説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】ディスプレイ上でアイコンを所定の領域と相互作用させる操作をする場合の操作性を向上させる。
【解決手段】第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定部と、上記画面をディスプレイに表示させる表示制御部と、上記第1のアイコンと上記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得部と、上記ユーザ操作が開始されたときの上記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得部と、上記筐体の傾きの上記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得部とを含み、上記位置設定部は、上記傾き変化に応じて上記第1の領域を上記第1のアイコンに向けて移動させる情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関し、より詳しくは、ディスプレイに表示されるアイコンへの操作を取得する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
グラフィカルユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)が、情報処理装置のユーザインターフェースの主流になって久しい。GUIでは、さまざまな操作要素を表すアイコンがディスプレイに表示され、ユーザは、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いてアイコンを操作することで情報処理装置への操作入力を実行する。
【0003】
近年のスマートフォンやタブレット型PC(Personal Computer)のような携帯型の情報処理装置の普及によって、GUIに対するユーザの需要も変化しており、かかる需要に対応する新たな技術が提案されている。例えば、特許文献1では、筐体へのユーザの接触状態や、筐体の傾きなどに応じてディスプレイ上でアイコンを移動させ、ユーザが操作しやすい位置にアイコンを配置する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−141825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GUIにおけるユーザによるアイコンの操作は、例えばタッチパネルを用いる場合であればタップ、ダブルタップ、長押し、ドラッグ、フリックなど多種多様である。それゆえ、それぞれの種類の操作についてGUI側の処理を最適化するという観点からすれば、上記の特許文献1などによって提案されている技術によってもなお、GUIの操作性の向上には改善の余地がある。
【0006】
本開示では、上記事情に鑑み、ディスプレイ上でアイコンを所定の領域と相互作用させる操作をする場合の操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定部と、上記画面をディスプレイに表示させる表示制御部と、上記第1のアイコンと上記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得部と、上記ユーザ操作が開始されたときの上記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得部と、上記筐体の傾きの上記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得部とを含み、上記位置設定部は、上記傾き変化に応じて上記第1の領域を上記第1のアイコンに向けて移動させる情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定することと、上記画面をディスプレイに表示させることと、上記第1のアイコンと上記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得することと、上記ユーザ操作が開始されたときの上記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得することと、上記筐体の傾きの上記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得することと、上記傾き変化に応じて上記第1の領域を上記第1のアイコンに向けて移動させることとを含む情報処理方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定機能と、上記画面をディスプレイに表示させる表示制御機能と、上記第1のアイコンと上記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得機能と、上記ユーザ操作が開始されたときの上記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得機能と、上記筐体の傾きの上記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得機能とをコンピュータに実現させ、上記位置設定機能は、上記傾き変化に応じて上記第1の領域を上記第1のアイコンに向けて移動させるプログラムが提供される。
【0010】
本開示によれば、所定のユーザ操作がされた場合に、筐体の傾きに応じて第1の領域が第1のアイコンに向けて移動する。それゆえ、第1のアイコンを第1の領域に向けて移動させる距離を短くしつつ、誤操作を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、ディスプレイ上でアイコンを所定の領域と相互作用させる操作をする場合の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本開示の第1の実施形態における表示例を示す図である。
【図4】本開示の第1の実施形態における表示変化の第1の例を示す図である。
【図5】本開示の第1の実施形態における表示変化の第2の例を示す図である。
【図6】本開示の第1の実施形態における長押し検出時処理を示すフローチャートである。
【図7】本開示の第1の実施形態における長押し解除時処理を示すフローチャートである。
【図8】本開示の第2の実施形態における表示変化の例を示す図である。
【図9】本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.装置構成
1−2.表示例
1−3.処理フロー
1−4.まとめ
2.第2の実施形態
2−1.表示例
2−2.まとめ
3.補足
【0015】
(1.第1の実施形態)
図1〜図7を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。
【0016】
(1−1.装置構成)
まず、図1および図2を参照して、本開示の第1の実施形態における装置構成について説明する。図1は、本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す図である。図2は、本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
