説明

情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 電子文書データで使用している部品データのうち使用期限が迫った部品データがある場合に、その情報を通知するとともに、電子文書データの編集時に当該部品データだけでなく、さらに、使用期限が迫りつつある他の部品データを認識させる。
【解決手段】 部品の使用期限が迫っていることを通知する基準である警告条件と、使用期限が迫りつつあることを通知する基準である注意条件とを設定する。警告条件に合致した部品データを使用している電子文書データがある場合には、その担当者に通知を行う。また、通知を受けた担当者が電子文書データを編集する際に、警告条件に合致した部品データとともに、注意条件に合致した部品データを認識可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の素材や部品を用いて作成された電子文書データの更新や承認業務を支援するための技術に関し、特に、電子文書データに使用される素材や部品が使用期限に達する等、使用不可となる場合に、事前にその警告を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、社内で使用する電子文書データを作成するために、それら電子文書データで共通して使用できるものを予め部品化しておき、その部品をレイアウトすることで、電子文書を作成することが行われている。
【0003】
このような形での電子文書データの作成支援を行うシステムでは、素材や部品には、使用可否の設定や、使用期限の設定が行われることがある。文書の作成時等に使用が不可とされているデータや、使用期限に達したデータなどが電子文書データで使用されていないかを判定し、使用されていないと判定した場合に、当該文書データを画像形成装置から出力可能なシステムについて、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−328724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている発明は、電子文書データで使用されている素材や部品が有効期限内であるかの確認を行っている。しかしながら、電子文書データに有効期限が終了した素材や部品が使用されている旨の警告を行うだけでは、当該電子文書データに有効期限が間もなく終了する素材や部品が含まれていた場合、ユーザが、間もなく有効期限が終了する素材や部品が含まれていることを認識できなかった場合に、何度も警告がなされることになり、そのたびに電子文書データの更新を行わなくてはならなくなる。
【0006】
これでは、電子文書データの更新作業が頻繁に発生してしまう可能性は否定できず、必ずしも効率的に電子文書データの更新や承認作業を行うことが出来なくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記した課題に鑑み、電子文書データで使用されている素材やパーツの有効期限情報をユーザに的確に通知することで、ユーザの電子文書データの更新作業や承認者による承認作業を効率よく行うことを可能とする情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、部品データをレイアウト作成された電子文書データの管理を行う情報処理装置であって、前記部品データの使用期限を記憶する第1の記憶手段と、前記部品データの使用期限が迫っていることを示す情報を通知する期日条件を示す第1の条件及び第2の条件を記憶する第2の記憶手段と、前記電子データで使用されている部品データに前記第1の条件に合致する部品データがあるかを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段で前記第1の条件に合致する電子文書データの担当者に警告情報を通知する通知手段と、前記担当者が使用するクライアント装置から前記電子文書データの取得要求を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段で取得要求を受け付けた電子文書データを表示するための画面情報を生成する第1の生成手段と、前記生成手段で生成された画面情報前記クライアント装置に送信する送信手段と、を備え、前記第1の生成手段は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成することを特徴とする。
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明の情報処理方法は、前記部品データの使用期限を記憶する第1の記憶手段と、前記部品データの使用期限が迫っていることを示す情報を通知する期日条件を示す第1の条件及び第2の条件を記憶する第2の記憶手段と、を備え、部品データをレイアウト作成された電子文書データの管理を行う情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、前記電子データで使用されている部品データに前記第1の条件に合致する部品データがあるかを判定する第1の判定工程と、前記第1の判定工程で前記第1の条件に合致する電子文書データの担当者に警告情報を通知する通知工程と、前記担当者が使用するクライアント装置から前記電子文書データの取得要求を受け付ける第1の受付工程と、前記第1の受付工程で取得要求を受け付けた電子文書データを表示するための画面情報を生成する第1の生成工程と、前記生成手段で生成された画面情報前記クライアント装置に送信する送信工程と、を備え、前記第1の生成工程は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成することを備えることを特徴とする。
