説明

情報処理装置および方法

【課題】連続的に配置された各無線ICタグの通過時刻を正確に把握する。
【解決手段】 タグ識別部42は、リーダ・ライタ13の出力に基づき、受信信号を送信した無線ICタグ3を識別して、識別結果を補正部43に出力する。補正部43は、時系列の識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づいて平滑化し、通過時刻特定部44に出力する。通過時刻特定部44は、平滑化済の識別結果を距離変換処理により評価値に変換して、評価値が最大であるタイミングを各無線ICタグ3の通過時刻であると特定して対応付部50に出力する。2値パターンマッチング部47は、電波強度の時間的な交信パターンと、データベース48に予め登録されている交信パターンとのパターンマッチングを行い、マッチング結果に基づいて交信した無線ICタグ3の貼付方向を特定して対応付部50に出力する。本発明は、物流業界等における荷物の仕分け等に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法に関し、特に、情報が記録されているIC(Integrated Circuit)等の記録媒体が内蔵されている複数の無線ICタグから連続的に情報を読み出す場合に用いて好適な情報処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報が記録されているIC等から成る記録媒体が内蔵されている無線ICタグ(一般にはRFIDタグとも称される)と非接触で通信を行う技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
無線ICタグの利用例としては、例えば、物流業界等においては荷物に配送先を示す情報が記録されている無線ICタグを貼付してコンベヤ上に流し、荷物を移動させながら無線ICタグから情報を読み出して、荷物を配送先に応じて仕分ける用途が考えられる。また例えば、空港のカウンタにおいて飛行機の乗客から預けられた荷物に搭乗便を示す情報が記録されている無線ICタグを貼付してコンベヤ上に流し、荷物を移動させながら無線ICタグから情報を読み出して荷物を搭乗便に応じて仕分ける用途が考えられる。
【0004】
ところで、上述したような用途において正確に荷物を仕分けるためには、コンベヤ上に置かれた荷物の配置順を把握する必要がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−187196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンベヤ上に荷物が連続的に置かれた場合、例えば図1に示すように、アンテナ1の交信領域2に同時に複数の無線ICタグ3が存在することが起こり得る。この状態では交信領域2内に存在する全ての無線ICタグ3と交信が可能であって、必ずしも荷物の配置順に貼付されている無線ICタグ3と通信が行われるわけではないので、荷物の配置順を把握することができないという課題があった。
【0007】
この配置順は、前提としてコンベヤが一定方向に進み、コンベヤ上に荷物が一例に配置されているならば、無線ICタグ3の中心位置が基準となる所定の位置(例えば、アンテナ1の中間地点)を通過した時刻(以下、通過時刻と称する)と対応している。よって、各無線ICタグ3の通過時刻を正確に把握すれば、荷物の配置順も把握することが可能となる。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、連続的に配置された各無線ICタグの通過時刻を正確に把握できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の情報処理装置は、移動される無線ICタグであって、情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段と、通信手段の出力に基づき、通信手段と無線通信した無線ICタグを識別する識別手段と、識別手段から出力された時系列の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の情報処理装置においては、無線ICタグとの無線通信の出力に基づき、無線通信した無線ICタグが識別され、時系列の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが特定される。
【0011】
したがって、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが把握され、無線ICタグの配置順を把握することができる。
【0012】
この通信手段は、例えばアンテナにより構成される。識別手段は、例えばリーダ・ライタによって構成される。特定手段は、例えばCPUによって構成される。
【0013】
請求項2に記載の情報処理装置は、識別手段から出力された時系列の識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づいて補正する補正手段をさらに含むことができ、特定手段は、補正済の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定するようにすることができる。
【0014】
これにより、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングをより詳細に特定することができる。
【0015】
前記補正手段は、時系列の識別結果に対して平滑化処理、または距離変換処理の少なくとも一方を行うようにすることができる。
【0016】
請求項4に記載の情報処理装置は、無線ICタグが貼付され、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づき、特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段とをさらに含むことができる。
【0017】
これにより、各対象物が所定の位置を通過したタイミングを把握することができる。
【0018】
請求項5に記載の情報処理方法は、移動される無線ICタグであって、関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信ステップと、通信ステップの処理の出力に基づき、通信ステップの処理で無線通信した無線ICタグを識別する識別ステップと、識別ステップの処理の出力された時系列の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定ステップとを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の情報処理方法においては、無線通信した無線ICタグが識別され、時系列の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが特定される。
【0020】
従って、請求項1に記載の情報処理装置と同様に、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが把握され、無線ICタグの配置順を把握することができる。
【0021】
請求項6に記載の情報処理装置は、連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、対象物に関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段と、通信手段の出力に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出手段と、対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴が対応付けて登録されているデータベースと、データベースと検出手段から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグの空間的特徴を特定する特定手段とを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の情報処理装置においては、無線通信した無線ICタグからの電磁波強度が検出され、データベースと検出された電磁波強度の時系列の変化パターンとが比較され、この比較結果に基づいて、無線通信した無線ICタグの空間的特徴が特定される。
