懸濁している粒子の情報を得る方法及び装置
懸濁された粒子の情報を得る実施例の方法及び装置が開示されている。開示されている実施例の方法は、光源から光を発する段階と、光源を第1経路及び第2経路に分割する段階と、複数の粒子を有する第1コンテナの方に第1経路を方向付ける段階であって、該複数の粒子は懸濁材料中にある、段階と、を有する。その実施例の方法はまた、粒子がない懸濁材料を有する第2コンテナの方に第2経路を方向付ける段階と、第1コンテナを通る第1経銘の第1透過値を取り出す段階と、第2コンテナを通る第2経路の第2透過値を取り出す段階と、を有する。その実施例の方法はまた、第1透過値及び第2透過値を第2コンテナ及び第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階と、第2コンテナを通る第1経路の第3透過値を取り出す段階と、第1コンテナを通る第2経路の第4透過値を取り出す段階と、所与の波長についての透過率の指示を決定するように、第3透過値及び第4透過値に対する第1透過値及び前記第2透過値の比を演算する段階と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過に基づく粒子測定に関し、特に、懸濁された粒子の情報を得る方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体中に懸濁している複数のオブジェクトの特定は典型的には、媒体からある部分の画像を取得して、顕微鏡を用いて粒子カウンタにより行われる。粒子が一様な懸濁状態に保たれていることを仮定することにより、その部分におけるオブジェクトの各々の計数された総数が、媒体中のオブジェクトの密度を表す値を推定するように用いられる。顕微鏡スケールでの自動粒子サイズ決め及び計数は、電子検知領域技術を用いたコールターカウンター(Coulter Counter)を用いて1954年に始められた。特に、測定される粒子は、電解液中に分散され、どちらかの側に電極を伴って狭いアパーチャを有する管の中を通る。狭いアパーチャは、1つの粒子が一回に電界を通過するように、粒子を制限する。粒子がアパーチャを通過するときに、対応する粒子サイズに関連する抵抗が測定される。
【0003】
コールターカウンターの後に開発された技術は、粒子を測定するのに要する時間を短縮して、光源であって、例えば単独の波長のレーザを用いる回折及び/又は散乱技術を介して粒子が測定される効率が改善された。一般に、回折技術は、粒子が入射光の影響を受けた後に、光の特徴的なシグネチャを特定する。そのような特徴的シグネチャは、粒子サイズを表すリング形状の強度パターンから導き出されることが可能であり、そのパターンにおいて、密に位置しているリングは、比較的大きいサイズを有する対応粒子を特定し、広い間隔で位置しているリングは、比較的小さいサイズを有する対応粒子を特定する。より小さいサイズを有する粒子を測定する改善された能力が認められる回折技術はその場合、コールターカウンターを介して可能である。回折測定は、20nmの直径を有する小さい粒子までの測定を可能にするが、散乱光の全てを収集できるわけではなく、それにより、分解能及び感度が制限される。散乱技術は典型的には、単独の検出器、複数の検出器又は検出器のアレイを用いるが、散乱光の一部のみを収集するのであり、そのことは得られる分解能及び/又は感度を制限する。
【0004】
粒子のサイズ及び/又は分散を決定する散乱技術は、レーザ回折、動的光散乱、角度依存性散乱を有し、その技術においては、所定波長のレーザが粒子の溶液において方向付けられ、単独の検出器、複数の検出器又は検出器のアレイが溶液から散乱される光を収集するように備えられている。散乱光を解析するその技術には、動的光散乱、角度依存性散乱、レーザ回折及びphoton cross correction spectroscopyがある。そのような技術は、単独の検出器、複数の検出器又は検出器のアレイを用い、粒子の大きさ及び/又は分布情報を導き出すように光の強度及び分布を表す情報を提供することが可能である。従って、回折/光散乱技術は、サンプル中の1つ又はそれ以上の粒子により散乱される光の全部の可能な経路の実質的な部分を失うものである。
【発明の概要】
【課題を解決しようとする手段】
【0005】
溶液(例えば、噴霧、粒子、懸濁液等)中に懸濁された材料の粒子サイズを識別することは、種々の産業における複数のアプリケーションを有している。例えば、一部の油圧機器は、加圧下で用いられる流体及び/油が異物粒子サイズ及び/又は異物粒子の密度に関連する品質基準に適合する必要がある。そのような流体及び/又は油が異物粒子密度の閾値及び/又は異物粒子サイズの閾値を上回る場合には、油圧機器への損傷が生じる、及び/又は機器オペレータに対して有害の可能性が高い安全性の心配がもたらされる。
【0006】
更に、溶液中の粒子サイズ及び/又は粒子密度を決定する産業アプリケーションには、半導体製造のための脱イオン水及び酸の品質制御並びに/若しくはシルト(silt)及び沈殿物分析等がある。更に産業アプリケーションには、生物学的粒子調査、海洋塩水サンプルの調査、化学的研磨品質制御及び仕様、生物学的細胞分析、ウィルス分析並びに/若しくはウィルス特定があるが、それらに限定されない。粒子の種類には、原子、分子、金属、酸化物、半導体及び/又は化合物があるが、それらに限定されるものではない。一般に、粒子のサイズ決め及び計数技術は、生物学(例えば、生物兵器識別)、薬学及び医薬計測の分野において特に関心がもたれている。1つ又はそれ以上の散乱に基づく技術による粒子サイズ検出は、ロバストな実行、種々の種類の粒子をサイズ決めする能力、及び市販のハードウェアを使用できることのために、産業研究担当者により用いられる典型的な方法である。しかしながら、散乱に基づく技術は、例えば、粒子組成(例えば、金属粒子、プラスチック粒子、生物学的粒子等)に基づく粒子サイズ分解能及び計測精度に関連する1つ又はそれ以上の制限を示す。更に、散乱に基づく技術は、溶液がある量の異なるサイズの粒子を有する環境下で粒子サイズを測定することに関連する制限を示す。
【0007】
本明細書で説明している方法及び装置においては、散乱に基づく技術ではなく、光透過を介する粒子サイズ測定、粒子分散測定、絶対流指数測定、及び絶対粒子密度測定を採用している。その結果、粒子サイズは、10nm又はそれ以下の小さいサイズから、3000nm又はそれ以上の大きいサイズまで測定されることが可能であり、その範囲は、一部分は、用いられる光源、検出器、及び/又は他の構成要素の関数である。それにも拘わらず、10nm程度の小さい粒子サイズを測定する能力は、散乱に基づく技術が達成することを失敗する多様な生物学的システム、例えば、ウィルス及びタンパク質の調査のための可能性を容易にする。更に、散乱に基づく技術は、確率に基づいて推測される粒子分散を特定する一方、本明細書で説明する方法及び装置は、各々の種類の粒子の相対的量ではなく、粒子の絶対数(例えば、全粒子総数)を特定する。本明細書において説明している方法及び装置はまた、粒子の長軸及び短軸に関連する情報を提供することによる粒子の特定において改善される。その結果、本明細書で説明している方法及び装置を用いる血液分析は、バクテリア、ウィルス、タンパク質及び/又は他の粒子及び細胞を特定する能力を含む、生物学的粒子サイズ、形状及び/又は計数情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】懸濁粒子情報を取得するように例示としての透過に基づく粒子測定システムを示す図である。
【図1B】懸濁粒子情報を取得するように例示としての透過に基づく粒子測定システムを示す図である。
【図2】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムにより実行されることが可能である例示としての透過測定制御器のブロック図である。
【図3】透過に基づく測定技術についてバクテリア粒子サイズに対する粒子密度の例示としてのプロットを示す図である。
【図4】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムを実施する有形機械可読命令を用いて実行されることが可能である例示としての処理を示す図である。
【図5】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムを実施する有形機械可読命令を用いて実行されることが可能である例示としての処理を示す図である。
【図6】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムを実施する有形機械可読命令を用いて実行されることが可能である例示としての処理を示す図である。
【図7A】散乱に基づく測定技術及び透過に基づく測定技術について粒子サイズに対する粒子密度の感度比較プロットを示す図である。
【図7B】動的光散乱技術と透過に基づく測定技術との間の粒子サイズに対する粒子密度の例示としての分解能比較プロットを示す図である。
【図9】透過に基づく測定技術を用いて製造業者が製造したポリスチレン球についての粒子密度対粒子直径の実施例のプロットである。
【図10】図4乃至6及び8の実施例の処理を実行することが可能である例示としてのプロセッサプラットフォーム、並びに図1A、1B、1C及び2の実施例の送信測定制御器システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aに示している実施例においては、透過性に基づく粒子測定システム100は、透過性測定制御器102と、可変波長レーザ104と、例示としての可変波長レーザ104からのソースレーザ光108をビームスプリットする及び/又は方向付ける第1ミラーアレイと、を有する。例示としての第1ミラーアレイ106は、直線状スライド110と、一部において、ビームスプリッティングを容易にする光学的に同じ溶融シリカオプティカルフラット114a、114bとを有する。例示としてのミラーアレイ106はまた、ビームダンプ116と、光学的に同じ広帯域ミラー118とを有する。任意に、ソースレーザ光108は、何れかの数の部分であって、例えば、第1波長部分120、第2波長部分122及び第3波長部分124による可変波長レーザ104から発せられることが可能である、例示としての第1波長部分120は、210nm乃至419nmの波長範囲内にある波長を有するソースレーザ光を発し、例示としての第2波長部分122は、420nm乃至709nmの波長範囲内にある波長を有するソースレーザ光を発し、例示としての第3波長部分124は、710nm乃至2300nmの波長範囲内にある波長を有するソースレーザ光を発する。例示としての可変波長レーザ光源104は3つの例示としての部分120、122、124を有するが、より多い又はより少ない出力部分を有する何れかの他の種類の可変波長光源(例えば、レーザ光源、広帯域光源等)が用いられることが可能である。例えば、レーザ光源は、210nm乃至2300nmの波長範囲内及び/又は何れかの他の波長範囲にある周波数を出力することが可能な単独の部分を用いることが可能である。レーザ光源は、10Hzの繰り返しレート及び4nsのレーザパルス幅を容易にするEkspla Optics社製のNT342/UVであることが可能である。更に、NT342/UVは、1064nm乃至2300nmの波長範囲内の波長を実現するポンプビームを用いる。
【0010】
直線状スライド110は、1つ又はそれ以上の部分120、122、124からの光を選択するように例示としての測定制御器102により制御され、スライド110における広帯域ミラー112は、2つの光学的に同じレーザビーム126a(ビームA)及び126b(ビームB)を生成するように、光学的に同じ溶融シリカオプティカルフラット114a、114bの方にレーザ光108を方向付ける。コリメータ(図示せず)は、そのビームの2つの同等な経路への分割に先だって、ビーム半径を1mmに固定するように用いられることが可能である。光学的に同等の溶融シリカオプティカルフラット114a、114bはビームスプリッタとして動作することが可能であり、第1溶融シリカオプティカルフラット114aは、45°の入射角に位置付けられて、2つの90°の部分反射を生成し、一の部分反射は、第1フラット114aの前方面(F)におけるものであり、一の部分反射は、第1フラット114aの後方面(B)におけるものであり、そして2つの90°の部分反射を生成し、一の部分反射は、例示としての第2溶融シリカオプティカルフラット114bの後方面(B)におけるものであり、一の部分反射は、第2フラット114bの前方面(F)におけるものである。それら2つのビームA 126a及びB 126bは次いで、モータにより制御される回転しているプラットフォーム130に取り付けられた回転サンプルホルダ128の方に光学的に同等な広帯域ミラー118を介して方向付けられる。残りの光は光ビームダンプ116において吸収される。代替として、ビームA 126a及びビームB 126bは、2つの別個の光源(例えば、2つのレーザ光源)により生成され、できるだけ同じような光ビーム特性を示すように調整されることが可能である。
【0011】
例示としての回転サンプルホルダ128は、サンプルA 132及びサンプルB134のために分光器コンテナ(キュベット)を保持し、それらのコンテナは、分析される材料又は脱イオン水を保持する石英コンテナとして実施されることが可能である。誤差を除き、散乱に基づく技術(例えば、動的光散乱及び/又は回折技術)に対して改善された実行結果を得るように、バランス測定技術が試験中のサンプル及び制御サンプルに適用される。誤差は、例えば、装置変動、複数の検出器特徴の違い、振幅特徴、サンプルコンテナ特性、レーザ光パワー変動、過渡振動及び/又は雰囲気変動によりもたらされる。バランス測定技術は、第1レーザビームによる試験中のサンプルを走査することと、同じレーザからもたらされる第2レーザビームにより制御サンプルを走査することと、を有する。第1レーザビーム及び第2レーザビームは、全ての波長に亘って同じパワー、寸法及び/又は偏光を有するビームを示すように例示としての測定システム100により構成され、一部の変動及び/又は不確実性が各々のレーザビーム、各々の検出器、及び/又は例示としての測定システム100が動作する何れかの他の環境条件において生じ得る。バランス測定技術は、第1レーザビームが制御サンプルに衝突し、第2レーザビームが試験中にサンプルに衝突するように、試験中のサンプル及び制御サンプルを交換することを有する。その結果、バランス測定技術は、例示としてのレーザ光源104、ミラーアレイ106、138、ビームA 126a、ビームB 126b、サンプルAのためのコンテナ132及びサンプルBのためのコンテナ134、並びに/若しくは1つ又はそれ以上の検出器であって、例えば、例示としての第1光検出器136a及び例示としての第2光検出器136bの変動のための可能性の高い不確定性を除く。
【0012】
バランス測定技術はまた、オプティカルフラット114a、114bにより分割される前に、ソースレーザ光108に1つ又はそれ以上のフィルタを適用し、それにより、対象の全ての波長においてレーザ光108の同様の信号の大きさを維持することを有することが可能である。1つ又はそれ以上のフィルタはまた、例示としての第1及び第2光検出器136a、136bの利得及び/又は効率特性と関連付けられることが可能である非線形性を最小化する。バランス測定技術により対応される他の検出器特性は、利得、効率及び/又は応答時間がビームA 126a及び/又はビームB 126bからの入射レーザパワーと同様である及び/又は関係ないように、それらの光検出器を適合させることを有する。更に、バランス測定技術は、ビームA 126aとビームB 126bとの間の透過性の違いが最小化されるように、サンプルA 132及びサンプルB 134のための2つのコンテナができるだけ同じになるように選択することを有することが可能である。バランス測定技術は、2つのコンテナの透過性における違いをなくすように、サンプルA 132及びサンプルB 134のための2つのコンテナを交換することを有することも可能である。
【0013】
バランス測定技術中の例示としての分光器コンテナ132、134の切り換えるは、180度だけ例示としてのモータにより制御される回転プラットフォーム130を回転させることにより行われることが可能である。制限なく、1つ又はそれ以上の広帯域ミラーが、各々のサンプルを静止したまま保つように、例示としてのサンプルA 132又はサンプルB 134のどちらかに衝突するように、ビームA 126a及びビームB 126bを切り換えるように用いられることが可能である。ビームA 126aに対応する第1光検出器136a及びビームB 126bに対応する第1光検出器136bにより測定が行われる。1つ又はそれ以上の交互の光検出器がレーザ波長の1つ又はそれ以上の交互の範囲を提供するように(例えば、理想的な光検出器の感度の作動範囲にうまく適合するように)用いられる場合、第2ミラーアレイ138が、第3検出器140a及び第4検出器140bの方にレーザ光出力を方向付けるように用いられることが可能である。例えば、第1及び第2光検出器136a、136bは、210nm乃至709nmの範囲内のレーザ波長に理想的に適合される及び対応するが、710nm以上のレーザ波長については低下した感度を有するシリコン光検出器であることが可能である。他方、第3及び第4光検出器140a、140bは、710nm乃至2300nmの範囲内のレーザ波長に
理想的に適合される及び対応するが、709nm以下のレーザ波長については低下した感度を有するゲルマニウム光検出器であることが可能である。例えば、ゲルマニウム検出器は典型的には、そのような波長範囲におけるシリコン検出器と比較してかなり効率が高いために、710nm乃至2300nmの範囲内の波長について用いられる。
【0014】
図示している例示としての透過性に基づく粒子測定システム100は4つの例示としての光検出器136a、136b、140a、140bを有する一方、何れかの数の光検出器が、対象の1つ又はそれ以上の特定のレーザ光波長を提供するように用いられることが可能である。各々の光検出器は、第1検出器/増幅器142a及び第2検出器/増幅器142bに通信可能に接続されていて、それらは、例示としての透過性測定制御器102に更に通信可能に接続されている。散乱に基づく測定技術と異なり、例示としての透過に基づく粒子測定システム100は、得られる透過パワーを測定するように各々の入射レーザ光経路について単独の検出器を用い、それにより、透過された光を表す、入射角0°(θ=0)とは対照的に、0°以外の角度(θ≠0)について散乱する光を捕捉するようにするための検出器アレイに対する何れかの要請を除くことができる。
【0015】
各々の選択された波長(λ)について、ビームA 126a及びビームB 126bのためのパワーは同様のパワー値PA及びPBのそれぞれを有し、また、同様の偏光値を有する。最初に、ビームA 126aは、調査中の粒子サンプルを有する例示としてのサンプルA 132に衝突し、ビームB 126bは、制御懸濁流体(例えば、脱イオン水)を有する例示としてのサンプルB 134に衝突する。両方のコンテナ132、134における透過性を実質的に同時に測定するときに、バランス測定技術により実現される少なくとも1つの有利点は、一のレーザパルスから次のレーザパルスにおける何れかのレーザパワー変動が、下で更に詳細に説明するように、1つ又はそれ以上の比の演算中に除かれることである。対応する光検出器142a、142bは、信号DAP(λ)及びDBF(λ)のそれぞれを生成するように、各々のサンプル132、134を通った後の透過した光を受け入れる。DAP(λ)は、波長(λ)における懸濁材料(例えば、懸濁流体、気体等)を伴う粒子サンプルを透過したビームA 126aによる第1検出器142aからの信号を表し、DBP(λ)は、波長(λ)における懸濁材料を透過したビームB 126bによる第2検出器142bからの信号を表わす。ソース波長(λ)はステップ値(例えば、1nm)だけ変えられ、粒子サンプル及び懸濁流体を透過する透過パワーのもう一つの測定はDAP(λ+Δ)及びDBP(λ+Δ)として得られる。レーザの波長を設定し、各々の経路において測定を行い、ステップ値だけレーザ波長を変える処理は、開始波長(λSTART)、終了波長(λFINISH)及び波長ステップの大きさに基づいて、何れかの数の繰り返しについて行われる。
【0016】
上記のように、誤差を除くように、例示としての透過に基づく測定システム100は、第1の一連の走査レーザ波長(第1掃引)の後の180°の回転を介して、例示としてのサンプルA 132及びサンプルB 134の位置を交換するバランス測定技術を用いる。その結果、例示としてのサンプルA 132に衝突するビームA 126aに代えて、ビームA 126aがここで、第2の一連の走査レーザ波長(第2掃引)中に例示としてのサンプルBに衝突する。同様に、例示としてのサンプルB134も衝突するビームB126bに代えて、ビームB126bがここで、第2掃引中に例示としてのサンプルA132に衝突する。そのようなバランス測定技術を実行することにより、例示としての透過性測定制御器102により演算されたデータに対する1つ又はそれ以上の有利点が得られる。例えば、バランス測定技術は、例示としての透過測定制御器102が、サンプル中のオブジェクトの数及び/又は相対的数(動的光散乱技術を用いるときに得られる結果を示す)の予測ではなく、試験中のサンプル中に存在するオブジェクトの絶対数を演算するようにする。更に、バランス測定技術により与えられた改善された正確さは、透過測定制御器102が検出される非球状粒子についての長軸及び短軸を演算することを可能にする。換言すれば、一つには、ビームA126a及びビームB126bによる第1掃引中に各々のコンテナを走査し、次いで反対のコンテナに衝突する各々のビームによる第2掃引中にその走査を繰り返すことにより、対応する動的範囲及び例示としての透過測定制御器102の感度は、散乱に基づく技術の感度に対して改善される。
