説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体

【課題】 ディスプレイ等に切り替えて表示する画面の数が増大した場合、画面遷移ルールを設定する作業は繁雑になる。
【解決手段】 そこで、本発明に係る情報処理装置は、複数の画面を表す情報を予め優先度が設定された複数のグループ毎に保持し、前記優先度が最も高いグループを決定し、前記優先度が最も高いグループの代表画面を表示手段に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数画面から構成され、ユーザの操作等に応じて、表示する画面を遷移させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル機器の多機能化が進み、GUI(Graphical User Interface)としてディスプレイ等に切り替えて表示する画面の数が増大している。
【0003】
そして近年では、数百から千程度の画面を切り替えてディスプレイ等に表示するデジタル機器が存在している。
【0004】
さらに、複数の画面を切り替えてディスプレイ等に表示するためのルール(以下、画面遷移ルールとする)を設定する場合、ユーザによる特定の入力操作等の入力イベントに対して、遷移先の画面が一意に定められない場合がある。
【0005】
つまり、複雑な画面遷移ルールを設定する必要が生ずる場合がある。
【0006】
以下、前述のデジタルの一例としてプリンタを例に、複雑な画面遷移ルールを具体的に説明する。
【0007】
一般に、当該プリンタのカバーを開けると、当該プリンタに接続されたディスプレイ等にはプリンタのカバーが開いている旨を通知する画面が表示される。
【0008】
また、当該プリンタに接続されたメモリカードスロットに写真を記録したメモリカードが挿入されると、前述のディスプレイ等にはメモリカードに記録された写真を一覧表示する画面が表示される。
【0009】
しかし例外的に、当該プリンタのカバーが開いている場合に、前述と同様にメモリカードが挿入されても、前述のディスプレイ等にはプリンタのカバーが開いている旨を通知する画面が表示される。
【0010】
即ち、前述のディスプレイ等に表示される画面は、メモリカードに記録された写真を一覧表示する画面には切り替わらない。
【0011】
そしてその後、プリンタのカバーが閉じられると、メモリカードに記録された写真を一覧表示する画面に切り替わる。
【0012】
これは一般に、プリンタのカバーの開閉に関する情報が、メモリカードに記録された画像の情報よりも優先してユーザに報知すべきであるとされているからである。
【0013】
このように、メモリカードが挿入されるという特定の入力イベントに対しても、例えば、プリンタのカバーの開閉等に応じて複雑な画面遷移のルールを設定する必要がある。
【0014】
尚、従来UI(User Inter face)の画面遷移ルールは、C等のプログラミング言語によって実装されていた。
【0015】
また、HTML(HyperText Makup Language)を用いた場合、アンカータグ(<a>)を用いて、画面遷移(Webの場合、ページ遷移)ルールを記述することができる。
【0016】
即ち、画面遷移ルールは、マークアップ言語で記述することができる。
【0017】
また、特許文献1には、各々の遷移元の画面を表す情報に対して、画面を遷移させる入力イベント及び当該入力イベントが生起された場合に表示する画面(遷移先の画面)を対応付けて設定する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−132295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、前述のように当該プリンタのカバーが開いている状況でメモリカードが挿入されても画面は切り替わらないようにする。
【0019】
そしてその後、プリンタのカバーが閉じられると、メモリカードに記録された写真を一覧表示する画面に切り替わるようにするという画面遷移ルールを設定する場合、以下のような課題が生じる場合がある。
【0020】
つまり、ディスプレイ等に切り替えて表示する画面の数が増大した場合、遷移元の画面、プリンタの状況及び画面を遷移させる入力イベント毎に画面遷移ルールを設定すると当該設定の作業は繁雑になる。
【0021】
また、従来のプログラミング言語によって実装する場合には、大変な工数がかかる。
【0022】
そこで本発明は、複数の画面の候補から、ディスプレイ等に表示する画面を効率良く指定するための技術を提供することを目的とする。また、画面遷移ルールを効率良く設定するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、複数の画面を表す情報を予め優先度が設定された複数のグループ毎に保持する保持手段と、前記優先度が最も高いグループを決定する決定手段と、前記優先度が最も高いグループの代表画面を表示手段に表示させる制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数の画面の候補から、ディスプレイ等に表示する画面を効率良く指定することが可能となる。また、画面遷移ルールを効率良く設定することが可能となる。
