bそれぞれの優先度が管理される。媒体に関する取引の種別が入力されると、制御部1cにより、取引管理部1aが管理する予約数と媒体管理部1bが管理する優先度とに基づいて、入力された取引の処理の振分先とする自動取引装置が決定される。
【0020】
これにより、自動取引装置3,3a,3b内の媒体不足や媒体過多を容易に抑制できる。具体的には、情報処理装置1は、自動取引装置3,3a,3bの取引の予約数と自動取引装置3,3a,3bが保持する媒体数に基づく優先度との両方を考慮して、取引の振分先を決定する。特に、自動取引装置3,3a,3bの優先度は、取引の種別ごとに決定される。例えば、上述のように媒体数が少ないほど入金の優先度を上げ、出金の優先度を下げる。他方、媒体数が多いほど入金の優先度を下げ、出金の優先度を上げる。
【0021】
このように、予約数と媒体数による優先度との両方を考慮して振分先を決定すれば、自動取引装置3,3a,3bへの取引の振分の平準化と、自動取引装置3,3a,3bが保持する媒体数の平準化と、の両方をバランスよく実現できる。その結果、顧客の待ち時間を軽減しながら、自動取引装置3,3a,3bでの媒体不足や媒体過多を未然に抑制できる。
【0022】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の自動取引システムを示す図である。この自動取引システムは、金融機関の店舗に設けられる。この自動取引システムは、サーバ装置100、発券端末装置200,200a,200b,・・・,ATM300,300a,300b,・・・、ホスト装置400および運用切替端末装置500を含む。
【0023】
サーバ装置100は、ATM300,300a,300b,・・・に顧客の取引を振り分ける情報処理装置である。サーバ装置100は、ルータ装置10に接続されている。ルータ装置10は、ネットワーク20,30,40間の通信を中継する。サーバ装置100は、ルータ装置10およびネットワーク20,30,40を介して、発券端末装置200,200a,200b,・・・、ATM300,300a,300b,・・・およびホスト装置400と通信する。また、サーバ装置100には、運用切替端末装置500が接続されている。
【0024】
発券端末装置200,200a,200b,・・・は、取引の引換券を発行する情報処理装置である。発券端末装置200,200a,200b,・・・は、ネットワーク20に接続されている。発券端末装置200は、発券装置210を有する。発券装置210は、引換券C1を発行する。発券端末装置200a,200b,・・・も同様に発券装置を有する。発券端末装置200,200a,200b,・・・は、顧客が所望する取引内容の入力を受け付けると、該発券装置に引換券を発行させる。この自動取引システムでは、ATM300,300a,300b,・・・が混雑してくると、引換券による運用を行う。引換券による運用については、後述する。
【0025】
ATM300,300a,300b,・・・は、紙幣による取引を行うための自動取引装置である。ATM300,300a,300b,・・・は、ネットワーク30に接続されている。
【0026】
ホスト装置400は、ATM300,300a,300b,・・・での紙幣による取引を管理する情報処理装置である。ホスト装置400は、ネットワーク40に接続されている。ホスト装置400は、顧客の口座情報を管理する。口座情報には、例えば、顧客の口座番号、暗証番号、預金金額および取引履歴などの情報が含まれる。
【0027】
運用切替端末装置500は、サーバ装置100に対して、ATM300,300a,300b,・・・の運用方法の切替を指示する情報処理装置である。例えば、自動取引システムの管理者は、ATM300,300a,300b,・・・に並ぶ顧客の数が増えて混雑してくると、運用切替端末装置500を操作して、サーバ装置100に引換券による運用を開始させる。
【0028】
図3は、引換券の例を示す図である。引換券C1には、引換券番号、お取引番号、受付日および受付時間が印字されている。引換券番号は、引換券を識別するための番号である。お取引番号は、該引換券を発行する際に予約された取引内容を示す番号である。受付日は、取引の予約を行った日付である。受付時間は、取引の予約を行った時間である。
【0029】
例えば、引換券C1には、“引換券番号:0001”、“お取引番号:1111−1111”、“受付日:7月1日”、“受付時間:12時00分”という情報が印字される。
なお、引換券C1を発券する際に、複数の取引の予約が行われている場合には、引換券C1に複数の取引番号を印字する。例えば、引換券番号は、取引予約の受け付け順に付与される。
【0030】
次に、引換券による運用の例を説明する。
図4は、自動取引システムの利用例を示す図である。金融機関の店舗には、ブース50,70、ロビー60およびレーン80,90が設けられている。
【0031】
ブース50は、発券端末装置200,200a,200b,・・・を設置したエリアである。ロビー60は、引換券を受け取った顧客が、ATM300,300a,300b,・・・による取引を開始するまでの間、待機するエリアである。
【0032】
ブース70は、ATM300,300a,300b,・・・を設置したエリアである。なお、図4では、ATM300,300a,300bに加え、ATM300c,300d,300e,300fも図示されている。ここで、ブース70は、更にボックス71,72,73,74,75,76,77,・・・に分割されている。ボックス71,72,73,74,75,76,77,・・・それぞれに、ATM300,300a,300b,300c,300d,300e,300f,・・・が設置されている。
【0033】
ここで、引換券による運用中、ボックス71,72,73,74,75が該引換券による取引を行うためのボックスであるとする。それ以外のボックス76,77,・・・では通常の取引を継続する。引換券による運用を開始する際に、何個のボックス(ATM)で引換券による取引を行うようにするかは、サーバ装置100に予め設定される。あるいは、運用切替端末装置500からサーバ装置100に指示してもよい。
【0034】
レーン80は、引換券を用いた取引を行う顧客が発券端末装置200,200a,200b,・・・を利用するまでの間に並ぶエリアである。レーン90は、引換券を用いない、通常の取引を行う顧客が、ATM300e,300f,・・・を利用するまでの間に並ぶエリアである。
【0035】
レーン80に並ぶ顧客U1が引換券を用いた取引を行う手順の例を説明する。まず、顧客U1は、発券端末装置200が空くと、発券端末装置200の前へ移動し、発券端末装置200に所望の取引内容を入力する(ステップS1)。ここで、取引内容には、取引の種別や取引する金額などの情報が含まれる。顧客U1は、発券端末装置200から引換券C1(取引番号が印字される)を取得すると、ロビー60へ移動して待機する(ステップS2)。ATM300aは、顧客U1が所望する取引につき、顧客U1の順番になると、引換券C1の取引番号を報知して、顧客U1を呼び出す。顧客U1は、該呼び出しに応じて、ATM300aの前に移動し、所望の取引を開始する(ステップS3)。
【0036】
次に、レーン90に並ぶ顧客U2が取引を行う手順(通常の取引)の例を説明する。ATM300eは、前の顧客の取引が完了して、次の取引を受付可能になると、その旨を報知してレーン90の先頭の顧客を呼び出す。レーン90の先頭に並んでいる顧客U2は、該呼び出しに応じて、ATM300eの前に移動し、所望の取引を開始する。
【0037】
このように、この自動取引システムでは、混雑時に、ボックス71,72,73,74,75で引換券による運用を行うことで、顧客の順番待ちの負担を軽減する。
図5は、サーバ装置のハードウェア例を示す図である。サーバ装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、グラフィックインタフェース105、入力インタフェース106、ディスクドライブ107および通信インタフェース108,109を有する。
【0038】
CPU101は、OS(Operating System)やアプリケーションのプログラムを実行して、サーバ装置100全体を制御する。
ROM102は、サーバ装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)プログラムなどの所定のプログラムを記憶する。ROM102は、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0039】
RAM103は、CPU101が実行するOSやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM103は、CPU101の処理に用いられるデータの少なくとも一部を一時的に記憶する。
【0040】
HDD104は、OSやアプリケーションのプログラムを記憶する。また、HDD104は、CPU101の処理に用いられるデータを記憶する。なお、HDD104に代えて(または、HDD104と併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の不揮発性の記憶装置を用いてもよい。
【0041】
