情報端末、テレビジョン放送受信装置およびそれらを備える映像表示システム
【課題】テレビジョン放送受信装置と情報端末とを連携する。
【解決手段】情報端末が実行する処理は、テレビジョン放送受信装置に設定情報を要求するステップ(S215)と、同一チャンネルが視聴されていない場合に(ステップS230にてNO)、情報端末のチャンネルをテレビジョン放送受信装置のチャンネルに合わせて同一チャンネルの映像を受信するステップ(S235)と、テレビジョン放送受信装置の設定と同じ設定を行なうステップ(S245,S255,S265,S275)と、情報端末の映像とテレビジョン放送受信装置のチャンネルの映像とを合成するステップ(S280)と、合成で得られた映像信号をテレビジョン放送受信装置に出力するステップ(S285)とを含む。
【解決手段】情報端末が実行する処理は、テレビジョン放送受信装置に設定情報を要求するステップ(S215)と、同一チャンネルが視聴されていない場合に(ステップS230にてNO)、情報端末のチャンネルをテレビジョン放送受信装置のチャンネルに合わせて同一チャンネルの映像を受信するステップ(S235)と、テレビジョン放送受信装置の設定と同じ設定を行なうステップ(S245,S255,S265,S275)と、情報端末の映像とテレビジョン放送受信装置のチャンネルの映像とを合成するステップ(S280)と、合成で得られた映像信号をテレビジョン放送受信装置に出力するステップ(S285)とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送受信装置(以下、TVと略す。)でデジタル放送を視聴中に、携帯端末、スマートフォンその他の情報端末からTVに外部出力を行う場合に情報端末の画面とデジタル放送の映像とを合成して、合成された映像をTVに出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TVは、デジタル放送を受信して再生する機能と、リモコンやキ―操作によって選局、または画質若しくは音質の設定を行う機能とを有する。また、TVの大画面を有効に利用する手段の一つとして当該TVに接続される外部機器からの出力にも対応し、TV以下の表示解像度しか持たない外部機器の映像表示を補助する機能も有する。
【0003】
一方、外部出力機能を有する情報端末は、近年の高機能化により、デジタル放送を受信する機能も有しており表示解像度を除いては、TVと同等以上の機能を有することが多い。
【0004】
TVがデジタル放送の映像と外部から入力される映像とを合成して表示するPinP(Picture in Picture:ピクチャー・イン・ピクチャー)機能を有する場合、当該情報端末からTVに映像を出力すると、ユーザは、TVの視聴を継続しながら情報端末から出力される画像も確認できる。
【0005】
また、特開2006−333101号公報(特許文献1)は、現在TVで視聴中のチャンネル情報、出力中の音声モードその他の設定情報を、情報端末に送信し、その情報に連動した表示画像を生成して、その表示画像を外部出力する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−333101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有さない場合において、情報端末がTVに映像を出力すると、TVは、外部から入力された映像しか表示できず、ユーザは、TV視聴を継続できないという問題がある。また、TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有する場合には、TVは、外部から入力された映像と視聴中のデジタル放送とを同時に表示可能であるが、既にユーザが当該ピクチャー・イン・ピクチャー機能を用いて複数チャンネルを視聴している場合、複数チャンネルでの視聴の継続ができない場合がある。
【0008】
また、特開2006−333101号公報に開示された技術は、TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有することを前提としている。そのため、TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有さない場合、ユーザは、視聴を継続できないことになる。また、当該技術は、情報端末がデジタル放送機能を有する場合を考慮しておらず、インターネットなどの情報通信ネットワークを介して収集した情報しか連携表示できないことになる。
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、情報端末がTVに映像を出力する場合に、視聴状態の継続を可能とする情報端末とテレビジョン放送受信装置、映像表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施の形態にしたがう情報端末は、テレビジョン放送受信装置と通信するための通信手段と、デジタル放送を選択的に受信するための選局部と、画像を表示するための表示装置と、情報端末の動作を制御するための制御部とを備える。制御部は、テレビジョン放送受信装置から受信した情報から、テレビジョン放送受信装置において選局されているチャンネル情報を取得するためのチャンネル情報取得手段と、チャンネル情報に基づくデジタル放送を選局部に選択させるための受信制御手段と、選局部の選択によって受信されたデジタル放送と、表示装置に表示されている画像とを合成するための合成手段とを含む。通信手段は、合成手段によって生成された画像をテレビジョン放送受信装置に送信する。
【0011】
好ましくは、制御部は、テレビジョン放送受信装置によって送られる情報から、テレビジョン放送受信装置で設定されている動作モードを取得するための動作モード取得手段をさらに含む。合成手段は、動作モードに基づいて、デジタル放送と画像とを合成する。
【0012】
好ましくは、選局部は、複数のチューナを含む。受信制御手段は、複数のチューナの各々にデジタル放送を受信させる。合成手段は、各チューナによって受信されたデジタル放送の各映像と、画像とを合成する。
【0013】
好ましくは、選局部は、字幕データを有するデジタル放送を受信可能である。合成手段は、字幕データを含む映像と、画像とを合成する。
【0014】
好ましくは、情報端末は、当該情報端末において設定されている端末情報を格納するための記憶手段をさらに備える。通信手段は、端末情報をテレビジョン放送受信装置に送信する。
【0015】
好ましくは、端末情報は、情報端末において選択されているチャンネル、映像の表示モードまたは音量レベルの少なくともいずれかを含む。
【0016】
他の実施の形態にしたがうと、テレビジョン放送受信装置が提供される。このテレビジョン放送受信装置は、テレビジョン放送を受信するための選局部と、テレビジョン放送受信装置に対する指示を受け付ける指示入力部と、テレビジョン放送受信装置において設定されている動作モードを格納するための記憶部と、テレビジョン放送受信装置に接続されている情報端末と連携する指示に基づいて、動作モードを情報端末に送信するための送信部とを備える。
【0017】
好ましくは、動作モードは、テレビジョン放送受信装置の現在の視聴状態、および、複数のチャンネルの各々に基づく各映像を合成できるか否かを表わす情報の少なくともいずれかを含む。
【0018】
他の実施の形態にしたがう映像表示装置は、上記のいずれかに記載の情報端末と、テレビジョン放送受信装置とを備える。
【0019】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る映像表示システム1の構成を表すブロック図である。
【図2】情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に信号を出力する場合における一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【図3】外部入力要求として、テレビジョン放送受信装置3が情報端末2からのデータの入力を受け付ける要求を受信した場合における処理を表わすフローチャートである。
【図4】テレビジョン放送受信装置3が複数の番組の視聴と合成ができない場合において、情報端末2が画面を合成する例を示す図である。
【図5】情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とが実行する処理を表わすフローチャートである。
【図6】テレビジョン放送受信装置3の表示装置18が複数の画面を同時に表示できる場合に表示される画面を表わす図である。
【図7】テレビジョン放送受信装置3および情報端末2が同時に5画面の画像を表示できる場合における画面の表示態様を表わす図である。
【図8】テレビジョン放送受信装置3と情報端末2とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【図9】情報端末2が実行する一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【図10】テレビジョン放送受信装置3が外部信号の入力を終了するときに実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】外部入力の開始から終了までにおける情報端末2およびテレビジョン放送受信装置3の状態の変化を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像表示システム1の構成を表すブロック図である。映像表示システム1は、情報端末2と、テレビジョン放送受信装置3とを含む。情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とは、たとえば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル4によって接続されるが、通信の態様はこれに限られない。情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とは、たとえば、CEC(Consumer Electronics Control)信号によって通信される。なお、通信の態様は、無線LAN(Local Area Network)その他の双方向可能な通信手段であればよい。
【0023】
ある局面において、情報端末2は、たとえば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、セットトップボックスその他の端末であって、デジタル放送を受信可能な端末として実現される。
【0024】
[情報端末]
情報端末2は、デジタル放送チューナー部5と、キー入力インターフェース6と、合成データ生成部7と、CPU(Central Processing Unit)8と、表示装置9と、画像合成部10と、画像データ処理部11と、音声データ処理部12と、制御データ処理部13と、スピーカ14と、外部接続インターフェース部15と、ネットワークインターフェース28と、RAM(Random Access Memory)30とを含む。RAM30は、設定情報保存部31を含む。
【0025】
デジタル放送チューナー部5は、一つ以上のチューナーによって実現される。ある局面において、デジタル放送チューナー部5は、2つ以上のチューナーによって実現される。
【0026】
キー入力インターフェース6は、キーボード、タッチパネル、スイッチ、トラックパッドその他の入力装置として実現される。
【0027】
合成データ生成部7は、字幕データと映像データとを合成して、字幕が含まれた映像を生成する。
【0028】
CPU8は、情報端末2の動作を制御する。たとえば、CPU8は、デジタル放送チューナー部5による選局を指示する。CPU8は、キー入力インターフェース6からの入力を受け付ける。
【0029】
他の局面において、CPU8は、ネットワークインターフェース28を介して、インターネット34に接続されている装置と通信する。CPU8は、たとえば、情報端末2のソフトウェアを更新するためのプログラムを、当該プログラムの提供者(たとえば、情報端末2の製造者)からダウンロードし、あるいは、テレビジョン放送受信装置3の機能を示す情報を、当該情報の提供者(たとえば、テレビジョン放送受信装置3の製造者)からダウンロードする。さらに別の局面において、CPU8は、テレビジョン放送受信装置3の設定情報を、テレビジョン放送受信装置3からインターネット34経由でも取得し得る。
【0030】
CPU8は、RAM30にデータを書き込み、また、RAM30からデータを読み出す。CPU8は、デジタル放送チューナー部5から送られる信号を、画像データと音声データとに分けて、画像データを画像データ処理部11に送出し、音声データを音声データ処理部12に送出する。
【0031】
表示装置9は、たとえば液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置として実現される。表示装置9は、デジタル放送の映像、撮影された動画、映画その他の画像を表示し得る。
【0032】
画像合成部10は、デジタル放送チューナー部5によって選択されたチャンネルに基づいて受信されるデジタル放送の画像と、表示装置9に表示されている映像とを合成する。ある局面において、デジタル放送チューナー部5が複数のチューナーを有する場合には、表示装置9に表示される映像は、情報端末2のユーザによって選択されたチャンネルで受信されるデジタル放送の映像となり得る。他の局面において、表示装置9に表示される映像は、デジタル放送の映像以外の映像、たとえば、撮影によって得られた動画、ダウンロードまたは記憶装置から読み出された映画、文書、PDFドキュメント等を含み得る。
【0033】
画像データ処理部11は、CPU8から送られた画像信号を用いて、情報端末2において設定されている画像表示モードに応じた映像信号を生成する。画像信号は、テレビジョン放送に基づく信号、撮影された動画像を表示するための信号、記憶媒体から読み出された映像信号等を含む。
【0034】
音声データ処理部12は、設定情報保存部31に格納されている設定情報に規定された音量レベルとなるように、CPU8から送られた音声信号の音量レベルを調整する。音声データ処理部12は、調整後の音声信号を、スピーカ14または外部接続インターフェース部15に送信する。
【0035】
さらに、情報端末2は、テレビジョン放送の受信および表示に加え、ネットワークインターフェース28およびインターネット34を介して送受信したデータを表示装置9に表示する。情報端末2は、キー入力インターフェース6を介して、情報端末2のユーザの指示を受け付け、設定情報保存部31に保存する。設定情報保存部31は、データを不揮発的に保持できるメモリとして実現される。
【0036】
情報端末2は、外部接続インターフェース部15を介して、テレビジョン放送受信装置その他の機器との接続を受け付け、当該他の機器に対して画像データまたは音声データを送信する。たとえば、情報端末2は、後述のように、画像合成部10によって生成されたデータを、テレビジョン放送受信装置3に送信できる。
【0037】
制御データ処理部13は、RAM30によって保持されているデータを、外部接続インターフェース部15を介して、テレビジョン放送受信装置3その他の外部機器に送信し、または、当該外部機器から制御データを受信する。外部接続インターフェース部15は、たとえば、HDMI規格に従うものであるが、他の規格に従うインターフェースであってもよい。また、通信の態様は、有線および無線のいずれであってもよい。
【0038】
