説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】複数のコンテンツやアプリケーションプログラムを実行させるときの動作の安定性を向上できるようにする。
【解決手段】アプリケーションプログラム実行部31は、複数のアプリケーションプログラムを実行する。優先度ランク決定部27は、前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位として優先度ランクを決定する。実行管理部41は、決定された優先度ランクに基づいて、前記アプリケーションプログラム実行部31によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する。本発明は、情報処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、複数のアプリケーションプログラムを安定的に動作できるようにした情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画像や音楽などのマルチメディアコンテンツ(以下、単にコンテンツと称する)、またはゲームや音楽再生用のアプリケーションプログラムなどのソフトウェアを、コンテンツの再生装置や、ソフトウェアを実行する装置に提供するサービスが注目を集めている。
【0003】
このようなサービスにおいては、市場の規模を拡大させるため、ゲーム機器などの専用の装置だけでなく、パーソナルコンピュータなどの汎用性のあるクライアント装置にもコンテンツやソフトウェアが提供されている。
【0004】
コンテンツやソフトウェアがクライアント装置に提供される場合、ハードディスクやフラッシュメモリに記録されることもあるが、不正な複製を防止するため、読み取り専用の記録媒体に記録されて提供されることが多い。
【0005】
しかしながら、記録媒体に記録された状態で配信されるコンテンツやソフトウェアが更新された場合、ユーザは、更新されたコンテンツやソフトウェアが記録されている新たな記録媒体を、更新される度に入手しなければならなかった。
【0006】
そこで、アプリキャスト(登録商標)に代表されるサービスのように、コンテンツやソフトウェアを実行させる度に、クライアント装置が、コンテンツやソフトウェアをサーバ装置からダウンロードして利用する技術が普及しつつある。すなわち、このサービスは、クライアント装置が、コンテンツやソフトウェアを利用する度に、自らの仕様に対応している、常に最新のコンテンツやソフトウェアをサーバ装置からダウンロードして利用することができるサービスである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−233924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した技術において、ダウンロードされるコンテンツやソフトウェアは、アプリキャスト(登録商標)を企画管理している団体や、その提携業者により提供されるものから一般ユーザが自主開発したものまで様々なものが存在する。このため、ダウンロードされるコンテンツやソフトウェアには、十分に動作の安定性が検証された信頼度の高いものと、十分に動作の安定性が検証されていない信頼度の低いものとが含まれることになる。
【0009】
結果として、サーバからダウンロードして、実行をさせてみたものの、実際は異常なコードが含まれていることにより、エラーが頻発して、動作が不安定な状態となる恐れのあるコンテンツやソフトウェアが実行されてしまうことがあった。また、複数のコンテンツやソフトウェアがダウンロードされて、並列処理により同時に実行されているような場合、1のコンテンツやソフトウェアが不安定な動作となったが為に、全てのコンテンツやソフトウェアの動作が不安定な状態となってしまうことがあった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、クライアント装置が実行する度にコンテンツやソフトウェアをサーバ装置からダウンロードして利用する場合、信頼度の低いソフトウェアの実行を抑制し、動作の安定性を向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面の情報処理装置は、複数のアプリケーションプログラムを実行する実行手段と、前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位を決定する評価順位決定手段と、前記評価順位決定手段により決定された評価順位に基づいて、前記実行手段によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する実行管理手段とを含む。
【0012】
前記アプリケーションプログラム毎の信頼度評価データを、ネットワークを介して信頼度評価データ管理サーバより取得する信頼度評価取得手段と、前記アプリケーションプログラム毎の信頼度評価データを、セキュリティのレベルを示すセキュリティスコアとして管理するセキュリティスコア管理手段とをさらに含ませるようにすることができ、前記評価順位決定手段には、前記複数のアプリケーションプログラム毎のセキュリティスコアを前記信頼度とした評価順位を決定させるようにすることができる。
【0013】
前記実行手段により前記アプリケーションプログラムが実行されているとき、前記アプリケーションプログラム毎の動作状態を監視する動作監視手段と、前記動作監視手段による前記アプリケーションプログラム毎の動作監視結果を、安定度を示す安定度スコアとして管理する安定度スコア管理手段とをさらに含ませるようにすることができ、前記評価順位決定手段には、前記複数のアプリケーションプログラム毎の安定度スコアを前記信頼度とした評価順位を決定させるようにすることができる。
【0014】
前記実行手段により前記アプリケーションの実行を指示するとき、ユーザにより操作される操作手段と、前記操作手段により前記アプリケーションプログラムの実行が指示されるとき、前記アプリケーションプログラム毎の利用頻度を監視する利用監視手段と、前記利用監視手段による前記アプリケーションプログラム毎の利用監視結果を、利用頻度を示す利用頻度スコアとして管理する利用頻度スコア管理手段とをさらに含ませるようにすることができ、前記評価順位決定手段には、前記複数のアプリケーションプログラム毎の利用頻度スコアを信頼度とした評価順位を決定させるようにすることができる。