(外観)
図1を参照すると、本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置100は、スマートフォンである。情報処理装置100は、スマートフォン以外にも、例えばタブレット型などのPC、PDA(Personal Digital Assistant)、各種メディアプレーヤなどでありうる。
【0018】
情報処理装置100は、筐体110を有し、筐体110にはディスプレイ120が設けられる。ディスプレイ120には、画面1201が表示される。画面1201には、第1のアイコン1203が表示される。また、画面1201には、第1の領域1205が設定される。第1の領域1205の一部または全部には、第2のアイコン1207が表示されてもよい。ディスプレイ120上には、タッチパネル130が設けられる。タッチパネル130は、ディスプレイ120へのユーザの接触操作を取得する。
【0019】
ここで、画面1201に設定される第1の領域1205は、ディスプレイ120には表示されない。ただし、上記のように、第1の領域1205の一部または全部に第2のアイコン1207が表示されることによって、ユーザが第1の領域1205の位置を認識することが可能であってもよい。第1の領域1205は、例えばユーザがディスプレイ120への接触操作によって第1のアイコン1203を第1の領域1205に到達させた場合に、第1のアイコン1203との間で相互作用が生じる領域でありうる。
【0020】
なお、第1のアイコン1203と第1の領域1205との相互作用とは、例えばドラッグ&ドロップ操作のように、第1のアイコン1203によって示される操作要素(例えばファイル)と第1の領域1205によって示される操作要素(例えばフォルダ)とによる何らかの処理(例えばファイルのフォルダへの移動)が実行されることである。
【0021】
上記のように、第1の領域1205の一部または全部に第2のアイコン1207を表示させることによって、上記のようにユーザが第1の領域1205の位置を認識することが可能になる。また、第2のアイコン1207を第1の領域1205によって示される操作要素を示すアイコンにすれば、ユーザに当該操作要素、つまり第1のアイコン1203を第1の領域1205に到達させた場合に生じる相互作用の内容を認識させることが可能である。
【0022】
また、第1の領域1205に第2のアイコン1207が表示される場合、第1の領域1205の全部に第2のアイコン1207を表示すると、上記の相互作用は、第1のアイコン1203と第2のアイコン1207とが重複した場合にのみ発生する。これは、いわゆるドラッグ&ドロップ操作に対応する。一方、第1の領域1205の一部に第2のアイコン1207を表示すると、上記の相互作用は、第1のアイコン1203と第2のアイコン1207とが重複した場合だけではなく、第1のアイコン1203が第2のアイコン1207の近傍の所定の範囲(=第1の領域1205)に到達した場合にも上記の相互作用が発生する。これは、いわゆるドラッグ&スロー操作に対応する。
【0023】
(機能構成)
図2を参照すると、情報処理装置100は、機能構成として、ディスプレイ120、タッチパネル130、表示制御部140、位置設定部150、制御部160、傾き基準値取得部170、傾き検出部180、および傾き変化取得部190を含む。
【0024】
ディスプレイ120は、上記のように、筐体110に設けられるディスプレイである。ディスプレイ120は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)表示制御部140によって制御されて画面1201を表示する。
【0025】
タッチパネル130は、上記のように、ディスプレイ120上に設けられ、ディスプレイ120へのユーザの接触操作を取得する操作取得部である。タッチパネル130は、例えば抵抗膜方式または静電容量方式などの各種の方式によるタッチパネルであり、ユーザの指やスタイラスペンなどの操作体による接触操作を検出する。タッチパネル130は、検出結果を制御部160に出力する。後述するように、タッチパネル130が取得する操作には、第1のアイコン1203と第1の領域1205とを相互作用させるための所定のユーザ操作が含まれる。
【0026】
表示制御部140は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現され、ディスプレイ120を制御する。表示制御部140は、ディスプレイ120に画面1201を表示させる。表示制御部140は、画面1201上の第1のアイコン1203および第1の領域1205の位置として、位置設定部150によって設定された位置を使用する。
【0027】
位置設定部150は、例えばCPU、RAM、ROMなどによって実現され、第1のアイコン1203および第1の領域1205の画面1201上での位置を設定する。位置設定部150は、タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得された場合、傾き変化取得部190によって取得された筐体110の傾き変化に応じて、第1の領域1205の位置を第1のアイコン1203に向けて移動させるように、制御部160によって制御される。ここで、筐体110の傾き変化に応じた第1の領域1205の移動には、さまざまなバリエーションがある。例えば、筐体110の傾き変化と第1の領域1205の移動距離とは、比例してもよい。また、例えば、筐体110の傾き変化の角度が大きくなるにつれて角度あたりの第1の領域1205の移動距離が大きくなるようにゲインが設定されてもよい。
【0028】
制御部160は、例えばCPU、RAM、ROMなどによって実現され、情報処理装置100の各部を制御する。制御部160は、例えば、タッチパネル130が取得したユーザの接触操作に応じて、位置設定部150および傾き基準値取得部170を制御する。より具体的には、タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めた場合、制御部160は、第1の領域1205の位置を筐体110の傾き変化に応じて移動させるように位置設定部150を制御し、また傾き基準値を取得するように傾き基準値取得部170を制御する。一方、タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得されなくなった場合、制御部160は、第1の領域1205の移動を終了するように位置設定部150を制御してもよい。
【0029】
傾き基準値取得部170は、例えばCPU、RAM、ROMなどによって実現され、傾き検出部180の出力に基づいて、ある時点での筐体110の傾きを傾き基準値として取得する。傾き基準値取得部170は、例えば、タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めたときに、制御部160の制御に従って傾き基準値を取得する。
【0030】
