説明

情報処理装置、携帯情報端末、およびシンクライアントシステム

【課題】サーバとクライアント端末が連携して処理を行うシンクライアントシステムにおいて、クライアント端末のみが有するデバイスを制御した処理結果を用いてサーバと連携処理を効率よく行う。
【解決手段】情報処理装置は生成したユーザインタフェースに関するデータとデバイス制御に関するデータを一まとめにした指示データを通信部によって送信し、携帯情報端末の通信部が受信した指示データを解析する。その結果、表示部はユーザインタフェースに関するデータを表示し、指示データにデバイス制御に関するデータが含まれている場合には、デバイスに対してデバイス制御を実行する前後に、携帯情報端末が生成したユーザインタフェースに切換えて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバとクライアント端末との間で通信を行い、サーバから受信したデータに基づいてクライアント端末を制御するシンクライアントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライアント端末を操作してサーバへ接続し、サーバから受信したデータに基づいてクライアント端末が画面表示等を行うシステムは、シンクライアントシステムのひとつである。クライアント端末の一例である携帯電話端末は、サーバの処理能力と比較すると非力であるため、高い処理性能を必要とする処理を独力で行うのは困難である。そこで、高負荷の処理はサーバに任せておき、クライアント端末は最低限必要な処理のみを行うことによって、処理能力の低いクライアント端末であってもユーザの処理要求に応えることができる。このようなシンクライアントシステムにおいて、一般的なクライアント端末は端末内にデータを保持しないため、盗難や紛失等の事故から情報漏洩を防ぐメリットがあることが知られている(特許文献1)。
また、従来から、携帯端末に表示するためのユーザインタフェースをXMLドキュメントに記述し、コンテンツやソフトキー、表示スタイル等に関する情報を分離して携帯電話端末に格納する技術が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−034687号公報
【特許文献2】特開2006−216045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に示すシンクライアントシステムにおいて、クライアント端末はサーバ側で生成したデータを用いて画面表示を行い、ユーザからの入力要求をサーバへ送信する、といった簡易な機能のみを有する。それ以外の処理をサーバ側が処理することによってユーザの処理要求が完結する場合はよいが、クライアント端末のみが有する機能を使った処理結果を用いてサーバと連携処理を行いたい場合には、このような機能構成では不十分である。
【0005】
また、特許文献2では、ユーザインタフェースに関するデータをXMLドキュメントに記述する。しかし、上述のようにクライアント端末のみが有する機能を使った処理結果を用いてサーバと連携処理を行う場合には、ユーザインタフェースに関するデータのみでは不十分である、という問題がある。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、サーバから受信したデータよってクライアント端末を制御するシンクライアントシステムにおいて、クライアント端末のみが有する機能をサーバから効率よく制御する機能を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に従うシンクライアントシステムは以下のような構成をとる。
情報処理装置は、他の機器と通信を行う通信部と、他の機器への指示を行うための指示データを作成する指示データ生成部とを備える。指示データ生成部は、他の機器で表示するためのユーザインタフェースに関するデータと、他の機器に備えられた機能を制御するためのデバイス制御に関するデータとを一つのドキュメントとして生成し、通信部は携帯情報端末に対してこの指示データに関するドキュメントを送信する。
【0008】
