情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法
【課題】複数のデータベースをまたいだ情報検索においてユーザの利便性を高める情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法を提供する。
【解決手段】複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索装置10であって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付部112と、データベース中の複数の検索対象ごとに、検索対象の取得先となるデータベースを優先順位とともに記憶する記憶部115と、優先順位に従って、記憶部115に記憶されたデータベースを検索条件に基づいて検索し、受付部112で指定された検索対象を検索結果として取得する取得部113と、を備える。
【解決手段】複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索装置10であって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付部112と、データベース中の複数の検索対象ごとに、検索対象の取得先となるデータベースを優先順位とともに記憶する記憶部115と、優先順位に従って、記憶部115に記憶されたデータベースを検索条件に基づいて検索し、受付部112で指定された検索対象を検索結果として取得する取得部113と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データベースの構築・利用技術は進歩してきており、ネットワークに接続された複数のデータベースをまたいで情報検索を行うマルチデータベース検索技術が開発されている。マルチデータベース検索技術を用いると、複数のデータベースを単一の検索コマンドで検索することができる。
【0003】
上述のマルチデータベース検索においては、ユーザの利便性を高めるために、データ検索にかかる時間を短縮する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−311777号公報
【特許文献2】特開平7−105238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マルチデータベース検索におけるユーザ利便性の向上という点においては、データ検索処理の時間を短縮するだけでは十分とはいえない可能性がある。
【0006】
本件は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、複数のデータベースをまたいだ情報検索においてユーザの利便性を高める情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報検索装置は、複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索装置であって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付部と、前記データベース中の複数の検索対象ごとに、前記検索対象の取得先となるデータベースを優先順位とともに記憶する記憶部と、前記優先順位に従って、前記記憶部に記憶されたデータベースを検索条件に基づいて検索し、前記受付部で指定された検索対象を検索結果として取得する取得部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報検索プログラムは、複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索プログラムであって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象を前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0009】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報検索方法は、複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索方法であって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
明細書開示の情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法によれば、複数のデータベースをまたいだ情報検索においてユーザの利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本件の情報検索装置を含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】情報検索装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】情報検索装置が備える機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】アクセス制御テーブルの一例を示す図である。
【図5】情報検索装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】情報検索装置が実行する処理の一例を説明する具体的なデータの一例である。
【図7】項目定義テーブルの一例を示す図である。
【図8】図5におけるステップS15の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示項目毎に取得先となるデータベースを示すテーブルの一例である。
【図10】関連DB定義テーブルの一例を示す図である。
【図11】検索処理に使用される検索命令の一例を示す図である。
【図12】表示部が実行する処理について説明するための具体例である。
【図13】表示形式定義テーブルの一例を示す図である。
【図14】表示装置への検索結果の表示方法の別例を示す図である。
【図15】情報検索装置の機能ブロック図の別例である。
【図16】本件の情報検索装置を含む情報処理システムのシステム構成の別例を示す図である。
【図17】項目定義テーブルと関連DB定義テーブルとを統合したテーブルの一例を示す図である。
【図18】表示項目の取得先となるデータベースの決定に用いられるテーブルの別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本件の実施例について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
まず、図1を参照して、本件の情報検索装置を含む、情報処理システムの構成例について説明する。図1に示すように、情報処理システム100は、情報検索装置10、購買DB(Data Base)20、環境DB30、CAD用DB40、及び部品DB50を備える。
【0014】
情報検索装置10は、例えば、パーソナルコンピュータであって、無線通信端末、又はPDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。情報検索装置10は、複数のデータベースをまたいで情報検索を行うことができる、いわゆるマルチデータベース検索機能を備える。情報検索装置10は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク60で接続された購買DB20、環境DB30、CAD用DB40、及び部品DB50を含む複数のデータベースをまたいで情報検索を実行する。
【0015】
購買DB20は、例えば、部品の調達業務等を管理する購買システム等に備えられるデータベースである。購買DB20は、例えば、「物品番号」、「物品単価」、「主仕入先」、「最低発注個数」、「納入リードタイム」等の項目を有する。「物品番号」は、調達対象の物品を一意に識別する番号である。「物品単価」は、物品番号によって識別される物品の単価を表す。「主仕入先」は、物品番号によって識別される物品の主な仕入先を表す。「最低発注個数」は、物品番号によって識別される物品を発注する際の発注個数の下限を示す。「納入リードタイム」は、物品番号によって識別される物品が発注されてから納入されるまでのリードタイムを表す。
【0016】
環境DB30は、例えば、環境規制に対応するための環境マネジメントシステム等に備えられるデータベースである。本実施例において、環境DB30は、「物品番号」、「規制フラグ」、「グリーン購入対象」等の項目を有する。「物品番号」は、物品を一意に識別する番号である。「規制フラグ」は、物品番号で識別される物品の使用が規制されるか否かを表す。「グリーン購入対象」は、物品番号で識別される物品が、グリーン購入法基本方針で定められた判断の基準に適合するか否かを示す。
【0017】
CAD用DB40は、例えば、CAD(Computer Aided Design)システムに備えられるデータベースである。本実施例において、CAD用DB40は、「部品名」、「規制フラグ」、「標準化フラグ」、「代替部品」、「物品単価」、「部品形状タイプ」、及び「シンボル」等の項目を備える。「部品名」は、部品を一意に識別するための項目である。「規制フラグ」は、部品名で識別される部品の使用が規制されるか否かを表す。「標準化フラグ」は、部品名で識別される部品が、標準品であるか否かを表す。「代替部品」は、部品名で識別される部品の代替品として用いることができる部品を表す。「物品単価」は、部品名で識別される部品の単価を示す。「部品形状タイプ」は、部品名で識別される部品の形状を表す。「シンボル」は、部品名で識別される部品をCAD画面上に配置する際の回路シンボルを表す。
【0018】
部品DB50は、例えば、各部品の情報を管理する部品管理システム等に備えられるデータベースである。本実施例において、部品DB50は、「物品番号」、「規制フラグ」、「取扱区分」、「代替物品」、「部品単価」、「部品形状タイプ名」、及び「シンボル名」等の項目を備える。「物品番号」は、各部品を一意に識別するための番号である。「規制フラグ」は、物品番号で識別される部品の使用が規制されるか否かを表す。「取扱区分」は、物品番号で識別される部品が、標準品であるか否かを表す。「代替物品」は、物品番号で識別される部品の代替品として用いることができる部品を表す。「部品単価」は、物品番号で識別される部品の単価を表す。「部品形状タイプ名」は、物品番号で識別される部品の形状を表す。「シンボル名」は、物品番号で識別される部品をCAD画面上に配置する際の回路シンボルを表す。
【0019】
購買DB20〜部品DB50は、相異なるデータベースであるが、いずれかのデータベースが備える項目を、他のデータベースの項目で代替できる場合がある。例えば、CAD用DB40が備える「規制フラグ」、部品DB50が備える「規制フラグ」、及び環境DB30が備える「規制フラグ」は、いずれも、部品又は物品の使用が規制されるか否かを表す。すなわち、3つのデータベースの各項目は同等の項目であるといえる。従って、CAD用DB40が備える「規制フラグ」、部品DB50が備える「規制フラグ」、及び環境DB30が備える「規制フラグ」は、それぞれの項目を代替できる。また、CAD用DB40が備える「標準化フラグ」は、物品が標準品であるか否かを表すため、部品DB50の「取扱区分」と同等の項目といえる。従って、CAD用DB40が備える「標準化フラグ」は、部品DB50の「取扱区分」を代替できる。
【0020】
次に、図2を用いて、情報検索装置10のハードウェア構成の一例について説明する。情報検索装置10は、ハードウェア構成として、例えば、入出力部101、ROM(Read Only Memory)102、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)103、RAM(Random Access Memory)104、及びハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)105を備える。