グラフィックインタフェース105は、モニタ11に接続される。グラフィックインタフェース105は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11に表示させる。
入力インタフェース106は、キーボード12やマウス13などの入力デバイスに接続される。入力インタフェース106は、入力デバイスから送られる入力信号をCPU101に出力する。
【0042】
ディスクドライブ107は、記録媒体14に格納されたデータを読み取る読取装置である。記録媒体14には、例えば、サーバ装置100に実行させるプログラムが記録されている。サーバ装置100は、例えば、記録媒体14に記録されたプログラムを実行することで、後述するような機能を実現できる。すなわち、当該プログラムはコンピュータ読み取り可能な記録媒体14に記録して配布可能である。
【0043】
記録媒体14としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリを使用できる。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW/RAMなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。半導体メモリには、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのフラッシュメモリがある。
【0044】
通信インタフェース108は、ルータ装置10に接続される。通信インタフェース108は、ルータ装置10およびネットワーク20,30,40を介して、発券端末装置200,200a,200b,・・・、ATM300,300a,300b,・・・およびホスト装置400とデータ通信を行える。通信インタフェース109は、運用切替端末装置500に接続され、運用切替端末装置500とデータ通信を行う。
【0045】
なお、発券端末装置200,200a,200b,・・・、ホスト装置400および運用切替端末装置500もサーバ装置100と同様のハードウェア構成により実現できる。発券端末装置200,200a,200b,・・・は、該ハードウェア構成に加えて、顧客が所持するカードを読み取るためのカード読取装置や引換券を発行する発券装置を備えている。
【0046】
図6は、ATMのハードウェア例を示す図である。ATM300は、CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、ユニットインタフェース305、通帳ユニット305a、カードユニット305b、紙幣ユニット305c、硬貨ユニット305d、グラフィックインタフェース306、ディスプレイ306a、入力インタフェース307、キーパッド307a、タッチパネル307b、出力インタフェース308および通信インタフェース309を有する。
【0047】
CPU301は、OSやアプリケーションのプログラムを実行して、ATM300全体を制御する。
ROM302は、ATM300の起動時に実行されるBIOSプログラムなどの所定のプログラムを記憶する。ROM302は、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0048】
RAM303は、CPU301が実行するOSやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM303は、CPU301の処理に用いられるデータの少なくとも一部を一時的に記憶する。
【0049】
HDD304は、OSやアプリケーションのプログラムを記憶する。また、HDD304は、CPU301の処理に用いられるデータを記憶する。なお、HDD304に代えて(または、HDD304と併せて)、SSDなど他の種類の不揮発性の記憶装置を用いてもよい。
【0050】
ユニットインタフェース305は、通帳ユニット305a、カードユニット305b、紙幣ユニット305cおよび硬貨ユニット305dに接続される。ユニットインタフェース305は、CPU301からの命令に従って、通帳ユニット305a、カードユニット305b、紙幣ユニット305cおよび硬貨ユニット305dを制御する。
【0051】
通帳ユニット305aは、通帳の受付や排出を行い、受け付けた通帳の磁気ストライプに格納された情報を読み取ったり、該通帳に記帳したりするための装置である。
カードユニット305bは、キャッシュカードの受付や排出を行い、受け付けたキャッシュカードの磁気ストライプやIC(Integrated Circuit)に格納された情報を読み取ったり、情報を書き込んだりするための装置である。
【0052】
紙幣ユニット305cは、紙幣の受付や排出を行い、受け付けた紙幣を保持する装置である。紙幣ユニット305cは、CPU301からの要求に応じて、あるいは、紙幣の受付や排出を行うときに、保持する紙幣の金種ごとの枚数をCPU301に通知する。
【0053】
硬貨ユニット305dは、硬貨の受付(例えば、手数料の支払のための硬貨の受付)を行い、受け付けた硬貨を保持する装置である。
グラフィックインタフェース306は、ディスプレイ306aに接続される。グラフィックインタフェース306は、CPU301からの命令に従って、画像をディスプレイ306aに表示させる。
【0054】
入力インタフェース307は、キーパッド307aやタッチパネル307bなどの入力デバイスに接続される。入力インタフェース307は、入力デバイスから送られる入力信号をCPU301に出力する。
【0055】
出力インタフェース308は、スピーカ31やランプ32などの出力デバイスに接続される。スピーカ31やランプ32などの出力デバイスは、ATM300の空きを報知して、顧客を誘導するための報知部である。出力インタフェース308は、CPU301から送られる出力信号を出力デバイスに出力し、顧客を誘導する。
【0056】
通信インタフェース309は、ネットワーク30に接続される。通信インタフェース309は、ネットワーク30を介して、サーバ装置100およびホスト装置400とデータ通信を行える。
【0057】
なお、ATM300a,300b,・・・もATM300と同様のハードウェア構成により実現できる。
ここで、以下の説明において、発券端末装置200,200a,200b,・・・を各発券端末装置ということがある。また、ATM300,300a,300b,・・・を各ATMということがある。
【0058】
図7は、サーバ装置の機能を示すブロック図である。サーバ装置100は、端末側通信部110、ATM側通信部120、ホスト側通信部130、運用切替部140および引換券モード制御部150を有する。これらのユニットは、CPU101が所定のプログラムを実行することで、サーバ装置100上に実現される。ただし、これらのユニットの少なくとも一部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0059】
端末側通信部110は、各発券端末装置と引換券モード制御部150との間の通信を中継する。
ATM側通信部120は、各ATMとホスト側通信部130との間の通信を中継する。ATM側通信部120は、各ATMと引換券モード制御部150との間の通信を中継する。
【0060】
ホスト側通信部130は、ATM側通信部120とホスト装置400との間の通信を中継する。ホスト側通信部130は、引換券モード制御部150とホスト装置400との間の通信を中継する。
【0061】
運用切替部140は、各ATMの運用モードの切替を制御する。運用モードには、通常モードおよび引換券モードがある。通常モードは、通常の取引(引換券を用いない取引)を行うモードである。引換券モードは、引換券を用いた取引を行うモードである。
【0062】
運用切替部140は運用切替端末装置500と通信する。運用切替部140は、自動取引システムが通常運用時に、引換券による運用への切替指示を運用切替端末装置500から受信すると、引換券モード制御部150にその旨を通知する。すると、引換券モード制御部150の機能がアクティブとなり、指定されたATMが引換券モードへ移行する。
【0063】
一方、運用切替部140は、自動取引システムが引換券による運用を行っているときに、通常運用への切替指示を運用切替端末装置500から受信すると、引換券モード制御部150にその旨を通知する。すると、引換券モード制御部150の機能が非アクティブとなり、引換券モードで動作していたATMが通常モードへ移行する。
【0064】
引換券モード制御部150は、各ATMの引換券モードでの動作を制御する。引換券モード制御部150は、ATM情報記憶部151、予約情報記憶部152、振分制御部153、待ち時間予測部154、キュー管理部155、媒体管理部156および取引照会部157を有する。
【0065】
ATM情報記憶部151は、ATM情報を記憶する。ATM情報には、各ATMに振り分けられた取引の情報を格納するキューが含まれる。また、ATM情報には、各ATMで予約された取引の数や媒体の数を管理するためのATM管理テーブルが含まれる。
【0066】
予約情報記憶部152は、予約情報を記憶する。予約情報には、予約された取引内容の情報と引換券に印字される取引番号とを対応付けて管理するための予約済取引管理テーブルが含まれる。
【0067】
