説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】複数の対象者のそれぞれに対し、より容易により長く継続的に、また、より効果的に、脳の所定の部位に刺激を与える。
【解決手段】解答者選択部135は、指導者の指示に応じて、複数の対象者の中から1人の解答者を選択する。USB通信制御部151は、複数の対象者のそれぞれによって操作されるリモートコントローラのうちの、解答者のリモートコントローラからの信号のみを取得するようにリモートコントローラからの信号の取得を制御する。問題出題部137は、問題を出題すると共に、取得された信号で示される解答者の解答の正誤を判定する。表示制御部139は、出題された問題の画像の表示を制御する。本発明は、認知機能の低下を防ぐトレーニング装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、脳の所定の部位に刺激を与える問題を効果的に出題できるようにした情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認知機能の低下を気にする年代の健常者や、特に高齢者、または軽度の認知機能の障害者が、認知機能の低下を防止する目的で、ゲーム機やパーソナルコンピュータを利用することが広く知られている。
【0003】
東京老人総合研究所により発行された認知症予防専業従事者マニュアルによると、認知機能の低下に影響を与える要因には緩和因子と阻害因子とがあり、酒たばこ類が、阻害要因の代表であり、運動、魚類若しくは野菜類の摂取、読書、またはゲームなどが、緩和因子の例として挙げられている(例えば、非特許文献1参照)。ここでは、パーソナルコンピュータやテレビゲームなどで脳を使う方法が呆け防止の1つの方法として推奨されている。
【0004】
また、施設の職員や介護人が簡単に電源のON/OFFができ、集客用の環境映像が表示されている状態で、プレーヤが操作ボタンにタッチすればドライブゲームが開始され、運転ミスをするとクイズゲームに移行し、これを繰り返して目的地に着くと得点が表示されてゲームが終了し、新たなプレーヤを誘う環境映像に戻るようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】東京都老人総合研究所著「認知症予防専業従事者マニュアル」平成19年3月発行
【0006】
【特許文献1】特開2006−254937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のゲームは主に個人で楽しむものである。しかしながら、健常高齢者や軽度認知機能障害者が認知機能の低下の予防として利用する場合には、1人でゲーム機に向かって1人でゲームを行うか、または、傍らに指導員が付き添って1対1の状態で、ゲームを行うが、健常高齢者や軽度認知機能障害者においては、一般に、指先の動作が鈍く、操作を教える先から忘れることが多く、1人で楽しくゲームができる者はほとんどいない。
【0008】
そこで、健常高齢者や軽度認知機能障害者向けに、操作のためのボタンを大きくして、ボタンの数を少なくしたゲーム機がある。しかし、このようなゲーム機であっても、健常高齢者や軽度認知機能障害者が1人でゲームを行っている場合、不適なゲーム、すなわち、解答が困難なゲームが開始されると、継続の意欲が減退し、逃避願望が生じて、途中でゲームの解答が放棄されてしまう。
【0009】
脳を活性化するために行うゲームは個人的に行うものであり、仲間と共に行えるものが少なく、孤独と、個人指導監視の環境に耐えられないことが、ゲームの解答の途中放棄の原因と推定される。仲間と共にゲームを行うことによって、競争心が生じ、また、仲間の間でコミュニケーションが生じ、これにより社会生活に復帰しようとする意欲が生じている状態で、ゲームが行われれば、ゲームを放棄するに至らないと考えられる。
【0010】
また、高齢者の認知機能のレベルは、健常者と同等のレベルから要介護のレベルまでと幅広く、これに対して、ゲームの解答に要求される認知機能のレベルの幅は狭いので、高齢者がこのようなゲームを行おうとすると、難しすぎたり、または易しすぎたりすることとなりがちである。また、ゲームのいわゆるジャンルが高齢者の好むものと合わない場合も多い。その結果、高齢者が面白いと感じるゲームに遭遇する可能性は極めて低いものとなっている。
【0011】
このように、健常高齢者や軽度認知機能障害者に、認知機能の低下の予防を目的として、トレーニングを継続的に楽しく行わせるためには、第1に、健常高齢者や軽度認知機能障害者を孤独な環境に置かないことが重要である。第2に、健常高齢者や軽度認知機能障害者のそれぞれのレベルに合わせて行うことが大切と言える。
【0012】
また、「ハッ!」として考える場合に特に脳の前頭前野が働くと言われ、このような場合に脳に十分な刺激が与えられる。同じことを繰り返すと慣れてしまい、脳に十分な刺激が与えられなくなることから、第3に、脳に刺激を与えるという観点から、連続して同じことをさせないことが重要である。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の対象者のそれぞれに対し、より容易により長く継続的に、また、より効果的に、脳の所定の部位に刺激を与えることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一側面の情報処理装置は、解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理装置であって、前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択する解答者選択手段と、複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御する入力制御手段と、前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定する問題出題手段と、出題された前記問題の画像の表示を制御する表示制御手段とが設けられている。
【0015】
前記解答者によって解答された前記問題について、解答することにより刺激が与えられる脳の部位および難易度を示すデータと共に、解答の正誤または放棄を示すデータの記録を制御する記録制御手段をさらに設けることができる。
【0016】
ネットワークを介して情報提供装置から送信されてくる、出題が予定されている前記問題を前記対象者毎に示す出題予定データの受信を制御する受信制御手段と、受信した前記出題予定データの記録を制御する記録制御手段と、記録されている前記出題予定データを参照して、出題する問題を選択する問題選択手段とをさらに設けることができる。
【0017】
前記対象者のそれぞれについて、脳の部位毎に、前記問題が難しすぎないか、または簡単すぎないかを分析する分析手段と、前記問題が難しすぎるとされた場合には、より易しい前記問題が出題されるように、出題が予定されている前記問題を前記対象者毎に示す出題予定データを更新し、前記問題が簡単すぎるとされた場合には、より難しい前記問題が出題されるように前記出題予定データを更新する更新手段と、前記出題予定データを参照して、出題する前記問題を選択する問題選択手段とをさらに設けることができる。
【0018】
本発明の一側面の情報処理方法は、解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理方法であって、前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択し、複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御し、前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定し、出題された前記問題の画像の表示を制御するステップを含む。
【0019】
本発明の一側面のプログラムは、解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理を、コンピュータに行わせるプログラムであって、前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択し、複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御し、前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定し、出題された前記問題の画像の表示を制御するステップを含む情報処理をコンピュータに行わせる。
【0020】
本発明の一側面においては、指導者の指示に応じて、複数の対象者の中から1人の解答者が選択され、複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得が制御され、前記問題が出題されると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤が判定され、出題された前記問題の画像の表示が制御される。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の一側面によれば、対象者の脳の所定の部位に刺激を与えることができる。
【0022】
また、本発明の一側面によれば、複数の対象者のそれぞれに対し、より容易により長く継続的に、また、より効果的に、脳の所定の部位に刺激を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0024】
本発明の一側面の情報処理装置は、解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理装置であって、前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択する解答者選択手段(例えば、図8の解答者選択部135)と、複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御する入力制御手段(例えば、図8のUSB(universal serial bus)通信制御部151)と、前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定する問題出題手段(例えば、図8の問題出題部137)と、出題された前記問題の画像の表示を制御する表示制御手段(例えば、図8の表示制御部139)とを備える。
【0025】
この情報処理装置には、前記解答者によって解答された前記問題について、解答することにより刺激が与えられる脳の部位および難易度を示すデータ(例えば、問題指定データ)と共に、解答の正誤または放棄を示すデータ(例えば、問題履歴データ)の記録を制御する記録制御手段(例えば、図8の個人ファイル記録部132)をさらに設けることができる。
【0026】
また、この情報処理装置には、ネットワークを介して情報提供装置から送信されてくる、出題が予定されている前記問題を前記対象者毎に示す出題予定データ(例えば、問題指定データ)の受信を制御する受信制御手段(例えば、図8のネットワーク通信制御部140)と、受信した前記出題予定データの記録を制御する記録制御手段(例えば、図8の個人ファイル記録部132)と、記録されている前記出題予定データを参照して、出題する前記問題を選択する問題選択手段(例えば、図8の問題選択部133)とをさらに設けることができる。
【0027】
前記対象者のそれぞれについて、脳の部位毎に、前記問題が難しすぎないか、または簡単すぎないかを分析する分析手段(例えば、パーソナルコンピュータ11において実現される図12の分析部181)と、前記問題が難しすぎるとされた場合には、より易しい前記問題が出題されるように、出題が予定されている前記問題を前記対象者毎に示す出題予定データ(例えば、問題指定データ)を更新し、前記問題が簡単すぎるとされた場合には、より難しい前記問題が出題されるように前記出題予定データを更新する更新手段(例えば、パーソナルコンピュータ11において実現される図12の更新部182)と、前記出題予定データを参照して、出題する前記問題を選択する問題選択手段(例えば、図8の問題選択部133)とをさらに設けることができる。
【0028】
本発明の一側面の情報処理方法またはプログラムがコンピュータに行わせる情報処理は、指導者の指示に応じて、複数の対象者の中から1人の解答者を選択し(例えば、図18のステップS1005の処理)、複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御し(例えば、図18のステップS1006の処理)、前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定し(例えば、図13のステップS24の処理)、出題された前記問題の画像の表示を制御する(例えば、図13のステップS26の処理)ステップを含む。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態のトレーニング装置を含むトレーニングシステムを示す図である。トレーニング装置は、情報処理装置の一例であり、トレーニングシステムは、情報処理システムの一例である。
【0030】
トレーニング装置である本体1は、高齢者を対象とする福祉施設などに設置され、認知機能の低下を防ぐトレーニングを高齢者に提供する。トレーニングシステムは、本体1、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6、表示装置3、およびデータセンタ4から構成される。データセンタ4は、インターネット5を介して、本体1に接続されている。
【0031】
対象者6−1乃至対象者6−6は、それぞれ、認知機能の低下を防ぐトレーニングを受ける高齢者である。対象者6−1乃至対象者6−6は、同時に、合同でトレーニングを受ける。対象者6−1乃至対象者6−6が集団でトレーニングを受けることにより、会話を交わして、互いに競争するなどして、より楽しくトレーニングを受けることができるようになり、これにより、より多くの高齢者に継続的にトレーニングを受けさせることが可能になる。
【0032】
指導者7は、トレーニングシステムが設置されている福祉施設の職員などであり、対象者6−1乃至対象者6−6に対して、トレーニングシステムによって提供されるトレーニングについて、より良い効果が得られるように指導する。
【0033】
本体1は、詳細は図4および図5を参照して後述するが、パーソナルコンピュータおよび操作盤などからなり、認知機能の低下を防ぐトレーニングとして、解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題を出題し、出題した問題の画像を表示装置3に表示させる。リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6は、それぞれ、入力部の一例であり、対象者6−1乃至対象者6−6のそれぞれによって操作される。すなわち、対象者6−1乃至対象者6−6のそれぞれは、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6をそれぞれ操作することにより、出題された問題に解答する。
【0034】
また、本体1は、操作盤への指導者7の操作、すなわち、指導者7の指示に応じて、対象者6−1乃至対象者6−6の中から、問題に解答する解答者を選択する。
【0035】
表示装置3は、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、または有機EL(electro luminescence)表示装置などであり、本体1からの信号により、問題の画像を表示すると共に、問題の音声を出力する。表示装置3の画面は、例えば、高齢者である対象者6−1乃至対象者6−6が、所定の距離だけ離れて、同時にその画像の内容を認識できる程度に、十分に大きいことが好ましい。勿論、表示装置3は、その方式により限定されるものではなく、リアプロジェクタ方式またはフロントプロジェクタ方式などであっても良い。
【0036】
データセンタ4は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはサーバなどからなり、問題のデータや各種のデータをインターネット5を介して本体1に提供する。なお、本体1とデータセンタ4とを、LAN(local area network)若しくはWAN(wide area network)などのネットワーク、または有線(光回線を含む)若しくは無線などによる専用の回線などで接続するようにしてもよい。
