説明

情報通信装置、その制御方法、および制御プログラム

【課題】送信先の機能に拘わらず、送信先にデータの送信を行うことが可能であるか否かを確認して、当該確認結果をユーザに通知して利便性を向上させる。
送信先に新規機能を搭載せずに、送信先に画像送信が可能かどうかを確認する。
【解決手段】アドレス帳にはデータ送信を行う際に用いられるアドレスが記録されており、CPU11は通信装置16を介して受信したWSDプロトコルに規定のSubscribe要求又はUnsubscribe要求を処理する。そして、CPUはSubscribe要求を送信した電子機器(送信先)と同一のホスト名を有するアドレス帳に登録されたアドレスをユーザに通知する際、その表示形態を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信装置、その制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複合機(MFP)などの画像形成装置において、ネットワークなどを介して外部機器(PCなど)と通信を行う通信機能が備えられている。以下、画像形成装置に備えられた通信機能を実行する装置を、画像通信装置(又は情報通信装置)と呼ぶことにする。
【0003】
従来、画像形成装置においては、送信先を設定した後画像読み取り(スキャン)設定が行われる。そして、スキャン設定に応じて画像読み取りが実行されて、画像通信装置によって送信先に画像データが送られる。
【0004】
ところが、送信先を対応付けることなくスキャン設定を行うと、画像読み取りが行われるものの、画像データの送信には失敗する。よって、ユーザは送信先を対応付けて画像読み取りを再度行わなければならず、極めて面倒である。
【0005】
このような点に対処するため、画像形成装置に送信先が推奨する読み取り設定を送信先から取得する機能を備えて、画像読み取りの開始前に画像データの送信が可能であるか否かを確認するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−159704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載の画像形成装置においては、送信先に対して画像データの送信可能な状態であることを確認する際には、送信先(送信先機器)が読み取り設定を送信する機能を備えていることが前提である。従って、当該機能を送信先が備えていないと、画像通信装置において画像読み取りの開始前に画像データの送信が可能であるか否かを確認することができないという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、送信先の機能に拘わらず、送信先にデータの送信を行うことが可能であるか否かを確認して、当該確認結果をユーザに通知して利便性を向上することのできる情報通信装置、その制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明による情報通信装置は、ネットワークを介して少なくとも1つの外部機器と接続可能であって、送信先として指定された前記外部機器にデータを送信する情報通信装置であって、前記外部機器のアドレスを画面表示する表示制御手段と、前記外部機器から受信した要求メッセージが第1の要求メッセージ又は第2の要求メッセージのいずれであるかを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージであると判定されると、前記第1の要求メッセージに含まれるネットワークアドレスを第1のネットワークアドレスとして取得するとともに、送信先として指定されたネットワークアドレスを第2のネットワークアドレスとして取得して、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定する第2の判定手段とを有し、前記第2の判定手段によって、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御手段は、前記送信先を示すアドレスの画面表示を第1の表示形態に変更することを特徴とする。
【0010】
本発明による制御方法は、ネットワークを介して少なくとも1つの外部機器と接続可能であって、送信先として指定された前記外部機器にデータを送信する情報通信装置の制御方法であって、前記外部機器のアドレスを画面表示する表示制御ステップと、前記外部機器から受信した要求メッセージが第1の要求メッセージ又は第2の要求メッセージのいずれであるかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップで前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージであると判定されると、前記第1の要求メッセージに含まれるネットワークアドレスを第1のネットワークアドレスとして取得するとともに、送信先として指定されたネットワークアドレスを第2のネットワークアドレスとして取得して、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定する第2の判定ステップとを有し、前記第2の判定ステップで前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御ステップでは前記送信先を示すアドレスの画面表示を第1の表示形態に変更することを特徴とする。