振分制御部153は、各発券端末装置から受信した取引情報に基づき、該取引情報の処理(取引)を各ATMに振り分ける。具体的には、ATM情報記憶部151に記憶された各ATMのキューに、取引に関するデータを格納する。振分制御部153は、振分結果に応じて、ATM情報記憶部151に記憶されたATM情報や予約情報記憶部152に記憶された予約情報を更新する。また、振分制御部153は、振分結果に応じて、該取引情報を送信した発券端末装置に、引換券の発行を指示する。
【0068】
待ち時間予測部154は、振分制御部153が引換券の発行を指示する際に、該引換券の取引が開始可能となるまでの待ち時間を予測し、該発券端末装置に表示させる。
キュー管理部155は、各ATMのキューを管理する。キュー管理部155は、各ATMで取引が完了するたびに、各ATMのキューから先入れ先出し(FIFO:First-In First-Out)の手順で取引に関するデータを取り出し、次の取引内容を特定する。キュー管理部155は、特定した取引内容に応じて、各ATMに顧客の呼出・取引の開始を行わせる。
【0069】
また、キュー管理部155は、各ATMで予約された取引の数を取得して、ATM情報記憶部151に記憶されたATM情報や予約情報記憶部152に記憶された予約情報を更新する。
【0070】
媒体管理部156は、各ATMが保持する媒体数を各ATMから取得して、ATM情報記憶部151に記憶されたATM情報を更新する。
取引照会部157は、各ATMから、引換券の取引番号に対応する取引内容の照会依頼を受信する。取引照会部157は、該取引番号に基づいて予約情報記憶部152を参照し、顧客が予約時に入力した取引内容を照会する。取引照会部157は、その結果得た取引内容を、依頼元のATMに応答する。該ATMは、該取引内容を受信すると、その取引を開始する。
【0071】
図8は、キューの例を示す図である。キュー151aは、ATM情報記憶部151に格納される。キュー151aには、各ATMに対して予約された取引を管理するためのデータが格納される。
【0072】
ここで、ATM300には識別情報“ATM#1”が付与されている。ATM300aには識別情報“ATM#2”が付与されている。ATM300bには識別情報“ATM#3”が付与されている。ATM300cには識別情報“ATM#4”が付与されている。ATM300dには識別情報“ATM#5”が付与されている。ATM300eには識別情報“ATM#6”が付与されている。ATM300fには識別情報“ATM#7”が付与されている。
【0073】
例えば、ATM300(“ATM#1”)のキューには、データD1,D2,D3が格納されている。このうち、データD1が最も早く格納されたものであり、次いでデータD2、最後にデータD3が格納されたものである。各データは、予約された1つの取引に対応している。例えば、データD1,D2,D3は予約時に付与された引換券番号を示す情報である。
【0074】
例えば、ATM300が空くと、キュー管理部155は、データD1を取出す(OUT)。キュー管理部155は、予約情報記憶部152を参照して、データD1に対応する取引内容を特定する。そして、キュー管理部155は、該取引内容に基づき、ATM300に顧客の呼出・取引の開始を行わせる。
【0075】
また、例えば、振分制御部153は、ATM300に対して新たな取引を振り分けると、データD3よりも後ろに新たな取引に対応するデータを格納する(IN)。
キュー151aによれば、引換券モードで動作しているATM300,300a,300b,300c,300dの予約数は次の通りである。ATM300の予約数は“3”である。ATM300aの予約数は“2”である。ATM300bの予約数は“1”である。ATM300cの予約数は“5”である。ATM300dの予約数は“4”である。
【0076】
一方、ATM300e,300fは、引換券モードではなく、通常モードなので、予約数は“0”である。
キュー151aは、例えば、ATMごとに設けられた複数のリングバッファによって実現できる。
【0077】
図9は、ATM管理テーブルの例を示す図である。ATM管理テーブル151bは、ATM情報記憶部151に格納される。ATM管理テーブル151bは、振分制御部153、キュー管理部155および媒体管理部156によって更新される。ATM管理テーブル151bには、ATM ID、運用モード、予約数、万券および千券の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのATMの情報を示す。
【0078】
ATM IDの項目には、ATMの識別情報が設定される。運用モードの項目には、現在の運用モードが設定される。予約数の項目には、予約されている取引の数が設定される。万券の項目には、万券(1万円券)の情報が設定される。万券の項目には、枚数、出金優先度および入金優先度の項目が設けられている。枚数の項目には、万券の枚数が設定される。出金優先度の項目には、取引種別が出金の場合の優先度が設定される。入金優先度の項目には、取引種別が入金の場合の優先度が設定される。千券の項目には、千券(1千円券)の情報が設定される。千券の項目には、枚数、出金優先度および入金優先度の項目が設けられている。枚数、出金優先度および入金優先度の各項目に設定される内容は、万券の各項目の設定内容と同様である。
【0079】
ここで、優先度の項目の設定値は、値が小さい程、優先度が高いものとする。更に、万券は千券よりも優先度が高いものとする。すなわち、万券と千券とが混在した取引では、万券の優先度を優先的に比較する。複数のATMで万券の優先度が一致する場合には、次いで、千券の優先度を比較する。
【0080】
例えば、ATM管理テーブル151bには、ATM IDが“ATM#1”、運用モードが“引換券モード”、予約数が“3”、万券につき枚数が“1000”、出金優先度が“4”、入金優先度が“2”、千券につき枚数が“2000”、出金優先度が“3”、入金優先度が“3”という情報が設定される。
【0081】
これは、ATM300が現在“引換券モード”で動作しており、取引の予約数が3、保持する万券が1000枚で万券出金時の優先度が4、万券入金時の優先度が2、保持する千券が2000枚で千券出金時の優先度が3、千券入金時の優先度が3であることを示す。
【0082】
また、ATM管理テーブル151bには、ATM IDが“ATM#7”、運用モードが“通常モード”、予約数が“0”、万券の各項目が“−”(ハイフン)、千券の各項目が“−”という情報が設定される。
【0083】
これは、ATM300eが現在“通常モード”で動作しており、取引の予約数が0、保持する媒体の数量等は管理していないことを示す。
媒体管理部156は、各ATMが保持する媒体数を各ATMから定期的に取得して、ATM管理テーブル151bの各優先度を更新する。具体的には、保持する万券の枚数が多い程、万券の入金優先度を下げ、万券の出金優先度を上げる。一方、保持する万券の枚数が少ない程、万券の入金優先度を上げ、万券の出金優先度を下げる。また、保持する千券の枚数が多い程、千券の入金優先度を下げ、千券の出金優先度を上げる。一方、保持する千券の枚数が少ない程、千券の入金優先度を上げ、千券の出金優先度を下げる。
【0084】
図10は、予約済取引管理テーブルの例を示す図である。予約済取引管理テーブル152aは、予約情報記憶部152に格納される。予約済取引管理テーブル152aは、振分制御部153およびキュー管理部155によって更新される。予約済取引管理テーブル152aには、ATM ID、引換券番号、取引番号、取引種別、取引金額、万券枚数および千券枚数の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの引換券の情報を示す。
【0085】
ATM IDの項目には、該取引を振り分けられたATMの識別情報が設定される。引換券番号の項目には、引換券の番号が設定される。取引番号の項目には、予約された取引の識別情報が設定される。取引種別の項目には、予約時に入力された取引種別が設定される。取引金額の項目には、予約時に入力された取引金額が設定される。万券枚数の項目には、取引の対象となる万券の枚数が設定される。千券枚数の項目には、取引の対象となる千券の枚数が設定される。
【0086】
例えば、予約済取引管理テーブル152aには、ATM IDが“ATM#1”、引換券番号が“0001”、取引番号が“1111−1111”、取引種別が“出金”、取引金額が“15000”、万券枚数が“1”、千券枚数が“5”という情報が設定される。
【0087】
これは、ATM300に対し引換券番号“0001”および取引番号“1111−1111”が付与されて予約された取引を示しており、その取引種別が出金、対象額が15000円、出金予定の万券の枚数が1枚、出金予定の千券の枚数が5枚であることを示す。
【0088】
なお、1つの引換券に対して複数の取引が設定されてもよい。例えば、予約済取引管理テーブル152aには引換券番号“0003”に対して、2つの取引番号“3333−3333”および“3333−4444”が設定されている。このようにすれば、複数の取引を1枚の引換券で管理できる。
【0089】
また、各レコードに予約を受け付けた日時を設定して管理してもよい。