【0015】
前記評価順位決定手段には、前記複数のアプリケーションプログラム毎のセキュリティスコア、安定度スコア、および利用頻度スコアの全て、または、これらのうちのいずれかの組み合わせを信頼度とした評価順位を決定させるようにすることができる。
【0016】
前記実行管理手段には、前記評価順位に基づいて、現在実行していないアプリケーションプログラムの起動を許可するか否かを判定する起動判定手段を含ませるようにすることができ、前記起動判定手段の判定結果に基づいて、前記アプリケーションプログラム毎の起動を管理させるようにすることができる。
【0017】
前記実行管理手段には、前記評価順位に基づいて、実行中の前記アプリケーションプログラムをシャットダウンするか否かを判定するシャットダウン判定手段を含ませるようにすることができ、前記シャットダウン判定手段の判定結果に基づいて、前記アプリケーションプログラム毎のシャットダウンを管理させるようにすることができる。
【0018】
前記評価順位に基づいて、前記アプリケーションプログラムのアクセス頻度を決定するアクセス頻度決定手段と、前記アプリケーションプログラム毎の前記アクセス頻度に基づいて、前記アクセス頻度を管理するアクセス頻度管理手段を含ませるようにすることができ、前記実行管理手段は、前記アクセス頻度管理手段により管理されるアクセス頻度で、前記アプリケーションプログラムの実行を管理させるようにすることができる。
【0019】
本発明の一側面の情報処理方法は、複数のアプリケーションプログラムを実行する実行ステップと、前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位を決定する評価順位決定ステップと、前記評価順位決定ステップの処理により決定された評価順位に基づいて、前記実行ステップの処理によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する実行管理ステップとを含む。
【0020】
本発明の一側面のプログラムは、複数のアプリケーションプログラムを実行する実行ステップと、前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位を決定する評価順位決定ステップと、前記評価順位決定ステップの処理により決定された評価順位に基づいて、前記実行ステップの処理によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する実行管理ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
本発明の一側面においては、複数のアプリケーションプログラムが実行され、前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位が決定され、決定された評価順位に基づいて、アプリケーションプログラム毎に実行が管理される。
【0022】
本発明の情報処理装置は、独立した装置であっても良いし、情報処理を行うブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、複数のコンテンツやアプリケーションプログラムが実行される際、動作の安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した情報処理装置により実現される機能の構成例を示す図である。
【図2】セキュリティスコア管理処理を説明するフローチャートである。
【図3】安定度スコア管理処理を説明するフローチャートである。
【図4】利用頻度スコア管理処理を説明するフローチャートである。
【図5】優先度ランク決定処理を説明するフローチャートである。
【図6】優先度ランクに基づいて設定されるアクセス頻度を説明する図である。
【図7】アプリケーションプログラム実行管理処理を説明するフローチャートである。
【図8】汎用のパーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
[情報処理装置の構成例]
図1は、本発明を適用した情報処理装置により実現される機能の一実施の形態の構成例を示している。
【0026】
図1の情報処理装置1は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどの他、例えば、専用のアプリケーションプログラムを実行する機能を備えたテレビジョン受像機などである。情報処理装置1は、ネットワーク2に接続されており、アプリケーションプログラムを実行する際、常にネットワーク2を介して、アプリケーションプログラム配信サーバ4−1乃至4−nから最新のアプリケーションプログラムをダウンロードして実行する。従って、情報処理装置1は、基本的にアプリケーションプログラムを記憶しておらず、実行可能なアプリケーションプログラムのリストをダウンロードし、リストからユーザにより実行が指示されたアプリケーションプログラムをダウンロードして実行する。
【0027】
また、情報処理装置1は、ネットワーク2を介して信頼度評価データ管理サーバ3より実行しようとするアプリケーションプログラムの信頼度評価データを取得し、アプリケーションプログラムの実行を制御する。信頼度評価データ管理サーバ3は、ネットワーク2上で流通するソフトウェアプログラムの信頼度評価データを配信する。より具体的には、信頼度評価データ管理サーバ3は、流通する複数のソフトウェアプログラムのユーザに対するアンケート調査などから、動作の安定性に関する評価データの、例えば、ランキングを求め、これを信頼度評価データとして管理するサーバである。信頼度評価データ管理サーバ3は、予め生成された信頼度評価データを記憶しており、情報処理装置1からの要求に応じて、情報処理装置1に対して配信する。尚、信頼度評価データについては、ソフトウェアプログラムの安定性の評価が客観的に数値化して得られるものであれば、上述したアンケート調査に基づいて得られるものでなくてもよい。その他の信頼度評価データとしては、例えば、ネットワーク2上で、いわゆる「口コミ」と評されるユーザがパーソナルコンピュータでアクセスして入力する評価情報をスコア化して求められるランキングなどであってもよい。
