説明

情報処理装置

【課題】厚みの薄い小径記録媒体からの情報を確実に読み出すことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】プレーヤ装置は機器本体と搬送ユニットを備えている。搬送ユニットは機器本体の内外に搬送されるBDの移動方向を案内するディスクガイド17とディスクガイド17との間にBDを挟んで当該BDを機器本体の内外に搬送する搬送ローラを備えている。ディスクガイド17は機器本体に取り付けられる本体部36と本体部36から凸でかつ機器本体の幅方向の両端部から中央部に向うにしたがって本体部36からの突出量が少なく形成されたガイドリブ37とを備えている。ガイドリブ37は機器本体内の正規の位置に位置付けられた小径BDの外縁と当接するとともに緩やか部40よりもBDの表面に対する傾きが大きく形成された最傾部39を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、Blu-ray Discなどの記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)に取り付けられて、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体から情報を読み出す情報処理装置(例えば、特許文献1参照)として、例えば、外径が12cmの大径記録媒体と外径が8cmの小径記録媒体などの大きさの異なる記録媒体が選択されて挿入されて、当該記録媒体の情報を読み出す情報処理装置が用いられている。
【0003】
この種の情報処理装置は、前記インパネに取り付けられる機器本体と、前記機器本体に開口した記録媒体挿入口と、搬送ユニットと、機器本体内に設けられかつ記録媒体をクランプして当該記録媒体から情報を読み出すクランプ再生機構と、連動機構を備えている。機器本体は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状のシャーシを備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
【0004】
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体内から排出する。搬送ユニットは、機器本体に取り付けられたディスクガイド100(図1に例示する)と、機器本体に取り付けられたローラアームと、搬送ローラとを備えている。
【0005】
図1に例示されたディスクガイド100は、前述した記録媒体との摩擦係数の低い合成樹脂で構成され、かつ機器本体に固定される平板状の本体部101と、この本体部101から前記搬送ローラに向って凸に形成されたガイドリブ102とを一体に備えている。本体部101は、その両表面が前記記録媒体の表面と平行に配置される。
【0006】
ガイドリブ102は、機器本体の幅方向に沿って直線状に延在しており、前記機器本体の幅方向の両端部から中央部に向うにしたがって前記本体部からの突出量が徐々に減少するように形成されている。
【0007】
ローラアームは、板金などで構成され、その平面形状が帯板状に形成されている。ローラアームは、ディスクガイド100と間隔をあけて配置され、かつその長手方向が機器本体の幅方向と平行に配置されている。ローラアームは、当該ローラアームの幅方向の一端部を中心として回転自在に機器本体に支持されている。ローラアームは、当該ローラアームの幅方向の他端部がディスクガイド100に近づく方向に付勢されている。
【0008】
搬送ローラは、円柱状に形成され、その長手方向が機器本体の幅方向と平行な状態で、ローラアームの他端部に回転自在に支持されている。搬送ローラは、駆動源としてのモータの回転駆動力によりその軸芯周りに回転される。搬送ローラは、前記モータなどの駆動源によって回転駆動されることによって、ディスクガイド100との間に挟んだ記録媒体を機器本体の内外に搬送する。搬送ユニットは、ディスクガイド100のガイドリブ102により当該記録媒体を機器本体の幅方向の中央部に案内しながら、ディスクガイド100と搬送ローラとの間に記録媒体を挟んで、当該記録媒体を機器本体の内外に搬送する。
【0009】
クランプ再生手段は、ゴムやダンパなどの弾性部材により機器本体に対して移動自在に設けられたキャリッジシャーシと、このキャリッジシャーシに一端部を中心として回転自在に設けられたクランプアームとを備えている。
【0010】
キャリッジシャーシは、回転自在に設けられたターンテーブルと、ターンテーブルを前述した記録媒体とともに回転させるスピンドルモータと、前述した記録媒体に記録された情報を読み取る光ピックアップが設けられている。
【0011】