【0025】
また、ディスプレイ等に切り替えて表示する画面の数が増大した場合であっても、画面遷移ルールを設定する作業が繁雑になることを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明していく。
【0027】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるプリンタの機能ブロック図である。同図において、101は入力部、102は制御部、103は記述部、104は管理部、105は表示部である。
【0028】
入力部101は、複数のボタン204、カバーの開閉を検知するセンサー等から構成され、ユーザによる各種の入力やセンサー入力等の指示信号を受け付ける。
【0029】
制御部102は、CPU201等から構成され、ROM203に記憶されたプログラムやデータをRAM202に読み出して各種の処理を実行する。
【0030】
記述部103は、ROM203等の記憶媒体から構成され、前記プログラムを実行する際に必要な画面遷移の仕様を表すデータ等がコンピュータ(CPU等を含む)読み出し可能なプログラムコードの形態で記述されている。
【0031】
管理部104は、RAM202等から構成され、画面遷移の履歴等を管理し、表示部105は、LCD(液晶ディスプレイ)205等から構成され、画像、文字等により構成される各種情報を表示する。
【0032】
図1(b)は、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるプリンタのハードウエア構成を示す構成図である。尚、図1(a)の機能ブロック図の説明において示した要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
同図において、201はCPU、202はRAM、203はROM、204はボタン、205はLCD、206はシステムバスであり、システムバス206は、本装置内の各要素を接続し、各要素間における信号の送受信を行う。
【0034】
次に、上記プリンタにおいて実行される画面遷移の一例について、図3に基づいて説明する。図3は、画面遷移の仕様を表す画面遷移図である。
【0035】
上記プリンタにおいては、以下に示す入力イベントに応じて、所定の画面遷移が実行される。
【0036】
表示部105に画面S01、S04、S11、S12、S21のいずれかが表示されている状態でプリンタのカバーを開けられた場合、表示部105には画面S31が表示される。
【0037】
表示部105に画面S01、S04、S11、S12のいずれかが表示されている状態で印刷(プリントジョブ)が開始された場合、表示部105には画面S21が表示される。
【0038】
表示部105に画面S01、S04のいずれかが表示されている状態でプリンタに接続されたメモリカードスロットにメモリカードが挿入された場合、表示部105には画面S11が表示される。
【0039】
表示部105に画面S01が表示されている状態でOKボタンが押下された場合、表示部105には画面S04が表示され、表示部105に画面S11が表示されている状態でOKボタンが押下された場合、表示部105には画面S12が表示される。
【0040】
表示部105に画面S31が表示されている状態でプリンタのカバーが閉じられた場合、管理部104が保持する情報に基づいて、表示部105には画面S01、S04、S11、S12、S21のいずれかが表示される。
【0041】
表示部105に画面S21が表示されている状態で印刷(プリントジョブ)が終了した場合、管理部104が保持する情報に基づいて、表示部105には画面S01、S04、S11、S12のいずれかが表示される。
【0042】
表示部105に画面S11、S12のいずれかが表示されている状態でプリンタに接続されたメモリカードスロットからメモリカードが取り外されると、管理部104が管理する情報に基づいて、表示部105には画面S01、S04のいずれかが表示される。
【0043】
尚、上記の管理部104が管理する情報については後述する。
【0044】
次に、上記の画面遷移を実行する際に用いる画面遷移の仕様を表すデータについて説明する。尚、画面遷移の仕様を表すデータは、バイナリデータでも図6に示すようなXML形式のテキストでもよい。
【0045】
制御部102は、画面遷移の仕様を表すデータを、RAM202に読み出して実行する。
【0046】
図3において、四角形(S01、S04、S11、S12、S21、S31)はそれぞれ画面を表し、角丸四角形(G0、G1、G2、G3)は画面を分類するためのグループを表す。
【0047】
実線矢印(E04、E11、E13、E21、E31)は画面遷移を表し、実線矢印に付随する文字列は、当該画面遷移のトリガーとなる入力イベントに応じた指示信号を表す。
【0048】
破線矢印(E12、E22、E32)は管理部104が管理する画面遷移履歴の情報から所定のグループに属する情報を削除する処理を表し、破線矢印に付随する文字列は、この処理のトリガーとなる入力イベントに応じた指示信号を表す。
【0049】
次に、図2のフローチャートを用いて、上記の指示信号のいずれかが検知された場合に、制御部102において実行させる処理について説明する。
【0050】