【0023】
したがって、無線ICタグの空間的特徴(例えば、貼付方向、貼付高さ等)を把握することができる。
【0024】
このデータベースには、予め行われた実験結果に基づく情報が登録されている。
【0025】
請求項7に記載の情報処理装置は、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づき、特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段とをさらに含むことができる。
【0026】
これにより、荷物に貼付された無線ICタグの空間的特徴(例えば、貼付方向、貼付高さ等)を把握することができる。
【0027】
請求項8に記載の情報処理方法は、連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、対象物に関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信ステップと、通信ステップの処理の出力に基づいて、通信ステップの処理で無線通信した無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出ステップと、対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴が対応付けて登録されているデータベースと検出ステップの処理から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、通信ステップの処理で無線通信した無線ICタグの空間的特徴を特定する特定ステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の情報処理方法においては、無線通信した無線ICタグからの電磁波強度が検出され、データベースと検出された電磁波強度の時系列の変化パターンとが比較され、この比較結果に基づいて、無線通信した無線ICタグの空間的特徴が特定される。
【0029】
従って、請求項6に記載の情報処理装置と同様に、無線ICタグの空間的特徴(例えば、貼付方向、貼付高さ等)を把握することができる。
【0030】
請求項9に記載の情報処理装置は、連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、対象物に関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段と、通信手段の出力に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出手段と、対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが対応付けて登録されているデータベースと、データベースと検出手段から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定手段とを含むことを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の情報処理装置においては、無線通信した無線ICタグからの電磁波強度が検出され、データベースと検出された電磁波強度の時系列の変化パターンとが比較され、この比較結果に基づいて、無線通信した無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが特定される。
【0032】
したがって、無線ICタグの空間的特徴(例えば、貼付方向、貼付高さ等)および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを把握することができる。
【0033】
このデータベースには、予め行われた実験結果に基づく情報が登録されている。
【0034】
請求項10に記載の情報処理装置は、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づき、特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段とをさらに含むことができる。
【0035】
これにより、荷物が所定の位置を通過したタイミング、および貼付された無線ICタグの空間的特徴(例えば、貼付方向、貼付高さ等)を把握することができる。
【0036】
請求項11に記載の情報処理方法は、連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、対象物に関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信ステップと、通信ステップの処理の出力に基づいて、通信ステップの処理で無線通信した無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出ステップと、対象物に所定の向きで取り付けられた無線ICタグが対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが対応付けて登録されているデータベースと検出ステップの処理から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、通信ステップの処理で無線通信した無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定ステップとを含むことを特徴とする。
【0037】
請求項11に記載の情報処理方法においては、無線通信した無線ICタグからの電磁波強度が検出され、データベースと検出された電磁波強度の時系列の変化パターンとが比較され、この比較結果に基づいて、無線通信した無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが特定される。
【0038】
したがって、請求項9に記載の情報処理装置と同様に、無線ICタグの空間的特徴(例えば、貼付方向、貼付高さ等)および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを把握することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、連続的に配置された無線ICタグの通過時刻を正確に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0041】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加されたりする発明の存在を否定するものではない。
【0042】
請求項1に記載の情報処理装置(例えば、図2のPC14)は、移動される無線ICタグであって、情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段(例えば、図5のリーダ・ライタ制御部41)と、通信手段の出力に基づき、通信手段と無線通信した無線ICタグを識別する識別手段(例えば、図5のタグ識別部42)と、識別手段から出力された時系列の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定手段(例えば、図5の通過時刻特定部44)とを含む。
【0043】