傾き検出部180は、例えば角速度センサ、加速度センサ、または角度センサなどのモーションセンサであり、筐体110の傾きを検出する。傾き検出部180は、検出結果を傾き基準値取得部170および傾き変化取得部190に出力する。
【0031】
傾き変化取得部190は、例えばCPU、RAM、ROMなどによって実現され、傾き検出部180の出力に基づいて、現時点の筐体110の傾きの、傾き基準値からの変化を、傾き変化として取得する。傾き基準値は、上記のように、例えばタッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めたときに、傾き基準値取得部170によって取得される。傾き変化取得部190は、取得した傾き変化を位置設定部150に出力する。
【0032】
(1−2.表示例)
続いて、図3〜図5を参照して、本開示の第1の実施形態における表示例について説明する。図3は、本開示の第1の実施形態における表示例を示す図である。図4は、本開示の第1の実施形態における表示変化の第1の例を示す図である。図5は、本開示の第1の実施形態における表示変化の第2の例を示す図である。
【0033】
図3では、画面1201に、第1のアイコン1203と、複数の第1の領域1205a〜1205cと、それぞれの第1の領域に表示される第2のアイコン1207a〜1207cとが表示される例が示されている。図示された例では、第2のアイコン1207が第1の領域1205のほぼ全部に表示されているが、図1の例のように一部だけに表示されていてもよく、また表示されていなくてもよい。ここで、第1のアイコン1203の位置p1と、第1の領域1205a〜1205cの位置p2a〜p2cとは、いずれも位置設定部150によって設定される。
【0034】
(第1の例)
図4では、図3の表示例において、ユーザによって第1のアイコン1203を第1の領域1205と相互作用させるための操作がされた場合の、画面1201の表示変化の第1の例が示されている。なお、図4および図5では、簡単のため、第1の領域1205および位置p1,p2は図示されていないが、図3と同様に、第2のアイコン1207とほぼ一致する領域に第1の領域1205が設定されており、第1のアイコン1203の位置p1および第1の領域1205の位置p2は位置設定部150によって設定されている。
【0035】
ここで、本実施形態では、ユーザがタッチパネル130を介して第1のアイコン1203への接触を継続する長押しの操作が、第1のアイコン1203を第1の領域1205と相互作用させるための所定のユーザ操作であるものとする。なお、長押しの操作をしながら接触の位置を移動させるのがドラッグ操作であるため、以下の説明では、ドラッグ操作も長押し操作に含める場合がある。
【0036】
まず、(a)の状態では、画面1201の表示は図3に示したものと同じである。この状態で、ユーザは、第1のアイコン1203への長押しの操作を開始する。制御部160は、例えば、タッチパネル130が、ディスプレイ120に表示されている第1のアイコン1203への所定時間以上継続する接触操作を検出した場合に、所定のユーザ操作が開始されたと判定する。
【0037】
このとき、制御部160は、傾き基準値取得部170を制御して、このときの筐体110の傾きa0を、傾き基準値として取得させる。また、制御部160は、位置設定部150を制御して、第1の領域1205の位置p2を、傾き変化取得部190が取得した傾き変化に応じて移動させる。
【0038】
なお、図示された例では、筐体110の傾きが、筐体110が水平に保持された状態を基準にした、図1に示す座標軸のx軸回りの角度として示されている。実際の筐体110の傾きは、x軸とは異なる軸の回りの角度成分を含みうる。この場合、傾き検出部180は、例えばx軸回りの角度成分を抽出したものを、筐体110の傾きとして傾き基準値取得部170および傾き変化取得部190に提供してもよい。これによって、第1のアイコン1203と第1の領域1205とを結ぶ方向に対応するx軸回りの角度の変化と第1の領域1205の移動とを対応させることができ、ユーザに筐体110の傾きの変化と第1の領域1205の移動との関係を容易に把握させることが可能である。
【0039】
次に、(b)の状態では、例えばユーザが筐体110を手前に引き起こすことによって、筐体110の傾きa1が、(a)の状態での傾きa0に比べて大きくなっている。この場合、傾き変化取得部190は、傾き変化Δaを、例えばΔa=|a1−a0|として取得する。位置設定部150は、この傾き変化Δaに応じて、第1の領域1205a〜1205c(図では第2のアイコン1207a〜1207cが表示されている)を、第1のアイコン1203に向けて移動させる。
【0040】
ここで、例えば、(b)の状態で、ユーザによる第1のアイコン1203の長押しが継続されたまま、筐体110の傾きの変化が止まったとする。この場合、傾き変化Δaが変化しないため、位置設定部150は、第1の領域1205a〜1205cをそれ以上移動させない。このように、本実施形態では、第1の領域1205a〜1205cの位置は、傾き変化Δaが生じたことをトリガとして継続的に移動するのではなく、(a)の状態で表示されていた位置から傾き変化Δaに応じた距離だけ移動している。これによって、ユーザが筐体110を傾ける意図的な動作に対応して第1の領域1205を移動させることができ、例えば誤操作を防止することができる。
【0041】
次に、(c)の状態では、例えばユーザが筐体110をさらに手前に引き起こすことによって、筐体110の傾きa2が、(b)の状態での傾きa1に比べてさらに大きくなっている。傾き変化取得部190は、(b)の場合と同様に、傾き変化Δaを、例えばΔa=|a2−a0|として取得する。位置設定部150は、この傾き変化Δaに応じて、第1の領域1205a〜1205c(図では第2のアイコン1207a〜1207cが表示されている)を、第1のアイコン1203に向けて移動させる。(c)の状態でのΔaは、(b)の状態でのΔaよりも大きい。従って、(b)の状態から(c)の状態にかけて、位置設定部150は、第1の領域1205を第1のアイコン1203に向けてさらに移動させる。
【0042】
この(c)の状態では、第1の領域1205が第1のアイコン1203に向けて移動されたことによって、第2のアイコン1207bが第1のアイコン1203に重複している。つまり、第1のアイコン1203が、第1の領域1205bに到達している。この状態で、ユーザが第1のアイコン1203への長押し操作を解除すると、第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生する。図示された例では、この相互作用として、第1のアイコン1203によって示されるファイルが、第1の領域1205bによって示されるフォルダに移動されるものとする。本実施形態では、このとき、第1のアイコン1203が画面1201から消滅する。
【0043】
次に、(d)の状態では、上記のように(c)の状態でユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって、第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し、アイコン1203が画面1201から消滅している。筐体110の傾きa2は、(c)の状態から変化していない。ここで、位置設定部150は、図示されているように、筐体110の傾きにかかわらず、第1の領域1205を(a)の状態で表示されていた位置に戻してもよい。
