情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示させる。
【解決手段】携帯情報端末1は、表示部4に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行するものであって、表示部4に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する接触検知部11と、接触検知部11が検知した操作および取得した接触位置が予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、接触検知部11が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル出現処理部41と、カーソル出現処理部41が表示したカーソルを移動させるカーソル移動処理部42と、を備えている。
【解決手段】携帯情報端末1は、表示部4に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行するものであって、表示部4に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する接触検知部11と、接触検知部11が検知した操作および取得した接触位置が予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、接触検知部11が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル出現処理部41と、カーソル出現処理部41が表示したカーソルを移動させるカーソル移動処理部42と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、特に表示されているアイコンをカーソルで選択することでアイコンが示す処理を実行する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末や携帯情報端末において、全面タッチパネルを備えた機種が普及してきている。全面タッチパネルを備えた機種は、タッチパネルにおいて、各種表示および操作の受け付けを行うことができるとともに、デザインも近代的で、多くの人から支持されている。
【0003】
このような、全面タッチパネルを備えた携帯情報端末に対し、ユーザは、指やペン等でタッチパネルに表示されたアイコン等をタッチすることにより各種操作を行っている。すなわち、片手(例えば左手)で携帯情報端末を把持し、他方の手(右手)でアイコン等をタッチしている。
【0004】
また、片手で携帯情報端末の把持および操作を行う場合は、ユーザは、携帯情報端末を把持しながら、タッチパネル上で指の届く範囲はそのままタッチし、指が届かない範囲については、当該範囲に指が届くように携帯情報端末を持ち替える等して、操作を行っている。
【0005】
一方、パーソナルコンピュータ等では、画面にマウスカーソル(カーソル)が表示され、マウスでカーソルの位置を操作して、アイコン等が表示されている位置にカーソルを合わせて処理操作(ダブルクリック等)をすることにより、各種操作が行われている。
【0006】
なお、カーソルを移動させる従来技術として、特許文献1には、表示パネル上にスライドパッドを配設し、画面に接触することにより、画面に表示されているカーソルを移動させる方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献2にも、接触した指等の位置の変化によりカーソルを移動させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−34414号公報(2001年2月9日公開)
【特許文献2】特開平8−76927号公報(1996年3月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そもそも、カーソルを移動させて、移動先にあるアイコン等が示す処理を実行する場合、画面上にカーソルが表示されている必要がある。
【0010】
しかしながら、現行の技術では、アプリケーションが起動したときや、アプリケーションにおける何らかのモードが変更になったときに、カーソルを表示/非表示するものが散見されるのみであり、カーソルをユーザにとって使い勝手良く表示させるものはない。
【0011】
また、上記特許文献1、2も、カーソルの表示方法については言及していない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示させることが可能な情報処理装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置において、少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知手段が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示手段と、上記カーソル表示手段が表示したカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置の制御方法であって、上記情報処理装置にて、操作検知手段が、少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を見地するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、カーソル表示手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を受け付けると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知ステップで取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示ステップと、カーソル移動手段が、上記カーソル表示ステップで表示したカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、を含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成または方法によれば、カーソル表示動作と一致する動作を検知したときに、接触位置にカーソルを表示させる。
【0016】
これにより、ユーザの指が届く範囲にカーソルを表示させることができるので、ユーザに対し、容易にカーソルを操作できるようにさせることができる。また、アイコンに対する接触と区別してカーソルを表示させることができるので、誤ってアイコンが示す処理が実行されてしまうことを防止しつつ、適切にカーソルを表示させることができる。
【0017】
したがって、ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示することができる。
【0018】
本発明にかかる情報処理装置では、上記カーソル移動手段によるカーソル移動が終了したときの上記カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行する処理実行手段を備えていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、移動後のカーソル位置に存在するアイコンが示す処理を実行するので、ユーザの手が届かない位置にアイコンが存在していても、カーソルを移動させることにより、アイコンが示す処理を実行することができる。これにより、ユーザに対し、アイコンが示す処理の実行を容易に行わせることができる。
【0020】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示動作は、上記表示部における上記アイコンが表示されている位置と異なる位置に対する接触であることであってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、アイコンが表示されている位置と異なる位置の接触を受け付けるとカーソルを表示する。よって、表示部に対する接触を受け付けたときに、アイコンに対する処理を実行するのか、カーソルを表示するのか明確に区別することができ、アイコンに対する処理とカーソル表示とが混同してしまうことを防止することができる。
【0022】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触の接触開始時点からの経過時間が所定時間以上であることであってもよい。
【0023】
上記の構成によれば、接触の経過時間が所定時間以上となるとカーソルを表示するので、単に接触してしまったというような、カーソルを表示させる意図がない場合に、カーソルを表示してしまうということを防止することができる。
【0024】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示動作は、上記表示部における接触位置が、最初に接触した位置から所定の範囲内を往復することであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、接触位置が、最初に接触した位置から所定の範囲内を往復するという明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0026】
また、アイコンが表示されている位置であっても、アイコンに対する処理を実行する接触の方法とは異なるので、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0027】
本発明に係る情報処理装置では、上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、自装置の揺れを検知するものであり、上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触および自端末の揺れが同時に行われることであることであってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、自端末が揺らされたという明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0029】
また、接触位置がアイコンが表示されている位置であっても、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0030】
本発明に係る情報処理装置では、カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触後、該接触があったまま、上記カーソル表示指示の入力があることであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、表示部に対する接触とカーソル表示指示という明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0032】
また、接触位置がアイコンが表示されている位置であっても、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0033】
本発明に係る情報処理装置では、カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力受付部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、上記カーソル表示動作は、上記カーソル表示指示が入力された後、上記表示部に対する接触があることであってもよい。
【0034】
上記の構成によれば、表示部に対する接触とカーソル表示指示という明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0035】
また、接触位置がアイコンが表示されている位置であっても、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0036】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示手段は、カーソルを表示するとき、表示するカーソルの輝度を所定の輝度まで徐々に高くし、上記カーソル移動手段は、上記カーソルの輝度が上記所定の輝度となった後、カーソルを移動することであってもよい。
【0037】
上記の構成によれば、ユーザに対し、視覚的に変化を持たせたカーソルを提示することができるとともに、カーソルが操作可能となったタイミングを的確に提供することができる。
【0038】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示手段は、カーソルを表示した後、上記操作検知手段が表示部に対する接触を検知し、該接触の接触位置が移動せずに該接触を検知しなくなったとき、表示したカーソルを消去するものであってもよい。
【0039】
上記の構成によれば、接触位置を移動させずに接触が終わると、カーソルを消去するので、ユーザに対し、カーソルが不要なときに容易に消去させることができる。
【0040】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0041】
以上のように、本発明に係る情報処理装置は、少なくとも表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知手段が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示手段と、上記カーソル表示手段が表示したカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備えている構成である。
【0042】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、情報処理装置にて、操作検知手段が、少なくとも表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を見地するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、カーソル表示手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を受け付けると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知ステップで取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示ステップと、カーソル移動手段が、上記カーソル表示ステップで表示したカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、を含む方法である。
【0043】