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明のコンピュータプログラムは、前記部品データの使用期限を記憶する第1の記憶手段と、前記部品データの使用期限が迫っていることを示す情報を通知する期日条件を示す第1の条件及び第2の条件を記憶する第2の記憶手段と、を備え、部品データをレイアウト作成された電子文書データの管理を行う情報処理装置を、前記電子データで使用されている部品データに前記第1の条件に合致する部品データがあるかを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段で前記第1の条件に合致する電子文書データの担当者に警告情報を通知する通知手段と、前記担当者が使用するクライアント装置から前記電子文書データの取得要求を受け付ける第1の受付手段と、前記第1の受付手段で取得要求を受け付けた電子文書データを表示するための画面情報を生成する第1の生成手段と、前記生成手段で生成された画面情報前記クライアント装置に送信する送信手段として機能させ、前記第1の生成手段は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子文書データで使用されている素材やパーツの有効期限情報をユーザに的確に通知することで、ユーザの電子文書データの更新作業や承認者による承認作業を効率よく行うことを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の文書管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】図1の文書管理サーバ101として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】文書管理サーバ101によって行われる処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS302の警告判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3のステップS304の電子文書データ編集処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3のステップS306の電子文書データ承認処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】電子文書データ一覧表示画面の構成の一例を示す図である。
【図8】電子文書データ編集画面の構成の一例を示す図である。
【図9】電子文書データ承認画面の構成の一例を示す図である。
【図10】文書管理サーバ101の外部メモリ211に記憶されているデータテーブルのデータ構成を示す図である。
【図11】本発明の電子文書データの構成の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
【0014】
図1は、本発明の文書管理システムのシステム構成の一例を示す図である。同図に示す通り、本発明の文書管理システムは、文書管理サーバ101、クライアント装置102−1乃至102−3(以下まとめてクライアント装置102とする)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク103を備えて構成されている。
【0015】
文書管理サーバ101は、本発明の情報処理装置として機能する装置であって、クライアント装置102からの電子文書データの編集処理要求に応じて電子文書データの編集処理や、クライアント装置102からの電子文書データの承認要求に応じて電子文書データの承認処理を行う装置である。また、文書管理サーバ101は、電子文書データ101の作成に使用される素材データやパーツデータ(それらをまとめて「部品データ」とする)を記憶するデータテーブルや、電子文書データを管理するデータテーブル等を備えている。尚、素材データは例えば電子文書データで使用可能な画像データ等であり、パーツデータは、素材データを用いて作成された、電子文書データで使用可能なデータである。
【0016】
クライアント装置102は、電子文書データの編集や、作成された電子文書データの承認を行うユーザによって使用される装置であって、文書管理サーバ101に対して、電子文書データの編集要求や、電子文書データの承認要求等を行う装置である。
【0017】
ネットワーク103は、文書管理サーバ101やクライアント装置102を相互に通信可能に接続するためのネットワークであって、その接続形態は有線/無線を問わない。以上が、本発明の文書管理システムのシステム構成の一例の説明である。
【0018】
次に、図2を参照して、図1の文書管理サーバ101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。
【0019】
