説明

情報処理装置およびオブジェクト設定方法

【課題】ポインティングデバイスによって操作可能な情報処理装置において、作業効率および操作性を改善すること。
【解決手段】ポインティングデバイスをクリックしながらポインタを移動するドラッグ動作および移動後にクリックを離すドロップ動作の各1回の動作からドラッグ動作の開始位置、このドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離と移動方向を判定し、当該判定結果に基づいて、オブジェクトの種類、配置場所および大きさを含む表示パラメータを設定する。これらの表示パラメータのうち、オブジェクトの配置場所はドラッグ動作の開始位置の情報に基づいて決定され、オブジェクトの大きさはドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離の情報に基づいて決定され、オブジェクトの種類はその移動方向の情報に基づいて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインティングデバイスによって操作可能な情報処理装置および、当該情報処理装置に適用可能なオブジェクト設定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンやワークステーションなどの情報処理装置のインターフェイスはGUI(Graphical User Interface)になっており、ポインティングデバイスとして、マウスが利用されることが一般的である。これらの情報処理装置において、特に、オブジェクトの「種類」、「配置場所」、「大きさ」を決定する際には、それぞれの決定を1項目ずつ順に、マウスのクリック動作およびドラッグ&ドロップ動作を行って決定していた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−330177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1を初めとする従来技術では、1つのオブジェクトを設定するために各1アクション、つまりクリック動作、ドラッグ動作およびドロップ動作による計3アクション以上を行わなければならず、さらに「種類」の決定ではマウスカーソルを作業領域からツールバーやメニューバーまで移動させて選択する必要があり、作業効率が悪いという問題点があった。
【0005】
また、従来技術では、既に決定されているオブジェクトの「種類」の変更に要するマウスやキーボードでのアクションが多いため、必ずしも操作性がよいとは言い難く、操作性に対する改善の余地が残されていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ポインティングデバイスを使用して操作処理を行う情報処理装置において、作業効率を改善し、操作性の更なる改善を可能とする情報処理装置およびオブジェクト設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる情報処理装置は、ポインティングデバイスによって操作可能な情報処理装置において、前記ポインティングデバイスをクリックしながらポインタを移動するドラッグ動作および移動後にクリックを離すドロップ動作の各1回の動作から、ドラッグ動作の開始位置および、このドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離と移動方向を判定し、当該判定結果に基づいて、オブジェクトの種類、配置場所および大きさを含む表示パラメータを設定する表示パラメータ設定部と、前記表示パラメータ設定部にて設定された表示パラメータに基づいて、当該オブジェクトを表示画面上に表示する表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる情報処理装置によれば、ポインティングデバイスをクリックしながらポインタを移動するドラッグ動作および移動後にクリックを離すドロップ動作の各1回の動作から、ドラッグ動作の開始位置および、このドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離と移動方向を判定し、当該判定結果に基づいてオブジェクトの種類、配置場所および大きさを含む表示パラメータを設定し、設定された表示パラメータに基づいて当該オブジェクトを表示画面上に表示するようにしているので、作業効率の改善および操作性の更なる改善が可能となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法の概念を適用可能な情報処理装置の一構成例を示す図である。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる情報処理装置の機能を具現する要部の構成を示す図である。
