説明

情報家電機器のコンテンツデータを携帯端末へ転送するデータ転送方法、サーバ及びプログラム

【課題】情報家電機器に蓄積されたコンテンツデータを、極めて短い時間で携帯端末へ転送することができるデータ転送方法、サーバ及びプログラムを提供する。
【解決手段】セットトップボックス(サーバ)が、情報家電機器(情報装置)から、複数のコンテンツIDを含むTOC(Table Of Contents)情報を受信する。次に、セットトップボックスが、携帯端末へ、TOC情報を送信し、携帯端末が、利用者に、TOC情報の中から、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツIDを選択させ、携帯端末が、選択コンテンツIDをセットトップボックスへ送信する。次に、セットトップボックスが、選択コンテンツIDを情報家電機器へ送信し、情報家電機器から、選択コンテンツIDに対応するコンテンツデータを受信する。そして、利用者が帰宅し、セットトップボックスに携帯端末が接続された際に、携帯端末へコンテンツデータを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報家電機器のコンテンツデータを携帯端末へ転送するデータ転送方法、サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやルータが接続されるホームネットワークに、DVD(Digital Video Disk)レコーダやミュージックコンポのような情報家電機器が接続されてきている。このようなネットワークを宅内に構成すると、パーソナルコンピュータ及び情報家電機器の間で、コンテンツデータ(音楽データ、映像データ等)を共有することができる。例えば、情報家電機器に蓄積されたコンテンツデータを、パーソナルコンピュータによって再生することができる。
【0003】
従来、ホームネットワークに接続された音楽サーバが、音楽データを、携帯音楽再生装置へ転送する技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、利用者は、音楽サーバのディスプレイ及び操作ボタン部を用いて、携帯音楽再生装置へ記録させる音楽データリストを編集する。音楽データ毎に識別子が対応付けられている。音楽サーバは、選択された音楽データの識別子を用いて、所定の情報家電機器(例えばDVDプレーヤ等)から音楽データを取得する。音楽サーバは、取得した音楽データを、携帯音楽再生装置へ転送する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−202475号公報
【非特許文献1】「Digital Living Network Alliance(DLNA)」、[online]、平成19年1月2日検索、インターネット<URL:http://www.dlna.org/jp/industry/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術によれば、利用者は、音楽サーバに対して、携帯音楽再生装置へ転送すべき音楽データのリストを編集する必要がある。また、音楽サーバは、利用者によって音楽データのリストの編集がなされた後に、情報家電機器から音楽データを取得し、更にその音楽データを携帯音楽再生装置へ転送する。このような処理シーケンスは、利用者の操作によって行われ、長時間を要し、利便性に欠けるものであった。
【0006】
また、音楽サーバが、情報家電機器から取得した音楽データに対して、携帯音楽再生装置専用のデータ形式に変換(トランスコーディング)しなければならない場合もある。この場合は、更に長時間を要することとなる。利用者が宅内に滞在する時間が短い場合には、音楽データのデータ形式を変換し且つ転送することができない場合もあり得る。
【0007】
そこで、本発明は、情報家電機器に蓄積されたコンテンツデータを、極めて短い時間で携帯端末へ転送することができるデータ転送方法、サーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、ローカルネットワークに接続されたサーバと、そのローカルネットワークに接続され且つコンテンツデータを蓄積した情報装置と、サーバと移動ネットワークを介して通信する携帯端末とを有するシステムにおけるデータ転送方法であって、
サーバが、情報装置から、複数のコンテンツ識別子を含むコンテンツテーブルを受信する第1のステップと、
サーバが、携帯端末へ、コンテンツテーブルを送信する第2のステップと、
携帯端末が、利用者に、コンテンツテーブルの中から、当その携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させる第3のステップと、
携帯端末が、選択コンテンツ識別子をサーバへ送信する第4のステップと、
サーバが、選択コンテンツ識別子を情報装置へ送信し、情報装置から、選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信する第5のステップと、
サーバに携帯端末が接続された際に、サーバが、携帯端末へコンテンツデータを送信する第6のステップと
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明のデータ転送方法における他の実施形態によれば、
情報装置は、情報家電機器であり、
ローカルネットワークは、ホームネットワークであり、
サーバは、セットトップボックス又はブロードバンドルータであり、
携帯端末は、携帯電話機又は携帯音楽再生装置であることも好ましい。
【0010】
