情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】 多数のオブジェクトを表示画面上で取り扱う際のユーザ利便性の低下を防止すること。
【解決手段】 本発明の情報処理装置100上には、複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェア120が動作する。情報処理装置100は、オブジェクト間の類似性および表示画面上での距離を評価する評価値を演算する演算部140と、表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを契機として、操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして抽出する抽出部142と、注目オブジェクトおよび関連オブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、視覚的に関連付けて、表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する表示制御部144とを含む。
【解決手段】 本発明の情報処理装置100上には、複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェア120が動作する。情報処理装置100は、オブジェクト間の類似性および表示画面上での距離を評価する評価値を演算する演算部140と、表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを契機として、操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして抽出する抽出部142と、注目オブジェクトおよび関連オブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、視覚的に関連付けて、表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する表示制御部144とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(以下、GUIと参照する。)に関し、より詳細には、多数のオブジェクトを表示画面上で取り扱う際のユーザ利便性の低下を防止することができる情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の多くのパーソナル・コンピュータは、直感的な操作が可能なウィンドウ・システムを採用している。ウィンドウ・システムでは、ユーザは、デスクトップ上に複数のウィンドウを維持しながら、マウスやキーボードなどの入力装置を使用してウィンドウを切り替えて、並列に作業を行うことができる。
【0003】
また、ウィンドウ管理を簡略化するために、MDI(Multi Document Interface)方式ないしTDI(Tabbed Document Interface)方式でアプリケーションが実装されることもある。これらの方式のアプリケーションでは、ひとつの親ウィンドウの下で複数の子ウィンドウが集約して管理されるので、多数のウィンドウでデスクトップが溢れかえってしまうことを回避することができる。
【0004】
しかしながら、MDI方式ないしTDI方式を採用しても、同一アプリケーションの子ウィンドウが集約されるという利点があるものの、アプリケーション画面において子ウィンドウを切り替えるタブなどを配置可能なエリアが制限されるため、以下述べるようにユーザ利便性が低下する可能性がある。
【0005】
すなわち、同一アプリケーションにおいて多数の子ウィンドウが開かれてしまうと、上記制限されたエリア内にタブなどのオブジェクトが密集してしまい、オブジェクト各々に割り当てることができるエリアが狭くなる。このため、タイトルなどの表示テキストを充分に表示できず、オブジェクトのラベルが同一テキストとなり、ユーザが容易に区別をつけられなくなる可能性がある。
【0006】
また、上記アプリケーション内の子ウィンドウ切替のためのユーザ・インタフェースの他にも、タスクバーやタスクスイッチャなどアプリケーション間のウィンドウ切替のためのユーザ・インタフェースについても同様の問題がある。例えば、Windows(登録商標)のタスクスイッチ機能では、ウィンドウないし子ウィンドウ(以下、これらをまとめて単にウィンドウということもある。)を表すアイコンが並べられて提示されるが、この場合、同一アプリケーションのアイコンが同じ外観となるため、区別がつかなくなる。
【0007】
上述したようにオブジェクトが外観上同一ないし類似しているためその内容を一見して把握できない場合には、ツールチップやホバーヘルプを利用して、オブジェクトの内容を把握することもできる。ツールチップは、オブジェクトをマウスでポイントすることによって、当該オブジェクトに対して準備されている説明をポップアップ表示させる機能である。
【0008】
しかしながら、ツールチップ等を用いる場合、オブジェクト毎にマウスでポイントして、ポップアップ表示を確認する作業を何度も繰り返さなければ、所望のウィンドウに対応するオブジェクトに辿り着くことができず、ユーザにとって煩雑である。また、すべてのオブジェクトのツールチップを表示させる手法も採用し得るが、ツールチップを無秩序に表示させると、反対に表示画面が混雑してしまうため、オブジェクトの内容を一見して把握する助けとはならない。
【0009】
特開2007−58272号公報(特許文献1)は、現在表示されているアイコンについて素早く簡単にアクセスすることを目的としたアイコン説明表示装置を開示する。特許文献1の装置は、アイコンごとに、アイコンの名称、アイコンの画像、アイコンの説明およびアイコンが表示される画面のリストを保持するアイコン情報ファイルを備える。そして、アイコン説明表示装置は、アイコンを画面に表示するとともに、表示される画面が更新されるたびに、アイコン情報ファイルを参照して、この更新された画面に表示されたアイコンのアクチュアルアイコンリストを生成し、一方で、入力制御部を監視し、アイコン説明指示表示がなされたときに、アクチュアルアイコンリストにより、現在画面に表示されているアイコンの説明一覧を表示させる。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1は、現在画面に表示されているアイコンの説明一覧を表示させるというものであり、多数のアイコンが表示されている場合、上記説明一覧も増大し、表示画面が混雑してしまうため、アイコンの内容を一見して把握する助けとはならない。
【0011】
その他、Windows(登録商標)Aero(非特許文献1)は、タスクバー・ボタンがポイントされたことに応答してウィンドウの縮小表示サイズのプレビューを表示するタスクバー・プレビュー機能や、ウィンドウのリアルタイムプレビューを表示するタスクスイッチ機能を提供する。
【0012】
しかしながら、上記タスクバー・プレビュー機能は、ツールチップのテキストに代替してウィンドウの縮小プレビューを表示するというツールチップの拡張に過ぎずない。したがって、多数のウィンドウが開かれている場合には、タスクバー・ボタン毎にマウスでポイントしてプレビューを確認しなければ所望のボタンに辿り着くことができないことに変わりはない。当該タスクスイッチ機能では、プレビューを有効に表示するためには広いエリアが必要とされるため、そもそも多数のウィンドウが開かれる場合に対応するものではなく、仮に多数のプレビューが並べられると、小さなプレビューでは似たような外観となり区別がつかない可能性が高くなる。
【0013】
またMac(登録商標)OS X Lion Mission Control(非特許文献2)は、開いているすべてのアプリケーションを俯瞰することができる機能を提供するべく、ユーザーアクションにより、開いているウィンドウをアプリケーション毎にグループ化し、サムネイルなどとしてまとめて表示することができる機能を提供する。
【0014】
しかしながら、上記非特許文献2の技術は、同一アプリケーションのウィンドウをグループ化して表示しているに過ぎず、プレビューを有効に表示するためには広いエリアが必要とされるため、そもそも多数のウィンドウが開かれる場合に対応するものではなく、仮に多数のプレビューが並べられると、小さなプレビューでは似たような外観となり区別がつかない可能性が高くなる。
【0015】
したがって、ウィンドウを切り替える際に、単に現在開いているすべてのウィンドウの内容を取得して一律に提示するのではなく、ユーザの関心のある表示画面上のオブジェクトを特定し、その注目しているオブジェクトを中心として、関連性が高いと評価される一定範囲のオブジェクトについて、対応するウィンドウの説明やプレビューを提示することができると、ユーザ利便性を向上させられるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2007−58272号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】”Aero デスクトップ エクスペリエンスとは”、[online][2010年12月13日検索]、インターネット<URL; http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows7/What-is-the-Aero-desktop-experience>
【非特許文献2】”Mac OSX Lionの告知”、[online]、[2010年12月13日検索]、インターネット<URL; http://www.apple.com/jp/macosx/lion/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、表示画面上に配置される多数のオブジェクトのうちから、ユーザの関心があると評価されるオブジェクトを抽出し、該オブジェクトに関する情報を提示することで、ユーザが望む情報を効率的に提示することを可能とし、ひいては多数のオブジェクトが表示画面に配置されてしまうことに起因したユーザ利便性の低下を好適に防止することが可能な、情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために、以下の特徴を有する情報処理装置を提供する。本情報処理装置は、その上で動作するソフトウェアがユーザ・インタフェースとして提供する表示画面について、まず表示画面上に配置されるタブやアイコンなどの複数のオブジェクトについて、オブジェクト間の類似性および上記表示画面上での距離を評価する評価値を演算する。そして、本情報処理装置は、上記表示画面に関する入力装置を介した特定の操作イベント、例えば特定のオブジェクトに対する操作イベントが行われると、当該操作イベントを契機として、そのイベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする上記評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを抽出し、これらのオブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、直接的にまたは間接的に視覚的に関連付けて、上記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する。なお、上記抽出条件は、ユーザが直接関心ある注目オブジェクトに関連し、ユーザに候補として提示する必要性が高い関連オブジェクトを抽出するための条件をいう。
【発明の効果】
【0020】
上記構成により、一般に広さが制限される表示エリア内に多数のオブジェクトが密集し、オブジェクトの外観が同一または類似し、外観上区別し難くなっても、ユーザが見当をつけて操作イベントを起こしたオブジェクトを中心として関連すると評価される一群のオブジェクトが抽出され、これらオブジェクトに関する情報がユーザに対して提示される。このため、ユーザは、目的のオブジェクトを効率的に発見することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置の機能ブロックを示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図3】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置の記憶装置に保存されるタブ・データのデータ構造を例示する図。
【図4】本発明の第1の実施形態において評価演算部が演算する評価値のデータ構造を例示する図。
【図5】本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置が実行する切替支援処理を示すフローチャート(1/2)。
【図6】本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置が実行する切替支援処理を示すフローチャート(2/2)。
【図7】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図8】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図9】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図10】本発明の第2の実施形態によるコンピュータ装置の機能ブロックを示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるタスクスイッチ画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0023】
〔第1の実施形態〕
以下、図1〜図9を参照しながら、本発明の第1の実施形態による情報処理装置について説明する。なお、以下に説明する第1の実施形態では、複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置の一例として、タブブラウザが動作するコンピュータ装置について説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置100の機能ブロックを示す。コンピュータ装置100は、特に限定されるものではないが、概ねパーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)、モバイル端末などとして構成される。コンピュータ装置100は、CPU、RAMのほか、マウスやキーボードやタッチパネルなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置などを備え、Windows(登録)、Linux(登録商標)、Mac(登録商標)OS X、などGUIベースのオペレーティング・システムの制御下で動作している。
