説明

情報処理装置及び冷却方法

【課題】LSIのタスクに応じて、LSI及びファンの動作を制御することにより、処理能力及び冷却性能をともに維持し得る情報処理装置及び冷却方法を提供する。
【解決手段】複数の集積回路と、複数の集積回路を冷却する複数のファンと、複数の集積回路及び複数のファンの動作を制御する制御部とを備え、制御部は、複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、複数のファンからの制御信号に基づいて、故障したファンを特定し、特定したファンが冷却対象として冷却していた集積回路の使用量に基づいて、複数の集積回路又は複数のファンの何れか又は両方の動作を制御することを特徴とする情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び冷却方法に関し、特に冷却機能を備えた情報処理装置及び情報処理装置における冷却方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の情報処理装置は、多数の集積回路(LSI:Large Scale Integration)を備えて構成される。一般に、LSIは、温度に依存して安定動作するところ、何らかの処理を行っている場合には熱を発生する。従って、LSIは、例えば処理を行う時間が長時間におよぶ場合には許容可能温度を超過してしまい、動作が不安定になる場合がある。そしてその結果、LSIは、間違った処理結果を出力する場合やLSI内の回路に損傷を受ける場合等がある。
【0003】
そこで従来、ファン等の強制冷却機構を備えた情報処理装置が存在する。この情報処理装置によれば、強制冷却機構によりLSIの動作中はLSIから発生する熱を除去することができ、LSIの安定動作を実現することができる。
【0004】
また従来、ファンが故障した場合でも冷却性能を維持させるべく、ファンを冗長化して構成される情報処理装置が存在する。ファンを冗長化して構成される情報処理装置としては、例えば複数のファンを備えて構成される情報処理装置又は最大回転数で回転した場合に余剰の冷却性能を発揮するファンを備えて構成される情報処理装置がある。このファンを冗長化して構成される情報処理装置によれば、冷却性能を余剰にもつことができるため、例えばサーバ等の高信頼性が求められる場合であっても、LSIの安定動作を実現することができる。
【0005】
ファンを冗長化して構成される情報処理装置の具体的構成については、次の通りである。すなわち複数のファンを備えて構成されることによりファンを冗長化した場合、複数のファンは、複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合であっても、その故障したファンの前方又は後方に配置された余剰のファンによりLSIの安定動作に十分な冷却性能を維持することができる。
【0006】
またファンを冗長化して構成される情報処理装置の他の具体的構成については、次の通りである。すなわち最大回転数で回転した場合に余剰の冷却性能を発揮するファンを備えて構成されることによりファンを冗長化した場合、ファンは、通常時には一定の回転数に制限されて回転し、一又は複数のファンが故障した障害時においては最大回転数で回転することによりLSIの安定動作に十分な冷却性能を維持することができる。
【0007】
ここで、複数のファンを備えることによりファンを冗長化した場合、ファンの設置によりファン以外の構成モジュールを情報処理装置に実装することができなくなるという問題が生じ得る。
【0008】
また最大回転数で回転した場合に余剰の冷却性能を発揮するファンを備えることによりファンを冗長化した場合、一又は複数のファンが故障した故障時において、ファンから発生する騒音が増大する問題及びファンが消費する消費電力が増大するという問題が生じ得る。
【0009】
そこで特許文献1には、一又は複数のファンが故障した故障時において、温度等の環境要素に基づいてLSIのクロック速度を自動的に低下させることにより、発生する熱の増大を抑制し、LSIの安定動作を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−186566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、LSIのクロック速度を自動的に低下させると、そのLSIにより実行途中の処理(タスク)が規定時間以内に処理されなくなり、情報処理装置全体の処理能力が低下することになるため問題となる。
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、LSIのタスクに応じて、LSI及びファンの動作を制御することにより、処理能力及び冷却性能をともに維持し得る情報処理装置及び冷却方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するために、本発明においては、複数の集積回路と、前記複数の集積回路を冷却する複数のファンと、前記複数の集積回路及び前記複数のファンの動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記複数のファンからの制御信号に基づいて、故障したファンを特定し、前記特定したファンが冷却対象として冷却していた集積回路の使用量に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御することを特徴とする。
【0014】
