説明

感熱記録材料及びその製造方法

【課題】形成した画像を光の反射で観る反射型であって、中間調の保存性に優れた感熱記録材料及び感熱記録材料の製造方法の提供。
【解決手段】支持体と、該支持体上にロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層と、該感熱記録層上に中間層と、該中間層上に保護層とを有してなり、前記中間層が、樹脂と、アジリジン化合物とを含有する感熱記録材料である。前記中間層が、更にポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかを含有する態様、前記樹脂がポリビニルアルコールを含有する態様、などが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した感熱記録材料において、ハーフトーンを含めた発色された感熱記録材料の印画保存性に優れ、医療画像用に好適な感熱記録材料及び感熱記録材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録材料は、一般に、紙、合成紙、又はプラスチックフィルム等からなる支持体の片面上に、電子供与性ロイコ染料のような無色又は淡色の発色性物質と、電子受容性のフェノール性化合物などのような有機酸性顕色剤と、結着剤とを主成分として含有する感熱記録層を設けてなり、これら発色性染料と顕色剤とを熱エネルギーによって反応させて発色記録画像を得ることができるものである。
このような感熱記録材料は、記録装置がコンパクトでしかも安価であり、かつ保守が容易であることなどの利点を有する。このため、例えば電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測機、CADのプリンター、プロッター、CRT医療計測用のプリンター等の用途に広く使用されている。
【0003】
また、近年医療分野を中心に銀塩X線フィルムの湿式プロセスに起因する廃液処理問題及び画像のデジタル化の流れから、簡易にアウトプットできるドライフィルムのシステムが求められており、そのような流れの中で感熱プロセスにおいてもそのプロセスの簡便さから医療分野で使用できる感熱記録フィルムが求められている。
一般に、医療用の感熱記録材料には、感熱記録材料全体の透光性があって、その透光性を利用する透過型と、感熱記録材料全体の透光性が非常に低い又は全くない、形成した画像を光の反射で観る反射型とがある。
【0004】
耐水性、引張強度、記録画像の均一性、高解像度、寸法安定性、細線記録等の特性が要求されるため、医療用感熱記録材料が反射型である場合には、複層構造を有する合成紙が使用されている。
【0005】
ここで、医療用画像には低濃度域から高濃度域までの画像があり、特に中間調における発色画像の保存性は重要であり、また、記録濃度が高く、全濃度域で純黒な発色色調であり、光、熱、湿気による画像が変色、退色しないことが望まれている。
【0006】
中間調の記録像の保存性を維持するため、支持体上に無色乃至淡色の塩基性染料と該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱記録層、水溶性樹脂又は水分散性樹脂を含有する中間層、及び電離放射線硬化型樹脂を含むオーバーコート層を順次設けた感熱記録体において、感熱記録層中に呈色剤として下記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体又はその多価金属塩の少なくとも一種、下記一般式(2)で表されるフェノール誘導体の少なくとも一種を含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献1参照)。
【化1】

