説明

情報処理装置および情報検索方法

【課題】検索時に、容易に所望のコンテンツデータを特定する。
【解決手段】入力したコンテンツデータから代表画面を抽出する代表画面抽出部23Cと、コンテンツデータの識別情報および格納場所情報を示すリンク情報を生成または取得し、当該リンク情報と関連付けた代表画面を含む検索画面を生成する検索画面生成部23B,23Dと、リンク情報が示す格納場所にコンテンツデータを格納するための処理を実行する記録処理部(25等)と、検索画面のデータを出力する出力部34,35と、出力部が出力した検索画面から一の検索画面を特定する操作が実行されたときに、当該特定された検索画面のリンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所を特定し、特定された格納場所にアクセスして所望のコンテンツデータを読み出し、出力部34または35から出力させる処理を実行する検索出力処理部(25等)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、内蔵された複数の記憶デバイス、当該装置にダイレクトにまたはネットワークを介して接続された他の機器において、所定の場所に格納されたコンテンツデータを検索する処理を含む情報処理装置および情報検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、大きな記憶容量を有するデバイスが内蔵された静止画および動画の記録再生装置、たとえばHDDレコーダ,DVDレコーダが実用化されている。
また、HDDやDVDなどの大容量記憶デバイスは、従来のコンピュータだけでなく、テレビジョン装置、携帯電話等の携帯情報端末にも内蔵されている。
【0003】
しかし、技術革新の進歩により、静止画または動画像がより多く蓄積できればそれだけ、人間が検索に要する時間が多くなり、再生までの時間を要してしまう。
現在これを解決するために、たとえば、検索時間を早くするための処理スピード、つまり、表示装置を利用しての索引の高速スクロール表示、索引のキーワード検索、記録日時検索などがある。
【0004】
たとえばコンテンツデータが記憶されたハードディスクと別のディスクに検索のための情報を予め関連付けて記憶しておき、処理スピードを短くする技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−257987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
個々の記憶デバイスでは、たとえば上記特許文献1に記載の技術を用いれば高速検索が実現できる。
【0006】
ところが、家庭内でHDD等の大容量デバイスが内蔵された機器の数が増えている。
さらに、ネットワークサーバ上の記憶装置に、大容量のデータを、外部記憶サイトとして利用するサービスも種々提供されている。
【0007】
このような環境の変化は、一個人が管理する情報の増大をもたらし、時間がたつにつれて、どの機器にどのような情報を格納したかが容易に分からなくなってきている。したがって、必要な時に必要なコンテンツデータを検索して読み出すことが益々困難な状況を生み出している。
このような場合、コンテンツデータの格納場所を一括管理するコンピュータ等の管理サーバを導入すればよいが、一括管理の方法では移動、消去時にともなうメンテナンスが煩雑で、コスト面でも不利である。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、容易に所望のコンテンツデータを特定可能できる情報処理装置および情報検索方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報処理装置は、入力したコンテンツデータを所定の場所に検索可能に格納し、読み出す情報処理装置であって、前記入力したコンテンツデータから代表画面を抽出する代表画面抽出部と、前記コンテンツデータの識別情報および格納場所情報を示すリンク情報を生成または取得し、当該リンク情報と関連付けた前記代表画面を含む検索画面を生成する検索画面生成部と、前記リンク情報が示す格納場所に前記コンテンツデータを格納するための処理を実行する記録処理部と、前記検索画面のデータを出力する出力部と、前記出力部が出力した前記検索画面から一の検索画面を特定する操作が実行されたときに、当該特定された検索画面の前記リンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所を特定し、特定された格納場所にアクセスして所望のコンテンツデータを読み出し、前記出力部から出力させる処理を実行する検索出力処理部と、を有する。
