説明

情報提供システム,情報提供装置,携帯端末,およびプログラム

【課題】 簡単な操作でユーザが携帯端末によって情報を取得することの可能な,既存の設備を利用した情報提供システムを提供する。
【解決手段】 携帯端末201が備えるICチップとの間で無線通信を行う情報提供装置101に,外部装置から取得したコンテンツを,コンテンツのデータ中に埋め込まれている画面出力制御情報に基づいてコンテンツを画面に出力するブラウザと,携帯端末のICチップとの間で無線通信を行うリーダ/ライタ111とを設け,コンテンツのデータにさらに,携帯端末に送信する情報である送信対象情報と携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報を埋め込み,ブラウザは,コンテンツに埋め込まれている送信制御情報に基づいて,送信対象情報をリーダ/ライタを介して無線通信により携帯端末へ送信するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,情報提供システム,情報提供装置,携帯端末,およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来,携帯電話や携帯可能なモバイルコンピュータ等の携帯端末において,インターネットへの接続およびWebページの表示などを行うことが可能になっている。ユーザは,そのような携帯端末を利用して所望の情報を取得できる。
【0003】
ユーザが上記携帯端末を利用してインターネットに接続し,所望の情報を取得するためには,URLを指定する必要がある。しかし,一般的に小さいボタン等の入力装置しか備えていない携帯端末で長いURLを入力するのは面倒である。そこで,情報提供者は,ユーザに自己が提供する情報を入手してもらうべく,携帯端末を利用した簡単な操作でユーザが情報を取得できるシステムを提供している。例えば,ユーザにURLの代わりにコードを入力させたり,携帯端末が備えるカメラで二次元バーコードを読み取らせることによってユーザの所望の情報を提供できるシステムなどが提供されている。
【0004】
例えば,特許文献1に記載の情報処理システムによれば,ユーザはまず所定のアクセスコードを携帯電話機に入力してコード入力画面を表示させる。その後,Webページやポスターなどの広告媒体に掲載されている,商品を識別するためのコードをコード入力画面に入力することによって,そのコードと予め関連付けられている商品の情報をサーバから取得することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−259248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし,上記システムによっても,ユーザはアクセスコードおよび商品識別コードを携帯電話機に入力する必要がある。また,情報提供者側は,上記システムを実現するためには,ユーザの携帯電話機から送信された商品識別コードに基づいて蓄積されている商品情報を検索するプログラムを別途開発し,既存のサーバに組み込む必要がある。
【0007】
インターネットが普及し,膨大な情報の中から取得する情報をユーザが選択できる状況の中で,情報提供者が自己が提供する情報を取得することをユーザに選択させるためには,さらに簡単な操作でユーザが情報を入手できるシステムの開発が求められる。
【0008】
そのようなシステムにおいて,装置の導入など新たな設備の整備が情報提供者やユーザに必要になるとすると時間やコストの面から実現は難しいため,既存の設備を利用して上記システムを実現することが望まれる。例えば,大多数の情報提供者が情報の提供のために活用しているWebページから,一般に広く普及しユーザがWebページの閲覧に用いているブラウザを利用して,ユーザの携帯端末に簡単な操作で情報を提供することができれば,情報提供者およびユーザにとってより望ましい。
【0009】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,より簡単な操作でユーザが携帯端末によって情報を取得することの可能な,既存の設備を利用した情報提供システム,情報提供装置,およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,ICチップを備えた携帯端末と,携帯端末が備えるICチップとの間で無線通信を行う情報提供装置と,を備える情報提供システムが提供される。
【0011】
上記情報提供装置は,外部装置からネットワークを介して送信されるコンテンツを読み込んだ後,コンテンツのデータ中に埋め込まれ,かつコンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたはコンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいてコンテンツを画面に出力するブラウザと,上記携帯端末が備えるICチップとの間で無線通信を行う無線通信部とを備える。
【0012】
上記コンテンツのデータにはさらに,携帯端末に送信する情報である送信対象情報,および携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報が埋め込まれ,上記ブラウザは,読み込んだコンテンツに埋め込まれている送信制御情報に基づいて,送信対象情報を携帯端末へ送信するように無線通信部に指示し,上記無線通信部は,ブラウザからの指示に基づいて送信対象情報を携帯端末が備えるICチップに無線通信によって送信することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば,情報提供装置が備えるブラウザが,外部装置から送信されたコンテンツを読み込み,コンテンツのデータ中に埋め込まれている画面出力制御情報に基づいてそのコンテンツを画面に出力する。さらにブラウザは,そのコンテンツのデータ中に埋め込まれている送信制御情報に基づいて,同じくコンテンツのデータ中に埋め込まれている送信対象情報を携帯端末が備えるICチップに送信するように無線通信部に指示する。無線通信部は,ブラウザからの指示に基づき,無線通信可能な範囲内にあるICチップに対して,送信対象情報を送信する。なお,無線通信部とICチップとの間の通信は非接触式で行われるが,非接触式でとは,上記ICチップと無線通信部とが接触していない,もしくは物理的に接触していても電気的に接触しておらず電気的な導通が無い状態であることをいう。
【0014】
画面出力制御情報には,例えば,コンテンツが画面に出力される際のフォーマットとして,コンテンツに含まれる文字のサイズや色を規定する情報,コンテンツの一部として画面に出力される画像の所在を示す情報,ハイパーリンクであることを示す情報などが含まれる。また,コンテンツのデータ構造として,ヘッダ部および本体部の開始位置と終了位置を示す情報などが含まれる。ブラウザは,コンテンツに埋め込まれているデータ構造を規定する画面出力制御情報に基づいて,ヘッダ部に含まれているデータを画面のタイトルバーに表示し,本体部に含まれているデータを本文として画面に表示する。また,フォーマットを規定する画面出力制御情報に基づいて,規定された色やサイズで文字を表示し,所在情報に基づいて画像を取得して表示し,ハイパーリンクであることが分かるように表示する。
【0015】
