情報提供方法および装置
【課題】 摂取した食事、栄養素等の記録を簡易に行うことができると共に、記録した栄養素を利用して、摂取すべき食事等を提案することが可能な情報提供方法および装置を提供する。
【解決手段】 個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段1と、個人の摂取栄養素を記録した摂取栄養素量記憶手段2を準備した後、表示物に掲載された二次元コードを二次元コード読取手段3により読み取ると、読み取られた複数の料理および各料理が含有する栄養素量の組み合わせを含有栄養素認識手段4が認識し、摂取栄養素量記憶手段1と理想栄養素量記憶手段2に記憶された摂取量を栄養素量比較手段5が栄養素別に比較し、料理決定手段6は、不足している栄養素を認識すると共に、不足している栄養素を含む料理を、含有栄養素認識手段4が認識した料理のうちから抽出し、表示手段7に表示する。
【解決手段】 個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段1と、個人の摂取栄養素を記録した摂取栄養素量記憶手段2を準備した後、表示物に掲載された二次元コードを二次元コード読取手段3により読み取ると、読み取られた複数の料理および各料理が含有する栄養素量の組み合わせを含有栄養素認識手段4が認識し、摂取栄養素量記憶手段1と理想栄養素量記憶手段2に記憶された摂取量を栄養素量比較手段5が栄養素別に比較し、料理決定手段6は、不足している栄養素を認識すると共に、不足している栄養素を含む料理を、含有栄養素認識手段4が認識した料理のうちから抽出し、表示手段7に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを利用して、利用者に有用な情報を提供するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の健康への関心が高まり、健康であるためには、どのような食事を取るべきかという関心も高まっている。このような要望に応えるための技術として、直近に摂取した食事の各栄養素を記録しておき、これらを基に取るべき最適な食事を提案するものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−54365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の技術では、食事の度に、摂取した食事、栄養素を自身で記録しなければならず、不便であるという問題がある。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、摂取した食事、栄養素等の記録を簡易に行うことができると共に、記録した栄養素を利用して、摂取すべき食事等を提案することが可能な不足栄養素の情報提供方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明では、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段と、個人の摂取栄養素を記録した摂取栄養素量記憶手段と、二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、前記二次元コード読取手段により読み取られた複数の料理および各料理が含有する栄養素量の組み合わせを認識する含有栄養素認識手段と、前記理想栄養素量記憶手段と前記摂取栄養素量記憶手段に記憶された摂取量を栄養素別に比較する栄養素量比較手段と、前記比較の結果、不足している栄養素を認識すると共に、当該不足している栄養素を含む料理を、前記含有栄養素認識手段が認識した料理のうちから抽出する料理決定手段と、前記抽出された料理の情報を表示する表示手段を有する構成の装置を用いる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、摂取した栄養素量および食事の情報を二次元コードから読み取って記録すると共に、理想的な栄養素量と比較して、不足している栄養素を抽出するようにしたので、自身で摂取した栄養素を記録する際の省力化を図ることが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(装置構成)
まず、本発明に係る情報提供装置について説明する。図1は、本発明の情報提供装置の一実施形態における機能ブロック図である。図1において、1は摂取栄養素量記憶部、2は理想栄養素量記憶部、3は二次元コード読取手段、4は含有栄養素認識手段、5は栄養素量比較手段、6は料理決定手段、7は表示手段である。
【0008】
摂取栄養素量記憶部1は、個人が摂取した栄養素を記憶した記憶領域である。理想栄養素量記憶部2は、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した記憶手段である。二次元コード読取手段3は、二次元コードに記録された情報を読み取る機能を有している。含有栄養素認識手段4は、二次元コードに料理(食事)、およびその食事についての含有栄養素量が記録されている場合に、それらの情報を認識する機能を有している。栄養素量比較手段5は、摂取栄養素量記憶部1に記憶された摂取栄養素量、理想栄養素量記憶部2に記憶された理想栄養素量を比較して不足している栄養素を検出する機能を有している。料理決定手段6は、含有栄養素認識手段4により認識された料理のうち、栄養素量比較手段5により検出された不足している栄養素を含む料理を検出する機能を有している。表示手段7は、検出された栄養素、料理の情報を画面に表示する機能を有している。
【0009】
図1に示した装置は、携帯が可能な端末装置である携帯端末に専用のプログラムを搭載することにより、実現される。最近では、表示画面を備え、CCDカメラを搭載するとともに、プログラムを実行可能な携帯電話機が市販されており、このような携帯電話機に、専用のプログラムを搭載することにより実現される。なお、本発明に係る情報提供装置は、必ずしも携帯電話機で実現する必要はなく、これらの機能を搭載した他の携帯端末(例えば、PDA等)で実現することが可能である。しかし、最近では、各個人が携帯電話機を保有するようになっており、各携帯電話機には、所有者の情報を保持しておくことができることから、携帯電話機を利用することが望ましい。
【0010】