【0028】
アプリケーションプログラム配信サーバ4−1乃至4−nは、それぞれが各種のアプリケーションプログラムを最新のバージョンに更新された状態で記憶しており、情報処理装置1からの配信の要求があった場合、対応するアプリケーションプログラムを配信する。尚、アプリケーションプログラム配信サーバ4−1乃至4−nは、それぞれを区別する必要がない場合、単に、アプリケーションプログラム配信サーバ4と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
【0029】
次に、情報処理装置1により実現される機能について説明する。
【0030】
情報処理装置1は、信頼度評価データ取得部21、セキュリティスコア管理部22、動作監視部23、安定度スコア管理部24、利用頻度検出部25、利用頻度スコア管理部26、優先度ランク決定部27、および優先度ランク情報記憶部28を備えている。また、情報処理装置1は、アクセス頻度決定部29、アクセス頻度情報記憶部30、アプリケーションプログラム実行部31、操作部32、アプリケーションプログラム取得部33、およびメモリ34を備えている。
【0031】
信頼度評価データ取得部21は、イーサネットボードからなる通信機能を備えており、ネットワーク2を介して、信頼度評価データ管理サーバ3にアクセスし、信頼度データをダウンロードし、セキュリティスコア管理部22に供給する。セキュリティスコア管理部22は、各ソフトウェアプログラム毎の信頼度評価データをスコア化し、各セキュリティプログラムに対応付けてセキュリティスコアを管理すると共に、優先度ランク決定部27に供給する。より具体的には、セキュリティスコア管理部22は、例えば、信頼度評価データとして配信される情報が、ソフトウェア毎の評価ランキングなどの場合、その順位に応じてスコアを設定する。
【0032】
動作監視部23は、アプリケーションプログラム実行部31により実行される各種のアプリケーションプログラムの動作状態に基づいて、動作状態監視情報を安定度スコア管理部24に供給する。ここでいう動作状態監視情報とは、例えば、1の実行コマンドが発生したタイミングから、応答が完了するまでの時間(応答時間)などであり、アプリケーションプログラムが実行される際の動作の安定度を示す情報である。安定度スコア管理部24は、動作状態監視情報に基づいて、各アプリケーションプログラムに対応付けて安定度スコアを求めて管理する。より具体的には、安定度スコア管理部24は、動作状態監視情報のうち、例えば、応答時間の長さが短いほど高いスコアとなるように安定度スコアを設定し管理すると共に、安定度スコアを優先度ランク決定部27に供給する。
【0033】
利用頻度検出部25は、ユーザがアプリケーションプログラムの実行を指示する操作信号に基づいて、アプリケーションプログラム毎の利用頻度の情報を求めて利用頻度スコア管理部26に供給する。利用頻度スコア管理部26は、利用頻度の情報に基づいて、利用頻度スコアを求め管理すると共に、利用頻度スコアを優先度ランク決定部27に供給する。より詳細には、利用頻度スコア管理部26は、利用頻度の情報に基づいて、利用頻度が高い程、高いスコアとなるように利用頻度スコアを求め各アプリケーションプログラムに対応付けて管理すると共に、利用頻度スコアを優先度ランク決定部27に供給する。
【0034】
優先度ランク決定部27は、セキュリティスコア管理部22より供給されるセキュリティスコア、安定度スコア管理部24より供給される安定度スコア、および利用頻度スコア管理部26より供給されてくる利用頻度スコアを取得する。さらに、優先度ランク決定部27は、アプリケーションプログラム毎に対応付けて管理されているセキュリティスコア、安定度スコア、及び利用頻度スコアに基づいて、アプリケーションプログラムの優先度ランクを決定し、優先度ランク情報記憶部28に記憶させる。より詳細には、優先度ランク決定部27は、アプリケーションプログラム毎に、セキュリティスコア、安定度スコア、および利用頻度スコアの線形和、または重み付け線形和の順位を求めて、アプリケーションプログラム毎の優先度ランクを求める。
【0035】
アクセス頻度決定部29は、優先度ランク情報記憶部28に記憶されている優先度ランクに基づいて、各アプリケーションプログラムのアクセス頻度を決定し、アクセス頻度情報記憶部30に記憶させる。
【0036】
アプリケーションプログラム実行部31は、操作部32よりアプリケーションプログラムの実行がなされた場合、対応して操作部32により発生される操作信号に基づいて、アプリケーションプログラム配信サーバ4に対して要求し、ダウンロードして取得する。さらに、アプリケーションプログラム実行部31は、ダウンロードしてきたアプリケーションプログラムをメモリ34に展開して、インストールし実行する。また、アプリケーションプログラム実行部31は、優先度ランク情報記憶部28に記憶されている優先度ランク情報、およびアクセス頻度情報記憶部30に記憶されているアクセス頻度情報に基づいて、実行しているアプリケーションプログラムの動作を管理する。より詳細には、アプリケーションプログラム実行部31は、実行管理部41を備えており、実行管理部41によりアプリケーションプログラムの起動、シャットダウン、およびアクセス頻度を管理する。
【0037】
実行管理部41は、起動判定部51、シャットダウン判定部52、およびアクセス管理部53を備えている。起動判定部51は、操作部32の操作信号により実行するように指示のあったアプリケーションプログラムのアクセス頻度情報記憶部30に記憶されているアクセス頻度情報に基づいて、起動を許可するか否かを判定する。より詳細には、起動判定部51は、アクセス頻度情報に基づいて、起動を許可するか否かを判定する。実行管理部41は、起動判定部51の判定結果に基づいて、実行が指示されたアプリケーションプログラムを起動させる。