【0017】
バランス測定技術は、図1Aの例示としての透過に基づく測定システム100の潜在的な誤差の1つ又はそれ以上の原因に対処することができる。例えば、例示としてのレーザ光源104(又は、図1B及び1Cに関連付けて下で説明する広帯域光源)による光源変動(例えば、パワー変動)の場合、例示としてのバランス測定技術は、得られた粒子測定データのそのような変動の影響を無効にする及び/又は最小化することが可能である。更に、単独のレーザ光源が例示としての透過に基づく測定システム100において用いられるために、何れかの時間に基づくパワー変動(及び/又は他の変動)が、例示としてのバランス測定技術(例えば、比のキャンセル)を介して変動のキャンセルを可能にするように各々の検出器において実質的に同時に検出されることが可能である。バランス測定技術と関連して改善された結果に寄与することが可能である他の因子は、ビームA126aとビームB126bとの間の特定の一貫性を保証することを有するが、それに限定されるものではない。特定の一貫性は、ビームA126aがビームB126bと実質的に同じ経路長を有することを保証すること、ビームA126aがビームB126bと実質的に同じ減衰特性を有することを保証すること、ビームA126aがビームB126bと実質的に同じパワー特性を有することを保証すること、及び/又はビームA126a及びビームB126bが実質的に同じ偏光特性を有することを保証することを有する。
【0018】
図1Bは、他の例示としての透過に基づく粒子測定システム150を示している。図1Bに示している実施例においては、広帯域光源152は、試験中のサンプル156及び制御サンプル158において方向付けられる入射光ビーム154a、154bのそれぞれを提供する。各々の入射光ビーム154a、154bは、光学的アレイ及び/又は光ファイバスプリッタのような何れかの様式で実行されることが可能であるが、それに限定されるものではない。試験中の例示としてのサンプル156は、上記のように、測定される粒子を保持する及び/又は制御サンプルを保持するコンテナ、るつぼ及び/又は他の光学的に透過性のコンテナを有することが可能である。同様に、制御サンプル158は懸濁流体を保持することが可能であり、試験中のサンプル156及び制御サンプル158は、例えば、180°サンプルホルダを回転することにより入れ替えられることが可能である。例示としてのホルダの回転は、例示としての分光測定器(OS)及び/又はスペクトル分析器162aは、所定の1つ又はそれ以上の波長(例えば、所定の波長の掃引)について透過ビーム164aを走査し、例示としてのOS(及び/又はスペクトル分析器)162bは、所定の1つ又はそれ以上の波長において実質的に同時に透過ビーム164bを走査する。図1Bの例示としての透過に基づく粒子測定システム150は本明細書で説明している同じ測定原理を用いるが、図1Aに関連付けて説明している可変レーザ104ではなく、何れかの好ましい波長数のための広帯域(例えば、赤外線領域、紫外線領域等)光源を用い、粒子測定アクティビティを可搬型で存在させることを可能にする。更に、一の波長及び他の波長を区別するように、図1Bの例示としての透過に基づく粒子測定システムは、Ocean Optics社製のHR4000CG−UV−NIRのような分光器162a、162bを用いる。ここで説明している方法及び装置は、図1Aの実施例に焦点を当てているが、そのような記載は、例示であって、それに限定されるものではない。
【0019】
図1Cは、他の例示としての透過に基づく粒子測定システム175を示している。図1Cに示している実施例は、図1Bに示しているシステムと実質的に同様であり、同様の要素は同様の参照番号を有している。図1Cに示している実施例においては、広帯域光源152は、試験中のサンプル156において方向付けられる入射光ビーム154を提供する。例示としての広帯域光源152は、高い安定性を有する安定化固体光源及び/又は他の広帯域光源を有することが可能であるが、それに限定されるものではない。例示としての試験中のサンプル156は、上記のように、測定するように粒子を保持し、制御サンプルを保持するコンテナ、るつぼ及び/又は他の光学的に透過性のコンテナを有することが可能である。制御サンプル158は懸濁流体を保持することが可能であり、試験中のサンプル156及び制御サンプル158は、例えば、180°サンプルホルダ160を回転させることにより入れ替えられることが可能である。例示としてのOS162が所定の1つ又はそれ以上の波長(例えば、所定の波長の掃引)について透過ビームを走査した後に、例示としてのホルダ160の回転が行われることが可能である。作動中、波長に対する透過の測定は先ず、試験サンプルにおける粒子について実行され、次いで、そのサンプルは、サンプルを透過する波長に対する透過を測定する目的で、例示としてのホルダ160を移動させる又は回転されることにより入れ替えさせられる。
【0020】
図2は、例示としての透過測定制御器102を更に詳細に示している。図2に示している実施例においては、透過測定制御器102は、レーザ制御器202,サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、及びプロファイルデータベース212に通信可能に接続されたプロファイルマネージャ210を有する。図1Bの例示としての透過に基づく粒子測定システム150が用いられる例示としての環境においては、光源制御器は、それに代えて、例示としてのOS162及び広帯域光源152についての制御器であることが可能である。例示としての演算エンジン208は、実験消衰計数エンジン214、理論断面エンジン216及び反転エンジン218を有する。作動中、例示としての光源制御器202は、例示としての可変波長レーザ104についての波長パラメータ及び/又はソースレーザ光108の他の特徴を設定する。例えば、出力波長を設定することに加えて、光源制御器202は、出力パワー、偏光及び/又は例示としての可変波長レーザ104についてのパルス幅を設定することが可能である。
【0021】
例示としてのプラットフォーム制御器204は、図1Aに示している例示としてのモータにより制御される回転プラットフォーム130についての回転角を制御する。上記のように、何れかの試験中の所与のサンプルがビームA126aからビームB126bに又はその逆に移動されるようになっている場合、例示としてのプラットフォーム制御器204は、試験サンプルを制御サンプルと交換するように1つ又はそれ以上のモータを連結している。例示としての検出器インタフェース206は、1つ又はそれ以上の検出器振幅器142a、142bについて条件設定する信号を供給する。更に、1つ又はそれ以上の検出器が適合された増幅器を用いない場合、例示としての検出器インタフェース206は検出器入力を直接受け入れる。
【0022】
例示としての演算エンジン208は、所定の各々のサンプルが例示としての可変波長レーザ104により1回又はそれ以上走査された後に、収集された測定データを用いて1回又はそれ以上の演算を容易に行う。上記のように、可変波長レーザ104は、開始波長(λSTART)においてレーザエネルギーのビームを発し、ある時間期間存在し、1つ又はそれ以上の検出器136a、136b、140a、140bが透過測定を得るように、及び他の測定についてのステップの大きさによりレーザ波長(λ)を高くするように、レーザ制御器202により制御される。この処理は、終了波長(λFINISH)に達する(第1掃引)まで繰り返される。例示としてのコンテナ132、134を切り換えた後に、又は反対のコンテナに衝突するようにビームA126a及びビームB126bを切り換えた(それにより、コンテナが静止したまま保たれるように)後には、(λSTART)から(λFINISH)への掃引(第2掃引)が、バランス測定技術の一部として繰り返される。制御されたデータ(即ち、第1掃引及び第2掃引)は、試験中のサンプルにおける1つ又はそれ以上の粒子サイズ、各々のサイズの粒子の絶対数(計測)、検出された粒子の1つ又はそれ以上の幾何学的表示(例えば、長軸、短軸等)、試験中のサンプルの粒子密度値及び/又は試験中のサンプルの粒子サイズ分布を決定するように例示としての演算エンジン208により処理される。
【0023】
試験中のサンプルにおける1つ又はそれ以上の粒子サイズを決定するように、及び/又は試験中のサンプルの粒子密度及び/又は粒子計数値を決定するように、例示としての演算エンジン208は、波長の関数として消衰計数を演算するように実験消衰計数エンジン214を用いる。特に、サンプルにおける透過は、全消衰断面σ(λ)に更に関連する粒子サイズ及び密度の関数である。透過と対応する波長との間の関係は粒子サイズに関連する情報を提供することができる一方、例示としての理論断面エンジン216は、反転エンジン218を介して数学的反転に組み合わされて適合されるとき、改善された感度及び分解能を得るように用いられる。例示としての理論断面エンジン216は、粒子による光透過のサイズ依存性を明らかにするMie技術を用いることが可能であり、球状粒子による電磁放射線の透過についてのマックスウェル方程式の完全な解析解を有する。更に又は代替として、例示としての理論断面エンジン216は、ディスクリートダイポール法及び有限要素法を含む他の理論的技術を用いることが可能であるが、それらに限定されるものではない。最初の仮定は各々の粒子が球状形状を有することである一方、Mie理論は、二つ以上の寸法(例えば、円柱形の長さ及び/又は直径、非球状粒子等)を有する形状を説明するように用いられることが可能である。試験中の粒子が1つ又はそれ以上の寸法を有する環境においては、それらの寸法について別個の値が検出され、それにより、試験中のサンプルについて1つ又はそれ以上の幾何学的特性を示すことができる。一般に、消衰係数(例えば、第1パラメータ)は消衰断面(例えば、第2パラメータ)と粒子密度(例えば、第3パラメータ)との積に等しい。従って、2つのパラメータの導出及び/又は演算は欠損パラメータをもたらす可能性がある。
【0024】
代替のモデリングが、例示としてのプロファイルデータベース22に記憶される及び/又はそのプロファイルデータベースから呼び出されることが可能であるシグネチャパターンの1つ又はそれ以上のライブラリを構築するように、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218に適用されることが可能である。一般に、球状粒子形状の仮定は、溶液中の粒子サイズ及び/又は粒子分布を正確に特定することが可能である一方、1つ又はそれ以上のプロファイルは、複数の粒子の種類を特定するように用いられることが可能である。例えば、脱脂乳及び/又は全乳におけるミルクコロイドの粒子サイズは、球状モデルを用いることにより動的光散乱技術に比べて5倍高い分解能で確認されている。他方、大腸菌バクテリア及びバクテリオファージは、直径及び長さを有する円柱形として良好にモデリングされる。例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150及び/又は175が用いられるために、生物学的系、ウィルス及び/又はタンパク質についての益々増加する数のシグネチャが、例示としてのプロファイルデータベース212に1つ又はそれ以上のプロファイルとして記憶されることが可能である。例えば、図3に示されている実施例のプロット300は、初期段階及びバクテリアの増殖が起こった次の段階における大腸菌バクテリアについて示している。
【0025】
消衰係数、消衰断面及び粒子密度間の関係を更に構築して、1つ又はそれ以上の代替の技術が、試験中のサンプルに関連付けられる欠損データを判定するように適用されることが可能である。他の実施例においては、消衰係数は、測定を介して得られ、対応する消衰断面を決定するMie理論を適用することに代えて、例示としてのプロファイルデータベース212は、既知の屈折率を有する既知のウィルス、バクテリア、粒子及び/又は既知の形状を有する粒子について消衰断面を得るように問い合わせされることが可能である。 測定された消衰係数、及び例示としてのプロファイルデータベース212から得られる消衰断面に基づいて、試験中のサンプルの対応する粒子密度を得るように反転が適用されることが可能である。
【0026】
他の実施例においては、試験中のサンプルが既知の粒子密度を有する場合には、対応する消衰断面は、消衰係数を得るように試験中のサンプルを測定し、次いで既知の粒子密度によりそれらを除算することによるMie技術を適用することなく、決定されることが可能である。制限を伴わずに、この処理は、各々の粒子の種類についての波長の関数として消衰断面値の例示としてのよりロバストな(例えば、プロファイルデータベース212に記憶されている)ライブラリに構築するように何れかの回数繰り返されることが可能である。更に、試験中のサンプルが既知の形状及び密度を有する状況下では、試験中のサンプルの対応する屈折率及び/又は誘電率は、消衰係数についてサンプルを測定し、次いで既知の形状及び密度でそれらを除算することにより(波長の関数として)決定されることが可能である。
【0027】
図1A、1B、1C及び2における例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150、175及び透過測定制御器102は、溶液中に懸濁された材料の粒子サイズ及び粒子密度を特定するように示されている一方、図1A、1B、1C及び2に示している要素及び/又は装置の1つ又はそれ以上は、何れかの他の方法において組み合わされる、分割される、再構成される、省略される、除外される及び/又は実施されることが可能である。更に、図1A、1B、1C及び2における例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162、162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアにより実施されることが可能である。従って、例えば、例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線状スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162、162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218の何れかは、1つ又はそれ以上の回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)及び/又はFPLD(Field Programmable Logic Device)
等により実施されることが可能である。同時提出の特許請求の範囲における何れかが純粋なソフトウェア及び/又はファームウェアの実施するように読まれるとき、例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218の少なくとも1つはここで、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形媒体であって、例えば、メモリ、DVD、CD等を含むように明確に規定される。更に、図1A、1B、1C及び2における例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218は、図1A、1B、1C及び2に示されている要素、処理及び/又は装置に付加して、又はそれらに代わる1つ又はそれ以上の要素、処理及び/又は装置を有することが可能であり、及び/又は示している要素、処理及び装置の何れかのうちの2つ以上又は全てを有することが可能である。
【0028】
図4乃至6及び8は、図1A、1B、1C及び2の例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150、175及び/又は例示としての透過測定制御器102を実施するように実行されることが可能である例示としての処理を示している。図4乃至6及び8の例示としての実施例は、プロセッサ、制御器及び/又は何れかの他の適切な処理装置により実行されることが可能である。例えば、図4乃至6及び8の例示としての処理は、機械可読命令又はデータ構造の形でプログラムコード及び/又は命令を担持又は記憶するように用いられることが可能であり、並びにプロセッサ、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、又はプロセッサを有する他の機械(例えば、図10に関連して下で説明する例示としてのプロセッサプラットフォームP100)によりアクセスされることが可能である、例えば、フラッシュメモリ、CD、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消却プログラム可能型読取専用メモリ(EEPROM)、光記憶ディスク、光記憶装置、磁気記憶ディスク、磁気記憶装置、及び/又は何れかの他の媒体に記憶されているコード化された命令において実施されることが可能である。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。機械可読命令は、例えば、プロセッサ、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又は1つ又はそれ以上の特定処理を実施する特殊目的処理機械を有する。代替として、図4乃至6及び8の例示としての処理の一部又は全てが、ASIC、PLD、FPLD、ディスクリート論理、ハードウェア、ファームウェア等の何れかの組み合わせを用いて実行されることが可能である。また、図4乃至6及び8の例示としての処理の1つ又はそれ以上の動作は、それに代えて、上記の技術の何れかの組み合わせ、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、ディスクリート論理及び/又はハードウェアの何れかの組み合わせとして、若しくは手動で実行されることが可能である。更に、図4乃至6及び8の例示としての動作を実施する多くの他の方法を採用することが可能である。例えば、ブロックの実行順序が変更されることが可能であり、及び/又は上記のブロックの1つ又はそれ以上が、変更される、削除される、副分割される又は結合されることが可能である。更に、図4乃至6及び8の例示としての処理の何れか又は全てが、連続的に実行されることが可能である、及び/又は、例えば、別個の処理スレッド、プロセッサ、装置、ディスクリート論理、回路等により並列に実行されることが可能である。
【0029】
図4の例示としての処理400は、調査中の粒子サンプルからのサンプル測定及び制御サンプルからのサンプル測定の検索から開始する(ブロック402)。上記のように、バランス測定技術を介して得られたデータの2つの集合(即ち、粒子サンプルについての一の集合、制御サンプルについての一の集合、及び交互のビームの繰り返し)を比較することにより、検出器特性、増幅器特定及び/又はコンテナ特性における何れかの差が除かれることが可能であり、それにより、ノイズレベル以上を区別することができる最小信号の測定を改善し(感度)、観測可能な詳細についての指標を改善する(分解能)ことが可能である。更に、粒子サンプルを制御サンプルと比較することにより、透過特性に関する懸濁流体の何れかの影響が除かれることが可能である。波長の関数として全消衰係数α(λ)を演算するように、例示としての実験消衰エンジン214は、粒子サンプルと制御サンプルとの間の非を演算する(ブロック404)。理論断面エンジン216は、粒子サンプル内の粒子による光透過の1つ又はそれ以上のサイズ依存性を明らかにするように、Mie技術、他の理論的技術及び/又は断面のデータベースを用いて散乱断面を決定するが、それらに限定されるものではない(ブロック406)。改善された感度及び分解能も、数学的反転による理論的に決定される散乱断面及び実験的に決定される昇汞計数を用いることにより実現される(ブロック408)。数学的反転は、次式1に示すように、フレドホルム(Fredholm)積分方程式を有することが可能であるが、それに限定されるものではない。
【0030】
【数1】
示している例示としての式1においては、本明細書で説明している透過技術に適用されるときには、I(λ)は、はちょう(λ)の関数としての消衰係数α(λ)を表し、f(r)は、粒子半径の関数としての粒子サイズ分布を表す。カーネルK(λ,r)は、波長(λ)及び半径(r)の関数としての理論消衰断面である。波長の関数としての複素屈折率はカーネルK(λ,r)の演算に対する入力である。rMIN、rMAX及びdrの各々は、粒子サイズ分布の分解能(resolution)に影響を与える分解能(resolution)パラメータと本明細書では称している。表現K(λ,r)は、それが所定の全ての粒子サイズ及び散乱光の全ての波長についての全ての可能な理論消衰断面を含むために、反転カーネル関数とときどき称される。粒子サイズ及び計数情報を得るように、粒子サイズ分布(PSD)は、f(r)を用いて表される式1により決定される。一般に、実験消衰係数エンジン214はI(λ)の演算を容易にし、理論断面エンジン216はK(λ,r)の演算を容易にし、PSDは、例えば、ラプラス(Laplace)変換、フーリエ(Fourier)変換及び/又は行列変換技術等の数学的変換として解が得られる。
【0031】
反転精度は、rMIN、rMAX及びdrのような選択された分解能パラメータにより影響され得る。反転中に選択された分解能が低過ぎる場合には、サンプル測定からの情報は失われ得る。例えば、消衰係数I(λ)は、反転から抽出されるものに比べて、より多くの情報を含んでいる。他方、反転中に選択された分解能が高過ぎる場合には、より少ない実際のピークが存在すべきところを、複数ピークのような数値アーティファクトがもたらされ得る。この例示としての状況下で、I(λ)は、その分解能を達成するのに必要な必須情報を含まず、実質的な誤差がもたらされ得る。例示としての式1は、無限に小さくなり得るステップサイズdrを有する積分形式を表す一方、実際の値を用いて数値的に演算する式1は、rMAXからrMINを減算されたものを全てのポイント数で除算された分解能Δrを反映する。例えば、1nmのrMINから1001nmのrMAXまで1000ポイントの範囲については、対応する分解能Δrは1nmである。
