情報処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】経費削減効果の高い印刷条件への変更を促すと共に、選択的または強制的に経費削減効果の高い印刷条件を変更可能な情報処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体を提供すること。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷データの印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、当該印刷条件の適否を判断し、推奨する印刷条件をクライアントPCのユーザに提示し、クライアントPCが要求する印刷条件を推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行する。また、情報処理装置は、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、印刷条件を推奨する印刷条件に強制的に変更する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷データの印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、当該印刷条件の適否を判断し、推奨する印刷条件をクライアントPCのユーザに提示し、クライアントPCが要求する印刷条件を推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行する。また、情報処理装置は、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、印刷条件を推奨する印刷条件に強制的に変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データの制御技術に関し、より詳細には、印刷データの印刷条件等の印刷指示情報を自動的に変更可能な情報処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業や行政機関、教育機関に設置されているネットワークシステムでは、多くのユーザが、ネットワークに接続されたネットワークプリンタを利用して種々の印刷物を出力している。ユーザは、各人の判断で印刷処理に関する印刷条件を設定するが、多くのユーザが印刷をする環境では、印刷に係るトナーや紙等の経費がかさむため、印刷処理にかかる経費を削減することが所望されている。
【0003】
印刷処理において印刷条件を提示する従来技術として、特許文献1は、指定された印刷条件の使用頻度を記憶しておき、印刷実行時に印刷対象の文書に適した印刷条件をユーザに提供する印刷支援装置を開示する。この印刷支援装置は、過去の印刷条件の使用頻度から利用頻度の高い印刷条件を順位付けして提示し、使用頻度の高い印刷条件をユーザに選択させることを意図している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示する印刷支援装置では、単に印刷条件の使用頻度に基づいて印刷条件を提示するだけであり、ユーザが当初の印刷条件を当該印刷条件に変更したとしても、使用頻度の高い印刷条件によって印刷処理が行われるだけで、必ずしも印刷処理にかかる経費を削減することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、経費削減効果の高い印刷条件への変更を促すと共に、選択的または強制的に経費削減効果の高い印刷条件に変更可能な情報処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷データの印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、当該印刷条件の適否を判断し、推奨する印刷条件をクライアントPCのユーザに提示し、クライアントPCが要求する印刷条件を推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行する。また、情報処理装置は、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、印刷条件を推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、本発明の情報処理装置は、印刷処理に伴って変化する印刷条件の頻度に連動して、経費削減効果の高い印刷条件への変更を促すと共に、選択的または強制的に経費削減効果の高い印刷条件に変更することができる。
【0007】
また、本発明は、クライアントPCが要求する印刷データの印刷条件に対応する推奨する印刷条件をクライアントPCのユーザに提示し、当初の印刷条件を推奨する印刷条件に選択的または強制的に変更して印刷処理を実行する方法、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の印刷処理システムの実施形態を示す図。
【図2】本発明の画像処理装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】本実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図。
【図4】本実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャート。
【図5】図4に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャート。
【図6】本実施形態の画像処理装置が使用する印刷履歴情報の一実施形態を示す図。
【図7】本実施形態の画像処理装置が印刷条件判定情報の一実施形態を示す図。
【図8】本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図。
【図9】本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件設定画面の一実施形態を示す図。
【図10】本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件判定情報の設定画面の一実施形態を示す図。
【図11】本発明の他の実施形態の画像処理装置が表示する印刷履歴情報の重み付けの設定画面の一実施形態を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャート。
【図13】図12に示す実施形態の画像処理装置が使用する強制変更判定情報を登録する強制変更判定情報テーブルの実施形態を示す図。
【図14】図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図。
【図15】図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の別の実施形態を示す図。
【図16】本発明のさらに他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャート。
【図17】図16に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャート。
【図18】図16および図17に示す実施形態の画像処理装置が使用する印刷条件判定情報である印刷条件判定テーブルの一実施形態を示す図。
【図19】図16〜18に示す実施形態に係る画像処理装置が表示する警告付きの印刷条件確認画面の一実施形態を示す図。
【図20】本発明の印刷処理システムのさらに他の実施形態を示す図。
【図21】図20に示す実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の印刷処理システムの実施形態を示す。印刷処理システム100は、ネットワーク130を介して接続されたクライアントPC112,114,116と、画像処理装置120とを含んで構成されている。
【0010】
クライアントPC112〜116は、オフィスで使用されるPC等の情報処理装置であり、画像処理装置120に対して印刷要求、印刷データおよび印刷データの印刷設定情報等を送信して、当該印刷データを画像処理装置120に印刷させる。クライアントPC112〜116は、それぞれ同様の構成を有しており、それぞれが印刷すべきデータを作成するアプリケーションプログラム(以下、「印刷アプリケーション」とする。)を実装する。クライアントPC112〜116は、シングルコアやマルチコアなどのCPUを搭載し、RAM、ROM、ハードディスク装置、ネットワークインタフェースカード(NIC)を含み、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、Mac OS(登録商標)などの適切なOSの下で、画像処理装置120へ印刷処理を依頼する。
【0011】
画像処理装置120は、クライアントPC112〜116から受信した印刷データを、印刷用紙等の印刷媒体に印刷する印刷装置等の情報処理装置である。図1に示す例示的な実施形態では、画像処理装置120としてMFP(Multiple Function Printer)を採用するが、他の実施形態では、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等のページプリンタを採用してもよい。
【0012】
ネットワーク130は、1000Base−Tや1000Base−TXなどのイーサネット(登録商標)、光ネットワーク、IEEE802.11などの規格の無線ネットワークを含んで構成することができるネットワークである。また、ネットワーク130は、LANの他、VPN(Virtual Private Network)などによるセキュア環境下で構築されたインターネットなどの広域ネットワークを含んで構成されていてもよい。クライアントPC112〜116、画像処理装置120は、ネットワーク130を介して、フレーム、TCP/IPプロトコルまたはRDP(Remote Desktop Protocol)に準拠して相互通信を行う。
【0013】
図2は、本発明の画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。画像処理装置120は、シングルコアやマルチコアなどのCPU202、ROM212、実行空間を提供するRAM214およびハードディスク装置(HDD)216を含み、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのOSによる制御の下、C、C++、C#、Java(登録商標)、Java Script(登録商標)などのプログラミング言語などで記述された装置実行可能な本実施形態のプログラムをRAM214に展開して実行することにより、後述する本実施形態の各機能手段を画像処理装置上で実現できる。本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可読な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0014】
また、画像処理装置120は、原稿画像をスキャニングして画像データを生成するスキャナ部204、画像データを電話回線やインターネット回線を通じてファックス送信するファクシミリ送信部206、スキャナ部204が生成した画像データやネットワーク通信部210を介してクライアントPC112〜116から受信した印刷データを紙媒体等に印刷する印刷エンジン208を含んで構成される。さらに、画像処理装置120は、画像処理装置120が実行する処理に関する操作画面を提供するオペレーションパネル等の表示部218を備えており、ユーザに対して種々の通知や設定の機会を提供することができる。
【0015】
図3は、本実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図である。以下、図3を参照して、画像処理装置120の機能構成について説明する。
【0016】
画像処理装置120は、ネットワーク通信部210と、印刷制御部304と、判定部306と、画面制御部308と、判定情報記憶部310と、判定情報登録部312と、印刷履歴情報記憶部314と、印刷エンジン208と、表示部218とを含んで構成される。
【0017】
ネットワーク通信部210は、クライアントPC112との間でネットワーク130を介したデータ通信を行う手段である。ネットワーク通信部210は、クライアントPC112から印刷すべき画像データおよび印刷条件や印刷属性等の印刷書誌情報を含む印刷データ等を受信すると、印刷制御部304に渡す。
【0018】
印刷制御部304は、画像処理装置120が実行する印刷処理の全体制御を行う機能手段である。印刷制御部304は、画像処理装置120に実装される各機能手段を適宜使用して印刷データの印刷条件の適否を判断し、種々のUI画面を表示部218に表示し、必要に応じて印刷条件を変更して印刷処理を実行させる。
【0019】
判定部306は、クライアントPC112〜116が送信した印刷データに含まれる印刷書誌情報を解析して、印刷書誌情報である印刷条件が適切であるか否か判定する機能手段である。具体的には、判定部306は、判定情報記憶部310に保存されている印刷条件の適否を判定する情報(以下、「印刷条件判定情報」とする。)を使用して、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であるか否か判定する。なお、印刷条件判定情報については、より詳細に後述する。
【0020】
画面制御部308は、表示部218の表示制御をする機能手段である。画面制御部308は、印刷条件確認画面や印刷条件設定画面、印刷条件判定情報の設定画面、重み付け設定画面等のUI画面を表示部218に表示し、これらのUI画面を使用してユーザが選択した情報を印刷制御部304に提供する。印刷制御部304は、当該情報を使用して、各機能手段を用いて印刷条件の変更や印刷処理等の種々の処理を実行する。
【0021】
本実施形態では、画像処理装置120の表示部218にUI画面を表示するが、他の実施形態では、画面制御部308は、クライアントPC112〜116の表示装置にUI画面を表示させてもよい。なお、画面制御部308が表示するUI画面については、図8〜11,14および15を参照して詳細に説明する。
【0022】