図11は、発券端末装置が送信する電文の例を示す図である。電文600は、発券端末装置200がサーバ装置100に送信する電文を例示している。電文600は、予約する取引内容をサーバ装置100に通知するためのものである。電文600には、送信元IP(Internet Protocol)アドレス、宛先IPアドレス、口座番号、暗証番号、取引種別、取引金額、万券枚数および千券枚数のフィールドが設けられている。送信元IPアドレスのフィールドには、発券端末装置200のIPアドレスが設定される。宛先IPアドレスのフィールドには、サーバ装置100のIPアドレスが設定される。口座番号のフィールドには、顧客の口座番号が設定される。暗証番号のフィールドには、該口座番号に対応する暗証番号が設定される。送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、口座番号および暗証番号のフィールド以外のフィールドの設定内容は、予約済取引管理テーブル152aで説明した同名の項目の設定内容と同様である。
【0090】
電文600は、予約済取引管理テーブル152aの取引番号“1111−1111”のレコードに対応する取引を示している。具体的には、送信元IPアドレス“192.168.10.1”、宛先IPアドレス“192.168.0.1”、口座番号“0123456”、暗証番号“xxxx”、取引種別“出金”、取引金額“15000”、万券枚数“1”、千券枚数“5”が設定されている。
【0091】
なお、IPアドレス“192.168.10.1”は、発券端末装置200のIPアドレスである。IPアドレス“192.168.0.1”は、サーバ装置100のIPアドレスである。
【0092】
次に、以上の構成の自動取引システムの処理手順を説明する。以下の説明において、ATM装置300,300a,300b,300c,300dは、引換券モードで動作中であるとする。まず、引換券モードで動作中のATM300における引換券を用いた取引の全体の流れを説明する。特に、現金の入金や出金を行う場合を想定する。
【0093】
図12は、発券処理を示すシーケンス図である。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST11)発券端末装置200は、自身が備えるカード読取装置にキャッシュカードを挿入する旨を指示するGUI(Graphical User Interface)を表示する。発券端末装置200は、顧客U1のキャッシュカードの挿入を受け付けると、キャッシュカードに記録された口座番号を取得する。
【0094】
(ステップST12)発券端末装置200は、取引種別の入力を促すGUIを表示する。発券端末装置200は、顧客U1による取引種別の入力を受け付ける。
(ステップST13)発券端末装置200は、暗証番号の入力を促すGUIを表示する。発券端末装置200は、顧客U1による暗証番号の入力を受け付ける。
【0095】
(ステップST14)発券端末装置200は、取引金額の入力を促すGUIを表示する。発券端末装置200は、顧客U1による取引金額の入力を受け付ける。顧客U1は、取引金額を入力する際、万券や千券の枚数を指定することもできる。
【0096】
(ステップST15)発券端末装置200は、サーバ装置100に残高照会要求(電文600)を送信する。残高照会要求には、ステップST11〜ST14で取得した口座番号、暗証番号、取引種別、取引金額および媒体枚数の情報が含まれる。
【0097】
(ステップST16)サーバ装置100は、受信した残高照会要求に基づいて、ホスト装置400に残高照会依頼を送信する。残高照会依頼には、顧客U1の口座番号と暗証番号とが含まれる。また、残高照会依頼には、出金取引の場合、出金の取引金額が含まれる。
【0098】
(ステップST17)ホスト装置400は、該口座番号と暗証番号とに基づいて、顧客U1の口座の残高照会を行う。個人認証を行うためである。ホスト装置400は、残高照会の結果をサーバ装置100に応答する(残高照会応答)。出金取引の場合、ホスト装置400は、残高に対する取引可否を判断して、サーバ装置100に送信する。残高によっては出金の取引が行えないことも考え得る。
【0099】
(ステップST18)サーバ装置100は、ホスト装置400から残高照会応答を受信する。サーバ装置100は、該応答が残高照会の成功を示している場合、その旨を発券端末装置200に送信する。サーバ装置100は、残高に対して取引不可の通知を受けている場合、その旨を発券端末装置200に送信する。なお、残高照会が失敗した旨を示している場合は、発券端末装置200に取引の続行が不可能である旨を通知する。個人認証に失敗したと考えられるからである。
【0100】
(ステップST19)発券端末装置200は、サーバ装置100から残高照会応答を受信すると、ステップST12,ST14で入力された取引内容の確認を促すGUIを表示する。発券端末装置200は、顧客U1による、該取引内容で良い旨の確認入力を受け付ける。
【0101】
(ステップST20)発券端末装置200は、引換券の発行許可を要求するための引換券発行許可要求をサーバ装置100に送信する。
(ステップST21)サーバ装置100は、発券端末装置200から引換券発行許可要求を受信すると、ステップST15で受け付けた取引内容に対して、キュー振分制御を行う。サーバ装置100は、キュー振分制御の結果、ATM情報記憶部151に記憶されたATM情報および予約情報記憶部152に記憶された予約情報を更新する。キュー振分制御の具体的な処理手順は後述する。
【0102】
(ステップST22)サーバ装置100は、振分先のATMで該取引を開始可能となるまでの待ち時間を予測する。例えば、サーバ装置100は、まず、予約情報記憶部152に記憶された予約済取引管理テーブル152aを参照して、該ATMにおける取引の種別ごとの予約数を特定する。次に、サーバ装置100は、取引の種別ごとの予約数に取引の種別ごとの実績の平均取引所要時間を乗じて和をとる。この和を待ち時間の予測結果とする。取引の種別ごとの実績の平均取引所要時間は、各ATMで実際に行われた取引の取引種別ごとに取引開始から完了までの時間を計測してATM情報記憶部151に格納しておけば、計測した時間の和と実際に行われた取引の回数との商として算出できる。
【0103】
(ステップST23)サーバ装置100は、発券端末装置200に引換券の発行を許可する旨を示す引換券発行許可応答を送信する。引換券発行許可応答には、引換券に印字する情報が含まれる(例えば、引換券番号や取引番号)。引換券発行許可応答には、予測した待ち時間の情報が含まれる。
【0104】
(ステップST24)発券端末装置200は、引換券の発行確認の入力を促すGUIを表示する。
(ステップST25)発券端末装置200は、顧客U1による、引換券の発行確認の入力を受け付けると、発券装置210により引換券C1を発券する。このとき、発券端末装置200は、サーバ装置100が予測した待ち時間を表示する。顧客U1は、引換券C1およびキャッシュカードを受け取り、ロビー60に移動する。
【0105】
このようにして、サーバ装置100および発券端末装置200は引換券の発行を行う。
図13は、引換券を用いた取引処理を示すシーケンス図である。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。また、ATM300を例示して説明するが、他の引換券モードのATMでも同様である。
【0106】
(ステップST31)サーバ装置100は、ATM300で取引が完了した旨を検知すると、ATM情報記憶部151に記憶されたキュー151aを参照して、ATM300の次の取引のデータを取出す。サーバ装置100は、ATM情報記憶部151に記憶されたATM管理テーブル151bを参照して、該取引の取引内容を取得し、ATM300に顧客の呼出を行うよう指示する(呼出指示)。呼出指示には、引換券番号が含まれる。
【0107】
(ステップST32)ATM300は、スピーカ31により、取引が可能となった旨を報知する。例えば、「引換券番号0001番の引換券をお持ちのお客様、ATM#1までお越しください。」といったメッセージを報知する。例えば、ATM300を識別するための“ATM#1”の文字列を表示した看板が、ボックス71の上部の顧客の視認し易い位置に設置されている。加えて、ATM300は、ランプ32を点灯させ、顧客U1を自装置へ誘導する。
【0108】
(ステップST33)ATM300は、カードユニット305bにキャッシュカードを挿入する旨を指示するGUIをディスプレイ306aに表示する。ATM300は、顧客U1のキャッシュカードの挿入を受け付けると、キャッシュカードに記録された口座番号を取得する。
【0109】
(ステップST34)ATM300は、暗証番号の入力を促すGUIを表示する。ATM300は、顧客U1による暗証番号の入力を受け付ける。
(ステップST35)ATM300は、引換券C1に印字された取引番号の入力を促すGUIを表示する。ATM300は、顧客U1による取引番号の入力を受け付ける。
【0110】
(ステップST36)ATM300は、取引番号の照会要求をサーバ装置100に送信する。
(ステップST37)サーバ装置100は、予約情報記憶部152を参照して、取引番号に対応する取引内容を取得し、ATM300に応答する(取引番号照会応答)。取引番号照会応答には、該取引番号に対応する取引内容の情報が含まれる。
【0111】