【0044】
上記の(a)〜(d)のような画面1201の表示の変化によれば、第1の領域1205が筐体110の傾きの変化に応じて第1のアイコン1203に向けて移動することによって、ユーザは、第1のアイコン1203を長押ししたまま動かさなくても、筐体110を傾けることによって第1の領域1205の方を第1のアイコン1203に向けて移動させ、第1のアイコン1203と第1の領域1205との相互作用による操作を実行することができる。
【0045】
かかる構成は、例えば、ユーザが片手で情報処理装置100を把持および操作しようとする場合に有効である。この場合、ユーザは、例えば4本の指と掌で筐体110を把持し、残る指でディスプレイ120への接触操作をする。それゆえ、例えば第1のアイコン1203と第1の領域1205との間で一般的なドラッグ&ドロップ操作をする場合、指が第1のアイコン1203には届いても第1の領域1205までは届かず、結局操作に両手を使用しなければならなくなることが多い。
【0046】
これに対して、本実施形態では、第1の領域1205が第1のアイコン1203に向けて移動するため、ユーザは両手を使わずとも第1のアイコン1203を第1の領域1205に到達させることができる。もちろん、ユーザは、長押し操作をしながら接触位置を移動させるドラッグ操作によって、第1のアイコン1203を移動させてもよい。この場合も、上記の構成によって、第1のアイコン1203を移動させる距離は、一般的なドラッグ&ドロップ操作に比べて少なくて済む。
【0047】
同様の効果を得るための他の構成として、所定のユーザ操作がされているか否かに関わらず、所定の角度以上筐体が傾いた場合に画面上のアイコンなどを傾きの方向に滑るように移動させることも考えられる。しかしながら、この場合、例えばユーザが意図しない筐体の傾きによってアイコンが勝手に移動してしまい、それが誤操作を誘発する可能性もある。また、ユーザは、特にアイコンの移動を必要としない場合にも筐体を傾けて把持していることが多い。それゆえ、上記の他の構成では、ユーザがアイコンの移動を必要とするときに、適切な移動量だけアイコンを移動させることは困難である。
【0048】
そこで、本実施形態では、タッチパネル130に所定のユーザ操作がされている間に限って、またそのユーザ操作が開始されたときを基準にした筐体110の傾きの変化に応じて、第1の領域1205を移動させる。これによって、所定のユーザ操作がされていない間は第1の領域1205が移動しないため、意図しない領域の移動による誤操作が防止される。また、所定のユーザ操作が開始された時点、つまり、ユーザが基準であると認識している時点の筐体110の傾きが、第1の領域1205の移動の基準になるため、筐体110を傾けて第1の領域1205を移動させる操作がより直感的になる。
【0049】
(第2の例)
図5では、図4の例とは逆向きに筐体110の傾きが変化する例が示されている。つまり、筐体110の傾きは、(a)の状態の傾きb0から、(b)の状態の傾きb1、(c)の状態の傾きb2へと、徐々に小さくなる。この場合、例えば、傾き変化取得部190が、図4の例と同様にΔb=|b1−b0|またはΔb=|b2−b0|として傾き変化Δbを取得すると、傾き変化Δbは、(a)よりも(b)で、(b)よりも(c)で大きくなる。従って、図示されているように、画面1201上の第1の領域1205a〜1205c(図では第2のアイコン1207a〜1207cが表示されている)は、図4の例と同様に第1のアイコン1203に向けて移動する。(d)で、位置設定部150は、図4の例と同様に、第1の領域1205を(a)の状態で表示されていた位置に戻してもよい。
【0050】
このように、情報処理装置100は、ユーザが筐体110を奥に倒すことによって筐体110の傾きが徐々に小さくなる場合にも、その傾きの変化に応じて第1の領域1205を第1のアイコン1203に向けて移動させてもよい。これによって、ユーザは、筐体110を手前に引き起こす動作と、奥に倒す動作とのうち、第1のアイコン1203への長押し操作を開始した時点でやりやすい方を実行することで、第1の領域1205を第1のアイコン1203に向けて移動させ、第1のアイコン1203と第1の領域1205との相互作用による操作を容易にすることができる。
【0051】
なお、上記の例では、筐体110を手前に引き起こしたときにも筐体110を奥に倒したときにも同じように第1の領域1205が第1のアイコン1203に向けて移動するが、いずれか一方をユーザに選択させてもよい。この場合、傾き変化取得部190は、例えば選択されなかった向きの筐体110の傾きの変化を0とみなしてもよい。これによって、ユーザは、例えば感覚的にフィットする向きの傾きを選択的に第1の領域1205の移動に割り当てることができる。
【0052】
(1−3.処理フロー)
続いて、図6および図7を参照して、本開示の第1の実施形態における処理フローの例について説明する。図6は、本開示の第1の実施形態における長押し検出時処理を示すフローチャートである。図7は、本開示の第1の実施形態における長押し解除時処理を示すフローチャートである。
【0053】
(長押し検出時処理)
まず、図6を参照して、長押し検出時処理について説明する。長押し検出時処理は、例えば、タッチパネル130が第1のアイコン1203へのユーザの接触操作を所定時間以上継続して検出した場合に、制御部160によって開始される。
【0054】
まず、制御部160は、第1のアイコン1203が既に長押しされている状態であるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、第1のアイコン1203が既に長押しされている状態ではなかった場合、制御部160は、新たに第1のアイコン1203の長押し操作が開始されたと判定する。この場合、制御部160の制御に従って、傾き基準値取得部170が、傾き検出部180の検出結果からこのときの筐体110の傾きを傾き基準値a0として取得する(ステップS103)。
【0055】
一方、ステップS101において、第1のアイコン1203が既に長押しされている状態であった場合、制御部160は、既に第1の領域1205を移動させる処理が開始されていると判定する。この場合、傾き変化取得部190が、傾き検出部180の検出結果からこのときの筐体110の傾きと既に取得されている傾き基準値a0との差を傾き変化Δaとして取得する(ステップS105)。次に、位置設定部150が、取得された傾き変化Δaに応じて、画面1201に設定される第1の領域1205を移動させる(ステップS107)。
【0056】
ここで、制御部160は、第1のアイコン1203がドラッグされているか否かを判定してもよい(ステップS109)。上記のように、ドラッグ操作は、第1のアイコン1203が長押しされた状態で、ユーザが接触位置を移動させることによって取得される。このドラッグ操作が取得されている場合、制御部160は、接触位置の移動の情報を位置設定部150に提供し、位置設定部150は、ドラッグ操作に応じて第1のアイコン1203の位置を移動させる(ステップS111)。以上で、長押し検出時処理は終了する。