判定情報登録部312は、印刷条件判定情報を判定情報記憶部310に登録する機能手段である。本実施形態では、判定情報登録部312は、ネットワーク130を介して管理端末またはクライアントPCから受信した印刷条件判定情報を登録する。他の実施形態では、判定情報登録部312は、表示部218に表示された判定情報設定画面を使用してユーザが設定した印刷条件を登録してもよい。
【0023】
印刷履歴情報記憶部314には、実際に印刷が行われた印刷データに関する印刷履歴情報が登録される。なお、印刷履歴情報については、より詳細に後述する。
【0024】
図4は、本実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。以下、図4を参照して、画像処理装置120が、クライアントPC112〜116から印刷要求と共に印刷データを受信したときに実行する処理について説明する。
【0025】
図4に示す処理は、クライアントPC112〜116から印刷要求を受信することにより、ステップS400から開始する。ステップS401では、印刷制御部304が判定部306を呼び出し、判定部306が、図5を参照して説明する印刷条件の適否を判定する印刷条件判定処理を実行する。ステップS402では、印刷制御部304は、印刷条件判定処理の結果からクライアントPC112〜116が送信した印刷条件が適切であるか否か判断し、適切であると判断した場合には(yes)、処理をステップS408に分岐する。一方、印刷条件が不適切であると判断した場合には(no)、処理をステップS403に分岐する。
【0026】
ステップS403では、印刷制御部304は画面制御部308を呼び出し、画面制御部308は、表示部218に印刷条件確認画面を表示する。ステップS404では、印刷制御部304は、画面制御部308から印刷条件確認画面を使用してユーザが発行した指示を受信したか否か判断し、当該指示を受信していない場合には(no)、ステップS404の処理を反復する。
【0027】
一方、ユーザからの指示を受信した場合には(yes)、その指示内容に応じて処理をステップS405,S407,S408に分岐する。具体的には、経費削減効果の高い推奨する印刷条件で印刷する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS407に分岐し、印刷条件を変更せずに印刷する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS408に分岐する。印刷条件を変更する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS405に分岐する。
【0028】
ステップS405では、画面制御部308は、表示部218印刷条件変更画面を表示する。ステップS406では、印刷制御部304は、画面制御部308を介してユーザによる印刷条件を変更する旨の指示を受信したか否か判断し、当該指示を受信していない場合には(no)、ステップS406の処理を反復する。一方、印刷条件の変更指示を受信した場合には(yes)、処理をステップS407に分岐する。
【0029】
ステップS407では、印刷制御部304は、印刷要求元のクライアントPCから受信した印刷条件を変更する。具体的には、印刷制御部304は、ユーザが印刷条件変更画面を使用して印刷条件を指定した場合には、当該印刷条件を印刷処理で使用すべき印刷条件としてRAMやレジスタ等に保持し、ユーザが印刷条件確認画面を使用して上記推奨する印刷条件による印刷を指示した場合には、当該推奨する印刷条件を印刷処理で使用すべき印刷条件としてRAMやレジスタ等に保持する。
【0030】
ステップS408では、印刷制御部304は、印刷処理で使用すべき印刷条件および処理対象の印刷データの印刷属性を使用して、印刷履歴情報記憶部314の印刷履歴情報を更新する。ステップS409では、印刷制御部304は、当該印刷条件および印刷データに含まれる画像データを印刷エンジン208に渡し、印刷エンジン208が、画像データを当該印刷条件に従って用紙等の印字媒体に印刷し、ステップS410で処理が終了する。
【0031】
図5は、図4に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、画像処理装置120が実行する印刷条件判定処理について説明する。
【0032】
図5に示す処理は、図4に示すステップS401で判定部306が呼び出されることにより、ステップS500から開始する。ステップS501では、判定部306が、印刷データのページ数に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して推奨する印刷条件を決定する。ステップS502では、判定部306は、印刷データのデータサイズに基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件を決定する。ステップS503では、判定部306は、印刷すべき画像データを作成した印刷アプリケーションの種類に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件を決定する。
【0033】
ステップS504では、判定部306は、クライアントPC112〜116から受信した印刷条件が、上述したステップS501〜S503で決定した推奨する印刷条件と合致するか否か判断する。ステップS505では、判定部306は、その判定結果と共に、推奨する印刷条件を印刷制御部304に通知し、ステップS506で処理が終了する。本実施形態では、判定部306は、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致するときは、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であると判定し、その旨を印刷制御部304に通知する。一方、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致しないときには、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定し、その旨を通知すると共に、推奨する印刷条件を通知する。
【0034】
図6は、本実施形態の画像処理装置が使用する印刷履歴情報の一実施形態を示す図である。以下、図6を参照して、印刷履歴情報を登録する印刷履歴情報テーブル610,620,630について説明する。
【0035】
印刷履歴情報テーブル610は、印刷データのページ数に基づく印刷履歴情報を登録するデータテーブルである。印刷履歴情報テーブル610には、印刷データのページ数について、画像処理装置120が採用した印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0036】
例えば、図6に示す実施形態では、11〜20枚の範囲のページ数が指定された印刷処理が合計で20回実行されており、そのうち両面印刷の実行回数は10回であり、その実行頻度が50%であることを示す。また、モノクロ印刷の実行回数は3回であり、その実行頻度が15%であることを示す。さらに、2面の画像データを1の面に集約して印刷する2面集約印刷の実行回数は8回であり、その実行頻度が40%であることを示す。なお、本実施形態では、集約印刷をしない印刷処理の実行頻度は60%であるが、他の実施形態では、4面集約や8面集約等の他の集約方法を採用してもよい。
【0037】
印刷履歴情報テーブル620は、印刷データのデータサイズに基づく印刷履歴情報を登録するデータテーブルである。印刷履歴情報テーブル620には、印刷データのデータサイズについて、画像処理装置120が採用した印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0038】
例えば、図6に示す実施形態では、0.5〜2MBの範囲のデータサイズの印刷データを対象とした印刷処理が合計で15回実行されており、そのうち両面印刷の実行回数は8回であり、その実行頻度が53%であることを示す。また、モノクロ印刷の実行回数は3回であり、その実行頻度が20%であることを示す。さらに、2面集約印刷の実行回数は10回であり、その実行頻度が67%であることを示す。
【0039】
印刷履歴情報テーブル630は、印刷アプリケーションの種類に基づく印刷履歴情報を登録するデータテーブルである。印刷履歴情報テーブル630には、各印刷アプリケーションケーションについて、画像処理装置120が採用した印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0040】
例えば、図6に示す実施形態では、印刷アプリケーションケーションであるMicrosoft EXCEL(登録商標)が作成した画像データを含む印刷データを対象とした印刷処理が合計で15回実行されており、そのうち両面印刷の実行回数は8回であり、その実行頻度が53%であることを示す。また、モノクロ印刷の実行回数は3回であり、その実行頻度が20%であることを示す。さらに、2面集約印刷の実行回数は10回であり、その実行頻度が67%であることを示す。
【0041】
本実施形態では、印刷属性として印刷データのページ数、データサイズおよび印刷アプリケーションを採用しているが、他の実施形態では、印刷物の部数、文書名、印刷日時、利用者の所属部署等の他の印刷属性を採用してもよい。また、本実施形態では、クライアントPCが指定可能な印刷条件として両面印刷、モノクロ印刷および2面集約印刷を採用しているが、他の実施形態では、印刷処理で使用されるトナー濃度、トナー種類、用紙種類、用紙サイズ等の他の印刷条件を採用してもよい。
【0042】
図7は、本実施形態の画像処理装置が印刷条件判定情報の一実施形態を示す図である。以下、図7を参照して、印刷条件判定情報を登録する印刷条件判定テーブル710,720,730について説明する。
【0043】
印刷条件判定テーブル710は、印刷属性である印刷データのページ数に基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が登録される。印刷条件判定テーブル710には、所定の印刷データのページ数について、当該閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0044】
印刷条件判定テーブル720は、印刷属性である印刷データのデータサイズに基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が登録される。印刷条件判定テーブル720には、所定の印刷データのデータサイズについて、当該閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0045】
印刷条件判定テーブル730は、印刷属性である印刷アプリケーションの種類に基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が登録される。印刷条件判定テーブル730には、所定の印刷アプリケーションについて、当該閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0046】
なお、図7に示す印刷データのページ数、データサイズおよび印刷アプリケーションは一例であり、その他の任意のページ数、データサイズおよび印刷アプリケーションを使用することができる。
【0047】
本実施形態の画像処理装置は、図6に示す印刷履歴情報テーブルおよび図7に示す印刷条件判定テーブルを用いて、クライアントPCが要求する印刷条件に対する推奨する印刷条件を決定し、要求された印刷条件が適切であるか否か判断する。以下、印刷属性である印刷データのページ数が「15ページ」、データサイズが「1MB」、印刷アプリケーションが「Microsoft EXCEL(登録商標)」であり、印刷条件として「片面印刷」、「カラー印刷」および「集約印刷無し」が指定されている場合に、クライアントPCが要求する印刷条件が適切であるか否か判断する方法について説明する。
【0048】
画像処理装置120は、先ず印刷履歴情報テーブル610および印刷条件判定テーブル710を参照して、印刷属性である印刷データのページ数「15ページ」に関連する印刷履歴情報テーブル610のレコードに登録された実行頻度と、印刷条件判定テーブル710のレコードに登録された閾値とを比較し、印刷履歴情報テーブル610のレコードに登録された実行頻度のうち、印刷条件判定テーブル710のうち当該ページ数に関連するレコードに登録された閾値以上の実行頻度を有する印刷条件を、推奨する印刷条件として決定する。図6および図7に示す実施形態では、印刷履歴情報テーブル610のうち印刷ページ数「15ページ」に関連するレコードに登録された両面印刷の実行頻度は「50%」であり、この値は、印刷条件判定テーブル710のうち印刷ページ数「15ページ」に関連するレコードに登録された両面印刷の閾値「50%」と同一であるため、両面印刷が、推奨する印刷条件であると判断する。
【0049】
次に、画像処理装置120は、印刷履歴情報テーブル620および印刷条件判定テーブル720を参照して、印刷属性であるデータサイズ「1MB」に合致する印刷履歴情報テーブル620のレコードに登録された実行頻度と、印刷条件判定テーブル720のレコードに登録された閾値とを比較し、上述した方法と同様に、推奨する印刷条件を決定する。図6および図7に示す実施形態では、印刷履歴情報テーブル620のうちデータサイズ「1MB」に関連するレコードに登録された両面印刷の実行頻度は「53%」であり、2面集約印刷の実行頻度は「67%」である。これらの値は、印刷条件判定テーブル720のうちデータサイズ「1MB」に関連するレコードに登録された両面印刷および2面集約印刷の閾値「50%」以上であるため、両面印刷および2面集約印刷が、推奨する印刷条件であると判断する。
【0050】
次いで、画像処理装置120は、印刷履歴情報テーブル630および印刷条件判定テーブル730を参照して、印刷属性で印刷アプリケーション「Microsoft EXCEL(登録商標)」に合致する印刷履歴情報テーブル630のレコードに登録された実行頻度と、印刷条件判定テーブル730のレコードに登録された閾値とを比較し、上述した方法と同様に、推奨する印刷条件を決定する。図6および図7に示す実施形態では、印刷履歴情報テーブル630のうち印刷アプリケーション「Microsoft EXCEL(登録商標)」に関連するレコードに登録された両面印刷の実行頻度は「53%」であり、2面集約印刷の実行頻度は「67%」である。これらの値は、印刷条件判定テーブル730のうち印刷アプリケーション「Microsoft EXCEL(登録商標)」に関連するレコードに登録された両面印刷および2面集約印刷の閾値「50%」以上であるため、両面印刷および2面集約印刷が、推奨する印刷条件であると判断する。
