説明

感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】光応答性及び環境変動に対する帯電安定性に優れ、残像の発生を抑制することが可能な感光体、感光体を用いる画像形成方法並びに該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】感光体は、導電性支持体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤及び結着樹脂を含む感光層を有し、電荷発生剤は、特定構造のフルオレノン環を有するビスアゾ系化合物を含み、電荷輸送剤は、特定構造の複素環系化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンターの小型化、高速化に伴い、小径の感光体を用いて、周速を大きくする画像形成方法が用いられている。このような画像形成方法に適用することが可能な感光体として、長波長域に感度を有する電荷発生剤を含む感光層を有する感光体が知られている。
【0003】
特許文献1には、導電性支持体上に、一般式
Ar−N=N−A−N=N−Ar
(式中、Ar及びArは、各々異なるカップラー残基であり、Aは、トリフェニルアミン、9−フルオレノン、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール,ジベンゾフェナジン、ジスチリルベンゼン、カルバゾール、N−置換カルバゾール、ジベンゾチオフェン、アクリドン、置換若しくは無置換のビフェニル、キサントン、アントラキノン、ナフタレン、α,ω−ジフェニルポリエン、アゾベンゼン、テトラフェニルフェニレンジアミン、ジベンゾチオフェンジオキサイド又はフェナントレンキノンの2価基である。)
で示される非対称ビスアゾ顔料を含有する層が形成されている電子写真用感光体が開示されている。
【0004】
しかしながら、光応答性及び高温高湿から低温低湿までの環境変動に対する帯電安定性が低いという問題がある。また、感光体に電荷が残留して残像が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、光応答性及び環境変動に対する帯電安定性に優れ、残像の発生を抑制することが可能な感光体、該感光体を用いる画像形成方法並びに該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、導電性支持体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤及び結着樹脂を含む感光層を有する感光体において、前記電荷発生剤は、一般式
【0007】
【化1】

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換の複素環基であり、R及びRは同一ではない。)
で表される化合物を含み、前記電荷輸送剤は、一般式
【0008】
【化2】

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換の炭素数が1以上6以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数が1以上6以下のアルコキシ基である。)
で表される化合物を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の感光体において、前記電荷輸送剤は、化学式
【0010】
【化3】

で表される化合物、化学式
【0011】
【化4】

で表される化合物、化学式
【0012】
【化5】

で表される化合物、化学式
【0013】
【化6】

で表される化合物又は化学式
【0014】
【化7】

で表される化合物を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の感光体において、前記感光層は、前記電荷発生剤を含む電荷発生層及び前記電荷輸送剤を含む電荷輸送層を有することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の感光体において、前記電荷輸送層は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、画像形成方法において、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体を帯電させる工程と、該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する工程と、該静電潜像が形成された感光体をトナーで現像してトナー像を形成する工程と、該感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する工程を有することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成方法において、前記帯電した感光体に露光してから100ミリ秒以内に前記静電潜像が形成された感光体をトナーで現像することを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、該感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記感光体、前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段を複数有するタンデム型であることを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記感光体、前記帯電手段及び前記現像手段を複数有し、前記感光体に形成されたトナー像が転写される中間転写体をさらに有し、前記転写手段は、複数の前記感光体に形成されたトナー像を前記中間転写体に順次転写して重ねる第一の転写手段及び該重ねられたトナー像を前記被転写体に転写する第二の転写手段を有することを特徴とする。
【0022】
請求項10に記載の発明は、プロセスカートリッジにおいて、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段、該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段、該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段、該感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段及び該トナー像が転写された感光体をクリーニングするクリーニング手段の少なくとも一つとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光応答性及び環境変動に対する帯電安定性に優れ、残像の発生を抑制することが可能な感光体、該感光体を用いる画像形成方法並びに該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の感光体の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0026】
図1に、本発明の感光体の一例を示す。感光体10は、導電性支持体11上に、電荷発生層12a及び電荷輸送層12bが順次積層されている感光層12が形成されている。
【0027】
導電性支持体11を構成する材料としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、スズ、白金、モリブデン、インジウム等の金属;これらの金属の合金が挙げられる。中でも、JIS3000系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金が好ましい。
【0028】
導電性支持体11の成形方法としては、特に限定されないが、EI(Extrusion Ironing)法、ED(Extrusion Drawing)法、DI(Drawing Ironing)法、II(Impact Ironing)法等が挙げられる。このとき、導電性支持体11の表面に、ダイヤモンドバイト等による表面切削加工;研磨、陽極酸化等の表面処理を施してもよい。
【0029】
これら以外の導電性支持体11を構成する材料としては、金属粉、導電性カーボン等の導電剤を含む樹脂;導電性樹脂;酸化スズ、酸化インジウム、ヨウ化アルミニウムで表面が被覆されているガラス等が挙げられる。
【0030】
導電性支持体11の形状としては、特に限定されないが、ドラム、シート、フィルム、ベルト等が挙げられる。このとき、ドラムの直径は、通常、60mm以下であり、30mm以下が好ましい。また、ベルトは、有端及び無端のいずれであってもよい。
【0031】
電荷発生層12aは、電荷発生剤及び結着樹脂を含む。
【0032】
電荷発生剤は、一般式(I)
【0033】
【化8】

