説明

情報表示装置

【課題】発光体からの発熱などにより、部材の熱膨張が生じても、表示品質が良好な情報表示装置を提供する。
【解決手段】矩形の発光基板と、この発光基板が固定させた台座部とを備え、前記発光基板には、相対向する二辺に沿って貫通孔をそれぞれ複数個づつ形成させ、この貫通孔に挿通させて前記台座部に固定させた挿通部材によって前記台座部へ配置させており、前記貫通孔は、前記挿通部材の断面より若干大きな形状に形成された固定貫通孔と、前記二辺に沿う方向へ長手方向を向けた長孔形状に形成させ前記挿通部材を遊挿可能に形成させた長孔貫通孔とを、設けると共に、前記挿通部材を挿通させた固定貫通孔は、前記二辺にそれぞれ1個づつ、且つ前記発光基板の隣り合う二隅に設ける。前記発光基板の膨張・収縮が生じても、前記挿通部材が前記長孔貫通孔の縁に当接するまで熱膨張・収縮が可能となされ、熱膨張・収縮に伴う前記発光基板の歪みを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光体が配設された発光基板を備える情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の上方や脇などに設置される情報表示装置には種々のものが用いられており、その一例としては、LEDなどを発光基板の一方の面に複数配設させて実装させ、これらLEDの点灯と消灯とを組み合わせて前記発光基板に文字や記号などの情報を表示させる情報表示装置等があり、このような情報表示装置について種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、一定ピッチで複数の発光ダイオードが取り付けられたプリント基板を有する発光ダイオード表示ユニットにおいて、リフレクタに上記発光ダイオードのピッチと同様なピッチで収納孔を設け、上記収納孔内に上記発光ダイオードを収納したことを特徴とする発光ダイオード表示ユニット、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−248900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される発光ダイオード表示ユニットは、リフレクタに設けた収納孔に発光ダイオードを収納させ、プリント基板に取り付けられた発光ダイオードのピッチのずれ等を矯正させて表示品質を良好なものとしているが、熱による部材膨張などに対しては前記リフレクタ自体が変形するため効果が小さくなるという問題が懸念される。
【0006】
本発明は、発光体からの発熱や、寒暖の差などにより、部材の熱膨張が生じても、表示品質が良好な情報表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る情報表示装置は、一方の面に複数の発光体が配設された矩形の発光基板と、該発光基板が固定された台座部とを備え、
前記発光基板は、相対向する二辺に沿って貫通孔がそれぞれ複数個づつ形成され、該貫通孔に挿通されて前記台座部に固定された挿通部材によって前記台座部へ配置されており、
前記貫通孔は、前記挿通部材の断面より若干大きな形状に形成された固定貫通孔と、前記二辺に沿う方向へ長手方向を向けた長孔形状に形成され前記挿通部材が遊挿可能に形成された長孔貫通孔とが、設けられると共に、
前記挿通部材が挿通された固定貫通孔は、前記二辺にそれぞれ1個づつ、且つ前記発光基板の隣り合う二隅に設けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る情報表示装置によれば、一方の面に複数の発光体を配設させた矩形の発光基板と、この発光基板を固定させた台座部とを備え、
前記発光基板は、相対向する二辺に沿って貫通孔をそれぞれ複数個づつ形成させ、この貫通孔に挿通させて前記台座部に固定させた挿通部材によって前記台座部へ配置させるので、前記発光基板を前記台座部の所定の位置へ容易に配置させて固定でき、前記複数の発光体の点灯と消灯とを組み合わせて、文字や図形などの表示を表すことができる。
また、前記貫通孔は、前記挿通部材の断面より若干大きな形状に形成させた固定貫通孔と、前記二辺に沿う方向へ長手方向を向けた長孔形状に形成させ前記挿通部材を遊挿可能に形成させた長孔貫通孔とを、設けると共に、
前記挿通部材を挿通させた固定貫通孔を、前記二辺にそれぞれ1個づつ、且つ前記発光基板の隣り合う二隅に設けるので、前記発光基板の隣り合う二隅に設けられた各固定貫通孔に挿通部材を挿通させて、前記発光基板を前記台座部の所定の位置へ容易に配置できる。そして、発熱や寒暖の差などによる前記発光基板の膨張・収縮が生じても、前記挿通部材が前記長孔貫通孔の縁に当接するまで熱膨張・収縮が可能となされ、熱膨張・収縮に伴う前記発光基板の歪みを抑制でき、前記各発光体による表示の品質を良好にできる。