【0051】
画像処理装置120は、上述した方法によって決定した推奨する印刷条件をマージした結果を、最終的な推奨する印刷条件とし、当該印刷条件とクライアントPCが要求する印刷条件とが合致するか否か判断することにより、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であるか否か判断することができる。
【0052】
図8は、本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図である。印刷条件確認画面800は、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示され、推奨する印刷条件による印刷を指示するボタン810と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する812と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する814とを含んで構成される。ユーザは、印刷条件確認画面800により、経費削減効果の高い推奨する印刷条件を確認することができると共に、ユーザの判断でいずれかの指示を発行することができる。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0053】
図9は、本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件設定画面の一実施形態を示す図である。印刷条件設定画面900は、印刷条件910である印刷方法、カラーモードおよび集約指定を設定するオブジェクトと、印刷実行を指示するボタン912とを含んで構成される。ユーザは、これらのオブジェクトの中から設定すべき印刷条件を指定して、ボタン912を選択することにより、指定した印刷条件で印刷を実行することができる。
【0054】
図10は、本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件判定情報の設定画面の一実施形態を示す図である。図10に示す印刷条件判定情報の設定画面1000は、印刷属性である印刷データのページ数の範囲を入力するフィールドと、当該ページ数に関連する各印刷条件の閾値を入力するフィールドとを含んで構成される。ユーザは、これらのフィールドに任意の数値を入力することにより、印刷条件判定情報を設定・変更することができる。
【0055】
図11は、本発明の他の実施形態の画像処理装置が表示する印刷履歴情報の重み付けの設定画面の一実施形態を示す図である。本実施形態では、画像処理装置120が印刷履歴情報を登録する際に、印刷条件毎の重み付けを考慮して、採用された印刷条件による印刷処理の実行頻度を登録する。例えば、図11に示す重み値が設定されている場合にモノクロ印刷を実行すると、1回の印刷処理で4回分のモノクロ印刷による印刷処理がされたものとして実行頻度を登録する。
【0056】
印刷履歴情報の重み付け設定画面1100は、各印刷条件の重み値を入力するフィールドを含んで構成される。ユーザは、これらのフィールドに任意の数値を入力することにより、印刷履歴情報の重み付けを設定・変更することができ、より柔軟で弾力的な判定基準を設定することができる。
【0057】
図12は、本発明の他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。本実施形態では、画像処理装置120が、クライアントPCが要求した印刷条件が不適切と判定した場合に、当該印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を記録しておき、当該回数が所定の回数を超えたときに、推奨する印刷条件に印刷条件を強制的に変更する。以下、図12を参照して、本実施形態の画像処理装置120が実行する処理について、図4に示す処理と相違する点を中心に説明する。
【0058】
図12に示す処理は、クライアントPC112〜116から印刷要求を受信することにより、ステップS1200から開始し、ステップS401およびステップS402と同様の処理であるステップS1201およびステップS1202を実行する。
【0059】
ステップS1203では、印刷制御部304が、図13に示す印刷条件の強制的変更の要否を判定する情報(以下、「強制変更判定情報」とする。)を使用して、印刷要求を送信したクライアントPCが印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が所定の閾値以上であるか否か判定することにより、印刷条件の強制変更が必要か否か判断する。ステップS1203の判定で印刷条件の強制変更が必要であると判断した場合には(yes)、処理をステップS1208に分岐させ、ステップS1208で印刷制御部304が、印刷要求元のクライアントPCから受信した印刷条件を、推奨する印刷条件に変更する。一方、ステップS1203の判定で印刷条件の強制変更が不要であると判断した場合には(no)、処理をステップS1204に分岐する。
【0060】
ステップS1204では、印刷制御部304は画面制御部308を呼び出し、画面制御部308は、表示部218に印刷条件確認画面を表示する。ステップS1205では、印刷制御部304は、表示部218から印刷条件確認画面を使用してユーザが発行した指示を受信したか否か判断し、当該指示を受信していない場合には(no)、ステップS1205の処理を反復する。
【0061】
一方、ユーザからの指示を受信した場合には(yes)、その指示内容に応じて処理をステップS1206,S1208,S1209に分岐する。具体的には、推奨する印刷条件で印刷処理を実行する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS1208に分岐し、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS1209に分岐する。印刷条件を変更する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS1206に分岐する。
【0062】
ステップS1206、ステップS1207およびステップS1208では、図4に示すステップS405、ステップS406およびステップS407と同様の処理が実行される。
【0063】
ステップS1209では、印刷制御部304は、ユーザが、印刷条件が不適切であるにも関わらず印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を、強制変更判定情報が登録される強制変更判定情報テーブルに登録する。なお、強制変更判定情報テーブルについては、図13を参照して詳細に説明する。
【0064】
ステップS1210では、印刷制御部304は、印刷処理で使用すべき印刷条件および関連する印刷属性を使用して、印刷履歴情報記憶部314の印刷履歴情報を更新する。ステップS1211では、印刷制御部304は、当該印刷条件および印刷データに含まれる画像データを印刷エンジン208に渡し、印刷エンジン208が、画像データを当該印刷条件に従って用紙等の印字媒体に印刷し、ステップS1212で処理が終了する。
【0065】
図13は、図12に示す実施形態の画像処理装置が使用する強制変更判定情報を登録する強制変更判定情報テーブルの実施形態を示す図である。以下、図13を参照して、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が累計で所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される強制変更判定情報テーブル1310,1312、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される強制変更判定情報テーブル1320,1322について説明する。
【0066】
強制変更判定情報テーブル1310は、印刷条件を強制的に変更する下限値である実行回数を閾値として登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1310には、閾値として「5回」が登録されており、画像処理装置120は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が累計で「5回」以上である場合に、クライアントPCが要求する印刷条件を、推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0067】
強制変更判定情報テーブル1312は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を印刷処理の要求元毎に登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1320では、印刷処理の要求元として、印刷要求と共に送信されるクライアントPCのIPアドレスやMACアドレス等のクライアントPCを固有に識別可能な情報を登録することができる。他の実施形態では、印刷処理の要求元を固有に識別できる限り、如何なる識別情報も使用することができる。
【0068】
強制変更判定情報テーブル1320は、印刷条件を強制的に変更する下限値である実行回数を閾値として登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1320には、閾値として「5回」が登録されており、画像処理装置120は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して「5回」以上である場合に、クライアントPCが要求する印刷条件を、推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0069】
強制変更判定情報テーブル1322は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を印刷処理の要求元毎に登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1322は、強制変更判定情報テーブル1320と同様に、印刷処理の要求元として、印刷要求と共に送信されるクライアントPCのIPアドレスやMACアドレス等のクライアントPCを固有に識別可能な情報を登録することができる。
【0070】
強制変更判定情報テーブル1320,1322を使用する実施形態では、画像処理装置120は、印刷要求元のクライアントPCが送信した印刷条件を、推奨する印刷条件を強制的に変更した場合、またはユーザの変更指示によって変更した場合に、強制変更判定情報テーブル1322の当該クライアントPCに関連付けられた連続印刷回数をクリアすることにより、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して所定の回数を超えた場合に、強制的に印刷条件を変更することができる。
【0071】
図14は、図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図である。印刷条件確認画面1400は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が累計で所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される。印刷条件確認画面1400には、印刷条件の強制的変更を事前に通知する警告文と共に、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示される。また、印刷条件確認画面1400は、印刷条件確認画面800と同様に、推奨する条件による印刷を指示するボタン1410と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する1412と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する1414とを含んでおり、ユーザはいずれかの指示を発行することができる。
【0072】
図15は、図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の別の実施形態を示す図である。印刷条件確認画面1500は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される。印刷条件確認画面1500には、印刷条件の強制的変更を事前に通知する警告文と共に、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示される。また、印刷条件確認画面1500は、印刷条件確認画面800と同様に、推奨する条件による印刷を指示するボタン1510と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する1512と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する1514とを含んでおり、ユーザはいずれかの指示を発行することができる。
【0073】
図16は、本発明のさらに他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。本実施形態では、画像処理装置120は、印刷条件の適否判断に加えて、実行すべき処理を判断する。以下、図16を参照して、本実施形態の画像処理装置120が実行する処理について説明する。なお、図4の処理と相違する点を中心に説明する。
【0074】
図16に示す処理は、クライアントPC112〜116から印刷要求を受信することにより、ステップS1600から開始し、ステップS1601およびステップS1602で、ステップS401およびステップS402と同様の処理を実行する。
【0075】