【0021】
入出力部101は、各データベースとの間でデータの送受信を行う。ROM102は、購買DB20〜部品DB50をまたいだ情報検索を実行するためのプログラム(詳細は後述)等を格納する。CPU103は、ROM102に格納されたプログラムを読み込んで実行する。また、ROM102に格納されたプログラムのCPU103による演算によって、図3に示す監視部111、受付部112、取得部113、及び表示部114が有する機能が実現される。RAM104は、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存する。また、HDD105は、検索項目及び表示項目と、購買DB20〜部品DB50の各データベースが備える項目との対応関係を管理するテーブル等(詳細は後述)を格納する。
【0022】
次に、情報検索装置10が有する機能を実現するための手段の一例について、図3の機能ブロック図を用いて説明する。図3に示すように、情報検索装置10は、監視部111、受付部112、取得部113、表示部114、及び記憶部115を備える。
【0023】
監視部111は、所定の時間毎(例えば、1秒ごと)に購買DB20〜部品DB50の各データベースにアクセスし、各データベースの稼働状態を監視する。監視部111は、各データベースの稼働状態をアクセス制御テーブルに書き込む。
【0024】
ここで、アクセス制御テーブルの構成の一例について、図4を用いて説明する。アクセス制御テーブルは、「DB名」、「稼働状態」、及び「応答速度」の項目を備える。「DB名」には、監視部111が稼動状態を監視するデータベースの名称が設定される。「稼働状態」は、「DB名」に設定されたデータベースの稼働状態を表す。例えば、監視部111は、アクセスを要求したデータベースから所定時間内に応答を受信できない場合に、そのデータベースの「稼働状態」に“停止”を設定する。本実施例では、「稼働状態」に“停止”が設定されている場合、「DB名」に設定されたデータベースに対する検索処理は実行できないものとする。一方、「稼働状態」に“稼働”が設定されている場合には、「DB名」に設定されたデータベースに対する検索処理が実行可能であるとする。「応答速度」は、「DB名」に設定されたデータベースが、監視部111からのアクセス要求を受けてから応答するまでの時間を表す。
【0025】
図4において、購買DB及び環境DBの「稼働状態」には、“停止”が設定されている。これは、購買DB及び環境DBに対する検索処理が実行できないことを示している。一方、CAD用DBの「稼働状態」には、“稼働”が設定されており、「応答速度」には“50”が設定されている。これは、CAD用DBに対する検索処理が実行可能であり、その応答速度が50(msec)であることを示す。同様に、図4から、部品DBに対する検索処理は実行可能であり、その応答速度は80(msec)であることがわかる。
【0026】
受付部112は、ユーザから検索条件及び表示項目の指定を受付ける。具体的には、受付部112は、検索条件として、検索の対象となる項目(検索項目)と、検索値を受付ける。また、受付部112は、検索結果として表示装置11に表示する項目(表示項目)を受付ける。受付部112は、検索条件及び表示項目を取得部113に出力する。
【0027】
取得部113は、受付部112から検索条件及び表示項目を受付ける。取得部113は、受付部112から受付けた検索条件に基づいて、購買DB20〜部品DB50をまたいだ検索処理を実行し、表示項目のデータを取得する。具体的には、取得部113は、アクセス制御テーブルと、項目定義テーブルとに基づいて、受付けた表示項目のそれぞれを、購買DB20〜部品DB50のいずれから取得するかを決定する。次に、取得部113は、決定結果に従って、各データベースを検索条件に基づいて検索し、表示項目のデータを検索結果として取得する。
【0028】
取得部113は、各データベースから取得した検索結果を表示部114に出力する。なお、取得部113は、検索を実行した際に応答しないデータベースが存在する場合には、アクセス制御テーブルの「稼働状態」を更新する。そして、取得部113は、表示項目を購買DB20〜部品DB50のいずれから取得するかを再決定する。なお、項目定義テーブルの詳細については、後述する。
【0029】
表示部114は、取得部113から受付けた各データベースの検索結果をマージし、表示装置11に検索結果を表示する。その際、表示部114は、表示形式定義テーブルに基づいて、検索結果の表示形式を変換する(詳細は後述する)。なお、表示形式定義テーブルの詳細については、後述する。
【0030】
記憶部115は、例えば、HDD105であり、上述したアクセス制御テーブル、項目定義テーブル、関連DB定義テーブル、及び表示形式定義テーブルを格納する。なお、本実施例では、項目定義テーブル、関連DB定義テーブル、及び表示形式定義テーブルは、ユーザにより予め設定されているものとする。
【0031】
次に、情報検索装置10が実行するマルチデータベース検索処理の一例について、具体例を用いながら説明する。図5は、情報検索装置10が実行するマルチデータベース検索処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
受付部112は、ユーザからマルチデータベース検索の要求があったか否か判定する(ステップS11)。受付部112は、ユーザからマルチデータベース検索の要求がない場合(ステップS11/NO)、ステップS11の処理を繰り返す。
【0033】
ユーザからマルチデータベース検索の要求があった場合(ステップS11/YES)、受付部112は、検索条件及び表示項目の指定を受付ける(ステップS13)。例えば、受付部112は、図6(A)に示すように、検索項目として「物品項目」、検索値として「NANDGATE−A」を受付ける。また、受付部112は、表示項目として、物品番号、規制フラグ、標準化フラグ、代替部品、購買価格、部品形状、及び回路シンボルを受付ける。なお、本実施例では、購買DB20〜部品DB50に、図6(B)〜(E)に示すデータが格納されているものとする。
【0034】
次に、取得部113は、表示項目を取得するデータベースを決定する(ステップS15)。具体的には、取得部113は、アクセス制御テーブルと、項目定義テーブルとに基づいて、表示項目のそれぞれを、購買DB20〜部品DB50のいずれから取得するかを決定する。
【0035】
ここで、項目定義テーブルの詳細について説明する。図7は、項目定義テーブルの一例を示している。項目定義テーブルは、受付部112で指定された表示項目の主たる取得先となる主データベース、及び主データベースに対する検索処理が実行できない場合に主データベースの代わりに表示項目を取得するデータベースを定義する。
【0036】
本実施例において、項目定義テーブルは、「検索/表示項目名」、「ユニーク項目」、及び「優先順位」の項目を備える。「検索/表示項目名」は、受付部112がユーザから受付ける検索項目及び表示項目の名称を表す。「ユニーク項目」は、「検索/表示項目名」に設定される項目において、ある特定の値をとるレコードが、1レコードのみか否かを表す。例えば、「物品番号」の項目において、“NANDGATE−A”という値をとるレコードが1レコードのみの場合、「ユニーク項目」には、“○”が設定される。また、「規制フラグ」の項目では、その物品が生産終了品であることを示す「EOL」という値をとるレコードが複数ありうるので、「ユニーク項目」には、“×”が設定される。
【0037】
「優先順位」は、購買DB、環境DB、CAD用DB、及び部品DBをサブ項目として有する。本実施例では、購買DB、環境DB、CAD用DB、及び部品DBのうち、表示項目の主たる取得先となる主データベースに対して、「1」が設定される。また、主データベースに対する検索処理が実行できない場合に、主データベースの代わりに表示項目を取得するデータベースに対しては、「2」以降の値が設定される。主データベースの代わりに表示項目を取得できるデータベースが複数ある場合には、検索の優先度にしたがって、優先順位が設定される。
【0038】
例えば、図7において、「規制フラグ」では、環境DBに「1」が設定されており、CAD用DB及び部品DBには「2」が設定されている。これは、表示項目「規制フラグ」を取得する主データベースは環境DBであり、環境DBに対する検索処理が実行できない場合に検索されるデータベースが、CAD用DB又は部品DBであることを示している。なお、物品番号は、ユニーク項目であるため、全てのデータベースに対し「1」が設定される。
【0039】
図8に、取得部113が実行するステップS15の処理の一例を示す。取得部113は、まず、受付部112で指定された表示項目のいずれかを選択する(ステップS151)。次に、取得部113は、ステップS151で選択した表示項目の主たる取得先となる主データベースを、項目定義テーブルから取得する(ステップS152)。例えば、取得部113は、表示項目として「規制フラグ」をステップS151で選択する。そして、取得部113は、「規制フラグ」の主な取得先となる主データベース、すなわち、優先順位に「1」が設定されている環境DBを、主データベースとして取得する(ステップS152)。
【0040】
次に、取得部113は、主データベースに対する検索処理が可能か否かを、アクセス制御テーブルに基づいて判定する(ステップS153)。主データベースに対する検索処理が可能な場合(ステップS153/YES)、取得部113は、主データベースを、表示項目を取得するデータベースとして決定する(ステップS154)。取得部113は、アクセス制御テーブルにおいて、「稼働状態」に“稼動”が設定されていれば、主データベースに対する検索処理が可能であると判定する。また、「稼働状態」の項目に“停止”が設定されていれば、取得部113は、主データベースに対する検索処理が不可能であると判定する。
【0041】
主データベースに対する検索処理が不可能な場合(ステップS153/NO)、取得部113は、項目定義テーブルにおいて、次に優先順位の高いデータベースを取得する(ステップS155)。図4のアクセス制御テーブルにおいて、「規制フラグ」の主データベースである環境DBの「稼働状態」には“停止”が設定されている。従って、取得部113は、環境DBに対する検索処理が不可能であると判定する(ステップS153/NO)。次に、取得部113は、図7の項目定義テーブルにおいて、優先順位「1」の次に高い優先順位「2」が設定されているデータベース(CAD用DB又は部品DB)を取得する(ステップS155)。複数のデータベースに対し同一の優先順位が設定されている場合には、アクセス制御テーブルにおいて、応答速度が速い方のデータベースがステップS155で取得されるようにしてもよい。例えば、同一の優先順位「2」が設定されているCAD用DB及び部品DBでは、CAD用DBの応答速度が、部品DBの応答速度よりも速いため、取得部113は、CAD用DBをステップS155で取得する。
【0042】
次に、取得部113は、ステップS155で取得したデータベースに対する検索処理が可能か否かを、アクセス制御テーブルに基づいて判定する(ステップS156)。ステップS156の判定がYESの場合、取得部113は、ステップS155で取得したデータベースを、表示項目を取得するデータベースとして決定する(ステップS157)。ステップS156の判定がNOの場合、取得部113は、ステップS155からの処理を再実行する。図4に示すアクセス制御テーブルにおいて、CAD用DBの「稼働状態」には“稼働”が設定されているため、検索処理が可能である(ステップS156/YES)。従って、取得部113は、CAD用DBを表示項目「規制フラグ」を取得するデータベースとして決定する(ステップS157)。
【0043】
