情報処理装置およびプログラム
【課題】商品の値引販売を簡単に行うことができる情報処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、記憶手段と、販売ペース算出手段と、販売価格選択手段と、報知手段と、を備える。記憶手段は、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する。販売ペース算出手段は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する。報知手段は前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する。
【解決手段】情報処理装置は、記憶手段と、販売ペース算出手段と、販売価格選択手段と、報知手段と、を備える。記憶手段は、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する。販売ペース算出手段は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する。報知手段は前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明の実施の形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
スーパーマーケット等の店舗では、生鮮食品や惣菜等の商品の廃棄量を削減するために、これら加工品を当日中に売り切ることを目的とした見切り販売が行われる。見切り販売では、店舗の営業終了時間が近づくと、商品の売れ残りを削減するために値引販売が行われる。売れ残っている商品には、店員によって、値引額や割引率等を表示した値引ラベルが一枚一枚貼り付けられたり、売り場コーナーに「全品○割引」等と書いた値引表示が設置されたりする。
【０００３】
例えば、特許文献１には、値引ラベルを印刷するラベルプリンタに関する技術が開示されており、店員は、印刷した値引ラベルを商品に貼付して商品の値引販売を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、商品の値引額や割引率は、値引販売による利益損失が最小となるように、商品の残数や店舗の閉店時間前の残時間に応じて設定されることが望ましい。しかしながら、現状では、残時間や残数を考慮して店員の勘に頼って値引のタイミングや値引額を決めているため、売上利益と商品の廃棄数とが最適となるように値引額を設定することが難しいという問題がある。
【０００５】
また、従来は、閉店時刻が近づいて値引額を増加させる度に、店員によって新たな値引額の値引ラベルを貼りなおしたり、値引表示を修正したりする必要があり、手間がかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
実施の形態の情報処理装置は、記憶手段と、販売ペース算出手段と、販売価格選択手段と、報知手段と、を備える。記憶手段は、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する。販売ペース算出手段は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する。報知手段は前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する。
【０００７】
また、実施の形態のプログラムは、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置において、コンピュータを、販売ペース算出手段と、販売価格選択手段と、報知手段と、して機能させる。販売ペース算出手段は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する。報知手段は前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】図１は、本実施の形態にかかる価格表示システムの構成を示すブロック図である。
【図２】図２は、商品陳列棚に設置された表示装置の一例を示す図である。
【図３】図３は、値引価格を表示した表示装置の一例を示す図である。
【図４】図４は、ＰＯＳ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図５】図５は、ＰＯＳ端末の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図６】図６は、管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図７】図７は、商品マスタを説明する図である。
【図８】図８は、販売時間に対する商品の販売数を示すグラフである。
【図９】図９は、販売価格ごとの商品の販売見込み数を示すグラフである。
【図１０】図１０は、販売ペースデータベースの一例を示す図である。
【図１１】図１１は、管理サーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図１２】図１２は、管理サーバが行う値引処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１は、本実施の形態にかかる価格表示システム１の構成を示すブロック図である。図１に示すように、価格表示システム１は、本実施の形態にかかる情報処理装置としての管理サーバ２に、商品の値引に関する表示やその他の表示を行う表示装置３と、ＰＯＳ（Point Of Sales）端末４とが、ＬＡＮ４４によって接続されて構成されている。
【００１０】
管理サーバ２は、価格表示システム１全体を制御するサーバであり、ＰＯＳ端末４から送出された店舗内の販売データや、売上データを管理するものである。また、管理サーバ２は、商品の残数や、閉店時刻までの残時間等に応じて商品の値引処理を行い、値引後の販売価格等を表示装置３に表示させる。
【００１１】
表示装置３は、液晶ディスプレイや電子ペーパー等で構成されるものであり、図２に示すように、店舗に設けられた商品陳列棚６に設置される。そして、表示装置３は管理サーバ２の制御により、商品陳列棚６に陳列された弁当や惣菜等の商品７の商品名や販売価格、販促メッセージ等を表示する。尚、表示装置３として、所謂電子棚札を用いてもよい。
【００１２】
例えば図２に示すように、商品７を定価で販売する場合には、管理サーバ２は表示装置３に「豚しょうが焼き弁当 ６００円」等と商品７の定価を表示させる。また、図３に示すように、商品７を値引販売する場合には、管理サーバ２は表示装置３に「お買得 豚しょうが焼き弁当 定価６００円を５８０円」等と、値引した販売価格を表示させる。