クランプアームは、その他端部にキャリッジシャーシに設けられたターンテーブルとの間に記録媒体を挟むためのクランパを設けているとともに、当該他端部がキャリッジシャーシに接離自在となるように、一端部を中心として回転自在にキャリッジシャーシに設けられている。
【0012】
クランプ再生手段は、互いに近づいたキャリッジシャーシのターンテーブルとクランプアームのクランパとの間に、搬送ユニットにより正規の再生位置まで搬送されてきた記録媒体を挟みこんで、光ピックアップが当該記録媒体から情報を読み出す。
【0013】
連動手段は、搬送手段のディスクガイド100と搬送ローラとが互いに離れると、クランプ再生手段のキャリッジシャーシのターンテーブルとクランパとが互いに近づき、搬送手段のディスクガイド100と搬送ローラとが互いに近づくと、クランプ再生手段のキャリッジシャーシのターンテーブルとクランパとが互いに離れるように、搬送手段とクランプ再生手段とを連動させる。
【0014】
情報処理装置は、機器本体内に記録媒体を収容する際には、連動手段がクランプ再生手段のキャリッジシャーシのターンテーブルとクランパとの間に記録媒体が位置すると、これらを互いに近づけてこれらの間に記録媒体をクランプするとともに、搬送手段のディスクガイド100と搬送ローラとを互いに遠ざける。そして、情報処理装置は、ターンテーブルとクランパとの間に記録媒体をクランプして、ターンテーブルが記録媒体を回転させて光ピックアップが記録媒体から情報を読み出す。また、情報処理装置は、機器本体外に記録媒体を排出する際には、連動手段がクランプ再生手段のキャリッジシャーシのターンテーブルとクランパとを互いに離した後に、搬送手段のディスクガイド100と搬送ローラとを互いに近づけてこれらの間に記録媒体を挟んで、当該記録媒体を搬送手段により機器本体外に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−329361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前述した情報処理装置には、例えば、BD(Blu-ray Disc)などの新規のフォーマットで情報などを記録した記録媒体の情報を読み出すことが求められる。このBDは、正規の記録媒体であっても、多種多様な厚みのものが用いられて、CD、DVDに比べて正規品の厚みの範囲が広くなっている。このため、前述した情報処理装置の搬送ユニットは、CD、DVDに比べて厚みの範囲が広いBDであっても、前述した大径記録媒体及び小径記録媒体の双方を確実に正規の再生位置まで搬送できることが求められる。
【0017】
しかしながら、前述したBDは、正規品であってもCD、DVDに比べて厚みの範囲が広くなっているので、前述した従来の情報処理装置では、特に厚みの薄いBDの小径記録媒体を機器本体外から再生位置に向かって搬送した際に、再生位置の近傍に位置付けられると小径記録媒体の外縁がディスクガイド100のガイドリブ102に接触して挟まれる力が弱くなり、外部からの振動等によっては当該BDの小径記録媒体を正規の再生位置に位置付けることが困難となっていた。このために、特に厚みの薄いBDの小径記録媒体の情報を読み出すことが困難となる場合があった。
【0018】
したがって、本発明の目的は、例えば、厚みの薄い小径記録媒体からの情報を確実に読み出すことができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、互いに外径の異なる大径記録媒体と小径記録媒体とのうちいずれかを収容する機器本体と、前記機器本体の内外に搬送される前記いずれかの記録媒体の移動方向を案内するディスクガイドと、前記ディスクガイドとの間に前記いずれかの記録媒体を挟んで、当該記録媒体を前記機器本体の内外に搬送する搬送ローラと、を備えた情報処理装置において、前記ディスクガイドは、前記機器本体に取り付けられる平板状の本体部と、前記本体部から前記搬送ローラに向って凸で、かつ前記機器本体の幅方向に沿って直線状に延在しているとともに、前記機器本体の幅方向の両端部から中央部に向うにしたがって前記本体部からの突出量が少なく形成されたガイドリブと、を備え、前記ガイドリブは、前記機器本体内の正規の位置に位置付けられた小径記録媒体の外縁と当接するとともに、他の部分よりも前記記録媒体の表面に対する傾きが大きく形成された最傾部を備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の情報処理装置のディスクガイドの正面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるプレーヤ装置の斜視図である。
【図3】図2に示されたプレーヤ装置のシャーシ本体及びクランプ再生ユニットなどを示す斜視図である。
【図4】図2に示されたプレーヤ装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示されたプレーヤ装置の機器本体とこの機器本体内の小径BDの位置関係を模式的に示す平面図である。