図中、CPU201は、システムバス204に接続される後述の各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、文書管理サーバ101に後述する各種の処理を実行させるために必要な各種プログラムやデータ等が記憶されている。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0020】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで後述する各種処理を実現するものである。また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードやポインティングデバイス等で構成される入力装置209からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ装置210等の表示装置への表示を制御する。ディスプレイ装置210は、例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等で構成される。
【0021】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0022】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワーク103を介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0023】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。以上が、文書管理サーバ101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の説明であるが、後述する各種の処理を実行可能であれば、必ずしも図2に記載のハードウェア構成を有していなくとも構わないことは言うまでもない。
【0024】
次に、図11を参照して、本発明で取り扱う電子文書データの構成について説明する。図11に示す通り、本発明で取り扱う電子文書データ1100は、素材データ1101や素材データ1101を用いて作成されたパーツデータ1102等の部品データをレイアウトすることで作成される。素材データ、パーツデータ等の部品データには、後述するように使用期限を設定可能であり、電子文書データで使用されている部品データの使用期限が迫った場合には、当該電子文書データの作成担当者にその旨の通知が行われる。
【0025】
次に、図3を参照して文書管理サーバ101によって行われる処理の概要について説明する。文書管理サーバ101のCPU201に図3に示す処理を実行させるためのプログラムは外部メモリ211等に記憶されており、本処理を行う際に当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムの制御に従って、本処理を行うことになる。
【0026】
まず、文書管理サーバ101のCPU201は、予め設定された所定のタイミングに達した場合に(ステップS301の警告判定を行うでYES)、警告判定処理(ステップS302)を、クライアント装置102から電子文書データ編集処理要求を受け付けた場合に(ステップS303でYES)、電子文書データ編集処理を(ステップS304)、また、クライアント装置102からの電子文書データ承認要求を受け付けた場合には(ステップS305でYES)、電子文書データ承認処理を行う(ステップS306)。そして、以上の処理をステップS307でYESと判定するまで繰り返し行うことになる。
【0027】
尚、ステップS302の有効判定処理の詳細は図4を、ステップS304の電子文書編集処理の詳細は図5を、ステップS306の電子文書データ承認処理の詳細は図6を参照して、夫々説明することにする。
【0028】
ここで、図4を参照して、図3のステップS302の有効判定処理の詳細について説明する。この処理は、あらかじめ決められた所定のタイミングに達した際に(例えば毎日0時になど)、CPU201が図3のステップS301で警告判定処理を行う(YES)と判定することで実行する処理である。
【0029】
まず、CPU201は、外部メモリ211で管理されている電子文書データを取得する(ステップS401)。ここでは、後述する電子文書管理テーブル1000で管理されている電子文書データのうち、そのステータス1008が「使用可」となっている電子文書データを全て取得することになる。その後、部品警告条件及び部品注意条件を取得する(ステップS402、S403)。
【0030】
ここで、図10を参照して文書管理サーバ101の外部メモリ211に記憶管理されている各種のデータテーブルについて説明する。文書管理サーバ101には、電子文書管理テーブル1000、警告・注意条件管理テーブル1010、使用部品データ管理テーブル1020、部品データ管理テーブル1030等が設定されている。
【0031】
電子文書管理テーブル1000は、電子文書データを管理するためのデータテーブルであって、電子文書ID1001、電子文書名1002、文書種別1003、作成日1004、最新更新日1005、担当者1006、承認者1007、ステータス1008等のデータ項目を備えて構成されている。
【0032】
警告・注意条件管理テーブル1010は、電子文書中で使用されている部品データ(素材データ、パーツデータ)の使用期限が残り何日になった場合に警告や注意を行うかを示す情報を登録するデータテーブルであって、部品警告条件1011、部品注意条件1012等のデータ項目を備えて構成されている。通常、部品警告条件1011に設定される日数情報は、部品注意条件1012に設定されるに数情報よりも小さい値となっている。
【0033】
使用部品データ管理テーブル1020は、各電子文書データで使用されている部品データを管理するためのデータテーブルであって、このデータテーブルを用いて、各電子文書データで使用されている部品データを特定することになる。この使用部品データ管理テーブルは、電子文書ID1021、部品ID1022、位置1023等のデータ項目を備えて構成されている。