一方、携帯情報端末は、他の機器と通信を行う通信部と、情報を格納しておく記憶部と、通信部から受信した指示データを解析する解析部と、ユーザインタフェースに関するデータを表示する表示部と、携帯情報端末が備えるデバイスを制御するデバイス制御部とを備える。通信部が情報処理装置から指示データを受信した場合、受信データを記憶部に格納し、解析部が記憶部の受信データを解析してユーザインタフェースに関するデータを抽出する。表示部はユーザインタフェースに関するデータが示すコンテンツを表示し、受信データにデバイス制御に関するデータが含まれている場合には、デバイス制御部がデバイスに対して制御を実行する際に、表示部は携帯情報端末で生成したユーザインタフェースを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、非力な処理能力しか持たないクライアント端末に備えられたデバイスを効率よく制御するといった、情報処理装置と携帯情報端末の連携を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】情報処理装置と携帯情報端末の機能ブロック図である。
【図2】情報総理装置と携帯情報端末間の連携の概要を示す図である。
【図3】情報処理装置と携帯情報端末間の通信シーケンスの一例を示す図である。
【図4】情報処理装置が作成する指示データXMLの一例を示す図である。
【図5】サーバ作成ユーザインタフェースと携帯情報端末生成ユーザインタフェースの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係わる第一の実施例について図1乃至図5を用いて説明する。
まず、図1は、本発明の第一の実施例に係わる情報処理装置1と携帯情報端末2の構成例である。
図1に示すように、情報処理装置1は、制御部101、通信部102、記憶部103、指示データ生成部104を備える。
【0012】
制御部101は、後述する通信部102が携帯情報端末2から受信したデータを記憶部103に格納するように制御する機能をもつ。また、後述する指示データ生成部104を制御して、携帯情報端末2に送信する指示データを作成して記憶部103に格納するように制御したり、格納された指示データを記憶部103から読み出して、通信部102を用いて携帯情報端末2に送信するように制御する。
【0013】
通信部102は、携帯情報端末2が備える通信部202とデータを送受信する機能を備えた通信モジュールである。後述の記憶部103に格納されている指示データを送信したり、携帯情報端末2から接続要求やデバイス制御の実行結果などを受信する。
記憶部103は、情報を格納する機能を備え、ハードディスクや半導体メモリ等で構成される。ここには、指示データ生成部104が作成した指示データや、携帯情報端末2から受信したデータを格納する。
【0014】
指示データ生成部104は、制御部101からの指示にしたがって携帯情報端末2に送信する指示データを作成する機能をもつ。作成される指示データの形式は特に限定しないが、本実施例ではXML(eXtensible Markup Language)で記述したものを例にとって説明する。
また、携帯情報端末2は、制御部201、通信部202、記憶部203、解析部204、表示部205、デバイス制御部206、デバイス部207、入力部208を備える。
【0015】
制御部201は、後述する通信部202が情報処理装置1から受信したデータを記憶部203に格納するように制御する機能をもつ。また、記憶部203に格納された受信データを解析部204に解析させ、解析結果を記憶部203に格納するように指示する機能ももつ。さらに、記憶部203に格納されたデータを用いて表示部205に対して表示するように指示したり、デバイス制御部206に対してデバイスの制御を指示する機能も備える。また、記憶部203に格納されたデータを情報処理装置1に送信するように通信部202に指示する機能も持つ。
【0016】
通信部202は、情報処理装置1が備える通信部102とデータを送受信する機能を備えた通信モジュールである。後述の記憶部203に格納されているデータを送信したり、情報処理装置1から指示データなどを受信する。
記憶部203は、情報を格納する機能を備え、ハードディスクや半導体メモリ等で構成される。ここには、通信部202が情報処理装置1から受信した指示データや、解析部204が解析した結果データ、そして、デバイス制御部206がデバイスを制御した結果を含む通信部202で送信するデータなどを格納する。
【0017】
解析部204は、制御部201からの指示に従って、受信部202が情報処理装置1から受信して記憶部203に格納された指示データを解析する機能を持つ。例えば、指示データがXML形式で記述されている場合は、この解析部はXMLパーサを用いて実現することができる。
表示部205は、液晶ディスプレイや有機ELなどを用いたディスプレイパネルである。文字や画像を表示できるパネルであれば特に限定されない。制御部201からの指示に従って、ユーザインタフェースとなる画面を表示する機能を持つ。
