説明

情報記録装置及びその方法

【課題】可逆性の感熱記録媒体に搬送不良やジャム検出用の規定の黒マークを予め付けることなく、かつ複数のセンサを設けずに簡単な構成で感熱記録媒体が正しく搬送できているか否かをチェックすること。
【解決手段】感熱記録媒体1への例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dの記録と共に、感熱記録媒体1の一端部に黒色マーク5を書き込み、かつこの黒色マーク5を反射センサ9により検出し、この検出された黒色マーク5における黒マーク部分の周期性に基づいて感熱記録媒体1の例えば搬送不良やジャムを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱記録、感熱消去が可能なリライタブルな感熱記録媒体に対する記録情報の記録・消去を行う情報記録装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録方式や、特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等が存在する。この感熱記録紙は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を用いて加熱されて発色、消色される。このような感熱記録紙に対する記録方式には、例えばサーマルヘッド等の記録ヘッドを直接接触させる方式がある。
【0003】
感熱記録紙を用いた情報記録の技術としては、例えば特許文献1がある。この特許文献1は、可逆性の感熱材料を非接触で顕色、消色する方法に関し、基板上に、赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収層と感熱記録層とを順次積層した情報記録媒体を開示する。このうち感熱記録層は、感熱発色層又は金属薄膜層から成り、赤外線吸収層の熱によって発色又は変色或いは溶融除去される。又、特許文献1は、赤外線レーザの照射により情報記録媒体における赤外線吸収層を発熱させ、この熱により感熱記録層を発色又は変色或いは溶融除去させる情報記録媒体の記録方法を開示する。
【0004】
このような印刷用紙を搬送する場合の搬送不良やジャム検出方法に関しては、次のような方法が知られている。ロール紙やファンホールド紙等の印刷用紙に印刷する装置では、印刷用紙の裏面に黒マークを予め特定間隔で印刷(マーキング)し、印刷用紙を搬送しながら黒マークを反射センサ等により検出し、この検出結果に基づいて搬送不良やジャムを検出しながら印刷用紙への印刷を行う方式がある。ロール状のラベル印刷の場合には、予め決められたラベル長で設けられたラベル部と台紙部とで透過率が異なる点を利用し、透過センサによって台紙部(ギャップ部)を検出しながら印刷用紙への印刷を行う方法も知られている。
これら方式は、特定間隔でマーキングされた黒マークを反射センサ等により検出し、この検出された黒マークが特定間隔でマーキングされていることを判定することで印刷用紙に搬送不良やジャムが発生していないことを確認する、又は予め決められたラベル長で設けられたラベル部を反射センサ等により検出し、この検出されたラベル部が予め決められたラベル長であることを判定することで印刷用紙に搬送不良やジャムが発生していないことを確認する。
【0005】
又、例えば小売店における商品販売の精算等に用いる電子キャッシュレジスタでは、レシート紙に商品名、単価等を印刷するが、このレシート紙は、裏面に印刷が何もなく、かつ商品販売の精算等の毎に印刷に必要とする長さが異なる。このようなレシート紙に対する印刷では、ジャムによりレシート紙の搬送経路内でレシート用紙が折り重なり合うことが生じることがある。このようなジャムが発生した場合には、最終的に、レシート紙の搬送経路の上部に取り付けられた検出スイッチを押してカバー等を持ち上げ、ジャムしているレシート紙を取り出す。
単票用紙では、用紙検出センサを搬送経路上に複数設け、単票用紙が搬送される順に用紙検出センサによる用紙検出状態の推移していく状態をチェックすることにより単票用紙の搬送が正しく行われているか判定する。
【特許文献1】特許第3266922号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
可逆性の感熱記録媒体は、情報の記録/消去を繰り返し行えるものの搬送不良やジャムの発生により搬送されず、これによって同一箇所に熱が加え過ぎられてしまい、感熱記録媒体自体を傷めて使用できなくなることがある。このような事態を放置すると、感熱記録媒体の搬送不良やジャムを検出できない装置では、感熱記録媒体の同一箇所への熱の加えすぎによって事態をより悪化させることも懸念される。
【0007】
上記のように印刷用紙の搬送不良やジャムを検出するためにロール紙やファンホールド紙のように裏面に黒マークをマーキングすると、この黒マークをマーキングする領域が必要になり、この黒マークのマーキング領域の大きさによって情報を記録するための記録用紙の仕様に制約が出る。このため、規定の黒マークの付いた印刷用紙しか使用できない。
【0008】
可逆性の感熱記録媒体を想定した場合、感熱記録媒体は複数回繰り返して利用するので、通常、単票的な感熱記録媒体を用いることが普通である。このような感熱記録媒体の搬送不良やジャムの検出には、複数の用紙検出センサを装置内の搬送経路上に設ける。そして、感熱記録媒体の搬送に従って複数の用紙検出センサの検出状態が順次推移することをチェックすることにより感熱記録媒体の搬送不良やジャムを検出する。
【0009】