ステップS301において、制御部102は、指示信号が検知されたか否か判断し、指示信号が検知された場合、ステップS302の処理を実行する。一方、指示信号が検知されなかった場合、指示信号が検知されるまで待機する。
【0051】
ステップS302においては、制御部102は、表示部105に表示されている画面を画面遷移の基準(遷移元の画面)として設定する。
【0052】
次に、ステップS303において、遷移元の画面に対して、ステップS301で検知された指示信号による画面遷移が画面遷移の仕様を表すデータに定義されているか否か調べ、所定のデータが定義されていた場合、ステップS304の処理を実行する。
【0053】
一方、所定のデータが定義されていなかった場合、ステップS308の処理を実行する。
【0054】
ステップS304においては、画面遷移の仕様を表すデータに基づいて、遷移先の画面を決定する。
【0055】
次に、ステップS305において、遷移元の画面から遷移先の画面に遷移したとき、当該遷移が、遷移先の画面の属するグループの外から遷移先の画面の属するグループの中への遷移となる場合、ステップS306の処理を実行する。
【0056】
一方、遷移元の画面から遷移先の画面に遷移したとき、当該遷移が、遷移先の画面の属するグループの外から遷移先の画面の属するグループの中への遷移とならない場合、ステップS307の処理を実行する。
【0057】
ステップS306において、制御部102は、管理部104に遷移先の画面の属するグループに対応する新たな履歴管理スタックを生成し、既存の履歴管理スタックのリストに追加する。尚、スタックとは、メモリ領域のことをいう。
【0058】
尚、前記リストに対する生成した履歴管理スタックの追加位置は、遷移先の画面の属するグループに予め設定された優先度に基づいて決定される。
【0059】
次に、ステップS307において、遷移先の画面の属するグループに対応する履歴管理スタックに遷移先の画面を示す情報を追加し、更に前記リストを参照して表示部105に表示する画面を決定する。
【0060】
即ち、表示部105に表示する画面を、遷移先の画面に切り替えるか、引き続き遷移元の画面とするか決定する。
【0061】
また、ステップS308において、制御部102は、S301で検知された指示信号が図3の破線矢印で表される入力イベントに応じた指示信号として定義されているか否か調べ、当該指示信号として定義されている場合、ステップS309の処理を実行する。
【0062】
一方、S301で検知された指示信号が図3の破線矢印で表される入力イベントに応じた指示信号として定義されていない場合、ステップS310の処理を実行する。
【0063】
ステップS309においては、履歴管理スタックのリストの中から、ステップS308で図3の破線矢印で表される入力イベントとして定義されていると判断された入力イベントによって削除する対象となる所定のグループの履歴管理スタックを削除する。次に、上述したステップS307の処理を実行する。
【0064】
ステップS310において、制御部102は、遷移元の画面に親グループ(画面が属するグループ)が設定されているか否かを調べ、親グループが設定されていた場合、ステップS311の処理を実行する。
【0065】
一方、親グループが設定されていない場合、次の指示信号が検知されるまで、表示部105に遷移元の画面を表示した状態で待機する。
【0066】
ステップS311において、制御部102は、ステップS310で親グループと判断されたグループを遷移元の画面に相当する画面遷移の基準に設定し、ステップS303以降の処理を実行する。
【0067】
次に、図3、図4(a)、図4(b)を参照しながら、画面遷移の仕様について詳細に説明する。図4(a)、図4(b)は履歴管理スタックの一例を示す模式図である。
【0068】
ここでは、図3におけるメイン画面S01が現在の画面(遷移元の画面)であるとする。このとき、管理部104の履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(a)の501のようになっている。
【0069】
また、アクティブな履歴管理スタックはH0であり、当該スタックの先頭(図4においては、一番下(右下))に示された画面を表す情報に対応する画面が表示部105に表示されている画面となる。
【0070】
尚、スタックの先頭に示された画面を表すデータを、代表画面を表すデータとする。尚、アクティブな履歴管理スタックとは、表示部105に表示されている画面が属するグループを表す履歴管理スタックのことである。
【0071】
ここで入力部101を介して、「OKボタン押下」という入力イベントに応じた指示信号(E04)が検知された場合、図3の画面遷移図に模式的に示した通り、表示部105に表示される画面は、画面S04に遷移する。
【0072】
一方、管理部104においては、画面S04を表すデータが、履歴管理スタックH0の先頭にプッシュされる。尚、スタックの先頭に示された画面を表すデータを、代表画面を表すデータとする。
【0073】
そして、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(a)の502のようになる。
【0074】