【化2】

しかし、この提案の感熱記録材料においては、用いることができる呈色剤が限定されてしまうという問題がある。
【0007】
また、支持体と、該支持体上に、通常無色乃至淡色の染料前駆体、及び加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層と、アミノ基及び/又はイミノ基を有するアルコキシシラン、エポキシ基を有するアルコキシシラン、アジリジン化合物の少なくとも1種と水溶性高分子を含有する酸素バリア層と、保護層とをこの順に設けた可逆性感熱記録材料が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、この提案の可逆性感熱記録材料は、中間調の保存性に関する効果が定かではない。
【0008】
また、記録層と保護層に挟まれた中間層にポリアミン/アミド系樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂とを添加することにより、耐水性等が向上した感熱記録材料が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この提案の感熱記録材料においては、エピクロロヒドリン系樹脂と相互作用する官能基を有する樹脂と、ポリアミン/アミド系樹脂との両方を含む必要があり、また、中間調の保存性に関する効果が定かではない。
【0009】
また、感熱記録層内に特定のアジリジン化合物を添加してなり、保存性に優れた感熱記録材料が提案されている(特許文献4〜7参照)。
しかし、これらの提案では、アジリジン化合物の反応性が高すぎると、凝集などを起こしてしまうおそれがあるため、反応性の低いアジリジン化合物しか用いることができないという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、形成した画像を光の反射で観る反射型であって、中間調の保存性に優れた感熱記録材料及び感熱記録材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、感熱記録層と保護層の間に樹脂及び架橋剤からなる中間層を設け、更に、該中間層上に保護層を設け、前記中間層に、樹脂と、アジリジン化合物とを添加することにより、中間調の保存性を向上できることを知見した。
【0012】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体上に、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層と、該感熱記録層上に中間層と、該中間層上に保護層とを有してなり、
前記中間層が、樹脂と、アジリジン化合物とを含有することを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 中間層が、更にポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかを含有する前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> 樹脂がポリビニルアルコールを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<4> 感熱記録層がポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5> アジリジン化合物が少なくとも2官能である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<6> 中間層におけるアジリジン化合物の添加量が、中間層における樹脂100質量部に対し15質量部〜30質量部である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<7> 中間層におけるポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかの添加量が、中間層における樹脂100質量部に対し10質量部〜40質量部である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<8> 中間層における樹脂がカルボン酸変性ポリビニルアルコールである前記<3>から<7>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<9> 感熱記録層が、黒発色ロイコ染料と、赤発色ロイコ染料と、青発色ロイコ染料とを含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<10> 保護層における樹脂が、紫外線又は電子線照射により硬化するアクリル酸エステル系樹脂を含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<11> 更にバック層を有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の感熱記録材料の製造方法であって、
中間層塗布液がアンモニア水溶液を含有することを特徴とする感熱記録材料の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、形成した画像を光の反射で観る反射型であって、中間調の特に保存性に優れた感熱記録材料及び感熱記録材料の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(感熱記録材料)
本発明の感熱記録材料は、支持体と、該支持体上に感熱記録層と、該感熱記録層上に中間層と、該中間層上に保護層とを有してなり、更に必要に応じて、バック層等のその他の層を有してなる。
【0015】
<中間層>
前記中間層は、少なくとも、樹脂と、アジリジン化合物とを含有し、更に必要に応じて、ポリアミン/アミド系樹脂、界面活性剤を含有してなる。
前記アジリジン化合物とは、アジリジン基(エチレンイミン基)含有化合物のことを意味する。
前記アジリジン化合物の役割としては、樹脂の架橋剤の役割だけでなく、後述する感熱記録層に含まれる顕色剤又はロイコ染料と相互作用を引き起こすと推定される。この相互作用により、中間調の保存性が安定して保たれる。
前記アジリジン化合物は、特に、湿度による画像の濃度変化を起こしにくくし、前記ポリアミン/アミド系樹脂は、特に、光による画像の色調変化を起こしにくくする。
【0016】
−樹脂−
前記中間層に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール;澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス;などを挙げることができる。これらの中でも、中間調の経時変化における、最大退色濃度と最大発色濃度のバランスの点で、カルボン酸変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
また、中間層上に塗られる保護層塗布液が溶剤系である場合は、耐溶剤性の強い樹脂を用いることが好ましい。
【0017】
−アジリジン化合物−
前記アジリジン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のような具体例が挙げられる。
【化3】