【0032】
分解能パラメータの選択は、経験則の、例示としてのプロファイルマネージャ210からの入力に基づくことが可能であり、及び/又は試験中のサンプル中にあると見込まれる粒子の種類に基づくことが可能である。例えば、複数のサイズの粒子が存在する場合、反転分解能は変えられる必要があり得る。例えば、実験データの分解能の倍数(λSTEP)又は波長ステップサイズに対する反転分解能Δr又は粒子直径ステップサイズの設定は、スプリアス反転ピークを除去することが可能である。この倍数は2倍であることが可能である。サイズについての粒子均一性が存在する場合を含む他の状況下では、反転分解能のリセットも示され得る。
【0033】
図5の例示としての処理402は、調査中の粒子サンプルからサンプル測定値を、並びに純粋及び/又は脱イオン水のような制御サンプルからのサンプル測定値を引き出す。図5に示す実施例においては、透過測定制御器102は、開始レーザ波長(λSTART)、終了レーザ波長(λFINISH)、波長ステップサイズ(λSTEP)及び各々のステップの滞留時間を特定する(ブロック502)。そのような設定は、図2に示している例示としてのプロファイルマネージャ210等のプロファイルに記憶されることが可能であり、及び/又は1つ又はそれ以上のレーザ制御設定はユーザにより調整されることが可能である。特定されたレーザ設定は、所定の粒子サンプルの試験中に1つ又はそれ以上の一連のレーザ波長が発せられるようにするように、例示としてのレーザ制御器202に提供される(ブロック504)(例えば、第1掃引中に)。例えば、例示としてのレーザ制御器202は、好ましい滞留期間中に開始波長(λSTART)でレーザ放射線を発するように例示としての可変波長レーザ104を構成し、そして測定により、各々のコンテナ(例えば、サンプルA132及びサンプルB134)を透過したレーザ放射線が得られた後に、例示としてのレーザ制御器202は、好ましいステップサイズ(λSTEP)に基づいてレーザ波長を調整する。このレーザ発生シーケンス、滞留時間及び波長調整は、開始波長から終了波長まで繰り返される。
【0034】
例示としてのサンプルプラットフォーム制御器204は、例示としての第1ミラーアレイ106及び/又は例示としての第2ミラーアレイ138における1つ又はそれ以上の装置であって、例えば、例示としての直線的スライド110、広帯域ミラー112、118、138、溶融シリカオプティカルフラット114a、114b及び/又は例示としてのビームダンプ116の位置を制御することが可能である。例示としてのサンプルプラットフォーム制御器204は、分割されたレーザ光源エネルギーをビームA126a及びビームB126bのそれぞれを各々のサンプルに衝突させるように、回転しているサンプルホルダ128においてサンプルA132及びサンプルB134の位置を回転させることも可能である(ブロック506)。しかしながら、サンプル132、134の回転は、第1掃引が終了した後に、行われることが可能である。制限を伴わずに、例示としての第1ミラーアレイ106及び第2ミラーアレイ138は、第1掃引の後に又は各々の波長走査の間に、それにより、コンテナ132、134が静止したまま保たれるように、反対側のコンテナの方にビームA126a及びビームB126bを方向付けるように調整されることが可能である。上記のように、サンプルA132は試験中に粒子サンプルを保持することが可能である一方、サンプルB134は制御サンプル(例えば、何れの粒子材料も存在しない懸濁流体)を保持することが可能である。
【0035】
入射ビームA126a及び入射ビームB126bの各々は、レーザエネルギーがコンテナを横断するように、各々のサンプルA132及びB134に衝突する。レーザエネルギーの一部は、各々のサンプルにより吸収され、反射され及び/又は散乱される一方、ビームA126a及びビームB126bの各々からのレーザエネルギーの一部は、オリジナルの入射角(即ち、0°)で各々のコンテナを透過され、第1光検出器136a(光検出器A)及び第2光検出器136b(光検出器B)の各々に衝突する。各々の光検出器による測定値が引き出されて、DAP及びDBFとして保存され(ブロック508)、ここで、DAPは、粒子サンプル(P)における透過後に光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBFは、制御流体サンプル(F)における透過後に光検出器Bにより検出された、得られた信号を表す。終了波長(λFINISH)が到達されなかった(ブロック510)場合、例示としてのレーザ制御器202は、好ましいステップサイズだけレーザ波長(λ)をインクリメントする(ブロック512)。
【0036】
複数のレーザ発生、滞留、測定、及びレーザ波長を(λSTART)から(λFINISH)までのインクリメントの繰り返し(例えば、第1掃引)後、例示としてのサンプルプラットフォーム制御器204は、ビームA126aがサンプルB134(即ち、制御サンプル)に衝突し、且つビームB126bがサンプルA132(即ち、試験中の粒子サンプル)に衝突するように、サンプルを交換するように、モータにより制御されるサンプルホルダにエネルギー供給する(バランス測定)(ブロック514)。例示としてのレーザ制御器202は、可変波長レーザ104を開始波長(λSTART)に設定し(ブロック516)、DAP及びDBFのそれぞれを得るように光検出器A136a及び光検出器B136bから測定値が得られる(ブロック518)。ここで、DAPは、制御流体サンプル(F)134における透過後に光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBFは、粒子サンプル(P)における透過後に光検出器Bにより検出された、得られた信号を表す。例示としての可変波長レーザ104に対する付加的調整が(λSTART)から(λFINISH)までの1つ又はそれ以上のステップ中に必要とされる(ブロック520)場合には、例示としてのレーザ制御器202は、その調整行い、発生されたレーザ光の波長をステップサイズだけインクリメントする(ブロック522)。
【0037】
図6の例示としての処理404においては、実験消衰係数エンジン214は、ビームA126a及びビームB126bについて流体信号に対する粒子信号の第1比を演算する。上記のように、例示としての可変波長レーザ104の出力108は、同様のパワーPA及びPB並びに同様の偏光値を有する2つのビームに分割される。試験サンプルの透過の測定に先だって、下で説明する全測定処理及び比演算は、システム100、150、175がバランスを取られたことを保証するように、サンプルを用いずに及び同じ複数のサンプルを用いて実行される。各々のコンテナを透過した入力光パワーのそれらの部分は、次の式2及び3により表される。
DAP(λ)=εA(λ)TP(λ)TF(λ)PA(λ) 式2
DBF(λ)=εB(λ)TF(λ)PB(λ) 式3
示している例示としての式2及び式3においては、DAPは、粒子サンプル(P)(試験サンプル)における透過後の光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBFは、懸濁流体サンプル(F)(制御サンプル)における透過後の光検出器Bにより検出された、得られた信号を表し、εAは光検出器A136aの効率を表し、εBは光検出器B136bの効率を表し、TP(λ)は、所与の波長における粒子により透過された入力光パワーの部分を表し、そしてTF(λ)は、所与の波長における懸濁流体により透過された入力光パワーの部分を表す。上記のように、粒子サンプル(P)コンテナ及び懸濁流体(P)コンテナは、それらの透過における測定の集合が得られるように交換される(バランス測定)。式2及び3と同様に、粒子サンプル(P)及び懸濁流体(P)を透過した入力光パワーの部分は次式4及び5により表される。
DAF(λ)=εA(λ)TF(λ)PA(λ) 式4
DBF(λ)=εB(λ)TP(λ)TF(λ)PB(λ) 式5
示している例示としての式4及び式5においては、DAFは、懸濁流体サンプル(F)(制御サンプル)における透過後の光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBPは、粒子サンプル(P)における透過後の光検出器Bにより検出された、得られた信号を表す。例示としての実験消衰係数エンジン214は、ビームA及びビームBのそれぞれについての懸濁流体信号に対する粒子信号の第1比を演算する(ブロック602)。同様に、波長の全範囲が、(λSTART)から(λFINISH)まで走査された後に、例示としての実験消衰計数エンジン214は、ビームA及びビームBのそれぞれについての粒子信号に対する懸濁流体信号の第2比を演算する(ブロック604)。バランス測地による波長の第1掃引及び波長の第2掃引の結果としての式2、3、4及び5からの4つの信号は、次式6に示すように、比R(λ)を演算するように用いられる。
【0038】
【数2】
粒子サンプル132内の粒子による透過性対波長TP(λ)は、次式7に示すように演算されることが可能である(ブロック606)。
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
示している例示としての式8においては、α(λ)は消衰係数を表し、lはサンプルを通る経路長(即ち、粒子の溶液(材料)を透過する光の長さであって、コンテナの幅ではない)を表している。例示としての式8は、各々の波長における消衰係数の実験値を演算するように用いられる。理論上は、粒子による消衰係数対波長α(λ)は、次式9により粒子の種類iの全理論散乱断面σi(λ)に関連する。
α(λ)=Σjσj(λ)nj 式9
示している例示としての式9においては、njは、種類jの単位体積当たりの粒子数であり、総和Σjは全体的な複数の粒子種類に亘っている。式8は、各々の波長についてのデータから消衰係数を演算することを示している。式9は、各々の種類jの単位体積nj当たりの粒子数を得るように反転される。粒子サイズが連続的に存在する場合、消衰係数は、例示としての次式9bで示すように表され、ここで、n(r)は粒子サイズ分布である。
α(λ)=∫σ(λ,r)n(r)dr 式9b
図4を再び参照するに、例示としての理論断面エンジン216は、試験中に粒子サンプルの全断面をモデリングするデータベース及び/又はMie理論のような1つ又はそれ以上の理論技術を用いる(ブロック406)。一般に、Mie理論は、球状粒子による電磁放射線を散乱することについてのマックスウェル方程式の完全解析解である。Mie理論技術は典型的には、入射レーザの波長に対する粒子直径の比が一桁のオーダーであるときに、最適な結果を伴って実行される一方、本明細書で説明している方法及び装置は、一つには、ある波長範囲を用いることにより、調査中の粒子の長軸及び短軸を決定するように用いられる。レーザ波長(λ)が固定され、散乱角(θ)が変更される、又は散乱光が0以外の1つ又はそれ以上の所定の角度で測定される、散乱を用いる粒子サイズ決め技術と異なり、本明細書で説明している方法及び装置は、レーザ波長(λ)が変えられ、透過光が入射光方向に対して0°に固定された角度(θ)で測定される、レーザエネルギーの透過挙動を用いる。上記のように、レーザエネルギーの透過のモニタリングは、散乱技術を用いるときに典型的に必要とされるフォトダイオードアレイではなく、各々の入射レーザビーム(即ち、入射光方向に対する角度0°)のための単独のフォトダイオードを用いることにより、サイズ、密度、計数及び/又は形状の決定を改善することができる。一般に、散乱技術は、散乱光の全てが捕捉される訳ではないが、透過光信号は常に、散乱光の全てに対して感応性を有する。透過光信号は最終的には、全ての方向に散乱される光の関数であるが、動的光散乱及び回折を含む散乱技術は、散乱光の一部のみを検出する。一般に、複数の付加的なフォトダイオードが、より多くの散乱光を捕捉するように、測定システムに付加されるために、測定データにおける対応する不確実性が累積され、それにより、何れかの得られる感度及び/又は分解能を低下させ得る。複数の波長及び0°の散乱角における光透過検出に対してMie理論技術を適用することにより、波長σ(λ,r)に対する理論消衰断面が、次式10に示すように、Mie係数を先ず、演算することにより、各々の粒子直径に対して得られる。
【0041】
【数5】
示している例示としての式10においては、an及びbnはMie係数であり、消衰断面σ(λ,r)は、式10に示しているように規定されることが可能である。式10においては、k=2π/λである。
【0042】
一部の実施例においては、Mie演算は、Warren J.WiscombeによるMIEV0のような1つ又はそれ以上のアプリケーションとしての理論断面エンジン216により実行されることが可能であり、Mie演算の1つ又はそれ以上のグラフィカル出力が、入射レーザ光の波長が対応する粒子直径のサイズと同じである又は略同じである、一般粒子サイズの傾向及び/又は場合を例示するように、理論断面エンジン216により実行されることが可能である。一般に、プロットされたMie演算は、粒子サイズに依存する主振動挙動、副振動挙動、ピーク及び/又は谷、周囲の媒体(例えば、流体、気体、スプレイ等)の屈折率及び/又は粒子の屈折率について説明する。更に、比較的小さい振動リップルが、透過レーザ光路が互いに干渉するときに生じ得る。一部の光エネルギーが、経路P0に沿った内部反射を伴わずに各々の粒子を透過し、一部の光が、P0と同じ方向に出る粒子における内部反射の後に、各々の粒子を透過するために、リップルが発生し得る。従って、2つ以上のPnが存在し得、P0経路と何れかの数のPn経路との間で観測される干渉がもたらされ得、それにより、プロットされるときに、消衰断面σ(λ,r)におけるリップルとして現れ得る。
【0043】
上記のバランシング技術を用いずに得られたデータを用いて、サイズの関数として粒子密度を推測するMie演算を用いることは、一般粒子サイズの1つ又はそれ以上の表示を提供し得るが、そのような結果のみでは、適切な分解能、感度及び/又は絶体密度情報を用いる試験中にサンプル内の粒子サイズの範囲及び/又は各々の粒子サイズの密度を明らかにすることはできない。換言すれば、適切なバランシング技術を伴わずに得られるデータを用いるMie演算のみからの結果は、粒子サイズ、形状の適切な特定、及び/又は粒子種類(例えば、ウィルス、バクテリア、タンパク質等)を特定する能力を可能にする結果を提供する能力に限定され得る。本明細書で説明している方法及び装置においては、試験中にサンプル内に存在し得る何れかの数の粒子サイズの演算を可能にするように、バランス測定技術、Mie演算結果及び調整された数学的反転を用い、結果的に得られるサイズは、散乱に基づく粒子サイズ決め技術に比べてかなり良好である分解能を有する。更に一つには、バランス測定技術のために、本明細書で説明している方法及び装置は、散乱(例えば、動的光散乱)に基づく方法により与えられるオブジェクトの相対的数と異なり、試験中のサンプル中の絶体数を明らかにすることができる。更に、バランス測定技術は、試験中のサンプルにおける複数のサイズを区別する能力及び非球状粒子の長軸及び短軸を特定する能力を容易化する。バランス測定は、動的範囲を改善し、図7Aに示しているように、動的光散乱に基づく方法に比べて約百万倍高い感度と、図7Bに示しているように、動的光散乱に基づく方法により得られる結果に比べて約5倍高い分解能とをもたらすことができる。
【0044】
示している例示としての図7Aにおいては、技術比較プロット700は、動的光散乱技術(破線702)の能力と、本明細書で説明している透過に基づく方法及び装置(図7Aの丸印を参照されたい)の能力を明らかにするようにが示されている。図7Aの例示としてのプロットは、1ml当たりの粒子密度についてy軸704に、nmを単位とする粒子サイズについてx軸706に示している。動的光散乱による結果は、1ml当たり約109個の粒子の下側閾値において粒子濃度を特徴付ける能力を示す一方、本明細書に記載している透過に基づく方法及び装置は、1ml当たり約103個の粒子と同程度の感度を示している。更に、プロット700は、金粒子708、大腸菌粒子710、比較的低い濃度のウィルス粒子712及びポリスチレン粒子714を検出する透過に基づく方法及び装置の成功裏の適用について示している。本明細書で記載している方法及び装置においては、大きさ、密度、計数及び/又は存在し得る粒子の形状を明らかにするように、ある波長範囲において試験中に粒子サンプルを解析する。
【0045】
示している例示としての図7Bにおいては、他の技術比較プロット750が、動的光散乱技術の分解能に関する能力(上方プロット752)及び本明細書で説明している透過に基づく方法及び装置(下方プロット754)に関する能力を明らかにするように示されている。例示としての動的光散乱技術752及び透過に基づく方法754は、透過に基づく方法754の分解能能力に対する改善を更に明らかにするように、同様のx軸756を共有している。例えば、ミルクのタンパク質の単独の球状のカゼインミセルについて、透過に基づく方法754を用いた後に導き出されたピーク760より約5倍広い動的光散乱技術を用いたピーク758として示されている。その結果、懸濁粒子情報を得るための透過に基づく技術に関連して本明細書で説明している方法及び装置は、動的光散乱技術を用いるときに明らかにされることのない程度の詳細について示すことが可能である。図7Bの例示としてのプロット752、754はまた、動的光散乱に対する透過に基づく技術の相対感度改善を示している。特に、2.5x10−16nm(762)の密度を有するミルクタンパク質の球状カゼインミセルのピーク760は、1.3x10−8体積%(764)に略相当し、故に、約百万倍の感度因子の改善を示している。
【0046】
図8の例示としての処理408は、例示としてのプロファイルマネージャ210において有効である何れかの数の空間モデルからの空間粒子サイズモデル(ブロック802)の選択から開始している。一部の状況下では、試験中の粒子サンプルに存在している粒子の一般的種類については認識されているが、そのサンプル中に存在する粒子の特定のサイズ及び/又は密度については認識されていない。例えば、製造業者により試験中の粒子サンプルがポリスチレン球を含んでいることが知らされている場合、球状空間モデルが選択される(ブロック804)。他方、試験中の粒子サンプルに存在する粒子の一般的種類が認識されていない場合、球状空間モデルは、存在する粒子の長軸及び短軸を示す結果を提供することが可能であるために、適切な開始ポイントになり得る。例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150、175は異なる種類の粒子が用いられることが可能であるため、例示としてのプロファイルマネージャ210は、異なる粒子種類の特徴的な空間シグネチャパターンを記憶することが可能である。各々のウィルス、バクテリア及び/又は製造粒子(例えば、研磨粒子)は、選択された空間モデル(例えば、ロッド形状モデル等)及び/又は記憶されておるデータベースモデルの助けにより後に特定されることが可能である一意の空間シグネチャ特徴を示すことが可能である。粒子の種類が球以外の何であるかが認識されている状況下では、代替の空間モデルが選択されることが可能である(ブロック806)。
【0047】
粒子は、特徴的な複素誘電率及び/又は複素屈折率も有する。試験中の粒子サンプルが、ポリスチレンと類似する誘電特性を有することが認識され、及び/又は誘電率が一般に非決定(ブロック808)の場合、ポリスチレンに関連付けられる誘電モデルは、粒子のベースライン測定を確立するように選択されることが可能である(ブロック810)。しかしながら、試験中のサンプルにおける粒子が、代替の誘電的値を有することが一般に認識されている場合、試験中の粒子に更に類似する代替の誘電モデルが選択されることが可能である(ブロック812)。粒子種類の主なカテゴリには、生物学的粒子、金属及び/又は酸化物がある。
【0048】
例示としての反転エンジン218は、試験中の粒子の屈折率及び/又は誘電率に基づいて、反転カーネル関数K(λ,r)に対して例示としての理論断面エンジン216により生成された理論的結果を割り当て(ブロック814)、例示としての実験消衰係数エンジン214により生成された実験結果は、各々の走査波長(λ)においてフレドホルム(Fredholm)積分関数I(λ)に割り当てられる(ブロック816)。半径rの関数としての粒子サイズ分布n(r)はf(r)で表される。反転は、サイズ決め及び密度情報を含む反転によりf(r)について解を得ることができる(例えば、式1)(ブロック818)。ディスクリート形式で、n(r)は要素(j)を有する列ベクトルで表され、列ベクトルの各々の要素は粒子密度である。この列ベクトルのインデックスfは粒子の半径及び/又は種類である。代替として、反転カーネル関数K(λ,r)はixj行列で表され、ここで、iインデックスは散乱波長であり、jインデックスは粒子種類及び/又は粒子種類である。従って、(i,j)行列要素は、光の波長iにおける粒子サイズ及び/又は粒子種類jの消衰断面のことをいう。
【0049】
反転カーネル関数K(λ,r)は、ECSCを生成するように波長(λ)において屈折率(m)を有する球状粒子の仮想半径を用いて演算される(例えば、MIEV0.fコード等)。有効なECSCは、何れかの数の仮想半径がフレドホルム(Fredholm)積分式(例えば、式1)を解く(例えば、試験中にサンプル粒子において予測される粒子サイズの範囲について解く)ときに用いられるために、保持される。更に、f(r)は、粒子サイズ及び計測情報を含み、j要素を有する列行列として明確にされ、ここで、jの範囲は、式1に示されている積分限界により決定される、複数の要素のうちの一が例示としての行列に存在する場合、表されている行列の位置の対応する粒子サイズを有する粒子が存在する。
