成分測定装置及び医療機器
【課題】体液中の所定成分を測定する際、視力の低下しているユーザにも測定値の最上位値を認識しやすくする。
【解決手段】血糖計は、血糖値を測定する測定部と、測定部で測定された血糖値を認識してスピーカから該血糖値を音声形式で出力する音出力部とを有し、音出力部は、血糖値の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べ(ステップS5)、血糖値の音声出力(ステップS7)とは別に最上位値を示す音をスピーカから出力する(ステップS8)。
【解決手段】血糖計は、血糖値を測定する測定部と、測定部で測定された血糖値を認識してスピーカから該血糖値を音声形式で出力する音出力部とを有し、音出力部は、血糖値の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べ(ステップS5)、血糖値の音声出力(ステップS7)とは別に最上位値を示す音をスピーカから出力する(ステップS8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイタルサイン又は体液中の所定成分を測定する測定部と、前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部とを有する成分測定装置及び医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の治療において、日々の血糖値を測定することによる日常的な管理が推奨されており、患者自身が血糖計を用いて血糖値を測定している。
【0003】
しかし、糖尿病患者は合併症によって弱視や失明している場合や、また合併症がなくても高齢によって視力が低下している場合があり血糖計のディスプレイに表示される測定値を読みづらいことがある。さらに、合併症により手指が不自由となり血糖計を安定して把持できずに測定値を読みづらいこともある。
【0004】
このような糖尿病患者に対しては測定値をディスプレイに表示するだけではなく、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示されるように音声により読み上げることで視力に頼らずに測定結果を知ることができ、好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−58359号公報
【特許文献2】特開2007−41920号公報
【特許文献3】特許第4395146号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医師の指導のもと、患者は血糖値の測定及びインスリン注射を行っており、測定された血糖値に基づいてインスリン投与量を決めたり、医師によって治療方針の見直しを行うことがあり、血糖値の正確な認識が求められている。
【0007】
ところで、音声で読み上げることにより血糖値を聴覚的に把握しようとしても、一度だけの読み上げでは誤認識してしまう懸念がある。例えば、血糖値が512mg/dLであったときにスピーカから「ごひゃくじゅうに」と音声出力してもユーザ(患者(特に聴力の衰えた高齢者)、介護者、看護師等)は「ひゃくじゅうに」と聞き間違える可能性もある。特に最上位桁の聞き間違えが懸念されるが、該最上位桁は血糖値を把握する上で最も重要であることはもちろんである。また、血糖値のみならず、他のバイタルサイン(体温、血圧、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、心電、血流量等)においても同様のことが言える。
【0008】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、視力の低下しているユーザであってもより確実に測定値を認識することができる成分測定装置及び医療機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る成分測定装置は、体液中の所定成分を測定する測定部と、前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る医療機器は、人体のバイタルサインを測定する測定部と、前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部とを有することを特徴とする。
【0011】
このように、測定結果値を音声形式で出力するとともに、最上位値についてはさらに音形式で出力するので、視力の低下しているユーザであっても該最上位値について再確認が可能となり、より確実に測定値を認識することができる。
【0012】
前記所定出力手段は前記スピーカであって、前記最上位値出力部は、前記基準最上位桁を示す音声とともに、前記最上位値を音声で出力すると理解が容易である。
【0013】
この場合、前記測定結果値が所定閾値よりも小さいときに、前記基準最上位桁より1桁小さい第二上位桁にあたる第二上位値を調べ、該第二上位値を別途音声で出力する第二上位値出力部を有してもよい。これにより、測定結果値が所定閾値よりも小さい場合にユーザに注意を喚起することができる。
【0014】
前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に相当する回数だけ信号音を出力し、前記最上位値が0のときに固有の信号音を出力してもよい。このような出力形式では、音声の認識が困難であるユーザでも信号音の回数を数えることができる場合があり、しかも理解が容易で好適である。
【0015】
また、信号音の回数だと数値が大きい場合には数え間違えが懸念されることもある。そのような場合には、前記最上位値に固有に対応したパターンの信号音を出力してもよいし、前記最上位値に固有に対応した周波数の音を出力してもよいし、前記最上位値に固有に対応したメロディーを出力してもよい。このような出力形式では、聞き間違えの可能性が一層低下する。
【0016】
さらに、前記最上位値出力部は、前記最上位値の複数の出力形式を有し、当該成分測定装置は、さらに、前記複数の出力形式から1つを選択する出力切換部を有することを特徴とすると、ユーザごとに測定値を把握しやすいものを選択できる。
【0017】
前記所定出力手段はバイブレータであって、前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に応じた回数の振動を前記バイブレータから出力し、前記最上位値が0のときに固有の振動を前記バイブレータから出力すると、聴力の弱いユーザであっても触覚から基準最上位桁の把握が可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る成分測定装置及び医療機器によれば、測定結果値を音声形式で出力するとともに、最上位値についてはさらに音又は振動の形式で出力するので、視力の低下しているユーザであっても該最上位値について注意が喚起されたり、予め認識させられたり、あるいは再確認が可能となり、より確実に測定値を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態に係る血糖計の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る血糖計の平面図である。
【図3】本実施の形態に係る血糖計の基端側から見た側面図である。
【図4】試験具の断面側面図である。
【図5】本実施の形態に係る血糖計の基端部近傍の側面図である。
【図6】切換スイッチを示す図である。
【図7】本実施の形態に係る血糖計のブロック構成図である。
【図8】記憶部の内部構成を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る血糖計の制御部のブロック構成図である。
【図10】血糖計の動作を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態の変形例に係る血糖計の制御部のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る成分測定装置及び医療機器について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図11を参照しながら説明する。