本発明では好適に、画像入力部をさらに有し、前記リンク情報は2次元コードとして、前記代表画面とともに前記検索画面上に合成されて前記出力部から出力され、前記検索出力処理部は、前記検索画面の前記2次元コードを前記画像入力部から読み取る操作が実行されたときに、当該読み取った2次元コードに基づいて、前記格納場所の特定、前記所望のコンテンツデータの読み出しおよび出力のための処理を実行する。
【0010】
本発明では好適に、前記検索画面のデータを、コンテンツデータごとに順次蓄積する記憶部をさらに有し、前記出力部は、前記記憶部内の検索画面を一覧表示可能な画像表示デバイスを含み、前記画像表示デバイスの表示面上で前記画像入力部により前記2次元コードを撮像し、読み取ることが可能である。
あるいは、好適に、前記出力部はプリンタを含み、前記プリンタから出力された紙面上で前記画像入力部により前記2次元コードを撮像し、読み取ることが可能である。
【0011】
本発明では好適に、前記コンテンツデータの移動先情報、消去の情報を記述したテーブルを含む記憶部をさらに有し、前記検索出力処理部は、前記格納場所の特定に際し前記テーブルを参照してコンテンツデータの移動および消去を確認し、移動の場合は移動先情報に基づいて、前記格納場所の特定を行う。
本発明では好適に、前記記録処理部は、前記検索画面生成部が生成または取得した前記リンク情報を、対応するコンテンツデータに添付して、当該リンク情報が示す格納場所に出力し、前記検索画面生成部は、入力したコンテンツデータにリンク情報が添付されているかを調べ、添付されている場合は当該添付されているリンク情報を用いて前記検索画面を作成する。
【0012】
上記構成によれば、コンテンツデータから代表画面が抽出され、コンテンツデータの識別情報および格納場所情報を示すリンク情報が生成または取得され、これらから検索画面が生成される。コンテンツデータは、対応するリンク情報が示す格納場所に格納される。検索画面は出力部、たとえば表示部またはプリンタから出力され、検索基礎情報として用いられる。
この検索画面を見たユーザ等が一の検索画面を特定する操作を行うと、特定された検索画面のリンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所が特定される。その場所にアクセスし読み出しを行うと、出力部から所望のコンテンツデータが出力(表示、印刷等)される。
【0013】
本発明に係る情報検索方法は、所定の場所に格納されたコンテンツデータを検索する情報検索方法であって、データ格納時に、各コンテンツデータから代表画面を1画面ずつ抽出し、各コンテンツデータの識別情報および格納場所情報を示すリンク情報を前記代表画面と関連付け、当該リンク情報と関連付けた前記代表画面を含む検索画面を、コンテンツデータごとに生成する格納時処理ステップと、検索ステップと、を有し、当該検索ステップに、前記検索画面のデータを出力する出力ステップと、前記出力した検索画面から一の検索画面を特定するためのステップと、前記特定された検索画面の前記リンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所を特定して検索する検索実行ステップと、を含む。
本発明では好適に、前記リンク情報は2次元コードとして、前記代表画面とともに前記検索画面上に合成されたものであり、前記一の検索画面を特定するための手段として2次元コードの取得が可能な撮像デバイスを用いる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データ格納場所が多岐にわたる場合でも容易に所望のコンテンツデータを特定し、出力できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る情報処理装置の実施形態を説明する。
【0016】
図1に、本実施形態の情報処理装置のブロック図を示す。
この図の説明で具体的例を出す場合は、主に、デジタルテレビジョン受信機能、無線および有線のLAN機能を備えるHDDレコーダ、DVDレコーダ、あるいはHDD内蔵のデジタルテレビジョン受像機を想定する。もちろん、パーソナルコンピュータや携帯電話であってもよく、それらの場合は一般に不要な構成を、適宜省略可能である。なお、表示部やプリンタ等の外付け機器を含めて、本発明の情報処理装置の具体例を構成する。