【0018】
これらの中でも、2官能以上のアジリジン基を有するアジリジン化合物が、樹脂を架橋する(架橋剤として機能する)点で、特に好ましい。また、架橋することによりアジリジン化合物の毒性も低下する。
【0019】
前記アジリジン化合物の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂に対し15質量%〜30質量%が好ましい。
前記アジリジン化合物の添加量は、保存性の点で、多いほど好ましいが、多すぎると、発色感度が低下してしまうことがある。
前記アジリジン化合物と前記樹脂としてのポリビニルアルコール樹脂を混合すると、次第に混合液が白濁し、液の安定性が問題となる。この場合、混合液にアンモニア水溶液を加え、液のpHを7以上にすることでアジリジン化合物を安定化させ、白濁する速度を限りなく遅くすることができる。
【0020】
−ポリアミン/アミド系樹脂−
前記ポリアミン/アミド系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば変性ポリアミン系樹脂、変性ポリアミド系樹脂、などが挙げられる。
前記変性ポリアミン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スミレーズレジンSPI−102A(住友化学株式会社製)、PA6634(星光PMC株式会社製)、PA6644(星光PMC株式会社製)、PA6646(星光PMC株式会社製)、PA6650(星光PMC株式会社製)、PA6656(星光PMC株式会社製)、DK6800(星光PMC株式会社製)、DK6802(星光PMC株式会社製)、DK6810(星光PMC株式会社製)、DK6850(星光PMC株式会社製)、DK6852(星光PMC株式会社製)、DK6854(星光PMC株式会社製)、などが挙げられる。
前記変性ポリアミド系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スミレーズレジンSPI−203(50)H(住友化学株式会社製)、スミレーズレジンSPI−106N(住友化学株式会社製)、スミレーズレジン633(住友化学株式会社製)、SI6400(星光PMC株式会社製)、SI6402(星光PMC株式会社製)、WS4002(星光PMC株式会社製)、WS4020(星光PMC株式会社製)、WS4024(星光PMC株式会社製)、WS4030(星光PMC株式会社製)、WS4052(星光PMC株式会社製)、などが挙げられる。
【0021】
前記ポリアミン/アミド系樹脂の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂に対し0.1質量%〜0.4質量%が好ましい。
前記ポリアミン/アミド系樹脂の添加量は、保存性の点で、多いほど好ましいが、多すぎると、発色感度が低下してしまうことがある。
【0022】
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来公知の方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましく、1μm〜2μmがより好ましい。前記中間層の厚みが、1μm未満であると、耐水性、耐薬品性等の中間層としての機能が不充分なことがあり、5μmを超えると、感熱記録材料の熱感度が低下し、コスト的にも不利となることがある。
【0023】
−中間層塗布液−
前記中間層塗布液としては、前記樹脂と、前記アジリジン化合物及び前記ポリアミン/アミド系樹脂の少なくもいずれかとを含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アンモニア水溶液を含むことが好ましい。前記アンモニア水溶液を含むことにより、前記中間層塗布液のpHを7超にする(前記中間層塗布液をアルカリ性にする)ことができる。なお、アンモニア水溶液の量は多いほど好ましい。
NaOH、Ca(OH)でも効果的であると考えられるが、膜の中に固体として残留し、印画特性に悪影響を与える恐れがあるため、好ましくない。
【0024】
<感熱記録層>
前記感熱記録層は、ロイコ染料と顕色剤とを主成分として含むものである限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、必要に応じて、保存安定剤、水溶性高分子及び/又は水性エマルジョン樹脂、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤、結合剤等の補助添加成分、などを含む。
【0025】
−ロイコ染料−
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、この種の感熱記録材料に適用されているもの、などが挙げられる。これらの中でも、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましい。
【0026】
医療画像用感熱記録材料に用いられるロイコ染料は、黒発色のロイコ染料と、赤発色のロイコ染料と、青発色のロイコ染料と、を少なくとも一種ずつ含有する。
前記赤発色のロイコ染料と前記青発色のロイコ染料との合計としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、全ロイコ染料に対して、5質量%〜10質量%が好ましい。
【0027】
前記黒発色のロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(メタトリフルオロメチル)アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,Nジブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランが特に好ましい。
【0028】
前記赤発色のロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、ローダミン−Bオルトクロロアニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム、6−ジエチルアミノ−ベンゾフルオラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、下記式(1)で表される染料(融点175℃)が光による変色が少ない点で特に好ましい。
【化4】

【0029】
前記青発色のロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(2)で表される染料(融点180℃)が、少量添加で発色濃度が高い点で、特に好ましい。
【化5】