【0018】
デバイス制御部206は、携帯情報端末2に搭載しているデバイス207を制御するためのドライバである。制御部201からの制御指示に従って、デバイス207を制御する。デバイス207を制御するためのコマンド実行結果を記憶部203に格納する。
デバイス部207は、携帯情報端末2に搭載しているデバイスである。例えば、商品などに貼付されたタグを読取るRFIDリーダライタでもよいし、ICカード等を読み書きするためのICカードリーダライタでもよく、携帯情報端末2から制御できるデバイスであれば特に限定されない。
入力部208は、ユーザ要求を制御部201に入力するためのボタンやキーボードである。ユーザインタフェース画面を遷移したり、デバイス制御を実行するタイミングを入力するためにユーザが用いる。
【0019】
次に、図2は情報処理装置1と携帯情報端末2間の連携方式を示した概要図である。
情報処理端末1は、携帯情報端末2の表示部205で表示することを目的としたUIデータを少なくとも含み、デバイス制御指示を任意に含む指示データを作成し、携帯情報端末2に送信する(S301)。携帯情報端末2では、受信した指示データを解析し、UI表示を行う(S302)。
【0020】
このとき、指示データにデバイス制御指示が含まれている場合は、デバイス制御を実行して実行結果を取得し、デバイスの制御結果を情報処理装置1に送信する(S303)。
一方、指示データにユーザインタフェース(以降、UI)データのみが含まれる場合は、デバイス制御を実行せずに、ユーザから入力されたUI画面の操作結果を取得して、情報処理装置1に送信する。
【0021】
情報処理端末1は、携帯情報端末2から受信したUI操作結果やデバイス制御結果を認識し、次のUIデータやデバイス制御指示を含む指示データを作成し、携帯情報端末2に送信する。つまり、ここでS301へ戻ることを意味し、情報処理装置1と携帯情報端末2の連携動作を継続していくことができる。
【0022】
次に、図3は情報処理装置1と携帯情報端末2間の通信シーケンスの一例である。このシーケンス図はUML(Unified Modeling Language)の記法に基づいて記載している。
まず、情報処理装置1を起動し(S401)、同様に携帯情報端末2も起動する(S402)。そして、ユーザは携帯情報端末2を操作して、情報処理装置1への接続を試みる(S403)。
【0023】
この接続処理において、ユーザは入力部208を用いて入力したIDやパスワード等のユーザ認証情報を同時に送信してもよい。このとき、制御部201は、接続先となる情報処理装置1のアドレスを示すデータとともに記憶部203よりユーザ認証情報を読み出し、通信部201に情報処理装置1へ送信を指示する。この認証処理は情報処理装置1に接続した後に行ってもよく、認証処理自体を省略しても特に問題はない。
【0024】
情報処理装置1の制御部101は、携帯情報端末2に送信するための指示データを作成するように指示データ生成部104に指示する。指示データ生成部104は、新たに指示データを作成して記憶部103に格納した後、制御部101に作成完了の旨を通知する。この指示データの詳細は図4にて後述する。もし、指示データが事前に作成されており、記憶部103に既に格納されている場合は、指示データ生成部104が作成完了の旨を制御部101に通知する。制御部101は、作成された指示データを記憶部103から読み出し、通信部102を用いて指示データを携帯情報端末2に対して送信するように指示する。この指示にしたがって通信部102は携帯情報端末2に指示データを送信する(S404)。
【0025】
携帯情報端末2の通信部202は、情報処置装置1から指示データを受信すると、まず記憶部203に格納する。指示データの受信を完了すると、制御部201は解析部204に対して、受信したデータの解析を指示する。指示を受けた解析部204は、記憶部203に格納されている指示データを読み出して、UI表示に関するデータを抽出して記憶部203に格納する(S405)。
S405に示したUI表示に関するデータの抽出処理が完了すると、制御部201は表示部205に対して抽出したデータを用いてUI表示を行うように指示する。指示を受けた表示部205は、UIの表示を行う(S406)。
【0026】