次に、取得部113は、全ての表示項目の取得先となるデータベースを決定したか否か判定する(ステップS158)。ステップS158の判定がYESの場合、取得部113は、本処理を終了する。ステップS158の判定がNOの場合、取得部113は、全ての表示項目に対して取得先となるデータベースが決定されるまで、ステップS151からの処理を繰り返す。
【0044】
上述の取得部113の処理によって、図9に示すように、各表示項目をいずれのデータベースから取得するかが決定される。図9は、取得部113が決定した各表示項目の取得先となるデータベースを示している。図9の表において、“○”は、「検索/表示項目名」に設定された項目の取得先となるデータベースを表す。また、“×”は、「検索/表示項目名」に設定された項目に対応する項目は存在するが、データベースが停止しているため、取得が不可能であることを示す。“−”は、「検索/表示項目名」に設定された項目に対応する項目がデータベースに存在しないことを示す。また、“*”は、「検索/表示項目名」に設定された項目に対応する項目が存在し、取得も可能であるが、他のデータベースからデータを取得するため、検索の対象外であることを示す。図9によれば、CAD用DBから、物品番号、規制フラグ、部品形状、及び回路シンボルのデータが取得される。また、部品DBから、物品番号、標準化フラグ、代替部品、及び購買価格のデータが取得される。
【0045】
図5に戻り説明を続ける。取得部113は、ステップS15で決定されたデータベースの中から、検索処理の実行対象となるデータベースを決定する(ステップS17)。例えば、図9において、検索処理の実行対象となるデータベースは、CAD用DB及び部品DBである。そこで、取得部113は、CAD用DB及び部品DBのうち、まず、CAD用DBを、検索処理の実行対象となるデータベースとして決定する(ステップS17)。
【0046】
次に、取得部113は、ステップS17で決定したデータベースに対して、検索処理を実行する(ステップS19)。具体的には、取得部113は、図10に示す関連DB定義テーブルを用いて、検索項目及び表示項目を、CAD用DBの項目名に読み替える。取得部113は、CAD用DBの項目へと読み替えた検索命令を実行し、CAD用DBを検索する。
【0047】
ここで、関連DB定義テーブルの詳細について説明する。図10は、関連DB定義テーブルの一例を示す図である。本実施例において、関連DB定義テーブルは、「検索/表示項目名」、「DB名」、「ユニーク項目」、「DB毎の対応項目名」、「複写元DB名」、及び「複写遅延時間(分)」を備える。「検索/表示項目名」は、受付部112がユーザから受付ける検索項目及び表示項目の名称を表す。「DB名」には、購買DB20〜部品DB50の各データベースが設定される。「ユニーク項目」は、「DB毎の対応項目名」に設定される項目において、ある特定の値をとるレコードが、1レコードのみか否かを表す。「DB毎の対応項目名」は、「検索/表示項目名」と対応する、各データベースの項目名を表す。
【0048】
例えば、図10において、検索/表示項目名「物品番号」と対応する各データベースの項目名は、購買DBでは「物品番号」、環境DBでは「物品番号」、CAD用DBでは「部品番号」、部品DBでは「物品番号」である。また、例えば、検索/表示項目名「標準化フラグ」と対応する各データベースの項目名は、CAD用DBでは「標準化フラグ」、部品DBでは「取扱区分」である。なお、図中、“−”は、対応する項目がデータベースに無いことを表す。
【0049】
「複写元DB名」は、データベース間で項目値の複写を行っている場合、その項目値の複写元を表す。「複写遅延時間(分)」は、データベース間で項目値の複写を行っている場合に、複写を実行する時間間隔を表す。例えば、図10において、検索/表示項目名「規制フラグ」に対応する項目を、環境DB、CAD用DB、及び部品DBが備えている。CAD用DB及び部品DBの「複写元DB名」には、“環境DB”が設定されており、「複写遅延時間(分)」には“40”が設定されている。これは、CAD用DB及び部品DBの「規制フラグ」の項目値は、環境DBの「規制フラグ」から複写され、また、その複写は40分毎に実行されることを示している。また、例えば、検索/表示項目名「購買価格」に対応する項目を、購買DB、CAD用DB、及び部品DBが備えている。部品DBの「複写元DB名」には“購買DB”が設定されており、「複写遅延時間(分)」の値は“20”である。これは、部品DBの「部品単価」の項目値は、購買DBの「物品単価」から複写され、その複写は20分毎に実行されることを示している。同様に、CAD用DBの「物品単価」の項目値は、部品DBの「部品単価」から複写され、その複写は30分毎に実行される。
【0050】
取得部113は、上述の関連DB定義テーブルを参照して、CAD用DBから取得する、物品番号、規制フラグ、部品形状、及び回路シンボルの各表示項目を、CAD用DBにおける項目名に読み替える。具体的には、取得部113は、検索/表示項目名に対応するCAD用DBの項目名を関連DB定義テーブルから取得する。検索/表示項目名「物品番号」に対し、CAD用DBの「DB毎の対応項目名」には、「部品名」が設定されている。従って、取得部113は、表示項目「物品番号」を、CAD用DBの項目「部品名」に読み替える。また、取得部113は、表示項目「部品形状」をCAD用DBの項目「部品形状タイプ」に読み替え、表示項目「回路シンボル」をCAD用DBの項目「シンボル」に読み替える。取得部113は、CAD用DBの項目へと読み替えた検索命令(図11(A))を実行し、CAD用DBを検索する。
【0051】
次に、取得部113は、タイムアウトが発生したか否か判定する(ステップS21)。ここで、タイムアウトとは、検索処理を実行してから所定の時間内に、検索処理の対象であるデータベースから応答を受信できないことをいう。アクセス制御テーブルの更新は、監視部111によって所定の時間間隔で行われている。したがって、アクセス制御テーブルにおいて、検索処理の対象であるデータベースの「稼働状態」に“稼働”が設定されていても、検索時には“停止”している可能性がある。そこで、取得部113は、タイムアウトが発生した場合(ステップS21/YES)、検索処理の対象であるデータベースが停止していると判定する。そして、取得部113は、アクセス制御テーブルにおいて、検索処理の対象であるデータベースの「稼働状態」を“停止”とする(ステップS23)。例えば、CAD用DBに対する検索処理でタイムアウトが発生した場合(ステップS21/YES)、アクセス制御テーブルにおいてCAD用DBの「稼働状態」を“稼働”から“停止”に更新する(ステップS23)。そして、取得部113は、ステップS15から処理を再度実行する。
【0052】
タイムアウトが発生していない場合(ステップS21/NO)、取得部113は、ステップS17で決定した全てのデータベースに対する検索処理が終了したか否か判定する(ステップS25)。
【0053】
全てのデータベースに対する検索処理が終了していない場合(ステップS25/NO)、取得部113は、次に検索処理を実行するデータベースを決定し(ステップS17)、検索処理を実行する(ステップS19)。図9の例では、CAD用DB及び部品DBのうち、部品DBに対する検索処理が終了していないため(ステップS25/NO)、取得部113は、部品DBを検索処理の実行対象となるデータベースとして決定する(ステップS17)。そして、取得部113は、図10に示す関連DB定義テーブルを用いて、検索項目及び表示項目を、部品DBの項目名に読み替え、図11(B)に示す検索命令を部品DBに対して実行する。
【0054】
全てのデータベースに対する検索処理が終了した場合(ステップS25/YES)、表示部114は、各データベースの検索結果をマージする(ステップS27)。図12(A)は、CAD用DB及び部品DBの検索結果を示している。表示部114は、図12(A)に示す検索結果を取得部113から受付け、図12(B)に示すように検索結果をマージする(ステップS27)。
【0055】
次に、表示部114は、表示形式定義テーブル基づいて、検索結果の表示形式を変換し(ステップS29)、表示装置11に検索結果を表示する(ステップS31)。
【0056】
ここで、表示形式定義テーブルの詳細について説明する。図13は、表示形式定義テーブルの一例を示す図である。本実施例では、表示形式定義テーブルは、「検索/表示項目名」、「DB名」、「DB項目名」、「検索/表示項目値」、及び「DB項目値」を備える。「検索/表示項目名」は、受付部112が受付ける検索項目及び表示項目の名称を表す。「DB名」には、購買DB20〜部品DB50のいずれかのDBが設定される。「DB項目名」は、「DB名」に設定されたデータベースにおいて、「検索/表示項目名」と対応する項目名を示す。「検索/表示項目値」は、「検索/表示項目名」に設定された項目を表示装置11に表示する際に使用される項目値を表す。図13(A)の例では、「標準化フラグ」が表示装置11に表示される場合、その項目値として「標準品」又は「終息品」を表示することを示している。「DB項目値」は、「DB名」に設定されたデータベースにおいて、検索/表示項目値と対応する項目値を示す。図13(A)の例では、DB項目値“A”は、検索/表示項目値の“標準品”と対応し、DB項目値“E”は、検索/表示項目値の“終息品”と対応する。
【0057】
表示部114は、上述の表示形式定義テーブルに基づいて、各データベースから取得した項目の表示形式を、表示項目の表示形式に変換する。例えば、図12(B)に示す検索結果では、「標準化フラグ」の項目値が“E”となっているが、図13(A)に示す表示形式定義テーブルでは、部品DBの取扱区分の項目値「E」に対応する表示項目値は、「終息品」となっている。従って、表示部114は、図13(B)に示すように、「標準化フラグ」の項目値「E」を「終息品」に変換し、表示装置11に表示する。
【0058】
従来のマルチデータベース検索では、表示項目毎に、表示項目を取得するデータベースが複数のデータベースの中から一意に決定されていた。つまり、主データベースに対して検索処理が実行できない場合には、代替できる項目を備える他のデータベースに対して検索処理を実行することなく検索結果を表示していた。従って、主データベースから取得できなかった表示項目については、表示装置11に表示する際にブランクで表示されてしまっていた。この場合、ユーザは、ブランクで表示された表示項目のデータを得るために、他のデータベースを検索し直す等の処理を行わなければならなかった。また、ユーザは、他のデータベースを検索し直す際には、各表示項目を、検索するデータベースの項目名に変換して検索命令を入力しなければならなかった。あるいは、主データベースの応答速度が悪化した場合には、検索不能になったり、検索時間が長時間化したりしていた。
【0059】
しかしながら、本実施例に係る情報検索装置10によれば、取得部113は、受付部112で指定された表示項目の主データベースの稼動状態が、検索処理を実行可能な状態にない場合、記憶部115に記憶された他のデータベースを検索条件に基づいて検索し、受付部112で指定された表示項目を検索結果として取得する。すなわち、取得部113は、主データベースの稼動状態に基づいて、表示項目の取得先を他のデータベースに切り替え、表示項目を検索結果として取得する。これにより、主データベースが停止していても他のデータベースから表示項目が取得されるため、検索結果がブランクで表示される可能性が減少する。従って、ユーザは、表示されなかった表示項目を得るために、他のデータベースに対して検索処理を実行し直す必要がなくなるため、ユーザの利便性が高まる。また、記憶部115は、表示項目ごとに、主データベースと、主データベースの代わりに表示項目を取得可能なデータベースとを記憶している。例えば、表示項目ごとではなく、あるデータベースに代わる検索先として、他のデータベースが一意に設定されているとする。この場合、設定された他のデータベースが、表示項目の取得先として適切なデータベースであるとは限らない。しかしながら、本実施例では、ユーザは、主データベースに代わって表示項目を取得するデータベースとしてより適切なデータベースを、表示項目毎に設定することができる。これにより、ユーザは、主データベースから表示項目が取得できない場合にも、その表示項目の取得先としてより適切なデータベースからデータを取得できる。
