説明

情報処理装置及び電源制御方法

【課題】情報処理装置の使用状態に応じて、光ディスク装置への電源供給を制御する。
【解決手段】実施の形態の情報処理装置は、トレイを有する光ディスク装置と、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる排出条件を設定する設定手段と、前記設定された排出条件を満たす場合に、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる光ディスク装置制御手段と、情報処理装置本体の駆動電源が第1の電源であるか第2の電源であるかを判別する電源判別手段と、前記電源判別手段による判別結果に応じて、前記設定手段により設定された前記排出条件を変更する手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、情報処理装置及び電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ駆動可能なノート型パーソナルコンピュータは、近年軽量化が進み、外部電源に接続されていない状態であっても使用ができることから、システム動作状態のまま持ち運ぶことができる。
【0003】
光ディスク装置を搭載したパーソナルコンピュータでは、光ディスク装置のトレイの排出を指示するためのイジェクトボタンが側面に設けられている。そのため、システムが動作状態のまま持ち運ぶ際には、誤ってこのイジェクトボタンが操作され、トレイが開いてしまうことがあった。例えば、鞄の中で誤ってイジェクトボタンが押下されトレイが開くと、鞄の中の他の物などにトレイが接触しトレイが破損する虞がある。
【0004】
この問題を解決する手法として例えば、パーソナルコンピュータに設けられる加速度センサにより静止している状態か否かを判別し、静止していない状態であればイジェクトボタンを自動的に無効化するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−299970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、加速度センサで検出しない場合であっても、パーソナルコンピュータを持ち運んでいるという状況は起こりえる。このような場合、パーソナルコンピュータを持ち運び中に誤ってイジェクトボタンが押下された場合には、意図しない状況でトレイが排出されてしまう。そこで、より適切にパーソナルコンピュータの使用状況を判別し、光ディスク装置を制御したいという要求がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、情報処理装置の使用状況に応じて、光ディスク装置への電源供給を制御することができる情報処理装置及び電源制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の形態の情報処理装置は、トレイを有する光ディスク装置と、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる排出条件を設定する設定手段と、前記設定された排出条件を満たす場合に、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる光ディスク装置制御手段と、情報処理装置本体の駆動電源が第1の電源であるか第2の電源であるかを判別する電源判別手段と、前記電源判別手段による判別結果に応じて、前記設定手段により設定された前記排出条件を変更する手段と、を備えている。
【0009】
また、実施の形態の電源制御方法は、トレイを有する光ディスク装置を備えた情報処理装置の電源制御方法であって、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる排出条件を設定するステップと、前記情報処理装置の駆動電源が第1の電源であるか第2の電源であるかを判別するステップと、前記判別された判別結果に応じて、前記設定された排出条件を変更するステップと、前記変更された排出条件を満たす場合に、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させるステップと、を有している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の情報処理装置の外観を示す図。
【図2】実施形態の情報処理装置の機能を示すブロック図。
【図3】実施形態の情報処理装置の電源制御を説明する図。
【図4】第1の実施形態の情報処理装置の電源制御手順を示すフローチャート。
【図5】第2の実施形態の情報処理装置の電源制御手順を示すフローチャート。