【0011】
本発明による制御プログラムは、ネットワークを介して少なくとも1つの外部機器と接続可能であって、送信先として指定された前記外部機器にデータを送信する情報通信装置で用いられる制御プログラムであって、前記情報通信装置が備えるコンピュータに、前記外部機器のアドレスを画面表示する表示制御ステップと、前記外部機器から受信した要求メッセージが第1の要求メッセージ又は第2の要求メッセージのいずれであるかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップで前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージであると判定されると、前記第1の要求メッセージに含まれるネットワークアドレスを第1のネットワークアドレスとして取得するとともに、送信先として指定されたネットワークアドレスを第2のネットワークアドレスとして取得して、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定する第2の判定ステップとを実行させ、前記第2の判定ステップで前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御ステップでは前記送信先を示すアドレスの画面表示を第1の表示形態に変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、送信先の機能に拘わらず、送信先にデータの送信を行うことが可能であるか否かを確認して、この確認結果をユーザに通知して利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態による情報通信装置の1つである画像通信装置の一例についてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すHDDに保存されたアドレス帳の一例を示す図である。
【図3】図1に示すHDDに保存された対応アドレスリスト部の一例を示す図である。
【図4】図1に示すHDDに保存された除外対象リスト部の一例を示す図である。
【図5】図1に示す画像通信装置が接続されるネットワークシステムの一例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す画像通信装置で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示す起動時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7で説明した起動の処理が終了した際にユーザコマンド入力装置上のアドレス帳表示部に表示されるアドレスの表示を示す図である。
【図9】図5に示す電子機器から受信したSubscribe要求の一例を示す図である。
【図10】図1に示すユーザコマンド入力装置に表示される問い合わせ画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示すHDDに記憶された除外対象リスト部に保存されたアドレスの一例を示す図である。
【図12】図1に示すHDDに記憶された対応アドレスリスト部に保存されたアドレスの一例を示す図である。
【図13】図1に示すHDDに記憶された対応アドレスリスト部に保存されたアドレスの他の例を示す図である。
【図14】図5に示す電子機器から受信したUnsubscribe要求の一例を示す図である。
【図15】図6に示すUnsubcribe受信処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態による情報通信装置の一例について図面を参照して説明する。なお、この情報通信装置は、例えば、画像データを送信する画像通信装置であり、この画像通信装置は、例えば、複合機(MFP)などの画像形成装置に備えられている。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態による情報通信装置の1つである画像通信装置の一例についてそのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、画像通信装置1は、CPU11、RAM1、ハードディスク13、ユーザコマンド入力装置14、および通信装置16を有している。これらCPU11、RAM1、ハードディスク13、ユーザコマンド入力装置14、および通信装置162はメインバス18によって相互に接続されている。そして、通信装置16はネットワーク2(有線ネットワーク又は無線ネットワーク)を介して送信先である外部機器(図示せず)と接続可能である。
【0017】
