説明

感度係数算出装置及びプログラム

【課題】簡便な方法で精度よく感度係数を算出することができるようにする。
【解決手段】アルコールセンサ24Aによって、エタノールガスの濃度に関連する物理量及び湿度に関連する物理量に対応した物理量を検出して検出値を出力する。湿度センサ24Bによって、湿度に関連する物理量を検出して出力する。温度センサ24Dによって、温度を検出して出力する。アルコールセンサ24Aの検出値、湿度センサ24Bの検出値、及び温度センサ24Dの検出値の組み合わせを表わすデータセットをデータ記憶部44に複数記憶する。データ検索部46によって、温度が同一であり、湿度の差が所定値以上となる最近のデータセットを検索する。感度係数算出部48によって、検索されたデータセットに基づいて、アルコールセンサ24Aの感度係数を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感度係数算出装置及びプログラムに係り、特に、人間の呼気に含まれるエタノール等の検出対象ガスを検出するガス検出手段の感度係数を算出する感度係数算出装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスセンサでは、ガスに対する感度(検量線の傾きに対応)とベースライン(検量線の切片に対応)を定量係数として予め決定しておき、この係数を用いて対象ガスを定量化している。センサ特性の経時変化によりセンサの定量係数が変化すると定量誤差が生じるため、一定期間で再較正するメンテナンスが必要となる。この期間を如何に長くできるかが実用上重要となる。
【0003】
そこで、未飲酒の被検者の呼気を吹きかけたときのセンサ出力を正常時の出力として、測定100回単位でセンサ出力値の平均値(初期時濃度平均値)をとって記憶し、その後、同様に100回毎の平均値を取得して初期時濃度平均値と比較し、センサ出力値が初期時濃度平均値になるように感度補正を行なうアルコール検知システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、アルコールセンサのガス感度(検量線の傾きパラメータ)を補正するガス検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このガス検出装置では、アルコールセンサの湿度感度を利用して、非飲酒時の吹きかけセンサ応答からガス感度を算出し、経時的な劣化を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−157599号公報
【特許文献2】特開2010−175321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のアルコール検知システムでは、初期と検査時の非飲酒呼気の平均値を比較しており、飲酒していないと考えられる濃度範囲は不明確であって、かつ、未飲酒時の呼気に対するセンサ出力は、環境の湿度や被検者が測定前に摂取した飲食物などの不特定の物質の影響を受けるため、その平均値でセンサの感度補正を行っても十分な精度は得られない、という問題がある。また、100回ほどの平均値を比較しているので、センサ特性が急に変化した場合には適切な補正ができない、という問題がある。
【0007】
また、特許文献2のガス検出装置は、呼気吹きかけ時の湿度応答を利用しているが、非飲酒であっても、呼気中に含まれる、水蒸気以外の飲食物などに由来する物質の影響を受けるため、感度補正の精度が悪くなる場合がある、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題を解消するためになされたもので、簡便な方法で、精度よく感度係数を算出することができる感度係数算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の感度係数算出装置は、検出対象の気体中に含まれる検出対象ガス及び前記検出対象の気体の湿度に対して感度を有し、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量及び前記湿度に関連する物理量に対応した物理量を検出して検出値を出力するガス検出手段と、前記検出対象の気体の湿度に関連する物理量を検出して出力する湿度検出手段と、前記検出対象の気体の温度を検出して出力する温度検出手段と、前記ガス検出手段の検出値、前記湿度検出手段の検出値、及び前記温度検出手段の検出値の組み合わせを表わすデータセットを複数記憶した記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応する複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する感度係数算出手段と、を含んで構成されている。
【0010】
本発明に係るプログラムは、検出対象の気体中に含まれる検出対象ガス及び前記検出対象の気体の湿度に対して感度を有し、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量及び前記湿度に関連する物理量に対応した物理量を検出して検出値を出力するガス検出手段の検出値、前記検出対象の気体の湿度に関連する物理量を検出して出力する湿度検出手段の検出値、及び前記検出対象の気体の温度を検出して出力する温度検出手段の検出値の組み合わせを表わすデータセットを複数記憶した記憶手段を含むコンピュータを、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応する複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する感度係数算出手段として機能させるためのプログラムである。