設定情報保存部31は、ある局面において、フラッシュRAMとして実現される。設定情報保存部31は、予め規定された動作、または、ユーザによって指示された動作を、情報端末2に実行させるために設定されたデータを保持する。また、設定情報保存部31は、情報端末2が所定の動作を実行するために設定されたデータを保持する。このデータは、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3から受信されたデータであるが、他の局面において、インターネット34を介して取得されたデータであってもよい。
【0039】
より詳しくは、設定情報保存部31は、表示装置9を用いた映像の視聴状態に関する情報を保持する。視聴状態に関する情報とは、具体的には、たとえば、ユーザの指示によって得られるチャンネル情報、字幕ON/OFFの設定、音量設定、音声トラック情報、画質設定、三次元表示(以下「3D表示」という。)のON/OFFの設定等を含む。音量設定については、設定情報保存部31は、各機器の最大音量に対しての現在の音量を相対的な数値で保持する。画質設定については、設定情報保存部31は、たとえば、ゲーム用、静止画用、あるいは動画用のような用途を示すデータを保存する。
【0040】
[テレビジョン放送受信装置]
テレビジョン放送受信装置3は、外部接続インターフェース部16と、スピーカ17と、表示装置18と、画像合成部19と、画像データ処理部20と、音声データ処理部21と、制御データ処理部22と、合成データ生成部23と、CPU24と、デジタル放送チューナー部25と、リモコン入力インターフェース26と、キー入力インターフェース29と、RAM32とを含む。RAM32は、設定情報保存部33を含む。
【0041】
キー入力インターフェース29は、キーボード、タッチパネル、スイッチ、トラックパッドその他の入力装置として実現される。
【0042】
合成データ生成部23は、字幕データと映像データとを合成して、字幕が含まれた映像を生成する。
【0043】
CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の動作を制御する。たとえば、CPU24は、デジタル放送チューナー部25による選局を指示する。CPU24は、キー入力インターフェース29からの入力を受け付ける。CPU24は、RAM32にデータを書き込み、また、RAM32からデータを読み出す。CPU24は、デジタル放送チューナー部25から送られる信号を、画像データと音声データとに分けて、画像データを画像データ処理部20に送出し、音声データを音声データ処理部21に送出する。
【0044】
表示装置18は、たとえば液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、プラズマ表示装置として実現される。表示装置18は、デジタル放送の映像、撮影された動画、映画その他の画像を表示し得る。
【0045】
画像合成部19は、デジタル放送チューナー部25によって選択されたチャンネルに基づいて受信されるデジタル放送の画像と、表示装置18に表示されている映像とを合成する。ある局面において、デジタル放送チューナー部25が複数のチューナーを有する場合には、表示装置18に表示される映像は、テレビジョン放送受信装置3のユーザによって選択されたチャンネルで受信されるデジタル放送の映像となり得る。たとえば、画像合成部19は、複数のチューナのうち第1のチューナによって選局されたチャンネルの映像を親画面として表示装置18の中央に表示し、第2のチューナによって選局されたチャンネルの映像を子画面として親画面の一部にPinPの形で、あるいは、親画面に隣接する態様で、その画面を表示する。なお、複数のチャンネルに基づく各映像の表示が指示された場合において、各映像が表示される場所は、予め設定情報保存部33に保持されている。
【0046】
他の局面において、表示装置18に表示される映像は、デジタル放送の映像以外の映像、たとえば、撮影によって得られた動画、ダウンロードまたは記憶装置から読み出された映画、文書、PDFドキュメント等を含み得る。
【0047】
画像データ処理部20は、CPU24から送られた画像信号を用いて、テレビジョン放送受信装置3において設定されている画像表示モードに応じた映像信号を生成する。画像信号は、テレビジョン放送に基づく信号、撮影された動画を表示するための信号、記憶媒体から読み出された映像信号等を含む。
【0048】
音声データ処理部21は、設定情報保存部33に格納されている設定情報に規定された音量レベルとなるように、CPU24から送られた音声信号の音量レベルを調整する。音声データ処理部21は、調整後の音声信号を、スピーカ17または外部接続インターフェース部16に送信する。
【0049】
リモコン入力インターフェース26は、リモコン27によって発信された制御信号を受信し、その制御信号をCPU24に送出する。CPU24は、その制御信号に基づいて、デジタル放送チューナー部25によるチャネルの選択、音量の切り替え、画質の表示モードの変更等を実行する。
【0050】
テレビジョン放送受信装置3は、デジタル放送チューナー部25を介してテレビジョン放送を受信し、映像を表示装置18に表示する。テレビジョン放送受信装置3は、キー入力インターフェース29、または、リモコン入力インターフェース26を介して、リモコン27から送られたユーザ指示を受け付け、RAM32内の設定情報保存部33に保存する。
【0051】
テレビジョン放送受信装置3は、また、外部接続インターフェース部16を介して、情報端末2その他の機器による接続を受け付ける。テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2によって送られる画像データまたは音声データを受信し、スピーカ17を介して音声を出力し、または、表示装置18に画像を表示する。
【0052】
制御データ処理部22は、外部接続インターフェース部16を介して、設定情報保存部33内の制御データを、情報端末2その他の機器に送信し、または、当該他の機器から制御データを受信する。ここで、制御データは、たとえば、テレビジョン放送受信装置3が有する機能を示すデータを含む。制御データは、一例として、PinPが可能であるか否かを示すコードや、PinPが可能である場合に、複数の画面を表示装置18のどの位置に表示させるべきかを示すコードを含む。
【0053】
設定情報保存部33は、ある局面において、フラッシュRAMとして実現される。設定情報保存部33は、予め規定された動作、または、ユーザによって指示された動作を、テレビジョン放送受信装置3に実行させるために設定されたデータを保持する。また、設定情報保存部33は、テレビジョン放送受信装置3が所定の動作を実行するために設定されたデータを保持する。このデータは、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3のユーザによってリモコン27から入力されたデータであるが、これに限られない。たとえば、当該データは、インターネット34を介して取得されたデータ、外部接続インターフェース部16を介して情報端末2から受信したデータであってもよい。
【0054】
より詳しくは、設定情報保存部33は、表示装置18における視聴状態に関する情報を保持する。視聴状態に関する情報とは、具体的には、ユーザの指示によって得られるチャンネル情報、字幕ON/OFFの設定、音量設定、音声トラック情報、画質設定、3D表示のON/OFFの設定等を含む。音量設定については、設定情報保存部33は、各機器の最大音量に対しての現在の音量を相対的な数値で保持する。画質設定については、設定情報保存部31は、たとえば、ゲーム用、静止画用、あるいは動画用のような用途を示すデータを保存する。
【0055】
[制御構造]
図2を参照して、本実施の形態に係る情報端末2の制御構造について説明する。図2は、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に信号を出力する場合における一連の処理の一部を表わすフローチャートである。この処理は、たとえば、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続された後に、情報端末2からテレビジョン放送受信装置3に対して信号を出力する指示が情報端末2に与えられた場合に実行される。
【0056】
ステップS210にて、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とが無線または有線で接続される。その後、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3から送られた信号に基づき、または、情報端末2のユーザ操作に基づき、外部出力開始準備として、情報端末2の動作モードを、信号をテレビジョン放送受信装置3に送信するためのモードに切り換える。
【0057】
ステップS215にて、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3が保持している設定情報を取得するために、テレビジョン放送受信装置3に対して、設定情報を要求する。
【0058】
ステップS220にて、情報端末2のCPU8は、設定情報の取得が成功したか否かを判断する。この判断は、たとえば、テレビジョン放送受信装置3から送られるデータから設定情報が抽出されたか否かに基づいて行なわれる。CPU8は、設定情報の取得が成功したと判断すると(ステップS220にてYES)、制御をステップS225に切り換える。そうでない場合には(ステップS220にてNO)、CPU8は、制御をステップS285に切り換える。この場合、情報端末2は、予め設定された情報に基づいて、情報端末2が受信している映像または音声を、あるいは、情報端末2に保存されている映像または音声を、テレビジョン放送受信装置3に送信することになる。
【0059】
ステップS225にて、制御データ処理部13は、テレビジョン放送受信装置3から受信した設定情報を解析し、テレビジョン放送受信装置3において具体的に設定されているデータを取得する。このデータは、選択されているチャンネル、設定されている音量レベル、設定されている画質モード、3D表示モードの設定の有無等を含む。
【0060】
ステップS230にて、CPU8は、設定情報の解析によって得られたデータに基づいて、情報端末2において、テレビジョン放送受信装置3において選択されているチャンネルと同一のチャンネルが視聴されているか否かを確認する。同一のチャンネルが視聴されている場合には(ステップS230にてYES)、CPU8は、制御をステップS240に切り換える。そうでない場合には(ステップS230にてNO)、CPUは、制御をステップS235に切り換える。
【0061】
ステップS235にて、CPU8は、デジタル放送チューナー部5に選局させることにより、テレビジョン放送受信装置3において選択されているチャンネルと同一のチャンネルの放送を受信する。
【0062】
ステップS240にて、CPU8は、受信した設定情報の解析結果に基づいて、字幕設定がONになっているか否かを判断する。CPU8は、字幕設定がONになっていると判断すると(ステップS240にてYES)、制御をステップS245に切り換える。そうでない場合には(ステップS240にてNO)、CPU8は、制御をステップS250に切り換える。
【0063】
ステップS245にて、CPU8は、字幕を有効に設定する。合成データ生成部7は、その設定に基づき、合成データとして、字幕を含む映像を生成する。
【0064】
ステップS250にて、CPU8は、音量の設定を確認するために、テレビジョン放送受信装置3における設定を表わす相対値と、情報端末2における設定を表わす相対値とが同一であるか否かを判断する。CPU8は、これらの相対値が同一であると判断すると(ステップS250にてYES)、制御をステップS260に切り換える。そうでない場合には(ステップS250にてNO)、CPU8は、制御をステップS255に切り換える。
【0065】
ステップS255にて、音声データ処理部21は、設定情報の解析結果(相対値)に基づいて、音量の設定が同一となるように、情報端末2における音量を、テレビジョン放送受信装置3における音量に設定する。
【0066】
ステップS260にて、CPU8は、設定情報の解析結果に基づいて、情報端末2における画質モードの設定と、テレビジョン放送受信装置3における画質モードの設定とが同一であるか否かを判断する。CPU8は、これらの画質モードの設定が同一であると判断すると(ステップS260にてYES)、制御をステップS270に切り換える。そうでない場合には(ステップS260にてNO)、CPU8は、制御をステップS265に切り換える。
【0067】
ステップS265にて、画像データ処理部11は、情報端末2の画質モードを、テレビジョン放送受信装置3における画質モードに設定する。
【0068】
ステップS270にて、CPU8は、設定情報の解析結果に基づいて、3D表示モードの設定がONであるか否かを判断する。CPU8は、3D表示モードの設定がONであると判断すると(ステップS270にてYES)、制御をステップS275に切り替える。そうでない場合には(ステップS270にてNO)、CPU8は、制御をステップS280に切り換える。
【0069】
ステップS275にて、CPU8は、3D表示が有効となるように、情報端末2の動作モードを3D表示モードに切り換える。
【0070】
ステップS280にて、画像合成部10は、情報端末2で表示されている映像と、デジタル放送チューナー部5から送られる信号に基づく映像とを合成する。さらに、画像合成部10は、音声データ処理部12で加工された音声データを、合成により生成された映像データに関連付ける。このとき、各映像に対応する音声を選択的に出力するために、画像合成部10は、音声データの選択を表わす制御コードを音声データに付与してもよい。このようにすると、テレビジョン放送受信装置3のユーザは、複数の映像のうちのいずれかの映像の音声のみを聞くことが可能になる。
【0071】
ステップS285にて、情報端末2は、外部接続インターフェース部15を介して、画像合成部10によって生成されたデータを、テレビジョン放送受信装置3に出力する。テレビジョン放送受信装置3は、そのデータに基づいて映像および音声を出力するので、テレビジョン放送受信装置3における視聴状態が再現され得る。
【0072】
図3を参照して、テレビジョン放送受信装置3の制御構造について説明する。図3は、外部入力要求として、テレビジョン放送受信装置3が情報端末2からのデータの入力を受け付ける要求を受信した場合における処理を表わすフローチャートである。
【0073】
ステップS310にて、テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2から、外部接続インターフェース部16を介して、設定情報の取得要求を受信する。
【0074】
ステップS320にて、CPU24は、その取得要求に応答して、設定情報保存部33に保存された設定情報を読み出して、読み出した設定情報を情報端末2に送信する。情報端末2は、設定情報を受信すると、その解析によって得られるデータに基づいて映像および音声データを生成する。
【0075】
ステップS330にて、CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の動作モードを、外部接続インターフェース部16を介して外部からの信号の入力を受け付ける入力モードに切り換えて、情報端末2から送られるデータを待機する。
【0076】
