説明

情報閲覧装置、情報提供装置、情報閲覧方法、情報提供方法、およびプログラム

【課題】コンテンツを閲覧する際、当該閲覧による消費電力の増大を、ユーザに対して事前に通知する。
【解決手段】コンテンツの閲覧に要した情報閲覧装置10での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力DB14Aへ登録する消費電力計測部15Aを設け、コンテンツ閲覧部15Bで、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、コンテンツを取得する前に、消費電力DB14Aから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の増大発生を通知するメッセージを画面表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供技術に関し、特に情報提供装置から情報閲覧装置へ、通信網を介して各種コンテンツを提供する情報提供技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット検索技術の普及により、ユーザ端末(情報閲覧装置)に搭載されているブラウザを利用し、インターネットを介してWEBサーバ(情報提供装置)へアクセスすることにより、ユーザの目的に応じたコンテンツを閲覧する情報提供システムが構築されている。
このような情報提供システムで提供されているコンテンツは、単純なテキストだけのものから、動画を再生するようなものまで様々である。したがって、閲覧するコンテンツによって、ユーザ端末での負荷が大きく変動し、当該端末での消費電力も大きく変化する(例えば、特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006−529044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術では、コンテンツを閲覧する際、ユーザが事前に当該コンテンツの閲覧により、ユーザ端末での負荷が大幅増大して消費電力の大幅増大が発生するか否かを確認することができないという問題点があった。このような負荷の大幅増大は、ユーザ端末での消費電力の大幅増大だけではなく、ユーザ端末の動作速度の低下を引き起こし、動作不良を起こしかねない。これにより、ユーザ端末で実行している他のアプリケーションのフリーズなど、ユーザ端末での不具合発生を招く場合もある。このため、ユーザ端末の負荷を大幅増大させ、消費電力が大幅増大するようなコンテンツの閲覧については、できるだけ避けることが好ましい。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、コンテンツを閲覧する際、当該閲覧による消費電力の大幅増大を、ユーザに対して事前に通知できる情報提供技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明にかかる情報閲覧装置は、ユーザによる閲覧要求操作に応じて、通信網を介して接続した情報提供装置から、閲覧対象となるコンテンツを、当該コンテンツのURLに基づき取得して画面表示するコンテンツ閲覧部と、コンテンツの閲覧に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測部とを備え、コンテンツ閲覧部は、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、コンテンツを取得する前に、消費電力データベースから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを画面表示するようにしたものである。
【0007】
この際、コンテンツ閲覧部で、メッセージによりコンテンツの閲覧の実行/中止に関するユーザ確認要求を通知し、当該メッセージに対するユーザによる閲覧実行操作に応じて当該コンテンツを取得して画面表示し、当該メッセージに対するユーザによる閲覧中止操作に応じて当該コンテンツの取得を中止するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明にかかる情報提供装置は、通信網を介して接続した情報閲覧装置からの検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツデータベースから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置へ通知するコンテンツ検索部と、情報閲覧装置からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツをコンテンツデータベースから取得して、当該情報閲覧装置へ提供するコンテンツ提供部と、コンテンツの提供に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測部とを備え、コンテンツ検索部で、検索結果を通知する場合、消費電力データベースから各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として情報閲覧装置へ通知するようにしたものである。
【0009】
また、本発明にかかる情報閲覧方法は、情報閲覧装置が、ユーザによる閲覧要求操作に応じて、通信網を介して接続した情報提供装置からコンテンツを取得して画面表示するための情報閲覧方法であって、コンテンツ閲覧部が、閲覧要求操作に応じて、情報提供装置から、閲覧対象となるコンテンツを、当該コンテンツのURLに基づき取得して画面表示するコンテンツ閲覧ステップと、消費電力計測部が、コンテンツの閲覧に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測ステップとを備え、コンテンツ閲覧ステップに、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、コンテンツを取得する前に、消費電力データベースから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを画面表示するステップを含むようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる情報提供方法は、情報提供装置が、通信網を介して接続した情報閲覧装置からの検索要求に応じて、関連コンテンツのURLを検索して提供するための情報提供方法であって、コンテンツ検索部が、検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツデータベースから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置へ通知するコンテンツ検索ステップと、コンテンツ提供部が、情報閲覧装置からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツをコンテンツデータベースから取得して、当該情報閲覧装置へ提供するコンテンツ提供ステップと、消費電力計測部が、コンテンツの提供に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測ステップとを備え、コンテンツ検索ステップに、検索結果を通知する場合、消費電力データベースから各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として情報閲覧装置へ通知するステップを含むようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、前述した情報閲覧装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
また、本発明にかかる他のプログラムは、コンピュータを、前述した情報提供装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンテンツを閲覧する際、当該閲覧による消費電力の大幅増大を、ユーザに対して事前に通知することができる。したがって、ユーザは、長時間にわたり当該コンテンツを閲覧すると大きな電力を消費することを、事前に認識することができ、例えばコンテンツ閲覧を中止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態にかかる情報閲覧装置の構成を示すブロック図である。
【図2】消費電力DBの構成例である。
【図3】情報閲覧装置のコンテンツ閲覧処理を示すフローチャートである。
【図4】消費電力大幅増大通知画面の構成例である。
【図5】消費電力大幅増大通知画面の他の構成例である。
【図6】第2の実施の形態にかかる情報提供装置の構成を示すブロック図である。
【図7】消費電力DBの構成例である。
【図8】情報提供装置のコンテンツ検索処理を示すフローチャートである。
【図9】コンテンツ検索結果画面の構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる情報提供システム1の情報閲覧装置10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる情報閲覧装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
この情報閲覧装置10は、全体としてパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報処理端末(ユーザ端末)からなり、インターネットなどの通信網50を介して情報提供装置20とデータ通信可能に接続することにより、情報提供システム1を構築するユーザ端末である。
情報提供装置20は、全体としてサーバ装置(WEBサーバ)からなり、情報閲覧装置10からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURL(Uniform Resource Locator)と対応するコンテンツを情報閲覧装置10へ提供する機能を有している。
【0016】
本実施の形態は、情報閲覧装置10において、ユーザによる閲覧要求操作に応じて、通信網50を介して接続した情報提供装置20から、閲覧対象となるコンテンツを、当該コンテンツのURLに基づき取得して画面表示し、コンテンツの閲覧に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録するものとし、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、コンテンツを取得する前に、消費電力データベースから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを画面表示するようにしたものである。
【0017】
[情報閲覧装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる情報閲覧装置10の構成について詳細に説明する。
情報閲覧装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
【0018】
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、通信網50を介して情報提供装置20とデータ通信を行うことにより、コンテンツの検索や閲覧を要求し、取得する機能を有している。
操作入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、ユーザ操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの指示に応じて、操作メニュー、コンテンツ検索画面、コンテンツ閲覧画面、メッセージなどの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0019】
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15で実行する各種処理に用いる処理データやプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、演算処理部15に読み出されて実行されることにより、コンテンツ閲覧処理などの各種処理を実行する処理部を実現する機能を有しており、外部装置(図示せず)や記録媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部14へ保存される。なお、本発明にかかる情報閲覧装置10は、コンピュータとプログラム14Pによって実現でき、プログラム14Pを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0020】
記憶部14で記憶する主な処理情報として、消費電力データベース(以下、消費電力DBという)14Aがある。図2は、消費電力DBの構成例である。消費電力DB14Aには、コンテンツのURLごとに、当該コンテンツの閲覧に要する情報閲覧装置10での消費電力が登録されている。
【0021】