【図6】図5に示されたプレーヤ装置のディスクガイドの正面図である。
【図7】図5中のVII−VII線に沿うディスクガイドの断面図である。
【図8】図5中のVIII−VIII線に沿うディスクガイドの断面図である。
【図9】図7に示されたディスクガイドの最傾部と小径BDとの接触した箇所を拡大して示す断面図である。
【図10】比較例としての図1に示された従来のディスクガイドと小径BDとの接触した箇所を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、ディスクガイドのガイドリブの機器本体の正規の位置に位置付けられた小径記録媒体の外縁が当接する最傾部が、他の部分よりも記録媒体の表面に対する傾きが大きく形成されている。こうすることで、ガイドリブ即ちディスクガイドの厚みが増加すること即ち機器本体の厚みが増加することを防止しながらも、ガイドリブが、搬送ローラとの間に挟んだ小径記録媒体を機器本体の幅方向にそって当該幅方向の中央に向ってより強い力で付勢することとなる。このため、ガイドリブが、搬送ローラとの間により強い力で小径記録媒体を挟むことができ、小径記録媒体を正規の再生位置に位置付けることができる。よって、特に厚みの薄いBDの小径記録媒体の情報を確実に読み出すことができる。
【0022】
また、ディスクガイドは、ガイドリブに加えて当該ガイドリブよりも機器本体の外側に配置された第2ガイドリブも備えているので、小径記録媒体に加えて、第2ガイドリブにより、大径記録媒体も確実に正規の再生位置まで保持することができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の一実施例にかかる情報処理装置の一例としてのプレーヤ装置1を、図2ないし図9に基づいて説明する。図2などに示すプレーヤ装置1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、外径が例えば12cmなどの比較的大径な大径記録媒体としての大径BD2aと、外径が例えば8cmなどの比較的小径な小径記録媒体としての小径BD2bとを使用者がいずれかを選択して、後述する機器本体3内に収容する。大径BD2aと小径BD2bとは、勿論、互いに大きさが異なる。
【0024】
プレーヤ装置1は、これらの互いに大きさ(外径)の異なるBD2a,2bを機器本体3内の後述する再生位置に位置させて、これらのBD2a,2bに記録された情報を取り出して(再生して)、音声として出力する。なお、BD2a,2bは、勿論、ディスク形に形成されており、特許請求の範囲に記載された記録媒体をなしているとともに、円板状のコンピュータなどの電子機器で情報を読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
プレーヤ装置1は、図2及び図3に示すように、機器本体3(図2に示す)と、搬送手段としての搬送ユニット5と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6と、連動手段としての連動機構と、制御手段としてのμCOM4(図4に示す)などを備えている。なお、以下、BD2a,2bの表面と搬送ユニット5のBD2a,2bの搬送方向との双方と平行な図2中の矢印Yをプレーヤ装置1の奥行き方向と記し、BD2a,2bの表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印Xをプレーヤ装置1の幅方向と記し、BD2a,2bの表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印Zをプレーヤ装置1の厚み方向と記す。
【0026】
機器本体3は、合成樹脂や金属等からなる図2に示す外側ケース8と、図3に示すシャーシ本体9とを備えている。
【0027】
外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面8a(図2に示す)には、BD2a,2bを出し入れ可能な挿入口10が一つ設けられている。なお、前面8aは、外側ケース8即ちプレーヤ装置1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する外側ケース8の一つの面である。
【0028】
挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にBD2a,2bを通すことができる。挿入口10を通して、前記BD2a,2bは、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。即ち、挿入口10は、BD2a,2bを機器本体3に出し入れ自在とする。
【0029】