これにより、ユーザの指が届く範囲にカーソルを表示させることができるので、ユーザに対し、容易にカーソルを操作できるようにさせることができるという効果を奏する。また、アイコンに対する接触と区別してカーソルを表示させることができるので、誤ってアイコンが示す処理が実行されてしまうことを防止しつつ、適切にカーソルを表示させることができるという効果を奏する。
【0044】
したがって、ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、携帯情報端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記携帯情報端末を示す図であり、図2の(a)は、携帯情報端末の外観を示す図であり、図2の(b)は、携帯情報端末を把持した状態を示す図である。
【図3】上記携帯情報端末における、カーソルを出現させる操作の内容を示す出現テーブルである。
【図4】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図12の(a)は、表示部にメール画面が表示されている図であり、図12の(b)は、表示部にブラウザが表示されている図である。
【図13】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図13の(a)は、カーソルを弾く前の様子を示す図であり、図13の(b)および(c)は、弾いたカーソルの進行方向を示す図であり、図13の(d)は、カーソルを弾いたあとに、特に操作が行われなかった様子を示す図である。
【図14】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【図15】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【図16】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【図17】ユーザ操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図17の(a)は、カーソルがアイコンの位置に移動する様子を示す図であり、図17の(b)は、カーソルから所定の距離の範囲に存在する全てのアイコンが選択される状態を示す図である。
【図18】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図18の(a)は、カーソルが表示されている様子を示す図であり、図18の(b)は、カーソルが消去されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(全体概要)
本発明の一実施の形態について図1から図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係る携帯情報端末(情報処理装置)1は、片手で把持可能な情報端末であり、全面タッチパネル(操作受付部2、表示部4)を備えているものである。図2は、携帯情報端末1の外観を示す図であり、図2の(a)は、携帯情報端末1の外観を示し、図2の(b)は、携帯情報端末1を把持した状態を示す。図2に示すように、携帯情報端末1には、音声出力部5、操作スイッチ16、音声入力部17が備えられている。なお、これらは必須の構成ではない。
【0047】
本実施の形態に係る携帯情報端末1では、図2の(b)に示すように、片手で携帯情報端末1を把持したまま、親指でタッチパネルである操作受付部2を操作できるものである。そして、例えば、親指が届かない位置に操作対象となるアイコンが存在する場合、親指近辺にカーソルを表示させ、該カーソルが親指で弾かれることによって、カーソルを移動させ、所望のアイコンの位置にカーソルか移動してきたときに、再度、親指で操作受付部2をタップされることにより、アイコンの処理を行うことができるものである。
【0048】
これにより、片手のみで把持および操作可能な携帯情報端末1を実現することができる。
【0049】
(携帯情報端末1の構成)
次に、図1を用いて、携帯情報端末1の要部構成について説明する。図1は、携帯情報端末1の要部構成を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯情報端末1は、操作受付部2、加速度センサー3、表示部4、音声出力部5、制御部6、記憶部7、操作スイッチ16、および音声入力部17を含む構成である。また、制御部6は、接触検知部(操作検知手段)11およびカーソル処理部(カーソル移動手段)12を含み、接触検知部11は、接触位置取得部21および接触時間測定部22を含む構成である。また、カーソル処理部12は、カーソル表示処理部31およびカーソル決定処理部(処理実行手段)32を含み、カーソル表示処理部31は、カーソル出現処理部(カーソル表示手段)41およびカーソル移動処理部(カーソル移動手段)42を含む構成である。また、記憶部7には、カーソル表示テーブル記憶部51が含まれている。
【0051】
記憶部7のカーソル表示テーブル記憶部51には、入力位置を示すカーソルを出現させる操作を記憶している。ここで、カーソルとは、該カーソルが、表示部4に表示されているアイコンの位置にあるときに、実行操作(例えば、タップ)がなされると、該アイコンが示す処理が実行されるものである。すなわち、パーソナルコンピュータにおけるマウスカーソルと同じ機能を有するものである。
【0052】
また、記憶部7には、携帯情報端末1における各種処理に必要なプログラム、各種動作設定値、各種データ等も記憶している。記憶部7は、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶デバイスと、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶デバイスとによって構成される。
【0053】
操作受付部2は、携帯情報端末1に対する操作を受け付けるものである。本実施の形態では表示と接触検知との両者を実現できるタッチパネル等のデバイスにより構成されており、表示部4と兼ねている。
【0054】
加速度センサー3は、携帯情報端末1自体の加速度を検出し、カーソル処理部12に通知するものである。加速度センサー3は、周知の技術で実現可能であるが、例えば、互いに直交する3つの軸方向の加速度を検出するようなセンサーで実現できる。
【0055】
表示部4は、各種情報を表示するものである。本実施の形態では表示と接触検知との両者を実現できるタッチパネル等のデバイスにより構成されており、操作受付部2と兼ねている。
【0056】
音声出力部5は、音声が出力されるものであり、スピーカ等により実現される。音声入力部17は、音声の入力を受け付けるものであり、マイク等により実現される。
【0057】
操作スイッチ16は、携帯情報端末1の電源のオン/オフを行うスイッチである。
【0058】
制御部6は、携帯情報端末1におけるカーソル動作を実行するとともに、携帯情報端末1の各種処理を実行するものであり、接触検知部11およびカーソル処理部12を含んでいる。
【0059】
接触検知部11は、操作受付部2に対する接触(タップ)を検知するものであり、接触位置取得部21および接触時間測定部22を含んでいる。
【0060】
接触位置取得部21は、操作受付部2に対する接触があったときに、操作受付部2における接触位置(すなわち、表示部4における接触位置)を取得して、カーソル処理部12に通知するものである。
【0061】
接触時間測定部22は、操作受付部2に対する接触があったときに、接触が開始した時点からの時間を測定し、カーソル処理部12に通知するものである。
【0062】
カーソル処理部12は、カーソルの出現、動作、決定処理を行うものであり、カーソル表示処理部31、およびカーソル決定処理部32を含んでいる。
【0063】
カーソル表示処理部31は、カーソルの表示を処理するものであり、カーソル出現処理部41およびカーソル移動処理部42を含んでいる。
【0064】
カーソル出現処理部41は、接触検知部11から取得した操作受付部2に対する接触操作、および加速度センサー3から取得した携帯情報端末1の加速度が、カーソル表示テーブル記憶部51に記憶されているカーソル出現操作と対応する場合に、表示部4の、接触位置に対応する位置にカーソルを出現させるものである。
【0065】
カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置に応じて、カーソルを移動させるものである。より詳細には、接触位置取得部21から取得した接触位置の変化の方向に、接触位置の変化のスピードに応じた距離だけ、カーソルを移動させる。
【0066】
また、カーソル移動処理部42は、カーソル移動中に、操作受付部2が接触を受け付けると、接触位置に合わせたカーソル移動方向の修正、およびドラッグに対応するカーソル移動も行う。
【0067】
カーソル決定処理部32は、接触検知部11から取得した接触位置、および接触時間に応じて、カーソル位置に表示されているアイコン等が示す処理を、該処理を行うアプリケーション等に実行させるものである。
【0068】
(出現操作の内容)
次に、カーソル出現処理部41がカーソルの出現に用いるカーソル表示テーブル記憶部51の内容について、図3を用いて説明する。図3は、カーソルを出現させる操作の内容(カーソル表示動作)を示す出現テーブル301である。なお、カーソル出現処理部41がカーソルの出現に用いる操作内容は、出現テーブル301に記載され8つの場合に限定されない。
【0069】
出現テーブル301に示すように、カーソルを出現させる操作としては、次の8つの方法が挙げられる。第1は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップ(接触)されると、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、タップによりすぐにカーソルを表示させることができ、ユーザに対し、速やかにカーソルを提示することができる。よって、ユーザは、速やかにカーソルを弾いて、所望の処理を実行させることができる。
【0070】
第2は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらに当該タップが所定時間以上の場合に(操作B、長タップ)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。
【0071】
これにより、所定時間以上タップされると、カーソルを表示するので、ユーザがカーソルを出現させる意思が無いのに、誤ってアイコンが表示されていない箇所をタップしてしまったことによりカーソルを表示してしまうということを防止しつつ、カーソル表示を行うことができる。
【0072】
また、この場合のカーソル表示において、タップが所定時間を超えるとすぐにカーソルを表示するのではなく、徐々にカーソルが浮かび上がってくるような表示としてもよい。そして、例えば、徐々に表示されるカーソルの色を、青→黄→赤としたり、灰→白としたりしてもよい。カーソルは、接触位置に表示されるので、上記のようにカーソルが徐々に浮かび上がってくるようにすれば、カーソルが徐々に浮かび上がってきている間にユーザがカーソルを弾き易い位置に、操作受付部2に接触したまま指を移動させると、ユーザの指に付着するようにカーソルが浮かび上がりながら移動する。よって、ユーザに対し、カーソルの位置を認識させつつ、指を弾き易い位置に移動させることができる。
【0073】
また、カーソル出現処理部41は、カーソルを表示するときに、表示するカーソルの輝度を徐々に高くしていくものであってもよい。また、カーソルは、輝度が最も高くなった状態で、カーソル移動処理部42による移動が可能、すなわちユーザによる操作が可能となるものであってもよい。
【0074】
また、カーソルが表示されると、表示部4に表示されているアイコンは、選択できないようにグレーアウトさせてもよい。これにより、ユーザに対し、カーソルを弾くことが可能な状態になったことを認識させることができる。なお、アイコンは、カーソルが弾かれると元の表示に戻してもよい。
【0075】
第3は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらにタップされたまま携帯情報端末1を揺らした場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。
【0076】
これにより、ユーザに対し、揺らすという直感的な操作感を与えることができる。また、タップされながら揺らされることによりカーソルを表示するので、長タップのみによりカーソルを表示するときよりもタップ時間を短くしても、適切にカーソルを表示することが可能となる。なお、携帯情報端末1の揺れは、加速度センサー3に検出することができる。
【0077】
第4は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらに当該タップが接触したまま上下に動かされた場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、指を上下に移動させるという直感的な操作感をユーザに与えることができる。
【0078】
第5は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、カーソル出現ボタン(カーソル表示入力受付部、図示せず)が押下(カーソル表示指示)されたまま(操作B)、アイコンが表示されていない箇所をタップされる(操作A)というものである。これにより、カーソル出現ボタンを押下するという直感的な操作感をユーザに与えることができる。
【0079】
第6は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらにカーソル出現ボタンが押下される(操作B)というものである。この場合も、カーソル出現ボタンを押下するという直感的な操作感をユーザに与えることができる。
【0080】
第7は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されている箇所をタップされ(操作A)、さらに、タップされたまま携帯情報端末1が揺らされた場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、アイコンに対する操作機能を残したまま、カーソル出現を実行することができる。
【0081】
第8は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されている箇所をタップされ(操作A)、さらに当該タップが接触したまま上下に動かされた場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、アイコンに対する操作機能を残したまま、カーソル出現を実行することができる。
【0082】
また、カーソルが表示されているときに、操作受付部2に接触している指を移動させずに、そのまま操作受付部2から離すと、表示されているカーソルが消える。これにより、カーソルが不要なときに消去することができる。
【0083】
(携帯情報端末1の動作)