【0025】
図1に示すコンピュータ装置100の機能ブロックは、入力装置を介した操作イベントを検出するイベント検出部110と、上記タブブラウザ機能が実装されるアプリケーション120とを含む。アプリケーション120は、特に限定されるものではなく、本実施形態で説明するタブブラウザの他、他の実施形態では、文書作成アプリケーション、表計算アプリケーション、データベース・アプリケーション、プレゼンテーション・アプリケーション、統合開発環境などの如何なるアプリケーションを採用することができる。
【0026】
本実施形態のアプリケーション120は、図2に例示されるようなアプリケーション・ウィンドウ200を提供し、コンピュータ装置100の操作者に対しGUIベースの作業環境を提供する。図2は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する。図2に示すウィンドウ200は、タブにより表示内容を切り替えることができるタブ付きビュー202を有し、ウィンドウ200上において1コンテンツ1タブ単位での複数表示を可能としている。タブ付きビュー202に表示されるコンテンツは、特に限定されるものではないが、例えば、Webページ、電子メール、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、メモ、アドレス帳など如何なるコンテンツを挙げることができる。本実施形態において、アプリケーション・ウィンドウ200が表示画面を構成し、ウィンドウ上に配置されるタブ204,206がオブジェクトを構成する。
【0027】
タブ付きビュー202のタブとコンテンツとは、対応付けがなされており、タブを選択することにより、選択されたタブに対応するコンテンツがビューエリア202a内に表示される。図2中のタブ204は、現在選択中のアクティブ・タブ204であり、当該アクティブ・タブ204に対応するコンテンツがビューエリア202a内に表示されている。一方、他のタブ206(なお、図2中では、代表してタブ206a,206bを示す。)は、選択されていない非アクティブ・タブであり、当該非アクティブ・タブ206に対応するコンテンツは表示されていない。
【0028】
タブ204,206が配列されるバーにおける右端に配置されているボタン208は、表示エリア上の制限から表示が省略された1以上のタブを代表するボタンである。当該ボタン208がクリックされると、省略されたタブに対応するコンテンツを表す項目が選択可能にポップアップ表示で展開される。なお、本実施形態では、ボタン208をクリックすることにより、省略されたタブに対応する項目が展開されるものとして説明するが、特に限定されるものではない。他の実施形態では、タブ204,206のバー両端にスクロールボタンを設けて、スクロールボタンでタブの表示範囲をシフトさせる構成としてもよい。
【0029】
再び図1を参照すると、アプリケーション120は、図2に示すウィンドウ200のタブ付きビュー202の動作を制御するビュー制御部130を備える。ビュー制御部130は、より詳細には、切替部132と、タブ・データ134とを含んで構成される。タブ・データ134は、上記タブ付きビュー202における各タブを管理するためのデータであり、各タブのラベルの表示テキスト、表示アイコン、ツールチップ・テキスト、詳細データ、その他適宜コンテンツ実体へのポインタなどタブに関連する情報を記録している。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100の記憶装置に保存されるタブ・データ134のデータ構造を例示する。図3に示すように、レコードはタブ毎に作成される。各レコードは、特に限定されるものではないが、タブを識別する番号と、タブのラベルに表示される表示テキストと、タブの表示アイコンと、タブに対して用意されるツールチップ・テキストと、詳細データとから構成される。
【0031】
上記タブの表示テキストは、当該タブに対応するコンテンツのタイトルなどを表すものであるが、タブのサイズ上の制限から、通常は、表示可能な文字数以降のテキストは省略される。タブの表示アイコンは、当該タブに対応するコンテンツの種類を表すアイコン(図3中では、表示アイコン欄にアイコンの名称で示されている。)である。上記ツールチップ・テキストは、タブに対して予め用意されている簡単な説明文であり、上記詳細データは、タブに対応するコンテンツの内容に関する詳細な説明を含む。上記ツールチップ・テキストとしては、例えば、コンテンツのパス、コンテンツに振られたタグ、コンテンツのタイトルを用いることができる。上記詳細データは、例えば、コンテンツの要約文、コンテンツの先頭数行分の文章、あるいはコンテンツのプレビュー画像とすることができる。なお、図3に示すテーブル中、表示テキストが「−」の値となっているものは、図2に示すアプリケーション・ウィンドウ200において表示が省略された省略タブに対応する。
【0032】
再び図1を参照して説明すると、切替部132は、タブによる通常の切り替え動作を制御する機能部である。上記アプリケーション・ウィンドウ200上に配置された非アクティブ・タブ206のいずれかに対し特定の操作(例えばクリック)が行われると、イベント検出部110は、該当する非アクティブ・タブに対する操作イベント(例えばクリック・イベント)を検出し、その旨のメッセージを切替部132へ通知する。切替部132は、当該通知を受けて、タブの直接選択がユーザから指令されたものと判定し、通知された非アクティブ・タブを新たなアクティブ・タブとして、対応するドキュメントの内容をビューエリア202aへ表示させる処理を実行する。
【0033】
また、後述する切替支援機能が有効化されていない場合、上記ウィンドウ200上に配置されたタブ204,206のいずれかに対し他の特定の操作(例えばマウスポインタが重なる)が行われると、イベント検出部110は、当該タブに対する操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)を検出し、切替部132へ通知する。切替部132は、通知を受けて、当該タブのツールチップ・テキストを取得し、ツールチップのポップアップ表示を行う。その他、切替部132は、右クリック操作によるタブに対する終了操作、最新状態への反映の指示、タブの複製の指示など、通常のタブに対して行われる制御を実行する。
【0034】
上述したようにタブの表示テキストは、タブのサイズ上の制限から、一般に全体の文字列のうち表示可能な文字数以降のテキストが省略される。したがって、開かれたコンテンツ数が少ない場合は余り問題とならないが、コンテンツ数が多数にのぼり、上記表示エリア内にタブが密集してしまうと、タイトルなどの表示文字列を充分に表示できず、わずか数文字しか表示されなくなる場合がある。この場合、例えば接頭部が同一のタイトルである場合、タブのラベルがまったく同一文字列となり、ユーザが外観上から区別をつけられなくなる可能性がある。
【0035】
そこで、本実施形態によるビュー制御部130は、さらに、切替支援機能を提供する切替支援部136を含んで構成される。多数のコンテンツが開かれている場合であっても、ユーザは、目的のコンテンツがいずれのタブに対応するのかを正確に把握していなくとも、目的のコンテンツの種類や大凡の位置を把握していると考えられる。本実施形態による切替支援機能は、そのようなユーザの特性を利用して、ユーザが見当をつけてマウスでポイントしたタブを中心として、ユーザの関心があるものとして評価されるタブを抽出し、これらタブに関する情報をユーザに対して提示することによって、ユーザが目的のタブを効率よく選択することができるよう支援する機能である。
【0036】
タブを順に選択したり、タブをマウスで順にポイントしてツールチップ・テキストを確認したりする作業は、開かれているタブがごく少数である場合にはユーザにとって負担にならないと考えられる。このため、本実施形態では、切替支援部136は、タブ数が予め設定された規定数以上となった場合に有効化される。
【0037】
図2に示すアプリケーション・ウィンドウ200上に配置されたタブ204,206のいずれかに対する特定の操作(例えばマウスポインタが重なる)と、イベント検出部110は、切替支援機能が有効化されている場合、当該タブに対する操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)を検出して、切替支援部136は、その旨のメッセージを受け取り、切替支援処理を実行する。
【0038】
本実施形態による切替支援部136は、より詳細には、評価演算部140と、抽出部142と、ポップアップ表示制御部144とを含み構成される。評価演算部140は、タブ間の類似性および幾何学的な距離を評価し、関連性を指標する評価値を演算する。タブ間の関連性の評価値は、上記タブに対する操作イベントに応答して切替支援処理を開始した後に演算することができる。この場合、評価演算部140は、操作イベントが検出されたタブを中心として、他のタブそれぞれとの評価値を演算する。あるいは、タブ付きビュー202におけるタブの状態の変化に応答して予め演算しておくことができる。この場合、評価演算部140は、可能なタブの組み合わせすべてについての評価値を予め演算し、記憶装置に記憶することができる。
【0039】
上記評価値は、特に限定されるものではなく、タブ間の類似性およびウィンドウ200上における幾何学的な距離を総合的に評価する総合評価値とすることもできるし、タブ間の類似性を評価する類似性評価値と、タブ間の配置上の距離を評価する距離評価値とを個別に算出することもできる。さらに、上記類似性評価値は、表示テキストまたは表示アイコン画像の外観上の類似性を評価する個別の評価値、または表示テキストおよび表示アイコン画像の外観上の類似性を総合的に評価する評価値とすることができる。その他、上記類似性評価値には、外観上の類似性の以外にも、タブ・データ中のツールチップや詳細データなど、タブ表示に直接関係のない属性の類似性を加味してもよい。
【0040】
上記表示テキスト、ツールチップや詳細データに含まれるテキストの類似性は、例えば、比較する両タブの表示テキストの編集距離(レーベンシュタイン距離)、表示テキストの文字の一致数または不一致数、形態素解析やNグラム法など自然言語処理に基づく類似度、文字列の特徴量ベクトルに基づく類似度など、情報理論においてテキスト間の類似性および共通性を計測する如何なる尺度を用いて評価することができる。
【0041】
上記表示アイコン画像や、ツールチップや詳細データに含まれるラスタ画像の類似性は、例えば、両タブの画像の色差の総和、画像的特徴量ベクトルに基づく類似度など、画像処理技術において画像間の類似性および共通性を計測する如何なる尺度を用いて評価することができる。上記タブなどのオブジェクト間の幾何学的な距離は、オブジェクト間の座標に基づくピクセル単位の距離、オブジェクトが一次元または二次元に整列される場合には配列の位置に基づく距離として評価することができる。
【0042】
任意のタブxと任意のタブyとの間の総合評価値z(x、y)は、特に限定されるものではないが、例えば下記式(1)または(2)を用いて算出することができる。下記式(1)および(2)中、f(x,y)は、タブxとタブyとの間の類似性評価値を算出する類似性評価関数を表し、g(x,y)は、タブxとタブyとの間の距離評価値を算出する距離評価関数を表す。下記式(1)は、総合評価値が、特定のタブx、yについて、類似性評価関数および距離評価関数の結果の平均値として定義される評価関数を用いて算出されることを表す。一方、下記式(2)は、総合評価値が、特定のタブx、yについて、類似性評価関数および距離評価関数の積として定義される評価関数を用いて算出されることを表す。なお、類似性評価関数および距離評価関数の結合の例として、簡単な和および積について例示したが、重み付け和など、如何なる関数形を採用することができる。
【0043】
【数1】
【0044】
図4は、本発明の第1の実施形態において評価演算部140が演算する評価値のデータ構造を例示する。図4に示す例では、図2に示した左から5番目のタブに対して算出される他のタブとの評価値のデータセットを示す。図4に示す評価値のデータセットは、相手方のタブ毎にレコードが構成され、各レコードは、相手方のタブを識別する番号と、総合評価値と、類似性評価値と、距離評価値とから構成される。
【0045】
図4の例では、類似性評価値は大きいほど類似し、距離評価値は大きいほど近いことを意味し、したがって、総合評価値は大きいほど関連性が大きいことを意味する。また、図4中の総合評価値は、上記式(1)に基づいて算出される値を示し、括弧書において上記式(2)に基づいて算出される値を示している。なお、本実施形態では、表示が省略される省略タブに関しては、距離評価値は、距離が定義できないため算出されておらず、類似性評価値は、表示が省略されているものであることから、実際の表示テキストおよび表示アイコンではなく、仮想的に表示した場合における表示テキストおよび表示アイコンを用いて算出する。また、省略タブの総合評価値を算出するにあたって、上記式(1)または(2)中の省略タブの距離評価値については、最遠(例えば、式(1)では最低値0、式(2)では最低値1)として扱ってもよいし、あるいは類似性評価値と等しいとして取り扱ってもよい。このように省略タブに対しても評価値が演算されているため、省略タブも、後述する抽出部142の処理対象となる。
【0046】
再び図1を参照して説明すると、抽出部142は、上記ウィンドウ200に関する操作イベント、つまりタブに対するマウスオーバー・イベントを契機として、この操作イベントに直接関係するタブ(以下、注目タブという。)を一方とする上記評価値が、予め設定された抽出条件を満たす1以上のタブ(以下、関連タブという。)の抽出を試みる。上記注目タブは、例えば、上記操作イベントが検出されたタブであり、ユーザが関心あるものとして直接検出されたタブである。一方、上記関連タブは、ユーザが直接関心ある注目タブに関連していると評価されるタブであり、ユーザの目的に適う候補となるものである。
【0047】
上記抽出条件は、ユーザが直接関心ある注目タブに関連し、ユーザに候補として提示する必要性が高い関連タブを抽出するための条件であるが、具体的な条件は特に限定されるものではない。上記抽出条件としては、例えば、上記タブ間の類似性および幾何学的な距離を総合的に評価する総合評価値が与えられる場合には、該総合評価値に対するしきい値や、総合評価値順にランク付けした場合の順位の下限値を条件付けることができる。