携帯電話機を利用して本装置を実現した場合、摂取栄養素量記憶部1、理想栄養素量記憶部2は、携帯電話機内の保存用メモリーを使用することにより実現できる。二次元コード読取手段3は、CCDカメラ、およびCCDカメラにより読み取った情報を二次元コードとして認識するプログラムにより実現される。CCDカメラで読み取った情報が二次元コードである場合に、二次元コードに記録されている情報を認識する手段は、既に携帯電話機においては、実現され、利用されている。含有栄養素認識手段4、栄養素量比較手段5、料理決定手段6は、本発明に特有の専用プログラムを実行することにより実現される。表示手段7は、携帯電話機の画面表示部を利用することができる。
【0011】
(表示物)
続いて、本発明において用いる二次元コードが付加された表示物について説明する。表示物とは、様々な情報を表示した物であるが、ここでは、複数の料理が印刷された印刷物であるメニュー表を例にとって説明する。図2は、このようなメニュー表の一例を示す図である。図2に示すように、メニュー表には、各料理について、料理写真、説明文、二次元コードが印刷されている。
【0012】
図2において、21は全体説明文、22は全体二次元コード、23は料理写真、24は料理別説明文、25は料理別二次元コードである。全体説明文21は、図2に示したメニュー表に関する説明文であり、料理別説明文24は、料理別の説明文である。全体二次元コード22は、メニュー表に記載された全ての料理についての情報が記録された二次元コードである。料理写真23は、各料理を撮影した写真を印刷したものである。料理別二次元コード25は、各料理についての情報が記録された二次元コードである。図2の例では、メニュー表には、6つの料理について掲載されており、全体説明文21と全体二次元コード22はそれぞれ1つだけ設けられているが、料理写真23、料理別説明文24、料理別二次元コード25の組は、6組設けられたものとなっている。なお、本実施形態では、二次元コードとして、代表的なQRコードを使用している。
【0013】
ここで、料理別二次元コード25に記録された情報の一例を図3に示す。本実施形態では、料理別二次元コード25には、料理名と、その料理に含まれている栄養素量が記録されている。図3の例では、料理名「カツ丼」と、「カロリー」から「塩分」までの12種類の栄養素量が記録されている。他の料理についても、料理別二次元コード25には、対応する料理の料理名と栄養素量が記録されている。また、全体二次元コード22には、そのページに掲載された全ての料理の料理名と栄養素量が料理ごとに対応づけて記録されている。例えば、図2のメニュー表の例では、全体二次元コード22には、図3に示したような記録情報が6つ分記録されている。
【0014】
ここで、料理別二次元コード25に記録されるデータについて説明する。料理別二次元コード25は、図3に示すような情報を、直接二次元コードに変換したものを記録しても良いが、データ量をより小さくするための以下のような手法をとることもできる。具体的には、各数値がとり得る桁数分の数値のみを記録することにより行う。例えば、カロリーについては4桁、塩分については3桁、というように、割り当てて数値のみを記録する形式に変換する。この結果、図3に示した記録情報は、図11(a)に示すように変換されることになる。なお、図11(a)においては、説明の便宜上、各栄養素に対応した桁数ごとに間隔を設けてしめしてあるが、現実には、全て連続して配置されることになる。また、図11(a)に示した記録情報には、末尾の部分に1桁のコード“4”が付加されているが、これは、図11(a)に示したような情報をさらに暗号化する暗号化手法を特定するための暗号番号である。暗号番号は0〜9までの10通りの値をとり得るため、暗号化手法については最大10個用意しておくことが可能である。暗号化手法としては、1文字目から1文字置きに入れ替える手法、2文字目から1文字置きに入れ替える手法、1文字目から2文字置きに入れ替える手法、最初から最後の並び順を正反対にする手法等さまざまなものを用意しておくことができる。
【0015】
例えば、図11(a)の例では、暗号番号は“4”となっているが、これは、最初から最後の並び順を正反対にする手法を示している。したがって、この手法により暗号化した後の記録情報は図11(b)に示すようになる。なお、暗号番号については、復号時のことを考慮して、順番を入れ替えないこととしており、図11(b)においても、末尾に配置されたままとなる。このように、暗号化を行うことにより、データの解読を困難にする。
【0016】
また、図11(a)に示したような記録情報に代えて、より少ないデータとすることも可能である。図11(a)に示したデータでは、文字コードで記録しているため、1つの桁に8ビットを要する。そこで、数値をバイナリデータで記録する。例えば、数字の“1000”は、文字コードで入力すると、4文字×8ビット=32ビット要するが、バイナリデータで記録すれば、10ビットで済むことになる。さらに、入力できる値を制限しておけば、データ量を削減することが可能になる。例えば、カロリーなら1食0kcalから2047kcalまでしか入力できないように設定しておけば、さらにビット数を節約することができる。
【0017】
(事前の準備)
利用者は、自身の携帯端末(携帯電話機など)に、専用のプログラムをダウンロードして図1に示したような装置として作動可能な状態とした後、自身の理想栄養素量を、理想栄養素量記憶部2に記録する。理想栄養素量は、年齢・性別・身体的特徴(身長・体重等)に基づいて、例えば、栄養士に作成してもらうことができる。理想栄養素の一例を図9に示す。図9は、理想の栄養素量(栄養所要量)の一例であり、男性・25歳・身長170cm・体重63kg・生活活動強度2の場合のものである。なお、生活活動強度とは、日常生活の内容を4段階に区分したものであり、生活活動強度2は、「通勤、仕事等で2時間程度の歩行や乗車、接客、家事等立位での業務が比較的多い他、大部分は座位での事務、談話等をしている場合」の状態であることを示す。図10に、生活活動強度についての表を示しておく。
【0018】
自身の理想栄養素量の理想栄養素量記憶部2への記録は、例えば、キー入力により直接入力する等、種々の手法を用いることができるが、本実施形態では、データ量の圧縮、およびデータが流出した場合でも解読を困難とするため、以下のような手法で行っている。まず、理想栄養素量をコード化する。例えば、図9に示した理想栄養素量をコード化したデータを図12(a)に示す。