【0038】
シャットダウン判定部52は、実行中のアプリケーションプログラムについて、アクセス頻度情報記憶部30に記憶されているアクセス頻度情報を読み出し、即時シャットダウンに設定されているか否かを判定する。実行管理部41は、シャットダウン判定部52の判定結果に基づいて、実行中のアプリケーションプログラムをシャットダウンする。
【0039】
アクセス管理部53は、実行されているアプリケーションプログラム毎に、アクセス頻度情報記憶部30に記憶されているアクセス頻度情報を読み出し、設定されているアクセス頻度でメモリ34にアクセスさせるようにアクセス頻度を管理する。
【0040】
[セキュリティスコア管理処理]
次に、図2のフローチャートを参照してセキュリティスコア管理処理について説明する。
【0041】
ステップS1において、信頼度評価データ取得部21は、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで、同様の処理を繰り返す。そして、ステップS1において、所定の時間が経過したと判定された場合、処理は、ステップS2に進む。
【0042】
ステップS2において、信頼度評価データ取得部21は、ネットワーク2を介して信頼度評価データ管理サーバ3に、アプリケーションプログラムの信頼度評価データを要求し、その要求に応じて、供給されてくる信頼度評価データを取得する。そして、信頼度評価データ取得部21は、取得した信頼度評価データをセキュリティスコア管理部22に供給する。信頼度評価データ管理サーバ3は、例えば、アプリケーションプログラムのユーザのアンケートなどから、信頼度評価に基づいたアプリケーションプログラムのランキング情報を管理している。尚、以降においては、信頼度評価データは、アプリケーションプログラム毎のランキング情報であるものとして説明を進めるものとするが、当然のことながら他の情報であってもよいものである。
【0043】
ステップS3において、セキュリティスコア管理部22は、供給されてきた信頼度評価データに基づいて、アプリケーションプログラムに対応付けてセキュリティスコアを更新し、処理は、ステップS1に戻る。
【0044】
この例のように、信頼度評価データが、信頼度評価のランキング情報である場合、セキュリティスコア管理部22は、例えば、以下のようにセキュリティスコアを順次更新する。すなわち、セキュリティスコア管理部22は、第1位乃至第3位のアプリケーションプログラムのセキュリティスコアを100ポイントとし、第4位乃至第10位を80ポイントとし、第10位乃至第30位までは50ポイントといったようにスコアを更新する。つまり、セキュリティスコア管理部22は、ユーザの評価に基づいて、評価の高いアプリケーションプログラムほどセキュリティスコアを高く、評価の低いアプリケーションプログラムほどセキュリティスコアを低く設定する処理を所定時間間隔で更新し続ける。
【0045】
[安定度スコア管理処理]
次に、図3のフローチャートを参照して、安定度スコア管理処理について説明する。
【0046】
ステップS11において、動作監視部23は、アプリケーションプログラム実行部31が実行している複数のアプリケーションプログラムのうち、未処理のアプリケーションプログラムを処理対象(監視対象)に設定する。
【0047】
ステップS12において、動作監視部23は、処理対象となったアプリケーションプログラムの動作状態が不安定な状態となったか否かを判定する。より詳細には、動作監視部23は、処理対象となっているアプリケーションプログラムが処理を実行するにあたり、所定の演算処理に要される所要時間を計測し、計測された所要時間が所定時間以上となり、通常の動作よりも明らかに遅れているか否かを判定する。すなわち、このように動作遅延が生じると、その処理対象のアプリケーションプログラムは、何らかのエラーが生じていて、実行そのものができていない可能性があり、結果として、動作が不安定になっているものと考えられる。ステップS12において、例えば、動作が不安定な状態となったと判定された場合、処理は、ステップS13に進む。
【0048】
ステップS13において、動作監視部23は、不安定な動作状態が発生したことを安定度スコア管理部24に通知する。安定度スコア管理部24は、この不安定な動作状態の発生の通知を受けて、処理対象となっているアプリケーションプログラムの安定度スコアをβポイントだけ減算する。すなわち、各アプリケーションプログラムには、初期の段階で安定度スコアとして基準ポイントが設定されており、不安定な状態が発生する度にβポイントずつ減算される。
【0049】
ステップS14において、動作監視部23は、全てのアプリケーションプログラムについて処理が終了したか否かを判定し、未処理のアプリケーションプログラムがある場合、処理は、ステップS11に戻り、全てのアプリケーションプログラムについて処理がなされるまで、ステップS11乃至S18の処理が繰り返される。
【0050】
そして、ステップS14において、未処理のアプリケーションプログラムがなくなった場合、ステップS19において、全てのアプリケーションプログラムを未処理であるものとして、再び全てのアプリケーションプログラムについて、動作状態の監視を繰り返す。
【0051】
一方、ステップS12において、処理対象となるアプリケーションプログラムの動作状態が不安定ではない場合、処理は、ステップS15に進む。ステップS15において、動作監視部23は、処理対象となるアプリケーションプログラムが優先度ランクの低下に伴いシャットダウンされたか否かを判定する。
【0052】
ステップS15において、例えば、後述するアプリケーションプログラム実行管理処理により、優先度ランクが低下して強制的にシャットダウンされた場合、処理は、ステップS16に進む。
【0053】
ステップS16において、動作監視部23は、安定度スコア管理部24に対して、処理対象となるアプリケーションプログラムが、優先度ランクの低下に伴って強制的にシャットダウンされたことを通知する。これにより、安定度スコア管理部24は、処理対象となっているアプリケーションプログラムの安定度スコアをk×β(k>1)ポイントだけ減算する。すなわち、処理対象となるアプリケーションプログラムが強制的にシャットダウンされる度に、不安定になった場合よりも大きな減点がなされる。