【0011】
本発明によれば、ガス検出手段によって、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量及び前記湿度に関連する物理量に対応した物理量を検出して検出値を出力する。湿度検出手段によって、前記検出対象の気体の湿度に関連する物理量を検出して出力する。温度検出手段によって、前記検出対象の気体の温度を検出して出力する。前記ガス検出手段の検出値、前記湿度検出手段の検出値、及び前記温度検出手段の検出値の組み合わせを表わすデータセットを記憶手段に複数記憶する。
【0012】
そして、感度係数算出手段によって、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応する複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する。
【0013】
このように、ガス検出手段の検出値、湿度検出手段の検出値、及び温度検出手段の検出値の組み合わせを表わす複数のデータセットのうち、温度検出手段の検出値が対応する複数のデータセットに基づいて、ガス検出手段の感度係数を算出することにより、簡便な方法で精度よく感度係数を算出することができる。
【0014】
本発明に係る感度係数算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応し、かつ、前記湿度検出手段の検出値が異なる複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出するようにすることができる。これによって、湿度検出手段の検出値が異なる複数のデータセットを用いて、ガス検出手段の感度係数をより精度良く算出することができる。
【0015】
また、本発明に係る感度係数算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応し、かつ、前記湿度検出手段の検出値の差が所定値以上となる複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出するようにすることができる。これによって、湿度検出手段の検出値の差が所定値以上となる複数のデータセットを用いて、ガス検出手段の感度係数をより精度良く算出することができる。
【0016】
本発明に係る感度係数算出手段は、前記ガス検出手段の感度係数を所定期間毎に算出するようにすることができる。これによって、経時劣化に対応して、ガス検出手段の感度係数を算出することができる。
【0017】
本発明に係るガス検出手段は、室内に設置され、前記湿度検出手段は、前記室内に設置され、前記温度検出手段は、前記室内に設置され、前記記憶手段は、前記室内に人が存在しないときの前記ガス検出手段の検出値、前記湿度検出手段の検出値、及び前記温度検出手段の検出値の組み合わせを表わす前記データセットを複数記憶するようにすることができる。これによって、室内に設けられたガス検出手段の感度係数を精度良く算出することができる。
【0018】
また、上記の室内を、車室内とし、前記人を、乗員とすることができる。これによって、車室内に設けられたガス検出手段の感度係数を精度良く算出することができる。
【0019】
本発明に係る感度係数算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応し、かつ、所定期間内に検出された複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出するようにすることができる。これによって、所定期間内に検出された複数のデータセットを用いて、ガス検出手段の感度係数をより精度良く算出することができる。
【0020】
本発明に係る感度係数算出手段は、前記温度検出手段の検出値が対応する第1データセット及び第2データセットに基づいて、前記感度係数を、下記(I)式により算出するようにすることができる。
【0021】
α=(ln(G)−ln(G))/b・(ln[Humi1]−ln[Humi])
・・・(I)
【0022】
ただし、Gは前記第1データセットのガス検出手段の検出値、Gは前記第2データセットのガス検出手段の検出値、Humiは前記第1データセットの湿度検出手段の検出値から求められる湿度に関連する物理量、Humiは前記第2データセットの湿度検出手段の検出値から求められる湿度に関連する物理量、bは定数である。
【0023】
本発明に係る感度係数算出装置は、ガス検出手段の検出値を、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量と感度特性に応じた第1の係数との積と前記湿度に関連する物理量と感度特性に応じた第2の係数との積との和、及び感度特性の変化に応じて前記第1の係数及び第2の係数を補正する前記感度係数を用いて表すと共に、前記湿度検出手段で検出された前記湿度に関連する物理量を用いて前記検出対象ガスの濃度を算出する濃度算出手段を更に含むようにすることができる。これによって、精度良く算出された感度係数を用いて、検出対象ガスの濃度を精度良く算出することができる。