【0060】
また、上述の実施例において、取得部113は、主データベースの項目を代替可能な項目を備える他のデータベースが複数存在する場合、応答速度が速いデータベースを検索条件に基づいて検索した。これにより、マルチデータベースの検索処理にかかる時間を短縮することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0061】
また、上述の実施例において、記憶部115は、受付部112が受付ける表示項目の表示形式と、各データベースが備える項目の表示形式とを対応付けた表示形式定義テーブルを記憶する。そして、表示部114は、各データベースから取得した検索結果(表示項目)の表示形式を、表示形式定義テーブルに基づいて変換する。これにより、ユーザは、主データベースの代わりに他のデータベースから表示項目を取得した場合にも、検索結果の表示を読み替える必要がないため、ユーザの利便性が高まる。
【0062】
以上、本件の実施例について詳述したが、本件は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0063】
上述の実施例において、表示部114は、検索結果を表示する際に、図14(A)に示すように、各表示項目の取得先であるデータベースを表示してもよい。図14(A)では、表示項目をどのデータベースから取得したのか(実検索DB名)、表示項目を取得したデータベースが主データベースであるか否か(代替検索)、及び表示項目の主データベース(主検索DB名)を表示している。代替検索の項目に“○”が設定されている場合、「主検索DB名」に設定された主データベースから表示項目を取得できなかったため、実検索DB名に示されるデータベースから表示項目を取得したことを示している。これにより、ユーザは、各項目がどのデータベースから取得されたのかを確認することができ、かつ、表示されている項目値が、最新の値であるか否か等を判断することができる。従って、ユーザの利便性がさらに高まる。なお、表示部114は、例えば、図14(B)に示すように、実際に検索されたデータベースの情報は表示せず、代替検索されたか否かだけを表示してもよい。
【0064】
上述の実施例では、項目定義テーブルは、ユーザによって予め設定されているものとした。しかし、図15に示すように、情報検索装置10に優先順位設定部116を設け、優先順位設定部116が、項目定義テーブルを作成するようにしてもよい。図15は、情報検索装置10の機能ブロック図の別例を示している。図15において、優先順位設定部116以外の各部が備える機能は、図3で説明した各部の機能と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
優先順位設定部116は、関連DB定義テーブルのデータを取得する。優先順位設定部116は、データベース間で項目値の複写を行っている場合、複写元のデータベースを主データベースとし、項目定義テーブルの優先順位に「1」を設定する。次に、優先順位設定部116は、複写元の項目値が更新されてから、複写先の項目値が更新されるまでの時間間隔が短いデータベースの順に、項目定義テーブルでの優先順位を高く設定する。また、優先順位設定部116は、ユニーク項目については、全てのデータベースに対して優先順位に「1」を設定する。
【0066】
例えば、図10に示す関連DB定義テーブルでは、規制フラグの複写元は、環境DBであるため、優先順位設定部116は、図7に示すように、環境DBに優先順位「1」を設定する。また、CAD用DB及び部品DBの複写遅延時間は、いずれも“40”であるため、優先順位設定部116は、両データベースに優先順位「2」を設定する。購買価格では、購買DBの項目値が、部品DBに複写され、次に、部品DBに複写された項目値が、CAD用DBに複写されるようになっている。そこで、優先順位設定部116は、複写元である購買DBの優先順位を「1」とする。図10において、購買DBの項目値が更新されてから、次に複写によって項目値が更新されるデータベースは部品DBである。そこで、優先順位設定部116は、部品DBの優先順位を「2」とし、CAD用DBの優先順位を「3」とする。
【0067】
このように、優先順位設定部116が、項目定義テーブルを作成するため、ユーザは、複写関係や、複写遅延時間に変更があった場合、関連DB定義テーブルを変更すればよく、項目定義テーブルを変更する必要がない。これにより、項目定義テーブルの変更漏れを防止することができる。また、取得部113が優先順位設定部116によって設定された優先順位に従って表示項目を取得するので、稼動中のデータベースの中において最も新しいデータが表示される。これにより、ユーザは稼動中のデータベースの中で最も新しいデータを確認できるので、ユーザの利便性が高まる。
【0068】
また、上述の実施例では、情報検索装置10は、LAN等のネットワーク60で接続された購買DB20〜部品DB50をまたいで検索処理を実行した。しかしながら、情報検索装置10は、図16に示すように、インターネット等のネットワーク80を介して提供される複数のデータベースをまたいで検索処理を実行してもよい。
【0069】
また、上述の実施例では、取得部113は、各表示項目を購買DB20〜部品DB50から取得するために、項目定義テーブル及び関連DB定義テーブルの2つのテーブルを使用していた。しかしながら、取得部113は、項目定義テーブル及び関連DB定義テーブルを統合した図17に示すテーブルを用いて、各表示項目を購買DB20〜部品DB50から取得してもよい。図17では、各検索/表示項目名に対応する各データベースの項目名が定義される。また、各データベースの項目には、優先順位が付されているため、取得部113は、優先順位に従って、指定された表示項目に対応する各データベースの項目を検索結果として取得できる。
【0070】
また、取得部113は、図18に示すテーブルを用いて、各表示項目を購買DB20〜部品DB50から取得してもよい。図18において、「主検索DB名」には、表示項目の主たる取得先となる主データベースが設定される。また、「代替項目1」及び「代替項目2」には、主データベースに対する検索処理が実行できない場合に、主データベースに代わって検索対象となるデータベース、及びその項目が設定される。
【0071】
また、上述の実施例では、監視部111が各データベースを監視し、アクセス制御テーブルの「稼働状態」を更新していた。そして、取得部113は、アクセス制御テーブルの「稼働状態」に基づいて、各表示項目の取得先となるデータベースの稼働状態を確認していた。しかしながら、取得部113は、アクセス制御テーブルを使用せず、各表示項目の取得先となるデータベースを決定する際に各データベースへアクセスし、その稼働状態を確認してもよい。
【0072】
なお、上記の情報検索装置10が有する機能は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータによって実現することができる。その場合、情報検索装置10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0073】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0074】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0075】
また、例えば、インターネット等の通信網に接続されたサーバコンピュータを本件の情報検索装置とし、これに接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に、マルチデータベース検索を行うサービスをサーバコンピュータから提供するようにしてもよい(ASP(Application Service Provider))。
【符号の説明】
【0076】
10…情報検索装置
11…表示装置
20…購買DB
30…環境DB
40…CAD用DB
50…部品DB
111…監視部
112…受付部
113…取得部
114…表示部
115…記憶部
116…優先順位設定部
【技術分野】
【0001】
本件は、情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データベースの構築・利用技術は進歩してきており、ネットワークに接続された複数のデータベースをまたいで情報検索を行うマルチデータベース検索技術が開発されている。マルチデータベース検索技術を用いると、複数のデータベースを単一の検索コマンドで検索することができる。
【0003】
上述のマルチデータベース検索においては、ユーザの利便性を高めるために、データ検索にかかる時間を短縮する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−311777号公報
【特許文献2】特開平7−105238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マルチデータベース検索におけるユーザ利便性の向上という点においては、データ検索処理の時間を短縮するだけでは十分とはいえない可能性がある。
【0006】
本件は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、複数のデータベースをまたいだ情報検索においてユーザの利便性を高める情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報検索装置は、複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索装置であって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付部と、前記データベース中の複数の検索対象ごとに、前記検索対象の取得先となるデータベースを優先順位とともに記憶する記憶部と、前記優先順位に従って、前記記憶部に記憶されたデータベースを検索条件に基づいて検索し、前記受付部で指定された検索対象を検索結果として取得する取得部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報検索プログラムは、複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索プログラムであって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象を前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0009】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報検索方法は、複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索方法であって、検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
明細書開示の情報検索装置、情報検索プログラム、及び情報検索方法によれば、複数のデータベースをまたいだ情報検索においてユーザの利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本件の情報検索装置を含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】情報検索装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】情報検索装置が備える機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】アクセス制御テーブルの一例を示す図である。