続いて、入力部101を介してプリントジョブを開始させる入力イベントに応じた指示信号が検知されたとする。
【0075】
このとき表示部105に表示されている画面である画面S04を表す情報には、プリントジョブを開始させる入力イベントによる画面遷移は定義されていない。
【0076】
しかし、画面S04が属するグループであるG0には、プリントジョブを開始させる入力イベントが、入力イベントE21として定義されており、遷移先の画面は画面S21となる。
【0077】
また、この画面S21への画面遷移は、グループG2の外からグループG2の中への画面遷移となる。
【0078】
そこで、制御部102は管理部104に対して、グループG2を表す履歴管理スタックH2を新規に生成し、当該履歴管理スタックH2を履歴管理スタックのリストに追加する制御を行う。
【0079】
尚、この処理による履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の602のようになる。また、このときのアクティブなスタックは、履歴管理スタックH2となる。
【0080】
従って、アクティブなスタックの先頭に示された情報に対応する画面S21が表示部105に表示される画面となる。
【0081】
続いて(プリントジョブが終了しないうちに)、入力部101を介して、プリンタに接続されたメモリカードスロットに写真を記録したメモリカードが挿される入力イベントに応じた指示信号が検知されたとする。
【0082】
このとき、表示部105に表示されている画面S21および画面S21が属するグループG2には、上記のメモリカードが挿される入力イベントによる画面遷移は定義されていない。
【0083】
しかし、グループG2が属するグループであるグループG0には、メモリカードが挿される入力イベントが入力イベントE11として定義されている。
【0084】
従って、メモリカードが挿される入力イベントに応じた指示信号が検知されると、遷移先の画面は画面S11となる。
【0085】
尚、この画面遷移は、グループG1の外からグループG1の中への画面遷移となる。
【0086】
従って、制御部102は履歴管理部104に対して、グループG1を表す履歴管理スタックH1を新規に生成し、履歴管理スタックのリストに追加する制御を行う。
【0087】
ただし、グループG1には優先度(1)が設定され、グループG2には優先度(2)が設定されている。
【0088】
そして、グループG1に設定されている優先度は、グループG2に設定されている優先度よりも低いので、履歴管理スタックH1は、履歴管理スタックH2とH0の間に挿入される。
【0089】
即ち、本実施形態において、各々のグループを表す履歴管理スタックは、優先度(i)のi値の順に履歴管理スタックのリストに管理される。
【0090】
つまり、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の603のようになる。
【0091】
従って、アクティブなスタックは履歴管理スタックH2のままとなり、表示部105に表示される画面は、履歴管理スタックH2の先頭に示された情報に対応する画面S21となる。即ち、画面遷移は起こらない。
【0092】
続いて(プリントジョブが終了しないうちに)、入力部101を介して、プリンタのカバーが開けられるという入力イベントに応じた指示信号が検知されたとする。
【0093】
このとき、表示部105に表示されている画面S21および画面S21が属するグループG2には、上記のプリンタのカバーが開けられるという入力イベントに応じた指示信号による画面遷移は定義されていない。
【0094】
しかし、グループG2が属するグループであるグループG0には、プリンタのカバーが開けられるという入力イベントに応じた指示信号がE31として定義されている。
【0095】
従って、メモリカードが挿される入力イベントに応じた指示信号が検知されると、遷移先の画面は画面S31となる。尚、この画面遷移は、グループG3の外からグループG3の中への画面遷移となる。
【0096】
従って、制御部102は管理部104に対して、グループG3を表す履歴管理スタックH1を新規に生成し、履歴管理スタックのリストに追加する制御を行う。
【0097】
ただしグループG3には優先度(3)が設定され、グループG2には優先度(2)が設定されている。
【0098】
そして、グループG3に設定されている優先度は、グループG2に設定されている優先度よりも高いので、履歴管理スタックH3は、履歴管理スタックH2の外側に追加される。
【0099】
つまり、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の604のようになる。
【0100】
従って、アクティブなスタックは履歴管理スタックH3となり、表示部105に表示される画面は、履歴管理スタックH3の先頭に示された情報に対応する画面S31となる。
【0101】
即ち、表示部105に表示される画面は、画面S21から画面S31に切り替わる。
【0102】
続いて(プリントジョブが終了しないうちに)、入力部101を介して、プリンタのカバーが閉じられるという入力イベントに応じた指示信号が検知されたとする。
【0103】
このとき、表示部105に表示されている画面S31および画面S31が属するグループG3には、プリンタのカバーが閉じられるという入力イベントに対する画面遷移は定義されていない。