【0019】
さらに、図12(a)に示したデータを、暗号番号で特定される手法で暗号化する。例えば、暗号番号“4”の手法は、上述の二次元コードへの記録情報の場合と同様、最初から最後の並び順を正反対にする手法を示しているが、この手法により暗号化した後の理想栄養素量を図12(b)に示す。このように、暗号化を行うことにより、データの解読を困難にする。
【0020】
また、図12(a)に示したようなデータに代えて、より少ないデータとすることも可能である。図12(a)に示したデータでは、文字コードで入力しているため、1つの数字に8ビットを要する。そこで、数値をバイナリデータで記録する。例えば、数字の“1000”は、文字コードで入力すると、4文字×8ビット=32ビット要するが、バイナリデータで記録すれば、10ビットで済むことになる。
【0021】
(装置の処理動作)
続いて、図1に示した装置の処理動作について説明する。利用者は、理想栄養素量記憶部2に自身の理想栄養素量が準備された状態で、自身の携帯端末の二次元コード読取手段3により、図2に示したメニュー表の料理別二次元コード25を読み取る。具体的には、携帯電話機において、搭載されたCCDカメラにより撮影する処理を行えば良い。すると、含有栄養素認識手段4が、二次元コードに記録された情報を所定の桁数単位で認識し、各数値が意味する栄養素等と対応付けた後、表示手段7に表示させる。なお、この際、二次元コードに記録された情報がバイナリ情報である場合には、数値情報に変換した後、各数値が意味する栄養素等と対応付けることになる。このとき、携帯端末の画面には、図3に示したような情報が表示されることになる。初回においては、摂取栄養素量記憶部1に、摂取栄養素の情報が記録されていないため、栄養素量比較手段5、料理決定手段6は機能しない。利用者は、その料理を注文して食べる場合には、表示された情報を摂取栄養素として記録する旨の指示を行う。すると、表示された情報が摂取栄養素量記憶部1に記録される。利用者は、注文した料理を食べるため、上記のようにメニュー表の料理別二次元コード25から読み取った栄養素とほぼ同等の栄養素を摂取することとなるので、摂取栄養素量記憶部1に記録された摂取栄養素量は、利用者が実際に摂取したものと推定することができる。
【0022】
2回目以降、すなわち摂取栄養素量記憶部1に摂取栄養素量が記録された後も、上記と同様に、利用者が二次元コード読取手段3により料理別二次元コード25を読み取ると、読み取った二次元コードに記録された情報が表示され、利用者の指示により記録されることになる。摂取栄養素量記憶部1に摂取栄養素量が記録された後は、二次元コード読取手段3により、図2に示したメニュー表の全体二次元コード22を読み取ると、栄養素量比較手段5が、摂取栄養素量記憶部1に記録された摂取栄養素量、理想栄養素量記憶部2に記録された理想栄養素量を比較して摂取栄養素量が理想栄養素量に対して不足しているものを抽出する。さらに、料理決定手段6は、栄養素量比較手段5が検出した不足栄養素が、最も多く含まれている料理を、全体二次元コード22から読み取った情報から抽出し、その料理をお奨め料理として、表示手段7に表示する。このとき、表示される画面の様子を図4に示す。図4に示すように、表示手段7には、栄養素量比較手段5により検出された不足栄養素が列挙されるとともに、決定された料理が表示される。
【0023】
利用者は、表示手段7に表示されたお奨め料理を食べる場合には、上記のように、表示された料理についての栄養素量を記録する旨の指示を行い、摂取栄養素量記憶部1に摂取栄養素量として記録する。
【0024】
(不足栄養素のみの表示)
上記の例では、不足栄養素に基づいて、メニュー表に掲載された複数の料理からお奨めの料理を提案する機能について説明したが、お奨めの料理を提案せず、不足栄養素のみを表示することも可能である。この場合、携帯端末の所定の操作ボタンに、不足栄養素表示の指示を行うための機能を持たせておき、利用者が、この操作ボタンを操作すると、栄養素量比較手段5が、摂取栄養素量記憶部1に記録された摂取栄養素量、理想栄養素量記憶部2に記録された理想栄養素量を比較して摂取栄養素量が理想栄養素量に対して不足しているものを抽出し、表示手段7が抽出された不足栄養素を表示する。表示の手法としては、例えば、図5に示すように、比較グラフの形式にしても良いし、不足分が多い栄養素から順に一覧表示するようにしても良い。
【0025】
図1に示した例では、摂取すべき理想的な栄養素量である理想栄養素量と、実際に摂取した栄養素量である摂取栄養素量を携帯端末内部に記録するようにしたが、これらは、携帯端末内部で全てを行う必要はなく、摂取栄養素量記憶部1、理想栄養素量記憶部2のどちらか一方を携帯端末内部に記録しておき、他方をネットワークでアクセス可能なサーバコンピュータに記録しておいても良いし、さらに進めて両方ともサーバコンピュータに記録しておくようにしても良い。
【0026】
(GPSを利用した例)
また、近年では、GPS機能を搭載して、現在地を検出可能な携帯電話機も登場している。このようなGPS機能を有する携帯端末を本装置に採用することにより、不足している栄養素に対応する飲食店の料理を提案することもできる。この場合、別途サービスを提供するためのサーバにネットワーク経由でアクセスする必要がある。まず、利用者は、サーバにアクセスして、GPS機能により検出した位置情報を送信する。すると、サーバからは、図8(a)に示すような飲食店のカテゴリー選択画面が送信されてくる。さらに、利用者が選択すると、サーバからは選択したカテゴリーに該当する店舗選択画面が送信されてくる。このときの画面を図8(b)に示す。ここで、利用者が店舗名を選択すると、携帯端末は、栄養素量比較手段5が算出した不足栄養素をサーバに送信する。サーバでは、選択された店舗について記録された料理情報を参照し、受信した不足栄養素を多く含む料理の情報を抽出し、携帯端末に送信する。この結果、携帯端末の画面には、図8(c)に示すようなおすすめ料理が表示される。
【0027】
(表示物の他の例)