【００１３】
このように、表示装置３に商品７の販売価格を表示させることにより、値引後の販売価格を「５８０円」と印字したラベルや、「５０円引」や「１割引」等の値引情報を印字したラベル等を、商品７に逐一貼り付けなくとも済み、店員の作業負担を低減することができる。
【００１４】
尚、商品７には、表示装置３と連動して自動値引が行われる商品であることを示すラベルとして、「自動値引対象商品」等と印字したラベルを貼付することが望ましい。
【００１５】
ＰＯＳ端末４は、商品の販売登録を行い、商品の販売個数を管理サーバ２に送信する。
【００１６】
図４は、ＰＯＳ端末４のハードウェア構成を示すブロック図である。図４に示すように、ＰＯＳ端末４は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）３０と、ＲＯＭ（Read Only Memory）３５と、ＲＡＭ（Random Access Memory）３６と、通信Ｉ／Ｆ３７と、キーボード３８と、店員用ディスプレイ３９と、客用ディスプレイ４０と、プリンタ４１と、スキャナ４２とを主に備えており、これらがバス４３によって接続されている。ＰＯＳ端末４は、通信Ｉ／Ｆ３７を介してＬＡＮ４４（図１参照）で接続された管理サーバ２と相互に通信を行うことが可能となっている。
【００１７】
ＲＯＭ３５は、ＣＰＵ３０が実行する各種プログラムや各種データを記憶している。ＲＡＭ３６は、ＣＰＵ３０が各種プログラムを実行する際に、一時的にデータやプログラムを記憶する。ＣＰＵ３０は、ＲＯＭ３５に格納された各種プログラムをＲＡＭ３６に展開して実行することにより、ＰＯＳ端末４のシステム全体を制御する制御部３１（図５参照）を生成する。
【００１８】
図５は、ＰＯＳ端末４の機能的構成を示す機能ブロック図である。図５に示すように、制御部３１は、入力受付部３２と、販売登録部３３と、送信部３４とを備えている。
【００１９】
入力受付部３２は、商品に貼付されたバーコードをスキャナ４２によってスキャンすることにより、バーコードが含む商品コードの入力を受付ける。
【００２０】
販売登録部３３は、入力受付部３２が受付けた商品コードに対する商品名や商品の販売価格等の商品情報を、管理サーバ２が格納する商品マスタＭ（図７参照）から読み込んで、読み込んだ商品情報を用いて商品の販売登録を行う。
【００２１】
送信部３４は、ＰＯＳ端末４において現計キーなどが押下されて一取引が終了した場合に、販売登録部３３が販売登録した商品の商品名や販売個数などの販売データを、管理サーバ２に送信する。
【００２２】
次に、管理サーバ２について説明する。図６は、管理サーバ２のハードウェア構成を示すブロック図である。図６に示すように、管理サーバ２は、ＣＰＵ２０などの制御装置と、ＲＯＭ１２やＲＡＭ１３等の記憶装置と、プログラムや各種ファイルを記憶するＨＤＤ（Hard Disk Drive）１８やＣＤドライブ装置（不図示）などの外部記憶装置と、液晶ディスプレイなどの表示器１７と、キーボード１５やマウス１６などの入力装置とがバス１９で接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、管理サーバ２は、通信Ｉ／Ｆ１４を介してＬＡＮ４４（図１参照）で接続されたＰＯＳ端末４と相互に通信を行うことが可能となっている。
【００２３】
ＨＤＤ１８には、商品マスタＭと、販売ペースデータベースＤＢとが格納されている。
【００２４】
図７は、商品マスタＭを説明する図である。図７に示すように、商品マスタＭは、各商品コードに対応付けて、各商品の商品名や商品の通常価格（定価）、販売価格（値引販売する場合の値引価格）、現時点までの商品の販売数、商品の残数等の商品情報を格納している。
【００２５】
次に、商品の販売価格と、その販売価格を適用した場合の商品の販売見込み数との関係について、図８、図９を用いて説明する。尚、商品としては、弁当や惣菜などの販売日の当日中に売り切りたい食品を販売する場合を想定して説明する。
【００２６】
図８は、販売時間に対する商品の販売数を示すグラフである。図８において、縦軸はある商品の販売数（単位：個）を示し、横軸は時刻（販売時間）を示している。
【００２７】
図８では、定価６００円の商品を販売する例を示しており、１８時までに商品は１８個販売されている。当日中の販売目標数を３０個と設定する場合、残り１２個を販売終了時刻の２１時までに売り切ることが望ましい。このような場合、従来は店員が適宜、値引価格を決定していた。
【００２８】
図８に示す例では、販売価格を５８０円として値引販売すると、販売終了時刻の２１時において販売数がちょうど３０個に達して残数がゼロとなる。一方、より低価格の５７０円や５６０円まで値引した場合、売れ行きは良いが販売終了時刻よりも早い販売時間内に商品が売り切れてしまう。この場合には、値引幅を大きく設定しすぎている場合があり、店舗側の利益損失が生じてしまう。従って、図８に示す例では、５８０円が最適な値引価格となる。
【００２９】
そこで、商品を値引した場合の販売価格（値引価格）と、その販売価格を適用した場合の販売時間帯ごとの商品の販売個数を予め調べておき、両者の関係を用いて最適な販売価格を設定することが望ましい。
【００３０】
図９は、１８時から１９時の販売時間帯における、販売価格ごとの商品の販売見込み数を示すグラフである。グラフの横軸は販売時間帯を示し、グラフの縦軸はこの販売時間帯に販売される商品の販売見込み数を示している。従って、グラフの傾きは、単位時間あたりに販売される商品の販売見込み数を表しており、言い換えれば、商品を販売する販売ペース、或いは商品の売れ行きを表しているといえる。
【００３１】
即ち、図９に示すように、販売価格を定価の６００円と設定した場合には、商品の販売ペースは１時間あたり２個と緩やかである。また、販売価格を５８０円と設定した場合には、商品の販売ペースは１時間あたり４個とやや速くなる。さらに、販売価格を５６０円と設定した場合には、商品の販売ペースは、１時間あたり８個とさらに速くなる。また、この商品を１８時から１９時の販売時間帯において４個販売したい場合には、販売ペースの最適値は４個／時間であり、販売価格の最適値は５８０円である。
【００３２】
このような販売価格と、販売見込み数と、販売ペースとの関係は、販売時間帯ごとに商品の販売個数を調査することにより得られる。そして、この販売価格と販売ペースとの関係を、各販売時間帯に対して設定したものが、図１０に示す販売ペースデータベースＤＢである。
