説明

情報処理装置、方法及びプログラム

【課題】4極ステレオミニケーブル11は左右の音声信号線L,R、制御信号線C及びグランド線Gを有する。4極ステレオミニケーブル11による映像信号の伝送を実現する。
【解決手段】ポータブルメモリ録再機器12へ接続ケーブルが接続されると(S31正)、該接続ケーブルが4極か3極かを判定する(S32)。線C,G間が非短絡状態であれば、4極ステレオミニケーブル11であると判定し、線Cは制御信号用に使用されているか否かを判定する(S34)。CDシステム機器10が制御信号対応機である場合、制御信号をポータブルメモリ録再機器12へ送信することがあり得るとともに、C線は所定の電圧以上(例:+5V以上)に維持される。C線が所定の電圧未満(例:+5V未満)であれば、線Cが制御信号用に使用しないと判断して、線Cを映像信号用に使用する(S36)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型録再機(プレーヤ・レコーダ)などの情報処理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型録再機などのポータブル機器をホームオーディオやカーオーディオなどの据え置き機器へ接続して、ポータブル機器の楽曲の左右チャネルの音声信号をポータブル機器から据え置き機器へ伝送するためには、L(左音声信号)、R(右音声信号)及びGND(グランド)の3極の接続線が必要となり、周知の3極ステレオケーブルが使用されている。さらに、周知の4極ステレオケーブルは、3極ステレオケーブルの接続線の他にC(制御信号)の接続線が追加されている。ポータブル機器を4極ステレオケーブルにより据え置き機器へ接続した場合には、Cの接続線を介して据え置き機器からポータブル機器への各種の制御信号を伝送することができるようになっている。
【0003】
特許文献1は、ポータブルHDD録再機器をCDシステム機器へ4極ステレオケーブルにより接続して、制御信号をCDシステム機器からポータブルHDDへ送ることにより、ポータブルHDD録再機器の楽曲の再生音をCDシステム機器のスピーカから出力させたり、CDシステム機器のCDの楽曲をポータブルHDD録再機器の記憶装置に記録したりすることを開示する(特許文献1の段落0003、0033、0035及び0042)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−179637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯型録再機には、音声だけでなく、動画や静止画などの映像の再生及び出力機能を持つものがある。そのような携帯型録再機の場合、据え置き機器とポータブル機器との間で映像信号を送受するためには、接続ケーブルが映像信号用の接続線を装備する必要があるが、従来の3極及び4極のステレオケーブルは、映像信号用の接続線を装備しておらず、さらに1極、追加する必要がある。
【0006】
特許文献1は、ポータブルHDD録再機器を1本の4極ステレオケーブルによりCDシステム機器へ接続し、接続線Lが、接続線Cを介するCDシステム機器からポータブルHDD録再機器への記録要求の制御信号に対して、所定時間だけポータブルHDD録再機器からCDシステム機器へのポータブルHDD録再機器の了解の信号を伝送するのに使用され、該信号伝送後は接続線Lを本来の左音声信号の伝送用に戻すことを開示するものの(特許文献1の図3)、映像信号の追加に4極ステレオケーブルを具体的にどのように対処させるかについては言及していない。
【0007】
本発明の目的は、伝送路の数を増大することなく、複数種類の信号の伝送を可能にすることができる情報処理装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、左チャネルの音声信号用の伝送路と右チャネルの音声信号用の伝送路と制御信号の伝送路とを有し相手機へ接続される接続ケーブルに対し、その制御信号の伝送路が第1の信号の伝送に使用していないと判断されるならば、該伝送路を第2の信号の伝送用に割当てる。
【0009】
本発明の情報処理装置は次のものを備える。
左チャネルの音声信号用の伝送路と右チャネルの音声信号用の伝送路と制御信号の伝送路とを有し相手機へ接続される接続ケーブルにおける前記制御信号の伝送路について、それが第1の信号の伝送に使用しているか否かを判定する使用判定手段、及び