【0021】
図1、図2及び図3に示すように、本実施の形態に係る血糖計(成分測定装置、医療機器)10には、先端に試験具としてチップ12が装着される。血糖計10は、患者自身が操作して血糖計測を行うパーソナルユースの用途として主に用いられるが、もちろん特段の改造をすることなく医療従事者が使用する医療施設内用途としても使用可能である。先ずチップ12について説明する。
【0022】
図4に示すように、チップ12は、有底筒状のベース筒14と、ベース筒14から半径方向に突出するフランジ16と、ベース筒14の底部から突出する錐状のノズル18と、ベース筒14の底部内面に設置された試験紙20とを有する。ベース筒14には複数のスリット14aが設けられている。ノズル18の中心には、先端の点着部22から試験紙20に連通する直線状の血液導入路24が設けられている。試験紙20の材質としては、例えば、ポリエーテルスルホンが挙げられる。試験紙20に含浸される試薬としては、例えば、グルコースオキシターゼ(GOD)、ペルオキシターゼ(POD)、4−アミノアンチピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)等の発色剤が挙げられる。また、試薬には所定の緩衝剤が含まれていてもよい。
【0023】
血液導入路24は、血液を毛管現象により吸い上げる程度に十分細径に設定されており、点着部22に接触した血液を試験紙20まで導入する。
【0024】
チップ12は、いわゆるディスポーザブル品であり個包装体としてのケース26(図1参照)内に収納され、ケース26の基端部はフィルムでシールされている。
【0025】
図1〜図3に戻り、本形態に係る血糖計10は、チップ12が装着される先端装着部28と、先端装着部28の近傍上面に設けられたイジェクトレバー30と、上面中央に設けられた液晶のディスプレイ36と、上面の基端側に設けられた操作部38と、基端部近傍の側面に設けられた複数段階設定のボリュームスイッチ40と、基端部側面(図3参照)に設けられた時間設定ボタン44と、紐で接続されて先端装着部28を保護するキャップ46と、裏面に設けられた切換スイッチ(出力切換部)48とを有する。血糖計10は片手で把持しやすいやや細長い形状であり、先端部は先端方向に向かって細くなるとともにやや下側に屈曲して点着操作が容易な形状をなしている。
【0026】
血糖計10の上面部は平面状に形成されている。ディスプレイ36は計測した血糖値を表示する他、所定の入力操作確認やメンテナンス用コードの表示が可能である。
【0027】
操作部38は、電源のオン・オフをする電源ボタン50と、過去に記憶された測定値を呼び出す記憶呼出ボタン52と、スピーカ(所定出力手段)54と、再生ボタン56とを有する。スピーカ54は血糖値の測定結果である測定値やその測定値に基づくインストラクション、操作ガイダンスを音声アナウンスで出力するとともに、操作に応じてビープ音などの音響出力をする。スピーカ54は、血糖値の読み上げの音声出力とは別に血糖値の最上位値を示す音を出力するが、これについては後述する。再生ボタン56は一度音声報知された内容を再度報知させるためのボタンである。
【0028】
時間設定ボタン44、電源ボタン50、記憶呼出ボタン52及び再生ボタン56の表面には異なるパターンの小突起が設けられており、指先の触覚で識別可能である。
【0029】
図5に示すように、ボリュームスイッチ40は、スライダ59を左右4段階に移動させるスイッチであり右から順に音出力切、音量小、音量中、音量大を選択できる。側面におけるボリュームスイッチ40のすぐ下には、スライダ59の三角突起ポインタに対応して右から順に「切」、「小」、「中」、「大」の表示が設けられている。スライダ59には複数本の縦突起が設けられており指先を用いて横方向へ移動させやすい。
【0030】
図6に示すように、切換スイッチ48はロータリ式であって、周囲に表示された「音声」、「信号音」、「モールス」、「周波数」及び「メロディー」の5つのうちいずれか1つの位置に切り換えられる。
【0031】
図7に示すように、血糖計10は制御部60が全体を統括的に制御している。血糖計10は内部に電源62と、時計64と、記憶部66と、測定部68とを有する。電源62には、例えばボタン電池が用いられ、電源ボタン50の作用下に電力を制御部60に供給する。時計64は時間設定ボタン44の操作によって調整され、現在時刻を制御部60に通知する。時計64にはカレンダー機能が設けられていてもよい。時計64の時間設定操作に関する詳細説明は省略する。
【0032】
測定部68は光学式であって、試験紙20(図4参照)にパルス状に光を照射する発光部68aと、呈色した試験紙20で反射した光を受光する受光部68bと、該受光部68bの受光信号をデジタル値に変換して制御部60に供給するA/D変換器68cとを有する。なお試験紙20及び測定部68は光学式に限らず、例えば、アンペロメトリー等を利用した電極式であってもよい。
【0033】
ディスプレイ36、ボリュームスイッチ40、時間設定ボタン44、切換スイッチ48、記憶呼出ボタン52、スピーカ54、再生ボタン56、電源62、時計64、記憶部66及び測定部68は制御部60に接続されている。制御部60としては、例えばマイクロコンピュータが用いられ、所定のプログラムを読み込み各機能部と協働しながらソフトウェア処理を実行する。
【0034】
図8に示すように、記憶部66はプログラム70と、ワークメモリ72と、ガイダンスメモリ74と、設定値メモリ76とを有する。プログラム70は制御部60が読み込み実行するソフトウェアである。ワークメモリ72はプログラム70を実行する際に所定のデータを都度記憶するために用いられる。ガイダンスメモリ74は血糖計10の操作におけるいくつかのガイダンスを音声データとして記憶する領域である。設定値メモリ76は電源オフ時に血糖計10の所定データを記憶・保存しておくメモリである。
【0035】
図8では煩雑になることを避けるために記憶部66を1つにまとめて示しているが、プログラム70及びガイダンスメモリ74はROM(Read Only Memory)、ワークメモリ72はRAM(Random Access Memory)、設定値メモリ76は書き込み可能な不揮発性(例えばフラッシュメモリ)にするとよい。
【0036】
図9に示すように、制御部60はモード管理部80と、算出部82と、十進変換部83と、ディスプレイ出力部84と、音出力部86とを有する。図9では本発明の要旨と関係の小さい機能部については省略している。
【0037】
モード管理部80は血糖計10の全体のモード管理及びタイミング管理を行い他の各機能部に動作指示を行う。また、血糖測定のタイミングに関して、チップ12の装着が確認されるまでの準備モード、測定中の測定モード及び結果を表示する表示モードを区別する。
【0038】
算出部82は測定部68から供給される信号に基づいてヘマトクリット値及び血糖値を算出する。血糖値はヘマトクリット値によって補正される。算出部82は、得られた血糖値を十進変換部83へ供給する。
【0039】
十進変換部83は百位算出部(最上位値抽出部)83a、十位算出部83b及び一位算出部83cを有し、算出部82から供給された血糖値を10進数に変換してディスプレイ出力部84及び音出力部86に供給する。このように百位算出部83aは、血糖値について、予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部として作用する。
【0040】
百位算出部83aは、算出部82から供給される血糖値をX0とすると、X0/100→A1…X1の演算を行う。A1は商であり最上位値になる。X1は余りである。
【0041】
十位算出部83bは、X1/10→A2…X2の演算を行う。A2は商であり十位の値になる。X2は余りである。
【0042】
一位算出部83cは、X2→A3と規定する。A3は一位の値になる。
【0043】
もちろん、設計条件によっては小数点以下の値を求めてディスプレイ36等に出力してもよい。
【0044】
血糖計が一般に計測しうる範囲は20〜600mg/dL程度である。つまり、2桁の場合と3桁の場合があり、そのばらつき範囲は2桁である。血糖値に限らず一般的にバイタルサインのばらつき範囲は2桁以内である。
【0045】