本発明のデータ転送方法における他の実施形態によれば、第6のステップについて、サーバにケーブルを介してクレードルが接続されており、そのクレードルに携帯端末が接続された際に、サーバが、携帯端末へコンテンツデータを送信することも好ましい。
【0011】
本発明のデータ転送方法における他の実施形態によれば、第6のステップについて、ローカルネットワークに携帯端末が接続された際に、サーバが、携帯端末へコンテンツデータを送信することも好ましい。
【0012】
本発明のデータ転送方法における他の実施形態によれば、
コンテンツテーブルは、TOC(Table Of Contents)情報であり、
第1のステップについて、サーバは、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインを用いて情報装置からTOC情報を受信し、
第2のステップについて、携帯端末が移動ネットワークを介してサーバへアクセスした際に、サーバが携帯端末へTOC情報を送信し、
第3のステップについて、携帯端末が、TOC情報のリストをディスプレイに表示し、利用者に、当その携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子をTOC情報のリストの中から選択させることも好ましい。
【0013】
本発明のデータ転送方法における他の実施形態によれば、第5のステップについて、サーバは、更に、情報装置から受信したコンテンツデータを、携帯端末用のデータ形式にトランスコーディングすることも好ましい。
【0014】
本発明によれば、コンテンツデータを蓄積した情報装置とローカルネットワークを介して接続され、携帯端末と移動ネットワークを介して通信するサーバであって、
情報装置から、複数のコンテンツ識別子を含むコンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル取得手段と、
携帯端末へ、コンテンツテーブルを送信するコンテンツテーブル送信手段と、
携帯端末から、利用者によって選択された選択コンテンツ識別子を受信する選択コンテンツ識別子受信手段と、
選択コンテンツ識別子を情報装置へ送信し、情報装置から、選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信するコンテンツデータ取得手段と、
サーバに携帯端末が接続された際に、携帯端末へコンテンツデータを送信するコンテンツデータ送信手段と
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明のサーバにおける他の実施形態によれば、
サーバは、セットトップボックス又はブロードバンドルータであり、
ローカルネットワークは、ホームネットワークであり、
情報装置は、情報家電機器であり、
携帯端末は、携帯電話機又は携帯音楽再生装置であることも好ましい。
【0016】
本発明のサーバにおける他の実施形態によれば、コンテンツデータ送信手段は、ケーブルに接続され、そのケーブルの先にクレードルが接続されており、そのクレードルに携帯端末が接続された際に、携帯端末へコンテンツデータを送信することも好ましい。
【0017】
本発明のサーバにおける他の実施形態によれば、コンテンツデータ送信手段は、携帯端末がローカルネットワークに接続されたことを知った際に、携帯端末へコンテンツデータを送信することも好ましい。
【0018】
本発明のサーバにおける他の実施形態によれば、
コンテンツテーブルは、TOC情報であり、
コンテンツテーブル取得手段は、DLNAガイドラインを用いて情報装置からTOC情報を受信し、
コンテンツテーブル送信手段は、携帯端末が移動ネットワークを介してサーバへアクセスした際に、携帯端末へTOC情報を送信することも好ましい。
【0019】
本発明のサーバにおける他の実施形態によれば、情報装置から受信したコンテンツデータを、携帯端末用のデータ形式にトランスコーディングするトランスコーディング手段を更に有することも好ましい。
【0020】
本発明によれば、前述のサーバと、移動ネットワークを介して通信する携帯端末であって、
サーバから、コンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル受信手段と、
利用者に、コンテンツテーブルの中から、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させるコンテンツ識別子選択手段と、
選択コンテンツ識別子をサーバへ送信する選択コンテンツ識別子送信手段と、
サーバに携帯端末が接続された際に、サーバからコンテンツデータを受信するコンテンツデータ受信手段と
を有することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、コンテンツデータを蓄積した情報装置とローカルネットワークを介して接続され、携帯端末と移動ネットワークを介して通信するサーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
情報装置から、複数のコンテンツ識別子を含むコンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル取得手段と、
携帯端末へ、コンテンツテーブルを送信するコンテンツテーブル送信手段と、
携帯端末から、利用者によって選択された選択コンテンツ識別子を受信する選択コンテンツ識別子受信手段と、
選択コンテンツ識別子を情報装置へ送信し、情報装置から、選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信するコンテンツデータ取得手段と、