請求項2に記載の情報処理装置は、識別手段から出力された時系列の識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づいて補正する補正手段(例えば、図2の補正部43)をさらに含み、特定手段は、補正済の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する。
【0044】
請求項4に記載の情報処理装置は、無線ICタグが貼付され、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段(例えば、図5の荷物推定部49)と、検知手段の検知結果に基づき、特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段(例えば、図5の対応付部50)とをさらに含む。
【0045】
請求項6に記載の情報処理装置(例えば、図2のPC14)は、連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、対象物に関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段(例えば、図5のリーダ・ライタ制御部41)と、通信手段の出力に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出手段(例えば、図5のタグ識別部42)と、対象物に所定の向きで取り付けられた無線ICタグが対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴が対応付けて登録されているデータベース(例えば、図5のデータベース(DB)48)と、データベースと検出手段から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグの空間的特徴を特定する特定手段(例えば、図5の2値パターンマッチング部47)とを含む。
【0046】
請求項7に記載の情報処理装置は、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段(例えば、図5の荷物推定部49)と、検知手段の検知結果に基づき、特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段(例えば、図5の対応付部50)とをさらに含む。
【0047】
請求項9に記載の情報処理装置(例えば、図2のPC14)は、連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、対象物に関する情報が記録された記録媒体および情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段(例えば、図14のリーダ・ライタ制御部61)と、通信手段の出力に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出手段(例えば、図14の電波強度検出部65)と、対象物に所定の向きで取り付けられた無線ICタグが対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが対応付けて登録されているデータベース(例えば、図14のデータベース(DB)67)と、データベースと検出手段から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、通信手段と無線通信した無線ICタグの空間的特徴および無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定手段(例えば、図14のパターンマッチング部66)とを含む。
【0048】
請求項10に記載の情報処理装置は、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段(例えば、図14の荷物推定部68)と、検知手段の検知結果に基づき、特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段(例えば、図14の対応付部69)とをさらに含む。
【0049】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
図2は、本発明を適用したタグ通信システムの構成例を示している。このタグ通信システム10は、無線ICタグ3と情報を通信するための電磁波を輻射するとともに無線ICタグ3から送信される電磁波を受信するアンテナ11、コンベヤ15上の荷物16を検出し、検出結果に対応する検出信号をパーソナルコンピュータ(以下、PCと記述する)14に供給するセンサ12、PC14から入力される送信信号を電磁波に変換してアンテナ11に出力するともにアンテナ11によって受信された電磁波を受信信号に変換してPC14に出力するリーダ・ライタ13、リーダ・ライタ13から入力される受信信号に基づいて無線ICタグ3の通過時刻を特定するPC14、および、予め配送先等を示す情報が記録されている無線ICタグ3が貼付された荷物16を移動させるコンベヤ15から構成される。
【0051】
リーダ・ライタ13は、PC14からのリード要求に応じて、アンテナ11に電磁波の輻射を開始させる。この電磁波の輻射に対応し、アンテナ11の交信領域に存在する各無線ICタグ3は、輻射された電磁波から電力供給を受け、その電力を利用して記憶している情報(無線ICタグ3を識別するための情報、荷物の配送先等を示す情報等)を電磁波として返信する。したがって、アンテナ11の交信領域に複数の無線ICタグ3が存在する場合、複数の無線ICタグ3が返信を行い、その返信された電磁波をアンテナ11が受信し、受信結果をリーダ・ライタ13が所定の時間間隔で受信信号に変換することになる。
【0052】
またリーダ・ライタ13は、アンテナ11によって受信される無線ICタグ3から返信された電磁波の電波強度もPC14に供給する。さらに、リーダ・ライタ13は、PC14から入力される所定の情報を電磁波に変換してアンテナ11に出力させることにより、無線ICタグ3に当該所定の情報を記録することもできる。
【0053】
コンベヤ15は、少なくとも載置された荷物16がアンテナ11の交信領域を通過するときには、一定の方向に直線的且つ等速度で移動しており、各荷物16はその間隔は不定であっても一列に配置されているものとする。したがって、無線ICタグ3の通過時刻を正確に把握すれば、荷物16の配置順も正確に把握することができる。
【0054】
ところで、無線ICタグ3の通過時刻を正確に把握するためには、無線ICタグ3が貼付される荷物16のサイズ、コンベヤ15に搭載された間隔、無線ICタグ3が貼付された方向も重要な要素となる。ただし、物流業界等における実際の利用を考慮すると、荷物16のサイズ、間隔、無線ICタグ3が貼付された方向はランダムである。
【0055】
そこで、荷物16のサイズおよび間隔については、図3に示すように、光電管等からなるセンサ12からの検出信号に基づいて判定する。ただし、図3は、コンベヤ15上に荷物16が配置された状態を上方から見た模式図である。また、無線ICタグ3が貼付された方向については、予め用意されているデータベース(無線ICタグ3を様々な方向に向けてアンテナ11の交信領域を通過させたときの電波強度が検出され、その検出結果の時系列パターンに無線ICタグ3の方向が対応付けて登録されている)と、実際に受信した電波強度の時系列パターンとのパターンマッチングに基づいて判定する(詳細は後述する)。
【0056】
図4は、PC14の構成例を示している。このPC14は、CPU(Central Processing Unit)21を内蔵している。CPU21にはバス24を介して、入出力インタフェース25が接続されている。バス24には、ROM(Read Only Memory)22およびRAM(Random Access Memory)23が接続されている。