しかしながら、用紙検出センサの設置数が少なくなると、感熱記録媒体の搬送やジャムをチェックするタイミングが粗くなり、精度高く搬送不良やジャムの発生を検出することが困難になると共に、搬送不良やジャムの発生の検出タイミングが遅れる。一方、用紙検出センサの設置数を増加すると、装置のコストアップに繋がり、かつ制御が複雑化する。
【0010】
本発明の目的は、可逆性の感熱記録媒体に搬送不良やジャム検出用の規定の黒マークを予め付けることなく、かつ複数のセンサを設けずに簡単な構成で感熱記録媒体が正しく搬送できているか否かをチェックできる情報記録装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の主要な局面に係る情報記録装置は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、感熱記録媒体に対して記録情報の記録を行う情報記録装置において、感熱記録媒体に記録情報を記録し、かつ感熱記録媒体の少なくとも一端部に搬送状態確認用の標識を書き込む記録系と、感熱記録媒体の少なくとも一端部に書き込まれた標識を検出する標識検出部と、標識検出部の検出された標識に基づいて少なくとも感熱記録媒体の搬送状態を検出する搬送状態検出部とを具備する。
【0012】
本発明の主要な局面に係る情報記録方法は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、感熱記録媒体に対して記録情報の記録を行う情報記録方法において、感熱記録媒体への記録情報の記録と感熱記録媒体の少なくとも一端部への搬送状態確認用の標識の書き込みとを共に又はそれぞれ独立して行い、感熱記録媒体の少なくとも一端部に書き込まれた標識を検出し、検出された標識に基づいて少なくとも感熱記録媒体の搬送状態を検出する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可逆性の感熱記録媒体に搬送不良やジャム検出用の規定の黒マークを予め付けることなく、かつ複数のセンサを設けずに簡単な構成で感熱記録媒体が正しく搬送できているか否かをチェックできる情報記録装置及びその方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は情報記録装置の構成図を示す。可逆性の感熱記録媒体1は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。この感熱記録媒体1は、感熱記録、感熱消去を可能とする記録領域が形成されている。この感熱記録媒体1の記録領域内においては、図2に示すように発色温度、例えば融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体1は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。この消去状態となる温度を消去温度とする。さらに、感熱記録媒体1は、染料と顕色剤との融点以下でもある一定時間の加熱により染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消去状態となる温度域、すなわち消去温度として例えば約130℃〜170℃程度もある。
搬送機構2は、感熱記録媒体1を例えば一定の搬送速度で搬送方向Aに搬送する。
【0015】
記録系3が搬送機構2により搬送される感熱記録媒体1の上方に設けられている。この記録系3は、感熱記録媒体1に記録情報Dを記録し、かつ感熱記録媒体1の少なくとも一端部に搬送状態確認用の標識として例えば黒色のマーク5を周期的に書き込む。なお、記録情報Dは、例えば購入する商品の情報等である。
【0016】
この記録系3は、感熱記録媒体1への記録情報Dの記録と共に、黒色マーク5を感熱記録媒体1の一端部に書き込むもので、半導体レーザ(LD)6と、走査機構としてのポリゴンミラー7と、後述する記録書込み制御部8とを有する。半導体レーザ6は、感熱記録媒体1を発色させるパワーを有するレーザビーム6aを出力する。この半導体レーザ6は、低出力で、例えば近赤外波長領域の発光波長、例えば波長750nm〜1000nmを有する。この半導体レーザ6は、例えばレーザプリンタやレーザポインタ、DVDプレーヤ等に既に多数使用されている。なお、半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aの光路上には、光学レンズ群が配置され、半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをポリゴンミラー7に導く。
【0017】
ポリゴンミラー7は、例えば矢印B方向に一定の速度で回転し、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを主走査方向、すなわち搬送方向Aに対して垂直方向に走査し、感熱記録媒体1の全幅方向に走査する。このときポリゴンミラー7は、搬送方向Aに対して垂直方向から見てレーザビーム6aを感熱記録媒体1の印字面上に対して垂直方向に照射する。なお、ポリゴンミラー7は、感熱記録媒体1の幅長よりもスキャン幅でレーザビーム6aをスキャンしてもよい。なお、感熱記録媒体1の搬送方向Aが副走査方向となる。なお、ポリゴンミラー7に代えてガルバノミラーを用いてもよい。
【0018】
反射センサ9が感熱記録媒体1の搬送路上における感熱記録媒体1の一端部に対応して設けられている。この反射センサ9は、標識検出部として感熱記録媒体1の一端部に周期的に書き込まれた黒色マーク5を検出する。この反射センサ9は、感熱記録媒体1の一端部に対して光を放射し、感熱記録媒体1の一端部からの反射光を受光し、そのマーク検出信号を出力する。この反射センサ9は、感熱記録媒体1における記録情報の記録位置すなわちレーザビーム6aをスキャン位置Sよりも感熱記録媒体1の搬送方向Aの下流側で、かつスキャン位置Sに近接して設けられている。