【図6】第3の実施形態の情報処理装置の電源制御手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態における情報処理装置を、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態の情報処理装置の外観を示す図である。本実施の形態においては、情報処理装置としてパーソナルコンピュータ1を例にして説明する。本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ1は、ODD(Optical Disk Drive)22を備える。
【0012】
パーソナルコンピュータ1は、コンピュータ本体2とディスプレイユニット3とが、ヒンジ5を介して回動自在に設けられている。コンピュータ本体2は、タッチパッド6と、キーボード7と、電源スイッチ8と、ODD22と、Ejectスイッチ23とを有する。ディスプレイユニット3には、中央部にディスプレイ4が設けられている。
【0013】
ODD22は、光ディスクを保持し、本体内に格納するためのトレイを有する。トレイの側面には、本体内に格納したトレイを排出させるためのEjectスイッチ23が設けられている。このEjectスイッチ23を押下することで、トレイを排出し、トレイに保持されている光ディスクを取り出すことができる。排出したトレイを再び本体内に挿入する際はODD22に対して電源供給は不要であり、ユーザによる手動操作で再挿入される。
【0014】
本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ1は、システム動作中にODD22への電源供給を停止することができる。予めODD22への電源供給停止条件を設定し、その条件を満たす場合にはODD22への電源供給を停止することでパーソナルコンピュータ1の省電力化を図る。このODD22の電源供給停止(電源OFF状態)から電源供給開始(電源ON状態)に復帰させる操作として、Ejectスイッチ23の押下操作がある。
【0015】
しかし、このEjectスイッチ23の押下があった場合に、無条件に電源供給を開始しトレイの排出を行うと、ユーザの誤操作によって意図しないタイミングでトレイが排出される事態を招く場合がある。例えば、パーソナルコンピュータ1を鞄の中に入れて持ち運ぶ際などは、Ejectスイッチ23が誤って押下される可能性があり、この場合にトレイを排出するとトレイが鞄の中で開きトレイが破損する虞がある。そこで、本実施の形態では、パーソナルコンピュータ1の使用状況に応じて、ODD22の電源供給の再開を適切に行うことができる。以下、本実施の形態におけるパーソナルコンピュータ1を説明する。
【0016】
図2を用いて、本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ1の機能について説明する。図2は、実施形態の情報処理装置の機能を示すブロック図である。
パーソナルコンピュータ1は、ディスプレイ4と、タッチパッド6と、キーボード7と、電源スイッチ8と、CPU10と、メモリコントローラ11と、主メモリ12と、グラフィックスコントローラ13と、VRAM14と、サウスブリッジ15と、HDD16と、BIOS−ROM17と、EC/KBC18と、電源コントローラ19と、バッテリ20と、ACアダプタ21と、ODD22と、Ejectスイッチ23とから構成される。EC/KBC18はODD電源制御部18aを備え、ODD22はODD制御モジュール22aを備える。
【0017】
CPU10は、本パーソナルコンピュータ1の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD16から主メモリ12にロードされるオペレーティングシステム(OS50)及び各種アプリケーションプログラムを実行する。またCPU10は、BIOS−ROM17に格納されたシステムBIOS51を主メモリ12にロードした後、実行する。システムBIOS51はハードウェア制御のためのプログラムである。
【0018】
メモリコントローラ11は、主メモリ12に対するアクセスを制御する。主メモリ12は、HDD16に記憶されるオペレーティングシステム(OS50)及び各種アプリケーションプログラムや、BIOS−ROM17に格納されたシステムBIOS51を展開されるためのいわゆるワーキングメモリである。
【0019】
グラフィックスコントローラ13は、本コンピュータのディスプレイモニタとして使用されるディスプレイ4aを制御する表示コントローラである。このグラフィックスコントローラ13はオペレーティングシステム/アプリケーションプログラムによってVRAM14に描画された表示データから、ディスプレイ4aに表示すべき表示イメージを形成する映像信号を生成する。
【0020】
サウスブリッジ15は、BIOS−ROM17へのアクセスや、HDD16及びODD22等のディスクドライブ(I/Oデバイス)の制御を行う。
HDD16は、OS50及び各種アプリケーションプログラム等を記憶する記憶装置である。BIOS−ROM17は、ハードウェア制御のためのプログラムであるシステムBIOS51を格納する書き換え可能な不揮発性メモリである。
【0021】