上記の例では、表示物として、複数の料理が印刷された印刷物であるメニュー表について説明したが、メニュー表以外でも食品等に関する表示物を利用することができる。例えば、図6に示すような、食品に貼付するシールの形態にすることも可能である。図6は、シールの形態とした表示物を表面から見た平面図であり、裏面は公知の接着剤により接着力を有するものとなっている。表面には、食品名、内容量、価格等の他に、この食品を使用した料理の作り方、その料理を作るのに必要な他の食材等が印刷されている。また、食品の管理のためのバーコードが印刷されていると共に、二次元コード61も印刷されている。この二次元コードには、シールに表示しきれない情報が記録されている。利用者は、このようなシールに対しても、携帯端末の二次元コード読取手段3により二次元コードを読み取ることができる。すると、上記のメニュー表の場合と同様に、読み取った栄養素が表示され、記録の指示を行うと摂取栄養素量記憶部1に記憶される。
【0028】
さらに、二次元コードには、栄養素以外にもシール表面に掲載しきれない情報を記録しておくことができる。例えば、図の例では、飼料、生産者、生産者のコメント等も記録しておくことができる。したがって、情報の提供側としては、限られた面積しかない表示物に掲載することができない情報を利用者に伝えることが可能となる。
【0029】
また、図2に示した表示物において、説明文にレシピを掲載し、二次元コードには、レシピのカロリー総量、主な栄養素量(たんぱく質、炭水化物、ビタミンA、B、C、D、E、ミネラル、植物繊維など)を記録しておく。この場合、携帯端末で撮影すると、画面には、図3に示すように栄養素の表示がなされる。
【0030】
また、図2に示した表示物において、説明文に外食メニューや宅配食カタログ、お持ち帰り弁当メニューを掲載し、二次元コードには、食材の紹介、調理人の紹介や推薦文、そのメニューのカロリー総量、主な栄養素量を記録しておく。この場合、携帯端末で撮影すると、画面には、図7に示すように食材の紹介、調理人の紹介や推薦文の表示がなされる。さらに、画面をスクロールすることにより栄養素の表示もなされる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、二次元コードが、肉眼で見えるものである場合について説明したが、上記二次元コードは、印刷物のデザイン性を損なわないため、肉眼で見えない状態のものであっても良い。すなわち、肉眼では見えないが、CCDカメラ等の二次元コード読取手段により読取り可能な、透明コード、印刷型ステガノグラフィと呼ばれる二次元コードを採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の情報提供装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】表示物であるメニュー表の一例を示す図である。
【図3】料理別二次元コード25に記録された情報の一例を示す図である。
【図4】料理提案時の画面の様子を示す図である。
【図5】栄養素提示時の画面の様子を示す図である。
【図6】表示物である商品貼付用シールの一例を示す図である。
【図7】表示画面の他の例を示す図である。
【図8】GPS機能を利用した場合の画面の例を示す図である。
【図9】理想の栄養素量(栄養所要量)の一例を示す図である。
【図10】生活活動強度の内容を示す表である。
【図11】二次元コードに記録されるデータを加工した状態を示す図である。
【図12】理想栄養素量記憶部2に記録される理想栄養素量のデータを加工した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・摂取栄養素量記憶手段
2・・・理想栄養素量記憶手段
3・・・二次元コード読取手段
4・・・含有栄養素記憶手段
5・・・栄養素量比較手段
6・・・料理決定手段
7・・・表示手段
21・・・全体説明文
22・・・全体二次元コード
23・・・料理写真
24・・・料理別説明文
25・・・料理別二次元コード
61・・・二次元コード
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを利用して、利用者に有用な情報を提供するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の健康への関心が高まり、健康であるためには、どのような食事を取るべきかという関心も高まっている。このような要望に応えるための技術として、直近に摂取した食事の各栄養素を記録しておき、これらを基に取るべき最適な食事を提案するものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−54365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の技術では、食事の度に、摂取した食事、栄養素を自身で記録しなければならず、不便であるという問題がある。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、摂取した食事、栄養素等の記録を簡易に行うことができると共に、記録した栄養素を利用して、摂取すべき食事等を提案することが可能な不足栄養素の情報提供方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明では、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段と、個人の摂取栄養素を記録した摂取栄養素量記憶手段と、二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、前記二次元コード読取手段により読み取られた複数の料理および各料理が含有する栄養素量の組み合わせを認識する含有栄養素認識手段と、前記理想栄養素量記憶手段と前記摂取栄養素量記憶手段に記憶された摂取量を栄養素別に比較する栄養素量比較手段と、前記比較の結果、不足している栄養素を認識すると共に、当該不足している栄養素を含む料理を、前記含有栄養素認識手段が認識した料理のうちから抽出する料理決定手段と、前記抽出された料理の情報を表示する表示手段を有する構成の装置を用いる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、摂取した栄養素量および食事の情報を二次元コードから読み取って記録すると共に、理想的な栄養素量と比較して、不足している栄養素を抽出するようにしたので、自身で摂取した栄養素を記録する際の省力化を図ることが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(装置構成)