ステップS1603では、印刷制御部304が、図17を参照して説明するステップS1601の処理結果から実行すべき処理に応じて処理を分岐する。具体的には、実行すべき処理が、印刷条件の提示または警告付の印刷条件の提示である場合には、処理をステップS1604に分岐する。ステップS1604では、印刷制御部304は画面制御部308を呼び出し、画面制御部308は、表示部218に図8に示すような警告文無しの印刷条件確認画面または警告文付きの印刷条件確認画面を表示する。
【0076】
一方、実行すべき処理が印刷条件の強制的変更である場合には、処理をステップS1608に分岐する。ステップS1608では、印刷制御部304は、印刷要求元のクライアントPCが要求する印刷条件を、推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0077】
ステップS1605〜ステップS1611では、図4に示すステップS404〜ステップS410と同様の処理を実行する。
【0078】
図17は、図16に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャートである。以下、図17を参照して、本実施形態の画像処理装置120が実行する印刷条件判定処理について説明する。
【0079】
図17に示す処理は、図16に示すステップS1601で判定部306が呼び出されることにより、ステップS1700から開始する。ステップS1701では、判定部306が、図18に示す印刷データのページ数に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件および実行すべき処理を決定する。ステップS1702では、判定部306は、印刷データのデータサイズに基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件を決定する。ステップS1703では、判定部306は、印刷すべき画像データを作成した印刷アプリケーションの種類に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件および実行すべき処理を決定する。
【0080】
ステップS1704では、判定部306は、印刷要求元のクライアントPCから受信した印刷条件が、上述したステップS1701〜S1703で決定した推奨する印刷条件と合致するか否か判断する。ステップS1705では、判定部306は、その判定結果と共に、推奨する印刷条件および実行すべき処理を印刷制御部304に通知し、ステップS1706で処理が終了する。本実施形態では、判定部306は、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致するときは、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であると判定し、その旨を印刷制御部304に通知する。一方、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致しないときには、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定し、その旨を通知すると共に、推奨する印刷条件および実行すべき処理を通知する。
【0081】
図18は、図16および図17に示す実施形態の画像処理装置が使用する印刷条件判定情報である印刷条件判定テーブルの一実施形態を示す図である。印刷条件判定テーブル1800は、実行すべき処理を判定し、かつ印刷条件の適否を判定する印刷条件判定情報が登録されるデータテーブルであり、印刷属性である印刷データのページ数に基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が、実行すべき処理と関連付けて登録される。印刷条件判定テーブル1800には、印刷データのページ数について、推奨する印刷条件を決定するための閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が、実行すべき処理と関連付けて登録される。
【0082】
図18に示す実施形態では、実行すべき処理として、推奨する印刷条件を提示する印刷条件確認画面(警告文無しの印刷条件確認画面)の表示と、推奨する印刷条件と共に当該印刷条件に変更すべき旨の警告文を表示する印刷条件確認画面(警告文付きの印刷条件確認画面)の表示と、推奨する印刷条件に強制的に印刷条件を変更する処理とが含まれる。図18に示す「印刷条件提示」、「警告付提示」および「強制変更」は、それぞれ警告文無しの印刷条件確認画面の表示、警告文付きの印刷条件確認画面の表示、印刷条件の強制的変更を示す。
【0083】
例えば、図6に示す印刷履歴情報テーブル610と図18に示す印刷条件判定テーブル1800とを使用する実施形態において、印刷属性である印刷のページ数が「15ページ」であり、印刷条件として「片面印刷」、「カラー印刷」および「集約印刷無し」が指定されている場合、画像処理装置120は、印刷履歴情報テーブル610のうちページ数「15ページ」に関連するレコードに含まれる実行頻度の最大値を抽出し、この最大値と、印刷条件判定テーブル1800のうちページ数「15ページ」に関連するレコードに含まれる閾値とを比較し、当該最大値以上の当該閾値のうち最小のものを含むレコードを特定する。この条件では、印刷履歴情報テーブル610のうちページ数「15ページ」に該当するレコードである両面印刷の実行頻度「50%」が最大値となり、印刷条件判定テーブル1800のうちページ数「15ページ」に関連するレコードのうち、当該最大値「50%」以上の閾値「50%」,「70%」または「80%」のうち最小となる閾値「50%」を含むレコードには、実行すべき処理として「印刷条件提示」が関連付けられているため、画像処理装置120は、実行すべき処理が「印刷条件提示」であると判断し、警告文無しの印刷条件確認画面を表示する。
【0084】
本実施形態では、印刷処理に伴って変化する印刷頻度に連動して、推奨する印刷条件の提示や印刷条件の強制的変更等の処理を実行する。これにより、印刷処理における経費削減を励行する環境では、使用頻度が頻度の高く経費削減効果のある印刷条件による印刷処理を一層促進することができる。
【0085】
図19は、図16〜18に示す実施形態に係る画像処理装置が表示する警告付きの印刷条件確認画面の一実施形態を示す図である。印刷条件確認画面1900は、印刷履歴情報テーブル610に登録された最大値である実行頻度が70%以上かつ80%未満の場合に表示される。
【0086】
印刷条件確認画面1900は、印刷条件の強制的変更を事前に通知する警告文と共に、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示される。また、印刷条件確認画面1900は、印刷条件確認画面800等と同様に、推奨する条件による印刷を指示するボタン1910と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する1912と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する1914とを含んでおり、ユーザはいずれかの指示を発行することができる。
【0087】
図20は、本発明の印刷処理システムのさらに他の実施形態を示す。以下、図20を参照して印刷処理システム2000について、上述した印刷システム100と相違する点を中心に説明する。
【0088】
印刷処理システム2000は、ネットワーク2030を介して接続されたサーバ装置2010と、クライアントPC2012,2014,2016と、画像処理装置2020とを含んで構成されている。本実施形態では、各クライアントPC2012,2014,2016は、印刷データをサーバ装置2010に送信し、サーバ装置2010は、印刷データを画像処理装置2020に送信して印刷処理を実行させる。
【0089】
サーバ装置2010は、印刷処理システム2000の印刷処理を統括して実行する情報処理装置であり、シングルコアやマルチコアなどのCPU、ROM、実行空間を提供するRAM、ハードディスク装置などを含んで構成される。サーバ装置2010は、Windows(登録商標)200Xサーバ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、Solaris(登録商標)などのOSによる制御の下、C、C++、C#、Java(登録商標)、Java Script(登録商標)などのプログラミング言語などで記述された装置実行可能な本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することにより、本実施形態の各機能手段をサーバ装置上で実現できる。本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可読な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0090】
図21は、図20に示す実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図である。以下、図21を参照して、サーバ装置2010の機能構成について、図3に示す画像処理装置120の機能構成と相違する点を中心に説明する。
【0091】
サーバ装置2010は、ネットワーク通信部2210と、印刷制御部2304と、判定部2306と、画面表示部2308と、判定情報記憶部2310と、判定情報登録部2312と、印刷履歴情報記憶部2314とを含んで構成される。
【0092】
ネットワーク通信部2210は、クライアントPC2012,2014,2016および画像処理装置2020との間でネットワーク2030を介したデータ通信を行う手段である。ネットワーク通信部2210は、クライアントPC2012,2014,2016から印刷すべき画像データおよび印刷条件や印刷属性等の印刷書誌情報を含む印刷データを受信すると、印刷制御部2304に渡す。また、ネットワーク通信部2210は、印刷制御部2304から印刷データを受信すると、当該印刷データを画像処理装置2020に送信する。
【0093】
印刷制御部2304は、サーバ装置2010が実行する印刷処理の全体制御を行う機能手段である。印刷制御部2304は、サーバ装置2010に実装される各機能手段を適宜使用して、印刷データに含まれる印刷条件の適否を判断し、印刷条件確認画面や印刷条件設定画面、印刷条件判定情報の設定画面、重み付け設定画面等のUI画面を画像処理装置2020の表示部に表示し、必要に応じて印刷条件を変更した印刷データを画像処理装置2020に送信して印刷処理を実行させる。
【0094】
画面表示部2308は、ネットワーク2030を介して画像処理装置2020に各種UI画面を構成する情報を送信してその表示部に当該UI画面を表示させる。画像処理装置2020は、ユーザが当該UI画面を使用して発行した指示内容を、ネットワーク2030を介してサーバ装置2010に送信し、サーバ装置2010は、指示内容に応じて処理を実行する。
【0095】
本実施形態では、サーバ装置2010は、画像処理装置2020の表示部に各種UI画面を表示させるが、他の実施形態では、印刷要求元のクライアントPCにUI画面を表示させてもよい。
【0096】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
100…印刷処理システム、112,114,116…クライアントPC、120…画像処理装置、130…ネットワーク、2000…印刷処理システム、2010…サーバ装置、2012,2014,2016…クライアントPC、2020…画像処理装置、2030…ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2007−241460号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データの制御技術に関し、より詳細には、印刷データの印刷条件等の印刷指示情報を自動的に変更可能な情報処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業や行政機関、教育機関に設置されているネットワークシステムでは、多くのユーザが、ネットワークに接続されたネットワークプリンタを利用して種々の印刷物を出力している。ユーザは、各人の判断で印刷処理に関する印刷条件を設定するが、多くのユーザが印刷をする環境では、印刷に係るトナーや紙等の経費がかさむため、印刷処理にかかる経費を削減することが所望されている。
【0003】
印刷処理において印刷条件を提示する従来技術として、特許文献1は、指定された印刷条件の使用頻度を記憶しておき、印刷実行時に印刷対象の文書に適した印刷条件をユーザに提供する印刷支援装置を開示する。この印刷支援装置は、過去の印刷条件の使用頻度から利用頻度の高い印刷条件を順位付けして提示し、使用頻度の高い印刷条件をユーザに選択させることを意図している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示する印刷支援装置では、単に印刷条件の使用頻度に基づいて印刷条件を提示するだけであり、ユーザが当初の印刷条件を当該印刷条件に変更したとしても、使用頻度の高い印刷条件によって印刷処理が行われるだけで、必ずしも印刷処理にかかる経費を削減することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、経費削減効果の高い印刷条件への変更を促すと共に、選択的または強制的に経費削減効果の高い印刷条件に変更可能な情報処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷データの印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、当該印刷条件の適否を判断し、推奨する印刷条件をクライアントPCのユーザに提示し、クライアントPCが要求する印刷条件を推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行する。また、情報処理装置は、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、印刷条件を推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、本発明の情報処理装置は、印刷処理に伴って変化する印刷条件の頻度に連動して、経費削減効果の高い印刷条件への変更を促すと共に、選択的または強制的に経費削減効果の高い印刷条件に変更することができる。