さらに、前述した前面8aには、表示パネル11と、各種のスイッチ12とが設けられている。
【0030】
表示パネル11は、前面8aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。表示パネル11は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0031】
各種のスイッチ12は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ12が使用者などに操作されることによって、例えば、クランプ再生ユニット6が再生するBD2a,2bのプログラムの選択やBD2a,2bの出し入れなどが行われる。
【0032】
シャーシ本体9は、図3などに示すように、複数の折り曲げられた板金などが互いに取り付けられて構成されている。シャーシ本体9は、図3及び図4に示すように、略平坦な底壁13と、該底壁13に間隔をおいて相対する略平坦な天井壁15と、これらの底壁13と天井壁15とに連なる複数の周壁14と、を備えている。これらの壁13,14,15には、それぞれ、前記シャーシ本体9の軽量化と剛性の確保とのために、複数の開口部が設けられている。
【0033】
搬送ユニット5は、図4などに示すように、ローラアーム18と、ディスクガイド17と、を備えている。ローラアーム18は、挿入口10の近傍に配されている。ローラアーム18は、板金などからなるアーム本体19と、搬送ローラ20と、を備えている。
【0034】
アーム本体19は、長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。アーム本体19は、当該アーム本体19自体の幅方向の一方の縁部を中心として底壁13に回転自在に支持されている。アーム本体19の回転中心は、幅方向Xと平行である。アーム本体19は、当該アーム本体19自体の幅方向の他方の縁部が底壁13から離れる方向即ちディスクガイド17に近づく方向に、図示しないコイルばねによって付勢されている。
【0035】
搬送ローラ20は、アーム本体19の前記他方の縁部に回転自在に支持されている。搬送ローラ20の回転中心は、幅方向Xと平行である。搬送ローラ20の一端部には、図示しない歯車が取り付けられている。アーム本体19の前記他方の縁部が底壁13から離れた状態において、搬送ローラ20の歯車は、駆動源としての搬送用モータ30(図4に示す)などにより回転駆動される歯車31(図4に示す)と噛み合う。搬送ローラ20は、前記歯車31などを介して、搬送用モータ30の回転駆動力によって回転される。なお、アーム本体19の前記他方の縁部が底壁13に近づいた状態において、搬送ローラ20の歯車は、前述した歯車31と噛み合わない。
【0036】
ディスクガイド17は、板金などからなるガイド本体21と、該ガイド本体21に取り付けられた平板状の滑り部材22と、を備えている。ガイド本体21は、ガイド本体21自体の長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。ガイド本体21は、図示しない突出ピンと、該突出ピンが侵入するガイド孔とによって、鉛直方向に沿ってスライド自在にシャーシ本体9に支持されている。滑り部材22は、摩擦係数の小さい合成樹脂からなる。滑り部材22は、薄い板状に形成されている。滑り部材22は、ガイド本体21のシャーシ本体9の内側に位置する表面に取り付けられている。
【0037】
滑り部材22は、図5に示すように、平板状の本体部36と、この本体部36から搬送ローラ20に向って凸に形成されたガイドリブ37と、前記本体部36から搬送ローラ20に向って凸に形成された第2ガイドリブ38と、を一体に備えている。
【0038】
本体部36は、帯板状に形成され、かつその長手方向が幅方向Xと平行に配置されて、前記ガイド本体21に取り付けられている。即ち、本体部36は、ガイド本体21を介して機器本体3に取り付けられている。
【0039】
ガイドリブ37は、幅方向Xに沿って直線状に延在しており、本体部36の略全長に亘って設けられている。ガイドリブ37は、図6及び図7に示すように、本体部36からの突出量が、機器本体3の幅方向Xの両端部から中央部に向うにしたがって少なくなるように形成されている。ガイドリブ37は、図6及び図7に示すように、一対の最傾部39と、他の部分としての四つの緩やか部40とを備えている。
【0040】
一対の最傾部39は、機器本体3の幅方向Xに沿って互いに間隔をあけて配置され、かつ、それぞれ、後述する正規の再生位置に位置付けられた小径BD2bの外縁が接触する位置に配置されている。緩やか部40のうち二つの緩やか部40は、一対の最傾部39よりも機器本体3の幅方向Xの外側に配置されている。残りの二つの緩やか部40は、一対の最傾部39間に配置されている。前述した一対の最傾部39及び緩やか部40を備えることで、ガイドリブ37は、本体部36からの突出量が、機器本体3の幅方向Xの両端部から中央部に向うにしたがって少なくなるように形成されている。