【0030】
−顕色剤−
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料に対して加熱時に反応し、前記ロイコ染料を発色させる種々の電子受容性物質である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性物質、有機酸性物質、無機酸性物質、それらのエステル又は塩、などが挙げられる。
【0031】
前記顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロへキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1′−イノプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4′−sec−ブチリデンジフェノール、4,4′−シクロへキシリデンビスフェノール、4,4′−シクロへキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2′−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2′−メチルンビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチルンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2,−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸m−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサへプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサヘプタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(o−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホン、ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホンが、黒発色のロイコ染料3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランと組み合わせた場合の発色濃度及び発色色調の点で、特に好ましい。
【0032】
−保存安定剤−
前記保存安定剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の保存安定剤、などが挙げられる。
これらの中でも、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンが、顕色剤である4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホンと併用した場合に、画像保存性(耐熱性、耐湿性)を向上できる点で、特に好ましい。
【0033】
−フィラー−
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカリウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。
【0034】
−熱可融性物質−
前記熱可融性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミド又は金属塩、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニル、50℃〜200℃程度の融点を有する熱可融性有機化合物、などが挙げられる。
前記熱可融性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル;メタターフェニル;トリフェニルメタン;p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル;β−ベンジルオキシナフタレン;β−ナフトエ酸フェニル;1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル;1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル;ジフェニルカーボネート;グレヤコールカーボネート;テレフタル酸ジベンジル;テレフタル酸ジメチル;1,4−ジメトキシナフタレン;1,4−ジエトキシナフタレン;1,4−ジベンジロキシナフタレン;1,2−ジフェノキシエタン;1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン;1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン;1,4−ジフェノキシ−2−ブタン;1,4−ジフェノキシ−2−ブテン;1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン;ジベンゾイルメタン;1,4−ジフェニルチオブタン;1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン;1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン;1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン;p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル;p−アリールオキシビフェニル;p−プロパルギルオキシビフェニル;ジベンゾイルオキシメタン;ジベンゾイルオキシプロパン;ジベンジルジスルフィド;1,1−ジフェニルエタノール;1,1−ジフェニルプロパノール;p−ベンジルオキシベンジルアルコ−ル;1,3−フェノキシ−2−プロパノール;N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン;N−オクタデシルカルバモイルベンゼン;1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン;1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン;シュウ酸ジベンジル;シュウ酸ビス(4−メチルベンジル);シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)などが挙げられる。
なお、前記熱可融性物質は、感度向上剤としても使用することができる。
【0035】
−結合剤−
前記結合剤としては、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持できるものである限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンや、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスなどが挙げられる。
【0036】
前記感熱記録層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロイコ染料及び顕色剤等をバインダー樹脂とともに均一に分散乃至溶解し、これを支持体上に塗布し、乾燥して作製する方法などがある。
前記感熱記録層の塗布方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイファウンテン方式、ワイヤーバー方式、グラビア方式、エアーナイフ方式、などが挙げられる。
これらの中でも、ダイファウンテン方式が、塗布層の均一性を得ることができ、支持体に接触することなく塗布することが可能な点で、特に好ましい。
【0037】
前記感熱記録層のJIS P−8142に基づく光沢度{GS(75゜)}としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像の高光沢性、高濃度、及び印字時のドット再現性の点で、40%以上が好ましい。
前記感熱記録層塗布液における分散物の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感熱記録層のJIS P−8142に基づく光沢度{GS(75゜)}を40%以上にできる点で、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。
前記感熱記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜20μmがより好ましい。
【0038】
前記感熱記録層に結合剤としての樹脂とは別に、添加剤として、更に、前述したポリアミン/アミド系樹脂を加えることができ、これにより保存性が良好となる。
【0039】
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料からなる複層構成の合成紙が好ましい。
前記支持体上に、前記感熱記録層が設けられる。
【0040】
<保護層>
前記保護層は、サーマルヘッド等のマッチング性向上、記録画像保存性向上等のために、感熱記録層上に設けられる。
前記保護層を構成する樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉又はその誘導体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸又はその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体又はその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド又はそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、水性ポリエステル、水性ポリウレタン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体又はその誘導体等の水溶性樹脂、紫外線照射又は電子線照射によって硬化するアクリル酸エステル系重合体、などが挙げられる。
【0041】
これらの中でも、紫外線照射又は電子線照射によって硬化するアクリル酸エステル系重合体が、保護層の耐水性、耐薬品性、光沢性をより向上させる点で、特に好ましい。
光沢性を向上することにより、最大発色濃度を更に高くすることができ、より階調性に富んだ画像を作り出すことができる。
【0042】
前記保護層には、前記樹脂の他に、従来より用いられている補助添加成分、例えば、フィラー、界面活性剤、熱可融性物質(又は滑剤)、圧力発色防止剤、などを併用することができ、更に、耐水化剤を含有させることもできる。この場合、フィラー及び熱可融性物質の具体例としては、前記感熱記録層において例示されたものが挙げられる。
前記保護層の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、従来公知の塗布方法などが挙げられる。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜20μmが好ましく、0.5μm〜10μmがより好ましい。前記保護層の厚みが、0.1μm未満であると、感熱記録媒体の保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、20μmを超えると、感熱記録媒体の熱感度が低下し、コスト的にも不利となることがある。
【0043】
<バック層>
前記バック層は、支持体上の裏面に設けられ、微粒子からなるマット剤を含有する層である。前記バック層を設けることにより、感熱記録材料のカールを低減させ、かつ感熱記録材料を密着しにくくし、イメージャーによる印画時の搬送性を向上させることができる。
また、マット剤が無機微粒子からなると、擦れによりキズが発生しやすくなるが、マット剤が樹脂微粒子からなると、擦れによるキズの発生を低減することができる。
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、架橋ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、などが挙げられる。 前記樹脂微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜20μmが好ましく、10μm〜15μmがより好ましい。前記樹脂微粒子の平均粒径が、5μm未満であると、密着力低減の効果が少なくなってしまうことがあり、20μmを超えると、表面の突起が目立ち、外観品質が低下してしまうことがある。
前記樹脂微粒子の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記バック層における樹脂に対して0.5質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜5質量%がより好ましい。
