説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体

【課題】複数の取引対象の一覧表示を、ユーザの興味に応じてユーザに適した表示にする。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及びユーザにより参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に参照リスト登録情報または参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段と、特定手段により特定された取引対象の一覧表示における表示態様を制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引対象の一覧を表示する情報処理装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の購入やサービスの予約等、取引対象の購入が可能な電子商取引のWebサイトが知られている。このようなWebサイトでは、ユーザからの要求に応じて、取引対象の一覧のWebページが表示される場合がある。このようなWebページとしては、例えば、ユーザにより指定された条件を満たす取引対象の検索結果を表示するページであったり、特集で取り上げられた取引対象の一覧を表示するページであったりする。ユーザは、表示された一覧の中から、例えば、ユーザが興味を持った取引対象を選択することにより、その取引対象の詳細な情報を閲覧することができる。そして、ユーザは、取引対象の情報等に基づいて、購入する取引対象を検討する。
【0003】
一般的な取引対象の一覧の表示においては、取引対象の一覧の中における各取引対象の表示態様(例えば、表示順位、表示形式等)は、如何なるユーザに対しても基本的には同じである。このように、取引対象の一覧の表示が画一的であるため、それぞれのユーザに適した表示になっているとはいえなかった。つまり、取引対象の一覧の表示がユーザの興味に応じた表示になっていないため、例えば、購入する取引対象を検討する場合において、取引対象の一覧がユーザにとって利用しやすい一覧であるとは必ずしもいえなかった。
【0004】
この点に関連して、非特許文献1には、ホテルを検索する技術が開示されている。この技術においては、ユーザが、検索結果の一覧の中からホテルをショートカットリストに追加することができる。その後、ユーザが検索条件を指定することでホテルの検索が行われると、ショートカットリストに追加されたホテルの情報は、検索結果の一覧の領域の中には表示されず、別の領域の中に表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Google Inc.、“Google Hotel Finder”、[online]、[平成23年8月30日検索]、インターネット<URL: http://www.google.com/hotelfinder/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に開示された技術では、ショートカットリストに追加されたホテルの情報が検索結果よりも上に表示されるので、検索結果の閲覧の妨げになる。また、検索結果の一覧自体はユーザの興味に応じた表示にはなっていない。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、複数の取引対象の一覧表示を、ユーザの興味に応じてユーザに適した表示にすることができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、参照リストに登録されている取引対象はユーザが興味を持っている取引対象である蓋然性が高く、参照リストから削除された取引対象はユーザが興味を失った取引対象である蓋然性が高いので、複数の取引対象の一覧表示を、ユーザの興味に応じてそのユーザに適した表示にすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記記憶手段には、前記参照リスト登録情報として、前記ユーザにより指定された検索条件に基づいて検索された複数の取引対象のうち該ユーザの前記参照リストに登録された取引対象を示す取引対象情報と、該検索条件とが対応付けて記憶されており、前記特定手段は、前記ユーザの要求に応じて該ユーザにより指定された検索条件に基づいて検索された取引対象のうち前記記憶手段に前記参照リスト登録情報が記憶されている取引対象の中から、該検索条件とは異なる検索条件と対応付けて前記取引対象情報が記憶されている取引対象を特定し、前記制御手段は、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様を、前記特定手段により特定されない場合の表示態様よりも目立つ表示態様に変えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ある検索条件で検索されて参照リストに登録された取引対象が、その後別の検索条件で検索された場合に、その取引対象が参照リストに登録されていない場合よりも目立つ態様で検索結果の一覧内に表示される。従って、ユーザはその取引対象が一覧の中にあることに気がつきやすくなる。そのため、ユーザが指定したある観点の条件を満たす参照リストの取引対象が、ユーザが指定した別の観点の条件をも満たすことを容易に知ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記特定手段は、前記ユーザの要求に応じて該ユーザにより指定された検索条件とは異なる検索条件と対応付けて前記取引対象情報が記憶されている取引対象に関連する取引対象を更に特定し、前記制御手段は、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様を、前記特定手段により特定されない場合の表示態様よりも目立つ表示態様に変えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、参照リストに登録された取引対象に関連する取引対象が、参照リストに登録された取引対象に関連する取引対ではない場合よりも目立つ態様で一覧内に表示される。ユーザが興味を持つ取引対象に関連する取引対象も、ユーザが興味を持つ蓋然性が高いので、ユーザは、興味を持つ蓋然性が高い取引対象が一覧の中にあることに気がつきやすくなる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の情報処理装置において、前記制御手段は、前記一覧表示の対象とされた取引対象の数が多いほど、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様の変化量を大きくすることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、一覧において多数の取引対象の中にユーザが興味を持つ取引対象が埋もれてその取引対象があることに気がつきにくくなることを防止することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置において、前記特定手段は、前記一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から前記記憶手段に前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定し、前記制御手段は、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様を、前記特定手段により特定されない場合の表示態様よりも目立たない表示態様に変えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、参照リストから削除された取引対象が、参照リストから削除されたことがない場合よりも目立たない態様で検索結果の一覧内に表示される。そのため、ユーザが興味を失った取引対象が一覧の中にあることに気がつきにくくなるので、その取引対象が他の取引対象の閲覧の邪魔になることを防止することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記特定手段により特定された取引対象が前記参照リストから削除されるよりも前に該取引対象が前記ユーザにより購入されたか否かを判定する判定手段を更に備え、前記制御手段は、前記判定手段により購入されていないと判定された場合、購入されたと判定された場合よりも前記特定手段により特定された取引対象の表示態様の変化量を大きくすることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、ユーザが参照リストから削除する前に購入しなかった取引対象は、購入した取引対象よりも興味がない取引対象である。