(ステップST38)ATM300は、サーバ装置100から受信した取引内容の確認入力を促すGUIを表示する。ATM300は、該取引内容で良い旨の確認入力を受け付ける。ここで、取引種別が入金であれば、顧客U1による媒体の挿入を受け付ける。
【0112】
(ステップST39)ATM300は、該取引の実行要求をサーバ装置100に送信する(取引実行要求)。取引実行要求には、ステップST33,ST34で入力された口座番号や暗証番号が含まれる。また、取引種別が入金であれば、取引実行要求には媒体枚数や入金額が含まれる。
【0113】
(ステップST40)サーバ装置100は、ホスト装置400に残高照会依頼を送信する。残高照会依頼には、顧客U1の口座番号と暗証番号とが含まれる。
(ステップST41)ホスト装置400は、該口座番号と暗証番号とに基づいて、顧客U1の口座の残高照会を行う(図12のステップST17と同様に個人認証のため)。ホスト装置400は、残高照会の結果をサーバ装置100に応答する(残高照会応答)。サーバ装置100は、ホスト装置400から残高照会応答を受信する。ここで、サーバ装置100は、該応答が残高照会の成功を示している場合、取引を続行する。一方、残高照会が失敗した旨を示している場合は、ATM300に取引の続行が不可能である旨を通知する。個人認証に失敗したと考えられるからである。
【0114】
(ステップST42)サーバ装置100は、ステップST39で取得した取引内容の実行を依頼するための取引実行依頼をホスト装置400に送信する。
(ステップST43)ホスト装置400は、該取引実行依頼に応じた取引処理を行い、その結果をサーバ装置100に応答する(処理完了応答)。
【0115】
(ステップST44)サーバ装置100は、取引の実行が完了した旨をATM300に応答する(取引実行応答)。
(ステップST45)ATM300は、取引実行応答を受信すると、受け付けたキャッシュカードやレシートの返却を行う。このとき、取引種別が出金であれば、媒体の放出も併せて行う。顧客U1は、キャッシュカードなどを受け取る。
【0116】
(ステップST46)ATM300は、取引が完了した旨を示す取引完了通知をサーバ装置100に送信する。
(ステップST47)サーバ装置100は、ATM管理テーブル151bおよび予約情報記憶部152に記憶された予約済取引管理テーブル152aを更新する。具体的には、ATM管理テーブル151bに設定されたATM300の予約数や媒体の数量、優先度などの情報を更新する。また、予約済取引管理テーブル152aに設定されたATM300の該取引番号のレコード(完了した取引のレコード)を削除する(あるいは、取引完了に設定する)。そして、サーバ装置100は、ATM300に次の取引を開始させる(ステップST31以降の処理を繰り返す)。
【0117】
このようにして、サーバ装置100およびATM300は引換券を用いた取引を行う。
なお、ステップST36において、サーバ装置100は、ATM300で受け付け中の引換券番号に対応していない取引番号を受信した場合、ステップST37において該当する取引が存在しない旨をATM300に通知する。ATM300は該通知を受けると、顧客に再度取引番号の入力を促す。
【0118】
また、ステップST37において、サーバ装置100は、予約済取引管理テーブル152aを参照して、ATM300と取引番号との対応関係をチェックしてもよい。具体的には、ステップST36で受信した取引番号が、ATM300に対応付けられた取引番号である場合に、ATM300に対して、以降の取引の続行を許可する。一方、ステップST36で受信した取引番号が、ATM300に対応付けられた取引番号でなかった場合、サーバ装置100は、取引の続行の中止をATM300に通知する。そして、ATM300は、再度顧客呼出(ステップST32)を行う。このようにすれば、例えば、呼び出されていないにも関わらずATM300で取引を行おうとした者の取引を中断できる。このため、顧客間の順番の割込みを抑制できる。これらステップST37の処理は、取引照会部157によって実行できる。キュー管理部155が取引照会部157の機能を備えてもよい。キュー管理部155および取引照会部157は、第1の実施の形態の取引管理部1aの一例である。
【0119】
更に、図12,13では、キャッシュカードを利用した取引を例示したが、通帳を利用した場合も同様である。通帳により引換券を発行する場合には、各発券端末装置に通帳に設けられた磁気ストライプを読み取るための通帳読取装置を設ければよい。
【0120】
次に、図12のステップST21のキュー振分制御の手順を説明する。
図14は、キュー振分制御を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0121】
(ステップS101)振分制御部153は、発券端末装置200から受信した電文600に基づいて、取引種別が現金取引であるか否かを判定する。現金取引である場合、処理をステップS103に進める。現金取引でない場合、処理をステップS102に進める。なお、現金取引である場合とは、ATM300に現金の挿入を伴う取引(入金)である場合、または、ATM300から現金の取出しを伴う取引(出金)である場合をいう。現金取引でない場合とは、例えば、カードを用いた口座間の振込、残高照会および暗証番号変更などが考えられる。
【0122】
(ステップS102)振分制御部153は、引換券モードのATMの内、予約数が最小のATMを取引の振分先とする。
(ステップS103)振分制御部153は、ATM情報記憶部151に記憶されたATM管理テーブル151bを参照して、引換券モードのATMの内、予約数が最小のATM(ATM(1)と表記する)を特定する。
【0123】
(ステップS104)振分制御部153は、取引種別が出金であるか否かを判定する。出金である場合、処理をステップS105に進める。出金でない場合、すなわち、入金である場合、処理をステップS108に進める。
【0124】
(ステップS105)振分制御部153は、ATM管理テーブル151bを参照して、ATM(1)より出金の優先度が高いATM(ATM(2)と表記する)があるか否かを判定する。ATM(2)がある場合、処理をステップS106に進める。ATM(2)が存在しない場合、処理をステップS111に進める。
【0125】
(ステップS106)振分制御部153は、ATM(1)の予約数とATM(2)の予約数の差が閾値X以下であるか否かを判定する。予約数差が閾値X以下である場合、処理をステップS107に進める。予約数差が閾値Xよりも大きい場合、処理をステップS111に進める。ここで、閾値Xの値は運用に応じて変更可能である。例えば、媒体枚数の平準化を重視した運用を行いたい場合には、Xを大きくとる(例えば、X=3)ことが考えられる。一方、予約数の平準化を重視した運用を行いたい場合には、Xを小さくとる(例えば、X=1)ことが考えられる。
【0126】
(ステップS107)振分制御部153は、ATM(2)を取引の振分先とする。なお、ステップS106の条件を満たすATM(2)が複数存在する場合、複数のATM(2)のうち、ATM(1)との予約数差が最小となるものを振分先とする。振分制御部153は、引換券番号、取引番号を採番し、該ATM(2)の識別情報、受け付けた取引種別、金額および金種枚数などの情報を対応付けて、予約情報記憶部152に記憶された予約済取引管理テーブル152aに登録する。
【0127】
(ステップS108)振分制御部153は、ATM管理テーブル151bを参照して、ATM(1)より入金の優先度が高いATM(ATM(3)と表記する)があるか否かを判定する。ATM(3)がある場合、処理をステップS109に進める。ATM(3)が存在しない場合、処理をステップS111に進める。
【0128】
(ステップS109)振分制御部153は、ATM(1)の予約数とATM(3)の約数の差が閾値Y以下であるか否かを判定する。予約数差が閾値Y以下である場合、処理をステップS110に進める。予約数差が閾値Yよりも大きい場合、処理をステップS111に進める。ここで、閾値Yの値は運用に応じて変更可能である。例えば、Xと同様に、媒体枚数の平準化を重視した運用を行いたい場合には、Yを大きくとる(例えば、Y=3)ことが考えられる。一方、予約数の平準化を重視した運用を行いたい場合には、Yを小さくとる(例えば、Y=1)ことが考えられる。なお、X,Yは同じ値にしてもよいし、異なる値にしてもよい。
【0129】
(ステップS110)振分制御部153は、ATM(3)を取引の振分先とする。なお、ステップS109の条件を満たすATM(3)が複数存在する場合、複数のATM(3)のうち、ATM(1)との予約数差が最小となるものを振分先とする。振分制御部153は、引換券番号、取引番号を採番し、該ATM(3)の識別情報、受け付けた取引種別、金額および金種枚数などの情報を対応付けて、予約済取引管理テーブル152aに登録する。
【0130】
(ステップS111)振分制御部153は、ATM(1)を取引の振分先とする。振分制御部153は、引換券番号、取引番号を採番し、該ATM(1)の識別情報、受け付けた取引種別、金額および金種枚数などの情報を対応付けて、予約済取引管理テーブル152aに登録する。
【0131】