次に、図4〜7を用いて、携帯情報端末1における動作について説明する。図4〜7は、携帯情報端末1における動作の流れを示すフローチャートである。
【0084】
図4に示すように、携帯情報端末1は、操作受付部2でカーソル出現操作を受け付けると(S101、操作検知ステップ)、カーソル表示処理部31は表示部4にカーソルを表示させる(S102、カーソル表示ステップ)。
【0085】
次に、接触位置取得部21が、表示されたカーソルの近傍で接触があり、かつ当該接触が所定距離以上移動し、かつ移動時間が所定時間以下であることを検知すると(S103でYES)、カーソル移動処理部42は、表示されているカーソルを、接触位置取得部21が検知した方向に、接触位置取得部21が検知した接触位置の変化のスピードに応じて、移動させる(S104、カーソル移動ステップ)。これは、ユーザがカーソルを弾いたことに対応する。
【0086】
その後、カーソルが表示部4の画面内に存在する間に(S105でYES)、再度、操作受付部2に対する接触(タップ)を検知し(S107でYES)、かつ、該接触の接触時間が所定の時間未満の場合(S109でNOで、S108でYES)、カーソル決定処理部32は、その時点におけるカーソルの位置で、タップ処理を行う(S115、処理実行ステップ)。ここで、タップ処理とは、カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行することをいう。
【0087】
また、操作受付部2に対する接触を検知することなく(S107でNO)、所定の時間が経過すると(S116でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示しているカーソルを消去する(S117)。
【0088】
一方、接触時間が所定時間以上の場合(S109でYES)、カーソル移動処理部42は、カーソル移動修正処理を行う(S110、カーソル移動ステップ)。カーソル移動修正処理については後述する。
【0089】
カーソル移動修正処理後、操作受付部2でドラッグを受け付けると(S111でYES)、カーソル移動処理部42は、ドラッグに基づくカーソル移動を行う(S112)。具体的には、ドラッグの動きと同じようにカーソルを移動させる。その後、カーソルが表示部4の画面の端部まで移動すると(S113でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面をスクロールさせる(S114)。そして、ステップS111に戻る。
【0090】
一方、カーソル移動修正処理後、操作受付部2でドラッグを受け付けることがなければ(S111でNO)、ステップS105に戻る。
【0091】
また、カーソルが表示部4の画面の端部まで移動しなければ(S113でNO)、ステップS105に戻り、その後、ドラックが解除されると(S106でYES)、カーソル決定処理部32は、その時点におけるカーソルの位置で、タップ処理を行う(S115)。
【0092】
以上が、携帯情報端末1における動作の流れである。
【0093】
次に、図5、6を用いて、カーソル移動修正処理の流れについて説明する。
【0094】
図5に示すように、カーソル移動修正処理では、まず、カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル進行方向を示す、カーソルを含む線(以降、進行方向線と呼ぶ)上にあるか否かを判定する(S201)。そして、接触位置が進行方向線上であれば(S201でYES)、カーソル移動修正処理を終了してステップS111へ進む。
【0095】
一方、接触位置が進行方向線上でなければ(S201でNO)、カーソル移動処理部42は、接触位置が進行方向線よりも右か否かを判定する(S202)。そして、接触位置が進行方向線よりも右であれば(S202でYES)、カーソルの移動方向を右方向に修正しながら移動させる(S203)。一方、接触位置が、進行方向線よりも右でなければ(S202でNO)、カーソルの移動方向を左方向に修正しながら移動させる(S204)。以上が、カーソル移動修正処理の流れである。
【0096】
なお、接触位置の判定は、進行方向線よりも右か否かではなく、最初に接触した位置よりも表示部4の画面上で右か否かで判定してもよい。
【0097】
また、ステップS201の代わりに、図6のステップS211、S212に示す処理を行ってもよい。すなわち、カーソル移動処理部42は、まず、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じか否かを判定する(S211)。そして、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S211でYES)、カーソル移動処理部42は、接触を検知した時点におけるカーソルの位置から最も近い位置にあるオブジェクト(アイコン、ファイル、WEBリンク等を含む)の位置にカーソルを移動させる(S212)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
【0098】
一方、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じでなければ(S211でNO)、ステップS202へ進む。
【0099】
また、ステップS212の代わりに、図7のステップS221に示す処理を行ってもよい。すなわち、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じ場合(S211でYES)、カーソル移動処理部42は、現在のカーソル位置にカーソルを停止させるとともに、カーソルから所定の距離の範囲に存在するオブジェクト(アイコン、ファイル、WEBリンク等を含む)を全て選択された状態とする(S221)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
その後、ステップS111で、ドラッグ操作を受け付けると(S111でYES)、選択された状態のオブジェクトは全て、選択されていない状態となる。
【0100】
また、カーソル移動修正処理については、図8のような流れであってもよい。
【0101】
まず、カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じか否かを判定する(S301)。そして、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S201でYES)、カーソル移動修正処理を終了する。
【0102】
一方、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じでなければ(S301でNO)、カーソル移動処理部42は、接触位置が、進行方向線よりも右か否かを判定する(S302)。そして、接触位置が、進行方向線よりも右であれば(S302でYES)、カーソルの移動方向を右方向に修正しながら移動させる(S303)。一方、接触位置が、進行方向線よりも右でなければ(S302でNO)、カーソルの移動方向を左方向に修正しながら移動させる(S304)。
【0103】
次に、カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置よりもカーソルの進行方向寄りか否かを判定する(S305)。そして、カーソルの進行方向寄りであれば(S305でYES)、カーソル移動処理部42は、カーソルの移動速度を加速して速くする(S306)。一方、カーソルの進行方向寄りでなければ(S305でNO)、カーソル移動処理部42は、カーソルの移動速度を減速して遅くする(S307)。
【0104】
また、ステップS301でYESの場合に、図9のステップS311に示す処理を行ってもよい。すなわち、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S301でYES)、カーソル移動処理部42は、接触を検知した時点におけるカーソルの位置から最も近い位置にあるオブジェクトの位置にカーソルを移動させる(S311)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
【0105】
また、ステップS301でYESの場合に、図10のステップS321に示す処理を行ってもよい。すなわち、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S301でYES)、カーソル移動処理部42は、現在のカーソル位置にカーソルを停止させるとともに、カーソルから所定の距離の範囲に存在するオブジェクトを全て選択された状態とする(S321)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
【0106】
以上が、カーソル移動修正処理の流れである。
【0107】
また、カーソル移動修正処理に代えて図11に示すような処理を行ってもよい。図11に示すように、カーソル移動処理部42は、まず、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係をみる(S401)。そして、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における上側方向の変化量が最大であれば(S402でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を上側にスクロールする(S403)。また、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における上側方向の変化量が最大でなく(S402でNO)、下側方向の変化量が最大であれば(S404でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を下側にスクロールする(S405)。
【0108】
また、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における下側方向の変化量が最大でなく(S404でNO)、右側方向の変化量が最大であれば(S406でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を右側にスクロールする(S407)。
【0109】
また、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における右側方向の変化量が最大でなく(S406でNO)、左側方向の変化量が最大であれば(S408でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を左側にスクロールする(S409)。
【0110】
また、表示部4の画面における左側方向の変化量が最大でなければ(S408でNO)、画面をスクロールすることなく処理を終了する。
【0111】
以上のような処理とすることで、操作受付部2に対し所定の時間以上接触(タップ)すすると画面をスクロールすることができ、その後のドラッグ操作により、所望のアイコンを実行することができる。
【0112】
(表示例)
次に、図12〜18を用いて、ユーザの操作とカーソル表示について説明する。図12〜18は、ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【0113】
図12は、カーソルを表示させる操作を示す図であり、図12の(a)は、表示部4にメール画面が表示されている図であり、図12の(b)は、表示部4にブラウザが表示されている図である。
【0114】
図12の(a)に示すように、メール画面において、送信ボタン803をタップしたい場合、親指801を表示部4(操作受付部2)に接触させたまま上下に移動させる。これにより、カーソル802が、親指801が表示部4に接触している位置に表示される。その後、表示されたカーソル802を親指801で、送信ボタン803方向に弾かれると、カーソル802が送信ボタン803方向に移動する。そして、カーソル802が送信ボタン803の位置に到達したところで、再度、親指801で表示部4がタップされると、送信ボタン803がタップされたときの処理を行う。
【0115】
また、図12の(b)に示すように、ブラウザ画面において、リンクボタン804をタップしたい場合も同様である。親指801を表示部4に接触させたまま上下に移動させると、カーソル802が表示される。そして、表示されたカーソル802を親指801で、リンクボタン804方向に弾かれると、カーソル802がリンクボタン804方向に移動する。そして、カーソル802がリンクボタン804の位置に到達したところで、親指801で再度、表示部4にタップされると、リンクボタン804がタップされた処理を実行する。
【0116】
図13は、カーソルを表示させ、移動させる様子を示す説明図であり、図13の(a)は、カーソルを弾く前の様子を示す図であり、図13の(b)(c)は、弾いたカーソルの進行方向を示す図であり、図13の(d)は、カーソルを弾いたあとに、特に操作が行われなかった様子を示す図である。
【0117】
図13の(a)に示すように、カーソル出現処理部41は、カーソル出現処理を受け付けると、親指901が接触していた位置にカーソル902を表示させる。そして、ユーザは、領域(アイコン)900をタップするために、カーソル902を親指901で領域900方向に弾く。カーソル移動処理部42は、接触検知部11からカーソル902が弾かれたこと、すなわち、カーソル近傍で所定距離以上の接触があったことを受け付けると、図13の(b)に示すように、カーソル902を接触方向である矢印905方向に移動させる。
【0118】
また、図13の(c)に示すように、カーソル近傍での所定距離以上の接触の速さが遅い場合は、カーソル移動処理部42は、矢印908に示すように、図13の(b)の場合と比較してカーソル902が移動する距離を短くする。そして、図13の(d)に示すように、カーソル902が移動後、何の操作も行わないと、カーソル表示処理部31は、カーソル902を消去する(カーソル跡911)。
【0119】
次に、図14を用いて、タップする様子を説明する。画面例1001に示すようにカーソル902が親指901で弾かれたことを受け付けると、カーソル移動処理部42は、カーソル902を移動させる。そして、カーソル902が移動中に、再度、操作受付部2に対する接触があると、カーソル決定処理部32は、接触があった時点におけるカーソル902の位置でタップ処理を行う。画面例1002では、カーソル902の移動が開始された箇所と領域900との間にカーソル902が存在するときに操作受付部2に対する接触があったときの様子を示す。また、画面例1003は、カーソル902が領域900に到達したときに、操作受付部2に対する接触があったときの様子を示す。
【0120】