【0057】
(長押し解除時処理)
次に、図7を参照して、長押し解除時処理について説明する。長押し解除時処理は、例えば、第1のアイコン1203が長押しされた状態で、タッチパネル130がユーザの接触操作を検出しなくなった場合に、制御部160によって開始される。
【0058】
まず、制御部160は、位置設定部150から情報を取得し、第1のアイコン1203が第1の領域1205に到達しているか否かを判定する(ステップS201)。ここで、第1のアイコン1203が第1の領域1205に到達していた場合、制御部160は、第1のアイコン1203の第1の領域1205へのドロップ動作を実行する(ステップS203)。
【0059】
なお、ディスプレイ120では、第1のアイコン1203が第1の領域1205に表示された第2のアイコン1207に重複している場合、第1のアイコン1203が第2のアイコン1207にドロップされるように表示される。また、第1のアイコン1203が第1の領域1205に到達しているが第2のアイコン1207とは重複していない場合、第1のアイコン1203が第2のアイコン1207に向かってスローされるように表示される。
【0060】
ステップS203でドロップ動作が実行されると、位置設定部150は、第1の領域1205を、第1のアイコン1203への長押し操作が開始される前の元の位置に戻してもよい(ステップS205)。いずれにしても、ユーザによる第1のアイコン1203の長押し操作が終了した場合、第1の領域1205の移動は終了する。
【0061】
一方、ステップS201で、第1のアイコン1203が第1の領域1205に到達していなかった場合、制御部160は、所定の時間待機し、その間に再度第1のアイコン1203の長押しが検出されたか否かを判定する(ステップS207)。ここで、長押しが検出されなかった場合、位置設定部150は、第1のアイコン1203を、長押し操作が開始される前の元の位置に戻す(ステップS209)。なお、別の例として、制御部160は、所定の時間待機することなく、ステップS201のすぐ後にステップS209を実行してもよい。さらに、位置設定部150は、第1の領域1205を、第1のアイコン1203への長押し操作が開始される前の元の位置に戻してもよい(ステップS205)。
【0062】
一方、ステップS207で、所定の時間の待機の間に再度長押し操作が検出された場合、制御部160は、第1のアイコン1203の長押し時の処理を再開する。ここで、付加的に、傾き基準値取得部170は、傾き検出部180の検出結果からこのときの筐体110の傾きを傾き基準値a0として取得してもよい(ステップS211)。その後、制御部160は、第1のアイコン1203への長押し操作が継続しているものとみなして処理を再開する(ステップS213)。
【0063】
上記のステップS211が実行される場合、傾き基準値取得部170は、長押し操作の再開時に傾き基準値a0を再取得する。例えば、ステップS207の待機時間の間に筐体110の傾きが変化している場合、変化後の筐体110の傾きが、傾き基準値a0として設定される。これによって、例えば、ユーザが姿勢の変化などによって長押し操作を中断した場合、ユーザの変化後の姿勢に適した傾き基準値a0を新たに設定することができる。また、例えば、ユーザは、船を漕ぐような感覚で、筐体110を引き起こしたり倒したりすることで、より小さい傾きの変化で第1のアイコン1203を第1の領域1205に到達させることもできる。より具体的には、図4の例の場合、ユーザは、まず、(a)の状態から第1のアイコン1203への長押し操作をしながら筐体110を手前に引き起こす。ユーザは、次に、第1の領域1205が第1のアイコン1203にある程度まで近づいた(b)の時点で長押し操作を中断し、筐体110をそれまでとは逆に奥に倒す。例えば、ユーザは、筐体110の傾きを、(b)の状態の傾きa1から(a)の状態の傾きa0に戻してもよい。上記のステップS207の待機時間の間にユーザが長押し操作を再開すれば、第1の領域1205の位置は(b)の状態、筐体110の傾きは(a)の状態になる。この後、ユーザはそれまでと同様に筐体110を手前に引き起こす動作を継続して第1のアイコン1203を第1の領域1205に到達させることが可能であるが、このときの筐体110の傾きは、(c)の状態の傾きa2よりも小さくてよい。このような構成は、例えばユーザが筐体110の傾きをあまり大きくは変化させたくないような場合に有効である。
【0064】
(1−4.まとめ)
以上、本開示の第1の実施形態について説明した。本実施形態では、ユーザが画面に表示された第1のアイコンと第1の領域とを相互作用させるための操作をしながら筐体を傾けた場合に、情報処理装置が第1の領域を第1のアイコンに向けて移動させる。これによって、例えばユーザがドラッグ操作によって第1のアイコンを第1の領域に到達させようとする場合、第1のアイコンをドラッグする距離が短くて済む。また、ユーザは、第1のアイコンをドラッグしなくてもよく、長押ししているだけでもよい。この場合でも、第1の領域の方が第1のアイコンに向かって移動してくることで、第1のアイコンを第1の領域に到達させ、第1のアイコンと第1の領域とを相互作用させることが可能である。このような構成は、例えば、ユーザが片手で情報処理装置を操作する場合に、操作性を大きく向上させる。
【0065】
なお、本実施形態では、単に筐体の傾きをアイコン移動のトリガにするような場合とは異なり、タッチパネルによって所定のユーザ操作(例えば長押し、またはドラッグ)が取得されたときの筐体の傾きを基準値として取得し、この基準値からの傾きの変化に応じて、上記所定のユーザ操作が継続している限りにおいて第1の領域を移動させることで、ユーザの操作性を向上させつつ、誤操作や誤作動を防止することを可能にしている。
【0066】
(2.第2の実施形態)
次に、図8を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。なお、以下で説明する部分以外について、本開示の第2の実施形態は上記の第1の実施形態と同様の構成を有するため、かかる部分については詳細な説明を省略する。
【0067】
(2−1.表示例)
図8を参照して、本開示の第2の実施形態における表示例について説明する。図8は、本開示の第2の実施形態における表示変化の例を示す図である。
【0068】
まず、(a)の初期状態では、画面1201に、第1のアイコン1203が表示されている。画面1201には、第1の領域1205a〜1205cの位置も設定されているが、この時点では、位置が画面1201の表示可能領域の外に初期設定されている。従って、第1の領域1205a〜1205cの一部に表示される第2のアイコン1207a〜1207cは、画面1201には表示されていない。
【0069】
なお、図示された例において、第1のアイコン1203は、動画コンテンツを示すサムネイル画像のアイコンである。また、第1の領域1205a〜1205cは、第1のアイコン1203によって示される動画コンテンツを転送するデバイスを示す領域である。第2のアイコン1207a〜1207cは、第1の領域1205a〜1205cのそれぞれが示すデバイス(デスクトップ型のPC、テレビ、タブレット型のPC)を表示する。