【００３３】
図１０は、販売ペースデータベースＤＢの一例を示す図である。図１０に示すように、販売ペースデータベースＤＢには、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とが、販売時間帯ごとに対応付けられて記憶されている。
【００３４】
次に、管理サーバ２の機能的構成と、本実施の形態のプログラムについて説明する。
【００３５】
図６において、ＲＯＭ１２は、ＣＰＵ２０が実行する各種プログラムや各種データ、および本実施の形態のプログラムを記憶している。ＲＡＭ１３は、ＣＰＵ２０が各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するワークエリアとして機能する。ＣＰＵ２０は、ＲＯＭ１２から本実施の形態のプログラムを読み出して、ＲＡＭ１３に展開して実行することにより、管理サーバ２を制御する制御部２１（図１１参照）を主記憶装置上に生成する。
【００３６】
尚、本実施形態のプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ−ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ−Ｒ、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【００３７】
また、本実施形態のプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムを、ＲＯＭ等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【００３８】
図１１は、管理サーバ２の機能的構成を示す機能ブロック図である。図１１に示すように、制御部２１は、販売データ受信部２２と、残数管理部２３と、販売ペース算出部２４と、販売価格選択部２５と、表示制御部２６と、販売価格登録部２７とを主に備えている。
【００３９】
販売データ受信部２２は、ＰＯＳ端末４において販売登録された商品の商品名や販売個数などの販売データを、ＰＯＳ端末４から通信Ｉ／Ｆ１４を介して受信する。
【００４０】
残数管理部２３は、商品マスタＭ（図７参照）に格納された商品の残数から、販売データ受信部２２が受信した商品の販売個数を減じて、現時点における商品の残数を算出し、算出した残数を商品マスタＭに格納して商品の残数を管理する。
【００４１】
販売ペース算出部２４は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での商品の販売数と、その商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。
【００４２】
尚、値引を行う時刻としては、例えば、１８時、１９時、２０時など、その商品の販売終了時刻の数時間前から一定時間おきに算出するタイミングを設けるのが望ましい。また、商品の販売終了時刻としては、店舗の閉店時刻でもよいし、商品や売り場ごとに適宜設定されるとしてもよい。
【００４３】
例えば、販売ペース算出部２４は、値引を行う時刻として１８時になった場合に、商品マスタＭ（図７参照）を参照して、商品「豚しょうが焼き弁当」の現時点での販売数が１８個であると読み込む。そして、図８に示すように、販売終了時刻である２１時における目標販売数が３０個である場合、販売ペース算出部２４は、目標販売数までの商品の残数は１２個であると算出する。尚、弁当や惣菜等の販売当日に売り切りたい商品の場合には、販売ペース算出部２４は、商品マスタＭから商品の残数を読み込んで、これを目標販売数までの商品の残数としてそのまま用いてもよい。
【００４４】
さらに、販売ペース算出部２４は、目標販売数までの商品の残数を、販売終了時刻までの残時間で除して、目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。例えば、上述のように１８時から２１時までの３時間で１２個を販売したい場合には、各販売時間帯において商品を４個ずつ販売する販売ペースであればよい。従って、販売ペース算出部２４は、販売ペースを１時間あたり４個として算出する。
【００４５】
尚、その日における商品の目標販売数としては、当日その店舗でその商品を製造した数や、当日に入荷した数を本実施の形態のプログラムに設定することができる。尚、弁当や惣菜など、製造日中に売り切りたい商品であっても、天候や曜日、その日の行事などにより商品の売れ行きは随時変化する。この場合には、その日における商品の目標販売数を、天候や曜日、行事などにより変更するとしてもよい。
【００４６】
販売価格選択部２５は、販売ペース算出部２４が算出した販売ペースに最も対応している販売価格を、販売ペースデータベースＤＢから選択する。即ち、販売価格選択部２５は、販売ペース算出部２４が算出した販売ペースに最も近い販売ペースを、販売ペースデータベースＤＢ（図１０参照）から選択し、選択した販売ペースに対応する販売価格を販売ペースデータベースＤＢから選択する。
【００４７】
例えば、上述のように、販売ペース算出部２４が販売ペースを１時間あたり４個（４個／時間）と算出した場合には、図１０に示す販売ペースデータベースＤＢを参照して、１８時から１９時の販売時間帯において販売ペースが４個／時間である場合の販売価格である５８０円を、最適な販売価格として選択する。
【００４８】
次に、販売ペース算出部２４が販売ペースを例えば１時間あたり１．５個と算出した場合について説明する。この場合、図１０に示す販売ペースデータベースＤＢを参照すると、販売ペース１．５個／時間に対して最も近い販売ペースは、１個／時間と、２個／時間との２つが存在することとなる。
【００４９】
このように最も近い販売ペースが複数存在する場合には、販売価格選択部２５は、一例として、最も速い販売ペースに対応する販売価格を選択する。即ち、図１０に示す例では、販売ペースが２個／時間となる５８０円を販売価格として選択する。これにより、商品の売れ行きを良くして、売れ残りをより確実に削減することができる。
【００５０】
或いは別の選択方法としては、販売価格選択部２５は、販売価格が最も高くなるように販売価格を選択するとしてもよい。即ち、図１０に示す例では、販売ペースが１個／時間となる６００円を販売価格として設定するとしてもよい。
【００５１】
表示制御部２６は、報知手段として機能するものであり、販売価格選択部２５が選択した販売価格を、図２および図３に示すように表示装置３に表示して、客に現時点における商品の販売価格を報知する。
【００５２】