ステップS340にて、CPU24は、情報端末2から送られてきた映像データおよび音声データの入力の受け付けを開始する。CPU24は、入力された映像データを画像データ処理部20に送出し、音声データを音声データ処理部21に送出する。画像データ処理部20は、その画像データに対して必要な処理(たとえば、画質調整、サイズ調整等)を実行し、処理後のデータを画像合成部19に送出する。音声データ処理部21は、音声データに対して必要な処理(たとえば、音量調整、バランス調整等)を実行し、処理後のデータを、スピーカ17に送出する。スピーカ17は、音声データに基づいて音声を再生する。一方、画像合成部19は、画像データ処理部20から送られる画像データと、合成データ生成部23から送られるデータ(たとえば字幕データ)とを合成し、合成によって得られたデータを表示装置18に送出する。表示装置18は、そのデータに基づいて映像を表示する。
【0077】
図4および図5を参照して、情報端末2およびテレビジョン放送受信装置3に表示される画面について説明する。図4は、テレビジョン放送受信装置3が複数の番組の視聴と合成ができない場合において、情報端末2が画面を合成する例を示す図である。図5は、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とが実行する処理を表わすフローチャートである。
【0078】
図4(A)に示されるように、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3は、デジタル放送チューナー部25において選局されているチャンネルに基づく映像を表示している。テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2からの要求に基づいて、そのチャンネル番号その他の設定情報を、情報端末2に送信する(ステップS510)。情報端末2が、テレビジョン放送受信装置3から、その設定情報を受信すると、そのチャンネル番号に基づく映像410と、情報端末2が当初から表示していた映像420とを合成する。図4(B)に示されるように、情報端末2は、合成によって生成された映像を表示する。ここで、映像410,420のレイアウトは、図4に示されるものに限られない。たとえば、表示装置18の画面表示領域が2分割されて、2つの映像が同じサイズで表示されてもよい。あるいは、情報端末2から送られた信号に基づいて映像が表示されていることを明示するために、「外部映像」のような表示が、映像の近傍に示されてもよい。
【0079】
情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との通信が確立されると、情報端末2は、表示装置9に表示されている映像と同じ映像(図4(B)を表示するためのデータを、テレビジョン放送受信装置3に送信する(ステップS520)。テレビジョン放送受信装置3は、そのデータに基づき、表示装置18に映像を表示する(ステップS530)。
【0080】
なお、テレビジョン放送受信装置3が複数の画面を表示するためのトリガーは、上述の態様に限られない。たとえば、テレビジョン放送受信装置3に接続されている情報端末2が携帯電話機である場合には、電話の着信時に、または、メールの受信時に、テレビジョン放送受信装置3が2画面またはそれよりも多い画面を表示してもよい。この場合、電話の着信を示す画面、または、メールの受信を示す画面がテレビジョン放送受信装置3に表示され得る。あるいは、テレビジョン放送受信装置3のユーザがリモコン27を用いて、複数画面の表示を指示した場合であってもよい。
【0081】
さらに他の局面において、テレビジョン放送受信装置3がデータ放送を受信している場合において、文字入力画面に切り替わる指示が前記テレビジョン放送受信装置3のユーザによって与えられたときに、テレビジョン放送受信装置3が複数画面を表示してもよい。このようにすると、ユーザは、情報端末2の操作による文字入力をテレビジョン放送受信装置3の表示装置9で確認できるため、利便性が向上し得る。
【0082】
図6〜図8を参照して、テレビジョン放送受信装置3および情報端末2における画面の表示態様についてさらに説明する。図6は、テレビジョン放送受信装置3の表示装置18が複数の画面を同時に表示できる場合に示される画面を表わす図である。
【0083】
図6(A)を参照して、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3は、選択された2つのチャンネルに基づいて、2つの画面610,620を表示している。図6(B)を参照して、このとき、情報端末2は、選択された2つのチャンネルに基づいて、2つの画面630,640を表示している。
【0084】
情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続されると、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対して設定情報を要求して、テレビジョン放送受信装置3において選択されているチャンネル、画質設定および画面レイアウトを取得する。情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3において、画面610,620に対応する2つのチャンネルが選択されていることを検出する。情報端末2は、画面610に対応するチャンネルと、画面640に対応するチャンネルとが同じであることを検知する。さらに、情報端末2は、画面620に対応するチャンネルが新たに受信すべきチャンネルであることを検知する。
【0085】
情報端末2は、自身における画面の表示レイアウト(図6(B))に基づいて、さらに、第3のチューナを起動して、画面620に対応するチャンネルを選択する。情報端末2は、3つのチューナによって選択された各チャンネルの各映像を合成する。たとえば、情報端末2のCPU8が、テレビジョン放送受信装置3の表示装置18が情報端末2の表示装置9よりも大きいことを検知すると、CPU8は、情報端末2に表示されている画面のレイアウトをベースに、テレビジョン放送受信装置3の表示装置18に表示されるべき画面を作成する。具体的には、画像合成部10は、上記第3のチューナで選択されるチャンネルの画面が、表示装置9の表示領域の外側かつ表示装置18の表示領域内に配置されるように、画面のレイアウトを決定する。レイアウトを決定するためのルールは、たとえば、情報端末2において予め規定されている。
【0086】
図6(C)に示される例では、画面630,640のレイアウトは、画面660,670のレイアウトに対応する。さらに、第3のチューナで選択されたチャンネルの映像が画面650として表示される。なお、第3のチューナで選択されたチャンネルの映像が画面650の場所に表示されるように各画面が情報端末2において合成される代わりに、画面680または画面690の場所に表示されるように、情報端末2は、各チャンネルの映像を合成してもよい。
【0087】
図7は、テレビジョン放送受信装置3および情報端末2が同時に5画面の画像を表示できる場合における画面の表示態様を表わす図である。図7(A)に示されるように、テレビジョン放送受信装置3は、画面710,720,721,722を表示している。なお、各画面のレイアウトは図7(A)に示されるものに限られない。また、各画面のサイズは、均等であってもよい。各画面が情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続されると、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対して設定情報を要求する。テレビジョン放送受信装置3は、その要求に応答して、チャンネル情報、画質設定、画面レイアウト情報、画面サイズ等を含む設定情報を、情報端末2に送信する。
【0088】
図7(B)に示されるように、情報端末2は、2つのチューナを用いて2つのチャンネルを選択しており、画面730,740を表示している。情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3から設定情報を受信すると、その設定情報から得られるチャンネルであって情報端末2において選択されていないチャンネルを特定する。
【0089】
情報端末2は、さらに、その特定されたチャンネルを選択するためにチューナを作動させる。具体的には、情報端末2は、画面720,721,722を表示するために3つのチューナを起動して、当該チャンネルを選択する。一方、画面710に対応するチャンネルは、情報端末2の画面740に対応するチャンネルと同じであるため、情報端末2は、このチャンネルをそのまま用いる。情報端末2は、画面730,740の表示のために既に起動されている2つのチューナと新たに起動された3つのチューナとから得られる映像を合成して、5つの画面をまとめて表示するためのデータを生成する。
【0090】
各画面のレイアウトは、図6の場合と同様に、一例として、表示領域が小さい情報端末2における画面のレイアウトに基づいて決定される。すなわち、テレビジョン放送受信装置3において選択されており、かつ、情報端末2において選択されていないチャンネルに対応する画面が、表示装置9の表示領域の外側かつ表示装置18の表示領域の内側に配置されるように、当該画面の位置情報が決定される。この場合、複数の画面を配置する場合の初期の位置は、たとえば、左上、あるいは右上のように、予め定められている。情報端末2は、そのような合成によって得られた画面データをテレビジョン放送受信装置3に送信する。
【0091】
テレビジョン放送受信装置3は、その画面データを受信すると、合成された画面を表示装置18に表示する。その画面は、テレビジョン放送受信装置3および情報端末2において選択されていた5つのチャンネルに対応する画面750,751,752,760,770を含む。
【0092】
図8は、テレビジョン放送受信装置3と情報端末2とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。この処理は、図6または図7に示されるように、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続された場合に実行される。
【0093】
ステップS810にて、テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2から送られた要求に応答して、デジタル放送チューナー部25において選択されているチャンネルを示す情報その他の設定情報を情報端末2に送信する。なお、送信のタイミングは要求に応答する態様に限られず、他の局面において、予め定められた送信条件が成立した場合にテレビジョン放送受信装置3が情報端末2に送信してもよい。予め定められた送信条件としては、たとえば、一定時間ごとに設定情報が、テレビジョン放送受信装置3から情報端末2に送信されるものであってもよい。
【0094】
ステップS820にて、情報端末2は、その情報に基づき、テレビジョン放送受信装置3において複数のチャンネルが選択されていることを検知する。
【0095】
ステップS830にて、情報端末2は、それ自身が選択している複数のチャンネルと、テレビジョン放送受信装置3において選択されている複数のチャンネルとの間に、同じチャンネルがあるか否かを判断する。情報端末2は、同じチャンネルがあると判断すると(ステップS830にてYES)、制御をステップS840に切り換える。そうでない場合には(ステップS830にてNO)、情報端末2は、制御をステップS850に切り換える。
【0096】
ステップS840にて、情報端末2は、それ自身における番組の表示レイアウトを用いて、それらの番組と、テレビジョン放送受信装置のチャンネルに基づく番組とを合成する。
【0097】
ステップS850にて、情報端末2は、予め定められた基準に従って番組を合成する。具体的には、情報端末2のCPU8は、複数のチャンネルが選択されている場合に各映像を表示する位置として予め定められた位置に各映像が表示されるように、画像データを構成する。
【0098】
ステップS860にて、情報端末2は、合成によって生成された映像信号を、テレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、その映像信号に基づいて、各チャンネルの映像を表示する。
【0099】
図9を参照して、情報端末2の制御構造についてさらに説明する。図9は、情報端末2が実行する一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【0100】
ステップS910にて、情報端末2のCPU8は、キー入力インターフェース6からの信号に基づいてユーザ操作を受け付け、テレビジョン放送受信装置3に対する外部出力を終了する指示が与えられたことを検知する。
【0101】
ステップS920にて、情報端末2は、外部出力を終了するための処理を開始する。すなわち、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対して信号を送信することにより、テレビジョン放送受信装置3との通信セッションを形成する。
【0102】
ステップS930にて、情報端末2は、設定情報保存部31に保存されている設定情報をテレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、受信した設定情報と、受信日時および情報端末2を識別するデータとを関連付けて、これらのデータを設定情報保存部33に格納する。
【0103】
ステップS940にて、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対する画像データおよび音声データの出力を停止する。ステップS950にて、情報端末2は、外部出力処理を終了する。具体的には、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3との通信セッションを終了する。
【0104】
次に、図10を参照して、テレビジョン放送受信装置3の制御構造について説明する。図10は、テレビジョン放送受信装置3が外部信号の入力を終了するときに実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS1010にて、テレビジョン放送受信装置3のCPU24は、情報端末2から設定情報の受信を検知する。
【0106】
ステップS1015にて、CPU24は、設定情報の受信が成功したか否かを判断する。ここで、設定情報の受信が成功とは、情報端末2から受信したデータから設定情報が正確に読み取れたことをいう。CPU24は、設定情報の受信が成功したと判断すると(ステップS1015にてYES)、制御をステップS1020に切り換える。そうでない場合には(ステップS1015にてNO)、CPU24は、制御をステップS1080に切り換える。
【0107】
ステップS1020にて、CPU24は、外部入力を終了処理を開始する。具体的には、ステップS1025にて、CPU24は、情報端末2から受信した設定情報を解析して、設定情報に含まれているチャンネル情報、画質情報等を抽出する。
【0108】
ステップS1030にて、CPU24は、設定情報の解析結果に基づいて、情報端末2において選択されているチャンネルをデジタル放送チューナー部25に選択させる。表示装置18は、そのチャンネルの映像を表示する。
【0109】
ステップS1035にて、CPU24は、設定情報の解析結果に基づいて、字幕をONに設定されているか否かを判断する。CPU24は、字幕がONに設定されていると判断すると(ステップS1035にてYES)、制御をステップS1040に切り換える。そうでない場合には(ステップS1035にてNO)、CPU24は、制御をステップS1045に切り換える。
【0110】
ステップS1040にて、CPU24は、字幕をONに設定する。