【0019】
記録制御部10は、感熱記録媒体1を搬送すると共に、感熱記録媒体1に対して記録情報の記録を行うもので、感熱記録媒体1の搬送状態として例えば搬送不良やジャムを検出する。具体的に記録制御部10は、CPU、ROM、RAM等により成る主制御部11を有する。ROMには、予め記録制御プログラムが記憶されている。この記録制御プログラムは、感熱記録媒体1への例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dの記録と共に、感熱記録媒体1の一端部への黒色マーク5の書き込みを行わさせ、感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5を検出させ、この検出された黒色マーク5に基づいて感熱記録媒体1の例えば搬送不良やジャムを検出させる。
【0020】
主制御部11は、搬送制御部12と走査制御部13と情報取込部14とに対して指令を発して動作制御し、かつデータ記憶部15に対するデータ書込み、読み出しを行う。又、主制御部11は、ROMに記憶されている記録制御プログラムを実行することにより記録書込制御部8と搬送状態検出部16とを有する。
搬送制御部12は、搬送機構2を動作制御し、感熱記録媒体1を例えば一定の搬送速度で搬送方向Aに搬送させる。
走査制御部13は、ポリゴンミラー7を動作制御し、例えば矢印B方向に一定の速度で回転させ、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを搬送方向Aに対して垂直方向に走査させる。
情報取込部14は、感熱記録媒体1に記録すべき例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dを取り込む。
【0021】
記録書込制御部8は、情報取込部14から取り込まれた記録情報Dを受け取り、この記録情報Dに対して黒色マーク5の情報kを付加する。感熱記録媒体1上の印字面は、例えば図3に示すようにユーザ領域Uとシステム領域Fとに分かれている。ユーザ領域Uには、記録情報Dが記録される。システム領域Fは、感熱記録媒体1の一端部に設けられ、黒色マーク5の情報kが書き込まれる。このシステム領域Fは、感熱記録媒体1の幅方向でかつ感熱記録媒体1の一端部から数mm、例えば3mmの幅に形成されている。黒色マーク5は、例えば幅3mmで長さ2mmの黒マーク部分と、幅3mmで長さ2mm長の空白部分とを周期的に交互に配列して成る。
【0022】
しかるに、記録書込制御部8は、例えば図4に示すようにデータ記憶部15にユーザ記憶エリアUeとシステム記憶エリアFeとを形成する。これらユーザ記憶エリアUeとシステム記憶エリアSeとは、それぞれ感熱記録媒体1上の印字面におけるユーザ領域Uとシステム領域Fとに対応する。ユーザ記憶エリアUeは、記録情報Dを記憶するための領域である。システム領域Feは、感熱記録媒体1の一端部の書込み位置に対応し、黒色マーク5の情報kを記憶するための領域である。記録書込制御部8は、ユーザ記憶エリアUeに記録情報Dを記憶し、かつシステム記憶エリアSeに黒色マーク5の情報kを記憶し、これら記録情報Dに黒色マーク5の情報kを付加する。記録書込制御部8は、黒色マーク5の情報kを付加した記録情報Dkに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御し、感熱記録媒体1への記録情報Dの記録と共に、黒色マーク5を感熱記録媒体1の一端部に書き込む。
【0023】
搬送状態検出部8は、常時、反射センサ9から出力されるマーク検出信号を入力し、このマーク検出信号から黒色マーク5における黒マーク部分と空白部分との周期性を監視し、感熱記録媒体1の搬送状態、例えば搬送不良、ジャムを検出する。
【0024】
次に、上記の如く構成された装置における感熱記録媒体1の搬送状態の検出動作について説明する。
情報取込部14は、感熱記録媒体1に記録すべき例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dを取り込む。この記録情報Dは、記録書込制御部8に送られる。
記録書込制御部8は、情報取込部14から取り込まれた記録情報Dを受け取り、例えば図4に示すように記録情報Dをデータ記憶部15のユーザ記憶エリアUeに記憶すると共に、システム記憶エリアSeに黒色マーク5の情報kを記憶し、これにより記録情報Dに黒色マーク5の情報kを付加した記録情報Dkを作成する。そして、記録書込制御部8は、黒色マーク5の情報kを付加した記録情報Dkに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御する。
【0025】
これと共に搬送制御部12は、搬送機構2を動作制御し、感熱記録媒体1を例えば一定の搬送速度で搬送方向Aに搬送させる。走査制御部13は、ポリゴンミラー7を動作制御し、例えば矢印B方向に一定の速度で回転させ、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを搬送方向Aに対して垂直方向に主走査させる。
これにより、感熱記録媒体1の印字面上には、レーザビーム6aが1ライン毎に主走査される。このとき、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aは、図4に示す黒色マーク5の情報kを付加した記録情報Dkに基づいてオン・オフしているので、感熱記録媒体1上の印字面は、例えば図3に示すようにユーザ領域Uに例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dが記録され、これと共に感熱記録媒体1の一端部であるシステム領域Fに黒色マーク5の情報kが書き込まれる。このうち黒色マーク5は、例えば幅3mmで長さ2mmの黒マーク部分と、幅3mmで長さ2mm長の空白部分とを周期的に交互に配列して書き込まれる。