また本発明においては、複数の集積回路と、前記複数の集積回路を冷却する複数のファンと、前記複数の集積回路及び前記複数のファンの動作を制御する制御部とを備えた情報処理装置の冷却方法において、前記制御部が、前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記複数のファンからの制御信号に基づいて、故障したファンを特定する第1のステップと、前記特定したファンが冷却対象として冷却していた集積回路の使用量に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する第2のステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、LSIのタスクに応じて、LSI及びファンの動作を制御することにより、処理能力及び冷却性能をともに維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態における情報処理装置の機能ブロック図である。
【図2】LSIの使用量が制御マイコンに通知されることを示す概念図である。
【図3】LSI及びファンの動作を制御するための設定テーブルの概念図である。
【図4】ファン障害時処理の処理手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0018】
図1は、本実施の形態における情報処理装置100の全体構成図を示す。情報処理装置100は、マザーボード101、ファン102〜105、LSI106〜108、チップセット109、マイクロホン110、制御マイコン111、不揮発メモリ112及び障害通知手段113を備えて構成される。
【0019】
マザーボード101は、電子装置を構成するための主要な電子回路基板である。マザーボード101は、ここではLSI106〜108、チップセット109、制御マイコン111、不揮発メモリ112及び障害通知手段113を実装して構成される。
【0020】
ファン102〜105は、マザーボード101上に実装され、制御マイコン111に接続される。またファン102〜105は、故障した場合に故障したことを通知する故障通知信号S1を制御マイコン111に出力する。なお故障通知信号S1は、ファン102〜105のうちの故障したファンを検知することができればよく、例えばファンの回転数を出力する信号でもよい。
【0021】
またファン102〜105は、制御マイコン111からファン回転数制御信号S2を入力する。ファン102〜105は、制御マイコン111からのファン回転数制御信号S2に基づいて、ファンの回転数を制御しつつファンを回転することにより、情報処理装置100内部を冷却し、情報処理装置100の正常動作を維持する。
【0022】
LSI106〜108は、マザーボード101上に実装され、制御マイコン111に接続される。LSI106〜108は、制御マイコン111から省電力制御信号S3を入力すると、通常モードから省電力モードに切り替えて、各種処理を実行する省電力機能を備えて構成される。通常モードとは、予め定められた消費電力により各種処理を実行するモードであり、省電力モードとは、通常モードよりも低い消費電力により各種処理を実行するモードである。
【0023】
チップセット109は、マザーボード101上に実装され、バスBS1を介して制御マイコン111に接続される。チップセット109は、情報処理装置100の主要な処理を行うLSIであり、LSI106〜108と同様、制御マイコン111から省電力制御信号S4を入力すると、通常モードから省電力モードに切り替えて、各種処理を実行する省電力機能を備えて構成される。
【0024】
マイクロホン110は、バスBS2を介して制御マイコン111に接続される。マイクロホン110は、情報処理装置100の外部の騒音値を感知し、感知した騒音値を制御マイコン111に出力する。
【0025】
制御マイコン111は、マザーボード101上に実装され、ファン102〜105、LSI106〜108、チップセット109、マイクロホン110、不揮発メモリ112及び障害通知手段113とそれぞれ接続される。制御マイコン111は、バスBS1を介して、LSI106〜108又はチップセット109の各使用量を取得する(図2参照)。また制御マイコン111は、バスBS2を介して、マイクロホン110からの騒音値を取得する。
【0026】
なお制御マイコン111は、情報処理装置100の原価や実装容積の制約により、バスBS1を介してLSI106〜109の各使用量を取得するか、或いはバスBS2を介して情報処理装置100の外部の騒音値を取得するかの何れか一方だけでもよい。また制御マイコン111は、バスBS1により、情報処理装置100全体の処理能力の使用量だけを取得するとしてもよい。
【0027】
そして制御マイコン111は、LSI106〜108又はチップセット109とは独立して、LSI106〜108又はチップセット109について省電力モードへの切り替え制御を実行し、又はファン102〜105について回転数の制御を実行する(図4参照)。
【0028】
不揮発メモリ112は、マザーボード101上に実装され、制御マイコン111に接続される。不揮発メモリ112は、ファン102〜105のうちの何れかのファンが故障した場合、LSI106〜108のそれぞれに設定すべき最適なモード及びファン102〜105の正常な回転数が設定された設定テーブル(図3参照)を予め格納する。
【0029】
障害通知手段113は、マザーボード101上に実装され、制御マイコン111に接続される。障害通知手段113は、光又は音により障害が発生していることを通知する機能を備えて構成され、例えばLEDやブザー等により構成される。
【0030】
図2は、情報処理装置100におけるオペレーティングシステム200の概念図を示す。オペレーティングシステム200は、ハードウェア部201、OS部202及びアプリケーション部203から構成される。
【0031】
ハードウェア部201は、LSI106〜108及びチップセット109から構成され、これらLSI106〜108及びチップセット109により、OS部202を動作する。
