説明

感光性シルセスキオキサン樹脂

本発明は、リソグラフィ特性(エッチング耐性、透過性、解像度、感応性、焦点余裕度、ラインエッジラフネス及び粘着性)を改良した、フォトレジストとして好適なシルセスキオキサン樹脂;フッ素化官能基又は非フッ素化官能基をシルセスキオキサンの主鎖に組み入れる方法に関する。本発明のシルセスキオキサン樹脂は、一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2を有する;式中、Rは酸解離性基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、且つ0.9≦a+b≦1.0である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
157nmのF2レーザーによるリソグラフィは、193nmの時代以降の発展技術として急速に浮上している。実際、リソグラフィは100〜70nmノードを選択する技術であるかもしれない。しかしながら、今日用いられているフォトレジストは、157nmの波長を強力に吸収する。シルセスキオキサン類を含むフルオロカーボンポリマー及びシリコン含有ポリマーには、157nmで高い透過性を示すものもある。
【0002】
IC製造に用いられる主要な化学製品のひとつはフォトレジスト(PR)、すなわち基板部分をマスキングし、且つ適切に露光及び現像される際、高い完全性を有するICパターンを転写する感光性ポリマーである。より高速でより小型の処理装置を製造すると、さらに厳しい要求、すなわち高い透過性、より薄い薄膜、優れた粘着性、より高いエッチング耐性及び熱安定性、並びにより高速の光誘起感応性を満たすレジストが要求される。しかしながら、このような材料の設計及び開発は有意義な挑戦である。なぜならば、既知であるフォトレジストのほとんどが、水、酸素及び単純な炭化水素を、スペクトル領域において強力にすべて吸収するためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特有の構造及びSi−H結合の高い含有率のために、水素シルセスキオキサン(HSQ)は、193nm及び157nmの両方で顕著な透過性を示す。HSQ(FOX(登録商標)の商標名でDow Corningにより商品化されている)は、スピン低誘電性材料(spin-on low-k dielectric materials)として広く使用されている。これはすでに良好なフォトレジストとして要求されるフィルム品質、熱的及び機械的性質等の確かな特徴を有する。また、(一般に使用される現像液、すなわち水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)ような)塩基性水溶液中で、Si−H結合がSi−OH部分に急速に変化し、このSi−OH部分は塩基可溶性を示すと考えられている。しかし、不可能ではないにしても、酸不安定官能基をHSQの主鎖に直接的に組み入れ、HSQをフォトレジストとして有益にすることは非常に難しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、高いSi含有率及び改良された特性(例えば、高いエッチング耐性及び高い透過性)を有する、193nm及び157nm並びにその他の波長でのマイクロリソグラフィ用途のフォトレジストに好適な官能性シルセスキオキサン樹脂、及びフッ素化又は非フッ素化官能基をシルセスキオキサンの主鎖に組み入れる方法に関する。本発明のシルセスキオキサン樹脂は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2を有する;式中、Rは酸解離性基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、且つ0.9≦a+b≦1.0である。代替的には、aは0.4〜0.8の値を有し、且つbは0.2〜0.6の値を有する。樹脂中の高いSiH含有率のために、レジストは光に対して高い感応性を有する193nm及び157nmでより透過性である(低OD)と考えられる。また、SiO結合を主鎖に有する樹脂における高いSi含有率(最大40重量%)のために、本発明のシルセスキオキサン樹脂から成るレジストは優れたエッチング耐性を有し、気体を低量しか(又は全く)放出しない。
【0005】
また、本発明は一般式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、a、及びbは上述した通りであり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、cは0.01〜0.4、代替的には0.05〜0.15の値を有し、且つ0.9≦a+b+c≦1.0である。樹脂がレジストとして使用される場合、HSi(OR)O2/2単位の存在は、基板に対する樹脂の粘着性を改善すると考えられている。
【0006】
また、本発明は一般式(HSiO3/2(RSiO3/2(Si(OR(4−x)/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、R、a及びbは上述した通りであり、dは0.05〜0.45、代替的には0.1〜0.25の値を有し、0.9≦a+b+d≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する。Si(OR(4−x)/2単位の存在は、樹脂の熱安定性を高め、高温のTgを与え、そのためレジストの解像度、コントラスト、ラインエッジラフネス(LER)等を向上させると考えられている。
【0007】
また、本発明は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2(RSiO3/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、a及びbは先に説明した通りであり、Rは改質(特性改変)官能基であり、eは0.01〜0.25、代替的には0.05〜0.15の値を有し、且つ0.9≦a+b+e≦1.0である。R基を用いて、粘着性又はTg等の性質を改変する。
【0008】
また、本発明は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(RSiO3/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、R、R、a、b、c及びeは上述した通りであり、且つ0.9≦a+b+c+e≦1.0である。
【0009】
また、本発明は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、R、R、a、b、d及びeは上述した通りであり、且つ0.9≦a+b+d+e≦1.0である。
【0010】
また、本発明は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、R、a、b、c、d及びxは上述した通りであり、且つ0.9≦a+b+c+d≦1.0である。
【0011】
また、本発明は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、R、R、R、a、b、c、d、e及びxは上述した通りであり、且つ0.9≦a+b+c+d+e≦1.0である。
【0012】
また、本発明は一般構造(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2(SiO4/2を有するシルセスキオキサン樹脂に関する。式中、0.0≦f≦0.20であり、R、R、a、b、c、d、e及びxは上述した通りであり、且つ0.9≦a+b+c+d+e+f≦1.0である。
【0013】
本発明のシルセスキオキサン樹脂は低波長で高い透過性を示すだけでなく、ポジ型レジストに対する多数のその他の要求、例えば、例外的なエッチング耐性、多種の基板に対する粘着性、プロセスの幅広い手段のための熱安定性、化学的展開、フォト脱保護の際の塩基性水溶液可溶性等を満たす。
【0014】
本発明のシルセスキオキサン樹脂は、HSiO3/2単位及びRSiO3/2単位を含有し、Rは酸解離性基である。「酸解離性基(acid dissociable group)」とは、酸、特に光発生酸(PAG)で開裂される分子部分を意味する。酸解離性基は、当該技術において既知であり、例えば欧州特許出願第1142928号及び米国特許出願公開公報第2002/0090572号に記載され、酸解離性基のこれらの教示を参照することにより本明細書中に援用される。特に、酸解離性基(R)は次の式によって説明できる。