サーバに携帯端末が接続された際に、携帯端末へコンテンツデータを送信するコンテンツデータ送信手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、前述したサーバと、移動ネットワークを介して通信する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
サーバから、コンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル受信手段と、
利用者に、コンテンツテーブルの中から、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させるコンテンツ識別子選択手段と、
選択コンテンツ識別子をサーバへ送信する選択コンテンツ識別子送信手段と、
サーバに携帯端末が接続された際に、サーバからコンテンツデータを受信するコンテンツデータ受信手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明のデータ転送方法、サーバ及びプログラムによれば、情報家電機器に蓄積されたコンテンツデータを、極めて短い時間で携帯端末へ転送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
【0026】
図1によれば、利用者宅内のホームネットワーク5に、セットトップボックス(サーバ、又はセットトップボックスの機能を有するブロードバンドルータであってもよい)1と情報家電機器(情報装置)2とが接続されている。ホームネットワーク5は、例えばLAN(Local Area Network)であって、無線でも有線でもよい。また、ブロードバンドルータが、は、であってもよい。
【0027】
セットトップボックス1は、1つのボックス装置として独立したものであってもよいし、パーソナルコンピュータに本発明に基づくセットトップボックス用ソフトウェアを搭載したものであってもよい。
【0028】
セットトップボックス1には、ケーブルを介してクレードル4が接続されている。通常、クレードルに携帯端末(携帯電話機、携帯音楽再生装置等)を載せることによって、携帯端末を充電することができる。また、ケーブルの相手側固定通信装置との間で、高速なデータ通信をすることもできる。このとき、クレードルは、携帯端末と、パーソナルコンピュータ(図1によればセットトップボックス1)との間でデータ内容を同期させることもできる。ケーブルには、シリアルポートやUSB(Universal Serial Bus)ポートが用いられることが多い。
【0029】
情報家電機器2は、例えば、HDD(Hard Disk)/DVD(Digital Video Disk)プレーヤ/レコーダ又はパーソナルコンピュータのような、コンテンツデータを蓄積することができる装置である。コンテンツデータは、音楽データ、動画/静止画データ等である。
【0030】
図1によれば、ホームネットワーク5は、ルータ6を介してインターネット7に接続される。一方で、携帯端末3は、無線リンクによって接続される移動ネットワークを介してインターネット7に接続することができる。これにより、携帯端末3は、インターネット7及びホームネットワーク5を介して、利用者宅内のセットトップボックス1と通信をすることができる。携帯端末3は、例えば、携帯電話機、携帯音楽ビデオ再生装置、携帯情報端末であってもよい。尚、以下では、携帯端末3は、携帯電話機であるとして説明する。
【0031】
本発明によれば、DLNA(Digital Living Network Alliance)によって規定されたプロトコル「相互接続ガイドライン1.0」(以下「DLNAガイドライン」という)に基づいて、セットトップボックス1及び情報家電機器2が、ホームネットワーク5を介して通信する。DLNAは、ホームネットワークを介して、コンテンツデータを相互に利用することができる標準規格である。
【0032】
コンテンツデータを提供する情報家電機器は、DMS(Digital Media Server)と称され、そのコンテンツデータを再生する携帯端末は、DMP(Digital Media Player)と称される。DLNAガイドラインは、DMSとDMPとの間の接続条件を規定する。DLNAガイドラインに準拠した機器同士であれば、ホームネットワークに接続するだけで、特別な設定無しに、相互接続し且つコンテンツデータを共用することができる。
【0033】
DLNAガイドラインによれば、伝送規格は、イーサネット(登録商標)又はIEEE802.11無線LANを用いる。通信プロトコルは、TCP/IPである。制御メッセージの交換又はファイル転送には、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を用い、メッセージは、XML(eXtensible Markup Language)で記述する。動画のデータ形式はMPEG2を用い、静止画のデータ形式はJPEGを用いる。
【0034】
DLNAガイドラインは、UPnP(Universal Plug and Play)技術を中核とする。UPnPによって、DMS又はDMPにアドレスを割り当てることができ、互いに自動的に認識することができる。UPnP Device Architectureによって規定されたプロトコルによれば、DMSは、UPnP Media Serverの仕様を用いて、当該機器が所持しているファイルのリストを送信することができる。
【0035】
次に、図1を用いて、本発明のシーケンスの概要を説明する。
【0036】