また、以下の説明でコンテンツデータとは、静止画、動画、文書情報(放送等の動画に添付される文字データを除く)を言い、当該画像処理装置またはネットワーク上の他の機器に保存時の客体となるデータである。
【0017】
図示例の情報処理装置1は、本体2と外付け機器3とから構成される。
本体2は、バス2Aに接続された各部として、チューナ部21、A/Dコンバータ22、信号処理部23、入出力インターフェース(I/O)24、CPU25、検索情報メモリ26、画像メモリ27、内蔵メディア部28を有する。なお、外付け機器3にアナログ機器を含む場合は、D/Aコンバータをバス2Aに接続して設けてもよい。
【0018】
外付け機器3として、データ検索対象となる、たとえば増設HDDなどの外付けメディア部31、「画像入力部」としての小型カメラ32、データ検索対象となる機器33等が、I/O24の汎用入出力ポート、たとえばUSBポートに接続され、更に、その専用出力ポートに、画像表示デバイスとしての表示部34およびプリンタ35が接続されている。小型カメラ32の撮像素子には、CCDセンサまたはMOSセンサが用いられている。表示部34,プリンタ25は、本発明の「出力部」の一実施例に該当する。
【0019】
本体2内の内蔵メディア部28も、データ検索対象となるもので、たとえば内蔵HDD、外部から着脱可能なDVD記録再生デバイスなどである。
【0020】
チューナ部21は、デジタル放送受信のための基本的な機能、すなわち変調および復調、その他の受信処理の機能を全て有する。チューナ部21にアンテナ21Aが接続されている。
【0021】
A/Dコンバータ22は、コンテンツデータのうち静止画または動画のアナログデータをデジタルデータに変換する。なお、外付け機器3にアナログ機器を含む場合は、D/Aコンバータをバス2Aに接続して設けてもよい。
【0022】
信号処理部23は、チューナ部21が行う受信時の信号処理以外の信号処理を全て行う回路であり、コンテンツデータ(画像)の圧縮/伸張部23A、2次元コード(リンク情報)としてのQRコードを再生または取得するQRコード部23B、代表画面抽出部23C、および、画面合成部23Dを含む。これらQRコード部23B、代表画面抽出部23Cおよび画面合成部23Dが、本発明の「検索画面生成部」の実施例を構成する。ここで「代表画面」とはコンテンツデータを代表する画面であり、「検索画面」とは、この代表画面に、2次元コード(リンク情報)としてのQRコードを画像合成したものをいう。
圧縮/伸張部23Aは、たとえばMPEG形式で、CPU25内のCODEC(プログラムの一種)にしたがって、静止画または動画のデータを圧縮または伸張する部分である。
【0023】
検索情報メモリ26は、画面合成部23Dから出力される「検索画面」を順次蓄積する検索画面テーブルT1と、その生成の際に用いるコンテンツデータの格納場所情報を書き換え可能に保持する場所情報テーブルT2とを含む。格納場所情報は、コンテンツデータの識別情報とともにQRコードが情報としてもっている。
これらの検索画面テーブルT1および場所情報テーブルT2は、それぞれコンテンツデータと関連付けて記憶されている。
なお、この代表画面とQRコード(識別情報および格納場所情報)を含む検索画面、ならびに、上記QRコード部23B、代表画面抽出部23Cおよび画面合成部23Dについては再度、後述する。
【0024】
画像メモリ27は、信号処理部23が行う画像合成等の画像処理時に、画像を一時的に保持するメモリである。
【0025】
I/O24は、無線および有線のLANポート24Aを含む。LANポート24Aの無線端子にアンテナ24Bが接続されている。LANポート24Aの有線端子は、後述するローカルエリアネットワーク、たとえば家庭内LANネットワークに接続されている。
【0026】
CPU25は、本体2内の各部および場合によっては外付け機器3をも制御する手段である。
とくに本実施形態の特徴部である、QRコード部23B、代表画面抽出部23Cおよび画面合成部23Dは、CPU25の制御により実行される。したがって、この限りにおいて、CPU25も本発明の「検索画面生成部」の一部を構成する。
なお、QRコード部23B、代表画面抽出部23Cおよび画面合成部23Dの機能全部を、CPU25内のプログラム上に記述された機能としてソフトウエアで実現することも可能であり、その場合、CPU25が本発明の「検索画面生成部」の実施例に該当する。