【0026】
このような黒色マーク5の感熱記録媒体1上の印字面上への書込みについて例えば感熱記録媒体1の搬送方向Aの解像度が例えば200dpi相当(8ライン/mm)の場合を例について説明する。
この場合、ポリゴンミラー7は、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを搬送方向Aに対して垂直方向から見て感熱記録媒体1の印字面上に対して垂直方向に照射するが、この走査の最終端となる感熱記録媒体1上の印字面上の一端部の例えば3mm幅分は、強制的に発光させて黒マーク5を書き込む。この黒マーク5を書き込みは、感熱記録媒体1を黒色に発色させるパワーを有するレーザビーム6aの主走査を例えば16ライン繰り返すことにより例えば幅3mmで長さ2mmの黒マーク部分を書き込み、次に、感熱記録媒体1を消去させるパワーを有するレーザビーム6aの主走査を例えば16ライン繰り返すことにより幅3mmで長さ2mm長の空白部分を作成する。そして、これら黒マーク部分の書込みと空白部分の作成とを繰り返して感熱記録媒体1の印字面上の一端部に周期的に黒マーク部分の現れる黒マーク5を書き込む。
【0027】
反射センサ9は、搬送される感熱記録媒体1の一端部に対して光を放射し、感熱記録媒体1の一端部からの反射光を受光し、感熱記録媒体1の一端部に周期的に書き込まれた黒色マーク5を検出してマーク検出信号を出力する。
【0028】
搬送状態検出部8は、常時、反射センサ9から出力されるマーク検出信号を入力し、このマーク検出信号から黒色マーク5における黒マーク部分と空白部分との周期性を監視し、感熱記録媒体1の搬送状態、例えば搬送不良、ジャムを検出する。すなわち、感熱記録媒体1の搬送に例えば不良やジャムが発生しなければ、黒色マーク5を監視することにより例えば幅3mmで長さ2mmの黒マーク部分と、幅3mmで長さ2mm長の空白部分とが周期的に交互に検出される。
【0029】
ところが、感熱記録媒体1を例えば2mm以上搬送方向Aに搬送させても、黒マーク部分を検出している状態から空白部分の検出に変移しなかったり、逆に空白部分を検出している状態から黒マーク部分の検出に変移しなければ、搬送状態検出部8は、感熱記録媒体1が正常に搬送されておらず、感熱記録媒体1の搬送不良又はジャムが発生していると判断する。又、黒マーク部分を書き込んでいるのに当該黒マーク部分を反射センサ9により検出されなかったり、黒マーク部分と空白部分とを検出する周期が実際の長さ2mmの黒マーク部分と長さ2mmの空白部分とに対応せずに異常であれると判断すると、搬送状態検出部8は、感熱記録媒体1における記録情報の記録位置すなわちレーザビーム6aをスキャン位置Sから反射センサ9の設置位置までの近辺で感熱記録媒体1の搬送不良やジャムが発生して正常に感熱記録媒体1が行えていないということを検出する。
【0030】
しかるに、搬送状態検出部8は、感熱記録媒体1の搬送不良又はジャム発生を判断したとき、直ちに記録情報Dの記録動作の中断、例えば半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aの停止、ポリゴンミラー7の停止等を行い、エラー通知を行う。このエラー通知は、例えばエラーブザー音の鳴動やエラーランプの点灯、表示器へのエラーメッセージの表示、ホストコンピュータヘのエラーステータスの通知等である。なお、エラー通知方法は、上記エラー通知方法に限定されるものでない。この結果、感熱記録媒体1の搬送不良又はジャム発生を簡単に検出することができる。
【0031】
このように上記第1の実施の形態によれば、感熱記録媒体1への例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dの記録と共に、感熱記録媒体1の一端部に黒色マーク5を書き込み、かつこの黒色マーク5を反射センサ9により検出し、この検出された黒色マーク5における黒マーク部分の周期性に基づいて感熱記録媒体1の例えば搬送不良やジャムを検出する。
【0032】
これにより、感熱記録媒体1に搬送不良やジャム検出用の規定の黒マークを予め付けることなく、かつ複数のセンサを設けずに簡単な構成で、感熱記録媒体1が正しく搬送できているか否かをチェックでき、感熱記録媒体1の搬送不良又はジャム発生を簡単に検出することができる。感熱記録媒体1の搬送不良又はジャム発生を検出したときには、直ちに、記録情報Dの記録動作の中断、例えば半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aの停止、ポリゴンミラー7の停止等を行うことができ、エラー通知を行うことができる。これにより、感熱記録媒体1や装置自体を保護することができる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、搬送状態検出部8に以下の機能が付加されている。
この搬送状態検出部8は、反射センサ9から出力されるマーク検出信号を入力し、このマーク検出信号に基づいて黒色マーク5における黒マーク部分の濃度を数値的に読み込み、黒マーク部分の濃度をチェックし、黒マーク部分の濃度が予め設定された規定値以下であれば、例えば感熱記録媒体1自体に傷等が付いたりして不良品であったり、記録情報Dを正規に記録できなくなってきているという感熱記録媒体1の寿命であると判定する。これら感熱記録媒体1自体に傷等が付いたりして不良品であったり、感熱記録媒体1の寿命である場合は、感熱記録媒体1に対する記録情報Dの記録は基本的に行える。なお、予め設定された規定値は、記録情報Dを正常に記録できるときの感熱記録媒体1における濃度値である。