【0024】
上記のガス検出手段の検出値を、下記(II)式で表わすことができる。
【0025】
ln(G)=α・(a・ln[Gas]+b・ln[Humi])+c ・・・(II)
【0026】
ただし、Gはガス検出手段の検出値、αは前記感度係数、[Gas]は検出対象ガスの濃度に関連する物理量、[Humi]は湿度に関連する物理量、aは前記第1の係数、bは前記第2の係数、cは定数である。
【0027】
本発明に係る感度係数算出装置は、前記感度係数算出手段によって算出された前記感度係数が所定値以下である場合、警告情報を報知する報知手段を更に含むようにすることができる。これによって、ガス検出手段を交換すべきことを警告することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、簡便な方法で精度よく感度係数を算出することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施の形態のエタノール濃度検出装置を運転席のステアリングコラムに取り付けた状態を示す概略図である。
【図2】本実施の形態を示す概略図である。
【図3】本実施の形態のエタノール濃度検出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】エタノールガス濃度とアルコールセンサの検出値との関係を示す線図である。
【図5】温度とアルコールセンサの検出値との関係を示す線図である。
【図6】本実施の形態のエタノール濃度検出装置における感度係数及びエタノール濃度算出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、ドライバの呼気からアルコールの一種であるエタノールの濃度を検出するエタノール濃度検出装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10は、運転席に設けられたステアリングコラム12の、ドライバの呼気が到達可能な位置に取り付けられている。エタノール濃度検出装置10は、先端部に拡径した吸い込み口20Aが形成された細長円筒状の呼気導入管20を備えており、呼気導入管20の中間部の内部にはセンサ群24が取り付けられている。
【0032】
図2に示すように、呼気導入管20の内部であって、センサ群24より吸い込み口20A側には、ドライバの呼気を吸い込み口20Aから吸い込むために駆動される吸い込みファン22が設けられている。
【0033】
センサ群24は、呼気導入管20の中間部の内部に取り付けられた、アルコールセンサ24Aと湿度センサ24Bと酸素センサ24Cと温度センサ24Dとで構成されている。
【0034】
アルコールセンサ24Aは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれるエタノールガスを検出するセンサで、例えば酸化物半導体式ガスセンサを用いることができる。アルコールセンサ24Aは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれるエタノールガスの濃度が高くなるに従って、レベルが高い検出信号を出力し、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれるエタノールガスの濃度が低くなるに従って、レベルが低い検出信号を出力する。また、アルコールセンサ24Aは、エタノールガス以外に、呼気導入管20内を流れる気体の湿度に対しても感度を有している。
【0035】
湿度センサ24Bは、呼気導入管20内を流れる気体中の水蒸気の濃度で表される気体の湿度を検出するセンサで、例えば静電容量式湿度センサを用いることができる。湿度センサ24Bは、呼気導入管20内を流れる気体の湿度が高くなるに従って、レベルが高い検出信号を出力し、呼気導入管20内を流れる気体の湿度が低くなるに従って、レベルが低い検出信号を出力する。
【0036】
酸素センサ24Cは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれる酸素を検出するセンサである。酸素センサ24Cは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれる酸素の濃度が高くなるに従って、レベルが高い検出信号を出力し、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれる酸素の濃度が低くなるに従って、レベルが低い検出信号を出力する。
【0037】
温度センサ24Dは、呼気導入管20内を流れる気体の温度を検出するセンサで、例えばサーミスタ式温度センサを用いることができる。温度センサ24Dは、呼気導入管20内を流れる気体の温度が高くなるに従って、レベルが高い検出信号を出力し、呼気導入管20内を流れる気体の温度が低くなるに従って、レベルが低い検出信号を出力する。
【0038】
