説明

慣性計器の誤差のリアル・タイム判定

【課題】ジャイロの倍率誤差を最少に抑えつつ、ジャイロを連続動作状態に維持する。
【解決手段】ジャイロA及びBは、平行な検知軸を有し、測定すべき慣性属性を表す第1及び第2検知出力信号を生成する。第1及び第2検知出力信号を生成する際に、第1及び第2倍率をそれぞれ用いる。マイクロプロセッサ22の制御下で、第1及び第2時間インターバルにおいて第1及び第2倍率の符号状態を変化させ、ジャイロA及びBのバイアス誤差を推定する。このバイアス誤差の測定をし易くするため、第1倍率と第1及び第2倍率間の差とに基づいて、第2倍率の等価値である代用倍率を推定し、第1及び第2倍率の一方の符号を、第1時間インターバルにおける一方の状態から第2時間インターバルにおいて他方の状態に変化させ、第1倍率と、代用倍率とに基づいて、第2倍率の誤差を計算する。第1及び第2検知出力信号並びに第2倍率誤差の補正に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャイロスコープや加速度計のような慣性計器に関し、更に特定すれば、慣性計器の誤差をリアル・タイムで検出し、慣性計器が動作状態にありながらこのような誤差を補正することを可能にすることである。
【従来技術】
【0002】
ジャイロの倍率(SF)項の符号を独立して逆転させる機能が、米国特許第7,103,477号に開示されている。倍率(SFA及びSFB)及びバイアス項(BiasA及びBiasB)を有する数式を用いて、2つのジャイロA及びBに対する倍率を乗算した入力レートを求めることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,103,477号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した米国特許に開示されている技術においては、SFA及び/又はSFBが不調和である場合、数式の結果に悪影響が生じることになる。本発明の目的は、このような問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による慣性測定装置の一例は、平行な検知軸を有し、測定すべき慣性属性を表す第1及び第2検知出力信号をそれぞれ生成するように方位付けられた第1及び第2慣性計器を有する。第1及び第2検知出力信号を生成する際に、第1及び第2倍率をそれぞれ用いる。第1倍率と第1及び第2倍率間の差とに基づいて、第2倍率の等価値となる代用倍率を決定する。第1及び第2倍率の一方の符号が、第1時間間隔における一方の状態から連第2間間隔における他方の状態に変化する第1及び第2時間間隔において、第1倍率と代用倍率とに基づいて、第1及び第2倍率の差を計算する。第1及び第2検知出力信号のそれぞれ、並びに第2倍率誤差の補正に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生する。
誤差補正を実施する方法は、本発明の別の実施形態である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明による慣性計器の一実施形態例の機能図である。
【図2】図1の機能を実行するのに適した慣性計器の一実施形態例のブロック図である。
【図3】2つのジャイロスコープ例と関連付けた信号の極性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一態様は、慣性計器の倍率誤差を最少限に抑えつつ慣性計器を連続動作状態に維持することが望ましいリアル・タイム環境に適用可能である。
図1は、本発明による慣性計器1の一実施形態例の機能図である。マイクロ処理ユニット15によって実行するコンピュータ・アルゴリズムがジャイロ・バイアス誤差及び倍率不均衡を、以降で説明するように計算する。平行な検知軸を有するジャイロスコープ2及び3すなわち計器はそれぞれ、倍率4及び6並びにバイアス誤差5及び7を有する同じ真入力レートdTheta_inを検知する。それぞれの計器から得られる測定出力MEASA及びMEASBは、マイクロ処理ユニット15に入力され、ホストされているアルゴリズムによって処理される。このアルゴリズムについては、以降で詳細に説明する。カルマン・フィルタ9が、マイクロプロセッサの中に実装されており、各計器のバイアス誤差BiasA及びBiasB、並びに計器間における倍率不均衡12を計算する。ジャイロの測定値は、バイアス加算10、11の結果得られた計算及びフィードバック、並びに倍率不均衡12によって補正され、組み合わされ、加算14に基づく出力dTheta_outとして得られる。補正ジャイロ測定値の加算8は、本発明によって制御される符号出力を有し、カルマン・フィルタへの入力となる。
【0008】