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換の複素環基であり、R及びRは同一ではない。)
で表される化合物を含む。このとき、一般式(I)で表される化合物を二種以上併用してもよい。
【0034】
及びRとしては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、1−ナフチル基、2−アントラキノリル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−カルボキシル−2−チアゾリル基、2−ピリジル基、2−ピリミジル基、2−カルバゾリル基、2−キノリル基等が挙げられる。
【0035】
電荷発生層12a中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、結着樹脂1質量部に対して、通常、0.2〜10質量部であり、0.3〜4質量部であることが好ましい。一般式(I)で表される化合物の含有量が少ないと、光感度が低下することがあり、多いと、接着性が低下することがある。
【0036】
電荷発生剤は、適切な光感度波長や増感作用を得るために、一般式(I)で表される化合物以外の電荷発生剤をさらに含んでもよい。
【0037】
一般式(I)で表される化合物以外の電荷発生剤としては、特に限定されないが、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料等のアゾ顔料;インジゴ顔料;スレン顔料;トルイジン顔料;ピラゾリン顔料;ペリレン顔料;キナクリドン顔料;ピリリウム塩;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0038】
電荷発生剤中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、通常、1〜99質量%であり、40〜99質量%が好ましい。
【0039】
結着樹脂としては、ポリカーボネート、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ジアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエーテル、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシアリレート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0040】
電荷発生層12aの厚さは、通常、0.01〜5μmであり、0.1〜2μmが好ましい。
【0041】
電荷発生層12aは、例えば、電荷発生剤及び結着樹脂が溶媒中に分散又は溶解されている塗布液を、導電性支持体11上に塗布し、必要に応じて、乾燥させることにより、形成することができる。
【0042】
溶媒としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メトキシエタノール、ジオキソラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒又はハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましい。
【0043】
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗工法、スプレーコート法、リングコート法、バーコートスピナーコート法等が挙げられる。
【0044】
電荷輸送層12bは、電荷輸送剤及び結着樹脂を含む。
【0045】
電荷輸送剤は、一般式(II)
【0046】
【化9】

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換の炭素数が1以上6以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数が1以上6以下のアルコキシ基である。)
で表される化合物を含む。
【0047】
一般式(II)で表される化合物としては、特に限定されないが、化学式(IIa)
【0048】
【化10】