【0057】
入出力インタフェース25には、ユーザによって操作されるキーボード、マウス等の入力デバイスよりなる入力部26、操作画面等を表示するCRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイよりなる出力部27、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部28、およびモデム、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インタネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部29が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどの記録媒体31に対してデータを読み書きするドライブ30が接続されている。
【0058】
さらに、入出力インタフェース25には、リーダ・ライタ13を接続するためのリーダ・ライタインタフェース(I/F)32、およびセンサ12を接続するためのセンサインタフェース(I/F)33が接続されている。
【0059】
PC14に後述するタグ通過時刻特定処理を実行させるプログラムは、記録媒体31に格納された状態でPC14に供給され、ドライブ30によって読み出されて記憶部28に内蔵されるハードディスクドライブにインストールされている。記憶部28にインストールされているプログラムは、入力部26に入力されるユーザからのコマンドに対応するCPU21の指令によって、記憶部28からRAM23にロードされて実行される。
【0060】
図5は、PC14のCPU21が当該プログラムを実行することによって実現される機能ブロックの第1の構成例を示している。
【0061】
リーダ・ライタ制御部41は、リーダ・ライタ13に対してリード要求を送信し、それに対応するリーダ・ライタ13の出力(受信信号と電波強度情報を含む)をタグ識別部42および電波強度検出部45に出力する。また、リーダ・ライタ制御部41は、無線ICタグ3に対して書き込むべき情報をリーダ・ライタ13に送信する。
【0062】
タグ識別部42は、リーダ・ライタ13から入力される受信信号に含まれる情報に基づき、当該受信信号を送信した無線ICタグ3を識別して、例えば図6Aに示されるような識別結果を補正部43に出力する。
【0063】
ここで、「無線ICタグ3を識別する」とは、無線ICタグ3に記録されているデータを読み取り、誤り訂正符号方式または誤り検出符号方式に基づいて、当該データの読み取りが正常に実行できたことを指す。
【0064】
図6Aは、各無線ICタグ3(いまの場合、タグA,B,C,D)の時系列のタグ識別成否パターンを示している。図6Aにおいて、1は無線ICタグ3が識別されたことを示し、0は識別されていないことを示す。また、以下、各無線ICタグ3を個々に識別するときにはタグA,B,C,Dと記載する。
【0065】
図6Aの例では、タイミングt1においてタグAが識別され、タイミングt2においては識別されず、タイミングt3においてタグAが識別され、タイミングt4においてタグA,Bが識別され、タイミングt5においてタグA,Dが識別され、タイミングt6においてタグA,B,Cが識別され、タイミングt7においてタグA,B,Cが識別され、タイミングt8においてタグB,Cが識別され、タイミングt9においてタグB,C,Dが識別されている。タイミングt10以降については省略する。
【0066】
図7は、図6Aに対応する折れ線グラフであり、図7Aに示す○印で示す折れ線がタグAの識別タイミングを示し、図7Bに示す×印で示す折れ線がタグBの識別タイミングを示している。タグC,Dに対応する折れ線は省略する。
【0067】
補正部43は、タグ識別部42から出力される時系列の識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づく所定の規則に従って補正し、通過時刻特定部44に出力する。以下、補正部43による補正を、平滑化あるいは平滑化処理とも記述する。
【0068】
所定の規則は例えば以下のように定める。ただし、以下の規則(1)乃至(5)は、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)の優先順で適用するものとする。
【0069】
(1)同一の無線ICタグ3に関し、1(識別されたことを示す)が2回以上連続している場合、その直前の1個の0(識別されていないことを示す)が1に挟まれているときには当該0を1に補正する。
(2)同一の無線ICタグ3に関し、1(識別されたことを示す)が2回以上連続している場合、その直後の1個の0(識別されていないことを示す)が1に挟まれているときには当該0を1に補正する。
(3)同一の無線ICタグ3に関し、1(識別されたことを示す)が2回以上連続している場合、その直前に存在する2個以上連続している0(識別されていないことを示す)に1が挟まれているときには当該1を0に補正する。
(4)同一の無線ICタグ3に関し、1(識別されたことを示す)が2回以上連続している場合、その直後に存在する2個以上連続している0(識別されていないことを示す)に1が挟まれているときには当該1を0に補正する。
(5)同一の無線ICタグ3に関し、0(識別されていないことを示す)に1が挟まれているときには当該1を0に補正する。
【0070】
図6Bは、図6Aに示された時系列のタグ識別成否パターンに、上述した規則(1)乃至(5)を適用して平滑化した結果(以下、平滑化タグ識別成否パターン)を示している。
【0071】
なお、図6Bにおいても、1は無線ICタグ3が識別されたと見なされることを示し、0は識別されていないと見なされることを示す。図6Bの例では、タグAについてはタイミングt1からt7において識別されたように平滑化されている。タグBについてはタイミングt4からt9において識別されたように平滑化されている。タグCについてはタイミングt6からt13において識別されたように平滑化されている。タグDについてはタイミングt9からt15において識別されたように平滑化されている。
【0072】
通過時刻特定部44は、補正部43から入力された時系列の平滑化タグ識別成否パターンを、各無線ICタグ3毎に受信タイミングの評価値に変換して、評価値が最大であるタイミングを各無線ICタグ3の通過時刻であると特定して対応付部50に出力する。以下、当該評価値の時系列パターンをタグ中心位置評価パターンと記述する。この変換は、具体的には、連続している1(識別されたことを示す)を、最も近傍の0(識別されていないことを示す)までの距離を示す評価値に変換する。例えば、平滑化タグ識別成否パターンが0011110である場合、タグ中心位置評価パターンとして0012210に変換される。したがって、例えば、図6Bに示された時系列の平滑化タグ識別成否パターンは、図6Cに示すタグ中心位置評価パターンに変換される。以下、通過時刻特定部44による、平滑化タグ識別成否パターンを評価値に変換する処理を、距離変換あるいは距離変換処理とも記述する。
【0073】
図6Cに示されたタグ中心位置評価パターンによれば、タグAの通過時刻はタイミングt4に特定される。タグAの通過時刻はタイミングt6とt7の中央に特定される。タグCの通過時刻はタイミングt9とt10の中央に特定される。タグDの通過時刻はタイミングt12に特定される。
【0074】
図8は、図6Cに対応する折れ線グラフであり、○印で示す折れ線がタグAの各タイミングにおける評価値を示し、×印で示す折れ線がタグBの各タイミングにおける評価値を示している。タグC,Dに対応する折れ線は省略している。図7と図8を比較して明らかなように、平滑化の識別結果(図7)では識別タイミングの中央が不明確であったが、識別結果を平滑化し、さらに平滑化済の識別結果を距離変換処理によって評価値に変換したことにより、識別タイミングの中央が明確となる。よって、通過時刻特定部44において、より正確な通過時刻を特定することが可能となる。