【0034】
部品データ管理テーブル1030は、電子文書データで使用可能な部品データを管理するためのデータテーブルであって、部品データの使用期限などもこのデータテーブルで管理されている。この部品データ管理テーブル1030は部品ID1031、使用可否1032、使用期限1033、担当者1034、変更候補部品1035等のデータ項目を備えて構成されている。以上が、文書管理サーバ101の外部メモリ211で管理されているデータテーブルの説明である。
【0035】
図4の説明に戻る。ステップS402、S403で警告・注意条件テーブル1010で管理されている部品警告条件及び部品注意条件を取得後、ステップS401で取得した全ての電子文書データについてステップS404からステップS408に示す処理を行う。
【0036】
まず、CPU201は、電子文書データで使用されている部品データを取得する(ステップS404)。つまり、使用部品データ管理テーブル1020で管理されているデータレコードのうち、チェック対象となっている電子文書データの電子文書ID1001と同じ電子文書ID1021が設定されているデータレコードを取得することで、部品データを取得することになる。
【0037】
そして、その後、ステップS404で取得したそれぞれの部品データの使用期限1033と、ステップS402で取得した部品警告条件、現在時刻とから、ステップS404で取得した部品データに部品警告条件に合致する部品データが含まれるかを判定する(ステップS405)。この判定処理で部品警告条件に合致する部品データ含まれる(YES)と判定した場合には処理をステップS406に進める。一方、含まれない(NO)と判定した場合には、ステップS404に進め、他の電子文書データで使用されている部品データの取得を行う。
【0038】
ステップS405でYESと判定した場合には、部品警告条件に合致する部品データを警告部品として設定する(ステップS406)。そして、その後、当該電子文書データで使用されている部品データに、部品注意条件に合致する部品データが含まれるかを判定する(ステップS407)。そして、部品注意条件に合致する部品データがあると判定した場合には、当該部品データを注意部品として設定する。尚、部品警告条件に合致した部品データは、部品注意条件にも合致することになるが、それらは注意部品としては設定しない。
【0039】
そして、ステップS405からステップS408の処理をステップS401で取得した全ての電子文書データに対して行った後に、処理をステップS409に進め、警告部品を含む電子文書データがあるかを判定する。この判定処理で、警告部品を含む電子文書データがある(YES)と判定した場合には、処理をステップS409に進め、電子文書データそれぞれの担当者に電子文書データに警告部品が使用されている旨の通知をするために電子メールを送信する。その電子メールには、例えば、電子文書名や、警告部品の情報等を記載されている。また、注意部品に関する情報を記載しても良い。また通知方法も電子メールに限られない。
【0040】
以上が、図3のステップS302の警告判定処理の詳細である。この処理を行うことで、電子文書データの担当者に、電子文書データにもうすぐ使用期限に達する部品データが使用されていることを適切に報知することが可能となる。
【0041】
次に、図5を参照して、図3のステップS304の電子文書データ編集処理の詳細について説明する。この処理は、クライアント装置102から電子文書データ編集要求を受け付けた場合に実行する処理である。
【0042】
文書管理サーバ101のCPU201は、不図示のステップでのログイン処理により特定されたログインユーザが担当者となっている電子文書データを、外部メモリ211に記憶されている電子文書管理テーブル1000から取得する(ステップS501)。ここでは担当者1006に当該ログインユーザが設定されている電子文書データを取得することになる。
【0043】
その後、ステップS501で取得した電子文書データに、部品警告条件に合致する部品データデータが使用されているか、また、部品注意条件に合致する部品データが使用されているかを判定し、それぞれあった場合には、警告部品、注意部品として設定する(ステップS502〜S508の処理)。この処理は、図4のステップS402〜S408の処理と略同様であるので、詳細な説明は割愛する。
【0044】
その後、ステップS501で取得した電子文書データの一覧データをディスプレイ装置に表示させるための画面情報を作成し、ログインユーザが使用するクライアント装置102に送信する。画面情報が送信されたクライアント装置102のディスプレイ装置には、図7に示す電子文書データ一覧表示画面700が表示されることになる。
【0045】
ここで、図7を参照して、クライアント装置102のディスプレイ装置102に表示される電子文書データ一覧画面700の構成について説明する。
【0046】
電子文書データ一覧画面700は、電子文書一覧データ表示部701、編集ボタン702、終了ボタン703等を備えて構成されている。電子文書一覧データ表示部701には、文書データ名表示部701−1、文書種別表示部701−2、警告部品有無表示部701−3が設定されており、ユーザは警告部品有無表示部701−3を確認することで、電子文書データに使用期限間近の部品データが使用されているか否かを確認することができる。
【0047】