【0015】
【化1】

【0016】
式中、各Rは独立して結合基であり、Rは第二の結合基であり、Lは1〜10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するフルオロアルキレン基、置換及び非置換アリーレン基、置換及び非置換シクロアルキレン基、並びに置換及び非置換アルカリーレン(alkarylene)基から成る群から選択され、Rは水素、直鎖状又は分枝状アルキル又はフルオロアルキルであり、Rはアルキル又はフルオロアルキルであり、Zは酸開裂性基(acid-cleavable group)であり、gは0又は1の値を有してもよく、hは0又は1の値を有してもよく、且つkは0又は1の値を有してもよい。
【0017】
各Rは、メチレン及びエチレン等のアルキレン基によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0018】
は、直鎖状又は分枝状アルキレン基、ノルボルニル又はシクロヘキシレン等のシクロアルキレン基、フルオロアルキレン基及びアリール基によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0019】
Lは、置換(例えば、フッ素化)及び非置換メチレン、エチレン、ノルボルネン、シクロアルキレン及びアルカリーレン部分によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0020】
は、水素、メチル及びエチル等のC〜Cアルキル基、並びにトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル及び3,3,3−トリフルオロメチル等のC〜Cフルオロアルキル基によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0021】
は、メチル及びエチル等のC〜Cアルキル基、並びにトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル及び3,3,3−トリフルオロメチル等のC〜Cフルオロアルキル基によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0022】
Zは、−OH、−COOH、式−COORのエステル、式−OCOORのカルボネート、式−ORのエーテルによって例示されてもよいが、これらに限定されない。式中、R、R及びRはその機能性が酸開裂性となるように選択される。
【0023】
酸解離性基−COORにおいて、Rは、t−ブチル等の第三級アルキル基、アダマンチル、ノルボルニル、イソボルニル、2−メチル−2−アダマンチル、2−メチル−2−イソボルニル、2−ブチル−2−アダマンチル、2−プロピル−2−イソボルニル、2−メチル−2−テトラシクロドデセニル、2−メチル−2−ジヒドロジシクロペンタジエニル−シクロヘキシル、1−メチルシクロペンチル若しくは1−メチルシクロヘキシル等の第三級結合点を有する環状又は脂環式置換基(通常C〜C12)、又は2−トリメチルシリルエチル又は2−トリエチルシリルエチル等の2−トリアルキルシリルエチル基であってもよい。
【0024】
式−OCOORを有するカルボネート酸解離性基は−O−t−ブトキシカルボニル(すなわち、Rはt−ブチルである)によって例示されてもよい。式−ORを有するエーテル酸解離性基はテトラヒドロピラニルエーテル(すなわち、Rはテトラヒドロピラニルである)及びトリアルキルシリルエーテル(すなわち、Rはトリメチルシリル等のトリアルキルシリルである)によって例示されてもよい。
【0025】
一般的なZ基は、光発生酸の存在下で開裂反応を経て、カルボン酸基を発生する有機エステル基である。
【0026】
酸解離性基であるRは、ノルボルナンの、1,1−ジメチルエチル、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、2−エチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル又はt−ブチルエステル、及びその他によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0027】
(HSiO3/2)単位及び(RSiO3/2)単位に加えて、シルセスキオキサン樹脂は、HSi(OR)O2/2単位、Si(OR(4−x)/2単位、(RSiO3/2)単位若しくは(SiO4/2)単位、又はこれらの単位の組み合わせをさらに含有して、シルセスキオキサン樹脂の性能を向上させてもよい。これらの単位において、各Rは独立してH、又はC〜Cアルキル基から選択される。Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル及びその他によって例示されてもよいが、これらに限定されない。通常、RはH又はメチルである。Rは次の構造−R2122を有する部分から成る群より選択される。−R22は通常−OH若しくは−COOH、又は塩基可溶性部分であり、R21は置換及び/又は非置換C〜C12(直鎖状、分枝状又は環状)アルキル部分である。Rは、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−(1,1,1−トリフルオロ)−2−トリフルオロメチルプロパン−2−オール、2−トリフルオロメチルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−オール、3,3,3−トリフルオロプロパン−2−オール及び2−トリフルオロメチル−3,3−ジフルオロ−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−オールによって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0028】
シルセスキオキサン樹脂は、シルセスキオキサン樹脂中の全構成単位に基づいて、HSi(OR)O2/2単位を一般的に5〜40モル%、より一般的には5〜15モル%含有するであろう。また、シルセスキオキサン樹脂は、シルセスキオキサン樹脂中の全構成単位に基づいて、Si(OR(4−x)/2単位を5〜45モル%、より一般的には10〜25モル%含んでいてもよい。さらに、シルセスキオキサン樹脂は、シルセスキオキサン樹脂中の全構成単位に基づいて、(RSiO3/2)単位を0〜25モル%、代替的には5〜15モル%含んでいてもよい。
【0029】
シルセスキオキサン樹脂は:
(HSiO3/2(RSiO3/2(式中、Rは、ノルボルナンの、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル又はt−ブチルエステルであり、aは0.2〜0.9の値を有し、且つbは0.1〜0.8の値を有する);
(HSiO3/2(RSiO3/2(ROSiO3/2(SiO4/2(式中、Rは、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル又はt−ブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシレート、RはH、aは0.3〜0.7の値を有し、bは0.2〜0.50の値を有し、cは0.05〜0.2の値を有し、且つfは0.01〜0.1の値を有する);及び
(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2(式中、Rは、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル又はt−ブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシレート、RはH、Rはビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−(1,1,1−トリフルオロ)−2−トリフルオロメチルプロパン−2−オール、2−トリフルオロメチルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−オール、3,3,3−トリフルオロプロパン−2−オール又は2−トリフルオロメチル−3,3−ジフルオロ−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−オールであり、aは0.4〜0.6の値を有し、bは0.2〜0.45の値を有し、cは0.05〜0.20の値を有し、dは0.01〜0.15の値を有し、且つeは0.01〜0.25の値を有する)