【0041】
また、最傾部39の搬送ローラ20と相対する表面の前述したBD2a,2bの表面に対する傾きは、緩やか部40の搬送ローラ20と相対する表面の前述したBD2a,2bの表面に対する傾きよりも大きく形成されている。このために、最傾部39は、BD2a,2bの表面に対する傾きが他の部分としての緩やか部40よりも大きく形成されている。即ち、最傾部39は、ガイドリブ37の中でBD2a,2bの表面に対する傾きが最も大きな部分をなしている。
【0042】
第2ガイドリブ38は、図8に示すように、幅方向Xに沿って直線状に延在しており、本体部36の略全長に亘って設けられている。第2ガイドリブ38は、ガイドリブ37と間隔をあけて平行に配置されているとともに、当該ガイドリブ37よりも奥行き方向yの機器本体3の外側寄りに配置されている。第2ガイドリブ38は、図8に示すように、本体部36からの突出量が、機器本体3の幅方向Xの両端部から中央部に向うにしたがって徐々に少なくなるように形成されている。第2ガイドリブ38の搬送ローラ20と相対する表面の前述したBD2a,2bの表面に対する傾きは、当該第2ガイドリブ38の全長に亘って一定に形成されている。図示例では、第2ガイドリブ38のBD2a,2bの表面に対する傾きは、ガイドリブ37の緩やか部40の傾きと略等しく形成されている。
【0043】
前述した構成のローラアーム18とディスクガイド17は、互いに接離自在に設けられ、かつ互いに近づいて互いの間にBD2a,2bを挟んで、搬送ローラ20が搬送用モータ30により回転駆動されることで、機器本体3内外にBD2a,2bを搬送する。このとき、ディスクガイド17は、ガイドリブ37,38が前述したように傾いているので、当該ガイドリブ37,38即ちディスクガイド17は、BD2a,2bを機器本体3の幅方向の中央に案内する。こうして、ディスクガイド17は、機器本体3の内外に搬送されるBD2a,2bの移動方向を案内する(幅方向Xの中央に案内する)。
【0044】
クランプ再生ユニット6は、図4などに示すように、キャリッジシャーシ23と、クランプアーム24と、を備えている。キャリッジシャーシ23は、板金などからなるシャーシ本体25と、該シャーシ本体25に取り付けられたターンテーブル26(図4に示す)と、駆動源としてのスピンドルモータ32と、シャーシ本体25に取り付けられた図示しないピックアップと、を備えている。
【0045】
シャーシ本体25は、略平板状に形成されている。ターンテーブル26は、シャーシ本体25に回転自在に支持されている。ターンテーブル26は、図4に示すように、厚手の円盤状に形成されている。
【0046】
ターンテーブル26は、その表面上にBD2a,2bを載置する。そして、ターンテーブル26は、シャーシ本体25に取り付けられたスピンドルモータ32の駆動力によって、その軸芯回りに回転されることで、BD2a,2bを回転させる。スピンドルモータ32は、キャリッジシャーシ23に取り付けられている。
【0047】
ピックアップは、BD2a,2bの表面に照射するレーザ光を発生させるレーザダイオードや、BD2a,2bの表面にレーザダイオードからのレーザ光を照射する対物レンズ、信号処理部からの支持によりフォーカスやトラッキングを合わせるために対物レンズを駆動するアクチュエータ及びBD2a,2bから反射された反射光を受ける受光器とを備えて、信号処理部からの指示によりフォーカスやトラッキングを合わせるとともに、BD2a,2bに記録された情報を読みとる。
【0048】
クランプアーム24は、板金などからなるアーム本体33と、クランパ34と、を備えている。アーム本体33は、略平板状に形成されている。キャリッジシャーシ23のシャーシ本体25に、挿入口10から離れた端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体33の回転中心は、幅方向Xと平行である。アーム本体33がシャーシ本体25に近づいた状態では、シャーシ本体25とアーム本体33とが略平行になる。
【0049】
クランパ34は、ターンテーブル26に相対する位置に配されている。クランパ34は、円板状に形成されているとともに、アーム本体33に回転自在に支持されている。クランパ34は、アーム本体33がシャーシ本体25と略平行な状態となると、ターンテーブル26との間にBD2a,2bを挟むことができる。さらに、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とは、図示しないばねなどの付勢手段により互いに近づく方向に付勢されている。なお、ターンテーブル26とクランパ34との間に挟まれることができるBD2a,2bの位置を、本発明では、再生位置と呼ぶ。