上記発明によれば,画面出力制御情報に基づいてコンテンツの出力処理を行うブラウザが,画面出力制御情報と同様にコンテンツのデータ中に埋め込まれている送信制御情報に基づいた送信対象情報の送信指示を無線通信部に行うことができる。従って,情報提供者は,自己が提供するコンテンツに上記送信制御情報および送信対象情報を埋め込むだけで,そのコンテンツを介して,無線通信可能なユーザの携帯端末に送信対象情報を提供することができる。また,ユーザは,上記ブラウザを備える情報提供装置でコンテンツを閲覧し,ICチップを備える携帯端末を情報提供装置の無線通信部に翳すなどして無線通信可能な範囲に移動させるだけで,閲覧コンテンツに埋め込まれている送信対象情報を取得できる。
【0016】
上記情報提供システムにおいて,上記携帯端末は,無線通信部からICチップに送信された送信対象情報を,携帯端末が備える表示画面に表示するように構成されてもよい。携帯端末は,送信対象情報を,そのまま表示画面に表示してもよいし,加工,編集を施した後に表示してもよい。例えば,送信対象情報としてURLをICチップが受信した場合には,携帯端末は,そのURLをそのまま表示画面に表示してもよいし,ICチップが受信した送信対象情報を解析等することによってURLであると判断し,携帯端末が備えるブラウザを起動させてインターネットに接続し,そのURLによって示されるWebページを取得して表示画面に表示してもよい。かかる構成によれば,ユーザが携帯端末を情報提供装置の無線通信部に翳すだけで,情報提供装置に表示されているコンテンツに埋め込まれている送信対象情報が携帯端末の表示画面に表示される。なお,携帯端末は,送信対象情報を表示画面に表示する前や,送信対象情報を加工,編集する前,編集した情報を表示画面に表示する前などに,ユーザに表示等の可否を確認する確認メッセージ等を表示し,ユーザの確認を促すように構成されてもよい。かかる構成によれば,ユーザが表示を望まない情報の表示画面への表示や,ユーザが取得を望まないWebページの取得を回避できる。
【0017】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,携帯端末が備えるICチップとの間で無線通信を行う情報提供装置が提供される。情報提供装置は,外部装置からネットワークを介して送信されるコンテンツを読み込んだ後,コンテンツのデータ中に埋め込まれ,かつコンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたはコンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいてコンテンツを画面に出力するブラウザと,上記携帯端末が備えるICチップとの間で無線通信を行う無線通信部を備える。上記コンテンツのデータにはさらに,携帯端末に送信する情報である送信対象情報,および携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報が埋め込まれ,上記ブラウザは,読み込んだコンテンツに埋め込まれている送信制御情報に基づいて,送信対象情報を携帯端末へ送信するように無線通信部に指示し,上記無線通信部は,ブラウザからの指示に基づいて送信対象情報を携帯端末が備えるICチップに無線通信によって送信することを特徴とする。
【0018】
上記コンテンツには,送信対象情報に対応し,送信対象情報の種別を示す種別情報が含まれ,上記ブラウザは,無線通信部に対して送信対象情報とともに該送信対象情報に対応する種別情報を携帯端末に送信するよう指示するように構成されてもよい。送信対象情報の種別を示す種別情報とは,例えば,送信対象情報がURLであるのか,単なるテキストであるのかなど,送信対象情報がどのような情報であるのかがわかる情報である。かかる構成によれば,携帯端末に,送信対象情報とともに対応する種別情報も送信できる。そのため,携帯端末は,ICチップが受信した送信対象情報を解析しなくても,種別情報を参照することによって送信対象情報の種類が分かる。従って,例えば送信対象情報がURLである場合には,携帯端末は種別情報を参照してURLであることを認識し,携帯端末が備えるブラウザを起動させてWebページを表示することができる。また,種別情報には,送信対象情報の内容の種別を特定する情報が含まれていても良い。送信対象情報の内容とは,送信対象情報が携帯端末で出力されることによりユーザが得られる情報である。
【0019】
上記コンテンツは,マークアップ言語で記述されたWebページであり,画面出力制御情報および送信制御情報は,タグで識別される情報であってもよい。
【0020】
また,コンピュータをして上記情報提供装置として機能せしめるコンピュータプログラムが提供される。
【0021】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,ICチップを備えた携帯端末と,携帯端末が備えるICチップとの間で無線通信を行う情報提供装置と,を用いて実現される情報提供方法が提供される。情報提供方法は,情報提供装置が,外部装置からネットワークを介して送信されるコンテンツを読み込むステップと,読み込んだコンテンツに埋め込まれている,携帯端末に送信する情報である送信対象情報,および携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報を解析するステップと,送信制御情報に基づいて,携帯端末が備えるICチップに無線通信によって送信対象情報を送信するステップとを含む。
【0022】
上記情報提供方法は,外部装置が,情報提供装置に提供するコンテンツに送信制御情報および送信対象情報を埋め込むステップをさらに含んでいてもよい。
【0023】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,情報提供装置との間で無線通信を行うICチップを備える携帯端末が提供される。本携帯端末のICチップは情報提供装置から送信対象情報を受信する。また,本携帯端末は,上記ICチップが受信した送信対象情報を出力するコントローラを備える。
【0024】
上記発明によれば,携帯端末は,ICチップが無線通信で受信した送信対象情報を出力する。そのため,ユーザが携帯端末を情報提供装置と無線通信可能な範囲に移動させるだけで,携帯端末は情報提供装置から送信対象情報を取得して出力する。従って,ユーザは携帯端末を情報提供装置と無線通信可能な範囲に移動させるだけで,情報を得ることができる。
【0025】
上記ICチップは,送信対象情報に対応し,送信対象情報の種別を示す種別情報を情報提供装置から受信し,上記コントローラは,種別情報に基づいて,該種別情報に対応する画像を表示画面に表示させてもよい。かかる構成によれば,画像を表示することによって携帯端末はよりユーザフレンドリーな形態で情報を出力できる。また,情報提供装置から受信する種別情報が,送信対象情報の内容の種別を特定する種別情報であれば,その種別情報に対応する画像が表示されることで,ユーザは送信対象情報の内容を,表示された画像によって推測することができる。なお,コントローラが表示画面に表示させる画像は,携帯端末が保有していてもよいし,携帯端末と通信接続が可能な外部のコンピュータが保有していてもよい。
【0026】
上記携帯端末は,画像を種別情報と関連付けて記憶する画像記憶部と,ICチップにより受信された種別情報に関連付けられている画像を画像記憶部から取得する判断部と,を備えてもよい。
【0027】
上記携帯端末は,画像を記憶する画像記憶部と,画像記憶部に記憶されている画像と種別情報とを関連付けて記憶する画像定義記憶部と,画像定義記憶部の記憶内容に基づいて,ICチップにより受信された種別情報に関連付けられている画像を画像記憶部から取得する判断部と,を備えてもよい。かかる構成によれば,画像定義記憶部の記憶内容を変更することにより,種別情報と画像記憶部との関連付けを変更することができる。
