説明

情報管理装置及び情報管理方法

【課題】本発明は、情報収集効率を向上させ得る情報管理装置を提案する。
【解決手段】ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する記入情報保存部と、記入情報保存部により保存された記入情報から特徴語を抽出する特徴語抽出部と、記入情報保存部により保存された記入情報の総数に対して、特徴語が含まれている記入回答の数の割合を算出する割合算出部と、特徴語と、割合算出部により算出された割合とを関連付けて記憶する特徴語−割合記憶部と、特徴語−割合記憶部に記憶された割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる特徴語選択部と、特徴語−割合記憶部に記憶されている特徴語の有効/無効を操作する操作部と、を備え、割合算出部は、操作部により無効とされていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、特徴語が含まれている記入情報の数の割合を算出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置及び情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アンケートに対する回答者による回答を、コンピュータなどの情報処理端末からネットワークを介して収集するアンケートシステムが広く知られている。ここで、アンケートは、あるテーマに関する統計的な偏りの情報を収集する目的や、あるテーマに関するユニークな意見を収集する目的を達成するために実施される。
【0003】
このようなアンケートシステムとして、例えば、特許文献1の情報収集装置が開示されている。特許文献1の情報収集装置は、蓄積された情報の総数に対する特徴語の数の割合を算出して、当該特徴語と当該特徴語の割合とを関連付けて記憶し、当該割合に基づいて対応する特徴語を選択して情報入力画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−238214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アンケート実施者は、統計的な偏りを収集する場合には、選択式回答の質問項目をアンケートに設定する。また、アンケート実施者は、ユニークな意見を収集する場合には、記入式回答の質問項目をアンケートに設定する。
【0006】
アンケート実施者は、統計的な偏りの情報の精度を上げ、また、ユニークな意見を多数収集するために、アンケート回答者に対してインセンティブを提供することや、回答対象者にアンケートの回答を義務付けることで、多数の回答の収集を試みる。
【0007】
統計的な偏りの情報は、回答数が増える毎に精度が向上する。しかしながら、ユニークな意見の収集に関しては、多数の回答を得られてもそれらが類似する回答であっては有効回答の増加とならない。そのため、アンケート実施者は、回答数が増加することでユニークな意見を収集できる可能性が増加するが、回答数に対して少数のユニークな意見しか収集することができない可能性もある。また、少数の回答しか得られない場合には、1つ1つの回答がユニークな意見である必要がある。
【0008】
ここで、ユニークな意見の収集のために、全質問項目に対して回答完了したアンケート回答者に対して、類似する意見であったことを理由に後から再回答を求める方法が考えられる。しかしながら、この方法は、アンケート回答者にとって再度アンケートに回答を行わなければならないという後戻りの負担が高く、多くの場合有効な再回答がなされない。
【0009】
特許文献1の情報収集装置は、記入式回答を収集するにつれ特徴語の数が増加し多種の回答を得られるが、同時に、特徴語の数の増加にともない、各特徴語の、各基本情報に対する類似度全体が減少する。特許文献1の情報収集装置は、既存の特徴語に関してのみの内容が記述された記入式回答の類似度も低く算出されることとなり、結果として、新しい観点となる特徴語を含んだ記入式回答の収集が進まなくなるという問題がある。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたものであり、情報収集効率を向上させ得る情報管理装置及び情報管理方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するために本発明の情報管理装置の一態様は、ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する記入情報保存部と、前記記入情報保存部により保存された前記記入情報から特徴語を抽出する特徴語抽出部と、前記記入情報保存部により保存された前記記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入回答の数の割合を算出する割合算出部と、前記特徴語と、前記割合算出部により算出された前記割合とを関連付けて記憶する特徴語−割合記憶部と、前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる特徴語選択部と、前記特徴語−割合記憶部に記憶されている前記特徴語の有効/無効を操作する操作部と、を備え、前記割合算出部は、前記操作部により無効とされていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報管理方法の一態様は、記入情報保存部が、ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する第1のステップと、特徴語抽出部が、前記第1のステップにおいて保存した前記記入情報から特徴語を抽出する第2のステップと、割合算出部が、前記第1のステップにおいて保存した前記記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入回答の数の割合を算出する第3のステップと、特徴語−割合記憶部が、前記特徴語と、前記第3のステップにおいて算出した前記割合とを関連付けて記憶する第4のステップと、特徴語選択部が、前記第4のステップにおいて記憶した前記割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる第5のステップと、操作部が、前記第4のステップにおいて記憶した前記特徴語の有効/無効を操作する第6のステップと、を備え、前記第3のステップでは、前記割合算出部が、前記第6のステップにおいて無効としていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出することを特徴とする。
【0013】
従って、本発明の情報管理装置及び情報管理方法の一態様は、無効情報が登録された特徴語のみから構成される記入情報を、記入情報の総数から除外して再計算することにより、各特徴語の類似度が増加して記入情報の再入力が促されるため、記入情報を多く収集した後でも、新しい観点となる特徴語を含んだ記入情報の収集を効率よく行うことができる。
【0014】
すなわち、本発明のアンケート管理装置20は、相関分析データ2063に対して、特徴語の有効/無効を指定する相関分析データ操作部208を備えることで、ユニークな意見を収集するための新規観点となる特徴語を含む記入式回答を継続的に収集する。
