説明

情報記録装置、及び情報記録方法

【課題】よりユーザの利便性を向上させることが出来る情報記録装置、及び情報記録方法を提供する。
【解決手段】情報記録装置(100)は、コンテンツが入力される入力手段(110)と、入力されるコンテンツをエンコードするエンコーダ(141)と、エンコードしたコンテンツを記録する記録手段(160)と、記録されるコンテンツに対してトランスコードを行う複数のトランスコーダ(143、145)と、を備える。情報記録装置は、入力されるコンテンツからCMとシーンチェンジとを検出し、検出したCM検出点とシーンチェンジ検出点とに基づいて、分割点を検出する。情報記録装置は、検出する分割点に基づいて前記記録手段により記録したコンテンツを分割し、分割したコンテンツをそれぞれ異なる前記トランスコーダに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、情報の記録を行う情報記録装置、及び情報記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像、または音楽などのコンテンツ(プログラム)を圧縮したデータを、記録媒体に記録する情報記録再生装置(映像記録再生装置)が一般的に普及している。この情報記録再生装置は、記録媒体として、例えば、Hard Disk Drive(HDD)などの磁気ディスク、Solid State Drive(SSD)、またはDigital Versatile Disk(DVD)などの光ディスクを用いる。情報記録再生装置は、コンテンツをエンコードし、上記の記録媒体に記録する。また、情報記録再生装置は、記録媒体に記録されているコンテンツを再生する場合、記録媒体に記録されているコンテンツをデコードし、出力する。
【0003】
近年、情報の通信速度の高速化に伴い、コンテンツの大容量化が進んでいる。また、多数のコンテンツを記録媒体に記録するために、ビットレート及び解像度を変換することができる情報記録再生装置が普及している。
【0004】
この情報記録再生装置は、再エンコード、またはトランスコードにより、コンテンツのビットレート及び解像度を変換する。再エンコードを行う場合、情報記録再生装置は、記録媒体に記録されているコンテンツをデコードする。情報記録再生装置は、エンコードした、ユーザが所望するビットレート及び解像度でエンコードする。
【0005】
また、情報記録再生装置がトランスコード機能(トランスコーダ)を備える場合、情報記録再生装置は、記録媒体に記録されているコンテンツをデコードせずに、ビットレート及び解像度の変換を行う事ができる。
【0006】
例えば、特許文献1には、上記のエンコーダ又はトランスコーダを複数備える映像符号化装置が記載されている。この映像符号化装置は、コンテンツ中のシーンチェンジ点を検出し、検出したシーンチェンジ点の前後でコンテンツを分割し、分割したコンテンツをそれぞれ異なる符号化処理部に入力する。これにより、再エンコードまたはトランスコードに要する時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−199392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、コンテンツ中には、シーンチェンジ点が多数存在する。この為、上記の映像符号化装置は、コンテンツを多数のシーンに分割する。この結果、符号化処理を複数の符号化処理部により並列に行う為に、映像符号化装置は、多数の符号化処理部を備える必要があるという問題がある。
【0009】
また、例えば、コンテンツ内のCMを検出し、CMの前後でコンテンツを分割する情報記録再生装置が普及している。しかし、CMの前と後とで同じシーンが続いている場合、再結合されたコンテンツの結合点がシームレスにならない可能性があるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の一形態における目的は、上記した問題点を解決するものであり、よりユーザの利便性を向上させることが出来る情報記録装置、及び情報記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態としての情報記録装置は、コンテンツが入力される入力手段と、前記入力手段により入力されるコンテンツをエンコードするエンコーダと、前記エンコーダによりエンコードしたコンテンツを記録する記録手段と、前記記録手段により記録されるコンテンツに対してトランスコードを行う複数のトランスコーダと、前記入力手段により入力されるコンテンツからCMを検出するCM検出手段と、前記入力手段により入力されるコンテンツからシーンチェンジを検出するシーンチェンジ検出手段と、前記CM検出手段により検出するCM検出点と前記シーンチェンジ検出手段により検出するシーンチェンジ検出点とに基づいて、分割点を検出する分割点検出手段と、前記分割点検出手段により検出する分割点に基づいて前記記録手段により記録したコンテンツを分割する分割手段と、前記分割手段により分割したコンテンツをそれぞれ異なる前記トランスコーダに出力するデータ処理手段と、を具備する。
【0012】