【0048】
また、類似性評価値、距離評価値、およびツールチップや詳細データなどの類似性を評価する評価値が個別に与えられる場合には、これらの個別の評価値それぞれにしきい値やランク付けした場合の順位の下限値を条件付けてもよい。この場合、抽出部142は、各評価値について段階的に関連タブを抽出することができる。その他、上記抽出条件に、抽出しない例外のタブ、抽出する関連タブの数の上限値など付加的な制約条件を課してもよい。これらの抽出条件は、アプリケーション120の基本設定として、予めユーザにより設定される。
【0049】
ポップアップ表示制御部144は、検出された注目タブおよび抽出された関連タブそれぞれに準備される提示情報を読み出して、タブと提示情報とを直接的または間接的に視覚的に関連付けながら、図8(B)に示すような、ウィンドウ200より前列のポップアップ画面領域として、提示情報を表示する制御を行う。ポップアップ画面領域は、特に限定されるものではないが、注目タブおよび上記関連タブに対する提示情報を並べて表示し、さらに、提示情報を選択可能に表示するGUIとすることができる。また上記提示情報としては、タブ・データ134中のツールチップや詳細データを用いることができる。
【0050】
図8は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウ200を例示する。図8(B)は、ポップアップ画面領域220が表示されているウィンドウ200を例示し、ウィンドウ200は、タブ付きビュー202の前列に、提示情報をリスト表示するポップアップ画面領域220が表示されている。図8(B)中、タブ212は、注目タブであり、その他の強調表示されたタブ214a〜214d、およびポップアップ表示された省略タブ218は、関連タブである。注目タブ212と、ポップアップ画面領域220の最上段の項目とは、矢印付き曲線222により視覚的に関連付けられている。
【0051】
なお、説明する実施形態では、ポップアップ画面領域220は、上記注目タブ212および関連タブ214a〜214d,218の提示情報それぞれをリスト項目として一覧表示するリスト・ボックスを採用しているが、特にこれに限定されるものではない。他の実施形態では、提示情報をマトリックス状に並べてもよいし、その他にも注目タブおよび関連タブ毎に作成される個別の画面領域としてもよい。
【0052】
ポップアップ表示制御部144は、さらに、外観上類似するタブ間の相違点を浮き彫りにし、ユーザがタブの違いを理解し易くするために、上記注目タブおよび関連タブ間で提示情報が異なる部分を識別して、相違箇所または共通箇所を強調表示し、それぞれの提示情報をタブ間で相違する箇所を明示しながら表示することができる。
【0053】
また、ポップアップ表示制御部144は、図8(B)に示すように注目タブ212および関連タブ214a〜214dを強調表示することができる。また、省略された省略タブ218が関連タブとして抽出された場合には、省略タブ218を強調表示することができ、さらにボタン216を強調表示してもよい。さらに、ポップアップ表示制御部144は、ウィンドウ200上に配置される関連タブ214を、類似性評価値および距離評価値またはこれらのいずれか一方に応じた階調で強調表示することができ、ポップアップ画面領域220に一覧表示される関連タブを表すリスト項目を、類似性評価値および距離評価値またはこれらのいずれか一方でソートすることができる。
【0054】
なお、上述した相違箇所または共通箇所を強調表示や類似性評価値および距離評価値またはこれらのいずれか一方に応じた階調による強調表示は、該当箇所のフォント、文字修飾、文字色およびフォントサイズの少なくとも1つを変更することによっておこなうことができる。
【0055】
ポップアップ表示制御部144は、さらに、注目タブ212または関連タブ214a〜d,218に対応する選択可能に表示されたリスト項目に対する確定操作に応答して、アプリケーション120に対し、確定操作が行われたタブを通知し、確定操作が行われたタブを選択状態とするアクションを起こさせることができる。上記ポップアップ画面領域220は、注目タブ212からポインタが離れても、所定の解除条件が満たされるまで表示が維持され、その間、上記リスト項目は選択可能とされる。ポップアップ画面領域220を消す解除条件については、例えば一定の期間が経過すること、またはユーザから明示的な操作が行われることを条件とすることができる。
【0056】
上記ポップアップ画面領域220が表示されている状態で、一覧表示された上記提示情報のリスト項目のいずれかに対し特定の操作(例えばクリック)が行われると、イベント検出部110は、当該提示情報のリスト項目に対する操作イベント(クリック・イベント)を検出し、切替支援部136は、その旨の通知を受け取る。ポップアップ表示制御部144は、通知を受けて、対応するタブの選択の確定操作が行われたものとして、当該タブに対する確定操作(クリックまたはエンターキー入力)を発生させて、切替部132に当該タブが選択された旨を通知する。切替部132は、選択されたタブの通知を受けて、通知された非アクティブ・タブをアクティブ・タブとして、対応するドキュメントの内容をビューエリア202aへ表示させる処理を実行する。
【0057】
さらに、ポップアップ表示制御部144は、ウィンドウ200に配置された関連タブ214a〜214dのいずれかに対する特定の操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)、またはポップアップ画面領域220内の関連タブを表す項目に対する特定の操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)を契機として、ポップアップ画面領域220内の該関連タブを表す項目と、上記ウィンドウ200に配置される対応する関連タブ214とを接続する矢印付き曲線222を付け替えて、視覚的に関連付け直す処理を実行することができる。
【0058】
なお、図1に示すコンピュータ装置100に含まれる上述した各機能部は、メモリ上にプログラムを展開し、CPUの制御の下で、プログラムを実行することにより各ハードウェア資源を動作制御することによって、コンピュータ装置100上に実現される。
【0059】
以下、図5および図6に示すフローチャートおよび図7〜図9に示すウィンドウ画面を参照しながら、本発明の第1の実施形態による切替支援処理についてより詳細に説明する。図5および図6は、本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置100が実行する切替支援処理を示すフローチャートである。図7〜図9は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウ200を例示する。図5および図6に示す処理は、例えば、アプリケーション・ウィンドウ200において規定数以上のタブが開かれ、切替支援部136が有効化されたことに応答して、ステップS100から開始する。
【0060】
ステップS101では、切替支援部136は、イベント検出部110からの特定の操作イベントの通知を待ち受け、該当操作イベントを受け取るまでの間(NOの間)、ステップS101をループさせる。ステップS101で、例えば図7(A)に示すようにウィンドウ200上のタブ212にマウスポインタ210が重ねられ、タブ212に対するマウスオーバー・イベントの発生が通知されると(YES)、ステップS102へ処理が進められる。
【0061】
ステップS102では、切替支援部136は、イベント検出部110からの通知に従い、上記操作イベントに直接関係する注目タブ(図7(A)におけるタブ212)を特定し、ステップS103では、ポップアップ画面領域のオブジェクトを作成する。ステップS104では、評価演算部140は、当該注目タブとウィンドウ200上の他のタブそれぞれとの間の評価値を算出する。ステップS105では、評価演算部140は、さらに、必要に応じて、当該注目タブと省略タブそれぞれとの間の評価値を算出する。
【0062】
ステップS106では、抽出部142は、他のタブおよび省略タブの集合から、上記注目タブを一方とする評価値が抽出条件に合致する1以上のタブを関連タブとして抽出する。説明する実施形態では、関連タブの抽出は、まず第1段階として、表示テキストの類似性を評価する評価値が規定値以上のものが抽出され、第2段階として、ツールチップ・テキストの類似性を評価する評価値が規定値以上のものが抽出され、さらに第3段階として、詳細データの類似性を評価する評価値が規定値以上のものが抽出されるという、3段階の抽出処理を経て行われる。図7(B)に示す例では、表示されているタブのうちのタブ214a〜214dと、省略タブのうちの省略タブ218とが関連タブとして抽出される。
【0063】
ステップS107では、ポップアップ表示制御部144は、各関連タブの階調を決定し、例えば図8(A)に示すようにタブ付きビュー202上の注目タブ212および関連タブ214a〜214d,218を段階的な階調にて強調表示する。図8(A)においては、注目タブ212に隣接するタブ214aと、省略タブ218とが、他の関連タブ214b〜214dに比較して濃い色の枠で強調表示されている。タブの強調方法は、特に限定されるものではなく、その他、枠を太くしたり、タブの大きさを変化させたりすることで、強調表示することもできる。
【0064】
ステップS108では、ポップアップ表示制御部144は、タブ・データ134から、注目タブおよび関連タブそれぞれのツールチップおよび詳細データを取得する。ステップS109では、ポップアップ表示制御部144は、提示情報(ツールチップ・テキストおよび詳細データ)の提示方法を決定する。ここで、提示方法とは、上述した各リスト項目の強調表示の階調、並べる順序、上記タブ間のツールチップおよび詳細データにおける相違箇所の強調手法などを含む。
【0065】
ステップS110では、ポップアップ表示制御部144は、図8(B)に示すように、注目タブ212と、ポップアップ画面領域220上の当該注目タブに対応するリスト項目とを矢印付き曲線222で視覚的に関連付け、さらにポップアップ画面領域220の表示内容を更新する。図8(B)に示す例では、各リスト項目の提示情報は、注目タブ212を先頭として、対応する関連タブと注目タブとの距離に応じてソートされている。また、注目タブ212の提示情報と、上記強調表示されるタブ214a,タブ218の提示情報とが、左側のボックスの塗りつぶし色とフォントの文字修飾にて強調表示されている。
【0066】
ステップS110の処理が完了すると、ポイントAを経て、図6に示すステップS111へと処理が進められる。ステップS111では、ポップアップ表示制御部144は、特定のイベントの発生を待ち受け、該当するイベントが発生するまでの間(NOの間)、ステップS111をループさせ、一方、ステップS111で該当するイベントが発生すると、そのイベントに応じて処理を分岐させる。
【0067】
ステップS111で、ポップアップ画面領域220の解除条件が成立するというイベントが発生した場合(解除条件成立)は、ステップS112へ処理が進められる。解除条件は、他の特定のイベントが発生しないまま所定時間が経過した場合、ビューエリア202aがクリックされたり、エスケープ・ボタンがクリックされたり、他のアプリケーションのウィンドウがアクティブ化されてウィンドウ200が非アクティブ状態となるなどユーザからの所定の明示的な操作が行われた場合に成立する。ステップS112では、切替支援部136は、ポップアップ画面領域220のオブジェクトを削除し、ポイントBを経由して、図5に示すステップS101へ処理が戻される。この場合、再び次回のタブに対する特定の操作イベントが発生するまで待機される。
【0068】
一方、ステップS111で、図9(A)に示すようにポップアップ画面領域220中のリスト項目がクリックされるなど確定操作のイベントが発生した場合(確定操作)は、ステップS113へ処理が進められる。ステップS113では、切替支援部136は、確定操作がなされたリスト項目に対応するタブを切替部132へ通知する。ステップS112では、切替支援部136は、ポップアップ画面領域220のオブジェクトを削除し、ポイントBを経由して、図5に示すステップS101へ処理を戻す。この場合、確定操作が行われたリスト項目に対応するタブがアクティブ化され、当該タブに対応するコンテンツがビューエリア202a内に表示される。
【0069】
一方、ステップS111で、図9(B)に示すように、タブ付きビュー202における関連タブ214a〜214d,218に対するマウスオーバーのイベントが発生した場合(関連タブへマウスオーバー)は、ステップS114へ処理が進められる。ステップS114では、ポップアップ表示制御部144は、現在マウスオーバー中の関連タブ232を新たな注目タブとし、処理はポイントCを経由して図5に示すステップS104へ分岐される。この場合、ステップS104およびステップS105でマウスオーバー中の新たな注目タブ232と他のタブとの間の評価値が算出され、ステップS106で新たな関連タブ234a〜234d,238が抽出され、ステップS110で、最新状態でポップアップ画面領域220の内容の更新が行われる。このように、ポップアップ表示制御部144は、上記解除条件が満たされてポップアップ画面領域220が消えるまでの間、注目タブが変更された場合に最新状態の内容でポップアップ画面領域220を更新することができる。
【0070】
またステップS111で、ポップアップ画面領域220において、図9(A)に示すように特定のリスト項目に対するマウスオーバーのイベントが発生した場合(項目にマウスオーバー)は、ステップS115へ処理が進められる。ステップS115では、ポップアップ表示制御部144は、現在マウスオーバー中のリスト項目と、当該項目に対応する関連タブまたは注目タブと矢印付き曲線222を付け替えて、視覚的に関連付け直し、ポイントAを経由して、ステップS111へ処理を分岐させる。
【0071】
以上説明した第1の実施形態によれば、開かれたコンテンツ数が多数にのぼり、表示エリア内に密集した複数のタブが、表示アイコンおよび表示テキストを含め同一または極めて類似し、外観上区別できなくなっても、切替支援機能により、ユーザは、効率的に目的のタブを発見することができる。すなわち、ユーザが見当をつけてマウスでタブをポイントすると、上記切替支援機能により、その注目タブを中心として、外観上の類似し、また幾何学的に近接する一群の関連タブが抽出され、これらタブに関する情報がユーザに対して提示される。したがって、ユーザは、目的のコンテンツに対応するタブを効率的に発見することができる。
