説明

感熱複写帳票

【課題】印字された情報の漏洩を防ぐとともに、二枚目の用紙に複写される文字の発色性を損なうことなく、かつ、その文字の発色状態を目視で確認できるようにすること。
【解決手段】紙材11上に感熱発色層12を塗布した上紙1と、紙材21上に感熱発色層22を塗布した下紙2とを擬似接着層3で剥離可能に貼り合わせてなる感熱複写帳票Pにおいて、上紙1の表面と下紙2の裏面に濃色系インキを塗布した隠蔽層13と23を設けて情報を隠蔽するとともに、上紙1の感熱発色層12上の一部分に発色阻害剤14を塗布して上紙1の透過性を向上させ、下紙2の発色状態を視認可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱発色作用により二枚複写が可能な感熱複写帳票に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、主に電気、ガス、あるいは水道等の公共料金の検針業務において、感熱紙が多用されている。その理由は、携帯性に優れたハンディターミナル用サーマルプリンタを用いて、検針日時、使用量、請求金額等を印字することにより、その場で検針票の作成が可能であり、しかもこのプリンタはインキが要らずメンテナンスが容易で、かつ、音の発生も少ないからである。また、使用される感熱紙が他の印刷用紙に比べ比較的安価な点も挙げられる。
【0003】
この種の検針業務に使用される感熱紙としては一枚構成のものが一般的であり、係員が検針業務を終えて出力した検針票は、郵送されるかあるいはポストに直接投函されることにより各世帯に通知される。ところが、検針票に一枚構成の感熱紙を使用すると、検針票の出力結果を直接視認できてしまう。このため、検針票を取扱う係員が各世帯の生活状態を窺い知ることができ、必要以上に他人の関心を引いてしまうことが考えられ、好ましいことではない。また、近年は犯罪が多発する社会であり、このような各世帯の情報の漏洩が犯罪を誘発する原因になることも充分に考えられる。
【0004】
一方、上記のような情報漏洩対策を施した発明として、特許文献1に開示された感熱記録体が知られている。この感熱記録体は、二枚の感熱紙の間にインキを塗布した不透明層を設けることで、一枚目の感熱紙を剥がしてもこの不透明層によって二枚目の複写内容が隠蔽される構成になっている。しかしながら、このような構成によると、サーマルプリンタによる印刷時に、感熱紙間に介在する不透明層によって、二枚目の感熱紙への熱伝達が阻害され、感熱発色させる文字の鮮明度が低下してしまう可能性があり、しかも、その二枚目の感熱紙に印字された文字の発色状態は、一枚目の感熱紙を剥がさなければ目視で確認できないという欠点がある。
【0005】
【特許文献1】特開平6−320858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サーマルプリンタによる印字が可能な感熱紙を用いた二枚複写帳票において、印字された情報の外部への漏洩を防止できるとともに、二枚目の用紙に複写される文字の発色性を損なうことなく、かつ、その文字の発色状態を目視で確認できる感熱複写帳票を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る感熱複写帳票は、上述した課題を解決するため、紙材上に感熱発色層が塗布された上紙と、紙材上に感熱発色層が塗布された下紙とを剥離可能に貼り合わせてなる感熱複写帳票であって、上記上紙の表面もしくは裏面、または上記下紙の裏面のうち、いずれか一つの面あるいはその複数の面に濃色系インキを塗布した隠蔽層が設けられるとともに、上記上紙の感熱発色層上の一部に発色阻害剤が塗布されていることを特徴とするものである。
【0008】
感熱発色層は、常温では固体であるが、加熱により溶融する電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤が互いに化学反応して発色するものであり、例えば、クリスタルバイオレットラクトン等の無色のロイコ染料と、ビスフェノールA等のフェノール化合物とが樹脂バインダ中に分散され、これを紙材上に塗布することで形成される。
【0009】