また、本発明の一実施形態としての情報記録方法は、コンテンツが入力される入力手段と、前記入力手段により入力されるコンテンツをエンコードするエンコーダと、前記エンコーダによりエンコードしたコンテンツを記録する記録手段と、前記記録手段により記録されるコンテンツに対してトランスコードを行う複数のトランスコーダと、を備える情報記録装置に用いられる情報記録方法であって、前記入力手段により入力されるコンテンツからCMを検出し、前記入力手段により入力されるコンテンツからシーンチェンジを検出し、前記検出するCM検出点と前記検出するシーンチェンジ検出点とに基づいて、分割点を検出し、前記検出する分割点に基づいて前記記録手段により記録したコンテンツを分割し、前記分割したコンテンツをそれぞれ異なる前記トランスコーダに出力する。
【発明の効果】
【0013】
この発明の一形態によれば、よりユーザの利便性を向上させることが出来る情報記録装置、及び情報記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る映像記録再生装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す映像記録再生装置の制御部の機能を説明するための説明図である。
【図3】図3は、図1に示す映像記録再生装置により受信するコンテンツについて説明する為の説明図である。
【図4】図4は、図1に示す映像記録再生装置におけるコンテンツの分割処理について説明する為の説明図である。
【図5】図5は、図1に示す映像記録再生装置におけるコンテンツの分割処理について説明する為の説明図である。
【図6】図6は、図1に示す映像記録再生装置におけるコンテンツの分割処理について説明する為の説明図である。
【図7】図7は、図1に示す映像記録再生装置におけるコンテンツの分割処理について説明する為のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る情報記録装置ついて詳細に説明する。なお、本実施形態では、情報記録装置として映像記録再生装置を例に挙げて説明する。本実施形態における映像記録再生装置は、所定の容量の記録媒体、例えばHDD、SSD、またはSDカードなどの半導体メモリに、映像または音楽などのコンテンツを記録する装置である。映像記録再生装置は、地上アナログ放送、地上ディジタル放送、衛星ディジタル放送、及び有線放送などの配信業者から供給される番組などのコンテンツを受信し、ユーザにより設定される画質及び音質に基づいてコンテンツを記録する。
【0016】
なお、上記の映像は、動画、静止画、及び、テキストを主体とする文字放送等を含む。また、映像記録再生装置は、コンテンツの記録を行う装置であれば如何なるものであっても本発明を適用することができる。また、映像記録再生装置の備える各手段は、ハードウエアで実現するものであってもよいし、CPU(またはMPU)に代表されるマイクロコンピュータ等を用いて、ソフトウエアで実現するものであってもよい。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像記録再生装置100の構成例について説明するためのブロック図である。
映像記録再生装置100は、入力端子110、チューナ120、復調部130、信号処理部140、出力端子150、HDD160、MPU170、操作入力部180、及び通信インターフェース190を備える。MPU170は、ROM171及びRAM172を備える。
【0018】
入力端子110は、コンテンツが入力される入力手段として機能する。入力端子110は、例えば、ディジタル放送信号などを受信し、チューナ120に供給する。チューナ120は、ディジタル放送信号用のチューナである。チューナ120は、入力端子110に入力されるディジタル放送信号のチューニングを行う。チューナ120は、チューニングしたディジタル放送信号を復調部130に送信する。復調部130は、受信するディジタル放送信号の復調を行う。復調部130は、復調したディジタル放送信号を信号処理部140に入力する。
【0019】
信号処理部140は、信号処理手段として機能する。信号処理部140は、復調部130から受信するディジタル放送信号に、信号処理を施す。信号処理部140は、エンコーダ141、セレクタ142、第1のトランスコーダ143、セレクタ144、第2のトランスコーダ145、データ処理部146、及びデコーダ149を備える。
【0020】
セレクタ142及びセレクタ144は、復調部130から供給されるディジタル放送信号を入力するトランスコーダ及びエンコーダを選択する。
【0021】
エンコーダ141は、受信するディジタル放送信号に対して暗号化処理を行う。第1のトランスコーダ143、及び第2のトランスコーダ145は、受信するディジタル放送信号のビットレート及び解像度を変換する。
【0022】
データ処理部146は、データ処理手段として機能する。データ処理部146は、エンコード及びトランスコードを施したデータに対して処理を行う。例えば、データ処理部146は、エンコード及びトランスコードを施したデータ
