説明

成形用金型、及び成形装置

【課題】 成形条件が変更になった場合において、キャビティ型の位置調整、特に四隅の位置に在るキャビティ型の位置調整を簡単に行うことが出来、効率良く、かつ、高品質な成形品を低廉なコストで提供できる技術を提供することである。
【解決手段】 ベース体2,3と、ベース体3に取り付けられたキャビティ型1a,1a,1a,1b,1b,1b とを有する成形用金型であって、
キャビティ型1a,1a,1a,1b,1b,1b は、ベース体2の側方から調整することにより、ベース体3における位置が偏倚調整できるよう構成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシートに対して一度に幾つかの製品を成形し、そして一つ一つの製品に打ち抜いて製造する製造装置における成形部の成形装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、熱可塑性合成樹脂シートから食品包装用の容器を製造する技術として次のような技術が知られている。例えば、幅が1m程度で、厚さが0.2〜3mm程度の熱可塑性樹脂シート(発泡・未発泡のシート何れの場合もある。)がロール状に巻かれており、先ず、ロール状のシートが巻き解かれて行く。そして、巻き解かれたシートは、熱成形(変形)が可能なように加熱・軟化されることになる。すなわち、第1段階として、例えば赤外線加熱装置などによる加熱手段で加熱・軟化される。この加熱・軟化したシートは金型ゾーンに走行(移動)させられる。そして、第2段階として、シートは熱成形を受ける。すなわち、例えばシートが真空吸引されて複数個(例えば、m×n個)のキャビティ型が組み込まれた熱成形用金型に押し当てられる。その結果、シートはキャビティ型面に沿った容器形状に成形される。尚、シートは幅が1m程度もあることから、一度に成形された容器はシートの幅方向において幾つもが並んでいることになる。勿論、一度に成形された容器はシートの長手方向においても幾つもが並んでいる。すなわち、例えば1m四方のシートにおいて、縦・横方向にm×n個の容器が一度に成形されている。このm×n個の容器の成形後に、シートは切断打抜部に移動させられる。そして、第3段階として、予め設定された位置に取り付けられている刃型(トリム)で一つ一つの容器に打ち抜かれる。この後、各容器を重ねた状態で袋詰めし、出荷される。
【0003】
さて、上記製造工程において、加熱・軟化したシートは、シートの自重により、中央部が垂れ下がるようになる。そして、加熱ゾーンから成形の為の金型ゾーンにシートが移動する際、シートの垂れ下がった部分が金型ゾーンの成形装置の一部に引っ掛かったりする恐れが有る。そこで、このような問題を解決する為、シートの幅方向の端部をチェーンクリップで把持し、このチェーンクリップを外側に引っ張るように力を作用させている。すなわち、シートの幅方向の端部を外側に引っ張ることによって、垂れ下がったシートを上側に持ち上げ、垂下量を少なくしているのである。
【0004】
ところで、上記のようにして容器が成形されたシート(トリム前のシート)の概略を図示すると、図3に示すようになっている。図3中、50は熱可塑性樹脂シート、51a,51b,……,51nは熱可塑性樹脂シートに成形された容器部である。52は打抜装置、53はシートの幅方向にライン状に設けられた刃型であり、刃型53により容器部51a,51b,……,51nは一行毎で打ち抜かれて行く。すなわち、シート50の移動により、先ず、51aで示される行の容器部が打ち抜かれる。次いで、51bで示される行の容器部が打ち抜かれる。そして、順に打ち抜かれて行き、51nで示される行の容器部が打ち抜かれる。
【0005】
さて、図3に図示(尚、変形具合は誇張されて図示)されている通り、正方形状であったシートは幅方向に多少の寸法差(長幅−短幅=1〜5mm程度)が出来ている。例えば、扇状に変形している。ところで、シートが図3に示される如くに変形していると、これに応じて容器部51a,51b,……,51nの位置も整然としたものでは無いから、刃型53の位置が固定位置であると、刃型53で打ち抜かれた容器にはその大きさに多少の狂いが出来てしまう。例えば、刃型53が幅広部分の行の容器部51aの位置に合わせられている場合には、幅狭部分の行の容器部51nの部分を刃型53で打ち抜く場合、容器部そのものを打ち抜いてしまう場合も有り、これでは不良品の割合が多くなる。
【0006】