次に、図15を用いて、カーソル902の移動方向が修正される様子を説明する。画面例1101に示すように、カーソル902が親指901で弾かれたことを受け付けると、画面例1102に示すように、カーソル移動処理部42は、弾かれた方向にカーソル902を移動させる。このときに、操作受付部2に対し、所定時間以上の接触(長タップ)があると、画面例1103に示すように、カーソル移動処理部42は、長タップされた方向にカーソル902の移動方向を修正する(矢印1108)。
【0121】
次に、図16を用いて、カーソル902の移動後の様子について説明する。画面例1201に示すように、カーソル902が親指901で弾かれたことを受け付けると、カーソル移動処理部42は、カーソル902を移動させる。そして、操作受付部2に対し、長タップがあると、画面例1202に示すように、カーソル移動処理部42は長タップされた方向にカーソル902の移動方向を修正する(矢印1205)。
【0122】
また、画面例1203に示すように、親指901によるドラッグを受け付けると、カーソル移動処理部42は、受け付けたドラッグと同じように、カーソル902の移動方向を修正する。そして、画面例1204に示すように、ドラッグにより、カーソル902が表示部4の端部に移動されると、カーソル処理部12は、表示画面をカーソル902が位置する方向(図16の例では上方向)にスクロールさせる。
【0123】
次に、図17を用いて、カーソルの進行方向線上をタップされた場合について説明する。図17は、進行方向線上をタップされた場合を示す図であり、図17の(a)は、タップされたときにカーソルに最も近い位置に存在したアイコンにカーソルが移動する様子を示す図であり、図17の(b)は、タップされたときにカーソルを停止し、カーソルから所定の距離の範囲に存在するアイコンが全て選択された状態となる様子を示す図である。
【0124】
図17の(a)に示すように、カーソル902が最も近いアイコンに移動する場合は、カーソル902を移動中に、進行方向線上を親指901でタップされると、そのときのカーソル902の位置902aから最も近いところに存在するアイコン921の位置902bにカーソル902を移動させる。
【0125】
また、図17の(b)に示すように、カーソル902から所定の距離の範囲に存在するアイコンが全て選択された状態になる場合は、進行方向線上を親指901でタップされると、カーソル902が停止し、カーソル902の位置から所定の距離の範囲930に存在する領域(アイコン)900、アイコン921が選択された状態となる。
【0126】
なお、進行方向線上をタップされるのではなく、カーソル902を弾いた地点から所定の範囲内をタップされた場合に、そのときのカーソル902の位置から最も近いところに存在するアイコンの位置にカーソル902を移動させたり、カーソル902の位置から所定の距離の範囲に存在するアイコンが選択された状態とするものであってもよい。
【0127】
次に、図18を用いて、カーソルの表示および消去の様子について説明する。図18の(a)は、カーソル902が表示されている様子を示す図であり、図18の(b)は、カーソル902が消去されている様子を示す図である。
【0128】
図18の(a)に示すように、タップが有効なオブジェクト(アイコン)1310が、親指901が届かない位置に存在する場合に、オブジェクト1310をタップするために、カーソル902を表示させる。その後、親指901の接触位置を変更せずに、そのまま操作受付部2から離すと、図18の(b)に示すように、カーソル出現処理部41は、表示部4に表示したカーソル902を消去する(カーソル跡1303)。
【0129】
(付記事項1)
カーソル出現処理部41は、アプリケーションに関係なく、次のような操作によって、カーソルを出現させてもよい。
【0130】
まず、操作受付部2に接触している指を、入力が確定するまでに、上下にドラッグされることにより、カーソルを出現させてもよい。この場合、最初に接触された位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0131】
また、操作受付部2に、所定時間以上の接触があった場合にカーソルを出現させてもよい。この場合も、最初に接触された位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0132】
また、携帯情報端末1にカーソル出現ボタンを備え、カーソル出現ボタンを押下されながら、操作受付部2に接触があると、カーソルを出現させてもよい。この場合、接触があった位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0133】
また、操作受付部2に接触しながら、カーソル出現ボタンが押下されると、カーソルを出現させてもよい。この場合、接触があった位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0134】
また、操作受付部2に接触しながら、携帯情報端末1が揺らされると、カーソルを出現させてもよい。この場合、接触があった位置に存在したアイコンに対する処理は実行されないか、実行をキャンセルする。なお、操作受付部2に対する接触後、所定の時間が経過した後に携帯情報端末1が揺らされても、カーソル出現処理は行わず、接触の長押し(長タップ)の処理を行う。
【0135】
また、カーソル出現ボタンを押下されると、カーソル出現モードになり、この状態で操作受付部2に接触があると、カーソルを出現させてもよい。また、カーソル出現モードの場合には、表示部4に「画面をタップするとカーソルが表示されます」等の表示を行ってもよい。また、カーソル出現モードのときに、再度カーソル出現ボタンが押下されると、通常のモードに戻ってもよい。
【0136】
また、メニュー表示にカーソル出現ボタンを設け、該カーソル出現ボタンがタップされると、カーソルを出現させてもよい。
【0137】
(付記事項2)
また、カーソル出現処理部41は、各アプリケーションの特徴に応じ、次のような操作によって、カーソルを出現させてもよい。
【0138】
まず、アプリケーションが電子メールソフトの場合、文字入力中に文字入力ボタン以外の箇所をタップされると、カーソルを出現させてもよい。すなわち、タップされた箇所に、文字入力アイコンがない場合、カーソル出現処理部41はカーソルを出現させる。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、送信ボタンを選択することができる。
【0139】
また、アプリケーションがブラウザの場合、文字等が入力され、ソフトキーボードの閉じるボタンが押下されると、押下された位置にカーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、確認ボタンや添付ボタンを選択することができる。
【0140】
また、同じくアプリケーションがブラウザの場合に、ウェブ画面内のリンクや画像が表示されていない箇所を長タップされると、タップされた位置にカーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、所望のアイコンを選択することや、ドラッグにより画面端部にカーソルを移動させて、画面をスクロールすることができる。
【0141】
また、同じくアプリケーションがブラウザの場合に、ブラウザの下部にバーを設け、該バーからブラウザの画面内にドラッグされたときに、カーソルを出現させてもよい。または、上記バーを長タップされると、カーソルを出現させてもよい。
【0142】
また、アプリケーションにおいて、検索を実行する場合、文字入力中に文字入力ボタン以外の箇所をタップされると、カーソルを出現させてもよい。すなわち、タップされた位置に文字入力ボタンがなければ、カーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、検索ボタンを選択することができる。
【0143】
また、アプリケーションがカレンダーソフトの場合、カレンダーの枠外をタップされると、カーソルを出現させてもよい。また、カレンダーで月表示がされている場合に、今月以外の月の部分を長タップされると、カーソルを出現させてもよい。この場合、短タップだと、当該月の日付入力モードとなり、長タップだとカーソルを出現させる。
【0144】
また、カレンダーで週表示がされている場合に、日を表示している帯の上をタップされると、カーソルを出現させてもよい。また、カレンダーで日表示がされている場合に、時間を表示している帯の上をタップされると、カーソルを出現させてもよい。
【0145】
カレンダーにおいて、カーソルを出現させた後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、所望のアイコンを実行させることもできるし、ドラッグにより画面をスクロールさせて表示されていなかった部分を表示させることもできる。
【0146】
(付記事項3)
また、ファイルエクスプローラーが表示されている場合に、ファイルアイコン以外の箇所をタップされると、カーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、所望のアイコンを選択することができる。
【0147】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0148】
(ソフトウェアによる処理)
最後に、携帯情報端末1の各ブロック、特に制御部6の接触検知部11(接触位置取得部21、接触時間測定部22)、およびカーソル処理部12(カーソル表示処理部31、カーソル出現処理部41、カーソル移動処理部42、カーソル決定処理部32)は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していてもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0149】
後者の場合、携帯情報端末1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯情報端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯情報端末1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0150】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0151】
また、携帯情報端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0152】
携帯情報端末を、片手で把持し、把持している手の届かない箇所でもタップすることができるので、片手で把持しつつ、該片手で画面を操作するような携帯情報端末に好適である。
【符号の説明】
【0153】
1 携帯情報端末(情報処理装置)
4 表示部
11 接触検知部(操作検知手段)
12 カーソル処理部(カーソル移動手段)
21 接触位置取得部(操作検知手段)
22 接触時間測定部(操作検知手段)
32 カーソル決定処理部(処理実行手段)
41 カーソル出現処理部(カーソル表示手段)
42 カーソル移動処理部(カーソル移動手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、特に表示されているアイコンをカーソルで選択することでアイコンが示す処理を実行する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末や携帯情報端末において、全面タッチパネルを備えた機種が普及してきている。全面タッチパネルを備えた機種は、タッチパネルにおいて、各種表示および操作の受け付けを行うことができるとともに、デザインも近代的で、多くの人から支持されている。
【0003】
このような、全面タッチパネルを備えた携帯情報端末に対し、ユーザは、指やペン等でタッチパネルに表示されたアイコン等をタッチすることにより各種操作を行っている。すなわち、片手(例えば左手)で携帯情報端末を把持し、他方の手(右手)でアイコン等をタッチしている。
【0004】
また、片手で携帯情報端末の把持および操作を行う場合は、ユーザは、携帯情報端末を把持しながら、タッチパネル上で指の届く範囲はそのままタッチし、指が届かない範囲については、当該範囲に指が届くように携帯情報端末を持ち替える等して、操作を行っている。
【0005】
一方、パーソナルコンピュータ等では、画面にマウスカーソル(カーソル)が表示され、マウスでカーソルの位置を操作して、アイコン等が表示されている位置にカーソルを合わせて処理操作(ダブルクリック等)をすることにより、各種操作が行われている。
【0006】
なお、カーソルを移動させる従来技術として、特許文献1には、表示パネル上にスライドパッドを配設し、画面に接触することにより、画面に表示されているカーソルを移動させる方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献2にも、接触した指等の位置の変化によりカーソルを移動させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−34414号公報(2001年2月9日公開)
【特許文献2】特開平8−76927号公報(1996年3月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そもそも、カーソルを移動させて、移動先にあるアイコン等が示す処理を実行する場合、画面上にカーソルが表示されている必要がある。
【0010】
しかしながら、現行の技術では、アプリケーションが起動したときや、アプリケーションにおける何らかのモードが変更になったときに、カーソルを表示/非表示するものが散見されるのみであり、カーソルをユーザにとって使い勝手良く表示させるものはない。
【0011】
また、上記特許文献1、2も、カーソルの表示方法については言及していない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示させることが可能な情報処理装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置において、少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知手段が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示手段と、上記カーソル表示手段が表示したカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置の制御方法であって、上記情報処理装置にて、操作検知手段が、少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を見地するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、カーソル表示手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を受け付けると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知ステップで取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示ステップと、カーソル移動手段が、上記カーソル表示ステップで表示したカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、を含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成または方法によれば、カーソル表示動作と一致する動作を検知したときに、接触位置にカーソルを表示させる。