【0037】
以下、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6を個々に区別する必要が無い場合、単に、リモートコントローラ2と称する。また、以下、対象者6−1乃至対象者6−6を個々に区別する必要が無い場合、単に、対象者6と称する。
【0038】
なお、以下、6人の対象者6がトレーニングを受ける例を説明するが、6人に限定されることはなく、複数人であればよい。また、以下、リモートコントローラ2の数が6個である例を説明するが、リモートコントローラ2の数が6個に限定されることはなく、トレーニングを同時に受ける対象者6の人数以上の数のリモートコントローラ2を設ければ良い。
【0039】
次に、トレーニングシステムにより提供されるトレーニングとしての問題に解答することにより刺激が与えられる脳の部位と、トレーニングシステムにより提供されるトレーニングとしての問題とについて説明する。
【0040】
図2は、問題に解答することにより刺激が与えられる脳の部位を示す図である。右脳B1は、より正確には前頭葉右脳であり、大脳半球の前部の右側の部位である。右脳B1は、人間の知的活動を行うための認知機能を司る。右脳B1において、「興味」が引き起こされたり、物事の関係性が認識される。また、右脳B1は、アイディアを生み出したりする発想力を担う。すなわち、右脳B1は、発想・分析・鑑賞に関する機能を担い、五感によって認識された認識パターンを、直感的、かつ総合的に認識し、判断する能力を担う。
【0041】
左脳B2は、より正確には前頭葉左脳であり、大脳半球の前部の左側の部位である。左脳B2は、知的活動の中心となる前頭葉の中でも、物事を判断し、計画を立てる認知機能を司る。社会生活を円滑におくるためには左脳B2を、使い続け、その機能を維持する必要がある。すなわち、左脳B2は、計画・推理・計算といった論理的な思考を担い、左脳B2において、言葉や文字が認識される。
【0042】
頭頂葉B3は、大脳葉のひとつで、後頭葉の上部、前頭葉の後部にあり、視覚や聴覚など外界の情報を総合的に判断しながら、右脳B1(前頭葉右脳)と協力して、身体のさまざまな部位を適切に制御する脳の部位である。頭頂葉B3の働きによって、複数の事に並行して注意を払いながら、それを同時に進めることができる。頭頂葉B3は、複数の事を同時に判断したり、その活動を訓練することで強化維持できる。すなわち、頭頂葉B3は、異なる感覚モダリティーからの感覚情報を統合し、空間感覚と指示の決定を担う。これにより、例えば、視覚で認識した対象物の位置を身体座標における位置に変換することができる。
【0043】
海馬B4は、大脳辺縁系の一部である、海馬体の一部であり、一時的に物事を記憶する短期記憶と、生活に必要な言葉や出来事を記憶する長期記憶を中心となって行う部位である。
【0044】
後頭葉B5は、大脳葉のひとつで大脳半球の最尾側にあり、視覚や色彩の認識を司り、目で見たことを的確に判断し、前頭葉に伝えて正しい判断を引き出すことを助ける脳の部位である。後頭葉B5は、前頭葉と協力して、外界の複数の情報に注意を分割しながら適切な行動を支援する。
【0045】
側頭葉B6は、海馬B4と協力して、物の名前を記憶したり、思い出したりする機能を有する部位である。すなわち、側頭葉B6の働きによって、生活に必要な言葉や物の名前、語彙を記憶することができる。側頭葉B6は、言葉を声に出したり、文字を書いたりすることで刺激を受ける。
【0046】
図3は、トレーニングシステムにより提供されるトレーニングとしての問題の例を示す図である。右脳B1を刺激する問題には、絵画や美しいもの、また、想像の意欲をかき立てる素材が取り入れられている。例えば、右脳B1を刺激する問題には、1つの絵が分解されてなる複数のばらばらなピースを組み合わせて、元の1つの絵を組み立てる問題(例えば、「絵合わせごっこ」と題される絵合わせ問題)や、箱に設けられた複数の蓋を1つずつ開くことにより、徐々に箱の中に入れた物の画像を見せて、その物の名前を答える問題(例えば、「この中なに?」と題される問題)や、また、音楽を聞かせて、それに合った絵カルタを当てさせる問題(例えば、「唱歌カルタ」と題される問題)などが含まれる。
【0047】
左脳B2を刺激する問題は、計画を立てさせてその計画を実行させる問題、いくつかの事象からそれを関連付けて1つの事象にまとめる問題、または計算問題などである。より具体的には、例えば、左脳B2を刺激する問題には、たくさんの升目状の道路が表示され、入口から出口に向かって、障害物を避けて通る道を計画し、進んでいく問題(例えば、「出口はどこ?」と題される問題)や、時計の見方を問う問題(例えば、「今何時」と題される問題)などが含まれる。
【0048】
頭頂葉B3を刺激する問題は、運動神経が問われるような、複数の注意物が動く中で、目的を追行する種類の問題であり、より具体的には、例えば、敵を倒しながら進んでいく問題や、刺激物が出現する画像に対応してそれを避けていく問題(例えば、「障害物から逃げろ」と題される問題)などである。
【0049】
海馬B4を刺激する問題は、所定の物の画像を表示してそれを覚えこませ、途中に休息などを入れてから、先ほどの画像に表示された物が何であったかを答えさせる問題などである。より具体的には、例えば、海馬B4を刺激する問題として、いくつかの異なる絵、数字、記号などの組合せを見せて、それが何であったかまたは仲間はずれのものはどれだったかを当てさせるような問題が代表的である。いわゆる神経衰弱といわれる問題なども海馬B4を刺激する問題に属する。
【0050】
後頭葉B5を刺激する問題は、図形を見せて、その見方を変えたときに、元の絵はどれかを答えさせる問題などである。より具体的には、例えば、後頭葉B5を刺激する問題には、真上から見た積み木の画像と斜め上から見た積み木の画像とを表示して、同じ積み木を当てさせる問題、部品の画像と鍵穴の画像とを表示して、鍵穴に入る部品を当てさせる問題、または、回転している図形を表示して、これと同じ図形を当てさせる問題(例えば、「同じ物は?」と題される問題)などが含まれる。
【0051】
側頭葉B6を刺激する問題は、文字、語彙、熟語などに関してどれだけ知っているかを問うような問題である。より具体的には、例えば、側頭葉B6を刺激する問題には、文字の途中を抜いて、その抜いた文字を当てる問題、単語や言葉を縦横に交わるように配置して、その交わる部分の文字を当てる問題(例えば、「クロスワード」と題される問題)、熟語や諺について、その意味を述べた文章と絵とを結ぶ問題(例えば、「四字熟語」と題される問題)などが含まれる
【0052】
このように、トレーニングシステムにおいては、解答することにより脳の右脳B1乃至側頭葉B6のそれぞれに刺激を与える問題が出題される。トレーニングシステムにおいては、問題は、刺激を与える部位ごとにまとめられている。
【0053】
次に、本体1およびリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6の詳細について説明する。
【0054】
図4は、本体1およびリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6の外観を示す図である。本体1は、パーソナルコンピュータ11、操作盤12、および置き台13を含むように構成される。すなわち、本体1には、パーソナルコンピュータ11、操作盤12、および置き台13が設けられている。パーソナルコンピュータ11は、いわゆるノート型のパーソナルコンピュータである。本体1とリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6とは、リモコンケーブル14により相互に接続されている。
【0055】
操作盤12には、ジョイスティック21、青ボタン22、黒ボタン23、赤ボタン24、および黄ボタン25が設けられている。ジョイスティック21を操作することにより、上下左右の4方向のいずれかが指示される。青ボタン22は、問題の答えの決定を指示したり、次に進むことを指示する場合に押圧される。黒ボタン23は、問題の休憩(一時停止)など特殊な指示を与える場合に押圧される。赤ボタン24は、問題の解答の中止(放棄)や問題を1つ前の状態に戻す場合に押圧される。黄ボタン25は、各種の確定や特に問題のジャンル(ジャンルの詳細は後述する)を決定する場合に押圧される。
【0056】
パーソナルコンピュータ11は、後述する出力部である表示部(ディスプレイ(モニタ)が設けられている蓋)が開かれて、電源ボタンとキーボードとを即座に押圧できる状態で、また、指導者7による操作盤12の操作を妨げないように、置き台13上に配置され固定される。また、パーソナルコンピュータ11は、図5を参照して後述するように、置き台13内部に配置されている制御回路などと電気的に結線されている。
【0057】
パーソナルコンピュータ11のディスプレイに表示される画像は、表示装置3に表示される画像と同じである。なお、パーソナルコンピュータ11のディスプレイに、表示装置3に表示される画像とは異なる画像、例えば、指導者7による指導に、より適した画像などを表示させるようにしてもよい。
【0058】
パーソナルコンピュータ11に接続されるケーブル(コード)類は、接続した状態そのままでは長くはみ出して美感を損なうので、本体1内部に設けられている接続コード収納部26に、整理されて格納される。
【0059】
このように、パーソナルコンピュータ11を配置することにより、いちいちパーソナルコンピュータ11とケーブル類とを結線したり、ディスプレイが設けられている蓋を開いたりする手間を省いて、パーソナルコンピュータ11を操作する指導者7は、即座に、電源ボタンやキーボードを操作することができる。
【0060】
リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6には、それぞれ、ジョイスティック31および青ボタン32が設けられている。ジョイスティック31は、上下左右の4方向のいずれかを指示する場合、リモートコントローラ2本体に対して、その方向に倒されるように操作される。青ボタン32は、問題の答えの決定を指示する場合に押圧される。
【0061】
図5は、本体1のハードウェアの構成および配線を示すブロック図である。本体1の内部には、マイクロコンピュータなどからなる制御回路51が設けられている。制御回路51は、USB(universal serial bus)通信線52により接続されているパーソナルコンピュータ11からの指示に応じて、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12を制御し、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のいずれかまたは操作盤12への操作に応じた信号をパーソナルコンピュータ11に供給する。
【0062】
また、接続コード収納部26には、AC(alternating current)/DC(direct current)コンバータ53およびPC電源コンバータ54が格納されている。AC/DCコンバータ53は、ACケーブル55を介して供給された交流電圧を、例えば、5Vの直流電圧に変換して、変換して得られた直流電圧を制御回路51に供給する。PC電源コンバータ54は、ACケーブル55を介して供給された交流電圧を直流電圧に変換して、変換して得られた直流電圧をPC電源線56を介してパーソナルコンピュータ11に供給する。
【0063】
ACケーブル55は、プリンタ57および表示装置3にも接続され、ACケーブル55を介してプリンタ57および表示装置3に交流電圧が供給される。
【0064】
パーソナルコンピュータ11とプリンタ57とは、プリンタケーブル58で接続され、パーソナルコンピュータ11からプリンタ57に、プリンタケーブル58を介して印刷データが供給される。プリンタ57は、印刷データに応じて、所定の文字や画像を紙に印刷する。
【0065】
また、パーソナルコンピュータ11には、ポインタの移動などを指示するマウス59が接続されている。パーソナルコンピュータ11と表示装置3とは、パーソナルコンピュータ11から表示装置3に映像(画像)の信号を伝送する映像ケーブル60およびパーソナルコンピュータ11から表示装置3に音声の信号を伝送する音声ケーブル61により接続されている。
【0066】
さらにまた、パーソナルコンピュータ11は、LANケーブル62を介して、インターネット5と接続されている。
【0067】
ジョイスティック21には、操作盤12に対して、左方向に倒されるとその接点が閉じられる左方向スイッチ(SW)71、下方向に倒されるとその接点が閉じられる下方向スイッチ(SW)72、上方向に倒されるとその接点が閉じられる上方向スイッチ(SW)73、右方向に倒されるとその接点が閉じられる左方向スイッチ(SW)74が設けられている。
【0068】
ジョイスティック21、青ボタン22、黒ボタン23、赤ボタン24、および黄ボタン25は、制御回路51に接続されている。
【0069】
また、ジョイスティック31には、ジョイスティック21と同様に、左方向スイッチ、下方向スイッチ、上方向スイッチ、および左方向スイッチが設けられ、左方向スイッチ、下方向スイッチ、上方向スイッチ、左方向スイッチ、および青ボタン32はリモコンケーブル14を介して制御回路51に接続されている。
【0070】
図6は、制御回路51の構成と、制御回路51、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6、および操作盤12の電気的な接続とを示す図である。制御回路51は、マイクロコンピュータ91、USBインタフェース回路92、トランジスタ93、およびフォトカプラ94から構成されている。
【0071】
マイクロコンピュータ91は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、およびポートなどを内蔵する、いわゆるエンベデット型のマイクロコンピュータであり、ROMまたはRAMに記憶されているプログラムを実行する。USBインタフェース回路92は、USBの規格に基づき、USB通信線52を介して接続されているパーソナルコンピュータ11と通信すると共に、所定の通信方式で接続されているマイクロコンピュータ91と通信する。すなわち、マイクロコンピュータ91は、USBインタフェース回路92およびUSB通信線52を介してパーソナルコンピュータ11と通信する。
【0072】
トランジスタ93は、例えば、NPN型のトランジスタであり、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のそれぞれに対応するように7個設けられている。また、フォトカプラ94は、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のそれぞれに対応するように7個設けられている。すなわち、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のそれぞれに対して、1組のトランジスタ93およびフォトカプラ94が設けられている。
【0073】
それぞれのトランジスタ93のコレクタには、AC/DCコンバータ53からの、例えば、5Vの直流電圧が供給され、それぞれのトランジスタ93のエミッタは、そのトランジスタ93と組み合わせられるフォトカプラ94の入力端子の一方の端子である、フォトカプラ94を構成する発光ダイオードのアノード側に接続されている。それぞれのトランジスタ93のベースには、所定の抵抗を介して、マイクロコンピュータ91の1つの出力ポートが接続されている。マイクロコンピュータ91の出力ポートの出力がオンされると(ハイレベルとされると)、その出力ポートがベースに接続されているトランジスタ93が、オンされ、出力ポートの出力がオフされると(ローレベルとされると)、その出力ポートがベースに接続されているトランジスタ93が、オフされる。
【0074】
フォトカプラ94の入力端子の他方の端子である、フォトカプラ94を構成する発光ダイオードのカソード側は、接地されている。
【0075】