【0032】
OS部202は、ハードウェア部201上で動作し、LSI106〜108及びチップセット109のそれぞれの使用量を管理する。
【0033】
アプリケーション部203は、タスク301〜303及びLSI使用量監視アプリケーション304から構成され、OS部202上で動作する。タスク301〜303は、情報処理装置100の各処理を実行し、またLSI使用量監視アプリケーション304は、タスク301〜303により使用されるLSI106〜108及びチップセット109の使用量を取得して、取得した使用量をチップセット109及びバスBS1を介して、制御マイコン111に通知する。
【0034】
図3は、設定テーブル400の概念図を示す。設定テーブル400は、LSI106〜108、チップセット109及びファン102〜105の動作を制御するためのテーブルであり、不揮発メモリ112に格納され、制御マイコン111により、ファン障害時処理(図4参照)を実行する際に用いられる。
【0035】
設定テーブル400は、外部騒音値欄401、LSI使用量欄402、ファン状態欄403、省電力設定欄404及びファン回転数設定欄405から構成される。
【0036】
外部騒音値欄401には、マイクロホン110から取得される外部騒音値の情報が格納される。ここでは外部騒音値の情報として、「高」又は「低」の何れかが格納される。
【0037】
LSI使用量欄402には、チップセット109により取得されるLSI106〜108及びチップセット109の使用量の情報が格納される。ここでは使用量の情報として、「高」又は「低」の何れかが格納される。
【0038】
ファン状態欄403には、ファン102〜105からの故障通知信号S1に基づいて判定される正常又は異常を示す情報が格納される。
【0039】
省電力設定欄404には、LSI106〜108及びチップセット109に設定される省電力設定が格納される。ここでは省電力設定として、「通常」、「モード1」、「モード2」又は「モード3」等の複数のモードが格納される。
【0040】
ファン回転数設定欄405には、ファン102〜105に設定されるファン回転数の情報が格納される。ここではファン回転数の情報として、「通常」、「停止」、「回転数1」又は「回転数2」等の複数のファン回転数の情報が格納される。
【0041】
制御マイコン111は、ファン102〜105の何れかのファンが故障した故障時において、故障時に実際に取得した外部騒音値、各LSIの使用量及び各ファンの状態と、設定テーブル400の外部騒音値欄401、LSI使用量欄402及びファン状態欄403にそれぞれ格納された外部騒音値、各LSIの使用量及び各ファンの状態とが一致する行を検索し、検索結果として得られた行の省電力設定欄404及びファン回転数設定欄405に格納された省電力設定及びファン回転数の設定がLSI106〜108、チップセット109及びファン102〜105(故障したファンを除く)に適用されることになる。
【0042】
従って、図3の場合、ファン故障時における外部騒音値及びLSI使用量が例えば行406の外部騒音値欄401及びLSI使用量欄402に格納された外部騒音値及びLSI使用量と一致する場合、外部騒音を増加させずに冷却性能を維持するべく、できるだけファンの回転数を上げないように制御する一方で、LSIのクロック速度を低下させるように制御することが示されている。LSIのクロック速度を低下させるように制御したとしても、もともとLSIの使用量が低いため情報処理装置100全体として処理能力が低下することはない。
【0043】
また図3の場合、ファン故障時における外部騒音値及びLSI使用量が例えば行407の外部騒音値欄401及びLSI使用量欄402に格納された外部騒音値及びLSI使用量と一致する場合、上述した行406と同様、外部騒音を増加させずに冷却性能を維持するべく、できるだけファンの回転数を上げないように制御する一方で、LSI1以外のLSIのクロック速度を低下させるように制御することが示されている。LSI1以外のLSIのクロック速度を低下させるように制御したとしても、もともとLSI1以外のLSIの使用量は低いため情報処理装置100全体として処理能力が低下することはない。またLSI1については、クロック速度を低下させないように制御することにより、情報処理装置100全体として処理能力が低下することはない。
【0044】
また図3の場合、ファン故障時における外部騒音値及びLSI使用量が例えば行408の外部騒音値欄401及びLSI使用量欄402に格納された外部騒音値及びLSI使用量と一致する場合、外部騒音が高く、LSI2の使用量が高いため、ファンの回転数を上げるように制御する一方で、LSI2以外のLSIのクロック速度を低下させるように制御することが示されている。ファンの回転数を上げるように制御したとしても、もともと外部騒音値は高いため近くにいる人物に与える不快感は少なく問題とはならない。またLSI2以外のLSIのクロック速度を低下させるように制御したとしても、もともとLSI2以外のLSIの使用量は低いため情報処理装置100全体として処理能力が低下することはない。またLSI2については、クロック速度を低下させないように制御することにより、情報処理装置100全体として処理能力が低下することはない。
【0045】
また図3の場合、ファン故障時における外部騒音値及びLSI使用量が例えば行409の外部騒音値欄401及びLSI使用量欄402に格納された外部騒音値及びLSI使用量と一致する場合、外部騒音が高く、全てのLSIの使用量が高いため、ファンの回転数を上げるように制御する一方で、LSIのクロック速度は維持するように制御することが示されている。ファンの回転数を上げるように制御したとしても、もともと外部騒音値は高いために近くにいる人物に与える不快感は少なく問題とはならない。また全てのLSIのクロック速度は低下させずに維持するように制御するため、情報処理装置100全体としての処理能力が低下することはなく、実行中のタスクを規定時間以内に処理させることができる。