【0007】
また、本発明は、クライアントPCが要求する印刷データの印刷条件に対応する推奨する印刷条件をクライアントPCのユーザに提示し、当初の印刷条件を推奨する印刷条件に選択的または強制的に変更して印刷処理を実行する方法、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の印刷処理システムの実施形態を示す図。
【図2】本発明の画像処理装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】本実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図。
【図4】本実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャート。
【図5】図4に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャート。
【図6】本実施形態の画像処理装置が使用する印刷履歴情報の一実施形態を示す図。
【図7】本実施形態の画像処理装置が印刷条件判定情報の一実施形態を示す図。
【図8】本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図。
【図9】本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件設定画面の一実施形態を示す図。
【図10】本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件判定情報の設定画面の一実施形態を示す図。
【図11】本発明の他の実施形態の画像処理装置が表示する印刷履歴情報の重み付けの設定画面の一実施形態を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャート。
【図13】図12に示す実施形態の画像処理装置が使用する強制変更判定情報を登録する強制変更判定情報テーブルの実施形態を示す図。
【図14】図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図。
【図15】図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の別の実施形態を示す図。
【図16】本発明のさらに他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャート。
【図17】図16に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャート。
【図18】図16および図17に示す実施形態の画像処理装置が使用する印刷条件判定情報である印刷条件判定テーブルの一実施形態を示す図。
【図19】図16〜18に示す実施形態に係る画像処理装置が表示する警告付きの印刷条件確認画面の一実施形態を示す図。
【図20】本発明の印刷処理システムのさらに他の実施形態を示す図。
【図21】図20に示す実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の印刷処理システムの実施形態を示す。印刷処理システム100は、ネットワーク130を介して接続されたクライアントPC112,114,116と、画像処理装置120とを含んで構成されている。
【0010】
クライアントPC112〜116は、オフィスで使用されるPC等の情報処理装置であり、画像処理装置120に対して印刷要求、印刷データおよび印刷データの印刷設定情報等を送信して、当該印刷データを画像処理装置120に印刷させる。クライアントPC112〜116は、それぞれ同様の構成を有しており、それぞれが印刷すべきデータを作成するアプリケーションプログラム(以下、「印刷アプリケーション」とする。)を実装する。クライアントPC112〜116は、シングルコアやマルチコアなどのCPUを搭載し、RAM、ROM、ハードディスク装置、ネットワークインタフェースカード(NIC)を含み、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、Mac OS(登録商標)などの適切なOSの下で、画像処理装置120へ印刷処理を依頼する。
【0011】
画像処理装置120は、クライアントPC112〜116から受信した印刷データを、印刷用紙等の印刷媒体に印刷する印刷装置等の情報処理装置である。図1に示す例示的な実施形態では、画像処理装置120としてMFP(Multiple Function Printer)を採用するが、他の実施形態では、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等のページプリンタを採用してもよい。
【0012】
ネットワーク130は、1000Base−Tや1000Base−TXなどのイーサネット(登録商標)、光ネットワーク、IEEE802.11などの規格の無線ネットワークを含んで構成することができるネットワークである。また、ネットワーク130は、LANの他、VPN(Virtual Private Network)などによるセキュア環境下で構築されたインターネットなどの広域ネットワークを含んで構成されていてもよい。クライアントPC112〜116、画像処理装置120は、ネットワーク130を介して、フレーム、TCP/IPプロトコルまたはRDP(Remote Desktop Protocol)に準拠して相互通信を行う。
【0013】
図2は、本発明の画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。画像処理装置120は、シングルコアやマルチコアなどのCPU202、ROM212、実行空間を提供するRAM214およびハードディスク装置(HDD)216を含み、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのOSによる制御の下、C、C++、C#、Java(登録商標)、Java Script(登録商標)などのプログラミング言語などで記述された装置実行可能な本実施形態のプログラムをRAM214に展開して実行することにより、後述する本実施形態の各機能手段を画像処理装置上で実現できる。本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可読な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0014】
また、画像処理装置120は、原稿画像をスキャニングして画像データを生成するスキャナ部204、画像データを電話回線やインターネット回線を通じてファックス送信するファクシミリ送信部206、スキャナ部204が生成した画像データやネットワーク通信部210を介してクライアントPC112〜116から受信した印刷データを紙媒体等に印刷する印刷エンジン208を含んで構成される。さらに、画像処理装置120は、画像処理装置120が実行する処理に関する操作画面を提供するオペレーションパネル等の表示部218を備えており、ユーザに対して種々の通知や設定の機会を提供することができる。
【0015】
図3は、本実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図である。以下、図3を参照して、画像処理装置120の機能構成について説明する。
【0016】
画像処理装置120は、ネットワーク通信部210と、印刷制御部304と、判定部306と、画面制御部308と、判定情報記憶部310と、判定情報登録部312と、印刷履歴情報記憶部314と、印刷エンジン208と、表示部218とを含んで構成される。
【0017】
ネットワーク通信部210は、クライアントPC112との間でネットワーク130を介したデータ通信を行う手段である。ネットワーク通信部210は、クライアントPC112から印刷すべき画像データおよび印刷条件や印刷属性等の印刷書誌情報を含む印刷データ等を受信すると、印刷制御部304に渡す。
【0018】
印刷制御部304は、画像処理装置120が実行する印刷処理の全体制御を行う機能手段である。印刷制御部304は、画像処理装置120に実装される各機能手段を適宜使用して印刷データの印刷条件の適否を判断し、種々のUI画面を表示部218に表示し、必要に応じて印刷条件を変更して印刷処理を実行させる。
【0019】
判定部306は、クライアントPC112〜116が送信した印刷データに含まれる印刷書誌情報を解析して、印刷書誌情報である印刷条件が適切であるか否か判定する機能手段である。具体的には、判定部306は、判定情報記憶部310に保存されている印刷条件の適否を判定する情報(以下、「印刷条件判定情報」とする。)を使用して、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であるか否か判定する。なお、印刷条件判定情報については、より詳細に後述する。
【0020】
画面制御部308は、表示部218の表示制御をする機能手段である。画面制御部308は、印刷条件確認画面や印刷条件設定画面、印刷条件判定情報の設定画面、重み付け設定画面等のUI画面を表示部218に表示し、これらのUI画面を使用してユーザが選択した情報を印刷制御部304に提供する。印刷制御部304は、当該情報を使用して、各機能手段を用いて印刷条件の変更や印刷処理等の種々の処理を実行する。
【0021】
本実施形態では、画像処理装置120の表示部218にUI画面を表示するが、他の実施形態では、画面制御部308は、クライアントPC112〜116の表示装置にUI画面を表示させてもよい。なお、画面制御部308が表示するUI画面については、図8〜11,14および15を参照して詳細に説明する。
【0022】
判定情報登録部312は、印刷条件判定情報を判定情報記憶部310に登録する機能手段である。本実施形態では、判定情報登録部312は、ネットワーク130を介して管理端末またはクライアントPCから受信した印刷条件判定情報を登録する。他の実施形態では、判定情報登録部312は、表示部218に表示された判定情報設定画面を使用してユーザが設定した印刷条件を登録してもよい。
【0023】
印刷履歴情報記憶部314には、実際に印刷が行われた印刷データに関する印刷履歴情報が登録される。なお、印刷履歴情報については、より詳細に後述する。
【0024】
図4は、本実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。以下、図4を参照して、画像処理装置120が、クライアントPC112〜116から印刷要求と共に印刷データを受信したときに実行する処理について説明する。
【0025】
図4に示す処理は、クライアントPC112〜116から印刷要求を受信することにより、ステップS400から開始する。ステップS401では、印刷制御部304が判定部306を呼び出し、判定部306が、図5を参照して説明する印刷条件の適否を判定する印刷条件判定処理を実行する。ステップS402では、印刷制御部304は、印刷条件判定処理の結果からクライアントPC112〜116が送信した印刷条件が適切であるか否か判断し、適切であると判断した場合には(yes)、処理をステップS408に分岐する。一方、印刷条件が不適切であると判断した場合には(no)、処理をステップS403に分岐する。
【0026】
ステップS403では、印刷制御部304は画面制御部308を呼び出し、画面制御部308は、表示部218に印刷条件確認画面を表示する。ステップS404では、印刷制御部304は、画面制御部308から印刷条件確認画面を使用してユーザが発行した指示を受信したか否か判断し、当該指示を受信していない場合には(no)、ステップS404の処理を反復する。
【0027】
一方、ユーザからの指示を受信した場合には(yes)、その指示内容に応じて処理をステップS405,S407,S408に分岐する。具体的には、経費削減効果の高い推奨する印刷条件で印刷する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS407に分岐し、印刷条件を変更せずに印刷する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS408に分岐する。印刷条件を変更する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS405に分岐する。
【0028】
ステップS405では、画面制御部308は、表示部218印刷条件変更画面を表示する。ステップS406では、印刷制御部304は、画面制御部308を介してユーザによる印刷条件を変更する旨の指示を受信したか否か判断し、当該指示を受信していない場合には(no)、ステップS406の処理を反復する。一方、印刷条件の変更指示を受信した場合には(yes)、処理をステップS407に分岐する。
【0029】
ステップS407では、印刷制御部304は、印刷要求元のクライアントPCから受信した印刷条件を変更する。具体的には、印刷制御部304は、ユーザが印刷条件変更画面を使用して印刷条件を指定した場合には、当該印刷条件を印刷処理で使用すべき印刷条件としてRAMやレジスタ等に保持し、ユーザが印刷条件確認画面を使用して上記推奨する印刷条件による印刷を指示した場合には、当該推奨する印刷条件を印刷処理で使用すべき印刷条件としてRAMやレジスタ等に保持する。
【0030】
ステップS408では、印刷制御部304は、印刷処理で使用すべき印刷条件および処理対象の印刷データの印刷属性を使用して、印刷履歴情報記憶部314の印刷履歴情報を更新する。ステップS409では、印刷制御部304は、当該印刷条件および印刷データに含まれる画像データを印刷エンジン208に渡し、印刷エンジン208が、画像データを当該印刷条件に従って用紙等の印字媒体に印刷し、ステップS410で処理が終了する。
【0031】
図5は、図4に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、画像処理装置120が実行する印刷条件判定処理について説明する。
【0032】