前記使用判定手段の判定が否である場合には、前記所定の伝送路を前記第1の信号とは別の第2の信号の伝送用に割当てる割当て手段。
【0010】
本発明の情報処理方法は次のステップを備える。
左チャネルの音声信号用の伝送路と右チャネルの音声信号用の伝送路と制御信号の伝送路とを有し相手機へ接続される接続ケーブルにおける前記制御信号の伝送路について、それが第1の信号の伝送に使用しているか否かを判定する使用判定ステップ、及び
前記使用判定ステップの判定が否である場合には、前記所定の伝送路を前記第1の信号とは別の第2の信号の伝送用に割当てる割当てステップ。
【0011】
本発明のプログラムは、情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、伝送路の数を増大することなく、複数種類の信号の伝送を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】CDシステム機器にポータブルメモリ録再機器を接続するときの状況説明図である。
【図2】4極ステレオミニケーブルの各接続線と共にCDシステム機器のブロック構成を示す図である。
【図3】信号割当て方法のフローチャートである。
【図4】重畳割当て方法のフローチャートである。
【図5】情報処理装置のブロック図である。
【図6】情報処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1はCDシステム機器10にポータブルメモリ録再機器12を接続するときの状況説明図である。CDシステム機器10は、家庭に置かれる据え置き型又はポータブル型や、車載機である。ポータブルメモリ録再機器12は、録画及び映像再生機能付きDAP(Digital Audio Player)等、衣服のポケットや鞄に収納できるサイズ及び重量のものである。ユーザは、例えばポータブルメモリ録再機器12のコンテンツをCDシステム機器10から出力したい場合には、4極ステレオミニケーブル11の両端のミニプラグをCDシステム機器10及びポータブルメモリ録再機器12のミニプラグ端子を差し込む。
【0015】
図2は4極ステレオミニケーブル11の各接続線と共にCDシステム機器10のブロック構成を示している。4極ステレオミニケーブル11は接続線L,R,G,Cを有している。接続線L,R,G,Cは、それぞれ音声L(左)の信号線、音声R(右)の信号線、グランド線及び制御線となっている。Cは、後述するように制御信号と映像信号とに共用される。
【0016】
マイコン14は、4極ステレオミニケーブル11の線Cを介してCDシステム機器10から受信した制御信号の有無及び/又は線Cの印加電圧に基づき、スイッチ13及びDSP(Digital Signal Processor)17へ所定の制御信号を送る。スイッチ13は、マイコン14からの制御により線L,R,CをA/D(アナログ/デジタル変換器)15又はD/A(デジタル/アナログ変換器)16へ接続する。
【0017】
スイッチ13が線L,R,CをA/D15へ接続するのは、CDシステム機器10におけるメディアのコンテンツをポータブルメモリ録再機器12において記録する時であり、スイッチ13が線L,R,CをD/A16へ接続するのは、ポータブルメモリ録再機器12の保有コンテンツをCDシステム機器10において出力する時である。また、スイッチ13が線CをA/D15又はD/A16へ接続するのは、後述するように、線Cを、制御信号ではなく、映像信号の伝送に使用する時である。線Cを制御信号用に使用する時は、スイッチ13は線Cをマイコン14へ接続する。
【0018】
A/D15は、スイッチ13からの各アナログ信号をデジタル信号へ変換して、DSP17へ送る。D/A16は、DSP17からの各デジタル信号をアナログ信号へ変換して、スイッチ13へ送る。
【0019】
DSP17は、A/D15からのデジタル信号を所定のフォーマットのデジタルデータへ符号化し、不揮発性メモリ(例:ハードディスク装置やフラッシュメモリ)18に記録する。コンテンツの音声や映像は、不揮発性メモリ18においてMP3、WMA及びMPEG等の圧縮ファイル形式で記憶される。DSP17は、マイコン14から再生指示のあった楽曲等のコンテンツのデータを不揮発性メモリ18から読出し、それを復号してから、D/A16へ送る。