CPU11は画像通信装置1の制御を司る。RAM12はCPU11のワークエリアとして用いられる。ハードディスク(HDD)13には各種プログラム、各種設定、および画像データ(以下画像ファイルとも呼ぶ)が格納される。HDD13の代わりにフロッピー(登録商標)ディスク又は不揮発性RAM(NVRAM)を用いるようにしてもよい。
【0018】
ユーザコマンド入力装置14には表示部が備えられており、ユーザはGUI(グラフィックユーザインターフェース)を介して様々な設定を行う。また、この表示部には、画像通信装置が保持する様々な情報、例えばアドレス帳の情報等を表示することができ、その場合この表示部はアドレス帳表示部として機能することになる。通信装置16はネットワーク2を介して外部機器との通信を制御する。
【0019】
図示の例では、CPU11はメインバス18を介してRAM12、HDD13、ユーザコマンド入力装置14、および通信装置16を制御する。そして、CPU11は通信装置16を制御して、送信先に指定された外部機器に画像データを送信する。
【0020】
図2は、図1に示すHDD13に保存されたアドレス帳の一例を示す図である。また、図3は、図1に示すHDD13に保存された対応アドレスリスト部の一例を示す図である。さらに、図4は、図1に示すHDD13に保存された除外対象リスト部の一例を示す図である。
【0021】
図2〜図4を参照して、アドレス帳にはホスト名とディレクトリ名とが備えられ、同様に、後述する対応アドレス部および除外対象リスト部にもホスト名およびディレクトリ名が備えられている。そして、アドレス帳、対応アドレスリスト部、および除外対象リスト部はその内容がHDD13に保持される。前述のように、アドレス帳表示部がユーザコマンド入力装置14上に表示(画面表示)されるが、アドレス帳表示部における表示の際には、強調表示、非強調表示、又は標準表示で表示が行われる。なお、強調表示、非強調表示、標準表示は、それぞれ本実施の形態における第1の表示形態、第2の表示形態、第3の表示形態の一例であり、標準表示は強調表示と非強調表示の間の表示形態である。強調表示の例としては表示色を変える、文字を拡大する、太字にする、網掛け表示にする、下線を付けて表示する、所定のマークを並べて表示する等が考えられる。また、非強調表示の例としては、表示色を変える、文字を縮小する、網掛け表示にする、所定のマークを並べて表示する等が考えられるが、強調表示と比較して目立たない表示が望ましい。また標準表示は、強調表示、非強調表示と異なる表示方法である。
【0022】
図5は、図1に示す画像通信装置1が接続されるネットワークシステムの一例を示すブロック図である。
【0023】
図5において、画像通信装置1はネットワーク2を介して、電子機器(外部機器、例えば、PC)3〜6とDNSサーバ(ドメインネームサーバ)7に接続されている。電子機器3〜6の各々はWSDプロトコル(Web Serveice On Deviceプロトコル)に規定されたSubscribe要求(申し込み要求)およびUnsubscribe要求(登録削除要求)を送出する。このSubscribe要求およびUnsubscribe要求は、本実施の形態における第1の要求メッセージ、第2の要求メッセージの一例である。
【0024】
図示の例では、電子機器3は図2に示すHostA、電子機器4は図2に示すHostB、電子機器5は図2に示すHostC、そして、電子機器6は図2に示すHostDというホスト名を有している。さらに、ここでは、アドレス帳に登録されたアドレスについては、別のアプリケーションが当該アドレスの登録、削除、および編集を行うことができる。そして、図2に示すように、アドレス帳には所定数のアドレスが登録されているものとする。
【0025】
図6は、図1に示す画像通信装置1で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【0026】
図1、図5、および図6を参照して、図6に示す処理を実行するためのプログラムはHDD13に記憶されている。そして、画像通信装置1に電源が供給されると、CPU11はHDD13に記憶されたプログラムをRAM12上に展開して、処理を実行する。まず、画像通信装置1に電源が供給されて画像通信装置1が起動すると、CPU11は起動時の処理を行う(ステップS102)。
【0027】
図7は、図6に示す起動時の処理(ステップS102)を説明するためのフローチャートである。
【0028】
図1および図7を参照して、起動時の処理が開始されると、CPU11はHDD13に記憶されたアドレス帳からアドレスを一件取得する(ステップS201)。CPU11は該当アドレスを、HDD13に記憶された対応アドレスリスト部から検索する(ステップS202)。そして、CPU11は該当アドレスが対応アドレスリスト部に含まれているか否かを判定する(ステップS203)。
【0029】
該当アドレスが対応アドレスリスト部に含まれていると(ステップS203において、YES)、CPU11は該当アドレスをユーザコマンド入力装置14上のアドレス帳表示部に表示する際、このアドレスを非強調として表示する(ステップS204)。