本実施の形態によれば、吸い込みファン22を駆動することにより、ドライバから吐き出された呼気は呼気導入管20の吸い込み口20Aから呼気導入管20内に吸入されると共に、呼気が空気と混合されることで任意に希釈され、センサ群24へ一定流速で到達する。そして、呼気は、センサ群24に接触した後、呼気導入管20の外に排出される。
【0039】
呼気がアルコールセンサ24A及び湿度センサ24Bに接触することにより、アルコールセンサ24Aによって呼気を含む気体中のエタノールガスの濃度及び湿度に関連した検出値が検出されると共に、湿度センサ24Bによって呼気を含む気体の湿度に関連した検出値が検出される。アルコールセンサ24A及び湿度センサ24Bで検出された検出値に基づいて、呼気中の検出対象ガスとしてのエタノールガスの濃度が検出される。
【0040】
また、呼気が酸素センサ24Cに接触することにより、酸素センサ24Cによって呼気を含む気体中の酸素の濃度に関連した検出値が検出される。
【0041】
図3に示すように、エタノール濃度検出装置10は、アルコールセンサ24A、湿度センサ24B、酸素センサ24C、温度センサ24D、及び液晶ディスプレイ等の表示部26に接続され、かつ、エタノールガスの濃度を検出するエタノール濃度検出器30を備えている。
【0042】
エタノール濃度検出器30は、乗車しているか否かを検出する乗車センサ28に接続されている。乗車センサ28は、例えば、シートセンサや、人感センサ、焦電センサなどを用いて構成されている。
【0043】
エタノール濃度検出器30は、エタノール濃度検出装置10全体の制御を司るCPU、後述する処理ルーチンを実行するためのプログラム等の各種プログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM、及びこれらを接続するバスを含むマイクロコンピュータで構成することができる。
【0044】
エタノール濃度検出器30は、アルコールセンサ24A、湿度センサ24B、酸素センサ24C、温度センサ24D、及び乗車センサ28の各検出値を取得するデータ取得部32と、乗車センサ28の検出結果に基づいて、乗車しているか否かを判定する乗車判定部34と、乗車していると判定された場合に、酸素センサ24Cの検出値に基づいて、呼気が入力されたか否かを判定する呼気判定部36と、呼気が入力されたと判定された場合に、アルコールセンサ24A及び湿度センサ24Bの検出値に基づいて、呼気中のエタノールガスの濃度を算出するガス濃度算出部38と、ガス濃度算出部38による算出結果を表示部26に表示するように制御する表示制御部40を備えている。
【0045】
ここで、本実施の形態のエタノール濃度検出装置10におけるアルコールセンサ24Aの感度係数算出の原理について説明する。
【0046】
酸化物半導体式ガスセンサのように、検出対象ガスであるエタノールガスの濃度以外に湿度によっても検出値が変化するアルコールセンサ24Aの検出値Gを対数変換した値ln(G)とエタノール濃度[Gas]を対数変換した値ln[Gas]との関係は、図4に示すとおりである。図4に示すように、アルコールセンサ24Aの検出値Gを対数変換した値ln(G)は、エタノールガスの濃度が一定値の場合、絶対湿度に対応した値を示すことになる。このln(G)を、エタノール濃度[Gas]及び湿度に関連した物理量である水蒸気濃度[Humi]を対数変換した値により表すと(1)式となる。
【0047】
ln(G)=a・ln[Gas]+b・ln[Humi]+c ・・・(1)
【0048】
ただし、aはアルコールセンサ24Aのエタノールに対する感度に関連する定量係数、bはアルコールセンサ24Aの湿度に対する感度に関連する定量係数、及びcは定数である。定量係数a、b及び定数cは、アルコールセンサ24Aの感度特性を表す値であり、エタノールの濃度及び湿度が既知のガスに対して、少なくともエタノール濃度2水準及び湿度2水準の組み合わせの4条件について、アルコールセンサ24Aの検出値の計測を行って算出された値である。
【0049】
アルコールセンサ24Aの感度は、使用状態や使用期間により特性が変化する。通常、アルコールセンサ24Aのエタノールに対する感度(上記(1)式における定量係数a)と湿度に対する感度(上記(1)式における定量係数b)とは同じように特性が変化するため、上記(1)式におけるa、bは同じ比率で変化すると仮定することができる。そこで、アルコールセンサ24Aの感度劣化を補正するための感度係数αを用いて、上記(1)式を以下の(2)式のように表す。
【0050】
ln(G)=α・(a・ln[Gas]+b・ln[Humi])+c ・・・(2)
【0051】
ここで、感度係数αの初期値、すなわちアルコールセンサ24Aが感度劣化していない場合の感度係数αは1であり、初期状態において上記(2)式は上記(1)式と一致する。
【0052】
車室内などの閉鎖環境中で、非乗車時に計測されたアルコールセンサ24Aの検出値について、湿度条件の異なる二つの環境で計測されたアルコールセンサ24Aの出力値G、Gは、以下の(3)式、(4)式で表わされる。
【0053】
ln(G1)=α・(a・ln[Gas1]+b・ln[Humi1])+c ・・・(3)
ln(G2)=α・(a・ln[Gas2]+b・ln[Humi2])+c ・・・(4)
【0054】
上記(3)式から上記(4)式を引くと、感度係数αは以下の(5)式から計算できる。
【0055】
α=(ln(G)−ln(G))/((a・(ln[Gas1]−ln[Gas])