【0034】
従って、搬送状態検出部8は、例えば感熱記録媒体1自体に傷等が付いたりして不良品であったり、感熱記録媒体1の寿命であると判定すると、感熱記録媒体1に対して基本的に記録が行えるので、例えばワーニング、例えばブザーの鳴動、ランプの点灯、表示等を行ってユーザに通知する。なお、搬送状態検出部8は、黒色マーク5における黒マーク部分の濃度の検出に限定されるものでなく、黒色マーク5における空白部分の反射率の数値をチェックしてもよい。黒色マーク5における空白部分の反射率をチェックすることにより、感熱記録媒体1にレーザビーム6aを照射して消去したときの消去が正常に行われたか否かをチェックできる。このチェック結果から感熱記録媒体1の寿命を判定できる。
【0035】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図5は情報記録装置の特徴的な部分の構成図を示す。本装置は、消去系20を備える。この消去系20は、反射センサ9により感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5を検出し、この検出された黒色マーク5における黒マーク部分の周期性に基づいて搬送状態検出部8により感熱記録媒体1の例えば搬送不良やジャムの有無の検出の後、感熱記録媒体1に書き込まれた黒色マーク5を消去する。
【0036】
具体的に消去系20は、反射センサ9によりも感熱記録媒体1の搬送方向Aの下流側に設けられている。この消去系20は、半導体レーザ21と、走査機構としてのポリゴンミラー22とを有する。半導体レーザ21は、感熱記録媒体1の記録領域を消去温度まで加熱可能な出力パワーを有するレーザビーム21aを出力する。ポリゴンミラー22は、半導体レーザ21から出力されたレーザビーム21aを主走査方向で感熱記録媒体1の一端部に走査する。なお、レーザビーム21aの走査範囲は、感熱記録媒体1の一端部及び当該一端部よりも感熱記録媒体1の外側を含む範囲に設定される。
【0037】
次に、上記の如く構成された装置における感熱記録媒体1の搬送状態の検出動作について説明する。
記録書込制御部8は、黒色マーク5の情報kを付加した記録情報Dkに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御する。これと共に搬送制御部12は、搬送機構2を動作制御し、感熱記録媒体1を例えば一定の搬送速度で搬送方向Aに搬送させる。走査制御部13は、ポリゴンミラー7を動作制御し、例えば矢印B方向に一定の速度で回転させ、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを搬送方向Aに対して垂直方向に主走査させる。これにより、感熱記録媒体1の印字面上には、例えば図3に示すようにユーザ領域Uに例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dが記録され、これと共に感熱記録媒体1の一端部であるシステム領域Fに黒色マーク5の情報kが書き込まれる。
【0038】
反射センサ9は、感熱記録媒体1の一端部に周期的に書き込まれた黒色マーク5を検出してマーク検出信号を出力する。
搬送状態検出部8は、常時、反射センサ9から出力されるマーク検出信号を入力し、このマーク検出信号から黒色マーク5における黒マーク部分と空白部分との周期性を監視し、感熱記録媒体1の搬送状態、例えば搬送不良、ジャムの有無を検出する。
【0039】
感熱記録媒体1は、例えば一定の搬送速度で搬送方向Aに搬送されている。これにより、反射センサ9により検出された黒色マーク5における黒マーク部分は、一定時間後に、消去系20により消去位置すなわち半導体レーザ21から出力されるレーザビーム21aの主走査位置に到達する。この到達時間は、感熱記録媒体1の搬送速度と、反射センサ9の設置位置とレーザビーム21aの主走査位置との間の距離とに応じて決まる。
【0040】
消去系20における半導体レーザ6は、黒色マーク5における黒マーク部分が消去系20による消去位置に到達すると、この到達タイミング時から感熱記録媒体1の記録領域を消去温度まで加熱可能な出力パワーを有するレーザビーム21aを出力する。ポリゴンミラー22は、半導体レーザ21から出力されたレーザビーム21aを主走査方向で感熱記録媒体1の一端部に走査する。これにより、感熱記録媒体1の一端部に周期的に書き込まれた黒色マーク5は、消去される。黒色マーク5における空白部分が消去系20による消去位置に到達すると、半導体レーザ21からのレーザビーム21aの出力は停止される。これにより、黒色マーク5における黒マーク部分が消去系20による消去位置に到達する毎に、半導体レーザ21からレーザビーム21aが出力されて黒色マーク5における黒マーク部分の消去が行われる。
【0041】
このように上記第3の実施の形態によれば、感熱記録媒体1の搬送状態として例えば搬送不良、ジャムの有無の検出を行った後、感熱記録媒体1に書き込まれた黒色マーク5を消去する消去系20を設けたので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができると共に、例えばユーザによって必要な画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dの他のユーザによって不必要な黒色マーク5を消去できる。
【0042】
なお、消去系20は、レーザビーム21aを走査するに限らず、例えば熱ローラを感熱記録媒体1の一端部に接触させることによって黒色マーク5を消去してもよい。すなわち、熱ローラは、感熱記録媒体1の記録領域を消去温度まで加熱可能な熱を感熱記録媒体1に加える。