このようにして、振分制御部153は、取引の振分先を決定する。そして、振分制御部153は、振分結果に基づいて、予約済取引管理テーブル152aに予約済取引のレコードを登録する。
【0132】
次に、キュー振分制御の具体例を説明する。ここで、以下の具体例ではX=1,Y=1であるとする。
図15は、現金出金時のキュー振分制御の具体例を示す図である。図15(A)、(B)には、15000円(万券1枚+千券5枚)を出金する場合の振分候補テーブル151c,151dが例示されている。振分候補テーブル151c,151dは、振分制御部153により、振分制御の処理のためにATM情報記憶部151上に一時的に設けられる。振分候補テーブル151c,151dは、キュー振分制御の処理中の異なる時点の同じテーブルを示している。振分候補テーブル151cは、図14のステップS103の時点の状態である。振分候補テーブル151dは、図14のステップS107の時点の状態である。
【0133】
振分候補テーブル151c,151dには、ATM ID、予約数、出金優先度(万券)、出金優先度(千券)および振分対象の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのATMに関する情報を示す。
【0134】
ATM IDおよび予約数の項目の設定内容は、図9で説明したATM管理テーブル151bの同一名称の項目の設定内容と同様である。また、出金優先度(万券)には、万券の出金優先度が設定される。出金優先度(千券)には、千券の出金優先度が設定される。振分対象の項目には、該ATMがその時点において振分先として選択されているか否かを示すフラグ(振分対象の場合“1”、非対象の場合“0”)が設定される。
【0135】
振分候補テーブル151cの時点では、ATM300,300a,300b,300c,300dのうち、予約数が最小であるATM300b(“ATM#3”)が振分対象(フラグ値“1”)として選択されている。
【0136】
これに対し、振分候補テーブル151dの時点では、ATM300bよりも万券の出金優先度が高いATM300c(“ATM#4”)およびATM300a(“ATM#2”)が特定されている。図14のステップS105〜S107の処理によれば、ATM300b(“ATM#3”)との予約数差がX=1以下のATM300aが取引の振分先として選択される。このため、振分候補テーブル151dでは、ATM300aが振分対象(フラグ値“1”)として選択されている。なお、本取引は、万券と千券とが混在した取引となるため、振分制御部153は、万券の出金優先度に基づいて、振分対象を選択する。全て千券で取引する場合には、千券の出金優先度を用いて、万券と同様の処理により振分先が選択される。
【0137】
図16は、現金入金時のキュー振分制御の具体例を示す図である。図16(A)、(B)には、15000円(万券1枚+千券5枚)を入金する場合の振分候補テーブル151e,151fが例示されている。振分候補テーブル151e,151fは、振分制御部153により、振分制御の処理のためにATM情報記憶部151上に一時的に設けられる。振分候補テーブル151e,151fは、キュー振分制御の処理中の異なる時点の同じテーブルを示している。振分候補テーブル151eは、図14のステップS103の時点の状態である。振分候補テーブル151fは、図14のステップS111の時点の状態である。
【0138】
振分候補テーブル151e,151fには、ATM ID、予約数、入金優先度(万券)、入金優先度(千券)および振分対象の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのATMに関する情報を示す。
【0139】
ATM IDおよび予約数の項目の設定内容は、図9で説明したATM管理テーブル151bの同一名称の項目の設定内容と同様である。また、入金優先度(万券)には、万券の入金優先度が設定される。入金優先度(千券)には、千券の入金優先度が設定される。振分対象の項目の設定内容は、図15の振分候補テーブル151c,151dで説明した同一名称の項目の設定内容と同様である。
【0140】
振分候補テーブル151eの時点では、ATM300,300a,300b,300c,300dのうち、予約数が最小であるATM300b(“ATM#3”)が振分対象(フラグ値“1”)として選択されている。
【0141】
これに対し、振分候補テーブル151fの時点では、ATM300bよりも万券の出金優先度が高いATM300d(“ATM#5”)およびATM300(“ATM#1”)が特定されている。このうち、ATM300b(“ATM#3”)との予約数差がY=1以下となるものは存在しない。したがって、図14のステップS109の判定で、ステップS111に進む。その結果、ATM300bが振分対象(フラグ値“1”)のまま維持される。なお、本取引は、万券と千券とが混在した取引となるため、振分制御部153は、万券の出金優先度に基づいて、振分対象を選択する。全て千券で取引する場合には、千券の出金優先度を用いて、万券と同様の処理により振分先が選択される。
【0142】
これにより、第2の実施の形態の自動取引システムでは、各ATM内の媒体不足や媒体過多を容易に抑制できる。具体的には、サーバ装置100は、各ATMの取引の予約数と各ATMが保持する媒体数に基づく優先度の両方を考慮して、取引の振分先を決定する。各ATMの優先度は、取引の種別ごとに決定される。例えば、媒体数が少ないほど入金の優先度を上げ、出金の優先度を下げる。他方、媒体数が多いほど入金の優先度を下げ、出金の優先度を上げる。
【0143】
このように、予約数と媒体数による優先度との両方を考慮して振分先を決定すれば、各ATMへの取引の振分の平準化と、各ATMが保持する媒体数の平準化と、の両方をバランスよく実現できる。その結果、顧客の待ち時間を軽減しながら、各ATMでの媒体不足や媒体過多を未然に抑制できる。
【0144】
なお、各ATMが保持する媒体数に応じて各取引の優先度が決定される旨を説明したが、現在予約済の取引を考慮して優先度を決定してもよい。例えば、媒体管理部156は、予約情報記憶部152に記憶された予約済取引管理テーブル152aを参照して、予約された取引と、取引が予定された媒体の枚数を得ることができる。
【0145】
具体的には、媒体管理部156は、出金予定の媒体の枚数を該当のATMが保持する媒体数から減算して優先度を決定する。予約済取引管理テーブル152aの例でいえば、ATM300において、万券が各取引で合計して計4枚出金予定であり、2枚入金予定であるから、合計2枚出金予定である。よって、ATM300が保持する万券数から2枚を減算して優先度を決定する。
【0146】
また、媒体管理部156は、入金予定の媒体の枚数を該当のATMが保持する媒体数から減算して優先度を決定する。予約済取引管理テーブル152aの例でいえば、ATM300において、千券が各取引で合計して計5枚出金予定であり、10枚入金予定であるから、合計5枚入金予定である。よって、ATM300が保持する千券数に5枚を加算して優先度を決定する。
【0147】
このように、予約済取引をも考慮して優先度を決定すれば、各ATM内の媒体数の平準化を一層効率的に行える。
次に、第2の実施の形態の自動取引システムにおける画面(GUI)例を説明する。まず、発券処理の画面例を説明する。
【0148】
図17は、発券処理の第1の画面例を示す図である。以下の説明では、図12の各ステップに対応する発券端末装置200の表示画面を各ステップ番号に沿って説明する。
発券端末装置200は、キャッシュカードの挿入を顧客に促すメッセージを表示した画面を、自身が備えるモニタに表示する(ステップST11)。キャッシュカードの挿入を受け付けると、取引の選択入力を促す画面を表示する(ステップST12)。例えば、顧客は、発券端末装置200に接続された入力デバイスを操作して何れかの取引を選択できる。ここでは、「お引出し」が顧客により選択されたとする。
【0149】
発券端末装置200は、取引の選択入力を受け付けると、暗証番号の入力を促す画面を表示する(ステップST13)。発券端末装置200は、暗証番号の入力を受け付けると、取引金額(ここでは、出金額)の入力を促す画面を表示する(ステップST14)。
【0150】
発券端末装置200は、取引金額の入力を受け付けると、サーバ装置100に残高照会要求を送信して、残高照会手続を行う。個人認証のためである。発券端末装置200は、顧客に待機を促す画面を表示する(ステップST15)。例えば、「お手続き中です。しばらくお待ちください。」というメッセージを画面に表示する。この画面は、図12のステップST18でサーバ装置100から残高照会応答を受信するまで表示される。
【0151】
発券端末装置200は、サーバ装置100から残高照会が成功した旨の通知を受けると、顧客が入力した取引内容の確認を促す画面を表示する(ステップST19)。そして、図18のステップST20に進む。
【0152】
図18は、発券処理の第2の画面例を示す図である。以下の説明では、図12の各ステップに対応する発券端末装置200の表示画面を各ステップ番号に沿って説明する。
発券端末装置200は、取引内容の確認の入力を受け付けると、サーバ装置100に引換券発行許可要求を送信する。発券端末装置200は、顧客に待機を促す画面を表示する(ステップST20)。この画面は、図12のステップST23でサーバ装置100から引換券発行許可応答を受信するまで表示される。