で表される化合物、化学式(IIb)
【0049】
【化11】

で表される化合物、化学式(IIc)
【0050】
【化12】

で表される化合物、化学式(IId)
【0051】
【化13】

で表される化合物、化学式(IIe)
【0052】
【化14】

で表される化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0053】
電荷輸送層12b中の一般式(II)で表される化合物の含有量は、結着樹脂1質量部に対して、0.3〜2質量部であることが好ましい。一般式(II)で表される化合物の含有量が少ないと、残留電位が上昇することがあり、一般式(II)で表される化合物の含有量が多いと、耐摩耗性が低下することがある。
【0054】
電荷輸送剤は、所望の帯電性を得るために、一般式(II)で表される化合物以外の電荷輸送剤をさらに含んでもよい。
【0055】
一般式(II)で表される化合物以外の電荷輸送剤としては、特に限定されないが、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子;トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン等の低分子化合物;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質;テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン等の電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷輸送錯体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0056】
電荷輸送剤中の一般式(II)で表される化合物の含有量は、通常、50〜95質量%であり、70〜95質量%が好ましい。
【0057】
結着樹脂としては、ポリカーボネート、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール、ポリメチルペンテン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ジアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエーテル、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシアリレート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0058】
電荷輸送層12bは、感光体10の耐久性を向上させるために、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の少なくとも一つをさらに含むことが好ましい。中でも、アミン系酸化防止剤が特に好ましい。
【0059】
フェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3'−5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系化合物;2,2'−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0060】
電荷輸送層12b中のフェノール系酸化防止剤の含有量は、結着樹脂に対して、通常、1〜20質量%である。
【0061】
アミン系酸化防止剤としては、特に限定されないが、α,α'−ビス(ジベンジルアミノ)−p−キシレン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−エチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4'−ジオクチル−ジフェニルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0062】
電荷輸送層12b中のアミン系酸化防止剤の含有量は、結着樹脂に対して、通常、1〜20質量%である。
【0063】
硫黄系酸化防止剤としては、特に限定されないが、ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3,3−チオプロピオネート、ビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキル(C12〜C14)チオプロピオネート)−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0064】
電荷輸送層12b中の硫黄系酸化防止剤の含有量は、結着樹脂に対して、通常、0.1〜5質量%である。
【0065】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0066】
電荷輸送層12b中のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の含有量は、結着樹脂に対して、通常、1〜20質量%である。
【0067】
電荷輸送層12bは、感光体10の帯電性、耐久性、機械特性を向上させるために、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等をさらに含んでもよい。
【0068】
電荷輸送層12bの厚さは、通常、3〜50μmであり、10〜40μmが好ましい。
【0069】
電荷輸送層12bは、例えば、電荷発生層12aと同様にして、電荷輸送剤及び結着樹脂が溶媒中に分散又は溶解されている塗布液を、電荷発生層12a上に塗布し、必要に応じて、乾燥させることにより、形成することができる。
【0070】
導電性支持体11と電荷発生層12aの間に、樹脂を含む中間層を形成してもよい。これにより、導電性支持体11と電荷発生層12aの接着性を向上させたり、導電性支持体11から電流が流れ込むことを防止したり、導電性支持体11の表面の欠陥を被覆したりすることができる。
【0071】
樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ナイロン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0072】
また、中間層は、金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂粉末、顔料、電子受容性物質、電子供与性物質等をさらに含んでもよい。
【0073】
中間層は、例えば、電荷発生層12aと同様にして、結着樹脂が溶媒中に分散又は溶解されている塗布液を、導電性支持体11上に塗布し、必要に応じて、乾燥させることにより、形成することができる。
【0074】
中間層の厚さは、通常、0.1〜50μmであり、0.5〜20μmが好ましい。
【0075】
感光体10の耐久性を向上させるために、電荷輸送層12b上に、樹脂を含む保護層を形成してもよい。
【0076】
樹脂としては、特に限定されないが、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0077】
また、保護層は、シランカップリング剤の加水分解物であってもよい。
【0078】
保護層の厚さは、通常、0.1〜20μmである。
【0079】
なお、電荷発生層12a及び電荷輸送層12bの積層順序を逆にしてもよい。また、電荷発生層12a及び電荷輸送層12bの積層を積層せずに、単層の感光層にしてもよい。
【0080】
図2に、本発明の画像形成装置の一例を示す。画像形成装置100には、感光体10の周囲に、感光体10を帯電させる帯電ローラ20、帯電した感光体10に露光して静電潜像を形成する露光装置30、感光体10に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置40、感光体10に形成されたトナー像を被転写体Pに転写する転写ローラ50、トナー像が転写された感光体10をクリーニングするクリーニングブレード60が設置されている。このとき、画像形成装置100には、被転写体Pに転写されたトナー像を定着させる定着装置70が設置されている。画像形成装置100を用いると、帯電した感光体10に露光してから100ミリ秒以内に静電潜像が形成された感光体10をトナーで現像することができる。
【0081】
帯電ローラ20は、電源(不図示)から電圧が印加され、感光体10に接触して正又は負に帯電させる。
【0082】
露光装置30としては、LED、LD等が挙げられる。
【0083】
現像装置40は、感光体10に形成された静電潜像をトナーで現像する際に用いられる現像剤として、二成分現像剤及び一成分現像剤のいずれを用いてもよく、トナーは、磁性及び非磁性のいずれであってもよい。
【0084】
なお、帯電ローラ20の代わりに、帯電ブラシを用いてもよいし、スコロトロン、コロトロン等の感光体10と接触しない帯電手段を用いてもよい。
【0085】
転写ローラ50の代わりに、転写ベルトを用いてもよい。
【0086】
クリーニングブレード60の代わりに、クリーニングブラシを用いてもよいし、クリーニング手段として兼用することが可能な帯電手段又は現像手段を用いてもよい。また、クリーニングブレード60を省略してもよい。
【0087】
画像形成装置100に、感光体10を除電する除電装置をさらに設置してもよい。
【0088】
なお、画像形成装置100の代わりに、感光体10、帯電ローラ20、現像装置40及び転写ローラ50を複数有する画像形成装置を用いてもよい。
【0089】
また、画像形成装置100の代わりに、感光体10、帯電ローラ20、現像装置40を複数有し、感光体10に形成されたトナー像が転写される中間転写体をさらに有する画像形成装置を用いてもよい。このような画像形成装置は、複数の感光体10に形成されたトナー像を中間転写体に順次転写して重ねる第一の転写手段及び重ねられたトナー像を被転写体Pに転写する第二の転写手段を有する。
【0090】
さらに、画像形成装置100は、感光体10と、帯電ローラ20、露光装置30、現像装置40、転写ローラ50及びクリーニングブレード60の少なくとも一つとを有するプロセスカートリッジが着脱自在に搭載される構成であってもよい。
【実施例】
【0091】
以下、本発明の感光体について詳細に説明する。
【0092】
[実施例1]
アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(DIC社製)及びアミノ樹脂スーパーベッカミンG−821−60(DIC社製)を質量比65:35で混合した後、混合した樹脂及び酸化チタンCR−EL(石原産業社製)を質量比1:3で混合し、メチルエチルケトンに分散又は溶解させ、中間層用塗布液を得た。
【0093】
直径が30mmのアルミニウム製の円筒ドラム状の導電性支持体11上に、中間層用塗布液を塗布して、厚さが1.5μmの中間層を形成した。
【0094】
化学式(Ia)
【0095】
【化15】