によって例示されてもよいが、これらに制限されない。
【0030】
本発明のシルセスキオキサン樹脂は、(A)式(HSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2を有する水素シルセスキオキサン樹脂(式中、mは0.7〜1.0、一般的には0.8〜0.9の値を有し、nは0〜0.4、一般的には0.05〜0.3の値を有し、pは0〜0.45の値を有し、且つ0.9≦m+n+p≦1.0、一般的にはm+n+p≒1.0である)と(B)酸解離性基前駆体とを反応させ、(C)一般式(HSiO3/2m1(RSiO3/2m2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2を有するシルセスキオキサン樹脂(式中、R、n、p及びxは先に説明した通りであり、Rは酸解離性基であり、m2は0.1〜0.6、一般的には0.2〜0.4の値を有し、且つm1+m2≒mである)を製造することによって調製され得る。
【0031】
水素シルセスキオキサン樹脂(A)は当該技術において既知である。トリクロロシラン等のトリハロシラン類又はトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類の加水分解を伴う方法もある。水素シルセスキオキサン樹脂を調製する方法を、Collins他による米国特許第3,615,272号、Bank他による米国特許第5,010,159号、Frye他による米国特許第4,999,397号、Carpenter他による米国特許第6,353,074号、2002年1月30日付けで出願された米国特許出願第10/060558号、並びに日本特許公開第59−178749号、第60−86017号及び第63−107122号に見い出されるかもしれないが、これらに限定されない。
【0032】
水素シルセスキオキサン樹脂を(B)酸解離性基前駆体(acid dissociable group precursor)と反応させる。水素シルセスキオキサン樹脂と酸解離性基前駆体とを反応させる方法には、酸解離性基前駆体と水素シルセスキオキサン樹脂との触媒ヒドロシリル化を含むものがある。
【0033】
酸解離性基前駆体には、ノルボルネンのt−ブチルエスステル、t−ブチル−2−トリフルオロメチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−t−ブチルカルボキシレート、無水シス−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸及びその他によって例示されても良いが、これらに限定されない。通常、酸解離性基前駆体の量は、シルセスキオキサン樹脂中の全構成単位に基づいて、シルセスキオキサン樹脂中のRSiO3/2単位が5〜60モル%、代替的には15〜40モル%となるような量で添加される。
【0034】
ヒドロシリル化触媒は、当該技術において既知であり、白金、ニッケル又はロジウム含有化合物によって例示されてもよいが、これらに限定されない。白金含有化合物の例としては、HPtCl、ジ−μ−カルボニルジ−π−シクロペンタジエニルジニッケル、白金−カルボニル複合体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン複合体、白金−シクロビニルメチルシロキサン複合体及び白金アセチルアセトネート(acac)が挙げられる。ロジウム含有化合物の例としては、Rh(acac)(CO)が挙げられ、ニッケル含有化合物の例としては、Ni(acac)が挙げられる。通常、ヒドロシリル化触媒の量は、反応物質(すなわち、水素シルセスキオキサン樹脂及び酸解離性基前駆体)の量に基づいて10〜10,000ppm、代替的には100〜1,000ppmの量で使用される。
【0035】
水素シルセスキオキサン樹脂と酸解離性基前駆体との反応は、反応を促進するのに熱又は圧力を用いることもできるが、通常、室温及び室内圧力下で行なわれる。
【0036】
水素シルセスキオキサン樹脂と酸解離性基前駆体との反応は、通常、溶剤の存在下で行なわれる。溶剤は、エチルアルコール又はイソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン又はトルエン等の芳香族炭化水素類;n−ヘプタン、ドデカン又はノナン等のアルカン類;メチルイソブチルケトン等のケトン類;エーテル類;グリコールエーテル類;環状ジメチルポリシロキサン類及び直鎖状ジメチルポリシロキサン類(例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン及びこれらの混合物)等のシロキサン類、2−エトキシエタノール、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、シクロヘキサノン及び1,2−ジエトキシエタン及びその他によって例示されてもよいが、これらに制限されない。メチルイソブチルケトンを通常使用する。溶剤には、水素シルセスキオキサン樹脂を製造するのに使用されるのと同様の溶剤を使用してもかまわない。
【0037】
水素シルセスキオキサン樹脂と酸解離性基前駆体との反応は、通常、基本的にすべての酸解離性基前駆体と水素シルセスキオキサン樹脂が反応するのに十分な時間行なわれる。しかしながら、シルセスキオキサン樹脂の分子量を増加するために、且つ/又はシルセスキオキサン樹脂の保存安定性を向上させるために、40℃から溶剤の還流温度まで加熱することで、時間を延長して反応は行なわれる(増粘工程)。この増粘工程は、反応工程(b)の後に、又は反応工程(b)の一部として行なわれ得る。通常、増粘工程は、30分〜36時間、好ましくは1〜6時間の範囲で行なわれる。
【0038】
SiO3/2単位を含有しているシルセスキオキサン樹脂は、水素シルセスキオキサン樹脂(A)又はシルセスキオキサン樹脂(C)と官能基前駆体(functional group precursor)とを反応させることによって調製される。通常、官能基前駆体と、水素シルセスキオキサン樹脂又はシルセスキオキサン樹脂との触媒ヒドロシリル化によって、水素シルセスキオキサン樹脂又はシルセスキオキサン樹脂は官能基前駆体と反応する。上述した水素シルセスキオキサン樹脂と酸解離性基前駆体との触媒ヒドロシリル化反応と同じ又は同様のプロセス条件を用いて、触媒ヒドロシリル化反応は行なわれる。
【0039】
水素シルセスキオキサン樹脂(A)を官能基前駆体と反応させて、式
(HSiO3/2m1(RSiO3/2m3(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2
を有する樹脂を製造してもよい。式中、R、n、p及びxは先に説明した通りであり、Rは改質官能基であり、m3は0.01〜0.25、一般的には0.05〜0.15の値を有し、且つm1+m3≒mである。次に、この樹脂を酸解離性基と反応させて、式
(HSiO3/2m1(RSiO3/2m2(RSiO3/2m3(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2
を有する樹脂を製造する。式中、R、R、R、n、p、m1、m2、m3及びxは先に説明した通りであり、且つm1+m2+m3≒mである。代替プロセスとして、シルセスキオキサン樹脂(C)を官能基前駆体と反応させた後、水と反応させて、式
(HSiO3/2m1(RSiO3/2m2(RSiO3/2m3(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(SiO4/2
を有する樹脂を製造してもよい。式中、R、R、R、n、p、m1、m2、m3及びxは先に説明した通りであり、且つm1+m2+m3≒mである。代替方法として、水素シルセスキオキサン樹脂(A)を、官能基前駆体と酸解離性基前駆体を共に含む混合物と反応させて、式