【0046】
なお上述した制御内容は一例であり、他にも様々な制御内容を設定テーブル400に設定してもよい。例えば外部騒音値は参照せずにブランクに設定し、各LSIの使用量にあわせて省電力設定を行ってもよい。また逆に、LSIの使用量は参照せずにブランクに設定し、外部騒音に合せてファンの回転数を上げるように設定するかLSIの発熱量を抑制するように設定してもよい。
【0047】
図4は、ファン障害時処理の処理手順を示す。制御マイコン111は、ファン102〜105の何れかのファンが故障した故障時に備えて、定期的にこの図4に示す処理手順に従って、ファン障害時処理を実行する。
【0048】
まず、制御マイコン111は、定期的に故障通知信号S1を監視して、ファン102〜105の動作状態(正常又は異常)についてチェックする(SP1)。
【0049】
次いで、制御マイコン111は、チェックした結果、ファン102〜105のうちの何れかのファンに故障があるか否かを判断する(SP2)。
【0050】
制御マイコン111は、この判断で否定結果を得ると、ステップSP1に移行して、定期的にファンの故障をチェックする。
【0051】
これに対し、制御マイコン111は、ステップSP1の判断で肯定結果を得ると、ファン102〜105からの故障通知信号S1に基づいて、故障したファンを特定する(SP3)。
【0052】
次いで、制御マイコン111は、バスBS1を介してLSI106〜108及びチップセット109の使用量を取得し、かつ、バスBS2を介して外部騒音値を取得する(SP4)。
【0053】
制御マイコン111は、設定テーブル400を参照して、ステップSP1でチェックした結果得られたファン102〜105の動作状態(正常又は異常)の情報、ステップSP4で取得した各LSIの使用量及び外部騒音値と一致する行を検索し、検索結果として得られた行の省電力設定欄404及びファン回転数設定欄405に格納されている各LSIの省電力設定及び各ファンの回転数設定を取得する(SP5)。
【0054】
制御マイコン111は、ステップSP5で取得した各LSIの省電力設定及び各ファンの回転数設定に基づいて、省電力制御信号S3及びS4により、LSI106〜108及びチップセット109の動作を制御し、ファン回転数制御信号S2により、ファン102〜105の回転数を制御する(SP6)。
【0055】
制御マイコン111は、LEDやブザー等の障害通知手段113により、ファン102〜105のうちの一のファンが故障していることをオペレータ又は保守員に通知する(SP7)。
【0056】
制御マイコン111は、その後故障通知信号S1を取得して、ファン102〜105の動作状態(正常又は異常)について再度チェックする(SP8)。
【0057】
次いで、制御マイコン111は、チェックした結果、ファン102〜105のうちの何れかのファンに故障があるか否かを判断する(SP9)。
【0058】
制御マイコン111は、この判断で肯定結果を得ると、ステップSP4に移行して、再度各LSIの使用量及び外部騒音量を取得して情報処理装置100の状況変化に対応した省電力設定及びファン回転数設定を行う。
【0059】
これに対し、制御マイコン111は、ステップSP9の判断で否定結果を得ると、ファンの故障が解消したものと判断し、障害通知手段113により行われる障害通知を解除して(SP10)、本処理を終了する。
【0060】
以上のように、本実施の形態によれば、ファン102〜105が正常状態である通常時では、余剰なファンを必要とせずに冷却性能を維持することができる。またファン102〜105のうちの何れかのファンが異常状態であるファン故障時では、LSI106〜108又はチップセット109の使用量に基づいて、LSI106〜108又はチップセット109の動作を適切に制御することができ、これにより情報処理装置100全体としての処理能力を維持しつつ冷却性能を維持することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、ファン102〜105のうちの何れかのファンが異常状態であるファン故障時では、外部騒音値に基づいて、ファン102〜105のうちの故障したファンを除いたファンの回転数を制御することができ、これにより情報処理装置100全体としての処理能力を維持しつつ冷却性能を維持することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、ファン102〜105のうちの何れかのファンが異常状態であるファン故障時では、不揮発メモリ112に設定テーブル400を予め記憶しておき、この設定テーブル400に格納された外部騒音値、各LSIの使用量及び各ファンの動作状態に基づいて、各LSIの動作及び各ファンの回転数を制御することができ、これにより情報処理装置100全体として最適な動作を維持しつつ冷却性能を維持することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、ファン102〜105のうちの何れかのファンが異常状態であるファン故障時では、各LSIのクロック速度を調節することにより、各LSIの動作を制御することができ、各ファンの回転数を調節することにより、各ファンの動作を制御することができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、ファン102〜105のうちの何れかのファンが異常状態であるファン故障時では、LEDやブザー等の障害通知手段113により外部に故障を通知することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、情報処理装置100の動作を統括する制御部として制御マイコン111を例に挙げて説明したが、これに限らず、よりきめ細かな制御を実行するために、CPU(Central Processing Unit)を備えたコンピュータであってもよい。また、本実施の形態では、外部騒音値を取得する部品としてマイクロホン110及び障害を通知する手段として障害通知手段113を例に挙げて説明したが、これに限らず、部品点数を削減するために、音声の入出力機能を備えたダイナミックスピーカを採用してもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 情報処理装置
