説明

情報通信システム、通信端末、情報サーバ装置、通信プログラム、情報サービスプログラム、情報通信方法

【課題】従来と比較してより信頼性の高い認証を行い、利便性の高い認証処理を行う情報通信システムを提供する。
【解決手段】利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置とを備えた情報通信システムであって、通信端末は、自端末の利用者の認証情報を取得し、入力された情報と、認証情報とを、情報サーバ装置に送信し、情報サーバ装置は、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、認証基準情報を記憶し、送信手段から送信される認証情報と、認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定し、利用者識別情報に対応付けて、情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報に基づいて、送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信システム、通信端末、情報サーバ装置、通信プログラム、情報サービスプログラム、情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子メールの通信における盗聴や改ざん、なりすましなどの脅威への対策として、電子メールの利用者の認証を行うための認証方法が提案されている。例えば、特許文献1には、利用者の生体情報を予めサーバに登録しておき、電子メールの送受信時に利用者の生体認証を行ってからメールを配信する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2001−217863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような認証方法は、電子メール送信者の認証を行えるものであるが、電子メールの本文を書いた者を特定できるものではない。すなわち、認証を行うことができるのは電子メールの送信者のみであり、電子メールの作成者と送信者とが異なる場合に、受信者はそのような電子メールの作成者を知ることができない。
【0004】
また、特許文献1に示される方法では、電子メールの受信を行うために電子メールの送信者と受信者の双方での認証成功が必要であり、いずれかが認証失敗の場合には送受信自体が行えないものである。これでは、いわゆるDM(Direct Mail)を送受信する場合や、送信者と受信者とが方法や規格が異なる認証手段を用いている場合などには、電子メールの送受信自体が行えない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、特に電子メールの送受信において、従来と比較してより信頼性の高い認証を行い、利便性の高い認証処理を行う情報通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明は、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と、通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置とを備えた情報通信システムであって、通信端末は、自端末の利用者の認証情報を取得する認証情報取得手段と、入力された情報と、認証情報取得手段が取得した認証情報とを、情報サーバ装置に送信する送信手段と、を備え、情報サーバ装置は、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、認証情報に基づいて利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、送信手段から送信される認証情報と、利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定する利用者認証手段と、利用者識別情報に対応付けて、情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定する送信判定手段と、を備える。
【0007】
本発明は、上述の認証情報取得手段は、入力部に情報が入力される際に、情報を入力する利用者の認証情報を取得する作成者認証情報取得手段と、入力された情報を、情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が入力部に入力される際に、送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得する送信者認証情報取得手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明は、上述の送受信条件情報は、作成者認証情報と送信者認証情報とのいずれもが認証成功した場合、または少なくとも送信者認証情報が認証成功した場合、または少なくとも作成者認証情報が認証成功した場合、または作成者認証情報と送信者認証情報とのいずれもが認証失敗した場合、のいずれの場合について情報を送信するか否かを定める情報であることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上述の情報サーバ装置の、利用者情報記憶手段は、利用者識別情報に対応付けて、利用者を特定可能な文字列情報または画像情報である利用者特定情報を記憶し、利用者認証手段は、認証成功した認証基準情報に対応する利用者特定情報を読み出して出力し、情報の送信元の利用者特定情報を送信先の通信端末に送信し、一方、情報の送信先の利用者特定情報を送信元の通信端末に送信する利用者特定情報送信手段を備え、通信端末は、利用者特定情報送信手段から送信される利用者特定情報を表示する画面表示部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、複数の通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置と通信し、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する通信端末であって、入力部に情報が入力される際に、情報を入力する利用者の認証情報を取得する作成者認証情報取得手段と、入力された情報を、情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が入力部に入力される際に、送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得する送信者認証情報取得手段と、情報サーバ装置に情報を送信する際に、作成者認証情報取得手段と送信者認証情報取得手段とが取得した認証情報を情報とともに送信する送信手段と、を備える。
【0011】