【0009】
また、前記固定貫通孔を前記発光基板の四隅にそれぞれ1個づつ形成させ、
前記挿通部材を、前記二辺にそれぞれ1個づつ挿通させ、且つ前記発光基板の隣り合う二隅にそれぞれ設けた固定貫通孔にのみ挿通させれば、前記発光基板の位置決めのために前記挿通部材を挿通させる固定貫通孔の場所を、前記二辺のどちらか一方の端を選択して設けることができるので、台座部の形状などに応じて発光基板を好適に取り付け可能とできるので、好ましい。
【0010】
また、前記台座部に、互いの一辺を相対させて2枚の前記発光基板を隣接して併設させ、
この各発光基板の、前記相対する一辺の両端に位置する二隅に各々形成させた各固定貫通孔に、前記挿通部材をそれぞれ挿通させれば、前記各発光基板がそれぞれ発熱や寒暖の差などにより膨張・収縮しても、これに伴う前記各発光基板の歪みが抑制できると共に、前記各発光基板間の隙間の大きさや相対位置の変化が抑制され、前記2枚の発光基板による表示の品質を良好にでき、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の情報表示装置によれば、発光基板の熱膨張・収縮が生じても、表示の品質を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る情報表示装置の実施の一形態を示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1の発光基板を示す正面図である。
【図5】図1の発光基板に文字を表示させた状況を示す概要図である。
【図6】図1の発光基板に文字を表示させた状況を示す概要図である。
【図7】従来の情報表示装置の発光基板が熱膨張した状況を示す縦断面の概要図である。
【図8】図1の情報表示装置の発光基板が熱膨張した状況を示す縦断面の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は情報表示装置である。
情報表示装置1は、周囲にアルミニウム製の押出形材からなる左右縦枠体31及び上下横枠体32が枠組みされて枠体3が形成され、枠体3の内部には4枚の発光基板4a、4b、4c、4dがそれぞれ上方から下方へ並設されて取り付けられている。
また、前記各発光基板4a〜4dの前面側には、ポリカーボネート樹脂からなる橙色透明な前面板5が配置されて前記枠体3に取り付けられている。
更に、情報表示装置1の背面側には、背面板6が配置されて前記枠体3に取り付けられており、前記各発光基板4a〜4dは、枠体3、前面板5、背面板6から形成される中空箱体の内部に収納されている。
【0014】
前記各発光基板4a〜4dの前面側には、LED2が複数配設されて取り付けられており、前記発光基板4a、4bにおいては、前記各LED2が必要箇所で発光することで、前記発光基板4a、4bに文字や記号等の情報を可変的に表示することができるように形成されている。
また、前記発光基板4cと発光基板4dにおいては、前記LEDがそれぞれ「注」と「意」の文字形状を表す位置に配設され、前記の各文字を発光表示できるように形成されている。
【0015】
前記左右縦枠体31は断面L字型で中空のボックス形状で、断面L字型の縦辺と横辺とを分割するリブ311が配設されることで、中空部が側面側の中空部312及び前面側の中空部313の二つに分割されている。
該ボックス形状により左右縦枠体31は高い剛性が確保されている。
前記中空部313の背面側には、断面がクランク形状に形成されたアルミニウム製の押出形材からなる取付部材33が設けられ、取付部材33は前側板331と板形状の台座部332とが前後に間隔をおいて配置され、前側板331と台座部332とが縦板333により連結されて一体となされたものである。前記中空部313と前側板331との間に前面板5が挟まれてビスB1によりビス止めされることで前面板5が左右縦枠体31に固定される。
前記取付部材33は、枠体3の左右に1本づつ備わる各左右縦枠体31にそれぞれ1本づつ固定されている。
【0016】
更に、取付部材33の台座部332に、LED2が取り付けられた各発光基板4a〜4dが取り付けられる。具体的には、前記発光基板4a〜4dには前面から後面に至る貫通孔42がそれぞれ複数形成され、この貫通孔42に挿通されたビスB3が前記台座部332へ螺結され、各発光基板4a〜4dがそれぞれ台座部332に取り付けられる。
各発光基板4a〜4dは、左右縦枠体31に1本づつ固定された2本の取付部材33間に、それぞれ架け渡されて固定されている。
【0017】