演算処理部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14からプログラム14Pを読み出して実行することにより、コンテンツ閲覧処理などの各種処理を実行するための処理部(モジュール)を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な処理部として、消費電力計測部15Aおよびコンテンツ閲覧部15Bがある。一般的には、コンテンツを閲覧する場合、ブラウザと呼ばれるアプリケーションが用いられる。したがって、コンテンツ閲覧部15Bをこのブラウザの機能の1つとして実装してもよい。
【0022】
消費電力計測部15Aは、情報閲覧装置10におけるコンテンツの閲覧に要した消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力DB14Aへ登録する機能を有している。コンテンツ閲覧に要した消費電力は、コンテンツの非閲覧時と閲覧時の差分を計測することにより、コンテンツ閲覧由来の消費電力を算出することができる。なお、消費電力の計測については、消費電力を直接的に計測できるクランプセンサのようなハードウエアを用いてもよく、情報閲覧装置10を構成するCPU、メモリ、ハードディスク、ネットワーク周辺機器などの各ハードウェアの動作状態をモニタし、そのモニタ結果から消費電力を推定するソフトウエアで実現してもよい。
【0023】
コンテンツ閲覧部15Bは、操作入力部12で検出されたユーザによる閲覧要求操作に応じて、通信網50を介して接続した情報提供装置20から、閲覧対象となるコンテンツを、当該コンテンツのURLに基づき取得して、画面表示部13で画面表示する機能と、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、コンテンツを取得する前に、記憶部14の消費電力DB14Aから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による情報閲覧装置10での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを、画面表示部13で画面表示する機能とを有している。
【0024】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる情報閲覧装置10の動作について説明する。図3は、情報閲覧装置のコンテンツ閲覧処理を示すフローチャートである。
情報閲覧装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出された閲覧要求操作に応じて、図3のコンテンツ閲覧処理を実行する。なお、消費電力DB14Aには、過去に情報閲覧装置10から閲覧したコンテンツのURLごとに、当該閲覧時に消費電力計測部15Aで計測した消費電力がそれぞれ登録されているものとする。
【0025】
まず、コンテンツ閲覧部15Bは、操作入力部12からユーザ操作により入力された、閲覧コンテンツのURLを取得し(ステップ100)、記憶部14の消費電力DB14Aから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得する(ステップ101)。
続いて、コンテンツ閲覧部15Bは、取得した消費電力と記憶部14に予め設定されているしきい値とを比較する(ステップ102)。
【0026】
ここで、取得した消費電力がしきい値以下の場合(ステップ102:NO)、コンテンツ閲覧部15Bは、当該URLを指定した閲覧要求を、通信I/F部11から通信網50を介して情報提供装置20へ送信する(ステップ103)。これにより、情報提供装置20から情報閲覧装置10に対して、閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツが提供される。このようにして、情報閲覧装置10のコンテンツ閲覧部15Bは、通信I/F部11を介して情報提供装置20からコンテンツを受信し、画面表紙部13で画面表示し(ステップ104)、一連のコンテンツ閲覧処理を終了する。
【0027】
一方、取得した消費電力がしきい値より大きい場合(ステップ102:YES)、コンテンツ閲覧部15Bは、当該コンテンツの閲覧による情報閲覧装置10での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを、いわゆるポップアップ画面からなる消費電力大幅増大通知画面により画面表示部13で画面表示する(ステップ105)。
【0028】
図4は、消費電力大幅増大通知画面の構成例である。ここでは、対象となるコンテンツのURL41、このコンテンツの閲覧による消費電力の大幅増大発生を通知する消費電力大幅増大通知メッセージ42、当該コンテンツの閲覧実行/中止に関するユーザ確認を要求するユーザ確認要求メッセージ43、当該ユーザ確認要求に応じて当該コンテンツの閲覧実行を指示するための閲覧実行操作ボタン44、および当該ユーザ確認要求に応じて当該コンテンツの閲覧中止を指示するための閲覧中止操作ボタン45が、消費電力大幅増大通知画面に配置されている。
【0029】
この消費電力大幅増大通知画面において、閲覧実行操作ボタン44の操作が操作入力部12で検出された場合(ステップ106:YES)、コンテンツ閲覧部15Bは、前述したステップ103へ移行して、当該コンテンツの取得および閲覧を実行した後、一連のコンテンツ閲覧処理を終了する。
一方、消費電力大幅増大通知画面において、閲覧中止操作ボタン45の操作が操作入力部12で検出された場合(ステップ106:NO)、コンテンツ閲覧部15Bは、通信I/F部11から閲覧要求を送信せず、一連のコンテンツ閲覧処理を終了する。
【0030】
なお、図4では、コンテンツ閲覧の実行/中止をユーザに確認する場合を例として説明したが、このユーザ確認を省くようにしてもよい。この場合には、ステップ105で、ユーザ確認を要求するメッセージのない消費電力大幅増大通知画面を表示した後、ステップ103へ移行して、当該コンテンツの取得および閲覧を実行すればよい。
【0031】
図5は、消費電力大幅増大通知画面の他の構成例である。ここでは、対象となるコンテンツのURL41、このコンテンツの閲覧による消費電力の大幅増大発生を通知する消費電力大幅増大通知メッセージ42、このメッセージの確認を指示するためのメッセージ確認ボタン操作46が、消費電力大幅増大通知画面に配置されている。したがって、この例では、ステップ102でのメッセージ表示の後、ユーザによるメッセージ確認操作ボタン46の操作が操作入力部12で検出された場合、ステップ103へ移行することになる。なお、ユーザによるメッセージ確認操作を待つことなく、ステップ102でのメッセージ表示から一定時間経過後、自動的にステップ103へ移行するようにしてもよい。