【0043】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図6は情報記録装置の構成図を示す。本装置において記録系3は、情報記録系30と標識書込み系31とを有する。情報記録系30は、感熱記録媒体1に記録情報Dを記録するもので、半導体レーザ6と、ポリゴンミラー7と、記録書込み制御部8とを有する。記録書込み制御部8は、記録情報Dkに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御し、感熱記録媒体1への記録情報Dの記録を行わせる。
【0044】
又、記録書込み制御部8は、感熱記録媒体1への記録情報Dの記録と共に、標識書込み系31により感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5を消去する。すなわち、記録書込み制御部8は、例えばアナログ的な変調として直流のバイアス電流に変調電流を重畳し、この電流を半導体レーザ6に供給することによって半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aのパワーを可変可能である。又、記録書込み制御部8は、パルス的な変調として例えば直流のバイアス電流にパルス電流を重畳し、この電流を半導体レーザ6に供給することによって半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aのパワーを可変可能である。この場合、パルス電流の大きさ又はパルス幅のいずれか一方又は両方を可変してレーザビーム6aのパワーを可変することも可能である。
【0045】
従って、記録書込み制御部8は、半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aを感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5上に主走査するタイミングで、アナログ的な変調又はパルス的な変調により半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aのパワーを感熱記録媒体1の記録領域を消去温度まで加熱可能な出力パワーに制御し、感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5上に記録情報Dを上書きする際に黒色マーク5を消去する。
【0046】
標識書込み系31は、感熱記録媒体1の一端部に黒色マーク5を書き込むもので、情報記録系30による記録情報Dの記録位置すなわちレーザビーム6aをスキャン位置Sよりも感熱記録媒体1の搬送方向Aの上流側に設けられている。具体的に標識書込み系31は、半導体レーザ32と、ポリゴンミラー33と、標識書込み制御部記録34とを有する。半導体レーザ32は、感熱記録媒体1を発色させるパワーを有するレーザビーム32aを出力する。ポリゴンミラー33は、例えば矢印E方向に一定の速度で回転し、半導体レーザ32から出力されたレーザビーム32aを主走査方向、すなわち搬送方向Aに対して垂直方向に走査し、感熱記録媒体1の一端部に走査する。
【0047】
標識書込み制御部34は、黒色マーク5の情報kに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御し、感熱記録媒体1の一端部に黒色マーク5を書き込む。
反射センサ9は、感熱記録媒体1の一端部に周期的に書き込まれた黒色マーク5を検出してマーク検出信号を出力するもので、情報記録系30と標識書込み系31との間に設けられている。
【0048】
次に、上記の如く構成された装置における感熱記録媒体1の搬送状態の検出動作について説明する。
記録書込制御部8は、情報取込部14から取り込まれた例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dを受け取り、データ記憶部15のユーザ記憶エリアUeに記憶する。そして、記録書込制御部8は、記録情報Dkに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御する。
【0049】
これと共に搬送制御部12は、搬送機構2を動作制御し、感熱記録媒体1を例えば一定の搬送速度で搬送方向Aに搬送させる。走査制御部13は、ポリゴンミラー7を動作制御し、例えば矢印B方向に一定の速度で回転させ、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを搬送方向Aに対して垂直方向に主走査させる。これにより、感熱記録媒体1の印字面上には、例えばユーザにより指定される画像データや文字、バーコード等から成る記録情報Dが記録される。
【0050】
一方、標識書込み制御部34は、黒色マーク5の情報kに基づいて半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aをオン・オフ制御する。このとき、ポリゴンミラー33は、例えば矢印E方向に一定の速度で回転し、半導体レーザ32から出力されたレーザビーム32aを主走査方向、すなわち搬送方向Aに対して垂直方向に走査し、感熱記録媒体1の一端部に走査する。これにより、感熱記録媒体1の一端部には、黒色マーク5が書き込まれる。すなわち、感熱記録媒体1の一端部であるシステム領域Fには、黒色マーク5の情報kが書き込まれる。このうち黒色マーク5は、上記同様に、例えば幅3mmで長さ2mmの黒マーク部分と、幅3mmで長さ2mm長の空白部分とを周期的に交互に配列して書き込まれる。
【0051】