【0153】
発券端末装置200は、引換券発行許可応答をサーバ装置100から受信すると、引換券の発券確認を促す画面を表示する(ステップST24)。この画面には、例えば、顧客が入力した取引内容と取引額が表示され、発券を行うか、他の取引を追加するか、を選択するためのインタフェースが表示される。例えば、発券を選択するための「発行」ボタン、他の取引を追加するための「連続」ボタン、を該画面に設けることが考えられる。ここで、発券が選択されると、発券端末装置200は、処理をステップST25に進めて発券を行う。一方、他の取引の追加が選択されると、発券端末装置200は、処理をステップST12aに進めて、取引の追加を行う。
【0154】
発券端末装置200は、発券が選択されると、明細票の受け取りおよびロビーでの待機を促す画面を表示する(ステップST25)。このとき、サーバ装置100が予測した待ち時間を該画面に表示する。
【0155】
発券端末装置200は、他の取引の追加が選択されると、次の取引の選択を促す画面を表示する(ステップST12a)。この画面は、図17で示したステップST12の画面に代わるものである。発券端末装置200は、表示した画面により、次の取引の選択が入力されると、ステップST13以降の処理を継続する。なお、同じキャッシュカードを使用する場合には、ステップST13の暗証番号の入力を省いてもよい。また、ステップST12,ST13の間に、キャッシュカードを変更するか否かの確認を促す画面を表示し、変更する場合には、次のキャッシュカードの挿入を促す画面を表示してもよい。
【0156】
次に、引換券を用いた取引処理の画面(GUI)例を説明する。
図19は、引換券を用いた取引処理の第1の画面例を示す図である。以下の説明では、図13の各ステップに対応するATM300の表示画面を各ステップに沿って説明する。
【0157】
ATM300は、キャッシュカードの挿入を顧客に促すメッセージを表示した画面を、ディスプレイ306aに表示する(ステップST33)。この画面では、顧客の保有する引換券の引換券番号が表示される。ATM300は、キャッシュカードの挿入を受け付けると、暗証番号の選択入力を促す画面を表示する(ステップST34)。
【0158】
ATM300は、暗証番号の選択入力を受け付けると、取引番号の入力を促す画面を表示する(ステップST35)。ATM300は、取引番号が入力されると、サーバ装置100に取引番号照会要求を送信する。ATM300は、顧客に待機を促す画面を表示する(ステップST36)。この画面は、図13のステップST37で取引番号照会応答を受信するまで表示される。
【0159】
ATM300は、取引番号照会応答をサーバ装置100から受信すると、取引内容の確認を促す画面を表示する(ステップST38)。この画面には、例えば、顧客が取引の予約時に入力した取引内容と取引額が表示され、取引の確認を入力するためのボタン(お取引決定ボタン)が表示される。
【0160】
ATM300は、取引内容の確認の入力を受け付けると、サーバ装置100に取引実行要求を送信する。ATM300は、顧客に待機を促す画面を表示する(ステップST39)。この画面は、図13のステップST44でサーバ装置100から取引実行応答を受信するまで表示される。そして、図20のステップST45に進む。
【0161】
図20は、引換券を用いた取引処理の第2の画面例を示す図である。以下の説明では、図13の各ステップに対応するATM300の表示画面を各ステップに沿って説明する。
ATM300は、取引完了通知をサーバ装置100から受信すると、利用明細票、キャッシュカードおよび現金などの受け取りを促す画面を表示する(ステップST45)。
【0162】
このようなGUIにより、顧客は第2の実施の形態の自動取引システムにおける取引を行うことができる。
このように、顧客は引換券に印字された取引番号を入力すれば、引換券の発行時に入力した取引を即座に開始できるので、ATM300における取引を効率的に行える。
【0163】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を説明する。前述の第2の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項は説明を省略する。
【0164】
第2の実施の形態では、サーバ装置100は、運用切替端末装置500の指示により、通常の運用と引換券による運用との切替を行う旨を説明した。一方、サーバ装置100は、各ATMの運用状況を管理して、自動的に運用の切替を行ってもよい。第3の実施の形態では、サーバ装置100が該切替を行う機能を提供する。
【0165】
ここで、第3の実施の形態の自動取引システムの構成は、図2で説明した第2の実施の形態の自動取引システムの構成と同様である。また、自動取引システムを構成する各装置のハードウェア構成および機能構成も、図5〜7で説明した各装置のハードウェア構成および機能構成と同様である。
【0166】
ただし、運用切替部140は、RAM103(または、HDD104)上の所定の記憶部に、平均取引間隔テーブルを格納して、各ATMの運用状況を管理する。平均取引間隔テーブルは、各ATMで取引が行われる時間間隔の平均を管理するためのデータである。
【0167】
図21は、第3の実施の形態の平均取引間隔テーブルの例を示す図である。平均取引間隔テーブル141には、ATM IDおよび平均取引間隔の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのATMの情報を示す。
【0168】
ATM IDの項目には、ATMの識別情報が設定される。平均取引間隔の項目には、取引が行われる時間間隔の平均値が設定される。平均取引間隔の項目の設定値の単位は、例えば秒である。平均取引間隔は、例えば、過去m件(例えば、m=10程度)の取引についての取引間隔の平均をとることで算出できる。平均は、例えば、相加平均で求める。
【0169】
例えば、平均取引間隔テーブル141には、ATM IDが“ATM#1”、平均取引間隔が“5”という情報が設定される。これは、ATM300で取引が行われる時間間隔の平均値が5秒であることを示す。
【0170】
運用切替部140は、平均取引間隔テーブル141を定期的に参照して、各ATMの混雑状況を監視する。運用切替部140は、自動取引システムを通常運用しているときに、自動取引システムの混雑を検知すると、引換券による運用に切り替える。混雑と検知するための条件は、次の通りである。
【0171】
(混雑検知の条件)全ATMの平均取引間隔が閾値Zよりも小さい。
また、運用切替部140は、引換券による運用を行っているときに、混雑解消を検知すると、通常の運用に戻す。混雑解消を検知するための条件は、次の通りである。
【0172】
(混雑解消検知の条件)全ATMの平均取引間隔が閾値Zよりも大きい。
閾値Zには、例えば、5〜10秒程度を設定する。
次に、以上の構成の第3の実施の形態の自動取引システムの処理手順を説明する。まず、通常時の取引処理を説明する。
【0173】
図22は、通常時の取引処理を示すシーケンス図である。以下、図22に示す処理をステップ番号に沿って説明する。ここで、以下の説明では、各ATMは全て通常モードであるとする(通常運用の状態)。また、ATM300を例示して説明するが、他のATMでも同様である。
【0174】
(ステップST51)ATM300は、前の顧客の取引が完了し、次の取引を行う準備が整うと、レーン90に並ぶ顧客にその旨を報知する。レーン90の先頭に並ぶ顧客U2は、ATM300の前に移動する。
【0175】
(ステップST52)ATM300は、カードユニット305bにキャッシュカードを挿入する旨を指示するGUIをディスプレイ306aに表示する。ATM300は、顧客U2のキャッシュカードの挿入を受け付けると、キャッシュカードに記録された口座番号を取得する。
【0176】
(ステップST53)ATM300は、サーバ装置100に取引開始通知を送信する。
(ステップST54)ATM300は、取引種別の入力を促すGUIを表示する。ATM300は、顧客U2による取引種別の入力を受け付ける。
【0177】
(ステップST55)ATM300は、暗証番号の入力を促すGUIを表示する。ATM300は、顧客U2による暗証番号の入力を受け付ける。
(ステップST56)ATM300は、取引金額の入力を促すGUIを表示する。ATM300は、顧客U2による取引金額の入力を受け付ける。ここで、取引種別が入金であれば、顧客U2による媒体の挿入を受け付ける。
【0178】
(ステップST57)ATM300は、サーバ装置100に取引実行要求を送信する。取引実行要求には、顧客U2の口座番号、暗証番号、取引種別および取引金額の情報などが含まれる。
【0179】
(ステップST58)サーバ装置100は、取引実行要求に基づいて、ホスト装置400に取引実行依頼を送信する。
(ステップST59)ホスト装置400は、サーバ装置100から受信した取引実行依頼に基づいて、指定された取引を実行する。ホスト装置400は、該取引の取引完了応答をサーバ装置100に送信する。
【0180】
(ステップST60)サーバ装置100は、ホスト装置400から取引完了応答を受信すると、要求された取引が完了した旨を示す取引実行応答をATM300に送信する。