そこで、シートが図3の如くに変形することから、その変形長に応じて熱成形用金型におけるキャビティ型の位置を予め調整することが考えられている。すなわち、例えば1m四方のシートに対する熱成形用金型60におけるキャビティ型の配置位置を、図4の碁盤目の如くに設定するのでは無く、図5の如く、シート幅が狭い側に出来る容器部51nに対応するキャビティ型61nの中の外側のキャビティ型を図4の場合よりも外側に多少ずらせておくのである。尚、図4,5中、61aは容器部51aに対応するキャビティ型、61bは容器部51bに対応するキャビティ型である。そうすると、扇状の如くに多少変形するシートに対して図5の位置関係でキャビティ型が配置された熱成形用金型で成形された場合、容器部51a,51b,……,51nは整然とした位置関係で出来ており、刃型53により容器部51a,51b,……,51nが一行毎に打ち抜かれて行っても、容器部の一部に引っ掛かるような打ち抜きは起こらず、歩留まり良く容器が製造されるようになる。
【0007】
ところで、シートの素材を変更せざるを得ない場合が有る。例えば、ポリプロピレン製の容器から無機充填剤含有ポリプロピレン製の容器に変更とか、或いは0.2mm厚のポリプロピレン製容器から3mm厚のポリプロピレン製容器に変更とか、種々の変更が有る。成形条件が変更される場合も有る。そして、このような変更が起きると、それに応じて加熱・軟化したシートの垂下量も当然に変わり、又、図3に示したシートの変形も当然に変わる。従って、図5に示したキャビティ型の配置位置も当然に変更・調整しなければならない。そして、このような変更・調整は縷々起きている。
【0008】
この熱成形用金型におけるキャビティ型の位置の変更・調整の為、これまでは、成形装置より熱成形用金型全体を取り外し、そして取り外した熱成形用金型全体における一つ一つのキャビティ型、特に四隅のキャビティ型の位置をシートの変形長を予想しながら調整を行い、そして容器の製造を試み、調整が不十分か否かを判断し、調整が不十分ならば、再度、熱成形用金型全体を成形装置から取り外してキャビティ型の位置変更・調整を行い、そして容器の製造を試みる試行錯誤を繰り返している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した通り、熱成形用金型を用いて縦・横方向にm×n個の製品をシートに成形した後、一つ一つの製品に打ち抜いて製造するに際して、シートに起きる変形の問題から、成形条件が変更になると、熱成形用金型におけるキャビティ型の位置調整が必要になる。特に、四隅の位置に在るキャビティ型の位置調整が必要になっている。
【0010】
しかしながら、これまで、上記位置調整を行う為の工夫が全く考えられていなかった。すなわち、成形装置から熱成形用金型全体を取り外してキャビティ型の位置調整を行う手法では、一回について、数時間も掛かっている。従って、成形装置の稼働率がそれだけ低下し、かつ、作業効率が悪いことから、製品のコストアップとなっている。
【0011】
従って、本発明が解決しようとする課題は、熱成形用金型を用いて縦・横方向にm×n個の製品をシートに成形した後、一つ一つの製品に打ち抜いて製造するに際して、製品の不良品発生率を低くし、コストの低廉化が容易に達成できる技術を提供することである。
【0012】
特に、上記目的を達成する為、成形条件が変更になった場合において、キャビティ型の位置調整、特に四隅の位置に在るキャビティ型の位置調整を簡単に行うことが出来、効率良く、かつ、高品質な成形品を低廉なコストで提供できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題は、ベース体と、前記ベース体に取り付けられたキャビティ型とを有する成形用金型であって、
前記キャビティ型は、前記ベース体の側方から調整することにより、該ベース体における位置が偏倚調整できるよう構成されてなる
ことを特徴とする成形用金型によって解決される。
【0014】
特に、ベース体と、
キャビティ型と、
前記キャビティ型を前記ベース体に対して配設する為の付勢手段と、
前記ベース体における前記キャビティ型の位置を調整する為の前記ベース体の側方に設けられた位置調整手段とを具備してなり、
前記位置調整手段を作動することによって前記付勢手段による付勢力以上の力を前記キャビティ型に作用させ、該キャビティ型の位置が偏倚調整できるよう構成されてなる
ことを特徴とする成形用金型によって解決される。
【0015】
上記の成形用金型のキャビティ型は縦・横方向においてm×n(m,nは、共に1以上の整数で、かつ、少なくとも何れかは2以上の整数)個具備するものであり、前記m×n個のキャビティ型の中、端部に位置する少なくとも一つのキャビティ型の位置が偏倚調整できるよう構成されてなる。又、キャビティ型のコーナー部にズレ量を測る刻印が設けられてなる。
