説明

情報処理装置

【課題】ユーザの歩数を誤ってカウントする誤カウントの発生を好適に防止することができるようにする。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機においては、加速度センサは、携帯電話機に生じる加速度を検知し、検知信号を生成し、制御部は、検知信号に基づいて携帯電話機の移動に伴うユーザの歩数を計数し、携帯電話機の外部からの入力が検知された場合、外部入力の検知時点から第1の時間前までのユーザの歩数の計数を無効とし、外部入力の時点から第2の時間が経過するまで、ユーザの歩数の計数を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に係り、特に、加速度センサが搭載された情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末としての携帯電話機には、単なる通話による通信機能だけでなく、アドレス帳機能、基地局やインターネットなどのネットワークを介したメール機能や、Webページなどを閲覧することが可能なブラウザ機能、さらにはオーディオデータを聞くことができる音楽制御機能や、地上波ディジタルワンセグ放送波を受信することができる機能などが搭載されるようになってきている。
【0003】
また、携帯電話機のモータビリティを利用し、加速度センサを携帯電話機に内蔵して携帯電話機に歩数計の機能を持たせる技術が提案されている。なお、歩数計に関連する技術として、次のような技術が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に提案されている技術によれば、センサの感度軸の腕の長さ方向になるようにセンサを腕に装着して、歩行時および走行時に歩数測定を行い、測定モードが歩行モードの時、センサからの検出信号を1歩として計数し、測定モードが走行モードの時は、センサからの検出信号を2歩として計数する。これにより、測定モードに応じた正確な歩数測定を行うことができる。
【特許文献1】特開2008−76210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが携帯電話機を利用する場合、例えば操作キーを用いたキー入力や、携帯電話機の開閉動作、外部機器との接続ケーブルなどの装着と取り外しなどが必要に応じて行われるが、このような場合、携帯電話機に内蔵された加速度センサが操作時の振動によって携帯電話機に生じる加速度を検知してしまい、加速度センサによる値を計数すべき状況ではない状況にもかかわらず、加速度センサによる値を計数されてしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば歩数のカウントなどの加速度センサによる計数の誤カウントの発生を好適に防止することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報処理装置に生じる加速度を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、検知信号生成手段により生成された検知信号に基づいて、情報処理装置のユーザの動作を計数する計数手段と、情報処理装置の外部からの入力が検知された場合、外部入力の検知時点から第1の時間前までの計数手段によるユーザの動作の計数を無効とし、外部入力の時点から第2の時間が経過するまで、計数手段によるユーザの動作の計数を停止する停止手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、情報処理装置に生じる加速度を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、検知信号生成手段により生成された検知信号に基づいて、情報処理装置のユーザの動作を計数する計数手段と、所定のアプリケーションプログラムの起動開始から起動終了までの間、計数手段によるユーザの動作の計数を停止する停止手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば歩数のカウントなどの加速度センサによる計数の誤カウントの発生を好適に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る携帯端末として適用可能な携帯電話機1の外観の構成を表している。なお、図1(A)は、携帯電話機1を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図1(B)は、携帯電話機1を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0010】
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図4のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
【0011】
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
【0012】
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられたメインディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
【0013】
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じてメインディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
【0014】
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
【0015】
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。さらに、第1の筐体12には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー16が設けられている。
【0016】
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0017】