【0050】
更に明らかにするように、例示としての式1は、粒子サンプルにおいて存在し得る予測される粒子サイズrmin乃至rmaxの限定された範囲における反転カーネル関数K(λ,r)*f(r)の積分である。積分中、ECSC値が、カーネルK(λ,r)からの粒子サイズ分布に含まれる粒子サイズについて選択される。その結果は、I(λ)として表されるサイズ分布f(r)を有する粒子サンプルについての消衰係数である。
【0051】
K(λ,r)についての演算及びI(λ)についてのデータを有することにより複数の有効な解が得られ、それらの解の一部は、反転が不良設定問題であるために、関連性はない。数学的には、数学的反転は、例示としての次式13の行列により表される。
【0052】
【数6】
例示としての式13においては、fiが与えられる場合、行列の乗算Kij*fiは、I=Kfとして行列の形式で表されるI=ΣKijfiを与える、結果として得られるECSC値を選択する。しかしながら、Iがそのデータにより与えられ、fが各々の粒子サイズの認識されていない密度を表すとき、行列式I=Kfは式の過剰決定系であり、その系は、例示としての式14に示されている残りの二乗の和を最小化するようにデザインされた最小二乗法によりfについて解を得ることが可能である。
【0053】
【数7】
示している例示としての式14においては、Kは不良設定行列又は特異行列であり、それはfについての複数回を更にもたらし得る。fの1つ又はそれ以上の解が振動する場合、それに関連付けられる物理的意味は存在しない。1つ又はそれ以上の物理解を除去するように、例示としての反転エンジン218が、式15に示しているように式14に適用された例示としての正則行列aΓを示している。
【0054】
【数8】
aが正則パラメータである例示としての正則行列aΓは、チホノフ(Tikhonov)正則方法を含む何れかの方法を介して適用されることが可能であるが、それに限定されるものではない。正則係数は、1つ又はそれ以上の無意味な解を捨てている間に、物理解が明らかにされることを可能にする。チホノフ行列Γは、恒等行列Iと、値1を有する正則パラメータaとを有することが可能である。
【0055】
反転及び正則処理による例示としての出力900が図9に示されている。示している例示としての図9においては、y軸902は立方ナノメートル(nm3)当たりに存在する粒子密度を表し、x軸904は粒子の直径(半径の2倍)を表している。製造業者をソースとする粒子は、5%の偏差を有する771nmの直径の球であることが確認されている。例示としての透過に基づく粒子測定システム100は第1ピーク771nm(908)及び第2ピーク807nm(910)を有する粒子分布が特定され、それらのピークの各々は、上記の製造業者の許容範囲の5%の範囲内に入っている。粒子サイズ分布906は、y軸902が各々の直径において単位体積当たりにどれ位の数の粒子が存在するかを表し、粒子サイズ分布906における値全てから総和を得ることが可能であるために、粒子計数情報を提供する。サンプルの体積との総和された密度分布の乗算はサンプル中の全粒子数を表す。
【0056】
図10は、図1A、1B、1C及び2の例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより生魚される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第2検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、光スペクトル分析器162、レーザ制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実兄消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218の何れか又は全てを実効するように用いられる及び/又はプログラムされることが可能である例示としてのプロセッサプラットフォームP100の模式図である。例えば、プロ背ああプラットフォームP100は、1つ又はそれ以上の汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラ等により実行されることが可能である。
【0057】
図10のプロセッサプラットフォームP100は少なくとも1つの汎用プログラム可能プロセッサP105を有する。プロセッサP105(例えば、RAM P115及び/又はROM P120)は、プロセッサP105の主メモリに存在する符号化命令P110及び/又はP112を実行する。プロセッサP105は、例えば、プロセッサコア、プロセッサ及び/又はマイクロコントローラ等の何れかの種類の処理ユニットであることが可能である。プロセッサP105は、特に、本明細書で説明している例示としての方法及び装置を実行するように、図4乃至6及び8の例示としての処理を実行することが可能である。
【0058】
プロセッサP105は、バスP125を介して主メモリ(ROM P120及び/又はRAM P115を含む)と通信状態にある。RAM P115は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)及び/又は他の種類のRAM装置により実施されることが可能であり、ROMは、フラッシュメモリ及び/又は何れかの他の好ましい種類のメモリ装置により実施されることが可能である。メモリP115及びメモリP120へのアクセスはメモリ制御器(図示せず)により制御されることが可能である。例示としてのメモリP115は、図2の例示としてのプロファイルデータベース212を実行するように用いられることが可能である。
【0059】
プロセッサプラットフォームP100はインタフェース回路P130も有する。インタフェース回路P130は、例えば、外部メモリインタフェース、シリアルポート、汎用入力/出力等の何れかの種類のインタフェーススタンダードにより実行されることが可能である。1つ又はそれ以上の装置P135及び1つ又はそれ以上の出力装置P140はインタフェース回路P130に接続される。
【0060】
特定の例示としての方法、装置及び製造物品について、本明細書で詳述しているが、本発明を網羅する範囲は、それに限定されるものではない。それとは対照的に、本発明は、同時提出の特許請求の範囲についての範囲内にある又はそれと同等の原則内にある方法、装置及び製造物品全てを網羅するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過に基づく粒子測定に関し、特に、懸濁された粒子の情報を得る方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体中に懸濁している複数のオブジェクトの特定は典型的には、媒体からある部分の画像を取得して、顕微鏡を用いて粒子カウンタにより行われる。粒子が一様な懸濁状態に保たれていることを仮定することにより、その部分におけるオブジェクトの各々の計数された総数が、媒体中のオブジェクトの密度を表す値を推定するように用いられる。顕微鏡スケールでの自動粒子サイズ決め及び計数は、電子検知領域技術を用いたコールターカウンター(Coulter Counter)を用いて1954年に始められた。特に、測定される粒子は、電解液中に分散され、どちらかの側に電極を伴って狭いアパーチャを有する管の中を通る。狭いアパーチャは、1つの粒子が一回に電界を通過するように、粒子を制限する。粒子がアパーチャを通過するときに、対応する粒子サイズに関連する抵抗が測定される。
【0003】
コールターカウンターの後に開発された技術は、粒子を測定するのに要する時間を短縮して、光源であって、例えば単独の波長のレーザを用いる回折及び/又は散乱技術を介して粒子が測定される効率が改善された。一般に、回折技術は、粒子が入射光の影響を受けた後に、光の特徴的なシグネチャを特定する。そのような特徴的シグネチャは、粒子サイズを表すリング形状の強度パターンから導き出されることが可能であり、そのパターンにおいて、密に位置しているリングは、比較的大きいサイズを有する対応粒子を特定し、広い間隔で位置しているリングは、比較的小さいサイズを有する対応粒子を特定する。より小さいサイズを有する粒子を測定する改善された能力が認められる回折技術はその場合、コールターカウンターを介して可能である。回折測定は、20nmの直径を有する小さい粒子までの測定を可能にするが、散乱光の全てを収集できるわけではなく、それにより、分解能及び感度が制限される。散乱技術は典型的には、単独の検出器、複数の検出器又は検出器のアレイを用いるが、散乱光の一部のみを収集するのであり、そのことは得られる分解能及び/又は感度を制限する。
【0004】
粒子のサイズ及び/又は分散を決定する散乱技術は、レーザ回折、動的光散乱、角度依存性散乱を有し、その技術においては、所定波長のレーザが粒子の溶液において方向付けられ、単独の検出器、複数の検出器又は検出器のアレイが溶液から散乱される光を収集するように備えられている。散乱光を解析するその技術には、動的光散乱、角度依存性散乱、レーザ回折及びphoton cross correction spectroscopyがある。そのような技術は、単独の検出器、複数の検出器又は検出器のアレイを用い、粒子の大きさ及び/又は分布情報を導き出すように光の強度及び分布を表す情報を提供することが可能である。従って、回折/光散乱技術は、サンプル中の1つ又はそれ以上の粒子により散乱される光の全部の可能な経路の実質的な部分を失うものである。
【発明の概要】
【課題を解決しようとする手段】
【0005】
溶液(例えば、噴霧、粒子、懸濁液等)中に懸濁された材料の粒子サイズを識別することは、種々の産業における複数のアプリケーションを有している。例えば、一部の油圧機器は、加圧下で用いられる流体及び/油が異物粒子サイズ及び/又は異物粒子の密度に関連する品質基準に適合する必要がある。そのような流体及び/又は油が異物粒子密度の閾値及び/又は異物粒子サイズの閾値を上回る場合には、油圧機器への損傷が生じる、及び/又は機器オペレータに対して有害の可能性が高い安全性の心配がもたらされる。
【0006】
更に、溶液中の粒子サイズ及び/又は粒子密度を決定する産業アプリケーションには、半導体製造のための脱イオン水及び酸の品質制御並びに/若しくはシルト(silt)及び沈殿物分析等がある。更に産業アプリケーションには、生物学的粒子調査、海洋塩水サンプルの調査、化学的研磨品質制御及び仕様、生物学的細胞分析、ウィルス分析並びに/若しくはウィルス特定があるが、それらに限定されない。粒子の種類には、原子、分子、金属、酸化物、半導体及び/又は化合物があるが、それらに限定されるものではない。一般に、粒子のサイズ決め及び計数技術は、生物学(例えば、生物兵器識別)、薬学及び医薬計測の分野において特に関心がもたれている。1つ又はそれ以上の散乱に基づく技術による粒子サイズ検出は、ロバストな実行、種々の種類の粒子をサイズ決めする能力、及び市販のハードウェアを使用できることのために、産業研究担当者により用いられる典型的な方法である。しかしながら、散乱に基づく技術は、例えば、粒子組成(例えば、金属粒子、プラスチック粒子、生物学的粒子等)に基づく粒子サイズ分解能及び計測精度に関連する1つ又はそれ以上の制限を示す。更に、散乱に基づく技術は、溶液がある量の異なるサイズの粒子を有する環境下で粒子サイズを測定することに関連する制限を示す。
【0007】
本明細書で説明している方法及び装置においては、散乱に基づく技術ではなく、光透過を介する粒子サイズ測定、粒子分散測定、絶対流指数測定、及び絶対粒子密度測定を採用している。その結果、粒子サイズは、10nm又はそれ以下の小さいサイズから、3000nm又はそれ以上の大きいサイズまで測定されることが可能であり、その範囲は、一部分は、用いられる光源、検出器、及び/又は他の構成要素の関数である。それにも拘わらず、10nm程度の小さい粒子サイズを測定する能力は、散乱に基づく技術が達成することを失敗する多様な生物学的システム、例えば、ウィルス及びタンパク質の調査のための可能性を容易にする。更に、散乱に基づく技術は、確率に基づいて推測される粒子分散を特定する一方、本明細書で説明する方法及び装置は、各々の種類の粒子の相対的量ではなく、粒子の絶対数(例えば、全粒子総数)を特定する。本明細書において説明している方法及び装置はまた、粒子の長軸及び短軸に関連する情報を提供することによる粒子の特定において改善される。その結果、本明細書で説明している方法及び装置を用いる血液分析は、バクテリア、ウィルス、タンパク質及び/又は他の粒子及び細胞を特定する能力を含む、生物学的粒子サイズ、形状及び/又は計数情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】懸濁粒子情報を取得するように例示としての透過に基づく粒子測定システムを示す図である。
【図1B】懸濁粒子情報を取得するように例示としての透過に基づく粒子測定システムを示す図である。
【図2】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムにより実行されることが可能である例示としての透過測定制御器のブロック図である。
【図3】透過に基づく測定技術についてバクテリア粒子サイズに対する粒子密度の例示としてのプロットを示す図である。
【図4】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムを実施する有形機械可読命令を用いて実行されることが可能である例示としての処理を示す図である。
【図5】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムを実施する有形機械可読命令を用いて実行されることが可能である例示としての処理を示す図である。
【図6】図1乃至3の例示としての透過に基づく粒子測定システムを実施する有形機械可読命令を用いて実行されることが可能である例示としての処理を示す図である。
【図7A】散乱に基づく測定技術及び透過に基づく測定技術について粒子サイズに対する粒子密度の感度比較プロットを示す図である。
【図7B】動的光散乱技術と透過に基づく測定技術との間の粒子サイズに対する粒子密度の例示としての分解能比較プロットを示す図である。
【図9】透過に基づく測定技術を用いて製造業者が製造したポリスチレン球についての粒子密度対粒子直径の実施例のプロットである。
【図10】図4乃至6及び8の実施例の処理を実行することが可能である例示としてのプロセッサプラットフォーム、並びに図1A、1B、1C及び2の実施例の送信測定制御器システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aに示している実施例においては、透過性に基づく粒子測定システム100は、透過性測定制御器102と、可変波長レーザ104と、例示としての可変波長レーザ104からのソースレーザ光108をビームスプリットする及び/又は方向付ける第1ミラーアレイと、を有する。例示としての第1ミラーアレイ106は、直線状スライド110と、一部において、ビームスプリッティングを容易にする光学的に同じ溶融シリカオプティカルフラット114a、114bとを有する。例示としてのミラーアレイ106はまた、ビームダンプ116と、光学的に同じ広帯域ミラー118とを有する。任意に、ソースレーザ光108は、何れかの数の部分であって、例えば、第1波長部分120、第2波長部分122及び第3波長部分124による可変波長レーザ104から発せられることが可能である、例示としての第1波長部分120は、210nm乃至419nmの波長範囲内にある波長を有するソースレーザ光を発し、例示としての第2波長部分122は、420nm乃至709nmの波長範囲内にある波長を有するソースレーザ光を発し、例示としての第3波長部分124は、710nm乃至2300nmの波長範囲内にある波長を有するソースレーザ光を発する。例示としての可変波長レーザ光源104は3つの例示としての部分120、122、124を有するが、より多い又はより少ない出力部分を有する何れかの他の種類の可変波長光源(例えば、レーザ光源、広帯域光源等)が用いられることが可能である。例えば、レーザ光源は、210nm乃至2300nmの波長範囲内及び/又は何れかの他の波長範囲にある周波数を出力することが可能な単独の部分を用いることが可能である。レーザ光源は、10Hzの繰り返しレート及び4nsのレーザパルス幅を容易にするEkspla Optics社製のNT342/UVであることが可能である。更に、NT342/UVは、1064nm乃至2300nmの波長範囲内の波長を実現するポンプビームを用いる。
【0010】
直線状スライド110は、1つ又はそれ以上の部分120、122、124からの光を選択するように例示としての測定制御器102により制御され、スライド110における広帯域ミラー112は、2つの光学的に同じレーザビーム126a(ビームA)及び126b(ビームB)を生成するように、光学的に同じ溶融シリカオプティカルフラット114a、114bの方にレーザ光108を方向付ける。コリメータ(図示せず)は、そのビームの2つの同等な経路への分割に先だって、ビーム半径を1mmに固定するように用いられることが可能である。光学的に同等の溶融シリカオプティカルフラット114a、114bはビームスプリッタとして動作することが可能であり、第1溶融シリカオプティカルフラット114aは、45°の入射角に位置付けられて、2つの90°の部分反射を生成し、一の部分反射は、第1フラット114aの前方面(F)におけるものであり、一の部分反射は、第1フラット114aの後方面(B)におけるものであり、そして2つの90°の部分反射を生成し、一の部分反射は、例示としての第2溶融シリカオプティカルフラット114bの後方面(B)におけるものであり、一の部分反射は、第2フラット114bの前方面(F)におけるものである。それら2つのビームA 126a及びB 126bは次いで、モータにより制御される回転しているプラットフォーム130に取り付けられた回転サンプルホルダ128の方に光学的に同等な広帯域ミラー118を介して方向付けられる。残りの光は光ビームダンプ116において吸収される。代替として、ビームA 126a及びビームB 126bは、2つの別個の光源(例えば、2つのレーザ光源)により生成され、できるだけ同じような光ビーム特性を示すように調整されることが可能である。
【0011】
例示としての回転サンプルホルダ128は、サンプルA 132及びサンプルB134のために分光器コンテナ(キュベット)を保持し、それらのコンテナは、分析される材料又は脱イオン水を保持する石英コンテナとして実施されることが可能である。誤差を除き、散乱に基づく技術(例えば、動的光散乱及び/又は回折技術)に対して改善された実行結果を得るように、バランス測定技術が試験中のサンプル及び制御サンプルに適用される。誤差は、例えば、装置変動、複数の検出器特徴の違い、振幅特徴、サンプルコンテナ特性、レーザ光パワー変動、過渡振動及び/又は雰囲気変動によりもたらされる。バランス測定技術は、第1レーザビームによる試験中のサンプルを走査することと、同じレーザからもたらされる第2レーザビームにより制御サンプルを走査することと、を有する。第1レーザビーム及び第2レーザビームは、全ての波長に亘って同じパワー、寸法及び/又は偏光を有するビームを示すように例示としての測定システム100により構成され、一部の変動及び/又は不確実性が各々のレーザビーム、各々の検出器、及び/又は例示としての測定システム100が動作する何れかの他の環境条件において生じ得る。バランス測定技術は、第1レーザビームが制御サンプルに衝突し、第2レーザビームが試験中にサンプルに衝突するように、試験中のサンプル及び制御サンプルを交換することを有する。その結果、バランス測定技術は、例示としてのレーザ光源104、ミラーアレイ106、138、ビームA 126a、ビームB 126b、サンプルAのためのコンテナ132及びサンプルBのためのコンテナ134、並びに/若しくは1つ又はそれ以上の検出器であって、例えば、例示としての第1光検出器136a及び例示としての第2光検出器136bの変動のための可能性の高い不確定性を除く。
【0012】
バランス測定技術はまた、オプティカルフラット114a、114bにより分割される前に、ソースレーザ光108に1つ又はそれ以上のフィルタを適用し、それにより、対象の全ての波長においてレーザ光108の同様の信号の大きさを維持することを有することが可能である。1つ又はそれ以上のフィルタはまた、例示としての第1及び第2光検出器136a、136bの利得及び/又は効率特性と関連付けられることが可能である非線形性を最小化する。バランス測定技術により対応される他の検出器特性は、利得、効率及び/又は応答時間がビームA 126a及び/又はビームB 126bからの入射レーザパワーと同様である及び/又は関係ないように、それらの光検出器を適合させることを有する。更に、バランス測定技術は、ビームA 126aとビームB 126bとの間の透過性の違いが最小化されるように、サンプルA 132及びサンプルB 134のための2つのコンテナができるだけ同じになるように選択することを有することが可能である。バランス測定技術は、2つのコンテナの透過性における違いをなくすように、サンプルA 132及びサンプルB 134のための2つのコンテナを交換することを有することも可能である。
【0013】