(HSiO3/2m1(RSiO3/2m2(RSiO3/2m3(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2
を有する樹脂を製造してもよい。式中、R、R、R、n、p、m1、m2、m3及びxは先に説明した通りであり、且つm1+m2+m3≒mである。一般的な方法として、水素シルセスキオキサン樹脂を酸解離性基前駆体と反応させ、シルセスキオキサン樹脂を官能基前駆体と反応させる。
【0040】
本発明の別の実施形態には、本明細書中に記載される(A)シルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物がある。このフォトレジストはネガ型又はポジ型フォトレジストの形態をとっていてもよく、他の成分及び添加物が存在してもよい。通常、シルセスキオキサン樹脂は、組成物中に含まれる固形分に基づいてフォトレジスト組成物中に99.5重量%まで存在し、酸発生剤は、組成物中に含まれる固形分に基づいて組成物中に通常0.5〜10重量%存在する。このフォトレジスト組成物はネガ型又はポジ型フォトレジストの形態をとっていてもよく、他の成分及び添加物が存在してもよい。
【0041】
酸発生剤は、放射線に露光される際に酸を発生する化合物である。次に、この酸はシルセスキオキサン樹脂中の酸解離性基を解離させる。酸発生剤は、当該技術において既知であり、例えば、欧州特許第1142928A1に記載される。酸発生剤はオニウム塩類、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物及びその他によって例示されてもよいが、これらに限定されない。
【0042】
オニウム塩類には、ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類(テトラヒドロチオフェニウム塩類を含む)、ホスホニウム塩類、ジアゾニウム塩類及びピリジニウム塩類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
ハロゲン含有化合物には、マハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環化合物及びその他が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
ジアゾケトン化合物には、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物及びその他が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
スルホン化合物には、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン、これらの化合物のα−ジアゾ化合物及びその他が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
スルホネート化合物には、アルキルスルホネート、アルキルイミドスルホネート、ハロアルキルスルホネート、アリールスルホネート、イミノスルホネート及びその他が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
酸発生剤(b)は、個別に、又は2つ以上を組み合わせて使用されてもよい。好ましい酸発生剤はスルホン化塩類(sulfonated salts)であり、特にペルフルオロメチド陰イオンを有するスルホン化塩類である。
【0048】
他の添加物は、フォトレジスト組成物中で使用され得る。例えば、フォトレジストがポジ型フォトレジストであれば、フォトレジスト組成物は酸拡散制御剤、界面活性剤、溶解抑制剤、架橋剤、増感剤、ハレーション防止剤、定着剤、保存安定剤、消泡剤、コーティング助剤、可塑剤及びその他を含んでいてもよい。通常、添加物(酸発生剤を含まない)の総量は、フォトレジスト組成物中に含まれる固形分の20%より少なく、代替的には5%より少ない。
【0049】
通常、フォトレジスト組成物は、溶剤中に供給される(is delivered in a solvent)。溶剤の選択は、シルセスキオキサン樹脂と酸発生剤の溶解性及び混和性、コーティングプロセス、並びに安全規制及び環境規制等の多数の要因によって左右される。一般的な溶剤はエーテル−、エステル−、ヒドロキシル基−及びケトン−含有化合物を含む。この溶剤には、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、乳酸エチル等の乳酸エステル類、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル等のアルキレングリコールアルキルエーテルエステル類、メチルセロソルブ、酢酸ブチル、2−エトキシエタノール及びエチル−3−エトキシプロピオネート等のアルキレングリコールモノアルキルエステル類が挙げられるが、これらに限定されない。通常、シルセスキオキサン樹脂用の溶剤にはシクロペンタノン(CP)、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−ヘプタノン又はメチル−n−アミルケトン(MAK)及び/又はこれらの混合物のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
溶剤の量は、フォトレジスト組成物の総量(すなわち、(A)、(B)、添加物及び溶剤)に対して、一般に50〜99.5重量%、代替的には80〜95重量%で存在する。
【0051】
本発明の別の実施形態では、基板にレジスト画像を形成する方法である。この方法は、(a)本発明のフォトレジスト組成物を含有するフィルムで基板をコーティングする工程、(b)フィルムを放射線に像様露光する工程、及び(c)露光されたフィルムを現像し、画像を形成する工程を含む。
【0052】
工程(a)では、フォトレジスト組成物を含むレジストフィルムで基板をコーティングすることを伴う。通常、フォトレジスト組成物は溶剤中に供給され、コーティングプロセスを容易にする。好適な基板はセラミック、金属又は半導体であり、好ましい基板はシリコン含有(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素及び酸炭化ケイ素を含有する)セラミック、金属又は半導体である。基板は、フォトレジスト組成物の付着より前に有機又は反射防止下層で塗布されも、されなくてもよい。代替的には、二層基板が用いられ得、本発明のフォトレジスト組成物は、上部フォトレジスト層(すなわち、画像形成層)を、ベース層と、フォトレジスト層の上部とベース層との間に位置する下層とを含む二層基板の上面に形成する。二層基板のベース層は最適な基板材料から成る。また、二層基板の下層は画像形成波長において高い吸収を示し、且つ画像形成層と適合性を示す材料から成る。従来の下層には、ジアゾナフトキノン(DNQ)/ノボラックレジスト材料を含む、架橋ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリエステル類、ポリアクリレート類、フッ化ポリマー類、環状オレフィンポリマー類等が含まれる。
【0053】
コーティングされた又はコーティングされていない、単一又は二層基板の表面は、通常、レジストフィルムが基板上に付着される前に、標準手順によって洗浄される。レジストフィルムは、基板上で、スピンコーティング法若しくはスプレーコーティング法、又はドクターブレード法等の当該技術において既知である技法を用いてコーティングすることができる。通常、レジストフィルムは、放射線に露光される前に、短時間(例えば、20〜90秒)、一般におおよそ1.0分間、30℃〜200℃の範囲の温度まで加熱することによって乾燥される。得られたフィルムは0.01〜5.0ミクロン、代替的には0.02〜2.5ミクロン、0.05〜1.0ミクロン、及び0.10〜0.20ミクロンの厚みを有する。
【0054】