【0030】
続いて、CPU11はHDD13に記憶されたアドレス帳に次に取得すべきアドレスがあるか否かを確認する(ステップS205)。次に取得すべきアドレスが存在すると(ステップS205において、YES)、CPU11はステップS201の処理に戻って、アドレス帳から次に取得すべきアドレスがなくなるまで、同様の処理を繰り返す。HDD13に記憶されたアドレス帳に次に取得すべきアドレスがないと(ステップS205において、NO)、CPUは起動の処理を終了して、後述するステップS103へ進む。
【0031】
一方、該当アドレスが対応アドレスリスト部に含まれていないと(ステップS203において、NO)、CPU11は該当アドレスをユーザコマンド入力装置14上のアドレス帳表示部に表示する際、このアドレスを標準として表示する(ステップS206)。そして、CPU11はステップS205の処理に進む。
【0032】
図8は、図7で説明した起動の処理が終了した際にユーザコマンド入力装置14上のアドレス帳表示部に表示されるアドレスの表示を示す図である。
【0033】
図示の例では、アドレス帳表示部には、Host BおよびCが非強調で表示され、Host Dが標準で表示されている。また、Host Aが強調で表示されている。
【0034】
再び、図1、図5、および図6を参照して、図7で説明した起動の処理が終了すると、通信装置16は電子機器から要求メッセージ(以下単に要求と呼ぶ)を受信する(ステップS103)。いま、電子機器4から要求を受信したものとする。
【0035】
CPU11は当該要求がSubscribe要求であるか否かを確認する(ステップS104)。受信した要求がSubscribe要求であると(ステップS104において、YES)、CPU11は当該Subscribe要求に含まれるSubscribe要求の送出元のホスト名を抽出する(ステップS105)。
【0036】
図9は、図5に示す電子機器から受信したSubscribe要求の一例を示す図である。図9に示すように、Subscribe要求には、ホスト名とジョブ指示が含まれている。
【0037】
CPU11は、Subscribe要求から抽出した送出元のホスト名を、通信装置16を介してDNSサーバ7に問合せる。そして、CPU11はSubscribe要求の送出元のIPアドレスを、DNSサーバ7から取得する(ステップS106)。以下このIPアドレスを第1の送信元IPアドレスと呼ぶことがある。
【0038】
続いて、CPU11はHDD13に記憶されたアドレス帳から全アドレスを取得する(ステップS107)。CPU11はこれら全アドレスについてHDD13に記憶された対応アドレスリスト部から検索する。そして、CPU11は全アドレスの各々について対応アドレスリスト部に含まれているか否かを確認する。CPU11は対応アドレスリスト部に含まれていないアドレスを差分データとしてその一覧(差分データ一覧)を得る(ステップS108)。
【0039】
次に、CPU11は差分データ一覧からその1件(アドレス)を取得する(ステップS109)。そして、CPU11は取得したアドレスが除外対象リスト部に記憶されているか否かを確認する(ステップS110)。取得したアドレスが除外対象リスト部に記憶されていないと(ステップS110において、NO)、CPU11は当該アドレスについて通信装置16を介してDNSサーバ7に問合せる。そして、CPU11は当該アドレスに対応するIPアドレスを、DNSサーバ7から取得する(ステップS111)。以下このIPアドレスを差分IPアドレスと呼ぶことがある。
【0040】
続いて、CPU11は上記の差分IPアドレスとSubscribe要求の送出元に応じて取得したIPアドレス(第1の送信元IPアドレス)とを比較する。そして、CPU11は差分IPアドレスと第1の送信元IPアドレスとが一致しているか(同一であるか)否かを確認する(ステップS112)。
【0041】
差分IPアドレスと第1の送信元IPアドレスとが一致していると(ステップS112において、YES)、CPU11は差分データから取得したアドレスを対応アドレスリスト部に保存するか否かについてユーザに問い合わせる画面(問い合わせ画面)をユーザコマンド入力装置14に表示する(ステップS113)。
【0042】
図10は、図1に示すユーザコマンド入力装置14に表示される問い合わせ画面の一例を示す図である。
【0043】
図10に示すように、この問い合わせ画面には、「対応アドレス部記憶確認画面」の名称が表示され、例えば「以後HostB.DOMAINをSubscribe要求により下記の宛先の表示を変更しますか?」が表示される。そして、問い合わせ画面には、ホスト名およびディレクトリ名が表示されるとともに、「YES」ボタンおよび「NO」ボタンが表示される。
【0044】
ユーザが「YES」ボタンを押下げると、差分データから取得したアドレスを対応アドレスリスト部に保存する旨のコマンドがCPU11に与えられる。一方、ユーザが「NO」ボタンを押下げると、差分データから取得したアドレスを対応アドレスリスト部に保存しない旨のコマンドがCPU11に与えられる。
【0045】