バランス測定技術中の例示としての分光器コンテナ132、134の切り換えるは、180度だけ例示としてのモータにより制御される回転プラットフォーム130を回転させることにより行われることが可能である。制限なく、1つ又はそれ以上の広帯域ミラーが、各々のサンプルを静止したまま保つように、例示としてのサンプルA 132又はサンプルB 134のどちらかに衝突するように、ビームA 126a及びビームB 126bを切り換えるように用いられることが可能である。ビームA 126aに対応する第1光検出器136a及びビームB 126bに対応する第1光検出器136bにより測定が行われる。1つ又はそれ以上の交互の光検出器がレーザ波長の1つ又はそれ以上の交互の範囲を提供するように(例えば、理想的な光検出器の感度の作動範囲にうまく適合するように)用いられる場合、第2ミラーアレイ138が、第3検出器140a及び第4検出器140bの方にレーザ光出力を方向付けるように用いられることが可能である。例えば、第1及び第2光検出器136a、136bは、210nm乃至709nmの範囲内のレーザ波長に理想的に適合される及び対応するが、710nm以上のレーザ波長については低下した感度を有するシリコン光検出器であることが可能である。他方、第3及び第4光検出器140a、140bは、710nm乃至2300nmの範囲内のレーザ波長に
理想的に適合される及び対応するが、709nm以下のレーザ波長については低下した感度を有するゲルマニウム光検出器であることが可能である。例えば、ゲルマニウム検出器は典型的には、そのような波長範囲におけるシリコン検出器と比較してかなり効率が高いために、710nm乃至2300nmの範囲内の波長について用いられる。
【0014】
図示している例示としての透過性に基づく粒子測定システム100は4つの例示としての光検出器136a、136b、140a、140bを有する一方、何れかの数の光検出器が、対象の1つ又はそれ以上の特定のレーザ光波長を提供するように用いられることが可能である。各々の光検出器は、第1検出器/増幅器142a及び第2検出器/増幅器142bに通信可能に接続されていて、それらは、例示としての透過性測定制御器102に更に通信可能に接続されている。散乱に基づく測定技術と異なり、例示としての透過に基づく粒子測定システム100は、得られる透過パワーを測定するように各々の入射レーザ光経路について単独の検出器を用い、それにより、透過された光を表す、入射角0°(θ=0)とは対照的に、0°以外の角度(θ≠0)について散乱する光を捕捉するようにするための検出器アレイに対する何れかの要請を除くことができる。
【0015】
各々の選択された波長(λ)について、ビームA 126a及びビームB 126bのためのパワーは同様のパワー値PA及びPBのそれぞれを有し、また、同様の偏光値を有する。最初に、ビームA 126aは、調査中の粒子サンプルを有する例示としてのサンプルA 132に衝突し、ビームB 126bは、制御懸濁流体(例えば、脱イオン水)を有する例示としてのサンプルB 134に衝突する。両方のコンテナ132、134における透過性を実質的に同時に測定するときに、バランス測定技術により実現される少なくとも1つの有利点は、一のレーザパルスから次のレーザパルスにおける何れかのレーザパワー変動が、下で更に詳細に説明するように、1つ又はそれ以上の比の演算中に除かれることである。対応する光検出器142a、142bは、信号DAP(λ)及びDBF(λ)のそれぞれを生成するように、各々のサンプル132、134を通った後の透過した光を受け入れる。DAP(λ)は、波長(λ)における懸濁材料(例えば、懸濁流体、気体等)を伴う粒子サンプルを透過したビームA 126aによる第1検出器142aからの信号を表し、DBP(λ)は、波長(λ)における懸濁材料を透過したビームB 126bによる第2検出器142bからの信号を表わす。ソース波長(λ)はステップ値(例えば、1nm)だけ変えられ、粒子サンプル及び懸濁流体を透過する透過パワーのもう一つの測定はDAP(λ+Δ)及びDBP(λ+Δ)として得られる。レーザの波長を設定し、各々の経路において測定を行い、ステップ値だけレーザ波長を変える処理は、開始波長(λSTART)、終了波長(λFINISH)及び波長ステップの大きさに基づいて、何れかの数の繰り返しについて行われる。
【0016】
上記のように、誤差を除くように、例示としての透過に基づく測定システム100は、第1の一連の走査レーザ波長(第1掃引)の後の180°の回転を介して、例示としてのサンプルA 132及びサンプルB 134の位置を交換するバランス測定技術を用いる。その結果、例示としてのサンプルA 132に衝突するビームA 126aに代えて、ビームA 126aがここで、第2の一連の走査レーザ波長(第2掃引)中に例示としてのサンプルBに衝突する。同様に、例示としてのサンプルB134も衝突するビームB126bに代えて、ビームB126bがここで、第2掃引中に例示としてのサンプルA132に衝突する。そのようなバランス測定技術を実行することにより、例示としての透過性測定制御器102により演算されたデータに対する1つ又はそれ以上の有利点が得られる。例えば、バランス測定技術は、例示としての透過測定制御器102が、サンプル中のオブジェクトの数及び/又は相対的数(動的光散乱技術を用いるときに得られる結果を示す)の予測ではなく、試験中のサンプル中に存在するオブジェクトの絶対数を演算するようにする。更に、バランス測定技術により与えられた改善された正確さは、透過測定制御器102が検出される非球状粒子についての長軸及び短軸を演算することを可能にする。換言すれば、一つには、ビームA126a及びビームB126bによる第1掃引中に各々のコンテナを走査し、次いで反対のコンテナに衝突する各々のビームによる第2掃引中にその走査を繰り返すことにより、対応する動的範囲及び例示としての透過測定制御器102の感度は、散乱に基づく技術の感度に対して改善される。
【0017】
バランス測定技術は、図1Aの例示としての透過に基づく測定システム100の潜在的な誤差の1つ又はそれ以上の原因に対処することができる。例えば、例示としてのレーザ光源104(又は、図1B及び1Cに関連付けて下で説明する広帯域光源)による光源変動(例えば、パワー変動)の場合、例示としてのバランス測定技術は、得られた粒子測定データのそのような変動の影響を無効にする及び/又は最小化することが可能である。更に、単独のレーザ光源が例示としての透過に基づく測定システム100において用いられるために、何れかの時間に基づくパワー変動(及び/又は他の変動)が、例示としてのバランス測定技術(例えば、比のキャンセル)を介して変動のキャンセルを可能にするように各々の検出器において実質的に同時に検出されることが可能である。バランス測定技術と関連して改善された結果に寄与することが可能である他の因子は、ビームA126aとビームB126bとの間の特定の一貫性を保証することを有するが、それに限定されるものではない。特定の一貫性は、ビームA126aがビームB126bと実質的に同じ経路長を有することを保証すること、ビームA126aがビームB126bと実質的に同じ減衰特性を有することを保証すること、ビームA126aがビームB126bと実質的に同じパワー特性を有することを保証すること、及び/又はビームA126a及びビームB126bが実質的に同じ偏光特性を有することを保証することを有する。
【0018】
図1Bは、他の例示としての透過に基づく粒子測定システム150を示している。図1Bに示している実施例においては、広帯域光源152は、試験中のサンプル156及び制御サンプル158において方向付けられる入射光ビーム154a、154bのそれぞれを提供する。各々の入射光ビーム154a、154bは、光学的アレイ及び/又は光ファイバスプリッタのような何れかの様式で実行されることが可能であるが、それに限定されるものではない。試験中の例示としてのサンプル156は、上記のように、測定される粒子を保持する及び/又は制御サンプルを保持するコンテナ、るつぼ及び/又は他の光学的に透過性のコンテナを有することが可能である。同様に、制御サンプル158は懸濁流体を保持することが可能であり、試験中のサンプル156及び制御サンプル158は、例えば、180°サンプルホルダを回転することにより入れ替えられることが可能である。例示としてのホルダの回転は、例示としての分光測定器(OS)及び/又はスペクトル分析器162aは、所定の1つ又はそれ以上の波長(例えば、所定の波長の掃引)について透過ビーム164aを走査し、例示としてのOS(及び/又はスペクトル分析器)162bは、所定の1つ又はそれ以上の波長において実質的に同時に透過ビーム164bを走査する。図1Bの例示としての透過に基づく粒子測定システム150は本明細書で説明している同じ測定原理を用いるが、図1Aに関連付けて説明している可変レーザ104ではなく、何れかの好ましい波長数のための広帯域(例えば、赤外線領域、紫外線領域等)光源を用い、粒子測定アクティビティを可搬型で存在させることを可能にする。更に、一の波長及び他の波長を区別するように、図1Bの例示としての透過に基づく粒子測定システムは、Ocean Optics社製のHR4000CG−UV−NIRのような分光器162a、162bを用いる。ここで説明している方法及び装置は、図1Aの実施例に焦点を当てているが、そのような記載は、例示であって、それに限定されるものではない。
【0019】
図1Cは、他の例示としての透過に基づく粒子測定システム175を示している。図1Cに示している実施例は、図1Bに示しているシステムと実質的に同様であり、同様の要素は同様の参照番号を有している。図1Cに示している実施例においては、広帯域光源152は、試験中のサンプル156において方向付けられる入射光ビーム154を提供する。例示としての広帯域光源152は、高い安定性を有する安定化固体光源及び/又は他の広帯域光源を有することが可能であるが、それに限定されるものではない。例示としての試験中のサンプル156は、上記のように、測定するように粒子を保持し、制御サンプルを保持するコンテナ、るつぼ及び/又は他の光学的に透過性のコンテナを有することが可能である。制御サンプル158は懸濁流体を保持することが可能であり、試験中のサンプル156及び制御サンプル158は、例えば、180°サンプルホルダ160を回転させることにより入れ替えられることが可能である。例示としてのOS162が所定の1つ又はそれ以上の波長(例えば、所定の波長の掃引)について透過ビームを走査した後に、例示としてのホルダ160の回転が行われることが可能である。作動中、波長に対する透過の測定は先ず、試験サンプルにおける粒子について実行され、次いで、そのサンプルは、サンプルを透過する波長に対する透過を測定する目的で、例示としてのホルダ160を移動させる又は回転されることにより入れ替えさせられる。
【0020】
図2は、例示としての透過測定制御器102を更に詳細に示している。図2に示している実施例においては、透過測定制御器102は、レーザ制御器202,サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、及びプロファイルデータベース212に通信可能に接続されたプロファイルマネージャ210を有する。図1Bの例示としての透過に基づく粒子測定システム150が用いられる例示としての環境においては、光源制御器は、それに代えて、例示としてのOS162及び広帯域光源152についての制御器であることが可能である。例示としての演算エンジン208は、実験消衰計数エンジン214、理論断面エンジン216及び反転エンジン218を有する。作動中、例示としての光源制御器202は、例示としての可変波長レーザ104についての波長パラメータ及び/又はソースレーザ光108の他の特徴を設定する。例えば、出力波長を設定することに加えて、光源制御器202は、出力パワー、偏光及び/又は例示としての可変波長レーザ104についてのパルス幅を設定することが可能である。
【0021】
例示としてのプラットフォーム制御器204は、図1Aに示している例示としてのモータにより制御される回転プラットフォーム130についての回転角を制御する。上記のように、何れかの試験中の所与のサンプルがビームA126aからビームB126bに又はその逆に移動されるようになっている場合、例示としてのプラットフォーム制御器204は、試験サンプルを制御サンプルと交換するように1つ又はそれ以上のモータを連結している。例示としての検出器インタフェース206は、1つ又はそれ以上の検出器振幅器142a、142bについて条件設定する信号を供給する。更に、1つ又はそれ以上の検出器が適合された増幅器を用いない場合、例示としての検出器インタフェース206は検出器入力を直接受け入れる。
【0022】
例示としての演算エンジン208は、所定の各々のサンプルが例示としての可変波長レーザ104により1回又はそれ以上走査された後に、収集された測定データを用いて1回又はそれ以上の演算を容易に行う。上記のように、可変波長レーザ104は、開始波長(λSTART)においてレーザエネルギーのビームを発し、ある時間期間存在し、1つ又はそれ以上の検出器136a、136b、140a、140bが透過測定を得るように、及び他の測定についてのステップの大きさによりレーザ波長(λ)を高くするように、レーザ制御器202により制御される。この処理は、終了波長(λFINISH)に達する(第1掃引)まで繰り返される。例示としてのコンテナ132、134を切り換えた後に、又は反対のコンテナに衝突するようにビームA126a及びビームB126bを切り換えた(それにより、コンテナが静止したまま保たれるように)後には、(λSTART)から(λFINISH)への掃引(第2掃引)が、バランス測定技術の一部として繰り返される。制御されたデータ(即ち、第1掃引及び第2掃引)は、試験中のサンプルにおける1つ又はそれ以上の粒子サイズ、各々のサイズの粒子の絶対数(計測)、検出された粒子の1つ又はそれ以上の幾何学的表示(例えば、長軸、短軸等)、試験中のサンプルの粒子密度値及び/又は試験中のサンプルの粒子サイズ分布を決定するように例示としての演算エンジン208により処理される。
【0023】
試験中のサンプルにおける1つ又はそれ以上の粒子サイズを決定するように、及び/又は試験中のサンプルの粒子密度及び/又は粒子計数値を決定するように、例示としての演算エンジン208は、波長の関数として消衰計数を演算するように実験消衰計数エンジン214を用いる。特に、サンプルにおける透過は、全消衰断面σ(λ)に更に関連する粒子サイズ及び密度の関数である。透過と対応する波長との間の関係は粒子サイズに関連する情報を提供することができる一方、例示としての理論断面エンジン216は、反転エンジン218を介して数学的反転に組み合わされて適合されるとき、改善された感度及び分解能を得るように用いられる。例示としての理論断面エンジン216は、粒子による光透過のサイズ依存性を明らかにするMie技術を用いることが可能であり、球状粒子による電磁放射線の透過についてのマックスウェル方程式の完全な解析解を有する。更に又は代替として、例示としての理論断面エンジン216は、ディスクリートダイポール法及び有限要素法を含む他の理論的技術を用いることが可能であるが、それらに限定されるものではない。最初の仮定は各々の粒子が球状形状を有することである一方、Mie理論は、二つ以上の寸法(例えば、円柱形の長さ及び/又は直径、非球状粒子等)を有する形状を説明するように用いられることが可能である。試験中の粒子が1つ又はそれ以上の寸法を有する環境においては、それらの寸法について別個の値が検出され、それにより、試験中のサンプルについて1つ又はそれ以上の幾何学的特性を示すことができる。一般に、消衰係数(例えば、第1パラメータ)は消衰断面(例えば、第2パラメータ)と粒子密度(例えば、第3パラメータ)との積に等しい。従って、2つのパラメータの導出及び/又は演算は欠損パラメータをもたらす可能性がある。
【0024】
代替のモデリングが、例示としてのプロファイルデータベース22に記憶される及び/又はそのプロファイルデータベースから呼び出されることが可能であるシグネチャパターンの1つ又はそれ以上のライブラリを構築するように、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218に適用されることが可能である。一般に、球状粒子形状の仮定は、溶液中の粒子サイズ及び/又は粒子分布を正確に特定することが可能である一方、1つ又はそれ以上のプロファイルは、複数の粒子の種類を特定するように用いられることが可能である。例えば、脱脂乳及び/又は全乳におけるミルクコロイドの粒子サイズは、球状モデルを用いることにより動的光散乱技術に比べて5倍高い分解能で確認されている。他方、大腸菌バクテリア及びバクテリオファージは、直径及び長さを有する円柱形として良好にモデリングされる。例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150及び/又は175が用いられるために、生物学的系、ウィルス及び/又はタンパク質についての益々増加する数のシグネチャが、例示としてのプロファイルデータベース212に1つ又はそれ以上のプロファイルとして記憶されることが可能である。例えば、図3に示されている実施例のプロット300は、初期段階及びバクテリアの増殖が起こった次の段階における大腸菌バクテリアについて示している。
【0025】
消衰係数、消衰断面及び粒子密度間の関係を更に構築して、1つ又はそれ以上の代替の技術が、試験中のサンプルに関連付けられる欠損データを判定するように適用されることが可能である。他の実施例においては、消衰係数は、測定を介して得られ、対応する消衰断面を決定するMie理論を適用することに代えて、例示としてのプロファイルデータベース212は、既知の屈折率を有する既知のウィルス、バクテリア、粒子及び/又は既知の形状を有する粒子について消衰断面を得るように問い合わせされることが可能である。 測定された消衰係数、及び例示としてのプロファイルデータベース212から得られる消衰断面に基づいて、試験中のサンプルの対応する粒子密度を得るように反転が適用されることが可能である。
【0026】
他の実施例においては、試験中のサンプルが既知の粒子密度を有する場合には、対応する消衰断面は、消衰係数を得るように試験中のサンプルを測定し、次いで既知の粒子密度によりそれらを除算することによるMie技術を適用することなく、決定されることが可能である。制限を伴わずに、この処理は、各々の粒子の種類についての波長の関数として消衰断面値の例示としてのよりロバストな(例えば、プロファイルデータベース212に記憶されている)ライブラリに構築するように何れかの回数繰り返されることが可能である。更に、試験中のサンプルが既知の形状及び密度を有する状況下では、試験中のサンプルの対応する屈折率及び/又は誘電率は、消衰係数についてサンプルを測定し、次いで既知の形状及び密度でそれらを除算することにより(波長の関数として)決定されることが可能である。
【0027】
図1A、1B、1C及び2における例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150、175及び透過測定制御器102は、溶液中に懸濁された材料の粒子サイズ及び粒子密度を特定するように示されている一方、図1A、1B、1C及び2に示している要素及び/又は装置の1つ又はそれ以上は、何れかの他の方法において組み合わされる、分割される、再構成される、省略される、除外される及び/又は実施されることが可能である。更に、図1A、1B、1C及び2における例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162、162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアにより実施されることが可能である。従って、例えば、例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線状スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162、162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218の何れかは、1つ又はそれ以上の回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)及び/又はFPLD(Field Programmable Logic Device)
等により実施されることが可能である。同時提出の特許請求の範囲における何れかが純粋なソフトウェア及び/又はファームウェアの実施するように読まれるとき、例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218の少なくとも1つはここで、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形媒体であって、例えば、メモリ、DVD、CD等を含むように明確に規定される。更に、図1A、1B、1C及び2における例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより制御される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第3検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、分光器162a、162b、光源制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実験消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218は、図1A、1B、1C及び2に示されている要素、処理及び/又は装置に付加して、又はそれらに代わる1つ又はそれ以上の要素、処理及び/又は装置を有することが可能であり、及び/又は示している要素、処理及び装置の何れかのうちの2つ以上又は全てを有することが可能である。
【0028】