【図5】情報検索装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】情報検索装置が実行する処理の一例を説明する具体的なデータの一例である。
【図7】項目定義テーブルの一例を示す図である。
【図8】図5におけるステップS15の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示項目毎に取得先となるデータベースを示すテーブルの一例である。
【図10】関連DB定義テーブルの一例を示す図である。
【図11】検索処理に使用される検索命令の一例を示す図である。
【図12】表示部が実行する処理について説明するための具体例である。
【図13】表示形式定義テーブルの一例を示す図である。
【図14】表示装置への検索結果の表示方法の別例を示す図である。
【図15】情報検索装置の機能ブロック図の別例である。
【図16】本件の情報検索装置を含む情報処理システムのシステム構成の別例を示す図である。
【図17】項目定義テーブルと関連DB定義テーブルとを統合したテーブルの一例を示す図である。
【図18】表示項目の取得先となるデータベースの決定に用いられるテーブルの別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本件の実施例について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
まず、図1を参照して、本件の情報検索装置を含む、情報処理システムの構成例について説明する。図1に示すように、情報処理システム100は、情報検索装置10、購買DB(Data Base)20、環境DB30、CAD用DB40、及び部品DB50を備える。
【0014】
情報検索装置10は、例えば、パーソナルコンピュータであって、無線通信端末、又はPDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。情報検索装置10は、複数のデータベースをまたいで情報検索を行うことができる、いわゆるマルチデータベース検索機能を備える。情報検索装置10は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク60で接続された購買DB20、環境DB30、CAD用DB40、及び部品DB50を含む複数のデータベースをまたいで情報検索を実行する。
【0015】
購買DB20は、例えば、部品の調達業務等を管理する購買システム等に備えられるデータベースである。購買DB20は、例えば、「物品番号」、「物品単価」、「主仕入先」、「最低発注個数」、「納入リードタイム」等の項目を有する。「物品番号」は、調達対象の物品を一意に識別する番号である。「物品単価」は、物品番号によって識別される物品の単価を表す。「主仕入先」は、物品番号によって識別される物品の主な仕入先を表す。「最低発注個数」は、物品番号によって識別される物品を発注する際の発注個数の下限を示す。「納入リードタイム」は、物品番号によって識別される物品が発注されてから納入されるまでのリードタイムを表す。
【0016】
環境DB30は、例えば、環境規制に対応するための環境マネジメントシステム等に備えられるデータベースである。本実施例において、環境DB30は、「物品番号」、「規制フラグ」、「グリーン購入対象」等の項目を有する。「物品番号」は、物品を一意に識別する番号である。「規制フラグ」は、物品番号で識別される物品の使用が規制されるか否かを表す。「グリーン購入対象」は、物品番号で識別される物品が、グリーン購入法基本方針で定められた判断の基準に適合するか否かを示す。
【0017】
CAD用DB40は、例えば、CAD(Computer Aided Design)システムに備えられるデータベースである。本実施例において、CAD用DB40は、「部品名」、「規制フラグ」、「標準化フラグ」、「代替部品」、「物品単価」、「部品形状タイプ」、及び「シンボル」等の項目を備える。「部品名」は、部品を一意に識別するための項目である。「規制フラグ」は、部品名で識別される部品の使用が規制されるか否かを表す。「標準化フラグ」は、部品名で識別される部品が、標準品であるか否かを表す。「代替部品」は、部品名で識別される部品の代替品として用いることができる部品を表す。「物品単価」は、部品名で識別される部品の単価を示す。「部品形状タイプ」は、部品名で識別される部品の形状を表す。「シンボル」は、部品名で識別される部品をCAD画面上に配置する際の回路シンボルを表す。
【0018】
部品DB50は、例えば、各部品の情報を管理する部品管理システム等に備えられるデータベースである。本実施例において、部品DB50は、「物品番号」、「規制フラグ」、「取扱区分」、「代替物品」、「部品単価」、「部品形状タイプ名」、及び「シンボル名」等の項目を備える。「物品番号」は、各部品を一意に識別するための番号である。「規制フラグ」は、物品番号で識別される部品の使用が規制されるか否かを表す。「取扱区分」は、物品番号で識別される部品が、標準品であるか否かを表す。「代替物品」は、物品番号で識別される部品の代替品として用いることができる部品を表す。「部品単価」は、物品番号で識別される部品の単価を表す。「部品形状タイプ名」は、物品番号で識別される部品の形状を表す。「シンボル名」は、物品番号で識別される部品をCAD画面上に配置する際の回路シンボルを表す。
【0019】
購買DB20〜部品DB50は、相異なるデータベースであるが、いずれかのデータベースが備える項目を、他のデータベースの項目で代替できる場合がある。例えば、CAD用DB40が備える「規制フラグ」、部品DB50が備える「規制フラグ」、及び環境DB30が備える「規制フラグ」は、いずれも、部品又は物品の使用が規制されるか否かを表す。すなわち、3つのデータベースの各項目は同等の項目であるといえる。従って、CAD用DB40が備える「規制フラグ」、部品DB50が備える「規制フラグ」、及び環境DB30が備える「規制フラグ」は、それぞれの項目を代替できる。また、CAD用DB40が備える「標準化フラグ」は、物品が標準品であるか否かを表すため、部品DB50の「取扱区分」と同等の項目といえる。従って、CAD用DB40が備える「標準化フラグ」は、部品DB50の「取扱区分」を代替できる。
【0020】
次に、図2を用いて、情報検索装置10のハードウェア構成の一例について説明する。情報検索装置10は、ハードウェア構成として、例えば、入出力部101、ROM(Read Only Memory)102、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)103、RAM(Random Access Memory)104、及びハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)105を備える。
【0021】
入出力部101は、各データベースとの間でデータの送受信を行う。ROM102は、購買DB20〜部品DB50をまたいだ情報検索を実行するためのプログラム(詳細は後述)等を格納する。CPU103は、ROM102に格納されたプログラムを読み込んで実行する。また、ROM102に格納されたプログラムのCPU103による演算によって、図3に示す監視部111、受付部112、取得部113、及び表示部114が有する機能が実現される。RAM104は、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存する。また、HDD105は、検索項目及び表示項目と、購買DB20〜部品DB50の各データベースが備える項目との対応関係を管理するテーブル等(詳細は後述)を格納する。
【0022】
次に、情報検索装置10が有する機能を実現するための手段の一例について、図3の機能ブロック図を用いて説明する。図3に示すように、情報検索装置10は、監視部111、受付部112、取得部113、表示部114、及び記憶部115を備える。
【0023】
監視部111は、所定の時間毎(例えば、1秒ごと)に購買DB20〜部品DB50の各データベースにアクセスし、各データベースの稼働状態を監視する。監視部111は、各データベースの稼働状態をアクセス制御テーブルに書き込む。
【0024】
ここで、アクセス制御テーブルの構成の一例について、図4を用いて説明する。アクセス制御テーブルは、「DB名」、「稼働状態」、及び「応答速度」の項目を備える。「DB名」には、監視部111が稼動状態を監視するデータベースの名称が設定される。「稼働状態」は、「DB名」に設定されたデータベースの稼働状態を表す。例えば、監視部111は、アクセスを要求したデータベースから所定時間内に応答を受信できない場合に、そのデータベースの「稼働状態」に“停止”を設定する。本実施例では、「稼働状態」に“停止”が設定されている場合、「DB名」に設定されたデータベースに対する検索処理は実行できないものとする。一方、「稼働状態」に“稼働”が設定されている場合には、「DB名」に設定されたデータベースに対する検索処理が実行可能であるとする。「応答速度」は、「DB名」に設定されたデータベースが、監視部111からのアクセス要求を受けてから応答するまでの時間を表す。
【0025】
図4において、購買DB及び環境DBの「稼働状態」には、“停止”が設定されている。これは、購買DB及び環境DBに対する検索処理が実行できないことを示している。一方、CAD用DBの「稼働状態」には、“稼働”が設定されており、「応答速度」には“50”が設定されている。これは、CAD用DBに対する検索処理が実行可能であり、その応答速度が50(msec)であることを示す。同様に、図4から、部品DBに対する検索処理は実行可能であり、その応答速度は80(msec)であることがわかる。
【0026】
受付部112は、ユーザから検索条件及び表示項目の指定を受付ける。具体的には、受付部112は、検索条件として、検索の対象となる項目(検索項目)と、検索値を受付ける。また、受付部112は、検索結果として表示装置11に表示する項目(表示項目)を受付ける。受付部112は、検索条件及び表示項目を取得部113に出力する。
【0027】
取得部113は、受付部112から検索条件及び表示項目を受付ける。取得部113は、受付部112から受付けた検索条件に基づいて、購買DB20〜部品DB50をまたいだ検索処理を実行し、表示項目のデータを取得する。具体的には、取得部113は、アクセス制御テーブルと、項目定義テーブルとに基づいて、受付けた表示項目のそれぞれを、購買DB20〜部品DB50のいずれから取得するかを決定する。次に、取得部113は、決定結果に従って、各データベースを検索条件に基づいて検索し、表示項目のデータを検索結果として取得する。
【0028】
取得部113は、各データベースから取得した検索結果を表示部114に出力する。なお、取得部113は、検索を実行した際に応答しないデータベースが存在する場合には、アクセス制御テーブルの「稼働状態」を更新する。そして、取得部113は、表示項目を購買DB20〜部品DB50のいずれから取得するかを再決定する。なお、項目定義テーブルの詳細については、後述する。
【0029】
表示部114は、取得部113から受付けた各データベースの検索結果をマージし、表示装置11に検索結果を表示する。その際、表示部114は、表示形式定義テーブルに基づいて、検索結果の表示形式を変換する(詳細は後述する)。なお、表示形式定義テーブルの詳細については、後述する。
【0030】
記憶部115は、例えば、HDD105であり、上述したアクセス制御テーブル、項目定義テーブル、関連DB定義テーブル、及び表示形式定義テーブルを格納する。なお、本実施例では、項目定義テーブル、関連DB定義テーブル、及び表示形式定義テーブルは、ユーザにより予め設定されているものとする。