反射センサ9は、情報記録系30により感熱記録媒体1に記録情報Dを記録する前に、搬送される感熱記録媒体1の一端部に対して光を放射し、感熱記録媒体1の一端部からの反射光を受光し、感熱記録媒体1の一端部に周期的に書き込まれた黒色マーク5を検出してマーク検出信号を出力する。
搬送状態検出部8は、上記同様に、常時、反射センサ9から出力されるマーク検出信号を入力し、このマーク検出信号から黒色マーク5における黒マーク部分と空白部分との周期性を監視し、感熱記録媒体1の搬送状態、例えば搬送不良、ジャムを検出する。そして、搬送状態検出部8は、感熱記録媒体1の搬送不良又はジャム発生を判断すると、このとき直ちに記録情報Dの記録動作の中断、例えば半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aの停止、ポリゴンミラー7の停止等を行い、エラー通知を行う。このエラー通知は、例えばエラーブザー音の鳴動やエラーランプの点灯、表示器へのエラーメッセージの表示、ホストコンピュータヘのエラーステータスの通知等である。なお、エラー通知方法は、上記エラー通知方法に限定されるものでない。この結果、感熱記録媒体1の搬送不良又はジャム発生を簡単に検出することができる。なお、標識書込み制御部34も半導体レーザ32から出力されるレーザビーム32aの停止、ポリゴンミラー33の停止等を行う。
【0052】
なお、記録書込み制御部8は、半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aを感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5上に主走査するタイミングで、半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aのパワーを感熱記録媒体1の記録領域を消去温度まで加熱可能な出力パワーに制御する。この半導体レーザ6から出力されるレーザビーム6aのパワーの制御は、記録書込み制御部8によって例えば上述したようなアナログ的な変調又はパルス的な変調により行われる。これにより、感熱記録媒体1の記録領域を消去温度まで加熱可能な出力パワーを有するレーザビーム6aが感熱記録媒体1の一端部に主走査され、感熱記録媒体1の一端部に書き込まれた黒色マーク5上に記録情報Dを上書きする際に黒色マーク5が消去される。
【0053】
このように上記第4の実施の形態によれば、情報記録系30による記録情報Dの記録位置よりも感熱記録媒体1の搬送方向Aの上流側に標識書込み系31を設け、この標識書込み系31により感熱記録媒体1の一端部に黒色マーク5を書き込むようにした。これにより、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができると共に、半導体レーザ6から出力されたレーザビーム6aを主走査して記録情報Dを記録するときに感熱記録媒体1の一端部に書き込まれている黒色マーク5を消去できる。黒色マーク5を消去できるので、感熱記録媒体1の印字面の全面に記録情報Dを記録できる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る情報記録装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における可逆性の感熱記録媒体の特性を示す図。
【図3】同装置における感熱記録媒体の印字面上に形成されるユーザ領域とシステム領域とを示す図。
【図4】同装置におけるデータ記憶部に形成されるユーザ記憶エリアとシステム記憶エリアとを示す摸式図。
【図5】本発明に係る情報記録装置の第3の実施の形態における特徴的な部分を示す構成図。
【図6】本発明に係る情報記録装置の第4の実施の形態における特徴的な部分を示す構成図。
【符号の説明】
【0056】
1:感熱記録媒体、2:搬送機構、3:記録系、5:黒色マーク、6:半導体レーザ(LD)、6a:レーザビーム、7:ポリゴンミラー、8:記録書込み制御部、9:反射センサ、10:記録制御部、11:主制御部、12:搬送制御部、13:走査制御部、14:情報取込部、15:データ記憶部、16:搬送状態検出部、Ue:ユーザ記憶エリア、Fe:システム記憶エリア、20:消去系、21:半導体レーザ、22:ポリゴンミラー、30:情報記録系、31:標識書込み系、32:半導体レーザ、33:ポリゴンミラー、34:標識書込み制御部記録。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、前記感熱記録媒体に対して記録情報の記録を行う情報記録装置において、
前記感熱記録媒体に前記記録情報を記録し、かつ前記感熱記録媒体の少なくとも一端部に搬送状態確認用の標識を書き込む記録系と、
前記感熱記録媒体の少なくとも一端部に書き込まれた前記標識を検出する標識検出部と、
前記標識検出部の検出された前記標識に基づいて少なくとも前記感熱記録媒体の搬送状態を検出する搬送状態検出部と、
を具備することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記搬送状態検出部により前記感熱記録媒体の搬送状態が検出された後、前記感熱記録媒体に書き込まれた前記標識を消去する消去系、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記記録系は、前記標識として周期的に黒色のマークを書き込むことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記記録系は、前記感熱記録媒体への前記記録情報の記録と共に、前記標識を前記感熱記録媒体の前記一端部に書き込むことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記記録系は、レーザビームを出力する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出力された前記レーザビームを前記搬送方向に対して垂直方向の少なくとも前記感熱記録媒体を含む領域に走査する走査機構と、