の結合及び分割を行う。この為に、データ処理部146は、結合処理部147及び分割処理部148を備える。結合処理部147は、MPU170の制御に基づいて、受信する複数のデータの結合を行う。分割処理部148は、MPU170の制御に基づいて、受信するデータを複数のデータに分割する。分割処理部148は、分割手段として機能する。
【0023】
また、データ処理部146は、受信するデータの出力先をMPU170の制御に基づいて切り替える。例えば、データ処理部146は、エンコーダ141によりエンコードを施したデータをHDD160に出力する。
【0024】
HDD160は、コンテンツを記録することが出来る記録手段として機能する。HDD160は、画像、音楽、または放送番組等のコンテンツのデータを格納する。データ処理部146は、データをHDD160に出力することにより、コンテンツをHDD160に記録する。
【0025】
また、HDD160は、MPU170の要求に応じて格納しているコンテンツを出力する。この場合、データ処理部146は、HDD160からエンコードが施されているコンテンツデータを取得し、デコーダ149に出力する。
【0026】
デコーダ149は、エンコードされているデータに対してデコード処理を施すことにより、表示装置またはスピーカなどにより再生可能な信号に変換する。デコーダ149は、デコード処理を施した信号を、出力端子150から装置外部に出力する。例えば、出力端子150に表示装置またはスピーカなどの出力装置が接続される場合、コンテンツが再生される。
【0027】
MPU170は、映像記録再生装置100の各部の動作を制御する。MPU170は、CPU等の演算素子を備えている。MPU170は、操作入力部180から供給される操作信号に基づいて、種々の処理を行う。
【0028】
ROM171は、映像記録再生装置100のシステム制御プログラム及び各種処理プログラムなどを記憶している。RAM172は、CPUのワークメモリとして機能する。即ち、MPU170は、操作入力部180から供給される操作信号に基づいて、ROM171に記憶されているプログラムを起動し、各部の動作を制御する。
【0029】
操作入力部180は、操作入力手段として機能する。操作入力部180は、例えば、操作キー、または、リモートコントローラからの操作信号を受信する受光部などにより構成される。操作入力部180は、ユーザからの操作入力に応じて操作信号を生成する。操作入力部180は、生成した操作信号をMPU170に供給する。
【0030】
通信インターフェース190は、外部の機器、またはネットワークと接続するための通信手段である。通信インターフェース190は、通信端子191に接続される機器とMPU170との間で送受信される情報の受け渡しを行う。通信端子191は、例えば、LAN端子、またはUSB端子などにより構成される。
【0031】
また、上記したように本実施形態に係る映像記録再生装置100は、2つのトランスコーダを備えている。この為、映像記録再生装置100は、HDD160に記録したコンテンツを2分割し、並列的にトランスコードを行うことができる。この為に、信号処理部140のデータ処理部146は、MPU170により指示される分割点でコンテンツを第1のコンテンツと第2のコンテンツに分割する。
【0032】
データ処理部146は、2分割したコンテンツのデータを、第1のトランスコーダ143及び第2のトランスコーダ145に入力する。すなわち、データ処理部146は、分割した第1のコンテンツを第1のトランスコーダ143に入力する。また、データ処理部146は、分割した第2のコンテンツを第2のトランスコーダ145に入力する。
【0033】
第1のトランスコーダ143及び第2のトランスコーダ145は、それぞれ入力されたコンテンツに対してMPU170により制御される解像度及びビットレートでトランスコードを施す。第1のトランスコーダ143及び第2のトランスコーダ145は、トランスコードを施したコンテンツをデータ処理部146に出力する。データ処理部146の結合処理部147は、受信する第1および第2のコンテンツを結合し、HDD160に出力する。
【0034】
次に、コンテンツの分割点の決定方法について説明する。
本実施形態に係る映像記録再生装置100は、コンテンツの記録を行う場合、逐次CM及びシーンチェンジを検出する。さらに、映像記録再生装置100は、検出したCM及びシーンチェンジに基づいて分割点を決定する。
【0035】
図2は、図1に示すMPU170が備える機能を説明する為のブロック図である。
図2に示すように、MPU170は、録画制御部173、シーンチェンジ検出部174、CM検出部175、検出点保持部176、及び分割点検出部177を備える。
【0036】
録画制御部173は、コンテンツを記録媒体に記録する動作を統合的に制御する。シーンチェンジ検出部174は、録画制御部173により録画処理中のコンテンツにおけるシーンチェンジを検出する。シーンチェンジ検出部174は、シーンチェンジ検出手段として機能する。たとえば、シーンチェンジ検出部174は、コンテンツの映像データを時系列的に比較することにより、コンテンツ中のシーンチェンジを検出する。
【0037】