隠蔽層は、特に限定しないが、例えば、黒色、銀色、あるいは紺色等の濃色系の印刷インキを用いてベタ印刷や地紋印刷を施すことで形成できる。また、下紙の印字が透過することを確実に阻止するためには、上紙の表裏面、または下紙の裏面のうち、複数の面や全ての面に印刷を施すことが望ましい。
【0010】
また、上紙の感熱発色層上の一部に発色阻害剤を塗布することにより、下紙の感熱発色層の発色状態が視認可能となる。ここで、発色阻害剤とは、感熱発色層に含まれる顕色剤と結合して中和反応を起こし、発色剤との化学反応を阻止する物質のことを意味し、例えば、ドデシルアミン、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド等の各種アミン類や、グリセリン、ポリエチレングリコール等の各種アルコール類が挙げられる。
【0011】
さらに、上述した構成に加え、発色阻害剤の全部または一部に浸透性インキを塗布することが望ましい。その理由は、上紙を構成する紙材の空隙を充填して透明性を向上させるためであり、そのようなインキの例としては、2液硬化型シリコーン(信越シリコーン製)や、浸透型透かしインキ(帝国インキ製造株式会社製ユニマーク)等が挙げられる。
【0012】
また、本発明に係る感熱複写帳票は、上述した課題を解決するため、透明性紙材もしくは透明性樹脂フィルムからなる上紙と、紙材上に感熱発色層が塗布された下紙とを剥離可能に貼り合わせてなる感熱複写帳票であって、上記上紙の表面もしくは裏面、または上記下紙の裏面のうち、いずれか一つの面あるいはその複数の面に濃色系インキを塗布した隠蔽層が設けられていることを特徴とする。この構成によると、上紙にグラシン紙等のように熱伝導性に優れ、かつ、透明度の高い素材を選択することができるので、下紙の発色性がより向上する。
【0013】
なお、上紙の素材の透明度が不充分な場合には、上紙の表面の全部または一部に浸透性インキを塗布することも考えられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、二枚複写の感熱複写帳票において、二枚目の下紙に印字された情報が一枚目の上紙表面や二枚目の下紙裏面から視認困難となり、個人情報等のセキュリティを要する情報が外部に漏洩することを防止でき、受取人の個人情報の保護を図ることができるという効果が得られる。また、上紙の一部に透過性を持たせることにより、上紙を剥がさなくても下紙の発色状態を目視で確認することができ、例えば、サーマルプリンタの調子が悪い等の理由により発色状態の悪い帳票を受取人に渡してしまうという不具合も解消される。さらに、一枚目の上紙に控えとしての機能を持たせる必要がなく、感熱記録性のない用紙を使用しても差し支えない場合には、上紙として熱伝導性に優れ、かつ、透明度の高い素材を選択できるので、二枚目の下紙の発色性をより向上させることができるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付した図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1乃至3は第一実施形態の感熱複写帳票を示しており、図1は同帳票の構成を示す平面図、図2は同帳票の断面図、図3は同帳票の印刷後の状態を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の感熱複写帳票Pは、上紙1と下紙2を剥離可能に貼り合わせてなる二枚複写帳票である。その貼り合わせ形態に関しては特に限定するものではないが、例えば、両用紙1、2間に天然ゴム系または合成ゴム系の感圧糊等からなる擬似接着剤を塗布した擬似接着層3を設けることで、擬似接着層3を介して貼り付けられた貼付面が剥離可能に接着された状態になっている。なお、擬似接着層3としては、透明フィルムどうしを熱圧着したオープンタイプフィルムを用いることもできる。
【0018】
図2に示すように、上紙1は感熱紙で構成されており、紙材11の表面側に感熱発色剤を塗布した感熱発色層12が設けられている。感熱発色層12には、染料の発色反応による染料タイプが用いられており、例えば、クリスタルバイオレットラクトン等の無色のロイコ染料(電子供与性発色剤)と、ビスフェノールA等のフェノール化合物(電子受容性顕色剤)とが樹脂バインダ中に分散され、紙材11の上に塗布されている。感熱発色層12は常温では固体であるが、加熱することにより溶融状態になった電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤が互いに化学反応して発色する。