次にレジストフィルムは、放射線、すなわち、UV、X線、電子線、EUV等に像様露光される。通常、157nm〜365nmの波長を有する紫外線は、157nm又は193nmの波長を有する紫外線の代わりに使用される。好適な放射線源は、水銀、水銀/キセノン及びキセノンランプを含む。好ましい放射線源は、KrFエキシマレーザー又はFエキシマレーザーである。長波長の放射線、例えば、365nmの放射線を使用する際、増感剤をフォトレジスト組成物に添加して、放射線の吸収を高めることが示唆される。フォトレジスト組成物の全体の露光は、通常、放射線の100mJ/cmより小さい、代替的には放射線の50mJ/cmより小さい値で達成される。
【0055】
放射線への露光の際、放射線は、フォトレジスト組成物中の酸発生剤によって吸収され、遊離酸を生じる。フォトレジスト組成物がポジ型フォトレジストである場合、加熱の際、遊離酸が、シルセスキオキサン樹脂に存在する酸解離性基を切断する。フォトレジスト組成物がネガ型フォトレジストである場合、遊離酸は架橋剤をシルセスキオキサン樹脂と反応させ、それによって露光されたフォトレジストの不溶性部分を形成する。フォトレジスト組成物を放射線に露光した後、フォトレジスト組成物は、通常30℃〜200℃の温度で、短時間、おおよそ1分間、加熱される。
【0056】
露光されたフィルムは好適な現像液で現像され、画像を形成する。好適な現像液は、通常、塩基性水溶液、好ましくは金属イオンを含まない塩基性水溶液を含有し、必要に応じて有機溶剤を含有する。当業者は適切な現像液を選択することが可能であろう。標準的な産業現像液は、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)、コリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水性アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン及び1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の塩基を含有する溶液である。ポジ型フォトレジストの使用において、フォトレジストの露光された部分は可溶性を示し、露光されていない部分が残る。ネガ型フォトレジストにおいて、事実は反対である。すなわち、露光されていない領域は現像液に対し可溶性を示すが、露光された領域は残存するだろう。露光されたフィルムが現像された後、残存するレジストフィルム(「パターン」)を、通常水で洗浄し、残りの現像液を除去する。
【0057】
次に、パターンを下にある基板材料に転写する。コーティングされた又は二層のフォトレジストにおいて、存在してもよいコーティング及び下層を介して、パターンをベース層上に転写することを伴う。単一層フォトレジストにおいて、転写は基板に直接実施される。通常、パターンは、酸素、プラズマ及び/又は酸素/二酸化硫黄プラズマ等の反応性イオンでエッチングされることにより転写される。好適なプラズマ手段は電子サイクロトロン共鳴(ECR)、ヘリコン、誘導結合プラズマ、(ICP)及び電磁結合プラズマ(TCP)システムを含むが、これらに限定されない。エッチング技術は、当該技術において既知であり、当業者は様々な市販されているエッチング装置に精通しているであろう。
【0058】
このように、本発明のフォトレジスト組成物は、集積回路装置の設計に用いられるような金属配線、コンタクトホール又はビアホール、絶縁区域(例えば、ダマシン溝や浅溝アイソレーション)、コンデンサ構造用の溝等のパターン化された材料層構造を作成するために使用することができる。これらの特徴を形作るこのようなプロセスは当該技術において既知である。
【実施例】
【0059】
以下の例を提示して、さらに本発明を説明する。しかし、本発明を限定するように構成すべきではない。数に対する精度を努力して確実にするが、誤差及び可能な偏位も説明する必要がある。指示がなければ、割合は常に重量割合であり、温度は℃で表され、圧力は気圧である。本明細書中で用いられるすべての化学製品は、業者によって、又は本発明者の最良の知識として特徴づけられる既知の構造で合成されることによって得られる。すべてのNMR(1H、13C、19F、29Si)データは、Varian Mercury300分光計又はMercury400分光計のいずれかにおいて得られる。
【0060】
[実施例1]:水素シルセスキオキサン樹脂(HSQ)の合成
濃縮HSOとSOガスとをスルホン化させて調製した100グラムのトルエンスルホン酸一水和物(TSAM)溶液を、水凝縮器、温度計、磁気攪拌棒及び窒素バブラーを備えた500mlフラスコに入れた。次に、50グラムのトルエン中のトリクロロシラン溶液(10グラム、0.075モル)をフラスコ中に、一定の強さで攪拌しながら滴下した。添加後、混合物を少なくとも3回、脱イオン(DI)水で洗浄し、有機相を回収した。その後、溶剤を減圧下でロータリー・エバポレーターで揮散し、固形分含有率が5〜25%の範囲である水素シルセスキオキサン樹脂溶液を得た。
【0061】
[実施例2]:HSQ及びt−ブチル−2−トリフルオロメチルアクリレート樹脂
オレフィン溶液は、約0.1モルのt−ブチル−2−トリフルオロメチルアクリレート(TBTFMA)を無水トルエンと混合して(50:50)別個に調製された。この混合物に、約200ppmの1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン複合体(白金、濃縮)を加えた。
【0062】
オレフィン溶液を、水凝縮器、温度計、磁気攪拌棒及び窒素バブラーを備えたフラスコに入れ、窒素パージ後、実施例1で調製したHSQ溶液(約0.33モルのHSQを含む)をゆっくりとオレフィン溶液に添加した。添加後、穏やかに攪拌しながら、この系をおよそ4時間還流した。オレフィンのピークが完全に消えるまで、ヒドロシリル化反応を1H NMRを使用してモニターした。
【0063】
固形分含有率が4〜45重量%の範囲である最終樹脂溶液は、溶剤を、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、メチルイソブチルケトン(MIBK)又はメチル−n−アミルケトン(MAK)等の所望の溶剤に変えることよって調製された。
【0064】
[実施例3]:HSQ及びビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−t−ブチルカルボキシレート樹脂
オレフィン溶液は、約0.1モルのビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−t−ブチルカルボキシレートを無水トルエンと混合して(50:50)別個に調製された。この混合物に、約200ppmの1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン複合体(白金、濃縮)を加えた。
【0065】
オレフィン溶液を、水凝縮器、温度計、磁気攪拌棒及び窒素バブラーを備えたフラスコに入れ、窒素パージ後、実施例1で調製したHSQ溶液(約0.33モルのHSQを含む)をゆっくりとオレフィン溶液に添加した。添加後、穏やかに攪拌しながら、この系をおよそ8時間還流した。オレフィンのピークが完全に消えるまで、ヒドロシリル化反応を1H NMRを用いてモニターした。
【0066】
固形分含有率が4〜45重量%の範囲である最終樹脂溶液は、いずれかの溶剤を、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、メチルイソブチルケトン(MIBK)又はメチル−n−アミルケトン(MAK)等の所望の溶剤に変えることよって調製された。
【0067】
[実施例4]:HSQ及び無水シス−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸樹脂
オレフィン溶液は、約0.10モルの無水シス−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸を無水トルエンと混合して(1:10)別個に調製された。この混合物に、約200ppmの1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン複合体(白金、濃縮)を加えた。
【0068】
オレフィン溶液を、水凝縮器、温度計、磁気攪拌棒及び窒素バブラーを備えたフラスコに入れ、窒素パージ後、実施例1で調製したHSQ溶液(約0.33モルのHSQを含む)をゆっくりとオレフィン溶液に添加した。添加後、穏やかに攪拌しながら、この系をおよそ3時間還流した。オレフィンのピークが完全に消えるまで、ヒドロシリル化反応を1H NMRを用いてモニターした。