本発明は、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と通信し、通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置であって、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、通信端末から送信される認証情報と、利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定する利用者認証手段と、利用者識別情報に対応付けて、情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定する送信判定手段と、を備える。
【0012】
本発明は、複数の通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置と通信し、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する通信端末としてのコンピュータに、作成者認証情報取得手段が、入力部に情報が入力される際に、情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、送信者認証情報取得手段が、入力された情報を、情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が入力部に入力される際に、送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、通信端末送信手段が、情報サーバ装置に情報を送信する際に、作成者認証情報取得手段と送信者認証情報取得手段とが取得した認証情報を情報とともに送信するステップと、を実行させる通信プログラムである。
【0013】
本発明は、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と通信し、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、利用者識別情報に対応付けて、情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、を備える通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置としてのコンピュータに、利用者認証手段が、通信端末から送信される認証情報と、利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定するステップと、送信判定手段が、送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定するステップと、を実行させる情報サービスプログラムである。
【0014】
本発明は、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、利用者識別情報に対応付けて、情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、を備える通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置とを用いた情報通信方法であって、通信端末の、作成者認証情報取得手段が、入力部に情報が入力される際に、情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、送信者認証情報取得手段が、入力された情報を、情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が入力部に入力される際に、送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、送信手段が、情報サーバ装置に情報を送信する際に、作成者認証情報取得手段と送信者認証情報取得手段とが取得した認証情報を情報とともに送信するステップと、情報サーバ装置の、利用者認証手段が、通信端末から送信される認証情報と、利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定するステップと、送信判定手段が、送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、認証情報取得部が、作成者と送信者との双方の認証情報を取得して、情報を送信する際には作成者と送信者との認証情報を送信するようにしたので、受信者は、受信する情報の作成者と送信者とを特定することができる。
また、本発明によれば、認証されていない作成者および送信者からの情報を送信するか否かを設定できるようにしたので、受信者は、認証されていない作成者または送信者からの情報も受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<概要>
まず、図1を参照して、本実施形態による情報通信システムの概要を説明する。
本実施形態による情報通信システムは、電子メールを送信する端末である通信端末100−1と、電子メールを受信する端末である通信端末100−2との通信端末と、通信端末と接続されるネットワーク50と、通信端末からの電子メールの送信を受け付けるSMTPサーバ装置300と、SMTPサーバ装置300を介して、通信端末100−1から送信される電子メールを記憶して蓄積するPOPサーバ装置400と、SMTPサーバ装置300とPOPサーバ装置400とからの認証要求に対応して認証処理を行う認証用サーバ装置200との情報サーバを備えている。ここで、ネットワーク50は、情報の送受信が可能な情報通信網である。ネットワーク50は、本実施形態では、LAN(Local Area Network)やいわゆるインターネットなどにより形成されるネットワークを想定して説明する。
【0017】
通信端末100−1を利用して電子メールの文面を入力して作成する作成者10と、同じく通信端末100−1を利用して電子メールの送信指示情報を入力する送信者20と、通信端末100−2を利用して電子メールを受信する受信者30との各利用者は、通信端末100−1または通信端末100−2を用いて、予め認証用サーバ装置200に利用者情報を送信しておく(ステップS100、ステップS110)。認証用サーバ装置200は、送信された利用者情報を記憶する。
【0018】
そして、作成者10が、通信端末100−1を利用して電子メール文面の入力をすると、通信端末100−1が備える認証情報取得部140−1が、作成者10の認証情報である生体情報を取得する。認証情報取得部140−1は、例えばWEBカメラなどであり、生体情報としての顔写真を撮像する。そして、作成者10が電子メール文面を入力した後、別の利用者である送信者20によって送信ボタンが押下され、電子メールの送信指示情報が通信端末100−1に入力されると、認証情報取得部140−1が、送信者20の認証情報である生体情報を取得する。
【0019】
送信者20によって入力された送信指示情報に従って、通信端末100−1が、作成者10に入力された電子メール情報とともに、作成者10の認証情報と、送信者20の認証情報とをSMTPサーバ装置300に送信する(ステップS200)。そして、認証用サーバ装置200は、SMTPサーバ装置300が受信した作成者10と送信者20とのそれぞれの認証情報の認証処理を行う(ステップS300)。ここで、認証用サーバ装置200は、認証処理に成功した場合は、ステップS100とステップS110とで認証用サーバ装置200に記憶された、各利用者の画像情報などである利用者特定情報を含む認証成功情報を、SMTPサーバ装置300に送信する。