前記樹脂微粒子の添加量が、0.5質量%未満であると、密着力低減の効果が少ないことがあり、10質量%を超えると、透明性が損なわれてしまうことがある。
【0044】
また、前記バック層には、帯電防止を目的として導電剤を含有させることが好ましい。
前記導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリル酸アンモニウム塩等のアニオン系のもの、などが挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下における部及び%はいずれも質量基準である。
【0046】
(実施例1)
<感熱記録材料の作製>
(1)支持体
使用する支持体は、5層で構成された複層構成の合成紙であり、厚み188μm±5μm、表面光沢度95%、平滑度11,000秒、剛度MD=400mN、CD=600mNである。
(2)記録層塗布液の調製
〔染料分散液A〕
・2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン・・・20部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
上記の配合からなる各配合物を磁性ボールミルで粉砕して、平均粒径0.8μmの染料分散液Aを調製した。
【0047】
〔顕色剤分散液〕
・ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン・・・12部
・シリカ(ミズシカル P−603、水澤化学工業株式会社製)・・・4部
・ステアリン酸アミド・・・4部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
上記の配合からなる各配合物を磁性ボールミルで粉砕して、平均粒径0.9μmの顕色剤分散液を作製した。
【0048】
〔記録層塗布液A〕
・染料分散液A・・・12.5部
・顕色剤分散液・・・62.5部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・25部
上記比率で各配合物を混合し、記録層塗布液Aを調製した。
調製した記録層塗布液Aを、支持体上にワイヤーバーを用いて塗布し、50℃の温度に保持したドライヤーに3分間通して乾燥して、厚み8.5g/mの感熱記録層Aを形成した。
【0049】
(3)中間層塗布液の調製
〔中間層塗布液A〕
・1−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン(アジリジン化合物)・・・1部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・50部
・水・・・49部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Aを調製した。
中間層塗布液Aを、感熱記録層A上にワイヤーバーを用いて塗布し、50℃の温度に保持したドライヤーを2分間通し乾燥させて、厚み1.5g/mの中間層Aを形成した。
【0050】
(4)保護層塗布液の調製
〔フィラー分散液〕
・炭酸カルシウム(白岩工業株式会社製、Brilliant−15)・・・20部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
上記の配合からなる各配合物を磁性ボールミルで粉砕して、体積平均粒子径0.3μmのフィラー分散液を調製した。
【0051】
〔保護層塗布液A〕
・アクリルエマルション(三井化学株式会社製、バリアスターB2000、固形分20%)・・・42部
・ステアリン酸亜鉛エマルジョン液(体積平均粒子径0.2μm、中京油脂株式会社製、K−994、固形分20%)・・・6部
・フィラー分散液(体積平均粒子径0.3μm)・・・7部
・水・・・43部
・2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕(アジリジン化合物、株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・2部
上記比率で各配合物を混合し、保護層塗布液Aを調製した。
調製した保護層塗布液Aを中間層Aの上にワイヤーバーを用いて塗布し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通し乾燥させて、厚み3.0g/mの保護層を形成した。以上により、実施例1の感熱記録材料を作製した。
【0052】
(実施例2)
〔中間層塗布液B〕
・1−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン(アジリジン化合物)・・・0.8部
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・2.0部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・40.0部
・水・・・57.2部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Bを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Bに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料を作製した。
【0053】
(実施例3)
〔記録層塗布液B〕
・染料分散液A・・・12.5部
・顕色剤分散液・・・62.5部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・24.3部
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・0.7部
上記比率で各配合物を混合し、記録層塗布液Bを調製した。
実施例1において、記録層塗布液Aを上記調製した記録層塗布液Bに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料を作製した。
【0054】
(実施例4)
〔中間層塗布液C〕
・2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕(以下、アジリジン化合物Aとする)(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・1部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・50部
・水・・・49部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Cを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Cに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料を作製した。
【0055】
(実施例5)
〔中間層塗布液D〕
・アジリジン化合物A・・・0.8部
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・2.0部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・40.0部
・水・・・57.2部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Dを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Dに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱記録材料を作製した。
【0056】
(参考例6)
〔中間層塗布液E〕
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・2.3部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・46.2部
・水・・・51.5部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Eを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Eに代えた以外は、実施例1と同様にして、参考例6の感熱記録材料を作製した。
【0057】
(実施例7)
〔中間層塗布液F〕
・アジリジン化合物A(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・1.4部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、クラレ製)の10%水溶液・・・46.1部
・水・・・52.5部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Fを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Fに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の感熱記録材料を作製した。
【0058】
(実施例8)
〔中間層塗布液G〕
・アジリジン化合物A(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・0.8部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・52.2部
・水・・・47.0部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Gを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Gに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の感熱記録材料を作製した。
【0059】
(参考例9)
〔中間層塗布液H〕
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・2.8部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・42.9部
・水・・・54.3部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Hを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Hに代えた以外は、実施例1と同様にして、参考例9の感熱記録材料を作製した。
【0060】
(参考例10)
〔中間層塗布液I〕
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・0.9部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・54.5部
・水・・・44.6部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Iを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Iに代えた以外は、実施例1と同様にして、参考例10の感熱記録材料を作製した。
【0061】
(実施例11)
実施例1で調製した中間層塗布液A中のポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液を、カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー、KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例11の感熱記録材料を作製した。
【0062】
(実施例12)
〔中間層塗布液J〕
・アジリジン化合物A・・・0.8部
・変性ポリアミン系樹脂(星光PMC株式会社製、PA6650、固形分60%)・・・2.0部
・アンモニア水(アンモニア含有量29%)・・・0.4部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・39.2部
・水・・・57.6部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Jを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Jに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例12の感熱記録材料を作製した。
【0063】
(実施例13)
〔染料分散液B〕
・下記式(1)で表される材料(融点175℃)・・・20部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
【化6】