【0016】
これにより、ユーザの指が届く範囲にカーソルを表示させることができるので、ユーザに対し、容易にカーソルを操作できるようにさせることができる。また、アイコンに対する接触と区別してカーソルを表示させることができるので、誤ってアイコンが示す処理が実行されてしまうことを防止しつつ、適切にカーソルを表示させることができる。
【0017】
したがって、ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示することができる。
【0018】
本発明にかかる情報処理装置では、上記カーソル移動手段によるカーソル移動が終了したときの上記カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行する処理実行手段を備えていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、移動後のカーソル位置に存在するアイコンが示す処理を実行するので、ユーザの手が届かない位置にアイコンが存在していても、カーソルを移動させることにより、アイコンが示す処理を実行することができる。これにより、ユーザに対し、アイコンが示す処理の実行を容易に行わせることができる。
【0020】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示動作は、上記表示部における上記アイコンが表示されている位置と異なる位置に対する接触であることであってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、アイコンが表示されている位置と異なる位置の接触を受け付けるとカーソルを表示する。よって、表示部に対する接触を受け付けたときに、アイコンに対する処理を実行するのか、カーソルを表示するのか明確に区別することができ、アイコンに対する処理とカーソル表示とが混同してしまうことを防止することができる。
【0022】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触の接触開始時点からの経過時間が所定時間以上であることであってもよい。
【0023】
上記の構成によれば、接触の経過時間が所定時間以上となるとカーソルを表示するので、単に接触してしまったというような、カーソルを表示させる意図がない場合に、カーソルを表示してしまうということを防止することができる。
【0024】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示動作は、上記表示部における接触位置が、最初に接触した位置から所定の範囲内を往復することであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、接触位置が、最初に接触した位置から所定の範囲内を往復するという明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0026】
また、アイコンが表示されている位置であっても、アイコンに対する処理を実行する接触の方法とは異なるので、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0027】
本発明に係る情報処理装置では、上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、自装置の揺れを検知するものであり、上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触および自端末の揺れが同時に行われることであることであってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、自端末が揺らされたという明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0029】
また、接触位置がアイコンが表示されている位置であっても、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0030】
本発明に係る情報処理装置では、カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触後、該接触があったまま、上記カーソル表示指示の入力があることであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、表示部に対する接触とカーソル表示指示という明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0032】
また、接触位置がアイコンが表示されている位置であっても、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0033】
本発明に係る情報処理装置では、カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力受付部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、上記カーソル表示動作は、上記カーソル表示指示が入力された後、上記表示部に対する接触があることであってもよい。
【0034】
上記の構成によれば、表示部に対する接触とカーソル表示指示という明確な動作によって、カーソルを表示する。よって、ユーザの明確な意図があった場合にのみカーソルを表示することができる。
【0035】
また、接触位置がアイコンが表示されている位置であっても、アイコンが示す処理を実行させることなく、アイコンが表示されている位置にカーソルを表示することができる。
【0036】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示手段は、カーソルを表示するとき、表示するカーソルの輝度を所定の輝度まで徐々に高くし、上記カーソル移動手段は、上記カーソルの輝度が上記所定の輝度となった後、カーソルを移動することであってもよい。
【0037】
上記の構成によれば、ユーザに対し、視覚的に変化を持たせたカーソルを提示することができるとともに、カーソルが操作可能となったタイミングを的確に提供することができる。
【0038】
本発明に係る情報処理装置では、上記カーソル表示手段は、カーソルを表示した後、上記操作検知手段が表示部に対する接触を検知し、該接触の接触位置が移動せずに該接触を検知しなくなったとき、表示したカーソルを消去するものであってもよい。
【0039】
上記の構成によれば、接触位置を移動させずに接触が終わると、カーソルを消去するので、ユーザに対し、カーソルが不要なときに容易に消去させることができる。
【0040】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0041】
以上のように、本発明に係る情報処理装置は、少なくとも表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知手段が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示手段と、上記カーソル表示手段が表示したカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備えている構成である。
【0042】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、情報処理装置にて、操作検知手段が、少なくとも表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を見地するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、カーソル表示手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を受け付けると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知ステップで取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示ステップと、カーソル移動手段が、上記カーソル表示ステップで表示したカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、を含む方法である。
【0043】
これにより、ユーザの指が届く範囲にカーソルを表示させることができるので、ユーザに対し、容易にカーソルを操作できるようにさせることができるという効果を奏する。また、アイコンに対する接触と区別してカーソルを表示させることができるので、誤ってアイコンが示す処理が実行されてしまうことを防止しつつ、適切にカーソルを表示させることができるという効果を奏する。
【0044】
したがって、ユーザにとって使い勝手良くカーソルを表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、携帯情報端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記携帯情報端末を示す図であり、図2の(a)は、携帯情報端末の外観を示す図であり、図2の(b)は、携帯情報端末を把持した状態を示す図である。
【図3】上記携帯情報端末における、カーソルを出現させる操作の内容を示す出現テーブルである。
【図4】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図12の(a)は、表示部にメール画面が表示されている図であり、図12の(b)は、表示部にブラウザが表示されている図である。
【図13】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図13の(a)は、カーソルを弾く前の様子を示す図であり、図13の(b)および(c)は、弾いたカーソルの進行方向を示す図であり、図13の(d)は、カーソルを弾いたあとに、特に操作が行われなかった様子を示す図である。
【図14】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【図15】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【図16】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【図17】ユーザ操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図17の(a)は、カーソルがアイコンの位置に移動する様子を示す図であり、図17の(b)は、カーソルから所定の距離の範囲に存在する全てのアイコンが選択される状態を示す図である。
【図18】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、図18の(a)は、カーソルが表示されている様子を示す図であり、図18の(b)は、カーソルが消去されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(全体概要)
本発明の一実施の形態について図1から図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係る携帯情報端末(情報処理装置)1は、片手で把持可能な情報端末であり、全面タッチパネル(操作受付部2、表示部4)を備えているものである。図2は、携帯情報端末1の外観を示す図であり、図2の(a)は、携帯情報端末1の外観を示し、図2の(b)は、携帯情報端末1を把持した状態を示す。図2に示すように、携帯情報端末1には、音声出力部5、操作スイッチ16、音声入力部17が備えられている。なお、これらは必須の構成ではない。
【0047】
本実施の形態に係る携帯情報端末1では、図2の(b)に示すように、片手で携帯情報端末1を把持したまま、親指でタッチパネルである操作受付部2を操作できるものである。そして、例えば、親指が届かない位置に操作対象となるアイコンが存在する場合、親指近辺にカーソルを表示させ、該カーソルが親指で弾かれることによって、カーソルを移動させ、所望のアイコンの位置にカーソルか移動してきたときに、再度、親指で操作受付部2をタップされることにより、アイコンの処理を行うことができるものである。
【0048】
これにより、片手のみで把持および操作可能な携帯情報端末1を実現することができる。
【0049】
(携帯情報端末1の構成)
次に、図1を用いて、携帯情報端末1の要部構成について説明する。図1は、携帯情報端末1の要部構成を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯情報端末1は、操作受付部2、加速度センサー3、表示部4、音声出力部5、制御部6、記憶部7、操作スイッチ16、および音声入力部17を含む構成である。また、制御部6は、接触検知部(操作検知手段)11およびカーソル処理部(カーソル移動手段)12を含み、接触検知部11は、接触位置取得部21および接触時間測定部22を含む構成である。また、カーソル処理部12は、カーソル表示処理部31およびカーソル決定処理部(処理実行手段)32を含み、カーソル表示処理部31は、カーソル出現処理部(カーソル表示手段)41およびカーソル移動処理部(カーソル移動手段)42を含む構成である。また、記憶部7には、カーソル表示テーブル記憶部51が含まれている。
【0051】
記憶部7のカーソル表示テーブル記憶部51には、入力位置を示すカーソルを出現させる操作を記憶している。ここで、カーソルとは、該カーソルが、表示部4に表示されているアイコンの位置にあるときに、実行操作(例えば、タップ)がなされると、該アイコンが示す処理が実行されるものである。すなわち、パーソナルコンピュータにおけるマウスカーソルと同じ機能を有するものである。
【0052】
また、記憶部7には、携帯情報端末1における各種処理に必要なプログラム、各種動作設定値、各種データ等も記憶している。記憶部7は、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶デバイスと、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶デバイスとによって構成される。
【0053】