携帯電話機3は、通常、利用者に所持され、外出中も携帯される。そして、利用者は、帰宅した際に、携帯電話機3を充電するために、その携帯電話機3をクレードル4に載せる。本発明は、携帯電話機3がクレードル4に接続されていない外出段階と、クレードル4に接続されている帰宅段階とに分ける。外出段階では、利用者が、当該携帯電話機3へダウンロードすべきコンテンツデータを選択する。また、セットトップボックス1が、そのコンテンツデータを携帯電話機用のデータ形式に変換し、ダウンロード待ち状態としておく。帰宅段階では、携帯電話機3が、セットトップボックス1からコンテンツデータをダウンロードするだけである。これにより、携帯電話機3へコンテンツデータをダウンロードする時間を、極力短くすることができる。
【0037】
最初に、セットトップボックス1が、情報家電機器2から、TOC(Table Of Contents)情報を受信する。TOC情報は、少なくともコンテンツ名とコンテンツID(IDentifier:識別子)とを含むコンテンツテーブルである。TOC情報は、例えば、以下のような情報を有する。
【表1】

【0038】
DLNAにおけるDMSとなる情報家電機器2は、蓄積する複数のコンテンツデータに対して1つのTOC情報を常に保持する。
【0039】
図2は、本発明における携帯電話機の表示内容を表す説明図である。尚、図示されるシーケンス番号(S304〜S311)は、後述する図3のシーケンス番号と一致する。
【0040】
セットトップボックス1は、情報家電機器2から受信したTOC情報を、携帯電話機3へ送信する。携帯電話機3は、TOC情報をディスプレイに表示する(S304)。
【0041】
次に、利用者は、キーを用いて、当該携帯電話機3にダウンロードすべきコンテンツデータを選択する(S305)。
【表2】

【0042】
そして、携帯電話機3は、選択コンテンツIDをセットトップボックス1へ送信する(S306)。
【0043】
セットトップボックス1は、携帯電話機3から受信した選択コンテンツIDを、情報家電機器2へ送信する。これに対し、情報家電機器2は、選択コンテンツIDに対応するコンテンツデータをセットトップボックス1へ送信する。セットトップボックス1は、情報家電機器2から受信したコンテンツデータを保持する。
【0044】
このとき、セットトップボックス1は、コンテンツデータを、携帯電話機3のデータ形式にトランスコーディングする。比較的に長時間を要するトランスコーディングの処理を、利用者の外出段階で終えておく。
【0045】
その後、利用者が帰宅し、携帯電話機3をクレードルに載せたとする。これにより、セットトップボックス1は、携帯電話機3と直接的に通信をすることができる。このとき、セットトップボックス1は、情報家電機器2から予め受信していたコンテンツデータを携帯電話機3へ送信する。これにより、携帯電話機3は、利用者が所望するコンテンツデータをダウンロードすることができる。利用者は、携帯電話機3をクレードル4から外し、更に移動した先で、そのコンテンツデータを再生させることができる。
【0046】
図3は、本発明におけるシーケンス図である。
【0047】
(S301)セットトップボックス1は、情報家電機器2からTOC情報を取得するために事前シーケンスを実行する。
(1)セットトップボックス1は、ホームネットワークに接続された情報家電機器を発見する。そのために、Discovery:Searchメッセージを、ホームネットワークへ送信する。情報家電機器(UPnPデバイス)は、Discovery:Responseを返信する。Discovery:Responseには、LOCATIONが含まれる。複数の情報家電機器がホームネットワークに接続されている場合、複数のDiscovery:Responseが、セットトップボックス1によって受信される。
(2)セットトップボックス1は、Discovery:ResponseのLOCATIONへ、Description Requestを送信し、デバイス詳細.xmlを要求する。これに対し、情報家電機器2は、デバイス詳細.xmlを含むDescription Responseを、セットトップボックス1へ返信する。デバイス詳細.xmlには、各サービスのSCPDURLが含まれる。
(3)次に、セットトップボックス1は、各サービスのSCPDURLに基づくサービス詳細.xmlを取得するために、Service Requestを情報家電機器2へ送信する。これに対し、情報家電機器2は、サービス詳細.xmlを含むService Responseをセットトップボックス1へ返信する。
【0048】
(S302)次に、セットトップボックス1が、情報家電機器2からTOC情報を取得する。セットトップボックス1は、情報家電機器2のサービス詳細.xmlに基づいて生成したSOAP(Simple Object Access Protocol)のControl Actionメッセージを、情報家電機器2へ送信する。これに対し、情報家電機器2は、TOC情報を含むControl
Action Responseを、セットトップボックス1へ返信する。
【0049】
(S303)携帯電話機3は、セットトップボックス1へ呼接続する。
【0050】
(S304)これに対し、セットトップボックス1は、携帯電話機3へ、TOC情報を送信する。第1の実施形態としては、TOC情報をそのまま送信する。第2の実施形態としては、以前に当該携帯電話機3へTOC情報を送信していた場合、先のTOC情報と現TOC情報とを比較し、その差分のみのTOC情報を送信する。TOC情報の情報量が大きい場合、携帯電話機との間の無線通信の狭帯域を考慮して、第2の実施形態の方が有効である。そして、携帯電話機3のディスプレイには、図2のS304が表示される。
【0051】