CM検出部175は、録画制御部173により録画処理中のコンテンツにおけるCMを検出する。CM検出部175は、CM検出手段として機能する。たとえば、CM検出部175は、コンテンツ中の音声の時系列的な変化などを検出することにより、コンテンツ中のCMを検出する。
【0038】
検出点保持部176は、シーンチェンジ検出部174により検出したシーンチェンジ検出点と、CM検出部175により検出したCM検出点とを記録及び保持する。
【0039】
分割点検出部177は、検出点保持部176に保持されている検出点に基づいて、コンテンツを分割する為の分割点を決定する。分割点検出部177は、分割点検出手段として機能する。
【0040】
図3は、図1に示す映像記録再生装置100によりHDD160に記録したコンテンツについて説明する為の説明図である。図3では、記録時間長がTである記録コンテンツを記録する例について示している。
【0041】
映像記録再生装置100は、上記したように、入力端子に入力されるコンテンツに対してエンコードを施し、HDD160に記録する。この場合、シーンチェンジ検出部174及びCM検出部175は、逐次シーンチェンジとCMとを検出する。MPU170は、検出したシーンチェンジ検出点及びCM検出点を検出点保持部176に格納する。
【0042】
即ち、コンテンツをHDD160に記録する場合、映像記録再生装置100は、記録したコンテンツ(記録コンテンツ)と、各検出点(シーンチェンジ検出点及びCM検出点)を保持する。
【0043】
図4乃至図6は、図1に示す映像記録再生装置100におけるコンテンツの分割点を決定するための処理について説明する為の説明図である。
分割点を検出する場合、MPU170の分割点検出部177は、まず記録コンテンツの中間のCM検出点を特定する。例えば、分割点検出部177は、図4に示すように、まず記録コンテンツの時間的な中間点を特定する。記録コンテンツの記録時間長がTである場合、分割点検出部177は、コンテンツの開始点からT/2経過した点を中間点として特定する。
【0044】
分割点検出部177は、中間点から最も近いCM検出点を特定する。即ち、分割点検出部177は、中間点と、その前後のCM検出点との時間的な差を算出することにより、コンテンツの中間点に最も近いCM検出点を特定する。
【0045】
分割点検出部177は、特定したCM検出点が、シーンチェンジ検出点と一致しているか否か判断する。即ち、分割点検出部177は、検出点保持部176を検索し、特定したCM検出点と同じ時間にシーンチェンジ検出点が記録されているか否か判断する。
【0046】
特定したCM検出点が、シーンチェンジ検出点と一致している場合、分割点検出部177は、特定したCM検出点を、分割点と決定する。即ち、この分割点は、記録コンテンツの中間点に最も近いシーンチェンジ検出点である。この為、この分割点でコンテンツを分割してトランスコードを行う場合、第1及び第2のトランスコーダによる処理時間の差が小さくなる。この結果、映像記録再生装置100は、効率的にトランスコードを行う事ができる。
【0047】
また、特定したCM検出点が、シーンチェンジ検出点と一致しない場合、図5に示すように、分割点検出部177は、特定したCM検出点に最も近いシーンチェンジ検出点を特定する。即ち、分割点検出部177は、特定したCM検出点と、その前後のシーンチェンジ検出点との時間的な差を算出することにより、特定したCM検出点に最も近いシーンチェンジ検出点を特定する。
【0048】
分割点検出部177は、上記の処理により特定したシーンチェンジ検出点を、コンテンツを分割するための分割点として特定する。これにより、図6に示すように、特定した分割点の前後で分割される第1のコンテンツと、第2のコンテンツの時間長の差を小さくすることが出来る。
【0049】
図7は、図1に示す映像記録再生装置100におけるコンテンツの分割点を決定するための処理について説明する為の説明図である。
まず映像記録再生装置100は、上記したように、入力端子に入力されるコンテンツに対してエンコードを施し、コンテンツの記録を開始する(ステップS11)。
【0050】
CM検出部175は、コンテンツの記録中にコンテンツ内にCMが存在するか否か判断する(ステップS12)。CM検出部175は、CMを検出する場合(ステップS12、YES)、CM検出点を検出点保持部176に記録する(ステップS13)。
【0051】
シーンチェンジ検出部174は、コンテンツの記録中にコンテンツ内にシーンチェンジを検出する(ステップS14)。シーンチェンジ検出部174は、シーンチェンジを検出する場合(ステップS14、YES)、シーンチェンジ検出点を検出点保持部176に記録する(ステップS15)。
【0052】
MPU170は、コンテンツの記録が終了するか否か判断する(ステップS16)。コンテンツの記録が継続している場合(ステップS16、NO)、MPU170は、ステップS12にループし、CM検出及びシーンチェンジ検出を継続する。
【0053】
コンテンツの記録を終了する場合(ステップS16、YES)、MPU170は、トランスコードを並列して行う為に、記録したコンテンツの分割を行う。この為に、MPU170は、分割点を特定する。
【0054】