【0054】
さらに、ステップS15において、優先度ランクの低下に伴った強制的なシャットダウンがないと判定された場合、処理は、ステップS17に進む。
【0055】
ステップS17において、動作監視部23は、処理対象となっているアプリケーションプログラムが、所定期間以上、不安定動作や強制的なシャットダウンといった異常動作がない状態が継続されているか否かを判定する。ステップS17において、例えば、所定期間以上異常動作がない状態が継続されていると判定された場合、処理はステップS18に進む。
【0056】
ステップS18において、動作監視部23は、処理対象となっているアプリケーションプログラムが、所定期間以上異常動作が発生していないことを安定度スコア管理部24に通知する。安定度スコア管理部24は、この通知に基づいて、処理対象となっているアプリケーションプログラムの安定度スコアをαポイントだけ加算する。すなわち、所定期間以上異常動作がないので、安定度を示す安定度スコアが向上される。
【0057】
一方、ステップS17において、所定期間内に異常動作があると判定された場合、処理はステップS14に進む。
【0058】
以上の処理をまとめると、処理対象となるアプリケーションプログラムの安定度スコアは、不安定動作が検出されるとβポイントだけ減算され、シャットダウンされると、さらに大きなk×β(k>1)ポイントだけ減算される。そして、所定期間以上異常動作の検出がない場合、安定度スコアがαポイントだけ加算される。このように、動作に異常が発生する度に安定度スコアが低減されて、異常が発生しなかった期間が長いほど安定度スコアが加算される。
【0059】
[利用頻度スコア管理処理]
ステップS31において、利用頻度検出部25は、操作部32の操作信号に基づいて、操作部32が操作されて、アプリケーションプログラム実行部31に対して、いずれかのアプリケーションプログラムの起動指示があったか否かを判定する。ステップS31において、例えば、アプリケーションプログラムの起動指示があった場合、ステップS32において、利用頻度検出部25は、起動の指示があったアプリケーションプログラムを特定する情報と共に、起動の指示があったことを利用頻度スコア管理部26に通知する。利用頻度スコア管理部26は、この通知に基づいて、通知のあったアプリケーションプログラムの利用頻度スコアに所定ポイントだけ加算する。
【0060】
一方、ステップS31において、アプリケーションプログラムの起動が指示されていない場合、ステップS32の処理は、スキップされる。
【0061】
ステップS33において、利用頻度スコア管理部26は、自らが利用頻度スコアを管理しているアプリケーションプログラムのなかで、所定期間起動指示がないアプリケーションプログラムが存在するか否かを判定する。ステップS33において、所定期間起動指示がないアプリケーションプログラムが存在する場合、ステップS34において、利用頻度スコア管理部26は、所定期間起動指示がないアプリケーションプログラムの利用頻度スコアを所定ポイントだけ減算する。
【0062】
尚、ステップS33において、所定期間起動指示がないアプリケーションプログラムが存在しない場合、ステップS34の処理はスキップされて、処理は、ステップS31に戻る。
【0063】
以上の処理により、起動指示がなされる頻度が高いアプリケーションプログラムほど、高い利用頻度スコアとなり、起動指示がなされる頻度が低いアプリケーションプログラムほど、低い利用頻度スコアとなる。
【0064】
[優先度ランク決定処理]
次に、図5のフローチャートを参照して、優先度ランク決定処理について説明する。
【0065】
ステップS51において、優先度ランク決定部27は、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで同様の処理を繰り返す。そして、ステップS51において、所定の時間が経過したと判定された場合、処理は、ステップS52に進む。
【0066】
ステップS52において、優先度ランク決定部27は、セキュリティスコア管理部22に対してセキュリティスコアを供給するように要求する。この要求に応じて、セキュリティスコア管理部22は、今現在の各アプリケーションプログラムに対応付けて管理されているセキュリティスコアの情報を優先度ランク決定部27に供給する。これにより、優先度ランク決定部27は、各アプリケーションプログラムに対応付けて管理されているセキュリティスコアの情報を取得する。
【0067】
ステップS53において、優先度ランク決定部27は、安定度スコア管理部24に対して安定度スコアを供給するように要求する。この要求に応じて、安定度スコア管理部24は、今現在の各アプリケーションプログラムに対応付けて管理されている安定度スコアの情報を優先度ランク決定部27に供給する。これにより、優先度ランク決定部27は、各アプリケーションプログラムに対応付けて管理されている安定度スコアの情報を取得する。
【0068】
ステップS54において、優先度ランク決定部27は、利用頻度スコア管理部26に対して利用頻度スコアを供給するように要求する。この要求に応じて、利用頻度スコア管理部26は、今現在の各アプリケーションプログラムに対応付けて管理されている安定度スコアの情報を優先度ランク決定部27に供給する。これにより、優先度ランク決定部27は、各アプリケーションプログラムに対応付けて管理されている利用頻度スコアの情報を取得する。
【0069】
ステップS55において、優先度ランク決定部27は、取得したセキュリティスコア、安定度スコア、および利用頻度スコアに基づいて、降順に並べ直し、アプリケーションプログラムの優先度ランクを決定する。さらに、優先度ランク決定部27は、決定した優先度ランクの情報を優先度ランク情報記憶部28に記憶させる。
【0070】
以上の処理によりアプリケーションプログラムについて、他のユーザの評価(セキュリティスコア)、情報処理装置1で実際に動作させたときの安定度(安定度スコア)、および情報処理装置1のユーザの利用頻度(利用頻度スコア)により優先度ランクが決定される。従って、他のユーザの評価が高く、動作が安定度が高く、ユーザの利用頻度の高いアプリケーションプログラムほど、優先度ランクは上位に決定される。