【0032】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、コンテンツの閲覧に要した情報閲覧装置10での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力DB14Aへ登録する消費電力計測部15Aを設け、コンテンツ閲覧部15Bで、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、コンテンツを取得する前に、消費電力DB14Aから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを画面表示するようにしたものである。
【0033】
これにより、コンテンツを閲覧する際、当該閲覧による消費電力の大幅増大を、ユーザに対して事前に通知することができる。したがって、ユーザは、長時間にわたり当該コンテンツを閲覧すると大きな電力を消費することを、事前に認識することができ、例えばコンテンツ閲覧に用いているブラウザを操作して、コンテンツ閲覧を中止することができる。また、ユーザは、当該コンテンツの閲覧を優先させたい場合、ブラウザと並列して実行している他のアプリケーションを停止させて、情報閲覧装置10での負荷を低減することもできる。これにより、例えば動画コンテンツなど負荷の大きなコンテンツを閲覧した場合でも、他のアプリケーションがフリーズするというような、負荷の大幅増大に起因する不具合発生を回避することができる。
【0034】
また、消費電力計測部15Aにより、コンテンツの閲覧に要した情報閲覧装置10での消費電力が計測されて、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力DB14Aへ登録される。したがって、ユーザがコンテンツを閲覧すれば、当該消費電力が自動的に消費電力DB14Aへ登録されるため、予め各コンテンツについて消費電力を計測し、その計測結果を消費電力DB14Aへ登録するための作業を省くことができ、ユーザの作業負担を大幅に軽減できる。
【0035】
また、本実施の形態において、コンテンツ閲覧部15Bでは、消費電力の大幅増大発生を通知する上記メッセージによりコンテンツの閲覧の実行/中止に関するユーザ確認要求を通知し、当該メッセージに対するユーザによる閲覧実行操作に応じて当該コンテンツを取得して画面表示し、当該メッセージに対するユーザによる閲覧中止操作に応じて当該コンテンツの取得を中止するようにしてもよい。これにより、ブラウザを操作することなく、閲覧中止操作ボタン45を押下するという、極めて簡単に操作で、コンテンツ閲覧を中止することができる。
【0036】
[第2の実施の形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる情報提供システム1の情報提供装置20について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる情報提供装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
この情報提供装置20は、全体としてエンジンサーバ装置からなり、通信網50を介して受信した情報閲覧装置10からの検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語に関連するコンテンツを検索し、その検索結果を情報閲覧装置10へ提供する機能(サーチエンジン)と、通信網50を介して受信した情報閲覧装置10からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツを情報閲覧装置10へ提供する機能とを有している。
【0038】
本実施の形態は、情報提供装置20において、通信網50を介して接続した情報閲覧装置10からの検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツデータベースから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置10へ通知し、情報閲覧装置10からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツをコンテンツデータベースから取得して、当該情報閲覧装置10へ提供し、コンテンツの提供に要した情報提供装置20での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録するものとし、検索結果を通知する場合、消費電力データベースから各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として情報閲覧装置10へ通知するようにしたものである。
【0039】
[情報提供装置]
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかる情報提供装置20の構成について詳細に説明する。
情報提供装置20には、主な機能部として、通信I/F部21、操作入力部22、画面表示部23、記憶部24、および演算処理部25が設けられている。
【0040】
通信I/F部21は、専用のデータ通信回路からなり、通信網50を介して情報閲覧装置10とデータ通信を行うことにより、コンテンツの検索や閲覧に関する要求に応じて、検索結果やコンテンツを配信する機能を有している。
操作入力部22は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、ユーザ操作を検出して演算処理部25へ出力する機能を有している。
画面表示部23は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部25からの指示に応じて、操作メニュー、コンテンツ検索結果画面、コンテンツ閲覧画面、メッセージなどの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0041】
記憶部24は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部25で実行する各種処理に用いる処理データやプログラム24Pを記憶する機能を有している。
プログラム24Pは、演算処理部25に読み出されて実行されることにより、コンテンツ検索処理やコンテンツ提供処理などの各種処理を実行する処理部を実現する機能を有しており、外部装置(図示せず)や記録媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部24へ保存される。なお、本発明にかかる情報提供装置20は、コンピュータとプログラム24Pによって実現でき、プログラム24Pを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0042】