【0015】
アンケートの実施者2が、ある選択回答情報からの、ある特徴語の記入式回答は不要だと判断した場合、アンケート管理装置20は、相関分析データ操作部208を用いて相関分析データ2063の特徴語を無効に設定する。そして、アンケート管理装置20は、無効と設定した特徴語群のみから構成される記入式回答を、記入式回答の総数から除外し、相関分析データ2063の全体を再計算する。
【0016】
これにより、無効設定以外の特徴語についての相関分析データ2063の類似度は大きくなる。従って、以後のアンケート回答において、記入式回答の類似度は大きく算出されることとなり、記入式回答の再回答を求める割合が増加する。また、既存の特徴語のうち、アンケートの実施者2が定めた閾値より類似度が低い値のものが減少し、大多数の特徴語が観点1032となる特徴語としてフィードバックされうる状態になりにくくなる。そのため、新規観点となる特徴語を含んだ記入式回答が得やすくなる。また、無効設定済みの特徴語群は、フィードバックする観点となる特徴語からも除外する。これにより、期待しない観点について多く記載された記入式回答の収集が減少する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、情報収集効率を向上させ得る情報管理装置及び情報管理方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】アンケートシステムの機能的構成の一例を示す図である。
【図2】アンケート回答装置及びアンケート管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】アンケート回答画面の説明に供する概念図である。
【図4】アンケート回答画面の説明に供する概念図である。
【図5】アンケート回答画面の説明に供する概念図である。
【図6】アンケート回答画面の説明に供する概念図である。
【図7】アンケート回答処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】相関分析データの説明に供する概念図である。
【図9】アンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図10】アンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図11】アンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図12】相関分析データ更新処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】アンケート回答類似度取得処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】観点取得処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】相関分析データ操作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】他実施例のアンケート回答処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】他実施例のアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図18】他実施例のアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図19】他実施例のアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図20】他実施例のアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図21】他実施例のアンケート回答処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図22】他実施例のアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【図23】他実施例のアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0020】
(構成)
図1は、本実施形態のアンケートシステム1の機能的構成の一例を示す図である。アンケートシステム1は、例えば、アンケート回答装置10とアンケート管理装置20とを備える。アンケート回答装置10及びアンケート管理装置20は、所定のネットワーク3を介して接続されている。
【0021】
アンケート回答装置10は、例えば、入出力インタフェース部101と類似度取得部102と観点取得部103と正当性判定取得部104とアンケート結果送信部105とを備える。
【0022】
入出力インタフェース部101は、回答者1にアンケートデータの質問項目及び各種情報を表示する。また、入出力インタフェース部101は、回答者1からの回答の入力を受信し、回答者1から受信した回答を回答情報1021として類似度取得部102に送信する。
【0023】
類似度取得部102は、入出力インタフェース部101から回答情報1021を取得する。また、類似度取得部102は、アンケート管理装置20との通信を行い、アンケート管理装置20から受信した類似度情報1022を入出力インタフェース部101に送信する。なお、回答情報1021は、例えば、回答実行時情報と選択式回答情報と記入式回答情報とを有する。また、類似度情報1022は、例えば、記入回答情報1041の類似度の情報である。
【0024】
観点取得部103は、入出力インタフェース部101から選択回答情報1031を取得する。また、観点取得部103は、アンケート管理装置20と通信を行い、アンケート管理装置20から受信した観点1032を入出力インタフェース部101に送信する。なお、選択回答情報1031は、例えば、回答実行時情報と選択式回答情報とを有する。また、観点1032は、例えば、記入式回答情報の類似度を減少させるための情報である。
【0025】
正当性判定取得部104は、入出力インタフェース部101から記入回答情報1041を取得する。また、正当性判定取得部104は、アンケート管理装置20と通信を行い、アンケート管理装置20から受信した判定結果1042を入出力インタフェース部101に送信する。なお、記入回答情報1041は、例えば、記入式回答情報を有する。また、判定結果1042は、アンケート実施者2が設定する正当性判定の結果の情報である。
【0026】
アンケート結果送信部105は、入出力インタフェース部101から受信したアンケート結果1051をアンケート管理装置20に送信する。なお、アンケート結果1051は、例えば、回答実行時情報と選択式回答情報と記入式回答情報とを有する。
【0027】
アンケート管理装置20は、例えば、アンケート出力部201と類似度判定部202と観点提案部203と正当性判定部204とアンケート回答保存部205と相関分析データ部206と特徴語抽出部207と相関分析データ操作部208とを備える。
【0028】
アンケート出力部201は、入出力インタフェース部101からの要求に応じ、所定のアンケートデータを入出力インタフェース部101に送信する。