【図3】図3は、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法を説明するためのウィンドウ表示の一例を示す図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかる第1のオブジェクト設定手法の一例を示す図である。
【図5】図5は、本実施の形態にかかる第2のオブジェクト設定手法の一例を示す図である。
【図6】図6は、本実施の形態にかかる第3のオブジェクト設定手法の一例を示す図である。
【図7】図7は、第1〜第3のオブジェクト設定手法に基づく設定手順を示すフローチャートである。
【図8−1】図8−1は、従来のオブジェクト設定手法の一例にかかるウィンドウ表示(オブジェクト選択のための移動)を示す図である。
【図8−2】図8−2は、従来のオブジェクト設定手法の一例にかかるウィンドウ表示(オブジェクトの選択)を示す図である。
【図8−3】図8−3は、従来のオブジェクト設定手法の一例にかかるウィンドウ表示(選択オブジェクトの配置)を示す図である。
【図8−4】図8−4は、従来のオブジェクト設定手法の一例にかかるウィンドウ表示(選択オブジェクトのサイズ変更)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置および、当該情報処理装置に適用可能なオブジェクト設定方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法の概念を適用可能な情報処理装置の一構成例を示す図である。図1において、情報処理装置10は、CPU12、ROM14、RAM16等が、データバス、アドレスバス及びコントロールバスを含むバス18によって接続されている。情報処理装置10には、バス18に接続される入出力インターフェイス(I/Oインターフェイス)20が設けられている。なお、このような情報処理装置10の例としては、パーソナルコンピュータ(PC、所謂パソコン)、ワークステーション(WS)などが代表的なものである。
【0012】
I/Oインターフェイス20には、HDD22が接続されている。HDD22には、OSと共に各種のアプリケーションプログラムなどのプログラムファイル、各種データを含むデータファイルなどが記憶される。CPU12は、HDD22に記憶されているファイルからOSおよびアプリケーションプログラム(アプリケーションソフト)を読み込んで、アプリケーションデータや画像データなどの各種のデータに対する処理(情報処理)を実行する。
【0013】
また、I/Oインターフェイス20には、入力デバイスとするキーボード24および、ポインティングデバイスの一例であるマウス26、ならびにビデオRAM(VRAM)28およびグラフィックコントローラ30を備えたビデオカード32が接続されており、このビデオカード32に、表示手段であるモニタ34が接続されている。
【0014】
上記のように構成された情報処理装置10では、モニタ34に各種の画面を表示しながら、キーボード24およびマウス26の操作によって表示画面に基づいた各種の処理や、所望の画面表示が可能となっている。
【0015】
また、I/Oインターフェイス20には、例えば、USB(universal serial bus)、IEEE1394などの所定規格のインターフェイスが設けられ、情報処理装置10では、これらのインターフェイスを介した各種データの入出力が可能となっている。
【0016】
一方、情報処理装置10のOSやアプリケーションでは、GUI(Graphical User Interface)を用いた各種の表示、入力操作などが可能となっている。すなわち、情報処理装置10では、モニタ34上に、GUIとしての複数のウィンドウ40が表示可能となっている。
【0017】
このウィンドウ40には、例えば、各種のデータファイル、画像などのファイルや、これらのファイルが格納されたアイコンがオブジェクトとして表示される。また、ウィンドウ40には、処理対象となる画像ファイルの画像や、データファイルに基づいた文書などが表示される。なお、ウィンドウ40内の表示は、アプリケーションに応じた任意の構成を適用することができ、ここでの詳細な説明を省略する。
【0018】
また、情報処理装置10では、モニタ34に表示されるポインタ42を、ポインティングデバイスとして接続されているマウス26によって操作することが可能となっている。なお、マウス26を用いたポインタ42の操作としては、ポインタ42の移動、ポインタ42が示すオブジェクトの選択などの公知の内容が適用される。すなわち、情報処理装置10では、マウス26の操作によって、ウィンドウ40を選択したり、ウィンドウ40内のアイコンを選択したりする操作(クリック操作)、ウィンドウ40を拡縮したり移動したりする操作、アイコンを選択して移動する操作(ドラッグ&ドロップ)などの各種の操作が可能となっている。
【0019】