ステップS1045にて、CPU24は、受信した設定情報と設定情報保存部33に保存されている設定情報とに基づいて、情報端末2において設定されている音量とテレビジョン放送受信装置3において設定されている音量とが同一であるか否かを判断する。これらの音量が同一である場合には(ステップS1045にてYES)、CPU24は、制御をステップS1055に切り換える。そうでない場合には(ステップS1045にてNO)、CPU24は、制御をステップS1050に切り換える。
【0111】
ステップS1050にて、CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の音量を、情報端末2の音量と同一レベルに設定する。
【0112】
ステップS1055にて、CPU24は、受信した設定情報と、設定情報保存部33に保存されている設定情報とに基づいて、情報端末2の画質モードと、テレビジョン放送受信装置3の画質モードとが同一であるか否かを判断する。CPU24は、これらの画質モードが同一であると判断すると(ステップS1055にてYES)、制御をステップS1065に切り換える。そうでない場合には(ステップS1055にてNO)、CPU24は、制御をステップS1060に切り換える。
【0113】
ステップS1060にて、CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の画質モードを、情報端末2の画質モードに設定する。画像データ処理部20は、その設定に基づいて画像データを処理して、処理後のデータを画像合成部19に送信する。
【0114】
ステップS1065にて、CPU24は、受信した設定情報の解析結果に基づいて、3D表示モードがONに設定されているか否かを判断する。CPU24は、3D表示モードがONに設定されていると判断すると(ステップS1065にてYES)、制御をステップS1070に切り換える。そうでない場合には(ステップS1065にてNO)、CPU24は、制御をステップS1075に切り換える。
【0115】
ステップS1070にて、CPU24は、画像データ処理部20に対して、3D表示モードをONに設定させる。
【0116】
ステップS1075にて、テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2での視聴状態と同様の視聴状態に基づいて視聴を再開する。
【0117】
次に、図11を参照して、情報端末2からテレビジョン放送受信装置への外部入力が終了した時の状態について説明する。図11は、外部入力の開始から終了までにおける情報端末2およびテレビジョン放送受信装置3の状態の変化を表わす図である。
【0118】
<第1パターン>
状態1100において、情報端末2は、何らかのアプリケーション(たとえば、写真のスライドショー、動画の再生等)を実行している。テレビジョン放送受信装置3は、デジタル放送チューナー部25を用いて、たとえば、1チャンネルを選局している。情報端末2とテレビジョン放送受信装置3は、電気的に接続されておらず、したがって、外部入力は行なわれていない。
【0119】
状態1110において、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とは、電気的に接続され、情報端末2からテレビジョン放送受信装置3への外部入力が開始される。このとき、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3と通信することにより、テレビジョン放送受信装置3において選局されているチャンネルを知る。情報端末2は、既に実行しているアプリケーションに加えて、デジタル放送チューナー部5を起動して、1チャンネルを表示する。また、情報端末2は、アプリケーションと1チャンネルの映像とを含む信号を、テレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、その信号に基づいて、情報端末2において表示されている映像と同じ映像を表示する。すなわち、その映像は、実行されているアプリケーションの映像と、1チャンネルの映像とを含む。
【0120】
その後、外部入力が終了すると、状態1120として、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が解消される。情報端末2は、当該接続が解消されたことを検知すると、1チャンネルの表示を終了し、実行中のアプリケーションの表示のみを行なう。一方、テレビジョン放送受信装置3は、当該接続の解消を検知すると、デジタル放送チューナー部25によって選局されている1チャンネルからの信号に基づく映像を表示する。
【0121】
<第2パターン>
状態1110において、情報端末2のデジタル放送チューナー部5は、情報端末2のユーザの操作に基づき、チャンネルを1チャンネルから2チャンネルに切り換えると、状態1110は、状態1130に遷移する。情報端末2は、アプリケーションの映像と2チャンネルの映像とを含む信号を、テレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、その信号に基づき、アプリケーションに基づく映像と、2チャンネルの映像とを表示する。このとき、デジタル放送チューナー部25は、1チャンネルを選局した状態であるが、ユーザが視聴しているのは2チャンネルであることを示す情報を設定情報保存部33に格納する。
【0122】
その後、状態1140に示されるように、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が遮断されると、情報端末2は、デジタル放送チューナー部5の駆動を終了し、実行中のアプリケーションの映像を表示装置9に表示する。一方、テレビジョン放送受信装置3は、当該接続の遮断を検知すると、設定情報保存部33に格納されている情報に基づいて、デジタル放送チューナー部25に2チャンネルを選局させる。
【0123】
通常のテレビジョン放送受信装置は、外部入力が終了すると、内蔵しているチューナにおいて設定されたチャンネルがそのまま選局されるため、本実施の形態における1チャンネルが表示されることになる。これに対して、本実施の形態によれば、情報端末2において選択された2チャンネルが、テレビジョン放送受信装置3においても視聴可能となるため、視聴の継続性が維持される。
【0124】
<第3パターン>
状態1110において、情報端末2のユーザが、デジタル放送チューナー部5を用いたテレビの視聴を終了する命令を情報端末2に与えると、デジタル放送チューナー部5は、選局を終了する(状態1150)。情報端末2からテレビジョン放送受信装置3に送られる信号は、したがって、情報端末2が実行しているアプリケーションの映像のみとなる。テレビジョン放送受信装置3は、その信号に基づいて、アプリケーションの映像を表示する。
【0125】
その後、状態1160に示されるように、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が遮断されると、情報端末2は、アプリケーションの映像を表示し、テレビジョン放送受信装置3は、設定情報保存部33に格納されているデータに基づいて、デジタル放送チューナー部25に1チャンネルを選局させる。
【0126】
なお、他の局面において、情報端末2は、外部入力のための接続が遮断される前に、テレビジョン放送受信装置3に対して、信号の入力源をデジタル放送チューナー部25とするコマンドと、チャンネルを切り替えるためのコマンドを送信してもよい。これにより、テレビジョン放送受信装置3におけるチャンネルの切り替えを確実に実現することができる。
【0127】
<第4パターン>
さらに他の局面として、状態1150において、テレビジョン放送の視聴を終了する指示に基づいて、テレビジョン放送受信装置3の電源がオフにされてもよい(状態1170)。すなわち、ユーザがテレビジョン放送の視聴を終了する指示を情報端末2に与えるということは、視聴を継続する意思がないものと推認される。そこで、このような指示が情報端末2に与えられた場合には、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3のと接続を遮断するまえに、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に対して、電源をオフにするコマンドを送信してもよい。このとき、デジタル放送チューナー部25のチャンネルは、1チャンネルが選局されており、そのチャンネル情報は、設定情報保存部33に保存される。このようにすると、テレビジョン放送受信装置3の電源がオンになった場合に、1チャンネルの映像が表示されるため、ユーザがチャンネル操作を行なう頻度が低下し得る。
【0128】
以上のようにして、本実施の形態に係る映像表示システム1によれば、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3において出力されている態様(選択されているチャンネル、画質モード、音量、3次元表示の有無)に基づいて、複数の画面を表示するための映像データを合成する。情報端末2が合成によって得られたデータをテレビジョン放送受信装置3に送信すると、テレビジョン放送受信装置3は、そのデータに基づいて、映像を表示し、音声を出力する。
【0129】
これにより、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3がピクチャー・イン・ピクチャー機能に対応していない場合には、情報端末2がデジタル放送を受信し、テレビジョン放送受信装置3から得た設定情報を元に視聴中の映像を再現する。情報端末2は、さらに、当該映像と、情報端末2が表示している映像とを合成し、合成によって得られた信号を、テレビジョン放送受信装置3に出力する。これにより、テレビジョン放送受信装置3のユーザは、視聴を継続することにより外部から入力された映像を確認することができる。
【0130】
また、他の局面において、テレビジョン放送受信装置3がピクチャー・イン・ピクチャー機能に対応している場合において、かつ、全ての子画面にて映像が視聴されている場合(全てのチューナーが起動している場合)、情報端末2は、デジタル放送を受信し、テレビジョン放送受信装置3から受信した設定情報に基づいて、親画面で視聴中の番組を再現する。さらに、情報端末2は、表示装置9で表示されている映像と、再現した番組の映像とを合成し、合成によって得られた信号を、テレビジョン放送受信装置3に出力する。テレビジョン放送受信装置3がその信号に基づく映像を表示すると、テレビジョン放送受信装置3のユーザは、外部入力された映像を視聴することにより、全番組の視聴を継続することができる。
【0131】
他の局面において、情報端末2は、受信したデジタル放送に基づく映像と、情報端末2の映像とが合成された映像を出力している場合に、情報端末2のユーザのキ―入力によって得られる設定情報を保持している。情報端末2は、映像の出力を終了する時に、HDMIケーブル4その他の通信手段を用いて、その設定情報をテレビジョン放送受信装置3に送信する。これにより、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が終了した場合であっても、テレビジョン放送受信装置3は、当該設定情報に基づいてチャンネルを選択することにより、映像を表示する。これにより、視聴状態が継続される。
【0132】
なお、さらに他の実施の形態において、図2のステップS220において設定情報の取得に失敗する場合がある(ステップS220にてNO)。たとえば、外部出力先として情報端末2に接続されている装置がテレビジョン放送受信機能を有しておらず、単なる表示装置の場合である。このような場合には、情報端末2は、設定情報保存部31に残っている設定情報として最後に視聴されたチャンネルを選択する。情報端末2は、そのチャンネルからの映像と、表示装置9に表示されている映像とを合成し、合成によって得られた信号を出力する。これにより、より多くの情報の外部出力が可能になり、また、情報端末2の表示装置9よりも大きな表示装置において映像を表示することができる。
【0133】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、放送受信機能を有する装置、たとえば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、テレビジョン受信装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 映像表示システム、2 情報端末、3 テレビジョン放送受信装置、4 ケーブル、5,25 デジタル放送チューナー部、6,29 キー入力インターフェース、7,23 合成データ生成部、9,18 表示装置、10,19 画像合成部、11,20 画像データ処理部、12,21 音声データ処理部、13,22 制御データ処理部、14,17 スピーカ、15,16 外部接続インターフェース部、26 リモコン入力インターフェース、27 リモコン、28 ネットワークインターフェース、30,32 RAM、31,33,31,33 設定情報保存部、34 インターネット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送受信装置(以下、TVと略す。)でデジタル放送を視聴中に、携帯端末、スマートフォンその他の情報端末からTVに外部出力を行う場合に情報端末の画面とデジタル放送の映像とを合成して、合成された映像をTVに出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TVは、デジタル放送を受信して再生する機能と、リモコンやキ―操作によって選局、または画質若しくは音質の設定を行う機能とを有する。また、TVの大画面を有効に利用する手段の一つとして当該TVに接続される外部機器からの出力にも対応し、TV以下の表示解像度しか持たない外部機器の映像表示を補助する機能も有する。
【0003】
一方、外部出力機能を有する情報端末は、近年の高機能化により、デジタル放送を受信する機能も有しており表示解像度を除いては、TVと同等以上の機能を有することが多い。
【0004】
TVがデジタル放送の映像と外部から入力される映像とを合成して表示するPinP(Picture in Picture:ピクチャー・イン・ピクチャー)機能を有する場合、当該情報端末からTVに映像を出力すると、ユーザは、TVの視聴を継続しながら情報端末から出力される画像も確認できる。
【0005】
また、特開2006−333101号公報(特許文献1)は、現在TVで視聴中のチャンネル情報、出力中の音声モードその他の設定情報を、情報端末に送信し、その情報に連動した表示画像を生成して、その表示画像を外部出力する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−333101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有さない場合において、情報端末がTVに映像を出力すると、TVは、外部から入力された映像しか表示できず、ユーザは、TV視聴を継続できないという問題がある。また、TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有する場合には、TVは、外部から入力された映像と視聴中のデジタル放送とを同時に表示可能であるが、既にユーザが当該ピクチャー・イン・ピクチャー機能を用いて複数チャンネルを視聴している場合、複数チャンネルでの視聴の継続ができない場合がある。
【0008】