EC/KBC18は、入力手段としてのタッチパッド6、キーボード7の制御を行う。EC/KBC18はパーソナルコンピュータ1のシステム状況に関わらず、各種のデバイス(周辺機器、センサ、電源回路等)を監視し制御するワンチップ・マイコンである。またEC/KBC18は、ユーザによる電源スイッチ8の操作に応じて、電源コントローラ19と共同して、本パーソナルコンピュータ2をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0022】
ODD電源制御部18aは、ODD22内のODD制御モジュール22aの制御を行う。ODD電源制御部18aは、ODD22への電源供給が停止されている場合(ODD22が電源OFF状態の場合)、加速度センサ24からの加速度情報と、電源コントローラ19からのACアダプタ21の接続情報と、Ejectスイッチ23からの操作情報とを参照して、ODD22への電源供給を再開する。
【0023】
ここで、ODD22への電源供給が停止されている場合とは、パーソナルコンピュータ1の電源ステータスがサスペンド状態やスリープ状態の場合がある。また、パーソナルコンピュータ1が通常の動作状態であっても、ODD22の電源OFF機能が有効になっている場合にODD22への電源供給が停止される場合がある。即ち、予めユーザがODD22への電源供給を停止する条件を設定する機能をパーソナルコンピュータ1が有している。例えば、パーソナルコンピュータ1のシステム電源が投入されてから所定時間内にODD22が使用されない場合には、ODD22への電源供給を停止する等の条件がある。この電源供給を停止される条件を設定する機能は、ODD電源制御部18aによって実現される。
【0024】
電源コントローラ19は、外部電源がACアダプタ21を介して供給されている場合、ACアダプタ21から供給される外部電源を用いてパーソナルコンピュータ2の各コンポーネントに供給すべきシステム電源を生成する。また、電源コントローラ19は、外部電源がACアダプタ21を介して供給されていない場合、バッテリ20を用いてパーソナルコンピュータ2の各コンポーネント(コンピュータ本体3及びディスプレイユニット4)に供給すべきシステム電源を生成する。
【0025】
電源コントローラ19は、ACアダプタ21が外部電源と接続されているかを検出し、EC/KBC18及びBIOS51を介してODD電源制御部18aに通知する。
【0026】
ODD22は、光ディスクを再生するドライブである。ODD22は光ディスクを保持するトレイを有し、このトレイを本体内に収容した状態で光ディスクを読み取り光ディスクに記憶されている各種のデータを再生する。具体的にはスピンドルモータが光ディスクを回転させ、光ピックアップヘッドが光ディスクに光ビームを照射することで、光ディスクの反射光の検出信号を出力することで光ディスクに記憶されているデータを読み取ることができる。また、トレイの側面にはトレイを排出することを指示するためのEjectボタン23が備えられている。
【0027】
本実施の形態においては、ODD22はサウスブリッジ15と共に、EC/KBC18にも接続されている。EC/KBC18は、パーソナルコンピュータ1のシステム状況に関わらず、電源供給がされているのでODD22を介して入力されるEjectスイッチ23からのトレイ排出の指示を常時検出することができる。
【0028】
加速度センサ24は、パーソナルコンピュータ1の加速度を検出し、検出結果をEC/KBC18に出力する。加速度センサとしては、サーボ型、圧電型、静電容量型及びピエゾ抵抗型などがある。
【0029】
次に、図3を用いて、ODD22を電源OFF状態から電源ON状態へ遷移させる際のパーソナルコンピュータ1の動作について説明する。図3は、実施形態の情報処理装置の電源制御を説明する図である。
【0030】
まず、ODD22の電源OFF状態へ遷移させる手順を説明する。ODD電源制御部18aは、パーソナルコンピュータ1がサスペンド状態、スリープ状態若しくは所定のODD22電源供給停止条件を満たす状態である場合、ODD22電源供給停止信号を、BIOS51を経由してEC/KBC18に通知する。EC/KBC18は、ODD制御モジュール22aを介して、ODD22へ電源供給停止信号を送出し、ODD22内部に備えられる電源スイッチをオフする。
【0031】
次に、ODD22の電源OFF状態から電源ON状態へ遷移させる手順を説明する。まず、EC/KBC18は、Ejectスイッチ23からのトレイ排出要求信号を受信したか否かを判別する。トレイ排出要求信号は、ODD22、ODD制御モジュール22a、EC/KBC18及びBIOS51を経由してODD電源制御部18aへ通知される。次に、ODD電源制御部18aは、BIOS51及びEC/KBC18を経由して、加速度センサ24から加速度情報を取得し、閾値以上の加速度が検出されたか否かを判別する。また、ODD電源制御部18aは、BIOS51及びEC/KBC18を経由して、電源コントローラ19からACアダプタ21が外部電源に接続されているか否かを示す情報を取得する。