図5に示す処理は、図4に示すステップS401で判定部306が呼び出されることにより、ステップS500から開始する。ステップS501では、判定部306が、印刷データのページ数に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して推奨する印刷条件を決定する。ステップS502では、判定部306は、印刷データのデータサイズに基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件を決定する。ステップS503では、判定部306は、印刷すべき画像データを作成した印刷アプリケーションの種類に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件を決定する。
【0033】
ステップS504では、判定部306は、クライアントPC112〜116から受信した印刷条件が、上述したステップS501〜S503で決定した推奨する印刷条件と合致するか否か判断する。ステップS505では、判定部306は、その判定結果と共に、推奨する印刷条件を印刷制御部304に通知し、ステップS506で処理が終了する。本実施形態では、判定部306は、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致するときは、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であると判定し、その旨を印刷制御部304に通知する。一方、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致しないときには、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定し、その旨を通知すると共に、推奨する印刷条件を通知する。
【0034】
図6は、本実施形態の画像処理装置が使用する印刷履歴情報の一実施形態を示す図である。以下、図6を参照して、印刷履歴情報を登録する印刷履歴情報テーブル610,620,630について説明する。
【0035】
印刷履歴情報テーブル610は、印刷データのページ数に基づく印刷履歴情報を登録するデータテーブルである。印刷履歴情報テーブル610には、印刷データのページ数について、画像処理装置120が採用した印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0036】
例えば、図6に示す実施形態では、11〜20枚の範囲のページ数が指定された印刷処理が合計で20回実行されており、そのうち両面印刷の実行回数は10回であり、その実行頻度が50%であることを示す。また、モノクロ印刷の実行回数は3回であり、その実行頻度が15%であることを示す。さらに、2面の画像データを1の面に集約して印刷する2面集約印刷の実行回数は8回であり、その実行頻度が40%であることを示す。なお、本実施形態では、集約印刷をしない印刷処理の実行頻度は60%であるが、他の実施形態では、4面集約や8面集約等の他の集約方法を採用してもよい。
【0037】
印刷履歴情報テーブル620は、印刷データのデータサイズに基づく印刷履歴情報を登録するデータテーブルである。印刷履歴情報テーブル620には、印刷データのデータサイズについて、画像処理装置120が採用した印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0038】
例えば、図6に示す実施形態では、0.5〜2MBの範囲のデータサイズの印刷データを対象とした印刷処理が合計で15回実行されており、そのうち両面印刷の実行回数は8回であり、その実行頻度が53%であることを示す。また、モノクロ印刷の実行回数は3回であり、その実行頻度が20%であることを示す。さらに、2面集約印刷の実行回数は10回であり、その実行頻度が67%であることを示す。
【0039】
印刷履歴情報テーブル630は、印刷アプリケーションの種類に基づく印刷履歴情報を登録するデータテーブルである。印刷履歴情報テーブル630には、各印刷アプリケーションケーションについて、画像処理装置120が採用した印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0040】
例えば、図6に示す実施形態では、印刷アプリケーションケーションであるMicrosoft EXCEL(登録商標)が作成した画像データを含む印刷データを対象とした印刷処理が合計で15回実行されており、そのうち両面印刷の実行回数は8回であり、その実行頻度が53%であることを示す。また、モノクロ印刷の実行回数は3回であり、その実行頻度が20%であることを示す。さらに、2面集約印刷の実行回数は10回であり、その実行頻度が67%であることを示す。
【0041】
本実施形態では、印刷属性として印刷データのページ数、データサイズおよび印刷アプリケーションを採用しているが、他の実施形態では、印刷物の部数、文書名、印刷日時、利用者の所属部署等の他の印刷属性を採用してもよい。また、本実施形態では、クライアントPCが指定可能な印刷条件として両面印刷、モノクロ印刷および2面集約印刷を採用しているが、他の実施形態では、印刷処理で使用されるトナー濃度、トナー種類、用紙種類、用紙サイズ等の他の印刷条件を採用してもよい。
【0042】
図7は、本実施形態の画像処理装置が印刷条件判定情報の一実施形態を示す図である。以下、図7を参照して、印刷条件判定情報を登録する印刷条件判定テーブル710,720,730について説明する。
【0043】
印刷条件判定テーブル710は、印刷属性である印刷データのページ数に基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が登録される。印刷条件判定テーブル710には、所定の印刷データのページ数について、当該閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0044】
印刷条件判定テーブル720は、印刷属性である印刷データのデータサイズに基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が登録される。印刷条件判定テーブル720には、所定の印刷データのデータサイズについて、当該閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0045】
印刷条件判定テーブル730は、印刷属性である印刷アプリケーションの種類に基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が登録される。印刷条件判定テーブル730には、所定の印刷アプリケーションについて、当該閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が登録される。
【0046】
なお、図7に示す印刷データのページ数、データサイズおよび印刷アプリケーションは一例であり、その他の任意のページ数、データサイズおよび印刷アプリケーションを使用することができる。
【0047】
本実施形態の画像処理装置は、図6に示す印刷履歴情報テーブルおよび図7に示す印刷条件判定テーブルを用いて、クライアントPCが要求する印刷条件に対する推奨する印刷条件を決定し、要求された印刷条件が適切であるか否か判断する。以下、印刷属性である印刷データのページ数が「15ページ」、データサイズが「1MB」、印刷アプリケーションが「Microsoft EXCEL(登録商標)」であり、印刷条件として「片面印刷」、「カラー印刷」および「集約印刷無し」が指定されている場合に、クライアントPCが要求する印刷条件が適切であるか否か判断する方法について説明する。
【0048】
画像処理装置120は、先ず印刷履歴情報テーブル610および印刷条件判定テーブル710を参照して、印刷属性である印刷データのページ数「15ページ」に関連する印刷履歴情報テーブル610のレコードに登録された実行頻度と、印刷条件判定テーブル710のレコードに登録された閾値とを比較し、印刷履歴情報テーブル610のレコードに登録された実行頻度のうち、印刷条件判定テーブル710のうち当該ページ数に関連するレコードに登録された閾値以上の実行頻度を有する印刷条件を、推奨する印刷条件として決定する。図6および図7に示す実施形態では、印刷履歴情報テーブル610のうち印刷ページ数「15ページ」に関連するレコードに登録された両面印刷の実行頻度は「50%」であり、この値は、印刷条件判定テーブル710のうち印刷ページ数「15ページ」に関連するレコードに登録された両面印刷の閾値「50%」と同一であるため、両面印刷が、推奨する印刷条件であると判断する。
【0049】
次に、画像処理装置120は、印刷履歴情報テーブル620および印刷条件判定テーブル720を参照して、印刷属性であるデータサイズ「1MB」に合致する印刷履歴情報テーブル620のレコードに登録された実行頻度と、印刷条件判定テーブル720のレコードに登録された閾値とを比較し、上述した方法と同様に、推奨する印刷条件を決定する。図6および図7に示す実施形態では、印刷履歴情報テーブル620のうちデータサイズ「1MB」に関連するレコードに登録された両面印刷の実行頻度は「53%」であり、2面集約印刷の実行頻度は「67%」である。これらの値は、印刷条件判定テーブル720のうちデータサイズ「1MB」に関連するレコードに登録された両面印刷および2面集約印刷の閾値「50%」以上であるため、両面印刷および2面集約印刷が、推奨する印刷条件であると判断する。
【0050】
次いで、画像処理装置120は、印刷履歴情報テーブル630および印刷条件判定テーブル730を参照して、印刷属性で印刷アプリケーション「Microsoft EXCEL(登録商標)」に合致する印刷履歴情報テーブル630のレコードに登録された実行頻度と、印刷条件判定テーブル730のレコードに登録された閾値とを比較し、上述した方法と同様に、推奨する印刷条件を決定する。図6および図7に示す実施形態では、印刷履歴情報テーブル630のうち印刷アプリケーション「Microsoft EXCEL(登録商標)」に関連するレコードに登録された両面印刷の実行頻度は「53%」であり、2面集約印刷の実行頻度は「67%」である。これらの値は、印刷条件判定テーブル730のうち印刷アプリケーション「Microsoft EXCEL(登録商標)」に関連するレコードに登録された両面印刷および2面集約印刷の閾値「50%」以上であるため、両面印刷および2面集約印刷が、推奨する印刷条件であると判断する。
【0051】
画像処理装置120は、上述した方法によって決定した推奨する印刷条件をマージした結果を、最終的な推奨する印刷条件とし、当該印刷条件とクライアントPCが要求する印刷条件とが合致するか否か判断することにより、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であるか否か判断することができる。
【0052】
図8は、本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図である。印刷条件確認画面800は、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示され、推奨する印刷条件による印刷を指示するボタン810と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する812と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する814とを含んで構成される。ユーザは、印刷条件確認画面800により、経費削減効果の高い推奨する印刷条件を確認することができると共に、ユーザの判断でいずれかの指示を発行することができる。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0053】
図9は、本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件設定画面の一実施形態を示す図である。印刷条件設定画面900は、印刷条件910である印刷方法、カラーモードおよび集約指定を設定するオブジェクトと、印刷実行を指示するボタン912とを含んで構成される。ユーザは、これらのオブジェクトの中から設定すべき印刷条件を指定して、ボタン912を選択することにより、指定した印刷条件で印刷を実行することができる。
【0054】
図10は、本実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件判定情報の設定画面の一実施形態を示す図である。図10に示す印刷条件判定情報の設定画面1000は、印刷属性である印刷データのページ数の範囲を入力するフィールドと、当該ページ数に関連する各印刷条件の閾値を入力するフィールドとを含んで構成される。ユーザは、これらのフィールドに任意の数値を入力することにより、印刷条件判定情報を設定・変更することができる。
【0055】
図11は、本発明の他の実施形態の画像処理装置が表示する印刷履歴情報の重み付けの設定画面の一実施形態を示す図である。本実施形態では、画像処理装置120が印刷履歴情報を登録する際に、印刷条件毎の重み付けを考慮して、採用された印刷条件による印刷処理の実行頻度を登録する。例えば、図11に示す重み値が設定されている場合にモノクロ印刷を実行すると、1回の印刷処理で4回分のモノクロ印刷による印刷処理がされたものとして実行頻度を登録する。
【0056】
印刷履歴情報の重み付け設定画面1100は、各印刷条件の重み値を入力するフィールドを含んで構成される。ユーザは、これらのフィールドに任意の数値を入力することにより、印刷履歴情報の重み付けを設定・変更することができ、より柔軟で弾力的な判定基準を設定することができる。
【0057】
図12は、本発明の他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。本実施形態では、画像処理装置120が、クライアントPCが要求した印刷条件が不適切と判定した場合に、当該印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を記録しておき、当該回数が所定の回数を超えたときに、推奨する印刷条件に印刷条件を強制的に変更する。以下、図12を参照して、本実施形態の画像処理装置120が実行する処理について、図4に示す処理と相違する点を中心に説明する。
【0058】
図12に示す処理は、クライアントPC112〜116から印刷要求を受信することにより、ステップS1200から開始し、ステップS401およびステップS402と同様の処理であるステップS1201およびステップS1202を実行する。