【0075】
なお、補正部43による平滑化処理、または通過時刻特定部44による距離変換処理の少なくとも一方を省略し、通過時刻特定部44において、平滑化処理または距離変換処理の少なくとも一方が省略された識別結果が示す、同一の識別結果が得られた期間の中央を通過時刻と特定するようにしてもよい。
【0076】
図5に戻る。電波強度検出部45は、リーダ・ライタ制御部41から供給されるリーダ・ライタ13の出力から受信信号の電波強度を検出して2値化部46に出力する。2値化部46は、電波強度検出部45によって検出された電波強度が所定の閾値以上であった時系列の電波強度の2値パターンを2値パターンマッチング部47に出力する。2値パターンマッチング部47は、2値化部46から入力される実際の電波強度の2値パターンと、データベース(DB)48に予め登録されている電波強度の2値パターンとのパターンマッチングを行い、マッチング結果に基づいて電波強度が測定された無線ICタグ3の貼付方向(空間的特徴)を特定して対応付部50に出力する。
【0077】
なお、パターンマッチングの代わりに、検出された2値パターンと、データベース48に登録されている2値パターンの特徴量をそれぞれ抽出し、抽出した特徴量を比較し、その比較結果(差、比等)に基づいて電波強度が測定された無線ICタグ3の貼付方向(空間的特徴)を特定するようにしてもよい。
【0078】
データベース48には、無線ICタグ3を様々な方向に向けてアンテナ11の前を様々な等速度で通過させたときの時系列の電波強度の2値パターンが、無線ICタグ3の貼付方向に対応付けられて予め登録されている。なお、貼付方向以外の空間的特徴も対応付けて登録するようにしてもよい。
【0079】
また、データベース48には、無線ICタグ3を様々な方向に向けてアンテナ11の前を1種類の等速度で通過させたときの時系列の電波強度の2値パターンを、無線ICタグ3の貼付方向に対応付けられて登録するだけでもよい。この場合、2値パターンマッチング部47において、実際に検出された2値パターンとデータベース48に登録されている2値パターンのうち、一方を他方で時間軸方向に正規化した後にパターンマッチングを行うようにする。
【0080】
荷物推定部49は、センサ12から入力される検出信号に基づき、コンベヤ15上の荷物16のサイズおよび間隔を推定して、推定結果を対応付部50に出力する。
【0081】
対応付部50は、荷物推定部49から入力される推定結果に基づき、通過時刻特定部44から入力される各無線ICタグ3の通過時刻と、2値パターンマッチング部47から入力される各無線ICタグ3の貼付方向と、1つの荷物16とを対応付けて、その対応付けた結果を後段に出力する。
【0082】
ここで、データベース48に電波強度の2値パターンを登録する方法について説明する。
【0083】
例えば図9Aに示すように、無線ICタグ3の面とアンテナ11の面とが平行である状態(無線ICタグ3の当該貼付方向をX方向と定義する)でアンテナ11の交信領域を通過させ、このとき、同図Bに示されるように電波強度が検出されたならば、同図Cに示される2値パターンが無線ICタグ3の貼付方向(X方向)に対応付けてデータベース48に登録される。
【0084】
また例えば図10Aに示すように、無線ICタグ3の面とアンテナ11の面とが直交し、且つ無線ICタグ3の面の垂線が移動方向と平行である状態(無線ICタグ3の当該貼付方向をY方向と定義する)でアンテナ11の交信領域を通過させ、そのとき同図Bに示されるように電波強度が検出されたならば、同図Cに示される2値パターンが無線ICタグ3の貼付方向(Y方向)に対応付けてデータベース48に登録される。
【0085】
また例えば図11Aに示すように、無線ICタグ3の面とアンテナ11の面とが直交し、且つ無線ICタグ3の面の垂線が移動方向と直交する状態(無線ICタグ3の当該貼付方向をZ方向と定義する)でアンテナ11の交信領域を通過させ、そのとき同図Bに示されるように電波強度が検出されたならば、同図Cに示される2値パターンが無線ICタグ3の貼付方向(Z方向)に対応付けてデータベース48に登録される。
【0086】
図12は、2値化部46から出力される電波強度の2値パターンと、2値パターンマッチング部47によって特定される貼付方向の関係を示している。例1に示す2値パターンが2値化部46から出力された場合、図9Cに示された2値パターンと一致するので、貼付方向はX方向であると特定される。例2に示す2値パターンが2値化部46から出力された場合、図10Cに示された2値パターンと一致するので、貼付方向はY方向であると特定される。例3に示す2値パターンが2値化部46から出力された場合、図11Cに示された2値パターンと一致するので、貼付方向はZ方向であると特定される。例4に示す2値パターンが2値化部46から出力された場合、図9Cに示された2値パターンと一致するので、貼付方向はX方向であると特定される。
【0087】
なお、データベース48には、図9乃至図11に示されたX,Y,Z方向以外の方向にそれぞれ対応する電波強度の2値パターンも予め登録しておくようにしてもよい。また、貼付されている無線ICタグ3の貼付方向の他床面からの高さ、アンテナ11からの距離等の空間的特徴も対応付けて登録しておくようにしてもよい。
【0088】
次に、図5に示されたPC14の第1の構成例によるタグ通過時刻特定処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0089】
ステップS1において、リーダ・ライタ制御部41がリーダ・ライタ13に対してリード要求を行う。これに対応してリーダ・ライタ13がアンテナ11に電磁波の輻射を開始させる。アンテナ11の交信領域に存在する各無線ICタグ3は、この電磁波の輻射から電力の供給を受け、その電力を利用して記憶している情報(無線ICタグ3を識別するための情報、荷物の配送先等を示す情報等)を電磁波として返信する。この返信をアンテナ11が受信し、受信結果をリーダ・ライタ13が所定の時間間隔で受信信号に変換し、リーダ・ライタ制御部41に出力し始める。また、アンテナ11によって受信される無線ICタグ3から返信された電磁波の電波強度もリーダ・ライタ制御部41に出力し始める。
【0090】
電波強度検出部45は、リーダ・ライタ制御部41から供給されるリーダ・ライタ13の出力から電波強度を検出して2値化部46に出力し、2値化部46が、電波強度検出部45によって検出された電波強度を所定の閾値と比較することによって時系列の電波強度の2値パターンを生成し、2値パターンマッチング部47に出力し始める。一方、荷物推定部49はセンサ12から入力される検出信号に基づき、コンベヤ15上の荷物16のサイズおよび間隔の推定を開始し、推定結果を対応付部50に出力し始める。
【0091】
ステップS2において、タグ識別部42がリーダ・ライタ13から入力された受信信号に含まれる情報に基づき、当該受信信号を送信した無線ICタグ3を識別して、識別結果(例えば図6Aに示されたもの)を補正部43に出力し始める。
【0092】
ステップS3において、補正部43が、タグ識別部42から入力される識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づく所定の規則に従って平滑化、平滑化済の識別結果(例えば図6Bに示されたもの)を通過時刻特定部44に出力する。ステップS4において、通過時刻特定部44が、補正部43から入力された平滑化済の識別結果を、距離変換処理によって評価値に変換し(例えば図6Cに示されたもの)、評価値が最大であるタイミングを各無線ICタグ3の通過時刻であると特定して対応付部50に出力する。