また、上下方向に並設された前記発光基板4bと発光基板4cとの間と、発光基板4cと4dとの間には、それぞれ平板形状の遮蔽板7が前記発光基板4c、4dに並設されて、前記台座部332に取り付けられている。前記遮蔽板7は、前記各発光基板4a〜4dと同様に、2本の台座部332間に架け渡されて、ビスB3によりビス止めされている
【0018】
また、背面板6は、左右縦枠体31と上下横枠体32とにビス2によりビス止めされて、固定されている。
【0019】
図4は図1の発光基板を示す正面図であり、図5は図1の発光基板に文字を表示させた状況を示す概要図であり、図6は図1の発光基板に文字を表示させた状況を示す概要図である。
図4の(イ)は発光基板4aを示し、(ロ)は発光基板4bを示している。
本実施形態の発光基板4a、4bはそれぞれ同一の矩形形状に形成されており、上下方向に長い縦長の長方形に形成されている。そして、その前面にLED2が縦方向と横方向へそれぞれ配設されて取り付けられている。
前記発光基板4a、4bにそれぞれ配置されたLED2は、必要箇所で選択的に発光させることで予め定められた文字や図形等を表示可能に形成されており、一例として図5、6に示すように、「走行」や「カーブ」などの文字を、前記発光基板4a、4bの前面側へ可変的に発光表示可能に形成されている。
尚、本実施形態において、LED2の全体的な配置や個数は発光基板4aと4bとで異なっているが、上下に隣接して配置されたLED2の間隔や、左右に隣接して配置されたLED2の間隔は、発光基板4aと発光基板4bとで同じ大きさに設けられて、所々にLED2が設けられていない空所が有り、それらの空所の位置が発光基板4aと発光基板4bとで異なっているのみである。また、図6に示すように、前記発光基板4aの最も下側に取り付けられたLED2と、前記発光基板4bの最も上側に取り付けられたLED2との上下の間隔の大きさX1は、各発光基板4a、4bにおいて、上下に隣接して配置されたLED2間の上下の間隔X2と等しくなるように設けられている。
【0020】
各発光基板4a、4bにおいて、それぞれ左右に位置する2個の縦辺41には、それぞれ縦辺に沿うように、前記貫通孔42が複数形成されている。この貫通孔42は、前記発光基板4aと発光基板4bとで、それぞれ同じ位置に同じ形状の貫通孔42が形成されており、各々の2個の縦辺41に、丸孔形状の固定貫通孔421と、長孔形状の長孔貫通孔422とがそれぞれ形成されている。
具体的には、前記固定貫通孔421は発光基板4a、4bの四隅にそれぞれ1個づつ合計4個づつ形成されている。
そして前記長孔貫通孔422は、縦辺41に沿う上下方向へ長孔の長手方向を向けて、各縦辺41に沿ってそれぞれ3個づつ合計6個づつ形成されている。
各縦辺41に沿ってそれぞれ3個づつ形成される前記長孔貫通孔422は、各縦辺41の上端付近及び下端付近にそれぞれ形成された2個の前記固定貫通孔421の間に等間隔に配置され、2個の固定貫通孔421と3個の長孔貫通孔422とが縦辺41に沿って直線状に列設されるように形成されている。
即ち、各発光基板4a、4bの各々の縦辺41に沿って、上方より順番に固定貫通孔421a、長孔貫通孔422a、422b、422c、固定貫通孔421bが一列に配置されてそれぞれ形成されている。
【0021】
発光基板4a、4bに形成された前記各固定貫通孔421は、前記ビスB3の雄ねじ部分より若干大きな丸孔形状に形成されている。
これは、台座部332に螺結された前記ビスB3が挿通された固定貫通孔421の形成位置において、前記各発光基板4a、4bが台座部332に対して、上下左右のいずれの方向へも位置ずれせずに定着されると共に、挿通に支障のない程度の径で設けられている。
また、前記各長孔貫通孔422は、長孔の長手方向が上下へ向けられ、左右の幅方向の大きさが前記固定貫通孔421の径と同じ大きさに形成されており、挿入された前記ビスB3が上下方向へ遊動可能に設けられている。
これは、台座部332に螺結された前記ビスB3が挿通された長孔貫通孔422の形成位置において、前記各発光基板4a、4bが台座部332に対して、上下方向へ位置ずれ可能に設けられている。
【0022】
本実施形態の発光基板4aにおいて、各縦辺41にそれぞれ形成された、長孔貫通孔422a、422bと、固定貫通孔421bとに、前記ビスB3が挿通されて台座部332へ螺結されている。
このように、発光基板4aの四隅にそれぞれ形成された4個の固定貫通孔421のうち、下方の二隅に形成された固定貫通孔421bへビスB3が挿通されることで、LED2の点灯による発熱や気温の変化などによって発光基板4aが膨張・収縮したときに、発光基板4aは台座部332に対して、その下辺における位置ずれが抑制される。
【0023】