【0069】
固形分含有率が4〜45重量%の範囲である最終樹脂溶液は、いずれかの溶剤を、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等の所望の溶剤に変えることよって調製された。
【0070】
[実施例5]:193NMポジ型レジスト評価
フォトレジスト組成物を、15部の実施例3で調製したシルセスキオキサン樹脂、0.3部の光酸発生剤(3Mより入手される(CSbF又は(p−(CHCC(SOCFのいずれか)、及び84.7部のPGMEA(General Chemicalから市販のエレクトロニクス用)を均質になるまで混合することによって調製した。
【0071】
処方されたフォトレジスト溶液を、0.2ミクロンシリンジフィルターに通して濾過した。その後、6インチシリコンウエハ上にスピンコーティングした。コーティングされたウエハを130℃で60秒間焼結し、8〜100mJ/cmの線量を有する248nm又は193nmの放射線で露光した。次にフィルムを130℃で90秒間焼結し、0.263N水酸化テトラメチルアンモニウム(Shipleyから市販のMF CD26)で現像した。高いコントラスト及び低いラインエッジラフネス(LER)を有する高い解像度のポジ型画像が得られた。
【0072】
[実施例6]:193NMポジ型二層の使用
フォトレジスト組成物を、15部の実施例3で調製したシルセスキオキサン樹脂、0.3部の光酸発生剤(3Mより入手される(CSbF又は(p−(CHCC(SOCFのいずれか)、及び84.7部のPGMEA(General Chemicalから市販のエレクトロニクス用品種)を均質になるまで混合することによって調製した。
【0073】
6インチシリコンウエハを有機BARC層(例えば、BrewerARC27)であらかじめコーティングし、その後、適切に焼結(例えば、200℃で90秒間)し、溶剤除去及び硬化を行った。次に処方されたフォトレジスト溶液を上記ウエハ上にスピンコーティングした。このレジストコーティングされたウエハを100℃で60秒間焼結し(PAB)、8〜100mJ/cmの線量を有する193nmの放射線に露光した。次にフィルムを130℃で90秒間焼結し(PEB)、0.263N水酸化テトラメチルアンモニウム(Shipleyから市販のMF CD26)で現像した。高いコントラスト及び低いラインエッジラフネス(LER)を有する高い解像度のポジ型画像が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HSiO3/2単位及びRSiO3/2単位を含有するシルセスキオキサン樹脂であって、
Rは次の式
【化1】

を有する酸解離性基であり、
式中、各Rは独立して結合基であり、
は第二の結合基であり、
Lは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するフルオロアルキレン基、置換及び非置換アリーレン基、置換及び非置換シクロアルキレン基、並びに置換及び非置換アルカリーレン基から成る群から選択され、
は水素、直鎖状又は分枝状アルキル又はフルオロアルキルであり、
はアルキル又はフルオロアルキルであり、
Zは酸開裂性基であり、且つ
gは0又は1の値を有してもよく、且つ
hは0又は1の値を有してもよく、且つ
kは0又は1の値を有してもよい、
HSiO3/2単位及びRSiO3/2単位を含有するシルセスキオキサン樹脂。
【請求項2】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、且つ0.9≦a+b≦1.0である請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項3】
aは0.6〜0.8の値を有し、且つbは0.2〜0.6の値を有する請求項2に記載のシルセスキオキサン樹脂
【請求項4】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、cは0.01〜0.4の値を有し、且つ0.9≦a+b+c≦1.0である請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項5】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、且つcは0.05〜0.15の値を有する請求項4に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項6】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(Si(OR(4−x)/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、dは0.05〜0.45の値を有し、0.9≦a+b+d≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項7】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、且つdは0.1〜0.25の値を有する請求項6に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項8】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、cは0.01〜0.4の値を有し、dは0.05〜0.45の値を有し、0.9≦a+b+c+d≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項9】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、cは0.05〜0.15の値を有し、且つdは0.1〜0.25の値を有する請求項8に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項10】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(RSiO3/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、Rは改質官能基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、eは0.01〜0.25の値を有し、且つ0.9≦a+b+e≦1.0である請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項11】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、且つeは0.05〜0.15の値を有する請求項10に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項12】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(RSi3/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、Rは改質官能基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、cは0.01〜0.4の値を有し、eは0.01〜0.25の値を有し、且つ0.9≦a+b+c+e≦1.0である請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項13】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、cは0.05〜0.15の値を有し、且つeは0.05〜0.15の値を有する請求項12に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項14】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、Rは改質官能基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、dは0.05〜0.45の値を有し、eは0.01〜0.25の値を有し、0.9≦a+b