図2は、本発明による慣性計器1の実施形態例のブロック図である。マイクロ処理ユニット15は、マイクロプロセッサ22を含み、リード・オンリ・メモリ(ROM)24及びランダム・アクセス・メモリ(RAM)26によってサポートされている。マイクロプロセッサ22は、図示のようなディジタル信号の受信及び送信をサポートする入力/出力デバイス28に結合されている。マイクロプロセッサ32は、格納されているプログラム制御命令の下で動作する。命令は、初期状態ではROM24に収容しておくことができる。動作命令及びデータは、マイクロプロセッサ32による処理のために、RAM26に格納する。当業者であれば、この中で論ずる機能や計算を実施するために、マイクロプロセッサ22に合った適宜のソフトウェア又はファームウェア制御命令を供給することができるであろう。ジャイロスコープ「ジャイロ」A2及びジャイロB3は、I/Oデバイス28に結合され、度単位で測定するというような、角度測定値の各出力を発生する。平行な検知軸を有するこれらのジャイロによって検知される入力情報は、MeasA及びMeasBとして表す。MPU15によってジャイロ2及び3のために計算した出力は、それぞれ、dTheta_out_A及びdTheta_out_Bで表す。出力dTheta_outは、MPU15によって計算され、ジャイロ2及び3からの入力に基づいて動的に計算された角度の出力である。以下で説明するが、出力dThata_outは、ジャイロが動的環境において連続的に動作している間、2つのジャイロのバイアス誤差のリアル・タイム測定、及び2つのジャイロの倍率間におけるあらゆる不均衡に基づいて補正される。
【0009】
上記のように構成する代わりに、機能及び計算は、特定用途集積回路、又はその他の形態のハードウェア実施態様で実現することもできる。計器15によって行われる機能性及び計算に加えて、2つ以上のジャイロによって設けられる追加の機能性も、1つのデバイスに組み込むことができる。
【0010】
バイアス誤差が直接観察可能となるのは、2つの計器、この実施形態例ではジャイロスコープ(ジャイロ)の検知軸が、検知する属性に対して同じ軸に沿って位置付けられており、記載するように連続処理(sequence)される場合である。双方のジャイロは、同じ軸を中心とする回転を検知する。i回目の測定インターバル中にジャイロA及びBによって得られる測定値MeasA及びMeasBは、次の通りである。
MeasA(i) = SFA*dTheta_in+BiasA*Ti (1)
MeasB(i) = SFB*dTheta_in+BiasB*Ti (2)
ここで、MeasA及びMeasBは、それぞれ、2つのジャイロA及びBによって得られる増分角度(incremental angle)の測定値である。
dTheta_inは、平行な検知軸を有する2つのジャイロA及びBによって変位される真の入力角度である。
SFA及びSFBはそれぞれ、ジャイロA及びBの倍率係数であり、ジャイロの物理的出力を入力角度に関係付ける。
Tiは、2つのジャイロを角変位させる時間インターバルである。
【0011】
各ジャイロの倍率項の符号を独立して逆転させると、次の式が得られる。
MeasA(i) = KmodeA*SFA*dTheta_in+BiasA*Ti (3)
MeasB(i) = KmodeB*SFB*dTheta_in+BiasB*Ti (4)
ここで、KmodeA及びKmodeBは、倍率項を反転させた一連の測定値を得るために、+1又は1の値を独立して取る。
【0012】
Kmode値の組み合わせに対する8つの数式は、次の通りである。
MeasA(1) = +1*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti (5)
MeasB(1) = +1*SFB*dTheta_in + BiasB*Ti (6)
MeasA(2) = +1*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti (7)
MeasB(2) = -1*SFB*dTheta_in + BiasB*Ti (8)
MeasA(3) = -1*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti (9)
MeasB(3) = -1*SFB*dTheta_in + BiasB*Ti (10)
MeasA(4) = -1*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti (11)
MeasB(4) = +1*SFB*dTheta_in + BiasB*Ti (12)
これら8つの数式によって、倍率を乗算した4つの入力レートSFA*dTheta_inからSFA*dTheta_in4まで、並びに2つのバイアス項BiasA及びBiasBの解が得られる。
【0013】
この実施形態では、項SFBを次のようにモデル化する。
SFB = SFA*(1+dSFB) (13)
ここで、dSFBはSFAとSFBとの間の差である。
式13により得られるSFBの値を式3及び式4に代入すると、次の式が得られる。