【0032】
ODD電源制御部18aは、トレイ排出要求信号を受信し、閾値以上の加速度が検出されず、ACアダプタ21が外部電源に接続されていると判別した場合、ODD22電源供給開始信号を送出する。EC/KBC18は、ODD22電源供給開始信号をBIOS51を経由して受信すると、ODD22内部に備えられる電源スイッチをONする。以上のような手順で、ODD電源制御部18aによりODD22への電源供給が再開される。
【0033】
次に、ODD電源制御部18aは、トレイ排出指示信号をBIOS51、EC/KBC18及びODD制御モジュール22aを経由して、ODD22へ通知する。ODD22は、トレイ排出指示信号を受信すると、トレイを外部へ排出し、光ディスクの取り出し及び挿入が可能な状態となる。
【0034】
次に、図4を用いて、ODD22を電源OFF状態から電源ON状態へ遷移させる場合のパーソナルコンピュータ1の制御手順を説明する。図4は、第1の実施形態の情報処理装置の電源制御手順を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ODD電源制御部18aは、ODD22の電源をOFFする(ステップS101)。次に、ODD制御モジュール22aは、Ejectスイッチ23の操作があったか否かを判別する(ステップS102)。
【0036】
ステップS102で判別した結果、Ejectスイッチ23の操作がないと判別した場合(ステップS102のNo)、ステップS102に戻る。一方、ステップS102で判別した結果、Ejectスイッチ23の操作があったと判別した場合(ステップS102のYes)、加速度センサ24で閾値以上の加速度を検出したか否かを判別する(ステップS103)。
【0037】
ステップS103で判別した結果、閾値以上の加速度を検出したと判別した場合(ステップS103のYes)、ステップS103に戻る。一方、ステップS103で判別した結果、閾値以上の加速度を検出していないと判別した場合(ステップS103のNo)、ODD電源制御部18aは、電源コントローラ19からACアダプタ21が外部電源に接続されているか否かを示す検出結果を受信し、ACアダプタ21が外部電源に接続されているか否かを判別する(ステップS104)。
【0038】
ステップS104で判別した結果、ACアダプタ21が外部電源に接続がされていないと判別した場合(ステップS104のNo)、本電源制御手順を終了する。一方、ステップS104で判別した結果、ACアダプタ21が外部電源に接続されていると判別した場合(ステップS104のYes)、ODD電源制御部18aは、ODD22内部の電源スイッチに電源ON信号を通知し、ODD22の電源をONする(ステップS105)。
【0039】
次に、ODD電源制御部18aは、ODD制御モジュール22aを介してODD22にトレイ排出指示信号を通知し、トレイを排出させる(ステップS106)。以上で、本実施の形態における電源制御手順は終了する。
【0040】
以上のように構成される第1の実施形態によれば、パーソナルコンピュータ1の使用状況に応じて、ODD22への電源供給を制御することができる。即ち、ODD22の電源がOFF状態である場合に、Ejectスイッチ23が操作されると、加速度センサ24で加速度を検出すると共に、ACアダプタ21が外部電源に接続されているか否かを検出する。その結果、閾値以下の加速度であり、ACアダプタ21が外部電源に接続されていると検出した場合、ODD22への電源供給を開始する。即ち、パーソナルコンピュータ1の移動が検出されず、またバッテリ駆動でない場合には、パーソナルコンピュータ1が持ち運ばれていないと判別して、ODD22へ電源供給を開始しトレイを排出する。
【0041】
第1の実施形態によれば、パーソナルコンピュータ1の加速度だけでなく、駆動状態を検出することで、パーソナルコンピュータ1の使用状況をより厳密に判別し、ODD22の制御をすることができる。パーソナルコンピュータ1の加速度だけで移動しているか否かを判別すると、意図しないタイミングでODD22のトレイが排出される虞がある。例えば、低速で移動している場合や、移動中に停止している場合に、誤ってEjectスイッチ23が押下される場合などである。
【0042】
第1の実施形態によれば、ACアダプタ21が外部接続されているか否かを判別することで、パーソナルコンピュータ1が移動中であるか否かをより正確に判別することができる。即ち、加速度センサ24で移動が検出されない場合であっても、バッテリ駆動である場合には移動中である可能性があるためODD22への電源供給は開始しない。従って、ユーザの意図しないタイミングで、トレイが誤って排出され破損することがない。
【0043】
また第1の実施形態によれば、ACアダプタ21が外部電源に接続されていない場合には強制的にODD22の電源をオンしないことで、省電力化を図ることができる。尚、ACアダプタ21を外部電源に接続せずにバッテリ駆動している場合には、表示部に表示するユーザインターフェース等で操作を行うことにより、ODD22の電源をオンすることができるとしても良い。