フォトカプラ94の出力端子の一方の端子である、フォトカプラ94を構成するフォトトランジスタのコレクタ側には、AC/DCコンバータ53からの、例えば、5Vの直流電圧が供給される。また、フォトカプラ94の出力端子の他方の端子である、フォトカプラ94を構成するフォトトランジスタのエミッタ側は、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のいずれかへの電源入力端子に接続されている。
【0076】
リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6の電源入力端子から入力された電圧は、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のそれぞれの、ジョイスティック31の左方向スイッチ、下方向スイッチ、上方向スイッチ、および左方向スイッチの一方の端子、並びに青ボタン32のスイッチの一方の端子に供給される。
【0077】
リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6の、ジョイスティック31の左方向スイッチの他方の端子は、マイクロコンピュータ91の1つの入力ポートに接続されている。リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6の、ジョイスティック31の下方向スイッチの他方の端子は、マイクロコンピュータ91の1つの入力ポートに接続されている。同様に、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6の、ジョイスティック31の上方向スイッチ、および左方向スイッチの他方の端子、並びに青ボタン32のスイッチの他方の端子は、それぞれ、マイクロコンピュータ91の1つの入力ポートに接続されている。
【0078】
同様に、操作盤12の電源入力端子から入力された電圧は、操作盤12の、ジョイスティック21の左方向スイッチ71、下方向スイッチ72、上方向スイッチ73、および左方向スイッチ74の一方の端子、並びに青ボタン22、黒ボタン23、赤ボタン24、および黄ボタン25のスイッチの一方の端子に供給される。
【0079】
操作盤12のジョイスティック21の左方向スイッチ71の他方の端子は、マイクロコンピュータ91の1つの入力ポートに接続されている。操作盤12のジョイスティック21の下方向スイッチ72の他方の端子は、マイクロコンピュータ91の1つの入力ポートに接続されている。同様に、操作盤12の、ジョイスティック21の上方向スイッチ73、および左方向スイッチ74の他方の端子、並びに青ボタン22、黒ボタン23、赤ボタン24、および黄ボタン25のスイッチの他方の端子は、それぞれ、マイクロコンピュータ91の1つの入力ポートに接続されている。
【0080】
すなわち、マイクロコンピュータ91の出力ポートのうちのいずれかの出力がオンされると、その出力ポートに対応する、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のいずれかに、電源入力端子から電圧が供給されることになる。電源入力端子から電圧が供給されている状態で、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12が操作されると、その操作の内容に応じた入力ポートがオンされることになる。
【0081】
マイクロコンピュータ91は、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のそれぞれに対して電圧を出力する出力ポートを時分割で循環的に順にハイレベルとする。マイクロコンピュータ91は、出力ポートをハイレベルとするタイミングに同期させて、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12からの入力を受け付ける入力ポートがハイレベルかローレベルかを読み取ることにより、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のいずれかの、ジョイスティック31が上下左右のいずれかに倒されたか、または青ボタン32が押圧されたか、並びに操作盤12のジョイスティック21が上下左右のいずれかに倒されたか、または青ボタン22、黒ボタン23、赤ボタン24、および黄ボタン25のいずれかが押圧されたかを検知することができる。
【0082】
以上のように構成することで、制御回路51とリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6とを接続するリモコンケーブル14に含まれる配線の数をより少なくすることができ、その結果、リモコンケーブル14をより細くすることができる。
【0083】
図7は、パーソナルコンピュータ11のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0084】
パーソナルコンピュータ11において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0085】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス59、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部108、ネットワークインタフェース、USBインタフェース、およびプリンタインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0086】
以上のように構成されるパーソナルコンピュータ11では、CPU101が、例えば、記録部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、後述する一連の処理が行われる。
【0087】
パーソナルコンピュータ11(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア111に記録して、あるいは、インターネット5など、LANもしくはWANなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0088】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記録部108に記録することで、パーソナルコンピュータ11にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記録部108に記録することで、パーソナルコンピュータ11にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記録部108にあらかじめ記録(記憶)しておくことで、パーソナルコンピュータ11にあらかじめインストールしておくことができる。
【0089】
データセンタ4のハードウェアの構成は、それぞれ、パーソナルコンピュータ11のハードウェアの構成と同様なので、その説明は省略する。なお、以下、パーソナルコンピュータ11のハードウェアのそれぞれの部分を、単に、CPU101乃至リムーバブルメディア111と称し、データセンタ4のハードウェアのそれぞれの部分を、データセンタ4のCPU101乃至データセンタ4のリムーバブルメディア111と称する。
【0090】
次に、図8のブロック図を参照して、プログラムを実行するパーソナルコンピュータ11によって実現される機能の構成を説明する。ハードウェアであるパーソナルコンピュータ11がプログラムを実行することによって、対象者登録部131、個人ファイル記録部132、問題選択部133、解答者推薦部134、解答者選択部135、問題記録部136、問題出題部137、トレーニング進行制御部138、表示制御部139、ネットワーク通信制御部140、印刷制御部141、個人ファイル更新部142、および対象者別ナビゲーション部143である機能が実現される。
【0091】
対象者登録部131は、例えば、トレーニングシステムが設置されている福祉施設において介護されている高齢者を、トレーニングの対象者6の候補として登録する。
【0092】
例えば、対象者登録部131は、トレーニングの対象者6の候補を特定するデータとして、キーボードである入力部106への操作により入力された、その氏名、年齢、性別などを取得して、施設を特定する施設番号および個人を特定する個人コードを生成して、氏名、年齢、および性別などを示すデータ並びに施設番号および個人コードを個人ファイル記録部132に供給する。すると、個人ファイル記録部132は、氏名、年齢、および性別などを示すデータ並びに施設番号および個人コードからなる登録データを記録部108に記録させる。個人ファイル更新部142は、トレーニングの対象者6の候補が新たに登録されると、その候補に対し出題する予定の問題を示す個人別出題ファイルをデータセンタ4に要求して、データセンタ4から送信されてくる、その候補についての個人別出題ファイルを個人ファイル記録部132に供給する。個人ファイル記録部132は、個人別出題ファイルを記録部108に記録させる。
【0093】
個人ファイル記録部132は、記録部108に、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについての、個人別出題ファイルおよび問題への解答の履歴を示す個人別履歴ファイルを記録させる。また、個人ファイル記録部132は、記録部108に、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについての登録データを記録させる。なお、個人別出題ファイルで示される問題が出題されると、個人別出題ファイルに含まれる出題された問題についてのデータは、出題されたことを示すように更新される。
【0094】
図9は、個人別出題ファイルの構成の例を示す図である。個人別出題ファイルは、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについて設けられている。個人別出題ファイルには、トレーニングの対象者6の候補について、出題する予定の問題の列である出題予定列のデータ(出題する予定の問題を特定するデータ)が格納されている。
【0095】
さらに、出題予定列は、右脳出題予定列、左脳出題予定列、頭頂葉出題予定列、海馬出題予定列、後頭葉出題予定列、および側頭葉出題予定列から構成される。右脳出題予定列は、解答することによって右脳B1に刺激を与える問題からなる列であって、出題する予定の問題の列である。左脳出題予定列は、解答することによって左脳B2に刺激を与える問題からなる列であって、出題する予定の問題の列である。頭頂葉出題予定列は、解答することによって頭頂葉B3に刺激を与える問題からなる列であって、出題する予定の問題の列である。
【0096】
海馬出題予定列は、解答することによって海馬B4に刺激を与える問題からなる列であって、出題する予定の問題の列である。後頭葉出題予定列は、解答することによって後頭葉B5に刺激を与える問題からなる列であって、出題する予定の問題の列である。側頭葉出題予定列は、解答することによって側頭葉B6に刺激を与える問題からなる列であって、出題する予定の問題の列である。
【0097】
右脳出題予定列、左脳出題予定列、頭頂葉出題予定列、海馬出題予定列、後頭葉出題予定列、および側頭葉出題予定列のそれぞれにおいて、問題毎に、出題順番、コンテンツ番号、出題済日付、および結果参照番号が付与されている。以下、個人別出題ファイルに含まれる、出題順番、コンテンツ番号、出題済日付、および結果参照番号からなり、個々の問題を指定するデータを問題指定データと称する。
【0098】
出題順番は、問題を出題する順番を示すと共に、出題済みであるか否かを示す。対応する問題が出題されると、その問題についての、出題番号は、出題済みであることを示すように更新される。そして、右脳出題予定列、左脳出題予定列、頭頂葉出題予定列、海馬出題予定列、後頭葉出題予定列、および側頭葉出題予定列毎に、出題されたか否かによってソートされ、まず、出題された順に問題を指定する問題指定データが配置され、これに続いて、まだ出題されていない問題を指定する問題指定データが配置される。
【0099】
コンテンツ番号は、それぞれの問題を特定すると共に、問題の特性を表す。出題済日付は、その問題が出題済みである場合、出題された日付を示す。結果参照番号は、図11を参照して後述する個人別履歴ファイルに含まれる、この問題に対する解答の履歴を特定する。
【0100】
図10は、コンテンツ番号の構成の例を示す図である。コンテンツ番号は、通番、登録日、区分、レベル、部位区分、ジャンル、変更履歴、および付記番号の各データからなる。通番のデータは、4桁の10進数の0および正の整数で表現され、問題を作成してトレーニングシステムに利用できるように登録したときに付与される、0乃至9999のいずれかの値の通し番号(追い番)を示す。通番によって、問題を特定することができる。例えば、16番目に作成されてトレーニングシステムに利用できるように登録された問題の通番のデータは、0015とされる。
【0101】
登録日のデータは、6桁の10進数の整数で表現される、問題をトレーニングシステムに利用できるように登録した日付を示す。登録日のデータの最初の2桁は、西暦の下2桁を示し、これに続く2桁は、月を示し、最後の2桁は、日を示す。例えば、2008年5月30日に問題がトレーニングシステムに利用できるように登録された場合、登録日のデータは、080530とされる。
【0102】
区分のデータは、1桁のアルファベットで表現され、問題が集合型問題、対戦型問題、または個人型問題のいずれであるかを示す。Aである区分のデータは、問題が集合型問題であることを示し、Bである区分のデータは、問題が対戦型問題であることを示し、Cである区分のデータは、問題が個人型問題であることを示す。本実施の形態におけるトレーニングシステムにおいて出題される問題は、集合型問題であるが、拡張性を考慮して、対戦型問題および個人型問題が取り扱えるようにしたものである。
【0103】
レベルのデータは、1桁のアルファベットと1桁の整数で表現され、問題の難易度を示す。レベルのデータのうちのアルファベットは、問題の難易度の大区分を示す。Cであるアルファベットは、複雑である(難しい)ことを示し、Sであるアルファベットは、単純である(易しい)ことを示す。レベルのデータのうちの整数は、問題の難易度の小区分を示し、3である整数は、難易度が高いことを示し、2である整数は、難易度が中程度であることを示し、1である整数は、難易度が低いことを示す。すなわち、レベルのデータによれば、C3によって最も難しい問題であることが示され、C2、C1、S3、S2、S1の順に、徐々に、易しい問題であることが示される。例えば、C1のレベルの問題は、S3のレベルの問題より難しい。
【0104】
部位区分のデータは、1桁のアルファベットで表現され、このコンテンツ番号で示される問題に解答することによって刺激が与えられる脳の部位(右脳B1乃至側頭葉B6のいずれか)を示す。Rである部位区分のデータは、このコンテンツ番号で示される問題に解答することによって右脳B1に刺激が与えられることを示す。Lである部位区分のデータは、このコンテンツ番号で示される問題に解答することによって左脳B2に刺激が与えられることを示す。同様に、それぞれ、T、M、B、およびSのいずれかである部位区分のデータは、このコンテンツ番号で示される問題に解答することによって頭頂葉B3、海馬B4、後頭葉B5、および側頭葉B6のそれぞれに刺激が与えられることを示す。
【0105】
ジャンルのデータは、問題のジャンル、すなわち、部位区分を更に分割してなる、「絵合わせごっこ」と題される絵合わせ問題や「唱歌カルタ」と題される問題など、問題の構成パターンを示す。例えば、ジャンルのデータは、Rである部位区分について、3つのジャンルを示し、Lである部位区分について、4つのジャンルを示し、Tである部位区分について、2つのジャンルを示し、Mである部位区分について、3つのジャンルを示し、Bである部位区分について、2つのジャンルを示し、Sである部位区分について、3つのジャンルを示し、合計17のジャンルを示す。
【0106】
変更履歴のデータは、1桁の整数で表現され、問題の変更に応じた問題の有効または無効を示す。0である変更履歴のデータは、このコンテンツ番号で示される問題が有効であること、すなわち、トレーニングシステムにおいて出題できることを示す。1である変更履歴のデータは、このコンテンツ番号で示される問題が廃止されて無効になったこと、すなわち、トレーニングシステムにおいて出題できないことを示す。さらに、2である変更履歴のデータは、このコンテンツ番号で示される問題が変更されて無効になったこと、すなわち、トレーニングシステムにおいてその問題自体は出題できないが、この問題が変更されて得られた他の問題がトレーニングシステムにおいて出題できることを示す。