MeasA(i) = KmodeA*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti (14)
MeasB(i) = KmodeB*(SFA+SFA*dSFB)*dTheta_in + BiasB*Ti (15)
連続する複数のインターバルにおける測定値MeasA及びMeasBを加算又は減算すると、SFA*dTheata_in(i)の積を消去させることができ、残余内包要素(remainder containing elements)であるdSFB*SFA*dTheta_in、BiasA、及びBiasBが残る。
【0014】
A及びBジャイロ測定値の差を計算する場合、バイアス誤差及び倍率不均衡を観察することができる。一連のKmodeA、KmodeB、並びに式14及び式15の加算又は減算から、ジャイロスコープA及びBからの測定値の組み合わせにおける周波数及び位相多重化信号として、誤差dSFB、BiasA、及びBiasBを観察することができる。これについては、以下で更に詳しく説明する。
MeasA(i) = KA*(KmodeA*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti) (16)
MeasB(i) = KB*(KmodeB*(SFA+SFA*dSFB)*dTheta_in + BiasB*Ti) (17)
上記の式16及び式17において、係数KmodeA及びKmodeBはそれぞれ、ジャイロスコープA及びBの倍率の符号を表す。また、係数KA及びKBには、+1/−1の値が与えられる。KA、KB、KmodeA、及びKmodeBの値は、以下の式が必ず導かれるように選択される。
(KA*KmodeA + KB*KmodeB)*dTheta_in(i) = 0 (18)
KA及びKBは、式16及び式17を加算するのか又は減算するのかを制御する役割を果たし、更に減算の順序、即ち、式16−式17又は式17−式16を制御する役割を果たす。
【0015】
図3は、式16及び式17の連続加算及び減算から得られる、判定可能な誤差の一連の極性を示すグラフである。これらの結果は、式16及び式17が式18を満たすように、KA、KB、KmodeA、及びKmodeBとして適宜の値を選択することによって得ることができる。式18を満たすと、その結果、式16及び式17の加算から、次の式が得られる。
MeasA(i) + MeasB(i) = KA*BiasA*Ti
+ KB*KmodeB*dSFB*SFA*dTheta_in(i) + KB*BiasB*Ti (18a)
式18を満たす場合、式16及び式17の和は、誤差を含む項のみとなる。ここでは、さしあたって、dSFB*SFA*dTheta_inを含む積を無視して、KA及びKBの符号を順次交互に変えることにより、式18aにおけるBiasA及びBiasBによる影響(effect)が符号を変化させ、式18aにおいてこれらの項が原因で生ずる誤差を事実上「変調」する。波形40及び42は、それぞれ、BiasA及びBiasBからのこの影響を表している。
【0016】
式18aに対するdSFBの影響は、KmodeBの影響のみを受ける。図1におけるジャイロBの倍率の符号を変化させると、KmodeBの符号が逆になり、式18aにおけるdSFBによって生ずる誤差の符号を変化させる。KmodeBは、図2における波形44を実現するように選択することができる。波形44は、波形40及び42とは異なる周波数において現れ、したがって式18aに対するdSFBの影響を、BiasA及びBiasBの影響とは分離することができる。式18aにおけるSFA*dTheta_in(i)の値は、一次に対しては、図1における加算10の出力における値となる。図1におけるカルマン・フィルタ・プロセス9によってBiasAの値を洗練するに連れて、この相関は強くなっていく。
【0017】
KA、KB、及びKmodeBに対するシーケンスが選択されたならば、KmodeAすなわちジャイロaの倍率の符号は、式18によって規定される条件を満たさせるように選択することができる。その結果、BiasA、BiasB、及びdSFBは、式16及び式17の和ではそれぞれ、図3の波形40、42、及び44と相関付けられた方形波として現れる。これらの方形波はそれぞれ、BiasA及びBiasBに対する波形40及び42におけるように位相で分離され、更にdSFBに対する波形44の場合のように周波数で分離される。これらの相関は、事実上、式16及び式17の和に印加された、それぞれの誤差の振幅変調となる。続いて、式16及び式17の和を図3における波形で復調すると、潜在する誤差の値が得られる。
【0018】
計器10の一例では、図2に示す誤差信号を復調するためにカルマン・フィルタを実装し、各「i」インターバルで値を観察する。
Z(i)
= [KB(i)*KmodeB(i)*SFA*dTheta_in(i), KA(i)*Ti, KB(i)*Ti]*[dSFB, BiasA, BiasB]T (19)