【0020】
ポータブルメモリ録再機器12の保有コンテンツをポータブルメモリ録再機器12において再生する場合には、コンテンツの左右チャネルのデジタル音声信号がDSP17から音声出力インターフェース20へ送られる。音声出力インターフェース20は、DSP17からのデジタル音声信号をアナログ音声信号へ変換するとともに、該アナログ音声信号を所定のレベルへ変換してから、左右のイヤホン21へ出力する。左右のイヤホン21は音声出力インターフェース20からの音声信号を左右の音声に変換して、出力する。
一方、コンテンツの映像信号は、DSP17からカラー液晶装置などの表示器22へ送られて、表示器22において再生映像が出力される。表示器22は、また、マイコン14からの表示データに基づき各種の情報画面を表示する。
【0021】
図3は信号割当て方法30のフローチャートである。信号割当て方法30はポータブルメモリ録再機器12において実施される。S31では、ポータブルメモリ録再機器12のミニプラグ端子にCDシステム機器10との接続ケーブルのプラグが接続されたか否かを判定し、判定が否である間は、S31を所定の時間間隔で繰り返し実行し、判定が正になりしだい、S32へ進む。ポータブルメモリ録再機器12のミニプラグ端子にケーブルのプラグが接続されたか否かは、例えば、ポータブルメモリ録再機器12への端子孔へのプラグの差込みにより作動するリミットスイッチを配備し、該スイッチの出力から判定することができる。
【0022】
S32では、接続されたプラグは4極ミニステレオケーブルのプラグが否かを判定し、判定が正であれば、S34へ進み、否であれば、S33へ進む。ユーザがポータブルメモリ録再機器12をCDシステム機器10へ接続する際に使用するケーブルには、3極ミニステレオケーブルと4極ミニステレオケーブルとの2種類がある。3極ミニステレオケーブルは、L(左音声),R(右音声),G(グランド)の3つの接続線を有し、4極ミニステレオケーブルは、さらに、C(制御)の接続線が追加されている。接続されたプラグが3極ミニステレオケーブルのものか、それとも4極ミニステレオケーブルのものかは、ポータブルメモリ録再機器12におけるG端子−C端子間が短絡状態になっているかいないかにより検出することができる。接続されたプラグが3極ミニステレオケーブルのものである場合には、G端子−C端子間は短絡状態になっている。
【0023】
S33では、ポータブルメモリ録再機器12はCDシステム機器10との間での接続線Cを介する制御信号や映像信号の送受信は行わないことにする。なお、制御信号や映像信号の送受信を行わない場合には、ミニステレオケーブルが4極であって、接続線Cは存在するものの、接続線Cを介する制御信号や映像信号の送受信を行わない場合だけでなく、ミニステレオケーブルが3極であって、接続線Cが存在しないので、接続線Cを介する制御信号や映像信号の送受信をできない場合も含まれる。
【0024】
こうして、CDシステム機器10−ポータブルメモリ録再機器12間では、接続線L,Rを介する左右の音声信号は送受信は行われるものの、映像信号の送受信は行われない。なお、左右の音声信号は、4極ステレオミニケーブル11においてCDシステム機器10からポータブルメモリ録再機器12へ伝送される場合と、ポータブルメモリ録再機器12からCDシステム機器10へ伝送される場合とが含まれる。前者は、例えばCDシステム機器10のメディア(例:CD)のコンテンツ(例:楽曲)をポータブルメモリ録再機器12の不揮発メモリ18に記録する時に起こり、後者は、例えば、ポータブルメモリ録再機器12の不揮発メモリ18に記録済みとなっているコンテンツをCDシステム機器10のスピーカから出力する時に起きる。また、接続線Cを介する制御信号の送受信を行わないので、ユーザは、前者及び後者の場合共に、CDシステム機器10及びポータブルメモリ録再機器12の両方の操作部においてユーザ操作を行う必要がある。
【0025】