【0107】
付記番号のデータは、2桁の整数で表現され、問題の難易度をレベルのデータより詳細に示すか、またはこのコンテンツ番号で示される問題についての注意などを記録するアノテーションファイルから付記内容を特定する番号などを示す。
【0108】
このように、コンテンツ番号が、通番、登録日、区分、レベル、部位区分、ジャンル、変更履歴、および付記番号の各データから構成されるので、コンテンツ番号によって、問題を解くことによって刺激を与える脳の部位や、問題の難易度、または問題のジャンルなどを簡単に迅速に知ることができる。また、コンテンツ番号を問題の解答の履歴に利用することにより、それぞれの対象者6の候補が得意なジャンルや、難しすぎずかつ易しすぎない問題を選択することができるようになる。
【0109】
次に、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについて、問題の解答の履歴を示す個人別履歴ファイルについて説明する。個人別履歴ファイルには、個々の問題の解答の履歴を示すデータが格納されている。以下、個人別履歴ファイルに含まれている、個々の問題の解答の履歴を示すデータを問題履歴データと称する。
【0110】
図11は、個人別履歴ファイルに格納されている問題履歴データの構成を示す図である。なお、それぞれの問題に対応する履歴には、個人別出題ファイルの結果参照番号に対応する番号が付されているが、その説明は省略する。
【0111】
問題履歴データは、施設番号、個人コード、コンテンツ番号、出題日時、正誤放棄、得点、および付記番号のデータからなる。施設番号のデータは、4桁の整数で表現され、施設毎に設置した装置(本体1)の番号を示す。個人コードは、名簿に登録された、トレーニングの対象者6の候補である個人を特定するコードである。
【0112】
コンテンツ番号は、図10を参照して説明した、個人別出題ファイルのコンテンツ番号と同様である。問題履歴データの出題日時のデータは、10桁の整数で表現され、問題が出題された年月日および時分を示す。問題履歴データの出題日時のデータの最初の2桁は、西暦の下2桁を示し、次の2桁は、月を示し、更に次の2桁は、日を示す。問題履歴データの出題日時のデータの先頭から7桁目および8桁目は、時間を示し、先頭から9桁目および10桁目は、分を示す。
【0113】
正誤放棄のデータは、1桁のアルファベットで表現され、正解したか若しくは解答に成功したか、または不正解(誤答)であったか若しくは解答に失敗したか、解答を途中で放棄(棄権)したかを示す。Aである正誤放棄のデータは、正解したかまたは解答に成功したことを示す。Bである正誤放棄のデータは、不正解(誤答)であったかまたは解答に失敗したことを示す。Cである正誤放棄のデータは、解答を途中で放棄(棄権)したことを示す。
【0114】
なお、本出願において、正誤は、正解したか若しくは解答に成功したか、または不正解(誤答)であったか若しくは解答に失敗したかを意味する。
【0115】
得点のデータは、整数部が2桁、小数部が1桁の固定小数点数で表現され、その問題の得点を示す。得点は、100点を満点とし、小数点2桁目が四捨五入される。付記番号のデータは、2桁の整数で表現され、得点に対応する説明および評価を示す文である説明評価短文の引き出し番号(ポインタ)を示す。
【0116】
このように、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについて、問題の解答の履歴が記録される。
【0117】
図8に戻り、問題選択部133は、個人別出題ファイルを参照して、次に出題する問題を選択する。解答者推薦部134は、これまでの対象者6のそれぞれの解答の履歴や問題履歴データで示される正答率などから、指導者7に解答者とすべき対象者6を推薦する。解答者推薦部134は、推薦する対象者6のデータや、対象者6から解答者を選択する場合に参照するデータを、パーソナルコンピュータ11のモニタである出力部107および表示装置3に表示させる。
【0118】
解答者選択部135は、対象者6−1乃至対象者6−6の中から、指導者7により操作される操作部12から供給される信号で特定される1人の解答者を選択する。すなわち、解答者選択部135は、指導者7の指示に応じて、複数の対象者6の中から1人の解答者を選択する。解答者選択部135は、USB通信制御部151を備える。
【0119】
USB通信制御部151は、USBインタフェースである通信部109を制御し、USBの規格に準拠した、USB通信線52を介した制御回路51との通信を制御する。また、USB通信制御部151は、マイクロコンピュータ91に指令を送信することにより、複数の対象者6のそれぞれによって操作されるリモートコントローラ2のうちの、解答者のリモートコントローラ2からの信号のみを取得するようにリモートコントローラ2からの信号の取得を制御する。
【0120】
問題記録部136は、トレーニングシステムにおいて出題する問題そのもののデータ(プログラムを含む)(以下、問題データと称する)を記録部108に記録させ、問題出題部137からの要求に応じて、記録部108から問題データを読み出す。問題出題部137は、問題記録部136から読み出した問題データによって、問題を出題する。すなわち、問題出題部137は、問題の画像のデータを表示制御部139に供給し、表示制御部139に、問題の画像を表示装置3に表示させる。また、問題出題部137は、問題の音声のデータを出力部107に供給し、出力部107に、問題の音声を表示装置3に出力させる。
【0121】
さらにまた、問題出題部137は、解答者により操作されるリモートコントローラ2から供給される信号で示される解答者の解答の正誤を判定し、その判定結果に応じて、問題を次のステップに進める。すなわち、問題出題部137は、問題を出題すると共に、取得された信号で示される解答者の解答の正誤を判定する。
【0122】
トレーニング進行制御部138は、トレーニングの進行を制御する。表示制御部139は、表示装置3およびディスプレイである出力部107への、出題された問題の画像など、各種の画像の表示を制御する。
【0123】
ネットワーク通信制御部140は、ネットワークインタフェースである通信部109を制御し、インターネット5を介した、データセンタ4との通信を制御する。
【0124】
印刷制御部141は、プリンタインタフェースである通信部109を制御し、プリンタケーブル58を介して印刷データをプリンタ57に供給して、プリンタ57に印刷させる。
【0125】
個人ファイル更新部142は、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについての個人別出題ファイルを更新する。すなわち、個人ファイル更新部142は、個人ファイル記録部132に、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについて、個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを要求する。個人ファイル更新部142は、個人ファイル記録部132から供給された個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルのデータセンタ4への送信をネットワーク通信制御部140に要求する。ネットワーク通信制御部140が、ネットワークインタフェースである通信部109に、インターネット5を介して、データセンタ4宛てに個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを送信させると、データセンタ4から、インターネット5を介して、更新された個人別出題ファイルが送信されてくるので、ネットワーク通信制御部140は、通信部109に、その更新された個人別出題ファイルを受信させる。個人ファイル更新部142は、更新された個人別出題ファイルを個人ファイル記録部132に供給して、その記録を指示する。個人ファイル記録部132は、更新された個人別出題ファイルを記録部108に記録させる。
【0126】
このように、個人ファイル更新部142は、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについての個人別出題ファイルを更新する。
【0127】
対象者別ナビゲーション部143は、インターネット5を介して、データセンタ4から、トレーニングの対象者6の候補のそれぞれについてのトレーニングの報告およびトレーニングの参照となるデータを取得し、指導者7に対して、トレーニングの報告およびトレーニングの参照となるデータを提示する。
【0128】
次に、図12のブロック図を参照して、プログラムを実行するデータセンタ4によって実現される機能の構成を説明する。ハードウェアであるデータセンタ4がプログラムを実行することによって、個人別出題ファイル提供部171、問題データベース172、個人データデータベース173、ネットワーク通信制御部174、問題制作部175、配信制御部176、およびトレーニング報告作成部177である機能が実現される。
【0129】
個人別出題ファイル提供部171は、インターネット5を介してパーソナルコンピュータ11から送信されてきた個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルによって、トレーニングの対象者6の候補に出題された問題の難易度を分析して、その分析の結果に応じて、個人別出題ファイルを更新し、更新した個人別出題ファイルをインターネット5を介してパーソナルコンピュータ11に提供する。
【0130】
個人別出題ファイル提供部171は、分析部181および更新部182を含む。分析部181は、インターネット5を介してパーソナルコンピュータ11から送信されてきた個人別履歴ファイルによって、トレーニングの対象者6の候補に出題された問題が難しすぎないか、簡単すぎないかを分析する。更新部182は、分析部181における分析の結果を基に、トレーニングの対象者6の候補に出題された問題が難しすぎるとされた場合には、より易しい問題が出題されるように個人別出題ファイルを更新し、トレーニングの対象者6の候補に出題された問題が簡単すぎるとされた場合には、より難しい問題が出題されるように個人別出題ファイルを更新する。
【0131】
更新部182は、置換部191および追加部192を含む。置換部191は、トレーニングの対象者6の候補に出題された問題が難しすぎるとされた場合には、個人別出題ファイルの出題予定列に含まれる問題指定データのうち、難しすぎる問題の出題を指定する問題指定データをより易しい問題の出題を指定するように置換する。また、置換部191は、トレーニングの対象者6の候補に出題された問題が易しすぎるとされた場合には、個人別出題ファイルの出題予定列に含まれる問題指定データのうち、易しすぎる問題の出題を指定する問題指定データをより難しい問題の出題を指定するように置換する。
【0132】
追加部192は、個人別出題ファイルの出題予定列に含まれる問題指定データの数が予め定めた所定の閾値より少ない場合、個人別出題ファイルの出題予定列に問題指定データを追加する。
【0133】
問題データベース172は、データセンタ4の記録部108の所定の記録領域およびデータベース管理システムからなり、問題制作部175において制作された問題データを格納する。個人データデータベース173は、データセンタ4の記録部108の所定の記録領域およびデータベース管理システムからなり、パーソナルコンピュータ11から送信されてきた個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイル、並びに更新部182において更新された個人別出題ファイルを格納する。
【0134】
ネットワーク通信制御部174は、データセンタ4の通信部109を制御することで、インターネット5を介したパーソナルコンピュータ11との通信を制御する。問題制作部175は、問題(問題データ)を制作するためのツールや問題の制作を支援するプログラムなどからなり、制作者の指示に応じて、問題(問題データ)を制作する。制作された問題(問題データ)は、問題データベース172に格納される。
【0135】
配信制御部176は、インターネット5を介してパーソナルコンピュータ11に、問題(問題データ)を配信したり、トレーニングの報告およびトレーニングの参照となるデータを配信したりする。トレーニング報告作成部177は、トレーニングの報告およびトレーニングの参照となるデータを作成する。なお、トレーニングの報告およびトレーニングの参照となるデータの作成並びにトレーニングの報告およびトレーニングの参照となるデータの配信は、トレーニング装置を設置した福祉施設などとの契約に基づき、有料または無料とすることができる。
【0136】
次にフローチャートを参照して、トレーニングシステムにおける処理を説明する。
【0137】
まず、トレーニングを開始するにあたり、指導者7は、対象者6−1乃至対象者6−6を選び、対象者6−1乃至対象者6−6のそれぞれに、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のそれぞれを持たせて、表示装置3の画面が見える位置であって、指導者7と会話ができる位置に座らせる。この場合、対象者6−1乃至対象者6−6が互いに会話ができるように隣接して座らせることが望ましい。
【0138】
図13および図14は、トレーニングの処理を説明するフローチャートである。ステップS11において、トレーニング進行制御部138は、個人ファイル記録部132からトレーニングの対象者6の候補の氏名などを示すデータを読み出して、トレーニングの対象者6の候補を示す登録リストのデータを生成して、そのデータを表示制御部139に供給する。表示制御部139は、トレーニングの対象者6の候補の名前を示す登録リストを表示装置3およびディスプレイである出力部107に表示させる。
【0139】
ステップS12において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号に応じて登録リストから候補を選択する。この場合、例えば、操作盤12のジョイスティック21を上下に操作すると、表示装置3に表示されている、トレーニングの対象者6の候補の名前のハイライトの位置が上下に移動するので、指導者7は、対象者6−1乃至対象者6−6の名前がハイライトされるようにして、青ボタン22を押圧する。これにより、トレーニング進行制御部138は、対象者6−1乃至対象者6−6を選ぶように、登録リストから候補を選択する。
【0140】
ステップS13において、トレーニング進行制御部138は、6人の候補を選択したか否かを判定し、6人の候補を選択していないと判定された場合、手続きはステップS12に戻り、6人の候補が選択されるまで、ステップS12の処理を繰り返す。
【0141】
例えば、繰り返されるステップS12の処理において、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6をそれぞれ操作する対象者6−1乃至対象者6−6を、対象者6−1、対象者6−2、対象者6−3・・・の順に登録リストから選択する。このようにすることで、選択された候補に1から昇順に番号が付与されることになり、予め付与されているリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のそれぞれの番号と一致することになる。
【0142】
ステップS13において、6人の候補を選択したと判定された場合、手続きはステップS14に進み、指導者7は操作盤12の黄ボタン25を押圧するので、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号に応じて、選択した候補を対象者6に決定する。すなわち、トレーニング進行制御部138は、選択された候補を特定する施設番号および個人コードを取得することにより、選択した候補を対象者6に決定する。
【0143】
ステップS15において、トレーニング進行制御部138は、今回のトレーニングの対象者6の名前を表示装置3に表示させる。すなわち、トレーニング進行制御部138は、表示制御部139に、今回のトレーニングの対象者6の名前のデータを供給するので、表示制御部139は、その名前を表示装置3に表示させる。
【0144】