図2は、本実施の形態にかかる情報処理装置10の機能を具現する要部の構成を示す図である。情報処理装置10には、表示制御部51および表示パラメータ設定部53が設けられている。マウス26は、マウス操作による移動方向や移動量に応じた信号を生成して情報処理装置10に出力する。キーボード24は、キー操作による信号を生成して情報処理装置10に出力する。表示制御部51は、マウス26の操作に応じてモニタ34に表示されるポインタ42の表示制御や、選択されたオブジェクトのモニタ34への表示制御を行う。表示パラメータ設定部53は、マウス26をクリックしながらポインタ42を移動するドラッグ動作および移動後にクリックを離すドロップ動作(ドラッグ&ドロップ動作)の各1回の動作からドラッグ動作の開始位置、このドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離と移動方向を判定し、当該判定結果に基づいて、オブジェクトの種類、配置場所、大きさなどの表示パラメータを決定し、オブジェクトに当該表示パラメータを設定する。
【0020】
なお、情報処理装置10に設けられる表示制御部51および表示パラメータ設定部53の各機能は、ハードウェアによって構成されるものでもよいし、ソフトウェア(プログラム)をCPU12で実行することにより形成されるものであってもよい。
【0021】
図3は、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法を説明するためのウィンドウ表示の一例を示す図である。図3において、ウィンドウ100には、メニュー表示部101、ツールバー表示部102、作業領域表示部105などが設けられている。ツールバー表示部102には、標準ツールバー102a、図形ツールバー102b、オブジェクトツールバー102cが表示され、作業領域表示部105には、オブジェクト103および、ポインティングデバイスの指し示す位置を表すポインタ104が表示されている。なお、図3では、オブジェクトの一例として、数値表示オブジェクト103a、図形オブジェクト103b、図形記号オブジェクト103c,103d、文字図形オブジェクト103e,103f,103gなどを表示している。特に、図形記号オブジェクト103cは、種類が「ランプ」のオブジェクト例であり、図形記号オブジェクト103dは、種類が「ビットスイッチ」のオブジェクト例である。
【0022】
図4は、本実施の形態にかかる第1のオブジェクト設定手法の一例を示す図である。図4において、作業領域表示部105には、図3に示したオブジェクトに加えて、第1の種類ガイド301およびサイズ枠302が表示されている。第1の種類ガイド301は、選択可能なオブジェクトの候補を表す案内表示であり、ドラッグ動作を行った場合に表示される(図4では、スイッチ、ランプ、図形、数値(アスキー)の4つのオブジェクトを一例として示している。サイズ枠302は、オブジェクトの大きさを指定する表示枠である。このサイズ枠302において、ドラッグを開始した任意の地点P1とポインタの現在地点P2との距離に応じてオブジェクトの大きさ(オブジェクトサイズ)が決定され、最終的にはドロップ動作を行った地点によりオブジェクトの種類および大きさが決定される。
【0023】
なお、図4では、ドラッグの始点の情報によってオブジェクトの配置位置が決まる例を示しているが、これに限定されるものではなく、例えばドラッグの終点の情報によってオブジェクトの配置位置が決まるようにしても構わない。
【0024】
また、図4の例では、図示することはできないが、第1の種類ガイド301内のオブジェクトのうち、ドラッグ動作を行った方向にあるオブジェクト、すなわち選択候補となるオブジェクトに色を付けて表示するようにすれば、操作性および視認性に優れた表示画面の提供が可能となる。
【0025】
図5は、本実施の形態にかかる第2のオブジェクト設定手法の一例を示す図である。図5において、作業領域表示部105には、図4に加えて、ツールバー形式のリスト303が表示されている。例えば、図4において、オブジェクトの種類としてスイッチを選択した場合、スイッチには更に細分化された種類があるため、その種類をリスト303の形で提供している。操作者は、リスト303のうちの任意の一つを選択することにより、当該オブジェクト、すなわち細部分類されたスイッチオブジェクトの表示が可能となる。
【0026】
図6は、本実施の形態にかかる第3のオブジェクト設定手法の一例を示す図である。図6において、作業領域表示部105には、図5に加えて、確定表示枠304および第2の種類ガイド305が表示されている。この第3のオブジェクト設定手法を使用する場合、キーボード24の所定のキーには、予め所定のオブジェクトの種類が割り当てられていることが前提となる。図4に示される画面において、所定のキーボードキーを押下した状態で、第1の種類ガイド301の左上方向にあるスイッチの表示エリアにてドロップすると、図6に示すように、更に細分分類されたスイッチオブジェクトを表示する第2の種類ガイド305に入れ替わる。なお、この表示画面において、4つのエリアにある何れかのエリアをクリックすることにより、当該エリアに割り当てられているオブジェクトが確定表示枠304に表示される。