記憶部24で記憶する主な処理情報として、消費電力データベース(以下、消費電力DBという)24Aとコンテンツデータベース(以下、コンテンツDBという)24Bがある。図7は、消費電力DBの構成例である。消費電力DB24Aには、コンテンツのURLごとに、当該コンテンツの閲覧に要する情報提供装置20での消費電力が登録されている。コンテンツDB24Bには、情報提供装置20で提供するコンテンツと、当該コンテンツに関連する検索語と、当該コンテンツのURLとが、対応付けて登録されている。なお、コンテンツDB24Bについては、情報提供装置20と別個のコンテンツ蓄積装置で実現してもよく、必要に応じてコンテンツ蓄積装置からコンテンツを取得して情報提供装置20から提供するようにしてもよい。
【0043】
演算処理部25は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部24からプログラム24Pを読み出して実行することにより、コンテンツ検索処理やコンテンツ閲覧処理などの各種処理を実行するための処理部(モジュール)を実現する機能を有している。
演算処理部25で実現される主な処理部として、消費電力計測部25A、コンテンツ検索部25B、およびコンテンツ提供部25Cがある。
【0044】
消費電力計測部25Aは、情報提供装置20におけるコンテンツの提供に要した消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力DB24Aへ登録する機能を有している。コンテンツ提供に要した消費電力は、コンテンツの非提供時と提供時の差分を計測することにより、コンテンツ提供由来の消費電力を算出することができる。なお、消費電力の計測については、消費電力を直接的に計測できるクランプセンサのようなハードウエアを用いてもよく、情報提供装置20を構成するCPU、メモリ、ハードディスク、ネットワーク周辺機器などの各ハードウェアの動作状態をモニタし、そのモニタ結果から消費電力を推定するソフトウエアで実現してもよい。
【0045】
コンテンツ検索部25Bは、通信網50を介して接続した情報閲覧装置10からの検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツDB24Bから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置10へ通知する機能と、検索結果を通知する場合、消費電力DB24Aから各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として情報閲覧装置10へ通知する機能とを有している。
【0046】
コンテンツ提供部25Cは、情報閲覧装置10からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツをコンテンツDB24Bから取得して、当該情報閲覧装置10へ提供する機能を有している。
【0047】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる情報提供装置20の動作について説明する。図8は、情報提供装置のコンテンツ検索処理を示すフローチャートである。
情報提供装置20の演算処理部25は、通信I/F部21で受信した情報閲覧装置10からの検索要求に応じて、図8のコンテンツ検索処理を実行する。なお、消費電力DB24Aには、過去に情報提供装置20から提供したコンテンツのURLごとに、当該提供時に消費電力計測部25Aで計測した消費電力がそれぞれ登録されているものとする。
【0048】
まず、コンテンツ検索部25Bは、情報閲覧装置10からの検索要求から、コンテンツを検索するための検索語(キーワード)を取得し(ステップ200)、記憶部24のコンテンツDB24Bから、当該検索語と関連するコンテンツのURLを検索する(ステップ201)。
続いて、コンテンツ検索部25Bは、検索したURLごとに、当該URLと対応付けられている消費電力を消費電力DB24Aから取得する(ステップ202)。
【0049】
この後、コンテンツ検索部25Bは、検索した各URLを、当該URLの消費電力が小さい順で並び替えを行い(ステップ203)、並び替えたURLを検索結果として通信I/F部21から情報閲覧装置10へ提供し(ステップ204)、一連のコンテンツ検索処理を終了する。
【0050】
これにより、情報閲覧装置10において、情報提供装置20から提供された検索結果が画面表示される。図9は、コンテンツ検索結果画面の構成例である。ここでは、指定した検索語に関連するコンテンツのURLが、情報提供装置20での消費電力の少ない順に並び替えて画面表示されている。したがって、ユーザは、URLの表示位置により、各コンテンツのうち、消費電力の大幅増大が発生しうるコンテンツを認識することができる。この際、消費電力の増大幅を、URLとともに情報提供装置20から通知してもよい。また、予め設定されたしきい値と比較ししきい値より消費電力が大きいURLを、他のURLと区別して表示するようにしてもよい。
【0051】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、コンテンツの提供に要した情報提供装置20での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力DB24Aへ登録する消費電力計測部25Aを設け、コンテンツ検索部25Bで、情報閲覧装置10からの検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツDB24Bから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置へ通知し、この検索結果を通知する場合、消費電力データベースから各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として情報閲覧装置へ通知するようにしたものである。
【0052】
これにより、情報閲覧装置10でコンテンツを閲覧する際、当該閲覧による情報提供装置20での消費電力の大幅増大を、ユーザに対して事前に通知することができる。したがって、ユーザは、長時間にわたり当該コンテンツを閲覧すると、情報提供装置20で大きな電力を消費することを、事前に認識することができ、例えばコンテンツ閲覧に用いているブラウザを操作して、コンテンツ閲覧を中止することができる。これにより、情報提供装置20において、例えば動画コンテンツなど負荷の大きなコンテンツを提供した場合でも、他のアプリケーションがフリーズするというような、負荷の大幅増大に起因する不具合発生を回避することができる。