上記の配合からなる各配合物を磁性ボールミルで粉砕して、平均粒径0.8μmの染料分散液Bを調製した。
【0064】
〔染料分散液C〕
・下記式(2)で表される材料(融点180℃)・・・20部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・20部
・水・・・60部
【化7】

上記の配合からなる各配合物を磁性ボールミルで粉砕して、平均粒径0.8μmの染料分散液Cを調製した。
【0065】
〔記録層塗布液C〕
・染料分散液A・・・11.25部
・染料分散液B・・・0.75部
・染料分散液C・・・0.5部
・顕色剤分散液・・・62.5部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・25部
上記比率で各配合物を混合し、記録層塗布液Cを調製した。
実施例1において、記録層塗布液Aを上記調製した記録層塗布液Cに代え、中間層塗布液Aを実施例12で調製した中間層塗布液Jに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例13の感熱記録材料を作製した。
【0066】
(参考例14)
〔保護層塗布液B〕
・ポリエステルアクリレート樹脂(東亞合成株式会社製、M9050)・・・50部
・光重合開始剤(Ciba社製、イルガキュア184)・・・4部
・シリコーン系フィラー(信越化学工業株式会社製、KMP590)・・・5部
・酢酸エチル・・・41部
上記比率で各配合物を混合し、保護層塗布液Bを調製した。
実施例1において、記録層塗布液Aを実施例13で調製した記録層塗布液Cに代え、中間層塗布液Aを実施例12で調製した中間層塗布液Jに代え、保護層塗布液Aを上記調製した保護層塗布液Bに代え、記録層塗布液C、中間層塗布液J、及び保護層塗布液Bを実施例1と同様に塗布し、乾燥させて、最後に紫外線(365nm、400mJ/cm)を照射し樹脂を硬化させて、参考例14の感熱記録材料を作製した。
【0067】
(比較例1)
〔中間層塗布液K〕
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・60部
・水・・・40部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Kを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Kに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録材料を作製した。
【0068】
(実施例15)
〔中間層塗布液L〕
・1−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン(アジリジン化合物)・・・3部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・53部
・水・・・44部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Lを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Lに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例15の感熱記録材料を作製した。
【0069】
(実施例16)
〔中間層塗布液M〕
・アジリジン化合物A(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・3部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・53部
・水・・・44部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Mを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Mに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例16の感熱記録材料を作製した。
【0070】
(実施例17)
〔中間層塗布液N〕
・アジリジン化合物A(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・1部
・ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−117、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・67部
・水・・・32部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Nを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Nに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例17の感熱記録材料を作製した。
【0071】
(実施例18)
〔中間層塗布液O〕
・アジリジン化合物A(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・1部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・67部
・水・・・32部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Oを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Oに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例18の感熱記録材料を作製した。
【0072】