【0031】
次に、情報検索装置10が実行するマルチデータベース検索処理の一例について、具体例を用いながら説明する。図5は、情報検索装置10が実行するマルチデータベース検索処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
受付部112は、ユーザからマルチデータベース検索の要求があったか否か判定する(ステップS11)。受付部112は、ユーザからマルチデータベース検索の要求がない場合(ステップS11/NO)、ステップS11の処理を繰り返す。
【0033】
ユーザからマルチデータベース検索の要求があった場合(ステップS11/YES)、受付部112は、検索条件及び表示項目の指定を受付ける(ステップS13)。例えば、受付部112は、図6(A)に示すように、検索項目として「物品項目」、検索値として「NANDGATE−A」を受付ける。また、受付部112は、表示項目として、物品番号、規制フラグ、標準化フラグ、代替部品、購買価格、部品形状、及び回路シンボルを受付ける。なお、本実施例では、購買DB20〜部品DB50に、図6(B)〜(E)に示すデータが格納されているものとする。
【0034】
次に、取得部113は、表示項目を取得するデータベースを決定する(ステップS15)。具体的には、取得部113は、アクセス制御テーブルと、項目定義テーブルとに基づいて、表示項目のそれぞれを、購買DB20〜部品DB50のいずれから取得するかを決定する。
【0035】
ここで、項目定義テーブルの詳細について説明する。図7は、項目定義テーブルの一例を示している。項目定義テーブルは、受付部112で指定された表示項目の主たる取得先となる主データベース、及び主データベースに対する検索処理が実行できない場合に主データベースの代わりに表示項目を取得するデータベースを定義する。
【0036】
本実施例において、項目定義テーブルは、「検索/表示項目名」、「ユニーク項目」、及び「優先順位」の項目を備える。「検索/表示項目名」は、受付部112がユーザから受付ける検索項目及び表示項目の名称を表す。「ユニーク項目」は、「検索/表示項目名」に設定される項目において、ある特定の値をとるレコードが、1レコードのみか否かを表す。例えば、「物品番号」の項目において、“NANDGATE−A”という値をとるレコードが1レコードのみの場合、「ユニーク項目」には、“○”が設定される。また、「規制フラグ」の項目では、その物品が生産終了品であることを示す「EOL」という値をとるレコードが複数ありうるので、「ユニーク項目」には、“×”が設定される。
【0037】
「優先順位」は、購買DB、環境DB、CAD用DB、及び部品DBをサブ項目として有する。本実施例では、購買DB、環境DB、CAD用DB、及び部品DBのうち、表示項目の主たる取得先となる主データベースに対して、「1」が設定される。また、主データベースに対する検索処理が実行できない場合に、主データベースの代わりに表示項目を取得するデータベースに対しては、「2」以降の値が設定される。主データベースの代わりに表示項目を取得できるデータベースが複数ある場合には、検索の優先度にしたがって、優先順位が設定される。
【0038】
例えば、図7において、「規制フラグ」では、環境DBに「1」が設定されており、CAD用DB及び部品DBには「2」が設定されている。これは、表示項目「規制フラグ」を取得する主データベースは環境DBであり、環境DBに対する検索処理が実行できない場合に検索されるデータベースが、CAD用DB又は部品DBであることを示している。なお、物品番号は、ユニーク項目であるため、全てのデータベースに対し「1」が設定される。
【0039】
図8に、取得部113が実行するステップS15の処理の一例を示す。取得部113は、まず、受付部112で指定された表示項目のいずれかを選択する(ステップS151)。次に、取得部113は、ステップS151で選択した表示項目の主たる取得先となる主データベースを、項目定義テーブルから取得する(ステップS152)。例えば、取得部113は、表示項目として「規制フラグ」をステップS151で選択する。そして、取得部113は、「規制フラグ」の主な取得先となる主データベース、すなわち、優先順位に「1」が設定されている環境DBを、主データベースとして取得する(ステップS152)。
【0040】
次に、取得部113は、主データベースに対する検索処理が可能か否かを、アクセス制御テーブルに基づいて判定する(ステップS153)。主データベースに対する検索処理が可能な場合(ステップS153/YES)、取得部113は、主データベースを、表示項目を取得するデータベースとして決定する(ステップS154)。取得部113は、アクセス制御テーブルにおいて、「稼働状態」に“稼動”が設定されていれば、主データベースに対する検索処理が可能であると判定する。また、「稼働状態」の項目に“停止”が設定されていれば、取得部113は、主データベースに対する検索処理が不可能であると判定する。
【0041】
主データベースに対する検索処理が不可能な場合(ステップS153/NO)、取得部113は、項目定義テーブルにおいて、次に優先順位の高いデータベースを取得する(ステップS155)。図4のアクセス制御テーブルにおいて、「規制フラグ」の主データベースである環境DBの「稼働状態」には“停止”が設定されている。従って、取得部113は、環境DBに対する検索処理が不可能であると判定する(ステップS153/NO)。次に、取得部113は、図7の項目定義テーブルにおいて、優先順位「1」の次に高い優先順位「2」が設定されているデータベース(CAD用DB又は部品DB)を取得する(ステップS155)。複数のデータベースに対し同一の優先順位が設定されている場合には、アクセス制御テーブルにおいて、応答速度が速い方のデータベースがステップS155で取得されるようにしてもよい。例えば、同一の優先順位「2」が設定されているCAD用DB及び部品DBでは、CAD用DBの応答速度が、部品DBの応答速度よりも速いため、取得部113は、CAD用DBをステップS155で取得する。
【0042】
次に、取得部113は、ステップS155で取得したデータベースに対する検索処理が可能か否かを、アクセス制御テーブルに基づいて判定する(ステップS156)。ステップS156の判定がYESの場合、取得部113は、ステップS155で取得したデータベースを、表示項目を取得するデータベースとして決定する(ステップS157)。ステップS156の判定がNOの場合、取得部113は、ステップS155からの処理を再実行する。図4に示すアクセス制御テーブルにおいて、CAD用DBの「稼働状態」には“稼働”が設定されているため、検索処理が可能である(ステップS156/YES)。従って、取得部113は、CAD用DBを表示項目「規制フラグ」を取得するデータベースとして決定する(ステップS157)。
【0043】
次に、取得部113は、全ての表示項目の取得先となるデータベースを決定したか否か判定する(ステップS158)。ステップS158の判定がYESの場合、取得部113は、本処理を終了する。ステップS158の判定がNOの場合、取得部113は、全ての表示項目に対して取得先となるデータベースが決定されるまで、ステップS151からの処理を繰り返す。
【0044】
上述の取得部113の処理によって、図9に示すように、各表示項目をいずれのデータベースから取得するかが決定される。図9は、取得部113が決定した各表示項目の取得先となるデータベースを示している。図9の表において、“○”は、「検索/表示項目名」に設定された項目の取得先となるデータベースを表す。また、“×”は、「検索/表示項目名」に設定された項目に対応する項目は存在するが、データベースが停止しているため、取得が不可能であることを示す。“−”は、「検索/表示項目名」に設定された項目に対応する項目がデータベースに存在しないことを示す。また、“*”は、「検索/表示項目名」に設定された項目に対応する項目が存在し、取得も可能であるが、他のデータベースからデータを取得するため、検索の対象外であることを示す。図9によれば、CAD用DBから、物品番号、規制フラグ、部品形状、及び回路シンボルのデータが取得される。また、部品DBから、物品番号、標準化フラグ、代替部品、及び購買価格のデータが取得される。
【0045】
図5に戻り説明を続ける。取得部113は、ステップS15で決定されたデータベースの中から、検索処理の実行対象となるデータベースを決定する(ステップS17)。例えば、図9において、検索処理の実行対象となるデータベースは、CAD用DB及び部品DBである。そこで、取得部113は、CAD用DB及び部品DBのうち、まず、CAD用DBを、検索処理の実行対象となるデータベースとして決定する(ステップS17)。
【0046】
次に、取得部113は、ステップS17で決定したデータベースに対して、検索処理を実行する(ステップS19)。具体的には、取得部113は、図10に示す関連DB定義テーブルを用いて、検索項目及び表示項目を、CAD用DBの項目名に読み替える。取得部113は、CAD用DBの項目へと読み替えた検索命令を実行し、CAD用DBを検索する。
【0047】
ここで、関連DB定義テーブルの詳細について説明する。図10は、関連DB定義テーブルの一例を示す図である。本実施例において、関連DB定義テーブルは、「検索/表示項目名」、「DB名」、「ユニーク項目」、「DB毎の対応項目名」、「複写元DB名」、及び「複写遅延時間(分)」を備える。「検索/表示項目名」は、受付部112がユーザから受付ける検索項目及び表示項目の名称を表す。「DB名」には、購買DB20〜部品DB50の各データベースが設定される。「ユニーク項目」は、「DB毎の対応項目名」に設定される項目において、ある特定の値をとるレコードが、1レコードのみか否かを表す。「DB毎の対応項目名」は、「検索/表示項目名」と対応する、各データベースの項目名を表す。
【0048】
例えば、図10において、検索/表示項目名「物品番号」と対応する各データベースの項目名は、購買DBでは「物品番号」、環境DBでは「物品番号」、CAD用DBでは「部品番号」、部品DBでは「物品番号」である。また、例えば、検索/表示項目名「標準化フラグ」と対応する各データベースの項目名は、CAD用DBでは「標準化フラグ」、部品DBでは「取扱区分」である。なお、図中、“−”は、対応する項目がデータベースに無いことを表す。
【0049】
「複写元DB名」は、データベース間で項目値の複写を行っている場合、その項目値の複写元を表す。「複写遅延時間(分)」は、データベース間で項目値の複写を行っている場合に、複写を実行する時間間隔を表す。例えば、図10において、検索/表示項目名「規制フラグ」に対応する項目を、環境DB、CAD用DB、及び部品DBが備えている。CAD用DB及び部品DBの「複写元DB名」には、“環境DB”が設定されており、「複写遅延時間(分)」には“40”が設定されている。これは、CAD用DB及び部品DBの「規制フラグ」の項目値は、環境DBの「規制フラグ」から複写され、また、その複写は40分毎に実行されることを示している。また、例えば、検索/表示項目名「購買価格」に対応する項目を、購買DB、CAD用DB、及び部品DBが備えている。部品DBの「複写元DB名」には“購買DB”が設定されており、「複写遅延時間(分)」の値は“20”である。これは、部品DBの「部品単価」の項目値は、購買DBの「物品単価」から複写され、その複写は20分毎に実行されることを示している。同様に、CAD用DBの「物品単価」の項目値は、部品DBの「部品単価」から複写され、その複写は30分毎に実行される。
【0050】