一方、第2の筐体13には、その正面にメインディスプレイ17が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図2のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバ(図示せず)より受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図4のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、メインディスプレイ17の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)18が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ18以外の音声出力部としてのスピーカ(図4のスピーカ50)も設けられている。
【0018】
また、第1の筐体12と第2の筐体13の内部の所定の位置には、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ19a、19b、19c、および19dが設けられる。なお、メインディスプレイ17は、例えば有機ELにより構成されるディスプレイでもよいし、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)でもよい。
【0019】
図2は、本発明に係る携帯端末として適用可能な携帯電話機1の他の外観の構成を表している。図2の携帯電話機1の状態は、図1の携帯電話機1の状態から矢印X方向に回動させた状態である。なお、図2(A)は、携帯電話機1を閉じたときの正面から見た外観の構成を表しており、図2(B)は、携帯電話機1を閉じたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0020】
第2の筐体13の上部には、CCDカメラ20が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮像することができる。CCDカメラ20の下部には、サブディスプレイ21が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
【0021】
図3は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機1の他の外観の構成を表している。図3の携帯電話機1の状態(いわゆるターンオーバースタイル)は、図1の携帯電話機1の状態から矢印Y方向に180度首振り回動させたのち矢印X方向に回動させ、メインディスプレイ17が外向きになる状態で第1の筐体12と第2の筐体13を重ね合わせた状態である。なお、図3(A)は、携帯電話機1をターンオーバースタイルの状態にしたときの正面から見た外観の構成を表しており、図3(B)は、携帯電話機1をターンオーバースタイルの状態にしたときの側面から見た外観の構成を表している。なお、図1乃至図3に示されるように、直交する2軸廻りに回転することが可能な携帯電話機1は、2軸回転式の携帯電話機と呼ばれる。本発明の実施形態においては、2軸回転式の携帯電話機1について明示的に記載するが、これ以外にも、例えばスライド式やストレート式などの携帯電話機1にも本発明を適用することができる。
【0022】
図4は、本発明に係る携帯端末に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0023】
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調停された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0024】
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
【0025】
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ18により出力される。
【0026】
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ17に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ17に表示させることも可能である。
【0027】
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ17に表示させる。
【0028】
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン15に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0029】
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
【0030】
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
【0031】
また、携帯電話機1は、外部メモリインタフェース45を備えている。この外部メモリインタフェース45は、メモリカード46を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード46は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。さらに、携帯電話機1には、現在の正確な現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)47が設けられている。
【0032】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0033】
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
【0034】
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。また、地上波ディジタルワンセグ受信部48は、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波に基づくTS(Transport Stream)信号を地デジ処理部49に供給する。地デジ処理部49は、地上波ディジタルワンセグ受信部48にて地上波ディジタルワンセグ放送波が受信された場合、地上波ディジタルワンセグ受信部48からの地上波ディジタルワンセグ放送波に基づくTS信号から、音声データと映像データに関するES(Elementary Stream)にそれぞれ分離し、分離された音声データを地デジ処理部49内の音声デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードするとともに、分離された映像データを地デジ処理部49内の映像デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードし、デコード後のディジタル音声信号とディジタル動画像信号を制御部41に供給する。