まず、本発明に係る情報提供装置について説明する。図1は、本発明の情報提供装置の一実施形態における機能ブロック図である。図1において、1は摂取栄養素量記憶部、2は理想栄養素量記憶部、3は二次元コード読取手段、4は含有栄養素認識手段、5は栄養素量比較手段、6は料理決定手段、7は表示手段である。
【0008】
摂取栄養素量記憶部1は、個人が摂取した栄養素を記憶した記憶領域である。理想栄養素量記憶部2は、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した記憶手段である。二次元コード読取手段3は、二次元コードに記録された情報を読み取る機能を有している。含有栄養素認識手段4は、二次元コードに料理(食事)、およびその食事についての含有栄養素量が記録されている場合に、それらの情報を認識する機能を有している。栄養素量比較手段5は、摂取栄養素量記憶部1に記憶された摂取栄養素量、理想栄養素量記憶部2に記憶された理想栄養素量を比較して不足している栄養素を検出する機能を有している。料理決定手段6は、含有栄養素認識手段4により認識された料理のうち、栄養素量比較手段5により検出された不足している栄養素を含む料理を検出する機能を有している。表示手段7は、検出された栄養素、料理の情報を画面に表示する機能を有している。
【0009】
図1に示した装置は、携帯が可能な端末装置である携帯端末に専用のプログラムを搭載することにより、実現される。最近では、表示画面を備え、CCDカメラを搭載するとともに、プログラムを実行可能な携帯電話機が市販されており、このような携帯電話機に、専用のプログラムを搭載することにより実現される。なお、本発明に係る情報提供装置は、必ずしも携帯電話機で実現する必要はなく、これらの機能を搭載した他の携帯端末(例えば、PDA等)で実現することが可能である。しかし、最近では、各個人が携帯電話機を保有するようになっており、各携帯電話機には、所有者の情報を保持しておくことができることから、携帯電話機を利用することが望ましい。
【0010】
携帯電話機を利用して本装置を実現した場合、摂取栄養素量記憶部1、理想栄養素量記憶部2は、携帯電話機内の保存用メモリーを使用することにより実現できる。二次元コード読取手段3は、CCDカメラ、およびCCDカメラにより読み取った情報を二次元コードとして認識するプログラムにより実現される。CCDカメラで読み取った情報が二次元コードである場合に、二次元コードに記録されている情報を認識する手段は、既に携帯電話機においては、実現され、利用されている。含有栄養素認識手段4、栄養素量比較手段5、料理決定手段6は、本発明に特有の専用プログラムを実行することにより実現される。表示手段7は、携帯電話機の画面表示部を利用することができる。
【0011】
(表示物)
続いて、本発明において用いる二次元コードが付加された表示物について説明する。表示物とは、様々な情報を表示した物であるが、ここでは、複数の料理が印刷された印刷物であるメニュー表を例にとって説明する。図2は、このようなメニュー表の一例を示す図である。図2に示すように、メニュー表には、各料理について、料理写真、説明文、二次元コードが印刷されている。
【0012】
図2において、21は全体説明文、22は全体二次元コード、23は料理写真、24は料理別説明文、25は料理別二次元コードである。全体説明文21は、図2に示したメニュー表に関する説明文であり、料理別説明文24は、料理別の説明文である。全体二次元コード22は、メニュー表に記載された全ての料理についての情報が記録された二次元コードである。料理写真23は、各料理を撮影した写真を印刷したものである。料理別二次元コード25は、各料理についての情報が記録された二次元コードである。図2の例では、メニュー表には、6つの料理について掲載されており、全体説明文21と全体二次元コード22はそれぞれ1つだけ設けられているが、料理写真23、料理別説明文24、料理別二次元コード25の組は、6組設けられたものとなっている。なお、本実施形態では、二次元コードとして、代表的なQRコードを使用している。
【0013】
ここで、料理別二次元コード25に記録された情報の一例を図3に示す。本実施形態では、料理別二次元コード25には、料理名と、その料理に含まれている栄養素量が記録されている。図3の例では、料理名「カツ丼」と、「カロリー」から「塩分」までの12種類の栄養素量が記録されている。他の料理についても、料理別二次元コード25には、対応する料理の料理名と栄養素量が記録されている。また、全体二次元コード22には、そのページに掲載された全ての料理の料理名と栄養素量が料理ごとに対応づけて記録されている。例えば、図2のメニュー表の例では、全体二次元コード22には、図3に示したような記録情報が6つ分記録されている。
【0014】
ここで、料理別二次元コード25に記録されるデータについて説明する。料理別二次元コード25は、図3に示すような情報を、直接二次元コードに変換したものを記録しても良いが、データ量をより小さくするための以下のような手法をとることもできる。具体的には、各数値がとり得る桁数分の数値のみを記録することにより行う。例えば、カロリーについては4桁、塩分については3桁、というように、割り当てて数値のみを記録する形式に変換する。この結果、図3に示した記録情報は、図11(a)に示すように変換されることになる。なお、図11(a)においては、説明の便宜上、各栄養素に対応した桁数ごとに間隔を設けてしめしてあるが、現実には、全て連続して配置されることになる。また、図11(a)に示した記録情報には、末尾の部分に1桁のコード“4”が付加されているが、これは、図11(a)に示したような情報をさらに暗号化する暗号化手法を特定するための暗号番号である。暗号番号は0〜9までの10通りの値をとり得るため、暗号化手法については最大10個用意しておくことが可能である。暗号化手法としては、1文字目から1文字置きに入れ替える手法、2文字目から1文字置きに入れ替える手法、1文字目から2文字置きに入れ替える手法、最初から最後の並び順を正反対にする手法等さまざまなものを用意しておくことができる。
【0015】