【0027】
図7は、上記した第1〜第3のオブジェクト設定手法に基づく設定手順を示すフローチャートである。以下、図7のフローに従って、第1〜第3オブジェクト設定手法に基づく設定手順の詳細を説明する。なお、同図のフローに示す各処理は、情報処理装置10に具備される表示制御部51または表示パラメータ設定部53によって実行される。
【0028】
まず、マウスがドラッグされたか否かが判定され(ステップS11)、マウスがドラッグされた場合には(ステップS11、Yes)、さらにオブジェクトが選択されているか否かが判定され(ステップS12)、オブジェクトが選択されていない場合には(ステップS12,No)、オブジェクトの配置座標を確定し(ステップS13)、ステップS14の処理に移行する。なお、ステップS12にて、オブジェクトが選択されている場合とは(ステップS12,Yes)、例えば画面上に表示されているオブジェクトの種類を変更する場合等であり、この場合には、オブジェクトの配置座標が確定されているので、ステップS13の処理をバイパスしてステップS14に移行する。
【0029】
ステップS14では、マウスがドラッグされているときにキーボード入力があるか否かが判定され、キーボード入力がない場合には(ステップS14,No)、上記した第1の種類ガイド(図4参照)を表示して(ステップS15)、ステップS17の処理に移行する。一方、キーボード入力がある場合には(ステップS14,Yes)、上記した第2の種類ガイド(図6参照)を表示して(ステップS16)、ステップS17の処理に移行する。
【0030】
ステップS17では、マウスがドロップされたか否かが判定され、マウスがドロップされていない場合には(ステップS17,No)、キーボード入力の待ちの状態となる(ステップS14)。一方、マウスがドロップされている場合には(ステップS17,Yes)、さらに上記ドラッグ&ドロップの動作においてポインタの移動があったか否かが判定され(ステップS18)、ポインタの移動がなければ(ステップS18,No)ステップS11の処理に戻り、ポインタの移動があれば(ステップS18,Yes)、さらに上記ステップS12の処理でオブジェクトが選択されていたか否かが判定される(ステップS19)。
【0031】
ここで、オブジェクトが選択されていない場合には(ステップS19,No)、ドラッグ&ドロップの距離(ドラッグ地点とドロップ地点との間の距離)によりオブジェクトの大きさを確定し(ステップS20)、ステップS21の処理に移行する。なお、ステップS19にて、オブジェクトが選択されていると判定される場合は(ステップS19,Yes)、ステップS12にてオブジェクトが選択されている場合であり、この場合には、オブジェクトの配置座標が確定されているので、ステップS20の処理をバイパスしてステップS21の処理に移行する。
【0032】
ステップS21では、ドロップされたガイド(第1の種類ガイドまたは第2の種類ガイド)上にあるオブジェクトの種類に確定され、さらに種類の細分化があるか否かが判定され(ステップS22)、種類の細分化がない場合には(ステップS22,No)処理を終了し、種類の細分化がある場合には(ステップS22,Yes)、ドロップした地点近傍により細分化されたリスト枠を表示し(ステップS23)、このリスト枠よりオブジェクトの種類を決定し(ステップS24,Yes)、処理を終了する。なお、オブジェクトの種類を選択しない場合には(ステップS24,No)、ステップS11の処理に戻る。
【0033】
なお、上記の処理フローにおいて、キーボード入力があると判定したフロー(ステップS14,Yes)が上記第3のオブジェクト設定手法に対応し、種類の細分化があると判定したフロー(ステップS22,Yes)が上記第2のオブジェクト設定手法に対応し、これら以外のフローが上記第1のオブジェクト設定手法に対応することになる。
【0034】
つぎに、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法を適用した場合の効果について、従来のオブジェクト設定手法にかかるウィンドウ表示の一例として示される図8−1〜図8−4の各図面などを参照して説明する。なお、図8−1は、オブジェクト選択のための移動操作を示すウィンドウ表示であり、図8−2は、オブジェクト選択ための選択操作を示すウィンドウ表示であり、図8−3は、選択オブジェクトの配置操作を示すウィンドウ表示であり、図8−4は、選択オブジェクトのサイズ変更操作を示すウィンドウ表示である。
【0035】