【0072】
例えば、ウェブブラウザ上で、同一の検索エンジンによる検索結果や同一サイトのウェブ・ページ多数を開いていたり、メーラ上で特定の接頭部を有するタイトルのメールを多数開いていたりする場合に、タブを逐一選択したり、タブをマウスで逐一ポイントしてツールチップ・テキストを確認したりするといった作業負担が好適に軽減される。
【0073】
なお、上述した実施形態では、種々あるGUIコントロールのうち、タブ付きビューを一例として説明してきたが、ツリービューやリストビューなどの他のあらゆるGUIコントロールに適用することができる。また、上述した実施形態では、切替支援機能は、アプリケーション120内に実装される機能部として説明してきたが、他の実施形態では、例えばメールソフトとウェブブラウザが起動しているときにタブやアイコンをまたがって列挙するなど、複数のアプリケーションにまたがって本切替支援機能を適用することもできる。さらに、特定のアプリケーションにおけるGUIコントロールの他、GUIベースのデスクトップ環境におけるタスクスイッチ機能において、当該切替支援機能を実現することもできる。以下、図10および図11を参照しながら、本発明の第2の実施形態による切替支援機能について説明する。
【0074】
〔第2の実施形態〕
なお、以下説明する第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と共通する構成を備えるため、以下、相違点を中心に説明し、同様の機能部については、300番台で下2桁が同一の符番で参照する。
【0075】
図10は、本発明の第2の実施形態によるコンピュータ装置300の機能ブロックを示す。第2の実施形態によるコンピュータ装置300の機能ブロックは、第1の実施形態と同様に、入力装置を介した操作イベントを検出するイベント検出部310と、タスクスイッチ・プログラム330とを備える。
【0076】
本実施形態のタスクスイッチ・プログラム330は、図11に例示されるようなタスクスイッチ画面400を提供し、ユーザは、タスクスイッチ画面400を利用して効率的にウィンドウを切り替えることができる。図11は、本発明の第2の実施形態において、コンピュータ装置300が備える表示装置に表示されるタスクスイッチ画面400を例示する。図11に示すタスクスイッチ画面400には、複数のアイコン402a,402bが2次元状に並べられる。本実施形態において、タスクスイッチ画面400が表示画面を構成し、タスクスイッチ画面400上に配置されるアイコン402がオブジェクトを構成する。
【0077】
タスクスイッチ画面400上のアイコン402と、切替対象となるアプリケーションのウィンドウとは対応付けされており、アイコン402を選択することにより、選択されたアイコンに対応するアプリケーション・ウィンドウがアクティブ化される。アプリケーション・ウィンドウは、SDI(Single Document Interface)型アプリケーションにおけるウィンドウ、MDI型またはTDI型アプリケーションにおけるウィンドウの単位(子ウィンドウの単位としてもよい。)で、アイコンに対応付けられる。図11中の強調表示されたアイコン404は、フォーカス中の注目アイコンであり、強調表示された他のアイコン406a〜406cは、注目アイコン404に関連するものと評価される関連アイコンである。
【0078】
再び図10を参照すると、タスクスイッチ・プログラム330は、より詳細には、切替部332と、アイコン・データ334と、切替支援部336とを含んで構成される。切替部332は、アイコンの選択による通常の切り替え動作を制御する機能部である。アイコン・データ334は、各アイコンを管理するためのデータであり、各アイコンの表示アイコン、ツールチップ・テキスト、詳細データなどアイコンに関連する情報を記録している。
【0079】
上記タスクスイッチ画面400上に配置されたいずれかのアイコンに対しフォーカスされた状態でエンターキーが押されたり、クリックされたりすると、イベント検出部310は、当該アイコンに対するクリック操作またはエンター操作を検出し、その旨のメッセージを切替部332へ通知する。切替部332は、当該通知を受けて、アイコンに対する直接選択がユーザから指令されたものと判定し、通知されたアイコンに対応するウィンドウをアクティブ化する。
【0080】
図11に示すタスクスイッチ画面400上に配置されたアイコン402(なお、図11中では、代表してアイコン402a,402bを示す。)のいずれかに対し、フォーカスが移動するか、マウスポインタが重なるかすると、イベント検出部310は、当該アイコンに対するフォーカスまたはマウスオーバーの操作イベントを切替支援部336へ通知する。切替支援部336は、通知を受けて切替支援処理を実行する。
【0081】
切替支援部336は、第1の実施形態と同様に、評価演算部340と、抽出部342と、ポップアップ表示制御部344とを含み構成される。抽出部342は、上記タスクスイッチ画面400に関する操作イベント、つまりアイコンに対するフォーカスまたはマウスオーバーの操作イベントを契機として、この操作イベントに直接関係するアイコン(以下、注目アイコンという。)を一方とする上記評価値が、予め設定された抽出条件を満たす1以上のアイコン(以下、関連アイコンという。)を抽出する。上記抽出条件は、第1の実施形態と同様の条件を採用することができる。
【0082】
ポップアップ表示制御部344は、検出された注目アイコンおよび抽出された関連アイコンそれぞれに準備される提示情報を読み出して、アイコンと提示情報とを直接的または間接的に視覚的に関連付けながら、図11に示すような、タスクスイッチ画面400より前列の複数のポップアップ画面領域410a〜410dとして提示情報を表示する制御を行う。なお、図11においては、ポップアップ画面領域410a〜410dは注目アイコンおよび関連アイコン毎に作成され、それぞれ曲線412a〜412dにより視覚的に関連付けられている。
【0083】
また、図11に示すポップアップ画面領域410中のテキストは、アイコン間における相違点が太字で強調表示され、外観上類似するアイコン間の相違点を浮き彫りにし、ユーザに判りやすく表示している。
【0084】
ポップアップ表示制御部344は、さらに、注目アイコンまたは関連アイコンを表す選択可能に表示された項目に対するクリックなどの確定操作に応答して、確定操作が行われたアイコンに対応するウィンドウをアクティブ化することができる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示画面上に配置される多数のタブやアイコンなどのオブジェクトのうちから、ユーザの関心があると評価されるオブジェクトを抽出し、該オブジェクトに関する情報を提示することで、ユーザが望む情報を効率的に提示することを可能とし、ひいては多数のオブジェクトが表示画面に配置されてしまうことに起因したユーザ利便性の低下を好適に防止することが可能な情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することが可能となる。
【0086】
本発明の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布または伝送して頒布することができる。
【0087】
これまで本発明を、特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
100,300…コンピュータ装置、110,310…イベント検出部、120…アプリケーション、130…ビュー制御部、132,332…切替部、134…タブ・データ、136,336…切替支援部、140,340…評価演算部、142,342…抽出部、144,344…ポップアップ表示制御部、200…ウィンドウ、202…タブ付きビュー、202a…ビューエリア、204…アクティブ・タブ、206…非アクティブ・タブ、208…ボタン、210…マウスポインタ、212,232…注目タブ、214,234…関連タブ、216,236…ボタン、218,238…関連タブ(省略タブ)、220,410…ポップアップ画面領域、222…矢印付き曲線、330…タスクスイッチ・プログラム、334…アイコン・データ、400…タスクスイッチ画面、402…アイコン、404…注目アイコン、406…関連アイコン、412…曲線
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(以下、GUIと参照する。)に関し、より詳細には、多数のオブジェクトを表示画面上で取り扱う際のユーザ利便性の低下を防止することができる情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の多くのパーソナル・コンピュータは、直感的な操作が可能なウィンドウ・システムを採用している。ウィンドウ・システムでは、ユーザは、デスクトップ上に複数のウィンドウを維持しながら、マウスやキーボードなどの入力装置を使用してウィンドウを切り替えて、並列に作業を行うことができる。
【0003】
また、ウィンドウ管理を簡略化するために、MDI(Multi Document Interface)方式ないしTDI(Tabbed Document Interface)方式でアプリケーションが実装されることもある。これらの方式のアプリケーションでは、ひとつの親ウィンドウの下で複数の子ウィンドウが集約して管理されるので、多数のウィンドウでデスクトップが溢れかえってしまうことを回避することができる。
【0004】
しかしながら、MDI方式ないしTDI方式を採用しても、同一アプリケーションの子ウィンドウが集約されるという利点があるものの、アプリケーション画面において子ウィンドウを切り替えるタブなどを配置可能なエリアが制限されるため、以下述べるようにユーザ利便性が低下する可能性がある。
【0005】
すなわち、同一アプリケーションにおいて多数の子ウィンドウが開かれてしまうと、上記制限されたエリア内にタブなどのオブジェクトが密集してしまい、オブジェクト各々に割り当てることができるエリアが狭くなる。このため、タイトルなどの表示テキストを充分に表示できず、オブジェクトのラベルが同一テキストとなり、ユーザが容易に区別をつけられなくなる可能性がある。
【0006】
また、上記アプリケーション内の子ウィンドウ切替のためのユーザ・インタフェースの他にも、タスクバーやタスクスイッチャなどアプリケーション間のウィンドウ切替のためのユーザ・インタフェースについても同様の問題がある。例えば、Windows(登録商標)のタスクスイッチ機能では、ウィンドウないし子ウィンドウ(以下、これらをまとめて単にウィンドウということもある。)を表すアイコンが並べられて提示されるが、この場合、同一アプリケーションのアイコンが同じ外観となるため、区別がつかなくなる。
【0007】
上述したようにオブジェクトが外観上同一ないし類似しているためその内容を一見して把握できない場合には、ツールチップやホバーヘルプを利用して、オブジェクトの内容を把握することもできる。ツールチップは、オブジェクトをマウスでポイントすることによって、当該オブジェクトに対して準備されている説明をポップアップ表示させる機能である。
【0008】
しかしながら、ツールチップ等を用いる場合、オブジェクト毎にマウスでポイントして、ポップアップ表示を確認する作業を何度も繰り返さなければ、所望のウィンドウに対応するオブジェクトに辿り着くことができず、ユーザにとって煩雑である。また、すべてのオブジェクトのツールチップを表示させる手法も採用し得るが、ツールチップを無秩序に表示させると、反対に表示画面が混雑してしまうため、オブジェクトの内容を一見して把握する助けとはならない。
【0009】
特開2007−58272号公報(特許文献1)は、現在表示されているアイコンについて素早く簡単にアクセスすることを目的としたアイコン説明表示装置を開示する。特許文献1の装置は、アイコンごとに、アイコンの名称、アイコンの画像、アイコンの説明およびアイコンが表示される画面のリストを保持するアイコン情報ファイルを備える。そして、アイコン説明表示装置は、アイコンを画面に表示するとともに、表示される画面が更新されるたびに、アイコン情報ファイルを参照して、この更新された画面に表示されたアイコンのアクチュアルアイコンリストを生成し、一方で、入力制御部を監視し、アイコン説明指示表示がなされたときに、アクチュアルアイコンリストにより、現在画面に表示されているアイコンの説明一覧を表示させる。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1は、現在画面に表示されているアイコンの説明一覧を表示させるというものであり、多数のアイコンが表示されている場合、上記説明一覧も増大し、表示画面が混雑してしまうため、アイコンの内容を一見して把握する助けとはならない。
【0011】
その他、Windows(登録商標)Aero(非特許文献1)は、タスクバー・ボタンがポイントされたことに応答してウィンドウの縮小表示サイズのプレビューを表示するタスクバー・プレビュー機能や、ウィンドウのリアルタイムプレビューを表示するタスクスイッチ機能を提供する。
【0012】
しかしながら、上記タスクバー・プレビュー機能は、ツールチップのテキストに代替してウィンドウの縮小プレビューを表示するというツールチップの拡張に過ぎずない。したがって、多数のウィンドウが開かれている場合には、タスクバー・ボタン毎にマウスでポイントしてプレビューを確認しなければ所望のボタンに辿り着くことができないことに変わりはない。当該タスクスイッチ機能では、プレビューを有効に表示するためには広いエリアが必要とされるため、そもそも多数のウィンドウが開かれる場合に対応するものではなく、仮に多数のプレビューが並べられると、小さなプレビューでは似たような外観となり区別がつかない可能性が高くなる。
【0013】
またMac(登録商標)OS X Lion Mission Control(非特許文献2)は、開いているすべてのアプリケーションを俯瞰することができる機能を提供するべく、ユーザーアクションにより、開いているウィンドウをアプリケーション毎にグループ化し、サムネイルなどとしてまとめて表示することができる機能を提供する。
【0014】
しかしながら、上記非特許文献2の技術は、同一アプリケーションのウィンドウをグループ化して表示しているに過ぎず、プレビューを有効に表示するためには広いエリアが必要とされるため、そもそも多数のウィンドウが開かれる場合に対応するものではなく、仮に多数のプレビューが並べられると、小さなプレビューでは似たような外観となり区別がつかない可能性が高くなる。