(ステップST61)ATM300は、サーバ装置100から取引実行応答を受信すると、顧客U2のキャッシュカードなどを放出する。出金の取引であれば、万券や千券などの媒体を放出する。
【0181】
(ステップST62)ATM300は、顧客U2によりキャッシュカードなどが受け取られると、取引終了通知をサーバ装置100に送信する。
このようにして、各ATMは通常時の取引処理を行う。運用切替部140は、ステップST62で取引終了通知を受信すると、ATM300の取引間隔時間のカウントをスタートさせる。そして、運用切替部140は、次の取引の取引開始通知をATM300から受信すると、該カウントをストップさせる。このようにして、運用切替部140は、ATM300の1取引あたりの取引間隔時間を計測できる。運用切替部140は、各ATMについて、取引間隔時間を計測し、過去m件の取引について、各ATMの平均取引間隔時間を算出する。
【0182】
図23は、運用切替制御を示すシーケンス図である。以下、図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST71)サーバ装置100は、平均取引間隔テーブル141を参照して、図21で説明した「混雑検知の条件」が成立したことを検知する。
【0183】
(ステップST72)サーバ装置100は、通常モードから引換券モードに切り替えるATMを特定する。切替対象のATMは、例えば、RAM103(または、HDD104)上の所定の記憶部に予め定義される。該切替対象に、ATM300が含まれているとする。
【0184】
(ステップST73)サーバ装置100は、ATM300に通常モードから引換券モードへの切替を指示する(運用切替指示)。
(ステップST74)ATM300は、運用切替指示をサーバ装置100から受信すると、ATM300の動作モードを通常モードから引換券モードに切り替える。ATM300は、切替完了通知をサーバ装置100に送信する。
【0185】
(ステップST75)サーバ装置100は、切替完了通知をATM300から受信すると、ATM情報記憶部151に記憶されたATM管理テーブル151bの設定を変更する。具体的には、ATM管理テーブル151bにおいて、ATM300の運用モードの項目の設定を、“通常モード”から“引換券モード”に変更する。ステップST73〜ST75において、切替対象のATMが他にもあれば、サーバ装置100は、他のATMに関しても同様の処理を行う。
【0186】
(ステップST76)サーバ装置100は、発券端末装置200に引換券による運用の開始を通知する(運用開始指示)。
(ステップST77)発券端末装置200は、運用開始指示をサーバ装置100から受信すると、引換券の発行受付を開始する。発券端末装置200は、運用開始した旨をサーバ装置100に応答する(運用開始応答)。ステップST76,ST77は、発券端末装置200a,200b,・・・に関しても同様である。サーバ装置100は、発券端末装置200a,200b,・・・に運用開始指示を送信する。そして、該指示により運用を開始した発券端末装置200a,200b,・・・は、運用開始応答をサーバ装置100に送信する。
【0187】
(ステップST78)サーバ装置100は、引換券による運用へ切り替えた旨を運用切替端末装置500に報告する(運用切替報告)。
(ステップST79)運用切替端末装置500は、サーバ装置100から運用切替報告を受信すると、自動取引システムの管理者に運用が切り替わった旨を報知する。例えば、運用切替端末装置500の画面上にその旨を表示する、管理者のメールアドレスを宛先としてその旨を示すメッセージを記述した電子メールを送信する、などが考えられる。
【0188】
このようにして、サーバ装置100は、各ATMの運用状況を監視して、混雑を検知すると、通常運用から引換券による運用へ切り替える。その結果、切替対象のATMの動作モードが引換券モードに変更される。これにより、各ATMの混雑時に、適切に運用を切り替えることが可能となる。
【0189】
なお、サーバ装置100は、引換券による運用を行っている際にも、各ATMから取引開始通知および取引終了通知を受信することで、各ATMの平均取引間隔を取得できる。そして、図21で説明した「混雑解消検知の条件」が成立したとき、引換券による運用から通常の運用へ自動的に切り替える。すなわち、サーバ装置100は、ATM管理テーブル151bを参照して、運用モードの項目の設定が“引換券モード”であるATMを通常モードに変更するよう制御する。
【0190】
このように、混雑時および混雑解消時に運用方法を自動的に切り替えることで、自動取引システムの混雑状況に応じた運用の切替を一層適切に行える。更に、管理者の運用変更のための判断や操作に伴う作業負担を軽減できる。
【符号の説明】
【0191】
1,2 情報処理装置
1a 取引管理部
1b 媒体管理部
1c 制御部
3,3a,3b 自動取引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動取引装置それぞれで予約されている取引の予約数を管理する取引管理部と、
前記複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量に応じた、媒体に関する取引の種別ごとの、前記複数の自動取引装置それぞれの優先度を管理する媒体管理部と、
媒体に関する取引の種別が入力されると、前記取引管理部が管理する前記予約数と前記媒体管理部が管理する前記優先度とに基づいて、入力された取引の振分先とする自動取引装置を決定する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の自動取引装置のうち、前記予約数が最小の第1の自動取引装置と、入力された前記取引の種別の優先度が前記第1の自動取引装置よりも高い1またはそれ以上の第2の自動取引装置と、を選択し、前記1またはそれ以上の第2の自動取引装置のうち、前記第1の自動取引装置の予約数と前記1またはそれ以上の第2の自動取引装置それぞれの予約数との予約数差が所定の閾値よりも小さい自動取引装置を前記振分先とする、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記予約数差が前記所定の閾値よりも小さい自動取引装置がない場合、前記第1の自動取引装置を前記振分先とする、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記取引の種別および取引予定の媒体の枚数を取得して、振分先とした自動取引装置を示す情報に対応付けて記憶部に格納し、
前記媒体管理部は、前記複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量と前記記憶部に格納された取引予定の媒体の枚数とに応じて、前記複数の自動取引装置それぞれの優先度を決定する、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、振分先とした自動取引装置を示す情報と入力された取引の内容とを所定の識別情報に対応付けて取引記憶部に格納し、
前記取引管理部は、前記複数の自動取引装置の何れかから識別情報を受信すると、前記取引記憶部を参照して、該自動取引装置を示す情報と該識別情報とが対応付けられているか確認し、該自動取引装置を示す情報と該識別情報とが対応付けられている場合、該識別情報に対応する取引の内容を該自動取引装置に送信する、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取引の種別は、前記複数の自動取引装置の何れかから媒体を取り出す出金、および、前記複数の自動取引装置の何れかに媒体を投入する入金の何れかである、請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
利用者による、媒体に関する取引の種別の入力操作を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた前記媒体に関する取引の種別を送信する送信部と、
を備える第1の情報処理装置と、
複数の自動取引装置それぞれで予約されている取引の予約数を管理する取引管理部と、
前記複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量に応じた、取引の種別ごとの優先度を管理する媒体管理部と、
前記送信部が送信した前記媒体に関する取引の種別を受信すると、前記取引管理部が管理する前記予約数と前記媒体管理部が管理する前記優先度とに基づいて、受信した取引の振分先とする自動取引装置を決定する制御部と、
を備える第2の情報処理装置と、
を有する情報処理システム。
【請求項8】
情報処理装置が実行する振分方法であって、
媒体に関する取引の種別が入力されると、複数の自動取引装置それぞれで予約されている取引の予約数と、前記複数の自動取引装置それぞれが保持する媒体の数量に応じた、取引の種別ごとの優先度と、に基づいて、入力された取引の振分先とする自動取引装置を決定する、
振分方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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