血糖値の測定においては、通常、1000mg/dL以上の値を測定することはないため、十進変換部83では100位まで求めれば充分であり、この100位を基準最上位桁としており、該基準最上位桁の値が最上位値になる。なお、血糖値が100mg/dL未満である場合にも、基準最上位桁の値(つまり「0」)を最上位値とする。換言すれば、測定値のとりうる最大値の最上位桁が基準最上位桁になり該基準最上位桁にあたる数値が最上位値(A1)として規定される。
【0046】
基準最上位桁より1桁小さい桁は第二上位桁、その値は第二上位値(A2)として規定される。
【0047】
ディスプレイ出力部84は算出部82で得られた血糖値をディスプレイ36に表示出力する。
【0048】
音出力部86は、音声出力部88と、百位出力部(最上位値出力部)90と、閾値判断部92とを有する。
【0049】
音声出力部88は十進変換部83から供給される血糖測の十進数データを音声出力形式データに変換して、図示しないアンプを介してスピーカ54を駆動する。例えば、血糖値が123mg/dLの場合には「血糖値は、ひゃくにじゅうさんです」と音声出力する。また、音声出力部88はモード管理部80の作用下に各種モード及び装置状態等の案内を音声出力する。例えば、「電源が入りました」、「電池が減っています」、「時間を設定します」、「測定をしています」、「測定中にチップが外れました」などである。これらの音声データはガイダンスメモリ74に記憶されている。
【0050】
百位出力部90は、百位算出部83aで求められた血糖値の最上位値を切換スイッチ48(図6参照)で選択された方法で音出力をする。
【0051】
すなわち、切換スイッチ48が「音声」を選択している場合には、最上位値に相当する数字を含む説明文を音声でスピーカ54から出力し、例えば血糖値が400台のときには「百の位は4です」と音声出力する。このように、「百の位は」とまず基準最上位桁を音声で明示し、その後に「4です」と最上位値を音声出力することによりユーザは血糖値で最も重要である基準最上位桁が「4」であることを確実に認識できる。この場合、「百の位は、4です」と基準最上位桁を示す音声とその最上位値を示す音声との間に少し間を設けると、ユーザは一層聞き取りやすくなる。なお、この最上位値の音声報知は、実際の血糖値の読み上げ(音声報知)の前でも後でも構わない。
【0052】
切換スイッチ48で「信号音」が選択されている場合には、最上位値が0以外であるとき、該最上位値に相当する回数だけ信号音をスピーカ54から出力し、例えば血糖値が400台のときには「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ」と4回の信号音を予め出力する。最上位値が0のときには固有の信号音、例えば「ピー」という信号音を出力する。「ピッ」は、短時間のビープ音、「ピー」は、「ピッ」よりもやや長いビープ音とする。このような出力形式では、音声の認識が困難であるユーザでも信号音の回数を数えることによって、容易に理解ができ好適である。
【0053】
切換スイッチ48で「モールス」が選択されている場合には、最上位値を示すモールス信号(固有に対応したパターンの信号音)をスピーカ54から出力し、例えば血糖値が400台のときには「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピー」とモールス信号を予め出力する。モールス信号は周知技術なのでその説明は省略する。
【0054】
モールス信号以外にも、最上位値に固有に対応したパターンの信号音を出力するようにしてもよい。例えば、「1」に対応して「ピッ」、「2」に対応して「ピッ、ピッ」、「3」に対応して「ピッ、ピッ、ピッ」、「4」に対応して「ピー」、「5」に対応して「ピー、ピー」、「6」に対応して「ピー、ピー、ピー」、「0」に対応して「ピーーー」と出力してもよい。「ピーーー」は、「ピー」よりもさらに長いビープ音とする。
【0055】
切換スイッチ48で「周波数」が選択されている場合には、最上位値に固有に対応した周波数の音をスピーカ54から予め出力する。この音は最上位値が大きいほど高い周波数に設定すると、ユーザに注意喚起を促すことができる。
【0056】
切換スイッチ48で「メロディー」が選択されている場合には、最上位値に固有に対応したメロディーをスピーカ54から出力する。このメロディーは、例えば最上位値が大きいほど速いテンポに設定すると、ユーザに注意喚起を促すことができる。
【0057】
以上のように、モールス信号音、固有周波数音及び固有メロディーを出力する場合も聞き間違えの可能性が一層低下する。
【0058】
いずれの場合においても、最上位値が「0」であっても「0」に対応する出力を行う。例えば、血糖値が90mg/dLである場合で、切換スイッチ48が「音声」を選択しているときには「百の位は0です」と音声出力する。切換スイッチ48が「信号音」を選択しているときには「ピーーー」と音出力をする。
【0059】
閾値判断部92は、血糖値(X0)が閾値(例えば、50mg/dL)を下回るか判断し、下回っているときには十位出力部(第二上位値出力部)92aによって十位の値(A2)を音出力する。例えば、血糖値が閾値より小さい20mg/dLであるときには、百位出力部90が「百の位は0です」と音声出力した後に、「十の位は2です」と音声出力する。
【0060】
次に、このように構成される血糖計10の動作・作用について図10を参照しながら説明する。図10に基づく説明では断りのない限り表記したステップ番号順に、制御部60の作用下に行われるものとする。
【0061】
図10のステップS1において、ユーザが血糖計10の電源ボタン50を押すことにより電源がオンになり、スピーカ54から「電源が入りました」と音声を出力する。同時に発光部68c(図7参照)がパルス状に発光を開始する。
【0062】
ステップS2において、「チップを装着してください」と音声アナウンスを出力する。この音声アナウンスに基づいて、ユーザはキャップ46(図1参照)を外し、チップ12を先端装着部28に装着する。
【0063】
ステップS3において、試験紙20の反射光を受光部68bで計測し、正しくチップ12が装着されていることを確認し、スピーカ54から「測定できます。チップに血液を点着させてください」と音声アナウンスをする。ユーザは音声アナウンスに従ってチップ12の点着部22(図4参照)を血液に点着させる。チップ12が正しく装着されていないと判断されるときはその旨を通知する。点着部22に点着した血液は血液導入路24を通り試験紙20に導かれる。
【0064】
ステップS4において、チップ12に点着された血液中のグルコースと試験紙20に含浸された試薬との反応により呈色が開始される。呈色開始から所定時間経過後、得られた受光信号に基づいてヘマトクリット値及び血糖値を求める。血糖値はヘマトクリット値等によって補正される。この血糖値の測定の間、スピーカ54から「計測中です」という音声アナウンスや、計測中であることを示す断続ビープ音を出力してもよい。
【0065】
ステップS5において、算出部82(図9参照)は求めた血糖値を十進変換部83に供給する。
【0066】
ステップS6において、十進変換部83は、供給された血糖値を十進数に変換することによって百位のA1、十位のA2及び一位のA3を求めてディスプレイ出力部84及び音出力部86に供給する。ディスプレイ出力部84は血糖値をディスプレイ36に十進数で表示する。
【0067】
ステップS7において、音出力部86は十進変換部83から供給された血糖値の十進数に基づいて、該血糖値の読み上げ出力をスピーカ54に対して行う。
【0068】
ステップS8において、百位出力部90は血糖値の基準最上位桁にあたる最上位値(A1)を調べ、ステップS7における測定結果値の音声出力とは別に、最上位値を示す音をスピーカ54から出力する。
【0069】
この出力形式は、切換スイッチ48(図6参照)の選択状態に従い、該切換スイッチ48が「音声」を選択しているときには音声形式で、「信号音」を選択しているときには最上位値に相当する回数の信号音、「モールス」を選択しているときには最上位値を示すモールス信号音、「周波数」を選択しているときには最上位値に固有に対応した周波数の音、「メロディー」を選択しているときには最上位値に固有に対応したメロディーを出力する。