そのため、より興味を失った取引対象が他の取引対象の閲覧の邪魔になることを防止することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、情報処理装置により実行される情報処理方法であって、ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、情報処理装置に含まれるコンピュータを、ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段、及び、前記特定手段により特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御手段、として機能させることを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、情報処理装置に含まれるコンピュータを、ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段、及び、前記特定手段により特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御手段、として機能させる情報処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、参照リストに登録されている取引対象はユーザが興味を持っている取引対象である蓋然性が高く、参照リストから削除された取引対象はユーザが興味を失った取引対象である蓋然性が高いので、複数の取引対象の一覧表示を、ユーザの興味に応じてそのユーザに適した表示にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態に係る電子商取引システムSの概要構成の一例を示す図である。
【図2】検索条件ページの画面表示例を示す図である。
【図3】(a)は、お気に入りへの商品の登録状況を示す図であり、(b)は、お気に入りからの商品の削除状況を示す図であり、(c)は、検索結果ページの表示例を示す図である。
【図4】一実施形態に係る電子商取引サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図5】(a)は、会員情報DB12aに登録される内容の一例を示す図であり、(b)は、ジャンル情報DB12bに登録される内容の一例を示す図であり、(c)は、店舗情報DB12cに登録される内容の一例を示す図であり、(d)は、商品情報DB12dに登録される内容の一例を示す図であり、(e)は、閲覧履歴DB12eに登録される内容の一例を示す図であり、(f)は、購入履歴DB12fに登録される内容の一例を示す図であり、(g)は、お気に入り情報DB12gに登録される内容の一例を示す図であり、(h)は、お気に入り削除情報DB12hに登録される内容の一例を示す図である。
【図6】一実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14の検索リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【図7】一実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のリスティングスコア引き上げ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【図8】一実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のリスティングスコア引き下げ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【図9】(a)は、一実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のお気に入り登録リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートであり、(b)は、一実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のお気に入り削除リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、電子商取引システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0026】
[1.電子商取引システムの構成及び機能概要]
[1−1.電子商取引システムの構成]
先ず、本実施形態に係る電子商取引システムSの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電子商取引システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示すように、電子商取引システムSは、電子商取引サーバ1と、複数の店舗端末2と、複数のユーザ端末3と、を含んで構成されている。そして、電子商取引サーバ1と各店舗端末2及び各ユーザ端末3とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0028】
電子商取引サーバ1(本発明における情報処理装置の一例)は、商品の購入が可能な電子商店街に関する各種処理を実行するサーバ装置である。ユーザは、電子商店街を利用することにより、所望の店舗から所望の商品を購入することができる。電子商取引サーバ1は、店舗端末2やユーザ端末3からのリクエストに応じて、例えば、電子商店街のWebページを送信したり、商品の検索、購入等に関する処理を行ったりする。
【0029】
店舗端末2は、電子商店街に出店している店舗の従業員等により利用される端末装置である。店舗端末2は、例えば、販売する商品の情報を電子商店街に登録したり、商品の注文内容を確認したりするために用いられる。また、店舗端末2は、従業員等からの操作に基づいて電子商取引サーバ1にアクセスすることにより、電子商取引サーバ1からWebページを受信して表示する。店舗端末2には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。店舗端末2としては、例えば、パーソナルコンピュータ等が用いられる。
【0030】
ユーザ端末3は、電子商店街を利用するユーザの端末装置である。ユーザ端末3は、ユーザからの操作に基づいて電子商取引サーバ1にアクセスすることにより、電子商取引サーバ1からWebページを受信して表示する。ユーザ端末3には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。ユーザ端末3としては、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【0031】
[1−2.お気に入りと商品の一覧の表示]
電子商取引システムSにおいては、お気に入り機能が提供されている。お気に入り機能とは、電子商店街で販売されている商品をユーザのお気に入りとして登録することにより、商品ページへの参照をユーザ専用のリストに保持しておき、お気に入りの商品の商品ページをユーザが容易に閲覧することができるようにする機能である。商品ページは、1つの商品に関する詳細な情報が表示されるWebページである。また、お気に入りの商品は、単にお気に入りともいう。電子商店街においては、商品ページに、「お気に入りに追加」と表示されたハイパーリンク(以下、「リンク」という)が表示されている。ユーザがこのリンクを選択すると、商品ページに情報が表示されている商品が、ユーザのお気に入りに登録される。ユーザは、お気に入りに登録されている商品を、お気に入りページで確認することができる。お気に入りページは、お気に入りに登録されている商品の一覧が表示されるWebページであり、ユーザごとに専用のWebページである。また、お気に入りページには、お気に入りに登録された商品の商品ページへのリンクが埋め込まれている。お気に入りページにおいて、ユーザは、任意の商品のリンクを選択すると、対応する商品ページを表示させることができる。また、お気に入りページにおいて、ユーザは、お気に入りに登録されている商品の中から登録しておく必要がない商品を指定してお気に入りから削除することができる。
【0032】
電子商取引システムSにおいては、電子商店街で販売されている商品が一覧表示されるWebページがある。このWebページとしては、例えば、検索結果ページがある。検索結果ページは、ユーザにより指定された検索条件で検索された商品の一覧が表示されるWebページである。ユーザは、検索条件として、例えば、キーワード、商品のジャンル等を指定することができる。
【0033】
図2は、検索条件ページの画面表示例を示す図である。図2に示すように、検索結果ページには、検索条件設定領域210、ジャンル指定領域220、検索結果表示領域230等を含む。検索条件設定領域210は、検索条件としてキーワードを指定し直したり、検索された商品を更に絞り込むためのキーワードを指定したりするための領域である。ジャンル指定領域220は、検索された商品を更に絞り込むためのジャンルを検索条件として指定するための領域である。
【0034】