+d+e≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項15】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、且つdは0.1〜0.25の値を有し、且つeは0.05〜0.15の値を有する請求項14に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項16】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、Rは改質官能基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、cは0.01〜0.4の値を有し、dは0.05〜0.45の値を有し、eは0.01〜0.25の値を有し、0.9≦a+b+c+d+e≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項17】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、cは0.05〜0.15の値を有し、且つdは0.1〜0.25の値を有し、且つeは0.05〜0.15の値を有する請求項16に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項18】
Zは−OH、−COOH、式−COORのエステル類、式−OCOORのカルボネート類及び式−ORのエーテル類から選択され、式中、R、R及びRはZが酸開裂性を示すように選択される請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項19】
Zは式−COORのエステルであり、式中、Rは第三級アルキル基である請求項18に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項20】
Rは、ノルボルナンの、1,1−ジメチルエチル、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル及びt−ブチルエステルから選択される請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項21】
Rは、ノルボルナンのt−ブチルエステルである請求項20に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項22】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2を有し、式中、Rは、ノルボルナンの、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル及びt−ブチルエステルから選択され、且つaは0.4〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.6の値を有し、且つ0.9≦a+b≦1.0である請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項23】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(ROSiO3/2(SiO4/2を有し、式中、Rは、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル及びt−ブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシレートから選択され、RはH、aは0.5〜0.7の値を有し、bは0.2〜0.45の値を有し、cは0.05〜0.2の値を有し、dは0.01〜0の値を有し、且つ0.9≦a+b+c+d≦1.0である、請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項24】
前記シルセスキオキサン樹脂が式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2を有し、式中、Rは、イソプロピル、2−メチルアダマンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシ−3−ピナニル及びt−ブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシレートから選択され、RはH、Rは、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−(1,1,1−トリフルオロ)−2−トリフルオロメチルプロパン−2−オール、2−トリフルオロメチルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−オール、3,3,3−トリフルオロプロパン−2−オール及び2−トリフルオロメチル−3,3−ジフルオロ−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−オールから選択され、aは0.4〜0.6の値を有し、bは0.2〜0.45の値を有し、cは0.05〜0.20の値を有し、dは0.01〜0.15の値を有し、eは0.01〜0.25の値を有し、且つ0.9≦a+b+c+d+e≦1.0である請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項25】
シルセスキオキサン樹脂を調製する方法であって、該方法は、
(I)式(HSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2を有する水素シルセスキオキサン樹脂(式中、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、mは0.7〜1.0の値を有し、nは0〜0.4の値を有し、pは0〜0.45の値を有し、0.9≦m+n+p≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する)と、
(II)酸解離性基前駆体とを反応させ、
(III)一般式(HSiO3/2m1(RSiO3/2m2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2を有するシルセスキオキサン樹脂(式中、Rは酸解離性基であり、m2は0.1〜0.8の値を有し、且つm1+m2=mである)を製造することを含む、シルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項26】
前記反応は、(I)と(II)との触媒ヒドロシリル化によって行なわれる請求項25に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項27】
前記酸解離性基前駆体は、ノルボルネンのt−ブチルエステル、t−ブチル−2−トリフルオロメチルアクリレート、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−t−ブチルカルボキシレート及び無水シス−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸から選択される請求項25に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項28】
前記反応は、溶剤の存在下で行なわれる請求項25に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項29】
前記溶剤は、アルコール類、芳香族炭化水素類、アルカン類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、シロキサン類、2−エトキシエタノール、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、シクロヘキサノン及び1,2−ジエトキシエタンから選択される請求項28に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項30】
前記水素シルセスキオキサン樹脂を官能基前駆体と先に反応させる請求項25に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項31】