【0020】
SMTPサーバ装置300は、電子メール情報と、認証成功情報がある場合は認証成功情報とをPOPサーバ装置400に送信する(ステップS400)。POPサーバ装置400は、通信端末100−2から、認証情報取得部140−2によって取得された受信者30の生体情報とともに電子メールの受信要求を受け付ける。認証用サーバ装置200が受信者30の認証処理を行うと、POPサーバ装置400は、予め定められた受信者30の受信条件情報に従って、電子メール情報と認証成功情報とを通信端末100−2に送信し、通信端末100−2が受信する(ステップS600)。
【0021】
このように、電子メールの送信時には電子メール文面を入力した作成者10とその電子メールの送信指示情報を入力した送信者20との双方の認証処理を行うようにしたので、受信者30は、その認証処理結果を受信することで、電子メールの作成者と送信者とを特定することができる。また、POPサーバ装置400は、受信者30に対応して予め記憶された受信条件情報によって電子メールを送信するか否かを判定して電子メールを送信するので、受信者30は、認証されていない電子メールを受信するか否かの可否や、通信端末100−2とは異なる認証方式の通信端末から送信された電子メールを受信するか否かの可否を設定によって変更でき、自身に最適な電子メール受信環境を作成することができる。なお、作成者10と送信者20は同一人物であってもよい。
【0022】
<構成例>
次に、本発明の一実施形態による情報通信システムについて詳細に説明する。図2は、本実施形態による通信端末100−1の構成を示すブロック図である。通信端末100−1は、作成者10および送信者20によって利用される情報機器であり、例えば、PC(Personal Computer)や、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)である。通信端末100−1は、画面表示部110−1と、入力部120−1と、通信部130−1と、認証情報取得部140−1と、メールソフト160−1とを備えている。
【0023】
画面表示部110−1は、例えば、液晶によるディスプレイである。入力部120−1は、利用者から入力される情報の入力を受け付ける。入力部120−1は、例えば、キーボードやマウス、ボタンなどの入力デバイスである。
通信部130−1は、認証用サーバ装置200と、SMTPサーバ装置300と、POPサーバ装置400との通信を行う。
【0024】
メールソフト160−1は、件名、送信先アドレス、本文などの情報を含む電子メールの作成、送信などを行うためのアプリケーションソフトウェアである。メールソフト160−1は、メール本文入力部161−1と、メール送信部162−1とを備えている。メール本文入力部161−1は、利用者から入力部120−1に入力される情報に従って、電子メールの本文を作成する。
【0025】
例えば、メールソフト160−1によって画面表示部110−1に表示される「メール作成」ボタンが押下されると、画面表示部110−1にメール作成ウィンドウが表示され、メール本文入力部161−1によって電子メールの本文の作成が行われる。メール送信部162−1は、利用者から入力部120−1に入力される情報に従って、電子メールの本文を含む電子メール情報をSMTPサーバ装置300に送信する。例えば、メールソフト160−1によって画面表示部110−1に表示される「メール送信」ボタンが押下されると、入力された電子メール情報が送信される。
【0026】
認証情報取得部140−1は、通信端末100−1を利用する利用者の生体情報を、認証情報として取得する。認証情報取得部140−1は、例えば、声紋認証機器(マイク)や、指紋認証機器や、顔を撮像するためにPCの近傍に設置されるWEBカメラなどである。また、認証情報取得部140−1は、パスワードが入力されるキーボードなどでも良い。本実施形態においては、認証情報取得部140−1は、WEBカメラであるとして説明する。
【0027】
作成者認証情報取得部141−1は、メールソフト160−1のメール本文入力部161−1によって、電子メールの本文が作成されている間、一定間隔ごとに利用者の認証情報を取得する。ここで、電子メールの本文が作成されている間とは、例えば、メールソフト160−1によって画面に表示される「メール作成」ボタンが押下されてから、メール作成ウィンドウが表示され、メールソフト160−1によって画面表示部110−1に表示される「メール送信」ボタンの押下を検出しない間である。なお、作成者認証情報取得部141−1は、一定間隔ごとに認証情報を取得するのが望ましいが、例えば、認証情報取得部140−1が声紋認証機器や指紋認証機器のように利用者の操作が必要な機器の場合には、「メール作成」ボタンが押下される際に取得することとしても良い。
【0028】
送信者認証情報取得部142−1は、メール送信部162−1によって、電子メールの送信が行われる際に、利用者の認証情報を取得する。ここで、電子メールの送信が行われる際とは、例えば、メールソフト160−1によって画面表示部110−1に表示される「メール送信」ボタンの押下を検出した時である。
【0029】
図3は、本実施形態による通信端末100−2の構成を示すブロック図である。通信端末100−2は、画面表示部110−2と、入力部120−2と、通信部130−2と、認証情報取得部140−2と、メールソフト160−2とを備えている。通信端末100−1と同様の構成については、説明を省略する。
【0030】
メールソフト160−2は、少なくともメール受信部163−2を備えている。メール受信部163−2は、利用者から入力部120−2に入力される情報に従って、POPサーバ装置400から電子メール情報を受信する。例えば、メールソフト160−2によって画面表示部110−2に表示される「メール受信」ボタンが押下されると、電子メール受信処理が開始される。
【0031】
認証情報取得部140−2は、少なくとも受信者認証情報取得部143−2を備えている。認証情報取得部140−2は、電子メール受信要求情報が通信端末100−2に入力される際に、通信端末100−2の利用者の認証情報を取得する。ここで、電子メールの受信が行われる際とは、例えば、メールソフト160−2によって画面表示部110−2に表示される「メール受信」ボタンが押下される際である。
本実施形態の説明においては、通信端末として通信端末100−1と通信端末100−2とを例とするが、このような通信端末は、それぞれ複数台でも良い。
【0032】
認証用サーバ装置200は、SMTPサーバ装置300とPOPサーバ装置400とからの認証要求に対応して認証処理を行う。認証用サーバ装置200は、認証処理部210と、認証情報記憶部220と、送信判定部230と、受信判定手段240と、送信条件情報更新部250と、受信条件情報更新部260とを備えている。認証処理部210は、通信端末100−1または通信端末100−2のいずれかから受信する認証情報と、予め認証処理情報記憶部220に記憶された利用者情報に含まれる認証テンプレートとを比較して、認証情報が、予め定められた利用者に対応するものであるか否かを判定する認証処理を行う。