+b・(ln[Humi1]−ln[Humi])) ・・・(5)
【0056】
ここで、[Gas1]、[Gas]について考えてみる。アルコールセンサ24Aは、検出対象ガスであるエタノールガス(およびその類似ガス)と湿度に感度を有するため、エタノールガスが一定濃度では湿度に対応したセンサ出力となる。
【0057】
また、車室内のような閉鎖環境で非乗車時にアルコールセンサ24Aに応答する物質は揮発性有機化合物(VOC)であると考えられる。VOCは揮発性化学物質の総称で、その中には検出対象ガスであるエタノールガスの類似ガスも含まれるので、アルコールセンサ24Aに応答する。図5に示すように、VOCは揮発性のためその濃度レベルは温度に依存することになり、同じ車室内で同じ温度条件ならば同じ濃度レベルと推定できるので、ln[Gas1]=ln[Gas]の関係を示すと考えられる。一方、湿度は天候などの大気環境等によって短期間に種々に変化すると考えられる。
【0058】
そこで、エタノール濃度検出装置10の非使用時(エタノールガスの濃度検出を行わないとき)に定期的にアルコールセンサ24Aを稼動させて、エタノールガスの濃度を検出し、このときに同時に湿度と温度も検出して記憶する。検出されたエタノールガスの濃度、湿度、及び温度の組み合わせであるデータセットは、エタノール濃度検出装置10の周辺空気環境を示していることになる。
【0059】
また、過去に記憶したデータセットから、今回検出したデータセットと同じ温度で湿度条件の異なる最近のデータセットを検索する。今回検出したデータセットと検索されたデータセットのペアに基づいて、感度係数αは以下の(6)式により算出される。
【0060】
α=(ln(G)−ln(G))/b・(ln[Humi1]−ln[Humi])
・・・(6)
【0061】
ただし、Gは、一方のデータセットにおけるアルコールセンサ24Aの検出値、Gは、他方のデータセットにおけるアルコールセンサ24Aの検出値、Humi1は、一方のデータセットにおける湿度センサ24Bの検出値に基づいて求められる値、Humiは、他方のデータセットにおける湿度センサ24Bの検出値に基づいて求められる値である。
【0062】
ここで、水蒸気濃度[Humi]は,湿度センサ24Bによって検出される検出値を用いて求められる。酸化物半導体式の湿度センサの場合、湿度センサ24Bの検出値Hを対数変換した値ln(H)は、(7)式となる。
【0063】
ln(H)=d・ln[Humi]+e ・・・(7)
【0064】
ただし、dは湿度センサ24Bの湿度に対する感度に関連する定量係数、及びeは定数である。
【0065】
以上説明した原理に従って感度係数αを算出するために、本実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10のエタノール濃度検出器30は、乗車していないと判定されたときに、データ取得部32によって取得されたアルコールセンサ24A、湿度センサ24B、及び温度センサ24Dの各検出値の組み合わせを表わすデータセットを後述するデータ記憶部44に記憶させるデータ記憶制御部42と、複数のデータセットを記憶したデータ記憶部44と、データ取得部32によって取得されたデータセットと同じ温度であって、かつ、湿度の差が所定値以上となる最近のデータセットをデータ記憶部44から検索するデータ検索部46と、データ取得部32によって取得されたデータセット及び検索されたデータセットに基づいて、アルコールセンサ24Aの感度係数を算出する感度係数算出部48と、感度係数算出部48によって算出された感度係数を記憶する感度係数記憶部50とを更に備えている。
【0066】
データ記憶制御部42は、データ取得部32によって取得されたデータセットを、現在時刻(検出時刻)と共にデータ記憶部44に記憶させる。
【0067】
データ検索部46は、データ取得部32によって取得されたデータセットと温度センサ24Dの検出値が同一であって、かつ、湿度センサ24Bの検出値の差が所定値(例えば、1g/mに相当する量)以上となり、所定期間内(例えば、1週間〜1ヶ月以内)に取得されたものであることを検索条件として、データ記憶部44からデータセットを検索する。
【0068】
感度係数算出部48は、データ取得部32によって取得されたデータセットのアルコールセンサ24Aの検出値及び湿度センサ24Bの検出値と、検索されたデータセットのアルコールセンサ24Aの検出値及び湿度センサ24Bの検出値とに基づいて、上記(6)式に従って、感度係数αを算出する。
【0069】
なお、データ検索部46によって、検索条件に合致するデータセットが2つ以上検索された場合には、感度係数算出部48は、検索されたデータセットの各々について、当該データセットとデータ取得部32によって取得されたデータセットとを用いて、上記(6)式に従って、感度係数αを各々算出し、感度係数αの平均値を、感度係数αの算出結果とすればよい。
【0070】
感度係数算出部48は、感度係数αを算出する毎に、感度係数記憶部50に記憶されている感度係数αを更新する。
【0071】
エタノール濃度検出器30は、更に、感度係数算出部48によって算出された感度係数αが、閾値未満であるか否かを判定するセンサ交換判定部52を備えている。
【0072】