【0071】
ステップS56において、アクセス頻度決定部29は、優先度ランク情報記憶部28より優先度ランク情報を読み出し、優先度ランクに対応付けてアプリケーションプログラム毎にメモリ34へのアクセス頻度を決定し、アクセス頻度情報記憶部30に記憶させる。より詳細には、アクセス頻度情報記憶部30は、例えば、図6で示されるように優先度ランクに対応付けてアクセス頻度を設定する。すなわち、図6の場合、アクセス頻度情報記憶部30は、優先度ランクが第1位乃至第5位のアプリケーションプログラムについては、アクセス頻度の制限はなく、1回の処理で無制限にアクセスできるように設定する。また、アクセス頻度情報記憶部30は、優先度ランクが第6位乃至第10位のアプリケーションプログラムについては、1回のアクセスについて最大1分までのアクセス頻度に設定する。さらに、アクセス頻度情報記憶部30は、優先度ランクが第11位乃至第20位のアプリケーションプログラムについては、1回のアクセスについて30秒までのアクセス頻度に設定する。また、アクセス頻度情報記憶部30は、優先度ランクが第21位以下の下位のアプリケーションプログラムについては、起動前であれば起動を禁止し、実行中であれば即時シャットダウンするものとして設定する。
【0072】
このように、ユーザの評価が高く、情報処理装置1において動作の安定度が高く、利用頻度の高いアプリケーションプログラムほど、メモリ34へのアクセス頻度の制限が長く設定される。また、ユーザの評価が低く、情報処理装置1において動作の安定度が低く、利用頻度の低いアプリケーションプログラムほど、1回のアクセスで連続的にアクセスできる時間が制限される。そして、ユーザの評価、情報処理装置1において動作の安定度、および利用頻度により優先度ランクが所定順位以下になると、アプリケーションプログラムの起動が禁止、または実行中であれば、シャットダウンされるように設定される。
【0073】
また、以上の処理により優先度ランク情報およびアクセス頻度情報が所定の時間間隔で更新され続ける。すなわち、優先度ランク情報およびアクセス頻度情報は、動的に更新され続ける。つまり、他のユーザの評価、安定度、およびアクセス頻度の変化に対応して、優先度ランク情報およびアクセス頻度情報も変化する。この結果、他のユーザの評価、安定度、またはアクセス頻度が改善されると、優先度ランク情報およびアクセス頻度情報も上位の設定に変化して行く。逆に、他のユーザの評価、安定度、またはアクセス頻度が悪化すると、優先度ランク情報およびアクセス頻度情報も下位の設定に変化して行く。
【0074】
[アプリケーションプログラム実行管理処理]
次に、図7のフローチャートを参照して、アプリケーションプログラム実行管理処理について説明する。
【0075】
ステップS71において、アプリケーションプログラム実行部31は、操作部32からの操作信号に基づいて、アプリケーションプログラムの実行が指示されたか否かを判定し、実行が指示された場合、処理は、ステップS72に進む。
【0076】
ステップS72において、実行管理部41は、起動判定部51を制御して、アクセス頻度情報記憶部30に記憶しているアクセス頻度情報を読み出させる。
【0077】
ステップS73において、実行管理部41は、起動判定部51を制御して、優先度ランク情報に基づいて、起動が指示されたアプリケーションプログラムが起動可能であるか否かを判定する。すなわち、起動が指示されたアプリケーションプログラムが、優先度ランクが下位であり、アクセス頻度が起動禁止に設定されているか否かが判定される。ステップS73において、起動が指示されたアプリケーションプログラムが起動禁止に設定されている場合、アプリケーションプログラムは起動されず、処理は、ステップS71に戻る。
【0078】
一方、ステップS73において、起動が指示されたアプリケーションプログラムが起動禁止ではない場合、処理は、ステップS74に進む。
【0079】
ステップS74において、アプリケーションプログラム実行部31は、アプリケーションプログラム取得部33を制御して、起動が指示されたアプリケーションプログラムの配信を、アプリケーションプログラム配信サーバ4に要求させ、取得させる。
【0080】
ステップS75において、アプリケーションプログラム配信サーバ4が、この要求に応じてアプリケーションプログラムを、情報処理装置1に配信する。アプリケーションプログラム取得部33は、配信されてきたアプリケーションプログラムを取得し、アプリケーションプログラム実行部31に供給する。アプリケーションプログラム実行部31は、供給されてきたアプリケーションプログラムをメモリ34に展開してインストールし、アプリケーションプログラムを起動して、実行する。
【0081】
ステップS76において、実行管理部41は、所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過するまで、同様の処理を繰り返す。そして、ステップS76において、所定の時間が経過した場合、アクセス管理部53を制御して、アクセス頻度情報記憶部30に記憶されているアクセス頻度情報を読み出させる。
【0082】
ステップS77において、実行管理部41は、アクセス管理部53を制御して、読み出したアクセス頻度情報に基づいて、実行中のアプリケーションプログラムのアクセス頻度を読み出す。
【0083】
ステップS78において、実行管理部41は、アクセス管理部53を制御して、所定頻度に対応する時間内であるか否かを判定させる。ステップS78において、例えば、実行中のアプリケーションプログラムの優先度ランクが第1位乃至第5位の場合、アクセス頻度に制限がないので、常に所定頻度の時間内であると判定される。また、優先度ランクが第6位乃至第10位の場合、1回のアクセスについて最大1分までメモリ34にアクセスすることができるので、1分以内の場合、所定頻度に対応する時間内であるものとみなす。さらに、優先度ランクが第11位乃至第20位の場合、1回のメモリ34へのアクセスについて、最大30秒までであるので、30秒以内である場合、所定頻度に対応する時間内であるものとみなす。