【0033】
認証処理情報記憶部220は、認証処理を行うために必要な情報を記憶する。図5は、認証処理情報記憶部220が記憶する情報のテーブル構成図である。認証処理情報記憶部220は、ユーザ(利用者)情報テーブルと、送信条件情報テーブルと、受信可能アドレステーブルと、受信条件情報テーブルとを備えている。
【0034】
ユーザ情報テーブルは、ユーザID、メールアドレス、ニックネーム、認証テンプレート、利用者特定情報、未認証メール動作との項目を有している。ユーザIDは、認証用サーバ装置200へアクセスするためのユーザアカウントであり、ユーザIDによって利用者は一意に識別される。メールアドレスは、ユーザIDに対応するメールアドレスである。ニックネームは、ユーザIDに対応する利用者を識別するユーザ識別名である。ここで、メールアドレスとニックネームの関係は一対多であり、ひとつのメールアドレスに複数のニックネームを付加することが可能である。
【0035】
また、ユーザIDは、メールアドレスとニックネームとの組み合わせに対して一意に定められる。このようにして、例えば、家族内で同一のメールアドレスを利用しつつ、家族の構成員のそれぞれが異なるユーザIDとニックネームをもつことが可能である。本実施形態においては、作成者10と送信者20とは、同一のメールアドレスに対応付けられた、異なるニックネームをもち、異なるユーザIDが対応付けられた利用者である。受信者30は、作成者10と送信者20とは、メールアドレスもニックネームも異なるユーザIDが対応付けられた利用者である。
【0036】
認証テンプレートは、予め取得された認証情報である。認証テンプレートは、例えば、顔などの画像、指紋、声紋などの生体情報である。本実施形態では、認証情報は顔の画像情報であり、認証処理部210によって、通信端末100−1または通信端末100−2のいずれかから送信される認証情報としての顔画像と比較され、同一人物であるか否かが判定される。認証テンプレートは、パスワードなどでも良い。利用者特定情報は、利用者を識別するための情報であり、例えば、本人の写真などの画像情報である。利用者特定情報は、利用者を識別可能なアイコン(アバター)としての機能をもつ情報であれば、本人の画像でなくとも良く、例えば風景写真やペットの写真などでも良い。また、上述のニックネームを利用者特定情報としても良い。
【0037】
送信条件情報テーブルは、メールアドレスに対応付けて、通信端末100−1から送信される電子メールを送信する際の認証条件情報を記憶する。送信条件情報テーブルは、メールアドレスと、送信認証条件と、作成者複数人評価基準とを記憶する。送信認証条件に記憶される設定値は、「0」、「1」、「2」、「3」のいずれかであり、図6に、それぞれが示す認証状態を説明する表を示す。送信認証条件の設定値「0」は、作成者が認証成功(○)し、かつ送信者も認証成功(○)したときに認証成功とすることを示す。
【0038】
ここで、送信者の認証情報は一人分であるが、複数人が入れ替わって電子メールを作成した場合には、複数人分の認証情報が認証処理対象となる。このような場合には、作成者複数人評価基準の項目を参照する。作成者複数人評価基準に記憶された情報が、「0」であれば、複数の作成者の全ての認証が成功した場合に、認証成功とすることを示す。一方、作成者複数人評価基準に記憶された情報が、「1」であれば、複数の作成者のうち少なくとも一人分の認証情報が認証成功した場合に、認証成功とすることを示す。
【0039】
送信認証条件の設定値「1」は、作成者が認証失敗(×)しても、少なくとも送信者が認証成功(○)すれば認証成功とすることを示す。送信認証条件の設定値「2」は、少なくとも作成者が認証成功(○)すれば、送信者は認証失敗(×)しても認証成功とすることを示す。このとき、作成者複数人評価基準の設定値「0」または「1」は、上述の作成者複数人評価基準と同様に参照される。送信認証条件の設定値「3」は、作成者が認証失敗(×)し、送信者も認証失敗(×)した場合には、認証失敗として認証成功情報のないメールを送信することを示す。
【0040】
図5に戻り、受信可能アドレス情報テーブルには、ユーザIDに対応付けて、そのユーザIDが示す利用者に送信される電子メールの送信元のアドレスである受信可能アドレスと、電子メールの送信元のユーザ識別名である受信可能ニックネームとが記憶される。受信可能アドレス情報テーブルに記憶される設定値によって、利用者は、自分宛の電子メールを、メールアドレスだけでなく、生体認証情報に基づいた利用者単位のフィルタリングを行うことができる。受信可能アドレス情報テーブルは、通信端末100−2がPOPサーバ装置400から電子メールを受信する際に、POPサーバ装置400によって参照される。
【0041】
図4に戻り、送信判定部230は、認証処理情報記憶部220に記憶された送信条件情報に基づいて、通信端末100−1から受信する電子メールを通信端末100−2に送信するか否かを判定する。受信判定部240は、認証処理情報記憶部220に記憶された受信条件情報に基づいて、通信端末100−1から受信する電子メールを通信端末100−2に送信するか否かを判定する。
【0042】
送信条件情報更新部250は、ネットワーク50を介して、通信端末100−1からの送信条件情報の入力を受付け、認証処理情報記憶部220に記憶された送信条件情報を更新して記憶させる。受信条件情報更新部260は、ネットワーク50を介して、通信端末100−2からの受信条件情報の入力を受付け、認証処理情報記憶部220に記憶された受信条件情報を更新して記憶させる。送信条件情報および受信条件情報の更新は、通信端末100−1または通信端末100−2から、例えばWEBアプリケーションを介して行う。
【0043】
受信条件情報テーブルには、ユーザIDに対応付けて、受信認証条件が記憶される。受信認証条件に記憶される設定値「0」、「1」、「2」、「3」の値が示す認証状態を説明する表を図7に示す。受信認証条件の設定値が示す認証状態は、上述の送信条件情報に記憶される設定値に準ずるものであるので、説明を省略する。
【0044】
図8は、本実施形態によるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ装置300の構成を示すブロック図である。SMTPサーバ装置300は、電子メールを転送するサーバプログラムを備える装置である。本実施形態においては、通信端末100−1が送信する電子メールは、SMTPサーバ装置300によって相手先のPOPサーバ装置400に転送される。SMTPサーバ装置300は、受信部310と、送信部320と、認証要求部330とを備えている。
【0045】
受信部310は、通信端末100−1から送信される電子メールと作成者認証情報と送信者認証情報とを受信する。認証要求部330は、受信部310が受信した電子メールと作成者認証情報と送信者認証情報とを認証用サーバ装置200に送信し、認証用サーバ装置200から応答される認証結果に応じて、電子メールの送信(転送)を制御する。送信部320は、POPサーバ装置400に電子メールを転送する。