また、各縦辺41に沿って形成された長孔貫通孔422a、422bにビスB3が挿通されて台座部332へ螺結されることで、発光基板4aが台座部332へ安定的に取り付けられているが、長孔貫通孔422a、422bに挿入されたビスB3は、組み立ての際に、上下方向に長い長孔形状の長孔貫通孔422a、422bの縦方向中央付近に挿入されるように設けられている。上記のように構成することで、LED2の点灯による発熱や気温の変化などによって発光基板4aが膨張・収縮したときに、前記ビスB3が前記長孔貫通孔422a、422bの縁に当接するまで発光基板4aの膨張・収縮が可能となされ、膨張・収縮に伴う前記発光基板4aの歪みの発生が抑制されるようになされている。
【0024】
上記のように発光基板4aは、下方の二隅に形成された固定貫通孔421bへビスB3を挿通させ、且つ他のビスB3を上下方向に長い長孔貫通孔422へのみ挿通させることで、発光基板4aの膨張、収縮に伴う台座部332に対する下辺付近の位置ずれを抑制させると共に、発光基板4aの上下方向への膨張、収縮の変形が阻害されないように設けられている。
即ち、発光基板4aは、左右の各縦辺41の下端付近で台座部332へ定着され、その上方で上下への位置ずれ可能に支持されている。
【0025】
本実施形態の発光基板4bは、その上辺を前記発光基板4aの下辺に相対向させて、発光基板4aの下方に隣接して併設されており、各縦辺41にそれぞれ形成された、固定貫通孔421aと、長孔貫通孔422b、422cとに、前記ビスB3が挿通されて台座部332へ螺結されている。
このように、発光基板4bの四隅にそれぞれ形成された4個の固定貫通孔421のうち、上方の二隅に形成された固定貫通孔421aへビスB3が挿通されることで、発光基板4bが膨張・収縮したときに、発光基板4bは台座部332に対して、その上辺における位置ずれが抑制される。
【0026】
また、長孔貫通孔422b、422cに挿入されたビスB3は、組み立ての際に、上下方向に長い長孔形状の長孔貫通孔422b、422cの縦方向中央付近に挿入されるように設けられており、発光基板4bが膨張・収縮したときに、前記ビスB3が前記長孔貫通孔422b、422cの縁に当接するまで発光基板4bが膨張・収縮が可能となされ、膨張・収縮に伴う前記発光基板4bの歪みが抑制されるようになされている。
尚、発光基板4bと、その下方に配置された遮蔽板7との間には隙間が設けてあり、発光基板4bが膨張して下方へ向かって伸びたときに、遮蔽板7へ接触しないように設けられている。
【0027】
上記のように発光基板4bは、上方の二隅に形成された固定貫通孔421aへビスB3を挿通させ、且つ他のビスB3を上下方向に長い長孔貫通孔422へのみ挿通させることで、発光基板4bの膨張、収縮に伴う台座部332に対する上辺付近の位置ずれを抑制させると共に、発光基板4bの下方への膨張、収縮の変形が阻害されないように設けられている。
即ち、発光基板4bは、左右の各縦辺41の上端付近で台座部332へ定着され、その下方で上下への位置ずれ可能に支持されている。
【0028】
図7は従来の情報表示装置の発光基板が熱膨張した状況を示す縦断面の概要図である。
従来の情報表示装置においては、複数のLED2が配設されて取り付けられた発光基板4Eに丸孔形状の貫通孔が複数形成され、この貫通孔にそれぞれ挿通されたビスB3などによって台座部332などの部材へビス止めされていた。このため、発光基板4Eへ熱による膨張が生じたとき、前記発光基板4Eは前記各貫通孔の形成位置で台座部332へ定着され、これらの間で歪むように変形していた。そして、発光基板4Eに取り付けられた前記各LED2は、発光基板4Eの歪みによって光軸の方向が変化し、各LED2の発光により表される表示の光の強さにむらが生じるなど、表示の品質が低下していた。
【0029】
図8は図1の情報表示装置1の発光基板4aが熱膨張した状況を示す縦断面の概要図である。尚、図8においては、ビスB3が挿通されていない貫通孔42の図示を省略している。
本実施形態の発光基板4aは、固定貫通孔421bに挿通されたビスB3により台座部332へ定着され、長孔貫通孔422a、422bに挿通されたビスB3により上下方向へ位置ずれ可能に支持されているため、発光基板4aに熱による膨張が生じたときでも、発光基板4aはビスB3が長孔貫通孔422a、422bの縁に当接するまで、ビスB3に支持された状態で上方へ向かって膨張し、その前面の歪みが抑制される。これにより、発光基板4aの前面に配置された各LED2の発光によって表される表示の品質が良好に維持される。
【0030】
また、図1の情報表示装置1の発光基板4bについても同様に、熱による膨張が生じたとき、ビスB3が長孔貫通孔422b、422cの縁に当接するまで、ビスB3に支持された状態で下方へ向かって膨張し、その前面の歪みが抑制されるので、発光基板4bの前面に配置された各LED2の発光によって表される表示の品質が良好に維持される。
【0031】