また、検索画面テーブルT1および場所情報テーブルT2の機能は、少なくとも、その一部をCPU25内のメモリ機能で代用することもできる。
【0027】
LANポート24Aの有線端子は、当該情報処理装置1外部のローカルエリアネットワーク100に接続されている。ローカルエリアネットワーク100は、たとえばDLNA(Digital Living Network Alliance)により構築された家庭内LANネットワークであり、ノート型パーソナルコンピュータ等のデータ蓄積が可能なデータ検索対象の機器101,102が接続されている。
ローカルエリアネットワーク100は、ルータ等の機器103を介して、他のネットワーク、たとえばグローバルエリアネットワークであるインターネット200に接続されている。インターネット200に、種々のサーバや不図示のローカルエリアネットワークが接続されているが、そのうちの一つが、当該情報処理装置1の所有者が契約している、大量の個人データの保存を有料で提供するサービスサイトのサーバであるとする。図1には、このサーバを介して接続されているデータベースとなる機器201が示されており、これも情報処理装置1の検索対象となる機器の一つである。
【0028】
一方、情報処理装置1内でデータ検索対象となるデバイスまたは機器としては、前述した内蔵メディア部28および外付けメディア部31のほかに、外付けの機器33が存在する。
【0029】
外付けの表示部34およびプリンタ35は、本発明の「出力部」の一部であり、前述した「検索画面」を表示画面または紙に出力する。小型カメラ32は、本発明の「画像入力部」の一部であり、表示画面または紙に出力された検索画面を読み込む役割がある。なお、テレビ電話機能を有する場合は、そのカメラをUSBケーブルで自由に移動可能に構成し、検索画面を読み込む小型カメラ32と兼用してもよい。これらの出力部や画像入力部の制御もCPU25が、その内蔵のプログラムに記述された手順に従って、I/O24および、外付けの機器を制御して実行する。
【0030】
CPU25は、信号処理部23から読み取ったQRコードを解読し、解読により得た格納場所に、解読により得た識別情報のコンテンツデータを格納するための処理を実行する「記録処理部」の役目もある。このときCPU25により制御される各部も「記録処理部」の一部である。
【0031】
また、CPU25は、表示部34またはプリンタ35が出力した複数の検索画面の中からユーザがQRコードを読み込む作業を実行することにより特定される一の検索画面のQRコードを解読し、解読により得た格納場所にアクセスして、解読により得た識別情報のコンテンツデータを、アクセスした先の機器(データ検索対象機器)から読み出し、リンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所を特定し、特定された格納場所にアクセスして所望のコンテンツデータを読み出し、表示部34またはプリンタ35から出力させる。この一連の処理は「検索出力処理」と称せられ、当該CPU25、および、このときCPU25により制御される各部が本発明の「検索出力処理部」の実施例を構成する。
【0032】
なお、図1には示していないが、情報処理装置1は操作部を備え、また外付けの各機器にも操作部を備え、ユーザが適宜、操作部を操作することにより所望の機能、すなわち上記「代表画面抽出」「検索画面生成」「記録処理」「検索出力処理」を開始、停止あるいは切り替えることもできる。
【0033】
図2に、検索画面40を表示部34に表示し、小型カメラ32で撮像するときの様子を示す。
検索画面40は、静止画または動画(文書情報の画面でも可)の代表画面41とQRコード42とを1枚の表示画面として合成したものである。
ユーザが小型カメラ32を持って、その入力トリガ手段32Aを操作し、QRコード42を接写撮影すると、撮影画面(QRコード)がUSBケーブル32Bを通って図1に示すI/O24に入力され、そこからバス2Aを通ってCPU25に送られる。入力トリガ手段32Aは、ボタンスイッチまたはスライドスイッチ等のメカニカルな部品である。
【0034】
図3に、本実施形態の情報検索方法における、格納時処理のフローチャートを示す。
まず、ステップST1AとST1Bにて、代表画面抽出とQRコード作成(または取得)を行う。この2つの処理は並列処理が可能である。
【0035】