例えば、図11(a)の例では、暗号番号は“4”となっているが、これは、最初から最後の並び順を正反対にする手法を示している。したがって、この手法により暗号化した後の記録情報は図11(b)に示すようになる。なお、暗号番号については、復号時のことを考慮して、順番を入れ替えないこととしており、図11(b)においても、末尾に配置されたままとなる。このように、暗号化を行うことにより、データの解読を困難にする。
【0016】
また、図11(a)に示したような記録情報に代えて、より少ないデータとすることも可能である。図11(a)に示したデータでは、文字コードで記録しているため、1つの桁に8ビットを要する。そこで、数値をバイナリデータで記録する。例えば、数字の“1000”は、文字コードで入力すると、4文字×8ビット=32ビット要するが、バイナリデータで記録すれば、10ビットで済むことになる。さらに、入力できる値を制限しておけば、データ量を削減することが可能になる。例えば、カロリーなら1食0kcalから2047kcalまでしか入力できないように設定しておけば、さらにビット数を節約することができる。
【0017】
(事前の準備)
利用者は、自身の携帯端末(携帯電話機など)に、専用のプログラムをダウンロードして図1に示したような装置として作動可能な状態とした後、自身の理想栄養素量を、理想栄養素量記憶部2に記録する。理想栄養素量は、年齢・性別・身体的特徴(身長・体重等)に基づいて、例えば、栄養士に作成してもらうことができる。理想栄養素の一例を図9に示す。図9は、理想の栄養素量(栄養所要量)の一例であり、男性・25歳・身長170cm・体重63kg・生活活動強度2の場合のものである。なお、生活活動強度とは、日常生活の内容を4段階に区分したものであり、生活活動強度2は、「通勤、仕事等で2時間程度の歩行や乗車、接客、家事等立位での業務が比較的多い他、大部分は座位での事務、談話等をしている場合」の状態であることを示す。図10に、生活活動強度についての表を示しておく。
【0018】
自身の理想栄養素量の理想栄養素量記憶部2への記録は、例えば、キー入力により直接入力する等、種々の手法を用いることができるが、本実施形態では、データ量の圧縮、およびデータが流出した場合でも解読を困難とするため、以下のような手法で行っている。まず、理想栄養素量をコード化する。例えば、図9に示した理想栄養素量をコード化したデータを図12(a)に示す。
【0019】
さらに、図12(a)に示したデータを、暗号番号で特定される手法で暗号化する。例えば、暗号番号“4”の手法は、上述の二次元コードへの記録情報の場合と同様、最初から最後の並び順を正反対にする手法を示しているが、この手法により暗号化した後の理想栄養素量を図12(b)に示す。このように、暗号化を行うことにより、データの解読を困難にする。
【0020】
また、図12(a)に示したようなデータに代えて、より少ないデータとすることも可能である。図12(a)に示したデータでは、文字コードで入力しているため、1つの数字に8ビットを要する。そこで、数値をバイナリデータで記録する。例えば、数字の“1000”は、文字コードで入力すると、4文字×8ビット=32ビット要するが、バイナリデータで記録すれば、10ビットで済むことになる。
【0021】
(装置の処理動作)
続いて、図1に示した装置の処理動作について説明する。利用者は、理想栄養素量記憶部2に自身の理想栄養素量が準備された状態で、自身の携帯端末の二次元コード読取手段3により、図2に示したメニュー表の料理別二次元コード25を読み取る。具体的には、携帯電話機において、搭載されたCCDカメラにより撮影する処理を行えば良い。すると、含有栄養素認識手段4が、二次元コードに記録された情報を所定の桁数単位で認識し、各数値が意味する栄養素等と対応付けた後、表示手段7に表示させる。なお、この際、二次元コードに記録された情報がバイナリ情報である場合には、数値情報に変換した後、各数値が意味する栄養素等と対応付けることになる。このとき、携帯端末の画面には、図3に示したような情報が表示されることになる。初回においては、摂取栄養素量記憶部1に、摂取栄養素の情報が記録されていないため、栄養素量比較手段5、料理決定手段6は機能しない。利用者は、その料理を注文して食べる場合には、表示された情報を摂取栄養素として記録する旨の指示を行う。すると、表示された情報が摂取栄養素量記憶部1に記録される。利用者は、注文した料理を食べるため、上記のようにメニュー表の料理別二次元コード25から読み取った栄養素とほぼ同等の栄養素を摂取することとなるので、摂取栄養素量記憶部1に記録された摂取栄養素量は、利用者が実際に摂取したものと推定することができる。
【0022】
2回目以降、すなわち摂取栄養素量記憶部1に摂取栄養素量が記録された後も、上記と同様に、利用者が二次元コード読取手段3により料理別二次元コード25を読み取ると、読み取った二次元コードに記録された情報が表示され、利用者の指示により記録されることになる。摂取栄養素量記憶部1に摂取栄養素量が記録された後は、二次元コード読取手段3により、図2に示したメニュー表の全体二次元コード22を読み取ると、栄養素量比較手段5が、摂取栄養素量記憶部1に記録された摂取栄養素量、理想栄養素量記憶部2に記録された理想栄養素量を比較して摂取栄養素量が理想栄養素量に対して不足しているものを抽出する。さらに、料理決定手段6は、栄養素量比較手段5が検出した不足栄養素が、最も多く含まれている料理を、全体二次元コード22から読み取った情報から抽出し、その料理をお奨め料理として、表示手段7に表示する。このとき、表示される画面の様子を図4に示す。図4に示すように、表示手段7には、栄養素量比較手段5により検出された不足栄養素が列挙されるとともに、決定された料理が表示される。
【0023】
利用者は、表示手段7に表示されたお奨め料理を食べる場合には、上記のように、表示された料理についての栄養素量を記録する旨の指示を行い、摂取栄養素量記憶部1に摂取栄養素量として記録する。
【0024】
(不足栄養素のみの表示)