【0046】
図9は、本実施形態によるPOP(Post Office Protocol)サーバ装置400の構成を示すブロック図である。POPサーバ装置400は、通信端末100−2からの電子メール受信要求に応じて、通信端末100−2が有するメールアドレスを宛先とする電子メールを送信する。POPサーバ装置400は、受信部410と、送信部420と、認証要求部430と、POP認証部440と、POP認証情報記憶部450と、メールボックス460と、メール制御部470とを備えている。
【0047】
受信部410は、SMTPサーバ装置300から転送される電子メールと、通信端末100−2から送信される電子メール受信要求と受信者認証情報とを受信する。認証要求部430は、通信端末100から受信する電子メール送信要求と受信者認証情報とを認証用サーバ装置200に送信し、認証用サーバ装置200から応答される認証結果に応じて、電子メールの送信(転送)を制御する。送信部420は、通信端末100−2から送信される電子メール受信要求に応じて、通信端末100−2に電子メールを送信する。
【0048】
POP認証部440は、いわゆるPOP認証として、ユーザアカウントとパスワードとによる認証を行う。POP認証情報記憶部450は、POP認証を行うために、予め定められた利用者のユーザアカウントとパスワードとを記憶する。メールボックス460は、SMTPサーバ装置300から転送される電子メールを記憶する。メール制御部470は、メールボックス460に記憶された電子メール情報を制御する。
【0049】
<動作例>
次に、本発明による情報通信システムが、通信端末100−1から通信端末100−2への電子メール送信を認証する動作例を説明する。
認証用サーバ装置200の認証処理情報記憶部220に記憶される各テーブルには、本システムを利用する各利用者(作成者10、送信者20、受信者30)に関する情報が予め記憶されている。
【0050】
本実施形態においては、作成者10と送信者20とは、同一のメールアドレスに対応付けられた、異なるニックネームをもち、異なるユーザIDが対応付けられた利用者として認証処理情報記憶部220のユーザ情報テーブルに予め記憶される。また、受信者30に対応するユーザ情報には、作成者10と送信者20とは、メールアドレスもニックネームも異なるユーザIDが対応付けられている。また、受信者30のユーザIDに対応する受信可能アドレス情報テーブルの情報には、送信者20と受信者30とに対応するメールアドレスと、それぞれのニックネームが受信可能な相手先として記憶されている。
【0051】
図10は、通信端末100−1から送信される電子メールが、POPサーバ装置400に送信されるまでの処理を示すシーケンス図である。
通信端末100−1のメールソフト160−1によって画面表示部110−1に表示される「メール作成」ボタンが、作成者10によって押下されると、画面表示部110−1にメール作成ウィンドウが表示され、電子メールの作成処理が開始される(ステップS150)。
【0052】
ここで、作成者認証情報取得部141−1であるWEBカメラは、この時点での利用者である作成者10の撮像を開始する(ステップS155−1〜ステップS155−N(Nは任意の数))。作成者認証情報取得部141−1は、予め定められた時間間隔(例えば、5分)で、作成者10の撮像を行い、撮像情報を記憶する。なお、作成者認証情報取得部141−1であるWEBカメラは、撮像している人物(通信端末100−1の利用者)が替わったことを認識した時にも、利用者の撮像情報を記憶することとしても良い。
【0053】
そして、作成者10からの入力に従って、入力部120−1とメール本文入力部161−1とによって電子メールの本文の情報が入力される。そして、メールソフト160−1によって画面表示部110−1に表示される「メール送信」ボタンが、作成者10に替わって、送信者20に押下されると、メール送信部162−1に送信指示情報が入力される(ステップS160)。この際、作成者10または送信者20は、電子メール情報の宛先として、受信者30に対応するメールアドレスを入力部120−1に入力する。
【0054】
また、送信者20によって送信指示された電子メール情報は、送信元として、作成者10と送信者20とが共有しているメールアドレスである送信元メールアドレス情報を含んでいる。送信者20がメール送信ボタンを押下した情報を、入力部120−1が受け付けると、送信者認証情報取得部142−1であるWEBカメラは、この時点での利用者である送信者20の撮像を行い、撮像した情報を送信者認証情報として取得する(ステップS156)。
【0055】
そして、メール送信部162−1は、作成者10によって文面が入力され、送信者20によって送信指示情報が入力された電子メール情報と、作成者認証情報取得部141−1が取得した作成者認証情報と、送信者認証情報取得部142−1が取得した送信者認証情報とを、SMTPサーバ装置300に送信する(ステップS200)。
【0056】
SMTPサーバ装置300の受信部310が、通信端末100−1から送信される電子メール情報と、作成者認証情報と、送信者認証情報とを受信すると、SMTPサーバ装置300の認証要求部330が、電子メール情報と、作成者認証情報と、送信者認証情報とを含む認証要求情報を認証用サーバ装置200に送信する(ステップS301)。
【0057】
認証用サーバ装置200の認証処理部210は、認証要求情報を受信すると、認証要求情報に含まれる電子メール情報の送信元メールアドレスを読み出す。そして、認証処理部210は、読み出した送信元メールアドレスに対応するユーザ情報を、認証処理情報記憶部220に記憶されたユーザ情報テーブルから読み出す(ステップS302、ステップS303)。ここで、作成者10と送信者20のメールアドレスは同一であるので、認証処理部210が読み出すユーザ情報には、少なくとも作成者10と送信者20とに関する認証テンプレート等の情報が含まれている。
【0058】
認証処理部210は、認証要求情報に含まれる作成者認証情報と、送信者認証情報と、ステップS303で読み出したユーザ情報に含まれる認証テンプレートとを比較して、生体情報認証処理を行う(ステップS304)。ここで、作成者認証情報は、作成者10の認証情報であるから、ステップS303で読み出したユーザ情報に含まれる認証テンプレートと一致し、認証成功となる。また、送信者認証情報は、送信者20の認証情報であるから、ステップS303で読み出したユーザ情報に含まれる認証テンプレートと一致し、認証成功となる。さらに、送信判定部230が、認証処理情報記憶部220に記憶された送信条件情報に基づいて、電子メールを送信するか否かの判定を行う。
【0059】
そして、認証処理部210は、認証成功情報として、ステップS303で読み出したユーザ情報のうち、作成者10に対応するニックネームおよび利用者特定情報である画像情報と、送信者20に対応する利用者特定情報(ニックネームもしくは画像情報、またはその両方)を電子メール情報に付加した認証成功情報付メールを、SMTPサーバ装置300に送信する(ステップS305)。SMTPサーバ装置300は、受信する認証成功情報付メールを、POPサーバ装置400に送信する(ステップS401)。POPサーバ装置400の受信部410が受信する電子メールは、メールボックス460に記憶される。