図4乃至6及び8は、図1A、1B、1C及び2の例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150、175及び/又は例示としての透過測定制御器102を実施するように実行されることが可能である例示としての処理を示している。図4乃至6及び8の例示としての実施例は、プロセッサ、制御器及び/又は何れかの他の適切な処理装置により実行されることが可能である。例えば、図4乃至6及び8の例示としての処理は、機械可読命令又はデータ構造の形でプログラムコード及び/又は命令を担持又は記憶するように用いられることが可能であり、並びにプロセッサ、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、又はプロセッサを有する他の機械(例えば、図10に関連して下で説明する例示としてのプロセッサプラットフォームP100)によりアクセスされることが可能である、例えば、フラッシュメモリ、CD、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消却プログラム可能型読取専用メモリ(EEPROM)、光記憶ディスク、光記憶装置、磁気記憶ディスク、磁気記憶装置、及び/又は何れかの他の媒体に記憶されているコード化された命令において実施されることが可能である。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。機械可読命令は、例えば、プロセッサ、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又は1つ又はそれ以上の特定処理を実施する特殊目的処理機械を有する。代替として、図4乃至6及び8の例示としての処理の一部又は全てが、ASIC、PLD、FPLD、ディスクリート論理、ハードウェア、ファームウェア等の何れかの組み合わせを用いて実行されることが可能である。また、図4乃至6及び8の例示としての処理の1つ又はそれ以上の動作は、それに代えて、上記の技術の何れかの組み合わせ、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、ディスクリート論理及び/又はハードウェアの何れかの組み合わせとして、若しくは手動で実行されることが可能である。更に、図4乃至6及び8の例示としての動作を実施する多くの他の方法を採用することが可能である。例えば、ブロックの実行順序が変更されることが可能であり、及び/又は上記のブロックの1つ又はそれ以上が、変更される、削除される、副分割される又は結合されることが可能である。更に、図4乃至6及び8の例示としての処理の何れか又は全てが、連続的に実行されることが可能である、及び/又は、例えば、別個の処理スレッド、プロセッサ、装置、ディスクリート論理、回路等により並列に実行されることが可能である。
【0029】
図4の例示としての処理400は、調査中の粒子サンプルからのサンプル測定及び制御サンプルからのサンプル測定の検索から開始する(ブロック402)。上記のように、バランス測定技術を介して得られたデータの2つの集合(即ち、粒子サンプルについての一の集合、制御サンプルについての一の集合、及び交互のビームの繰り返し)を比較することにより、検出器特性、増幅器特定及び/又はコンテナ特性における何れかの差が除かれることが可能であり、それにより、ノイズレベル以上を区別することができる最小信号の測定を改善し(感度)、観測可能な詳細についての指標を改善する(分解能)ことが可能である。更に、粒子サンプルを制御サンプルと比較することにより、透過特性に関する懸濁流体の何れかの影響が除かれることが可能である。波長の関数として全消衰係数α(λ)を演算するように、例示としての実験消衰エンジン214は、粒子サンプルと制御サンプルとの間の非を演算する(ブロック404)。理論断面エンジン216は、粒子サンプル内の粒子による光透過の1つ又はそれ以上のサイズ依存性を明らかにするように、Mie技術、他の理論的技術及び/又は断面のデータベースを用いて散乱断面を決定するが、それらに限定されるものではない(ブロック406)。改善された感度及び分解能も、数学的反転による理論的に決定される散乱断面及び実験的に決定される昇汞計数を用いることにより実現される(ブロック408)。数学的反転は、次式1に示すように、フレドホルム(Fredholm)積分方程式を有することが可能であるが、それに限定されるものではない。
【0030】
【数1】
示している例示としての式1においては、本明細書で説明している透過技術に適用されるときには、I(λ)は、はちょう(λ)の関数としての消衰係数α(λ)を表し、f(r)は、粒子半径の関数としての粒子サイズ分布を表す。カーネルK(λ,r)は、波長(λ)及び半径(r)の関数としての理論消衰断面である。波長の関数としての複素屈折率はカーネルK(λ,r)の演算に対する入力である。rMIN、rMAX及びdrの各々は、粒子サイズ分布の分解能(resolution)に影響を与える分解能(resolution)パラメータと本明細書では称している。表現K(λ,r)は、それが所定の全ての粒子サイズ及び散乱光の全ての波長についての全ての可能な理論消衰断面を含むために、反転カーネル関数とときどき称される。粒子サイズ及び計数情報を得るように、粒子サイズ分布(PSD)は、f(r)を用いて表される式1により決定される。一般に、実験消衰係数エンジン214はI(λ)の演算を容易にし、理論断面エンジン216はK(λ,r)の演算を容易にし、PSDは、例えば、ラプラス(Laplace)変換、フーリエ(Fourier)変換及び/又は行列変換技術等の数学的変換として解が得られる。
【0031】
反転精度は、rMIN、rMAX及びdrのような選択された分解能パラメータにより影響され得る。反転中に選択された分解能が低過ぎる場合には、サンプル測定からの情報は失われ得る。例えば、消衰係数I(λ)は、反転から抽出されるものに比べて、より多くの情報を含んでいる。他方、反転中に選択された分解能が高過ぎる場合には、より少ない実際のピークが存在すべきところを、複数ピークのような数値アーティファクトがもたらされ得る。この例示としての状況下で、I(λ)は、その分解能を達成するのに必要な必須情報を含まず、実質的な誤差がもたらされ得る。例示としての式1は、無限に小さくなり得るステップサイズdrを有する積分形式を表す一方、実際の値を用いて数値的に演算する式1は、rMAXからrMINを減算されたものを全てのポイント数で除算された分解能Δrを反映する。例えば、1nmのrMINから1001nmのrMAXまで1000ポイントの範囲については、対応する分解能Δrは1nmである。
【0032】
分解能パラメータの選択は、経験則の、例示としてのプロファイルマネージャ210からの入力に基づくことが可能であり、及び/又は試験中のサンプル中にあると見込まれる粒子の種類に基づくことが可能である。例えば、複数のサイズの粒子が存在する場合、反転分解能は変えられる必要があり得る。例えば、実験データの分解能の倍数(λSTEP)又は波長ステップサイズに対する反転分解能Δr又は粒子直径ステップサイズの設定は、スプリアス反転ピークを除去することが可能である。この倍数は2倍であることが可能である。サイズについての粒子均一性が存在する場合を含む他の状況下では、反転分解能のリセットも示され得る。
【0033】
図5の例示としての処理402は、調査中の粒子サンプルからサンプル測定値を、並びに純粋及び/又は脱イオン水のような制御サンプルからのサンプル測定値を引き出す。図5に示す実施例においては、透過測定制御器102は、開始レーザ波長(λSTART)、終了レーザ波長(λFINISH)、波長ステップサイズ(λSTEP)及び各々のステップの滞留時間を特定する(ブロック502)。そのような設定は、図2に示している例示としてのプロファイルマネージャ210等のプロファイルに記憶されることが可能であり、及び/又は1つ又はそれ以上のレーザ制御設定はユーザにより調整されることが可能である。特定されたレーザ設定は、所定の粒子サンプルの試験中に1つ又はそれ以上の一連のレーザ波長が発せられるようにするように、例示としてのレーザ制御器202に提供される(ブロック504)(例えば、第1掃引中に)。例えば、例示としてのレーザ制御器202は、好ましい滞留期間中に開始波長(λSTART)でレーザ放射線を発するように例示としての可変波長レーザ104を構成し、そして測定により、各々のコンテナ(例えば、サンプルA132及びサンプルB134)を透過したレーザ放射線が得られた後に、例示としてのレーザ制御器202は、好ましいステップサイズ(λSTEP)に基づいてレーザ波長を調整する。このレーザ発生シーケンス、滞留時間及び波長調整は、開始波長から終了波長まで繰り返される。
【0034】
例示としてのサンプルプラットフォーム制御器204は、例示としての第1ミラーアレイ106及び/又は例示としての第2ミラーアレイ138における1つ又はそれ以上の装置であって、例えば、例示としての直線的スライド110、広帯域ミラー112、118、138、溶融シリカオプティカルフラット114a、114b及び/又は例示としてのビームダンプ116の位置を制御することが可能である。例示としてのサンプルプラットフォーム制御器204は、分割されたレーザ光源エネルギーをビームA126a及びビームB126bのそれぞれを各々のサンプルに衝突させるように、回転しているサンプルホルダ128においてサンプルA132及びサンプルB134の位置を回転させることも可能である(ブロック506)。しかしながら、サンプル132、134の回転は、第1掃引が終了した後に、行われることが可能である。制限を伴わずに、例示としての第1ミラーアレイ106及び第2ミラーアレイ138は、第1掃引の後に又は各々の波長走査の間に、それにより、コンテナ132、134が静止したまま保たれるように、反対側のコンテナの方にビームA126a及びビームB126bを方向付けるように調整されることが可能である。上記のように、サンプルA132は試験中に粒子サンプルを保持することが可能である一方、サンプルB134は制御サンプル(例えば、何れの粒子材料も存在しない懸濁流体)を保持することが可能である。
【0035】
入射ビームA126a及び入射ビームB126bの各々は、レーザエネルギーがコンテナを横断するように、各々のサンプルA132及びB134に衝突する。レーザエネルギーの一部は、各々のサンプルにより吸収され、反射され及び/又は散乱される一方、ビームA126a及びビームB126bの各々からのレーザエネルギーの一部は、オリジナルの入射角(即ち、0°)で各々のコンテナを透過され、第1光検出器136a(光検出器A)及び第2光検出器136b(光検出器B)の各々に衝突する。各々の光検出器による測定値が引き出されて、DAP及びDBFとして保存され(ブロック508)、ここで、DAPは、粒子サンプル(P)における透過後に光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBFは、制御流体サンプル(F)における透過後に光検出器Bにより検出された、得られた信号を表す。終了波長(λFINISH)が到達されなかった(ブロック510)場合、例示としてのレーザ制御器202は、好ましいステップサイズだけレーザ波長(λ)をインクリメントする(ブロック512)。
【0036】
複数のレーザ発生、滞留、測定、及びレーザ波長を(λSTART)から(λFINISH)までのインクリメントの繰り返し(例えば、第1掃引)後、例示としてのサンプルプラットフォーム制御器204は、ビームA126aがサンプルB134(即ち、制御サンプル)に衝突し、且つビームB126bがサンプルA132(即ち、試験中の粒子サンプル)に衝突するように、サンプルを交換するように、モータにより制御されるサンプルホルダにエネルギー供給する(バランス測定)(ブロック514)。例示としてのレーザ制御器202は、可変波長レーザ104を開始波長(λSTART)に設定し(ブロック516)、DAP及びDBFのそれぞれを得るように光検出器A136a及び光検出器B136bから測定値が得られる(ブロック518)。ここで、DAPは、制御流体サンプル(F)134における透過後に光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBFは、粒子サンプル(P)における透過後に光検出器Bにより検出された、得られた信号を表す。例示としての可変波長レーザ104に対する付加的調整が(λSTART)から(λFINISH)までの1つ又はそれ以上のステップ中に必要とされる(ブロック520)場合には、例示としてのレーザ制御器202は、その調整行い、発生されたレーザ光の波長をステップサイズだけインクリメントする(ブロック522)。
【0037】
図6の例示としての処理404においては、実験消衰係数エンジン214は、ビームA126a及びビームB126bについて流体信号に対する粒子信号の第1比を演算する。上記のように、例示としての可変波長レーザ104の出力108は、同様のパワーPA及びPB並びに同様の偏光値を有する2つのビームに分割される。試験サンプルの透過の測定に先だって、下で説明する全測定処理及び比演算は、システム100、150、175がバランスを取られたことを保証するように、サンプルを用いずに及び同じ複数のサンプルを用いて実行される。各々のコンテナを透過した入力光パワーのそれらの部分は、次の式2及び3により表される。
DAP(λ)=εA(λ)TP(λ)TF(λ)PA(λ) 式2
DBF(λ)=εB(λ)TF(λ)PB(λ) 式3
示している例示としての式2及び式3においては、DAPは、粒子サンプル(P)(試験サンプル)における透過後の光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBFは、懸濁流体サンプル(F)(制御サンプル)における透過後の光検出器Bにより検出された、得られた信号を表し、εAは光検出器A136aの効率を表し、εBは光検出器B136bの効率を表し、TP(λ)は、所与の波長における粒子により透過された入力光パワーの部分を表し、そしてTF(λ)は、所与の波長における懸濁流体により透過された入力光パワーの部分を表す。上記のように、粒子サンプル(P)コンテナ及び懸濁流体(P)コンテナは、それらの透過における測定の集合が得られるように交換される(バランス測定)。式2及び3と同様に、粒子サンプル(P)及び懸濁流体(P)を透過した入力光パワーの部分は次式4及び5により表される。
DAF(λ)=εA(λ)TF(λ)PA(λ) 式4
DBF(λ)=εB(λ)TP(λ)TF(λ)PB(λ) 式5
示している例示としての式4及び式5においては、DAFは、懸濁流体サンプル(F)(制御サンプル)における透過後の光検出器Aにより検出された、得られた信号を表し、DBPは、粒子サンプル(P)における透過後の光検出器Bにより検出された、得られた信号を表す。例示としての実験消衰係数エンジン214は、ビームA及びビームBのそれぞれについての懸濁流体信号に対する粒子信号の第1比を演算する(ブロック602)。同様に、波長の全範囲が、(λSTART)から(λFINISH)まで走査された後に、例示としての実験消衰計数エンジン214は、ビームA及びビームBのそれぞれについての粒子信号に対する懸濁流体信号の第2比を演算する(ブロック604)。バランス測地による波長の第1掃引及び波長の第2掃引の結果としての式2、3、4及び5からの4つの信号は、次式6に示すように、比R(λ)を演算するように用いられる。
【0038】
【数2】
粒子サンプル132内の粒子による透過性対波長TP(λ)は、次式7に示すように演算されることが可能である(ブロック606)。
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
示している例示としての式8においては、α(λ)は消衰係数を表し、lはサンプルを通る経路長(即ち、粒子の溶液(材料)を透過する光の長さであって、コンテナの幅ではない)を表している。例示としての式8は、各々の波長における消衰係数の実験値を演算するように用いられる。理論上は、粒子による消衰係数対波長α(λ)は、次式9により粒子の種類iの全理論散乱断面σi(λ)に関連する。
α(λ)=Σjσj(λ)nj 式9
示している例示としての式9においては、njは、種類jの単位体積当たりの粒子数であり、総和Σjは全体的な複数の粒子種類に亘っている。式8は、各々の波長についてのデータから消衰係数を演算することを示している。式9は、各々の種類jの単位体積nj当たりの粒子数を得るように反転される。粒子サイズが連続的に存在する場合、消衰係数は、例示としての次式9bで示すように表され、ここで、n(r)は粒子サイズ分布である。
α(λ)=∫σ(λ,r)n(r)dr 式9b
図4を再び参照するに、例示としての理論断面エンジン216は、試験中に粒子サンプルの全断面をモデリングするデータベース及び/又はMie理論のような1つ又はそれ以上の理論技術を用いる(ブロック406)。一般に、Mie理論は、球状粒子による電磁放射線を散乱することについてのマックスウェル方程式の完全解析解である。Mie理論技術は典型的には、入射レーザの波長に対する粒子直径の比が一桁のオーダーであるときに、最適な結果を伴って実行される一方、本明細書で説明している方法及び装置は、一つには、ある波長範囲を用いることにより、調査中の粒子の長軸及び短軸を決定するように用いられる。レーザ波長(λ)が固定され、散乱角(θ)が変更される、又は散乱光が0以外の1つ又はそれ以上の所定の角度で測定される、散乱を用いる粒子サイズ決め技術と異なり、本明細書で説明している方法及び装置は、レーザ波長(λ)が変えられ、透過光が入射光方向に対して0°に固定された角度(θ)で測定される、レーザエネルギーの透過挙動を用いる。上記のように、レーザエネルギーの透過のモニタリングは、散乱技術を用いるときに典型的に必要とされるフォトダイオードアレイではなく、各々の入射レーザビーム(即ち、入射光方向に対する角度0°)のための単独のフォトダイオードを用いることにより、サイズ、密度、計数及び/又は形状の決定を改善することができる。一般に、散乱技術は、散乱光の全てが捕捉される訳ではないが、透過光信号は常に、散乱光の全てに対して感応性を有する。透過光信号は最終的には、全ての方向に散乱される光の関数であるが、動的光散乱及び回折を含む散乱技術は、散乱光の一部のみを検出する。一般に、複数の付加的なフォトダイオードが、より多くの散乱光を捕捉するように、測定システムに付加されるために、測定データにおける対応する不確実性が累積され、それにより、何れかの得られる感度及び/又は分解能を低下させ得る。複数の波長及び0°の散乱角における光透過検出に対してMie理論技術を適用することにより、波長σ(λ,r)に対する理論消衰断面が、次式10に示すように、Mie係数を先ず、演算することにより、各々の粒子直径に対して得られる。
【0041】
【数5】
示している例示としての式10においては、an及びbnはMie係数であり、消衰断面σ(λ,r)は、式10に示しているように規定されることが可能である。式10においては、k=2π/λである。
【0042】
一部の実施例においては、Mie演算は、Warren J.WiscombeによるMIEV0のような1つ又はそれ以上のアプリケーションとしての理論断面エンジン216により実行されることが可能であり、Mie演算の1つ又はそれ以上のグラフィカル出力が、入射レーザ光の波長が対応する粒子直径のサイズと同じである又は略同じである、一般粒子サイズの傾向及び/又は場合を例示するように、理論断面エンジン216により実行されることが可能である。一般に、プロットされたMie演算は、粒子サイズに依存する主振動挙動、副振動挙動、ピーク及び/又は谷、周囲の媒体(例えば、流体、気体、スプレイ等)の屈折率及び/又は粒子の屈折率について説明する。更に、比較的小さい振動リップルが、透過レーザ光路が互いに干渉するときに生じ得る。一部の光エネルギーが、経路P0に沿った内部反射を伴わずに各々の粒子を透過し、一部の光が、P0と同じ方向に出る粒子における内部反射の後に、各々の粒子を透過するために、リップルが発生し得る。従って、2つ以上のPnが存在し得、P0経路と何れかの数のPn経路との間で観測される干渉がもたらされ得、それにより、プロットされるときに、消衰断面σ(λ,r)におけるリップルとして現れ得る。
【0043】
上記のバランシング技術を用いずに得られたデータを用いて、サイズの関数として粒子密度を推測するMie演算を用いることは、一般粒子サイズの1つ又はそれ以上の表示を提供し得るが、そのような結果のみでは、適切な分解能、感度及び/又は絶体密度情報を用いる試験中にサンプル内の粒子サイズの範囲及び/又は各々の粒子サイズの密度を明らかにすることはできない。換言すれば、適切なバランシング技術を伴わずに得られるデータを用いるMie演算のみからの結果は、粒子サイズ、形状の適切な特定、及び/又は粒子種類(例えば、ウィルス、バクテリア、タンパク質等)を特定する能力を可能にする結果を提供する能力に限定され得る。本明細書で説明している方法及び装置においては、試験中にサンプル内に存在し得る何れかの数の粒子サイズの演算を可能にするように、バランス測定技術、Mie演算結果及び調整された数学的反転を用い、結果的に得られるサイズは、散乱に基づく粒子サイズ決め技術に比べてかなり良好である分解能を有する。更に一つには、バランス測定技術のために、本明細書で説明している方法及び装置は、散乱(例えば、動的光散乱)に基づく方法により与えられるオブジェクトの相対的数と異なり、試験中のサンプル中の絶体数を明らかにすることができる。更に、バランス測定技術は、試験中のサンプルにおける複数のサイズを区別する能力及び非球状粒子の長軸及び短軸を特定する能力を容易化する。バランス測定は、動的範囲を改善し、図7Aに示しているように、動的光散乱に基づく方法に比べて約百万倍高い感度と、図7Bに示しているように、動的光散乱に基づく方法により得られる結果に比べて約5倍高い分解能とをもたらすことができる。
【0044】