編集ボタン702は、電子文書データの編集を行う際に用いられるボタンである。終了ボタン703はこの画面の表示を終了する際に用いられるボタンである。以上が電子文書データ一覧画面700の構成の説明である。
【0048】
図5の説明に戻る。クライアント装置102に画面情報送信後、クライアント装置102のディスプレイ装置に表示される電子文書データ一覧画面700中のいずれかの編集ボタン702に対する押下指示を受け付けることでクライアント装置102から送信される編集対象の電子文書データの指定を受け付けると(ステップS510)、指定を受け付けた電子文書データの編集画面の画面情報を作成する(ステップS511)。その際に、ステップS510で指定を受け付けた電子文書データに警告部品データが使用されている場合には(ステップS512でYES)、ステップS513で当該警告部品データを識別可能に表示するための付加情報を、電子文書データに注意部品データが使用されている場合には(ステップS514でYES)、ステップS515で注意部品データを識別可能に表示するための付加情報を追加することになる。
【0049】
そして、上記のようにして作成された編集画面の画面情報をクライアント装置102に対して送信する(ステップS516)。文書管理サーバ101から編集画面の画面情報を受信したクライアント装置102のディスプレイ装置には図8に示す電子文書データ編集画面800が表示されることになる。
【0050】
ここで、図8を参照して、クライアント装置102に表示される電子文書データ編集画面について説明する。
【0051】
図8に示す通り、電子文書データ編集画面800に、電子文書データが表示される際には、その電子文書データで使用されている部品データのうち、警告部品データ(801)や注意部品データ(802)が他の部品データと識別可能に表示されることになる。
【0052】
これにより、電子文書データの編集担当者は、どの部品データに対して変更を加えれば良いかを知ることが可能となる。そしてこの電子文書データ編集画面800を用いて電子文書データの編集処理を行うことになる。
【0053】
図5の説明に戻る。その後、クライアント装置102に表示されている電子文書データ編集画面800に対して行われる編集処理を受け付ける(ステップS517)。その後、編集終了指示を受け付けると(ステップS518)、編集された電子文書データに警告部品が使用されているかを判定する(ステップS519)。この判定処理で、YESと判定した場合には、処理をステップS520に進め、警告部品が使用されている旨を当該電子文書データの担当者に報知させるべく、クライアント装置102に対して警告表示情報を送信する。この警告表示情報を受け付けたクライアント装置102は、編集後の電子文書データに警告部品が使用されているため、登録できない旨の警告メッセージをディスプレイ装置に表示することになる。
【0054】
ステップS519の判定処理で、警告部品が使用されていない(NO)と判定した場合には、処理をステップS521に進め、電子文書データに注意部品が使用されているかを判定する。この判定処理で、注意部品が使用されている(YES)と判定した場合には、処理をステップS522に進め、電子文書データに注意部品が使用されている旨を当該電子文書データの担当者に報知させるべく注意表示情報を送信する。この注意表示情報を受け付けたクライアント装置102は、編集後の電子文書データに注意部品が使用されているが、このまま登録するか、それとも編集処理を継続するかを指定させるべく注意メッセージをディスプレイ装置に表示することになる。クライアント装置102で編集処理を継続させる指示を受け付けた場合には(ステップS523でNO)、ステップS517に処理を戻し、編集処理の受付を継続する。
【0055】
ステップS523の判定処理で、電子文書データの登録指示を受け付けた(YES)と判定した場合、ステップS521の判定処理で編集後の電子文書データに注意部品が使用されていない(NO)と判定した場合には、処理をステップS524に進め、編集後の電子文書データの登録処理を行う。そして、その後、当該電子文書データのステータス1008を承認待ちに設定する。その誤、クライアント装置102から電子文書データの編集の終了指示を受け付けていないと判定した場合には(ステップS526でNO)、処理をステップS509に戻し、他の電子文書データに対して、ステップS509以降の処理を行うことになる。ステップS526の判定処理で終了指示を受け付けた(YES)と判定した場合には、本図に示す処理を終了する。以上が、図4のステップS304の電子文書データ編集処理の詳細な説明である。
【0056】
次に、図6を参照して、図3のステップS306の電子文書データ承認処理の詳細について説明する。この処理は、クライアント装置102から電子文書データ承認処理要求を受け付けた場合に実行する処理である。
【0057】
まず、文書管理サーバ101のCPU201は、不図示のステップでのログイン処理により特定されたログインユーザが承認者となっている電子文書データを、外部メモリ211に記憶されている電子文書管理テーブル1000から取得する(ステップS601)。ここでは承認者1007に当該ログインユーザが設定されている電子文書データのうち、ステータス1008が承認待ちである電子文書データを取得することになる。この時、編集前の電子文書データと、編集後の電子文書データを取得する。
【0058】