【0084】
ステップS78において、例えば、アクセス頻度情報に基づいて設定される時間内である場合、ステップS79において、実行管理部41は、アプリケーションプログラム実行部31によるメモリ34へのアクセスを認める。一方、ステップS78において、例えば、アクセス頻度情報に基づいて設定される時間内ではない場合、ステップS79の処理は、スキップされる。
【0085】
ステップS80において、実行管理部41は、シャットダウン判定部52を制御して、アクセス頻度情報記憶部30に記憶されているアクセス頻度情報を読み出させる。
【0086】
ステップS81において、実行管理部41は、シャットダウン判定部52を制御して、読み出したアクセス頻度情報に基づいて、実行中のアプリケーションプログラムがシャットダウンさせる必要があるか否かを判定させる。ステップS81において、例えば、実行中のアプリケーションプログラムの優先度ランクが、図6における上位20位以内である場合、アクセス頻度情報において、即時強制シャットダウンするように設定されていないことになるので、処理は、ステップS82に進む。
【0087】
ステップS82において、アプリケーションプログラム実行部31は、操作部32からの操作信号に基づいて、アプリケーションプログラムのシャットダウンが指示されているか否かを判定する。ステップS82において、例えば、操作信号に基づいて、シャットダウンが指示されている場合、ステップS83において、実行管理部41は、アプリケーションプログラムをシャットダウンさせ、処理は、ステップS71に戻る。尚、シャットダウンに際しては、アプリケーションプログラム実行部31は、メモリ34に展開されていたアプリケーションプログラムをアンインストールした上で消去する。
【0088】
一方、ステップS82において、例えば、実行中のアプリケーションプログラムの優先度ランクが、図6における上位20位以下である場合、アクセス頻度情報において、即時強制シャットダウンするように設定されていることになる。結果として、処理は、ステップS82の処理がスキップされて、ステップS83に進む。
【0089】
また、ステップS82において、アプリケーションプログラムのシャットダウンが指示されていない場合、処理は、ステップS76に戻る。すなわち、アプリケーションプログラムが実行中である場合、アプリケーションプログラム実行部31は、アクセス頻度情報に基づいて、設定された時間内のアクセス頻度でメモリ34にアクセスして、アプリケーションプログラムを実行する。すなわち、アプリケーションプログラムは、動作状態により変化するアクセス頻度情報に対応したアクセス頻度で実行されることになる。
【0090】
このため、例えば、アプリケーションプログラムは、実行中であっても、不安定な動作が繰り返されると安定度スコアが徐々に低下して、優先度ランクが低下し、最終的には強制的にシャットダウンされてしまったり、次回から起動禁止に設定される。
【0091】
また、例えば、不安定な動作が繰り返されて、優先度ランクが下位であっても、次に起動するまでに更新されるなどして、動作の安定度が向上すると、他のユーザの評価であるセキュリティスコアや、安定度スコアの上昇が期待される。結果として、不安定なアプリケーションプログラムであっても、更新されることにより、動作の安定が確保されると、優先度ランクが上昇して、徐々にアクセス頻度が上昇されるようになる。
【0092】
さらに、一旦は、優先度ランクが低下して、起動禁止やシャットダウンとなるような設定されているアプリケーションプログラムであっても、更新により他のユーザの評価が向上するなどにより、優先度ランクが上昇することが期待される。結果として、そのようなアプリケーションプログラムであっても、更新されることで、優先度ランクが上昇することにより、徐々にアクセス頻度が上昇して、実行することが可能となる。
【0093】
本発明によれば、他のユーザの評価、動作の安定度、およびユーザの利用頻度に応じて、アプリケーションプログラムの優先度ランクを設定するようにした。このため、優先度ランクに応じて、アプリケーションプログラムのメモリへのアクセス頻度を制限することが可能となり、所定の順位よりも下位のアプリケーションプログラムについては、起動の禁止や、実行中でもシャットダウンさせることが可能となる。
【0094】
従って、他のユーザの評価が低かったり、動作が不安定であったり、または利用頻度が低いアプリケーションプログラムについては、安定的に動作しないものとみなし、動作の頻度を制限したり、動作させないようにすることが可能となる。
【0095】
結果として、情報処理装置1の全体として動作の安定性を向上させることが可能となる。
【0096】
尚、優先度ランクを決定するに当たり、セキュリティスコア、安定度スコア、および利用頻度スコアを用いる例について説明してきたが、これら以外のパラメターを用いるようにしてもよいし、これらのうちのいずれか、または、いずれかの組み合わせでもよい。
【0097】
また、アプリケーションプログラムについては、起動が指示される度に、ネットワークを介してダウンロードされ、インストールされてから起動され、シャットダウンと同時にアンインストールされる例について説明してきたが、

いわゆる常駐アプリケーションプログラムもよいものである。すなわち、インストール済みのアプリケーションプログラムであっても同様に処理することで、情報処理装置の動作の安定度を向上させることが可能となる。
【0098】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0099】
図8は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0100】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0101】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0102】