S407では、デバイス制御の内容把握と制御実行を行う。まず、S405に示した指示データにデバイス制御に関するデータが含まれていない場合は、S409に進む。デバイス制御に関するデータが含まれている場合(図4中のoptフレームに相当)には、解析部204はデバイス制御に関するデータの詳細解析を開始し、解析結果を記憶部203に格納する。制御部201は、この解析結果を記憶部203から読み出して、デバイス部207への制御内容を認識する。その後、制御部201はデバイス制御部206に対して、解析結果から認識した内容の制御指示を行い、デバイス制御部206は制御部201の指示通りにデバイス207を制御する(S407)。
【0027】
続いて、デバイス制御部206はデバイス207を制御した結果を取得して、制御部201へ実行完了の通知を行い、記憶部203に実行結果を格納する。制御部201はデバイス制御部206から制御完了の通知を受け取ると、記憶部203から実行結果に関するデータを読み込み、その結果に対応した画面の表示を表示部206に指示する。例えば後に図5の画面505に示すように、実行結果の成功または失敗などを表示する(S408)。
【0028】
ユーザは表示部205に表示された実行結果を確認した後、入力部208を用いて実行結果を情報処理装置1へ送信するタイミングを指示する(S409)。もしくは、ユーザが明示的に送信タイミングを指定しなくても、実行結果の表示後に自動的に実行結果を送信してもよい。
制御部201は入力部208からの送信要求を検知するか、もしくは自動的に実行結果を送信する場合は、デバイス制御の実行内容や実行時刻などの各種パラメータなどで構成される送信データを作成する。そして、通信部202へ送信データの送信を指示する(S410)。
【0029】
この後、送信データへのレスポンスとして情報処理装置1から指示データを受信する(S404へ戻る)ことによって、情報処理装置1と携帯情報端末2の連携処理を継続することできる(図4中のLoopフレームに相当)。
なお、ユーザは入力部208を用いて、携帯情報端末を終了する要求を出すことができる。制御部201は終了要求を検知すると、携帯情報端末で実行されている関連プログラムを終了する(S411)。
【0030】
次に、図4は情報処理装置1が作成する指示データXMLの一例である。情報処理装置1の指示データ生成部104が、携帯情報端末2が有するデバイス207を制御するために以下のようなXMLドキュメントを生成する例を説明する。
<?xml>タグは、このデータがXMLドキュメントであることを示すタグであり、バージョンや文字コードを属性としてもつ。
<serverdata>タグに含まれる下位のタグやコンテンツは、情報処理装置1からの指示内容を示す。<serverdata>タグも含め、下位のタグ名は特に限定されるものではない。
【0031】
<control>タグには、デバイスを制御するための各種パラメータを内包するように記述する。図4の例では、<commandname>タグに実行コマンド名として「Read」、<bytelength>タグには読み込み長さの指定として「4」、<address>タグには読み出し開始アドレスの指定として「0x1234abcd」を記述している。これらのタグは<commandname>タグで指定された実行コマンドによってタグの有無等を変えることができ、実行コマンドによって他のタグを増減可能といったように、柔軟な記述が可能な点がXMLの長所である。
【0032】
また、一度の指示データに複数のデバイス制御指示が含まれる場合もあり得る。これは、最初の制御指示に成功もしくは失敗した場合に次の制御指示を実行する、といった複数のデバイス制御指示を連続して行うための指示を<control>に記述してもよい。その場合には、デバイス制御の順序を示すタグや先のデバイス制御の実行結果によって処理を分岐するためのタグを記述する。
【0033】
さらに、複数のデバイス制御指示から実行したい制御をユーザが選択できるようにするために、<control>タグを複数記述してもよい。このとき、後述するソフトキーのキャプションを指示するタグは、ソフトキーの位置を示すタグと共に指定してもよいし、位置の指定が無い場合は、タグの出現順に既定の位置に配置してもよい。
【0034】
<softkey>タグでは、表示部205で表示されるUI画面において、画面の下部にあるソフトキーエリアのボタンのキャプションを記述する。例えば、「読取」といったキャプションを指定する。このソフトキーによるUIは、ユーザにとって都合のよいタイミングでデバイス制御を可能にする。
続いて、<url>タグでは、デバイス制御の実行成否等を送信する、情報処理装置1の所在地を示すURLを記述する。ここではhttpプロトコルを用いて送信する記述となっているが、特に限定されない。
【0035】