【0070】
また、第2のアイコン1207の表示領域は、第1の領域1205の外縁から所定の距離だけ離れるように設定されている。逆に言うと、第2のアイコン1207の表示領域から所定の距離以内の領域が、第1の領域1205に設定されている。
【0071】
この(a)の状態で、ユーザは、第1のアイコン1203への長押し操作を開始し、それとともに、筐体110(図示せず)を奥に倒すように傾ける。
【0072】
次に、(b)の状態では、ユーザが筐体110を傾けたことによって、第1の領域1205が第1のアイコン1203に向かって移動し、画面1201の表示可能領域の中に入っている。従って、画面1201には、第1のアイコン1203とともに第2のアイコン1207が表示される。図示された例では、ユーザは第1のアイコン1203を長押しするとともに移動させる操作、つまりドラッグ操作を実行しており、これによって画面1201に表示される第1のアイコン1203も移動している。
【0073】
次に、(c)の状態では、ユーザが筐体110をさらに傾けたことによって、第1の領域1205がさらに第1のアイコン1203に向かって移動し、またユーザのドラッグ操作によって第1のアイコン1203がさらに移動している。この状態で、第1のアイコン1203は、第1の領域1205のうち、第2のアイコン1207が表示されていない領域に到達している。つまり、第1のアイコン1203は、第2のアイコン1207から所定の距離以内まで接近している。
【0074】
この状態で、ユーザが第1のアイコン1203への長押し操作を解除すると、第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生する。これは、いわゆるドラッグ&スロー操作に対応する。ユーザは、第1のアイコン1203が第2のアイコン1207bに重複する位置まで第1のアイコン1203をドラッグする、または筐体110を傾けて第1の領域1205bを移動させてから、第1のアイコン1203への長押し操作を解除してもよい。この場合も、同様に第1のアイコン1203と第1の領域1205bこれは、いわゆるドラッグ&ドロップ操作に対応する。
【0075】
上記のように、図示された例では、相互作用として、第1のアイコン1203によって示されるコンテンツのデータが、第1の領域1205bによって示されるデバイスに転送される。この操作が実行された場合、第1のアイコン1203は画面1201から消滅してもよいし、(a)の状態で表示された位置に戻ってもよい。
【0076】
次に、(d)の状態では、(c)の状態でユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって、第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し、アイコン1203が画面1201から消滅している。図示された例では、位置設定部150が、第1の領域1205を、(b)の状態で表示されていた位置に戻している。このように、位置設定部150は、第1のアイコン1203との間の相互作用の後の第1の領域1205の位置を、初期設定されていた位置以外の位置に移動させてもよい。図示された例では、第1の領域1205および第2のアイコン1207が表示可能領域の外の初期設定位置に戻らず、引き続き画面1201に表示されることで、ユーザは、たとえば第1のアイコン1203によって示されるコンテンツを転送したデバイスを事後的に確認することができる。
【0077】
(2−2.まとめ)
以上、本開示の第2の実施形態について説明した。本実施形態では、上記の第1の実施形態にも同様に適用可能な、いくつかの付加的な構成が示された。
【0078】
例えば、第1の領域の位置は、画面の表示可能領域の外に設定されていてもよい。所定の向きに筐体を傾ける操作によって、第1の領域(および第2のアイコン)が第1のアイコンに向かって移動してくることが予めユーザに通知されていれば、ユーザは、必要な場合に筐体を傾けて第1の領域を画面内に移動させればよく、それ以外の場合には画面の領域を他の表示などに用いることができる。
【0079】
また、第1の領域は、第2のアイコンの表示領域から所定の距離以内の領域として設定されてもよい。この場合、ユーザは、第2のアイコンから所定の距離以内の位置で第1のアイコンのドラッグ操作(または長押し操作)を解除することによって、いわゆるドラッグ&スローの操作をすることが可能である。これによって、第1のアイコンと第1の領域とを相互作用させる操作がより円滑になる。
【0080】
(3.補足)
(ハードウェア構成)
次に、図9を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置を実現可能な情報処理装置900のハードウェア構成について、詳細に説明する。図9は、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0081】
情報処理装置900は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置900は、更に、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、センサ914、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923および通信装置925を備える。
【0082】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0083】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0084】
センサ914は、情報処理装置900の処理に用いられる各種情報を検出する検出部である。本開示の実施形態では、情報処理装置900の筐体の傾きを検出するために、センサ914として、例えば角速度センサ、加速度センサ、または角度センサなどのモーションセンサが用いられうる。角速度センサとしては、例えば振動型ジャイロセンサ、回転コマジャイロセンサなどが用いられうる。加速度センサとしては、例えばピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型などが用いられうる。また、角度センサとしては、例えば地磁気センサなどが用いられる。なお、センサ914は、上述のもの以外にも、温度計、照度計、湿度計、速度計、加速度計などの様々な測定機器を備えていてもよい。
【0085】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作部である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール部であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作部を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0086】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0087】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種データなどを格納する。