S34では、接続線Cは制御信号用に使用予定となっているか否かを判定し、判定が正であれば、S35へ進み、否であれば、S36へ進む。CDシステム機器10には、接続線Cを介してポータブルメモリ録再機器12へ制御信号を送って、ポータブルメモリ録再機器12にその楽曲の音声信号をCDシステム機器10へ伝送させることができる制御信号対応機と非対応機とがある。CDシステム機器10が非対応機である場合には、CDシステム機器10は、4極ミニステレオケーブル11を介してポータブルメモリ録再機器12へ接続されても、ポータブルメモリ録再機器12へ制御信号を送ることができない。CDシステム機器10が対応機であるか非対応機であるか、すなわち接続線Cは制御信号用に使用予定となっているか否かは、ポータブルメモリ録再機器12は、接続線Cのプラグ端子の電圧が所定値(例:5V)以上であるか否かを調べることにより判断することができる。CDシステム機器10が対応機である場合には、ポータブルメモリ録再機器12におけるC端子の電圧は該所定値以上になっている。
【0026】
なお、ユーザはポータブルメモリ録再機器12において4極ミニステレオケーブルの接続線Cをどのように扱うかをユーザ設定することができる。このユーザ設定には、(a1)接続線Cを常時、制御信号用にする設定、(a2)ポータブルメモリ録再機器12が接続線Cにおける、CDシステム機器10からの制御信号の有無を調べ、制御信号有りの場合には接続線Cを制御信号用にし、制御信号無しの場合には接続線Cを映像信号用にする設定、及び(a3)接続線Cを常時、映像信号用にする設定が含まれる。S34は、これらユーザ設定を踏まえて、行われる。すなわち、(a1)及び(a3)の場合のS34の判定は、それぞれ正及び否となる。また、(a2)の場合のポータブルメモリ録再機器12による接続線Cにおける、CDシステム機器10からの制御信号の有無は、例えば、ポータブルメモリ録再機器12の電源投入時及びポータブルメモリ録再機器12への4極ステレオミニケーブル11の接続時(接続時には再接続時も含む。)に検査され、次の検査時まで検査結果に基づくS34の判定結果を維持する。すなわち、次のS35,S36の設定を維持する。
【0027】
S35では、4極ミニステレオケーブル11の接続線Cを制御信号送受信用に使用する。これにより、例えば、ポータブルメモリ録再機器12の楽曲をCDシステム機器10のスピーカから出力する場合、CDシステム機器10の操作部におけるユーザ操作(例:再生指示)に対応する制御信号がCDシステム機器10からポータブルメモリ録再機器12へ接続線Cを介して伝送され、ポータブルメモリ録再機器12は、この制御信号に基づき該当の楽曲のデータを不揮発メモリ18から読み出して、該楽曲の左右の再生音声信号を接続線L,Rを介してCDシステム機器10へ送信する。
【0028】
S36では、4極ミニステレオケーブル11の接続線Cを映像信号送受信用に使用する。これにより、例えば、ポータブルメモリ録再機器12の不揮発メモリ18に記憶されているAV(Audio Visual)コンテンツをCDシステム機器10の表示器及びスピーカにおいて再生する場合には、該コンテンツの左右の音声及び映像の信号がポータブルメモリ録再機器12からCDシステム機器10へそれぞれ接続線L,R,Cを介して伝送され、該音声及び映像がCDシステム機器10の表示器及びスピーカから出力される。
【0029】
図4は重畳割当て方法40のフローチャートである。重畳割当て方法40はポータブルメモリ録再機器12において実施される。重畳割当て方法40において、信号割当て方法30のステップと同一のステップは、信号割当て方法30の対応ステップに付けたステップ番号と同一のステップ番号を付けて、説明は省略し、相違点に付いて説明する。重畳割当て方法40は、信号割当て方法30のS34,S35をS41,S42に置き換えただけである。信号割当て方法30との相違点のみを説明する。
【0030】
S41では、接続線Cを制御信号と映像信号との重畳用に使用するか否かを判定し、判定が正であれば、S42へ進み、否であれば、S36へ進む。
【0031】
S42では、接続線Cを、映像信号及び制御信号の重畳用に使用する。映像信号及び制御信号の重畳は、(b1)接続線Cを介してCDシステム機器10からポータブルメモリ録再機器12へ伝送する映像信号及び制御信号の重畳と、(b2)接続線Cを介してポータブルメモリ録再機器12からCDシステム機器10へ伝送する映像信号及び制御信号の重畳とがある。(b1)は、例えばCDシステム機器10のコンテンツをポータブルメモリ録再機器12の不揮発メモリ18に記録する時に行われ、(b2)は、例えばポータブルメモリ録再機器12のコンテンツをCDシステム機器10から出力する場合である。(b1)の場合の重畳処理はCDシステム機器10が実施し、(b1)の場合の重畳処理はポータブルメモリ録再機器12が実施する。