まず、従来のオブジェクト設定手法では、オブジェクトの種類を決定する際には、ポインティングデバイスをメニュー表示部やツールバー表示部まで移動させた後に、作業領域の表示位置まで戻す須操作を行う必要があるため、ポインティングデバイスの移動量が大きく、作業効率が悪いという問題点があった(図8−1、図8−3参照)。また、従来のオブジェクト設定手法では、オブジェクトの種類の決定や、オブジェクトの種類の変更、あるいはオブジェクトのサイズの変更に要するアクション数が多くなるため、操作性が悪いという問題点があった(図8−2、図8−4参照)。さらに、従来のオブジェクト設定手法では、一つのオブジェクトを指定、配置するためには、オブジェクトの「種類」、「配置場所」、「大きさ」の設定という3アクションの操作を必要とするため、オブジェクトの設定に時間がかかるという問題点があった(図8−4参照)。
【0036】
一方、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法および、当該オブジェクト設定手法を適用した情報処理装置では、ドラッグ&ドロップによる各1回のアクションで、オブジェクトの「種類」、「配置場所」、「大きさ」の全てを設定することができるので、作業効率および操作性を改善することができる。
【0037】
また、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法および、当該オブジェクト設定手法を適用した情報処理装置によれば、ドラッグ中にガイド表示を行うようにしているので、どの方向にどのオブジェクトが割り当てられているのかを覚えることなく、オブジェクトの種類を決定することができる。
【0038】
また、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法および、当該オブジェクト設定手法を適用した情報処理装置によれば、ガイド表示に表される表示数が所定数(本実施例では“4”)以上の場合、ドロップ地点の近傍付近に、さらに細分化されたオブジェクトのリスト枠を表示するようにしているので、所定数以上のオブジェクト数がある場合であっても、オブジェクトの設定操作に関する作業効率および操作性の改善が可能となる。
【0039】
また、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法および、当該オブジェクト設定手法を適用した情報処理装置によれば、所定のキーボードキーにオブジェクトの種類を割り当て、キーボードキーを押下した状態でのドラッグ&ドロップ動作を可能とすると共に、ドラッグ中にオブジェクトの種類を表示するようにしているので、どのキーボードキーにどのオブジェクトが割り当てられているのかを覚えることなく、オブジェクトの種類を決定することができる。
【0040】
また、本実施の形態にかかるオブジェクト設定手法および、当該オブジェクト設定手法を適用した情報処理装置によれば、オブジェクトが選択されている状態でのポインティングデバイスによるドラッグ&ドロップを行うことにより、ガイド表示と、オブジェクトの「種類」、「配置場所」、「大きさ」の設定とを行うことができるので、どの方向にどのオブジェクトが割り当てられているのかを覚えることなく、オブジェクトの種類を変更することができ、オブジェクトの変更操作に関する作業効率および操作性の改善が可能となる。
【0041】
なお、ポインティングデバイスの一例である例えばマウスを用いる際に、マウスの右ボタンに上記した各機能を割り当てるようにすれば、従来のオブジェクト設定手法を左ボタンの機能として残すことができるので、操作者の好みに合わせて機能を使い分けすることができ、あるいは操作者の習熟度に応じて機能を切り替えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置およびオブジェクト設定方法は、ポインティングデバイスによって操作可能な情報処理装置において、作業効率および操作性の更なる改善を可能とする発明として有用である。
【符号の説明】
【0043】
10 情報処理装置
18 バス
20 I/Oインターフェイス
22 HDD
24 キーボード
26 マウス
28 VRAM
30 グラフィックコントローラ
32 ビデオカード
34 モニタ
40 ウィンドウ
42,104 ポインタ
51 表示制御部
53 表示パラメータ設定部
100 ウィンドウ
101 メニュー表示部
102c オブジェクトツールバー
102 ツールバー表示部
102a 標準ツールバー
103 オブジェクト
103a 数値表示オブジェクト
103e,103f,103g 文字図形オブジェクト
105 作業領域表示部
301 第1の種類ガイド
302 サイズ枠
303 リスト
304 確定表示枠
305 第2の種類ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポインティングデバイスによって操作可能な情報処理装置において、
前記ポインティングデバイスをクリックしながらポインタを移動するドラッグ動作および移動後にクリックを離すドロップ動作の各1回の動作から、ドラッグ動作の開始位置および、このドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離と移動方向を判定し、当該判定結果に基づいて、オブジェクトの種類、配置場所および大きさを含む表示パラメータを設定する表示パラメータ設定部と、