【0029】
類似度判定部202は、類似度取得部102から回答情報1021を受信して、特徴語抽出部207に記入回答情報2021を送信する。また、類似度判定部202は、特徴語抽出部207から特徴語2022を受信して、相関分析データ部206を参照することで記入回答情報1041の類似度情報1022を算出し、類似度情報1022を類似度取得部102に送信する。
【0030】
観点提案部203は、観点取得部103から回答実行時情報及び選択回答情報1031を受信し、相関分析データ部206を参照することで観点1032を取得し、観点1032を観点取得部103に送信する。
【0031】
正当性判定部204は、正当性判定取得部104から記入回答情報1041を受信して、実施者2が定めた正当性判定基準に従い記入回答情報1041の正当性を判定し、記入回答情報1041の判定結果1042を正当性判定取得部104に送信する。
【0032】
アンケート回答保存部205は、アンケート結果送信部105から送信されるアンケート結果1051を受信して、アンケート結果1051を保存する。
【0033】
相関分析データ部206は、アンケート回答保存部205からアンケート結果1051を取得し、各アンケート結果1051のうち記入回答情報2061を特徴語抽出部207に送信する。また、相関分析データ部206は、特徴語抽出部207から記入回答情報2061の特徴語2062を受信して、記入回答情報2061の特徴語2062と選択回答情報と回答実行時情報との関係を分析した結果を持つ相関分析データ2063を作成して、相関分析データ2063を保存する。
【0034】
特徴語抽出部207は、記入回答情報2021及び2061を受信して解析し、記入回答情報2021及び2061の特徴語2022及び2062を抽出して、特徴語2022を類似度判定部202に送信すると共に、特徴語2062を相関分析データ部206に送信する。
【0035】
相関分析データ操作部208は、相関分析データ部206を参照して実施者2へ相関分析データ2063を表示し、実施者2からの相関分析データ2063の各行の無効/有効指示情報2081を受信して、相関分析データ部206に送信する。
【0036】
図2は、アンケート回答装置10及びアンケート管理装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。アンケート回答装置10及びアンケート管理装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)31とCPU31にバス結合されたROM(Read Only Memory)32とRAM(Random Access Memory)33と記憶部34と入力部35と表示部36と入出力インタフェース37とを備える。ここで、例えば、記憶部5は、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置である。
【0037】
アンケート回答装置10及びアンケート管理装置20は、物理的には、専用化したシステム、あるいは汎用の情報処理装置のいずれであっても良い。例えば、一般的な構成の情報処理装置において、アンケート回答装置10及びアンケート管理装置20における各処理は、規定した処理を行うプログラムを呼び出すことによって実現することもできる。
【0038】
アンケート回答装置10は、例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末、ブラウザ機能搭載機器、専用装置である。アンケート管理装置20は、例えば、パーソナルコンピュータや、専用装置である。
【0039】
なお、上述の各構成要素は、例えば、CPU21がROM22やRAM23に格納されるプログラムを呼び出して、各ハードウェアを制御することによって実現することができる。また、上述の各情報は、例えば、RAM33や、記憶部34に格納される。
【0040】
(アンケート回答処理)
次に、本実施形態のアンケートシステム1におけるアンケート回答処理について説明する。図3−図6は、本実施形態のアンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面の説明に供する概念図である。
【0041】
アンケート回答装置10の入出力インタフェース部101は、アンケートの回答者1がアンケートへの回答を始める際、ネットワーク3を経由して、アンケート管理装置20のアンケート出力部201にアンケートデータの要求を行う。アンケート出力部201は、入出力インタフェース部101にアンケートデータを送信する。入出力インタフェース部101は、回答者1へアンケートを表示する(図3)。アンケートの回答者1は、表示されるアンケートの質問項目のうち、0個以上の選択式回答質問に対して回答を記入する(図4)。
【0042】
図5及び図6は、図3及び図4の具体例である。
【0043】
以後、本実施形態の一実施例の説明として、具体例を用いて説明する。
【0044】
回答実行時情報は、例えば、回答実行時に定まり、回答者1による指定がなくともアンケート回答装置10がアンケート管理装置20に送信可能な、回答送信時刻、アンケート回答装置情報などである。回答実行時刻は、例えば、Webサーバへのアクセス時刻である。位置情報は、例えば、TCP/IPにおけるFQDNである。回答装置情報は、例えば、HTTPにおけるUserAgentである。
【0045】
選択式回答情報は、図5及び図6のQ1及びQ2のような選択式の質問に対する回答の情報である。記入式回答情報は、図5及び図6のQ3のような記入式の質問に対する回答の情報である。
【0046】
図7は、本実施形態のアンケートシステム1のアンケート回答処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0047】
入出力インタフェース101は、アンケートの回答者1がアンケート回答画面の記入式回答欄に対して回答を開始する前に、回答者1に対して、アンケートの回答完了アクションを実施不可能な状態に設定する。
【0048】
入出力インタフェース部101は、アンケート回答画面を表示部36に表示すると、アンケート回答処理手順を実行し、質問項目に対する回答者1の記入式回答の入力に従って、入力された回答情報1021を記憶し、表示する(ステップSP1)。
【0049】
続いて、入出力インタフェース部101は、入力途中の任意の段階で、類似度判定ボタンが押下されると、入力された回答情報1021の記入式回答情報の類似度判定イベントを発生させ、回答情報1021を類似度取得部102に送信する(ステップSP2)。
【0050】
続いて、類似度取得部102は、入出力インタフェース部101から回答情報1021を取得し、アンケート管理装置20の類似度判定部202に送信する。続いて、類似度判定部202は、特徴語抽出部207で処理した結果である特徴語2022と、相関分析データ部206に既に格納されている相関分析データ2063とに基づいて、回答情報1021の記入式回答情報が、他の記入式回答情報とどの程度類似しているかを示す情報である類似度情報1022を算出する。
【0051】
なお、類似度を算出するアルゴリズムは、回答情報1021の回答実行時情報が異なる場合には、類似度が減少するという性質を有する。