(S305)携帯電話機3は、利用者に、表示されたTOC情報の中から、当該携帯電話機3にダウンロードすべきコンテンツデータを選択させる。携帯電話機3のディスプレイには、図2のS305が表示される。
【0052】
(S306)そして、携帯電話機3は、選択コンテンツ識別子をセットトップボックス3へ送信する。携帯電話機3のディスプレイには、図2のS306が表示される。
【0053】
(S307)セットトップボックス1は、携帯電話機3から受信した選択コンテンツ識別子を、情報家電機器2へ送信する。
(S308)これに対し、情報家電機器2は、選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを、セットトップボックス1へ送信する。これにより、セットトップボックス1は、携帯電話機3へ送信すべきコンテンツデータを保持することができる。
【0054】
(S309)セットトップボックス1は、コンテンツデータを、携帯電話機用のデータ形式へトランスコーディングする。
【0055】
(S310)その後、利用者が帰宅し、携帯電話機3を、セットトップボックス1に接続されるクレードル4に載せたとする。
(S311)このとき、セットトップボックス1は、携帯電話機3へ、トランスコーディングされたコンテンツデータを送信する。携帯電話機3のディスプレイには、図2のS311が表示される。これにより、携帯電話機3は、外出先で選択したコンテンツデータを蓄積することができる。
【0056】
図4は、本発明におけるセットトップボックス及び携帯電話機の機能構成図である。
【0057】
セットトップボックス1は、コンテンツテーブル取得部101と、コンテンツテーブル送信部102と、選択コンテンツ識別子受信部103と、コンテンツデータ取得部104と、トランスコーディング部105と、コンテンツデータ送信部106とを有する。これら機能部は、セットトップボックスに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによっても実現できる。尚、セットトップボックスは、本発明に基づくプログラムを搭載したパーソナルコンピュータであってもよい。
【0058】
コンテンツテーブル取得部101は、DLNAガイドラインを用いて情報家電機器2からTOC情報を受信する。TOC情報は、コンテンツテーブル送信部102へ通知される。
【0059】
コンテンツテーブル送信部102は、携帯電話機3が移動ネットワークを介してアクセスしてきた際に、その携帯電話機3へTOC情報を送信する。
【0060】
選択コンテンツ識別子受信部103は、携帯電話機3から、利用者によって選択された選択コンテンツ識別子を受信する。選択コンテンツ識別子は、コンテンツデータ取得部104へ通知される。
【0061】
コンテンツデータ取得部104は、選択コンテンツ識別子を情報家電機器2へ送信し、その情報家電機器2から、選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信する。コンテンツデータは、トランスコーディング部105へ通知される。
【0062】
トランスコーディング部105は、コンテンツデータを、携帯電話機用のデータ形式にトランスコーディングする。トランスコーディングされたコンテンツデータは、コンテンツデータ送信部106へ通知される。
【0063】
コンテンツデータ送信部106は、クレードル4に携帯電話機3が接続された際に、携帯電話機3へコンテンツデータを送信する。本発明によれば、必ずしもクレードルを必要としない。携帯電話機3がホームネットワークに接続されればよい。セットトップボックス1が、携帯電話機3がホームネットワークに接続されたことを知った際に、その携帯電話機3へコンテンツデータを送信するものであってもよい。
【0064】
携帯電話機3は、コンテンツテーブル受信部301と、コンテンツ識別子選択部302と、選択コンテンツ識別子送信部303と、コンテンツデータ受信部304とを有する。これら機能部は、携帯電話機に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによっても実現できる。
【0065】
コンテンツテーブル受信部301は、セットトップボックス1から、TOC情報を受信する。TOC情報は、コンテンツ識別子選択部302へ通知される。
【0066】
コンテンツ識別子選択部302は、利用者に、TOC情報の中から、当該携帯電話機3に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させる。選択コンテンツ識別子は、選択コンテンツ識別子送信部303へ通知される。
【0067】
選択コンテンツ識別子送信部303は、選択コンテンツ識別子をセットトップボックス1へ送信する。
【0068】
コンテンツデータ受信部304は、クレードル4又はホームネットワーク5に携帯電話機3が接続された際に、セットトップボックス1から、コンテンツデータを受信する。これにより、携帯電話機3は、外出先で選択したコンテンツデータを、自宅でダウンロードすることができる。
【0069】
以上、詳細に説明したように、本発明のデータ転送方法、サーバ(セットトップボックス)及びプログラムによれば、情報家電機器に蓄積されたコンテンツデータを、極めて短い時間で携帯端末へ転送することができる。
【0070】
情報家電機器が、放送や通信によって新たなコンテンツデータをリアルタイムに蓄積している。本発明によれば、利用者は、自宅の情報家電機器に記録されている最新のコンテンツの一覧を、外出先で携帯端末によって閲覧することができる。また、利用者は、外出先で、当該携帯端末にダウンロードすべきコンテンツを、予め選択することができる。
【0071】