また、特開2006−333101号公報に開示された技術は、TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有することを前提としている。そのため、TVがピクチャー・イン・ピクチャー機能を有さない場合、ユーザは、視聴を継続できないことになる。また、当該技術は、情報端末がデジタル放送機能を有する場合を考慮しておらず、インターネットなどの情報通信ネットワークを介して収集した情報しか連携表示できないことになる。
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、情報端末がTVに映像を出力する場合に、視聴状態の継続を可能とする情報端末とテレビジョン放送受信装置、映像表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施の形態にしたがう情報端末は、テレビジョン放送受信装置と通信するための通信手段と、デジタル放送を選択的に受信するための選局部と、画像を表示するための表示装置と、情報端末の動作を制御するための制御部とを備える。制御部は、テレビジョン放送受信装置から受信した情報から、テレビジョン放送受信装置において選局されているチャンネル情報を取得するためのチャンネル情報取得手段と、チャンネル情報に基づくデジタル放送を選局部に選択させるための受信制御手段と、選局部の選択によって受信されたデジタル放送と、表示装置に表示されている画像とを合成するための合成手段とを含む。通信手段は、合成手段によって生成された画像をテレビジョン放送受信装置に送信する。
【0011】
好ましくは、制御部は、テレビジョン放送受信装置によって送られる情報から、テレビジョン放送受信装置で設定されている動作モードを取得するための動作モード取得手段をさらに含む。合成手段は、動作モードに基づいて、デジタル放送と画像とを合成する。
【0012】
好ましくは、選局部は、複数のチューナを含む。受信制御手段は、複数のチューナの各々にデジタル放送を受信させる。合成手段は、各チューナによって受信されたデジタル放送の各映像と、画像とを合成する。
【0013】
好ましくは、選局部は、字幕データを有するデジタル放送を受信可能である。合成手段は、字幕データを含む映像と、画像とを合成する。
【0014】
好ましくは、情報端末は、当該情報端末において設定されている端末情報を格納するための記憶手段をさらに備える。通信手段は、端末情報をテレビジョン放送受信装置に送信する。
【0015】
好ましくは、端末情報は、情報端末において選択されているチャンネル、映像の表示モードまたは音量レベルの少なくともいずれかを含む。
【0016】
他の実施の形態にしたがうと、テレビジョン放送受信装置が提供される。このテレビジョン放送受信装置は、テレビジョン放送を受信するための選局部と、テレビジョン放送受信装置に対する指示を受け付ける指示入力部と、テレビジョン放送受信装置において設定されている動作モードを格納するための記憶部と、テレビジョン放送受信装置に接続されている情報端末と連携する指示に基づいて、動作モードを情報端末に送信するための送信部とを備える。
【0017】
好ましくは、動作モードは、テレビジョン放送受信装置の現在の視聴状態、および、複数のチャンネルの各々に基づく各映像を合成できるか否かを表わす情報の少なくともいずれかを含む。
【0018】
他の実施の形態にしたがう映像表示装置は、上記のいずれかに記載の情報端末と、テレビジョン放送受信装置とを備える。
【0019】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る映像表示システム1の構成を表すブロック図である。
【図2】情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に信号を出力する場合における一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【図3】外部入力要求として、テレビジョン放送受信装置3が情報端末2からのデータの入力を受け付ける要求を受信した場合における処理を表わすフローチャートである。
【図4】テレビジョン放送受信装置3が複数の番組の視聴と合成ができない場合において、情報端末2が画面を合成する例を示す図である。
【図5】情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とが実行する処理を表わすフローチャートである。
【図6】テレビジョン放送受信装置3の表示装置18が複数の画面を同時に表示できる場合に表示される画面を表わす図である。
【図7】テレビジョン放送受信装置3および情報端末2が同時に5画面の画像を表示できる場合における画面の表示態様を表わす図である。
【図8】テレビジョン放送受信装置3と情報端末2とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【図9】情報端末2が実行する一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【図10】テレビジョン放送受信装置3が外部信号の入力を終了するときに実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】外部入力の開始から終了までにおける情報端末2およびテレビジョン放送受信装置3の状態の変化を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像表示システム1の構成を表すブロック図である。映像表示システム1は、情報端末2と、テレビジョン放送受信装置3とを含む。情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とは、たとえば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル4によって接続されるが、通信の態様はこれに限られない。情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とは、たとえば、CEC(Consumer Electronics Control)信号によって通信される。なお、通信の態様は、無線LAN(Local Area Network)その他の双方向可能な通信手段であればよい。
【0023】
ある局面において、情報端末2は、たとえば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、セットトップボックスその他の端末であって、デジタル放送を受信可能な端末として実現される。
【0024】
[情報端末]
情報端末2は、デジタル放送チューナー部5と、キー入力インターフェース6と、合成データ生成部7と、CPU(Central Processing Unit)8と、表示装置9と、画像合成部10と、画像データ処理部11と、音声データ処理部12と、制御データ処理部13と、スピーカ14と、外部接続インターフェース部15と、ネットワークインターフェース28と、RAM(Random Access Memory)30とを含む。RAM30は、設定情報保存部31を含む。
【0025】
デジタル放送チューナー部5は、一つ以上のチューナーによって実現される。ある局面において、デジタル放送チューナー部5は、2つ以上のチューナーによって実現される。
【0026】
キー入力インターフェース6は、キーボード、タッチパネル、スイッチ、トラックパッドその他の入力装置として実現される。
【0027】
合成データ生成部7は、字幕データと映像データとを合成して、字幕が含まれた映像を生成する。
【0028】
CPU8は、情報端末2の動作を制御する。たとえば、CPU8は、デジタル放送チューナー部5による選局を指示する。CPU8は、キー入力インターフェース6からの入力を受け付ける。
【0029】
他の局面において、CPU8は、ネットワークインターフェース28を介して、インターネット34に接続されている装置と通信する。CPU8は、たとえば、情報端末2のソフトウェアを更新するためのプログラムを、当該プログラムの提供者(たとえば、情報端末2の製造者)からダウンロードし、あるいは、テレビジョン放送受信装置3の機能を示す情報を、当該情報の提供者(たとえば、テレビジョン放送受信装置3の製造者)からダウンロードする。さらに別の局面において、CPU8は、テレビジョン放送受信装置3の設定情報を、テレビジョン放送受信装置3からインターネット34経由でも取得し得る。
【0030】
CPU8は、RAM30にデータを書き込み、また、RAM30からデータを読み出す。CPU8は、デジタル放送チューナー部5から送られる信号を、画像データと音声データとに分けて、画像データを画像データ処理部11に送出し、音声データを音声データ処理部12に送出する。
【0031】
表示装置9は、たとえば液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置として実現される。表示装置9は、デジタル放送の映像、撮影された動画、映画その他の画像を表示し得る。
【0032】
画像合成部10は、デジタル放送チューナー部5によって選択されたチャンネルに基づいて受信されるデジタル放送の画像と、表示装置9に表示されている映像とを合成する。ある局面において、デジタル放送チューナー部5が複数のチューナーを有する場合には、表示装置9に表示される映像は、情報端末2のユーザによって選択されたチャンネルで受信されるデジタル放送の映像となり得る。他の局面において、表示装置9に表示される映像は、デジタル放送の映像以外の映像、たとえば、撮影によって得られた動画、ダウンロードまたは記憶装置から読み出された映画、文書、PDFドキュメント等を含み得る。
【0033】
画像データ処理部11は、CPU8から送られた画像信号を用いて、情報端末2において設定されている画像表示モードに応じた映像信号を生成する。画像信号は、テレビジョン放送に基づく信号、撮影された動画像を表示するための信号、記憶媒体から読み出された映像信号等を含む。
【0034】
音声データ処理部12は、設定情報保存部31に格納されている設定情報に規定された音量レベルとなるように、CPU8から送られた音声信号の音量レベルを調整する。音声データ処理部12は、調整後の音声信号を、スピーカ14または外部接続インターフェース部15に送信する。
【0035】
さらに、情報端末2は、テレビジョン放送の受信および表示に加え、ネットワークインターフェース28およびインターネット34を介して送受信したデータを表示装置9に表示する。情報端末2は、キー入力インターフェース6を介して、情報端末2のユーザの指示を受け付け、設定情報保存部31に保存する。設定情報保存部31は、データを不揮発的に保持できるメモリとして実現される。
【0036】
情報端末2は、外部接続インターフェース部15を介して、テレビジョン放送受信装置その他の機器との接続を受け付け、当該他の機器に対して画像データまたは音声データを送信する。たとえば、情報端末2は、後述のように、画像合成部10によって生成されたデータを、テレビジョン放送受信装置3に送信できる。
【0037】
制御データ処理部13は、RAM30によって保持されているデータを、外部接続インターフェース部15を介して、テレビジョン放送受信装置3その他の外部機器に送信し、または、当該外部機器から制御データを受信する。外部接続インターフェース部15は、たとえば、HDMI規格に従うものであるが、他の規格に従うインターフェースであってもよい。また、通信の態様は、有線および無線のいずれであってもよい。
【0038】
設定情報保存部31は、ある局面において、フラッシュRAMとして実現される。設定情報保存部31は、予め規定された動作、または、ユーザによって指示された動作を、情報端末2に実行させるために設定されたデータを保持する。また、設定情報保存部31は、情報端末2が所定の動作を実行するために設定されたデータを保持する。このデータは、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3から受信されたデータであるが、他の局面において、インターネット34を介して取得されたデータであってもよい。
【0039】
より詳しくは、設定情報保存部31は、表示装置9を用いた映像の視聴状態に関する情報を保持する。視聴状態に関する情報とは、具体的には、たとえば、ユーザの指示によって得られるチャンネル情報、字幕ON/OFFの設定、音量設定、音声トラック情報、画質設定、三次元表示(以下「3D表示」という。)のON/OFFの設定等を含む。音量設定については、設定情報保存部31は、各機器の最大音量に対しての現在の音量を相対的な数値で保持する。画質設定については、設定情報保存部31は、たとえば、ゲーム用、静止画用、あるいは動画用のような用途を示すデータを保存する。
【0040】
[テレビジョン放送受信装置]
テレビジョン放送受信装置3は、外部接続インターフェース部16と、スピーカ17と、表示装置18と、画像合成部19と、画像データ処理部20と、音声データ処理部21と、制御データ処理部22と、合成データ生成部23と、CPU24と、デジタル放送チューナー部25と、リモコン入力インターフェース26と、キー入力インターフェース29と、RAM32とを含む。RAM32は、設定情報保存部33を含む。
【0041】
キー入力インターフェース29は、キーボード、タッチパネル、スイッチ、トラックパッドその他の入力装置として実現される。
【0042】
合成データ生成部23は、字幕データと映像データとを合成して、字幕が含まれた映像を生成する。
【0043】
CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の動作を制御する。たとえば、CPU24は、デジタル放送チューナー部25による選局を指示する。CPU24は、キー入力インターフェース29からの入力を受け付ける。CPU24は、RAM32にデータを書き込み、また、RAM32からデータを読み出す。CPU24は、デジタル放送チューナー部25から送られる信号を、画像データと音声データとに分けて、画像データを画像データ処理部20に送出し、音声データを音声データ処理部21に送出する。
【0044】
表示装置18は、たとえば液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、プラズマ表示装置として実現される。表示装置18は、デジタル放送の映像、撮影された動画、映画その他の画像を表示し得る。
【0045】
画像合成部19は、デジタル放送チューナー部25によって選択されたチャンネルに基づいて受信されるデジタル放送の画像と、表示装置18に表示されている映像とを合成する。ある局面において、デジタル放送チューナー部25が複数のチューナーを有する場合には、表示装置18に表示される映像は、テレビジョン放送受信装置3のユーザによって選択されたチャンネルで受信されるデジタル放送の映像となり得る。たとえば、画像合成部19は、複数のチューナのうち第1のチューナによって選局されたチャンネルの映像を親画面として表示装置18の中央に表示し、第2のチューナによって選局されたチャンネルの映像を子画面として親画面の一部にPinPの形で、あるいは、親画面に隣接する態様で、その画面を表示する。なお、複数のチャンネルに基づく各映像の表示が指示された場合において、各映像が表示される場所は、予め設定情報保存部33に保持されている。
【0046】
他の局面において、表示装置18に表示される映像は、デジタル放送の映像以外の映像、たとえば、撮影によって得られた動画、ダウンロードまたは記憶装置から読み出された映画、文書、PDFドキュメント等を含み得る。
【0047】
画像データ処理部20は、CPU24から送られた画像信号を用いて、テレビジョン放送受信装置3において設定されている画像表示モードに応じた映像信号を生成する。画像信号は、テレビジョン放送に基づく信号、撮影された動画を表示するための信号、記憶媒体から読み出された映像信号等を含む。