【0104】
しかし、グループG3が属するグループであるグループG0には、プリンタのカバーが閉じられるという入力イベントが入力イベントE32として定義されている。
【0105】
そして、指示信号E32が検知されると、グループG3を表す履歴管理スタックH3を履歴管理スタックのリストから削除するというアクションが設定されている。
【0106】
そこで、制御部102は管理部104に対して、グループG3を表す履歴管理スタックH3を削除する制御を行う。
【0107】
従って、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の605のようになる。
【0108】
その結果、アクティブなスタックは履歴管理スタックH2となり、表示部105に表示される画面は、画面S31から履歴管理スタックH2の先頭に示された情報に対応する画面であるS21に切り替わる。
【0109】
続いて、入力部101を介して、プリントジョブが終了するという入力イベントに応じた指示信号が検知されたとする。
【0110】
このとき、表示部105に表示されている画面S21および画面S21が属するグループG2には、プリントジョブが終了するという入力イベントによる画面遷移は定義されていない。
【0111】
しかし、グループG2が属するグループであるグループG0には、プリントジョブが終了するという入力イベントが入力イベントE22として定義されている。
【0112】
そして、指示信号E22が検知されると、グループG2を表す履歴管理スタックH2を履歴管理スタックのリストから削除するというアクションが設定されている。
【0113】
そこで、制御部102は管理部104に対して、グループG2を表す履歴管理スタックH2を削除する制御を行う。
【0114】
従って、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の606のようになる。
【0115】
その結果、アクティブなスタックは履歴管理スタックH1となり、表示部105に表示される画面は、画面S21から、履歴管理スタックH1の先頭に示された情報に対応する画面である画面S11に切り替わる。
【0116】
続いて、入力部101を介して、「OKボタンが押される」という入力イベントE13が検知された場合、図3の画面遷移図に模式的に示した通り、表示部105に表示される画面は、画面S12に遷移する。
【0117】
一方、管理部104においては、画面S12を表すデータがアクティブな履歴管理スタックH1の先頭にプッシュされる。何故なら、画面S12が画面S11と同じグループであるグループG1に属するからである。
【0118】
従って、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の607のようになる。その結果、表示部105に表示される画面は、画面S12となる。
【0119】
続いて、入力部101を介して、プリンタに接続されたメモリカードスロットから写真を記録したメモリカードが抜かれるという入力イベントに応じた指示信号が検知されたとする。
【0120】
このとき、表示部105に表示されている画面S12および画面S12が属するグループG1には、上記のようにメモリカードが抜かれるという入力イベントによる画面遷移は定義されていない。
【0121】
しかし、グループG1が属するグループであるグループG0には、上記のようにメモリカードが抜かるという入力イベントに応じた指示信号がE12として定義されている。
【0122】
そして、指示信号E12が検知されると、グループG1を表す履歴管理スタックH1を履歴管理スタックのリストから削除するというアクションが設定されている。
【0123】
そこで、制御部102は管理部104に対して、グループG1を表すスタックH1を削除する制御を行う。従って、このときの履歴管理スタックのリストを模式的に示すと、図4(b)の608のようになる。
【0124】
その結果、アクティブなスタックは履歴管理スタックH0となり、表示部105に表示される画面は、画面S12から、履歴管理スタックH0の先頭に示された情報に対応する画面である画面S04に切り替わる。
【0125】
尚、履歴管理スタックのリストが図4(b)の606の状態であるとき、即ち、表示部105に画面S11が表示されているときに上記のようにメモリカードが抜かれた場合も、同様に履歴管理スタックH1が削除される。
【0126】
従って、表示部105に表示される画面は、画面S11から画面S04に遷移することになる。
【0127】
以上のように本実施形態に係る情報処理装置は、複雑な画面遷移のルールを、図3のように簡単に記述することができる。
【0128】
尚、本実施の形態においてはプリンタを例に説明したが、本発明は、ディスプレイを備え、当該ディスプレイに複数の画面を切り替えて表示するデジタル機器にも利用可能である。
【0129】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、管理部104が、グループ毎に履歴管理スタックを分けるようにしていたが、履歴管理スタックは一つでもよい。
【0130】