操作受付部2は、携帯情報端末1に対する操作を受け付けるものである。本実施の形態では表示と接触検知との両者を実現できるタッチパネル等のデバイスにより構成されており、表示部4と兼ねている。
【0054】
加速度センサー3は、携帯情報端末1自体の加速度を検出し、カーソル処理部12に通知するものである。加速度センサー3は、周知の技術で実現可能であるが、例えば、互いに直交する3つの軸方向の加速度を検出するようなセンサーで実現できる。
【0055】
表示部4は、各種情報を表示するものである。本実施の形態では表示と接触検知との両者を実現できるタッチパネル等のデバイスにより構成されており、操作受付部2と兼ねている。
【0056】
音声出力部5は、音声が出力されるものであり、スピーカ等により実現される。音声入力部17は、音声の入力を受け付けるものであり、マイク等により実現される。
【0057】
操作スイッチ16は、携帯情報端末1の電源のオン/オフを行うスイッチである。
【0058】
制御部6は、携帯情報端末1におけるカーソル動作を実行するとともに、携帯情報端末1の各種処理を実行するものであり、接触検知部11およびカーソル処理部12を含んでいる。
【0059】
接触検知部11は、操作受付部2に対する接触(タップ)を検知するものであり、接触位置取得部21および接触時間測定部22を含んでいる。
【0060】
接触位置取得部21は、操作受付部2に対する接触があったときに、操作受付部2における接触位置(すなわち、表示部4における接触位置)を取得して、カーソル処理部12に通知するものである。
【0061】
接触時間測定部22は、操作受付部2に対する接触があったときに、接触が開始した時点からの時間を測定し、カーソル処理部12に通知するものである。
【0062】
カーソル処理部12は、カーソルの出現、動作、決定処理を行うものであり、カーソル表示処理部31、およびカーソル決定処理部32を含んでいる。
【0063】
カーソル表示処理部31は、カーソルの表示を処理するものであり、カーソル出現処理部41およびカーソル移動処理部42を含んでいる。
【0064】
カーソル出現処理部41は、接触検知部11から取得した操作受付部2に対する接触操作、および加速度センサー3から取得した携帯情報端末1の加速度が、カーソル表示テーブル記憶部51に記憶されているカーソル出現操作と対応する場合に、表示部4の、接触位置に対応する位置にカーソルを出現させるものである。
【0065】
カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置に応じて、カーソルを移動させるものである。より詳細には、接触位置取得部21から取得した接触位置の変化の方向に、接触位置の変化のスピードに応じた距離だけ、カーソルを移動させる。
【0066】
また、カーソル移動処理部42は、カーソル移動中に、操作受付部2が接触を受け付けると、接触位置に合わせたカーソル移動方向の修正、およびドラッグに対応するカーソル移動も行う。
【0067】
カーソル決定処理部32は、接触検知部11から取得した接触位置、および接触時間に応じて、カーソル位置に表示されているアイコン等が示す処理を、該処理を行うアプリケーション等に実行させるものである。
【0068】
(出現操作の内容)
次に、カーソル出現処理部41がカーソルの出現に用いるカーソル表示テーブル記憶部51の内容について、図3を用いて説明する。図3は、カーソルを出現させる操作の内容(カーソル表示動作)を示す出現テーブル301である。なお、カーソル出現処理部41がカーソルの出現に用いる操作内容は、出現テーブル301に記載され8つの場合に限定されない。
【0069】
出現テーブル301に示すように、カーソルを出現させる操作としては、次の8つの方法が挙げられる。第1は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップ(接触)されると、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、タップによりすぐにカーソルを表示させることができ、ユーザに対し、速やかにカーソルを提示することができる。よって、ユーザは、速やかにカーソルを弾いて、所望の処理を実行させることができる。
【0070】
第2は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらに当該タップが所定時間以上の場合に(操作B、長タップ)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。
【0071】
これにより、所定時間以上タップされると、カーソルを表示するので、ユーザがカーソルを出現させる意思が無いのに、誤ってアイコンが表示されていない箇所をタップしてしまったことによりカーソルを表示してしまうということを防止しつつ、カーソル表示を行うことができる。
【0072】
また、この場合のカーソル表示において、タップが所定時間を超えるとすぐにカーソルを表示するのではなく、徐々にカーソルが浮かび上がってくるような表示としてもよい。そして、例えば、徐々に表示されるカーソルの色を、青→黄→赤としたり、灰→白としたりしてもよい。カーソルは、接触位置に表示されるので、上記のようにカーソルが徐々に浮かび上がってくるようにすれば、カーソルが徐々に浮かび上がってきている間にユーザがカーソルを弾き易い位置に、操作受付部2に接触したまま指を移動させると、ユーザの指に付着するようにカーソルが浮かび上がりながら移動する。よって、ユーザに対し、カーソルの位置を認識させつつ、指を弾き易い位置に移動させることができる。
【0073】
また、カーソル出現処理部41は、カーソルを表示するときに、表示するカーソルの輝度を徐々に高くしていくものであってもよい。また、カーソルは、輝度が最も高くなった状態で、カーソル移動処理部42による移動が可能、すなわちユーザによる操作が可能となるものであってもよい。
【0074】
また、カーソルが表示されると、表示部4に表示されているアイコンは、選択できないようにグレーアウトさせてもよい。これにより、ユーザに対し、カーソルを弾くことが可能な状態になったことを認識させることができる。なお、アイコンは、カーソルが弾かれると元の表示に戻してもよい。
【0075】
第3は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらにタップされたまま携帯情報端末1を揺らした場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。
【0076】
これにより、ユーザに対し、揺らすという直感的な操作感を与えることができる。また、タップされながら揺らされることによりカーソルを表示するので、長タップのみによりカーソルを表示するときよりもタップ時間を短くしても、適切にカーソルを表示することが可能となる。なお、携帯情報端末1の揺れは、加速度センサー3に検出することができる。
【0077】
第4は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらに当該タップが接触したまま上下に動かされた場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、指を上下に移動させるという直感的な操作感をユーザに与えることができる。
【0078】
第5は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、カーソル出現ボタン(カーソル表示入力受付部、図示せず)が押下(カーソル表示指示)されたまま(操作B)、アイコンが表示されていない箇所をタップされる(操作A)というものである。これにより、カーソル出現ボタンを押下するという直感的な操作感をユーザに与えることができる。
【0079】
第6は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されていない箇所をタップされ(操作A)、さらにカーソル出現ボタンが押下される(操作B)というものである。この場合も、カーソル出現ボタンを押下するという直感的な操作感をユーザに与えることができる。
【0080】
第7は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されている箇所をタップされ(操作A)、さらに、タップされたまま携帯情報端末1が揺らされた場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、アイコンに対する操作機能を残したまま、カーソル出現を実行することができる。
【0081】
第8は、表示部4にカーソルが表示されていない状態で、アイコンが表示されている箇所をタップされ(操作A)、さらに当該タップが接触したまま上下に動かされた場合に(操作B)、タップされた箇所にカーソルを表示するというものである。これにより、アイコンに対する操作機能を残したまま、カーソル出現を実行することができる。
【0082】
また、カーソルが表示されているときに、操作受付部2に接触している指を移動させずに、そのまま操作受付部2から離すと、表示されているカーソルが消える。これにより、カーソルが不要なときに消去することができる。
【0083】
(携帯情報端末1の動作)
次に、図4〜7を用いて、携帯情報端末1における動作について説明する。図4〜7は、携帯情報端末1における動作の流れを示すフローチャートである。
【0084】
図4に示すように、携帯情報端末1は、操作受付部2でカーソル出現操作を受け付けると(S101、操作検知ステップ)、カーソル表示処理部31は表示部4にカーソルを表示させる(S102、カーソル表示ステップ)。
【0085】
次に、接触位置取得部21が、表示されたカーソルの近傍で接触があり、かつ当該接触が所定距離以上移動し、かつ移動時間が所定時間以下であることを検知すると(S103でYES)、カーソル移動処理部42は、表示されているカーソルを、接触位置取得部21が検知した方向に、接触位置取得部21が検知した接触位置の変化のスピードに応じて、移動させる(S104、カーソル移動ステップ)。これは、ユーザがカーソルを弾いたことに対応する。
【0086】
その後、カーソルが表示部4の画面内に存在する間に(S105でYES)、再度、操作受付部2に対する接触(タップ)を検知し(S107でYES)、かつ、該接触の接触時間が所定の時間未満の場合(S109でNOで、S108でYES)、カーソル決定処理部32は、その時点におけるカーソルの位置で、タップ処理を行う(S115、処理実行ステップ)。ここで、タップ処理とは、カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行することをいう。
【0087】
また、操作受付部2に対する接触を検知することなく(S107でNO)、所定の時間が経過すると(S116でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示しているカーソルを消去する(S117)。
【0088】
一方、接触時間が所定時間以上の場合(S109でYES)、カーソル移動処理部42は、カーソル移動修正処理を行う(S110、カーソル移動ステップ)。カーソル移動修正処理については後述する。
【0089】
カーソル移動修正処理後、操作受付部2でドラッグを受け付けると(S111でYES)、カーソル移動処理部42は、ドラッグに基づくカーソル移動を行う(S112)。具体的には、ドラッグの動きと同じようにカーソルを移動させる。その後、カーソルが表示部4の画面の端部まで移動すると(S113でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面をスクロールさせる(S114)。そして、ステップS111に戻る。
【0090】
一方、カーソル移動修正処理後、操作受付部2でドラッグを受け付けることがなければ(S111でNO)、ステップS105に戻る。
【0091】
また、カーソルが表示部4の画面の端部まで移動しなければ(S113でNO)、ステップS105に戻り、その後、ドラックが解除されると(S106でYES)、カーソル決定処理部32は、その時点におけるカーソルの位置で、タップ処理を行う(S115)。
【0092】
以上が、携帯情報端末1における動作の流れである。
【0093】
次に、図5、6を用いて、カーソル移動修正処理の流れについて説明する。
【0094】
図5に示すように、カーソル移動修正処理では、まず、カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル進行方向を示す、カーソルを含む線(以降、進行方向線と呼ぶ)上にあるか否かを判定する(S201)。そして、接触位置が進行方向線上であれば(S201でYES)、カーソル移動修正処理を終了してステップS111へ進む。
【0095】
一方、接触位置が進行方向線上でなければ(S201でNO)、カーソル移動処理部42は、接触位置が進行方向線よりも右か否かを判定する(S202)。そして、接触位置が進行方向線よりも右であれば(S202でYES)、カーソルの移動方向を右方向に修正しながら移動させる(S203)。一方、接触位置が、進行方向線よりも右でなければ(S202でNO)、カーソルの移動方向を左方向に修正しながら移動させる(S204)。以上が、カーソル移動修正処理の流れである。
【0096】
なお、接触位置の判定は、進行方向線よりも右か否かではなく、最初に接触した位置よりも表示部4の画面上で右か否かで判定してもよい。
【0097】
また、ステップS201の代わりに、図6のステップS211、S212に示す処理を行ってもよい。すなわち、カーソル移動処理部42は、まず、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じか否かを判定する(S211)。そして、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S211でYES)、カーソル移動処理部42は、接触を検知した時点におけるカーソルの位置から最も近い位置にあるオブジェクト(アイコン、ファイル、WEBリンク等を含む)の位置にカーソルを移動させる(S212)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
【0098】
一方、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じでなければ(S211でNO)、ステップS202へ進む。
【0099】
また、ステップS212の代わりに、図7のステップS221に示す処理を行ってもよい。すなわち、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じ場合(S211でYES)、カーソル移動処理部42は、現在のカーソル位置にカーソルを停止させるとともに、カーソルから所定の距離の範囲に存在するオブジェクト(アイコン、ファイル、WEBリンク等を含む)を全て選択された状態とする(S221)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