【0035】
加速度センサ51は、携帯電話機1に生じる加速度を検知し、検知信号を生成し、生成された検知信号を制御部41に出力する。具体的には、加速度センサ51は、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅が予め設定された所定の基準値よりも大きいか否かを判定し、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅が予め設定された所定の基準値よりも大きいと判定した場合、携帯電話機1に生じる加速度を検知したことを示す検知信号を生成し、生成された検知信号を制御部41に出力する。
【0036】
携帯電話機1には、外部メモリインタフェース45以外にも、例えばUSBやイヤホン、充電器などの外部機器との接続ケーブル(図示せず)が装着される外部ポート52が設けられている。
【0037】
ところで、ユーザが携帯電話機1を利用する場合、例えば操作キーを用いたキー入力や、携帯電話機の開閉動作、外部機器との接続ケーブルなどの装着と取り外しなどが必要に応じて行われるが、このような場合、携帯電話機に内蔵された加速度センサが操作時の振動によって携帯電話機に生じる加速度を検知してしまい、加速度センサによる値を計数すべき状況ではない状況にもかかわらず、加速度センサによる値を計数されてしまう。
【0038】
そこで、例えば操作キー14を用いたキー入力や、携帯電話機1の開閉動作、外部機器との接続ケーブルなどの装着と取り外しなどが行われたか否かを判断し、これらの動作が行われたと判断された場合、ユーザが主体的な意図をもって携帯電話機1を操作していると認識し、これらの動作が行われたと判断された時点の前後における加速度センサ51によるカウントを無効とする。これにより、例えば歩数をカウントする場合、ユーザの歩数を誤ってカウントする誤カウントの発生を好適に防止することが可能となる。以下、この方法を用いた誤カウント発生防止処理について説明する。なお、例えば操作キー14を用いたキー入力や、携帯電話機1の開閉動作、外部機器との接続ケーブルなどの装着と取り外しなどを含む動作は「ユーザの動作」と定義する。
【0039】
図5のフローチャートを参照して、図4の加速度センサ51における検知信号生成処理について説明する。ステップS1において、加速度センサ51は、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅が予め設定された所定の基準値よりも大きいか否かを判定する。例えば図6(A)に示されるように、加速度センサ51は、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅を測定し、測定された振幅が予め設定された所定の基準値よりも大きいか否かを判定する。図6(A)の場合、時刻t乃至tにて、予め設定された所定の基準値よりも大きい振幅であると判定される。なお、このステップS1における判断はこれに限定されない。例えば、「予め設定された所定の基準値を超えた後に、この基準値を下回る状況になったか(図6(A)の矢印の地点)」否かを判定する条件としても良い。
【0040】
ステップS1において加速度センサ51が、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅が予め設定された所定の基準値よりも大きいと判定した場合、加速度センサ51は、携帯電話機1に生じる加速度を検知したことを示す検知信号を生成する。例えば図6(B)に示されるように、予め設定された所定の基準値よりも大きい振幅であると判定された時刻t乃至tにて、加速度センサ51は、それぞれ検知信号を生成する。ステップS3において、加速度センサ51は、生成された検知信号を制御部41に出力する。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
【0041】
一方、ステップS1において加速度センサ51が、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅が予め設定された所定の基準値以下であると判定した場合、ステップS2乃至S3の処理はスキップされ、処理はステップS1に戻る。
【0042】
これにより、加速度センサ51は、携帯電話機1に生じる加速度を示す振幅が予め設定された所定の基準値よりも大きいと判定する度に、携帯電話機1に生じる加速度を検知したことを示す検知信号を生成し、生成された検知信号を制御部41に出力する。
【0043】
次に、図7のフローチャートを参照して、図4の携帯電話機1における誤カウント発生防止処理について説明する。ステップS11において、制御部41は、加速度センサ51から検知信号(携帯電話機1に生じる加速度を検知したことを示す検知信号)を新たに取得したか否かを判定し、加速度センサ51から検知信号を新たに取得したと判定するまで待機する。なお、制御部41は、検知信号を加速度センサ51から取得する際、検知された時間情報も取得する。
【0044】
ステップS11において制御部41が、加速度センサ51から検知信号を新たに取得したと判定した場合、制御部41はステップS12で、携帯電話機1の外部からの入力を検知したか否かを判定する。具体的には、制御部41は、以下のような場合に、外部からの入力を検知したと判定する。例えば携帯電話機1にて操作キー14などが操作されている場合、外部からの入力を検知したと判定される。また、携帯電話機1の開閉動作が行われたり、携帯電話機の状態が図3に示されるターンオーバースタイルの状態にされたりした場合、携帯電話機1の形状に基づく入力を検知したと判定される。さらに、携帯電話機1の外部ポート52に、例えばUSBやイヤホン、充電器、ハンズフリーキットなどの外部機器との接続ケーブル類(図示せず)が装着された場合、あるいは、外部メモリインタフェース45にメモリカード46が装着された場合、外部からの入力を検知したと判定される。また、CCDカメラ20からの画像信号の入力や、マイクロフォン15からの通話時やボイスメモ時における音声入力が行われた場合、外部からの入力を検知したと判定される。勿論、このような場合に限られず、例えば図示せぬ赤外線通信部や非接触ICチップなどにおいてデータの通信を行っている場合や、図示せぬバイブレータが振動している場合に、携帯電話機1の外部からの入力を検知したと判定するようにしてもよい。また、制御部41は、例えば携帯電話機1にて操作キー14などが操作されている場合、操作キー14からの入力に対応する信号に基づいて、外部からの入力を検知する。
【0045】