販売価格登録部２７は、販売価格選択部２５が選択した販売価格を、商品マスタＭ（図７参照）に登録する。これにより、ＰＯＳ端末４は、商品の値引を反映させて商品の販売登録を行うことが可能となり、商品を自動値引する場合に、レジ係の店員が新たな操作を行わずとも自動的に値引販売をすることができる。
【００５３】
次に、管理サーバ２が行う値引処理の手順について、図１２を用いて説明する。図１２は、管理サーバ２が行う値引処理の手順を説明するフローチャートである。
【００５４】
まず、販売データ受信部２２は、ＰＯＳ端末４から、販売登録された商品の商品名や販売個数などの販売データを受信したか判定する（ステップＳ１）。受信していない場合（ステップＳ１：Ｎｏ）にはステップＳ３に移行する。販売データを受信した場合（ステップＳ１：Ｙｅｓ）には、残数管理部２３は、受信した販売データによって、商品の残数を算出し、算出した残数を商品マスタＭに格納する（ステップＳ２）。
【００５５】
そして、販売ペース算出部２４は、値引を行う時刻となったか否か判定し（ステップＳ３）、値引を行う時刻となっていない場合（ステップＳ３：Ｎｏ）には、ステップＳ１に戻る。一方、値引を行う時刻となった場合（ステップＳ３：Ｙｅｓ）には、販売ペース算出部２４は、商品マスタＭを参照して、目標販売数に到達できる販売ペースを算出する（ステップＳ４）。
【００５６】
販売価格選択部２５は、ステップＳ４で算出した販売ペースに最も対応している販売価格を、販売ペースデータベースＤＢから選択する（ステップＳ５）。
【００５７】
表示制御部２６は、ステップＳ５で選択された販売価格を表示装置３に表示させる（ステップＳ６）。また、販売価格登録部２７は、ステップＳ５で選択された販売価格を、商品マスタＭに登録する（ステップＳ７）。
【００５８】
制御部２１は、商品の販売終了時刻となったか否か判定する（ステップＳ８）。販売終了時刻となっていない場合（ステップＳ８：Ｎｏ）には、ステップＳ１に戻って、販売終了時刻となるまでステップＳ１〜Ｓ８の処理を続行し、商品の残数に応じて商品の販売価格を段階的に変更して、表示装置３に表示させる処理を続ける。ステップ８において販売終了時刻となった場合（ステップＳ８：Ｙｅｓ）には、制御部２１は値引処理を終了する。
【００５９】
上述のように、本実施の形態によれば、販売時間帯ごとに、商品の残数に応じて目標販売数に到達できる販売ペースを算出し、この販売ペースを得られる販売価格で商品を販売するので、店員の勘に頼らずとも、売上利益と商品の残数とのバランスを考慮しつつ値引販売時の販売価格を簡単に決定することができる。
【００６０】
また、変更後の販売価格を表示装置３に表示させるので、店員による値引ラベルの貼付作業を省くことが可能となり、見切り販売にかかる店員の作業負担を軽減して、商品の値引販売を簡単に行うことができる。
【００６１】
尚、上述では、表示制御部２６が表示装置３に商品の値引額を表示させて客に値引額の報知をするとしたが、値引額の報知方法はこれに限定されるものではない。その他の例として、商品陳列棚６の近傍にスピーカを設け、値引額を音声によって客に報知するとしてもよい。
【００６２】
尚、上述では、販売ペースデータベースＤＢには、商品の販売価格を記憶するとしたが、その他にも、値引価格（例えば「５０円引き」等）や、割引率などを記憶するとしてもよい。この場合、表示装置３は値引価格や割引率を表示してもよいし、値引価格や割引率から販売価格を算出して、算出した値引価格を表示するとしてもよい。
【００６３】
尚、上述では、値引を行う時刻になった場合に値引き処理を行うとしたが、値引処理を開始する条件はこれに限定されるものではない。例えば、商品の残数が所定の個数となった場合に値引を開始するとしてもよい。
【符号の説明】
【００６４】
１ 価格表示システム
２ 管理サーバ
３ 表示装置
４ ＰＯＳ端末
６ 商品陳列棚
７ 商品
２２ 販売データ受信部
２３ 残数管理部
２４ 販売ペース算出部
２５ 販売価格選択部
２６ 表示制御部
２７ 販売価格登録部
４４ ＬＡＮ
Ｍ 商品マスタ
ＤＢ 販売ペースデータベース
【先行技術文献】
【特許文献】
【００６５】
【特許文献１】特開２００９−１６３６１４公報
【技術分野】
【０００１】
本発明の実施の形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
スーパーマーケット等の店舗では、生鮮食品や惣菜等の商品の廃棄量を削減するために、これら加工品を当日中に売り切ることを目的とした見切り販売が行われる。見切り販売では、店舗の営業終了時間が近づくと、商品の売れ残りを削減するために値引販売が行われる。売れ残っている商品には、店員によって、値引額や割引率等を表示した値引ラベルが一枚一枚貼り付けられたり、売り場コーナーに「全品○割引」等と書いた値引表示が設置されたりする。
【０００３】
例えば、特許文献１には、値引ラベルを印刷するラベルプリンタに関する技術が開示されており、店員は、印刷した値引ラベルを商品に貼付して商品の値引販売を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、商品の値引額や割引率は、値引販売による利益損失が最小となるように、商品の残数や店舗の閉店時間前の残時間に応じて設定されることが望ましい。しかしながら、現状では、残時間や残数を考慮して店員の勘に頼って値引のタイミングや値引額を決めているため、売上利益と商品の廃棄数とが最適となるように値引額を設定することが難しいという問題がある。
【０００５】
また、従来は、閉店時刻が近づいて値引額を増加させる度に、店員によって新たな値引額の値引ラベルを貼りなおしたり、値引表示を修正したりする必要があり、手間がかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
実施の形態の情報処理装置は、記憶手段と、販売ペース算出手段と、販売価格選択手段と、報知手段と、を備える。記憶手段は、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する。販売ペース算出手段は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する。報知手段は前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する。
【０００７】