ステップS16において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号を基に、対象者6に間違いがあるか否かを判定し、例えば、赤ボタン24が押圧されるなど、対象者6に間違いがあると判定された場合、手続きは、ステップS12に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0145】
ステップS16において、青ボタン22が押圧されるなど、対象者6に間違いがないと判定された場合、手続きは、ステップS17に進み、問題の選択の処理が実行され、出題する問題が選択される。問題の選択の処理の詳細は、図16のフローチャートを参照して後述する。
【0146】
ステップS18において、問題出題部137は、選択された問題の問題データを記録部108から読み出して、問題データによって、問題を出題する。問題出題部137は、問題の画像のデータを表示制御部139に供給する。表示制御部139は、問題の画像のデータによって問題の画像を表示装置3に表示させる。また、問題出題部137は、問題の音声のデータを出力部107に供給し、出力部107に、問題の音声を表示装置3に出力させる。
【0147】
図15は、表示装置3に表示される問題の画像の例を示す図である。表示装置3の画面には、上側に問題表示領域201が配置され、下側に解答権要求表示領域202が配置される。問題表示領域201には、出題された問題に関する画像が表示される。解答権要求表示領域202には、解答者の選択に関する画像が表示される。
【0148】
さらに、問題表示領域201の内の、その上側には、出題アナウンス出題テキスト表示領域221が配置され、問題表示領域201の内の、出題アナウンス出題テキスト表示領域221の下側には、出題ビジュアル正解ビジュアル表示領域222が配置される。さらにまた、問題表示領域201の内の、出題ビジュアル正解ビジュアル表示領域222の下側には、解答選択領域223が表示される。
【0149】
出題アナウンス出題テキスト表示領域221には、問題が出題されると、問題のタイトルなどが表示される。これと同時に、問題のタイトルを読み上げる音声が出力されるようにしてもよい。また、出題ビジュアル正解ビジュアル表示領域222には、絵、数字、文章などで表現される、問題そのものが表示される。解答選択領域223には、解答の候補が表示されるので、解答者は、リモートコントローラ2のジョイスティック31および青ボタン32を操作することにより、解答の候補から問題の解答を選ぶことができる。
【0150】
正解若しくは成功または不正解(誤答)若しくは失敗を示す画像は、出題ビジュアル正解ビジュアル表示領域222に、問題の画像に重畳して表示され、問題が終了すると、出題ビジュアル正解ビジュアル表示領域222に、得点が数字やグラフなどにより得点が表示される。
【0151】
図13に戻り、ステップS19において、解答者の推薦の処理が実行される。解答者の推薦の処理の詳細は、図17のフローチャートを参照して後述する。
【0152】
ステップS20において、解答者の選択の処理が実行される。解答者の選択の処理の詳細は、図18のフローチャートを参照して後述する。
【0153】
ステップS21において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号を基に、解答者に解答の意思があるか否かを判定する。ステップS21において、例えば、赤ボタン24が押圧されて、解答者に解答の意思がないと判定された場合、手続きはステップS22に進み、トレーニング進行制御部138は、解答者の選択をキャンセルして、手続きはステップS20に戻る。
【0154】
ステップS21において、解答者に解答の意思があると判定された場合、手続きはステップS23に進み、問題出題部137は、制御回路51を介して供給される、解答者である対象者6のリモートコントローラ2からの操作を示す信号を基に、解答者からの解答を取得する。ステップS24において、問題出題部137は、正解または成功であるか否かを判定し、正解または成功であると判定された場合、解答者の選択は維持されたまま(解答者の解答権が保持されたまま)、手続きはステップS25に進む。
【0155】
ステップS25において、問題出題部137は、今回の問題が終了したか否かを判定し、今回の問題が終了していないと判定された場合、手続きはステップS26に進む。ステップS26において、問題出題部137は、問題を進めて、問題の画像のデータを表示制御部139に供給する。表示制御部139は、問題の画像のデータによって問題の画像を表示装置3に表示させる。また、問題出題部137は、問題の音声のデータを出力部107に供給し、出力部107に、問題の音声を表示装置3に出力させる。ステップS26の後、手続きは、ステップS23に戻り、解答者による解答が繰り返される。
【0156】
ステップS25において、今回の問題が終了していると判定された場合、手続きはステップS31に進む。
【0157】
ステップS24において、正解または成功でないと判定された場合、解答者の選択は解除されて(解答者の解答権がなくなり)、手続きはステップS27に進む。ステップS27において、問題出題部137は、今回の問題が終了したか否かを判定し、今回の問題が終了していないと判定された場合、手続きはステップS28に進む。ステップS28において、問題出題部137は、問題を進めて、問題の画像のデータを表示制御部139に供給する。表示制御部139は、問題の画像のデータによって問題の画像を表示装置3に表示させる。また、問題出題部137は、問題の音声のデータを出力部107に供給し、出力部107に、問題の音声を表示装置3に出力させる。ステップS28の後、前の解答者の選択が解除されたので、手続きは、ステップS20に戻り、次の解答者が選択されて、解答者からの解答が繰り返される。
【0158】
ステップS27において、今回の問題が終了したと判定された場合、手続きは、ステップS29に進み、問題出題部137は、問題を最後まで進めて、問題の正解の画像のデータを表示制御部139に供給する。表示制御部139は、問題の画像のデータによって問題の正解の画像を表示装置3に表示させる。また、問題出題部137は、問題の正解の音声のデータを出力部107に供給し、出力部107に、問題の正解の音声を表示装置3に出力させる。
【0159】
ステップS30において、トレーニング進行制御部138は、解答者の選択をキャンセルして、手続きはステップS31に進む。ステップS31において、問題出題部137は、問題への解答の結果を個人ファイル記録部132に供給して、個人ファイル記録部132は、個人別履歴ファイルに解答の結果(問題履歴データ)を書き込む。
【0160】
ステップS32において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号を基に、次の問題に進むか否かを判定する。ステップS32において、青ボタン22が押圧されるなどして、次の問題に進むと判定された場合、手続きはステップS17に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0161】
ステップS32において、赤ボタン24が押圧されるなどして、次の問題に進まない、すなわち、今回のトレーニングを終了すると判定された場合、手続きはステップS33に進み、トレーニング進行制御部138は、今回のトレーニングの結果を表示させる。すなわち、トレーニング進行制御部138は、今回のトレーニングの結果を示すデータを表示制御部139に供給すると、表示制御部139は、今回のトレーニングの結果を表示装置3に表示させる。
【0162】
例えば、トレーニング進行制御部138は、右脳B1乃至側頭葉B6の部位毎に、対応する問題の得点(今回のトレーニングの得点と過去のトレーニングの得点を含む)を示すレーダーチャートを表示装置3に表示させる。このようにすることで、対象者6の励みになると共に、指導者7が指導の参照にすることができる。
【0163】
ステップS34において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号を基に、トレーニングの結果を印刷するか否かを判定し、トレーニングの結果を印刷すると判定された場合、手続きはステップS35に進み、トレーニング進行制御部138は、トレーニングの結果を印刷させ、手続きはステップS36に進む。すなわち、トレーニング進行制御部138は、今回のトレーニングの結果を示す印刷データを印刷制御部141に供給すると、印刷制御部141は、今回のトレーニングの結果をプリンタ57に印刷させる。
【0164】
ステップS34において、トレーニングの結果を印刷しないと判定された場合、ステップS35はスキップされて、手続きはステップS36に進む。
【0165】
ステップS36において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号を基に、脳の各部位の説明を表示するか否かを判定し、脳の各部位の説明を表示すると判定された場合、手続きはステップS37に進み、トレーニング進行制御部138は、脳の各部位の説明を表示させ、手続きはステップS38に進む。すなわち、トレーニング進行制御部138は、脳の各部位の説明を表示させるデータを表示制御部139に供給すると、表示制御部139は、脳の各部位の説明を表示装置3に表示させる。
【0166】
ステップS36において、脳の各部位の説明を表示しないと判定された場合、ステップS37はスキップされて、手続きはステップS38に進む。
【0167】
ステップS38において、トレーニング進行制御部138は、制御回路51を介して供給される、指導者7による操作盤12への操作を示す信号を基に、対象者6を変更するか否かを判定し、対象者6を変更すると判定された場合、ステップS11に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0168】
ステップS38において、対象者6を変更しないと判定された場合、トレーニングの処理は終了する。
【0169】
次に、ステップS17に対応する問題の選択の処理の詳細を図16のフローチャートを参照して説明する。ステップS51において、問題選択部133は、個人ファイル記録部132にそれぞれの対象者6の個人別出題ファイルを要求して、個人ファイル記録部132から供給されたそれぞれの対象者6の個人別出題ファイルを開く。ステップS52において、問題選択部133は、それぞれの対象者6について、個人別出題ファイルから、これから出題すべき10個の問題のコンテンツ番号を抽出する。
【0170】
ステップS53において、問題選択部133は、それぞれの対象者6毎に、抽出したコンテンツ番号からなる出題予定列を生成する。ステップS54において、問題選択部133は、それぞれの対象者6について、個人別出題ファイルから、最後に解答した問題のコンテンツ番号を抽出する。ステップS55において、問題選択部133は、それぞれの対象者6の出題予定列を特定するための変数である出題予定列番号mに1を設定する。
【0171】
ステップS56において、問題選択部133は、出題予定列におけるコンテンツ番号を特定するための変数である比較問題番号nに1を設定する。
【0172】
ステップS57において、問題選択部133は、出題予定列番号mで特定される対象者6の出題予定列のうちの、比較問題番号n番目のコンテンツ番号が、最後に解答された問題のコンテンツ番号のいずれかと同じであるか否かを判定し、出題予定列番号mで特定される対象者6の出題予定列のうちの、比較問題番号n番目のコンテンツ番号が、最後に解答された問題のコンテンツ番号のいずれとも異なると判定された場合、手続きは、ステップS58に進む。ステップS58において、問題選択部133は、出題予定列番号mで特定される対象者6の出題予定列のうちの、比較問題番号n番目の問題を選択して、手続きはステップS65に進む。
【0173】
ステップS57において、出題予定列番号mで特定される対象者6の出題予定列のうちの、比較問題番号n番目のコンテンツ番号が、最後に解答された問題のコンテンツ番号のいずれかと同じであると判定された場合、この問題を選択すると所定の対象者6に対して同じ問題が2回続けて出題されることになるので、この問題を選択することなく、手続きはステップS59に進み、問題選択部133は、比較問題番号nを1だけインクリメントする。ステップS60において、問題選択部133は、比較問題番号nが11以上であるか否かを判定し、比較問題番号nが11未満であると判定された場合、出題予定列において比較問題番号n番目の問題を特定することができるので、手続きはステップS57に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0174】
ステップS60において、比較問題番号nが11以上であると判定された場合、出題予定列において比較問題番号n番目の問題を特定することができないので、手続きはステップS61に進み、問題選択部133は、出題予定列番号mを1だけインクリメントする。ステップS62において、問題選択部133は、比較問題番号nに1を設定する。このようにすることで、次の出題予定列の最初の問題について判定することができるようになる。
【0175】
ステップS63において、問題選択部133は、出題予定列番号mが7以上であるか否かを判定し、出題予定列番号mが7未満であると判定された場合、出題予定列番号mによって出題予定列を特定することができるので、手続きはステップS57に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0176】
ステップS63において、出題予定列番号mが7以上であると判定された場合、出題予定列番号mによって出題予定列を特定することができず、全ての出題予定列について判定が終了し、適切な問題を見つけることができなかったので、手続きはステップS64に進み、問題選択部133は、1番目の対象者6の出題予定列のうち、最初の問題を選択する。ステップS64の後、手続きはステップS65に進む。
【0177】
ステップS65において、問題選択部133は、個人別出題ファイルの問題指定データを整理して、問題の選択の処理は終了する。すなわち、ステップS65において、問題選択部133は、ステップS58の処理またはステップS64の処理で選択された問題について、個人別出題ファイルの出題予定列のデータのうちの、出題順番に出題済みであることを示す値を設定し、右脳出題予定列、左脳出題予定列、頭頂葉出題予定列、海馬出題予定列、後頭葉出題予定列、および側頭葉出題予定列毎に、出題されたか否かによってソートされ、まず、出題された順に問題を指定する問題指定データが配置され、これに続いて、まだ出題されていない問題を指定する問題指定データが配置されるように、個人別出題ファイルの問題指定データを整理する。
【0178】
このように、同じ問題が2回続けて出題されることがないように、問題が選択される。同じ問題が連続して出題されてしまうと、慣れによって、脳への刺激が不足してしまうからである。
【0179】
例えば、いわゆる、インベーダーゲーム(商標)を行う場合の、すでに経験している人と、全く初めての人との脳の部位毎の活性化の測定の実験の結果が報告されている。初めは、2人ともさほど差が無く、前頭葉が活性化しているが、数分で経験のある人の前頭葉の活性化している部分が少なくなり、初めての人は活性化している部分の大きさが殆ど変わらなかった。これについて、経験者は、要領を得ているから、前頭葉を働かせなくても、後頭葉と頭頂葉で処理しているが、初心者は、慣れないので、前頭葉を頻繁に使用していると説明されている。
【0180】
また、同じコンテンツでも、景品の出るゲームとそうでないゲームとでは、前頭葉の使われ方が異なる。つまり、目的意識を持って行うと前頭葉の使われ方が大きくなるといわれている。
【0181】
このような、脳の活性化という観点から、同じ問題を連続して出題することは、好ましくないと言える。従って、トレーニングシステムにおいては、同じ問題が連続して出題されることを避けるようにしている。
【0182】
次に、図13のステップS19の処理に対応する、解答者の推薦の処理の詳細を説明する。図17は、解答者の推薦の処理を説明するフローチャートである。ステップS81において、ステップS81において、解答者推薦部134は、変数として記憶している、対象者6の優先順位をクリアする。ステップS82において、解答者推薦部134は、解答履歴変数Kに1を設定する。ステップS83において、解答者推薦部134は、解答者人数Pに1を設定する。