【0015】
したがって、ウィンドウを切り替える際に、単に現在開いているすべてのウィンドウの内容を取得して一律に提示するのではなく、ユーザの関心のある表示画面上のオブジェクトを特定し、その注目しているオブジェクトを中心として、関連性が高いと評価される一定範囲のオブジェクトについて、対応するウィンドウの説明やプレビューを提示することができると、ユーザ利便性を向上させられるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2007−58272号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】”Aero デスクトップ エクスペリエンスとは”、[online][2010年12月13日検索]、インターネット<URL; http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows7/What-is-the-Aero-desktop-experience>
【非特許文献2】”Mac OSX Lionの告知”、[online]、[2010年12月13日検索]、インターネット<URL; http://www.apple.com/jp/macosx/lion/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、表示画面上に配置される多数のオブジェクトのうちから、ユーザの関心があると評価されるオブジェクトを抽出し、該オブジェクトに関する情報を提示することで、ユーザが望む情報を効率的に提示することを可能とし、ひいては多数のオブジェクトが表示画面に配置されてしまうことに起因したユーザ利便性の低下を好適に防止することが可能な、情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために、以下の特徴を有する情報処理装置を提供する。本情報処理装置は、その上で動作するソフトウェアがユーザ・インタフェースとして提供する表示画面について、まず表示画面上に配置されるタブやアイコンなどの複数のオブジェクトについて、オブジェクト間の類似性および上記表示画面上での距離を評価する評価値を演算する。そして、本情報処理装置は、上記表示画面に関する入力装置を介した特定の操作イベント、例えば特定のオブジェクトに対する操作イベントが行われると、当該操作イベントを契機として、そのイベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする上記評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを抽出し、これらのオブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、直接的にまたは間接的に視覚的に関連付けて、上記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する。なお、上記抽出条件は、ユーザが直接関心ある注目オブジェクトに関連し、ユーザに候補として提示する必要性が高い関連オブジェクトを抽出するための条件をいう。
【発明の効果】
【0020】
上記構成により、一般に広さが制限される表示エリア内に多数のオブジェクトが密集し、オブジェクトの外観が同一または類似し、外観上区別し難くなっても、ユーザが見当をつけて操作イベントを起こしたオブジェクトを中心として関連すると評価される一群のオブジェクトが抽出され、これらオブジェクトに関する情報がユーザに対して提示される。このため、ユーザは、目的のオブジェクトを効率的に発見することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置の機能ブロックを示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図3】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置の記憶装置に保存されるタブ・データのデータ構造を例示する図。
【図4】本発明の第1の実施形態において評価演算部が演算する評価値のデータ構造を例示する図。
【図5】本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置が実行する切替支援処理を示すフローチャート(1/2)。
【図6】本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置が実行する切替支援処理を示すフローチャート(2/2)。
【図7】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図8】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図9】本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する図。
【図10】本発明の第2の実施形態によるコンピュータ装置の機能ブロックを示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態において、コンピュータ装置が備える表示装置に表示されるタスクスイッチ画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0023】
〔第1の実施形態〕
以下、図1〜図9を参照しながら、本発明の第1の実施形態による情報処理装置について説明する。なお、以下に説明する第1の実施形態では、複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置の一例として、タブブラウザが動作するコンピュータ装置について説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置100の機能ブロックを示す。コンピュータ装置100は、特に限定されるものではないが、概ねパーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)、モバイル端末などとして構成される。コンピュータ装置100は、CPU、RAMのほか、マウスやキーボードやタッチパネルなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置などを備え、Windows(登録)、Linux(登録商標)、Mac(登録商標)OS X、などGUIベースのオペレーティング・システムの制御下で動作している。
【0025】
図1に示すコンピュータ装置100の機能ブロックは、入力装置を介した操作イベントを検出するイベント検出部110と、上記タブブラウザ機能が実装されるアプリケーション120とを含む。アプリケーション120は、特に限定されるものではなく、本実施形態で説明するタブブラウザの他、他の実施形態では、文書作成アプリケーション、表計算アプリケーション、データベース・アプリケーション、プレゼンテーション・アプリケーション、統合開発環境などの如何なるアプリケーションを採用することができる。
【0026】
本実施形態のアプリケーション120は、図2に例示されるようなアプリケーション・ウィンドウ200を提供し、コンピュータ装置100の操作者に対しGUIベースの作業環境を提供する。図2は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウを例示する。図2に示すウィンドウ200は、タブにより表示内容を切り替えることができるタブ付きビュー202を有し、ウィンドウ200上において1コンテンツ1タブ単位での複数表示を可能としている。タブ付きビュー202に表示されるコンテンツは、特に限定されるものではないが、例えば、Webページ、電子メール、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、メモ、アドレス帳など如何なるコンテンツを挙げることができる。本実施形態において、アプリケーション・ウィンドウ200が表示画面を構成し、ウィンドウ上に配置されるタブ204,206がオブジェクトを構成する。
【0027】
タブ付きビュー202のタブとコンテンツとは、対応付けがなされており、タブを選択することにより、選択されたタブに対応するコンテンツがビューエリア202a内に表示される。図2中のタブ204は、現在選択中のアクティブ・タブ204であり、当該アクティブ・タブ204に対応するコンテンツがビューエリア202a内に表示されている。一方、他のタブ206(なお、図2中では、代表してタブ206a,206bを示す。)は、選択されていない非アクティブ・タブであり、当該非アクティブ・タブ206に対応するコンテンツは表示されていない。
【0028】
タブ204,206が配列されるバーにおける右端に配置されているボタン208は、表示エリア上の制限から表示が省略された1以上のタブを代表するボタンである。当該ボタン208がクリックされると、省略されたタブに対応するコンテンツを表す項目が選択可能にポップアップ表示で展開される。なお、本実施形態では、ボタン208をクリックすることにより、省略されたタブに対応する項目が展開されるものとして説明するが、特に限定されるものではない。他の実施形態では、タブ204,206のバー両端にスクロールボタンを設けて、スクロールボタンでタブの表示範囲をシフトさせる構成としてもよい。
【0029】
再び図1を参照すると、アプリケーション120は、図2に示すウィンドウ200のタブ付きビュー202の動作を制御するビュー制御部130を備える。ビュー制御部130は、より詳細には、切替部132と、タブ・データ134とを含んで構成される。タブ・データ134は、上記タブ付きビュー202における各タブを管理するためのデータであり、各タブのラベルの表示テキスト、表示アイコン、ツールチップ・テキスト、詳細データ、その他適宜コンテンツ実体へのポインタなどタブに関連する情報を記録している。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100の記憶装置に保存されるタブ・データ134のデータ構造を例示する。図3に示すように、レコードはタブ毎に作成される。各レコードは、特に限定されるものではないが、タブを識別する番号と、タブのラベルに表示される表示テキストと、タブの表示アイコンと、タブに対して用意されるツールチップ・テキストと、詳細データとから構成される。
【0031】
上記タブの表示テキストは、当該タブに対応するコンテンツのタイトルなどを表すものであるが、タブのサイズ上の制限から、通常は、表示可能な文字数以降のテキストは省略される。タブの表示アイコンは、当該タブに対応するコンテンツの種類を表すアイコン(図3中では、表示アイコン欄にアイコンの名称で示されている。)である。上記ツールチップ・テキストは、タブに対して予め用意されている簡単な説明文であり、上記詳細データは、タブに対応するコンテンツの内容に関する詳細な説明を含む。上記ツールチップ・テキストとしては、例えば、コンテンツのパス、コンテンツに振られたタグ、コンテンツのタイトルを用いることができる。上記詳細データは、例えば、コンテンツの要約文、コンテンツの先頭数行分の文章、あるいはコンテンツのプレビュー画像とすることができる。なお、図3に示すテーブル中、表示テキストが「−」の値となっているものは、図2に示すアプリケーション・ウィンドウ200において表示が省略された省略タブに対応する。
【0032】
再び図1を参照して説明すると、切替部132は、タブによる通常の切り替え動作を制御する機能部である。上記アプリケーション・ウィンドウ200上に配置された非アクティブ・タブ206のいずれかに対し特定の操作(例えばクリック)が行われると、イベント検出部110は、該当する非アクティブ・タブに対する操作イベント(例えばクリック・イベント)を検出し、その旨のメッセージを切替部132へ通知する。切替部132は、当該通知を受けて、タブの直接選択がユーザから指令されたものと判定し、通知された非アクティブ・タブを新たなアクティブ・タブとして、対応するドキュメントの内容をビューエリア202aへ表示させる処理を実行する。
【0033】
また、後述する切替支援機能が有効化されていない場合、上記ウィンドウ200上に配置されたタブ204,206のいずれかに対し他の特定の操作(例えばマウスポインタが重なる)が行われると、イベント検出部110は、当該タブに対する操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)を検出し、切替部132へ通知する。切替部132は、通知を受けて、当該タブのツールチップ・テキストを取得し、ツールチップのポップアップ表示を行う。その他、切替部132は、右クリック操作によるタブに対する終了操作、最新状態への反映の指示、タブの複製の指示など、通常のタブに対して行われる制御を実行する。
【0034】
上述したようにタブの表示テキストは、タブのサイズ上の制限から、一般に全体の文字列のうち表示可能な文字数以降のテキストが省略される。したがって、開かれたコンテンツ数が少ない場合は余り問題とならないが、コンテンツ数が多数にのぼり、上記表示エリア内にタブが密集してしまうと、タイトルなどの表示文字列を充分に表示できず、わずか数文字しか表示されなくなる場合がある。この場合、例えば接頭部が同一のタイトルである場合、タブのラベルがまったく同一文字列となり、ユーザが外観上から区別をつけられなくなる可能性がある。
【0035】
そこで、本実施形態によるビュー制御部130は、さらに、切替支援機能を提供する切替支援部136を含んで構成される。多数のコンテンツが開かれている場合であっても、ユーザは、目的のコンテンツがいずれのタブに対応するのかを正確に把握していなくとも、目的のコンテンツの種類や大凡の位置を把握していると考えられる。本実施形態による切替支援機能は、そのようなユーザの特性を利用して、ユーザが見当をつけてマウスでポイントしたタブを中心として、ユーザの関心があるものとして評価されるタブを抽出し、これらタブに関する情報をユーザに対して提示することによって、ユーザが目的のタブを効率よく選択することができるよう支援する機能である。
【0036】
タブを順に選択したり、タブをマウスで順にポイントしてツールチップ・テキストを確認したりする作業は、開かれているタブがごく少数である場合にはユーザにとって負担にならないと考えられる。このため、本実施形態では、切替支援部136は、タブ数が予め設定された規定数以上となった場合に有効化される。