【0028】
上記送信対象情報は,情報提供装置に備えられるブラウザの指示により,情報提供装置に備えられる無線通信部からICチップに送信され,ブラウザは,外部装置からネットワークを介して送信されるコンテンツを読み込んだ後,コンテンツのデータ中に埋め込まれ,かつコンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたはコンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいてコンテンツを画面に出力し,コンテンツのデータにさらに埋め込まれている送信制御情報に基づいて該コンテンツのデータに埋め込まれている送信対象情報をICチップに送信するように無線通信部に指示するように構成されてもよい。かかる構成によれば,携帯端末は,情報提供装置が備えるブラウザによって表示されるコンテンツに埋め込まれている送信対象情報を,無線通信により取得できる。そのため,ユーザは,送信対象情報が埋め込まれているコンテンツが表示されている情報提供装置と無線通信可能な範囲に携帯端末を移動させるだけで,コンテンツに含まれている情報を得ることができる。
【0029】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,コンピュータに上記携帯端末として機能させるための処理を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【0030】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,上記携帯端末によって行われる情報出力方法が提供される。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によれば,より簡単な操作でユーザが携帯端末によって情報を取得することの可能な,既存の設備を利用した情報提供システム,情報提供装置,情報提供方法,携帯端末,情報出力方法およびコンピュータプログラムを提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
(第1実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1実施形態にかかる情報提供システム100の全体構成について説明する。情報提供システム100は,例えば,Webサーバ301と,情報提供装置101a,101b,…101n(以下,単に情報提供装置101と称する。)と,携帯端末201a,201b,…201n(以下,単に携帯端末201と称する。)と,ネットワーク103などを備える。
【0034】
Webサーバ301は,コンテンツの一例であるWebページを保有しており,情報提供装置101からの取得要求に応じてネットワーク103を介して情報提供装置にWebページを送信する。なお,情報提供システム100には,複数のWebサーバ301が含まれていても良い。本実施形態においてコンテンツホルダと称する情報提供者は,ユーザへの情報の提供にWebページを活用しており,自己が提供したい情報をWebページに含ませることによってネットワーク103,情報提供装置101を介してユーザに情報を提供する。さらに,コンテンツホルダは,特にユーザが所有する携帯端末201に提供したい情報を,送信対象情報としてWebページのデータ中に埋め込み,情報提供装置101にその送信対象情報を携帯端末に送信させるために送信制御情報をWebページのデータ中に埋め込む。
【0035】
本実施形態において,Webページは,HTMLで記述されており,送信制御情報および後述の画面出力制御情報はタグで識別される。なお,Webページのデータ中に埋め込まれている画面出力制御情報および送信制御情報,送信対象情報などは,具体的には,Webページの基本となるHTMLファイル中に,ICチップの操作のために拡張されたHTML言語で記述されたものである。
【0036】
情報提供装置101は,Webサーバ301からWebページを取得して表示画面に表示する。また,Webページに埋め込まれている送信制御情報に基づいて送信対象情報をリーダ/ライタ111aを介して携帯端末201に送信する。情報提供装置101としては,PC(Personal Computer),Webページを表示可能なテレビ,ゲーム機器などを例示できる。
【0037】
具体的には,情報提供装置101が備えるブラウザ120が,Webサーバ301から送信されたWebページを読み込む。そしてブラウザ120は,Webページに埋め込まれ,かつWebページが画面に出力される際のフォーマットまたはWebページのデータ構造などを規定する画面出力制御情報に基づいて,Webページを表示画面に表示させる。
【0038】
さらにブラウザ120は,Webページに埋め込まれている送信制御情報に基づいて,同様にWebページに埋め込まれている送信対象情報を携帯端末201が備える非接触型ICチップ202に送信するようにリーダ/ライタ111に指示する。
【0039】
リーダ/ライタ111は,無線通信部の一例であり,ブラウザ120からの指示に基づいて,無線通信可能な範囲内に存在する非接触型ICチップ202に送信対象情報を無線通信により送信する。なお,リーダ/ライタ111は,図示のように情報提供装置101に組み込まれ,情報提供装置101と一体的に構成されていてもよいし,独立した装置としてケーブルで情報提供装置101に接続されていてもよい。
【0040】
携帯端末201は,無線通信可能な非接触型ICチップ202を備え,情報提供装置101のリーダ/ライタ111と非接触型ICチップ202との間で無線通信を行い,送信対象情報を受信する。その後,携帯端末201は,非接触型ICチップ202が受信した送信対象情報を表示画面に表示する。携帯端末としては,携帯電話,PDA(Personal Digital Assistant),携帯用ゲーム機器,時計などを例示でき,非接触型ICチップを備えていることを必要とする。なお,携帯端末201は,非接触型ICチップを内蔵していてもよいし,非接触型ICチップ搭載のICカードを挿入可能なカードスロットなどを備え,カードスロットに挿入されたICカードと情報提供装置101との間で無線通信が行われ,ICカードが受信した送信対象情報を携帯端末101が利用できるように構成されていてもよい。
【0041】
ネットワーク103は,上記Webサーバ301および情報提供装置101を双方向通信可能に接続する通信回線網である。このネットワーク103は,例えば,インターネット,電話回線網,衛星通信網等の公衆回線網や,WAN,LAN,IP−VPN等の専用回線網などで構成されており,有線・無線を問わない。
【0042】
以上,情報提供システム100の全体構成について説明した。次に,図2に基づいて,本実施形態にかかる情報提供装置101の構成について説明する。
【0043】
情報提供装置101は,例えば,CPU102,メモリ104,入力部106,表示部108,通信部110,ハードディスク114,リーダ/ライタ111などを備える。CPU102は,演算処理装置および制御装置として機能し,情報提供装置101内の各部の処理を制御する。後述するブラウザ120が行う処理も,CPU102によって制御されている。また,メモリは,ROMおよびRAMから構成され,CPU102の処理に関する各種データ,CPU102の動作プログラム等を一時的に記憶する機能を有する。
【0044】
入力部106は,キーボードやマウス等の入力装置と,入力装置から入力されたデータを受け付けるインタフェース部から構成される。
【0045】