101 マザーボード
102〜105 ファン
106〜108 LSI
109 チップセット
110 マイクロホン
111 制御マイコン
112 不揮発メモリ
113 障害通知手段
S1 故障通知信号
S2 ファン回転数制御信号
S3、S4 省電力制御信号
BS1、BS2 バス
200 オペレーティングシステム
301〜303 タスク
304 LSI使用量監視アプリケーション
400 設定テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集積回路と、前記複数の集積回路を冷却する複数のファンと、前記複数の集積回路及び前記複数のファンの動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記複数のファンからの制御信号に基づいて、故障したファンを特定し、前記特定したファンが冷却対象として冷却していた集積回路の使用量に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
外部騒音値を取得するマイクロホンを備え、
前記制御部は、
前記マイクロホンから取得した外部騒音値及び前記集積回路の使用量に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記外部騒音値、前記複数の集積回路の使用量及び前記複数のファンの動作状態に応じて、前記複数の集積回路の動作状態及び前記複数のファンの動作状態が予め定められた設定情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記記憶部に記憶された設定情報に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
集積回路のクロック速度を増減することにより、前記複数の集積回路の動作を制御し、
ファンの回転数を増減することにより、前記複数のファンの動作を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
外部に障害発生を通知する障害通知部を備え、
前記制御部は、
前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記障害通知部により、外部に障害発生を通知する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の集積回路と、前記複数の集積回路を冷却する複数のファンと、前記複数の集積回路及び前記複数のファンの動作を制御する制御部とを備えた情報処理装置の冷却方法において、
前記制御部が、
前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記複数のファンからの制御信号に基づいて、故障したファンを特定する第1のステップと、
前記特定したファンが冷却対象として冷却していた集積回路の使用量に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する第2のステップと
を備えたことを特徴とする冷却方法。
【請求項7】
外部騒音値を取得するマイクロホンを備え、
前記第2のステップにおいて、
前記制御部は、
前記マイクロホンから取得した外部騒音値及び前記集積回路の使用量に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の冷却方法。
【請求項8】
前記外部騒音値、前記複数の集積回路の使用量及び前記複数のファンの動作状態に応じて、前記複数の集積回路の動作状態及び前記複数のファンの動作状態が予め定められた設定情報を記憶する記憶部を備え、
前記第2のステップにおいて、
前記制御部は、
前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記記憶部に記憶された設定情報に基づいて、前記複数の集積回路又は前記複数のファンの何れか又は両方の動作を制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の冷却方法。
【請求項9】
前記第2のステップにおいて、
前記制御部は、
集積回路のクロック速度を増減することにより、前記複数の集積回路の動作を制御し、
ファンの回転数を増減することにより、前記複数のファンの動作を制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の冷却方法。
【請求項10】
外部に障害発生を通知する障害通知部を備え、
前記制御部が、
前記複数のファンのうちの何れかのファンが故障した場合、前記障害通知部により、外部に障害発生を通知する第3のステップと
を備えたことを特徴とする請求項9に記載の冷却方法。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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