【0070】
したがって、血糖値が123mg/dLの場合で切換スイッチ48が「音声」を選択しているときには、まずステップS7において「血糖値は、ひゃくにじゅうさんです」と音声出力し、その後ステップS8において「百の位は1です」と音声出力することになる。
【0071】
ステップS9において、閾値判断部92は、血糖値(原値でも十進数値でもよい)と閾値(例えば、50mg/dL)とを比較し、測定結果値が所定閾値よりも小さいときにはステップS10へ移り、それ以外のときには終了する。
【0072】
ステップS10において、十位出力部92aは基準最上位桁より1桁小さい第二上位桁にあたる第二上位値(A2)を調べ、該第二上位値を音声形式でスピーカ54から出力する。例えば、血糖値が閾値より小さい20mg/dLであるときには、ステップS11で百位出力部90が「百の位は0です」と音声出力した後に、「十の位は2です」とさらに音声出力する。
【0073】
血糖値が所定閾値よりも小さいときには低血糖状態であって、ブドウ糖服用などの処置が必要となる。このような場合、第二上位値を調べ、該第二上位値を音声でスピーカから出力することにより、ユーザに注意を喚起することができる。
【0074】
上述したように、本実施の形態に係る血糖計10によれば、測定結果値である血糖値を音声形式で出力するとともに、最上位値についてはさらに音形式で出力するので、視力の低下しているユーザであっても該最上位値について予め認識できたり、注意喚起されたり、再確認が可能となり、より確実に測定値を認識することができる。また、合併症により手指が不自由となり血糖計10を安定して把持できずにディスプレイ36の測定値を読みづらいユーザであっても血糖値を把握可能である。
【0075】
音出力部86による基準最上位桁の出力形式は、切換スイッチ48によって「音声」、「信号音」、「モールス」、「周波数」、「メロディー」の5つのうちいずれか1つを選択可能だが、選択肢はこれに限らず他の形式を付加してもよいし、いずれか2つ以上でもよい。この切換スイッチ48の出力切換機能により、ユーザごとに測定値を把握しやすいものを選択できる。
【0076】
設計条件によっては出力切換機能を省略して出力形式をいずれか1つに固定してもよい。
【0077】
なお、本実施形態では、スピーカ54から全ての音を発するように構成したがビープ音等の出力用に別途ブザー(所定出力手段)を設けてもよい。
【0078】
上記の血糖計10では百位出力部90の出力手段としてスピーカ54を用いた音出力を例示したが、これに限らず、例えば図11に示すように、バイブレータ(所定出力手段)94を用い、最上位桁に応じた回数の振動をバイブレータ94から出力してもよい。例えば、血糖値が400台のときには「ブー、ブー、ブー、ブー」と4回の振動を予め発生させればよい。また、最上位値が0のときに固有の振動(例えば、「ブーーー」というやや長い振動)をバイブレータ94から出力するとよい。これにより、聴力の弱いユーザであっても触覚から最上位桁の把握が可能になる。バイブレータ94は携帯電話における着信合図に用いられるものと同じでよい。
【0079】
なお、前記実施例では、体液として血液を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、リンパ液、髄液、唾液等であってもよい。更に、体液(血液)中の測定目的とする成分として、ブドウ糖(血糖値)を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、コレステロール、尿酸、クレアチニン、乳酸、ヘモグロビン(潜血)、各種アルコール類、各種糖類、各種タンパク質、各種ビタミン類、ナトリウム等の各種無機イオン、PCBやダイオキシン等の環境ホルモンであってもよい。更にまた、前記実施例では、所定成分の量を測定するものとして説明したが、所定成分の性質を測定するものであってもよく、また、所定成分の量及び性質の双方を測定するものであってもよい。
【0080】
本実施の形態では、体液中の所定成分を測定する成分測定装置を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、体液成分以外のバイタルサインを測定する医療機器にも適用可能である。バイタルサインとしては体温、血圧、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、心電、血流量等を含む。また、ここでいう医療機器とはいわゆるパーソナルユース品に限らず、例えば臨床機器を含むことはもちろんである。
【0081】
本発明に係る成分測定装置及び医療機器は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0082】
10…血糖計(成分測定装置、医療機器) 12…チップ
28…先端装着部 36…ディスプレイ
38…操作部 48…切換スイッチ(出力切換部)
54…スピーカ(所定出力手段) 60…制御部
66…記憶部 68…測定部
80…モード管理部 82…算出部
83…十進変換部 83a…百位算出部(最上位値抽出部)
83b…十位算出部 83c…一位算出部
86…音出力部 88…音声出力部
90…百位出力部(最上位値出力部) 92…閾値判断部
92a…十位出力部(第二上位値出力部) 94…バイブレータ(所定出力手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイタルサイン又は体液中の所定成分を測定する測定部と、前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部とを有する成分測定装置及び医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の治療において、日々の血糖値を測定することによる日常的な管理が推奨されており、患者自身が血糖計を用いて血糖値を測定している。
【0003】
しかし、糖尿病患者は合併症によって弱視や失明している場合や、また合併症がなくても高齢によって視力が低下している場合があり血糖計のディスプレイに表示される測定値を読みづらいことがある。さらに、合併症により手指が不自由となり血糖計を安定して把持できずに測定値を読みづらいこともある。
【0004】
このような糖尿病患者に対しては測定値をディスプレイに表示するだけではなく、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示されるように音声により読み上げることで視力に頼らずに測定結果を知ることができ、好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−58359号公報
【特許文献2】特開2007−41920号公報
【特許文献3】特許第4395146号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医師の指導のもと、患者は血糖値の測定及びインスリン注射を行っており、測定された血糖値に基づいてインスリン投与量を決めたり、医師によって治療方針の見直しを行うことがあり、血糖値の正確な認識が求められている。
【0007】
ところで、音声で読み上げることにより血糖値を聴覚的に把握しようとしても、一度だけの読み上げでは誤認識してしまう懸念がある。例えば、血糖値が512mg/dLであったときにスピーカから「ごひゃくじゅうに」と音声出力してもユーザ(患者(特に聴力の衰えた高齢者)、介護者、看護師等)は「ひゃくじゅうに」と聞き間違える可能性もある。特に最上位桁の聞き間違えが懸念されるが、該最上位桁は血糖値を把握する上で最も重要であることはもちろんである。また、血糖値のみならず、他のバイタルサイン(体温、血圧、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、心電、血流量等)においても同様のことが言える。
【0008】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、視力の低下しているユーザであってもより確実に測定値を認識することができる成分測定装置及び医療機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る成分測定装置は、体液中の所定成分を測定する測定部と、前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る医療機器は、人体のバイタルサインを測定する測定部と、前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部とを有することを特徴とする。