【0183】
ステップS84において、解答者推薦部134は、解答履歴変数Kで示されるK回前の問題の解答者である対象者6の優先順位を6とする。なお、1である優先順位が最も高く、2,3,4・・・の順に徐々に優先順位が低くなる。
【0184】
ステップS85において、解答者推薦部134は、解答履歴変数Kを1だけインクリメントする。ステップS86において、解答者推薦部134は、解答履歴変数Kで示されるK回前の解答者である対象者6の優先順位が既に設定されているか否かを判定する。ステップS86において、優先順位が設定されていないと判定された場合、手続きは、ステップS87に進み、解答者推薦部134は、解答者人数Pを1だけインクリメントする。ステップS88において、解答者推薦部134は、解答履歴変数Kで示されるK回前の問題の解答者である対象者6の優先順位を6−P+1とする。
【0185】
ステップS89において、解答者推薦部134は、解答者人数Pを参照して、全ての対象者6の優先順位が決められたか否かを判定し、全ての対象者6の優先順位が決められていないと判定された場合、手続きはステップS85に戻り、対象者6の優先順位を決める処理を繰り返す。
【0186】
また、ステップS86において、優先順位が既に設定されていると判定された場合、手続きは、手続きはステップS85に戻り、対象者6の優先順位を決める処理を繰り返す。
【0187】
このように、より最近、問題に解答した対象者6には、より低い優先順位が付与され、問題に解答していない対象者6には、より高い優先順位が付与されることになる。このようにすることで、全ての対象者6が均等に解答者として選択されやすくなり、トレーニングの効果が対象者6全員に得られることとなる。また、特定の対象者6だけが解答者として選択されたり、逆に、特定の対象者6が解答者として全く選択されなかったりすると、対象者6の解答の意欲が減退してしまうので、これを防止することができる。
【0188】
ステップS89において、全ての対象者6の優先順位が決められたと判定された場合、手続きはステップS90に進み、解答者推薦部134は、個人ファイル記録部132に全ての対象者6の個人別履歴ファイルを要求して、個人ファイル記録部132から供給された、全ての対象者6の個人別履歴ファイルを開く。ステップS91において、解答者推薦部134は、過去に解答した10問の正答率が20%以下の対象者6についての正答率フラグを立てる。
【0189】
ステップS92において、解答者推薦部134は、過去に解答した10問の放棄率が80%以上の対象者6についての放棄率フラグを立てる。ステップS93において、解答者推薦部134は、対象者6の優先順位、正答率フラグ、および放棄率フラグのそれぞれに応じた解答者の推薦の画像を表示させて、解答者の推薦の処理は終了する。すなわち、解答者推薦部134は、対象者6の優先順位、正答率フラグ、および放棄率フラグを参照して、解答者に推薦する対象者6を決定し、決定した対象者6を推薦する旨の画像のデータを生成して、表示制御部139に供給する。表示制御部139は、解答者推薦部134から供給された画像のデータを基に、表示装置3に、決定した対象者6を推薦する画像を表示させる。
【0190】
例えば、ステップS93において、解答者推薦部134は、正答率フラグが立っている対象者6のうち、優先順位が最も高い対象者6について推薦の画像を表示させる。また、例えば、ステップS93において、解答者推薦部134は、放棄率フラグが立っている対象者6のうち、優先順位が最も高い対象者6について推薦の画像を表示させる。
【0191】
次に、図13のステップS20に対応する、プログラムを実行するパーソナルコンピュータ11と制御プログラムを実行するマイクロコンピュータ91とによる、解答者の選択の処理を図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS1001において、パーソナルコンピュータ11の解答者選択部135は、USB通信制御部151に、制御回路51のマイクロコンピュータ91宛てに、全てのリモートコントローラ2への電圧の供給を指示させる。すなわち、このとき、USB通信制御部151は、USB通信線52を介して、マイクロコンピュータ91に、全てのリモートコントローラ2への電圧の供給を指示する。
【0192】
ステップS2001において、マイクロコンピュータ91は、パーソナルコンピュータ11からの指示を受け付ける。ステップS2002において、マイクロコンピュータ91は、リモートコントローラ2への電圧の供給を指示する出力ポートのそれぞれの出力を時分割で循環的に順にハイレベルとする。より詳細には、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のそれぞれに電圧を供給するタイミングが重複しないように(所定の時刻ではリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のうちの1つだけに電圧が供給されるように)、時分割で、かつ、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のそれぞれに繰り返し電圧が供給されるように、循環的に、マイクロコンピュータ91は、出力ポートのそれぞれの出力をハイレベルとする。
【0193】
ステップS2002と同時に行われるステップS2003において、マイクロコンピュータ91は、リモートコントローラ2からの信号を取得する入力ポートをスキャンして、青ボタン32が押圧されたリモートコントローラ2を特定して、その番号を取得する。例えば、ステップS2002において、リモートコントローラ2−1、リモートコントローラ2−2、リモートコントローラ2−3・・・の順に、時分割で電圧が供給される場合、リモートコントローラ2−2に電圧を供給しているタイミングで、入力ポートにハイレベルの信号が供給されたとき、マイクロコンピュータ91は、リモートコントローラ2−2を特定して、例えば、リモートコントローラ2−2を示す、2である番号を取得する。
【0194】
ステップS2004において、マイクロコンピュータ91は、USBインタフェース回路92に、青ボタン32が押圧されたリモートコントローラ2の番号をパーソナルコンピュータ宛てに通知させる。なお、ここで通知されるリモートコントローラ2の番号は、1つとは限らず、複数であってもよい。
【0195】
ステップS1002において、パーソナルコンピュータ11の解答者選択部135は、USB通信制御部151に、マイクロコンピュータ91からの通知を受け付けさせる。ステップS1003において、解答者選択部135は、青ボタン32が押圧されたリモートコントローラ2の番号に対応させて、解答を希望している旨を表示装置3に表示させる。すなわち、解答者選択部135は、表示制御部139に、解答を希望している旨の画像のデータを供給すると、表示制御部139は、解答を希望している旨を表示装置3に表示させる。
【0196】
図19は、表示装置3に表示される、解答を希望している旨の画像の例を示す図である。例えば、解答権要求表示領域202には、モートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6のそれぞれに対応させて、左側から順に、1,2,3,・・・6の数字が表示される。対象者6−1と対象者6−4とが解答を希望している場合、リモートコントローラ2−2とリモートコントローラ2−4の番号が通知されてくるので、解答権要求表示領域202の1,3,5、および6の数字は、解答を希望していないことを示す黒で表示され、2および4の数字は、解答を希望していることを示す緑で表示される。
【0197】
例えば、この場合、図17のフローチャートを参照して説明した解答者の推薦の処理で求められた対象者6の優先順位に応じて、解答権要求表示領域202に表示されている、対象者6のそれぞれに対応する数字を色分けして、表示させるようにしてもよい。
【0198】
一方、ステップS2005において、マイクロコンピュータ91は、操作盤12への電圧の供給を指示する出力ポートの出力をハイレベルとする。ステップS2005と同時に行われるステップS2006において、マイクロコンピュータ91は、操作盤12からの信号を取得する入力ポートをスキャンして、操作盤12への操作を示すデータを取得する。操作盤12への操作を示すデータは、ジョイスティック21が操作された方向や、青ボタン22、黒ボタン23、赤ボタン24、および黄ボタン25のいずれかが押圧されたことを示す。
【0199】
ステップS2007において、マイクロコンピュータ91は、USBインタフェース回路92に、操作盤12への操作を示すデータをパーソナルコンピュータ宛てに通知させる。ステップS1004において、パーソナルコンピュータ11の解答者選択部135は、USB通信制御部151に、マイクロコンピュータ91からの通知を受け付けさせる。
【0200】
なお、ステップS2005乃至ステップS2007およびステップS1004の処理は、所定の回数、繰り返される。
【0201】
ステップS1005において、解答者選択部135は、指導者7による操作盤12への操作に応じた解答者を選択する。
【0202】
例えば、図19示されるように、操作盤12のジョイスティック21を左右に操作すると、解答権要求表示領域202の数字のハイライトの位置が左右の隣接する数字に移動する。解答権要求表示領域202の5の数字がハイライトとされて、操作盤12の青ボタン22が押圧されると対象者6−5が解答者として仮に選択されたことになる。その状態で、操作盤12のジョイスティック21が右に操作されて、ハイライトの位置が右側に移動されて、解答権要求表示領域202の決定ボタンアイコン231がハイライトとされ、決定ボタンアイコン231がハイライトとされている状態で、更に青ボタン22が押圧されると対象者6−5が解答者として最終的に選択されたことになる。
【0203】
なお、解答者は、解答を希望している対象者6だけから指定されるのではなく、解答を希望していない対象者6を含めた全ての対象者6から、指導者7によって指定され、解答者選択部135は、指導者7による操作盤12への操作に応じ、指定された解答者を選択する。
【0204】
ステップS1006において、解答者選択部135は、USB通信制御部151に、制御回路51のマイクロコンピュータ91宛てに、選択した解答者のリモートコントローラ2への電圧の供給を指示させる。すなわち、USB通信制御部151は、マイクロコンピュータ91に指令を送信することにより、複数の対象者6のそれぞれによって操作されるリモートコントローラ2のうちの、解答者のリモートコントローラ2からの信号のみを取得するようにリモートコントローラ2からの信号の取得を制御する。
【0205】
ステップS2008において、マイクロコンピュータ91は、パーソナルコンピュータ11からの指示を受け付ける。ステップS2009において、マイクロコンピュータ91は、選択された解答者のリモートコントローラ2への電圧の供給を指示する出力ポートのみの出力をハイレベルとして、解答者の選択の処理は終了する。
【0206】
選択された解答者のリモートコントローラ2への電圧の供給を指示する出力ポートのみの出力がハイレベルとされることで、解答者である対象者6がリモートコントローラ2を操作すると、解答者のリモートコントローラ2からのハイレベルの信号が入力ポートに供給され、解答者以外の対象者6がリモートコントローラ2を操作しても、そのリモートコントローラ2からの信号が、ハイレベルになることはない。
【0207】
従って、解答者が選択されている状態では、解答者のみが問題に解答でき、解答者以外の対象者6は問題に解答できない。
【0208】
このように、パーソナルコンピュータ11からの指令に応じて、マイクロコンピュータ91は、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6および操作盤12のうち、1つのものからの信号のみを取得するように制御することができる。
【0209】
すなわち、言い換えれば、解答者選択部135のUSB通信制御部151は、複数の対象者6のそれぞれによって操作されるリモートコントローラ2のうちの、解答者のリモートコントローラ2からの信号のみを取得するようにリモートコントローラ2からの信号の取得を制御することができる。
【0210】
以上のように、対象者6−1乃至対象者6−6の中の、指導者7から選択された1人が問題に解答する。これを繰り返しながら、対象者6−1乃至対象者6−6が問題に解答することで、対象者6−1乃至対象者6−6全員に、認知機能の低下を防ぐトレーニングを受けさせることができる。
【0211】
高齢者が1人で問題を解く場合に比較して、対象者6−1乃至対象者6−6が集団でトレーニングを受けることにより、会話を交わしたり、互いに競争するなどして、より楽しくトレーニングを受けることができるようになり、これにより、より多くの高齢者に継続的にトレーニングを受けさせることが可能になる。
【0212】
例えば、対象者6−1乃至対象者6−6の中の1人が他の人にとけ込みにくい状態であり、解答する意思がないような場合であっても、指導者7が適切なタイミングで、その対象者6を解答者として選択することで、他の人にとけ込みやすい雰囲気を醸成するなどして、対象者6−1乃至対象者6−6全員のトレーニングを楽しく行うことができる。
【0213】
以上のように、複数の対象者のそれぞれに対し、より容易により長く継続的に、また、より効果的に、脳の所定の部位に刺激を与えることができる。
【0214】
次に、データセンタ4から本体1に個人別出題ファイルを提供する、個人別出題ファイルの提供の処理について説明する。例えば、個人別出題ファイルの提供の処理は、予め定められた間隔(毎日や1週間毎など)で、予め定められた時刻(午前0時や午後3時など)に定期的に実行されるか、指導者7により操作されるパーソナルコンピュータ11からの要求(メニューのコマンドを選択したときなど)により実行されるか、または、所定のタイミング(プログラムを起動または終了するときなど)で実行される。以下において、データセンタ4におけるトリガによって、個人別出題ファイルの提供の処理が実行される場合について説明する。
【0215】
図20は、個人別出題ファイルの提供の処理を説明するフローチャートである。ステップS121において、個人別出題ファイル提供部171は、インターネット5を介して、本体1のパーソナルコンピュータ11に、記録されている個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルの送信を要求する。すなわち、個人別出題ファイル提供部171は、ネットワーク通信制御部174に、パーソナルコンピュータ11への個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルの要求を指示すると、ネットワーク通信制御部174は、データセンタ4の通信部109を制御して、インターネット5を介して、パーソナルコンピュータ11宛てに、個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを要求する指令を送信する。
【0216】
パーソナルコンピュータ11は、インターネット5を介して、記録されている個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを送信してくるので、ステップS122において、ネットワーク通信制御部174は、データセンタ4の通信部109に、パーソナルコンピュータ11から送信されてくる個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを受信させて、受信した個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを個人別出題ファイル提供部171に供給する。個人別出題ファイル提供部171は、個人別出題ファイルおよび個人別履歴ファイルを個人データデータベース173に格納する。
【0217】
ステップS123において、個人別出題ファイル提供部171は、1人分の個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルを選択する。例えば、ステップS123において、個人別出題ファイル提供部171は、名前のアルファベット順若しくはアイウエオ順、または施設番号および個人コードの若い順に、1人分の個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルを選択する。