【0060】
なお、認証処理部210が行うステップS304の認証処理で、作成者認証情報または送信者認証情報と、ステップS303で読み出した認証情報としての生体情報とが一致しなかった場合には、認証失敗となる(ステップS304:失敗)。この場合、認証用サーバ装置200は、認証成功情報を付加しない電子メールをSMTPサーバ装置300に送信し、SMTPサーバ装置300は、電子メールをPOPサーバ装置400に転送する(ステップS402)。
【0061】
なお、ステップS301において、SMTPサーバ装置300は、電子メール情報と、作成者認証情報と、送信者認証情報とを含む認証要求情報を認証用サーバ装置200に送信することとしたが、作成者認証情報と、送信者認証情報とのみを認証用サーバ装置200に送信して、ステップS305では認証成功情報のみを受信し、SMTPサーバ装置300が、受信した認証成功情報と電子メールとに基づいて認証情報付電子メールを生成することとしても良い。
【0062】
図11は、POPサーバ装置400に記憶された電子メール情報が、通信端末100−2に配信されるまでの処理を示すシーケンス図である。
受信者30によって、通信端末100−2のメールソフト160−2によって画面表示部110−2に表示される「メール受信」ボタンが押下されると、電子メールの受信処理が開始される(ステップS450)。ここで、受信者認証情報取得部143−2であるWEBカメラは、この時点での通信端末100−2の利用者である受信者30の撮像を行い、受信者認証情報を取得する(ステップS451)。
【0063】
そして、メール受信部163−2は、受信者30に対応して予め定められたメールアドレスである受信者メールアドレスと、ユーザアカウントと、パスワードと、受信者認証情報取得部143−2が取得した受信者認証情報とを含むメール受信要求情報を、POPサーバ装置400に送信する(ステップS452)。
【0064】
POPサーバ装置400の受信部410が、通信端末100−2から送信されるメール受信要求情報を受信すると、まず、POP認証部440は、受信者メールアドレスに対応するユーザ情報を、POP認証情報記憶部450から読み出し、メール受信要求情報に含まれるユーザアカウントとパスワードとの組み合わせがPOP認証情報記憶部450に予め存在すれば認証成功と、存在しなければ認証失敗とする認証処理を行う(ステップS501)。
【0065】
ステップS501での認証処理で、認証失敗となれば、POPサーバ装置400は、認証失敗を通知する情報を通信端末100−2に送信する(ステップS503)。
一方、ステップS501での認証処理が成功すれば、認証要求部430は、メール受信要求情報に含まれる受信者メールアドレスと、受信者認証情報とを含む認証要求情報を、認証用サーバ装置200に送信する(ステップS502)。
【0066】
認証用サーバ装置200の認証処理部210は、認証要求情報を受信すると、認証要求情報に含まれる受信者メールアドレスを読み出す。そして、認証処理部210は、読み出した受信者メールアドレスに対応するユーザIDを含むユーザ情報を、認証処理情報記憶部220に記憶されたユーザ情報テーブルから読み出す(ステップS504、ステップS505)。
【0067】
認証処理部210は、受信認証要求情報に含まれる受信者認証情報と、ステップS505で読み出したユーザ情報とに基づいて、生体情報認証処理を行う(ステップS506)。ここで、受信者認証情報は、受信者30の認証情報であり、認証処理部210には受信者30に対応するユーザ情報が予め記憶されているから、認証処理部210は、認証成功情報を生成し、ステップS508に進む(ステップS506:成功)。
【0068】
一方、ステップS506で、生体情報認証処理が失敗すれば、認証用サーバ装置200は、認証失敗の通知をPOPサーバ装置400に送信し、POPサーバ装置400の送信部420は、新着メール0件としての通知を通信端末100−2に送信する(ステップS507)。
ステップS506で認証成功すると、認証処理部210は、ステップS505で取得したユーザIDに対応する受信条件情報を、認証処理情報記憶部220の受信条件情報テーブルから読み出す(ステップS508、ステップS509)。
【0069】
認証用サーバ装置200の認証処理部210は、読み出した受信条件情報を、POPサーバ装置400に送信する(ステップS510)。POPサーバ装置400は、受信条件情報を受信する。送信部420は、ユーザ情報のうち、未認証メール動作の項目に記憶された値を読み出す(ステップS511)。また、POPサーバ装置400のメール制御部470は、受信者30のユーザIDに対応する電子メール情報を、メールボックス460から読み出す。
【0070】
メール制御部470は、読み出した電子メール情報が未認証の電子メール(認証成功情報付メールでない電子メール)であり、未認証メール動作の項目が「0」であると判定すれば、未認証であることを示すアラート情報を含む電子メールを、通信端末100−2に送信する(ステップS601)。一方、メール制御部470は、ステップS511で読み出した未認証メール動作の項目に記憶された値が「1」であれば、未認証メールを削除する(ステップS512)。
【0071】
そして、メール制御部470は、メールボックス460から読み出した電子メールの送信元情報と、ユーザIDに対応して認証処理情報記憶部220から読み出した受信可能アドレス情報とを比較する(ステップS513)。本実施形態においては、受信者30に対応する受信可能アドレス情報として、予め送信者20に対応するメールアドレスが記憶されているので、メール制御部470は、通信端末100−1から送信された電子メールを、受信条件と一致すると判定し、送信部420は、電子メール情報を通信端末100−2に配信する(ステップS602)。通信端末100−2は、電子メール情報に含まれる作成者10と送信者20との利用者特定情報を、画面表示部110−2に表示させる。一方、メール制御部470が、ステップS513で不一致と判定すれば、電子メールは送信されない(ステップS513:不一致)。
【0072】
なお、本実施形態では、通信端末100−1と通信端末100−2とを区別して説明したが、通信端末は、図12に示すように、通信端末100−1と通信端末100―2とが備える各機能を備える通信端末100であって良い。通信端末100の各機能部は、通信端末100−1と通信端末100−2とが備える同名称の各部の機能を備える。
【0073】
なお、通信端末100を利用する利用者は、それぞれ複数人で良く、また、本実施形態では、通信端末100−1を利用する作成者10と送信者20とを例に挙げて説明したが、電子メールを作成する作成者と送信する送信者とは同一人物でも良い。また、電子メールを作成する作成者は複数人でも良い。
【0074】