取得部113は、上述の関連DB定義テーブルを参照して、CAD用DBから取得する、物品番号、規制フラグ、部品形状、及び回路シンボルの各表示項目を、CAD用DBにおける項目名に読み替える。具体的には、取得部113は、検索/表示項目名に対応するCAD用DBの項目名を関連DB定義テーブルから取得する。検索/表示項目名「物品番号」に対し、CAD用DBの「DB毎の対応項目名」には、「部品名」が設定されている。従って、取得部113は、表示項目「物品番号」を、CAD用DBの項目「部品名」に読み替える。また、取得部113は、表示項目「部品形状」をCAD用DBの項目「部品形状タイプ」に読み替え、表示項目「回路シンボル」をCAD用DBの項目「シンボル」に読み替える。取得部113は、CAD用DBの項目へと読み替えた検索命令(図11(A))を実行し、CAD用DBを検索する。
【0051】
次に、取得部113は、タイムアウトが発生したか否か判定する(ステップS21)。ここで、タイムアウトとは、検索処理を実行してから所定の時間内に、検索処理の対象であるデータベースから応答を受信できないことをいう。アクセス制御テーブルの更新は、監視部111によって所定の時間間隔で行われている。したがって、アクセス制御テーブルにおいて、検索処理の対象であるデータベースの「稼働状態」に“稼働”が設定されていても、検索時には“停止”している可能性がある。そこで、取得部113は、タイムアウトが発生した場合(ステップS21/YES)、検索処理の対象であるデータベースが停止していると判定する。そして、取得部113は、アクセス制御テーブルにおいて、検索処理の対象であるデータベースの「稼働状態」を“停止”とする(ステップS23)。例えば、CAD用DBに対する検索処理でタイムアウトが発生した場合(ステップS21/YES)、アクセス制御テーブルにおいてCAD用DBの「稼働状態」を“稼働”から“停止”に更新する(ステップS23)。そして、取得部113は、ステップS15から処理を再度実行する。
【0052】
タイムアウトが発生していない場合(ステップS21/NO)、取得部113は、ステップS17で決定した全てのデータベースに対する検索処理が終了したか否か判定する(ステップS25)。
【0053】
全てのデータベースに対する検索処理が終了していない場合(ステップS25/NO)、取得部113は、次に検索処理を実行するデータベースを決定し(ステップS17)、検索処理を実行する(ステップS19)。図9の例では、CAD用DB及び部品DBのうち、部品DBに対する検索処理が終了していないため(ステップS25/NO)、取得部113は、部品DBを検索処理の実行対象となるデータベースとして決定する(ステップS17)。そして、取得部113は、図10に示す関連DB定義テーブルを用いて、検索項目及び表示項目を、部品DBの項目名に読み替え、図11(B)に示す検索命令を部品DBに対して実行する。
【0054】
全てのデータベースに対する検索処理が終了した場合(ステップS25/YES)、表示部114は、各データベースの検索結果をマージする(ステップS27)。図12(A)は、CAD用DB及び部品DBの検索結果を示している。表示部114は、図12(A)に示す検索結果を取得部113から受付け、図12(B)に示すように検索結果をマージする(ステップS27)。
【0055】
次に、表示部114は、表示形式定義テーブル基づいて、検索結果の表示形式を変換し(ステップS29)、表示装置11に検索結果を表示する(ステップS31)。
【0056】
ここで、表示形式定義テーブルの詳細について説明する。図13は、表示形式定義テーブルの一例を示す図である。本実施例では、表示形式定義テーブルは、「検索/表示項目名」、「DB名」、「DB項目名」、「検索/表示項目値」、及び「DB項目値」を備える。「検索/表示項目名」は、受付部112が受付ける検索項目及び表示項目の名称を表す。「DB名」には、購買DB20〜部品DB50のいずれかのDBが設定される。「DB項目名」は、「DB名」に設定されたデータベースにおいて、「検索/表示項目名」と対応する項目名を示す。「検索/表示項目値」は、「検索/表示項目名」に設定された項目を表示装置11に表示する際に使用される項目値を表す。図13(A)の例では、「標準化フラグ」が表示装置11に表示される場合、その項目値として「標準品」又は「終息品」を表示することを示している。「DB項目値」は、「DB名」に設定されたデータベースにおいて、検索/表示項目値と対応する項目値を示す。図13(A)の例では、DB項目値“A”は、検索/表示項目値の“標準品”と対応し、DB項目値“E”は、検索/表示項目値の“終息品”と対応する。
【0057】
表示部114は、上述の表示形式定義テーブルに基づいて、各データベースから取得した項目の表示形式を、表示項目の表示形式に変換する。例えば、図12(B)に示す検索結果では、「標準化フラグ」の項目値が“E”となっているが、図13(A)に示す表示形式定義テーブルでは、部品DBの取扱区分の項目値「E」に対応する表示項目値は、「終息品」となっている。従って、表示部114は、図13(B)に示すように、「標準化フラグ」の項目値「E」を「終息品」に変換し、表示装置11に表示する。
【0058】
従来のマルチデータベース検索では、表示項目毎に、表示項目を取得するデータベースが複数のデータベースの中から一意に決定されていた。つまり、主データベースに対して検索処理が実行できない場合には、代替できる項目を備える他のデータベースに対して検索処理を実行することなく検索結果を表示していた。従って、主データベースから取得できなかった表示項目については、表示装置11に表示する際にブランクで表示されてしまっていた。この場合、ユーザは、ブランクで表示された表示項目のデータを得るために、他のデータベースを検索し直す等の処理を行わなければならなかった。また、ユーザは、他のデータベースを検索し直す際には、各表示項目を、検索するデータベースの項目名に変換して検索命令を入力しなければならなかった。あるいは、主データベースの応答速度が悪化した場合には、検索不能になったり、検索時間が長時間化したりしていた。
【0059】
しかしながら、本実施例に係る情報検索装置10によれば、取得部113は、受付部112で指定された表示項目の主データベースの稼動状態が、検索処理を実行可能な状態にない場合、記憶部115に記憶された他のデータベースを検索条件に基づいて検索し、受付部112で指定された表示項目を検索結果として取得する。すなわち、取得部113は、主データベースの稼動状態に基づいて、表示項目の取得先を他のデータベースに切り替え、表示項目を検索結果として取得する。これにより、主データベースが停止していても他のデータベースから表示項目が取得されるため、検索結果がブランクで表示される可能性が減少する。従って、ユーザは、表示されなかった表示項目を得るために、他のデータベースに対して検索処理を実行し直す必要がなくなるため、ユーザの利便性が高まる。また、記憶部115は、表示項目ごとに、主データベースと、主データベースの代わりに表示項目を取得可能なデータベースとを記憶している。例えば、表示項目ごとではなく、あるデータベースに代わる検索先として、他のデータベースが一意に設定されているとする。この場合、設定された他のデータベースが、表示項目の取得先として適切なデータベースであるとは限らない。しかしながら、本実施例では、ユーザは、主データベースに代わって表示項目を取得するデータベースとしてより適切なデータベースを、表示項目毎に設定することができる。これにより、ユーザは、主データベースから表示項目が取得できない場合にも、その表示項目の取得先としてより適切なデータベースからデータを取得できる。
【0060】
また、上述の実施例において、取得部113は、主データベースの項目を代替可能な項目を備える他のデータベースが複数存在する場合、応答速度が速いデータベースを検索条件に基づいて検索した。これにより、マルチデータベースの検索処理にかかる時間を短縮することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0061】
また、上述の実施例において、記憶部115は、受付部112が受付ける表示項目の表示形式と、各データベースが備える項目の表示形式とを対応付けた表示形式定義テーブルを記憶する。そして、表示部114は、各データベースから取得した検索結果(表示項目)の表示形式を、表示形式定義テーブルに基づいて変換する。これにより、ユーザは、主データベースの代わりに他のデータベースから表示項目を取得した場合にも、検索結果の表示を読み替える必要がないため、ユーザの利便性が高まる。
【0062】
以上、本件の実施例について詳述したが、本件は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0063】
上述の実施例において、表示部114は、検索結果を表示する際に、図14(A)に示すように、各表示項目の取得先であるデータベースを表示してもよい。図14(A)では、表示項目をどのデータベースから取得したのか(実検索DB名)、表示項目を取得したデータベースが主データベースであるか否か(代替検索)、及び表示項目の主データベース(主検索DB名)を表示している。代替検索の項目に“○”が設定されている場合、「主検索DB名」に設定された主データベースから表示項目を取得できなかったため、実検索DB名に示されるデータベースから表示項目を取得したことを示している。これにより、ユーザは、各項目がどのデータベースから取得されたのかを確認することができ、かつ、表示されている項目値が、最新の値であるか否か等を判断することができる。従って、ユーザの利便性がさらに高まる。なお、表示部114は、例えば、図14(B)に示すように、実際に検索されたデータベースの情報は表示せず、代替検索されたか否かだけを表示してもよい。
【0064】
上述の実施例では、項目定義テーブルは、ユーザによって予め設定されているものとした。しかし、図15に示すように、情報検索装置10に優先順位設定部116を設け、優先順位設定部116が、項目定義テーブルを作成するようにしてもよい。図15は、情報検索装置10の機能ブロック図の別例を示している。図15において、優先順位設定部116以外の各部が備える機能は、図3で説明した各部の機能と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
優先順位設定部116は、関連DB定義テーブルのデータを取得する。優先順位設定部116は、データベース間で項目値の複写を行っている場合、複写元のデータベースを主データベースとし、項目定義テーブルの優先順位に「1」を設定する。次に、優先順位設定部116は、複写元の項目値が更新されてから、複写先の項目値が更新されるまでの時間間隔が短いデータベースの順に、項目定義テーブルでの優先順位を高く設定する。また、優先順位設定部116は、ユニーク項目については、全てのデータベースに対して優先順位に「1」を設定する。
【0066】
例えば、図10に示す関連DB定義テーブルでは、規制フラグの複写元は、環境DBであるため、優先順位設定部116は、図7に示すように、環境DBに優先順位「1」を設定する。また、CAD用DB及び部品DBの複写遅延時間は、いずれも“40”であるため、優先順位設定部116は、両データベースに優先順位「2」を設定する。購買価格では、購買DBの項目値が、部品DBに複写され、次に、部品DBに複写された項目値が、CAD用DBに複写されるようになっている。そこで、優先順位設定部116は、複写元である購買DBの優先順位を「1」とする。図10において、購買DBの項目値が更新されてから、次に複写によって項目値が更新されるデータベースは部品DBである。そこで、優先順位設定部116は、部品DBの優先順位を「2」とし、CAD用DBの優先順位を「3」とする。
【0067】
このように、優先順位設定部116が、項目定義テーブルを作成するため、ユーザは、複写関係や、複写遅延時間に変更があった場合、関連DB定義テーブルを変更すればよく、項目定義テーブルを変更する必要がない。これにより、項目定義テーブルの変更漏れを防止することができる。また、取得部113が優先順位設定部116によって設定された優先順位に従って表示項目を取得するので、稼動中のデータベースの中において最も新しいデータが表示される。これにより、ユーザは稼動中のデータベースの中で最も新しいデータを確認できるので、ユーザの利便性が高まる。