検索結果表示領域230には、検索された商品の情報の一覧が表示される。具体的に、検索結果表示領域230には、検索された商品の画像、商品名、価格、店舗名等を含む該当商品情報231が商品ごとに表示される。該当商品情報231は、検索された商品の表示順位に従って表示される。具体的に、表示順位が高いほど、検索結果表示領域230内の上方に該当商品情報231が表示される。また、検索結果表示領域230に情報が表示可能な該当商品情報231の上限数が決められている。例えば、上限数が10である場合、検索結果表示領域230には、表示順位が1位から10位までの商品の該当商品情報231が表示される。ここで、ユーザが「次の10件」と表示されたリンクを選択すると、ユーザ端末3の画面には新たな検索結果ページが表示され、その検索結果ページの検索結果表示領域230に、表示順位が11位から20位までの商品の該当商品情報231が表示される。該当商品情報231の表示順位は、リスティングスコアに基づいて決定される。リスティングスコアは、商品またはその商品の商品ページに対して決定された評価を示す値である。リスティングスコアが高いほど、評価が高いことを示す。そして、リスティングスコアが高い商品ほど、その商品の該当商品情報231の表示順位が高くなる。例えば、商品ページに対するアクセス数(閲覧数)が多いほどリスティングスコアが高くなるようにしてもよいし、商品の購入数が多いほどリスティングスコアが高くなるようにしてもよい。検索結果表示領域230に表示された該当商品情報231の中から何れかの該当商品情報231をユーザが選択すると、選択された該当商品情報231に対応する商品の商品ページが表示される。商品ページにおいてユーザが購入操作を行うことにより、その商品ページに情報が表示されている商品を購入することができる。
【0035】
電子商取引サーバ1は、検索結果ページにおける一覧中における商品の表示態様を、ユーザの興味に応じた表示態様に制御する。電子商取引サーバ1は、これにより、商品の一覧表示をユーザに適した表示とさせる。ユーザは、自分が興味を持った商品を購入するものである。そのため、商品の一覧における各商品の表示態様がユーザの興味に応じた表示態様となっていると、ユーザが購入する商品を検討するときに、ユーザが興味を持つ商品に気づきやすくなったり、購入候補となるような商品の商品ページへのアクセスが容易となったりするからである。
【0036】
具体的に、電子商取引サーバ1は、ユーザのお気に入りに対する商品の登録状況に基づいて、一覧表示における商品の表示態様を制御する。お気に入りには、例えば、ユーザが気になった商品、購入候補とした商品、ユーザが好きな商品等が登録される。つまり、お気に入りに登録されている商品は、ユーザが興味を持っている商品である蓋然性が高い。
【0037】
そこで、電子商取引サーバ1は、お気に入りに登録されている商品の一覧中における表示態様を、お気に入りに登録されていない場合よりも目立つ表示態様に変える。具体的に、電子商取引サーバ1は、お気に入りに登録されている商品の表示順位を、お気に入りに登録されていない場合の表示順位よりも高くする。つまり、電子商取引サーバ1は、お気に入りに登録されている商品の表示順位を引き上げる。しかしながら、電子商取引サーバ1は、お気に入りに登録されている商品の表示順位を常に引き上げるのではない。電子商取引サーバ1は、お気に入りに登録されるきっかけなった検索の際にユーザにより指定された検索条件が、今回指定された検索条件と異なる商品について表示順位を引き上げる。
【0038】
ユーザのお気に入りに登録されている商品が、そのユーザから如何なるときでも興味を持たれているとは限らない。例えば、ユーザは、ある検索条件aを指定し、検索条件aで検索された商品の中から興味を持った商品Aをお気に入りに登録したとする。その後に、ユーザは再び同じ検索条件aを指定して商品の検索を行ったとする。この場合、ユーザは、検索条件aで商品Aが検索されることを知っており、且つ、商品Aは既にお気に入りに登録されていることを知っている蓋然性が高い。このときに関しては、ユーザは商品Aにそれほど興味を持っているとは考えにくい。そのユーザにとっては、商品Aについて新たな発見がないからである。そのようなとき、商品の一覧の中で商品Aの表示順位が引き上げられると、その代わりに他の商品の表示順位が引き下げられる。そのため、他の商品の情報の確認の妨げになる場合がある。
【0039】
これに対し、ユーザは検索条件aとは異なる検索条件bを指定して商品の検索を行ったとする。このとき、検索された商品の中に商品Aが含まれているとする。そうすると、検索された商品の中からユーザが商品Aを見つけた場合、ユーザは、商品Aが検索条件bをも満たすという新たな発見をすることになる。検索条件が異なるということは、別の観点で検索を行うことである。つまり、ユーザは、別の観点で商品Aを見ることができる。このようなとき、ユーザは商品Aに興味を持つ蓋然性がある。このような商品の表示順位が引き上げられることでその商品が目立つことになるので、ユーザはその商品が一覧の中にあることに気がつきやすい。つまり、ユーザは興味を持った商品が別の観点での条件を満たすことに気がつきやすくなる。
【0040】
なお、ユーザが検索条件を複数指定する場合がある。例えば、キーワードとジャンルとが指定されたり、複数のキーワードが指定されたりする。複数の検索条件が指定される場合、電子商取引サーバ1は、例えば、少なくとも1つの検索条件が異なる場合に表示順位を引き上げてもよい。1つでも検索条件が異なれば、検索する観点が異なるからである。また、電子商取引サーバ1は、全部の検索条件が異なる場合にのみ表示順位を引き上げてもよい。
【0041】
一方、お気に入りから商品が削除された場合、その商品は、例えば、ユーザが気にならなくなった商品、購入候補から外れた商品、ユーザが好きではなくたった商品である。つまり、お気に入りから削除された商品は、ユーザが興味を失った商品である蓋然性が高い。なお、購入候補から外れた商品は、その商品を既に購入したため、もう購入する必要がない商品も含む。興味を失った商品の情報はユーザにとっては必要ではない情報である。興味を失った商品の一覧中における表示順位が上位の方にあると、その商品の情報の存在により、他の商品の情報の確認の妨げになる場合がある。
【0042】
そこで、電子商取引サーバ1は、お気に入りから削除された商品の表示順位を、お気に入りへの登録がされたことがない場合よりも、お気に入りから削除された商品の一覧中における表示順位を低くする。つまり、お気に入りから削除された商品の表示順位を引き下げる。これにより、お気に入りから削除された商品が目立たなくなるので、ユーザが興味を失った商品が一覧の中にあること気がつきにくくなる。これにより、他の商品の確認が妨げられることを防止することができる。
【0043】
なお、お気に入りに登録されたことがない商品とお気に入りから削除された商品とは、現在お気に入りに登録されていないという点については同じである。しかしながら、お気に入りに登録されたことがない商品は、お気に入りから削除されたこともない商品である。従って、お気に入りに登録されたことがない商品は、ユーザが興味を持っている商品であるのか興味がない商品(ユーザが興味を失った商品を含む)であるのかが分からない商品である。また、お気に入りに登録されたことがない商品は、ユーザがまだ知らない商品である場合もある。一方、お気に入りから削除された商品は、ユーザが興味を失った商品である蓋然性が高い。その点において、お気に入りに登録されたことがない商品は、お気に入りから削除された商品とは異なる。
【0044】
以下に具体例を示す。図2に示す検索結果ページは、あるユーザがお気に入りへ1つも商品を登録したことがない場合の検索結果ページであるとする。つまり、そのユーザは、お気に入りから商品を削除したこともない。このとき、検索結果表示領域230においては、商品A〜商品Jの10個の商品のそれぞれについて該当商品情報231が表示されている。そして、商品A〜商品Jの表示順位は、アルファベット順になっている。つまり、商品Aの表示順位が最も高い。また、図2に示す検索結果ページは、検索条件として「天然水」というキーワードが指定された場合の検索結果ページである。
【0045】
図3(a)は、その後のお気に入りへの商品の登録状況を示す図である。また、図3(b)は、お気に入りからの商品の削除状況を示す図である。また、図3(c)は、検索結果ページの表示例を示す図である。
【0046】
例えば、ユーザは、図2に示す検索結果ページから、商品Dの商品ページと商品Fの商品ページとを閲覧し、商品D及び商品Fをお気に入りに登録したとする。次に、ユーザは、検索条件として「ミネラルウォーター」というジャンルを指定して、電子商取引サーバ1に商品を検索させる。そのときに検索された商品の中に商品Kが含まれており、ユーザは商品Kをお気に入りに登録したとする。実は、商品Kはキーワード「天然水」でも検索された商品ではあるが、表示順位が10位より低かったため、図2に示す検索結果ページには表示されていなかった。その後、ユーザは、お気に入りから商品Fを削除したとする。
【0047】
すると、図3(a)に示すように、現在お気に入りに登録されている商品は、商品Dと商品Kである。また、図3(b)に示すように、お気に入りから削除されている商品は、商品Fである。この場合に、ユーザが再び検索条件としてキーワード「天然水」を指定して、電子商取引サーバ1に商品を検索させる。すると、図3(c)に示すように、商品Dの表示順位は変化していない。商品Dがお気に入りに登録されたときに指定された検索条件と、今回指定された検索条件とが一致するからである。一方、商品Fと商品Kの表示順位は変化している。具体的に、商品Fの表示順位は、6位から10位に変化し、商品Kの表示順位は10位よりも低い順位から7位に変化している。
【0048】