また、情報家電機器は、本発明のために特別な機能を搭載することなく、DLNAガイドラインに準拠した既存の装置であればよい。
【0072】
更に、利用者が外出中に、サーバが携帯端末用のデータ形式にトランスコーディングをしているので、利用者が帰宅した時にはデータ形式の変換処理は概ね終わっている。トランスコーディングの種別も、利用者が携帯端末によって、サーバへ指示することもできる。従って、利用者は、帰宅後から再度外出するまでの短時間に、携帯端末へのダウンロードを完了することができる。
【0073】
前述した本発明における種々の実施形態によれば、当業者は、本発明の技術思想及び見地の範囲における種々の変更、修正及び省略を容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明におけるシステム構成図である。
【図2】本発明における携帯電話機の表示内容を表す説明図である。
【図3】本発明におけるシーケンス図である。
【図4】本発明におけるセットトップボックス及び携帯電話機の機能構成図である。
【符号の説明】
【0075】
1 セットトップボックス
101 コンテンツテーブル取得部
102 コンテンツテーブル送信部
103 選択コンテンツ識別子受信部
104 コンテンツデータ取得部
105 トランスコーディング部
106 コンテンツデータ送信部
2 情報家電機器
3 携帯電話機
301 コンテンツテーブル受信部
302 コンテンツ識別子選択部
303 選択コンテンツ識別子送信部
304 コンテンツデータ受信部
4 クレードル
5 ホームネットワーク
6 ルータ
7 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルネットワークに接続されたサーバと、該ローカルネットワークに接続され且つコンテンツデータを蓄積した情報装置と、前記サーバと移動ネットワークを介して通信する携帯端末とを有するシステムにおけるデータ転送方法であって、
前記サーバが、前記情報装置から、複数のコンテンツ識別子を含むコンテンツテーブルを受信する第1のステップと、
前記サーバが、前記携帯端末へ、前記コンテンツテーブルを送信する第2のステップと、
前記携帯端末が、利用者に、前記コンテンツテーブルの中から、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させる第3のステップと、
前記携帯端末が、選択コンテンツ識別子を前記サーバへ送信する第4のステップと、
前記サーバが、前記選択コンテンツ識別子を前記情報装置へ送信し、前記情報装置から、前記選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信する第5のステップと、
前記サーバに前記携帯端末が接続された際に、前記サーバが、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信する第6のステップと
を有することを特徴とするデータ転送方法。
【請求項2】
前記情報装置は、情報家電機器であり、
前記ローカルネットワークは、ホームネットワークであり、
前記サーバは、セットトップボックス又はブロードバンドルータであり、
前記携帯端末は、携帯電話機又は携帯音楽再生装置である
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ転送方法。
【請求項3】
第6のステップについて、前記サーバにケーブルを介してクレードルが接続されており、該クレードルに前記携帯端末が接続された際に、前記サーバが、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ転送方法。
【請求項4】
第6のステップについて、前記ローカルネットワークに前記携帯端末が接続された際に、前記サーバが、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ転送方法。
【請求項5】
前記コンテンツテーブルは、TOC(Table Of Contents)情報であり、
第1のステップについて、前記サーバは、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインを用いて前記情報装置から前記TOC情報を受信し、
第2のステップについて、前記携帯端末が前記移動ネットワークを介して前記サーバへアクセスした際に、前記サーバが前記携帯端末へ前記TOC情報を送信し、
第3のステップについて、前記携帯端末が、前記TOC情報のリストをディスプレイに表示し、利用者に、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を前記TOC情報のリストの中から選択させる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデータ転送方法。
【請求項6】
第5のステップについて、前記サーバは、更に、前記情報装置から受信した前記コンテンツデータを、携帯端末用のデータ形式にトランスコーディングすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のデータ転送方法。
【請求項7】
コンテンツデータを蓄積した情報装置とローカルネットワークを介して接続され、携帯端末と移動ネットワークを介して通信するサーバであって、
前記情報装置から、複数のコンテンツ識別子を含むコンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル取得手段と、
前記携帯端末へ、前記コンテンツテーブルを送信するコンテンツテーブル送信手段と、