【0059】
ステップS1203では、印刷制御部304が、図13に示す印刷条件の強制的変更の要否を判定する情報(以下、「強制変更判定情報」とする。)を使用して、印刷要求を送信したクライアントPCが印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が所定の閾値以上であるか否か判定することにより、印刷条件の強制変更が必要か否か判断する。ステップS1203の判定で印刷条件の強制変更が必要であると判断した場合には(yes)、処理をステップS1208に分岐させ、ステップS1208で印刷制御部304が、印刷要求元のクライアントPCから受信した印刷条件を、推奨する印刷条件に変更する。一方、ステップS1203の判定で印刷条件の強制変更が不要であると判断した場合には(no)、処理をステップS1204に分岐する。
【0060】
ステップS1204では、印刷制御部304は画面制御部308を呼び出し、画面制御部308は、表示部218に印刷条件確認画面を表示する。ステップS1205では、印刷制御部304は、表示部218から印刷条件確認画面を使用してユーザが発行した指示を受信したか否か判断し、当該指示を受信していない場合には(no)、ステップS1205の処理を反復する。
【0061】
一方、ユーザからの指示を受信した場合には(yes)、その指示内容に応じて処理をステップS1206,S1208,S1209に分岐する。具体的には、推奨する印刷条件で印刷処理を実行する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS1208に分岐し、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS1209に分岐する。印刷条件を変更する旨の指示を受信した場合には、処理をステップS1206に分岐する。
【0062】
ステップS1206、ステップS1207およびステップS1208では、図4に示すステップS405、ステップS406およびステップS407と同様の処理が実行される。
【0063】
ステップS1209では、印刷制御部304は、ユーザが、印刷条件が不適切であるにも関わらず印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を、強制変更判定情報が登録される強制変更判定情報テーブルに登録する。なお、強制変更判定情報テーブルについては、図13を参照して詳細に説明する。
【0064】
ステップS1210では、印刷制御部304は、印刷処理で使用すべき印刷条件および関連する印刷属性を使用して、印刷履歴情報記憶部314の印刷履歴情報を更新する。ステップS1211では、印刷制御部304は、当該印刷条件および印刷データに含まれる画像データを印刷エンジン208に渡し、印刷エンジン208が、画像データを当該印刷条件に従って用紙等の印字媒体に印刷し、ステップS1212で処理が終了する。
【0065】
図13は、図12に示す実施形態の画像処理装置が使用する強制変更判定情報を登録する強制変更判定情報テーブルの実施形態を示す図である。以下、図13を参照して、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が累計で所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される強制変更判定情報テーブル1310,1312、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される強制変更判定情報テーブル1320,1322について説明する。
【0066】
強制変更判定情報テーブル1310は、印刷条件を強制的に変更する下限値である実行回数を閾値として登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1310には、閾値として「5回」が登録されており、画像処理装置120は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が累計で「5回」以上である場合に、クライアントPCが要求する印刷条件を、推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0067】
強制変更判定情報テーブル1312は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を印刷処理の要求元毎に登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1320では、印刷処理の要求元として、印刷要求と共に送信されるクライアントPCのIPアドレスやMACアドレス等のクライアントPCを固有に識別可能な情報を登録することができる。他の実施形態では、印刷処理の要求元を固有に識別できる限り、如何なる識別情報も使用することができる。
【0068】
強制変更判定情報テーブル1320は、印刷条件を強制的に変更する下限値である実行回数を閾値として登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1320には、閾値として「5回」が登録されており、画像処理装置120は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して「5回」以上である場合に、クライアントPCが要求する印刷条件を、推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0069】
強制変更判定情報テーブル1322は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数を印刷処理の要求元毎に登録するデータテーブルである。強制変更判定情報テーブル1322は、強制変更判定情報テーブル1320と同様に、印刷処理の要求元として、印刷要求と共に送信されるクライアントPCのIPアドレスやMACアドレス等のクライアントPCを固有に識別可能な情報を登録することができる。
【0070】
強制変更判定情報テーブル1320,1322を使用する実施形態では、画像処理装置120は、印刷要求元のクライアントPCが送信した印刷条件を、推奨する印刷条件を強制的に変更した場合、またはユーザの変更指示によって変更した場合に、強制変更判定情報テーブル1322の当該クライアントPCに関連付けられた連続印刷回数をクリアすることにより、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して所定の回数を超えた場合に、強制的に印刷条件を変更することができる。
【0071】
図14は、図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の一実施形態を示す図である。印刷条件確認画面1400は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が累計で所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される。印刷条件確認画面1400には、印刷条件の強制的変更を事前に通知する警告文と共に、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示される。また、印刷条件確認画面1400は、印刷条件確認画面800と同様に、推奨する条件による印刷を指示するボタン1410と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する1412と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する1414とを含んでおり、ユーザはいずれかの指示を発行することができる。
【0072】
図15は、図12に示す実施形態の画像処理装置が表示する印刷条件確認画面の別の実施形態を示す図である。印刷条件確認画面1500は、印刷条件を変更せずに印刷処理を実行した回数が連続して所定の回数以上である場合に印刷条件を強制的に変更する実施形態で使用される。印刷条件確認画面1500には、印刷条件の強制的変更を事前に通知する警告文と共に、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示される。また、印刷条件確認画面1500は、印刷条件確認画面800と同様に、推奨する条件による印刷を指示するボタン1510と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する1512と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する1514とを含んでおり、ユーザはいずれかの指示を発行することができる。
【0073】
図16は、本発明のさらに他の実施形態の画像処理装置が実行する処理のフローチャートである。本実施形態では、画像処理装置120は、印刷条件の適否判断に加えて、実行すべき処理を判断する。以下、図16を参照して、本実施形態の画像処理装置120が実行する処理について説明する。なお、図4の処理と相違する点を中心に説明する。
【0074】
図16に示す処理は、クライアントPC112〜116から印刷要求を受信することにより、ステップS1600から開始し、ステップS1601およびステップS1602で、ステップS401およびステップS402と同様の処理を実行する。
【0075】
ステップS1603では、印刷制御部304が、図17を参照して説明するステップS1601の処理結果から実行すべき処理に応じて処理を分岐する。具体的には、実行すべき処理が、印刷条件の提示または警告付の印刷条件の提示である場合には、処理をステップS1604に分岐する。ステップS1604では、印刷制御部304は画面制御部308を呼び出し、画面制御部308は、表示部218に図8に示すような警告文無しの印刷条件確認画面または警告文付きの印刷条件確認画面を表示する。
【0076】
一方、実行すべき処理が印刷条件の強制的変更である場合には、処理をステップS1608に分岐する。ステップS1608では、印刷制御部304は、印刷要求元のクライアントPCが要求する印刷条件を、推奨する印刷条件に強制的に変更する。これにより、印刷処理における経費削減の実行性を高めることができる。
【0077】
ステップS1605〜ステップS1611では、図4に示すステップS404〜ステップS410と同様の処理を実行する。
【0078】
図17は、図16に示す実施形態の画像処理装置が実行する印刷条件判定処理を示すフローチャートである。以下、図17を参照して、本実施形態の画像処理装置120が実行する印刷条件判定処理について説明する。
【0079】
図17に示す処理は、図16に示すステップS1601で判定部306が呼び出されることにより、ステップS1700から開始する。ステップS1701では、判定部306が、図18に示す印刷データのページ数に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件および実行すべき処理を決定する。ステップS1702では、判定部306は、印刷データのデータサイズに基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件を決定する。ステップS1703では、判定部306は、印刷すべき画像データを作成した印刷アプリケーションの種類に基づく印刷条件判定情報および印刷履歴情報と、印刷属性情報とを使用して、推奨する印刷条件および実行すべき処理を決定する。
【0080】
ステップS1704では、判定部306は、印刷要求元のクライアントPCから受信した印刷条件が、上述したステップS1701〜S1703で決定した推奨する印刷条件と合致するか否か判断する。ステップS1705では、判定部306は、その判定結果と共に、推奨する印刷条件および実行すべき処理を印刷制御部304に通知し、ステップS1706で処理が終了する。本実施形態では、判定部306は、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致するときは、クライアントPCの要求する印刷条件が適切であると判定し、その旨を印刷制御部304に通知する。一方、クライアントPCが要求する印刷条件と当該推奨する印刷条件とが合致しないときには、クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定し、その旨を通知すると共に、推奨する印刷条件および実行すべき処理を通知する。
【0081】
図18は、図16および図17に示す実施形態の画像処理装置が使用する印刷条件判定情報である印刷条件判定テーブルの一実施形態を示す図である。印刷条件判定テーブル1800は、実行すべき処理を判定し、かつ印刷条件の適否を判定する印刷条件判定情報が登録されるデータテーブルであり、印刷属性である印刷データのページ数に基づいて、推奨する印刷条件を決定するための閾値が、実行すべき処理と関連付けて登録される。印刷条件判定テーブル1800には、印刷データのページ数について、推奨する印刷条件を決定するための閾値として各印刷条件による印刷処理の実行頻度が、実行すべき処理と関連付けて登録される。
【0082】
図18に示す実施形態では、実行すべき処理として、推奨する印刷条件を提示する印刷条件確認画面(警告文無しの印刷条件確認画面)の表示と、推奨する印刷条件と共に当該印刷条件に変更すべき旨の警告文を表示する印刷条件確認画面(警告文付きの印刷条件確認画面)の表示と、推奨する印刷条件に強制的に印刷条件を変更する処理とが含まれる。図18に示す「印刷条件提示」、「警告付提示」および「強制変更」は、それぞれ警告文無しの印刷条件確認画面の表示、警告文付きの印刷条件確認画面の表示、印刷条件の強制的変更を示す。
【0083】