なお、電子商取引サーバ1は、お気に入りに登録されている商品に関連する商品の表示順位も引き上げる。ユーザが興味を持つ商品に関連する商品も、ユーザが興味を持つ蓋然性があるからである。ここで、お気に入りに登録されている方の商品がお気に入りに登録されるきっかけなった検索の際にユーザにより指定された検索条件と、今回指定された検索条件とが異なる場合に、その商品に関連する商品の表示順位が引き上げられる。また、お気に入りに登録されている方の商品は、今回の検索によって検索された商品の中に含まれていなくてもよい。ある商品に関連する商品としては、例えば、ある商品と同じジャンルに属する商品、ある商品と販売元の店舗が同じ商品、ある商品を主商品とした場合のオプション品、ある商品をオプション品とした場合の主商品等がある。オプション品等としては、例えば、主商品である電動歯ブラシに対して替えブラシ等の消耗品、主商品であるモバイルパソコンに対してモバイルパソコンを収納するケース等のアクセサリー等がある。主商品とオプション品等との関連を示す情報は、例えば、記憶部12に記憶されていてもよい。また、例えば、オプション品等の商品ページに、主商品の商品コードが掲載されるような場合、つまり、オプション品等の商品情報に主商品の商品コードを含むようにした場合には、商品情報から関連する商品を特定することができる。
【0049】
また、電子商取引サーバ1は、検索された商品の総数に応じて表示順位の引き上げ量を調整する。検索された商品の総数が多いと、お気に入りに登録されている商品の表示順位を多少引き上げても、多数の商品に埋もれて相対的にあまり目立たない場合がある。そこで、電子商取引サーバ1は、検索された商品の総数が多いほど、表示順位の引き上げ量を大きくする。例えば、電子商取引サーバ1は、予め設定された商品1個あたりの引き上げ量に、検索された商品の総数を乗じて、表示順位の引き上げ量を決定してもよい。
【0050】
また、電子商取引サーバ1は、お気に入りから削除された商品の表示順位を引き下げる場合、購入された後にお気に入りから削除された商品と、購入されずにお気に入りから削除された商品とで、表示順位の引き下げ量を変える。購入された後にお気に入りから削除された商品は、ユーザがその商品を購入することについては興味を失ったかもしれないが、その商品自体への興味を失ったとまではいいきれない。一方、購入されないでお気に入りから削除された商品は、ユーザが購入にも商品自体にも興味を失った蓋然性が高い。そこで、電子商取引サーバ1は、購入された後にお気に入りから削除された商品の表示順位の引き下げ量を、購入されずにお気に入りから削除された商品の表示順位の引き下げ量よりも大きくする。なお、電子商取引サーバ1は、購入された後にお気に入りから削除された商品については、表示順位を引き下げなくてもよい。
【0051】
[2.電子商取引サーバの構成]
次に、電子商取引サーバ1の構成について、図4及び図5を用いて説明する。
【0052】
図4は、本実施形態に係る電子商取引サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、電子商取引サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。
【0053】
通信部11は、ネットワークNWに接続して、店舗端末2やユーザ端末3等との通信状態を制御するようになっている。
【0054】
記憶部12(本発明における記憶手段の一例)は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部12には、会員情報DB(データベース)12a、ジャンル情報DB12b、店舗情報DB12c、商品情報DB12d、閲覧履歴DB12e、購入履歴DB12f、お気に入り情報DB12g、お気に入り削除情報DB12h等のデータベースが構築されている。
【0055】
図5(a)は、会員情報DB12aに登録される内容の一例を示す図である。会員情報DB12aには、電子商取引システムSに会員登録しているユーザに関する会員情報が登録される。具体的に、会員情報DB12aには、ユーザID、パスワード、ニックネーム、氏名、生年月日、性別、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアドレス等のユーザの属性が、ユーザごとに対応付けて登録される。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。
【0056】
図5(b)は、ジャンル情報DB12bに登録される内容の一例を示す図である。ジャンル情報DB12bには、商品のジャンルに関するジャンル情報が登録されている。具体的に、ジャンル情報DB12bには、ジャンルID、ジャンル名、ジャンルのレベル、親ジャンルID、子ジャンルIDリスト等のジャンルの属性が、ジャンルごとに対応付けて登録される。ジャンル情報は、例えば、電子商店街の管理者等により設定される。商品のジャンルは、木構造で階層的に定義されている。具体的に、木構造の各ノードが、ジャンルに相当する。ノードの深さが、そのノードに相当するジャンルのレベル(階層)に相当する。ノードの深さは、根に位置するノード(以下、「根ノード」という)からの距離である。レベルの値が大きいほど、レベルとしての深さが深く、レベルの値が小さいほど、レベルとしての深さが浅い。根ノードが有する子ノードに相当するジャンルがレベル1のジャンルである。レベル1のジャンルが最上位のジャンルである。レベル1の各ジャンルに対しては、子ノードに相当するジャンルが、レベル2のジャンルとして定義されている。ここで、あるジャンルC1の子ノードに相当するジャンルC2を、ジャンルC1の「子ジャンル」という。子ジャンルを、サブジャンルともいう。また、このときのジャンルC1を、ジャンルC2の「親ジャンル」という。子ジャンルは、親ジャンルを更に複数に区分したときに、同じような商品が属する範囲である。従って、子ジャンルは親ジャンルに属する。ジャンルIDは、ジャンル情報によって定義されるジャンルの識別情報である。親ジャンルIDは、ジャンル情報によって定義されるジャンルの親ジャンルのジャンルIDである。子ジャンルIDリストは、ジャンル情報によって定義されるジャンルの子ジャンルのジャンルIDのリストである。子ジャンルIDリストは、ジャンル情報によって定義されるジャンルが子ジャンルを有する場合に設定される。
【0057】
図5(c)は、店舗情報DB12cに登録される内容の一例を示す図である。店舗情報DB12cには、電子商店街に出店している店舗に関する店舗情報が登録される。具体的に、店舗情報DB12cには、店舗ID、店舗名、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアドレス、取扱ジャンル情報等の店舗の属性が、店舗ごとに対応付けて登録される。店舗IDは、店舗の識別情報である。取扱ジャンル情報は、店舗が取り扱っている商品(店舗が販売している商品)のジャンルを示す情報である。具体的に、取扱ジャンル情報には、店舗が取り扱っている商品のジャンルごとにジャンルIDが設定されている。
【0058】
図5(d)は、商品情報DB12dに登録される内容の一例を示す図である。商品情報DB12dには、電子商店街で販売されている商品に関する商品情報が登録される。具体的に、商品情報DB12dには、商品ID、店舗ID、商品コード、ジャンルID、商品名、商品画像のURL(Uniform Resource Locator)、商品説明、商品価格等の商品の属性が、店舗が販売する商品ごとに対応付けて登録される。商品ID(本発明における取引対象情報の一例)は、店舗等が、販売する商品を管理するための商品の識別情報である。店舗IDは、商品の販売元の店舗を示す。商品コードは、商品を識別するコード番号である。商品コードとしては、例えば、JAN(Japanese Article Number Code)コード等がある。ジャンルIDは、商品が属するジャンルのジャンルIDである。
【0059】
図5(e)は、閲覧履歴DB12eに登録される内容の一例を示す図である。閲覧履歴DB12eには、電子商店街の商品ページの閲覧履歴が登録される。具体的に、閲覧履歴DB12eには、商品ID、閲覧日時及びユーザIDが、商品ページが閲覧されるごとに対応付けて登録される。商品IDは、商品ページが閲覧された商品を示す。閲覧日時は、商品ページが閲覧された日時を示す。具体的に、閲覧日時は、電子商取引サーバ1がユーザ端末3へ商品ページを送信した日時である。ユーザIDは、商品ページを閲覧したユーザを示す。
【0060】
図5(f)は、購入履歴DB12fに登録される内容の一例を示す図である。購入履歴DB12fには、ユーザによる商品の購入履歴が登録される。具体的に、購入履歴DB12fには、注文コード、購入日時、ユーザID、商品ID、店舗ID、商品コード、購入数等が、商品の購入ごとに対応付けて登録される。注文コードは、商品の注文が行われるたびに付与される注文の識別情報である。ユーザIDは、購入したユーザを示す。商品ID及び商品コードは、購入された商品を示す。店舗IDは、購入先の店舗を示す。購入数は、購入された商品の個数である。
【0061】