そして、各々の下辺と上辺とを相対させ、上下に隣接してそれぞれ併設された前記発光基板4a、4bにおいて、発光基板4aは、四隅にそれぞれ形成された固定貫通孔421のうち、発光基板4bに相対させた下辺の両端に位置する固定貫通孔421bへのみビスB3を挿通させて、この位置で台座部332へ定着されている。
また、発光基板4bについても、四隅に形成された固定貫通孔421のうち、発光基板4aへ相対させた上辺の両端に位置する固定貫通孔421aへのみビスB3を挿通させて、この位置で台座部332へ定着されている。
上記のように発光基板4a、4bをそれぞれ台座部332へ定着させることで、各発光基板4a、4bが膨張して変形した場合に、発光基板4aの下辺と発光基板4bの上辺における台座部332に対する位置ずれが共に抑制され、上記発光基板4a、4bに表される表示の位置ずれが低減して、表示の品質が良好になされる。
【0032】
これは特に図6に示される実施形態のように、各LED2によって表される表示が発光基板4a、4bに跨がって形成されるときに有効である。
図6の実施形態においては、各発光基板4a、4bの表示が組み合わされて「カーブ」の3文字が表されているが、この中の「ー」の長音符号については、発光基板4a、4bに跨がって表されるように形成されている。
そして、前記発光基板4aの最も下側に取り付けられたLED2と、前記発光基板4bの最も上側に取り付けられたLED2との上下の間隔の大きさX1を、各発光基板4a、4bにおいて、上下に隣接して配置されたLED2間の上下の間隔X2と等しくなるように設けることで、各発光基板4a、4bに跨がって表される表示の一体感を損なわないように構成させている。
前記の「ー」の長音符号表示のように、隣接して併設させた2枚の発光基板4a、4bに跨がらせて一つの表示を一体的に表すときに、発光基板4a、4bのそれぞれ相対する一辺に位置ずれが生じて、発光基板4a、4b間の隙間の大きさや相対位置が変化した場合、前記一つの表示の形状が歪んで表され、その一体感が損なわれて観者に見苦しい印象を与えるが、このような問題の発生が抑制される。
【0033】
本実施形態の情報表示装置1において、各発光基板4a、4bは、それぞれ形成された貫通孔42にビスB3を挿通させて台座部332へ固定されているが、貫通孔42へ挿通させる部材はビスに限るものではなく、貫通孔42に挿通可能な挿通部材を適宜用いることができる。例えば、円柱形状や多角柱形状に形成され台座部332へ固定可能なピンを用いてもよく、台座部332に一体的に設けられる突部を形成させて前記貫通孔4へ挿通させてもよく、その他の挿通部材を用いても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 情報表示装置
2 LED
3 枠体
31 左右縦枠体
32 上下横枠体
33 取付部材
311 リブ
312 中空部
313 中空部
331 前板部
332 台座部
333 縦板
4a、4b、4c、4d 発光基板
41 縦辺
42 貫通孔
5 前面板
6 背面板
7 遮蔽板
B1、B2、B3 ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に複数の発光体が配設された矩形の発光基板と、該発光基板が固定された台座部とを備え、
前記発光基板は、相対向する二辺に沿って貫通孔がそれぞれ複数個づつ形成され、該貫通孔に挿通されて前記台座部に固定された挿通部材によって前記台座部へ配置されており、
前記貫通孔は、前記挿通部材の断面より若干大きな形状に形成された固定貫通孔と、前記二辺に沿う方向へ長手方向を向けた長孔形状に形成され前記挿通部材が遊挿可能に形成された長孔貫通孔とが、設けられると共に、
前記挿通部材が挿通された固定貫通孔は、前記二辺にそれぞれ1個づつ、且つ前記発光基板の隣り合う二隅に設けられていることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記固定貫通孔は前記発光基板の四隅にそれぞれ1個づつ形成され、
前記挿通部材は、前記二辺にそれぞれ1個づつ挿通され、且つ前記発光基板の隣り合う二隅にそれぞれ設けられた固定貫通孔にのみ挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記台座部には、互いの一辺を相対させた2枚の前記発光基板が隣接して併設され、
該各発光基板は、前記相対する一辺の両端に位置する二隅に各々形成された各固定貫通孔に、前記挿通部材がそれぞれ挿通されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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