このように、問い合わせ画面の表示に応じて、ユーザは該当アドレスを対応アドレスリスト部に保存するか又は保存しないかを決定して、そのコマンドを、ユーザコマンド入力装置14を用いて入力する。CPU11は上記のコマンドに応じて当該アドレスを対応アドレスリスト部に保存するか否かを確認する(ステップS114)。
【0046】
コマンドが当該アドレスを対応アドレスリスト部に保存しない旨のコマンドであると(ステップS114において、NO)、CPU11はこのアドレスをHDD13に記憶された除外対象リスト部に保存する(ステップS115)。そして、CPU11はこのアドレスをアドレス帳表示部に表示する際の表示を標準に変更する(ステップS116)。続いて、CPU11は差分データ一覧において次に取得すべきアドレスが存在するか否かを確認する(ステップS117)。
【0047】
図11は、図1に示すHDD13に記憶された除外対象リスト部に保存されたアドレスの一例を示す図である。
【0048】
いま、除外対象リスト部に除外対象のアドレスが保存されていない際に(図4参照)、ホスト名がHost Bのアドレスが除外対象として除外対象リスト部に保存されたとする。つまり、コマンドが当該アドレスを対応アドレスリスト部に保存しない旨のコマンドであると、図11に示すように、除外対象リスト部には、ホスト名が「Host B」でディレクトリ名が「Dir2」のアドレスが保存される。
【0049】
一方、コマンドが当該アドレスを対応アドレスリスト部に保存する旨のコマンドであると(ステップS114において、YES)、つまり、対応アドレスリスト部に存在しないアドレスを対応アドレスリスト部に登録することが選択されると、CPU11はこのアドレスをHDD13に記憶された対応アドレスリスト部に保存する(ステップS118)。そして、CPU11はステップS117の処理に移行する。
【0050】
なお、ステップS110において、取得したアドレスが除外対象リスト部に記憶されていると(ステップS110において、YES)、CPU11はステップS117の処理に移行する。同様に、ステップS112において、差分IPアドレスと第1の送信元IPアドレスとが一致していないと(ステップS112において、NO)、CPU11はステップS117の処理に移行する。
【0051】
図12は、図1に示すHDD13に記憶された対応アドレスリスト部に保存されたアドレスの一例を示す図である。また、図13は、図1に示すHDD13に記憶された対応アドレスリスト部に保存されたアドレスの他の例を示す図である。
【0052】
いま、図12に示すように、対応アドレスリスト部に、ホスト名が「Host A」でディレクトリ名が「Dir1」のアドレスとホスト名が「Host D」でディレクトリ名が「Dir4」のアドレスとが保存されているものとする。この際に、ホスト名が「Host B」でディレクトリ名が「Dir2」のアドレスを対応アドレスリスト部に保存する旨のコマンドを受けると、CPU11はホスト名が「Host B」でディレクトリ名が「Dir2」のアドレスを対応アドレスリスト部に追加保存する(図13参照)。
【0053】
ステップS117において、差分データ一覧に次に取得すべきアドレスが存在すると(ステップS117において、NO)、CPU11はステップS109に戻って、差分データ一覧に次に取得すべきアドレスが存在しなくなるまで同様の処理を繰り返す。
【0054】
差分データ一覧に次に取得すべきアドレスが存在しないと(ステップS117において、YES)、CPU11はアドレス帳からアドレスを一件読込む(ステップS119)。そして、CPU11はアドレス帳から読込んだアドレスが除外対象リスト部に存在するか否かを確認する(ステップS120)。
【0055】
このアドレスが除外対象リスト部に存在しないと(ステップS120において、NO)、CPU11は当該アドレスについて通信装置16を介してDNSサーバ7に問合せを行う。そして、CPU11は当該アドレスに対応するIPアドレスを、DNSサーバ7から取得する(ステップS121)。以下このIPアドレスを除外対象IPアドレスと呼ぶ。
【0056】
続いて、CPU11は除外対象IPアドレスとSubscribe要求の送出元のIPアドレス(第1の送信元IPアドレス)とを比較する(ステップS122)。除外対象IPアドレスと第1の送信元IPアドレスとが一致すると(ステップS122において、YES)、CPU11は該当アドレスをアドレス帳表示部に表示する際の表示を強調に変更する(ステップS123)。そして、CPU11はアドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在するか否かを確認する(ステップS124)。
【0057】
除外対象IPアドレスと第1の送信元IPアドレスとが一致しないと(ステップS122において、NO)、CPU11はステップS124の処理に移行する。
【0058】
アドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在すると(ステップS124において、NO)、CPU11はステップS119の処理に戻って、アドレス帳に次に取得すべきアドレスがなくなるまで同様の処理を繰り返す。一方、アドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在しない(ステップS124において、YES)、CPU11はステップS103の処理に戻って通信装置16が次に要求を受信するまで待機する。
【0059】
ステップS104において、受信した要求がSubscribe要求でないと(ステップS104において、NO)、CPU11は要求がUnsubscribe要求であるか否かを確認する(ステップS125)。
【0060】
図14は、図5に示す電子機器から受信したUnsubscribe要求の一例を示す図である。図14に示すように、Unsubscribe要求には、ホスト名とジョブ指示が含まれている。
【0061】
受信した要求がUnhsubscribe要求でないと(ステップS125において、NO)、CPU11はステップS103の処理に戻って、通信装置16が次の要求を受信するまで待機する。
【0062】
一方、受信した要求がUnhsubscribe要求であると(ステップS125において、YES)、CPU11は、後述するUnsubscribe受信処理を行う(ステップS127)。そして、CPU11はステップS103の処理に戻って、通信装置16が次の要求を受信するまで待機する。
【0063】
図15は、図6に示すUnsubcribe受信処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0064】
いま、通信装置16が電子機器4から図14に示すUnsubscribe要求を受信したとする。Unsubcribe受信処理を開始すると、CPU11はUnsubscribe要求からUnsubscribe要求の送出元のホスト名を抽出する(ステップS301)。CPU11はこのホスト名を通信装置16を介してDNSサーバ7に問い合わせる。そして、CPU11はUnsubscribe要求送出元のIPアドレスを、DNSサーバ7から取得する(ステップS302)。以下このIPアドレスを第2の送信元IPアドレスと呼ぶ。
【0065】
続いて、CPU11はHDD13上のアドレス帳から一件のアドレスを取得する(ステップS303)。CPU11は当該アドレスについて通信装置16を介してDNSサーバ7に問い合わせを行う。そして、CPU11は当該アドレスに対応するIPアドレスを、DNSサーバ7から取得する(ステップS304)。
【0066】
次に、CPU11はステップS304で取得したIPアドレスとUnsubescribe要求の送出元のIPアドレス(第2の送信元IPアドレス)とを比較する(ステップS305)。ステップS304で取得したIPアドレスと第2の送出元IPアドレスとが一致すると(ステップS305において、YES)、CPU11はアドレス帳から取得したアドレスが除外対象リスト部に保存されているか否かを確認する(ステップS306)。
【0067】
アドレス帳から取得したアドレスが除外対象リスト部に保存されていないと(ステップS306において、NO)、CPU11は該当アドレスをアドレス帳表示部に表示する際、その表示を非強調に変更する(ステップS307)。そして、CPU11はアドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在するか否かを確認する(ステップS308)。
【0068】
アドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在しないと(ステップS308において、NO)、CPU11はUnsubscribe受信処理を終了して、図6に示すステップS103の処理に戻る。一方、アドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在すると(ステップS308において、YES)、CPU11はステップS303の処理に戻って、アドレス帳に次に取得すべきアドレスが存在しなくなるまで同様の処理を行う。
【0069】
ステップS305において、ステップS304で取得したIPアドレスと第2の送出元IPアドレスとが一致しないと(ステップS305において、NO)、CPU11はステップS308の処理に移行する。同様に、ステップS306において、アドレス帳から取得したアドレスが除外対象リスト部に保存されていると(ステップS306において、YES)、CPU11はステップS308の処理に移行する。
【0070】
以上のように、本発明の実施の形態では、アドレス帳、対応アドレスリスト部、および除外対象リスト部を備えて、送信先の電子機器(外部機器)から送信されるSubscribe要求又はUnsubscribe要求に応じて、アドレス帳表示部に表示されるアドレスの表示形態を変化させるようにしている。これによって、送信先の機能に拘わらず、送信先にデータの送信を行うことが可能であるか否かを確認して、この確認結果をユーザに通知して利便性を向上させることができるという効果がある。
【0071】