次に、第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施形態の情報処理装置の電源制御手順を示すフローチャートである。
まず、ODD電源制御部18aは、ODD22の電源をOFFする(ステップS201)。次に、ODD制御モジュール22aは、Ejectスイッチ23の操作があったか否かを判別する(ステップS202)。
【0044】
ステップS202で判別した結果、Ejectスイッチ23の操作がないと判別した場合(ステップS202のNo)、ステップS202に戻る。一方、ステップS202で判別した結果、Ejectスイッチ23の操作があったと判別した場合(ステップS202のYes)、ODD電源制御部18aは、電源コントローラ19からACアダプタ21が外部電源に接続されているか否かを示す検出結果を受信し、ACアダプタ21が外部電源に接続がされているか否かを判別する(ステップS203)。
【0045】
ステップS203で判別した結果、ACアダプタ21が外部電源に接続がされていると判別した場合(ステップS203のYes)、ステップS206に進む。
一方、ステップS203で判別した結果、ACアダプタ21が外部電源に接続がされていないと判別した場合(ステップS203のNo)、ODD電源制御部18aは、トレイ排出指示と認識するEjectスイッチ23の操作時間を延長する(ステップS204)。即ち、ODD電源制御部18aは、トレイ排出要求信号の受信時間に閾値を設け、この閾値以上の時間にわたってトレイ排出要求信号を受信した場合にトレイ排出指示として認識する。
【0046】
次に、ODD電源制御部18aは、延長した操作時間にわたりEjectスイッチ23が押下されたか否かを判別する(ステップS205)。ステップS205で判別した結果、延長した操作時間にわたりEjectスイッチ23が押下されていないと判別した場合(ステップS205のNo)、ステップS205に戻る。
【0047】
一方、ステップS205で判別した結果、延長した操作時間にわたりEjectスイッチ23が押下されたと判別した場合(ステップS205のYes)、加速度センサ24で閾値以上の加速度を検出したか否かを判別する(ステップS206)。
【0048】
ステップS206で判別した結果、閾値以上の加速度を検出したと判別した場合(ステップS206のYes)、ステップS206に戻る。即ち、バッテリ駆動の場合であって移動していると判別した場合にはODD22の電源をONしない。一方、ステップS206で判別した結果、閾値以上の加速度を検出していないと判別した場合(ステップS206のNo)、ODD電源制御部18aは、ODD22内部の電源スイッチに電源ON信号を通知し、ODD22の電源をONする(ステップS207)。
【0049】
次に、ODD電源制御部18aは、ODD制御モジュール22aを介してODD22にトレイ排出指示信号を通知し、トレイを排出させる(ステップS208)。以上で、第2の実施の形態における電源制御手順は終了する。
【0050】
以上のように、第2の実施の形態によれば、バッテリ駆動であって移動を検出していない場合には、Ejectスイッチ23の長押し操作でトレイを排出することができる。Ejectスイッチ23の操作時間を変更するのみで、ODD電源OFF設定を解除することができるので利便性を損なうことがない。
【0051】
次に、第3の実施の形態について説明する。図6は、第3の実施形態の情報処理装置の電源制御手順を示すフローチャートである。図5と同じステップについては同じ符号を付し、説明は省略する。
【0052】
ステップS203で判別した結果、ACアダプタ21が外部電源に接続がされていないと判別した場合(ステップS203のNo)、ODD電源制御部18aは、トレイ排出指示と認識するEjectスイッチ23の操作を設定変更する(ステップS304)。例えば、本実施の形態においては、所定時間内に複数回Ejectスイッチ23が押下された場合にトレイ排出指示と認識すると設定する。
【0053】
次に、ODD電源制御部18aは、Ejectスイッチ23において設定変更された操作がされたか否か、即ち本実施の形態においては、所定時間内に複数回Ejectスイッチ23が押下されたか否かを判別する(ステップS305)。ステップS305で判別した結果、所定時間内に複数回Ejectスイッチ23が押下されていないと判別した場合(ステップS305のNo)、ステップS305に戻る。
【0054】
一方、ステップS305で判別した結果、所定時間内に複数回Ejectスイッチ23が押下されたと判別した場合(ステップS305のYes)、加速度センサ24で閾値以上の加速度を検出したか否かを判別する(ステップS206)。以後の手順は図5の説明と同様であるので説明を省略する。
【0055】