【0050】
また、前述した構成のクランプ再生ユニット6は、図示しないゴムなどの弾性体からなるダンパと、コイルばねなどによって、前記機器本体3に対し移動自在にシャーシ本体9内に支持される。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム24のアーム本体33がキャリッジシャーシ23に回転自在に支持されることで、これらのキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに接離自在に設けられている。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム24とキャリッジシャーシ23とが互いに近づいて、ターンテーブル26とクランパ34との間にBD2a,2bを挟んで(即ち互いの間にBD2a,2bを挟んでクランプし)、スピンドルモータ32及びターンテーブル26でBD2a,2bを回転させピックアップで該BD2a,2bに記録された情報を読み出す。
【0051】
そして、クランプ再生ユニット6は、前記自動車の走行中の振動によって機器本体3が振動しても、前記ダンパとコイルばねとによってシャーシ本体9に対し移動する。このように、前記ダンパとコイルばねなどは、前記自動車の走行中の振動などが前記BD2a,2bの情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【0052】
連動機構は、機器本体3内にBD2a,2bを収容する前には、搬送ユニット5のローラアーム18とディスクガイド17とを互いに近づけ、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とを互いに遠ざけておく。
【0053】
そして、連動機構は、機器本体3内にBD2a,2bが挿入されて、搬送用モータ30が回転駆動すると、キャリッジシャーシ23のターンテーブル26とクランプアーム24のクランパ34との間にBD2a,2bが挿入される。その後、連動機構は、機器本体3内にBD2a,2bを収容して、当該BD2a,2bが再生位置に位置付けられると、搬送ユニット5のローラアーム18とディスクガイド17とを互いに離し、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とを互いに近づける。
【0054】
このように、連動機構は、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに近づくと、搬送ユニット5のローラアーム18とディスクガイド17とが互いに離れるとともに、搬送ユニット5のローラアーム18とディスクガイド17とが互いに近づくと、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ23とクランプアーム24とが互いに離れるように、クランプ再生ユニット6と搬送ユニット5とを互いに連動させる。
【0055】
μCOM4は、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)と、CPUが行う処理のプログラムなどを格納した読み取り専用のメモリであるROMと、CPUでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み取り書き込み自在のメモリであるRAMなどを内蔵し、これらがバスラインによって互いに接続されている。
【0056】
μCOM4は、搬送ユニット5と、クランプ再生ユニット6と、連動機構などと接続しており、スイッチ12から入力された命令などを示す情報に応じて、これらの動作を制御して、プレーヤ装置1全体の制御を司る。
【0057】
本実施例によれば、ディスクガイド17のガイドリブ37の機器本体3の正規の位置に位置付けられた小径BD2aの外縁が当接する最傾部39が、他の部分としての緩やか部40よりもBD2a,2bの表面に対する傾きが大きく形成されている。このために、ガイドリブ37に最傾部39と緩やか部40との双方を設けて、ガイドリブ37即ちディスクガイド17の厚みが増加すること即ち機器本体3の厚みが増加することを防止しながらも、ガイドリブ37が、比較例としての図10に示された従来のガイドリブ37が小径BD2aを押圧する方向A1(図10中に矢印で示す)よりも、搬送ローラ20との間に挟んだ小径BD2aを押圧する方向A(図9中に矢印で示す)がより機器本体3の幅方向Xの中央に向うこととなる。
【0058】
このため、本実施例のプレーヤ装置1のディスクガイド17のガイドリブ37は、図10に示された比較例としての従来のガイドリブ100よりも、機器本体3の幅方向Xに沿って当該幅方向Xの中央に向ってより強い力で付勢することとなる。このため、ガイドリブ37が、搬送ローラ20との間により強い力で小径BD2aを挟むことができ、小径BD2aを正規の再生位置に位置付けることができる。よって、特に厚みの薄い小径BD2aであっても、当該小径BD2aの情報を確実に読み出すことができる。