【0016】
又、前記の課題は、シート走行手段と、前記シート走行手段で走行させられるシートを加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱されたシートを成形する成形手段と、前記成形手段で成形されたものを打ち抜く打抜手段とを備えた成形装置において、
前記成形手段の成形用金型が上記いずれかの成形用金型である
ことを特徴とする成形装置によって解決される。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、成形用金型のキャビティ型を、ベース体の側方から調整することにより、該ベース体における位置が偏倚調整できるよう構成、例えばベース体の側方に設けられた位置調整手段を動かすことによって付勢手段による付勢力以上の力をキャビティ型に作用させ、該キャビティ型の位置を偏倚調整できるよう構成したので、成形装置から熱成形用金型全体を取り外すことなくキャビティ型の位置調整を行うことが出来る。従って、位置調整が簡単になる。例えば、調整に要する時間は5分程度で済むようになった。すなわち、これまでの場合に比べて大幅な改善が得られた。
【0018】
その結果、熱成形用金型を用いて縦・横方向にm×n個の製品をシートに成形した後、一つ一つの製品に打ち抜いて製造するに際して、特に、成形条件の変更に合わせてキヤビティ型の位置調整を図る作業能率が大幅に改善され、高品質な成形品を低廉なコストで提供できる。
【0019】
しかも、上記特長を奏させる為の成形用金型の構造は複雑なものでは無く、簡単に実施できるものであり、これまでの装置にも簡単に組み込むことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1及び図2は本発明の成形装置の要部、即ち、成形用金型の一実施形態を示すもので、図1は成形用金型の一部を示す平面図、図2は図1におけるA−A線での断面図である。
【0021】
本発明の成形用金型は、ベース体(金型枠)と、前記ベース体(金型枠)に取り付けられたキャビティ型とを有する成形用金型であって、前記キャビティ型は、前記ベース体(金型枠)の側方から調整することにより、該ベース体(金型枠)における位置が偏倚調整できるよう構成されたものである。特に、ベース体(金型枠)と、キャビティ型と、前記キャビティ型を前記ベース体(金型枠)に対して配設する為の付勢手段と、前記ベース体(金型枠)における前記キャビティ型の位置を調整する為の前記ベース体(金型枠)の側方に設けられた位置調整手段とを具備してなり、前記位置調整手段を作動することによって前記付勢手段による付勢力以上の力を前記キャビティ型に作用させ、該キャビティ型の位置が偏倚調整できるよう構成されたものである。
【0022】
先ず、金型枠、キャビティ型や、成形用金型について、簡単に説明する。
金型枠とは、例えば箱状の金型枠である。例えば、通常の真空成形や圧空成形に用いられる金型枠と同様なものである。そして、複数のキャビティ型を囲みつつ、成形時(熱成形時)に軟化した樹脂シートに密着する側壁部と、個々のキャビティ型がネジ等の取付部材で固定される平板部とを備えたものであり、更には熱成形により加熱されるキャビティ型を熱伝導により冷却する為の冷却機構(例えば、水冷冷却機構)が組み込まれている。勿論、これに限定されるものでは無い。要するに、キャビティ型が取り付けられるベース体である。
【0023】
キャビティ型は、例えば熱軟化した樹脂シートを空気圧で変形させつつ密着させる容器形状と略同形状のものである。そして、例えばアルミニウム材などを加工することで得られる。キャビティ型背面部には前記金型枠の平板部に取り付ける為の穴(例えば、ネジ穴)が形成されている。そして、ネジ等の取付部材を用いて金型枠の平板部に取り付けられる。但し、本実施形態にあっては、ネジが貫通する平板部に設けられるネジ貫通用孔の形状は、例えば長楕円形状のようになっている。従って、その範疇でネジ、即ち、キャビティ型を移動させることが出来る。そして、ネジ貫通用孔を長楕円形状のようにしたから、それのみでは、キャビティ型を金型枠の平板部にしっかりと固定できない。そこで、スプリングやバネ等の弾撥部材(付勢手段)を用いる。すなわち、付勢手段の力によって、キャビティ型が金型枠の平板部に圧着されるようになっている。