例えば、図6に示す印刷履歴情報テーブル610と図18に示す印刷条件判定テーブル1800とを使用する実施形態において、印刷属性である印刷のページ数が「15ページ」であり、印刷条件として「片面印刷」、「カラー印刷」および「集約印刷無し」が指定されている場合、画像処理装置120は、印刷履歴情報テーブル610のうちページ数「15ページ」に関連するレコードに含まれる実行頻度の最大値を抽出し、この最大値と、印刷条件判定テーブル1800のうちページ数「15ページ」に関連するレコードに含まれる閾値とを比較し、当該最大値以上の当該閾値のうち最小のものを含むレコードを特定する。この条件では、印刷履歴情報テーブル610のうちページ数「15ページ」に該当するレコードである両面印刷の実行頻度「50%」が最大値となり、印刷条件判定テーブル1800のうちページ数「15ページ」に関連するレコードのうち、当該最大値「50%」以上の閾値「50%」,「70%」または「80%」のうち最小となる閾値「50%」を含むレコードには、実行すべき処理として「印刷条件提示」が関連付けられているため、画像処理装置120は、実行すべき処理が「印刷条件提示」であると判断し、警告文無しの印刷条件確認画面を表示する。
【0084】
本実施形態では、印刷処理に伴って変化する印刷頻度に連動して、推奨する印刷条件の提示や印刷条件の強制的変更等の処理を実行する。これにより、印刷処理における経費削減を励行する環境では、使用頻度が頻度の高く経費削減効果のある印刷条件による印刷処理を一層促進することができる。
【0085】
図19は、図16〜18に示す実施形態に係る画像処理装置が表示する警告付きの印刷条件確認画面の一実施形態を示す図である。印刷条件確認画面1900は、印刷履歴情報テーブル610に登録された最大値である実行頻度が70%以上かつ80%未満の場合に表示される。
【0086】
印刷条件確認画面1900は、印刷条件の強制的変更を事前に通知する警告文と共に、画像処理装置が決定した推奨する印刷条件が表示される。また、印刷条件確認画面1900は、印刷条件確認画面800等と同様に、推奨する条件による印刷を指示するボタン1910と、印刷条件を変更せずに印刷を指示する1912と、ユーザによる印刷条件の変更を指示する1914とを含んでおり、ユーザはいずれかの指示を発行することができる。
【0087】
図20は、本発明の印刷処理システムのさらに他の実施形態を示す。以下、図20を参照して印刷処理システム2000について、上述した印刷システム100と相違する点を中心に説明する。
【0088】
印刷処理システム2000は、ネットワーク2030を介して接続されたサーバ装置2010と、クライアントPC2012,2014,2016と、画像処理装置2020とを含んで構成されている。本実施形態では、各クライアントPC2012,2014,2016は、印刷データをサーバ装置2010に送信し、サーバ装置2010は、印刷データを画像処理装置2020に送信して印刷処理を実行させる。
【0089】
サーバ装置2010は、印刷処理システム2000の印刷処理を統括して実行する情報処理装置であり、シングルコアやマルチコアなどのCPU、ROM、実行空間を提供するRAM、ハードディスク装置などを含んで構成される。サーバ装置2010は、Windows(登録商標)200Xサーバ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、Solaris(登録商標)などのOSによる制御の下、C、C++、C#、Java(登録商標)、Java Script(登録商標)などのプログラミング言語などで記述された装置実行可能な本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することにより、本実施形態の各機能手段をサーバ装置上で実現できる。本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可読な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0090】
図21は、図20に示す実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図である。以下、図21を参照して、サーバ装置2010の機能構成について、図3に示す画像処理装置120の機能構成と相違する点を中心に説明する。
【0091】
サーバ装置2010は、ネットワーク通信部2210と、印刷制御部2304と、判定部2306と、画面表示部2308と、判定情報記憶部2310と、判定情報登録部2312と、印刷履歴情報記憶部2314とを含んで構成される。
【0092】
ネットワーク通信部2210は、クライアントPC2012,2014,2016および画像処理装置2020との間でネットワーク2030を介したデータ通信を行う手段である。ネットワーク通信部2210は、クライアントPC2012,2014,2016から印刷すべき画像データおよび印刷条件や印刷属性等の印刷書誌情報を含む印刷データを受信すると、印刷制御部2304に渡す。また、ネットワーク通信部2210は、印刷制御部2304から印刷データを受信すると、当該印刷データを画像処理装置2020に送信する。
【0093】
印刷制御部2304は、サーバ装置2010が実行する印刷処理の全体制御を行う機能手段である。印刷制御部2304は、サーバ装置2010に実装される各機能手段を適宜使用して、印刷データに含まれる印刷条件の適否を判断し、印刷条件確認画面や印刷条件設定画面、印刷条件判定情報の設定画面、重み付け設定画面等のUI画面を画像処理装置2020の表示部に表示し、必要に応じて印刷条件を変更した印刷データを画像処理装置2020に送信して印刷処理を実行させる。
【0094】
画面表示部2308は、ネットワーク2030を介して画像処理装置2020に各種UI画面を構成する情報を送信してその表示部に当該UI画面を表示させる。画像処理装置2020は、ユーザが当該UI画面を使用して発行した指示内容を、ネットワーク2030を介してサーバ装置2010に送信し、サーバ装置2010は、指示内容に応じて処理を実行する。
【0095】
本実施形態では、サーバ装置2010は、画像処理装置2020の表示部に各種UI画面を表示させるが、他の実施形態では、印刷要求元のクライアントPCにUI画面を表示させてもよい。
【0096】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
100…印刷処理システム、112,114,116…クライアントPC、120…画像処理装置、130…ネットワーク、2000…印刷処理システム、2010…サーバ装置、2012,2014,2016…クライアントPC、2020…画像処理装置、2030…ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2007−241460号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷処理を制御する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、
前記クライアントPCが要求する印刷データの印刷条件の適否を判断する判定情報を記憶する記憶手段と、
前記クライアントPCが実行した印刷処理の印刷履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記判定情報と、前記印刷履歴情報と、前記クライアントPCが要求した印刷データの印刷条件および印刷属性とを使用して、前記印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、前記印刷条件の適否を判断する判定手段と、
前記推奨する印刷条件を前記クライアントPCのユーザに提示する提示手段と、
前記クライアントPCが要求する印刷条件を前記推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行する手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記判定情報は、前記クライアントPCが指定可能な印刷条件による印刷処理の実行頻度である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷処理を実行する手段は、前記判定手段が前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提示手段は、前記判定手段が前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更される可能性がある旨の警告をする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、印刷処理を実行する画像処理装置、または前記クライアントPCから印刷データを受信して前記ネットワーク内の印刷装置に印刷を実行させるサーバ装置である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷処理を制御する情報処理装置が実行する方法であって、前記方法は、前記情報処理装置が、
前記クライアントPCが要求する印刷データの印刷条件の適否を判断する判定情報と、前記クライアントPCが実行した印刷処理の印刷履歴情報と、前記クライアントPCが要求した印刷データの印刷条件および印刷属性とを使用して、前記印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、前記印刷条件の適否を判断するステップと、
前記推奨する印刷条件を前記クライアントPCのユーザに提示するステップと、
前記クライアントPCが要求する印刷条件を前記推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記印刷処理を実行するステップは、前記判断するステップで前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記提示するステップは、前記判断するステップで前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更される可能性がある旨の警告をするステップを含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
情報処理装置に対して、請求項6〜8のいずれか1項に記載のステップを実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載されたプログラムを記録したコンピュータ可読な記録媒体。
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷処理を制御する情報処理装置であって、前記情報処理装置は、
前記クライアントPCが要求する印刷データの印刷条件の適否を判断する判定情報を記憶する記憶手段と、
前記クライアントPCが実行した印刷処理の印刷履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記判定情報と、前記印刷履歴情報と、前記クライアントPCが要求した印刷データの印刷条件および印刷属性とを使用して、前記印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、前記印刷条件の適否を判断する判定手段と、
前記推奨する印刷条件を前記クライアントPCのユーザに提示する提示手段と、
前記クライアントPCが要求する印刷条件を前記推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行する手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記判定情報は、前記クライアントPCが指定可能な印刷条件による印刷処理の実行頻度である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷処理を実行する手段は、前記判定手段が前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提示手段は、前記判定手段が前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更される可能性がある旨の警告をする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、印刷処理を実行する画像処理装置、または前記クライアントPCから印刷データを受信して前記ネットワーク内の印刷装置に印刷を実行させるサーバ装置である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されたクライアントPCが要求する印刷処理を制御する情報処理装置が実行する方法であって、前記方法は、前記情報処理装置が、
前記クライアントPCが要求する印刷データの印刷条件の適否を判断する判定情報と、前記クライアントPCが実行した印刷処理の印刷履歴情報と、前記クライアントPCが要求した印刷データの印刷条件および印刷属性とを使用して、前記印刷条件に対応する推奨する印刷条件を判断して、前記印刷条件の適否を判断するステップと、
前記推奨する印刷条件を前記クライアントPCのユーザに提示するステップと、
前記クライアントPCが要求する印刷条件を前記推奨する印刷条件に選択的に変更して印刷処理を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記印刷処理を実行するステップは、前記判断するステップで前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記提示するステップは、前記判断するステップで前記クライアントPCの要求する印刷条件が不適切であると判定した場合に、前記印刷条件を前記推奨する印刷条件に強制的に変更される可能性がある旨の警告をするステップを含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
情報処理装置に対して、請求項6〜8のいずれか1項に記載のステップを実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載されたプログラムを記録したコンピュータ可読な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−3704(P2013−3704A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132077(P2011−132077)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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