また、実施の形態のプログラムは、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置において、コンピュータを、販売ペース算出手段と、販売価格選択手段と、報知手段と、して機能させる。販売ペース算出手段は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する。報知手段は前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】図１は、本実施の形態にかかる価格表示システムの構成を示すブロック図である。
【図２】図２は、商品陳列棚に設置された表示装置の一例を示す図である。
【図３】図３は、値引価格を表示した表示装置の一例を示す図である。
【図４】図４は、ＰＯＳ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図５】図５は、ＰＯＳ端末の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図６】図６は、管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図７】図７は、商品マスタを説明する図である。
【図８】図８は、販売時間に対する商品の販売数を示すグラフである。
【図９】図９は、販売価格ごとの商品の販売見込み数を示すグラフである。
【図１０】図１０は、販売ペースデータベースの一例を示す図である。
【図１１】図１１は、管理サーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図１２】図１２は、管理サーバが行う値引処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１は、本実施の形態にかかる価格表示システム１の構成を示すブロック図である。図１に示すように、価格表示システム１は、本実施の形態にかかる情報処理装置としての管理サーバ２に、商品の値引に関する表示やその他の表示を行う表示装置３と、ＰＯＳ（Point Of Sales）端末４とが、ＬＡＮ４４によって接続されて構成されている。
【００１０】
管理サーバ２は、価格表示システム１全体を制御するサーバであり、ＰＯＳ端末４から送出された店舗内の販売データや、売上データを管理するものである。また、管理サーバ２は、商品の残数や、閉店時刻までの残時間等に応じて商品の値引処理を行い、値引後の販売価格等を表示装置３に表示させる。
【００１１】
表示装置３は、液晶ディスプレイや電子ペーパー等で構成されるものであり、図２に示すように、店舗に設けられた商品陳列棚６に設置される。そして、表示装置３は管理サーバ２の制御により、商品陳列棚６に陳列された弁当や惣菜等の商品７の商品名や販売価格、販促メッセージ等を表示する。尚、表示装置３として、所謂電子棚札を用いてもよい。
【００１２】
例えば図２に示すように、商品７を定価で販売する場合には、管理サーバ２は表示装置３に「豚しょうが焼き弁当 ６００円」等と商品７の定価を表示させる。また、図３に示すように、商品７を値引販売する場合には、管理サーバ２は表示装置３に「お買得 豚しょうが焼き弁当 定価６００円を５８０円」等と、値引した販売価格を表示させる。
【００１３】
このように、表示装置３に商品７の販売価格を表示させることにより、値引後の販売価格を「５８０円」と印字したラベルや、「５０円引」や「１割引」等の値引情報を印字したラベル等を、商品７に逐一貼り付けなくとも済み、店員の作業負担を低減することができる。
【００１４】
尚、商品７には、表示装置３と連動して自動値引が行われる商品であることを示すラベルとして、「自動値引対象商品」等と印字したラベルを貼付することが望ましい。
【００１５】
ＰＯＳ端末４は、商品の販売登録を行い、商品の販売個数を管理サーバ２に送信する。
【００１６】
図４は、ＰＯＳ端末４のハードウェア構成を示すブロック図である。図４に示すように、ＰＯＳ端末４は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）３０と、ＲＯＭ（Read Only Memory）３５と、ＲＡＭ（Random Access Memory）３６と、通信Ｉ／Ｆ３７と、キーボード３８と、店員用ディスプレイ３９と、客用ディスプレイ４０と、プリンタ４１と、スキャナ４２とを主に備えており、これらがバス４３によって接続されている。ＰＯＳ端末４は、通信Ｉ／Ｆ３７を介してＬＡＮ４４（図１参照）で接続された管理サーバ２と相互に通信を行うことが可能となっている。
【００１７】
ＲＯＭ３５は、ＣＰＵ３０が実行する各種プログラムや各種データを記憶している。ＲＡＭ３６は、ＣＰＵ３０が各種プログラムを実行する際に、一時的にデータやプログラムを記憶する。ＣＰＵ３０は、ＲＯＭ３５に格納された各種プログラムをＲＡＭ３６に展開して実行することにより、ＰＯＳ端末４のシステム全体を制御する制御部３１（図５参照）を生成する。
【００１８】
図５は、ＰＯＳ端末４の機能的構成を示す機能ブロック図である。図５に示すように、制御部３１は、入力受付部３２と、販売登録部３３と、送信部３４とを備えている。
【００１９】
入力受付部３２は、商品に貼付されたバーコードをスキャナ４２によってスキャンすることにより、バーコードが含む商品コードの入力を受付ける。
【００２０】
販売登録部３３は、入力受付部３２が受付けた商品コードに対する商品名や商品の販売価格等の商品情報を、管理サーバ２が格納する商品マスタＭ（図７参照）から読み込んで、読み込んだ商品情報を用いて商品の販売登録を行う。
【００２１】
送信部３４は、ＰＯＳ端末４において現計キーなどが押下されて一取引が終了した場合に、販売登録部３３が販売登録した商品の商品名や販売個数などの販売データを、管理サーバ２に送信する。
【００２２】
次に、管理サーバ２について説明する。図６は、管理サーバ２のハードウェア構成を示すブロック図である。図６に示すように、管理サーバ２は、ＣＰＵ２０などの制御装置と、ＲＯＭ１２やＲＡＭ１３等の記憶装置と、プログラムや各種ファイルを記憶するＨＤＤ（Hard Disk Drive）１８やＣＤドライブ装置（不図示）などの外部記憶装置と、液晶ディスプレイなどの表示器１７と、キーボード１５やマウス１６などの入力装置とがバス１９で接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、管理サーバ２は、通信Ｉ／Ｆ１４を介してＬＡＮ４４（図１参照）で接続されたＰＯＳ端末４と相互に通信を行うことが可能となっている。
【００２３】
ＨＤＤ１８には、商品マスタＭと、販売ペースデータベースＤＢとが格納されている。
【００２４】