(実施例19)
〔中間層塗布液P〕
・アジリジン化合物A(株式会社日本触媒製、ケミタイトPZ−33)・・・1.3部
・アンモニア水溶液(アンモニア含有量29%)・・・0.7部
・カルボン酸変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318、株式会社クラレ製)の10%水溶液・・・65部
・水・・・33部
上記比率で各配合物を混合し、中間層塗布液Pを調製した。
実施例1において、中間層塗布液Aを上記調製した中間層塗布液Pに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例19の感熱記録材料を作製した。
【0073】
(実施例20)
実施例1において、記録層塗布液Aを実施例13で調製した記録層塗布液Cに代え、中間層塗布液Aを実施例19で調製した中間層塗布液Pに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例20の感熱記録材料を作製した。
【0074】
(実施例21)
実施例1において、記録層塗布液Aを実施例13で調製した記録層塗布液Cに代え、中間層塗布液Aを実施例19で調製した中間層塗布液Pに代え、保護層塗布液Aを上記参考例14で調製した保護層塗布液Bに代え、記録層塗布液C、中間層塗布液P、及び保護層塗布液Bを実施例1と同様に塗布し、乾燥させて、最後に紫外線(365nm、400mJ/cm)を照射し樹脂を硬化させて、実施例21の感熱記録材料を作製した。
【0075】
以上のようにして作製した実施例、参考例、及び比較例について、以下のようにして諸特性を評価した。結果を表1から表6に示す。
【0076】
<1.耐光保存性の評価>
各感熱記録材料について、解像度300dpiの階調ヘッドを搭載したエネルギー可変、horizon(コドニクス社製)にて、反射濃度=地肌濃度〜Dmaxまでの16階調画像を印画し、画像の初期色調値(a*値、b*値)をGretag Macbeth社製濃度計TD−904で測定した。
保存前初期色調値を測定後、温度23℃、湿度50%RHの環境の下、7,000LUXの光(光源:東芝ライテック株式会社製、3波長形昼光色灯)に24時間曝し、保存後色調値をGretag Macbeth社製濃度計TD−904で測定した。
色調変化量ΔEは「色調変化量ΔE=保存後色調値E−初期色調値E」の絶対値で算出した。ただし、E=√(a*+b*)とする。
16階調のうち、最大色調変化量ΔEmaxを求め、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:ΔEmax=2.0以内
○:ΔEmax=2.0超、3.0以内
×:ΔEmax=3.0超
【0077】
<2.耐湿保存性の評価>
各感熱記録材料について、解像度300dpiの階調ヘッドを搭載したエネルギー可変、horizon(コドニクス社製)にて、反射濃度=地肌濃度〜Dmaxまでの16階調画像を印画し、画像の初期濃度をGretagMacbeth社製濃度計TD−904で測定する。
保存前初期濃度を測定後、温度40℃、湿度90%RHの環境に設定された高温高湿保管庫内に24時間保管したのち、保存後濃度をGretagMacbeth社製濃度計TD−904で測定した。
変化量は「変化量=保存後濃度−初期濃度」の絶対値で算出し、16階調のうち、退色変化量と発色変化量の合計変化量の最大値ΔO.D.maxを下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:ΔO.D.max=0.30以内
○:ΔO.D.max=0.30超、0.50以内
×:ΔO.D.max=0.50超
【0078】
<3.最大発色濃度(ODmax値)の評価>
各感熱記録材料について、解像度300dpiの階調ヘッドを搭載したエネルギー可変、horizon(コドニクス社製)にて、反射濃度=地肌濃度〜Dmaxまでの16階調画像を印画し、それぞれの画像濃度をGretag Macbeth社製濃度計TD−904で測定し、Dmaxの濃度を求め、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:2.00以上
○:1.90以上、2.00未満
△:1.80以上、1.90未満
×:1.80未満
【0079】
<4.中間層塗布液の安定性の評価>
各感熱記録材料について、中間層塗布液を調合してから、この中間層塗布液が明らかに白濁するまでの時間を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:6時間以上
○:30分間を上回り、6時間を下回る
×:30分間以内
【0080】
<5.色調の評価>
各感熱記録材料について、解像度300dpiの階調ヘッドを搭載したエネルギー可変、horizon(コドニクス社製)にて、反射濃度=地肌濃度〜Dmaxまでの16階調画像を印画し、それぞれの画像の色調をGretag Macbeth社製濃度計TD−904で測定し、OD値が0から1.5の範囲でのa*値、b*値で、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:OD値が0から1.5の範囲で、−4<a*<+4、−4<b*<+4
○:OD値が0から1.5の範囲で、−8<a*<+8、−8<b*<+8
×:OD値が0から1.5の範囲で、a*≦−8、a*≧8、b*≦−8、b*≧8
【0081】
<6.耐水性及び耐薬品性の評価>
各感熱記録材料の保護層上に、70%のイソプロピルアルコールを1滴垂らし、感熱記録層が発色し始めるまでの時間を計測し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:10分間以上
○:5分間以上10分間未満
×:5分間未満
【0082】
<1.耐光保存性の結果>
【表1】