その後、その後、ステップS501で取得した電子文書データに、部品警告条件に合致する部品データデータが使用されているか、また、部品注意条件に合致する部品データが使用されているかを判定し、それぞれあった場合には、警告部品、注意部品として設定する(ステップS602〜S608の処理)。この処理は、図4のステップS402〜S408の処理と略同様であるので、詳細な説明は割愛する。
【0059】
尚、ステップS604からステップS608では、編集前、編集後両方の電子文書データについて、警告条件に合致する部品データが使用されているか、また、注意条件に合致する部品データが使用されているかを判定する。
【0060】
その後、ログインユーザによる承認処理の対象となる電子文書データの一覧情報を表示するための画面情報を生成し、クライアント装置102に対して送信する(ステップS609)。
【0061】
そしてその後、電子文書データの一覧画面に対する操作指示による承認対象とする電子文書データの指定を受け付けると(ステップS610)、処理をステップS611に進め、電子文書データの承認画面情報を作成する。この時、編集前、編集後の電子文書データに警告部品、注意部品が含まれる場合には(ステップS612でYESと判定した場合)、当該警告部品、注意部品を識別可能にするための情報を画面情報に付加することになる(ステップS613)。そして作成した画面情報をクライアント装置102に対して送信する(ステップS614)。文書管理サーバ101から当該画面情報を受信したクライアント装置102のディスプレイ装置には、図9に示す承認画面900が表示されることになる。
【0062】
ここで、図9を参照して、クライアント装置102のディスプレイ装置に表示される承認画面900の構成について説明する。図9に示すように承認画面900には、電子文書データの編集前のデータと、編集後のデータが対象表示されることになるので、承認者はどの部分が変更されたのかを容易に知ることができる。
【0063】
また、編集後の電子文書データや、編集前の電子文書データに注意部品、警告部品が含まれる場合には、それらを識別可能に表示することになる(注意部品801、警告部品802)。
【0064】
この画面に設定されている承認ボタンの押下指示がなされることにより電子文書データに対する承認指示が、否認ボタンの押下指示がなされることにより電子文書データの否認指示が文書管理サーバ101に対して送信されることになる。以上が図9の承認画面の説明である。
【0065】
図6の説明に戻る。ステップS614でクライアント装置102に承認画面900の画面情報送信後、クライアント装置102から、当該電子文書データに対する承認指示を受け付けると(ステップS615でYES)、承認処理を行う(ステップS616)。承認処理では、電子文書データのステータス1008を承認済みに変更する。
【0066】
一方、クライアント装置102から否認指示を受け付けると(ステップS615でNO)、否認処理を行う(ステップS617)。否認処理では、電子文書データのステータスを差し戻しに変更する。
【0067】
そして、上記の処理をステップS618の終了判定処理でYESと判定するまで行う。以上が、図3のステップS306の電子データ承認処理の詳細な説明である。
【0068】
本発明では、電子文書データの担当者に、電子文書データに使用期限が差し迫っている警告部品が含まれていることを報知することを可能にするとともに、当該電子文書データの編集を行う際に、電子文書データに警告部品以外に、使用期限が近い注意部品が使用されていることを報知することが可能となる。
【0069】
これにより、電子文書データに使用されている警告部品を変更する編集処理を行う際に、注意部品を合わせて変更することが可能となり、電子部品データの編集担当者の編集処理を効率的に行わせることが可能となる。
【0070】
また、同様に電子文書データの承認担当者に対しても、電子文書データに警告部品だけでなく、注意部品が使用されているかを提示することで、承認担当者が注意部品が含まれる当該電子文書データを差し戻し、編集担当者に早急に変更することを指示することが可能となる。
【0071】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0072】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0073】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0074】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0075】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0076】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0077】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0078】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0079】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0080】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0081】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
101 文書管理サーバ
102−1〜102−3 クライアント装置
103 ネットワーク