図７は、商品マスタＭを説明する図である。図７に示すように、商品マスタＭは、各商品コードに対応付けて、各商品の商品名や商品の通常価格（定価）、販売価格（値引販売する場合の値引価格）、現時点までの商品の販売数、商品の残数等の商品情報を格納している。
【００２５】
次に、商品の販売価格と、その販売価格を適用した場合の商品の販売見込み数との関係について、図８、図９を用いて説明する。尚、商品としては、弁当や惣菜などの販売日の当日中に売り切りたい食品を販売する場合を想定して説明する。
【００２６】
図８は、販売時間に対する商品の販売数を示すグラフである。図８において、縦軸はある商品の販売数（単位：個）を示し、横軸は時刻（販売時間）を示している。
【００２７】
図８では、定価６００円の商品を販売する例を示しており、１８時までに商品は１８個販売されている。当日中の販売目標数を３０個と設定する場合、残り１２個を販売終了時刻の２１時までに売り切ることが望ましい。このような場合、従来は店員が適宜、値引価格を決定していた。
【００２８】
図８に示す例では、販売価格を５８０円として値引販売すると、販売終了時刻の２１時において販売数がちょうど３０個に達して残数がゼロとなる。一方、より低価格の５７０円や５６０円まで値引した場合、売れ行きは良いが販売終了時刻よりも早い販売時間内に商品が売り切れてしまう。この場合には、値引幅を大きく設定しすぎている場合があり、店舗側の利益損失が生じてしまう。従って、図８に示す例では、５８０円が最適な値引価格となる。
【００２９】
そこで、商品を値引した場合の販売価格（値引価格）と、その販売価格を適用した場合の販売時間帯ごとの商品の販売個数を予め調べておき、両者の関係を用いて最適な販売価格を設定することが望ましい。
【００３０】
図９は、１８時から１９時の販売時間帯における、販売価格ごとの商品の販売見込み数を示すグラフである。グラフの横軸は販売時間帯を示し、グラフの縦軸はこの販売時間帯に販売される商品の販売見込み数を示している。従って、グラフの傾きは、単位時間あたりに販売される商品の販売見込み数を表しており、言い換えれば、商品を販売する販売ペース、或いは商品の売れ行きを表しているといえる。
【００３１】
即ち、図９に示すように、販売価格を定価の６００円と設定した場合には、商品の販売ペースは１時間あたり２個と緩やかである。また、販売価格を５８０円と設定した場合には、商品の販売ペースは１時間あたり４個とやや速くなる。さらに、販売価格を５６０円と設定した場合には、商品の販売ペースは、１時間あたり８個とさらに速くなる。また、この商品を１８時から１９時の販売時間帯において４個販売したい場合には、販売ペースの最適値は４個／時間であり、販売価格の最適値は５８０円である。
【００３２】
このような販売価格と、販売見込み数と、販売ペースとの関係は、販売時間帯ごとに商品の販売個数を調査することにより得られる。そして、この販売価格と販売ペースとの関係を、各販売時間帯に対して設定したものが、図１０に示す販売ペースデータベースＤＢである。
【００３３】
図１０は、販売ペースデータベースＤＢの一例を示す図である。図１０に示すように、販売ペースデータベースＤＢには、商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とが、販売時間帯ごとに対応付けられて記憶されている。
【００３４】
次に、管理サーバ２の機能的構成と、本実施の形態のプログラムについて説明する。
【００３５】
図６において、ＲＯＭ１２は、ＣＰＵ２０が実行する各種プログラムや各種データ、および本実施の形態のプログラムを記憶している。ＲＡＭ１３は、ＣＰＵ２０が各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するワークエリアとして機能する。ＣＰＵ２０は、ＲＯＭ１２から本実施の形態のプログラムを読み出して、ＲＡＭ１３に展開して実行することにより、管理サーバ２を制御する制御部２１（図１１参照）を主記憶装置上に生成する。
【００３６】
尚、本実施形態のプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ−ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ−Ｒ、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【００３７】
また、本実施形態のプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムを、ＲＯＭ等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【００３８】
図１１は、管理サーバ２の機能的構成を示す機能ブロック図である。図１１に示すように、制御部２１は、販売データ受信部２２と、残数管理部２３と、販売ペース算出部２４と、販売価格選択部２５と、表示制御部２６と、販売価格登録部２７とを主に備えている。
【００３９】
販売データ受信部２２は、ＰＯＳ端末４において販売登録された商品の商品名や販売個数などの販売データを、ＰＯＳ端末４から通信Ｉ／Ｆ１４を介して受信する。
【００４０】
残数管理部２３は、商品マスタＭ（図７参照）に格納された商品の残数から、販売データ受信部２２が受信した商品の販売個数を減じて、現時点における商品の残数を算出し、算出した残数を商品マスタＭに格納して商品の残数を管理する。
【００４１】
販売ペース算出部２４は、値引を行う時刻になった場合に、現時点での商品の販売数と、その商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。
【００４２】
尚、値引を行う時刻としては、例えば、１８時、１９時、２０時など、その商品の販売終了時刻の数時間前から一定時間おきに算出するタイミングを設けるのが望ましい。また、商品の販売終了時刻としては、店舗の閉店時刻でもよいし、商品や売り場ごとに適宜設定されるとしてもよい。
【００４３】
例えば、販売ペース算出部２４は、値引を行う時刻として１８時になった場合に、商品マスタＭ（図７参照）を参照して、商品「豚しょうが焼き弁当」の現時点での販売数が１８個であると読み込む。そして、図８に示すように、販売終了時刻である２１時における目標販売数が３０個である場合、販売ペース算出部２４は、目標販売数までの商品の残数は１２個であると算出する。尚、弁当や惣菜等の販売当日に売り切りたい商品の場合には、販売ペース算出部２４は、商品マスタＭから商品の残数を読み込んで、これを目標販売数までの商品の残数としてそのまま用いてもよい。
【００４４】