上述の説明から明らかなように、図1における、CPU11、ユーザコマンド入力装置14、および通信装置16のそれぞれ又はこれらの任意の組み合わせが、表示制御手段や第1の判定手段、第2の判定手段、第3の判定手段、第4の判定手段、および登録手段として機能する。なお、Subscribe要求又はUnsubscribe要求に応じて取得したIPアドレスは第1のネットワークアドレスの一例である。また、アドレス帳に登録されたアドレスに応じて取得したIPアドレスは第2のネットワークアドレスの一例である。
【0072】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0073】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を、情報通信装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムを情報通信装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0074】
この際、制御方法および制御プログラムは、少なくとも第1の判定ステップ、第2の判定ステップ、および表示制御ステップを有することになる。
【0075】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0076】
1 画像通信装置
2 ネットワーク
3〜6 電子機器
7 DNSサーバ
11 CPU
12 RAM
13 ハードディスク
14 ユーザコマンド入力装置
16 通信装置
18 メインバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して少なくとも1つの外部機器と接続可能であって、送信先として指定された前記外部機器にデータを送信する情報通信装置であって、
前記外部機器のアドレスを画面表示する表示制御手段と、
前記外部機器から受信した要求メッセージが第1の要求メッセージ又は第2の要求メッセージのいずれであるかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージであると判定されると、前記第1の要求メッセージに含まれるネットワークアドレスを第1のネットワークアドレスとして取得するとともに、送信先として指定されたネットワークアドレスを第2のネットワークアドレスとして取得して、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定する第2の判定手段とを有し、
前記第2の判定手段によって、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御手段は、前記送信先を示すアドレスの画面表示を第1の表示形態に変更することを特徴とする情報通信装置。
【請求項2】
前記アドレス帳の保存されたアドレスのうち送信先として対応づけられたアドレスが保存される対応アドレスリスト部と、
前記アドレス帳からアドレスを取得した際、当該アドレスが前記対応アドレスリスト部に存在するか否かを判定する第3の判定手段を有し、
前記第3の判定手段によって前記アドレス帳から取得したアドレスが前記対応アドレスリスト部に存在すると、前記表示制御手段は当該アドレスを第2の表示形態で画面表示することを特徴とする請求項1に記載の情報通信装置。
【請求項3】
前記第3の判定手段によって前記アドレス帳から取得したアドレスが前記対応アドレスリスト部に存在しないと、前記表示制御手段は当該アドレスを第3の表示形態で画面表示することを特徴とする請求項2に記載の情報通信装置。
【請求項4】
前記第2の判定手段によって前記アドレス帳に存在し前記対応アドレスリスト部に存在しないアドレスについて前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御手段は前記対応アドレスリスト部に存在しないアドレスを前記対応アドレスリスト部に登録するか否かを問い合わせる問い合わせ画面を表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報通信装置。
【請求項5】
前記問い合わせ画面に応じて前記対応アドレスリスト部に存在しないアドレスを前記対応アドレスリスト部に登録することが選択されると、当該アドレスを前記対応アドレスリスト部に登録する登録手段を有し、
前記登録手段による登録が行われると、前記表示制御手段は、登録された前記アドレスの画面表示を前記第3の表示形態とすることを特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
【請求項6】
前記アドレス帳に保存されたアドレスのうち送信の除外対象とされたアドレスが保存される除外対象リスト部と、
前記アドレス帳からアドレスを取得した際、当該アドレスが前記除外対象リスト部に存在するか否かを判定する第4の判定手段とを有し、
前記第4の判定手段によって前記アドレス帳から取得したアドレスが前記除外対象リスト部に存在しないと判定されると、前記第2の判定手段は前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報通信装置。