代表画面抽出は、入力されたコンテンツデータから、当該コンテンツデータ内容を容易に想起する代表画面を特定する作業である。この作業は、たとえばGUIのメニュー画面に代用画面選択の項目を設け、その項目を選択したときにコンテンツデータを構成する画面が表示部に一覧表示され、それを見たユーザが、一の画面を選択することで実行可能である。あるいは、静止画または動画の場合に、最初の画面、あるいは、多少処理負担が大きくなるが、信号処理部がCPUの制御によりパターンマッチングを実行し、最も出現回数が多い画像を自動抽出することもできる。文書情報の自動抽出は、たとえばタイトルやサーマリ部分の文書情報を含む画面を特定することにより行うことができる。
【0036】
GRコードの作成は、入力されたコンテンツデータの付加情報から、必要な識別情報および格納場所情報を自動抽出することで実行できる。
【0037】
識別情報としては、静止画の場合、記録時付帯データ(記録日時、ファイル名)があり、これに加えて記録者、絞り、シャッタスピード等の識別を助け、後に参考となる撮影データを識別情報に含む。動画の場合、記録付帯データが識別情報となるが、とくに放送データの場合、デジタル放送受信機能を用いて取得した電子番組表(EPG)を基に識別情報を抽出することが可能である。EPGの場合、開始終了時間、チャンネル情報、さらには可能なら番組の内容解説などの文章もQRコードの最大文字数(256文字)を超えない範囲で入れることができる。
上記記録時付帯データや撮影データは一般に、コンテンツデータのヘッダに添付されて送られてくることから、これを自動抽出する。
【0038】
格納場所情報は、当該装置内の記録デバイスの識別コード、または、当該装置にケーブル接続された他の機器の製造元で決められた機器識別コードを用いる。
一方、当該装置にネットワーク接続された他の機器の場合、MACアドレス、IPアドレス、一のデータ格納場所を特定するレベルの情報を含むURL、当該URLと関連付けされたDNSの少なくとも一のネットワークアドレス情報を、格納別識別情報として用いる。MACアドレスは世界で独自であることから、最初に、MACアドレスを用いることが望ましい。ただし、LANカードの故障などの場合、変更されることもあるため、該当するMACアドレスを特定できないことも極まれにある。その場合、IPアドレス、URLまたはDNSを用いるが、これらは変更されて別の機器に割り当てられることもあることから、その何れかと、上記記録デバイスの識別コードまたは機器識別コードを組み合わせて用いることが望ましい。
【0039】
格納場所情報は、これを前記リンク情報として取得するコンテンツデータの付加情報(ヘッダ情報等)に含む場合は、それを自動抽出する。含まない場合は、GUIのメニュー画面でユーザが設定するか、検索対象の複数の機器や記録メディアが番組、撮影動画、撮影静止画、文書情報等で用途が分けられている場合は、そのデータの種類に応じて格納場所を自動で設定する。
【0040】
なお、入力したコンテンツデータの種別、すなわち、前記入力したコンテンツデータが、当該装置内の記録デバイスに格納されているものであるか、当該装置が接続されているローカルネットワーク上の機器に格納されているものであるか、前記ローカルネットワーク以外の外部ネットワーク上の機器に格納さているものであるかの違いを、前記入力したコンテンツデータのヘッダに含む種別判定フラグにより識別可能である。
【0041】
抽出または取得した識別情報と格納場所情報とからQRコード画像を作成する。この作成プログラムはCPU25に保持されたもの、あるいは、インターネット200から取得したものを用いる。
なお、QRコード自体がコンテンツデータにデジタル情報として付加されているときは、これを取得し、QRコード画像に変換して用いる。
【0042】
つぎに、上記QRコード画像を、代表画面に合成して検索画面を作成し(ステップST2)、コンテンツデータとリンクさせる(ステップST3)。
上記ステップST1Bで抽出または設定した格納場所情報を場所情報テーブルに蓄積し(ステップST4)、上記ステップST2で作成された検索画面を検索画面テーブルに蓄積する(ステップST5)。なお、このステップST4は、ステップST1B終了からステップST7終了までに、ステップST5は、ステップST2終了からステップST7終了までに行えばよい。
【0043】