以上説明したように、本発明によれば、認証情報取得部が、作成者と送信者との双方の認証情報を取得して、情報を送信する際には作成者と送信者との認証情報を送信するようにしたので、受信者は、受信する情報の作成者と送信者とを特定することができる。
これによれば、なりすましを防ぐことができる。また、受信者はメールアドレスやテキスト情報だけでなく、生体情報によって特定される個人別に、受信する電子メールのフィルタリングを行うことができる。
【0075】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより認証処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0076】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態による情報通信システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による通信端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による認証用サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態により認証処理情報記憶部に記憶される情報の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による送信認証条件の設定値を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態による受信認証条件の設定値を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態によるSMTPサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態によるPOPサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による情報通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の一実施形態による情報通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の一実施形態による通信端末の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
10 作成者
20 送信者
30 受信者
50 ネットワーク
100 通信端末
110 画面表示部
120 入力部
130 通信部
140 認証情報取得部
141 作成者認証情報取得部
142 送信者認証情報取得部
143 受信者認証情報取得部
160 メールソフト
161 メール本文入力部
162 メール送信部
163 メール受信部
100−1 通信端末
110−1 画面表示部
120−1 入力部
130−1 通信部
140−1 認証情報取得部
141−1 作成者認証情報取得部
142−1 送信者認証情報取得部
160−1 メールソフト
161−1 メール本文入力部
162−1 メール送信部
100−2 通信端末
110−2 画面表示部
120−2 入力部
130−2 通信部
140−2 認証情報取得部
143−2 受信者認証情報取得部
160−2 メールソフト
163−2 メール受信部
200 認証用サーバ装置
210 認証処理部
220 認証処理情報記憶部
230 送信判定部
240 受信判定部
250 送信条件情報更新部
260 受信条件情報更新部
300 SMTPサーバ装置
310 受信部
320 送信部
330 認証要求部
400 POPサーバ装置
410 受信部
420 送信部
430 認証要求部
440 POP認証部
450 POP認証情報記憶部
460 メールボックス
470 メール制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と、前記通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置とを備えた情報通信システムであって、
前記通信端末は、
自端末の利用者の認証情報を取得する認証情報取得手段と、
入力された情報と、前記認証情報取得手段が取得した前記認証情報とを、前記情報サーバ装置に送信する送信手段と、を備え、
前記情報サーバ装置は、
前記利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、前記認証情報に基づいて当該利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、
前記送信手段から送信される認証情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定する利用者認証手段と、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、前記情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、
前記送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、前記送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定する送信判定手段と、を備える
ことを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記認証情報取得手段は、
前記入力部に情報が入力される際に、前記情報を入力する利用者の認証情報を取得する作成者認証情報取得手段と、
入力された前記情報を、前記情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が前記入力部に入力される際に、前記送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得する送信者認証情報取得手段と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記送受信条件情報は、前記作成者認証情報と前記送信者認証情報とのいずれもが認証成功した場合、または少なくとも前記送信者認証情報が認証成功した場合、または少なくとも前記作成者認証情報が認証成功した場合、または前記作成者認証情報と前記送信者認証情報とのいずれもが認証失敗した場合、のいずれの場合について前記情報を送信するか否かを定める情報であること
を特徴とする請求項2に記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記情報サーバ装置の、
前記利用者情報記憶手段は、利用者識別情報に対応付けて、利用者を特定可能な文字列情報または画像情報である利用者特定情報を記憶し、
前記利用者認証手段は、認証成功した前記認証基準情報に対応する利用者特定情報を読み出して出力し、
前記情報の送信元の利用者特定情報を送信先の通信端末に送信し、一方、前記情報の送信先の利用者特定情報を送信元の通信端末に送信する利用者特定情報送信手段を備え、
前記通信端末は、