前記反応は、(I)と前記官能基前駆体との触媒ヒドロシリル化によって行なわれる請求項30に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項32】
前記シルセスキオキサン樹脂(III)を官能基前駆体と更に反応させる請求項25に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項33】
前記反応は、(III)と官能基前駆体との触媒ヒドロシリル化によって行なわれる請求項32に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項34】
(I)を(II)及び官能基前駆体を含む混合物と反応させる請求項25に記載のシルセスキオキサン樹脂の調製方法。
【請求項35】
(A)請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項36】
(A)請求項2に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項37】
(A)請求項4に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項38】
(A)請求項6に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項39】
(A)請求項8に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項40】
(A)請求項10に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項41】
(A)請求項12に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項42】
(A)請求項14に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項43】
(A)請求項16に記載のシルセスキオキサン樹脂及び(B)酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
【請求項44】
前記酸発生剤は、オニウム塩類、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物及びスルホネート化合物から選択される請求項35に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項45】
前記酸発生剤は、スルホネート化合物である請求項44に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項46】
前記シルセスキオキサン樹脂は、固形分に基づいて99.5重量%までの量で存在し、且つ前記酸発生剤は固形分に基づいて0.5〜10重量%の量で存在する請求項35に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項47】
酸拡散制御剤、界面活性剤、溶解抑制剤、架橋剤、増感剤、ハレーション防止剤、定着剤、保存安定剤、消泡剤、コーティング助剤及び可塑剤から選択される少なくとも1つの添加剤が付加的に存在する請求項35に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項48】
前記添加剤は固形分に基づいて20重量%より少ない量で存在する請求項47に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項49】
前記フォトレジスト組成物は溶剤中に供給される請求項35に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項50】
前記溶剤は、エーテル−、エステル−、ヒドロキシル−及びケトン−含有化合物から選択される請求項49に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項51】
前記溶剤は、フォトレジスト組成物の総重量に基づいて50〜99.5重量%の量で存在する請求項50に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項52】
基板上にレジスト画像を形成する方法であって、該方法は、
(a)請求項35に記載のフォトレジスト組成物を含有するフィルムで基板をコーティングすること、
(b)該フィルムを放射線に像様露光して形成すること、及び
(c)該露光されたフィルムを現像して画像を形成すること
を含む、基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項53】
基板上にレジスト画像を形成する方法であって、該方法は、
(a)請求項49に記載のフォトレジスト組成物を含有するフィルムで基板をコーティングすること、
(b)該フィルムを放射線に像様露光すること、及び
(c)該露光されたフィルムを現像して画像を形成すること
を含む、基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項54】
前記フィルムは、スピンコーティングによって基板上にコーティングされる請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項55】
前記フィルムは、前記放射線に露光される前に、乾燥される請求項53に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項56】
前記フィルムは0.01〜5ミクロンの厚みを有する請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項57】
前記放射線は、UV、X線、電子線及びEUVから選択される請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項58】
前記放射線は、157nm〜365nmの範囲の波長を有する請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項59】
前記放射線は、157nm又は193nmの波長を有する請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項60】
前記露光されたフィルムは、現像されるより先に、30℃〜200℃の温度で加熱される請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項61】
前記露光されたフィルムは、該露光されたフィルムを塩基性水溶液と接触させることによって現像される請求項52に記載の基板上にレジスト画像を形成する方法。
【請求項62】
前記シルセスキオキサン樹脂は式(HSiO3/2(RSiO3/2(HSi(OR)O2/2(Si(OR(4−x)/2(RSiO3/2(SiO4/2を有し、式中、Rは酸解離性基であり、RはH又は直鎖状若しくは分枝状C〜Cアルキル基から選択され、Rは改質官能基であり、aは0.2〜0.9の値を有し、bは0.1〜0.8の値を有し、cは0.01〜0.4の値を有し、dは0.05〜0.45の値を有し、eは0.01〜0.25の値を有し、0.0≦f≦0.20であり、0.9≦a+b+c+d+e+f≦1.0であり、且つxは0〜3の値を有する請求項1に記載のシルセスキオキサン樹脂。
【請求項63】
aは0.4〜0.8の値を有し、bは0.2〜0.6の値を有し、cは0.05〜0.15の値を有し、dは0.1〜0.25の値を有し、且つeは0.05〜0.15の値を有する請求項8に記載のシルセスキオキサン樹脂。

【公表番号】特表2007−536386(P2007−536386A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518716(P2006−518716)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/020888
【国際公開番号】WO2005/007747
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】