【0059】
また、ディスクガイド17は、ガイドリブ37に加えて当該ガイドリブ37よりも機器本体3の外側に配置された第2ガイドリブ38も備えている。このために、小径BD2aに加えて、第2ガイドリブ38により、大径BD2aも確実に正規の再生位置まで保持することができる。
【0060】
前述した実施例によれば、以下のプレーヤ装置1が得られる。
【0061】
(付記) 互いに外径の異なる大径BD2aと小径BD2bとのうちいずれかを収容する機器本体3と、
前記機器本体3の内外に搬送される前記いずれかのBD2a,2bの移動方向を案内するディスクガイド17と、
前記ディスクガイド17との間に前記いずれかのBD2a,2bを挟んで、当該BD2a,2bを前記機器本体3の内外に搬送する搬送ローラ20と、を備えたプレーヤ装置1において、
前記ディスクガイド17は、
前記機器本体3に取り付けられる平板状の本体部36と、
前記本体部36から前記搬送ローラ20に向って凸で、かつ前記機器本体3の幅方向Xに沿って直線状に延在しているとともに、前記機器本体3の幅方向Xの両端部から中央部に向うにしたがって前記本体部36からの突出量が少なく形成されたガイドリブ37と、を備え、
前記ガイドリブ37は、前記機器本体3内の正規の位置に位置付けられた小径BD2bの外縁と当接するとともに、緩やか部40よりも前記BD2a,2bの表面に対する傾きが大きく形成された最傾部39を備えたことを特徴とするプレーヤ装置1。
【0062】
付記によれば、ディスクガイド17のガイドリブ37の機器本体3の正規の位置に位置付けられた小径BD2aの外縁が当接する最傾部39が、他の部分としての緩やか部40よりもBD2a,2bの表面に対する傾きが大きく形成されている。このために、ガイドリブ37に最傾部39と緩やか部40との双方を設けて、ガイドリブ37即ちディスクガイド17の厚みが増加すること即ち機器本体3の厚みが増加することを防止しながらも、付記に記載のプレーヤ装置1のディスクガイド17のガイドリブ37は、従来のガイドリブ100よりも、機器本体3の幅方向Xに沿って当該幅方向Xの中央に向ってより強い力で付勢することとなる。このため、ガイドリブ37が、搬送ローラ20との間により強い力で小径BD2aを挟むことができ、小径BD2aを正規の再生位置に位置付けることができる。よって、特に厚みの薄い小径BD2aであっても、当該小径BD2aの情報を確実に読み出すことができる。
【0063】
本発明では、BD2a,2bに限らず、種々の記録媒体から情報を読み出す情報処理装置としても良い。勿論、BD2a,2bに限らず、種々の記録媒体を複数収容する情報処理装置としても良い。
【0064】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 プレーヤ装置(情報処理装置)
2a 大径BD(大径記録媒体)
2b 小径BD(小径記録媒体)
3 機器本体
17 ディスクガイド
20 搬送ローラ
36 本体部
37 ガイドリブ
38 第2ガイドリブ
39 最傾部
40 緩やか部(他の部分)
X 幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに外径の異なる大径記録媒体と小径記録媒体とのうちいずれかを収容する機器本体と、
前記機器本体の内外に搬送される前記いずれかの記録媒体の移動方向を案内するディスクガイドと、
前記ディスクガイドとの間に前記いずれかの記録媒体を挟んで、当該記録媒体を前記機器本体の内外に搬送する搬送ローラと、を備えた情報処理装置において、
前記ディスクガイドは、
前記機器本体に取り付けられる平板状の本体部と、
前記本体部から前記搬送ローラに向って凸で、かつ前記機器本体の幅方向に沿って直線状に延在しているとともに、前記機器本体の幅方向の両端部から中央部に向うにしたがって前記本体部からの突出量が少なく形成されたガイドリブと、を備え、
前記ガイドリブは、前記機器本体内の正規の位置に位置付けられた小径記録媒体の外縁と当接するとともに、他の部分よりも前記記録媒体の表面に対する傾きが大きく形成された最傾部を備えたことを特徴する情報処理装置。
【請求項2】
前記ディスクガイドは、前記ガイドリブよりも前記機器本体の外側寄りに配置され、かつ、前記機器本体の幅方向の両端部から中央部に向うにしたがって前記本体部からの突出量が徐々に少なくなるように形成された第2ガイドリブを備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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