で表される化合物30gに、メチルエチルケトン500mlにポリビニルブチラールBH−5(積水化学工業社製)10gを溶解させた液及びガラスビーズを添加し、サンドミル分散機を用いて20時間分散させた後、ろ過してガラスビーズを除去し、電荷発生層用塗布液を得た。
【0096】
中間層上に電荷発生層用塗布液を浸漬塗布した後、乾燥し、厚さが0.2μmの電荷発生層12aを形成した。
【0097】
ポリカーボネートのパンライトTS2050(帝人化成社製)、化学式(IIc)で表される化合物及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを、質量比1:1:0.05で混合した後、テトラヒドロフラン中に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を得た。
【0098】
電荷発生層12a上に電荷輸送層用塗布液に浸漬塗布した後、120℃で60分間乾燥し、厚さが25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0099】
[実施例2]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式(IIa)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0100】
[実施例3]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式(IIb)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0101】
[実施例4]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式(IId)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0102】
[実施例5]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式(IIe)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0103】
[実施例6]
化学式(Ia)で表される化合物の代わりに、化学式(Ib)
【0104】
【化16】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0105】
[実施例7]
化学式(Ia)で表される化合物の代わりに、化学式(Ic)
【0106】
【化17】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0107】
[実施例8]
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの代わりに、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネートのセミライザーTPS(住友化学社製)を用いると共に、添加量を1/5にした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0108】
[実施例9]
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの代わりに、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールのTinuvin−P(Geigy社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0109】
[実施例10]
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの代わりに、α,α'−ビス(ジベンジル)アミノ−p−キシレンを用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0110】
[実施例11]
ポリカーボネートのパンライトTS2050(帝人化成社製)、化学式(IIc)で表される化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネートのセミライザーTPS(住友化学社製)及び2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールのTinuvin−P(Geigy社製)を、質量比1:1:0.05:0.01:0.05で混合した後、テトラヒドロフラン中に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を得た。
【0111】
得られた電荷輸送層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0112】
[実施例12]
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0113】
[比較例1]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式
【0114】
【化18】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0115】
[比較例2]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式
【0116】
【化19】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0117】
[比較例3]
化学式(IIc)で表される化合物の代わりに、化学式
【0118】
【化20】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0119】
[比較例4]
化学式(Ia)で表される化合物の代わりに、化学式
【0120】
【化21】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0121】
[比較例5]
化学式(Ia)で表される化合物の代わりに、化学式
【0122】
【化22】