前記記録情報に対して前記標識の情報を付加し、この標識の情報が付加された前記記録情報に基づいて前記半導体レーザから出力される前記レーザビームを制御し、前記感熱記録媒体への前記記録情報の記録と共に、前記標識を前記感熱記録媒体の前記一端部に書き込む記録書込み制御部と、
を有することを特徴とする請求項4記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記記録系は、前記感熱記録媒体に前記記録情報を記録する情報記録系と、
前記感熱記録媒体の少なくとも一端部に搬送状態確認用の標識を書き込む標識書込み系と、
を有することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記標識書込み系は、前記情報記録系による前記記録情報の記録位置よりも前記感熱記録媒体の搬送方向の上流側に設けられ、
前記記録系は、前記感熱記録媒体に前記記録情報を記録すると共に、前記感熱記録媒体の少なくとも前記一端部に書き込まれた前記標識を消去する、
ことを特徴とする請求項6記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記情報記録系は、レーザビームを出力する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出力された前記レーザビームを前記搬送方向に対して垂直方向の少なくとも前記感熱記録媒体を含む領域に走査する走査機構と、
前記記録情報に基づいて前記半導体レーザから出力される前記レーザビームを制御し、前記感熱記録媒体への前記記録情報の記録を行う記録書込み制御部と、
を有することを特徴とする請求項6記載の情報記録装置。
【請求項9】
前記標識書込み系は、レーザビームを出力する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出力された前記レーザビームを前記感熱記録媒体の前記一端部に走査する走査機構と、
前記標識の情報に基づいて前記半導体レーザから出力される前記レーザビームを制御し、前記感熱記録媒体の前記一端部に前記標識を書き込む標識書込み制御部と、
を有することを特徴とする請求項6記載の情報記録装置。
【請求項10】
前記走査機構は、前記感熱記録媒体上に対して前記記録情報の記録を行う記録位置よりも前記感熱記録媒体の搬送方向の上流側で前記レーザビームを前記感熱記録媒体の前記一端部に走査することを特徴とする請求項9記載の情報記録装置。
【請求項11】
前記標識検出部は、前記感熱記録媒体における前記記録情報の記録位置よりも前記感熱記録媒体の搬送方向の下流側又は上流側で、かつ前記記録位置に近接して設けられることを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項12】
前記標識検出部は、前記感熱記録媒体の前記一端部に書き込まれた前記標識として周期的な黒色のマークを検出することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項13】
前記消去系は、前記標識検出部による前記標識の検出後に、前記標識を消去することを特徴とする請求項2記載の情報記録装置。
【請求項14】
前記感熱記録媒体は、常温より高い発色温度に加熱すると発色し、かつ常温で発色状態を維持し、前記発色温度よりも低い消去温度に加熱すると消色する特性を有し、
前記消去系は、前記感熱記録媒体の記録領域を前記消去温度まで加熱可能な出力パワーを有するレーザビームを出力する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出力された前記レーザビームを前記感熱記録媒体の前記一端部に走査する走査機構と、
を有することを特徴とする請求項2記載の情報記録装置。
【請求項15】
前記消去系は、前記感熱記録媒体の記録領域を消去温度まで加熱可能な熱を前記感熱記録媒体に加える熱ローラを有することを特徴とする請求項2記載の情報記録装置。
【請求項16】
前記搬送状態検出部は、前記標識検出部により検出された前記標識から当該標識の濃度を検出し、この濃度に基づいて前記感熱記録媒体の少なくとも寿命を含む良、不良を判定することを特徴とする請求項3記載の情報記録装置。
【請求項17】
前記搬送状態検出部は、前記標識検出部により検出された前記標識から当該標識の反射率を検出し、この反射率に基づいて前記感熱記録媒体の少なくとも寿命を判定することを特徴とする請求項2記載の情報記録装置。
【請求項18】
少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、前記感熱記録媒体に対して記録情報の記録を行う情報記録方法において、
前記感熱記録媒体への前記記録情報の記録と前記感熱記録媒体の少なくとも一端部への搬送状態確認用の標識の書き込みとを共に又はそれぞれ独立して行い、
前記感熱記録媒体の少なくとも前記一端部に書き込まれた前記標識を検出し、
前記検出された前記標識に基づいて少なくとも前記感熱記録媒体の搬送状態を検出する、
ことを特徴とする情報記録方法。
【請求項19】
前記感熱記録媒体の搬送状態が検出された後、前記感熱記録媒体に書き込まれた前記標識を消去することを特徴とする請求項18記載の情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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