【0052】
図8は、相関分析データ2063の説明に供する概念図の一例を示す図である。相関分析データ2063の各列は、記入式回答情報の特徴語と回答実行時情報の各情報と選択式回答情報の各情報とを有する。相関分析データ2063の各行は、例えば、相関分析データ部206に既に格納されている、記入式回答情報の特徴語と回答実行時情報の各情報と選択式回答情報の各情報とが対応づけられている。
【0053】
続いて、類似度判定部202は、算出した類似度情報1022をアンケート回答装置10の類似度取得部102に送信する。これにより、類似度取得部102は、類似度判定部202から類似度情報1022を取得する(ステップSP3)。
【0054】
続いて、類似度取得部102は、類似度情報1022を入出力インタフェース部101に送信する。続いて、入出力インタフェース部101は、回答者1へ類似度情報1022を表示する(ステップSP4)。
【0055】
続いて、類似度取得部102は、類似度情報1022の類似度が予め定められた閾値以下であるか否かをチェックする(ステップSP5)。そして、類似度取得部102は、類似度情報1022の類似度が予め定められた閾値以下でない、すなわち、当該閾値より大きい場合(ステップSP5:NO)には、観点1032を取得する要求である観点取得要求を観点取得部103に送信する。ここで、観点1032とは、類似度を減少させる回答を回答者1が容易に記入できることを目的とした、観点を表す特徴語である。
【0056】
続いて、観点取得部103は、類似度取得部102から観点取得要求を受信すると、入出力インタフェース部101から選択回答情報1031を取得し、選択回答情報1031をアンケート管理装置20の観点提案部203に送信する。続いて、観点提案部203は、選択回答情報1031に基づき、相関分析データ部206の相関分析データ2063を参照して、当該選択回答情報1031との相関が低い特徴語を相関分析データ部206から取得する。ここで、選択回答情報1031との相関が低い特徴語の最も基本的な算出方法は、例えば、同一の選択回答情報1031の回答者1の回答に特徴語が出現する割合を用いる方法である。
【0057】
続いて、観点提案部203は、取得した選択回答情報1031との相関が低い特徴語を観点1032としてアンケート回答装置10の観点取得部103に送信する。これにより、観点取得部103は、観点1032を取得する(ステップSP7)。
【0058】
続いて、観点取得部103は、観点1032を入出力インタフェース部101に送信する。続いて、入出力インタフェース部101は、回答者1へ観点1032を表示する(ステップSP8)。
【0059】
続いて、入出力インタフェース部101は、前回の類似度判定イベントにおいて、アンケートの回答完了アクションが実施可能とされている場合には、アンケートの回答完了アクションを実施不可能な状態に変更し(ステップSP9)、ステップSP1に戻る。
【0060】
図9は、ステップSP7−SP9の実行後の本実施形態のアンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【0061】
図9では、例えば、質問項目に対する記入式回答が「シャープなボディでよいのだが、価格が高い」と入力されている段階で、類似度判定ボタンが押下されている。また、図9では、例えば、類似度が「88%」であることが表示されている。さらに、図9では、類似度が「88%」であり、類似度が閾値である60%より大きいことから、例えば、「このような観点のご意見はございませんか? 広さ、車内設備、信頼性、加速」という他の観点が表示されている。さらに、図9では、アンケートの回答完了アクション(送信ボタン)が実施不可能な状態に変更されている。
【0062】
これに対して、類似度取得部102は、類似度情報1022の類似度が予め定められた閾値以下でない、すなわち、当該閾値より大きい場合(ステップSP5:NO)には、質問項目に対する記入式回答の入力が正当であるか否かを判定する正当性判定要求を正当性判定取得部104に送信する。続いて、正当性判定取得部104は、類似度取得部102から正当性判定要求を受信すると、入出力インタフェース部101から記入回答情報1041を取得し、記入回答情報1041をアンケート管理装置20の正当性判定部204に送信する。
【0063】
続いて、正当性判定部204は、事前にアンケート実施者2によって設定された判定基準を記入回答情報1041が満たしているかを判定し、記入回答情報1041の判定結果1042を正当性判定取得部104に送信する。これにより、正当性判定取得部104は、判定結果1042を取得する(ステップSP10)。正当性判定の具体例は、例えば、記入回答情報1041が日本語であるか否かを判定するために、日本語をなす文字が記入回答情報1041中に一定割合以上含まれているか否かを判定する。
【0064】
続いて、正当性判定部204は、判定結果1042を入出力インタフェース部101に送信する。続いて、入出力インタフェース部101は、回答者1へ判定結果1042を表示する(ステップSP11)。
【0065】
続いて、正当性判定部204は、判定結果1042が正当であると判定されているか否かをチェックする(ステップSP12)。そして、正当性判定部204は、判定結果1042が正当であると判定されていない場合(ステップSP12:NO)には、その旨を入出力インタフェース部101に送信する。
【0066】
続いて、入出力インタフェース部101は、前回の類似度判定イベントにおいて、アンケートの回答完了アクションが実施可能とされている場合には、アンケートの回答完了アクションを実施不可能な状態に変更し(ステップSP9)、ステップSP1に戻る。
【0067】
図10は、ステップSP10−SP9の実行後の本実施形態のアンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【0068】
図10では、例えば、質問項目に対する記入式回答が「asdf jkl: foo bar baz...」と入力されている段階で、類似度判定ボタンが押下されている。また、図10では、例えば、類似度が「―――%」であることが表示されている。さらに、図10では、類似度が「―――%」であり、類似度が閾値である60%以下であることから、例えば、正当性が判定されて、「いただいたご意見の入力が正しくないと思われます。入力の見直しをお願いします」という判定結果が表示されている。さらに、図10では、アンケートの回答完了アクション(送信ボタン)が実施不可能な状態に変更されている。
【0069】
そして、正当性判定部204は、判定結果1042が正当であると判定されている場合(ステップSP12:YES)には、その旨を入出力インタフェース部101に送信する。続いて、入出力インタフェース部101は、アンケートの回答完了アクションが実施不可能とされている場合には、アンケートの回答完了アクションを実施可能な状態に変更し(ステップSP13)、その後、アンケートシステム1のアンケート回答処理手順を終了する。
【0070】
図11は、ステップSP7−SP13の実行後の本実施形態のアンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【0071】