表示部108は,CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置と,CPU102からの命令によって表示装置にデータを表示させるインタフェース部から構成される。
【0046】
通信部110は,例えば,通信回線,通信回路,通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置110は,Webサーバ301等の外部機器との間で,ネットワーク103を介して,Webページの取得要求,Webページのデータなどを送受信することができる。
【0047】
ハードディスク114は,例えばフラッシュメモリ等で構成されたデータ格納用の装置であり,オペレーションシステム(OS)や各種アプリケーションプログラムなどの各種データを格納することができる。このハードディスク114は記憶部の一例であり,ハードディスク114には,後述するブラウザ120と,リーダ/ライタ用ドライバ124が格納される。なお,ブラウザ120やリーダ/ライタ用ドライバ124は,ハードディスクではなく,メモリ104に格納されてもよい。CPU102は,ハードディスク114に格納されているアプリケーションプログラムの1つであるブラウザ120を必要に応じて呼び出し,ブラウザ120が行うWebページの表示処理およびWebページ中の送信対象コンテンツの送信指示処理などを制御する。
【0048】
リーダ/ライタ111は,非接触型ICチップ202との間で無線通信を行う。リーダ/ライタ111と非接触型ICチップ202とは,主に,10cm程度の狭い範囲内のみにおいて非接触式に通信を行うことができる,13.56MHzのRF搬送波周波数と最大212Kbpsの通信速度を有する近距離無線規格(NFC:Near Field Communication)に沿って行われる。
【0049】
ハードディスク114に格納されるリーダ/ライタ用ドライバ124は,リーダ/ライタ111をCPU102が制御するために必要なデバイスドライバである。
【0050】
ハードディスク114に格納されるブラウザ120には,プラグイン122が含まれている。プラグイン122は,ブラウザ120に機能を追加するためのアプリケーションプログラムである。本実施形態において,Webページに埋め込まれている送信制御情報に基づいて送信対象情報を非接触型ICチップ202に送信するようにリーダ/ライタ111に指示する処理は,プラグイン122として提供される。ブラウザ120は,画像出力制御情報に基づいてWebページを表示部108を介して表示装置に表示する処理を行うことができるが,上記プラグイン122をインストールされることによって,上述の送信制御情報に基づく処理を行うことができるようになる。
【0051】
通信部110がWebサーバ301から取得したWebページは,メモリ104またはハードディスク114に格納される。ブラウザ120は,格納されたWebページを読み込み,Webページのデータ中にタグで識別される送信制御情報が埋め込まれている場合には,同様にWebページのデータ中に埋め込まれている送信対象情報を抽出する。ここで,図8を参照して,送信制御情報に基づくブラウザ120の処理を詳細に説明する。図8は,Webページのデータ中に埋め込まれた送信制御情報および送信対象情報の具体的な一例である。ブラウザ120は,Webページのデータ中に埋め込まれた送信制御情報を,例えば下記のように解析し,同様にWebページのデータ中に埋め込まれている送信対象情報をICチップに送信するようにリーダ/ライタ111に指示する。
【0052】
ブラウザ120は,IDが“Felica”である拡張タグを読み込んだ場合に,まず,“Felica“拡張タグ内のコメント(<!--から-->まで)以外の部分を削除し,コメント内の部分をコメントの外に出す。この処理の後,ブラウザ120は他の画像出力制御情報に基づいて表示部108を介して表示装置にWebページを表示する。上記処理により,表示されたWebページには,当初はコメント内に記述されていた「ケータイに送信!」の文字が表示され,当初はコメントの外に記述されていたが削除された「拡張タグ対応のプラグインをダウンロードして下さい。」の文字は表示されない。
【0053】
その後ユーザが入力装置によって「ケータイに送信!」の文字を選択すると,ブラウザ120は,入力部106を介して,選択された文字「ケータイに送信!」に対するリンク先として画面出力制御情報“A HREF”で規定されている“felica:$FELICA$”を取得する。ブラウザ120は,取得したリンク先が“felica:”で始まるかを判別し,始まる場合には,“felica:”以降に含まれる識別子“$FELICA$”と同じIDのタグを検索する。検索の結果,同じIDを持つタグは送信制御情報の一例である“PUSH”タグであるため,ブラウザ120は,“PUSH”タグで挟まれている送信対象情報“http://www.xxx.co.jp/”を,送信対象情報の種別を示す種別情報“url”とともに,非接触型ICチップ202に送信するようにリーダ/ライタ111に指示する。
【0054】
以上,情報提供装置101の構成について説明した。次に,図3に基づいて,本実施形態にかかる携帯端末201の構成について説明する。
【0055】
携帯端末は,非接触型ICチップ202と,コントローラ204と,携帯電話回路206などを備える。携帯電話回路206は,携帯電話である携帯端末201が備える携帯電話機能に関する回路であり,本発明の主要部分ではないため説明を省略する。
【0056】
非接触型ICチップ202は,携帯端末201が備えるアンテナ(図示せず)から交流電圧を供給される。アンテナは,非接触型ICチップ202とリーダ/ライタ111とが非接触式で通信を行う際に,リーダ/ライタ111から発生している磁界による誘導電圧を生じさることによって非接触型ICチップ202を作動させるとともに,リーダ/ライタ111との間で無線でデータの送受信を行うためのものである。
【0057】
非接触型ICチップ202は,例えば,整流回路,電源発生部,復調機,変調機,受信機,送信機,CPU,ROM,RAM,EEPROM,暗号エンジン,RNG,CRCなどを含んで構成される。
【0058】
整流回路は,前述のアンテナから供給された交流電圧を整流し,電源発生部に供給する。電源発生部は,供給された電圧から非接触型ICチップ202で使用する電源電圧を発生させる。復調機はアンテナを介してリーダ/ライタ111から受信した信号を非接触型ICチップ202内で処理可能な電気信号に復調し,受信機に提供する。変調機は,非接触型ICチップ202からアンテナを介してリーダ/ライタ111に送信する電気信号を,非接触式通信で送信できる信号に変調する。
【0059】
CPUは中央演算処理装置であって,電源発生部によって非接触型ICチップ202内に発生する電源電圧によって作動し,非接触型ICチップ202の全体制御を行う。ROMは,不揮発性のメモリであって,各アプリケーションや,プラットフォームとなるオペレーションシステム(以後,OSと称する。)などが格納される。
【0060】
RAMは揮発性のメモリであって,OSや各アプリケーションが一時的に使用するデータなどが格納される。EEPROMは,主にユーザデータの格納用等に使用されるが,アプリケーションやOS等を格納してもよい。また,EEPROMの代わりにフラッシュメモリを使用することもできる。暗号エンジンは,外部装置との間で送受信されるデータの暗号化および復号化処理を行う。RNGは,暗号化の際の暗号鍵に使用する乱数を発生させる。CRCは,外部装置から受信したデータの巡回冗長検査,すなわちエラーチェックを行う。