MPU170の分割点検出部177は、まずCM検出点を特定する(ステップS17)。例えば、分割点検出部177は、まず記録コンテンツの時間的な中間点を特定し、中間点から最も近いCM検出点を特定する。
【0055】
分割点検出部177は、特定したCM検出点が、シーンチェンジ検出点と一致しているか否か判断する(ステップS18)。即ち、分割点検出部177は、検出点保持部176を検索し、特定したCM検出点と同じ時間にシーンチェンジ検出点が記録されているか否か判断する。
【0056】
特定したCM検出点が、シーンチェンジ検出点と一致している場合(ステップS18、YES)、分割点検出部177は、特定したCM検出点を、分割点と特定する(ステップS19)。
【0057】
また、特定したCM検出点が、シーンチェンジ検出点と一致しない場合(ステップS18、NO)、分割点検出部177は、特定したCM検出点に最も近いシーンチェンジ検出点を特定する(ステップS20)。分割点検出部177は、特定したシーンチェンジ検出点を、コンテンツを分割するための分割点として特定する。
【0058】
MPU170は、上記の処理により特定した分割点を示す情報を信号処理部140のデータ処理部146に送信する。データ処理部146の分割処理部148は、MPU170から送信される分割点を示す情報に基づいてHDD160に記録されているコンテンツを分割する位置を特定する。
【0059】
分割処理部148は、MPU170により指示される分割点に基づいて、HDD160に記録したコンテンツを第1のコンテンツと第2のコンテンツとに分割する。データ処理部146は、分割した第1のコンテンツを第1のトランスコーダ143に入力する。また、データ処理部146は、分割した第2のコンテンツを第2のトランスコーダ145に入力する。
【0060】
第1のトランスコーダ143及び第2のトランスコーダ145は、それぞれ入力されたコンテンツに対してMPU170により制御される解像度及びビットレートでトランスコードを施す。第1のトランスコーダ143及び第2のトランスコーダ145は、トランスコードを施したコンテンツをデータ処理部146に出力する。データ処理部146の結合処理部147は、受信する第1および第2のコンテンツを結合し、HDD160に出力する。
【0061】
上記したように、本実施形態に係る映像記録再生装置100は、記録コンテンツの中間点近くのCM検出点を特定し、特定したCM検出点に近いシーンチェンジ検出点を分割点として特定する。これにより、分割後の第1のコンテンツと、第2のコンテンツとの長さの差を短くすることができる。この結果、映像記録再生装置100は、より効率的にトランスコード、再エンコードを実行することが出来る。
【0062】
さらに、本実施形態では、映像記録再生装置100は、シーンチェンジ検出点を分割点として特定するように構成されている。この為、映像記録再生装置100は、コンテンツ内のシーンのシームレス化を実現することが出来る。
【0063】
この結果、よりユーザの利便性を向上させることが出来る情報記録装置、及び情報記録方法を提供することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、MPU170は、コンテンツの分割処理を行った後に検出点保持部176の記録内容を消去する。これにより、映像記録再生装置100は、不要な情報を残すことなく、分割点を示す情報を残すことが出来る。
【0065】
また、上記した実施形態では、映像記録再生装置100は、トランスコーダを2つ備える構成として説明したが、この構成に限定されない。映像記録再生装置100が備えるトランスコーダの数は、少なくとも2つ以上であれば如何なる数であっても本発明を適用することが出来る。
【0066】
例えば、映像記録再生装置100が4つのトランスコーダを備える場合、MPU170の分割点検出部177は、3つの分割点を検出する。この場合、分割点検出部177は、長さTの記録コンテンツのT/4、T/2、3T/4の位置に近いCM検出点を特定し、各CM検出点に最も近いシーンチェンジ検出点をそれぞれ分割点として特定する。即ち、分割点検出部177は、映像記録再生装置100が備えるトランスコーダの数に応じて検出する分割点の数を決定する。
【0067】
分割処理部148は、特定された分割点でコンテンツを第1乃至第4のコンテンツに分割する。データ処理部146は、分割した各コンテンツをそれぞれ異なるトランスコーダに入力する。これにより、映像記録再生装置100は、並列的にトランコードを実行することができる。
【0068】
さらに、映像記録再生装置100を通信インターフェース190を介して複数台接続することにより、他の映像記録再生装置100のトランスコーダを使用する構成であってもよい。例えば、トランスコーダを2つ備える映像記録再生装置100を2台接続する場合、映像記録再生装置100が4つのトランスコーダを備える構成であると想定して分割処理を行うことができる。即ち、この場合、複数台の映像記録再生装置100によりトランスコードを分担して行うことにより、処理の高速化を実現することが出来る。
【0069】