図11では、例えば、質問項目に対する記入式回答が「車内設備はもう少し充実して欲しく、」と入力されている段階で、類似度判定ボタンが押下されている。また、図11では、例えば、類似度が「24%」であることが表示されている。さらに、図11では、類似度が「24%」であり、類似度が閾値である60%以下であることから、例えば、他の観点が表示されていない。さらに、図11では、アンケートの回答完了アクション(送信ボタン)が実施可能な状態に変更されている。
【0072】
アンケート結果送信部105は、アンケートシステム1のアンケート回答処理手順が終了すると、入出力インタフェース部101からアンケート結果1051を取得し、アンケート結果1051をアンケート管理装置20のアンケート回答保存部205に送信する。続いて、アンケート回答保存部205は、アンケート結果1051を保存する。
【0073】
図12は、本実施形態のアンケートシステム1の相関分析データ更新処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0074】
相関分析データ部206は、任意のタイミングで相関分析データ更新処理を実行し、アンケート回答保存部205を参照して、未処理のアンケート結果1051のアンケート回答情報が存在するか否かをチェックする(ステップSP21)。ここで、任意のタイミングとは、例えば、未処理のアンケート回答情報が一定数以上追加された場合や、毎日一度の特定の時間等である。
【0075】
そして、相関分析データ部206は、未処理のアンケート回答情報が存在しない場合(ステップSP21:NO)には、相関分析データ更新処理を終了する。これに対して、相関分析データ部206は、未処理のアンケート回答情報が存在する場合(ステップSP21:YES)には、未処理のアンケート回答情報を1つ取得する(ステップSP22)。
【0076】
続いて、相関分析データ部206は、アンケート回答情報のうち、記入式回答情報2061を特徴語抽出部207に送信する(ステップSP23)。続いて、特徴語抽出部207は、記入回答情報2061を受信して解析し、記入回答情報2061の特徴語2062を抽出して、特徴語2062を相関分析データ部206に送信する。
【0077】
続いて、相関分析データ部206は、特徴語抽出部207から記入回答情報2061の特徴語2062を受信する(ステップSP24)。相関分析データ部206は、受信した特徴語2062が相関分析データ2063(図8)に存在しない場合には、当該特徴語2062を相関分析データ2063に反映する。
【0078】
続いて、相関分析データ部206は、相関分析データ2063の特徴語の各行における回答実行時情報及び選択式回答情報の各欄の類似度の値を更新する(ステップSP25)。この場合、相関分析データ部206は、観点に対する回答が増加したことによる変更であるため、類似度が増加するアルゴリズムを用いて更新する。例えば、選択式回答情報更新の簡易なアルゴリズムは、同一の選択式回答情報に対する記述式回答の総数に対して、特定の特徴語が含まれている記入式回答の数の割合を、類似度として算出するアルゴリズムである。具体的に、相関分析データ2063(図8)の「加速」の行の「男性」の欄の類似度の値は、選択式回答で「男性」と回答した人の記述式回答の総数のうち、記入式回答で「加速」について記入した人の割合である。実行時情報更新のアルゴリズムについても同様である。
【0079】
続いて、相関分析データ部206は、相関分析データ2063における回答実行時情報及び選択式回答情報の各列全体の類似度の値を更新する(ステップSP26)。この場合、相関分析データ部206は、回答実行時情報及び選択式回答情報の回答総数が増加したことによる変更であるため、類似度が減少するアルゴリズムを用いて更新する。
【0080】
やがて、相関分析データ部206は、その後、相関分析データ更新処理を終了する。
【0081】
図13は、本実施形態のアンケートシステム1のアンケート回答類似度取得処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0082】
類似度判定部202は、類似度取得部102から回答情報1021を受信すると、アンケート回答類似度取得処理を実行し、回答情報1021のうち、記入回答情報2021を特徴語抽出部207に送信する(ステップSP31)。
【0083】
続いて、類似度判定部202は、特徴語抽出部207から特徴語2022を受信する(ステップSP32)。
【0084】
続いて、類似度判定部202は、相関分析データ部206を参照し、相関分析データ2063(図8)から、取得した特徴語2022の各行の選択式回答及び実行時回答情報の各欄の類似度を全て取得する(ステップSP33)。
【0085】
続いて、類似度判定部202は、取得した選択式回答及び実行時回答情報の類似度に基づいて、各特徴語2022の類似度を算出する(ステップSP34)。類似度算出の簡易なアルゴリズムは、例えば、特徴語2022の各行で得られた複数の類似度のうち、最小の類似度を特徴語の類似度とする。具体的に、アンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面(図5等)において、「0時〜5時台」に、Q1で「女性」を選択し、Q2で「3人」を選択した回答の場合、相関分析データ2063(図8)の「信頼度」という特徴語に関する類似度は、それぞれ0.20(「0時〜5時台」の欄)、0.82(「女性」の欄)、0.35(「3人」の欄)である。そして、「信頼度」という特徴語の類似度は、類似度の最小値となるため、0.20となる。
【0086】
続いて、類似度判定部202は、算出した特徴語ごとの類似度に基づいて、記入回答情報2061の全体の類似度を算出する(ステップSP35)。記入回答情報2061の全体の類似度算出の簡易なアルゴリズムは、例えば、算出した特徴度ごとの類似度のうち、最小の類似度を記入回答情報2061の全体の類似度とする。
【0087】
続いて、類似度判定部202は、記入回答情報2061の全体の類似度(類似度情報1022)を類似度取得部102に送信する。
【0088】
やがて、相関分析データ部206は、その後、アンケート回答類似度取得処理を終了する。
【0089】
図14は、本実施形態のアンケートシステム1の観点取得処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0090】
観点提案部203は、観点取得部103から選択回答情報1031を受信すると、観点取得処理を実行し、相関分析データ部206を参照して、相関分析データ2063(図8)から、選択回答情報1031の回答実行時情報と選択式回答情報ごとに、類似度が低い特徴語の上位M個を取得する(ステップSP41)。例えば、Mは、システム設定時に予め定められたパラメータである。
【0091】
続いて、観点提案部203は、回答実行時情報と選択式回答情報ごとに取得した類似度が低い特徴語を、全体として、類似度の低い順にソートする(ステップSP42)。
【0092】
続いて、観点提案部203は、ソートした類似度が低い特徴語の上位N個を観点1032として、観点1032を観点取得部103に送信する(ステップSP43)。