つぎに、任意のステップであるが、QRコードを、関連付けられたコンテンツデータにデジタルデータとして添付する(ST6)。このようにすると、検索対象の機器グループ内で、他の機器で本検索方法を同様に適用する場合、上記ステップST1BでのQRコードのデータを作成する必要がなく(画面変換は必要)、単に、コンテンツデータの付加情報から取得すればよい。また、格納場所の変更があったときに、その変更があった他の機器で更新された情報がコンテンツデータに含まれることから、便利である。
【0044】
つぎに、格納場所にアクセスして、その場所の機器(複数の記録メディアがある場合は特定のメディア)に、QRコードを含む、または、QRコードが関連付けられたコンテンツデータを送出して、格納する。
以上で、格納時処理が終了する。
【0045】
なお、この格納時処理後に、データの移動(格納場所変更)や消去があった場合、CPUによって適宜、場所情報テーブル内容の書き換えが実行される。
【0046】
図4に、本実施形態の情報検索方法における検索ステップを含む、検索出力処理のフローチャートを示す。
最初のステップST11にて、検索開始の操作待ち状態となっている。検索開始の操作があると、検索画面テーブルから蓄積された検索画面が表示部に出力され、ここで検索画面の一覧表示がなされ(ステップST12)、小型カメラの入力トリガ手段32A(図2参照)操作の待機状態となる。
【0047】
入力トリガがあると、すなわちユーザにより一の検索画面が特定されると、そのQRコード画像を読み込むことから、これをCPUにて解読し、デジタルデータに変換する。
つぎに、CPUがコンテンツデータに関連付けられた格納場所テーブルを参照して、データの移動があったことがステップST15にて検出された場合、場所情報テーブルに記憶されている最新の格納場所にアクセスし、所望のコンテンツデータを読み出して、当該情報処理装置に取り込む(ステップST16)。一方、データの移動がない場合は、QRコードが示す格納場所にアクセスして、所望のコンテンツデータを読み出して、当該情報処理装置に取り込む(ST16)。
読み込んだコンテンツデータが表示部に出力される(ステップST17)と、当該処理が終了する。
上記ステップS15の判断がデータ消去の場合は、ステップST16をスキップし、その旨を表示部に表示して処理を終了する。
【0048】
本実施形態によれば、以下の利点が得られる。
第1に、検索画像に、そのコンテンツデータの内容を容易に想起する代表画面を含むため、所望のコンテンツデータの特定が容易である。また、動画や静止画を含む大量のデータ検索が不要で、処理負担が小さい。
【0049】
第2に、検索画像にQRコード等の2次元コードが合成されている場合、印刷または画像表示した検索画面を見て、2次元コードを小型カメラ等の画像入力部から読み込むだけで一の検索画面の特定が可能である。画像入力部が検索用に設けられている場合は、装置の電源をオンし、入力トリガ手段を操作する2段階操作で検索開始が可能であり、メニュー表示が不要である。換言すると、ユーザにとっては、カセットを入れて再生ボタンを押すだけで済む従来のカセットVTR装置に近い検索出力の操作性が得られる。
【0050】
第3に、QRコードの場合、そのデータ量が大きいことから、識別情報に静止画の撮影データ、動画のEPGデータ等、データ識別以外でも役立つ付帯情報を付加することができ、ユーザの便宜が向上する。
【0051】
第4に、格納場所情報がコンテンツデータと関連付けて蓄積される場所情報テーブルを有することから、データの移動および消去にともなう変化を当該情報処理装置に保持できる。このため、検索し出力する際に、最新の格納場所にアクセスし、移動、消去にともなうメンテナンス操作をユーザに強いることがない。とくに多くの機器が検索可能な対象として設定されている場合に、ユーザにとって格納場所のメンテナンス操作を不要とすることは、大きな利点となる。
【0052】
第5に、多くの複数の機器が格納場所情報を含むリンク情報をコンテンツデータにデジタルデータとして添付することもできる。その場合、相互にデータ検索ができる機器グループで、本発明を適用した他の機器があるときなど、その機器で格納場所情報が最初から含むコンテンツデータが送られてくるので、格納場所の指定のための操作が不要である。また、データの移動や消去にともなう最新の情報がコンテンツデータに添付されていることから、上記グループ内での変更にともない、本情報処理装置のテーブルを更新する手間も不要である。
【0053】
第6に、格納場所情報は、MACアドレスを優先的に用い、これがない場合に他のインターネットアドレス情報と、デバイスや機器の識別情報とを組み合わせて用いると、確実にデータ格納先を特定できる。
【0054】