また、上記した実施形態では、映像記録再生装置100は、記録コンテンツの中間点に近いCM検出点を特定し、特定したCM検出点に最も近いシーンチェンジ検出点を分割点として特定するとして説明したが、この構成に限定されない。例えば、映像記録再生装置100は、常に特定したCM検出点の前側、または後ろ側から分割点を特定する構成であってもよい。
【0070】
CM検出点の前側から分割点を特定する場合、映像記録再生装置100は、特定したCM検出点より前に位置し、最も近いシーンチェンジ検出点を分割点として特定する。また、CM検出点の後側から分割点を特定する場合、映像記録再生装置100は、特定したCM検出点より後に位置し、最も近いシーンチェンジ検出点を分割点として特定する。
【0071】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
100…映像記録再生装置、110…入力端子、120…チューナ、130…復調部、140…信号処理部、141…エンコーダ、142…セレクタ、143…第1のトランスコーダ、144…セレクタ、145…第2のトランスコーダ、146…データ処理部、147…結合処理部、148…分割処理部、149…デコーダ、150…出力端子、160…HDD、170…MPU、171…ROM、172…RAM、173…録画制御部、174…シーンチェンジ検出部、175…CM検出部、176…検出点保持部、177…分割点検出部、180…操作入力部、190…通信インターフェース、191…通信端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツが入力される入力手段と、
前記入力手段により入力されるコンテンツをエンコードするエンコーダと、
前記エンコーダによりエンコードしたコンテンツを記録する記録手段と、
前記記録手段により記録されるコンテンツに対してトランスコードを行う複数のトランスコーダと、
前記入力手段により入力されるコンテンツからCMを検出するCM検出手段と、
前記入力手段により入力されるコンテンツからシーンチェンジを検出するシーンチェンジ検出手段と、
前記CM検出手段により検出するCM検出点と前記シーンチェンジ検出手段により検出するシーンチェンジ検出点とに基づいて、分割点を検出する分割点検出手段と、
前記分割点検出手段により検出する分割点に基づいて前記記録手段により記録したコンテンツを分割する分割手段と、
前記分割手段により分割したコンテンツをそれぞれ異なる前記トランスコーダに出力するデータ処理手段と、
を具備することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記分割点検出手段は、前記記録手段により記録したコンテンツの中間点に最も近いCM検出点を特定し、特定したCM検出点がシーンチェンジ検出点と一致している場合、特定したCM検出点を分割点として検出することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記分割点検出手段は、前記記録手段により記録したコンテンツの中間点に最も近いCM検出点を特定し、特定したCM検出点がシーンチェンジ検出点と一致してない場合、特定したCM検出点に最も近いシーンチェンジ検出点を分割点として検出することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記分割点検出手段は、特定したCM検出点より前側の最も近いシーンチェンジ検出点を分割点として検出することを特徴とする請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記分割点検出手段は、特定したCM検出点より後側の最も近いシーンチェンジ検出点を分割点として検出することを特徴とする請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記分割点検出手段は、前記トランスコーダの数に応じて検出する分割点の数を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項7】
コンテンツが入力される入力手段と、前記入力手段により入力されるコンテンツをエンコードするエンコーダと、前記エンコーダによりエンコードしたコンテンツを記録する記録手段と、前記記録手段により記録されるコンテンツに対してトランスコードを行う複数のトランスコーダと、を備える情報記録装置に用いられる情報記録方法であって、
前記入力手段により入力されるコンテンツからCMを検出し、
前記入力手段により入力されるコンテンツからシーンチェンジを検出し、
前記検出するCM検出点と前記検出するシーンチェンジ検出点とに基づいて、分割点を検出し、
前記検出する分割点に基づいて前記記録手段により記録したコンテンツを分割し、
前記分割したコンテンツをそれぞれ異なる前記トランスコーダに出力する、
ことを特徴とする情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−130293(P2011−130293A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288314(P2009−288314)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】