【0218】
ステップS124において、コンテンツ(問題)の難易の適正さの分析の処理が実行される。コンテンツの難易の適正さの分析の処理の詳細は、図21および図22のフローチャートを参照して後述する。
【0219】
ステップS125において、個人別出願ファイルの更新の処理が実行される。個人別出願ファイルの更新の処理の詳細は、図23のフローチャートを参照して後述する。
【0220】
ステップS126において、個人別出題ファイル提供部171は、全ての個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルについて処理を実行したか否かを判定し、全ての個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルについて処理を実行していないと判定された場合、ステップS123に戻り、次の個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルが選択されて、コンテンツの難易の適正さの分析の処理および個人別出願ファイルの更新の処理が実行される。
【0221】
ステップS126において、全ての個人別履歴ファイルおよび個人別出題ファイルについて処理を実行したと判定された場合、手続きはステップS127に進み、個人別出題ファイル提供部171は、パーソナルコンピュータ11に更新された個人別出題ファイルを送信して、個人別出題ファイルの提供の処理は終了する。すなわち、ステップS127おいて、個人別出題ファイル提供部171は、ネットワーク通信制御部174に、パーソナルコンピュータ11への個人別出題ファイルの送信を指示すると、ネットワーク通信制御部174は、データセンタ4の通信部109を制御して、インターネット5を介して、パーソナルコンピュータ11宛てに、更新された個人別出題ファイルを送信する。
【0222】
次に、ステップS124の処理に対応するコンテンツの難易の適正さの分析の処理の詳細を図21および図22のフローチャートを参照して説明する。ステップS141において、個人別出題ファイル提供部171の分析部181は、選択されている個人別履歴ファイルを開く。例えば、分析部181は、個人データデータベース173から個人別履歴ファイルを読み出して、開く。ステップS142において、分析部181は、個人別履歴ファイルに付加されている分析の回数を示すデータを基に、個人別履歴ファイルが前回の分析のものと同一であるか否かを判定し、個人別履歴ファイルが前回の分析のものと同一でないと判定された場合、手続きはステップS143に進み、分析部181は、開いている個人別履歴ファイルから直近の10回の解答の問題履歴データを抽出する。
【0223】
ステップS144において、分析部181は、10回分の解答の問題履歴データから放棄(棄権)された問題履歴データを抽出する。ステップS145において、分析部181は、3回以上放棄されたか否かを判定し、3回以上放棄されたと判定された場合、手続きはステップS146に進み、分析部181は、放棄された問題のコンテンツ番号に同一のものがあるか否かを判定する。
【0224】
ステップS146において、放棄された問題のコンテンツ番号に同一のものがあると判定された場合、問題が難しすぎるので、手続きはステップS158に進む。
【0225】
ステップS145において、3回以上放棄されていないと判定された場合、手続きはステップS147に進む。また、ステップS146において、放棄された問題のコンテンツ番号に同一のものがないと判定された場合、手続きはステップS147に進む。ステップS147において、分析部181は、10回分の問題履歴データのコンテンツ番号の部位コードから、部位毎に問題履歴データを分類する。
【0226】
ステップS148において、分析部181は、同一の部位で、60点以下が3回以上あるか否かを判定し、60点以下が3回以上あると判定された場合、手続きはステップS149に進み、分析部181は、60点以下の問題のコンテンツ番号に同一のものがあるか否かを判定する。ステップS149において、60点以下の問題のコンテンツ番号に同一のものがあると判定された場合、問題が難しすぎるので、手続きはステップS158に進む。
【0227】
ステップS148において、60点以下が3回以上ないと判定された場合、手続きはステップS150に進む。また、ステップS149において、60点以下の問題のコンテンツ番号に同一のものがないと判定された場合、手続きはステップS150に進む。ステップS150において、分析部181は、10回分の問題履歴データから90点以上の問題履歴データを抽出する。
【0228】
ステップS151において、分析部181は、90点以上が5回以上あるか否かを判定し、90点以上が5回以上あると判定された場合、手続きはステップS152に進み、分析部181は、90点以上の問題のコンテンツ番号に同一のものがあるか否かを判定する。ステップS152において、90点以上の問題のコンテンツ番号に同一のものがあると判定された場合、手続きはステップS153に進み、分析部181は、3つ以上の同一のコンテンツ番号があるか否かを判定する。
【0229】
ステップS153において、3つ以上の同一のコンテンツ番号があると判定された場合、問題が易しすぎるので、手続きはステップS154に進み、分析部181は、これまでの問題が易しすぎたとする。例えば、分析部181は、易しすぎたことを示すフラグを立てる。ステップS155において、分析部181は、同一のコンテンツ番号から部位区分を抽出する。ステップS156において、分析部181は、同一と判定されたコンテンツ番号と、これまでの問題が易しすぎたとする難易の適正さと、部位区分と、分析の回数を示す難易分析データを生成して、コンテンツの難易の適正さの分析の処理は終了する。
【0230】
ステップS153において、3つ以上の同一のコンテンツ番号がないと判定された場合、手続きはステップS157に進む。また、ステップS152において、90点以上の問題のコンテンツ番号に同一のものがないと判定された場合、手続きはステップS157に進む。さらにまた、ステップS151において、90点以上が5回未満であると判定された場合、手続きはステップS157に進む。ステップS157において、分析部181は、これまでの問題が適正であったとし、手続きはステップS156に進む。例えば、分析部181は、適正であることを示すフラグを立てる。ステップS157の次に実行されるステップS156において、分析部181は、これまでの問題が適正であったとする難易の適正さと、空の部位区分と、分析の回数を示す難易分析データを生成して、コンテンツの難易の適正さの分析の処理は終了する。難易分析データは、選択されている個人別履歴ファイルに付加される。
【0231】
ステップS158において、分析部181は、これまでの問題が難しすぎたとする。例えば、分析部181は、難し過ぎたことを示すフラグを立てる。ステップS159において、分析部181は、同一のコンテンツ番号から部位区分を抽出し、手続きはステップS156に進む。なお、放棄された問題のコンテンツ番号に同一のものがあると判定された場合、その同一のコンテンツ番号から部位区分が抽出される。
【0232】
ステップS159の次に実行されるステップS156において、分析部181は、同一と判定されたコンテンツ番号と、これまでの問題が難しすぎたとする難易の適正さと、部位区分と、分析の回数を示す難易分析データを生成して、コンテンツの難易の適正さの分析の処理は終了する。
【0233】
ステップS142において、個人別履歴ファイルが前回の分析のものと同一であると判定された場合、前回の分析から問題が解答されてなく、分析の必要はないので、そのまま、コンテンツの難易の適正さの分析の処理は終了する。
【0234】
なお、図21を参照して説明した、コンテンツの難易の適正さの分析の処理における、放棄や所定の得点の回数の基準、および得点の基準などは、一例であり、適宜変更することができる。
【0235】
また、個人別履歴ファイルから、個人別、部位毎に、問題のレベルの上限および下限を更新し、これを記録しておくようにしてもよい。
【0236】
このように、問題の難易度が対象者6のそれぞれにとって適正であるか否か、さらに難しすぎるか、易しすぎるのかを知ることができる。
【0237】
次に、図23のフローチャートを参照して、個人別出題ファイルの更新の処理を説明する。ステップS171において、個人別出題ファイル提供部171の更新部182は、個人別出題ファイル、個人別履歴ファイル、および難易分析データを開く。ステップS172において、問題指定データの置換の処理が実行される。問題指定データの置換の処理の詳細は、図24および図25のフローチャートを参照して後述する。
【0238】
ステップS173において、問題指定データの追加の処理が実行される。問題指定データの追加の処理の詳細は、図26のフローチャートを参照して後述する。
【0239】
ステップS174において、更新部182は、問題指定データが置換または追加されたか否かを判定し、問題指定データが置換または追加されたと判定された場合、手続きはステップS175に進む。ステップS175において、更新部182は、個人別出題ファイルの更新の回数を1だけインクリメントする。個人別出題ファイルの更新の回数を示すデータは、個人別出題ファイルに付加される。更新部182は、個人データデータベース173に、個人別出題ファイルを保存させて、個人別出題ファイルの更新の処理は、終了する。
【0240】
ステップS174において、問題指定データが置換されてなく、また問題指定データが追加されていないと判定された場合、ステップS175およびステップS176の処理はスキップされて、個人別出題ファイルの更新の処理は、終了する。
【0241】
次に、ステップS172の処理に対応する、問題指定データの置換の処理の詳細を説明する。図24および図25は、問題指定データの置換の処理の詳細を説明するフローチャートである。ステップS201において、個人別出題ファイル提供部171の更新部182の置換部191は、個人別履歴ファイルに付加されている分析の回数と、個人別出題ファイルに付加されている、個人別出題ファイルの更新の回数とが同一か否かを判定し、分析の回数と個人別出題ファイルの更新の回数とが同一でないと判定された場合、手続きはステップS202に進み、置換部191は、ステップS156において、個人別履歴ファイルに付加されている難易分析データを参照して、問題データベース172から、分析された部位区分と同じ部位区分の問題のコンテンツ番号を読み出す。
【0242】
ステップS203において、置換部191は、難易分析データを参照して、難易度が適正であるか否かを判定し、難易度が適正でないと判定された場合、手続きはステップS204に進み、置換部191は、難易分析データを参照して、難し過ぎたか否かを判定する。ステップS204において、難し過ぎたと判定された場合、手続きはステップS205に進み、置換部191は、ステップS202の処理で読み出したコンテンツ番号から、難し過ぎたと判定された問題のレベルより、低いレベルの問題のコンテンツ番号を抽出する。
【0243】
ステップS206において、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルとに対して、抽出されたコンテンツ番号からジャンルとレベルとが最も近い問題である置換問題のコンテンツ番号を選択する。例えば、問題のジャンル間の距離は予め定められ、問題のレベルの距離も予め定められている。ステップS206において、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルと、抽出された問題のジャンルとレベルとの距離を計算して、その距離が最も近い問題である置換問題のコンテンツ番号を選択する。
【0244】
なお、ステップS206において、コンテンツ番号の付記番号のデータが、レベルのデータに比較して、問題のより詳細な難易度を表している場合、置換部191は、付記番号のデータを参照して、置換問題のコンテンツ番号を選択する。
【0245】
ステップS207において、置換部191は、置換問題が、過去3回のトレーニングのいずれかで解答されているか否かを判定し、置換問題が、過去3回のトレーニングのいずれかで解答されていると判定された場合、手続きはステップS206に戻り、次の置換問題を選択する。ステップS207において、置換問題が、過去3回のトレーニングのいずれかで解答されていないと判定された場合、手続きはステップS208に進み、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号の部位区分およびレベルと、同じ部位区分および同じレベルの問題指定データが個人別出題ファイルに複数含まれているか否かを判定する。
【0246】
ステップS208において、難易分析データに含まれているコンテンツ番号の問題の部位区分およびレベルと、同じ部位区分および同じレベルの問題指定データが個人別出題ファイルに複数含まれていると判定された場合、手続きはステップS209に進み、置換部191は、被置換問題として、同じ問題のうち最も古い問題を選択し、手続きはステップS211に進む。
【0247】
ステップS208において、難易分析データに含まれているコンテンツ番号の問題の部位区分およびレベルと、同じ部位区分および同じレベルの問題指定データが個人別出題ファイルに複数含まれていないと判定された場合、手続きはステップS210に進み、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号の部位区分およびレベルと、部位区分およびレベルの同じ問題を被置換問題として選択し、手続きはステップS211に進む。
【0248】
ステップS211において、置換部191は、個人別出題ファイルの被置換問題を指定する問題指定データを、置換問題を指定する問題指定データに置き換える。ステップS212において、置換部191は、難し過ぎたと判定された問題のレベルと、個人別出題ファイルの問題指定データで指定される未解答の問題のレベルとを比較する。
【0249】
ステップS213において、置換部191は、難し過ぎたと判定された問題のレベル以上のレベルの未解答の問題指定データがあるか否かを判定し、難し過ぎたと判定された問題のレベル以上のレベルの未解答の問題指定データがあると判定された場合、手続きはステップS206に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0250】
ステップS213において、難し過ぎたと判定された問題のレベル以上のレベルの未解答の問題指定データがないと判定された場合、問題指定データの置換の処理は終了する。
【0251】
ステップS203において、難易度が適正でなく、ステップS204において、難し過ぎていないと判定された場合、すなわち、易し過ぎたと判定されたので、手続きはステップS214に進み、置換部191は、ステップS202の処理で読み出したコンテンツ番号から、易し過ぎたと判定された問題のレベルより、高いレベルの問題のコンテンツ番号を抽出する。
【0252】
ステップS215において、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルとに対して、抽出されたコンテンツ番号からジャンルとレベルとが最も近い問題である置換問題のコンテンツ番号を選択する。例えば、ステップS215において、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルと、抽出された問題のジャンルとレベルとの距離を計算して、その距離が最も近い問題である置換問題のコンテンツ番号を選択する。
【0253】
なお、ステップS215において、コンテンツ番号の付記番号のデータが、レベルのデータに比較して、より詳細な問題の難易度を表している場合、置換部191は、付記番号のデータを参照して、置換問題のコンテンツ番号を選択する。
【0254】
ステップS216において、置換部191は、置換問題が、過去3回のトレーニングのいずれかで解答されているか否かを判定し、置換問題が、過去3回のトレーニングのいずれかで解答されていると判定された場合、手続きはステップS215に戻り、次の置換問題を選択する。ステップS216において、置換問題が、過去3回のトレーニングのいずれかで解答されていないと判定された場合、手続きはステップS217に進み、置換部191は、個人別出題ファイルに、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルと、同じ部位区分および同じレベルの問題指定データが複数含まれているか否かを判定する。