【0048】
音声データ処理部21は、設定情報保存部33に格納されている設定情報に規定された音量レベルとなるように、CPU24から送られた音声信号の音量レベルを調整する。音声データ処理部21は、調整後の音声信号を、スピーカ17または外部接続インターフェース部16に送信する。
【0049】
リモコン入力インターフェース26は、リモコン27によって発信された制御信号を受信し、その制御信号をCPU24に送出する。CPU24は、その制御信号に基づいて、デジタル放送チューナー部25によるチャネルの選択、音量の切り替え、画質の表示モードの変更等を実行する。
【0050】
テレビジョン放送受信装置3は、デジタル放送チューナー部25を介してテレビジョン放送を受信し、映像を表示装置18に表示する。テレビジョン放送受信装置3は、キー入力インターフェース29、または、リモコン入力インターフェース26を介して、リモコン27から送られたユーザ指示を受け付け、RAM32内の設定情報保存部33に保存する。
【0051】
テレビジョン放送受信装置3は、また、外部接続インターフェース部16を介して、情報端末2その他の機器による接続を受け付ける。テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2によって送られる画像データまたは音声データを受信し、スピーカ17を介して音声を出力し、または、表示装置18に画像を表示する。
【0052】
制御データ処理部22は、外部接続インターフェース部16を介して、設定情報保存部33内の制御データを、情報端末2その他の機器に送信し、または、当該他の機器から制御データを受信する。ここで、制御データは、たとえば、テレビジョン放送受信装置3が有する機能を示すデータを含む。制御データは、一例として、PinPが可能であるか否かを示すコードや、PinPが可能である場合に、複数の画面を表示装置18のどの位置に表示させるべきかを示すコードを含む。
【0053】
設定情報保存部33は、ある局面において、フラッシュRAMとして実現される。設定情報保存部33は、予め規定された動作、または、ユーザによって指示された動作を、テレビジョン放送受信装置3に実行させるために設定されたデータを保持する。また、設定情報保存部33は、テレビジョン放送受信装置3が所定の動作を実行するために設定されたデータを保持する。このデータは、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3のユーザによってリモコン27から入力されたデータであるが、これに限られない。たとえば、当該データは、インターネット34を介して取得されたデータ、外部接続インターフェース部16を介して情報端末2から受信したデータであってもよい。
【0054】
より詳しくは、設定情報保存部33は、表示装置18における視聴状態に関する情報を保持する。視聴状態に関する情報とは、具体的には、ユーザの指示によって得られるチャンネル情報、字幕ON/OFFの設定、音量設定、音声トラック情報、画質設定、3D表示のON/OFFの設定等を含む。音量設定については、設定情報保存部33は、各機器の最大音量に対しての現在の音量を相対的な数値で保持する。画質設定については、設定情報保存部31は、たとえば、ゲーム用、静止画用、あるいは動画用のような用途を示すデータを保存する。
【0055】
[制御構造]
図2を参照して、本実施の形態に係る情報端末2の制御構造について説明する。図2は、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に信号を出力する場合における一連の処理の一部を表わすフローチャートである。この処理は、たとえば、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続された後に、情報端末2からテレビジョン放送受信装置3に対して信号を出力する指示が情報端末2に与えられた場合に実行される。
【0056】
ステップS210にて、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とが無線または有線で接続される。その後、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3から送られた信号に基づき、または、情報端末2のユーザ操作に基づき、外部出力開始準備として、情報端末2の動作モードを、信号をテレビジョン放送受信装置3に送信するためのモードに切り換える。
【0057】
ステップS215にて、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3が保持している設定情報を取得するために、テレビジョン放送受信装置3に対して、設定情報を要求する。
【0058】
ステップS220にて、情報端末2のCPU8は、設定情報の取得が成功したか否かを判断する。この判断は、たとえば、テレビジョン放送受信装置3から送られるデータから設定情報が抽出されたか否かに基づいて行なわれる。CPU8は、設定情報の取得が成功したと判断すると(ステップS220にてYES)、制御をステップS225に切り換える。そうでない場合には(ステップS220にてNO)、CPU8は、制御をステップS285に切り換える。この場合、情報端末2は、予め設定された情報に基づいて、情報端末2が受信している映像または音声を、あるいは、情報端末2に保存されている映像または音声を、テレビジョン放送受信装置3に送信することになる。
【0059】
ステップS225にて、制御データ処理部13は、テレビジョン放送受信装置3から受信した設定情報を解析し、テレビジョン放送受信装置3において具体的に設定されているデータを取得する。このデータは、選択されているチャンネル、設定されている音量レベル、設定されている画質モード、3D表示モードの設定の有無等を含む。
【0060】
ステップS230にて、CPU8は、設定情報の解析によって得られたデータに基づいて、情報端末2において、テレビジョン放送受信装置3において選択されているチャンネルと同一のチャンネルが視聴されているか否かを確認する。同一のチャンネルが視聴されている場合には(ステップS230にてYES)、CPU8は、制御をステップS240に切り換える。そうでない場合には(ステップS230にてNO)、CPUは、制御をステップS235に切り換える。
【0061】
ステップS235にて、CPU8は、デジタル放送チューナー部5に選局させることにより、テレビジョン放送受信装置3において選択されているチャンネルと同一のチャンネルの放送を受信する。
【0062】
ステップS240にて、CPU8は、受信した設定情報の解析結果に基づいて、字幕設定がONになっているか否かを判断する。CPU8は、字幕設定がONになっていると判断すると(ステップS240にてYES)、制御をステップS245に切り換える。そうでない場合には(ステップS240にてNO)、CPU8は、制御をステップS250に切り換える。
【0063】
ステップS245にて、CPU8は、字幕を有効に設定する。合成データ生成部7は、その設定に基づき、合成データとして、字幕を含む映像を生成する。
【0064】
ステップS250にて、CPU8は、音量の設定を確認するために、テレビジョン放送受信装置3における設定を表わす相対値と、情報端末2における設定を表わす相対値とが同一であるか否かを判断する。CPU8は、これらの相対値が同一であると判断すると(ステップS250にてYES)、制御をステップS260に切り換える。そうでない場合には(ステップS250にてNO)、CPU8は、制御をステップS255に切り換える。
【0065】
ステップS255にて、音声データ処理部21は、設定情報の解析結果(相対値)に基づいて、音量の設定が同一となるように、情報端末2における音量を、テレビジョン放送受信装置3における音量に設定する。
【0066】
ステップS260にて、CPU8は、設定情報の解析結果に基づいて、情報端末2における画質モードの設定と、テレビジョン放送受信装置3における画質モードの設定とが同一であるか否かを判断する。CPU8は、これらの画質モードの設定が同一であると判断すると(ステップS260にてYES)、制御をステップS270に切り換える。そうでない場合には(ステップS260にてNO)、CPU8は、制御をステップS265に切り換える。
【0067】
ステップS265にて、画像データ処理部11は、情報端末2の画質モードを、テレビジョン放送受信装置3における画質モードに設定する。
【0068】
ステップS270にて、CPU8は、設定情報の解析結果に基づいて、3D表示モードの設定がONであるか否かを判断する。CPU8は、3D表示モードの設定がONであると判断すると(ステップS270にてYES)、制御をステップS275に切り替える。そうでない場合には(ステップS270にてNO)、CPU8は、制御をステップS280に切り換える。
【0069】
ステップS275にて、CPU8は、3D表示が有効となるように、情報端末2の動作モードを3D表示モードに切り換える。
【0070】
ステップS280にて、画像合成部10は、情報端末2で表示されている映像と、デジタル放送チューナー部5から送られる信号に基づく映像とを合成する。さらに、画像合成部10は、音声データ処理部12で加工された音声データを、合成により生成された映像データに関連付ける。このとき、各映像に対応する音声を選択的に出力するために、画像合成部10は、音声データの選択を表わす制御コードを音声データに付与してもよい。このようにすると、テレビジョン放送受信装置3のユーザは、複数の映像のうちのいずれかの映像の音声のみを聞くことが可能になる。
【0071】
ステップS285にて、情報端末2は、外部接続インターフェース部15を介して、画像合成部10によって生成されたデータを、テレビジョン放送受信装置3に出力する。テレビジョン放送受信装置3は、そのデータに基づいて映像および音声を出力するので、テレビジョン放送受信装置3における視聴状態が再現され得る。
【0072】
図3を参照して、テレビジョン放送受信装置3の制御構造について説明する。図3は、外部入力要求として、テレビジョン放送受信装置3が情報端末2からのデータの入力を受け付ける要求を受信した場合における処理を表わすフローチャートである。
【0073】
ステップS310にて、テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2から、外部接続インターフェース部16を介して、設定情報の取得要求を受信する。
【0074】
ステップS320にて、CPU24は、その取得要求に応答して、設定情報保存部33に保存された設定情報を読み出して、読み出した設定情報を情報端末2に送信する。情報端末2は、設定情報を受信すると、その解析によって得られるデータに基づいて映像および音声データを生成する。
【0075】
ステップS330にて、CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の動作モードを、外部接続インターフェース部16を介して外部からの信号の入力を受け付ける入力モードに切り換えて、情報端末2から送られるデータを待機する。
【0076】
ステップS340にて、CPU24は、情報端末2から送られてきた映像データおよび音声データの入力の受け付けを開始する。CPU24は、入力された映像データを画像データ処理部20に送出し、音声データを音声データ処理部21に送出する。画像データ処理部20は、その画像データに対して必要な処理(たとえば、画質調整、サイズ調整等)を実行し、処理後のデータを画像合成部19に送出する。音声データ処理部21は、音声データに対して必要な処理(たとえば、音量調整、バランス調整等)を実行し、処理後のデータを、スピーカ17に送出する。スピーカ17は、音声データに基づいて音声を再生する。一方、画像合成部19は、画像データ処理部20から送られる画像データと、合成データ生成部23から送られるデータ(たとえば字幕データ)とを合成し、合成によって得られたデータを表示装置18に送出する。表示装置18は、そのデータに基づいて映像を表示する。
【0077】
図4および図5を参照して、情報端末2およびテレビジョン放送受信装置3に表示される画面について説明する。図4は、テレビジョン放送受信装置3が複数の番組の視聴と合成ができない場合において、情報端末2が画面を合成する例を示す図である。図5は、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とが実行する処理を表わすフローチャートである。
【0078】
図4(A)に示されるように、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3は、デジタル放送チューナー部25において選局されているチャンネルに基づく映像を表示している。テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2からの要求に基づいて、そのチャンネル番号その他の設定情報を、情報端末2に送信する(ステップS510)。情報端末2が、テレビジョン放送受信装置3から、その設定情報を受信すると、そのチャンネル番号に基づく映像410と、情報端末2が当初から表示していた映像420とを合成する。図4(B)に示されるように、情報端末2は、合成によって生成された映像を表示する。ここで、映像410,420のレイアウトは、図4に示されるものに限られない。たとえば、表示装置18の画面表示領域が2分割されて、2つの映像が同じサイズで表示されてもよい。あるいは、情報端末2から送られた信号に基づいて映像が表示されていることを明示するために、「外部映像」のような表示が、映像の近傍に示されてもよい。
【0079】
情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との通信が確立されると、情報端末2は、表示装置9に表示されている映像と同じ映像(図4(B)を表示するためのデータを、テレビジョン放送受信装置3に送信する(ステップS520)。テレビジョン放送受信装置3は、そのデータに基づき、表示装置18に映像を表示する(ステップS530)。
【0080】
なお、テレビジョン放送受信装置3が複数の画面を表示するためのトリガーは、上述の態様に限られない。たとえば、テレビジョン放送受信装置3に接続されている情報端末2が携帯電話機である場合には、電話の着信時に、または、メールの受信時に、テレビジョン放送受信装置3が2画面またはそれよりも多い画面を表示してもよい。この場合、電話の着信を示す画面、または、メールの受信を示す画面がテレビジョン放送受信装置3に表示され得る。あるいは、テレビジョン放送受信装置3のユーザがリモコン27を用いて、複数画面の表示を指示した場合であってもよい。
【0081】
さらに他の局面において、テレビジョン放送受信装置3がデータ放送を受信している場合において、文字入力画面に切り替わる指示が前記テレビジョン放送受信装置3のユーザによって与えられたときに、テレビジョン放送受信装置3が複数画面を表示してもよい。このようにすると、ユーザは、情報端末2の操作による文字入力をテレビジョン放送受信装置3の表示装置9で確認できるため、利便性が向上し得る。
【0082】
図6〜図8を参照して、テレビジョン放送受信装置3および情報端末2における画面の表示態様についてさらに説明する。図6は、テレビジョン放送受信装置3の表示装置18が複数の画面を同時に表示できる場合に示される画面を表わす図である。
【0083】