即ち、図4(c)のように、1つの履歴管理スタックでも、スタック上の画面の所属グループを管理し、グループ単位で、履歴管理スタックへの追加、挿入、削除を行うようにすればよい。
【0131】
例えば、履歴管理スタックが702の状態から703の状態になる際には、画面S11の属するグループG1の優先度がグループG2の優先度よりも低いので、画面S11は、画面S21よりも履歴管理スタックの内側に挿入される。
【0132】
また、グループG3に属する画面S3が履歴管理スタックから削除されることで、当該履歴管理スタックは、704の状態から705の状態へ変化する。
【0133】
(第3の実施形態)
上記の実施形態では、画面遷移仕様記述データを図3のような遷移図で表現していたが、実際にはテキストまたはバイナリのデータである。尚、テキストの場合、XMLを用いてもよい。
【0134】
図3の遷移図は、例えば、図6のようなXMLで記述することができる。ここで、各要素の意味は以下のとおりである。
<screentransition>:root要素であり、図3のグループG0に相当する。
<screen>:画面を示し、図3では四角形で表現されている。
<group>:グループを示し、図3では、角丸四角形のG1、G2、G3に相当する。
<group>要素のpriority属性は、図3の優先度に相当する。
<transition>:画面遷移を示し、図3では実線矢印で表現されている。
<exit>:グループを削除するアクションを示し、図3では破線矢印で表現されている。
【0135】
(第4の実施形態)
上記第3の実施形態では、画面遷移の仕様記述データは、XMLなどのテキストデータやバイナリデータでもよいことを述べたが、これらのデータは、図5に示すような設計ツール801で設計してもよい。
【0136】
これは、図3の遷移図を描くツールで、遷移図のパーツ群802から必要なパーツを遷移図フィールド803にドラッグ&ドロップするなどして編集する。
【0137】
パーツ群802には、少なくとも、画面(“screen”)、グループ(“group”)、遷移矢印(実線矢印)、グループを削除するアクション(破線矢印)が含まれる。
【0138】
グループを表すパースの中に画面のパーツをドラッグ操作で配置することで、画面がグループに属する状態を表現することができる。
【0139】
このようなツールで遷移図を描き、セーブボタン804を押すことで、遷移図の内容が、図6のようなXML形式でファイルに出力される。
【0140】
そしてこのファイルそのもの、あるいはこのファイルを等価な内容をもつバイナリデータなどに変換したものを、画面遷移仕様記述部103の中に保持する。
【0141】
更に、制御部102が読み込んで実行することで、このツールで設計した画面遷移の仕様通りの動作をプリンタなどのデジタル機器の上で実現することができる。
【0142】
(第5の実施形態)
上記第1および第2の実施例では、画面遷移の仕様を表すデータはUI設計時に作成されプリンタの実機上に事前に組み込まれることを想定している。
【0143】
しかし、プリンタが、メモリカードやネットワークなど媒体として、別の画面遷移仕様記述データを取り込み、既存の画面遷移の仕様を表すデータと置き換えることで、画面遷移のルールをカスタマイズできるようにしてもよい。
【0144】
図7は、プリンタ1001が、インターネット1004を通じて配信サーバ1002に接続され、配信サーバ1002は、LAN1005によって、PC(パーソナルコンピュータ)1003と接続されている様子を示している。
【0145】
PC1003では、上記第4の実施形態で説明したような設計ツールで、XML形式あるいはバイナリ形式の画面遷移仕様データを作成する。
【0146】
作成した画面遷移の仕様を表すデータは、LAN1005を経由して配信サーバ1002にアップロードされる。
【0147】
アップロードされた画面遷移の仕様を表すデータは、インターネット1004を経由してプリンタ1001へ配信される。
【0148】
次に、図8のフローチャートを用いて、プリンタ1001と配信サーバ1002の動作を説明する。
【0149】
配信サーバ1002は、ステップS1101において、PC1003から画面遷移仕様データがアップロードされたか否かをチェックする。
【0150】
アップロードされた場合は、ステップS1102において、新しい画面遷移仕様データをダウンロード可能である旨を、インターネット1004を通じてプリンタ1001に通知する。
【0151】
プリンタ1001は、ステップ1105において、配信サーバ1002から通知があるか否かをチェックする。
【0152】
そして、通知があった場合は、ステップS1106において、新しい画面遷移仕様データをダウンロード可能である旨をLCD205に表示するなどしてユーザに通知する。
【0153】
ステップS1107においては、ユーザからダウンロードの指示があるか否かをチェックし、当該指示があれば、ステップS1108において、インターネット1103を経由して、配信サーバ1002に対し、ダウンロード要求を行う。
【0154】
配信サーバ1002は、ステップS1103において、プリンタ1101からの要求があるか否かをチェックする。
【0155】
そして、要求があれば、ステップS1104においてインターネット1003を経由して新しい画面遷移仕様データをプリンタ1001に送信する。