【0255】
ステップS217において、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルと、同じ部位区分および同じレベルの問題指定データが個人別出題ファイルに複数含まれていると判定された場合、手続きはステップS218に進み、置換部191は、被置換問題として、同じ問題のうち最も古い問題を選択し、手続きはステップS220に進む。
【0256】
ステップS217において、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルと、同じ部位区分および同じレベルの問題指定データが個人別出題ファイルに複数含まれていないと判定された場合、手続きはステップS219に進み、置換部191は、難易分析データに含まれているコンテンツ番号のジャンルとレベルと、部位区分およびレベルの同じ問題を被置換問題として選択し、手続きはステップS220に進む。
【0257】
ステップS220において、置換部191は、個人別出題ファイルの被置換問題を指定する問題指定データを、置換問題を指定する問題指定データに置き換える。ステップS221において、置換部191は、易し過ぎたと判定された問題のレベルと、個人別出題ファイルの問題指定データで指定される未解答の問題のレベルとを比較する。
【0258】
ステップS222において、置換部191は、易し過ぎたと判定された問題のレベル以下のレベルの未解答の問題指定データがあるか否かを判定し、難し過ぎたと判定された問題のレベル以下のレベルの未解答の問題指定データがあると判定された場合、手続きはステップS215に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0259】
ステップS222において、易し過ぎたと判定された問題のレベル以下のレベルの未解答の問題指定データがないと判定された場合、問題指定データの置換の処理は終了する。
【0260】
ステップS203において、難易度が適正であると判定された場合、およびステップS201において、分析の回数と個人別出題ファイルの更新の回数とが同一であると判定された場合、問題指定データを置換する必要はないので、問題指定データの置換の処理は終了する。
【0261】
このように、対象者6のそれぞれに対して、難しすぎると分析された問題の出題が予定されている場合、より易しい問題が出題されるようになり、また、易しすぎると分析された問題の出題が予定されている場合、より難しい問題が出題されるようになる。従って、トレーニングにおいては、対象者6の問題に解答しようとする意欲が維持され、また、問題に解答することによって十分な刺激が脳に与えられることになる。
【0262】
脳の部位毎に、難しすぎると分析された問題の出題が予定されている場合、より易しい問題が出題されるようになり、また、易しすぎると分析された問題の出題が予定されている場合、より難しい問題が出題されるようになる。対象者6のそれぞれに対して、右脳B1乃至側頭葉B6毎に、適切なレベルの問題が出題される。例えば、海馬B4の機能のみが低下している対象者6には、短期記憶を要求する問題など、海馬B4を刺激する問題として、より易しい問題が出題され、右脳B1、左脳B2、頭頂葉B3、後頭葉B5、または側頭葉B6を刺激する問題として、平均的な難易度の問題が出題されるようになる。
【0263】
図26は、図23のステップS173に対応する問題指定データの追加の処理の詳細を説明するフローチャートである。ステップS241において、個人別出題ファイル提供部171の更新部182の追加部192は、予め定めた閾値より未解答の問題指定データの数が少ないか否かを判定し、予め定めた閾値より未解答の問題指定データの数が少ないと判定された場合、手続きはステップS242に進み、追加部192は、部位をランダムに選択する。
【0264】
ステップS243において、追加部192は、選択された部位が、置換された問題の対象の部位と同じであるか否かを判定し、選択された部位が、置換された問題の対象の部位と同じであると判定された場合、手続きはステップS244に進み、追加部192は、問題データベース172から置換問題とジャンルおよびレベルが同一の問題のコンテンツ番号を読み出し、手続きはステップS246に進む。
【0265】
ステップS243において、選択された部位が、置換された問題の対象の部位と同じでないと判定された場合、手続きはステップS245に進み、追加部192は、未解答の問題のうち、選択された部位を対象とする問題とジャンルおよびレベルが同一の問題のコンテンツ番号を問題データベース172から読み出し、手続きはステップS246に進む。
【0266】
ステップS246において、追加部192は、読み出したコンテンツ番号を問題指定データに変換して、個人別出題ファイルの最後に追加し、手続きはステップS241に戻る。
【0267】
ステップS241において、未解答の問題指定データの数が予め定めた閾値以上であると判定された場合、問題指定データの追加の処理は終了する。
【0268】
なお、個人別、部位毎に、問題のレベルの上限および下限が記録されている場合には、部位毎の問題のレベルが、上限と下限との間になるように、問題を更新し、追加するようにすればよい。
【0269】
このように、問題のレベルを対象者6のそれぞれに合わせた個人別出題ファイルをパーソナルコンピュータ11に提供することができる。
【0270】
以上のように、複数の対象者のそれぞれに対し、より容易により長く継続的に、また、より効果的に、脳の所定の部位に刺激を与えることができるようになる。
【0271】
なお、対象者6は、高齢者であるであると説明したが、これに限定されることはなく、認知機能の低下が気になる年代(例えば、50代または60代)の健常者や、軽度の認知機能の障害者でも良い。また、高齢者の対象者6の中に、青少年や児童、幼児を対象者6に含めることで、トレーニングの効果をより高めることができる。
【0272】
また、パーソナルコンピュータ11は、ノート型のパーソナルコンピュータであると説明したが、これに限らず、コンピュータであれば足り、デスクトップ型のパーソナルコンピュータやワークステーション、家庭用ゲーム機、または専用のコンピュータなどであってもよい。
【0273】
さらに、脳の部位を右脳B1乃至側頭葉B6の6つの部位に分ける例を説明したが、これに限らず、機能により脳の部位を任意の数に分けることができる。
【0274】
なお、制御回路51とリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6とを有線のリモコンケーブル14により接続する例を説明したが、これに限らず、例えば、USBの規格に準拠する通信により有線で、または、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.15.1の規格(いわゆるBluetooth)若しくはIrDA(Infrared Data
Association)の規格に準拠する電波や赤外線を伝送媒体とする無線により、制御回路51とリモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6とを接続するようにしても良い。この場合、リモートコントローラ2−1乃至リモートコントローラ2−6は、接続により付与されたアドレスや機器固有のアドレスなどにより特定される。
【0275】
また、個人別出題ファイル提供部171、問題データベース172、および問題制作部175は、プログラムを実行するデータセンタ4によって実現されると説明したが、対象者登録部131乃至対象者別ナビゲーション部143と共に、プログラムを実行するパーソナルコンピュータ11によって実現されるようにしてもよい。
【0276】
このように、解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題を出題するようにした場合には、対象者の脳の所定の部位に刺激を与えることができる。また、複数の対象者の中から1人の解答者を選択し、複数の対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、解答者の入力部からの信号のみを取得するように入力部からの信号の取得を制御し、問題を出題すると共に、取得された信号で示される解答者の解答の正誤を判定し、出題された問題の画像を表示するようにした場合には、複数の対象者のそれぞれに対し、より容易により長く継続的に、また、より効果的に、脳の所定の部位に刺激を与えることができる。
【0277】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0278】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0279】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0280】
【図1】本発明の一実施の形態のトレーニング装置を含むトレーニングシステムを示す図である。
【図2】問題に解答することにより刺激が与えられる脳の部位を示す図である。
【図3】トレーニングとしての問題の例を示す図である。
【図4】本体1およびリモートコントローラ2の外観を示す図である。
【図5】本体1のハードウェアの構成および配線を示すブロック図である。
【図6】制御回路51の構成と、制御回路51、リモートコントローラ2、および操作盤12の電気的な接続とを示す図である。
【図7】パーソナルコンピュータ11のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【図8】プログラムを実行するパーソナルコンピュータ11によって実現される機能の構成を説明するブロック図である。
【図9】個人別出題ファイルの構成の例を示す図である。
【図10】コンテンツ番号の構成の例を示す図である。
【図11】問題履歴データの構成を示す図である。
【図12】プログラムを実行するデータセンタ4によって実現される機能の構成を説明するブロック図である。
【図13】トレーニングの処理を説明するフローチャートである。
【図14】トレーニングの処理を説明するフローチャートである。
【図15】表示装置3に表示される問題の画像の例を示す図である。
【図16】問題の選択の処理を説明するフローチャートである。
【図17】解答者の推薦の処理を説明するフローチャートである。
【図18】解答者の選択の処理を説明するフローチャートである。
【図19】解答を希望している旨の画像の例を示す図である。
【図20】個人別出題ファイルの提供の処理を説明するフローチャートである。
【図21】コンテンツの難易の適正さの分析の処理を説明するフローチャートである。
【図22】コンテンツの難易の適正さの分析の処理を説明するフローチャートである。
【図23】個人別出題ファイルの更新の処理を説明するフローチャートである。
【図24】問題指定データの置換の処理を説明するフローチャートである。
【図25】問題指定データの置換の処理を説明するフローチャートである。
【図26】問題指定データの追加の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0281】
1 本体, 2−1乃至2−6,2 リモートコントローラ, 3 表示装置, 4 データセンタ, 5 インターネット, 11 パーソナルコンピュータ, 12 操作盤, 51 制御回路, 91 マイクロコンピュータ, 93 トランジスタ, 94 フォトカプラ, 101 CPU, 102 ROM, 103 RAM, 107 出力部, 108 記録部, 109 通信部, 111 リムーバブルメディア, 132 個人ファイル記録部, 133 問題選択部, 134 解答者推薦部, 135 解答者選択部, 136 問題記録部, 137 問題出題部, 138 トレーニング進行制御部, 139 表示制御部, 140 ネットワーク通信制御部, 142 個人ファイル更新部, 151 USB通信制御部, 171 個人別出題ファイル提供部, 172 問題データベース, 173 個人データデータベース, 174 ネットワーク通信制御部, 175 問題制作部, 176 配信制御部, 181 分析部, 182 更新部, 191 置換部, 192 追加部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理装置において、
前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択する解答者選択手段と、
複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御する入力制御手段と、
前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定する問題出題手段と、
出題された前記問題の画像の表示を制御する表示制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記解答者によって解答された前記問題について、解答することにより刺激が与えられる脳の部位および難易度を示すデータと共に、解答の正誤または放棄を示すデータの記録を制御する記録制御手段をさらに備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ネットワークを介して情報提供装置から送信されてくる、出題が予定されている前記問題を前記対象者毎に示す出題予定データの受信を制御する受信制御手段と、
受信した前記出題予定データの記録を制御する記録制御手段と、
記録されている前記出題予定データを参照して、出題する前記問題を選択する問題選択手段と
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象者のそれぞれについて、脳の部位毎に、前記問題が難しすぎないか、または簡単すぎないかを分析する分析手段と、
前記問題が難しすぎるとされた場合には、より易しい前記問題が出題されるように、出題が予定されている前記問題を前記対象者毎に示す出題予定データを更新し、前記問題が簡単すぎるとされた場合には、より難しい前記問題が出題されるように前記出題予定データを更新する更新手段と、
前記出題予定データを参照して、出題する前記問題を選択する問題選択手段と
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理方法において、
前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択し、
複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御し、
前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定し、
出題された前記問題の画像の表示を制御する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項6】
解答することにより脳の所定の部位に刺激を与える問題に、指導者の指導の基に、複数の対象者のそれぞれに解答させるように前記問題を出題する情報処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記指導者の指示に応じて、複数の前記対象者の中から1人の解答者を選択し、
複数の前記対象者のそれぞれによって操作される入力部のうちの、前記解答者の入力部からの信号のみを取得するように前記入力部からの信号の取得を制御し、
前記問題を出題すると共に、取得された信号で示される前記解答者の解答の正誤を判定し、
出題された前記問題の画像の表示を制御する
ステップを含む情報処理を行わせるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−32578(P2010−32578A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191686(P2008−191686)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(593232479)株式会社テイエムシイ (2)
【Fターム(参考)】