図5(g)は、お気に入り情報DB12gに登録される内容の一例を示す図である。お気に入り情報DB12gには、ユーザのお気に入りに関するお気に入り情報(本発明における参照リスト情報の一例)が登録される。具体的に、お気に入り情報DB12gには、ユーザID、商品ID、登録日時及び検索条件等が、お気に入りに商品が登録されるごとに対応付けて登録される。ユーザIDは、お気に入りへの登録を行ったユーザを示す。商品IDは、お気に入りに登録された商品を示す。また、商品IDは、お気に入りに登録された商品の商品ページへの参照に相当する情報である。商品ページへの実際の参照の情報はURLであるが、商品ページのURLは、商品IDから特定することが可能である。なお、商品ページのURLが、商品IDとともにまたは商品IDの代わりにお気に入り情報DB12gに登録されるようになっていてもよい。登録日時は、お気に入りへの登録が行われた日時を示す。検索条件は、お気に入りに登録された商品を検索するためにユーザにより指定された条件である。
【0062】
図5(h)は、お気に入り削除情報DB12hに登録される内容の一例を示す図である。お気に入り削除情報DB12hには、お気に入りから削除された商品に関するお気に入り削除情報が登録される。具体的に、お気に入り削除情報DB12hには、ユーザID、商品ID及び削除日時等が、お気に入りから商品が削除されるごとに対応付けて登録される。ユーザIDは、お気に入りからの削除を行ったユーザを示す。商品IDは、お気に入りから削除された商品を示す。削除日時は、お気に入りからの削除が行われた日時を示す。
【0063】
次に、記憶部12に記憶されるその他の情報について説明する。記憶部12には、Webページを表示するためのHTML(HyperText Markup Language)文書、XML(Extensible Markup Language)文書、画像データ、テキストデータ、電子文書等の各種データが記憶されている。また、記憶部12には、管理者等により設定された各種の設定値が記憶されている。
【0064】
また、記憶部12には、オペレーティングシステム、WWW(World Wide Web)サーバプログラム、DBMS(Database Management System)、電子商取引管理プログラム、商品評価プログラム等の各種プログラムが記憶されている。電子商取引管理プログラムは、電子商取引に関する各種の処理を実行するためのプログラムである。商品評価プログラムは、各商品のリスティングスコアを決定するためのプログラムである。商品評価プログラムにより、各商品のリスティングスコアが随時更新され、例えば、リスティングスコアが商品IDと対応付けて記憶部12に記憶される。システム制御部14は、例えば、専用のAPI(Application Programming Interface)を介して、商品評価プログラムからリスティングスコアを取得することができる。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0065】
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0066】
システム制御部14は、CPU14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c等により構成されている。そして、システム制御部14は、CPU14aが、各種プログラムを読み出し実行することにより、本発明における特定手段、制御手段及び判定手段として機能するようになっている。
【0067】
なお、電子商取引サーバ1が、複数のサーバ装置で構成されてもよい。例えば、お気に入りに関する処理を行うサーバ装置、電子商店街において商品の検索や注文等の処理を行うサーバ装置、ユーザ端末3からのリクエストに応じてWebページを送信するサーバ装置、及びデータベースを管理するサーバ装置等が、互いにLAN等で接続されてもよい。
【0068】
[3.電子商取引システムの動作]
次に、電子商取引システムSの動作について、図6乃至図9を用いて説明する。
【0069】
[3−1−1.商品の検索時の動作]
図6は、本実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14の検索リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0070】
例えば、ユーザは、予め電子商取引システムSにログインしているとする。システム制御部14は、ユーザによるログイン時に、ユーザ端末3からユーザIDを受信し、受信したユーザIDをクッキーとしてユーザ端末3に保存させている。そのため、ユーザがログインしている場合には、ユーザ端末3から電子商取引サーバ1へ送信されるリクエストには、ユーザIDを含むクッキーが付加されている。なお、電子商取引サーバ1が受信したリクエストに付加されたクッキーに含まれるユーザIDを、「要求ユーザID」という。また、要求ユーザIDが示すユーザを、「要求ユーザ」という。
【0071】
ユーザは、電子商店街のWebページにおいて、商品を検索するための検索条件を指定する。すると、ユーザ端末3は、指定された検索条件を含む検索リクエストを電子商取引サーバ1へ送信する。検索リクエスト受信時処理は、電子商取引サーバ1がユーザ端末3から検索リクエストを受信したときに開始される。
【0072】
先ず、システム制御部14は、受信した検索リクエストから要求ユーザIDを取得する(ステップS1)。次いで、システム制御部14は、受信した検索リクエストに設定された検索条件を、要求ユーザIDに対応付けて保持する(ステップS2)。ここで保持された検索条件は、この検索条件で検索された商品の中からお気に入りへの登録が行われるときに、お気に入りに登録される商品に対応付けられる。
【0073】
次いで、システム制御部14は、検索条件を満たす商品を検索する(ステップS3)。具体的に、システム制御部14は、検索条件としてキーワードが設定されている場合には、商品名及び商品説明の少なくとも一方にキーワードを含む商品を検索する。また、システム制御部14は、検索条件としてジャンルIDが設定されている場合には、ジャンルIDに対応するジャンルに属する商品を検索する。複数の検索条件が設定されている場合、システム制御部14は、複数の検索条件を満たす商品を検索する。なお、システム制御部14は、例えば、商品の検索を電子商取引サーバ1以外のサーバ装置等の情報処理装置に実行させて、この情報処理装置から検索結果の情報(例えば、検索された商品の商品IDのリスト等)を取得してもよい。このとき、システム制御部14は、この情報処理装置から、検索された商品のリスティングスコアとともに検索結果の情報を取得するようにしてもよい。また、システム制御部14は、例えば、商品を検索するためのプログラムとして商品評価プログラムを含むプログラムを呼び出すことにより、商品を検索させてもよい。そして、システム制御部14は、検索された商品のリスティングスコアとともに検索結果の情報を、例えばAPIを介して取得してもよい。
【0074】
次いで、システム制御部14は、検索された商品のうち1つを選択商品として選択する(ステップS4)。次いで、システム制御部14は、選択商品のリスティングスコアを、例えば、商品評価プログラムのAPIを介して取得する(ステップS5)。次いで、システム制御部14は、後述するリスティングスコア引き上げ制御処理を実行する(ステップS6)。次いで、システム制御部14は、後述するリスティングスコア引き下げ制御処理を実行する(ステップS7)。リスティングスコア引き上げ制御処理では、選択商品がリスティングスコアを引き上げる条件を満たす商品である場合、選択商品のリスティングスコアが引き上げられる。また、リスティングスコア引き下げ制御処理では、選択商品がリスティングスコアを引き下げる条件を満たす商品である場合、選択商品のリスティングスコアが引き下げられる。リスティングスコアが引き上げられたり引き下げられたりすることにより、選択商品の表示順位が引き上げられたり引き下げられたりする。
【0075】
次いで、システム制御部14は、検索された商品の中にまだ選択していない商品があるか否かを判定する(ステップS8)。このとき、システム制御部14は、まだ選択していない商品があると判定した場合には(ステップS8:YES)、まだ選択していない商品のうち1つを選択する(ステップS9)。次いで、システム制御部14は、ステップS5に移行する。システム制御部14は、ステップS5〜S9の処理を繰り返すことにより、検索された各商品のリスティングスコアを必要に応じて引き上げたり引き下げたりする。
【0076】
そして、システム制御部14は、全ての商品を選択したと判定した場合には(ステップS8:NO)、記憶部12から、検索結果ページのHTML文書のテンプレートを取得する(ステップS10)。次いで、システム制御部14は、検索された商品のうち、リスティングスコア引き上げ制御処理及びリスティングスコア引き下げ制御処理後のリスティングスコアが最も高い商品を選択商品として1つ選択する(ステップS11)。次いで、システム制御部14は、選択商品の商品情報に基づいて、該当商品情報231用のデータを生成する。そして、システム制御部14は、生成したデータを、取得したテンプレートにおいて、検索結果表示領域230に対応する領域に追加設定する(ステップS12)。
【0077】