【0156】
プリンタ1001は、ステップS1109において、送信されてきた画面遷移仕様データを受信する。
【0157】
そして、これをステップS1110において制御部102が読み込むことで、この新しい画面遷移の仕様を表すデータに基づいた画面遷移を実行する。
【0158】
(その他の実施の形態)
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。
【0159】
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0160】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0161】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、CD−ROM等を用いることができ、当該プログラムコードはネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0162】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。
【0163】
加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタのブロック図及びハードウエア構成図ある。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る制御部102の処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画面遷移の仕様を表すデータを表現する遷移図の例である。
【図4】管理部104が保持する履歴管理スタックの例である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る画面遷移の仕様を表すデータを設計する設計ツールの例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る画面遷移の仕様を表すデータをXML形式で表現した例である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る構成図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係るプリンタと配信サーバの動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0165】
101 入力部
102 制御部
103 記述部
104 管理部
105 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画面を表す情報を予め優先度が設定された複数のグループ毎に保持する保持手段と、
前記優先度が最も高いグループを決定する決定手段と、
前記優先度が最も高いグループの代表画面を表示手段に表示させる制御手段とを有する情報処理装置。
【請求項2】
更に、少なくとも1つの画面を表す情報を含む新たなグループを保持手段に追加する追加手段と、
追加されたグループに設定された優先度が最も高くなる場合、前記制御手段は、前記表示手段に表示させる画面を、追加されたグループの代表画面に遷移させること特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
更に、前記グループの少なくとも1つを保持手段から削除する削除手段と、
削除されたグループに設定された優先度が最も高かった場合、前記制御手段は、前記表示手段に表示させる画面を、削除されていないグループのうち優先度が最も高いグループの代表画面に遷移させること特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
更に、画面遷移のトリガーとなる指示信号を検知する検知手段を有し、
前記追加手段による処理は、所定の前記指示信号の検知に応じて実行されることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
更に、画面遷移のトリガーとなる指示信号を検知する検知手段を有し、
前記削除手段による処理は、所定の前記指示信号の検知に応じて実行されることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の画面を表す情報を予め優先度が設定された複数のグループ毎に保持する保持工程と、
前記優先度が最も高いグループを決定する決定工程と、
前記優先度が最も高いグループの代表画面を表示手段に表示させる制御工程とを有する情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法を実行するためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−176528(P2010−176528A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20227(P2009−20227)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】