【請求項7】
前記第1の判定手段によって前記要求メッセージが前記第2の要求メッセージであると判定されると、前記第2の判定手段は、前記第2の要求メッセージについて前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定し、
前記第2の判定手段によって、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御手段は、前記送信先を示すアドレスの画面表示を第2の表示形態に変更することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報通信装置。
【請求項8】
前記第1の判定手段によって前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージではない第2の要求メッセージであると判定された際、前記第2の判定手段によって前記アドレス帳に存在し前記対応アドレスリスト部に存在しないアドレスについて前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記第4の判定手段は前記アドレス帳からアドレスを取得した際、当該アドレスが前記除外対象リスト部に存在するか否かを判定し、
前記第4の判定手段によって前記アドレス帳から取得したアドレスが前記除外対象リスト部に存在しないと判定されると、前記表示制御手段は、当該アドレスの画面表示を第2の表示形態に変更することを特徴とする請求項6に記載の情報通信装置。
【請求項9】
前記第1および前記第2の要求メッセージは、それぞれWSDプロトコルによって規定されたSubscribe要求およびUnsubscribe要求であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報通信装置。
【請求項10】
前記第1の表示形態、前記第2の表示形態、および前記第3の表示形態は、それぞれ強調表示、非強調表示、および前記強調表示と前記非強調表示の間の表示形態である標準表示であることを特徴とする請求項3に記載の情報通信装置。

【請求項11】
ネットワークを介して少なくとも1つの外部機器と接続可能であって、送信先として指定された前記外部機器にデータを送信する情報通信装置の制御方法であって、
前記外部機器のアドレスを画面表示する表示制御ステップと、
前記外部機器から受信した要求メッセージが第1の要求メッセージ又は第2の要求メッセージのいずれであるかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップで前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージであると判定されると、前記第1の要求メッセージに含まれるネットワークアドレスを第1のネットワークアドレスとして取得するとともに、送信先として指定されたネットワークアドレスを第2のネットワークアドレスとして取得して、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定する第2の判定ステップとを有し、
前記第2の判定ステップで前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御ステップでは前記送信先を示すアドレスの画面表示を第1の表示形態に変更することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
ネットワークを介して少なくとも1つの外部機器と接続可能であって、送信先として指定された前記外部機器にデータを送信する情報通信装置で用いられる制御プログラムであって、
前記情報通信装置が備えるコンピュータに、
前記外部機器のアドレスを画面表示する表示制御ステップと、
前記外部機器から受信した要求メッセージが第1の要求メッセージ又は第2の要求メッセージのいずれであるかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップで前記要求メッセージが前記第1の要求メッセージであると判定されると、前記第1の要求メッセージに含まれるネットワークアドレスを第1のネットワークアドレスとして取得するとともに、送信先として指定されたネットワークアドレスを第2のネットワークアドレスとして取得して、前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であるか否かを判定する第2の判定ステップとを実行させ、
前記第2の判定ステップで前記第1および前記第2のネットワークアドレスが同一であると判定されると、前記表示制御ステップでは前記送信先を示すアドレスの画面表示を第1の表示形態に変更することを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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