【0037】
図2に示すアプリケーション・ウィンドウ200上に配置されたタブ204,206のいずれかに対する特定の操作(例えばマウスポインタが重なる)と、イベント検出部110は、切替支援機能が有効化されている場合、当該タブに対する操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)を検出して、切替支援部136は、その旨のメッセージを受け取り、切替支援処理を実行する。
【0038】
本実施形態による切替支援部136は、より詳細には、評価演算部140と、抽出部142と、ポップアップ表示制御部144とを含み構成される。評価演算部140は、タブ間の類似性および幾何学的な距離を評価し、関連性を指標する評価値を演算する。タブ間の関連性の評価値は、上記タブに対する操作イベントに応答して切替支援処理を開始した後に演算することができる。この場合、評価演算部140は、操作イベントが検出されたタブを中心として、他のタブそれぞれとの評価値を演算する。あるいは、タブ付きビュー202におけるタブの状態の変化に応答して予め演算しておくことができる。この場合、評価演算部140は、可能なタブの組み合わせすべてについての評価値を予め演算し、記憶装置に記憶することができる。
【0039】
上記評価値は、特に限定されるものではなく、タブ間の類似性およびウィンドウ200上における幾何学的な距離を総合的に評価する総合評価値とすることもできるし、タブ間の類似性を評価する類似性評価値と、タブ間の配置上の距離を評価する距離評価値とを個別に算出することもできる。さらに、上記類似性評価値は、表示テキストまたは表示アイコン画像の外観上の類似性を評価する個別の評価値、または表示テキストおよび表示アイコン画像の外観上の類似性を総合的に評価する評価値とすることができる。その他、上記類似性評価値には、外観上の類似性の以外にも、タブ・データ中のツールチップや詳細データなど、タブ表示に直接関係のない属性の類似性を加味してもよい。
【0040】
上記表示テキスト、ツールチップや詳細データに含まれるテキストの類似性は、例えば、比較する両タブの表示テキストの編集距離(レーベンシュタイン距離)、表示テキストの文字の一致数または不一致数、形態素解析やNグラム法など自然言語処理に基づく類似度、文字列の特徴量ベクトルに基づく類似度など、情報理論においてテキスト間の類似性および共通性を計測する如何なる尺度を用いて評価することができる。
【0041】
上記表示アイコン画像や、ツールチップや詳細データに含まれるラスタ画像の類似性は、例えば、両タブの画像の色差の総和、画像的特徴量ベクトルに基づく類似度など、画像処理技術において画像間の類似性および共通性を計測する如何なる尺度を用いて評価することができる。上記タブなどのオブジェクト間の幾何学的な距離は、オブジェクト間の座標に基づくピクセル単位の距離、オブジェクトが一次元または二次元に整列される場合には配列の位置に基づく距離として評価することができる。
【0042】
任意のタブxと任意のタブyとの間の総合評価値z(x、y)は、特に限定されるものではないが、例えば下記式(1)または(2)を用いて算出することができる。下記式(1)および(2)中、f(x,y)は、タブxとタブyとの間の類似性評価値を算出する類似性評価関数を表し、g(x,y)は、タブxとタブyとの間の距離評価値を算出する距離評価関数を表す。下記式(1)は、総合評価値が、特定のタブx、yについて、類似性評価関数および距離評価関数の結果の平均値として定義される評価関数を用いて算出されることを表す。一方、下記式(2)は、総合評価値が、特定のタブx、yについて、類似性評価関数および距離評価関数の積として定義される評価関数を用いて算出されることを表す。なお、類似性評価関数および距離評価関数の結合の例として、簡単な和および積について例示したが、重み付け和など、如何なる関数形を採用することができる。
【0043】
【数1】
【0044】
図4は、本発明の第1の実施形態において評価演算部140が演算する評価値のデータ構造を例示する。図4に示す例では、図2に示した左から5番目のタブに対して算出される他のタブとの評価値のデータセットを示す。図4に示す評価値のデータセットは、相手方のタブ毎にレコードが構成され、各レコードは、相手方のタブを識別する番号と、総合評価値と、類似性評価値と、距離評価値とから構成される。
【0045】
図4の例では、類似性評価値は大きいほど類似し、距離評価値は大きいほど近いことを意味し、したがって、総合評価値は大きいほど関連性が大きいことを意味する。また、図4中の総合評価値は、上記式(1)に基づいて算出される値を示し、括弧書において上記式(2)に基づいて算出される値を示している。なお、本実施形態では、表示が省略される省略タブに関しては、距離評価値は、距離が定義できないため算出されておらず、類似性評価値は、表示が省略されているものであることから、実際の表示テキストおよび表示アイコンではなく、仮想的に表示した場合における表示テキストおよび表示アイコンを用いて算出する。また、省略タブの総合評価値を算出するにあたって、上記式(1)または(2)中の省略タブの距離評価値については、最遠(例えば、式(1)では最低値0、式(2)では最低値1)として扱ってもよいし、あるいは類似性評価値と等しいとして取り扱ってもよい。このように省略タブに対しても評価値が演算されているため、省略タブも、後述する抽出部142の処理対象となる。
【0046】
再び図1を参照して説明すると、抽出部142は、上記ウィンドウ200に関する操作イベント、つまりタブに対するマウスオーバー・イベントを契機として、この操作イベントに直接関係するタブ(以下、注目タブという。)を一方とする上記評価値が、予め設定された抽出条件を満たす1以上のタブ(以下、関連タブという。)の抽出を試みる。上記注目タブは、例えば、上記操作イベントが検出されたタブであり、ユーザが関心あるものとして直接検出されたタブである。一方、上記関連タブは、ユーザが直接関心ある注目タブに関連していると評価されるタブであり、ユーザの目的に適う候補となるものである。
【0047】
上記抽出条件は、ユーザが直接関心ある注目タブに関連し、ユーザに候補として提示する必要性が高い関連タブを抽出するための条件であるが、具体的な条件は特に限定されるものではない。上記抽出条件としては、例えば、上記タブ間の類似性および幾何学的な距離を総合的に評価する総合評価値が与えられる場合には、該総合評価値に対するしきい値や、総合評価値順にランク付けした場合の順位の下限値を条件付けることができる。
【0048】
また、類似性評価値、距離評価値、およびツールチップや詳細データなどの類似性を評価する評価値が個別に与えられる場合には、これらの個別の評価値それぞれにしきい値やランク付けした場合の順位の下限値を条件付けてもよい。この場合、抽出部142は、各評価値について段階的に関連タブを抽出することができる。その他、上記抽出条件に、抽出しない例外のタブ、抽出する関連タブの数の上限値など付加的な制約条件を課してもよい。これらの抽出条件は、アプリケーション120の基本設定として、予めユーザにより設定される。
【0049】
ポップアップ表示制御部144は、検出された注目タブおよび抽出された関連タブそれぞれに準備される提示情報を読み出して、タブと提示情報とを直接的または間接的に視覚的に関連付けながら、図8(B)に示すような、ウィンドウ200より前列のポップアップ画面領域として、提示情報を表示する制御を行う。ポップアップ画面領域は、特に限定されるものではないが、注目タブおよび上記関連タブに対する提示情報を並べて表示し、さらに、提示情報を選択可能に表示するGUIとすることができる。また上記提示情報としては、タブ・データ134中のツールチップや詳細データを用いることができる。
【0050】
図8は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウ200を例示する。図8(B)は、ポップアップ画面領域220が表示されているウィンドウ200を例示し、ウィンドウ200は、タブ付きビュー202の前列に、提示情報をリスト表示するポップアップ画面領域220が表示されている。図8(B)中、タブ212は、注目タブであり、その他の強調表示されたタブ214a〜214d、およびポップアップ表示された省略タブ218は、関連タブである。注目タブ212と、ポップアップ画面領域220の最上段の項目とは、矢印付き曲線222により視覚的に関連付けられている。
【0051】
なお、説明する実施形態では、ポップアップ画面領域220は、上記注目タブ212および関連タブ214a〜214d,218の提示情報それぞれをリスト項目として一覧表示するリスト・ボックスを採用しているが、特にこれに限定されるものではない。他の実施形態では、提示情報をマトリックス状に並べてもよいし、その他にも注目タブおよび関連タブ毎に作成される個別の画面領域としてもよい。
【0052】
ポップアップ表示制御部144は、さらに、外観上類似するタブ間の相違点を浮き彫りにし、ユーザがタブの違いを理解し易くするために、上記注目タブおよび関連タブ間で提示情報が異なる部分を識別して、相違箇所または共通箇所を強調表示し、それぞれの提示情報をタブ間で相違する箇所を明示しながら表示することができる。
【0053】
また、ポップアップ表示制御部144は、図8(B)に示すように注目タブ212および関連タブ214a〜214dを強調表示することができる。また、省略された省略タブ218が関連タブとして抽出された場合には、省略タブ218を強調表示することができ、さらにボタン216を強調表示してもよい。さらに、ポップアップ表示制御部144は、ウィンドウ200上に配置される関連タブ214を、類似性評価値および距離評価値またはこれらのいずれか一方に応じた階調で強調表示することができ、ポップアップ画面領域220に一覧表示される関連タブを表すリスト項目を、類似性評価値および距離評価値またはこれらのいずれか一方でソートすることができる。
【0054】
なお、上述した相違箇所または共通箇所を強調表示や類似性評価値および距離評価値またはこれらのいずれか一方に応じた階調による強調表示は、該当箇所のフォント、文字修飾、文字色およびフォントサイズの少なくとも1つを変更することによっておこなうことができる。
【0055】
ポップアップ表示制御部144は、さらに、注目タブ212または関連タブ214a〜d,218に対応する選択可能に表示されたリスト項目に対する確定操作に応答して、アプリケーション120に対し、確定操作が行われたタブを通知し、確定操作が行われたタブを選択状態とするアクションを起こさせることができる。上記ポップアップ画面領域220は、注目タブ212からポインタが離れても、所定の解除条件が満たされるまで表示が維持され、その間、上記リスト項目は選択可能とされる。ポップアップ画面領域220を消す解除条件については、例えば一定の期間が経過すること、またはユーザから明示的な操作が行われることを条件とすることができる。
【0056】
上記ポップアップ画面領域220が表示されている状態で、一覧表示された上記提示情報のリスト項目のいずれかに対し特定の操作(例えばクリック)が行われると、イベント検出部110は、当該提示情報のリスト項目に対する操作イベント(クリック・イベント)を検出し、切替支援部136は、その旨の通知を受け取る。ポップアップ表示制御部144は、通知を受けて、対応するタブの選択の確定操作が行われたものとして、当該タブに対する確定操作(クリックまたはエンターキー入力)を発生させて、切替部132に当該タブが選択された旨を通知する。切替部132は、選択されたタブの通知を受けて、通知された非アクティブ・タブをアクティブ・タブとして、対応するドキュメントの内容をビューエリア202aへ表示させる処理を実行する。
【0057】
さらに、ポップアップ表示制御部144は、ウィンドウ200に配置された関連タブ214a〜214dのいずれかに対する特定の操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)、またはポップアップ画面領域220内の関連タブを表す項目に対する特定の操作イベント(例えばマウスオーバー・イベント)を契機として、ポップアップ画面領域220内の該関連タブを表す項目と、上記ウィンドウ200に配置される対応する関連タブ214とを接続する矢印付き曲線222を付け替えて、視覚的に関連付け直す処理を実行することができる。
【0058】
なお、図1に示すコンピュータ装置100に含まれる上述した各機能部は、メモリ上にプログラムを展開し、CPUの制御の下で、プログラムを実行することにより各ハードウェア資源を動作制御することによって、コンピュータ装置100上に実現される。
【0059】
以下、図5および図6に示すフローチャートおよび図7〜図9に示すウィンドウ画面を参照しながら、本発明の第1の実施形態による切替支援処理についてより詳細に説明する。図5および図6は、本発明の第1の実施形態によるコンピュータ装置100が実行する切替支援処理を示すフローチャートである。図7〜図9は、本発明の第1の実施形態において、コンピュータ装置100が備える表示装置に表示されるアプリケーション・ウィンドウ200を例示する。図5および図6に示す処理は、例えば、アプリケーション・ウィンドウ200において規定数以上のタブが開かれ、切替支援部136が有効化されたことに応答して、ステップS100から開始する。
【0060】
ステップS101では、切替支援部136は、イベント検出部110からの特定の操作イベントの通知を待ち受け、該当操作イベントを受け取るまでの間(NOの間)、ステップS101をループさせる。ステップS101で、例えば図7(A)に示すようにウィンドウ200上のタブ212にマウスポインタ210が重ねられ、タブ212に対するマウスオーバー・イベントの発生が通知されると(YES)、ステップS102へ処理が進められる。
【0061】
ステップS102では、切替支援部136は、イベント検出部110からの通知に従い、上記操作イベントに直接関係する注目タブ(図7(A)におけるタブ212)を特定し、ステップS103では、ポップアップ画面領域のオブジェクトを作成する。ステップS104では、評価演算部140は、当該注目タブとウィンドウ200上の他のタブそれぞれとの間の評価値を算出する。ステップS105では、評価演算部140は、さらに、必要に応じて、当該注目タブと省略タブそれぞれとの間の評価値を算出する。
【0062】