【0061】
非接触型ICチップ202がリーダ/ライタ111から受信した送信対象情報は,非接触型ICチップ202内のRAMに格納される。非接触型ICチップ202は,リーダ/ライタ111から送信対象情報を受信してRAMに格納し,通信が終了すると,コントローラ204に通知する。
【0062】
コントローラ204は,非接触型ICチップ202から通知を受けて,非接触型ICチップ202がリーダ/ライタ111から受信した送信対象情報を表示画面に表示する。コントローラ204は,送信対象情報をそのまま表示してもよいし,加工,編集をした後に表示してもよい。具体的には,例えば,送信対象情報がURLである場合には,コントローラ204はURLであることを送信対象情報を字句解析等をすることによって認識し,携帯端末201が備えるブラウザを起動してネットワーク103に接続し,URLによって示されるWebサーバからWebページを取得して表示画面に表示してもよい。また,非接触型ICカードが,送信対象情報の種別情報を受信し,送信対象情報と同様にRAMに格納していれば,コントローラ204は字句解析を行わなくても種別情報を参照することによって,送信対象情報がURLであることを認識できる。
【0063】
以上,携帯端末201の構成について説明した。次に,図4に基づいて,本実施形態にかかる情報提供システム100における処理の流れについて説明する。なお,説明中に図6および図7に示した画面表示例を適宜参照する。
【0064】
まず,ステップS102で,情報提供装置101がWebサーバ301にネットワークを介して接続し,任意のWebページを取得する(S102)。Webページを取得後,ステップS104で,情報提供装置101において送信制御情報を処理できない場合にはステップS120に進み通常のWebページが情報提供装置101の表示装置に表示される。送信制御情報を処理できない場合とは,具体的には,上述のプラグイン122が情報提供装置にインストールされていない場合で,その場合には図8の例によると送信制御情報や送信対象情報などがコメント内に記載された状態のままであるため,ブラウザ120は送信制御情報等を無視し,その他の画面出力制御情報に基づいてWebページを表示する(S120)。
【0065】
一方,ステップS104で情報提供装置101が送信制御情報を処理できる場合,すなわち,上述のプラグイン122がインストールされている場合には,ブラウザ120によって図8で説明した送信制御情報等をコメントの外に出す処理が行われ,送信制御情報に対応するリンクがWebページに表示される(S106)。例えば,図6に示すように,Webページ502にリンク504が表示される。その後,ステップS108で,ユーザによって上記リンクが選択されると(S108),ブラウザ120は図8で説明したタグの解析処理を行い(S110),送信対象情報および種別情報をリーダ/ライタ111に提供し,非接触型ICチップ202に送信するように指示をする(S112)。
【0066】
ユーザによって携帯端末201がリーダ/ライタ111に翳され(S114),携帯端末201が備える非接触型ICチップ202がリーダ/ライタ111と無線通信を行える範囲内に移動させられると,リーダ/ライタ111は無線通信により非接触式で携帯端末111が備える非接触型ICチップ202に送信対象情報および種別情報を送信する。携帯端末201の非接触型ICチップ202は,リーダ/ライタ111から送信された送信対象情報および種別情報を受信し(S116),携帯端末201のコントローラ204が表示画面に送信対象情報を表示する(S118)。例えば,図7に示すように,携帯端末201の表示画面510に,Webページに埋め込まれていた送信対象情報が表示される。
【0067】
上記処理によって,ユーザは,PC等の情報提供装置101でWebページを閲覧し,Webページに表示されているリンクをクリックした後にリーダ/ライタ111に携帯端末201を翳すだけで,Webページに埋め込まれている情報を携帯端末201で取得できる。
【0068】
以上,情報提供システム100における処理の流れについて説明した。次に,図5に基づいて,情報提供装置101が備えるブラウザ120並びにリーダ/ライタ,および携帯端末201との間での情報の流れについて説明する。
【0069】
まず,ステップS202で,情報提供装置101が備えるブラウザ120がWebページを読み込む(S202)。ブラウザ120は,読み込んだWebページに埋め込まれている送信制御情報(タグ)を解析し(S204),解析した送信制御情報に基づいて送信対象情報を抽出し,リーダ/ライタに送信対象情報を提供するとともに送信を指示する(S206)。リーダ/ライタは,ブラウザ120からの指示に基づいて送信対象情報の送信の準備を行う(S208)。具体的には例えば,非接触型ICチップ202との間で無線通信により送受信するデータとして予め定められたフォーマットのデータ中に送信対象情報を埋め込む。また,例えばリーダ/ライタの一部を点滅させるなどして送信準備が整ったことをユーザに知らせ,携帯端末201をリーダ/ライタに翳すように促す。
【0070】
携帯端末がリーダ/ライタとの無線通信可能な範囲内に移動させられると,携帯端末201内の非接触型ICチップ202が,非接触型ICチップ202の識別子など,無線通信に必要な情報をリーダ/ライタに送信する(S210)。リーダ/ライタは,無線通信を行う相手が識別子によって特定されると,その識別子によって特定される非接触型ICチップ202にステップS208で準備済みのデータを送信する(S212)。このデータには少なくとも送信対象情報が含まれる。
【0071】
携帯端末201内の非接触型ICチップ202はステップS214でリーダ/ライタからデータを受信し,非接触型ICチップ202内のRAMにデータを格納する(S216)。その後,携帯端末201内のコントローラ204に非接触型ICチップ202から無線通信の終了が通知され,コントローラ204によって携帯端末201の表示画面に送信対象情報が表示される(S218)。
【0072】
以上,ブラウザ120並びにリーダ/ライタ,および携帯端末との間での情報の流れについて説明した。
【0073】
(第2実施形態)
次に,本発明の第2実施形態にかかる情報提供システムについて説明する。本実施形態にかかる情報提供システムでは,第1実施形態と同様に,情報提供装置が,Webページに埋め込まれている送信制御情報に基づいて,同様にWebページに埋め込まれている送信対象情報を携帯端末に無線通信で送信する。送信対象情報を受信した携帯端末は,受信した情報を表示画面に表示する。第2実施形態にかかる携帯端末は,第1実施形態にかかる携帯端末201が表示する情報に加えて,表示する情報の内容に関連した画像を表示することができる点で,第1実施形態と異なる。以下に,第2実施形態にかかる情報提供システムについて,図9〜図13を参照して説明する。
【0074】
本実施形態にかかる情報提供システムの全体構成,および情報提供装置の構成は,第1実施形態にかかる情報提供システム100,情報提供装置101とほぼ同様であるため,説明を省略する。
【0075】
図9に基づいて,本実施形態にかかる携帯端末601の構成について説明する。携帯端末601は,例えば,非接触型ICチップ202,コントローラ604,携帯電話回路206,判断部602,アイコン定義記憶部608,アイコン記憶部606などを備える。非接触型ICチップ202,携帯電話回路206の構成および機能は,第1実施形態とほぼ同様であるため,説明を省略する。
【0076】