【0019】
観察毎のカルマン・フィルタH行列は、次のようになる。
H(i) = [KB(i)*KmodeB(i)*SFA*dTheta_in(i), KA(i)*Ti, KB(i)*Ti] (20)
当業者には、Z(i)及びH(i)に関するカルマン・フィルタの動作は明らかであろう。
H行列内にある要素の全ては、各インターバルにおいて、KA、KB、KmodeA、KmodeB、そしてジャイロAからの生の(未補正)測定値、即ち、SFA*dTheta_in(i)から分かる。したがって、以上のプロセスは、計器1によって再帰的に適用されて、ジャイロA及びBのバイアス誤差のリアル・タイム測定値、並びにジャイロAの倍率とジャイロBの倍率との間における不均衡(発生した場合はいつでも)を判定することができる。計器1からの出力dTheta_outは、ジャイロA及びBからの生出力に基づく、常時更新されている角度測定値から成り、先に説明したように判定される任意のバイアス及び/又は倍率誤差を補償するように補正される。つまり、このような誤差の補正は、動的環境においてジャイロが連続的に動作している間に実施されるのである。即ち、ジャイロの入力が変化を受ける時間中に、動的更新が行われる。
【0020】
例示の実施形態に関して、ディジタル的な実施態様では、2つの並列計器入力/チャネルWin(A)及びWin(B)からの慣性計器測定値の入力及び出力に対応するカウントすなわち数値を含んでいる。計器10は、必要な出力を処理し、実質的にリアル・タイムで出力を発生することが好ましい。
【0021】
以上、ここでは本発明の実施態様例について図面を参照して詳細に説明したが、本発明の主旨から逸脱することなく、種々の変更、追加、交換等が可能であることは当業者には明白であろう。前述の実施態様は、ジャイロスコープに関して説明したが、倍率の符号の逆転を制御可能な1対の並列加速度計にも等しく適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
慣性測定装置であって、
測定すべき慣性属性を表す第1及び第2検知出力信号をそれぞれ生成するように方位付けられた第1及び第2慣性計器であって、それぞれの検知軸が平行であり、前記第1及び第2検知出力信号を生成する際に、符号が逆転可能な第1及び第2倍率をそれぞれ用いる、第1及び第2慣性計器と、
前記第1及び第2出力信号を受信し、前記第1及び第2倍率にアクセスする手段と、
前記第1倍率と、前記第1倍率と第2倍率との間の差とに基づいて、前記第2倍率の等価値として、代用倍率を決定する手段と、
第1時間インターバル及び第2時間インターバルにおいて、第1及び第2倍率の一方の符号が、前記第1時間インターバルにおける一方の状態から前記第2時間インターバルにおける他方の状態に変化するときに、前記第1倍率及び前記代用倍率に基づいて、前記第1及び第2倍率における差を計算する手段と、
前記第1及び第2倍率の符号反転を順次交互に行い、前記第1及び第2慣性計器からの対応する出力を組み合わせて、前記第1及び第2慣性計器のバイアス誤差と、前記第1及び第2慣性計器の前記倍率の間の差とを測定する手段と、
前記第1及び第2検知出力信号のそれぞれ、並びに前記第1及び第2倍率誤差の補正に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生する補正出力信号発生手段と
を備えていることを特徴とする慣性測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の慣性測定装置において、前記補正出力信号発生手段は更に、多数の連続時間インターバルにわたる前記第1及び第2検知出力信号の測定値に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生し、前記第1及び第2検知出力信号を構成するある種の成分が互いに相殺し合うように、前記多数の連続時間間隔にわたる検知出力信号を算術的に組み合わせるよう構成されていることを特徴とする慣性測定装置。
【請求項3】
請求項1記載の慣性測定装置において、前記第1及び第2慣性計器は、前記第1及び第2出力信号を発生するためにそれぞれ第1及び第2バイアス値を用いており、前記アクセス手段が前記第1及び第2バイアス値にアクセスし、前記計算手段が、多数の連続する時間インターバル中に、前記バイアス値に基づいて前記第1及び第2バイアス値の誤差を計算し、前記補正出力信号発生手段が、前記第1及び第2バイアス値のそれぞれの誤差、並びに前記第1及び第2バイアス値誤差の補正に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生するよう構成されていることを特徴とする慣性測定装置。
【請求項4】
請求項1記載の慣性測定装置において、前記第1及び第2倍率の間の差は、