【0019】
一方、下紙2も感熱紙で構成されており、紙材21の表面側に上紙1と同様な感熱発色剤を塗布した感熱発色層22が設けられている。なお、感熱紙どうしを剥離可能に貼り合わせてなる二枚複写用紙として、市販されているものには、日本製紙株式会社製の「TW80KK」や、内外カーボンインキ株式会社製の「2Pサーマル」等がある。
【0020】
本実施形態の感熱複写帳票Pでは、上紙1と下紙2を貼り合わせた状態で、上紙1の表面側からサーマルヘッド等により加熱すると、その熱により上述した染料の発色反応が起こり、上紙1の感熱発色層12と下紙2の感熱発色層22が共に発色する。ところが、この感熱複写帳票Pの一部分については、上紙1の表面側と下紙2の裏面側から見て下紙2の発色状態が視認できない構成となっている。
【0021】
すなわち、図2に示すように、上紙1の表面側となる感熱発色層12上と、下紙2の裏面側となる紙材21上の同位置に、透過防止加工として隠蔽層13と23が設けられている。この隠蔽層13と23は、例えば、黒色、銀色、あるいは紺色等の濃色系の印刷インキを用いて、ベタ印刷や地紋等の模様印刷を施すことにより形成されている。本実施形態では隠蔽層13と23を上紙1の表面と下紙2の裏面の両面に印刷しているが、少なくとも、上紙1の表面もしくは裏面、または下紙2の裏面のうちいずれか一つの面に印刷されていれば良く、透過防止効果を確実なものとするためには、これら複数の面あるいは全ての面に印刷することが望ましい。
【0022】
また、このような貼り合わせ形態の感熱複写帳票の場合、上紙1を剥がさなければ、下紙2に正しく印字されているかや発色濃度が充分得られているか等の印字状況を確認することはできない。そこで、本実施形態では、隠蔽する必要がない箇所において、上紙1を剥がさずにその表面側から見て下紙2の印字状況を確認するための構成を採用している。
【0023】
すなわち、上紙1において、隠蔽層13の近傍に視認窓が設けられている。この視認窓は、感熱発色層12の上に染料の発色反応を阻害する発色阻害剤14を塗布することで形成されており、上紙1の感熱発色層12の発色を抑え、下紙2の感熱発色層22の印字との重なりを防ぐことでその視認性を高めるものである。発色阻害剤14は、感熱発色層12に含まれる電子受容性顕色剤と結合して中和反応を起こし、電子供与性発色剤との化学反応を抑制する物質であって、例えば、ドデシルアミン、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド等の各種アミン類や、グリセリン、ポリエチレングリコール等の各種アルコール類が使用できる。
【0024】
ところで、上紙1に用いた感熱紙が不透明度の高い用紙の場合、発色阻害剤14によって感熱発色層12の発色を抑えることができたとしても、下紙2の発色状態を確実に視認できるとは限らない。そのため、本実施形態では、視認窓を形成している発色阻害剤14の塗布部分に浸透性インキ15を塗布するものとしている。浸透性インキ15は、図2に示すように紙材11の中に浸透することにより、紙の空隙を充填して透明性を向上させるインキであり、具体例を挙げれば、2液硬化型シリコーン(信越シリコーン製)や、浸透型透かしインキ(帝国インキ製造株式会社製ユニマーク)等を使用できる。
【0025】
続いて、本実施形態の感熱複写帳票の使用例を図3に基づき説明する。
【0026】
図3に示す例では、この感熱複写帳票Pは公共料金の検針票として適用されている。上紙1は通知書であり、下紙2は領収証になっていて、それぞれに所定事項m、nが紫外線硬化型インキで予め印字されている。この検針票は、係員が各世帯を巡回したときに、検針日時、使用量、請求金額等をハンディターミナル用サーマルプリンタで印刷して各世帯に通知するためのものであるが、この図ではその印刷後の状態を表わしている。
【0027】
同図aに示すように、通知書と領収証が貼り合わされた状態で通知書の上から請求金額を印字したとしても、一枚目の通知書を剥がさない限りこの請求金額を視認することができないため、受取人の個人情報を保護することが可能になる。