【0032】
重畳の具体的な仕方は時分割方式と周波数分割方式である。時分割方式の重畳では、制御信号を映像信号より優先させ、映像信号を伝送中に制御信号を伝送する必要が生じた場合には、映像信号の伝送を中断して、制御信号を伝送する。なお、制御信号及び映像信号は、前述(b1)及び(b2)のように、伝送方向が同一である場合のみであるので、送信側の機器が、制御信号及び映像信号のどちらを送信するかを決めて、切替タイミングを制御する。周波数分割方式の重畳を採用する場合には、制御信号の周波数を映像信号の周波数帯域外に設定する。
【0033】
図5は情報処理装置50のブロック図である。情報処理装置50の具体例はポータブルメモリ録再機器12である。情報処理装置50は、記録機能のない再生専用機であってもよい。第2の信号としての映像信号を再生専用機から相手機のシステム機器へ伝送することがあるからである。情報処理装置50は、また、コンテンツ録再機又はコンテンツ再生機以外の情報処理機であってもよい。情報処理装置50は、さらに、ポータブル型でなくてもよい。なお、CDシステム機器10が情報処理装置50の具体例であってもよいとする。情報処理装置50は使用判定手段51及び割当て手段52を備える。
【0034】
使用判定手段51は、相手機へ接続された1本の接続ケーブルに含まれている所定の伝送路について、それが第1の信号の伝送に使用しているか否かを判定する。割当て手段52は、使用判定手段51の判定が否である場合には、所定の伝送路を第2の信号の伝送用に割当てる。
【0035】
典型的には、第1及び第2の信号はそれぞれ制御信号及び映像信号である。典型的には、第1の信号は、所定の伝送路が本来伝送する信号に設定されているものである。所定の伝送路が4極ステレオケーブルの接続線Cである場合、該所定の伝送路が本来伝送する信号とは相手機から自機への制御信号となる。該4極ステレオケーブルは、制御信号の伝送路の他に、左チャネルの音声信号用の伝送路及び右チャネルの音声信号用の伝送路を含む。
【0036】
こうして、情報処理装置50では、1本の接続ケーブル内の所定の伝送路を第1及び第2の信号伝送に共用することができる。結果、第2の信号の伝送を確保するために、伝送路を1個追加することを省略することができる。
【0037】
使用判定手段51の判定は、典型的には、情報処理装置50の電源がオンになった時、又は情報処理装置50が接続ケーブルにより相手機へ接続された時(再接続された時も含む。)、行われ、その判定結果に基づく割当て手段52の割当ては、使用判定手段51における次の判定が行われるまで、維持する。
【0038】
使用判定手段51は、例えば、所定の伝送路の印加電圧に基づき判定を行う。情報処理装置50の具体例としてのポータブルメモリ録再機器12では、相手機が第1の信号としての制御信号の伝送対応機である場合、接続線Cが、制御信号の伝送中であるか否かに関係なく、所定の電圧(例:約5V)が印加される。
【0039】
使用判定手段51は、例えば、所定の伝送路における制御信号の検出に基づき判定を行う。なお、情報処理装置50及びその相手機の具体例がそれぞれポータブルメモリ録再機器12及びCDシステム機器10であり、かつ第1及び第2の信号の具体例がそれぞれCDシステム機器10からポータブルメモリ録再機器12への制御信号及びポータブルメモリ録再機器12からCDシステム機器10への映像信号である場合、ポータブルメモリ録再機器12は、CDシステム機器10への映像信号の非伝送期間に(この期間はポータブルメモリ録再機器12が決めることができる。)、接続線Cにおける制御信号の検出を行うものとする。
【0040】
情報処理装置50はさらに信号伝送手段53を備えることができる。信号伝送手段53は、割当て手段52が、所定の伝送路を第2の信号の伝送に割当てる場合には、第1の信号を第2の信号に重畳して伝送する。この場合、第1及び第2の信号の伝送方向は共に情報処理装置50から相手機への伝送方向とする。伝送方向が相互に逆であれば、両信号を情報処理装置50が重畳できないからである。
【0041】