さらに、販売ペース算出部２４は、目標販売数までの商品の残数を、販売終了時刻までの残時間で除して、目標販売数に到達できる販売ペースを算出する。例えば、上述のように１８時から２１時までの３時間で１２個を販売したい場合には、各販売時間帯において商品を４個ずつ販売する販売ペースであればよい。従って、販売ペース算出部２４は、販売ペースを１時間あたり４個として算出する。
【００４５】
尚、その日における商品の目標販売数としては、当日その店舗でその商品を製造した数や、当日に入荷した数を本実施の形態のプログラムに設定することができる。尚、弁当や惣菜など、製造日中に売り切りたい商品であっても、天候や曜日、その日の行事などにより商品の売れ行きは随時変化する。この場合には、その日における商品の目標販売数を、天候や曜日、行事などにより変更するとしてもよい。
【００４６】
販売価格選択部２５は、販売ペース算出部２４が算出した販売ペースに最も対応している販売価格を、販売ペースデータベースＤＢから選択する。即ち、販売価格選択部２５は、販売ペース算出部２４が算出した販売ペースに最も近い販売ペースを、販売ペースデータベースＤＢ（図１０参照）から選択し、選択した販売ペースに対応する販売価格を販売ペースデータベースＤＢから選択する。
【００４７】
例えば、上述のように、販売ペース算出部２４が販売ペースを１時間あたり４個（４個／時間）と算出した場合には、図１０に示す販売ペースデータベースＤＢを参照して、１８時から１９時の販売時間帯において販売ペースが４個／時間である場合の販売価格である５８０円を、最適な販売価格として選択する。
【００４８】
次に、販売ペース算出部２４が販売ペースを例えば１時間あたり１．５個と算出した場合について説明する。この場合、図１０に示す販売ペースデータベースＤＢを参照すると、販売ペース１．５個／時間に対して最も近い販売ペースは、１個／時間と、２個／時間との２つが存在することとなる。
【００４９】
このように最も近い販売ペースが複数存在する場合には、販売価格選択部２５は、一例として、最も速い販売ペースに対応する販売価格を選択する。即ち、図１０に示す例では、販売ペースが２個／時間となる５８０円を販売価格として選択する。これにより、商品の売れ行きを良くして、売れ残りをより確実に削減することができる。
【００５０】
或いは別の選択方法としては、販売価格選択部２５は、販売価格が最も高くなるように販売価格を選択するとしてもよい。即ち、図１０に示す例では、販売ペースが１個／時間となる６００円を販売価格として設定するとしてもよい。
【００５１】
表示制御部２６は、報知手段として機能するものであり、販売価格選択部２５が選択した販売価格を、図２および図３に示すように表示装置３に表示して、客に現時点における商品の販売価格を報知する。
【００５２】
販売価格登録部２７は、販売価格選択部２５が選択した販売価格を、商品マスタＭ（図７参照）に登録する。これにより、ＰＯＳ端末４は、商品の値引を反映させて商品の販売登録を行うことが可能となり、商品を自動値引する場合に、レジ係の店員が新たな操作を行わずとも自動的に値引販売をすることができる。
【００５３】
次に、管理サーバ２が行う値引処理の手順について、図１２を用いて説明する。図１２は、管理サーバ２が行う値引処理の手順を説明するフローチャートである。
【００５４】
まず、販売データ受信部２２は、ＰＯＳ端末４から、販売登録された商品の商品名や販売個数などの販売データを受信したか判定する（ステップＳ１）。受信していない場合（ステップＳ１：Ｎｏ）にはステップＳ３に移行する。販売データを受信した場合（ステップＳ１：Ｙｅｓ）には、残数管理部２３は、受信した販売データによって、商品の残数を算出し、算出した残数を商品マスタＭに格納する（ステップＳ２）。
【００５５】
そして、販売ペース算出部２４は、値引を行う時刻となったか否か判定し（ステップＳ３）、値引を行う時刻となっていない場合（ステップＳ３：Ｎｏ）には、ステップＳ１に戻る。一方、値引を行う時刻となった場合（ステップＳ３：Ｙｅｓ）には、販売ペース算出部２４は、商品マスタＭを参照して、目標販売数に到達できる販売ペースを算出する（ステップＳ４）。
【００５６】
販売価格選択部２５は、ステップＳ４で算出した販売ペースに最も対応している販売価格を、販売ペースデータベースＤＢから選択する（ステップＳ５）。
【００５７】
表示制御部２６は、ステップＳ５で選択された販売価格を表示装置３に表示させる（ステップＳ６）。また、販売価格登録部２７は、ステップＳ５で選択された販売価格を、商品マスタＭに登録する（ステップＳ７）。
【００５８】
制御部２１は、商品の販売終了時刻となったか否か判定する（ステップＳ８）。販売終了時刻となっていない場合（ステップＳ８：Ｎｏ）には、ステップＳ１に戻って、販売終了時刻となるまでステップＳ１〜Ｓ８の処理を続行し、商品の残数に応じて商品の販売価格を段階的に変更して、表示装置３に表示させる処理を続ける。ステップ８において販売終了時刻となった場合（ステップＳ８：Ｙｅｓ）には、制御部２１は値引処理を終了する。
【００５９】
上述のように、本実施の形態によれば、販売時間帯ごとに、商品の残数に応じて目標販売数に到達できる販売ペースを算出し、この販売ペースを得られる販売価格で商品を販売するので、店員の勘に頼らずとも、売上利益と商品の残数とのバランスを考慮しつつ値引販売時の販売価格を簡単に決定することができる。
【００６０】
また、変更後の販売価格を表示装置３に表示させるので、店員による値引ラベルの貼付作業を省くことが可能となり、見切り販売にかかる店員の作業負担を軽減して、商品の値引販売を簡単に行うことができる。
【００６１】
尚、上述では、表示制御部２６が表示装置３に商品の値引額を表示させて客に値引額の報知をするとしたが、値引額の報知方法はこれに限定されるものではない。その他の例として、商品陳列棚６の近傍にスピーカを設け、値引額を音声によって客に報知するとしてもよい。
【００６２】
尚、上述では、販売ペースデータベースＤＢには、商品の販売価格を記憶するとしたが、その他にも、値引価格（例えば「５０円引き」等）や、割引率などを記憶するとしてもよい。この場合、表示装置３は値引価格や割引率を表示してもよいし、値引価格や割引率から販売価格を算出して、算出した値引価格を表示するとしてもよい。
【００６３】
尚、上述では、値引を行う時刻になった場合に値引き処理を行うとしたが、値引処理を開始する条件はこれに限定されるものではない。例えば、商品の残数が所定の個数となった場合に値引を開始するとしてもよい。
【符号の説明】
【００６４】
１ 価格表示システム
２ 管理サーバ
３ 表示装置
４ ＰＯＳ端末
６ 商品陳列棚
７ 商品
２２ 販売データ受信部
２３ 残数管理部