コントローラ604は,非接触型ICチップ202から通知を受けて,非接触型ICチップ202がリーダ/ライタ111から受信した送信対象情報を表示画面に表示する点では,第1実施形態と同様である。コントローラ604は,非接触型ICチップ202から送信対象情報を取得すると,その送信対象情報を判断部602に提供し,判断部602から送信対象情報の種別と,関連する画像と,表示する情報とを取得し,判断部602から取得した種別に基づいて,画像と情報とを表示画面に表示させる点で,第1実施形態と異なる。本実施形態では,送信対象情報の種別情報は,送信対象情報に含まれており,判断部602によって,種別が判断される。また,種別情報には,第1実施形態と同様に,送信対象情報がurlであるのか,テキスト情報であるのか等の,送信対象情報の形態の種別を特定する情報(以後,送信対象情報の形態の種別を特定する情報を,形態種別情報と称する。)が含まれる。さらに,本実施形態では,送信対象情報の内容の種別を特定する情報が,種別情報に含まれる。送信対象情報の内容とは,送信対象情報が表示画面に表示された場合,または音声出力された場合に,ユーザが得ることができる情報の内容である。例えば,飲食に関する内容,電車,飛行機等の交通手段に関する内容,娯楽に関する内容などを例示できる。送信対象情報の内容の種別を特定する情報(以後,送信対象情報の内容の種別を特定する情報を,内容種別情報と称する。)は,第1実施形態における送信対象情報および種別情報と同様に,Webサーバ301が保有しているWebページに埋め込まれている。コンテンツホルダは,ユーザが所有する携帯端末601に提供したい情報の内容に応じて,適切な種別を選択し,その種別に対応する内容種別情報をWebページに埋め込むことができる。
【0077】
判断部602は,コントローラ604から送信対象情報を取得し,送信対象情報に含まれる種別情報に従って,送信対象情報の種別を判断する。判断部602は,判断した種別と,表示する情報と,画像とをコントローラに提供する。具体的には,判断部602は,送信対象情報に含まれる形態種別情報に基づいて,例えば,urlであるのか,テキスト情報であるのか等の形態の種別を判断し,判断結果をコントローラ602に提供する。
【0078】
また,判断部602は,送信対象情報に含まれる内容種別情報に従って,その内容に関連する画像をコントローラ604に提供する。本実施形態では,画像の一例として,アイコンを用いる。より詳細には,判断部602は,内容種別情報を送信対象情報から抽出し,抽出した内容種別情報と関連付けられているアイコンをアイコン記憶部606から取得する。内容種別情報とアイコンとの関連付けは,アイコン定義記憶部608によって行われる。
【0079】
アイコン定義記憶部608は,画像定義記憶部の一例であり,内容種別情報とアイコンとを関連付けて記憶している。アイコン定義記憶部608は,携帯端末601が備えるRAM等のメモリを含んで構成される。アイコン定義記憶部608では,複数の内容種別情報と,アイコン記憶部606に記憶されている複数のアイコンのアドレスとが各々紐付けられている。その際,ひとつの内容種別情報に対して複数のアイコンが紐付けられていてもよいし,内容種別情報とアイコンとが1対1で紐付けられていてもよい。なお,内容種別情報とアイコンとの関連付けを,アイコン記憶部606で行っても構わない。その場合には,アイコン定義記憶部608は携帯端末601の構成に含まれない。
【0080】
アイコン記憶部606は,画像記憶部の一例であり,アイコンを記憶している。アイコン記憶部606は,携帯端末601が備えるRAM等のメモリを含んで構成される。アイコン記憶部606に記憶されているアイコンの一例を図10に示す。アイコン60a〜60eは,例えば,娯楽に関する内容が送信対象情報によって提供される場合に,携帯端末601の表示画面に表示される。娯楽に関する内容をさらに詳細に分けて,音楽に関する内容の場合にはアイコン60a,スポーツに関する内容の場合には60a,テレビ番組に関する内容の場合には60eが表示されてもよい。アイコン60f〜60iは,例えば,飲食に関する内容が送信対象情報によって提供される場合に,携帯端末601の表示画面に表示される。アイコン60j〜60lは,例えば,交通手段に関する内容が送信対象情報によって提供される場合に,携帯端末601の表示画面に表示される。アイコン60m〜60pは,例えば,買い物に関する内容が送信対象情報によって提供される場合に,携帯端末601の表示画面に表示される。
【0081】
以上,携帯端末601の構成について説明した。次に,図11に基づいて,判断部602が内容種別情報に基づいてアイコンを取得する処理の流れについて説明する。
【0082】
まず,判断部602は送信対象情報をコントローラ604から取得する(S302)。送信対象情報を取得すると,判断部602は,送信対象情報に内容種別情報が含まれているか否かを判定する(S304)。この判定は,例えば,予め内容種別情報を識別する識別子を定めておき,判断部602は送信対象情報に所定の識別子が含まれているか否かを調べ,所定の識別子が含まれている場合に内容種別情報が送信対象情報に含まれていると判断し,所定の識別子が含まれていない場合に内容種別情報が送信対象情報に含まれていないと判断することにより,実現できる。
【0083】
S304で,内容種別情報が含まれていると判定した場合には,判断部602は送信対象情報に含まれている内容種別情報に対応するアイコンのアドレスをアイコン定義記憶部608から取得する(S306)。
【0084】
次に,判断部602は,アイコン定義記憶部608から取得したアイコンのアドレスに従って,アイコン記憶部606から該当するアイコンを取得する(S308)。続いて,判断部602は,S308で取得したアイコンをコントローラ604に提供する(S310)。判断部602から提供されたアイコンは,コントローラ604によって携帯端末601の表示画面に表示される。
【0085】
なお,アイコン定義記憶部608で,ひとつの内容種別情報に対して複数のアイコンが紐付けられている場合には,判断部602は,送信対象情報に含まれる内容種別情報とアイコン定義記憶部608において紐付けられている複数のアイコン(例えば60a〜60e)の中からランダムに一つのアイコンを選択してもよい。
【0086】
以上,判断部602が内容種別情報に基づいてアイコンを取得する処理の流れについて説明した。次に,図12に基づいて,携帯端末601の表示画面に送信対象情報が表示される際の表示例について説明する。
【0087】
図12に示したように,携帯端末601の表示画面710には,第1実施形態にかかる携帯端末201の表示画面510に表示された送信対象情報に該当する表示情報70に加えて,送信対象情報に含まれる内容種別情報に基づくアイコン60,送信対象情報に含まれる形態種別情報に基づくメッセージ80が表示される。かかる表示により,携帯端末601のユーザは,情報提供装置101から無線通信で取得した情報がどのような内容であるのかを,実際に内容を閲覧する前に予測することができる。図示の例によれば,ユーザは,取得した情報が飲食に関する情報であることを認識(または推測)できる。
【0088】
以上,携帯端末601の表示画面に送信対象情報が表示される際の表示例について説明した。次に,図13に基づいて,Webページのデータ中に埋め込まれた送信対象情報の具体例について説明する。
【0089】