で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0123】
[環境変動に対する帯電安定性の評価]
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用いて、温度23℃、湿度50%RH(N/N)、温度10℃、湿度10%RH(L/L)又は温度30℃、湿度80%RH(H/H)の環境下で、実施例1〜12及び比較例1〜5の電子写真感光体の環境変動に対する帯電安定性を評価した。
【0124】
まず、スコロトロン方式で放電電流25μAを流して帯電させた電子写真感光体の表面電位(V0)を計測した。次に、スコロトロン方式で表面電位が−700Vになるように調節した放電電流を流して電子写真感光体を帯電させた後、波長が650nmの半導体レーザーを照射して、表面電位が1/2(−350V)に減衰した時の露光エネルギー量、即ち、半減露光エネルギー量(E1/2)を計測した。さらに、スコロトロン方式で表面電位が−700Vになるように調節した放電電流を流して電子写真感光体を帯電させた後、露光エネルギー量が1.0μJ/cmになるように、波長が650nmの半導体レーザーを照射した時の表面電位、即ち、残留電位(VL)を計測した。
【0125】
なお、電子写真感光体の回転数を100rpmとし、波長が650nmの半導体レーザーを電子写真感光体に照射してから表面電位を測定するまでの時間を0.06秒とした。
【0126】
表1に、環境変動に対する帯電安定性の評価結果を示す。
【0127】
【表1】

なお、E1/2が小さい程、感度に優れ、E1/2は0.15μJ/cm以下であることが好ましい。また、VLが小さい程、画像濃度が大きくなり、VLは100V以下であることが好ましい。
【0128】
表1より、実施例1〜12の電子写真感光体は、環境に対するV0、E1/2及びVLの変化が小さく、環境変動に対する帯電安定性が優れることがわかる。
【0129】
[耐久性の評価]
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用いて、温度23℃、湿度50%(N/N)の環境下で、実施例1〜12及び比較例1〜5の電子写真感光体の耐久性を評価した。
【0130】
スコロトロン方式で放電電流25μAを流して電子写真感光体を帯電させた後、波長が650nmの半導体レーザーを照射し、波長が660nmの発光ダイオード(20μW)を用いて除電する操作を1サイクルとして、1万サイクル繰り返した。1万サイクル繰り返した後の電子写真感光体の表面電位(V0)、半減露光エネルギー(E1/2)及び残留電位(VL)を、環境変動に対する帯電安定性の評価と同様にして、計測した。
【0131】
表2に、耐久性の評価結果を示す。
【0132】
【表2】