従って、付勢手段による圧着力以上の力がキャビティ型に作用させられると、キャビティ型は金型枠の平板部上を左右(長楕円形状のネジ貫通用孔の長軸方向)に移動できる。尚、全てのキャビティ型を移動可能に構成していても良い。しかしながら、本発明の目的は、一部のキャビティ型が移動できるようにしているだけでも達成できる。例えば、縦・横にm×n(2≦m,n)個のキャビティ型を有する成形用金型の場合において、その四隅の位置に在るキャビティ型のみが移動調整可能な構造であっても良い。尚、これは、四隅に在る合計4個のキャビティ型のみが移動調整可能と限られるものでは無い。例えば、ブロック単位でキャビティ型が移動調整できるようになっている場合には、例えば4個のキャビティ型が一度に移動調整可能なようになっている場合には、四隅の位置に在るものが移動調整可能な場合には、合計16個のキャビティ型が移動調整可能になっている。
【0024】
成形用金型は、上記金型枠に上記キャビティ型が縦・横にm×n個設けられたものである。そして、真空成形や圧空成形などの樹脂シートの熱成形に用いられる。
【0025】
各図中、1a,1a,1a,…,1b,1b,1b,……はキャビティ型である。このキャビティ型1a,1a,1a,…,1b,1b,1b,……の形状は、形品の形状によって決まるものである。尚、図1中、左右方向において、キャビティ型は三つしか図示されていないが、必要に応じて、四つ、五つ、……と幾つあっても差し支え無い。又、図1中、上下方向において、キャビティ型は二つしか図示されていないが、必要に応じて、三つ、四つ、五つ、……と幾つあっても差し支え無い。その数は、熱成形が行われる樹脂シートの大きさと、成形しようとする成形品の大きさとによって決まるに過ぎない。
【0026】
キャビティ型1a,1a,1a,…,1b,1b,1b,……は、図1及び図2からも判る通り、金型枠2の平板部3に対して取り付けられている。これ等のキャビティ型は、一部のキャビティ型が移動調整可能な取り付け方で取り付けられており、残りのキャビティ型が完全固定である。本実施形態では、金型枠2の平板部3の四隅に位置するキャビティ型が移動調整可能な取り付け方で取り付けられている。図1では、その一隅に位置するキャビティ型1a,1a,1b,1bが移動調整可能な取り付け方で取り付けられている。従って、キャビティ型1a,1b,……は完全固定式であり、キャビティ型1a,1b,……の位置を偏倚させることは出来ない。よって、固定式のキャビティ型1a,1b,……の平板部3に対する取り付け方は従来の方式そのものを採用できる。しかしながら、移動調整可能な取り付け方で取り付けられているキャビティ型1a,1a,1b,1b……の平板部3に対する取付構造は、例えば次のようになっている。すなわち、前述の通り、キャビティ型はネジ4を用いて取り付けられる。金型枠2の平板部3やキャビティ型に設けられるネジ孔(穴)がネジの大きさに対応するのみであれば、キャビティ型は移動不可能である。すなわち、ネジ4を取り外さない限り、完全固定である。ここで、金型枠2の平板部3に設けられるネジ貫通用の孔が長楕円形状のようになっていると、ネジ4による圧着力を緩めれば、その範囲内でキャビティ型は移動可能である。しかしながら、ネジ4を一々緩める作業は大変である。そこで、本実施形態にあっては、コイルスプリング5をネジ4の頭と平板部3との間に配設した。そして、コイルスプリング5の反発力によってキャビティ型1a,1a,1b,1bを金型枠2の平板部3に対して圧着するようにしたのである。従って、コイルスプリング5の反発力による摩擦抵抗以上の力を作用させれば、キャビティ型1a,1a,1b,1bを金型枠2の平板部3上を移動できる。尚、キャビティ型の移動に際して、図1,2中、キャビティ型は左右方向のみに移動するよう案内機構(スライド用の凹凸機構)8が設けられている。
【0027】
6a,6bはネジである。ネジ6aは金型枠2を貫通してキャビティ型1aのネジ穴に螺合している。ネジ6bは金型枠2を貫通してキャビティ型1bのネジ穴に螺合している。従って、ネジ6a,6bを回すことによって、キャビティ型1a,1a,1b,1bは金型枠2の平板部3上を左右方向に移動する。勿論、その移動長はキャビティ型が設けられているクリアランス(隙間)の範囲内である。尚、ネジ6a,6bのクリアランスによるガタツキが防止されるようにネジ6a,6bに対してもコイルスプリングが設けられている。
【0028】
7は、キャビティ型の所定位置、特に、コーナー部に設けられた同心円状の模様(刻印)である。
【0029】