感度係数αは初期値が1で、センサ感度が劣化するに従い小さくなる。感度低下に伴い検出精度が悪くなるので、αの判定基準として閾値を決めることで、センサ交換の可否判定ができる。そこで、センサ交換判定部52は、感度係数算出部48によって算出された感度係数αが、閾値未満であると判定した場合、アルコールセンサ24Aを交換する必要があると判定する。この場合、表示制御部40は、センサ交換判定部52の判定結果(例えば、センサ交換の警告)を表示部26に表示するように制御する。
【0073】
次に、図6を参照して、本実施の形態における感度係数及びエタノール濃度算出処理の処理ルーチンについて説明する。本ルーチンは、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより行われる。また、本ルーチンは、所定期間毎(例えば、30分毎)にCPUにより実行される。
【0074】
ステップ100で、アルコールセンサ24A、湿度センサ24B、酸素センサ24C、及び温度センサ24Dをオンし、4つのセンサの各々の検出値を取得する。また、乗車センサ28をオンし、乗車センサ28からの検出結果を取得する。
【0075】
そして、ステップ102で、上記ステップ100で取得した乗車センサ28からの検出結果に基づいて、乗車しているか否かを判定する。乗車していると判定された場合、ステップ104で、呼気導入管20に呼気が入力されたか否かを判断する。上記ステップ100で取得した酸素センサ24Cの検出値が、所定値以下である場合には、呼気が入力されたと判断する。
【0076】
呼気が入力された場合には、ステップ106へ進み、入力されない場合には、上記ステップ100へ戻り、呼気が入力されるまで、上記ステップ100〜104を繰り返す。
【0077】
ステップ106で、上記(1)式に、アルコールセンサ24Aの検出値Gを対数変換した値ln(G)、湿度センサ24Bの検出値Hから求まる水蒸気濃度[Humi]を対数変換した値ln[Humi]、及び感度係数記憶部50に記憶されている感度係数αを代入して、エタノール濃度[Gas]を算出する。なお、ln[Humi]は、湿度センサ24Bの検出値Hを上記(7)式に代入することにより求まる。
【0078】
次に、ステップ108で、算出結果を表示部26に表示して処理を終了する。
【0079】
一方、上記ステップ102で乗車していないと判定された場合には、ステップ110において、上記ステップ100で取得したアルコールセンサ24Aの検出値、湿度センサ24Bの検出値、及び温度センサ24Dの検出値の組み合わせを表わすデータセットを、現在時刻と共に、データ記憶部44に記憶させる。
【0080】
次に、ステップ112で、上記ステップ110で今回記憶したデータセットに対して所定の検索条件(同じ温度であって、かつ、湿度の差が所定値以上となり、取得時刻が所定期間内であるもの)を満たすデータセットを、データ記憶部44に記憶された過去のデータセットから検索する。
【0081】
ステップ114では、上記ステップ112の検索において、1つ以上のデータセットが検索されたか否かを判定する。検索条件に合致するデータセットが検索されなかった場合には、処理ルーチンを終了する。一方、検索条件に合致するデータセットが1つ以上検索された場合には、ステップ116において、上記ステップ110で記憶したデータセットと、上記ステップ112で検索されたデータセットとを用いて、感度係数αを算出する。
【0082】
そして、ステップ118において、上記ステップ116で算出した感度係数αに、感度係数記憶部50に記憶されている感度係数を更新する。
【0083】
次のステップ120では、上記ステップ116で算出した感度係数αが、閾値未満であるか否かを判定し、感度係数αが、閾値以上であれば、処理ルーチンを終了する。一方、算出した感度係数αが、閾値未満である場合には、ステップ122において、表示部26に、センサ交換の警告メッセージを表示させて、処理ルーチンを終了する。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態に係るエタノール濃度検出装置によれば、アルコールセンサの検出値、湿度センサの検出値、及び温度センサの検出値の組み合わせを表わす複数のデータセットのうち、温度センサの検出値が同一であり、かつ、湿度センサの検出値が異なり、所定期間内に検出された複数のデータセットでは、VOCが同一濃度レベルになると考えて、これらのデータセットにおける湿度差による出力の差から、アルコールセンサの感度係数を算出することにより、簡便な方法で精度よく感度係数を算出することができる。
【0085】
また、アルコールセンサは対象とするエタノールガス以外にも感度を有する。特に水蒸気は高濃度に空気中に存在するため、アルコールセンサの出力について湿度補正する必要がある。本実施の形態では、この湿度の影響を逆に利用して、アルコールセンサの経時変化、とくに感度変化を補正して、エタノールガス濃度に対する定量性を保持するようにしている。これによって、アルコールセンサの再較正を行なう必要がなく、長期間のメンテナンスフリーを実現できる。とくに、使用頻度が低い場合でも有効である。また、アルコールセンサの交換時期を提示することができる。
【0086】