【0028】
このときの状態を詳しく説明すると、同図bとcに示すように、通知書である上紙1の感熱発色層12と、領収証である下紙2の感熱発色層22は、共にハンディターミナル用サーマルプリンタのサーマルヘッドにより加熱されて発色する。ところが、上紙1において発色した感熱発色層12aの文字と、下紙2において発色した感熱発色層22aの文字は、それぞれ表面側の隠蔽層13と裏面側の隠蔽層23によって透過が防止され、この検針票の表裏面のどちらから透かしてみても、請求金額を盗み見ることはできなくなっている。なお、この検針票を受け取った受取人は、同図bに示すように、一枚目の通知書を剥がすことにより二枚目の領収証に印字された請求金額を確認することができる。
【0029】
それに対し、同図aに示すように、通知書と領収証が貼り合わされた状態で通知書の上から検針日時を印字した場合には、一枚目の通知書を剥がさなくても、二枚目の領収証に印字された検針日時の発色状態を確認することは可能である。
【0030】
すなわち、同図cに示すように、通知書である上紙1の感熱発色層12の上には発色阻害剤14が塗布されており、この発色阻害剤14が感熱発色層12の化学反応を阻止するので発色が起こらず、通知書には検針日時が印字されない。一方、下紙2の感熱発色層22には発色が起こり、領収証には検針日時が印字される。ここで、通知書には浸透性インキ15が塗布されており、その透明性が確保されているため、係員は、同図aに示すように、領収証に印字された検針日時を通知書の上から視認でき、これにより一枚目の通知書を剥がさなくても二枚目の領収証の印字状況を確認することができる。
【0031】
このように、本実施形態の感熱複写帳票Pを公共料金の検針票に適用した場合、係員は通知書の上から領収証の印字状況を確認できるとともに、請求金額等の個人情報についてはそのセキュリティを確保できるという効果が得られる。
【0032】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。図4乃至6は第二実施形態の感熱複写帳票を示しており、図4は同帳票の構成を示す平面図、図5は同帳票の断面図、図6は同帳票の印刷後の状態を示す説明図である。
【0033】
図4に示すように、本実施形態の感熱複写帳票Pは、上紙4の構成が上述した第一実施形態のものと異なっている。その他の構成は第一実施形態と同様であるので、同一部分については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
図5に示すように、本実施形態において、一枚目の上紙4は透明度の高い紙材で構成されており、二枚目の下紙2の発色状態をより視認し易くしている。このような紙材としては例えばグラシン紙を用いることができ、グラシン紙は紙厚が50μm以下であり、通常の上質紙等の紙材に比べ、はるかに薄く熱伝導性が良好で、かつ、透明度が高いことが特徴である。
【0035】
また、上紙4の素材として、グラシン紙に替えて透明性樹脂フィルムを使用することもできる。この場合、上紙4がサーマルヘッド等により加熱されることを考慮して、低融点の樹脂フィルムは避けるものとする。ここで、低融点とは120℃以下のものを指し、望ましい融点としては180〜300℃程度のものが好適に用いられる。
【0036】
本実施形態では、上紙4の素材に透明性紙材や透明性樹脂フィルムを使用しており、第一実施形態の上紙1に比べ隠蔽性が劣るので、より隠蔽性の高い印刷が必要となる。そこで、図5に示すように、上紙4における紙材41の表裏面と、下紙2における紙材21の裏面の三面について、その同位置に透過防止加工として隠蔽層43、43、および23が設けられている。また、濃色系の印刷インキを用いてベタ印刷や地紋等の模様印刷を施す点は同様であるが、そのインキの塗膜を厚くすることによって隠蔽性を高めることも可能である。
【0037】
なお、上紙4の素材の透明性が不充分な場合には、図5に示すように、紙材41の一部に上述した第一実施形態で使用した浸透性インキ45を塗布しても良い。
【0038】
続いて、本実施形態の感熱複写帳票の使用例を図6に基づき説明する。
【0039】