表2より、実施例1〜11の電子写真感光体は、V0の低下が10V以下であることに加え、VLの上昇も20V以下であることから、耐久性が優れることがわかる。
【0133】
[光応答性の評価]
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業製)を用いて、温度23℃、湿度50%(N/N)の環境下で、実施例1〜12及び比較例1〜5の電子写真感光体の光応答性を評価した。
【0134】
スコロトロン方式で表面電位が−700Vになるように調節した放電電流を流して電子写真感光体を帯電させた後、半減露光エネルギー量(E1/2)の5倍の露光エネルギー量になるように、波長が650nmの半導体レーザーを照射して、100ミリ秒後、50ミリ秒後及び30ミリ秒後の表面電位を計測した。
【0135】
表3に、光応答性の評価結果を示す。
【0136】
【表3】

表3より、実施例1〜12の電子写真感光体は、露光後の時間を短くしても表面電位の変動が小さく、光応答性が優れることがわかる。
【0137】
[画像の評価]
温度23℃、湿度50%(N/N)の環境下で、イレース露光器を排除したカラープリンターCX−411(リコー社製)を用いて、転写電流を10μA、20μA又は30μAにした状態で、1サイクル目にベタ黒画像を形成し、以降のハーフトーン上に現れる残像(ゴースト)を評価した。なお、残像が発生しないものを○、発生するものを△、強く発生するものを×として、判定した。
【0138】
表4に、画像の評価結果を示す。
【0139】
【表4】

表4より、実施例1〜12の電子写真感光体は、転写電流を大きくしても、残像の発生を抑制できることがわかる。
【符号の説明】
【0140】
10 感光体
11 導電性支持体
12 感光層
12a 電荷発生層
12b 電荷輸送層
20 帯電ローラ
30 露光装置
40 現像装置
50 転写ローラ
60 クリーニングブレード
70 定着装置
100 画像形成装置
P 被転写体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0141】
【特許文献1】特開平7−70456号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤及び結着樹脂を含む感光層を有する感光体において、
前記電荷発生剤は、一般式
【化1】

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換の複素環基であり、R及びRは同一ではない。)
で表される化合物を含み、
前記電荷輸送剤は、一般式
【化2】

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基、置換若しくは無置換の炭素数が1以上6以下のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数が1以上6以下のアルコキシ基である。)
で表される化合物を含むことを特徴とする感光体。
【請求項2】
前記電荷輸送剤は、化学式
【化3】

で表される化合物、化学式
【化4】

で表される化合物、化学式
【化5】

で表される化合物、化学式
【化6】

で表される化合物又は化学式
【化7】

で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光体。
【請求項3】
前記感光層は、前記電荷発生剤を含む電荷発生層及び前記電荷輸送剤を含む電荷輸送層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感光体。
【請求項4】
前記電荷輸送層は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の感光体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体を帯電させる工程と、
該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する工程と、
該静電潜像が形成された感光体をトナーで現像してトナー像を形成する工程と、
該感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
前記帯電した感光体に露光してから100ミリ秒以内に前記静電潜像が形成された感光体をトナーで現像することを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体と、
該感光体を帯電させる帯電手段と、
該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段と、
該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、
該感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記感光体、前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段を複数有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記感光体、前記帯電手段及び前記現像手段を複数有し、
前記感光体に形成されたトナー像が転写される中間転写体をさらに有し、
前記転写手段は、複数の前記感光体に形成されたトナー像を前記中間転写体に順次転写して重ねる第一の転写手段及び該重ねられたトナー像を前記被転写体に転写する第二の転写手段を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光体と、
該感光体を帯電させる帯電手段、該帯電した感光体に露光して静電潜像を形成する露光手段、該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段、該感光体に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段及び該トナー像が転写された感光体をクリーニングするクリーニング手段の少なくとも一つとを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−22144(P2012−22144A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159903(P2010−159903)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】