示している例示としての図7Aにおいては、技術比較プロット700は、動的光散乱技術(破線702)の能力と、本明細書で説明している透過に基づく方法及び装置(図7Aの丸印を参照されたい)の能力を明らかにするようにが示されている。図7Aの例示としてのプロットは、1ml当たりの粒子密度についてy軸704に、nmを単位とする粒子サイズについてx軸706に示している。動的光散乱による結果は、1ml当たり約109個の粒子の下側閾値において粒子濃度を特徴付ける能力を示す一方、本明細書に記載している透過に基づく方法及び装置は、1ml当たり約103個の粒子と同程度の感度を示している。更に、プロット700は、金粒子708、大腸菌粒子710、比較的低い濃度のウィルス粒子712及びポリスチレン粒子714を検出する透過に基づく方法及び装置の成功裏の適用について示している。本明細書で記載している方法及び装置においては、大きさ、密度、計数及び/又は存在し得る粒子の形状を明らかにするように、ある波長範囲において試験中に粒子サンプルを解析する。
【0045】
示している例示としての図7Bにおいては、他の技術比較プロット750が、動的光散乱技術の分解能に関する能力(上方プロット752)及び本明細書で説明している透過に基づく方法及び装置(下方プロット754)に関する能力を明らかにするように示されている。例示としての動的光散乱技術752及び透過に基づく方法754は、透過に基づく方法754の分解能能力に対する改善を更に明らかにするように、同様のx軸756を共有している。例えば、ミルクのタンパク質の単独の球状のカゼインミセルについて、透過に基づく方法754を用いた後に導き出されたピーク760より約5倍広い動的光散乱技術を用いたピーク758として示されている。その結果、懸濁粒子情報を得るための透過に基づく技術に関連して本明細書で説明している方法及び装置は、動的光散乱技術を用いるときに明らかにされることのない程度の詳細について示すことが可能である。図7Bの例示としてのプロット752、754はまた、動的光散乱に対する透過に基づく技術の相対感度改善を示している。特に、2.5x10−16nm(762)の密度を有するミルクタンパク質の球状カゼインミセルのピーク760は、1.3x10−8体積%(764)に略相当し、故に、約百万倍の感度因子の改善を示している。
【0046】
図8の例示としての処理408は、例示としてのプロファイルマネージャ210において有効である何れかの数の空間モデルからの空間粒子サイズモデル(ブロック802)の選択から開始している。一部の状況下では、試験中の粒子サンプルに存在している粒子の一般的種類については認識されているが、そのサンプル中に存在する粒子の特定のサイズ及び/又は密度については認識されていない。例えば、製造業者により試験中の粒子サンプルがポリスチレン球を含んでいることが知らされている場合、球状空間モデルが選択される(ブロック804)。他方、試験中の粒子サンプルに存在する粒子の一般的種類が認識されていない場合、球状空間モデルは、存在する粒子の長軸及び短軸を示す結果を提供することが可能であるために、適切な開始ポイントになり得る。例示としての透過に基づく粒子測定システム100、150、175は異なる種類の粒子が用いられることが可能であるため、例示としてのプロファイルマネージャ210は、異なる粒子種類の特徴的な空間シグネチャパターンを記憶することが可能である。各々のウィルス、バクテリア及び/又は製造粒子(例えば、研磨粒子)は、選択された空間モデル(例えば、ロッド形状モデル等)及び/又は記憶されておるデータベースモデルの助けにより後に特定されることが可能である一意の空間シグネチャ特徴を示すことが可能である。粒子の種類が球以外の何であるかが認識されている状況下では、代替の空間モデルが選択されることが可能である(ブロック806)。
【0047】
粒子は、特徴的な複素誘電率及び/又は複素屈折率も有する。試験中の粒子サンプルが、ポリスチレンと類似する誘電特性を有することが認識され、及び/又は誘電率が一般に非決定(ブロック808)の場合、ポリスチレンに関連付けられる誘電モデルは、粒子のベースライン測定を確立するように選択されることが可能である(ブロック810)。しかしながら、試験中のサンプルにおける粒子が、代替の誘電的値を有することが一般に認識されている場合、試験中の粒子に更に類似する代替の誘電モデルが選択されることが可能である(ブロック812)。粒子種類の主なカテゴリには、生物学的粒子、金属及び/又は酸化物がある。
【0048】
例示としての反転エンジン218は、試験中の粒子の屈折率及び/又は誘電率に基づいて、反転カーネル関数K(λ,r)に対して例示としての理論断面エンジン216により生成された理論的結果を割り当て(ブロック814)、例示としての実験消衰係数エンジン214により生成された実験結果は、各々の走査波長(λ)においてフレドホルム(Fredholm)積分関数I(λ)に割り当てられる(ブロック816)。半径rの関数としての粒子サイズ分布n(r)はf(r)で表される。反転は、サイズ決め及び密度情報を含む反転によりf(r)について解を得ることができる(例えば、式1)(ブロック818)。ディスクリート形式で、n(r)は要素(j)を有する列ベクトルで表され、列ベクトルの各々の要素は粒子密度である。この列ベクトルのインデックスfは粒子の半径及び/又は種類である。代替として、反転カーネル関数K(λ,r)はixj行列で表され、ここで、iインデックスは散乱波長であり、jインデックスは粒子種類及び/又は粒子種類である。従って、(i,j)行列要素は、光の波長iにおける粒子サイズ及び/又は粒子種類jの消衰断面のことをいう。
【0049】
反転カーネル関数K(λ,r)は、ECSCを生成するように波長(λ)において屈折率(m)を有する球状粒子の仮想半径を用いて演算される(例えば、MIEV0.fコード等)。有効なECSCは、何れかの数の仮想半径がフレドホルム(Fredholm)積分式(例えば、式1)を解く(例えば、試験中にサンプル粒子において予測される粒子サイズの範囲について解く)ときに用いられるために、保持される。更に、f(r)は、粒子サイズ及び計測情報を含み、j要素を有する列行列として明確にされ、ここで、jの範囲は、式1に示されている積分限界により決定される、複数の要素のうちの一が例示としての行列に存在する場合、表されている行列の位置の対応する粒子サイズを有する粒子が存在する。
【0050】
更に明らかにするように、例示としての式1は、粒子サンプルにおいて存在し得る予測される粒子サイズrmin乃至rmaxの限定された範囲における反転カーネル関数K(λ,r)*f(r)の積分である。積分中、ECSC値が、カーネルK(λ,r)からの粒子サイズ分布に含まれる粒子サイズについて選択される。その結果は、I(λ)として表されるサイズ分布f(r)を有する粒子サンプルについての消衰係数である。
【0051】
K(λ,r)についての演算及びI(λ)についてのデータを有することにより複数の有効な解が得られ、それらの解の一部は、反転が不良設定問題であるために、関連性はない。数学的には、数学的反転は、例示としての次式13の行列により表される。
【0052】
【数6】
例示としての式13においては、fiが与えられる場合、行列の乗算Kij*fiは、I=Kfとして行列の形式で表されるI=ΣKijfiを与える、結果として得られるECSC値を選択する。しかしながら、Iがそのデータにより与えられ、fが各々の粒子サイズの認識されていない密度を表すとき、行列式I=Kfは式の過剰決定系であり、その系は、例示としての式14に示されている残りの二乗の和を最小化するようにデザインされた最小二乗法によりfについて解を得ることが可能である。
【0053】
【数7】
示している例示としての式14においては、Kは不良設定行列又は特異行列であり、それはfについての複数回を更にもたらし得る。fの1つ又はそれ以上の解が振動する場合、それに関連付けられる物理的意味は存在しない。1つ又はそれ以上の物理解を除去するように、例示としての反転エンジン218が、式15に示しているように式14に適用された例示としての正則行列aΓを示している。
【0054】
【数8】
aが正則パラメータである例示としての正則行列aΓは、チホノフ(Tikhonov)正則方法を含む何れかの方法を介して適用されることが可能であるが、それに限定されるものではない。正則係数は、1つ又はそれ以上の無意味な解を捨てている間に、物理解が明らかにされることを可能にする。チホノフ行列Γは、恒等行列Iと、値1を有する正則パラメータaとを有することが可能である。
【0055】
反転及び正則処理による例示としての出力900が図9に示されている。示している例示としての図9においては、y軸902は立方ナノメートル(nm3)当たりに存在する粒子密度を表し、x軸904は粒子の直径(半径の2倍)を表している。製造業者をソースとする粒子は、5%の偏差を有する771nmの直径の球であることが確認されている。例示としての透過に基づく粒子測定システム100は第1ピーク771nm(908)及び第2ピーク807nm(910)を有する粒子分布が特定され、それらのピークの各々は、上記の製造業者の許容範囲の5%の範囲内に入っている。粒子サイズ分布906は、y軸902が各々の直径において単位体積当たりにどれ位の数の粒子が存在するかを表し、粒子サイズ分布906における値全てから総和を得ることが可能であるために、粒子計数情報を提供する。サンプルの体積との総和された密度分布の乗算はサンプル中の全粒子数を表す。
【0056】
図10は、図1A、1B、1C及び2の例示としての透過測定制御器102、第1ミラーアレイ106、可変波長レーザ104、直線的スライド110、モータにより生魚される回転プラットフォーム130、第1光検出器136a、第2光検出器136b、第2ミラーアレイ138、第2検出器140a、第4検出器140b、第1検出器/増幅器142a、第2検出器/増幅器142b、光源152、回転サンプルホルダ160、光スペクトル分析器162、レーザ制御器202、サンプルプラットフォーム制御器204、検出器インタフェース206、演算エンジン208、プロファイルマネージャ210、プロファイルデータベース212、実兄消衰係数エンジン214、理論断面エンジン216及び/又は反転エンジン218の何れか又は全てを実効するように用いられる及び/又はプログラムされることが可能である例示としてのプロセッサプラットフォームP100の模式図である。例えば、プロ背ああプラットフォームP100は、1つ又はそれ以上の汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラ等により実行されることが可能である。
【0057】
図10のプロセッサプラットフォームP100は少なくとも1つの汎用プログラム可能プロセッサP105を有する。プロセッサP105(例えば、RAM P115及び/又はROM P120)は、プロセッサP105の主メモリに存在する符号化命令P110及び/又はP112を実行する。プロセッサP105は、例えば、プロセッサコア、プロセッサ及び/又はマイクロコントローラ等の何れかの種類の処理ユニットであることが可能である。プロセッサP105は、特に、本明細書で説明している例示としての方法及び装置を実行するように、図4乃至6及び8の例示としての処理を実行することが可能である。
【0058】
プロセッサP105は、バスP125を介して主メモリ(ROM P120及び/又はRAM P115を含む)と通信状態にある。RAM P115は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)及び/又は他の種類のRAM装置により実施されることが可能であり、ROMは、フラッシュメモリ及び/又は何れかの他の好ましい種類のメモリ装置により実施されることが可能である。メモリP115及びメモリP120へのアクセスはメモリ制御器(図示せず)により制御されることが可能である。例示としてのメモリP115は、図2の例示としてのプロファイルデータベース212を実行するように用いられることが可能である。
【0059】
プロセッサプラットフォームP100はインタフェース回路P130も有する。インタフェース回路P130は、例えば、外部メモリインタフェース、シリアルポート、汎用入力/出力等の何れかの種類のインタフェーススタンダードにより実行されることが可能である。1つ又はそれ以上の装置P135及び1つ又はそれ以上の出力装置P140はインタフェース回路P130に接続される。
【0060】
特定の例示としての方法、装置及び製造物品について、本明細書で詳述しているが、本発明を網羅する範囲は、それに限定されるものではない。それとは対照的に、本発明は、同時提出の特許請求の範囲についての範囲内にある又はそれと同等の原則内にある方法、装置及び製造物品全てを網羅するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子情報を特定する方法であって:
光源から光を発する段階;
前記光源を第1経路及び第2経路に分割する段階;
複数の粒子を有する第1コンテナの方に第1経路を方向付ける段階であって、該複数の粒子は懸濁材料中にある、段階;
粒子がない懸濁材料を有する第2コンテナの方に第2経路を方向付ける段階;
前記第1コンテナを通る前記第1経銘の第1透過値を取り出す段階;
前記第2コンテナを通る前記第2経路の第2透過値を取り出す段階;
前記第1透過値及び前記第2透過値を前記第2コンテナ及び前記第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階;
前記第2コンテナを通る前記第1経路の第3透過値を取り出す段階;
前記第1コンテナを通る前記第2経路の第4透過値を取り出す段階;並びに
所与の波長についての透過率の指示を決定するように、前記第3透過値及び前記第4透過値に対する前記第1透過値及び前記第2透過値の比を演算する段階;
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1乃至第4透過値は、前記第1及び第2経路の各々と前記第1及び第2コンテナとの間の入射角に対して約0°の出射角で取り出される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記第1経路及び前記第2経路を前記第2コンテナ及び前記第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階は、前記第1コンテナ及び前記第2
コンテナの位置を交換する段階を有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第1経路及び前記第2経路を前記第2コンテナ及び前記第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階は、前記発せられた光を受け入れるミラーアレイを調整する段階を更に有する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記透過率を決定することは、波長の関数としての透過率をもたらすように複数の波長について前記第1透過値、前記第2透過値、前記第3透過値及び前記第4透過値を取り出すことを更に有する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、粒子サイズ及び粒子形状を表す波長の関数としての消衰断面を演算するMie理論を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、粒子サイズ及び粒子数を決定するように反転関数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、粒子密度を決定するように反転関数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記反転関数は、波長の範囲における及び粒子サイズの範囲における値による反転を有する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記反転関数の物理解を特定するように正則係数を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項11】
請求項5に記載の方法であって、前記透過率から波長の関数として消衰係数を演算する段階を更に有する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記所与の波長は、紫外線領域から赤外線領域までの複数の波長を有する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記第3透過値及び前記第4透過値に対する前記第1透過値及び前記第2透過値の比を演算する段階は、前記所与の波長について消衰係数を決定する段階を更に有する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、波長の関数として消衰断面を決定するように、前記第1コンテナの既知の粒子密度により各々の波長における前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、データベースから波長の関数として消衰断面を示すデータを用いて、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように前記消衰係数に反転を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の力法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、前記第1コンテナにおける粒子の屈折率又は誘電率を決定するように、前記粒子密度及び前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、前記消衰係数を導き出すように前記粒子密度により前記消衰係数を除算する、方法。
【請求項18】
粒子情報を特定する装置であって:
複数の波長を有する光を発することが可能である光源;
前記光源から前記第1経路及び前記第2経路に発せられた光を分割する光学アレイ;
前記第1経路又は前記第2経路を有する第1コンテナ及び第2コンテナを方向合わせするプラットフォーム;
前記第1コンテナ及び第2コンテナに対する入射角に対して約0°の出射角で第1透過経路及び第2透過経路を受け入れる第1光検出器及び第2光検出器;
第1波長に各々関連する第1時間及び第2時間において前記第1光検出器及び前記第2光検出器から透過信号を受け入れる検出器インタフェース;並びに
受け入れられた透過信号に基づいて前記粒子情報を演算する演算エンジン;
を有する装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記演算エンジンは、受け入れられた透過信号に関連する誤差を清算するように消衰係数エンジンを更に有する、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、前記消衰係数エンジンは、波長の関数として透過率を決定するように前記受け入れられた透過信号の比を演算する、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置であって、前記消衰係数エンジンは、波長の関数として消衰係数を決定するように前記受け入れられた透過信号の比を演算する、装置。
【請求項22】
請求項18に記載の装置であって、粒子情報誤差を最小化するように前記透過信号の比に基づいて消衰係数を演算するように前記複数の波長の各々において前記実験消衰係数エンジンを呼び出し、前記複数の波長により前記光源を掃引する光源制御器を更に有する、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、粒子情報を抽出するように前記掃引において各々の波長について前記の透過信号の比に適用され、マックスウェル方程式に基づく理論断面エンジンを更に有する、装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記適用されたマックスウェル方程式の出力から物理解を抽出し、非物理解を捨てる反転エンジンを更に有する、装置。
【請求項25】
請求項18に記載の装置であって、前記第1光検出器及び前記第2光検出器は波長依存性を有する、装置。
【請求項26】
請求項18に記載の装置であって、前記第1光検出器及び前記第2光検出器は、1つのスペクトル分析器又は少なくとも1つのスペクトル分析器を有する、装置。
【請求項27】
請求項18に記載の装置であって、前記検出器インタフェースは、波長の関数として光パワーのような第1透過経路及び第2透過経路を測定する、装置。
【請求項28】
粒子サイズ、計数及び密度情報を特定する方法であって:
粒子を有する第1コンテナにより減衰される第1光ビームを受け入れ、制御媒体を有する第2コンテナにより減衰された第2光ビームを受け入れる段階;
第1検出器及び第2検出器において第1信号及が第2信号を測定する段階であって、前記第1検出器及び前記第2検出器は、第1波長において、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームのそれぞれを受け入れる、段階;
前記第1光ビーム及び前記第2光ビームを前記第1コンテナ及び前記第2コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階;
前記第1検出器及び前記第2検出器において第3光ビーム及び第4光ビームを測定する段階;
前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号、そして粒子サイズ、計数及び密度を示す全消衰断面積に基づいて、消衰係数を演算する段階;
を有する方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記第3信号及び前記第4信号に対する前記第1信号及び前記第2信号の比を演算することにより、前記第1検出器及び前記第2検出器を改善するように前記消衰係数の誤差成分を最小化する段階を更に有する、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法であって、前記第1検出器及び前記第2検出器は、波長の第1領域についてのシリコン光検出器、及び波長の第2領域についてのゲルマニウム光検出器である、方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法であって、波長の関数として前記複数の粒子のサイズ依存性を決定するように、複数の波長について前記全消衰断面を演算するようにMie理論を更に有する、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記第1コンテナにおける粒子に関連する粒子直径、計数、濃度情報を決定するようにMie演算を用いる反転を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項33】