上記の例では、不足栄養素に基づいて、メニュー表に掲載された複数の料理からお奨めの料理を提案する機能について説明したが、お奨めの料理を提案せず、不足栄養素のみを表示することも可能である。この場合、携帯端末の所定の操作ボタンに、不足栄養素表示の指示を行うための機能を持たせておき、利用者が、この操作ボタンを操作すると、栄養素量比較手段5が、摂取栄養素量記憶部1に記録された摂取栄養素量、理想栄養素量記憶部2に記録された理想栄養素量を比較して摂取栄養素量が理想栄養素量に対して不足しているものを抽出し、表示手段7が抽出された不足栄養素を表示する。表示の手法としては、例えば、図5に示すように、比較グラフの形式にしても良いし、不足分が多い栄養素から順に一覧表示するようにしても良い。
【0025】
図1に示した例では、摂取すべき理想的な栄養素量である理想栄養素量と、実際に摂取した栄養素量である摂取栄養素量を携帯端末内部に記録するようにしたが、これらは、携帯端末内部で全てを行う必要はなく、摂取栄養素量記憶部1、理想栄養素量記憶部2のどちらか一方を携帯端末内部に記録しておき、他方をネットワークでアクセス可能なサーバコンピュータに記録しておいても良いし、さらに進めて両方ともサーバコンピュータに記録しておくようにしても良い。
【0026】
(GPSを利用した例)
また、近年では、GPS機能を搭載して、現在地を検出可能な携帯電話機も登場している。このようなGPS機能を有する携帯端末を本装置に採用することにより、不足している栄養素に対応する飲食店の料理を提案することもできる。この場合、別途サービスを提供するためのサーバにネットワーク経由でアクセスする必要がある。まず、利用者は、サーバにアクセスして、GPS機能により検出した位置情報を送信する。すると、サーバからは、図8(a)に示すような飲食店のカテゴリー選択画面が送信されてくる。さらに、利用者が選択すると、サーバからは選択したカテゴリーに該当する店舗選択画面が送信されてくる。このときの画面を図8(b)に示す。ここで、利用者が店舗名を選択すると、携帯端末は、栄養素量比較手段5が算出した不足栄養素をサーバに送信する。サーバでは、選択された店舗について記録された料理情報を参照し、受信した不足栄養素を多く含む料理の情報を抽出し、携帯端末に送信する。この結果、携帯端末の画面には、図8(c)に示すようなおすすめ料理が表示される。
【0027】
(表示物の他の例)
上記の例では、表示物として、複数の料理が印刷された印刷物であるメニュー表について説明したが、メニュー表以外でも食品等に関する表示物を利用することができる。例えば、図6に示すような、食品に貼付するシールの形態にすることも可能である。図6は、シールの形態とした表示物を表面から見た平面図であり、裏面は公知の接着剤により接着力を有するものとなっている。表面には、食品名、内容量、価格等の他に、この食品を使用した料理の作り方、その料理を作るのに必要な他の食材等が印刷されている。また、食品の管理のためのバーコードが印刷されていると共に、二次元コード61も印刷されている。この二次元コードには、シールに表示しきれない情報が記録されている。利用者は、このようなシールに対しても、携帯端末の二次元コード読取手段3により二次元コードを読み取ることができる。すると、上記のメニュー表の場合と同様に、読み取った栄養素が表示され、記録の指示を行うと摂取栄養素量記憶部1に記憶される。
【0028】
さらに、二次元コードには、栄養素以外にもシール表面に掲載しきれない情報を記録しておくことができる。例えば、図の例では、飼料、生産者、生産者のコメント等も記録しておくことができる。したがって、情報の提供側としては、限られた面積しかない表示物に掲載することができない情報を利用者に伝えることが可能となる。
【0029】
また、図2に示した表示物において、説明文にレシピを掲載し、二次元コードには、レシピのカロリー総量、主な栄養素量(たんぱく質、炭水化物、ビタミンA、B、C、D、E、ミネラル、植物繊維など)を記録しておく。この場合、携帯端末で撮影すると、画面には、図3に示すように栄養素の表示がなされる。
【0030】
また、図2に示した表示物において、説明文に外食メニューや宅配食カタログ、お持ち帰り弁当メニューを掲載し、二次元コードには、食材の紹介、調理人の紹介や推薦文、そのメニューのカロリー総量、主な栄養素量を記録しておく。この場合、携帯端末で撮影すると、画面には、図7に示すように食材の紹介、調理人の紹介や推薦文の表示がなされる。さらに、画面をスクロールすることにより栄養素の表示もなされる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、二次元コードが、肉眼で見えるものである場合について説明したが、上記二次元コードは、印刷物のデザイン性を損なわないため、肉眼で見えない状態のものであっても良い。すなわち、肉眼では見えないが、CCDカメラ等の二次元コード読取手段により読取り可能な、透明コード、印刷型ステガノグラフィと呼ばれる二次元コードを採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の情報提供装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】表示物であるメニュー表の一例を示す図である。
【図3】料理別二次元コード25に記録された情報の一例を示す図である。
【図4】料理提案時の画面の様子を示す図である。
【図5】栄養素提示時の画面の様子を示す図である。
【図6】表示物である商品貼付用シールの一例を示す図である。
【図7】表示画面の他の例を示す図である。
【図8】GPS機能を利用した場合の画面の例を示す図である。
【図9】理想の栄養素量(栄養所要量)の一例を示す図である。
【図10】生活活動強度の内容を示す表である。
【図11】二次元コードに記録されるデータを加工した状態を示す図である。
【図12】理想栄養素量記憶部2に記録される理想栄養素量のデータを加工した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・摂取栄養素量記憶手段
2・・・理想栄養素量記憶手段
3・・・二次元コード読取手段
4・・・含有栄養素記憶手段
5・・・栄養素量比較手段
6・・・料理決定手段
7・・・表示手段
21・・・全体説明文
22・・・全体二次元コード
23・・・料理写真
24・・・料理別説明文
25・・・料理別二次元コード
61・・・二次元コード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の記憶手段に、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶しておき、
前記携帯端末が有する二次元コード読取手段により二次元コードを読み取って、当該二次元コードに記録された栄養素量を抽出する段階と、
当該抽出した栄養素量を、既に記憶手段に記憶されている摂取栄養素量に加算して摂取栄養素量を更新する段階と、
当該摂取栄養素量と前記理想栄養素量とを比較し、不足している栄養素である不足栄養素の情報を抽出する段階と、
前記不足栄養素の情報を前記携帯端末の画面に出力することを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
携帯端末の記憶手段に、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶しておくとともに、摂取した栄養素量である摂取栄養素量を記録しておき、
前記携帯端末が有する二次元コード読取手段により二次元コードを読み取って、当該二次元コードに記録された料理および当該料理に含まれる栄養素量を抽出する段階と、
前記摂取栄養素量と前記理想栄養量とを記憶手段から抽出して比較し、不足している栄養素である不足栄養素を抽出する段階と、
前記二次元コードから抽出された料理のうち、前記不足栄養素と同一の栄養素を含有する料理の情報を、画面に表示する段階と、
を有することを特徴とする情報提供方法。
【請求項3】
個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段と、
二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、
前記二次元コード読取手段により読み取られた栄養素を摂取栄養素として記憶する摂取栄養素量記憶手段と、
前記理想栄養素量記憶手段と前記摂取栄養素量記憶手段に記憶された摂取量を栄養素別に比較する栄養素量比較手段と、
前記比較の結果に基づいて得られる不足栄養素の情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段と、
個人の摂取栄養素を記録した摂取栄養素量記憶手段と、
二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、
前記二次元コード読取手段により読み取られた複数の料理および各料理が含有する栄養素量の組み合わせを認識する含有栄養素認識手段と、
前記理想栄養素量記憶手段と前記摂取栄養素量記憶手段に記憶された摂取量を栄養素別に比較する栄養素量比較手段と、
前記比較の結果、不足している栄養素を認識すると共に、当該不足している栄養素を含む料理を、前記含有栄養素認識手段が認識した料理のうちから抽出する料理決定手段と、
前記抽出された料理の情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項1】
携帯端末の記憶手段に、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶しておき、
前記携帯端末が有する二次元コード読取手段により二次元コードを読み取って、当該二次元コードに記録された栄養素量を抽出する段階と、
当該抽出した栄養素量を、既に記憶手段に記憶されている摂取栄養素量に加算して摂取栄養素量を更新する段階と、
当該摂取栄養素量と前記理想栄養素量とを比較し、不足している栄養素である不足栄養素の情報を抽出する段階と、
前記不足栄養素の情報を前記携帯端末の画面に出力することを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
携帯端末の記憶手段に、個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶しておくとともに、摂取した栄養素量である摂取栄養素量を記録しておき、
前記携帯端末が有する二次元コード読取手段により二次元コードを読み取って、当該二次元コードに記録された料理および当該料理に含まれる栄養素量を抽出する段階と、
前記摂取栄養素量と前記理想栄養量とを記憶手段から抽出して比較し、不足している栄養素である不足栄養素を抽出する段階と、
前記二次元コードから抽出された料理のうち、前記不足栄養素と同一の栄養素を含有する料理の情報を、画面に表示する段階と、
を有することを特徴とする情報提供方法。
【請求項3】
個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段と、
二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、
前記二次元コード読取手段により読み取られた栄養素を摂取栄養素として記憶する摂取栄養素量記憶手段と、
前記理想栄養素量記憶手段と前記摂取栄養素量記憶手段に記憶された摂取量を栄養素別に比較する栄養素量比較手段と、
前記比較の結果に基づいて得られる不足栄養素の情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
個人の理想的な栄養素の摂取量である理想栄養素量を記憶した理想栄養素量記憶手段と、
個人の摂取栄養素を記録した摂取栄養素量記憶手段と、
二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、
前記二次元コード読取手段により読み取られた複数の料理および各料理が含有する栄養素量の組み合わせを認識する含有栄養素認識手段と、
前記理想栄養素量記憶手段と前記摂取栄養素量記憶手段に記憶された摂取量を栄養素別に比較する栄養素量比較手段と、
前記比較の結果、不足している栄養素を認識すると共に、当該不足している栄養素を含む料理を、前記含有栄養素認識手段が認識した料理のうちから抽出する料理決定手段と、
前記抽出された料理の情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−114011(P2006−114011A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166764(P2005−166764)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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