前記利用者特定情報送信手段から送信される利用者特定情報を表示する画面表示部を備える
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の情報通信システム。
【請求項5】
複数の通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置と通信し、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する前記通信端末であって、
前記入力部に情報が入力される際に、前記情報を入力する利用者の認証情報を取得する作成者認証情報取得手段と、
入力された前記情報を、前記情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が前記入力部に入力される際に、前記送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得する送信者認証情報取得手段と、
前記情報サーバ装置に前記情報を送信する際に、前記作成者認証情報取得手段と前記送信者認証情報取得手段とが取得した前記認証情報を前記情報とともに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項6】
利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と通信し、前記通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置であって、
前記利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、当該利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、
前記通信端末から送信される認証情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定する利用者認証手段と、
前記利用者識別情報に対応付けて、前記情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、前記情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、
前記送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、前記送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定する送信判定手段と、
を備えることを特徴とする情報サーバ装置。
【請求項7】
複数の通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置と通信し、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する前記通信端末としてのコンピュータに、
作成者認証情報取得手段が、前記入力部に情報が入力される際に、前記情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、
送信者認証情報取得手段が、入力された前記情報を、前記情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が前記入力部に入力される際に、前記送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、
通信端末送信手段が、前記情報サーバ装置に前記情報を送信する際に、前記作成者認証情報取得手段と前記送信者認証情報取得手段とが取得した前記認証情報を前記情報とともに送信するステップと、
を実行させる通信プログラム。
【請求項8】
利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と通信し、前記利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、当該利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、前記利用者識別情報に対応付けて、前記情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、前記情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、を備える前記通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置としてのコンピュータに、
利用者認証手段が、前記通信端末から送信される認証情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定するステップと、
送信判定手段が、前記送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、前記送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定するステップと、
を実行させる情報サービスプログラム。
【請求項9】
利用者からの情報の入力を受け付ける入力部を有する複数の通信端末と、前記利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、当該利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、前記利用者識別情報に対応付けて、前記情報の送信元の利用者の認証情報の認証が成功したか否かによって、前記情報を送信するか否かを定める条件である送受信条件情報を記憶する送受信条件情報記憶手段と、を備える前記通信端末同士の通信を中継する情報サーバ装置とを用いた情報通信方法であって、
前記通信端末の、
作成者認証情報取得手段が、前記入力部に情報が入力される際に、前記情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、
送信者認証情報取得手段が、入力された前記情報を、前記情報サーバ装置を介して他の通信端末に送信することを示す送信指示情報が前記入力部に入力される際に、前記送信指示情報を入力する利用者の認証情報を取得するステップと、
送信手段が、前記情報サーバ装置に前記情報を送信する際に、前記作成者認証情報取得手段と前記送信者認証情報取得手段とが取得した前記認証情報を前記情報とともに送信するステップと、
前記情報サーバ装置の、
利用者認証手段が、前記通信端末から送信される認証情報と、前記利用者情報記憶手段に記憶された認証基準情報とを比較して、認証成功か認証失敗かを判定するステップと、
送信判定手段が、前記送受信条件情報記憶手段に記憶された送受信条件情報に基づいて、前記送信手段から送信される情報を、送信先の通信端末に中継するか否かを判定するステップと、
を備えることを特徴とする情報通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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