【0068】
また、上述の実施例では、情報検索装置10は、LAN等のネットワーク60で接続された購買DB20〜部品DB50をまたいで検索処理を実行した。しかしながら、情報検索装置10は、図16に示すように、インターネット等のネットワーク80を介して提供される複数のデータベースをまたいで検索処理を実行してもよい。
【0069】
また、上述の実施例では、取得部113は、各表示項目を購買DB20〜部品DB50から取得するために、項目定義テーブル及び関連DB定義テーブルの2つのテーブルを使用していた。しかしながら、取得部113は、項目定義テーブル及び関連DB定義テーブルを統合した図17に示すテーブルを用いて、各表示項目を購買DB20〜部品DB50から取得してもよい。図17では、各検索/表示項目名に対応する各データベースの項目名が定義される。また、各データベースの項目には、優先順位が付されているため、取得部113は、優先順位に従って、指定された表示項目に対応する各データベースの項目を検索結果として取得できる。
【0070】
また、取得部113は、図18に示すテーブルを用いて、各表示項目を購買DB20〜部品DB50から取得してもよい。図18において、「主検索DB名」には、表示項目の主たる取得先となる主データベースが設定される。また、「代替項目1」及び「代替項目2」には、主データベースに対する検索処理が実行できない場合に、主データベースに代わって検索対象となるデータベース、及びその項目が設定される。
【0071】
また、上述の実施例では、監視部111が各データベースを監視し、アクセス制御テーブルの「稼働状態」を更新していた。そして、取得部113は、アクセス制御テーブルの「稼働状態」に基づいて、各表示項目の取得先となるデータベースの稼働状態を確認していた。しかしながら、取得部113は、アクセス制御テーブルを使用せず、各表示項目の取得先となるデータベースを決定する際に各データベースへアクセスし、その稼働状態を確認してもよい。
【0072】
なお、上記の情報検索装置10が有する機能は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータによって実現することができる。その場合、情報検索装置10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0073】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0074】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0075】
また、例えば、インターネット等の通信網に接続されたサーバコンピュータを本件の情報検索装置とし、これに接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に、マルチデータベース検索を行うサービスをサーバコンピュータから提供するようにしてもよい(ASP(Application Service Provider))。
【符号の説明】
【0076】
10…情報検索装置
11…表示装置
20…購買DB
30…環境DB
40…CAD用DB
50…部品DB
111…監視部
112…受付部
113…取得部
114…表示部
115…記憶部
116…優先順位設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索装置であって、
検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付部と、
前記データベース中の複数の検索対象ごとに、前記検索対象の取得先となるデータベースを優先順位とともに記憶する記憶部と、
前記優先順位に従って、前記記憶部に記憶されたデータベースを検索条件に基づいて検索し、前記受付部で指定された検索対象を検索結果として取得する取得部と、
を備える情報検索装置。
【請求項2】
各検索対象の取得先となるデータベースの優先順位を設定する優先順位設定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
前記優先順位設定部は、前記検索対象の取得先として設定されたデータベースに対する検索の可否を検証し、前記検索対象が取得できないデータベースが存在する場合に、前記記憶部に記憶された優先順位を更新することを特徴とする請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項4】
前記優先順位設定部は、検索対象の取得先となるデータベースが複数存在する場合、応答速度に基づいて優先順位を設定する請求項2又は3に記載の情報検索装置。
【請求項5】
前記優先順位設定部は、前記複数のデータベース間で、代替可能な項目の項目値を複写している場合、複写元のデータベースの優先順位を第1位とし、前記検索対象を前記優先順位が第1位のデータベースより取得できない場合には、前記優先順位が第1位のデータベースの項目値が更新されてから複写先のデータベースの項目値が更新されるまでの時間間隔に基づいて優先順位を設定する請求項2又は3に記載の情報検索装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記受付部が受付ける表示項目の表示形式と、各データベースが備える項目の表示形式とを対応付けた対応表を記憶する請求項1から5のいずれか1項記載の情報検索装置。
【請求項7】
優先順位が第2位以下のデータベースを検索して前記検索対象を取得した場合に、前記検索対象を前記第2位以下のデータベースを検索して取得したことを表示する表示部を備える請求項1から6のいずれか1項記載の情報検索装置。
【請求項8】
複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索プログラムであって、
検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、
記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象を前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、
前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、
をコンピュータに実行させる情報検索プログラム。
【請求項9】
複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索方法であって、
検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、
記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、
前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、
を備える情報検索方法。
【請求項10】
前記記憶部に記憶された前記検索対象の取得先データベースの中に、当該検索対象が取得できないデータベースが存在する場合、前記優先順位を更新する更新ステップを備えることを特徴とする請求項9に記載の情報検索方法。
【請求項1】
複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索装置であって、
検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付部と、
前記データベース中の複数の検索対象ごとに、前記検索対象の取得先となるデータベースを優先順位とともに記憶する記憶部と、
前記優先順位に従って、前記記憶部に記憶されたデータベースを検索条件に基づいて検索し、前記受付部で指定された検索対象を検索結果として取得する取得部と、
を備える情報検索装置。
【請求項2】
各検索対象の取得先となるデータベースの優先順位を設定する優先順位設定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
前記優先順位設定部は、前記検索対象の取得先として設定されたデータベースに対する検索の可否を検証し、前記検索対象が取得できないデータベースが存在する場合に、前記記憶部に記憶された優先順位を更新することを特徴とする請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項4】
前記優先順位設定部は、検索対象の取得先となるデータベースが複数存在する場合、応答速度に基づいて優先順位を設定する請求項2又は3に記載の情報検索装置。
【請求項5】
前記優先順位設定部は、前記複数のデータベース間で、代替可能な項目の項目値を複写している場合、複写元のデータベースの優先順位を第1位とし、前記検索対象を前記優先順位が第1位のデータベースより取得できない場合には、前記優先順位が第1位のデータベースの項目値が更新されてから複写先のデータベースの項目値が更新されるまでの時間間隔に基づいて優先順位を設定する請求項2又は3に記載の情報検索装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記受付部が受付ける表示項目の表示形式と、各データベースが備える項目の表示形式とを対応付けた対応表を記憶する請求項1から5のいずれか1項記載の情報検索装置。
【請求項7】
優先順位が第2位以下のデータベースを検索して前記検索対象を取得した場合に、前記検索対象を前記第2位以下のデータベースを検索して取得したことを表示する表示部を備える請求項1から6のいずれか1項記載の情報検索装置。
【請求項8】
複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索プログラムであって、
検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、
記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象を前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、
前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、
をコンピュータに実行させる情報検索プログラム。
【請求項9】
複数のデータベースを対象として情報検索を実行する情報検索方法であって、
検索条件及び表示項目を含む検索対象の指定を受付ける受付ステップと、
記憶部に記憶された前記検索対象毎の取得先データベースの優先順位に従って、前記受付ステップで指定された前記検索対象の取得先となるデータベースを選定する選定ステップと、
前記検索条件に基づいて前記選定ステップで選定されたデータベースを検索し、前記受付ステップで指定された検索対象を検索結果として取得する取得ステップと、
を備える情報検索方法。
【請求項10】
前記記憶部に記憶された前記検索対象の取得先データベースの中に、当該検索対象が取得できないデータベースが存在する場合、前記優先順位を更新する更新ステップを備えることを特徴とする請求項9に記載の情報検索方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−53619(P2012−53619A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194985(P2010−194985)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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