【0011】
このように、測定結果値を音声形式で出力するとともに、最上位値についてはさらに音形式で出力するので、視力の低下しているユーザであっても該最上位値について再確認が可能となり、より確実に測定値を認識することができる。
【0012】
前記所定出力手段は前記スピーカであって、前記最上位値出力部は、前記基準最上位桁を示す音声とともに、前記最上位値を音声で出力すると理解が容易である。
【0013】
この場合、前記測定結果値が所定閾値よりも小さいときに、前記基準最上位桁より1桁小さい第二上位桁にあたる第二上位値を調べ、該第二上位値を別途音声で出力する第二上位値出力部を有してもよい。これにより、測定結果値が所定閾値よりも小さい場合にユーザに注意を喚起することができる。
【0014】
前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に相当する回数だけ信号音を出力し、前記最上位値が0のときに固有の信号音を出力してもよい。このような出力形式では、音声の認識が困難であるユーザでも信号音の回数を数えることができる場合があり、しかも理解が容易で好適である。
【0015】
また、信号音の回数だと数値が大きい場合には数え間違えが懸念されることもある。そのような場合には、前記最上位値に固有に対応したパターンの信号音を出力してもよいし、前記最上位値に固有に対応した周波数の音を出力してもよいし、前記最上位値に固有に対応したメロディーを出力してもよい。このような出力形式では、聞き間違えの可能性が一層低下する。
【0016】
さらに、前記最上位値出力部は、前記最上位値の複数の出力形式を有し、当該成分測定装置は、さらに、前記複数の出力形式から1つを選択する出力切換部を有することを特徴とすると、ユーザごとに測定値を把握しやすいものを選択できる。
【0017】
前記所定出力手段はバイブレータであって、前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に応じた回数の振動を前記バイブレータから出力し、前記最上位値が0のときに固有の振動を前記バイブレータから出力すると、聴力の弱いユーザであっても触覚から基準最上位桁の把握が可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る成分測定装置及び医療機器によれば、測定結果値を音声形式で出力するとともに、最上位値についてはさらに音又は振動の形式で出力するので、視力の低下しているユーザであっても該最上位値について注意が喚起されたり、予め認識させられたり、あるいは再確認が可能となり、より確実に測定値を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態に係る血糖計の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る血糖計の平面図である。
【図3】本実施の形態に係る血糖計の基端側から見た側面図である。
【図4】試験具の断面側面図である。
【図5】本実施の形態に係る血糖計の基端部近傍の側面図である。
【図6】切換スイッチを示す図である。
【図7】本実施の形態に係る血糖計のブロック構成図である。
【図8】記憶部の内部構成を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る血糖計の制御部のブロック構成図である。
【図10】血糖計の動作を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態の変形例に係る血糖計の制御部のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る成分測定装置及び医療機器について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図11を参照しながら説明する。
【0021】
図1、図2及び図3に示すように、本実施の形態に係る血糖計(成分測定装置、医療機器)10には、先端に試験具としてチップ12が装着される。血糖計10は、患者自身が操作して血糖計測を行うパーソナルユースの用途として主に用いられるが、もちろん特段の改造をすることなく医療従事者が使用する医療施設内用途としても使用可能である。先ずチップ12について説明する。
【0022】
図4に示すように、チップ12は、有底筒状のベース筒14と、ベース筒14から半径方向に突出するフランジ16と、ベース筒14の底部から突出する錐状のノズル18と、ベース筒14の底部内面に設置された試験紙20とを有する。ベース筒14には複数のスリット14aが設けられている。ノズル18の中心には、先端の点着部22から試験紙20に連通する直線状の血液導入路24が設けられている。試験紙20の材質としては、例えば、ポリエーテルスルホンが挙げられる。試験紙20に含浸される試薬としては、例えば、グルコースオキシターゼ(GOD)、ペルオキシターゼ(POD)、4−アミノアンチピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)等の発色剤が挙げられる。また、試薬には所定の緩衝剤が含まれていてもよい。
【0023】
血液導入路24は、血液を毛管現象により吸い上げる程度に十分細径に設定されており、点着部22に接触した血液を試験紙20まで導入する。
【0024】
チップ12は、いわゆるディスポーザブル品であり個包装体としてのケース26(図1参照)内に収納され、ケース26の基端部はフィルムでシールされている。
【0025】
図1〜図3に戻り、本形態に係る血糖計10は、チップ12が装着される先端装着部28と、先端装着部28の近傍上面に設けられたイジェクトレバー30と、上面中央に設けられた液晶のディスプレイ36と、上面の基端側に設けられた操作部38と、基端部近傍の側面に設けられた複数段階設定のボリュームスイッチ40と、基端部側面(図3参照)に設けられた時間設定ボタン44と、紐で接続されて先端装着部28を保護するキャップ46と、裏面に設けられた切換スイッチ(出力切換部)48とを有する。血糖計10は片手で把持しやすいやや細長い形状であり、先端部は先端方向に向かって細くなるとともにやや下側に屈曲して点着操作が容易な形状をなしている。
【0026】
血糖計10の上面部は平面状に形成されている。ディスプレイ36は計測した血糖値を表示する他、所定の入力操作確認やメンテナンス用コードの表示が可能である。
【0027】
操作部38は、電源のオン・オフをする電源ボタン50と、過去に記憶された測定値を呼び出す記憶呼出ボタン52と、スピーカ(所定出力手段)54と、再生ボタン56とを有する。スピーカ54は血糖値の測定結果である測定値やその測定値に基づくインストラクション、操作ガイダンスを音声アナウンスで出力するとともに、操作に応じてビープ音などの音響出力をする。スピーカ54は、血糖値の読み上げの音声出力とは別に血糖値の最上位値を示す音を出力するが、これについては後述する。再生ボタン56は一度音声報知された内容を再度報知させるためのボタンである。
【0028】
時間設定ボタン44、電源ボタン50、記憶呼出ボタン52及び再生ボタン56の表面には異なるパターンの小突起が設けられており、指先の触覚で識別可能である。
【0029】
図5に示すように、ボリュームスイッチ40は、スライダ59を左右4段階に移動させるスイッチであり右から順に音出力切、音量小、音量中、音量大を選択できる。側面におけるボリュームスイッチ40のすぐ下には、スライダ59の三角突起ポインタに対応して右から順に「切」、「小」、「中」、「大」の表示が設けられている。スライダ59には複数本の縦突起が設けられており指先を用いて横方向へ移動させやすい。
【0030】
図6に示すように、切換スイッチ48はロータリ式であって、周囲に表示された「音声」、「信号音」、「モールス」、「周波数」及び「メロディー」の5つのうちいずれか1つの位置に切り換えられる。