【0093】
なお、ステップS3における補正部43による平滑化処理、またはステップS4における通過時刻特定部44による距離変換処理の少なくとも一方を省略して、通過時刻特定部44が、平滑化処理または距離変換処理の少なくとも一方が省略された識別結果が示す、同一の識別結果が得られた期間の中央を通過時刻と特定するようにしてもよい。
【0094】
ステップS5において、2値パターンマッチング部47が、2値化部46から入力された、時系列の電波強度の2値パターンと、データベース48に予め登録されている2値パターンとのパターンマッチングを行い、一致した2値パターンに対応付けられている貼付方向を、電波強度が測定された無線ICタグ3の貼付方向であると特定して対応付部50に出力する。
【0095】
ステップS6において、対応付部50が、通過時刻特定部44から入力された各無線ICタグ3の通過時刻と、2値パターンマッチング部47から入力された無線ICタグ3の貼付方向とを、荷物推定部49から入力された推定結果を利用して1つの荷物16に対応付けて、その対応付けた結果を後段に出力する。
【0096】
ステップS7において、リーダ・ライタ13が、リーダ・ライタ制御部41から入力される所定の情報(例えば、当該無線ICタグ3の認識が成功したことを示す情報等)を電磁波に変換してアンテナ11に出力させる。これにより、無線ICタグ3に当該所定の情報が記録される。
【0097】
なお、上述したステップS2乃至ステップS7の処理は、上段からの入力に対して断続的に並列して実行される。以上、PC14の第1の構成例によるタグ通過時刻特定処理の説明を終了する。
【0098】
次に、図14はPC14のCPU21が所定のプログラムを実行することによって実現される機能ブロックの第2の構成例を示している。
【0099】
リーダ・ライタ制御部61は、リーダ・ライタ13に対してリード要求を送信し、それに対応するリーダ・ライタ13の出力(受信信号と電波強度情報を含む)をタグ識別部62および電波強度検出部65に出力する。また、リーダ・ライタ制御部61は、無線ICタグ3に対して書き込むべき情報をリーダ・ライタ13に送信する。
【0100】
タグ識別部62は、リーダ・ライタ13から入力される受信信号に含まれる情報に基づき、当該受信信号を送信した無線ICタグ3を識別し、順次、識別結果を補正部63に出力する。
【0101】
図15は、タグ識別部62から出力される識別結果の一例を表にまとめたものである。図15Aにおいて、1は識別されたことを示し、0は識別されていないことを示す。すなわち、図15Aの例では、タイミングt1乃至t3においてタグAが、タイミングt4においてタグBが、タイミングt5においてタグAが、タイミングt6においてタグBが、タイミングt7においてタグAが、タイミングt8およびt9においてタグBが、タイミングt10においてタグCが識別されたことを示している。タイミングt11以降については省略する。
【0102】
補正部63は、タグ識別部62から入力される時系列の識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づく所定の規則(例えば上述した規則(1)乃至(6))に従って平滑化し、通過時刻推定部64に出力する。
【0103】
図15Bは、図15Aに示された時系列の識別結果に、上述した規則(1)乃至(5)を適用して平滑化した結果を示している。
【0104】
なお、図15Bにおいても、1は識別されたことを示し、0は識別されていないことを示す。図15Bの例では、タグAについてはタイミングt1からt5、およびt7において識別されたように平滑化されている。タグBについてはタイミングt4、およびt6からt9において識別されたように平滑化されている。タグCについてはタイミングt10およびt11において識別されたように平滑化されている。タグDについてはタイミングt13からt17において識別されたように平滑化されている。
【0105】
通過時刻推定部64は、「平滑化済の識別結果が示す各無線ICタグ3が連続して識別された期間に、各無線ICタグ3の通過時刻が含まれている」との考えに基づき、各無線ICタグ3の通過時刻を推定し、この推定結果をパターンマッチング部66に出力する。例えば、図15Bに示された平滑化済の識別結果から、タグAの通過時刻はタイミングt1からt5の期間に含まれる、タグBの通過時刻はタイミングt6からt9の期間に含まれる、タグCの通過時刻はタイミングt10からt11の期間に含まれる、タグDの通過時刻はタイミングt13からt7の期間に含まれる、と推定される。なお、通過時刻推定部64において、図5の通過時刻特定部44と同様、平滑化済の識別結果を距離変換処理によって評価値に変換し、その評価値に基づいて各無線ICタグ3の通過時刻をより詳細に推定するようにしてもよい。
【0106】
電波強度検出部65は、リーダ・ライタ制御部61から供給されるリーダ・ライタ13の出力から受信信号の電波強度を検出してパターンマッチング部66に出力する。パターンマッチング部66は、通過時刻推定部64から入力される各無線ICタグ3に対して推定された通過時刻を参考にして、電波強度検出部65から入力される受信信号の電波強度の時系列の変化パターンと、データベース(DB)67に予め登録されている電波強度の時系列の変化パターンとのパターンマッチングを行い、マッチング結果に基づいて交信した無線ICタグ3の貼付方向および通過時刻を特定して対応付部69に出力する。
【0107】
データベース67には、無線ICタグ3を様々な方向に向けてアンテナ11の前を様々な等速度で通過させたときの受信信号の電波強度の時系列の変化パターンが、無線ICタグ3の貼付方向および通過時刻に対応付けられて予め登録されている。
【0108】
例えば図9Aに示されたように、無線ICタグ3の面とアンテナ11の面とが平行である状態(無線ICタグ3の当該貼付方向をX方向と定義する)でアンテナ11の交信領域を通過させ、そのとき同図Bに示されるように電波強度が検出されたならば、同図Bに示された電波強度の変化パターンに、無線ICタグ3の貼付方向(X方向)および通過時刻(例えば、同図Bに示された電波強度の変化パターンの期間内に予め設定した通過時刻)が対応付けされてデータベース67に登録される。
【0109】
また例えば図10Aに示されたように、無線ICタグ3の面とアンテナ11の面とが直交し、且つ無線ICタグ3の面の垂線が移動方向と平行である状態(無線ICタグ3の当該貼付方向をY方向と定義する)でアンテナ11の交信領域を通過させ、そのとき同図Bに示されるように電波強度が検出されたならば、同図Bに示された電波強度の変化パターンに、無線ICタグ3の貼付方向(Y方向)および通過時刻(例えば、同図Bに示された電波強度の変化パターンの期間内に予め設定した通過時刻)が対応付けされてデータベース67に登録される。
【0110】
また例えば図11Aに示すように、無線ICタグ3の面とアンテナ11の面とが直交し、且つ無線ICタグ3の面の垂線が移動方向と直交する状態(無線ICタグ3の当該貼付方向をZ方向と定義する)でアンテナ11の交信領域を通過させ、そのとき同図Bに示されるように電波強度が検出されたならば、同図Bに示された電波強度の変化パターンに、無線ICタグ3の貼付方向(Z方向)および通過時刻(例えば、同図Bに示された電波強度の変化パターンの期間内に予め設定した通過時刻)が対応付けされてデータベース67に登録される。
【0111】
なお、図9乃至図11に示されたX,Y,Z方向以外の方向に対応する電波強度の変化パターンも、データベース67に予め登録するようにしてもよい。また、貼付されている無線ICタグ3の貼付方向の他、床面からの高さ、アンテナ11からの距離等の空間的特徴も対応付けて登録しておくようにしてもよい。
【0112】