さて、上記のように構成させた成形用金型がシート成形手段に組み込まれた成形装置により成形が行われる場合について考える。特に、シート走行手段と、このシート走行手段で走行させられるシートを加熱する加熱手段と、この加熱手段で加熱されたシートを成形する成形手段と、この成形手段で成形されたものを打ち抜く打抜手段とを備えた成形装置において、上記のように構成させた成形用金型がシート成形手段に組み込まれた成形装置により成形が行われる場合について考える。
【0030】
先ず、所定の合成樹脂シートに対して所定の成形条件で成形が行われる。
次に、例えば他の合成樹脂シートが用いられて所定の成形条件で成形が行われる。この成形に際しては、前の成形時と成形条件が相違するから、成形用金型におけるキャビティ型の位置を変更しなければ、打抜手段で成形品を打ち抜いた場合、不良品が発生する恐れも有る。
【0031】
不良品が発生した場合は次のように行う。すなわち、先ず、成形されて打ち抜かれた製品(容器)のコーナー部に形成されている刻印7による模様のズレ量を測る。そして、このズレ量を基にネジ6a,6bを調整することによって、キャビティ型1a,1a,1b,1b等の位置を調整する。例えば、右に2mm移動させると言った調整を行う。このキャビティ型の位置調整は金型枠2の横側から簡単に行える。すなわち、成形装置から成形用金型を、一々、取り外し、そして位置調整作業を行うと言った煩瑣な作業から開放される。従って、極めて効率良くキャビティ型の位置調整を行える。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の成形装置の要部、即ち、成形用金型の一部平面図
【図2】図1におけるA−A線での断面図
【図3】成形後の樹脂シートの形状と打抜装置との関係を示す概略図
【図4】キャビティ型の配置を示す概略図
【図5】キャビティ型の配置を示す概略図
【符号の説明】
【0033】
1a,1a,1a,1b,1b,1b キャビティ型
2 金型枠(ベース体)
3 平板部(ベース体)
4 ネジ
5 コイルスプリング(付勢手段)
6a,6b ネジ(位置調整手段)

代 理 人 宇 高 克 己


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース体と、前記ベース体に取り付けられたキャビティ型とを有する成形用金型であって、
前記キャビティ型は、前記ベース体の側方から調整することにより、該ベース体における位置が偏倚調整できるよう構成されてなる
ことを特徴とする成形用金型。
【請求項2】
ベース体と、
キャビティ型と、
前記キャビティ型を前記ベース体に対して配設する為の付勢手段と、
前記ベース体における前記キャビティ型の位置を調整する為の前記ベース体の側方に設けられた位置調整手段とを具備してなり、
前記位置調整手段を作動することによって前記付勢手段による付勢力以上の力を前記キャビティ型に作用させ、該キャビティ型の位置が偏倚調整できるよう構成されてなる
ことを特徴とする成形用金型。
【請求項3】
キャビティ型は縦・横方向においてm×n(m,nは、共に1以上の整数で、かつ、少なくとも何れかは2以上の整数)個具備するものであり、
前記m×n個のキャビティ型の中、端部に位置する少なくとも一つのキャビティ型の位置が偏倚調整できるよう構成されてなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の成形用金型。
【請求項4】
キャビティ型のコーナー部にズレ量を測る刻印が設けられてなることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの成形用金型。
【請求項5】
シート走行手段と、前記シート走行手段で走行させられるシートを加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱されたシートを成形する成形手段と、前記成形手段で成形されたものを打ち抜く打抜手段とを備えた成形装置において、
前記成形手段の成形用金型が請求項1〜請求項4いずれかの成形用金型である
ことを特徴とする成形装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−213008(P2006−213008A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30269(P2005−30269)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(391011825)中央化学株式会社 (32)
【Fターム(参考)】