最後に、<ui>タグでは、表示部205に表示されるUI画面のコンテンツを記述する。ここではHTML(Hyper Text Markup Language)を用いて記述した例を示している。表示部205に表示されたソフトキーをユーザが押下すると、読取りコマンドが実行される旨を示した記述例である。
このように、XMLを用いて指示データを記述すると、デバイス制御に関するデータとUI表示に関するデータを同一ドキュメントにまとめて送受信することができる。
【0036】
次に、図5はサーバ作成UIと携帯情報端末生成UIの画面例である。画面501および503乃至505は、携帯情報端末2で生成して表示したUI画面であり、画面502は情報処理装置1で生成した指示データに含まれるUI画面である。このUI画面の切換えについて、図5を用いて説明する。
まず、破線510は、UI画面生成の主体を区切る線である。破線510より右側は、携帯情報端末2で生成したUIを表示する画面であり、一方左側は情報処理装置1によって作成されたUI画面である。
【0037】
携帯情報端末が生成する画面501は、S402で示した起動処理後において、情報処理装置1への接続要否をユーザに確認するUI画面の例である。ユーザが入力部208を用いて画面下部のソフトキー501a「接続」を選択実行すると、画面502へ遷移する。このとき、情報処理装置1と携帯情報端末2との間では処理S403およびS404を実行している。一方、ソフトキー501b「終了」を選択実行すると、情報処理装置1への接続を行わずに制御部1はプログラムを終了する。
【0038】
画面502で表示するUI画面は、S404の指示データに含まれるUIコンテンツであり、携帯情報端末2では処理S406を実行している。サーバ生成UI画面502aでは、「読取」に関するデバイス制御に関連するUI画面を表示しているが、図4に示した指示データ内に含まれるUIに関するデータを変更すれば、いろいろなUIを実現することができる。指示データにデバイス制御に関するデータが含まれている場合は、ソフトキー502b「読取」のような表示を行う。このとき、ユーザは入力部208を用いてソフトキー502bを選択実行すると、画面503へ遷移することができる。また、ソフトキー502d「切断」を選択実行すると、情報処理装置1への接続を切断し、画面501へ戻る。ソフトキー502c「選択」を選択実行すると、サーバ生成UI画面502aの表示に従ったUI操作結果を情報処理装置1へ送信する。続いて受信した指示データに含まれるUI表示に関するデータを、次のサーバ生成UI画面502aとして表示部205に表示する。
【0039】
画面503はデバイス制御の実行準備画面、画面504はデバイス制御の実行中画面、画面505はデバイス制御の実行結果表示画面である。画面503乃至画面504においては、携帯情報端末2では処理S407を実行している。一方、画面505では処理S408を実行している。
【0040】
画面503では、ユーザに対してデバイス制御の実行要否を問い合わせるUI画面を表示する。このUIコンテンツは携帯情報端末2で生成したものを用いており、情報処理装置1で生成したものではない。このとき、ユーザは入力部208を用いてソフトキー503a「実行」を選択実行すると、画面504へ遷移することができる。また、ソフトキー503b「中止」を選択実行すると、画面502に戻る。
【0041】
画面504では、デバイス制御の実行中であることを示すUI画面を表示する。この画面504からは実行成否が確定したとき、もしくはタイムアウトエラーが発生した場合に自動的に画面505へ遷移する。
画面505では、デバイス制御の実行結果の実行結果を示すUI画面を表示する。ユーザは入力部208を用いて、実行結果を情報処理装置1へ送信する指示を入力する。また、デバイス制御を再実行する場合のために、ソフトキーの押下等で画面503に戻るような画面遷移でもよい。
【0042】
このように、携帯情報端末2に備えるデバイス208を制御するための共通となるUI画面を携帯情報端末2で生成しておくこともできる。
以上のように、デバイス制御を伴う処理において、画面502においてサーバ生成のUI画面を用いることによって、携帯電話端末2に備えたデバイス部208を制御するための目的や背景などを携帯電話端末2側で関知する必要が無くなる。よって、携帯電話端末2で実行するプログラムのモジュールサイズを削減することができる。
【0043】
一方、すべてを情報処理装置1で生成したUI画面を用いずに、画面503乃至画面505では携帯電話端末2で生成したUIを用いて表示することによって、情報処理装置1との通信が不要となる。したがって、情報処理装置1の指示内容の処理時間のうち、通信にかかる処理時間を削減することができるため、UI画面の表示やデバイス制御に必要な処理時間を減らすことができる。