【0088】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0089】
接続ポート923は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900は、外部接続機器929から直接各種データを取得したり、外部接続機器929に各種データを提供したりする。
【0090】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
【0091】
以上、本開示の実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0092】
(備考)
上記の説明では、情報処理装置がスマートフォンであり、ディスプレイへのユーザの接触によって操作入力がされる実施形態について説明した。しかし、上述したように、情報処理装置は、例えばタブレット型などのPC、PDA(Personal Digital Assistant)、各種メディアプレーヤなどであってもよい。また、情報処理装置の操作入力は、必ずしもディスプレイへの接触によってされなくてもよい。
【0093】
また、操作入力がディスプレイへの接触による場合も、第1のアイコンと第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作は、様々な操作でありうる。上記の説明では、長押し操作や、長押し状態で接触位置を移動させるドラッグ操作が例示されたが、他にも、フリック操作など各種の操作が所定のユーザ操作に設定されてもよい。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0095】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定部と、
前記画面をディスプレイに表示させる表示制御部と、
前記第1のアイコンと前記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得部と、
前記ユーザ操作が開始されたときの前記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得部と、
前記筐体の傾きの前記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得部と
を備え、
前記位置設定部は、前記傾き変化に応じて前記第1の領域を前記第1のアイコンに向けて移動させる情報処理装置。
(2)前記位置設定部は、前記ユーザ操作が終了した場合に前記第1の領域の移動を終了する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記位置設定部は、前記ユーザ操作が終了した場合に、前記第1の領域を前記ユーザ操作が開始されたときの位置まで移動させる、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記位置設定部は、前記ユーザ操作が終了した場合に、第1の待機時間の経過後に前記第1の領域を移動させる、前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)前記位置設定部は、前記第1の待機時間の間に前記ユーザ操作が再開された場合に、前記第1の領域の移動を再開する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)前記傾き基準値取得部は、前記ユーザ操作が再開されたときの前記筐体の傾きを新たに前記傾き基準値として取得する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)前記表示制御部は、前記第1の領域の一部または全部に第2のアイコンを表示させる、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)前記位置設定部は、前記第1の領域の位置を、前記画面の表示可能領域の外に初期設定する、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(9)前記操作取得部は、前記ディスプレイへのユーザの接触操作を取得し、
前記ユーザ操作は、前記第1のアイコンをドラッグする操作である、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(10)第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定することと、
前記画面をディスプレイに表示させることと、
前記第1のアイコンと前記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得することと、
前記ユーザ操作が開始されたときの前記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得することと、
前記筐体の傾きの前記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得することと、
前記傾き変化に応じて前記第1の領域を前記第1のアイコンに向けて移動させることと
を含む情報処理方法。
(11)第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定機能と、
前記画面をディスプレイに表示させる表示制御機能と、
前記第1のアイコンと前記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得機能と、
前記ユーザ操作が開始されたときの前記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得機能と、
前記筐体の傾きの前記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得機能と
をコンピュータに実現させ、
前記位置設定機能は、前記傾き変化に応じて前記第1の領域を前記第1のアイコンに向けて移動させるプログラム。
(12)前記位置設定機能は、前記ユーザ操作が終了した場合に前記第1の領域の移動を終了する、前記(11)に記載のプログラム。
(13)前記位置設定機能は、前記ユーザ操作が終了した場合に、前記第1の領域を前記ユーザ操作が開始されたときの位置まで移動させる、前記(12)に記載のプログラム。
(14)前記位置設定機能は、前記ユーザ操作が終了した場合に、第1の待機時間の経過後に前記第1の領域を移動させる、前記(13)に記載のプログラム。
(15)前記位置設定機能は、前記第1の待機時間の間に前記ユーザ操作が再開された場合に、前記第1の領域の移動を再開する、前記(14)に記載のプログラム。
(16)前記傾き基準値取得機能は、前記ユーザ操作が再開されたときの前記筐体の傾きを新たに前記傾き基準値として取得する、前記(15)に記載のプログラム。