図6に示すように、この感熱複写帳票Pも公共料金の検針票として適用されている。上紙4は下紙2の隠蔽用紙であり、下紙2が通知書兼領収証であって、下紙2に紫外線硬化型インキで予め印刷された所定事項nは、隠蔽する必要がないため、上紙4の表面側から透視できるようになっている。
【0040】
本実施形態では、同図cに示すように、通知書兼領収証である下紙2の感熱発色層22がサーマルヘッドにより加熱されて発色するが、この発色した感熱発色層22aの文字は上紙4の隠蔽層43、43と下紙2の隠蔽層23によって透過が防止され、この検針票の表裏のどちらから透かしてみても、請求金額を盗み見ることはできない。なお、同図bに示すように、一枚目の隠蔽用紙を剥がすことにより二枚目の通知書兼領収証に印字された請求金額を確認することができる。
【0041】
また、上紙4に塗布された浸透性インキ45によって透明性が確保されているため、通知書兼領収証である下紙2の感熱発色層22に印字された検針日時を隠蔽用紙の上から視認でき、その印字状況を確認することができる。なお、本実施形態によれば、一枚目の隠蔽用紙となる上紙4は熱伝導性が高いため、二枚目の通知書兼領収書となる下紙2の発色濃度を良好に確保できるという利点がある。
【0042】
このように、本実施形態の感熱複写帳票Pにおいても、係員は隠蔽用紙の上から通知書兼領収証の印字状況を確認できるとともに、請求金額等の個人情報についてはそのセキュリティを確保できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第一実施形態の感熱複写帳票の構成を示す平面図である。
【図2】図1に示すII−II線断面図である。
【図3】第一実施形態の感熱複写帳票の使用例を説明する図であり、同図aは印刷後の上紙の状態を示す平面図、同図bは印刷後の下紙の状態を示す平面図、同図cはaに示すIII−III線断面図である。
【図4】第二実施形態の感熱複写帳票の構成を示す平面図である。
【図5】図4に示すV−V線断面図である。
【図6】第二実施形態の感熱複写帳票の使用例を説明する図であり、同図aは印刷後の上紙の状態を示す平面図、同図bは印刷後の下紙の状態を示す平面図、同図cはaに示すVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
【0044】
P 感熱複写帳票
1 上紙
11 紙材
12 感熱発色層
13 隠蔽層
14 発色阻害剤
15 浸透性インキ
2 下紙
21 紙材
22 感熱発色層
23 隠蔽層
3 擬似接着層
4 上紙
41 透明性紙材
43 隠蔽層
45 浸透性インキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材上に感熱発色層が塗布された上紙と、紙材上に感熱発色層が塗布された下紙とを剥離可能に貼り合わせてなる感熱複写帳票であって、
上記上紙の表面もしくは裏面、または上記下紙の裏面のうち、いずれか一つの面あるいはその複数の面に濃色系インキを塗布した隠蔽層が設けられるとともに、上記上紙の感熱発色層上の一部に発色阻害剤が塗布されていることを特徴とする感熱複写帳票。
【請求項2】
請求項1に記載の感熱複写帳票において、上記発色阻害剤の全部または一部に浸透性インキが塗布されていることを特徴とする感熱複写帳票。
【請求項3】
透明性紙材もしくは透明性樹脂フィルムからなる上紙と、紙材上に感熱発色層が塗布された下紙とを剥離可能に貼り合わせてなる感熱複写帳票であって、
上記上紙の表面もしくは裏面、または上記下紙の裏面のうち、いずれか一つの面あるいはその複数の面に濃色系インキを塗布した隠蔽層が設けられていることを特徴とする感熱複写帳票。
【請求項4】
請求項3に記載の感熱複写帳票において、上記上紙の表面の全部または一部に浸透性インキが塗布されていることを特徴とする感熱複写帳票。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−82237(P2006−82237A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266433(P2004−266433)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000186566)小林記録紙株式会社 (169)
【Fターム(参考)】