【0031】
図7に示すように、血糖計10は制御部60が全体を統括的に制御している。血糖計10は内部に電源62と、時計64と、記憶部66と、測定部68とを有する。電源62には、例えばボタン電池が用いられ、電源ボタン50の作用下に電力を制御部60に供給する。時計64は時間設定ボタン44の操作によって調整され、現在時刻を制御部60に通知する。時計64にはカレンダー機能が設けられていてもよい。時計64の時間設定操作に関する詳細説明は省略する。
【0032】
測定部68は光学式であって、試験紙20(図4参照)にパルス状に光を照射する発光部68aと、呈色した試験紙20で反射した光を受光する受光部68bと、該受光部68bの受光信号をデジタル値に変換して制御部60に供給するA/D変換器68cとを有する。なお試験紙20及び測定部68は光学式に限らず、例えば、アンペロメトリー等を利用した電極式であってもよい。
【0033】
ディスプレイ36、ボリュームスイッチ40、時間設定ボタン44、切換スイッチ48、記憶呼出ボタン52、スピーカ54、再生ボタン56、電源62、時計64、記憶部66及び測定部68は制御部60に接続されている。制御部60としては、例えばマイクロコンピュータが用いられ、所定のプログラムを読み込み各機能部と協働しながらソフトウェア処理を実行する。
【0034】
図8に示すように、記憶部66はプログラム70と、ワークメモリ72と、ガイダンスメモリ74と、設定値メモリ76とを有する。プログラム70は制御部60が読み込み実行するソフトウェアである。ワークメモリ72はプログラム70を実行する際に所定のデータを都度記憶するために用いられる。ガイダンスメモリ74は血糖計10の操作におけるいくつかのガイダンスを音声データとして記憶する領域である。設定値メモリ76は電源オフ時に血糖計10の所定データを記憶・保存しておくメモリである。
【0035】
図8では煩雑になることを避けるために記憶部66を1つにまとめて示しているが、プログラム70及びガイダンスメモリ74はROM(Read Only Memory)、ワークメモリ72はRAM(Random Access Memory)、設定値メモリ76は書き込み可能な不揮発性(例えばフラッシュメモリ)にするとよい。
【0036】
図9に示すように、制御部60はモード管理部80と、算出部82と、十進変換部83と、ディスプレイ出力部84と、音出力部86とを有する。図9では本発明の要旨と関係の小さい機能部については省略している。
【0037】
モード管理部80は血糖計10の全体のモード管理及びタイミング管理を行い他の各機能部に動作指示を行う。また、血糖測定のタイミングに関して、チップ12の装着が確認されるまでの準備モード、測定中の測定モード及び結果を表示する表示モードを区別する。
【0038】
算出部82は測定部68から供給される信号に基づいてヘマトクリット値及び血糖値を算出する。血糖値はヘマトクリット値によって補正される。算出部82は、得られた血糖値を十進変換部83へ供給する。
【0039】
十進変換部83は百位算出部(最上位値抽出部)83a、十位算出部83b及び一位算出部83cを有し、算出部82から供給された血糖値を10進数に変換してディスプレイ出力部84及び音出力部86に供給する。このように百位算出部83aは、血糖値について、予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部として作用する。
【0040】
百位算出部83aは、算出部82から供給される血糖値をX0とすると、X0/100→A1…X1の演算を行う。A1は商であり最上位値になる。X1は余りである。
【0041】
十位算出部83bは、X1/10→A2…X2の演算を行う。A2は商であり十位の値になる。X2は余りである。
【0042】
一位算出部83cは、X2→A3と規定する。A3は一位の値になる。
【0043】
もちろん、設計条件によっては小数点以下の値を求めてディスプレイ36等に出力してもよい。
【0044】
血糖計が一般に計測しうる範囲は20〜600mg/dL程度である。つまり、2桁の場合と3桁の場合があり、そのばらつき範囲は2桁である。血糖値に限らず一般的にバイタルサインのばらつき範囲は2桁以内である。
【0045】
血糖値の測定においては、通常、1000mg/dL以上の値を測定することはないため、十進変換部83では100位まで求めれば充分であり、この100位を基準最上位桁としており、該基準最上位桁の値が最上位値になる。なお、血糖値が100mg/dL未満である場合にも、基準最上位桁の値(つまり「0」)を最上位値とする。換言すれば、測定値のとりうる最大値の最上位桁が基準最上位桁になり該基準最上位桁にあたる数値が最上位値(A1)として規定される。
【0046】
基準最上位桁より1桁小さい桁は第二上位桁、その値は第二上位値(A2)として規定される。
【0047】
ディスプレイ出力部84は算出部82で得られた血糖値をディスプレイ36に表示出力する。
【0048】
音出力部86は、音声出力部88と、百位出力部(最上位値出力部)90と、閾値判断部92とを有する。
【0049】
音声出力部88は十進変換部83から供給される血糖測の十進数データを音声出力形式データに変換して、図示しないアンプを介してスピーカ54を駆動する。例えば、血糖値が123mg/dLの場合には「血糖値は、ひゃくにじゅうさんです」と音声出力する。また、音声出力部88はモード管理部80の作用下に各種モード及び装置状態等の案内を音声出力する。例えば、「電源が入りました」、「電池が減っています」、「時間を設定します」、「測定をしています」、「測定中にチップが外れました」などである。これらの音声データはガイダンスメモリ74に記憶されている。
【0050】
百位出力部90は、百位算出部83aで求められた血糖値の最上位値を切換スイッチ48(図6参照)で選択された方法で音出力をする。
【0051】
すなわち、切換スイッチ48が「音声」を選択している場合には、最上位値に相当する数字を含む説明文を音声でスピーカ54から出力し、例えば血糖値が400台のときには「百の位は4です」と音声出力する。このように、「百の位は」とまず基準最上位桁を音声で明示し、その後に「4です」と最上位値を音声出力することによりユーザは血糖値で最も重要である基準最上位桁が「4」であることを確実に認識できる。この場合、「百の位は、4です」と基準最上位桁を示す音声とその最上位値を示す音声との間に少し間を設けると、ユーザは一層聞き取りやすくなる。なお、この最上位値の音声報知は、実際の血糖値の読み上げ(音声報知)の前でも後でも構わない。
【0052】
切換スイッチ48で「信号音」が選択されている場合には、最上位値が0以外であるとき、該最上位値に相当する回数だけ信号音をスピーカ54から出力し、例えば血糖値が400台のときには「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ」と4回の信号音を予め出力する。最上位値が0のときには固有の信号音、例えば「ピー」という信号音を出力する。「ピッ」は、短時間のビープ音、「ピー」は、「ピッ」よりもやや長いビープ音とする。このような出力形式では、音声の認識が困難であるユーザでも信号音の回数を数えることによって、容易に理解ができ好適である。
【0053】
切換スイッチ48で「モールス」が選択されている場合には、最上位値を示すモールス信号(固有に対応したパターンの信号音)をスピーカ54から出力し、例えば血糖値が400台のときには「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピー」とモールス信号を予め出力する。モールス信号は周知技術なのでその説明は省略する。
【0054】
モールス信号以外にも、最上位値に固有に対応したパターンの信号音を出力するようにしてもよい。例えば、「1」に対応して「ピッ」、「2」に対応して「ピッ、ピッ」、「3」に対応して「ピッ、ピッ、ピッ」、「4」に対応して「ピー」、「5」に対応して「ピー、ピー」、「6」に対応して「ピー、ピー、ピー」、「0」に対応して「ピーーー」と出力してもよい。「ピーーー」は、「ピー」よりもさらに長いビープ音とする。
【0055】