【0093】
やがて、相関分析データ部206は、その後、観点取得処理を終了する。
【0094】
図15は、本実施形態のアンケートシステム1の相関分析データ操作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0095】
相関分析データ操作部208は、実施者2からの要求に基づいて、相関分析データ部206を参照し、相関分析データ2063を実施者2に表示する(ステップSP51)。この場合、相関分析データ操作部208は、例えば、相関分析データ2063を表示する際に、相関分析データ2063の各行ごとに、合わせてチェックボックスを表示する。
【0096】
続いて、相関分析データ操作部208は、相関分析データ2063の各行ごとに、以後は類似度判断に用いないか、又は以後は再び類似度判断に用いることにするかを実施者2に指定されると、表示されている相関分析データ2063の各行のチェックボックスをオン又はオフに変更する(ステップSP52)。この場合、相関分析データ操作部208は、相関分析データ2063の行を以後は類似度判断に用いないと実施者2に指定された場合には、当該相関分析データ2063の行のチェックボックスをオンにする。一方、相関分析データ操作部208は、相関分析データ2063の行を以後は再び類似度判断に用いることにすると実施者2に指定された場合には、当該相関分析データ2063の行のチェックボックスをオンにする。
【0097】
続いて、相関分析データ操作部208は、相関分析データ2063の各行ごとに指定されたチェックボックスのオン又はオフの情報を、無効/有効指示情報2081として、相関分析データ部206に送信する(ステップSP53)。
【0098】
続いて、相関分析データ部206は、相関分析データ操作部208から無効/有効指示情報2081を受信すると、チェックボックスがオンとなっている相関分析データ2063の行を、類似度判断に用いない無効情報として登録すると共に、チェックボックスがオフとなっている相関分析データ2063の行の無効情報を削除し、チェックボックスがオフとなっている相関分析データ2063の行を類似度判断に用いる(ステップSP54)。
【0099】
続いて、相関分析データ部206は、アンケート回答保存部205を参照して、選択回答情報が合致し、かつ、無効情報として登録されていない相関分析データ2063の行の特徴語を含む記入式回答情報の総数を数える(ステップSP55)。すなわち、相関分析データ部206は、無効情報として登録されている相関分析データ2063の行の特徴語のみからなる記入式回答情報を除いた記入式回答情報の総数を数える。
【0100】
続いて、相関分析データ部206は、該当する相関分析データ2063の行の選択回答情報の各欄の類似度を、先に数えた総数に基づいて再計算し、当該類似度を更新する(ステップSP56)。
【0101】
やがて、相関分析データ部206は、その後、相関分析データ操作処理を終了する。
【0102】
これにより、無効/有効指示情報2081に基づいて、相関分析データ2063の行に無効情報が登録された場合には、該当する相関分析データ2063の行の選択回答情報の各欄の類似度は増加する一方、相関分析データ2063の行の無効情報が削除された場合には、該当する相関分析データ2063の行の選択回答情報の各欄の類似度は減少する。
【0103】
なお、相関分析データ操作部208は、無効/有効指示情報2081を任意のタイミングで相関分析データ部206に送信することができる。ここで、任意のタイミングとは、例えば、未処理のアンケート回答情報が一定数以上追加された場合や、毎日一度の特定の時間や、毎月一度の特定の時間等である。
【0104】
(動作及び効果)
このようにして、本実施形態のアンケートシステム1では、相関分析データ部206が、アンケート結果1051を取得し、特徴語抽出部207が、アンケート結果1051の記入回答情報2061を受信して解析し、記入回答情報2061の特徴語2062を抽出し、相関分析データ部206が、相関分析データ2063の特徴語の各行における回答実行時情報及び選択式回答情報の各欄の類似度の値を更新し、観点提案部203が、相関分析データ部206に基づく観点1032をアンケート回答画面に表示させる。この際、アンケートシステム1では、相関分析データ操作部208が、相関分析データ2063の各行ごとにチェックボックスのオン又はオフを指定し、相関分析データ部206が、相関分析データ2063の行の特徴語を含む記入式回答情報の総数を数え、該当する相関分析データ2063の行の選択回答情報の各欄の類似度を、先に数えた総数に基づいて再計算し、当該類似度を更新する。
【0105】
従って、本実施形態のアンケートシステム1は、相関分析データ2063の行のうち無効情報が登録された特徴語のみから構成される記入式回答を、記入式回答の総数から除外し、相関分析データ2063全体を再計算することにより、各特徴語の類似度が増加して記入式回答の再入力が促されるため、記入式回答を多く収集した後でも、新しい観点となる特徴語を含んだ記入式回答の収集を効率よく行うことができる。
【0106】
また、本実施形態のアンケートシステム1は、アンケートの回答時に、アンケート管理装置20が保存している記入式回答情報と、アンケートの回答者1の記入式回答情報との類似度を算出し、その値が閾値以下である場合には、アンケートの回答を完了できなくすることにより、アンケートの実施者2が、アンケート回答数あたりの類似しない記入式回答情報を多く得ることができる。
【0107】
さらに、本実施形態のアンケートシステム1は、回答時間帯や選択式回答等が異なる回答者1間では、同一の特徴語からも異なる意見がでる可能性が高い点を活用し、回答時間帯や選択式回答等が異なる回答者1からの記入式回答結果から抽出した特徴語のうち、回答時間帯や選択式回答等が同様の回答者が記入した回答結果に多く含まれる特徴語を除いたものを、アンケートの回答者1に、類似度を下げる観点として提示することにより、アンケートの回答者1が類似度の低い回答を容易に行うことができる。
【0108】
さらに、本実施形態のアンケートシステム1は、アンケートの回答者1が、記入式回答を全て入力し終えなくとも、任意のタイミングで、回答がアンケートの実施者2に認められるか否かを確認することにより、アンケートの回答者1に与える再回答負荷を減少することができる。
【0109】
さらに、本実施形態のアンケートシステム1は、選択式回答の質問が設定されていない場合であっても、アンケート回答実行時に定まる、時刻情報、位置情報(TCP/IPにおけるFQDN、GPSでの経度緯度等)、回答装置情報(例えば、携帯機器か固定機器か等)等の回答実行時情報を、選択式回答と同様に扱うことにより特徴語の抽出が可能となるため、選択式回答の質問が設定されていない、又は少数のみ設定されたアンケートであっても、類似度を下げる観点である特徴語を提示することができる。
【0110】
(他実施例)