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/F(インターフェース)コントローラ
209 キーボード
210 ディスプレイ装置
211 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品データをレイアウト作成された電子文書データの管理を行う情報処理装置であって、
前記部品データの使用期限を記憶する第1の記憶手段と、
前記部品データの使用期限が迫っていることを示す情報を通知する期日条件を示す第1の条件及び第2の条件を記憶する第2の記憶手段と、
前記電子データで使用されている部品データに前記第1の条件に合致する部品データがあるかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段で前記第1の条件に合致する電子文書データの担当者に警告情報を通知する通知手段と、
前記担当者が使用するクライアント装置から前記電子文書データの取得要求を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段で取得要求を受け付けた電子文書データを表示するための画面情報を生成する第1の生成手段と、
前記生成手段で生成された画面情報前記クライアント装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記第1の生成手段は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記電子文書データの編集処理を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段で受け付けた編集処理により更新された電子文書に使用される部品データに前記第1の条件に合致する部品データが含まれるかを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段で前記第1の条件に合致する部品データが含まれないと判定した後に、当該電子文書データを要承認電子文書データとして設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定手段で要承認文書データとして設定された電子文書データに対する承認要求を受け付ける第3の受付手段と、
前記第3の受付手段で承認要求を受け付けた電子文書データを承認するための画面情報を生成する第2の生成手段と、
を備え、
前記第2の生成手段は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の生成手段は、前記電子文書データの編集前と編集後とを対象表示するための画面情報を生成すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記部品データの使用期限を記憶する第1の記憶手段と、前記部品データの使用期限が迫っていることを示す情報を通知する期日条件を示す第1の条件及び第2の条件を記憶する第2の記憶手段と、を備え、部品データをレイアウト作成された電子文書データの管理を行う情報処理装置によって行われる情報処理方法であって、
前記電子データで使用されている部品データに前記第1の条件に合致する部品データがあるかを判定する第1の判定工程と、
前記第1の判定工程で前記第1の条件に合致する電子文書データの担当者に警告情報を通知する通知工程と、
前記担当者が使用するクライアント装置から前記電子文書データの取得要求を受け付ける第1の受付工程と、
前記第1の受付工程で取得要求を受け付けた電子文書データを表示するための画面情報を生成する第1の生成工程と、
前記生成手段で生成された画面情報前記クライアント装置に送信する送信工程と、
を備え、
前記第1の生成工程は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
前記部品データの使用期限を記憶する第1の記憶手段と、前記部品データの使用期限が迫っていることを示す情報を通知する期日条件を示す第1の条件及び第2の条件を記憶する第2の記憶手段と、を備え、部品データをレイアウト作成された電子文書データの管理を行う情報処理装置を、
前記電子データで使用されている部品データに前記第1の条件に合致する部品データがあるかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段で前記第1の条件に合致する電子文書データの担当者に警告情報を通知する通知手段と、
前記担当者が使用するクライアント装置から前記電子文書データの取得要求を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段で取得要求を受け付けた電子文書データを表示するための画面情報を生成する第1の生成手段と、
前記生成手段で生成された画面情報前記クライアント装置に送信する送信手段
として機能させ、
前記第1の生成手段は、前記電子文書データに含まれる前記第1の条件に合致する部品データ及び前記第2の条件に合致する部品データを、他の部品データと識別可能にする画面情報を生成すること
を特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−141731(P2012−141731A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293391(P2010−293391)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】