図6は情報処理方法60のフローチャートである。情報処理方法60は情報処理装置50に適用される。S61では、相手機へ接続された1本の接続ケーブルに含まれている所定の伝送路について、それが第1の信号の伝送に使用しているか否かを判定し、判定が正であれば、情報処理方法60を終了し、否であれは、S62へ進む。S62では、所定の伝送路を第1の信号とは別の第2の信号の伝送用に割当てる。
【0042】
S61,S62の処理は、情報処理装置50(図5)の使用判定手段51及び割当て手段52の機能にそれぞれ対応している。したがって、使用判定手段51及び割当て手段52の機能について述べた具体的態様はS61,S62の処理についての具体的態様としても適用可能である。情報処理方法60では、また、情報処理装置50の信号伝送手段53の機能に対応する処理を実行するステップを適宜、追加可能である。信号伝送手段53に対応する追加ステップはS62の後に挿入する。信号伝送手段53の機能について述べた具体的態様は信号伝送手段53に対応する追加ステップの処理についての具体的態様としても適用可能である。
【0043】
本発明を適用したプログラムは、コンピュータを情報処理装置50の各手段として機能させる。本発明を適用した別のプログラムは、情報処理方法60の各ステップをコンピュータに実行させる。
【0044】
本明細書は様々な範囲及びレベルの発明を開示している。それら発明は、本明細書で説明した様々な技術的範囲及び具体的レベルの各装置及び各方法だけでなく、拡張ないし一般化の範囲で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を拡張ないし一般化の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
【符号の説明】
【0045】
50:情報処理装置、51:使用判定手段、52:割当て手段、53:信号伝送手段、60:情報処理方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左チャネルの音声信号用の伝送路と右チャネルの音声信号用の伝送路と制御信号の伝送路とを有し相手機へ接続される接続ケーブルにおける前記制御信号の伝送路について、それが第1の信号の伝送に使用しているか否かを判定する使用判定手段、及び
前記使用判定手段の判定が否である場合には、前記所定の伝送路を前記第1の信号とは別の第2の信号の伝送用に割当てる割当て手段、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記使用判定手段は、前記所定の伝送路の印加電圧に基づき判定を行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記使用判定手段は、前記所定の伝送路における制御信号の検出に基づき判定を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記割当て手段が、前記所定の伝送路を第2の信号の伝送に割当てる場合には、第1の信号を第2の信号に重畳して伝送する信号伝送手段、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第1及び第2の信号はそれぞれ制御信号及び映像信号であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記接続ケーブルは4極ステレオケーブルを用いることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
左チャネルの音声信号用の伝送路と右チャネルの音声信号用の伝送路と制御信号の伝送路とを有し相手機へ接続される接続ケーブルにおける前記制御信号の伝送路について、それが第1の信号の伝送に使用しているか否かを判定する使用判定ステップ、及び
前記使用判定ステップの判定が否である場合には、前記所定の伝送路を前記第1の信号とは別の第2の信号の伝送用に割当てる割当てステップ、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−288050(P2010−288050A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139981(P2009−139981)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】