なお、本発明は、本実施形態に限らず、アンケートの回答者1を特定のメンバにすることによって、類似度の判定及び提示する特徴語の取得に用いる選択回答情報として、アンケート内の選択式回答への回答結果及び回答実行時情報だけでなく、事前に入手したアンケートの回答者1の属性情報を用いる等、この他種々の情報を判定に用いることができる。アンケートシステム1は、判定に用いる情報の増加に伴い、類似度判定及び提示する特徴語の取得の精度を向上することができる。また、アンケートシステム1は、複数のアンケートで属性に関する同一の質問事項に回答する必要がなくなり、アンケートの回答者1の回答負荷を低減することができる。
【0111】
また、本発明は、本実施形態に限らず、回答の類似度を確認するイベントの発生を、ユーザによる明示的な類似度判定ボタンの押下ではなく、ユーザの文字列入力と同期させて自動で行うことができる。この場合、アンケートシステム1は、システム負荷及び、フィードバックを受ける頻度に対するユーザの嗜好によるが、改行入力毎、句読点入力毎、一文節入力毎、最も細かいタイミングでは、一文字入力毎に類似度判定を行うことができる。
【0112】
図16は、他実施例のアンケートシステム1のアンケート回答処理手順の一例を示すフローチャートである。他実施例のアンケートシステム1は、ステップSP61においてアンケートの回答者1が記入式回答を1トークン入力すると、質問項目に対する回答者1の記入式回答の入力に従って、入力された回答情報1021を記憶し、表示すると共に、自動的に、ステップSP62に進んで、入力された記入式回答情報の類似度判定イベントを発生させる。なお、他実施例のアンケートシステム1は、上記の1トークン入力で自動的に類似度判定イベントを発生させる点を除いて、本実施形態のアンケート回答処理手順と同様である。
【0113】
図17−図20は、他実施例のアンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【0114】
図17−図20では、例えば、類似度判定ボタンの横に、ユーザが判定を自動化するか否かを設定可能なチェックボックスが表示されている。チェックボックスがチェックされた場合、アンケートシステム1は、他実施例のアンケート回答処理手順を実行する一方、チェックボックスがチェックされていない場合、アンケートシステム1は、本実施形態のアンケート回答処理手順を実行する。
【0115】
このように、アンケートシステム1では、類似度を確認するイベントの発生を自動化することにより、アンケートの回答者1の回答での後戻り工数をさらに削減し、再回答負荷を減少することができる。
【0116】
さらに、本発明は、本実施形態に限らず、アンケートの回答者1に、類似度をそのままの指標でアンケート回答画面に表示するのではなく、値を変換し、類似度が高い場合には低く、類似度が低い場合には高くなるような値である独創度として表示することができる。この場合、アンケートシステム1は、アンケート回答画面への表示に際し、数値ではなく、レベルメータや、信号機などのイメージを用いて表示することができる。
【0117】
図21は、他実施例のアンケートシステム1のアンケート回答処理手順の一例を示すフローチャートである。他実施例のアンケートシステム1は、ステップSP71においてアンケートの回答者1が記入式回答を1トークン入力すると、質問項目に対する回答者1の記入式回答の入力に従って、入力された回答情報1021を記憶し、表示すると共に、ステップSP73において類似度情報から独走度情報を算出し、ステップSP73において独創度情報をアンケート回答画面に表示する。なお、他実施例のアンケートシステム1は、上記の1トークン入力し、類似度情報から独走度情報を算出し、独創度情報を表示する点を除いて、本実施形態のアンケート回答処理手順と同様である。
【0118】
図22及び図23は、他実施例のアンケート回答装置10の表示部36に表示されるアンケート回答画面の具体例の説明に供する概念図である。
【0119】
図22及び図23では、例えば、類似度情報を表示せずに、類似度から算出した独創度情報がメータ状のイメージで表示されている。メータが所定位置まで到達していない場合、アンケートシステム1は、アンケートの回答完了アクション(送信ボタン)を実施不可能な状態に設定する一方、メータが所定位置まで到達した場合、アンケートシステム1は、アンケートの回答完了アクション(送信ボタン)を実施可能な状態に設定する。
【0120】
このように、アンケートシステム1では、独創度をイメージで表示することにより、アンケートの回答者1に状況をよりわかりやすく通知することができる。
【0121】
さらに、本実施形態は、ある特徴語を含む記入式回答がアンケート全体として不要な場合に「無効」に設定する場合について述べたが、本発明は、これに限らず、例えば、該当特徴語の観点の情報が不要な場合ではなく、アンケートの実施により該当特徴語の観点の重要性を認識し、該当特徴語の観点について、新規に選択式回答の質問項目として追加することにより、記入式回答への記入の促進を求めることもできる。
【0122】
さらに、本実施形態は、新たな意見を収集することを目的とした場合について述べたが、本発明は、これに限らず、例えば、アンケートの回答者1の真の意見を収集することを目的とすることもできる。例えば、アンケート回答に対してアンケートの回答者1の意識が高くない場合には、回答者1は、記入式回答へは当たり障りのない回答のみを記載する可能性が高い。この場合、当たり障りのない回答のみを記載した記入式回答は類似度は高く算出されることとなり、アンケートの回答者1は追記を行うこととなる。これにより、アンケートシステム1は、検討の進んだ回答を得ることができる。
【0123】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0124】
(付記1)ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する記入情報保存部と、前記記入情報保存部により保存された前記記入情報から特徴語を抽出する特徴語抽出部と、前記記入情報保存部により保存された前記記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入回答の数の割合を算出する割合算出部と、前記特徴語と、前記割合算出部により算出された前記割合とを関連付けて記憶する特徴語−割合記憶部と、前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる特徴語選択部と、前記特徴語−割合記憶部に記憶されている前記特徴語の有効/無効を操作する操作部と、を備え、前記割合算出部は、前記操作部により無効とされていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出することを特徴とする情報管理装置である。
【0125】
(付記2)ユーザにより入力中の記入式情報である入力中記入情報を取得する入力中情報取得部と、前記特徴語抽出部により抽出された前記特徴語と、前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合とに基づいて、前記入力中記入情報が、前記記入情報とどの程度類似しているかを示す情報である類似度情報を算出する類似度情報算出部と、前記類似度情報算出部により算出された前記類似度情報が所定の閾値以下である場合に、前記ユーザが完了アクションを実施不可能な状態に設定する実施状態設定部と、を備えることを特徴とする付記1に記載の情報管理装置である。
【0126】