【0083】
<2.耐湿保存性の結果>
【表2】

【0084】
<3.最大発色濃度(ODmax値)の結果>
【表3】

【0085】
<4.中間層塗布液の安定性の結果>
【表4】

【0086】
<5.色調の結果>
【表5】

【0087】
<6.耐水性及び耐薬品性の結果>
【表6】

【0088】
次に、耐光保存性、耐湿保存性、発色濃度、中間層塗布液の安定性、色調、並びに耐水性及び耐薬品性の判定結果をまとめて、表7に示す。
【0089】
【表7】

表7の結果から、本発明の実施例は、画像保存性(耐光性及び耐湿性)を確立できるものであることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の感熱記録材料は、銀塩タイプの印画紙と同程度の記録濃度、発色色調を有し、かつ耐熱保存性に優れているので、例えば電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測機、CADのプリンター、プロッター、CRT医療計測用のプリンター等の用途に広く使用でき、特に医療用の感熱記録材料として好適に使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開平5−318937号公報
【特許文献2】特開2004−314329号公報
【特許文献3】特開2007−203608号公報
【特許文献4】特開平5−24350号公報
【特許文献5】特開平5−169811号公報
【特許文献6】特開平5−185721号公報
【特許文献7】特開平5−330232号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、該支持体上にロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層と、該感熱記録層上に中間層と、該中間層上に保護層とを有してなり、
前記中間層が、樹脂と、アジリジン化合物とを含有することを特徴とする感熱記録材料。
【請求項2】
中間層が、ポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかを更に含有する請求項1に記載の感熱記録材料。
【請求項3】
樹脂がポリビニルアルコールを含有する請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項4】
感熱記録層がポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかを含有する請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項5】
アジリジン化合物が少なくとも2官能である請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項6】
中間層におけるアジリジン化合物の添加量が、中間層における樹脂100質量部に対し15質量部〜30質量部である請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項7】
中間層におけるポリアミン系樹脂及びポリアミド系樹脂の少なくもいずれかの添加量が、中間層における樹脂100質量部に対し10質量部〜40質量部である請求項1から6のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項8】
中間層における樹脂がカルボン酸変性ポリビニルアルコールである請求項3から7のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項9】
感熱記録層が、黒発色ロイコ染料と、赤発色ロイコ染料と、青発色ロイコ染料とを含有する請求項1から8のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項10】
保護層における樹脂が、紫外線又は電子線照射により硬化するアクリル酸エステル系樹脂を含有する請求項1から9のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項11】
更にバック層を有するクレーム1から10のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の感熱記録材料の製造方法であって、
中間層塗布液がアンモニア水溶液を含有することを特徴とする感熱記録材料の製造方法。

【公開番号】特開2011−79308(P2011−79308A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200234(P2010−200234)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】