切換スイッチ48で「周波数」が選択されている場合には、最上位値に固有に対応した周波数の音をスピーカ54から予め出力する。この音は最上位値が大きいほど高い周波数に設定すると、ユーザに注意喚起を促すことができる。
【0056】
切換スイッチ48で「メロディー」が選択されている場合には、最上位値に固有に対応したメロディーをスピーカ54から出力する。このメロディーは、例えば最上位値が大きいほど速いテンポに設定すると、ユーザに注意喚起を促すことができる。
【0057】
以上のように、モールス信号音、固有周波数音及び固有メロディーを出力する場合も聞き間違えの可能性が一層低下する。
【0058】
いずれの場合においても、最上位値が「0」であっても「0」に対応する出力を行う。例えば、血糖値が90mg/dLである場合で、切換スイッチ48が「音声」を選択しているときには「百の位は0です」と音声出力する。切換スイッチ48が「信号音」を選択しているときには「ピーーー」と音出力をする。
【0059】
閾値判断部92は、血糖値(X0)が閾値(例えば、50mg/dL)を下回るか判断し、下回っているときには十位出力部(第二上位値出力部)92aによって十位の値(A2)を音出力する。例えば、血糖値が閾値より小さい20mg/dLであるときには、百位出力部90が「百の位は0です」と音声出力した後に、「十の位は2です」と音声出力する。
【0060】
次に、このように構成される血糖計10の動作・作用について図10を参照しながら説明する。図10に基づく説明では断りのない限り表記したステップ番号順に、制御部60の作用下に行われるものとする。
【0061】
図10のステップS1において、ユーザが血糖計10の電源ボタン50を押すことにより電源がオンになり、スピーカ54から「電源が入りました」と音声を出力する。同時に発光部68c(図7参照)がパルス状に発光を開始する。
【0062】
ステップS2において、「チップを装着してください」と音声アナウンスを出力する。この音声アナウンスに基づいて、ユーザはキャップ46(図1参照)を外し、チップ12を先端装着部28に装着する。
【0063】
ステップS3において、試験紙20の反射光を受光部68bで計測し、正しくチップ12が装着されていることを確認し、スピーカ54から「測定できます。チップに血液を点着させてください」と音声アナウンスをする。ユーザは音声アナウンスに従ってチップ12の点着部22(図4参照)を血液に点着させる。チップ12が正しく装着されていないと判断されるときはその旨を通知する。点着部22に点着した血液は血液導入路24を通り試験紙20に導かれる。
【0064】
ステップS4において、チップ12に点着された血液中のグルコースと試験紙20に含浸された試薬との反応により呈色が開始される。呈色開始から所定時間経過後、得られた受光信号に基づいてヘマトクリット値及び血糖値を求める。血糖値はヘマトクリット値等によって補正される。この血糖値の測定の間、スピーカ54から「計測中です」という音声アナウンスや、計測中であることを示す断続ビープ音を出力してもよい。
【0065】
ステップS5において、算出部82(図9参照)は求めた血糖値を十進変換部83に供給する。
【0066】
ステップS6において、十進変換部83は、供給された血糖値を十進数に変換することによって百位のA1、十位のA2及び一位のA3を求めてディスプレイ出力部84及び音出力部86に供給する。ディスプレイ出力部84は血糖値をディスプレイ36に十進数で表示する。
【0067】
ステップS7において、音出力部86は十進変換部83から供給された血糖値の十進数に基づいて、該血糖値の読み上げ出力をスピーカ54に対して行う。
【0068】
ステップS8において、百位出力部90は血糖値の基準最上位桁にあたる最上位値(A1)を調べ、ステップS7における測定結果値の音声出力とは別に、最上位値を示す音をスピーカ54から出力する。
【0069】
この出力形式は、切換スイッチ48(図6参照)の選択状態に従い、該切換スイッチ48が「音声」を選択しているときには音声形式で、「信号音」を選択しているときには最上位値に相当する回数の信号音、「モールス」を選択しているときには最上位値を示すモールス信号音、「周波数」を選択しているときには最上位値に固有に対応した周波数の音、「メロディー」を選択しているときには最上位値に固有に対応したメロディーを出力する。
【0070】
したがって、血糖値が123mg/dLの場合で切換スイッチ48が「音声」を選択しているときには、まずステップS7において「血糖値は、ひゃくにじゅうさんです」と音声出力し、その後ステップS8において「百の位は1です」と音声出力することになる。
【0071】
ステップS9において、閾値判断部92は、血糖値(原値でも十進数値でもよい)と閾値(例えば、50mg/dL)とを比較し、測定結果値が所定閾値よりも小さいときにはステップS10へ移り、それ以外のときには終了する。
【0072】
ステップS10において、十位出力部92aは基準最上位桁より1桁小さい第二上位桁にあたる第二上位値(A2)を調べ、該第二上位値を音声形式でスピーカ54から出力する。例えば、血糖値が閾値より小さい20mg/dLであるときには、ステップS11で百位出力部90が「百の位は0です」と音声出力した後に、「十の位は2です」とさらに音声出力する。
【0073】
血糖値が所定閾値よりも小さいときには低血糖状態であって、ブドウ糖服用などの処置が必要となる。このような場合、第二上位値を調べ、該第二上位値を音声でスピーカから出力することにより、ユーザに注意を喚起することができる。
【0074】
上述したように、本実施の形態に係る血糖計10によれば、測定結果値である血糖値を音声形式で出力するとともに、最上位値についてはさらに音形式で出力するので、視力の低下しているユーザであっても該最上位値について予め認識できたり、注意喚起されたり、再確認が可能となり、より確実に測定値を認識することができる。また、合併症により手指が不自由となり血糖計10を安定して把持できずにディスプレイ36の測定値を読みづらいユーザであっても血糖値を把握可能である。
【0075】
音出力部86による基準最上位桁の出力形式は、切換スイッチ48によって「音声」、「信号音」、「モールス」、「周波数」、「メロディー」の5つのうちいずれか1つを選択可能だが、選択肢はこれに限らず他の形式を付加してもよいし、いずれか2つ以上でもよい。この切換スイッチ48の出力切換機能により、ユーザごとに測定値を把握しやすいものを選択できる。
【0076】
設計条件によっては出力切換機能を省略して出力形式をいずれか1つに固定してもよい。
【0077】
なお、本実施形態では、スピーカ54から全ての音を発するように構成したがビープ音等の出力用に別途ブザー(所定出力手段)を設けてもよい。
【0078】
上記の血糖計10では百位出力部90の出力手段としてスピーカ54を用いた音出力を例示したが、これに限らず、例えば図11に示すように、バイブレータ(所定出力手段)94を用い、最上位桁に応じた回数の振動をバイブレータ94から出力してもよい。例えば、血糖値が400台のときには「ブー、ブー、ブー、ブー」と4回の振動を予め発生させればよい。また、最上位値が0のときに固有の振動(例えば、「ブーーー」というやや長い振動)をバイブレータ94から出力するとよい。これにより、聴力の弱いユーザであっても触覚から最上位桁の把握が可能になる。バイブレータ94は携帯電話における着信合図に用いられるものと同じでよい。
【0079】
なお、前記実施例では、体液として血液を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、リンパ液、髄液、唾液等であってもよい。更に、体液(血液)中の測定目的とする成分として、ブドウ糖(血糖値)を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、コレステロール、尿酸、クレアチニン、乳酸、ヘモグロビン(潜血)、各種アルコール類、各種糖類、各種タンパク質、各種ビタミン類、ナトリウム等の各種無機イオン、PCBやダイオキシン等の環境ホルモンであってもよい。更にまた、前記実施例では、所定成分の量を測定するものとして説明したが、所定成分の性質を測定するものであってもよく、また、所定成分の量及び性質の双方を測定するものであってもよい。
【0080】