請求項28に記載の方法であって、各々の波長において関数として消衰断面を決淀するように前記第1コンテナの既知の粒子密度と共に各々の波長における前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項34】
請求項28に記載の方法であって、データベースから波長の関数として消衰断面を表すデータを用いて、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように前記消衰係数に反転を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項35】
請求項28に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、誘電率を決定するように前記粒子密度及び前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項36】
請求項28に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、消衰断面を導出するように粒子密度により前記消衰係数を除算する段階を更に有する、方法。
【請求項37】
懸濁材料における粒子を測定する方法であって:
懸濁材料における複数の粒子を有する第1コンテナの方に光源を方向付ける段階であって、該複数の粒子は懸濁材料中にある、段階;
第1時間において前記光源の減衰部分を測定する段階であって、前記第1時間における前記減衰部分は前記光源から前記第1コンテナを透過する、段階;
制御材料を有する第2コンテナの方に前記光源を方向付ける段階;
第2時間において前記光源の減衰部分を測定する段階であって、前記第2時聞における前記減衰部分は前記光源から前記第2コンテナを透過する、段階;並びに
消衰係数を特定するように前記第1時間及び前記第2時間から前記測定の比を演算する段階;
を有する方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、複数の波長について前記第1時間及び前記第2時間において前記滅衰部分を測定する段階を更に有する、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、前記複数の波長の各々について前記第1時間及び前記第2時間において前記光源の前記減衰部分を光信号分析器が測定する、方法。
【請求項40】
請求項38に記載の方法であって、波長の関数として前記消衰係数を演算する段階を更に有する、方法。
【請求項41】
請求項37に記載の方法であって、前記光源は、複数の波長を有する広帯域光源を有す
る、方法。
【請求項42】
請求項37に記載の方法であって、波長の関数として消衰断面を決定するように、前記第1コンテナの既知の粒子密度と共に各々の波長における前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項43】
請求項37に記載の方法であって、波長の関数として消衰断面を得るようにMie理論を適用する段階と、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように波長の関数として前記消衰係数に反転を適用する段階とを更に有する、方法。
【請求項44】
請求項42に記載の方法であって、データベースに波長の関数として消衰断面を保存する段階であって、前記保存された消衰断面の情報は前記第1コンテナの前記粒子密度に関連する、段階を更に有する、方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法であって、前記第1コンテナにおける粒子を示す粒子誘電率と前記保存された消衰断面の情報を関連付ける段階を更に有する、方法。
【請求項46】
請求項44に記載の方法であって、前記第1コンテナにおける粒子を示す粒子子屈折率と前記保存された消衰断面の情報を関連付ける段階を更に有する、方法。
【請求項47】
請求項37に記載の方法であって、データベースから波長の関数として消衰断面を示すデータを用いる段階と、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように前記消衰係数に反転を適用する段階とを更に有する、方法。
【請求項48】
請求須37に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、前記第1コンテナの粒子についての屈折率又は誘電率の少なくとも一を決定するように前記粒子密度及び前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項49】
請求項37に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、消衰係数を導出するように前記粒子密度により前記消衰係数を除算する段階を更に有する、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子の既知の種類について波長の関数として前記消衰断面を導出する段階を更に有する、方法。
【請求項1】
粒子情報を特定する方法であって:
光源から光を発する段階;
前記光源を第1経路及び第2経路に分割する段階;
複数の粒子を有する第1コンテナの方に第1経路を方向付ける段階であって、該複数の粒子は懸濁材料中にある、段階;
粒子がない懸濁材料を有する第2コンテナの方に第2経路を方向付ける段階;
前記第1コンテナを通る前記第1経銘の第1透過値を取り出す段階;
前記第2コンテナを通る前記第2経路の第2透過値を取り出す段階;
前記第1透過値及び前記第2透過値を前記第2コンテナ及び前記第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階;
前記第2コンテナを通る前記第1経路の第3透過値を取り出す段階;
前記第1コンテナを通る前記第2経路の第4透過値を取り出す段階;並びに
所与の波長についての透過率の指示を決定するように、前記第3透過値及び前記第4透過値に対する前記第1透過値及び前記第2透過値の比を演算する段階;
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1乃至第4透過値は、前記第1及び第2経路の各々と前記第1及び第2コンテナとの間の入射角に対して約0°の出射角で取り出される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記第1経路及び前記第2経路を前記第2コンテナ及び前記第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階は、前記第1コンテナ及び前記第2
コンテナの位置を交換する段階を有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第1経路及び前記第2経路を前記第2コンテナ及び前記第1コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階は、前記発せられた光を受け入れるミラーアレイを調整する段階を更に有する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記透過率を決定することは、波長の関数としての透過率をもたらすように複数の波長について前記第1透過値、前記第2透過値、前記第3透過値及び前記第4透過値を取り出すことを更に有する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、粒子サイズ及び粒子形状を表す波長の関数としての消衰断面を演算するMie理論を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、粒子サイズ及び粒子数を決定するように反転関数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、粒子密度を決定するように反転関数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記反転関数は、波長の範囲における及び粒子サイズの範囲における値による反転を有する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記反転関数の物理解を特定するように正則係数を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項11】
請求項5に記載の方法であって、前記透過率から波長の関数として消衰係数を演算する段階を更に有する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記所与の波長は、紫外線領域から赤外線領域までの複数の波長を有する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記第3透過値及び前記第4透過値に対する前記第1透過値及び前記第2透過値の比を演算する段階は、前記所与の波長について消衰係数を決定する段階を更に有する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、波長の関数として消衰断面を決定するように、前記第1コンテナの既知の粒子密度により各々の波長における前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、データベースから波長の関数として消衰断面を示すデータを用いて、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように前記消衰係数に反転を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の力法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、前記第1コンテナにおける粒子の屈折率又は誘電率を決定するように、前記粒子密度及び前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、前記消衰係数を導き出すように前記粒子密度により前記消衰係数を除算する、方法。
【請求項18】
粒子情報を特定する装置であって:
複数の波長を有する光を発することが可能である光源;
前記光源から前記第1経路及び前記第2経路に発せられた光を分割する光学アレイ;
前記第1経路又は前記第2経路を有する第1コンテナ及び第2コンテナを方向合わせするプラットフォーム;
前記第1コンテナ及び第2コンテナに対する入射角に対して約0°の出射角で第1透過経路及び第2透過経路を受け入れる第1光検出器及び第2光検出器;
第1波長に各々関連する第1時間及び第2時間において前記第1光検出器及び前記第2光検出器から透過信号を受け入れる検出器インタフェース;並びに
受け入れられた透過信号に基づいて前記粒子情報を演算する演算エンジン;
を有する装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記演算エンジンは、受け入れられた透過信号に関連する誤差を清算するように消衰係数エンジンを更に有する、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、前記消衰係数エンジンは、波長の関数として透過率を決定するように前記受け入れられた透過信号の比を演算する、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置であって、前記消衰係数エンジンは、波長の関数として消衰係数を決定するように前記受け入れられた透過信号の比を演算する、装置。
【請求項22】
請求項18に記載の装置であって、粒子情報誤差を最小化するように前記透過信号の比に基づいて消衰係数を演算するように前記複数の波長の各々において前記実験消衰係数エンジンを呼び出し、前記複数の波長により前記光源を掃引する光源制御器を更に有する、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、粒子情報を抽出するように前記掃引において各々の波長について前記の透過信号の比に適用され、マックスウェル方程式に基づく理論断面エンジンを更に有する、装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記適用されたマックスウェル方程式の出力から物理解を抽出し、非物理解を捨てる反転エンジンを更に有する、装置。
【請求項25】
請求項18に記載の装置であって、前記第1光検出器及び前記第2光検出器は波長依存性を有する、装置。
【請求項26】
請求項18に記載の装置であって、前記第1光検出器及び前記第2光検出器は、1つのスペクトル分析器又は少なくとも1つのスペクトル分析器を有する、装置。
【請求項27】
請求項18に記載の装置であって、前記検出器インタフェースは、波長の関数として光パワーのような第1透過経路及び第2透過経路を測定する、装置。
【請求項28】
粒子サイズ、計数及び密度情報を特定する方法であって:
粒子を有する第1コンテナにより減衰される第1光ビームを受け入れ、制御媒体を有する第2コンテナにより減衰された第2光ビームを受け入れる段階;
第1検出器及び第2検出器において第1信号及が第2信号を測定する段階であって、前記第1検出器及び前記第2検出器は、第1波長において、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームのそれぞれを受け入れる、段階;
前記第1光ビーム及び前記第2光ビームを前記第1コンテナ及び前記第2コンテナのそれぞれの方に方向付ける段階;
前記第1検出器及び前記第2検出器において第3光ビーム及び第4光ビームを測定する段階;
前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号、そして粒子サイズ、計数及び密度を示す全消衰断面積に基づいて、消衰係数を演算する段階;
を有する方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記第3信号及び前記第4信号に対する前記第1信号及び前記第2信号の比を演算することにより、前記第1検出器及び前記第2検出器を改善するように前記消衰係数の誤差成分を最小化する段階を更に有する、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法であって、前記第1検出器及び前記第2検出器は、波長の第1領域についてのシリコン光検出器、及び波長の第2領域についてのゲルマニウム光検出器である、方法。
【請求項31】
請求項28に記載の方法であって、波長の関数として前記複数の粒子のサイズ依存性を決定するように、複数の波長について前記全消衰断面を演算するようにMie理論を更に有する、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記第1コンテナにおける粒子に関連する粒子直径、計数、濃度情報を決定するようにMie演算を用いる反転を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項33】
請求項28に記載の方法であって、各々の波長において関数として消衰断面を決淀するように前記第1コンテナの既知の粒子密度と共に各々の波長における前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項34】
請求項28に記載の方法であって、データベースから波長の関数として消衰断面を表すデータを用いて、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように前記消衰係数に反転を適用する段階を更に有する、方法。
【請求項35】
請求項28に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、誘電率を決定するように前記粒子密度及び前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項36】
請求項28に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、消衰断面を導出するように粒子密度により前記消衰係数を除算する段階を更に有する、方法。
【請求項37】
懸濁材料における粒子を測定する方法であって:
懸濁材料における複数の粒子を有する第1コンテナの方に光源を方向付ける段階であって、該複数の粒子は懸濁材料中にある、段階;
第1時間において前記光源の減衰部分を測定する段階であって、前記第1時間における前記減衰部分は前記光源から前記第1コンテナを透過する、段階;
制御材料を有する第2コンテナの方に前記光源を方向付ける段階;
第2時間において前記光源の減衰部分を測定する段階であって、前記第2時聞における前記減衰部分は前記光源から前記第2コンテナを透過する、段階;並びに
消衰係数を特定するように前記第1時間及び前記第2時間から前記測定の比を演算する段階;
を有する方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、複数の波長について前記第1時間及び前記第2時間において前記滅衰部分を測定する段階を更に有する、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、前記複数の波長の各々について前記第1時間及び前記第2時間において前記光源の前記減衰部分を光信号分析器が測定する、方法。
【請求項40】
請求項38に記載の方法であって、波長の関数として前記消衰係数を演算する段階を更に有する、方法。
【請求項41】
請求項37に記載の方法であって、前記光源は、複数の波長を有する広帯域光源を有す
る、方法。
【請求項42】
請求項37に記載の方法であって、波長の関数として消衰断面を決定するように、前記第1コンテナの既知の粒子密度と共に各々の波長における前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項43】
請求項37に記載の方法であって、波長の関数として消衰断面を得るようにMie理論を適用する段階と、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように波長の関数として前記消衰係数に反転を適用する段階とを更に有する、方法。
【請求項44】
請求項42に記載の方法であって、データベースに波長の関数として消衰断面を保存する段階であって、前記保存された消衰断面の情報は前記第1コンテナの前記粒子密度に関連する、段階を更に有する、方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法であって、前記第1コンテナにおける粒子を示す粒子誘電率と前記保存された消衰断面の情報を関連付ける段階を更に有する、方法。
【請求項46】
請求項44に記載の方法であって、前記第1コンテナにおける粒子を示す粒子子屈折率と前記保存された消衰断面の情報を関連付ける段階を更に有する、方法。
【請求項47】
請求項37に記載の方法であって、データベースから波長の関数として消衰断面を示すデータを用いる段階と、前記第1コンテナの粒子密度を決定するように前記消衰係数に反転を適用する段階とを更に有する、方法。
【請求項48】
請求須37に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、前記第1コンテナの粒子についての屈折率又は誘電率の少なくとも一を決定するように前記粒子密度及び前記消衰係数を用いる段階を更に有する、方法。
【請求項49】
請求項37に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子密度は既知であり、消衰係数を導出するように前記粒子密度により前記消衰係数を除算する段階を更に有する、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、前記第1コンテナの粒子の既知の種類について波長の関数として前記消衰断面を導出する段階を更に有する、方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−507008(P2012−507008A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533371(P2011−533371)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061853
【国際公開番号】WO2010/048512
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(510099039)ユニヴァーシティー オブ ノートル ダム デュ ラック (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061853
【国際公開番号】WO2010/048512
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(510099039)ユニヴァーシティー オブ ノートル ダム デュ ラック (4)
【Fターム(参考)】
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