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【符号の説明】
【0103】
1 情報処理装置, 2 ネットワーク, 3 信頼度評価データ管理サーバ, 4,4−1乃至4−n アプリケーションプログラム配信サーバ, 21 信頼度評価データ取得部, 22 セキュリティスコア管理部, 23 動作監視部, 24 安定度スコア管理部, 25 利用頻度検出部, 26 利用頻度スコア管理部, 27 優先度ランク決定部, 28 優先度ランク情報記憶部, 29 アクセス頻度決定部, 30 アクセス頻度情報記憶部, 31 アプリケーションプログラム実行部, 32 操作部, 33 アプリケーションプログラム取得部, 34 メモリ, 41 実行制御部, 51 起動判定部, 52 シャットダウン判定部, 53 アクセス管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位を決定する評価順位決定手段と、
前記評価順位決定手段により決定された評価順位に基づいて、前記実行手段によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する実行管理手段と
を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラム毎の信頼度評価データを、ネットワークを介して信頼度評価データ管理サーバより取得する信頼度評価取得手段と、
前記アプリケーションプログラム毎の信頼度評価データを、セキュリティのレベルを示すセキュリティスコアとして管理するセキュリティスコア管理手段とをさらに含み、
前記評価順位決定手段は、前記複数のアプリケーションプログラム毎のセキュリティスコアを前記信頼度とした評価順位を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記実行手段により前記アプリケーションプログラムが実行されているとき、前記アプリケーションプログラム毎の動作状態を監視する動作監視手段と、
前記動作監視手段による前記アプリケーションプログラム毎の動作監視結果を、安定度を示す安定度スコアとして管理する安定度スコア管理手段とをさらに含み、
前記評価順位決定手段は、前記複数のアプリケーションプログラム毎の安定度スコアを前記信頼度とした評価順位を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記実行手段により前記アプリケーションの実行を指示するとき、ユーザにより操作される操作手段と、
前記操作手段により前記アプリケーションプログラムの実行が指示されるとき、前記アプリケーションプログラム毎の利用頻度を監視する利用監視手段と、
前記利用監視手段による前記アプリケーションプログラム毎の利用監視結果を、利用頻度を示す利用頻度スコアとして管理する利用頻度スコア管理手段とをさらに含み、
前記評価順位決定手段は、前記複数のアプリケーションプログラム毎の利用頻度スコアを信頼度とした評価順位を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価順位決定手段は、前記複数のアプリケーションプログラム毎のセキュリティスコア、安定度スコア、および利用頻度スコアの全て、または、これらのうちのいずれかの組み合わせを信頼度とした評価順位を決定する
請求項1乃至4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記実行管理手段は、前記評価順位に基づいて、現在実行していないアプリケーションプログラムの起動を許可するか否かを判定する起動判定手段を含み、
前記起動判定手段の判定結果に基づいて、前記アプリケーションプログラム毎の起動を管理する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記実行管理手段は、前記評価順位に基づいて、実行中の前記アプリケーションプログラムをシャットダウンするか否かを判定するシャットダウン判定手段を含み、
前記シャットダウン判定手段の判定結果に基づいて、前記アプリケーションプログラム毎のシャットダウンを管理する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価順位に基づいて、前記アプリケーションプログラムのアクセス頻度を決定するアクセス頻度決定手段と、
前記アプリケーションプログラム毎の前記アクセス頻度に基づいて、前記アクセス頻度を管理するアクセス頻度管理手段を含み、
前記実行管理手段は、前記アクセス頻度管理手段により管理されるアクセス頻度で、前記アプリケーションプログラムの実行を管理する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数のアプリケーションプログラムを実行する実行ステップと、
前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位を決定する評価順位決定ステップと、
前記評価順位決定ステップの処理により決定された評価順位に基づいて、前記実行ステップの処理によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する実行管理ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項10】
複数のアプリケーションプログラムを実行する実行ステップと、
前記複数のアプリケーションプログラム毎の信頼度に基づいた評価順位を決定する評価順位決定ステップと、
前記評価順位決定ステップの処理により決定された評価順位に基づいて、前記実行ステップの処理によるアプリケーションプログラム毎に実行を管理する実行管理ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−81723(P2011−81723A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235404(P2009−235404)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】