図8で示した具体例と同様の部分については説明を省略し,図8と異なる<PUSH>〜</PUSH>までの部分について,携帯端末601の動作と関連付けて説明する。図13の例によれば,送信対象情報は「U http://www.xxx.co.jp/ C 10」である。本具体例では,上記送信対象情報に含まれるスペースが区切り文字,「U」が形態種別情報,「C」が内容種別情報の識別子,「10」が内容種別情報である。この送信種別情報が情報提供装置101から携帯端末601に送信される。携帯端末601では,受信した送信対象情報が判断部602に提供される。判断部602は,送信対象情報を先頭から区切り文字ごとに読み込む。判断部602は,まず「U」を読み,urlを示す形態種別情報であることを認識する。判断部602は,形態種別情報の次に読み込む情報を,画面に表示させる情報であると認識する。本例で判断部602は,「http://www.xxx.co.jp/」が,表示情報であり,その種別がurlであると認識する。次に,判断部602は,「C」を読み込み,内容種別情報が含まれていることを認識する。判断部602は,内容種別情報の識別子である「C」の次に読み込む情報を内容種別情報であると認識する。本例で判断部602は,「10」を内容種別情報として認識し,「10」と紐付けられているアイコンのアドレスをアイコン定義記憶部608から取得し,アドレスに基づいて該当するアイコンをアイコン記憶部606から取得する。
【0090】
以上,第2実施形態にかかる情報提供システムについて説明した。第2実施形態にかかる情報提供システムによれば,携帯端末のユーザは,携帯端末に表示されるアイコンにより,無線通信で取得した情報の内容を簡単に知ることができる。情報提供者であるコンテンツホルダは,提供する情報に応じた適切な内容種別情報をWebページに埋め込むだけで,提供する内容に応じたアイコンをユーザの携帯端末に表示させることができ,よりユーザにとって便利で魅力的な状態で情報を提供することができる。
【0091】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
例えば,コンテンツがデジタルテレビ放送に含まれるものであってデジタルテレビ放送向けのコンテンツ記述言語であるBMLで記述されており,情報提供装置がデジタルテレビ放送を受信するテレビで,そのテレビに備えられておりBMLで記述されたコンテンツを画面に表示するブラウザに本発明にかかるブラウザが適用され,BMLで記述された送信制御情報を解析して送信対象情報を携帯端末に送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は,情報提供システム,情報提供装置に適用可能であり,特にWebページおよびブラウザを利用した情報提供システム,情報提供装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる情報提供システムを示す説明図である。
【図2】同実施の形態における情報提供装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態における携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施の形態における情報提供システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】同実施の形態における情報提供装置と携帯端末との処理の流れを示すタイミングチャートである。
【図6】同実施の形態における情報提供装置が行うWebページの表示例である。
【図7】同実施の形態における携帯端末が行う送信対象情報の表示例である。
【図8】同実施の形態における送信制御情報の一例である。
【図9】本発明の第2実施形態における携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図10】同実施の形態におけるアイコンの一例である。
【図11】同実施の形態における携帯端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】同実施の形態における携帯端末が行うアイコン,送信対象情報の表示例である。
【図13】同実施の形態における送信制御情報の一例である。
【符号の説明】
【0095】
100 情報提供システム
101 情報提供装置
103 ネットワーク
111 リーダ/ライタ
120 ブラウザ
201,601 携帯端末
202 非接触型ICチップ
204,604 コントローラ
301 Webサーバ
602 判断部
606 アイコン記憶部
608 アイコン定義記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップを備えた携帯端末と,前記携帯端末が備える前記ICチップとの間で非接触通信を行う情報提供装置と,を備える情報提供システムであって:
前記情報提供装置は,
外部装置からネットワークを介して送信されるマークアップ言語で記述されたコンテンツを読み込んだ後,前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できるか否かを判断する判断部と;
前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できない場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報として埋め込まれ,かつ前記コンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたは前記コンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいて前記コンテンツを画面に出力し、
前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できる場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ,前記携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報に対応するリンク情報を画面に出力し、
前記画面に出力されたリンク情報が選択された場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ、前記携帯端末に送信する情報である送信対象情報を、前記送信制御情報に基づいて前記送信対象情報を前記携帯端末へ送信するように前記無線通信部に指示するブラウザと;
前記無線通信部は,前記ブラウザからの指示に基づいて前記送信対象情報を前記携帯端末が備える前記ICチップに非接触通信によって送信する無線通信部と;
を備える、情報提供システム。
【請求項2】
前記携帯端末は,前記無線通信部から前記ICチップに送信された前記送信対象情報に基づき、マークアップ言語の表示画面として、URL又はURLに基づいて取得されたWEBページを,前記携帯端末が備える表示画面に表示することを特徴とする,請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
ICチップを備えた携帯端末が翳された場合に当該携帯端末が備える前記ICチップとの間で非接触通信を行う情報提供装置であって:
外部装置からネットワークを介して送信されるマークアップ言語で記述されたコンテンツを読み込んだ後,前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できるか否かを判断する判断部と;
前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できない場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報として埋め込まれ,かつ前記コンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたは前記コンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいて前記コンテンツを画面に出力し、