【符号の説明】
【0044】
1…情報処理装置、2…携帯情報端末、101…制御部、102…通信部、103…記憶部、104…指示データ生成部、201…制御部、202…通信部、203…記憶部、204…解析部、205…表示部、206…デバイス制御部、207…デバイス部、208…入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して他の機器と通信をして情報の処理を行う情報処理装置であって、
前記情報処理装置の状態に応じて指示を出す制御部と、
前記他の機器と通信を行う通信部と、
前記情報を格納しておく記憶部と、
前記他の機器への指示を行うための指示データを作成する指示データ生成部を備え、
前記制御部は、前記他の機器で表示するためのユーザインタフェースに関するデータと、前記他の機器に備えられた機能を制御するためのデバイス制御に関するデータとを一つのドキュメントとして生成するように前記指示データ部に指示し、前記通信部は前記制御部から指示されたタイミングで前記他の機器に対して前記ドキュメントを送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の情報処理装置において、前記通信部が前記他の機器からの接続要求を受信した後に、前記制御部は前記指示データ生成部に前記ドキュメントを生成するように指示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記請求項1乃至2に記載の情報処理装置において、前記ドキュメントは、2つ以上のユーザインタフェースに関するデータと、2つ以上のデバイス制御に関するデータを含み、さらに、他の機器において実行されたデバイス制御の結果によって、次に実行するデバイス制御を分岐するための条件分岐に関するデータが含まれることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記請求項1乃至2に記載の情報処理装置において、前記ドキュメントは、少なくともユーザインタフェースに関するデータを含み、他の機器に備えられた機能を制御するときだけデバイス制御に関するデータが含まれることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記請求項1乃至3に記載の情報処理装置において、前記ドキュメントに含まれるデバイス制御に関するデータは、他の機器において実行されたデバイス制御の結果が成功である間は、他の機器に備えられた通信部を用いて実行結果を送信しなくてよいことを表すデータが含まれることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記請求項1乃至3に記載の情報処理装置において、前記ドキュメントに含まれるデバイス制御に関するデータは、他の機器において実行されたデバイス制御の結果が失敗である間は、他の機器に備えられた通信部を用いて実行結果を送信しなくてよいことを表すデータが含まれることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記請求項1乃至6に記載の情報処理装置において、前記ドキュメントはXML形式であり、前記指示データ生成部はXMLドキュメントとしてユーザインタフェースに関するデータと、他の機器に備えられた機能を制御するためのデバイス制御に関するデータを構造化して記述できることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
通信回線を介して他の機器と通信をして情報の処理を行う携帯情報端末であって、
前記携帯情報端末の状態に応じて各部に指示を出す制御部と、
前記他の機器と通信を行う通信部と、
前記情報を格納しておく記憶部と、
前記通信部から受信したデータを解析する解析部と、
ユーザインタフェースに関するデータを表示する表示部と、
前記携帯情報端末が備えるデバイスを制御するデバイス制御部を備え、
前記制御部は、前記通信部が他の機器からデータを受信した場合、受信データを前記記憶部に格納し、前記解析部が前記記憶部の前記受信データを解析してユーザインタフェースに関するデータを抽出し、
前記表示部は、前記ユーザインタフェースに関するデータが示すコンテンツを表示し、
さらに前記制御部は、前記受信データにデバイス制御に関するデータが含まれている場合には、前記デバイス制御部が制御対象のデバイスに対してデバイス制御を実行するように制御することを特徴とした携帯情報端末。