前記表示パラメータ設定部にて設定された表示パラメータに基づいて、当該オブジェクトを表示画面上に表示する表示制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示パラメータ設定部は、ドラッグ動作の開始位置の情報に基づいてオブジェクトの配置場所を決定し、ドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離の情報に基づいてオブジェクトの大きさを決定し、又、その移動方向の情報に基づいてオブジェクトの種類を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記オブジェクトの種類を決定するためのガイドエリアを表示することが可能であり、ドラッグ動作が実行される際に、当該ガイドエリアを表示することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記ガイドエリアに表示可能なオブジェクトの種類数よりも多くの種類数を有するオブジェクトを表示させる場合、ドロップ動作を行った地点の近傍に、当該ガイドエリアに表示されているオブジェクトを更に細分化したオブジェクトを含むリスト表示を行うことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
さらにキーボードとの接続が可能であり、当該キーボードの所定のキーには所定のオブジェクトの種類が割り当てられているとき、
前記表示制御部は、ドラッグ動作が実行される際に前記所定のキーを押下する動作が実行されているときには、このドラッグ動作に合わせて前記所定のキーに割り当てられたオブジェクトの種類を前記ガイドエリアの所定の領域に表示し、
前記表示パラメータ設定部は、ドロップ動作が実行される際に前記所定のキーを押下する動作が実行されているときには、当該ドロップ動作が行われた領域に割り当てられ表示されているオブジェクトの種類を選択するとともに、当該ドラッグ動作の開始点からドロップ動作を行った地点までの距離の情報に基づいて当該オブジェクトの大きさを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示画面上に表示されたオブジェクトの少なくとも1つを選択した状態に保持しながらのドラッグ動作およびドロップ動作が実行されるとき、
前記表示制御部は、前記選択されたオブジェクトを他のオブジェクトに変更するためのガイドエリアを表示することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ポインティングデバイスがマウスである場合において、
前記ドラッグ動作および前記ドロップ動作の各機能を前記マウスの右ボタンに付与することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ポインティングデバイスを使用してオブジェクトの設定処理を行う情報処理装置に適用可能なオブジェクト設定方法であって、
前記ポインティングデバイスをクリックしながらポインタを移動するドラッグ動作および移動後にクリックを離すドロップ動作の各1回の動作から、ドラッグ動作の開始位置および、このドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離と移動方向を判定する操作判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて、オブジェクトの種類、配置場所および大きさを含む表示パラメータを設定する表示パラメータ設定ステップと、
前記表示パラメータ設定ステップにて設定された表示パラメータに基づいて、当該オブジェクトを表示画面上に表示する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とするオブジェクト設定方法。
【請求項9】
前記表示パラメータ設定ステップでは、オブジェクトの配置場所をドラッグ動作の開始位置の情報に基づいて決定し、オブジェクトの大きさをドラッグ動作の開始位置からドロップ動作を行った位置までの移動距離の情報に基づいて決定し、又、オブジェクトの種類をその移動方向の情報に基づいて決定することを特徴とする請求項8に記載のオブジェクト設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【公開番号】特開2010−160655(P2010−160655A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1979(P2009−1979)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】