２４ 販売ペース算出部
２５ 販売価格選択部
２６ 表示制御部
２７ 販売価格登録部
４４ ＬＡＮ
Ｍ 商品マスタ
ＤＢ 販売ペースデータベース
【先行技術文献】
【特許文献】
【００６５】
【特許文献１】特開２００９−１６３６１４公報
【特許請求の範囲】
【請求項１】
商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する記憶手段と、
値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する販売ペース算出手段と、
前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する販売価格選択手段と、
前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項２】
前記販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も近い前記販売ペースを前記記憶手段から選択し、選択した前記販売ペースに対応する前記販売価格を前記最も対応している販売価格として、前記記憶手段から選択すること、
を特徴とする請求項１記載の情報処理装置。
【請求項３】
前記販売価格選択手段は、前記記憶手段において、前記最も対応している前記販売価格が複数記憶されている場合には、最も速い前記販売ペースに対応する前記販売価格を選択すること、を特徴とする請求項１または２記載の情報処理装置。
【請求項４】
前記報知手段は、前記商品を陳列する商品陳列棚に設けられた表示装置に表示することにより、前記販売価格を客に報知すること、
を特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載の情報処理装置。
【請求項５】
前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を、商品情報を格納する記憶手段に登録する販売価格登録手段をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項１ないし４のいずれか１つに記載の情報処理装置。
【請求項６】
商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置において、
コンピュータを、
値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する販売ペース算出手段と、
前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する販売価格選択手段と、
前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する報知手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項１】
商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する記憶手段と、
値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する販売ペース算出手段と、
前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する販売価格選択手段と、
前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項２】
前記販売価格選択手段は、前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も近い前記販売ペースを前記記憶手段から選択し、選択した前記販売ペースに対応する前記販売価格を前記最も対応している販売価格として、前記記憶手段から選択すること、
を特徴とする請求項１記載の情報処理装置。
【請求項３】
前記販売価格選択手段は、前記記憶手段において、前記最も対応している前記販売価格が複数記憶されている場合には、最も速い前記販売ペースに対応する前記販売価格を選択すること、を特徴とする請求項１または２記載の情報処理装置。
【請求項４】
前記報知手段は、前記商品を陳列する商品陳列棚に設けられた表示装置に表示することにより、前記販売価格を客に報知すること、
を特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載の情報処理装置。
【請求項５】
前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を、商品情報を格納する記憶手段に登録する販売価格登録手段をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項１ないし４のいずれか１つに記載の情報処理装置。
【請求項６】
商品を販売する複数の販売ペースと、その販売ペースを得られる販売価格とを、販売時間帯ごとに対応付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置において、
コンピュータを、
値引を行う時刻になった場合に、現時点での前記商品の販売数と、前記商品の販売終了時刻における目標販売数とを用いて、前記目標販売数に到達できる販売ペースを算出する販売ペース算出手段と、
前記販売ペース算出手段が算出した前記販売ペースに最も対応している前記販売価格を、前記記憶手段から選択する販売価格選択手段と、
前記販売価格選択手段が選択した前記販売価格を客に報知する報知手段と、
して機能させるためのプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２０１２−５３５８３（Ｐ２０１２−５３５８３Ａ）
【公開日】平成２４年３月１５日（２０１２．３．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１９４５０４（Ｐ２０１０−１９４５０４）
【出願日】平成２２年８月３１日（２０１０．８．３１）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月１５日（２０１２．３．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月３１日（２０１０．８．３１）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
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