MeasA(i) = KmodeA*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti
MeasB(i) = KmodeB*(SFA+SFA*dSFB)*dTheta_in + BiasB*Ti
ただし、MeasA及びMeasBは、第1及び第2慣性計器によって得られる増分角度の測定値
KmodeA及びKmodeBは、倍率項を反転させるための+1又は1
dTheta_inは、真入力レート
BiasA及びBiasBは、第1及び第2慣性計器のバイアス
SFA及びSFBは、第1及び第2倍率
Tiは、第1及び第2慣性計器を角変位させる時間インターバル
dSFBは、SFAとSFBとの間の差
を用いて求められることを特徴とする慣性測定装置。
【請求項5】
請求項1記載の慣性測定装置において、該装置は更に、前記慣性属性の値を表す第3補正出力信号を発生する手段を備えており、前記第3出力信号は、前記第1及び第2補正出力信号の平均であることを特徴とする慣性測定装置。
【請求項6】
平行な検知軸を有するように方位付けられた第1及び第2慣性計器によって、測定すべき慣性属性を表す第1及び第2検知出力信号の誤差を補正する方法であって、
第1及び第2倍率をそれぞれ用いて、前記第1及び第2検知出力信号を生成するステップと、
前記第1及び第2出力信号を受信し、前記第1及び第2倍率にアクセスするステップと、
前記第1倍率と、前記第1及び第2倍率間の差とに基づいて、前記第2倍率の等価値として、代用倍率を決定するステップと、
第1及びその後続の時間インターバルにおいて、第1及び第2倍率の一方の符号が、前記第1時間間隔における一方の状態から連続する時間間隔における他方の状態に変化するときに、前記第1倍率及び前記代用倍率に基づいて、前記倍率における差を計算するステップと、
前記第1及び第2検知出力信号のそれぞれ、並びに前記第2倍率誤差の補正に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法もおいて、該方法は更に、
多数の連続する時間インターバルにわたる前記第1及び第2検知出力信号の測定値に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生するステップと、
前記第1及び第2検知出力信号を構成するある種の成分が互いに相殺し合うように、前記多数の連続する時間インターバルにわたる検知出力信号を算術的に組み合わせるステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法において、前記第1及び第2出力信号を発生するためにそれぞれ第1及び第2バイアス値が用いられ、前記方法は更に、
前記第1及び第2バイアス値にアクセスするステップと、
第1及び連続する時間インターバル中に、前記バイアス値に基づいて前記第1及び第2バイアス値の誤差を計算するステップと、
前記第1及び第2バイアス値のそれぞれの誤差、並びに前記第1及び第2バイアス値誤差の補正に基づいて、第1及び第2補正出力信号を発生するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、前記第2倍率の誤差は、
MeasA(i) = KmodeA*SFA*dTheta_in + BiasA*Ti
MeasB(i) = KmodeB*(SFA+SFA*dSFB)*dTheta_in + BiasB*Ti
ただし、MeasA及びMeasBは、第1及び第2慣性計器によって得られる増分角度の測定値
KmodeA及びKmodeBは、倍率項を反転させるための+1又は1
dTheta_inは、真入力レート
BiasA及びBiasBは、第1及び第2慣性計器のバイアス
SFA及びSFBは、第1及び第2倍率
Tiは、第1及び第2慣性計器を角変位させる時間インターバル
dSFBは、SFAとSFBとの間の差
を用いて求められることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、該方法は更に、前記慣性属性の値を表す第3補正出力信号を発生するステップを備えており、前記第3出力信号は、前記第1及び第2補正出力信号の平均であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−282030(P2009−282030A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121545(P2009−121545)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(501021232)ノースロップ・グラマン・ガイダンス・アンド・エレクトロニクス・カンパニー・インコーポレーテッド (7)
【住所又は居所原語表記】21240 Burbank Boulevard Woodland Hills,California 91367−6675 United States of America
【Fターム(参考)】