図6(A)を参照して、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3は、選択された2つのチャンネルに基づいて、2つの画面610,620を表示している。図6(B)を参照して、このとき、情報端末2は、選択された2つのチャンネルに基づいて、2つの画面630,640を表示している。
【0084】
情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続されると、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対して設定情報を要求して、テレビジョン放送受信装置3において選択されているチャンネル、画質設定および画面レイアウトを取得する。情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3において、画面610,620に対応する2つのチャンネルが選択されていることを検出する。情報端末2は、画面610に対応するチャンネルと、画面640に対応するチャンネルとが同じであることを検知する。さらに、情報端末2は、画面620に対応するチャンネルが新たに受信すべきチャンネルであることを検知する。
【0085】
情報端末2は、自身における画面の表示レイアウト(図6(B))に基づいて、さらに、第3のチューナを起動して、画面620に対応するチャンネルを選択する。情報端末2は、3つのチューナによって選択された各チャンネルの各映像を合成する。たとえば、情報端末2のCPU8が、テレビジョン放送受信装置3の表示装置18が情報端末2の表示装置9よりも大きいことを検知すると、CPU8は、情報端末2に表示されている画面のレイアウトをベースに、テレビジョン放送受信装置3の表示装置18に表示されるべき画面を作成する。具体的には、画像合成部10は、上記第3のチューナで選択されるチャンネルの画面が、表示装置9の表示領域の外側かつ表示装置18の表示領域内に配置されるように、画面のレイアウトを決定する。レイアウトを決定するためのルールは、たとえば、情報端末2において予め規定されている。
【0086】
図6(C)に示される例では、画面630,640のレイアウトは、画面660,670のレイアウトに対応する。さらに、第3のチューナで選択されたチャンネルの映像が画面650として表示される。なお、第3のチューナで選択されたチャンネルの映像が画面650の場所に表示されるように各画面が情報端末2において合成される代わりに、画面680または画面690の場所に表示されるように、情報端末2は、各チャンネルの映像を合成してもよい。
【0087】
図7は、テレビジョン放送受信装置3および情報端末2が同時に5画面の画像を表示できる場合における画面の表示態様を表わす図である。図7(A)に示されるように、テレビジョン放送受信装置3は、画面710,720,721,722を表示している。なお、各画面のレイアウトは図7(A)に示されるものに限られない。また、各画面のサイズは、均等であってもよい。各画面が情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続されると、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対して設定情報を要求する。テレビジョン放送受信装置3は、その要求に応答して、チャンネル情報、画質設定、画面レイアウト情報、画面サイズ等を含む設定情報を、情報端末2に送信する。
【0088】
図7(B)に示されるように、情報端末2は、2つのチューナを用いて2つのチャンネルを選択しており、画面730,740を表示している。情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3から設定情報を受信すると、その設定情報から得られるチャンネルであって情報端末2において選択されていないチャンネルを特定する。
【0089】
情報端末2は、さらに、その特定されたチャンネルを選択するためにチューナを作動させる。具体的には、情報端末2は、画面720,721,722を表示するために3つのチューナを起動して、当該チャンネルを選択する。一方、画面710に対応するチャンネルは、情報端末2の画面740に対応するチャンネルと同じであるため、情報端末2は、このチャンネルをそのまま用いる。情報端末2は、画面730,740の表示のために既に起動されている2つのチューナと新たに起動された3つのチューナとから得られる映像を合成して、5つの画面をまとめて表示するためのデータを生成する。
【0090】
各画面のレイアウトは、図6の場合と同様に、一例として、表示領域が小さい情報端末2における画面のレイアウトに基づいて決定される。すなわち、テレビジョン放送受信装置3において選択されており、かつ、情報端末2において選択されていないチャンネルに対応する画面が、表示装置9の表示領域の外側かつ表示装置18の表示領域の内側に配置されるように、当該画面の位置情報が決定される。この場合、複数の画面を配置する場合の初期の位置は、たとえば、左上、あるいは右上のように、予め定められている。情報端末2は、そのような合成によって得られた画面データをテレビジョン放送受信装置3に送信する。
【0091】
テレビジョン放送受信装置3は、その画面データを受信すると、合成された画面を表示装置18に表示する。その画面は、テレビジョン放送受信装置3および情報端末2において選択されていた5つのチャンネルに対応する画面750,751,752,760,770を含む。
【0092】
図8は、テレビジョン放送受信装置3と情報端末2とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。この処理は、図6または図7に示されるように、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に接続された場合に実行される。
【0093】
ステップS810にて、テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2から送られた要求に応答して、デジタル放送チューナー部25において選択されているチャンネルを示す情報その他の設定情報を情報端末2に送信する。なお、送信のタイミングは要求に応答する態様に限られず、他の局面において、予め定められた送信条件が成立した場合にテレビジョン放送受信装置3が情報端末2に送信してもよい。予め定められた送信条件としては、たとえば、一定時間ごとに設定情報が、テレビジョン放送受信装置3から情報端末2に送信されるものであってもよい。
【0094】
ステップS820にて、情報端末2は、その情報に基づき、テレビジョン放送受信装置3において複数のチャンネルが選択されていることを検知する。
【0095】
ステップS830にて、情報端末2は、それ自身が選択している複数のチャンネルと、テレビジョン放送受信装置3において選択されている複数のチャンネルとの間に、同じチャンネルがあるか否かを判断する。情報端末2は、同じチャンネルがあると判断すると(ステップS830にてYES)、制御をステップS840に切り換える。そうでない場合には(ステップS830にてNO)、情報端末2は、制御をステップS850に切り換える。
【0096】
ステップS840にて、情報端末2は、それ自身における番組の表示レイアウトを用いて、それらの番組と、テレビジョン放送受信装置のチャンネルに基づく番組とを合成する。
【0097】
ステップS850にて、情報端末2は、予め定められた基準に従って番組を合成する。具体的には、情報端末2のCPU8は、複数のチャンネルが選択されている場合に各映像を表示する位置として予め定められた位置に各映像が表示されるように、画像データを構成する。
【0098】
ステップS860にて、情報端末2は、合成によって生成された映像信号を、テレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、その映像信号に基づいて、各チャンネルの映像を表示する。
【0099】
図9を参照して、情報端末2の制御構造についてさらに説明する。図9は、情報端末2が実行する一連の処理の一部を表わすフローチャートである。
【0100】
ステップS910にて、情報端末2のCPU8は、キー入力インターフェース6からの信号に基づいてユーザ操作を受け付け、テレビジョン放送受信装置3に対する外部出力を終了する指示が与えられたことを検知する。
【0101】
ステップS920にて、情報端末2は、外部出力を終了するための処理を開始する。すなわち、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対して信号を送信することにより、テレビジョン放送受信装置3との通信セッションを形成する。
【0102】
ステップS930にて、情報端末2は、設定情報保存部31に保存されている設定情報をテレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、受信した設定情報と、受信日時および情報端末2を識別するデータとを関連付けて、これらのデータを設定情報保存部33に格納する。
【0103】
ステップS940にて、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3に対する画像データおよび音声データの出力を停止する。ステップS950にて、情報端末2は、外部出力処理を終了する。具体的には、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3との通信セッションを終了する。
【0104】
次に、図10を参照して、テレビジョン放送受信装置3の制御構造について説明する。図10は、テレビジョン放送受信装置3が外部信号の入力を終了するときに実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS1010にて、テレビジョン放送受信装置3のCPU24は、情報端末2から設定情報の受信を検知する。
【0106】
ステップS1015にて、CPU24は、設定情報の受信が成功したか否かを判断する。ここで、設定情報の受信が成功とは、情報端末2から受信したデータから設定情報が正確に読み取れたことをいう。CPU24は、設定情報の受信が成功したと判断すると(ステップS1015にてYES)、制御をステップS1020に切り換える。そうでない場合には(ステップS1015にてNO)、CPU24は、制御をステップS1080に切り換える。
【0107】
ステップS1020にて、CPU24は、外部入力を終了処理を開始する。具体的には、ステップS1025にて、CPU24は、情報端末2から受信した設定情報を解析して、設定情報に含まれているチャンネル情報、画質情報等を抽出する。
【0108】
ステップS1030にて、CPU24は、設定情報の解析結果に基づいて、情報端末2において選択されているチャンネルをデジタル放送チューナー部25に選択させる。表示装置18は、そのチャンネルの映像を表示する。
【0109】
ステップS1035にて、CPU24は、設定情報の解析結果に基づいて、字幕をONに設定されているか否かを判断する。CPU24は、字幕がONに設定されていると判断すると(ステップS1035にてYES)、制御をステップS1040に切り換える。そうでない場合には(ステップS1035にてNO)、CPU24は、制御をステップS1045に切り換える。
【0110】
ステップS1040にて、CPU24は、字幕をONに設定する。
ステップS1045にて、CPU24は、受信した設定情報と設定情報保存部33に保存されている設定情報とに基づいて、情報端末2において設定されている音量とテレビジョン放送受信装置3において設定されている音量とが同一であるか否かを判断する。これらの音量が同一である場合には(ステップS1045にてYES)、CPU24は、制御をステップS1055に切り換える。そうでない場合には(ステップS1045にてNO)、CPU24は、制御をステップS1050に切り換える。
【0111】
ステップS1050にて、CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の音量を、情報端末2の音量と同一レベルに設定する。
【0112】
ステップS1055にて、CPU24は、受信した設定情報と、設定情報保存部33に保存されている設定情報とに基づいて、情報端末2の画質モードと、テレビジョン放送受信装置3の画質モードとが同一であるか否かを判断する。CPU24は、これらの画質モードが同一であると判断すると(ステップS1055にてYES)、制御をステップS1065に切り換える。そうでない場合には(ステップS1055にてNO)、CPU24は、制御をステップS1060に切り換える。
【0113】
ステップS1060にて、CPU24は、テレビジョン放送受信装置3の画質モードを、情報端末2の画質モードに設定する。画像データ処理部20は、その設定に基づいて画像データを処理して、処理後のデータを画像合成部19に送信する。
【0114】
ステップS1065にて、CPU24は、受信した設定情報の解析結果に基づいて、3D表示モードがONに設定されているか否かを判断する。CPU24は、3D表示モードがONに設定されていると判断すると(ステップS1065にてYES)、制御をステップS1070に切り換える。そうでない場合には(ステップS1065にてNO)、CPU24は、制御をステップS1075に切り換える。
【0115】
ステップS1070にて、CPU24は、画像データ処理部20に対して、3D表示モードをONに設定させる。
【0116】
ステップS1075にて、テレビジョン放送受信装置3は、情報端末2での視聴状態と同様の視聴状態に基づいて視聴を再開する。
【0117】
次に、図11を参照して、情報端末2からテレビジョン放送受信装置への外部入力が終了した時の状態について説明する。図11は、外部入力の開始から終了までにおける情報端末2およびテレビジョン放送受信装置3の状態の変化を表わす図である。
【0118】
<第1パターン>
状態1100において、情報端末2は、何らかのアプリケーション(たとえば、写真のスライドショー、動画の再生等)を実行している。テレビジョン放送受信装置3は、デジタル放送チューナー部25を用いて、たとえば、1チャンネルを選局している。情報端末2とテレビジョン放送受信装置3は、電気的に接続されておらず、したがって、外部入力は行なわれていない。
【0119】
状態1110において、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3とは、電気的に接続され、情報端末2からテレビジョン放送受信装置3への外部入力が開始される。このとき、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3と通信することにより、テレビジョン放送受信装置3において選局されているチャンネルを知る。情報端末2は、既に実行しているアプリケーションに加えて、デジタル放送チューナー部5を起動して、1チャンネルを表示する。また、情報端末2は、アプリケーションと1チャンネルの映像とを含む信号を、テレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、その信号に基づいて、情報端末2において表示されている映像と同じ映像を表示する。すなわち、その映像は、実行されているアプリケーションの映像と、1チャンネルの映像とを含む。
【0120】
その後、外部入力が終了すると、状態1120として、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が解消される。情報端末2は、当該接続が解消されたことを検知すると、1チャンネルの表示を終了し、実行中のアプリケーションの表示のみを行なう。一方、テレビジョン放送受信装置3は、当該接続の解消を検知すると、デジタル放送チューナー部25によって選局されている1チャンネルからの信号に基づく映像を表示する。