第7に、検索画面が順次蓄積されるため、画面上での一覧表示が可能である。検索画面は1画面であることから、テーブルの記憶容量は小さくて済む。また、場所情報テーブルさえ更新すれば、移動等にともなうQRコードの再作成の必要もない。
以上より、複数の機器でコンテンツデータを共有するシステム、あるいは、データ記憶場所を分散配置し、所望のコンテンツデータを手早く、簡単な操作で読み出せる情報処理装置が実現できる。
【0055】
なお、以上の説明ではリンク情報が2次元コードの場合を説明したが、リンク情報がデジタルデータであり、これを検索画面に画像としては表示しなくてもよい。リンク画像が代表画面と関連付けされていれば、ユーザが一の検索画面を選択すると、この関連付けを基にコンテンツデータの識別情報や格納場所情報がバックグランドで特定され、所望のコンテンツデータのアクセスが可能である。この場合、小型カメラ等の画像入力部は、検索のための手段としては必須ではない。
このリンク情報が2次元コードでない場合でも、これをコンテンツデータに添付すること、および格納場所の更新方法は、上記説明と同じとすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態の情報処理装置のブロック図である。
【図2】画像入力時の様子を示す図である
【図3】格納時処理のフローチャートである。
【図4】検索出力処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1…情報処理装置、2…本体、3…外付け機器、23…信号処理部、23B…QRコード部、23C…代表画面抽出部、23D…画面合成部、24…I/O、24A…LANポート、25…CPU、26…検索情報メモリ、28…内蔵メディア部、31…外付けメディア部、32…小型カメラ、32A…入力トリガ手段、33…機器、34…表示部、35…プリンタ、40…検索画面、41…代表画面、42…QRコード、100…ローカルエリアネットワーク、101,102…機器、200…インターネット、201…機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力したコンテンツデータを所定の場所に検索可能に格納し、読み出す情報処理装置であって、
前記入力したコンテンツデータから代表画面を抽出する代表画面抽出部と、
前記コンテンツデータの識別情報および格納場所情報を示すリンク情報を生成または取得し、当該リンク情報と関連付けた前記代表画面を含む検索画面を生成する検索画面生成部と、
前記リンク情報が示す格納場所に前記コンテンツデータを格納するための処理を実行する記録処理部と、
前記検索画面のデータを出力する出力部と、
前記出力部が出力した前記検索画面から一の検索画面を特定する操作が実行されたときに、当該特定された検索画面の前記リンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所を特定し、特定された格納場所にアクセスして所望のコンテンツデータを読み出し、前記出力部から出力させる処理を実行する検索出力処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
画像入力部をさらに有し、
前記リンク情報は2次元コードとして、前記代表画面とともに前記検索画面上に合成されて前記出力部から出力され、
前記検索出力処理部は、前記検索画面の前記2次元コードを前記画像入力部から読み取る操作が実行されたときに、当該読み取った2次元コードに基づいて、前記格納場所の特定、前記所望のコンテンツデータの読み出しおよび出力のための処理を実行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検索画面のデータを、コンテンツデータごとに順次蓄積する記憶部をさらに有し、
前記出力部は、前記記憶部内の検索画面を一覧表示可能な画像表示デバイスを含み、
前記画像表示デバイスの表示面上で前記画像入力部により前記2次元コードを撮像し、読み取ることが可能な
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部はプリンタを含み、
前記プリンタから出力された紙面上で前記画像入力部により前記2次元コードを撮像し、読み取ることが可能な