非使用時に間欠的にセンサを印加する(性能保持のため実施するプレヒート)時に得られるセンサ情報を活用するため、長時間未使用時でも問題なく、感度係数の更新が実施できる。また、呼気が入らないときのセンサ応答を用いるため、呼気中に含まれる飲食物などに由来する物質の影響を受けることなく、精度良く感度係数を算出することができる。
【0087】
また、最新の感度係数を用いて、エタノールガス濃度を算出するため、エタノールガス濃度を精度良く検出することができる。
【0088】
なお、上記の実施の形態では、温度に関する検索条件を、温度が同一であることとして、データセットを検索する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、温度に関する検索条件を、温度が近いこと(例えば、温度差が所定範囲であること)として、データセットを検索するようにしてもよい。
【0089】
また、湿度に関する検索条件を、湿度差が所定値以上となることして、データセットを検索する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、湿度に関する検索条件を、湿度が異なることとして、データセットを検索するようにしてもよい。
【0090】
また、感度係数算出部によって算出された感度係数αが、適切な値であるかを判定してから、感度係数を更新するようにしてもよい。例えば、算出された感度係数αが1以上である場合には、算出された感度係数αが適切な値でないとして、感度係数を更新しないようにしてもよい。また、この場合には、乗車センサを用いずに、各センサから検出値が得られる毎に、感度係数を算出するようにしてもよい。乗員が存在する場合には、算出された感度係数αが適切な値とならないため、感度係数の更新が行われない。
【0091】
また、各センサが、車室内に設けられている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各センサがオフィス内に設けられていてもよい。この場合には、人が存在するか否かを検出するセンサを用いなくてもよい。例えば、従業員がいない時間帯に各センサから検出されたデータセットを用いて、感度係数を算出すればよい。
【0092】
また、アルコール濃度検出装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、各センサを備えた装置とは別の装置に、本発明を適用してもよい。例えば、アルコールセンサの感度の劣化を判定するセンサ劣化判定装置に、本発明を適用してもよい。この場合、センサ劣化判定装置は、データ記憶部44と、データ検索部46、感度係数算出部48、センサ交換判定部52、表示制御部40、及び表示部26を備えていればよい。センサ劣化判定装置には、各センサを備えた装置で収集された複数のデータセットが入力される。データ記憶部44には、入力された複数のデータセットが記憶される。データ検索部46は、データ記憶部44から、2つのデータセットが、同じ温度であって、かつ、湿度の差が所定値以上となり、所定期間内に取得されたものであることを検索条件として、複数のデータセットを検索する。
【0093】
また、酸素センサの検出値に基づいて、呼気の入力を判定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、酸素センサを用いずに、アルコールセンサ及び湿度センサのいずれかの検出値が変化し始めた場合に、呼気が入力されたと判定してもよい。また、導入口20Aに流速センサを設けるなどして、流速センサの検出結果により呼気が導入されたか否かを判定するようにしてもよい。
【0094】
また、上記の実施の形態では、算出された呼気中のエタノールガスの濃度を表示する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、算出したエタノールガス濃度と予め定めた閾値とを比較し、算出したエタノールガス濃度が閾値以上の場合にエタノールの濃度が高いと判定し、エンジンが始動できないようにする等の不正ができないように制御するようにしてもよい。
【0095】
また、上記の実施の形態では、ドライバの呼気からエタノールを検出する場合について説明したが、エタノール濃度検出装置を携帯可能に構成する等により、本発明をドライバ以外の人間の呼気からエタノールを検出する場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
10 エタノール濃度検出装置
12 ステアリングコラム
24A アルコールセンサ
24D 温度センサ
24C 酸素センサ
24B 湿度センサ
26 表示部
28 乗車センサ
30 エタノール濃度検出器
32 データ取得部
34 乗車判定部
36 呼気判定部
38 ガス濃度算出部
40 表示制御部
42 データ記憶制御部
44 データ記憶部
46 データ検索部
48 感度係数算出部
50 感度係数記憶部
52 センサ交換判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の気体中に含まれる検出対象ガス及び前記検出対象の気体の湿度に対して感度を有し、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量及び前記湿度に関連する物理量に対応した物理量を検出して検出値を出力するガス検出手段と、
前記検出対象の気体の湿度に関連する物理量を検出して出力する湿度検出手段と、