以上のように、第3の実施の形態によれば、バッテリ駆動であって移動を検出していない場合には、Ejectスイッチ23を所定時間内に複数回押下することでトレイを排出することができる。Ejectスイッチ23の操作を設定変更するのみで、ODD電源OFF設定を解除することができるので利便性を損なうことがない。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…パーソナルコンピュータ、2…本体ユニット、3…ディスプレイユニット、4…ディスプレイ、5…ヒンジ、6…タッチパッド、7…キーボード、8…電源スイッチ、10…CPU、11…ノースブリッジ、12…主メモリ、13…グラフィックコントローラ、14…VRAM、15…サウスブリッジ、16…HDD、17…BIOS−ROM、18…EC/KBC、18a…ODD電源制御部、19…電源コントローラ、20…バッテリ、21…ACアダプタ、22…ODD、22a…ODD制御モジュール、23…Ejectスイッチ、50…OS、51…BIOS。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイを有する光ディスク装置と、
前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる排出条件を設定する設定手段と、
前記設定された排出条件を満たす場合に、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる光ディスク装置制御手段と、
情報処理装置本体の駆動電源が第1の電源であるか第2の電源であるかを判別する電源判別手段と、
前記電源判別手段による判別結果に応じて、前記設定手段により設定された前記排出条件を変更する手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の電源は、外部電源である、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の電源は、前記情報処理装置本体に内蔵されたバッテリである、請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記排出条件は、前記光ディスク装置が備えるイジェクトスイッチを第1の時間以上、押下する操作である第1の排出条件と、前記第1の時間よりも長い第2の時間以上、前記イジェクトスイッチを押下する操作である第2の排出条件と、のうちのいずれかを含み、
前記排出条件を変更する手段は、前記電源判別手段による判別結果に応じて、前記第1の排出条件と前記第2の排出条件とを切り替える、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記排出条件は、前記光ディスク装置が備えるイジェクトスイッチを1回押下する操作である第3の排出条件と、前記イジェクトスイッチを所定時間内に複数回押下する操作である第4の排出条件と、のうちのいずれかを含み、
前記排出条件を変更する手段は、前記電源判別手段による判別結果に応じて、前記第3の排出条件と前記第4の排出条件とを切り替える、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置本体の移動を検出する検出手段と、
前記情報処理装置本体の各部に対し前記駆動電源からの電力の供給を制御する電源制御手段と、
をさらに具備し、
前記電源制御手段は、前記光ディスク装置に対する電力の供給が停止された状態において、前記情報処理装置本体の前記駆動電源が前記第2の電源であると判別され、かつこの判別結果に応じて変更された、前記情報処理装置本体の移動が検出されなかったことを条件として含む前記排出条件を満たしている場合、前記光ディスク装置に対して前記第2の電源からの電力の供給を開始する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
トレイを有する光ディスク装置を備えた情報処理装置の電源制御方法であって、
前記光ディスク装置から前記トレイを排出させる排出条件を設定するステップと、
前記情報処理装置の駆動電源が第1の電源であるか第2の電源であるかを判別するステップと、
前記判別された判別結果に応じて、前記設定された排出条件を変更するステップと、
前記変更された排出条件を満たす場合に、前記光ディスク装置から前記トレイを排出させるステップと、
を有する電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−195049(P2012−195049A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156148(P2012−156148)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2011−65274(P2011−65274)の分割
【原出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】