【0121】
<第2パターン>
状態1110において、情報端末2のデジタル放送チューナー部5は、情報端末2のユーザの操作に基づき、チャンネルを1チャンネルから2チャンネルに切り換えると、状態1110は、状態1130に遷移する。情報端末2は、アプリケーションの映像と2チャンネルの映像とを含む信号を、テレビジョン放送受信装置3に送信する。テレビジョン放送受信装置3は、その信号に基づき、アプリケーションに基づく映像と、2チャンネルの映像とを表示する。このとき、デジタル放送チューナー部25は、1チャンネルを選局した状態であるが、ユーザが視聴しているのは2チャンネルであることを示す情報を設定情報保存部33に格納する。
【0122】
その後、状態1140に示されるように、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が遮断されると、情報端末2は、デジタル放送チューナー部5の駆動を終了し、実行中のアプリケーションの映像を表示装置9に表示する。一方、テレビジョン放送受信装置3は、当該接続の遮断を検知すると、設定情報保存部33に格納されている情報に基づいて、デジタル放送チューナー部25に2チャンネルを選局させる。
【0123】
通常のテレビジョン放送受信装置は、外部入力が終了すると、内蔵しているチューナにおいて設定されたチャンネルがそのまま選局されるため、本実施の形態における1チャンネルが表示されることになる。これに対して、本実施の形態によれば、情報端末2において選択された2チャンネルが、テレビジョン放送受信装置3においても視聴可能となるため、視聴の継続性が維持される。
【0124】
<第3パターン>
状態1110において、情報端末2のユーザが、デジタル放送チューナー部5を用いたテレビの視聴を終了する命令を情報端末2に与えると、デジタル放送チューナー部5は、選局を終了する(状態1150)。情報端末2からテレビジョン放送受信装置3に送られる信号は、したがって、情報端末2が実行しているアプリケーションの映像のみとなる。テレビジョン放送受信装置3は、その信号に基づいて、アプリケーションの映像を表示する。
【0125】
その後、状態1160に示されるように、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が遮断されると、情報端末2は、アプリケーションの映像を表示し、テレビジョン放送受信装置3は、設定情報保存部33に格納されているデータに基づいて、デジタル放送チューナー部25に1チャンネルを選局させる。
【0126】
なお、他の局面において、情報端末2は、外部入力のための接続が遮断される前に、テレビジョン放送受信装置3に対して、信号の入力源をデジタル放送チューナー部25とするコマンドと、チャンネルを切り替えるためのコマンドを送信してもよい。これにより、テレビジョン放送受信装置3におけるチャンネルの切り替えを確実に実現することができる。
【0127】
<第4パターン>
さらに他の局面として、状態1150において、テレビジョン放送の視聴を終了する指示に基づいて、テレビジョン放送受信装置3の電源がオフにされてもよい(状態1170)。すなわち、ユーザがテレビジョン放送の視聴を終了する指示を情報端末2に与えるということは、視聴を継続する意思がないものと推認される。そこで、このような指示が情報端末2に与えられた場合には、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3のと接続を遮断するまえに、情報端末2がテレビジョン放送受信装置3に対して、電源をオフにするコマンドを送信してもよい。このとき、デジタル放送チューナー部25のチャンネルは、1チャンネルが選局されており、そのチャンネル情報は、設定情報保存部33に保存される。このようにすると、テレビジョン放送受信装置3の電源がオンになった場合に、1チャンネルの映像が表示されるため、ユーザがチャンネル操作を行なう頻度が低下し得る。
【0128】
以上のようにして、本実施の形態に係る映像表示システム1によれば、情報端末2は、テレビジョン放送受信装置3において出力されている態様(選択されているチャンネル、画質モード、音量、3次元表示の有無)に基づいて、複数の画面を表示するための映像データを合成する。情報端末2が合成によって得られたデータをテレビジョン放送受信装置3に送信すると、テレビジョン放送受信装置3は、そのデータに基づいて、映像を表示し、音声を出力する。
【0129】
これにより、ある局面において、テレビジョン放送受信装置3がピクチャー・イン・ピクチャー機能に対応していない場合には、情報端末2がデジタル放送を受信し、テレビジョン放送受信装置3から得た設定情報を元に視聴中の映像を再現する。情報端末2は、さらに、当該映像と、情報端末2が表示している映像とを合成し、合成によって得られた信号を、テレビジョン放送受信装置3に出力する。これにより、テレビジョン放送受信装置3のユーザは、視聴を継続することにより外部から入力された映像を確認することができる。
【0130】
また、他の局面において、テレビジョン放送受信装置3がピクチャー・イン・ピクチャー機能に対応している場合において、かつ、全ての子画面にて映像が視聴されている場合(全てのチューナーが起動している場合)、情報端末2は、デジタル放送を受信し、テレビジョン放送受信装置3から受信した設定情報に基づいて、親画面で視聴中の番組を再現する。さらに、情報端末2は、表示装置9で表示されている映像と、再現した番組の映像とを合成し、合成によって得られた信号を、テレビジョン放送受信装置3に出力する。テレビジョン放送受信装置3がその信号に基づく映像を表示すると、テレビジョン放送受信装置3のユーザは、外部入力された映像を視聴することにより、全番組の視聴を継続することができる。
【0131】
他の局面において、情報端末2は、受信したデジタル放送に基づく映像と、情報端末2の映像とが合成された映像を出力している場合に、情報端末2のユーザのキ―入力によって得られる設定情報を保持している。情報端末2は、映像の出力を終了する時に、HDMIケーブル4その他の通信手段を用いて、その設定情報をテレビジョン放送受信装置3に送信する。これにより、情報端末2とテレビジョン放送受信装置3との接続が終了した場合であっても、テレビジョン放送受信装置3は、当該設定情報に基づいてチャンネルを選択することにより、映像を表示する。これにより、視聴状態が継続される。
【0132】
なお、さらに他の実施の形態において、図2のステップS220において設定情報の取得に失敗する場合がある(ステップS220にてNO)。たとえば、外部出力先として情報端末2に接続されている装置がテレビジョン放送受信機能を有しておらず、単なる表示装置の場合である。このような場合には、情報端末2は、設定情報保存部31に残っている設定情報として最後に視聴されたチャンネルを選択する。情報端末2は、そのチャンネルからの映像と、表示装置9に表示されている映像とを合成し、合成によって得られた信号を出力する。これにより、より多くの情報の外部出力が可能になり、また、情報端末2の表示装置9よりも大きな表示装置において映像を表示することができる。
【0133】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、放送受信機能を有する装置、たとえば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、テレビジョン受信装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 映像表示システム、2 情報端末、3 テレビジョン放送受信装置、4 ケーブル、5,25 デジタル放送チューナー部、6,29 キー入力インターフェース、7,23 合成データ生成部、9,18 表示装置、10,19 画像合成部、11,20 画像データ処理部、12,21 音声データ処理部、13,22 制御データ処理部、14,17 スピーカ、15,16 外部接続インターフェース部、26 リモコン入力インターフェース、27 リモコン、28 ネットワークインターフェース、30,32 RAM、31,33,31,33 設定情報保存部、34 インターネット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末であって、
テレビジョン放送受信装置と通信するための通信手段と、
デジタル放送を選択的に受信するための選局部と、
画像を表示するための表示装置と、
前記情報端末の動作を制御するための制御部とを備え、
前記制御部は、
前記テレビジョン放送受信装置から受信した情報から、前記テレビジョン放送受信装置において選局されているチャンネル情報を取得するためのチャンネル情報取得手段と、
前記チャンネル情報に基づくデジタル放送を前記選局部に選択させるための受信制御手段と、
前記選局部の選択によって受信されたデジタル放送と、前記表示装置に表示されている画像とを合成するための合成手段とを含み、
前記通信手段は、前記合成手段によって生成された画像を前記テレビジョン放送受信装置に送信する、情報端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記テレビジョン放送受信装置によって送られる情報から、前記テレビジョン放送受信装置で設定されている動作モードを取得するための動作モード取得手段をさらに含み、
前記合成手段は、前記動作モードに基づいて、前記デジタル放送と前記画像とを合成する、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記選局部は、複数のチューナを含み、
前記受信制御手段は、前記複数のチューナの各々にデジタル放送を受信させ、
前記合成手段は、各チューナによって受信されたデジタル放送の各映像と、前記画像とを合成する、請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記選局部は、字幕データを有するデジタル放送を受信可能であり、
前記合成手段は、前記字幕データを含む映像と、前記画像とを合成する、請求項1〜3のいずれかに記載の情報端末。
【請求項5】
前記情報端末において設定されている端末情報を格納するための記憶手段をさらに備え、
前記通信手段は、前記端末情報を前記テレビジョン放送受信装置に送信する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報端末。
【請求項6】
前記端末情報は、前記情報端末において選択されているチャンネル、映像の表示モードまたは音量レベルの少なくともいずれかを含む、請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
テレビジョン放送受信装置であって、
テレビジョン放送を受信するための選局部と、
前記テレビジョン放送受信装置に対する指示を受け付ける指示入力部と、
前記テレビジョン放送受信装置において設定されている動作モードを格納するための記憶部と、
前記テレビジョン放送受信装置に接続されている情報端末と連携する指示に基づいて、前記動作モードを前記情報端末に送信するための送信部とを備える、テレビジョン放送受信装置。
【請求項8】
前記動作モードは、前記テレビジョン放送受信装置の現在の視聴状態、および、複数のチャンネルの各々に基づく各映像を合成できるか否かを表わす情報の少なくともいずれかを含む、請求項7に記載のテレビジョン放送受信装置。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の情報端末と、
請求項7または8に記載のテレビジョン放送受信装置とを備える、映像表示システム。
【請求項1】
情報端末であって、
テレビジョン放送受信装置と通信するための通信手段と、
デジタル放送を選択的に受信するための選局部と、
画像を表示するための表示装置と、
前記情報端末の動作を制御するための制御部とを備え、
前記制御部は、
前記テレビジョン放送受信装置から受信した情報から、前記テレビジョン放送受信装置において選局されているチャンネル情報を取得するためのチャンネル情報取得手段と、
前記チャンネル情報に基づくデジタル放送を前記選局部に選択させるための受信制御手段と、
前記選局部の選択によって受信されたデジタル放送と、前記表示装置に表示されている画像とを合成するための合成手段とを含み、
前記通信手段は、前記合成手段によって生成された画像を前記テレビジョン放送受信装置に送信する、情報端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記テレビジョン放送受信装置によって送られる情報から、前記テレビジョン放送受信装置で設定されている動作モードを取得するための動作モード取得手段をさらに含み、
前記合成手段は、前記動作モードに基づいて、前記デジタル放送と前記画像とを合成する、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記選局部は、複数のチューナを含み、
前記受信制御手段は、前記複数のチューナの各々にデジタル放送を受信させ、
前記合成手段は、各チューナによって受信されたデジタル放送の各映像と、前記画像とを合成する、請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記選局部は、字幕データを有するデジタル放送を受信可能であり、
前記合成手段は、前記字幕データを含む映像と、前記画像とを合成する、請求項1〜3のいずれかに記載の情報端末。
【請求項5】
前記情報端末において設定されている端末情報を格納するための記憶手段をさらに備え、
前記通信手段は、前記端末情報を前記テレビジョン放送受信装置に送信する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報端末。
【請求項6】
前記端末情報は、前記情報端末において選択されているチャンネル、映像の表示モードまたは音量レベルの少なくともいずれかを含む、請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
テレビジョン放送受信装置であって、
テレビジョン放送を受信するための選局部と、
前記テレビジョン放送受信装置に対する指示を受け付ける指示入力部と、
前記テレビジョン放送受信装置において設定されている動作モードを格納するための記憶部と、
前記テレビジョン放送受信装置に接続されている情報端末と連携する指示に基づいて、前記動作モードを前記情報端末に送信するための送信部とを備える、テレビジョン放送受信装置。
【請求項8】
前記動作モードは、前記テレビジョン放送受信装置の現在の視聴状態、および、複数のチャンネルの各々に基づく各映像を合成できるか否かを表わす情報の少なくともいずれかを含む、請求項7に記載のテレビジョン放送受信装置。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の情報端末と、
請求項7または8に記載のテレビジョン放送受信装置とを備える、映像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−17122(P2013−17122A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150056(P2011−150056)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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