データベース67には、無線ICタグ3を様々な方向に向けてアンテナ11の前を1種類の等速度で通過させたときの受信信号の電波強度の時系列の変化パターンを、無線ICタグ3の貼付方向および通過時刻に対応付けられて予め登録するだけでもよい。この場合、パターンマッチング部66において、実際に検出された電波強度の変化パターンとデータベース67に登録されている2変化パターンのうち、一方を他方で時間軸方向に正規化した後にパターンマッチングを行うようにする。
【0113】
荷物推定部68は、センサ12から入力される検出信号に基づき、コンベヤ15上の荷物16のサイズおよび間隔を推定して、推定結果を対応付部69に出力する。
【0114】
対応付部69は、荷物推定部68から入力される推定結果に基づき、パターンマッチング部66から入力される各無線ICタグ3の貼付方向および通過時刻と、1つの荷物16を対応付けて後段に出力する。
【0115】
次に、図14に示されたPC14の第2の構成例によるタグ通過時刻特定処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。なお、当該タグ通過時刻特定処理は、アンテナ11の交信境域に無線ICタグ3が1つ存在する場合を想定する。
【0116】
ステップS11において、リーダ・ライタ制御部61がリーダ・ライタ13に対してリード要求を行う。これに対応してリーダ・ライタ13がアンテナ11に電磁波の輻射を開始させる。アンテナ11の交信領域に存在する無線ICタグ3は、この電磁波により電力の供給を受け、この電力を利用して記憶している情報(無線ICタグ3を識別するための情報、荷物の配送先等を示す情報等)を電磁波として返信する。この返信をアンテナ11が受信し、受信結果をリーダ・ライタ13が所定の時間間隔で受信信号に変換し、リーダ・ライタ制御部61に出力し始める。また、アンテナ11によって受信される無線ICタグ3から返信された電磁波の電波強度もリーダ・ライタ制御部61に出力し始める。
【0117】
電波強度検出部65は、リーダ・ライタ制御部61から供給されるリーダ・ライタ13の出力から電波強度を検出し、その検出結果をパターンマッチング部66に出力し始める。一方、荷物推定部68はセンサ12から入力される検出信号に基づき、コンベヤ15上の荷物16のサイズおよび間隔の推定を開始し、推定結果を対応付部69に出力し始める。
【0118】
ステップS12において、タグ識別部62がリーダ・ライタ13から入力された受信信号に含まれる情報に基づき、当該受信信号を送信した無線ICタグ3を識別して、識別結果(例えば図15Aに示されたもの)を補正部63に出力する。
【0119】
ステップS13において、補正部63が、タグ識別部62から連続的に出力される識別結果を、同一の識別結果の連続性に基づく所定の規則に従って平滑化し、平滑化済の識別結果(例えば図15Bに示されたもの)を通過時刻推定部64に出力する。ステップS14において、通過時刻推定部64が、補正部63から入力された平滑化済の識別結果に基づいて、各無線ICタグ3の通過時刻を推定してパターンマッチング部66に出力する。なお、平滑化済の識別結果に距離変換処理を行って評価値に変換し、評価値に基づいて各無線ICタグ3の通過時刻を推定してパターンマッチング部66に出力するようにしてもよい。
【0120】
ステップS15において、パターンマッチング部66が、通過時刻推定部64から入力された各無線ICタグ3に対して推定されている通過時刻を参考にして、電波強度検出部65から連続的に入力された受信信号の電波強度の時系列の変化パターンと、データベース67に予め登録されている電波強度の時系列の変化パターンとのパターンマッチングを行う。そして、データベース67に予め登録されている電波強度の時系列の変化パターンのうち、電波強度検出部65の出力と一致した電波強度の変化パターンに対応付けられている貼付方向および通過時刻を、交信した無線ICタグ3の貼付方向および通過時刻に特定して対応付部69に出力する。
【0121】
ステップS16において、対応付部69が、荷物推定部68から入力される推定結果に基づき、パターンマッチング部66から入力された各無線ICタグ3の貼付方向および通過時刻とを対応付けて、その対応付けた結果を後段に出力する。
【0122】
ステップS17において、リーダ・ライタ13が、リーダ・ライタ制御部61から入力される所定の情報(例えば、当該無線ICタグ3の認識が成功したことを示す情報等)を電磁波に変換してアンテナ11に出力させる。これにより、無線ICタグ3に当該所定の情報が記録される。
【0123】
なお、上述したステップS12乃至ステップS17の処理は、上段からの入力に対して断続的に並列して実行される。以上、PC14の第2の構成例によるタグ通過時刻特定処理の説明を終了する。
【0124】
以上説明したように、本発明によれば、アンテナの交信領域を通過する各無線ICタグの通過時刻を把握することができるので、コンベヤによって移動される無線ICタグが貼付された荷物の配置順を正しく認識することができる。また、本発明によれば、無線ICタグの貼付方向を把握することもできる。よって、例えば物業界等においては、無線ICタグの通過時刻と貼付方向の情報を、無線ICタグを貼付した荷物を正確に仕分けることに利用することができる。
【0125】
なお、本明細書において、プログラムに基づいて実行されるステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0126】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0127】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】アンテナの交信領域内に同時に複数の無線ICタグが存在する状態を示す図である。
【図2】本発明を適用したタグ通信システムの構成例を示す図である。
【図3】コンベヤ15上の荷物とセンサから出力された検出信号を示す図である。
【図4】図2のPCの構成例を示すブロック図である。
【図5】PCによって実現される機能ブロックの第1の構成例を示す図である。
【図6】図5のタグ認識部による識別結果、補正部による補正結果、および通過時刻特定部による変換結果を示す図である。
【図7】図6Aの示された認識結果に対応するグラフである。
【図8】図6Cに示された評価値に対応するグラフである。
【図9】データベースに登録する受信パターンについて説明するための図である。
【図10】データベースに登録する受信パターンについて説明するための図である。
【図11】データベースに登録する受信パターンについて説明するための図である。
【図12】受信結果と受信パターンのパターンマッチングの例を示す図である。
【図13】図5に示された機能ブロックの第1の構成例によるタグ通過時刻特定処理を説明するフローチャートである。
【図14】PCによって実現される機能ブロックの第2の構成例を示す図である。
【図15】図14のタグ認識部による識別結果、および補正部による補正結果を示す図である。
【図16】図14に示された機能ブロックの第2の構成例によるタグ通過時刻特定処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0129】
10 タグ通信システム
11 アンテナ
12 センサ
13 リーダ・ライタ
14 PC
15 コンベヤ
16 荷物
21 CPU
31 記録媒体
41 リーダ・ライタ制御部
42 タグ識別部
43 補正部
44 通過時刻特定部
45 電波強度検出部
46 2値化部
47 2値パターンマッチング部
48 データベース
49 荷物推定部
50 対応付部
61 リーダ・ライタ制御部
62 タグ識別部
63 補正部
64 通過時刻推定部
65 電波強度検出部
66 パターンマッチング部
67 データベース
68 荷物推定部