次いで、システム制御部14は、該当商品情報231を表示可能な上限数まで該当商品情報231用のデータを追加したか否かを判定する(ステップS13)。このとき、システム制御部14は、上限数まで追加したと判定した場合には(ステップS13:YES)、ステップS16に移行する。一方、システム制御部14は、上限数まで追加していないと判定した場合には(ステップS13:NO)、検索した商品のうちまだ該当商品情報231用のデータの追加を行っていない商品があるか否かを判定する(ステップS14)。このとき、システム制御部14は、該当商品情報231用のデータの追加を行っていない商品があると判定した場合には(ステップS14:YES)、まだ該当商品情報231用のデータの追加を行っていない商品のうち、リスティングスコアが最も高い商品を1つ選択する(ステップS15)。次いで、システム制御部14は、ステップS12に移行する。システム制御部14は、ステップS12〜15の処理を繰り返すことにより、リスティングスコアが高い商品であるほどその該当商品情報231が優先的に表示されるようにする。一方、システム制御部14は、全ての商品について該当商品情報231用のデータの追加を行ったと判定した場合には(ステップS14:NO)、ステップS16に移行する。
【0078】
ステップS16において、システム制御部14は、該当商品情報231用のデータの設定により完成した検索結果ページのHTML文書を、検索リクエストの送信元のユーザ端末3へ送信する(ステップS16)。システム制御部14は、この処理を終えると、検索リクエスト受信時処理を終了させる。電子商取引サーバ1から検索結果ページのHTML文書を受信したユーザ端末3は、このHTML文書に基づいて、検索結果ページを画面に表示する。このとき、ユーザ端末3、該当商品情報231用のデータに基づいて、このデータの設定順に該当商品情報231を検索結果表示領域230内の上から表示する。
【0079】
なお、システム制御部14は、リスティングスコアを変更することにより商品の表示順位を間接的に変更するのではなく、商品の表示順位を直接変更してもよい。例えば、システム制御部14は、商品評価プログラムのAPIを介して取得した各商品のリスティングスコアに基づいて、検索された各商品の仮の表示順位を決定する。次いで、システム制御部14は、検索された各商品について、表示順位を引き上げる条件を満たす商品であるか否か、及び、表示順位を引き下げる条件を満たす商品であるか否かを判定する。判定方法は、後述するリスティングスコア引き上げ制御処理及びリスティングスコア引き下げ制御処理における判定方法と同様である。システム制御部14は、表示順位を引き上げる条件を満たす商品の表示順位を仮の表示順位から引き上げ、表示順位を引き下げる条件を満たす商品の表示順位を仮の表示順位から引き下げる。また、システム制御部14は、表示順位の引き上げや引き下げにともない、必要に応じて他の商品の表示順位を仮の表示順位から変更する。このようにして、システム制御部14は、検索された各商品の最終的な表示順位を決定する。そして、システム制御部14は、最終的な表示順位に基づいて、検索結果ページのHTML文書を生成する。つまり、システム制御部14は、最終的な表示順位が高い商品の順に、該当商品情報231用のデータを検索結果ページのHTML文書のテンプレートに追加する。
【0080】
図7は、本実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のリスティングスコア引き上げ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【0081】
図7に示すように、システム制御部14は、お気に入り情報DB12gに要求ユーザIDと選択商品の商品IDとを含むお気に入り情報が登録されているか否かを判定する(ステップS41)。つまり、システム制御部14は、選択商品が要求ユーザのお気に入りに登録されているか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、お気に入り情報が登録されていると判定した場合には(ステップS41:YES)、要求ユーザIDと選択商品の商品IDとを含むお気に入り情報から検索条件を取得する(ステップS42)。次いで、システム制御部14は、取得した検索条件が検索リクエストに設定された検索条件と一致するか否かを判定する(ステップS43)。このとき、システム制御部14は、一致すると判定した場合には(ステップS43:YES)、リスティングスコア引き上げ制御処理を終了させる。つまり、システム制御部14は、選択商品のリスティングスコアを引き上げない。
【0082】
一方、システム制御部14は、一致しないと判定した場合には(ステップS43:NO)、検索された商品の総数に応じてリスティングスコアの引き上げ量を決定する(ステップS44)。具体的に、システム制御部14は、検索された商品の総数が多いほど、引き上げ量を大きくする。次いで、システム制御部14は、決定した引き上げ量に応じて、選択商品のリスティングスコアを引き上げる(ステップS45)。例えば、システム制御部14は、選択商品のリスティングスコアに、決定した引き上げ量を加算してもよいし、選択商品のリスティングスコアに、決定した引き上げ量を乗算してもよい。システム制御部14は、この処理を終えると、リスティングスコア引き上げ制御処理を終了させる。
【0083】
このように、システム制御部14は、ステップS41〜S43の処理により、特定手段として、ユーザにより今回指定された検索条件に基づいて検索された商品のうち要求ユーザのお気に入り情報が登録されている商品の中から、今回指定された検索条件と異なる検索条件に対応付けてお気に入り情報が登録されている商品を特定する。そして、システム制御部14は、ステップS45の処理により、制御手段として、特定した商品のリスティングスコアを引き上げることにより、特定した商品の表示順位を、その商品のお気に入り情報が登録されていない場合よりも高くする。
【0084】
ステップS41において、システム制御部14は、要求ユーザIDと選択商品の商品IDとを含むお気に入り情報が登録されていないと判定した場合には(ステップS41:NO)、お気に入り情報DB12gから要求ユーザIDを含むお気に入り情報を検索する(ステップS46)。つまり、システム制御部14は、要求ユーザのお気に入りに登録されている商品を検索する。次いで、システム制御部14は、検索されたお気に入り情報のうち1つを選択する(ステップS47)。
【0085】
次いで、システム制御部14は、選択したお気に入り情報から検索条件を取得する(ステップS48)。次いで、システム制御部14は、取得した検索条件が検索リクエストに設定された検索条件と一致するか否かを判定する(ステップS49)。このとき、システム制御部14は、一致すると判定した場合には(ステップS49:YES)、ステップS51に移行する。一方、システム制御部14は、一致しないと判定した場合には(ステップS49:NO)、選択商品が、選択したお気に入り情報に設定された商品IDが示す商品の関連商品であるか否かを判定する(ステップS50)。例えば、システム制御部14は、商品情報に設定されているジャンルIDに基づいて、選択商品が、選択したお気に入り情報に設定された商品IDが示す商品と同じジャンルに属する商品であるか否かを判定する。また例えば、システム制御部14は、商品情報に設定されている店舗IDに基づいて、選択商品が、選択したお気に入り情報に設定された商品IDが示す商品と販売元の店舗が同じ商品であるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、選択商品が、選択したお気に入り情報に設定された商品IDが示す商品の関連商品であると判定した場合には(ステップS50:YES)、ステップS44に移行する。
【0086】
一方、システム制御部14は、選択商品が、選択したお気に入り情報に設定された商品IDが示す商品の関連商品ではないと判定した場合には(ステップS50:NO)、検索されたお気に入り情報の中にまだ選択していないお気に入り情報があるか否かを判定する(ステップS51)。このとき、システム制御部14は、まだ選択していないお気に入り情報があると判定した場合には(ステップS51:YES)、まだ選択していないお気に入り情報のうち1つを選択する(ステップS52)。次いで、システム制御部14は、ステップS48に移行する。一方、システム制御部14は、全てのお気に入り情報を選択したと判定した場合には(ステップS51:NO)、リスティングスコア引き上げ制御処理を終了させる。
【0087】
このように、システム制御部14は、ステップS48〜S52の処理を繰り返すことにより、特定手段として、ユーザにより今回指定された検索条件とは異なる検索条件を含むお気に入り情報がお気に入り情報DB12gに登録されている商品に関連する商品を特定する。そして、システム制御部14は、特定した商品の表示順位を引き上げる。
【0088】
図8は、本実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のリスティングスコア引き下げ制御処理における処理例を示すフローチャートである。
【0089】