(17)前記表示制御機能は、前記第1の領域の一部または全部に第2のアイコンを表示させる、前記(11)〜(16)のいずれか1項に記載のプログラム。
(18)前記位置設定機能は、前記第1の領域の位置を、前記画面の表示可能領域の外に初期設定する、前記(11)〜(17)のいずれか1項に記載のプログラム。
(19)前記操作取得機能は、前記ディスプレイへのユーザの接触操作を取得し、
前記ユーザ操作は、前記第1のアイコンをドラッグする操作である、前記(11)〜(18)のいずれか1項に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0096】
100 情報処理装置
110 筐体
120 ディスプレイ
130 タッチパネル
140 表示制御部
150 位置設定部
160 制御部
170 傾き基準値取得部
180 傾き検出部
190 傾き変化取得部
1201 画面
1203 第1のアイコン
p1 第1のアイコンの位置
1205 第1の領域
p2 第1の領域の位置
1207 第2のアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定部と、
前記画面をディスプレイに表示させる表示制御部と、
前記第1のアイコンと前記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得部と、
前記ユーザ操作が開始されたときの前記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得部と、
前記筐体の傾きの前記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得部と
を備え、
前記位置設定部は、前記傾き変化に応じて前記第1の領域を前記第1のアイコンに向けて移動させる情報処理装置。
【請求項2】
前記位置設定部は、前記ユーザ操作が終了した場合に前記第1の領域の移動を終了する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記位置設定部は、前記ユーザ操作が終了した場合に、前記第1の領域を前記ユーザ操作が開始されたときの位置まで移動させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置設定部は、前記ユーザ操作が終了した場合に、第1の待機時間の経過後に前記第1の領域を移動させる、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記位置設定部は、前記第1の待機時間の間に前記ユーザ操作が再開された場合に、前記第1の領域の移動を再開する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記傾き基準値取得部は、前記ユーザ操作が再開されたときの前記筐体の傾きを新たに前記傾き基準値として取得する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1の領域の一部または全部に第2のアイコンを表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記位置設定部は、前記第1の領域の位置を、前記画面の表示可能領域の外に初期設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記操作取得部は、前記ディスプレイへのユーザの接触操作を取得し、
前記ユーザ操作は、前記第1のアイコンをドラッグする操作である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定することと、
前記画面をディスプレイに表示させることと、
前記第1のアイコンと前記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得することと、
前記ユーザ操作が開始されたときの前記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得することと、
前記筐体の傾きの前記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得することと、
前記傾き変化に応じて前記第1の領域を前記第1のアイコンに向けて移動させることと
を含む情報処理方法。
【請求項11】
第1のアイコンおよび第1の領域の画面上での位置を設定する位置設定機能と、
前記画面をディスプレイに表示させる表示制御機能と、
前記第1のアイコンと前記第1の領域とを相互作用させるための所定のユーザ操作を取得する操作取得機能と、
前記ユーザ操作が開始されたときの前記ディスプレイが設けられる筐体の傾きを傾き基準値として取得する傾き基準値取得機能と、
前記筐体の傾きの前記傾き基準値からの変化を傾き変化として取得する傾き変化取得機能と
をコンピュータに実現させ、
前記位置設定機能は、前記傾き変化に応じて前記第1の領域を前記第1のアイコンに向けて移動させるプログラム。
【請求項12】
前記位置設定機能は、前記ユーザ操作が終了した場合に前記第1の領域の移動を終了する、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記位置設定機能は、前記ユーザ操作が終了した場合に、前記第1の領域を前記ユーザ操作が開始されたときの位置まで移動させる、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記位置設定機能は、前記ユーザ操作が終了した場合に、第1の待機時間の経過後に前記第1の領域を移動させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記位置設定機能は、前記第1の待機時間の間に前記ユーザ操作が再開された場合に、前記第1の領域の移動を再開する、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記傾き基準値取得機能は、前記ユーザ操作が再開されたときの前記筐体の傾きを新たに前記傾き基準値として取得する、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記表示制御機能は、前記第1の領域の一部または全部に第2のアイコンを表示させる、請求項11に記載のプログラム。
【請求項18】
前記位置設定機能は、前記第1の領域の位置を、前記画面の表示可能領域の外に初期設定する、請求項11に記載のプログラム。
【請求項19】
前記操作取得機能は、前記ディスプレイへのユーザの接触操作を取得し、
前記ユーザ操作は、前記第1のアイコンをドラッグする操作である、請求項11に記載のプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−114640(P2013−114640A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263238(P2011−263238)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】