ステップS106では、抽出部142は、他のタブおよび省略タブの集合から、上記注目タブを一方とする評価値が抽出条件に合致する1以上のタブを関連タブとして抽出する。説明する実施形態では、関連タブの抽出は、まず第1段階として、表示テキストの類似性を評価する評価値が規定値以上のものが抽出され、第2段階として、ツールチップ・テキストの類似性を評価する評価値が規定値以上のものが抽出され、さらに第3段階として、詳細データの類似性を評価する評価値が規定値以上のものが抽出されるという、3段階の抽出処理を経て行われる。図7(B)に示す例では、表示されているタブのうちのタブ214a〜214dと、省略タブのうちの省略タブ218とが関連タブとして抽出される。
【0063】
ステップS107では、ポップアップ表示制御部144は、各関連タブの階調を決定し、例えば図8(A)に示すようにタブ付きビュー202上の注目タブ212および関連タブ214a〜214d,218を段階的な階調にて強調表示する。図8(A)においては、注目タブ212に隣接するタブ214aと、省略タブ218とが、他の関連タブ214b〜214dに比較して濃い色の枠で強調表示されている。タブの強調方法は、特に限定されるものではなく、その他、枠を太くしたり、タブの大きさを変化させたりすることで、強調表示することもできる。
【0064】
ステップS108では、ポップアップ表示制御部144は、タブ・データ134から、注目タブおよび関連タブそれぞれのツールチップおよび詳細データを取得する。ステップS109では、ポップアップ表示制御部144は、提示情報(ツールチップ・テキストおよび詳細データ)の提示方法を決定する。ここで、提示方法とは、上述した各リスト項目の強調表示の階調、並べる順序、上記タブ間のツールチップおよび詳細データにおける相違箇所の強調手法などを含む。
【0065】
ステップS110では、ポップアップ表示制御部144は、図8(B)に示すように、注目タブ212と、ポップアップ画面領域220上の当該注目タブに対応するリスト項目とを矢印付き曲線222で視覚的に関連付け、さらにポップアップ画面領域220の表示内容を更新する。図8(B)に示す例では、各リスト項目の提示情報は、注目タブ212を先頭として、対応する関連タブと注目タブとの距離に応じてソートされている。また、注目タブ212の提示情報と、上記強調表示されるタブ214a,タブ218の提示情報とが、左側のボックスの塗りつぶし色とフォントの文字修飾にて強調表示されている。
【0066】
ステップS110の処理が完了すると、ポイントAを経て、図6に示すステップS111へと処理が進められる。ステップS111では、ポップアップ表示制御部144は、特定のイベントの発生を待ち受け、該当するイベントが発生するまでの間(NOの間)、ステップS111をループさせ、一方、ステップS111で該当するイベントが発生すると、そのイベントに応じて処理を分岐させる。
【0067】
ステップS111で、ポップアップ画面領域220の解除条件が成立するというイベントが発生した場合(解除条件成立)は、ステップS112へ処理が進められる。解除条件は、他の特定のイベントが発生しないまま所定時間が経過した場合、ビューエリア202aがクリックされたり、エスケープ・ボタンがクリックされたり、他のアプリケーションのウィンドウがアクティブ化されてウィンドウ200が非アクティブ状態となるなどユーザからの所定の明示的な操作が行われた場合に成立する。ステップS112では、切替支援部136は、ポップアップ画面領域220のオブジェクトを削除し、ポイントBを経由して、図5に示すステップS101へ処理が戻される。この場合、再び次回のタブに対する特定の操作イベントが発生するまで待機される。
【0068】
一方、ステップS111で、図9(A)に示すようにポップアップ画面領域220中のリスト項目がクリックされるなど確定操作のイベントが発生した場合(確定操作)は、ステップS113へ処理が進められる。ステップS113では、切替支援部136は、確定操作がなされたリスト項目に対応するタブを切替部132へ通知する。ステップS112では、切替支援部136は、ポップアップ画面領域220のオブジェクトを削除し、ポイントBを経由して、図5に示すステップS101へ処理を戻す。この場合、確定操作が行われたリスト項目に対応するタブがアクティブ化され、当該タブに対応するコンテンツがビューエリア202a内に表示される。
【0069】
一方、ステップS111で、図9(B)に示すように、タブ付きビュー202における関連タブ214a〜214d,218に対するマウスオーバーのイベントが発生した場合(関連タブへマウスオーバー)は、ステップS114へ処理が進められる。ステップS114では、ポップアップ表示制御部144は、現在マウスオーバー中の関連タブ232を新たな注目タブとし、処理はポイントCを経由して図5に示すステップS104へ分岐される。この場合、ステップS104およびステップS105でマウスオーバー中の新たな注目タブ232と他のタブとの間の評価値が算出され、ステップS106で新たな関連タブ234a〜234d,238が抽出され、ステップS110で、最新状態でポップアップ画面領域220の内容の更新が行われる。このように、ポップアップ表示制御部144は、上記解除条件が満たされてポップアップ画面領域220が消えるまでの間、注目タブが変更された場合に最新状態の内容でポップアップ画面領域220を更新することができる。
【0070】
またステップS111で、ポップアップ画面領域220において、図9(A)に示すように特定のリスト項目に対するマウスオーバーのイベントが発生した場合(項目にマウスオーバー)は、ステップS115へ処理が進められる。ステップS115では、ポップアップ表示制御部144は、現在マウスオーバー中のリスト項目と、当該項目に対応する関連タブまたは注目タブと矢印付き曲線222を付け替えて、視覚的に関連付け直し、ポイントAを経由して、ステップS111へ処理を分岐させる。
【0071】
以上説明した第1の実施形態によれば、開かれたコンテンツ数が多数にのぼり、表示エリア内に密集した複数のタブが、表示アイコンおよび表示テキストを含め同一または極めて類似し、外観上区別できなくなっても、切替支援機能により、ユーザは、効率的に目的のタブを発見することができる。すなわち、ユーザが見当をつけてマウスでタブをポイントすると、上記切替支援機能により、その注目タブを中心として、外観上の類似し、また幾何学的に近接する一群の関連タブが抽出され、これらタブに関する情報がユーザに対して提示される。したがって、ユーザは、目的のコンテンツに対応するタブを効率的に発見することができる。
【0072】
例えば、ウェブブラウザ上で、同一の検索エンジンによる検索結果や同一サイトのウェブ・ページ多数を開いていたり、メーラ上で特定の接頭部を有するタイトルのメールを多数開いていたりする場合に、タブを逐一選択したり、タブをマウスで逐一ポイントしてツールチップ・テキストを確認したりするといった作業負担が好適に軽減される。
【0073】
なお、上述した実施形態では、種々あるGUIコントロールのうち、タブ付きビューを一例として説明してきたが、ツリービューやリストビューなどの他のあらゆるGUIコントロールに適用することができる。また、上述した実施形態では、切替支援機能は、アプリケーション120内に実装される機能部として説明してきたが、他の実施形態では、例えばメールソフトとウェブブラウザが起動しているときにタブやアイコンをまたがって列挙するなど、複数のアプリケーションにまたがって本切替支援機能を適用することもできる。さらに、特定のアプリケーションにおけるGUIコントロールの他、GUIベースのデスクトップ環境におけるタスクスイッチ機能において、当該切替支援機能を実現することもできる。以下、図10および図11を参照しながら、本発明の第2の実施形態による切替支援機能について説明する。
【0074】
〔第2の実施形態〕
なお、以下説明する第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と共通する構成を備えるため、以下、相違点を中心に説明し、同様の機能部については、300番台で下2桁が同一の符番で参照する。
【0075】
図10は、本発明の第2の実施形態によるコンピュータ装置300の機能ブロックを示す。第2の実施形態によるコンピュータ装置300の機能ブロックは、第1の実施形態と同様に、入力装置を介した操作イベントを検出するイベント検出部310と、タスクスイッチ・プログラム330とを備える。
【0076】
本実施形態のタスクスイッチ・プログラム330は、図11に例示されるようなタスクスイッチ画面400を提供し、ユーザは、タスクスイッチ画面400を利用して効率的にウィンドウを切り替えることができる。図11は、本発明の第2の実施形態において、コンピュータ装置300が備える表示装置に表示されるタスクスイッチ画面400を例示する。図11に示すタスクスイッチ画面400には、複数のアイコン402a,402bが2次元状に並べられる。本実施形態において、タスクスイッチ画面400が表示画面を構成し、タスクスイッチ画面400上に配置されるアイコン402がオブジェクトを構成する。
【0077】
タスクスイッチ画面400上のアイコン402と、切替対象となるアプリケーションのウィンドウとは対応付けされており、アイコン402を選択することにより、選択されたアイコンに対応するアプリケーション・ウィンドウがアクティブ化される。アプリケーション・ウィンドウは、SDI(Single Document Interface)型アプリケーションにおけるウィンドウ、MDI型またはTDI型アプリケーションにおけるウィンドウの単位(子ウィンドウの単位としてもよい。)で、アイコンに対応付けられる。図11中の強調表示されたアイコン404は、フォーカス中の注目アイコンであり、強調表示された他のアイコン406a〜406cは、注目アイコン404に関連するものと評価される関連アイコンである。
【0078】
再び図10を参照すると、タスクスイッチ・プログラム330は、より詳細には、切替部332と、アイコン・データ334と、切替支援部336とを含んで構成される。切替部332は、アイコンの選択による通常の切り替え動作を制御する機能部である。アイコン・データ334は、各アイコンを管理するためのデータであり、各アイコンの表示アイコン、ツールチップ・テキスト、詳細データなどアイコンに関連する情報を記録している。
【0079】
上記タスクスイッチ画面400上に配置されたいずれかのアイコンに対しフォーカスされた状態でエンターキーが押されたり、クリックされたりすると、イベント検出部310は、当該アイコンに対するクリック操作またはエンター操作を検出し、その旨のメッセージを切替部332へ通知する。切替部332は、当該通知を受けて、アイコンに対する直接選択がユーザから指令されたものと判定し、通知されたアイコンに対応するウィンドウをアクティブ化する。
【0080】
図11に示すタスクスイッチ画面400上に配置されたアイコン402(なお、図11中では、代表してアイコン402a,402bを示す。)のいずれかに対し、フォーカスが移動するか、マウスポインタが重なるかすると、イベント検出部310は、当該アイコンに対するフォーカスまたはマウスオーバーの操作イベントを切替支援部336へ通知する。切替支援部336は、通知を受けて切替支援処理を実行する。
【0081】
切替支援部336は、第1の実施形態と同様に、評価演算部340と、抽出部342と、ポップアップ表示制御部344とを含み構成される。抽出部342は、上記タスクスイッチ画面400に関する操作イベント、つまりアイコンに対するフォーカスまたはマウスオーバーの操作イベントを契機として、この操作イベントに直接関係するアイコン(以下、注目アイコンという。)を一方とする上記評価値が、予め設定された抽出条件を満たす1以上のアイコン(以下、関連アイコンという。)を抽出する。上記抽出条件は、第1の実施形態と同様の条件を採用することができる。
【0082】
ポップアップ表示制御部344は、検出された注目アイコンおよび抽出された関連アイコンそれぞれに準備される提示情報を読み出して、アイコンと提示情報とを直接的または間接的に視覚的に関連付けながら、図11に示すような、タスクスイッチ画面400より前列の複数のポップアップ画面領域410a〜410dとして提示情報を表示する制御を行う。なお、図11においては、ポップアップ画面領域410a〜410dは注目アイコンおよび関連アイコン毎に作成され、それぞれ曲線412a〜412dにより視覚的に関連付けられている。
【0083】
また、図11に示すポップアップ画面領域410中のテキストは、アイコン間における相違点が太字で強調表示され、外観上類似するアイコン間の相違点を浮き彫りにし、ユーザに判りやすく表示している。
【0084】
ポップアップ表示制御部344は、さらに、注目アイコンまたは関連アイコンを表す選択可能に表示された項目に対するクリックなどの確定操作に応答して、確定操作が行われたアイコンに対応するウィンドウをアクティブ化することができる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示画面上に配置される多数のタブやアイコンなどのオブジェクトのうちから、ユーザの関心があると評価されるオブジェクトを抽出し、該オブジェクトに関する情報を提示することで、ユーザが望む情報を効率的に提示することを可能とし、ひいては多数のオブジェクトが表示画面に配置されてしまうことに起因したユーザ利便性の低下を好適に防止することが可能な情報処理装置、表示処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することが可能となる。
【0086】
本発明の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布または伝送して頒布することができる。
【0087】
これまで本発明を、特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
100,300…コンピュータ装置、110,310…イベント検出部、120…アプリケーション、130…ビュー制御部、132,332…切替部、134…タブ・データ、136,336…切替支援部、140,340…評価演算部、142,342…抽出部、144,344…ポップアップ表示制御部、200…ウィンドウ、202…タブ付きビュー、202a…ビューエリア、204…アクティブ・タブ、206…非アクティブ・タブ、208…ボタン、210…マウスポインタ、212,232…注目タブ、214,234…関連タブ、216,236…ボタン、218,238…関連タブ(省略タブ)、220,410…ポップアップ画面領域、222…矢印付き曲線、330…タスクスイッチ・プログラム、334…アイコン・データ、400…タスクスイッチ画面、402…アイコン、404…注目アイコン、406…関連アイコン、412…曲線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置であって、