ステップS12において制御部41が、携帯電話機1の外部からの入力を検知していないと判定した場合、制御部41はステップS13で、ユーザが意図をもって携帯電話機1を操作していないと認識し、携帯電話機1の移動に伴うユーザ(携帯電話機1を保有するユーザ)の歩数をカウントアップする。例えば図6(C)に示されるように、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻t乃至tにて、ユーザの歩数がカウントアップされ、逐次1回、2回、3回、4回、そして5回とカウントアップされる。なお、説明を簡略化するために、時刻tまでにおいては、加速度センサ51で検知信号が生成されておらず、ユーザの歩数はカウントアップされていないものとする。その後、処理はステップS11に戻り、携帯電話機1の外部からの入力を検知したと判定されるまで、ステップS11乃至S13の処理が繰り返し実行され、ユーザの歩数が逐次カウントアップされる。
【0046】
一方、ステップS12において制御部41が、携帯電話機1の外部からの入力を検知したと判定した場合、制御部41はステップS14で、ユーザが意図をもって携帯電話機1を操作していると認識し、携帯電話機1の外部からの入力の検知時点から所定の時間t前(例えば3秒前など)の歩数のカウントアップを無効とする。例えば図6(D)に示されるように、時刻tと時刻tとの間において携帯電話機1の外部からの入力を検知したと判定された場合、制御部41は、携帯電話機1の外部からの入力の検知時点から所定の時間t前(例えば3秒前など)の歩数のカウントアップをすべて無効とし、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻tにて「5回」とカウントアップされたユーザの1歩数が無効とする。なお、図6(D)の場合、携帯電話機1の外部からの入力の検知時点から所定の時間t前(例えば3秒前など)にカウントアップされた歩数が3歩数である場合、3歩数のカウントアップがすべて無効とされる。
【0047】
ステップS15において、制御部41は、携帯電話機1の外部の入力の検知時点から所定の時間t(例えば10秒間など)経過するまで、加速度センサ51にて検知信号が生成された場合であっても、ユーザの歩数のカウントアップを停止する。例えば図6(D)に示されるように、携帯電話機1の外部の入力の検知時点から所定の時間t(例えば10秒間など)経過するまで、制御部41は、ユーザの歩数のカウントアップを停止し、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻tとtにて、ユーザの歩数のカウントアップを停止する。これにより、携帯電話機1の外部からの入力が検知され、ユーザが意図をもって携帯電話機1を操作していると認識された場合、外部入力の検知時点から所定の時間t経過するまで、ユーザの歩数のカウントアップを停止することができ、ユーザの歩数を誤ってカウントする誤カウントの発生を防止することができる。
【0048】
ステップS16において、制御部41は、携帯電話機1の外部の入力の検知時点から所定の時間t(例えば10秒間など)経過した後、ユーザの歩数のカウントアップの停止を解除する。その後、処理はステップS11に進み、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻にて、ユーザの歩数が逐次カウントアップされる。例えば図6(D)に示されるように、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻t乃至tにて、ユーザの歩数がカウントアップされ、逐次5回と6回とカウントアップされる。
【0049】
なお、ユーザの歩数のカウントアップを無効または停止する際に用いられる所定の時間tまたはtは、ユーザの好みに応じて適宜変更するようにしてもよい。
【0050】
本発明の実施形態においては、携帯電話機1に生じる加速度を検知し、検知信号を生成し、生成された検知信号に基づいて、携帯電話機の移動に伴うユーザの歩数を計数し、携帯電話機1の外部からの入力が検知された場合、外部入力の検知時点から第1の時間前tまでのユーザの歩数の計数を無効とし、外部入力の時点から第2の時間tが経過するまで、ユーザの歩数の計数を停止することができる。また、外部入力の時点から第2の時間tが経過した後、ユーザの歩数の計数の停止を解除することができる。
【0051】
これにより、ユーザが携帯電話機1を利用する場合、例えば操作キーを用いたキー入力や、携帯電話機1の開閉動作、外部機器との接続ケーブルなどの装着と取り外しなどが物理的に行われ、携帯電話機1に内蔵された加速度センサ51が操作時の振動によって携帯電話機1に生じる加速度を検知したとしても、ユーザの歩数として計数されてしまうことを防止することができ、ユーザの歩数を誤ってカウントする誤カウントの発生を好適に防止することができる。従って、誤カウントの発生しやすい場合であっても、携帯電話機1の移動に伴うユーザの歩数を正確に計数することができる。
【0052】
なお、図7のフローチャートを用いて説明した誤カウント発生防止処理においては、携帯電話機1の外部からの入力を検知した場合に、外部入力の検知時点から第1の時間前tまでのユーザの歩数の計数を無効とし、外部入力の時点から第2の時間tが経過するまで、ユーザの歩数の計数を停止するようにしたが、このような場合に限られず、例えばゲームに関するアプリケーションプログラムが起動された場合、ユーザが意図をもって携帯電話機1を操作していると認識し、そのアプリケーションプログラムの起動中、ユーザの歩数の計数を停止するようにしてもよい。以下、この方法を用いた誤カウント発生防止処理について説明する。
【0053】
図8のフローチャートを参照して、図4の携帯電話機1における他の誤カウント発生防止処理について説明する。なお、図8のステップS21およびステップS23の処理は、図7のステップS11およびステップS13の処理と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0054】
ステップS22において、制御部41は、ユーザにより操作キー14が操作されることにより例えばゲームに関するアプリケーションプログラムが起動されたか否かを判定する。ステップS22において制御部41は、例えばゲームに関するアプリケーションプログラムが起動されていないと判定した場合、処理はステップS23に進む。一方、ステップS22において制御部41が、例えばゲームに関するアプリケーションプログラムが起動されたと判定した場合、制御部41はステップS24で、ユーザが意図をもって携帯電話機1を操作していると認識し、ゲームに関するアプリケーションプログラムの起動中、加速度センサ51にて検知信号が生成された場合であっても、ユーザの歩数のカウントアップを停止する。例えば図6(E)に示されるように、制御部41は、ゲームに関するアプリケーションプログラムの起動中、ユーザの歩数のカウントアップを停止し、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻t乃至tにて、ユーザの歩数のカウントアップを停止する。これにより、例えばゲームに関するアプリケーションプログラムが起動され、ユーザが意図をもって携帯電話機1を操作していると認識された場合、ゲームに関するアプリケーションプログラムの起動が終了するまで、ユーザの歩数のカウントアップを停止することができ、ゲーム中における携帯電話機1の振動に伴う誤カウントの発生を防止することができる。