図8に示すように、システム制御部14は、お気に入り削除情報DB12hに要求ユーザIDと選択商品の商品IDとを含むお気に入り削除情報が登録されているか否かを判定する(ステップS61)。つまり、システム制御部14は、選択商品が要求ユーザのお気に入りから削除された商品であるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、お気に入り削除情報が登録されていないと判定した場合には(ステップS61:NO)、リスティングスコア引き下げ制御処理を終了させる。つまり、システム制御部14は、選択商品のリスティングスコアを引き下げない。
【0090】
一方、システム制御部14は、お気に入り削除情報が登録されていると判定した場合には(ステップS61:YES)、購入履歴DB12fに要求ユーザIDと選択商品の商品IDとを含む購入履歴が登録されているか否かを判定する(ステップS62)。つまり、システム制御部14は、要求ユーザが選択商品を購入したことがあるか否かを判定する。このとき、システム制御部14は、購入履歴が登録されていると判定した場合には(ステップS62:YES)、購入履歴に設定されている購入日時がお気に入り削除情報に設定されている削除日時よりも前の日時であるか否かを判定する(ステップS63)。このとき、システム制御部14は、購入日時が削除日時よりも前の日時であると判定した場合には(ステップS63:YES)、記憶部12に記憶されている設定値1を引き下げ量として設定する(ステップS64)。
【0091】
一方、システム制御部14は、購入履歴が登録されていないと判定した場合(ステップS62:NO)、または、購入日時が削除日時よりも前の日時ではないと判定した場合には(ステップS63:NO)、記憶部12に記憶されている設定値2を引き下げ量として設定する(ステップS65)。設定値2は設定値1よりも大きい値である。なお、設定値1は0であってもよい。つまり、システム制御部14は、お気に入りから削除される前に購入された商品については、リスティングスコアを引き下げなくてもよい。
【0092】
システム制御部14は、ステップS64またはS65において引き下げ量を設定すると、設定した引き上げ量に応じて、選択商品のリスティングスコアを引き下げる(ステップS66)。例えば、システム制御部14は、選択商品のリスティングスコアから、設定した引き下げ量を減算してもよいし、選択商品のリスティングスコアから、設定した引き下げ量を除算してもよい。システム制御部14は、この処理を終えると、リスティングスコア引き下げ制御処理を終了させる。
【0093】
このように、システム制御部14は、ステップS61の処理により、お気に入り削除情報が登録されている商品を特定する。そして、システム制御部14は、ステップS66の処理により、制御手段として、特定した商品のリスティングスコアを引き下げることにより、特定した商品の表示順位を、その商品のお気に入り削除情報が登録されていない場合よりも低くする。
【0094】
[3−1−2.お気に入りへの商品の登録時の動作]
図9(a)は、本実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のお気に入り登録リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0095】
ユーザが、ユーザ端末3により表示された検索結果ページから何れかの商品を選択すると、ユーザ端末3は、選択された商品の商品ページのリクエストを電子商取引サーバ1へ送信し、電子商取引サーバ1は、対応する商品ページをユーザ端末3へ送信する。ユーザが、ユーザ端末3により表示された商品ページにおいて、「お気に入りに追加」と表示されたリンクを選択すると、ユーザ端末3は、お気に入り登録リクエストを電子商取引サーバ1へ送信する。お気に入り登録リクエストには、お気に入りへの登録対象とされた商品の商品IDが設定されている。お気に入り登録リクエスト受信時処理は、電子商取引サーバ1がユーザ端末3からお気に入り登録リクエストを受信したときに開始される。
【0096】
先ず、システム制御部14は、受信したお気に入り登録リクエストから要求ユーザIDを取得する(ステップS81)。次いで、システム制御部14は、要求ユーザIDに対応付けて保持していた検索条件を取得する(ステップS82)。次いで、システム制御部14は、現在日時を登録日時として取得する。そして、システム制御部14は、要求ユーザID、お気に入り登録リクエストに設定された商品ID、登録日時及び検索条件を対応付けて、お気に入り情報DB12gに登録する(ステップS83)。
【0097】
次いで、システム制御部14は、要求ユーザIDとお気に入り登録リクエストに設定された商品IDとを含むお気に入り削除情報がお気に入り削除情報DB12hに登録されているか否かを判定する(ステップS84)。このとき、システム制御部14は、登録されていないと判定した場合には(ステップS84:NO)、お気に入り登録リクエスト受信時処理を終了させる。一方、システム制御部14は、登録されていると判定した場合には(ステップS84:YES)、要求ユーザIDとお気に入り登録リクエストに設定された商品IDとを含むお気に入り削除情報を、お気に入り削除情報DB12hから削除する(ステップS85)。この処理は、ユーザがお気に入りから削除した商品を再びお気に入りに登録した場合に実行されることになる。このような商品は、ユーザは一度興味を失ったが、その後再び興味を持つようになった商品であると考えられる。システム制御部14は、この処理を終えると、お気に入り登録リクエスト受信時処理を終了させる。
【0098】
[3−1−3.お気に入りからの商品の削除時の動作]
図9(b)は、本実施形態に係る電子商取引サーバ1のシステム制御部14のお気に入り削除リクエスト受信時処理における処理例を示すフローチャートである。
【0099】
お気に入りページにおいて、ユーザが、お気に入りに登録されている商品のうち何れかの商品をお気に入りから削除する商品として選択し、「削除する」と表示されたボタンを選択操作する。すると、ユーザ端末3は、選択された商品の商品IDを含むお気に入り削除リクエストを電子商取引サーバ1へ送信する。お気に入り削除リクエスト受信時処理は、電子商取引サーバ1がユーザ端末3からお気に入り削除リクエストを受信したときに開始される。
【0100】
先ず、システム制御部14は、受信したお気に入り削除リクエストから要求ユーザIDを取得する(ステップS91)。次いで、システム制御部14は、要求ユーザIDとリクエストに設定された商品IDとを含むお気に入り情報を、お気に入り情報DB12gから削除する(ステップS92)。次いで、システム制御部14は、現在日時を削除日時として取得する。次いで、システム制御部14は、要求ユーザID、リクエストに設定された商品ID及び削除日時を対応付けてお気に入り削除情報DB12hに登録する(ステップS93)。システム制御部14は、この処理を終えると、お気に入り削除リクエスト受信時処理を終了させる。
【0101】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子商取引サーバ1のシステム制御部14が、ユーザ端末3からのリクエストに応じて一覧表示の対象とされた複数の商品の中から、お気に入り情報DB12gにお気に入り情報が登録されている商品、または、お気に入り削除情報DB12hにお気に入り削除情報が登録されている商品を特定し、特定された商品の、複数の商品の一覧表示における表示態様を制御する。従って、複数の商品の一覧表示を、ユーザの興味に応じてそのユーザに適した表示にすることができる。
【0102】
また、システム制御部14が、ユーザ端末3からの検索リクエストに応じてユーザにより指定された検索条件に基づいて検索された商品のうちお気に入り情報DB12gにお気に入り情報が登録されている商品の中から、その検索条件とは異なる検索条件と対応付けて商品IDがお気に入り情報DB12gに登録されている商品を特定し、特定された商品の表示態様を、特定されない場合の表示態様よりも目立つ表示態様に変える。従って、ユーザはその商品が一覧の中にあることに気がつきやすくなる。そのため、ユーザが指定したある観点の条件を満たすお気に入りの商品が、ユーザが指定した別の観点の条件をも満たすことを容易に知ることができる。
【0103】
また、システム制御部14が、ユーザ端末3からの検索リクエストに応じてユーザにより指定された検索条件とは異なる検索条件と対応付けて商品IDがお気に入り情報DB12gに登録されている商品に関連する商品を更に特定し、特定された商品の表示態様を、特定されない場合の表示態様よりも目立つ表示態様に変える。従って、ユーザが興味を持つ商品に関連する商品も、ユーザが興味を持つ蓋然性が高いので、ユーザは、興味を持つ蓋然性が高い商品が一覧の中にあることに気がつきやすくなる。
【0104】
また、システム制御部14が、検索された商品の総数が多いほど、特定された商品の表示態様の変化量を大きくする。従って、一覧において多数の商品の中にユーザが興味を持つ商品が埋もれてその商品があることに気がつきにくくなることを防止することができる。
【0105】
また、システム制御部14が、お気に入り削除情報DB12hにお気に入り削除情報が登録されている商品を特定し、特定された商品の表示態様を、特定されない場合の表示態様よりも目立たない表示態様に変える。従って、ユーザが興味を失った商品が一覧の中にあることに気がつきにくくなるので、その商品が他の商品の閲覧の妨げになることを防止することができる。