【0053】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…情報提供システム、10…情報閲覧装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、14A…消費電力DB、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…消費電力計測部、15B…コンテンツ閲覧部、20…情報提供装置、21…通信I/F部、22…操作入力部、23…画面表示部、24…記憶部、24A…消費電力DB、24B…コンテンツDB、24P…プログラム、25…演算処理部、25A…消費電力計測部、25B…コンテンツ検索部、25C…コンテンツ提供部、41…URL、42…消費電力大幅増大通知メッセージ、43…ユーザ確認要求メッセージ、44…閲覧実行操作ボタン、45…閲覧中止操作ボタン、50…通信網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる閲覧要求操作に応じて、通信網を介して接続した情報提供装置から、閲覧対象となるコンテンツを、当該コンテンツのURLに基づき取得して画面表示するコンテンツ閲覧部と、
前記コンテンツの閲覧に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測部とを備え、
前記コンテンツ閲覧部は、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、前記コンテンツを取得する前に、前記消費電力データベースから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを画面表示する
ことを特徴とする情報閲覧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報閲覧装置において、
前記コンテンツ閲覧部は、前記メッセージにより前記コンテンツの閲覧の実行/中止に関するユーザ確認要求を通知し、当該メッセージに対するユーザによる閲覧実行操作に応じて当該コンテンツを取得して画面表示し、当該メッセージに対するユーザによる閲覧中止操作に応じて当該コンテンツの取得を中止することを特徴とする情報閲覧装置。
【請求項3】
通信網を介して接続した情報閲覧装置からの検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツデータベースから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置へ通知するコンテンツ検索部と、
前記情報閲覧装置からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツを前記コンテンツデータベースから取得して、当該情報閲覧装置へ提供するコンテンツ提供部と、
前記コンテンツの提供に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測部とを備え、
前記コンテンツ検索部は、前記検索結果を通知する場合、前記消費電力データベースから前記各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として前記情報閲覧装置へ通知する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
情報閲覧装置が、ユーザによる閲覧要求操作に応じて、通信網を介して接続した情報提供装置からコンテンツを取得して画面表示するための情報閲覧方法であって、
コンテンツ閲覧部が、前記閲覧要求操作に応じて、前記情報提供装置から、閲覧対象となるコンテンツを、当該コンテンツのURLに基づき取得して画面表示するコンテンツ閲覧ステップと、
消費電力計測部が、前記コンテンツの閲覧に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測ステップとを備え、
前記コンテンツ閲覧ステップは、ユーザによる新たな閲覧要求操作に応じて、前記コンテンツを取得する前に、前記消費電力データベースから当該コンテンツのURLと対応付けられている消費電力を取得し、当該消費電力がしきい値より大きい場合、当該コンテンツの閲覧による当該装置での消費電力の大幅増大発生を通知するメッセージを画面表示するステップを含む
ことを特徴とする情報閲覧方法。
【請求項5】
情報提供装置が、通信網を介して接続した情報閲覧装置からの検索要求に応じて、関連コンテンツのURLを検索して提供するための情報提供方法であって、
コンテンツ検索部が、前記検索要求に応じて、当該検索要求で指定された検索語と関連する関連コンテンツをコンテンツデータベースから検索し、得られた各関連コンテンツのURLを検索結果として当該情報閲覧装置へ通知するコンテンツ検索ステップと、
コンテンツ提供部が、前記情報閲覧装置からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求で指定されたURLと対応するコンテンツを前記コンテンツデータベースから取得して、当該情報閲覧装置へ提供するコンテンツ提供ステップと、
消費電力計測部が、前記コンテンツの提供に要した当該装置での消費電力を計測して、当該コンテンツのURLと対応付けて消費電力データベースへ登録する消費電力計測ステップとを備え、
前記コンテンツ検索ステップは、前記検索結果を通知する場合、前記消費電力データベースから前記各関連コンテンツのURLと対応付けられている消費電力をそれぞれ取得し、これら消費電力の大きさに基づき並び替えた当該URLを検索結果として前記情報閲覧装置へ通知するステップを含む
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1または請求項2に記載の情報閲覧装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、請求項3に記載の情報提供装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−61831(P2013−61831A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200219(P2011−200219)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504202472)大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 (119)
【Fターム(参考)】