その後、ステップS111で、ドラッグ操作を受け付けると(S111でYES)、選択された状態のオブジェクトは全て、選択されていない状態となる。
【0100】
また、カーソル移動修正処理については、図8のような流れであってもよい。
【0101】
まず、カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じか否かを判定する(S301)。そして、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S201でYES)、カーソル移動修正処理を終了する。
【0102】
一方、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じでなければ(S301でNO)、カーソル移動処理部42は、接触位置が、進行方向線よりも右か否かを判定する(S302)。そして、接触位置が、進行方向線よりも右であれば(S302でYES)、カーソルの移動方向を右方向に修正しながら移動させる(S303)。一方、接触位置が、進行方向線よりも右でなければ(S302でNO)、カーソルの移動方向を左方向に修正しながら移動させる(S304)。
【0103】
次に、カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置よりもカーソルの進行方向寄りか否かを判定する(S305)。そして、カーソルの進行方向寄りであれば(S305でYES)、カーソル移動処理部42は、カーソルの移動速度を加速して速くする(S306)。一方、カーソルの進行方向寄りでなければ(S305でNO)、カーソル移動処理部42は、カーソルの移動速度を減速して遅くする(S307)。
【0104】
また、ステップS301でYESの場合に、図9のステップS311に示す処理を行ってもよい。すなわち、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S301でYES)、カーソル移動処理部42は、接触を検知した時点におけるカーソルの位置から最も近い位置にあるオブジェクトの位置にカーソルを移動させる(S311)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
【0105】
また、ステップS301でYESの場合に、図10のステップS321に示す処理を行ってもよい。すなわち、接触検知部11から取得した接触位置が、カーソル出現操作における接触位置と同じであれば(S301でYES)、カーソル移動処理部42は、現在のカーソル位置にカーソルを停止させるとともに、カーソルから所定の距離の範囲に存在するオブジェクトを全て選択された状態とする(S321)。そして、カーソル移動修正処理を終了する。
【0106】
以上が、カーソル移動修正処理の流れである。
【0107】
また、カーソル移動修正処理に代えて図11に示すような処理を行ってもよい。図11に示すように、カーソル移動処理部42は、まず、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係をみる(S401)。そして、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における上側方向の変化量が最大であれば(S402でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を上側にスクロールする(S403)。また、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における上側方向の変化量が最大でなく(S402でNO)、下側方向の変化量が最大であれば(S404でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を下側にスクロールする(S405)。
【0108】
また、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における下側方向の変化量が最大でなく(S404でNO)、右側方向の変化量が最大であれば(S406でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を右側にスクロールする(S407)。
【0109】
また、接触検知部11から取得した接触位置と、カーソル出現操作における接触位置との関係について、表示部4の画面における右側方向の変化量が最大でなく(S406でNO)、左側方向の変化量が最大であれば(S408でYES)、カーソル処理部12は、表示部4に表示されている画面を左側にスクロールする(S409)。
【0110】
また、表示部4の画面における左側方向の変化量が最大でなければ(S408でNO)、画面をスクロールすることなく処理を終了する。
【0111】
以上のような処理とすることで、操作受付部2に対し所定の時間以上接触(タップ)すすると画面をスクロールすることができ、その後のドラッグ操作により、所望のアイコンを実行することができる。
【0112】
(表示例)
次に、図12〜18を用いて、ユーザの操作とカーソル表示について説明する。図12〜18は、ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図である。
【0113】
図12は、カーソルを表示させる操作を示す図であり、図12の(a)は、表示部4にメール画面が表示されている図であり、図12の(b)は、表示部4にブラウザが表示されている図である。
【0114】
図12の(a)に示すように、メール画面において、送信ボタン803をタップしたい場合、親指801を表示部4(操作受付部2)に接触させたまま上下に移動させる。これにより、カーソル802が、親指801が表示部4に接触している位置に表示される。その後、表示されたカーソル802を親指801で、送信ボタン803方向に弾かれると、カーソル802が送信ボタン803方向に移動する。そして、カーソル802が送信ボタン803の位置に到達したところで、再度、親指801で表示部4がタップされると、送信ボタン803がタップされたときの処理を行う。
【0115】
また、図12の(b)に示すように、ブラウザ画面において、リンクボタン804をタップしたい場合も同様である。親指801を表示部4に接触させたまま上下に移動させると、カーソル802が表示される。そして、表示されたカーソル802を親指801で、リンクボタン804方向に弾かれると、カーソル802がリンクボタン804方向に移動する。そして、カーソル802がリンクボタン804の位置に到達したところで、親指801で再度、表示部4にタップされると、リンクボタン804がタップされた処理を実行する。
【0116】
図13は、カーソルを表示させ、移動させる様子を示す説明図であり、図13の(a)は、カーソルを弾く前の様子を示す図であり、図13の(b)(c)は、弾いたカーソルの進行方向を示す図であり、図13の(d)は、カーソルを弾いたあとに、特に操作が行われなかった様子を示す図である。
【0117】
図13の(a)に示すように、カーソル出現処理部41は、カーソル出現処理を受け付けると、親指901が接触していた位置にカーソル902を表示させる。そして、ユーザは、領域(アイコン)900をタップするために、カーソル902を親指901で領域900方向に弾く。カーソル移動処理部42は、接触検知部11からカーソル902が弾かれたこと、すなわち、カーソル近傍で所定距離以上の接触があったことを受け付けると、図13の(b)に示すように、カーソル902を接触方向である矢印905方向に移動させる。
【0118】
また、図13の(c)に示すように、カーソル近傍での所定距離以上の接触の速さが遅い場合は、カーソル移動処理部42は、矢印908に示すように、図13の(b)の場合と比較してカーソル902が移動する距離を短くする。そして、図13の(d)に示すように、カーソル902が移動後、何の操作も行わないと、カーソル表示処理部31は、カーソル902を消去する(カーソル跡911)。
【0119】
次に、図14を用いて、タップする様子を説明する。画面例1001に示すようにカーソル902が親指901で弾かれたことを受け付けると、カーソル移動処理部42は、カーソル902を移動させる。そして、カーソル902が移動中に、再度、操作受付部2に対する接触があると、カーソル決定処理部32は、接触があった時点におけるカーソル902の位置でタップ処理を行う。画面例1002では、カーソル902の移動が開始された箇所と領域900との間にカーソル902が存在するときに操作受付部2に対する接触があったときの様子を示す。また、画面例1003は、カーソル902が領域900に到達したときに、操作受付部2に対する接触があったときの様子を示す。
【0120】
次に、図15を用いて、カーソル902の移動方向が修正される様子を説明する。画面例1101に示すように、カーソル902が親指901で弾かれたことを受け付けると、画面例1102に示すように、カーソル移動処理部42は、弾かれた方向にカーソル902を移動させる。このときに、操作受付部2に対し、所定時間以上の接触(長タップ)があると、画面例1103に示すように、カーソル移動処理部42は、長タップされた方向にカーソル902の移動方向を修正する(矢印1108)。
【0121】
次に、図16を用いて、カーソル902の移動後の様子について説明する。画面例1201に示すように、カーソル902が親指901で弾かれたことを受け付けると、カーソル移動処理部42は、カーソル902を移動させる。そして、操作受付部2に対し、長タップがあると、画面例1202に示すように、カーソル移動処理部42は長タップされた方向にカーソル902の移動方向を修正する(矢印1205)。
【0122】
また、画面例1203に示すように、親指901によるドラッグを受け付けると、カーソル移動処理部42は、受け付けたドラッグと同じように、カーソル902の移動方向を修正する。そして、画面例1204に示すように、ドラッグにより、カーソル902が表示部4の端部に移動されると、カーソル処理部12は、表示画面をカーソル902が位置する方向(図16の例では上方向)にスクロールさせる。
【0123】
次に、図17を用いて、カーソルの進行方向線上をタップされた場合について説明する。図17は、進行方向線上をタップされた場合を示す図であり、図17の(a)は、タップされたときにカーソルに最も近い位置に存在したアイコンにカーソルが移動する様子を示す図であり、図17の(b)は、タップされたときにカーソルを停止し、カーソルから所定の距離の範囲に存在するアイコンが全て選択された状態となる様子を示す図である。
【0124】
図17の(a)に示すように、カーソル902が最も近いアイコンに移動する場合は、カーソル902を移動中に、進行方向線上を親指901でタップされると、そのときのカーソル902の位置902aから最も近いところに存在するアイコン921の位置902bにカーソル902を移動させる。
【0125】
また、図17の(b)に示すように、カーソル902から所定の距離の範囲に存在するアイコンが全て選択された状態になる場合は、進行方向線上を親指901でタップされると、カーソル902が停止し、カーソル902の位置から所定の距離の範囲930に存在する領域(アイコン)900、アイコン921が選択された状態となる。
【0126】
なお、進行方向線上をタップされるのではなく、カーソル902を弾いた地点から所定の範囲内をタップされた場合に、そのときのカーソル902の位置から最も近いところに存在するアイコンの位置にカーソル902を移動させたり、カーソル902の位置から所定の距離の範囲に存在するアイコンが選択された状態とするものであってもよい。
【0127】
次に、図18を用いて、カーソルの表示および消去の様子について説明する。図18の(a)は、カーソル902が表示されている様子を示す図であり、図18の(b)は、カーソル902が消去されている様子を示す図である。
【0128】
図18の(a)に示すように、タップが有効なオブジェクト(アイコン)1310が、親指901が届かない位置に存在する場合に、オブジェクト1310をタップするために、カーソル902を表示させる。その後、親指901の接触位置を変更せずに、そのまま操作受付部2から離すと、図18の(b)に示すように、カーソル出現処理部41は、表示部4に表示したカーソル902を消去する(カーソル跡1303)。
【0129】
(付記事項1)
カーソル出現処理部41は、アプリケーションに関係なく、次のような操作によって、カーソルを出現させてもよい。
【0130】
まず、操作受付部2に接触している指を、入力が確定するまでに、上下にドラッグされることにより、カーソルを出現させてもよい。この場合、最初に接触された位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0131】
また、操作受付部2に、所定時間以上の接触があった場合にカーソルを出現させてもよい。この場合も、最初に接触された位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0132】
また、携帯情報端末1にカーソル出現ボタンを備え、カーソル出現ボタンを押下されながら、操作受付部2に接触があると、カーソルを出現させてもよい。この場合、接触があった位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0133】
また、操作受付部2に接触しながら、カーソル出現ボタンが押下されると、カーソルを出現させてもよい。この場合、接触があった位置に存在したアイコンに対する処理の実行はキャンセルされる。
【0134】
また、操作受付部2に接触しながら、携帯情報端末1が揺らされると、カーソルを出現させてもよい。この場合、接触があった位置に存在したアイコンに対する処理は実行されないか、実行をキャンセルする。なお、操作受付部2に対する接触後、所定の時間が経過した後に携帯情報端末1が揺らされても、カーソル出現処理は行わず、接触の長押し(長タップ)の処理を行う。
【0135】
また、カーソル出現ボタンを押下されると、カーソル出現モードになり、この状態で操作受付部2に接触があると、カーソルを出現させてもよい。また、カーソル出現モードの場合には、表示部4に「画面をタップするとカーソルが表示されます」等の表示を行ってもよい。また、カーソル出現モードのときに、再度カーソル出現ボタンが押下されると、通常のモードに戻ってもよい。
【0136】
また、メニュー表示にカーソル出現ボタンを設け、該カーソル出現ボタンがタップされると、カーソルを出現させてもよい。
【0137】
(付記事項2)
また、カーソル出現処理部41は、各アプリケーションの特徴に応じ、次のような操作によって、カーソルを出現させてもよい。
【0138】