前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できる場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ,前記携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報に対応するリンク情報を画面に出力し、
前記画面に出力されたリンク情報が選択された場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ、前記携帯端末に送信する情報である送信対象情報を、前記送信制御情報に基づいて前記送信対象情報を前記携帯端末へ送信するように前記無線通信部に指示するブラウザと;
前記無線通信部は,前記ブラウザからの指示に基づいて前記送信対象情報を前記携帯端
末が備える前記ICチップに非接触通信によって送信する無線通信部と;
を備える、情報提供装置。
【請求項4】
ICチップを備えた携帯端末が翳された場合に当該携帯端末が備える前記ICチップとの間で非接触通信を行う情報提供装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
外部装置からネットワークを介して送信されるマークアップ言語で記述されたコンテンツを読み込んだ後,前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できるか否かを判断する判断部と;前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できない場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報として埋め込まれ,かつ前記コンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたは前記コンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいて前記コンテンツを画面に出力し、前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できる場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ,前記携帯端末への送信対象情報の送信を指示する送信制御情報に対応するリンク情報を画面に出力し、前記画面に出力されたリンク情報が選択された場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ、前記携帯端末に送信する情報である送信対象情報を、前記送信制御情報に基づいて前記送信対象情報を前記携帯端末へ送信するように前記無線通信部に指示するブラウザと;前記無線通信部は,前記ブラウザからの指示に基づいて前記送信対象情報を前記携帯端末が備える前記ICチップに非接触通信によって送信する無線通信部と;を備える情報提供装置の各部が有する機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項5】
外部装置からネットワークを介して送信されるマークアップ言語で記述されたコンテンツを読み込んだ後,前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できるか否かを判断する判断部と;前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できない場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報として埋め込まれ,かつ前記コンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたは前記コンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいて前記コンテンツを画面に出力し、前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できる場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ,非接触通信による送信対象情報の送信を指示する送信制御情報に対応するリンク情報を画面に出力し、前記画面に出力されたリンク情報が選択された場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ、非接触通信によって送信する情報である送信対象情報を、前記送信制御情報に基づいて前記送信対象情報を非接触通信によって送信するように前記無線通信部に指示するブラウザと;を有する情報提供装置の前記無線通信部が前記ブラウザからの指示に基づいて前記送信対象情報を非接触通信によって送信した場合に、当該非接触通信によって前記送信対象情報を受信するICチップを備える、携帯端末。
【請求項6】
外部装置からネットワークを介して送信されるマークアップ言語で記述されたコンテンツを読み込んだ後,前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できるか否かを判断する判断部と;前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できない場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報として埋め込まれ,かつ前記コンテンツが画面に出力される際のフォーマットまたは前記コンテンツのデータ構造を少なくとも規定する画面出力制御情報に基づいて前記コンテンツを画面に出力し、前記コンテンツに埋め込まれている送信制御情報を処理できる場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ,非接触通信による送信対象情報の送信を指示する送信制御情報に対応するリンク情報を画面に出力し、前記画面に出力されたリンク情報が選択された場合は、前記コンテンツのデータ中にタグで識別される情報としてさらに埋め込まれ、非接触通信によって送信する情報である送信対象情報を、前記送信制御情報に基づいて前記送信対象情報を非接触通信によって送信するように前記無線通信部に指示するブラウザと;を有する情報提供装置の前記無線通信部が前記ブラウザからの指示に基づいて前記送信対象情報を非接触通信によって送信した場合に、当該非接触通信によって前記送信対象情報を受信するICチップを備える携帯端末において前記ICチップにより前記送信対象情報を受信する機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−80818(P2009−80818A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282170(P2008−282170)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【分割の表示】特願2005−67983(P2005−67983)の分割
【原出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(504134520)フェリカネットワークス株式会社 (129)
【Fターム(参考)】