本実施の形態では、体液中の所定成分を測定する成分測定装置を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、体液成分以外のバイタルサインを測定する医療機器にも適用可能である。バイタルサインとしては体温、血圧、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、心電、血流量等を含む。また、ここでいう医療機器とはいわゆるパーソナルユース品に限らず、例えば臨床機器を含むことはもちろんである。
【0081】
本発明に係る成分測定装置及び医療機器は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0082】
10…血糖計(成分測定装置、医療機器) 12…チップ
28…先端装着部 36…ディスプレイ
38…操作部 48…切換スイッチ(出力切換部)
54…スピーカ(所定出力手段) 60…制御部
66…記憶部 68…測定部
80…モード管理部 82…算出部
83…十進変換部 83a…百位算出部(最上位値抽出部)
83b…十位算出部 83c…一位算出部
86…音出力部 88…音声出力部
90…百位出力部(最上位値出力部) 92…閾値判断部
92a…十位出力部(第二上位値出力部) 94…バイブレータ(所定出力手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液中の所定成分を測定する測定部と、
前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、
前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、
前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部と、
を有することを特徴とする成分測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の成分測定装置において、
前記所定出力手段は前記スピーカであって、
前記最上位値出力部は、前記基準最上位桁を示す音声とともに、前記最上位値を音声で出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の成分測定装置において、
前記測定結果値が所定閾値よりも小さいときに、前記基準最上位桁より1桁小さい第二上位桁にあたる第二上位値を調べ、該第二上位値を別途音声で出力する第二上位値出力部を有することを特徴とする成分測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に相当する回数だけ信号音を出力し、前記最上位値が0のときに固有の信号音を出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値に固有に対応したパターンの信号音を出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値に固有に対応した周波数の音を出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値に固有に対応したメロディーを出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項8】
請求項1記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値の複数の出力形式を有し、
当該成分測定装置は、さらに、前記複数の出力形式から1つを選択する出力切換部を有することを特徴とする成分測定装置。
【請求項9】
請求項1記載の成分測定装置において、
前記所定出力手段はバイブレータであって、
前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に応じた回数の振動を前記バイブレータから出力し、前記最上位値が0のときに固有の振動を前記バイブレータから出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項10】
人体のバイタルサインを測定する測定部と、
前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、
前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、
前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部と、
を有することを特徴とする医療機器。
【請求項1】
体液中の所定成分を測定する測定部と、
前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、
前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、
前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部と、
を有することを特徴とする成分測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の成分測定装置において、
前記所定出力手段は前記スピーカであって、
前記最上位値出力部は、前記基準最上位桁を示す音声とともに、前記最上位値を音声で出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の成分測定装置において、
前記測定結果値が所定閾値よりも小さいときに、前記基準最上位桁より1桁小さい第二上位桁にあたる第二上位値を調べ、該第二上位値を別途音声で出力する第二上位値出力部を有することを特徴とする成分測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に相当する回数だけ信号音を出力し、前記最上位値が0のときに固有の信号音を出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値に固有に対応したパターンの信号音を出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値に固有に対応した周波数の音を出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値に固有に対応したメロディーを出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項8】
請求項1記載の成分測定装置において、
前記最上位値出力部は、前記最上位値の複数の出力形式を有し、
当該成分測定装置は、さらに、前記複数の出力形式から1つを選択する出力切換部を有することを特徴とする成分測定装置。
【請求項9】
請求項1記載の成分測定装置において、
前記所定出力手段はバイブレータであって、
前記最上位値出力部は、前記最上位値が0以外のときに前記最上位値に応じた回数の振動を前記バイブレータから出力し、前記最上位値が0のときに固有の振動を前記バイブレータから出力することを特徴とする成分測定装置。
【請求項10】
人体のバイタルサインを測定する測定部と、
前記測定部で測定された測定結果値を認識してスピーカから該測定結果値を音声形式で出力する音出力部と、
前記測定結果値について、前記体液中の所定成分の測定において予め規定された基準最上位桁にあたる最上位値を調べる最上位値抽出部と、
前記測定結果値の前記音声形式での出力とは別に、前記最上位値抽出部で得られた前記最上位値を該最上位値に固有に対応した音又は振動の形式で所定出力手段から出力する最上位値出力部と、
を有することを特徴とする医療機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−205804(P2012−205804A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74236(P2011−74236)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
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