(付記3)前記記入情報保存部は、ユーザにより入力済みの選択情報及び実行時情報を取得して保存し、前記入力中情報取得部は、ユーザにより入力中の選択情報及び実行時情報である入力中選択情報及び入力中実行時情報を取得し、割合算出部は、前記操作部により無効とされていない特徴語を含む記入情報のうち、前記入力中選択情報又は前記入力中実行時情報と同一の選択情報及び実行時情報に対応する記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出し、前記特徴語選択部は、前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合のうち、割合の値の低い割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させることを特徴とする付記2に記載の情報管理装置である。
【0127】
(付記4)前記入力中情報取得部は、任意のタイミングにおける前記ユーザの操作に基づいて、前記入力中記入情報、前記入力中選択情報及び前記入力中実行時情報を取得することを特徴とする付記3に記載の情報管理装置である。
【0128】
(付記5)記入情報保存部が、ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する第1のステップと、特徴語抽出部が、前記第1のステップにおいて保存した前記記入情報から特徴語を抽出する第2のステップと、割合算出部が、前記第1のステップにおいて保存した前記記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入回答の数の割合を算出する第3のステップと、特徴語−割合記憶部が、前記特徴語と、前記第3のステップにおいて算出した前記割合とを関連付けて記憶する第4のステップと、特徴語選択部が、前記第4のステップにおいて記憶した前記割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる第5のステップと、操作部が、前記第4のステップにおいて記憶した前記特徴語の有効/無効を操作する第6のステップと、を備え、前記第3のステップでは、前記割合算出部が、前記第6のステップにおいて無効としていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出することを特徴とする情報管理方法である。
【符号の説明】
【0129】
1……アンケートシステム、10……アンケート回答装置、20……アンケート管理装置、101……入出力インタフェース部、102……類似度取得部、103……観点取得部、104……正当性判定取得部、105……アンケート結果送信部、201……アンケート出力部、202……類似度判定部、203……観点提案部、204……正当性判定部、205……アンケート回答保存部、206……相関分析データ部、207……特徴語抽出部、208……相関分析データ操作部、31……CPU、32……ROM、33……RAM、34……記憶部、35……入力部、36……出力部、37……入出力インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する記入情報保存部と、
前記記入情報保存部により保存された前記記入情報から特徴語を抽出する特徴語抽出部と、
前記記入情報保存部により保存された前記記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入回答の数の割合を算出する割合算出部と、
前記特徴語と、前記割合算出部により算出された前記割合とを関連付けて記憶する特徴語−割合記憶部と、
前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる特徴語選択部と、
前記特徴語−割合記憶部に記憶されている前記特徴語の有効/無効を操作する操作部と、
を備え、
前記割合算出部は、
前記操作部により無効とされていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出する
ことを特徴とする情報管理装置。
【請求項2】
ユーザにより入力中の記入式情報である入力中記入情報を取得する入力中情報取得部と、
前記特徴語抽出部により抽出された前記特徴語と、前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合とに基づいて、前記入力中記入情報が、前記記入情報とどの程度類似しているかを示す情報である類似度情報を算出する類似度情報算出部と、
前記類似度情報算出部により算出された前記類似度情報が所定の閾値以下である場合に、前記ユーザが完了アクションを実施不可能な状態に設定する実施状態設定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記記入情報保存部は、
ユーザにより入力済みの選択情報及び実行時情報を取得して保存し、
前記入力中情報取得部は、
ユーザにより入力中の選択情報及び実行時情報である入力中選択情報及び入力中実行時情報を取得し、
割合算出部は、
前記操作部により無効とされていない特徴語を含む記入情報のうち、前記入力中選択情報又は前記入力中実行時情報と同一の選択情報及び実行時情報に対応する記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出し、
前記特徴語選択部は、
前記特徴語−割合記憶部に記憶された前記割合のうち、割合の値の低い割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記入力中情報取得部は、
任意のタイミングにおける前記ユーザの操作に基づいて、前記入力中記入情報、前記入力中選択情報及び前記入力中実行時情報を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報管理装置。
【請求項5】
記入情報保存部が、ユーザにより入力済みの記入情報を取得して保存する第1のステップと、
特徴語抽出部が、前記第1のステップにおいて保存した前記記入情報から特徴語を抽出する第2のステップと、
割合算出部が、前記第1のステップにおいて保存した前記記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入回答の数の割合を算出する第3のステップと、
特徴語−割合記憶部が、前記特徴語と、前記第3のステップにおいて算出した前記割合とを関連付けて記憶する第4のステップと、
特徴語選択部が、前記第4のステップにおいて記憶した前記割合に基づいて、当該割合に関連付けられた特徴語を選択して所定の画面に表示させる第5のステップと、
操作部が、前記第4のステップにおいて記憶した前記特徴語の有効/無効を操作する第6のステップと、
を備え、
前記第3のステップでは、
前記割合算出部が、前記第6のステップにおいて無効としていない特徴語を含む記入情報の総数に対して、前記特徴語が含まれている前記記入情報の数の割合を算出する
ことを特徴とする情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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