【0055】
その後、ステップS25において、制御部41は、例えばゲームに関するアプリケーションプログラムの起動が終了した後、ユーザの歩数のカウントアップの停止を解除する。その後、処理はステップS21に進み、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻にて、ユーザの歩数が逐次カウントアップされる。例えば図6(E)に示されるように、加速度センサ51にて検知信号が生成された時刻tにて、ユーザの歩数がカウントアップされ、逐次5回とカウントアップされる。
【0056】
なお、図8の誤カウント発生防止処理の場合、例えばゲームに関するアプリケーションプログラムが起動されたときについて明示的に記載したが、このような場合に限られず、例えばメールに関するアプリケーションプログラムなどの他のアプリケーションプログラムが起動された場合に適用するようにしてもよい。また、図7と図8に示される誤カウント発生防止処理は、適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0057】
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の情報処理装置にも適用することができる。
【0058】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0059】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の外観の構成を示す図。
【図2】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の他の外観の構成を示す図。
【図3】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の他の外観の構成を示す図。
【図4】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図5】図4の加速度センサにおける検知信号生成処理を説明するフローチャート。
【図6】(A)および(B)は加速度センサにて検知信号が生成されるタイミングを示す図であり、(C)乃至(E)は検知信号に基づいてカウントされるユーザの歩数を示す図。
【図7】図4の携帯電話機における誤カウント発生防止処理を説明するフローチャート。
【図8】図4の携帯電話機における他の誤カウント発生防止処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0061】
1…携帯電話機、11…ヒンジ部、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…メインディスプレイ、18…レシーバ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、31…アンテナ、32…アンテナ共用器(DUP)、33…受信回路(RX)、34…周波数シンセサイザ(SYN)、35…送信回路(TX)、36…CDMA信号処理部、37…圧縮伸張処理部、38…PCMコーデック、39…受話増幅器、40…送話増幅器、41…制御部、42…記憶部、43…バッテリ、44…電源回路、45…外部メモリインタフェース、46…メモリカード、47…時計回路、48…地上波ディジタルワンセグ受信部、49…地デジ処理部、50…スピーカ、51…加速度センサ、52…外部ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に生じる加速度を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、
前記検知信号生成手段により生成された前記検知信号に基づいて、前記情報処理装置のユーザの動作を計数する計数手段と、
前記情報処理装置の外部からの入力が検知された場合、外部入力の検知時点から第1の時間前までの前記計数手段によるユーザの動作の計数を無効とし、外部入力の時点から第2の時間が経過するまで、前記計数手段によるユーザの動作の計数を停止する停止手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
外部入力の時点から第2の時間が経過した後、前記停止手段によるユーザの動作の計数の停止を解除する解除手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置の外部からの入力には、少なくとも、前記情報処理装置にて入力部による操作されている場合による入力、前記情報処理装置の形状に基づく入力、前記情報処理装置の外部ポートに接続ケーブル類が装着された場合による入力、画像信号の入力、通話時またはボイスメモ時における音声入力、赤外線通信部または非接触ICチップにてデータ通信を行っている場合による入力、およびバイブレータが振動している場合による入力が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置に生じる加速度を検知し、検知信号を生成する検知信号生成手段と、
前記検知信号生成手段により生成された前記検知信号に基づいて、前記情報処理装置のユーザの動作を計数する計数手段と、
所定のアプリケーションプログラムの起動開始から起動終了までの間、前記計数手段によるユーザの動作の計数を停止する停止手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
所定のアプリケーションプログラムの起動終了後、前記停止手段によるユーザの動作の計数の停止を解除する解除手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−4170(P2010−4170A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159641(P2008−159641)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】