【請求項9】
前記請求項8に記載の携帯情報端末において、
前記解析部が前記受信データを解析した結果、前記受信データにデバイス制御に関するデータが含まれている場合には、前記表示部はデバイス制御が含まれていることを示す表示か、もしくはデバイス制御の実行内容を示す表示を行うように前記制御部が指示することを特徴とした携帯情報端末。
【請求項10】
前記請求項8乃至9に記載の携帯情報端末において、
前記解析部が受信データを解析した結果、受信データにデバイス制御に関するデータが含まれていて、そのデバイス制御を実行する前に予め実行しておく必要のある事前実行コマンドがある場合には、前記デバイス制御部は事前実行コマンドを実行した後に指定されたデバイス制御を実行するように前記制御部が指示することを特徴とした携帯情報端末。
【請求項11】
前記請求項8乃至10に記載の携帯情報端末において、
さらにユーザからの入力を受け付ける入力部を備え、前記入力部がユーザからの入力を検知したタイミングでデバイス制御を実行するように制御部が指示することと特徴とした携帯情報端末。
【請求項12】
前記請求項8乃至11に記載の携帯情報端末において、
前記記憶部にはデバイスを制御する時に表示するための共通のユーザインタフェースに関するデータが格納され、
前記解析部が受信データを解析した結果、受信データにデバイス制御に関するデータが含まれていた場合には、前記表示部は受信データに含まれるユーザインタフェースに関するデータを示すコンテンツではなく、前記記憶部に格納されている共通のユーザインタフェースに関するデータが示すコンテンツを表示するように前記制御部が指示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項13】
前記請求項12に記載の携帯情報端末において、前記記憶部に格納されている共通のユーザインタフェースに関するデータには、デバイス制御を実行する直前に表示する準備画面が含まれているように前記制御部が指示すること、を特徴とする携帯情報端末。
【請求項14】
前記請求項8乃至13に記載の携帯情報端末において、前記デバイス制御部はデバイス制御を実行した結果を記憶部に格納し、前記通信部は格納された実行結果を他の機器に送信するように前記制御部が指示することを特徴とした携帯情報端末。
【請求項15】
前記請求項1乃至7に記載の情報処理装置と、前記8乃至14に記載の携帯情報端末において、
情報処理装置の前記指示データ生成部は、他の機器で表示するためのユーザインタフェースに関するデータと、他の機器に備えられた機能を制御するためのデバイス制御に関するデータとを一つのドキュメントとして生成し、前記通信部は他の機器に対してこの指示データに関するドキュメントを送信し、
携帯情報端末の前記通信部は、情報処理装置からの指示データを受信した場合、受信データを前記記憶部に格納し、前記解析部が記憶部の受信データを解析してユーザインタフェースに関するデータを抽出し、前記表示部はユーザインタフェースに関するデータが示すコンテンツを表示し、受信データにデバイス制御に関するデータが含まれている場合には、前記デバイス制御部はデバイスに対する制御を実行する際に、前記表示部は携帯情報端末で生成した共通のユーザインタフェースを表示し、続いてデバイス制御を実行した結果を前記記憶部に格納し、前記通信部は格納された実行結果を情報処理装置の前記通信部に送信した後、
情報処理装置の前記通信部は、携帯情報端末の前記通信部からのデータを受信して、前記指示データ生成部は次の処理に関する少なくともユーザインタフェースを含んだ指示データを生成して、前記通信部がこの指示データを携帯情報端末の前記通信部に送信する、といった繰り返しによって情報処理装置と携帯情報端末が連携して処理を行うように前記制御部が指示することを特徴としたシンクライアントシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−8639(P2012−8639A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141637(P2010−141637)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度 総務省「ユビキタス・プラットフォーム技術の研究開発(ユビキタス端末技術の研究開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】