前記携帯端末から、利用者によって選択された選択コンテンツ識別子を受信する選択コンテンツ識別子受信手段と、
前記選択コンテンツ識別子を前記情報装置へ送信し、前記情報装置から、前記選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信するコンテンツデータ取得手段と、
前記サーバに前記携帯端末が接続された際に、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツデータ送信手段と
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項8】
前記サーバは、セットトップボックス又はブロードバンドルータであり、
前記ローカルネットワークは、ホームネットワークであり、
前記情報装置は、情報家電機器であり、
前記携帯端末は、携帯電話機又は携帯音楽再生装置である
ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記コンテンツデータ送信手段は、ケーブルに接続され、そのケーブルの先にクレードルが接続されており、該クレードルに前記携帯端末が接続された際に、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信することを特徴とする請求項7又は8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記コンテンツデータ送信手段は、前記携帯端末が前記ローカルネットワークに接続されたことを知った際に、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信することを特徴とする請求項7又は8に記載のサーバ。
【請求項11】
前記コンテンツテーブルは、TOC情報であり、
コンテンツテーブル取得手段は、DLNAガイドラインを用いて前記情報装置から前記TOC情報を受信し、
コンテンツテーブル送信手段は、前記携帯端末が前記移動ネットワークを介して前記サーバへアクセスした際に、前記携帯端末へ前記TOC情報を送信する
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記情報装置から受信した前記コンテンツデータを、携帯端末用のデータ形式にトランスコーディングするトランスコーディング手段を更に有することを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか1項に記載のサーバと、移動ネットワークを介して通信する携帯端末であって、
前記サーバから、前記コンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル受信手段と、
利用者に、前記コンテンツテーブルの中から、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させるコンテンツ識別子選択手段と、
選択コンテンツ識別子を前記サーバへ送信する選択コンテンツ識別子送信手段と、
前記サーバに前記携帯端末が接続された際に、前記サーバから前記コンテンツデータを受信するコンテンツデータ受信手段と
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項14】
コンテンツデータを蓄積した情報装置とローカルネットワークを介して接続され、携帯端末と移動ネットワークを介して通信するサーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記情報装置から、複数のコンテンツ識別子を含むコンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル取得手段と、
前記携帯端末へ、前記コンテンツテーブルを送信するコンテンツテーブル送信手段と、
前記携帯端末から、利用者によって選択された選択コンテンツ識別子を受信する選択コンテンツ識別子受信手段と、
前記選択コンテンツ識別子を前記情報装置へ送信し、前記情報装置から、前記選択コンテンツ識別子に対応するコンテンツデータを受信するコンテンツデータ取得手段と、
前記サーバに前記携帯端末が接続された際に、前記携帯端末へ前記コンテンツデータを送信するコンテンツデータ送信手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするサーバ用プログラム。
【請求項15】
請求項7から12のいずれか1項に記載のサーバと、移動ネットワークを介して通信する携帯端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記サーバから、前記コンテンツテーブルを受信するコンテンツテーブル受信手段と、
利用者に、前記コンテンツテーブルの中から、当該携帯端末に記録すべきコンテンツデータのコンテンツ識別子を選択させるコンテンツ識別子選択手段と、
選択コンテンツ識別子を前記サーバへ送信する選択コンテンツ識別子送信手段と、
前記サーバに前記携帯端末が接続された際に、前記サーバから前記コンテンツデータを受信するコンテンツデータ受信手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする携帯端末用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−186204(P2008−186204A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18600(P2007−18600)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】