【0106】
また、システム制御部14が、お気に入りから削除された商品として特定された商品が、お気に入りから削除されるよりも前にユーザにより購入されたか否かを判定し、購入されていないと判定された場合、購入されたと判定された場合よりも、特定された商品の表示態様の変化量を大きくする。従って、より興味を失った商品が他の商品の閲覧の妨げになることを防止することができる。
【0107】
なお、上記実施形態においては、ユーザにより指定された検索条件に基づいて検索された商品の一覧が表示される場合に本発明が適用されていた。しかしながら、あらゆる商品の一覧の表示に本発明を適用することができる。例えば、特集で取り上げられている商品の一覧の表示に本発明が適用されてもよい。特集で取り上げられている商品を示す情報は、例えば、商品IDのリストとして予め記憶部12に記憶される。電子商取引サーバ1は、ユーザ端末3からのリクエストに基づいて、ユーザが特集で取り上げられている商品の一覧を要求していると判断すると、記憶部12に記憶されているリストに基づいて、一覧表示の対象とする商品を特定する。また、このような商品の一覧表示においてはユーザから検索条件が指定されていないため、電子商取引サーバ1は、一覧表示の対象とされた商品の中にお気に入りに登録されている商品がある場合には、その商品の表示順位を引き上げてもよい。
【0108】
また、上記実施形態において、電子商取引サーバ1は、リスティングスコアを上げ下げすることにより、一覧の中における商品の表示順位を間接的に制御していた。しかしながら、電子商取引サーバ1は、表示順位を直接制御してもよい。また、商品の一覧表示における各商品の表示順位が、リスティングスコアの高い順ではなく、例えば、予め設定された順であってもよい。この場合、電子商取引サーバ1は、表示順位を直接制御する。
【0109】
また、上記実施形態において、電子商取引サーバ1は、一覧表示における商品の表示態様として、表示順位を制御していた。しかしながら、電子商取引サーバ1は、表示態様として、例えば、該当商品情報231の大きさ、該当商品情報231中の文字の大きさや太さ、該当商品情報231中の文字の色や透明度等を制御し、これにより、表示態様を目立つ表示態様に変えたり目立たない表示態様に変えたりしてもよい。
【0110】
また、電子商取引サーバ1は、お気に入りに情報に基づいて一覧表示における商品の表示態様を目立つ表示態様に変えることと、お気に入りに削除情報に基づいて一覧表示における商品の表示態様を目立たない表示態様に変えることとの何れか一方のみ行ってもよい。
【0111】
また、上記実施形態において、電子商取引サーバ1は、リクエストを送信してきたユーザ端末3のユーザのお気に入り情報及びお気に入り削除情報のみに基づいて、商品の表示態様を制御していた。しかしながら、電子商取引サーバ1は、例えば、そのユーザに関連付けられている他のユーザのお気に入り情報及びお気に入り削除情報にも基づいて、商品の表示態様を制御してもよい。例えば、電子商取引システムSのユーザ同士が互いを自分の友人として登録する機能が提供されているとする。ユーザは、例えば、自分の友人として登録している他のユーザのお気に入りの商品を閲覧すること等ができる。例えば、電子商取引サーバ1の記憶部12には、ユーザのユーザIDに対応付けて、そのユーザの友人として登録されているユーザのユーザIDが登録される友人情報DBが構築されている。電子商取引サーバ1は、リスティングスコア引き上げ制御処理やリスティングスコア引き下げ制御処理において、友人情報DBに基づいてユーザの友人を特定し、友人のお気に入り情報及びお気に入り削除情報に基づいて、商品の表示順位を制御する。なお、友人のお気に入り情報及びお気に入り削除情報に基づく表示順位の制御方法は、ユーザ自身のお気に入り情報及びお気に入り削除情報に基づく表示順位の制御方法と同様である。
【0112】
また、上記実施形態においては、本発明における取引対象が商品に適用されていた。しかしながら、取引対象がサービスに適用されてもよい。そして、電子商取引のシステムとして、サービスの予約が可能なシステムに本発明が適用されてもよい。サービスの予約としては、例えば、宿泊施設の宿泊予約、ゴルフ場等の競技施設の利用予約、交通機関の座席の予約等がある。
【符号の説明】
【0113】
1 電子商取引サーバ
2 店舗端末
3 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
12a 会員情報DB
12b ジャンル情報DB
12c 店舗情報DB
12d 商品情報DB
12e 閲覧履歴DB
12f 購入履歴DB
12g お気に入り情報DB
12h お気に入り削除情報DB
13 入出力インターフェース
14 システム制御部
14a CPU
14b ROM
14c RAM
15 システムバス
NW ネットワーク
S 電子商取引システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記記憶手段には、前記参照リスト登録情報として、前記ユーザにより指定された検索条件に基づいて検索された複数の取引対象のうち該ユーザの前記参照リストに登録された取引対象を示す取引対象情報と、該検索条件とが対応付けて記憶されており、
前記特定手段は、前記ユーザの要求に応じて該ユーザにより指定された検索条件に基づいて検索された取引対象のうち前記記憶手段に前記参照リスト登録情報が記憶されている取引対象の中から、該検索条件とは異なる検索条件と対応付けて前記取引対象情報が記憶されている取引対象を特定し、
前記制御手段は、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様を、前記特定手段により特定されない場合の表示態様よりも目立つ表示態様に変えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記特定手段は、前記ユーザの要求に応じて該ユーザにより指定された検索条件とは異なる検索条件と対応付けて前記取引対象情報が記憶されている取引対象に関連する取引対象を更に特定し、
前記制御手段は、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様を、前記特定手段により特定されない場合の表示態様よりも目立つ表示態様に変えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記一覧表示の対象とされた取引対象の数が多いほど、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様の変化量を大きくすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記特定手段は、前記一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から前記記憶手段に前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定し、
前記制御手段は、前記特定手段により特定された取引対象の表示態様を、前記特定手段により特定されない場合の表示態様よりも目立たない表示態様に変えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記特定手段により特定された取引対象が前記参照リストから削除されるよりも前に該取引対象が前記ユーザにより購入されたか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判定手段により購入されていないと判定された場合、購入されたと判定された場合よりも前記特定手段により特定された取引対象の表示態様の変化量を大きくすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に含まれるコンピュータを、
ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段、及び、
前記特定手段により特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項9】
情報処理装置に含まれるコンピュータを、
ユーザの要求に応じて一覧表示の対象とされた複数の取引対象の中から、取引対象に関する情報への参照を保持する参照リストにユーザにより登録された取引対象を示す参照リスト登録情報及び前記ユーザにより前記参照リストから削除された取引対象を示す参照リスト削除情報の少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段に前記参照リスト登録情報または前記参照リスト削除情報が記憶されている取引対象を特定する特定手段、及び、
前記特定手段により特定された取引対象の前記一覧表示における表示態様を制御する制御手段、
として機能させる情報処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77108(P2013−77108A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215974(P2011−215974)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】