まず、アプリケーションが電子メールソフトの場合、文字入力中に文字入力ボタン以外の箇所をタップされると、カーソルを出現させてもよい。すなわち、タップされた箇所に、文字入力アイコンがない場合、カーソル出現処理部41はカーソルを出現させる。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、送信ボタンを選択することができる。
【0139】
また、アプリケーションがブラウザの場合、文字等が入力され、ソフトキーボードの閉じるボタンが押下されると、押下された位置にカーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、確認ボタンや添付ボタンを選択することができる。
【0140】
また、同じくアプリケーションがブラウザの場合に、ウェブ画面内のリンクや画像が表示されていない箇所を長タップされると、タップされた位置にカーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、所望のアイコンを選択することや、ドラッグにより画面端部にカーソルを移動させて、画面をスクロールすることができる。
【0141】
また、同じくアプリケーションがブラウザの場合に、ブラウザの下部にバーを設け、該バーからブラウザの画面内にドラッグされたときに、カーソルを出現させてもよい。または、上記バーを長タップされると、カーソルを出現させてもよい。
【0142】
また、アプリケーションにおいて、検索を実行する場合、文字入力中に文字入力ボタン以外の箇所をタップされると、カーソルを出現させてもよい。すなわち、タップされた位置に文字入力ボタンがなければ、カーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、検索ボタンを選択することができる。
【0143】
また、アプリケーションがカレンダーソフトの場合、カレンダーの枠外をタップされると、カーソルを出現させてもよい。また、カレンダーで月表示がされている場合に、今月以外の月の部分を長タップされると、カーソルを出現させてもよい。この場合、短タップだと、当該月の日付入力モードとなり、長タップだとカーソルを出現させる。
【0144】
また、カレンダーで週表示がされている場合に、日を表示している帯の上をタップされると、カーソルを出現させてもよい。また、カレンダーで日表示がされている場合に、時間を表示している帯の上をタップされると、カーソルを出現させてもよい。
【0145】
カレンダーにおいて、カーソルを出現させた後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、所望のアイコンを実行させることもできるし、ドラッグにより画面をスクロールさせて表示されていなかった部分を表示させることもできる。
【0146】
(付記事項3)
また、ファイルエクスプローラーが表示されている場合に、ファイルアイコン以外の箇所をタップされると、カーソルを出現させてもよい。その後、ユーザは、カーソルを弾くことにより移動させて、所望のアイコンを選択することができる。
【0147】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0148】
(ソフトウェアによる処理)
最後に、携帯情報端末1の各ブロック、特に制御部6の接触検知部11(接触位置取得部21、接触時間測定部22)、およびカーソル処理部12(カーソル表示処理部31、カーソル出現処理部41、カーソル移動処理部42、カーソル決定処理部32)は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していてもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0149】
後者の場合、携帯情報端末1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯情報端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯情報端末1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0150】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0151】
また、携帯情報端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0152】
携帯情報端末を、片手で把持し、把持している手の届かない箇所でもタップすることができるので、片手で把持しつつ、該片手で画面を操作するような携帯情報端末に好適である。
【符号の説明】
【0153】
1 携帯情報端末(情報処理装置)
4 表示部
11 接触検知部(操作検知手段)
12 カーソル処理部(カーソル移動手段)
21 接触位置取得部(操作検知手段)
22 接触時間測定部(操作検知手段)
32 カーソル決定処理部(処理実行手段)
41 カーソル出現処理部(カーソル表示手段)
42 カーソル移動処理部(カーソル移動手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置において、
少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、
上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知手段が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示手段と、
上記カーソル表示手段が表示したカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記カーソル移動手段によるカーソル移動が終了したときの上記カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行する処理実行手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記カーソル表示動作は、上記表示部における上記アイコンが表示されている位置と異なる位置に対する接触があることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触の接触開始時点からの経過時間が所定時間以上であることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記カーソル表示動作は、上記表示部における接触位置が、最初に接触した位置から所定の範囲内を往復することであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、自装置の揺れを検知するものであり、
上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触および自装置の揺れが同時に行われることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、
上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力受付部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、
上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触後、該接触があったまま、上記カーソル表示指示の入力があることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、
上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力受付部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、
上記カーソル表示動作は、上記カーソル表示指示が入力された後、上記表示部に対する接触があることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記カーソル表示手段は、カーソルを表示するとき、表示するカーソルの輝度を所定の輝度まで徐々に高くし、
上記カーソル移動手段は、上記カーソルの輝度が上記所定の輝度となった後、カーソルを移動することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記カーソル表示手段は、カーソルを表示した後、上記操作検知手段が表示部に対する接触を検知し、該接触の接触位置が移動せずに該接触を検知しなくなったとき、表示したカーソルを消去することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報処理装置を動作させる情報処理装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための情報処理装置制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置の制御方法であって、
上記情報処理装置にて、
操作検知手段が、少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、
カーソル表示手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知ステップで取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示ステップと、
カーソル移動手段が、上記カーソル表示ステップで表示したカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項1】
表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置において、
少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、
上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知手段が取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示手段と、
上記カーソル表示手段が表示したカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記カーソル移動手段によるカーソル移動が終了したときの上記カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行する処理実行手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記カーソル表示動作は、上記表示部における上記アイコンが表示されている位置と異なる位置に対する接触があることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触の接触開始時点からの経過時間が所定時間以上であることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記カーソル表示動作は、上記表示部における接触位置が、最初に接触した位置から所定の範囲内を往復することであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、自装置の揺れを検知するものであり、
上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触および自装置の揺れが同時に行われることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、
上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力受付部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、
上記カーソル表示動作は、上記表示部に対する接触後、該接触があったまま、上記カーソル表示指示の入力があることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
カーソル表示指示の入力を受け付けるカーソル表示入力受付部を備え、
上記操作検知手段は、上記表示部に対する接触を検知するとともに、上記カーソル表示入力受付部がカーソル表示指示の入力を受け付けたことを検知するものであり、
上記カーソル表示動作は、上記カーソル表示指示が入力された後、上記表示部に対する接触があることであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記カーソル表示手段は、カーソルを表示するとき、表示するカーソルの輝度を所定の輝度まで徐々に高くし、
上記カーソル移動手段は、上記カーソルの輝度が上記所定の輝度となった後、カーソルを移動することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記カーソル表示手段は、カーソルを表示した後、上記操作検知手段が表示部に対する接触を検知し、該接触の接触位置が移動せずに該接触を検知しなくなったとき、表示したカーソルを消去することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報処理装置を動作させる情報処理装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための情報処理装置制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
表示部に表示したアイコンに対する接触を検知して、該アイコンが示す処理を実行する情報処理装置の制御方法であって、
上記情報処理装置にて、
操作検知手段が、少なくとも上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、
カーソル表示手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置が、当該動作を検知すると上記表示部にカーソルを表示する動作であるカーソル表示動作であって、予め定められたカーソル表示動作と一致したとき、上記操作検知ステップで取得した接触位置にカーソルを表示させるカーソル表示ステップと、
カーソル移動手段が、上記カーソル表示ステップで表示したカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−203433(P2012−203433A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64471(P2011−64471)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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