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検索画面生成部は、外部からの操作により記録指示があったコンテンツデータの付加データから、当該コンテンツデータの名称データ、作成、更新または入力に関する時間データ、番組表データ、静止画または動画の記録時付帯データの少なくとも一のデータを含む前記識別情報を抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検索画面生成部は、前記情報処理装置内の記録デバイスの識別コード、または、前記情報処理装置にケーブル接続された他の機器の製造元で決められた機器識別コードを、前記格納場所情報として取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検索画面生成部は、当該装置に有線または無線でネットワーク接続された他の機器の前記格納場所情報を取得する場合、MACアドレス、IPアドレス、一のデータ格納場所を特定するレベルの情報を含むURL、当該URLと関連付けされたDNSの少なくとも一のネットワークアドレス情報を、前記格納場所情報として取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記検索画面生成部は、MACアドレスの取得を行い、取得できない場合に、IPアドレス、URL、DNS、または、これらの少なくとも一つと記録デバイスの識別コードまたは機器識別コードとを組み合わせたものを、前記格納場所情報として取得する
請求7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記検索画面生成部は、入力したコンテンツデータの種別、すなわち当該装置内の記録デバイスに格納されているものであるか、当該装置が接続されているローカルネットワーク上の機器に格納されているものであるか、前記ローカルネットワーク以外の外部ネットワーク上の機器に格納さているものであるかの違いを、前記入力したコンテンツデータのヘッダに含む種別判定フラグにより識別可能である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記コンテンツデータの移動先情報、消去の情報を記述したテーブルを含む記憶部をさらに有し、
前記検索出力処理部は、前記格納場所の特定に際し前記テーブルを参照してコンテンツデータの移動および消去を確認し、移動の場合は移動先情報に基づいて、前記格納場所の特定を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記録処理部は、前記検索画面生成部が生成または取得した前記リンク情報を、対応するコンテンツデータに添付して、当該リンク情報が示す格納場所に出力し、
前記検索画面生成部は、入力したコンテンツデータにリンク情報が添付されているかを調べ、添付されている場合は当該添付されているリンク情報を用いて前記検索画面を作成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記記録処理部は、コンテンツデータの格納場所を変更する場合、移動対象のコンテンツデータに添付されているリンク情報に移動先情報を反映させて、前記移動先情報が示す新たな格納場所に出力する
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
所定の場所に格納されたコンテンツデータを検索する情報検索方法であって、
データ格納時に、各コンテンツデータから代表画面を1画面ずつ抽出し、各コンテンツデータの識別情報および格納場所情報を示すリンク情報を前記代表画面と関連付け、当該リンク情報と関連付けた前記代表画面を含む検索画面を、コンテンツデータごとに生成する格納時処理ステップと、
検索ステップと、を有し、
当該検索ステップに、
前記検索画面のデータを出力する出力ステップと、
前記出力した検索画面から一の検索画面を特定するためのステップと、
前記特定された検索画面の前記リンク情報に基づいて、所望のコンテンツデータの格納場所を特定して検索する検索実行ステップと、
を含む情報検索方法。
【請求項14】
前記リンク情報は2次元コードとして、前記代表画面とともに前記検索画面上に合成されたものであり、
前記一の検索画面を特定するための手段として2次元コードの取得が可能な撮像デバイスを用いる
請求項13に記載の情報検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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