オブジェクト間の類似性および前記表示画面上での距離を評価する評価値を演算する演算部と、
前記表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを契機として、前記操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして前記表示画面から抽出する抽出部と、
前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、視覚的に関連付けて、前記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する表示制御部と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれの提示情報を、オブジェクト間で相違する箇所を明示しながら前記画面領域に並べて表示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記注目オブジェクトまたは前記関連オブジェクトを項目として選択可能に表示するとともに、前記注目オブジェクトまたは前記関連オブジェクトを表す項目に対する確定操作に応答して、前記ソフトウェアに対し、前記確定操作が行われた項目に対応するオブジェクトを通知する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示画面上に配置される前記関連オブジェクトを、前記類似性および前記距離またはこれらのいずれか一方に応じた階調で強調表示するとともに、前記画面領域に一覧表示される前記関連オブジェクトを表す項目を、前記類似性および前記距離またはこれらのいずれか一方でソートして表示することを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
解除条件が満たされて前記画面領域が消えるまでの間、前記抽出部は、前記表示画面上の関連オブジェクトに対する操作イベントに応答として、該操作イベントに直接関係する関連オブジェクトを最新状態の注目オブジェクトとして、最新状態の関連オブジェクトを再抽出し、前記表示制御部は、前記最新状態の内容で前記画面領域を更新する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示画面に配置された関連オブジェクトに対する操作イベントまたは前記画面領域内の関連オブジェクトを表す項目に対する操作イベントを契機として、前記画面領域内の該関連オブジェクトを表す項目と、前記表示画面に配置される該関連オブジェクトとを視覚的に関連付け直すことを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示画面は、該表示画面上への配置が省略されている1以上の省略オブジェクトに関連付けられるオブジェクトを含み、前記抽出部は、前記注目オブジェクトとの間の少なくとも類似性を評価する評価値が条件を満たす1以上の省略オブジェクトをさらに関連オブジェクトとして抽出することを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記表示画面上に配置されるオブジェクト数が規定値を超えた場合に有効とされる、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記オブジェクト間の類似性は、各オブジェクトが有する表示テキスト、表示画像および説明データの少なくとも1つの属性に対して定義される距離を評価する類似性評価関数を用いて演算され、前記オブジェクト間の前記表示画面上での距離は、各オブジェクトの前記表示画面上に配置される位置に対して定義される幾何学的な距離を評価する距離評価関数を用いて演算され、前記評価値は、前記類似性評価関数および前記距離評価関数を結合した関数を用いて演算される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提示情報は、テキストを含み、前記オブジェクト間で相違する箇所は、前記テキスト中の相違または共通する箇所のフォント、文字修飾、文字色を変更することによって、強調表示されることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置が、前記表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを検出するステップと、
前記情報処理装置が、前記操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方として、前記複数のオブジェクトのうちの他のオブジェクトそれぞれについて、オブジェクト間の類似性および前記表示画面上での距離を評価する評価値を演算し、前記評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして抽出するステップと、
前記情報処理装置が、前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれに準備された提示情報を、視覚的に関連付けて、前記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示するステップと
を含む、表示処理方法。
【請求項12】
前記表示するステップは、前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれの提示情報について、オブジェクト間で相違する箇所を特定するサブステップと、
特定された前記相違する箇所を明示しながら前記画面領域に並べて表示するサブステップとを含む、請求項11に記載の表示処理方法。
【請求項13】
複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置を実現するための、コンピュータ実行可能なプログラムであって、前記コンピュータを、
オブジェクト間の類似性および前記表示画面上での距離を評価する評価値を演算する演算部、
前記表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを契機として、前記操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして前記表示画面から抽出する抽出部、および
前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、視覚的に関連付けて、前記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する表示制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータ実行可能なプログラムをコンピュータ可読に格納する記録媒体。
【請求項1】
複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置であって、
オブジェクト間の類似性および前記表示画面上での距離を評価する評価値を演算する演算部と、
前記表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを契機として、前記操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして前記表示画面から抽出する抽出部と、
前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、視覚的に関連付けて、前記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する表示制御部と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれの提示情報を、オブジェクト間で相違する箇所を明示しながら前記画面領域に並べて表示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記注目オブジェクトまたは前記関連オブジェクトを項目として選択可能に表示するとともに、前記注目オブジェクトまたは前記関連オブジェクトを表す項目に対する確定操作に応答して、前記ソフトウェアに対し、前記確定操作が行われた項目に対応するオブジェクトを通知する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示画面上に配置される前記関連オブジェクトを、前記類似性および前記距離またはこれらのいずれか一方に応じた階調で強調表示するとともに、前記画面領域に一覧表示される前記関連オブジェクトを表す項目を、前記類似性および前記距離またはこれらのいずれか一方でソートして表示することを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
解除条件が満たされて前記画面領域が消えるまでの間、前記抽出部は、前記表示画面上の関連オブジェクトに対する操作イベントに応答として、該操作イベントに直接関係する関連オブジェクトを最新状態の注目オブジェクトとして、最新状態の関連オブジェクトを再抽出し、前記表示制御部は、前記最新状態の内容で前記画面領域を更新する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示画面に配置された関連オブジェクトに対する操作イベントまたは前記画面領域内の関連オブジェクトを表す項目に対する操作イベントを契機として、前記画面領域内の該関連オブジェクトを表す項目と、前記表示画面に配置される該関連オブジェクトとを視覚的に関連付け直すことを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示画面は、該表示画面上への配置が省略されている1以上の省略オブジェクトに関連付けられるオブジェクトを含み、前記抽出部は、前記注目オブジェクトとの間の少なくとも類似性を評価する評価値が条件を満たす1以上の省略オブジェクトをさらに関連オブジェクトとして抽出することを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記表示画面上に配置されるオブジェクト数が規定値を超えた場合に有効とされる、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記オブジェクト間の類似性は、各オブジェクトが有する表示テキスト、表示画像および説明データの少なくとも1つの属性に対して定義される距離を評価する類似性評価関数を用いて演算され、前記オブジェクト間の前記表示画面上での距離は、各オブジェクトの前記表示画面上に配置される位置に対して定義される幾何学的な距離を評価する距離評価関数を用いて演算され、前記評価値は、前記類似性評価関数および前記距離評価関数を結合した関数を用いて演算される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提示情報は、テキストを含み、前記オブジェクト間で相違する箇所は、前記テキスト中の相違または共通する箇所のフォント、文字修飾、文字色を変更することによって、強調表示されることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置が、前記表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを検出するステップと、
前記情報処理装置が、前記操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方として、前記複数のオブジェクトのうちの他のオブジェクトそれぞれについて、オブジェクト間の類似性および前記表示画面上での距離を評価する評価値を演算し、前記評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして抽出するステップと、
前記情報処理装置が、前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれに準備された提示情報を、視覚的に関連付けて、前記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示するステップと
を含む、表示処理方法。
【請求項12】
前記表示するステップは、前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれの提示情報について、オブジェクト間で相違する箇所を特定するサブステップと、
特定された前記相違する箇所を明示しながら前記画面領域に並べて表示するサブステップとを含む、請求項11に記載の表示処理方法。
【請求項13】
複数のオブジェクトが配置される表示画面をユーザ・インタフェースとして備えるソフトウェアが動作する情報処理装置を実現するための、コンピュータ実行可能なプログラムであって、前記コンピュータを、
オブジェクト間の類似性および前記表示画面上での距離を評価する評価値を演算する演算部、
前記表示画面に関する入力装置を介した操作イベントを契機として、前記操作イベントに直接関係する注目オブジェクトを一方とする評価値が抽出条件を満たす1以上のオブジェクトを関連オブジェクトとして前記表示画面から抽出する抽出部、および
前記注目オブジェクトおよび前記関連オブジェクトそれぞれに準備される提示情報を、視覚的に関連付けて、前記表示画面より前列の画面領域として表示装置上に表示する表示制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータ実行可能なプログラムをコンピュータ可読に格納する記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−133528(P2012−133528A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284435(P2010−284435)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
【Fターム(参考)】
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