69 確認部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動される無線ICタグであり、情報が記録された記録媒体および前記情報を送信するアンテナを内蔵する前記無線ICタグと無線通信する通信手段と、
前記通信手段の出力に基づき、前記通信手段と無線通信した無線ICタグを識別する識別手段と、
前記識別手段から出力された時系列の識別結果に基づいて、前記無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定手段と
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記識別手段から出力された時系列の識別結果を、同一の前記識別結果の連続性に基づいて補正する補正手段をさらに含み、
前記特定手段は、補正済の識別結果に基づいて、無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記補正手段は、時系列の識別結果に対して平滑化処理、または距離変換処理の少なくとも一方を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記無線ICタグが貼付され、連続的に配置されて移動される対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づき、前記特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
移動される無線ICタグであって、情報が記録された記録媒体および前記情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信ステップと、
前記通信ステップの処理の出力に基づき、前記通信ステップの処理で無線通信した無線ICタグを識別する識別ステップと、
前記識別ステップの処理の出力された時系列の識別結果に基づいて、前記無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、前記対象物に関する情報が記録された記録媒体および前記情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段と、
前記通信手段の出力に基づいて、前記通信手段と無線通信した前記無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出手段と、
前記対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが前記対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの前記空間的特徴が対応付けて登録されているデータベースと、
前記データベースと、前記検出手段から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとのパターンマッチングにより、前記通信手段と無線通信した前記無線ICタグの空間的特徴を特定する特定手段と
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
連続的に配置されて移動される前記対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づき、前記特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、前記対象物に関する情報が記録された記録媒体および前記情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信ステップと、
前記通信ステップの処理の出力に基づいて、前記通信ステップの処理で無線通信した前記無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出ステップと、
前記対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが前記対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、無線ICタグの空間的特徴が対応付けて登録されているデータベースと、前記検出ステップの処理から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、前記通信ステップの処理で無線通信した前記無線ICタグの空間的特徴を特定する特定ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、前記対象物に関する情報が記録された記録媒体および前記情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信手段と、
前記通信手段の出力に基づいて、前記通信手段と無線通信した前記無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出手段と、
前記対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが前記対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、前記無線ICタグの空間的特徴および前記無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが対応付けて登録されているデータベースと、
前記データベースと前記検出手段から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、前記通信手段と無線通信した前記無線ICタグの空間的特徴および前記無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定手段と
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
連続的に配置されて移動される前記対象物のサイズまたは配置間隔の少なくとも一方を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づき、前記特定手段の特定結果を1つの対象物に対応付ける対応付け手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
連続的に配置されて移動される対象物にそれぞれ取り付けられ、前記対象物に関する情報が記録された記録媒体および前記情報を送信するアンテナを内蔵する無線ICタグと無線通信する通信ステップと、
前記通信ステップの処理の出力に基づいて、前記通信ステップの処理で無線通信した前記無線ICタグからの電磁波強度を検出する検出ステップと、
前記対象物に所定の空間的特徴を有する状態で取り付けられた無線ICタグが前記対象物とともに移動されたときに検出される電磁波強度の時系列の変化パターンに、前記無線ICタグの空間的特徴および前記無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングが対応付けて登録されているデータベースと前記検出ステップの処理から出力される電磁波強度の時系列の変化パターンとを比較し、この比較結果に基づいて、前記通信ステップの処理で無線通信した前記無線ICタグの空間的特徴および前記無線ICタグが所定の位置を通過したタイミングを特定する特定ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−297172(P2006−297172A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117824(P2005−117824)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】