前記検出対象の気体の温度を検出して出力する温度検出手段と、
前記ガス検出手段の検出値、前記湿度検出手段の検出値、及び前記温度検出手段の検出値の組み合わせを表わすデータセットを複数記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応する複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する感度係数算出手段と、
を含む感度係数算出装置。
【請求項2】
前記感度係数算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応し、かつ、前記湿度検出手段の検出値が異なる複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する請求項1記載の感度係数算出装置。
【請求項3】
前記感度係数算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応し、かつ、前記湿度検出手段の検出値の差が所定値以上となる複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する請求項2記載の感度係数算出装置。
【請求項4】
前記感度係数算出手段は、前記ガス検出手段の感度係数を所定期間毎に算出する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の感度係数算出装置。
【請求項5】
前記ガス検出手段は、室内に設置され、
前記湿度検出手段は、前記室内に設置され、
前記温度検出手段は、前記室内に設置され、
前記記憶手段は、前記室内に人が存在しないときの前記ガス検出手段の検出値、前記湿度検出手段の検出値、及び前記温度検出手段の検出値の組み合わせを表わす前記データセットを複数記憶する請求項1〜請求項4記載の感度係数算出装置。
【請求項6】
前記室内を、車室内とし、
前記人を、乗員とした請求項5記載の感度係数算出装置。
【請求項7】
前記感度係数算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応し、かつ、所定期間内に検出された複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する請求項1〜請求項6の何れか1項記載の感度係数算出装置。
【請求項8】
前記感度係数算出手段は、前記温度検出手段の検出値が対応する第1データセット及び第2データセットに基づいて、前記感度係数を、下記(I)式により算出する請求項1〜請求項7の何れか1項記載の感度係数算出装置。
α=(ln(G)−ln(G))/b・(ln[Humi1]−ln[Humi])
・・・(I)
ただし、Gは前記第1データセットのガス検出手段の検出値、Gは前記第2データセットのガス検出手段の検出値、Humiは前記第1データセットの湿度検出手段の検出値から求められる湿度に関連する物理量、Humiは前記第2データセットの湿度検出手段の検出値から求められる湿度に関連する物理量、bは定数である。
【請求項9】
前記ガス検出手段の検出値を、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量と感度特性に応じた第1の係数との積と前記湿度に関連する物理量と感度特性に応じた第2の係数との積との和、及び感度特性の変化に応じて前記第1の係数及び第2の係数を補正する前記感度係数を用いて表すと共に、前記湿度検出手段で検出された前記湿度に関連する物理量を用いて前記検出対象ガスの濃度を算出する濃度算出手段を更に含む請求項1〜請求項8の何れか1項記載の感度係数算出装置。
【請求項10】
前記ガス検出手段の検出値を、下記(II)式で表した請求項9記載のガス検出装置。
ln(G)=α・(a・ln[Gas]+b・ln[Humi])+c ・・・(II)
ただし、Gはガス検出手段の検出値、αは前記感度係数、[Gas]は検出対象ガスの濃度に関連する物理量、[Humi]は湿度に関連する物理量、aは前記第1の係数、bは前記第2の係数、cは定数である。
【請求項11】
前記感度係数算出手段によって算出された前記感度係数が所定値以下である場合、警告情報を報知する報知手段を更に含む請求項1〜請求項10の何れか1項記載の感度係数算出装置。
【請求項12】
検出対象の気体中に含まれる検出対象ガス及び前記検出対象の気体の湿度に対して感度を有し、前記検出対象ガスの濃度に関連する物理量及び前記湿度に関連する物理量に対応した物理量を検出して検出値を出力するガス検出手段の検出値、前記検出対象の気体の湿度に関連する物理量を検出して出力する湿度検出手段の検出値、及び前記検出対象の気体の温度を検出して出力する温度検出手段の検出値の組み合わせを表わすデータセットを複数記憶した記憶手段を含むコンピュータを、
前記記憶手段に記憶された前記複数のデータセットのうち、前記温度検出手段の検出値が対応する複数のデータセットに基づいて、前記ガス検出手段の感度係数を算出する感度係数算出手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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