説明

成形装置とそのシュー及び成形方法

【課題】丸管や角管、開口成形材などの成形に際し、従来のロール成形の生産性を損なうことなく、被成形材へ与える付加的な変形歪みが少なく所要の成形を行い、寸法精度が高く高品質の製品を製造できる成形装置と方法の提供。
【解決手段】旋回曲面の孔型1aを有するシューブロック1sを多数個連結し、孔型を外向きに無限軌道上を連続移動可能にした無端シューブロック列を用い、被成形材Pと接触する成形区間の無限軌道面に、仮想の巨大直径円の所要円弧部分と同じ曲率半径と長さを与えて、成形時にあたかも巨大成形ロールの使用を実質的に具現化できる構成の成形装置となす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属コイルや所要長さの帯材料より、丸管や角管、種々の断面形状を有する開口断面材を成形する新規な装置と方法に関し、成形孔型を外向きに設けたシューを用いて形成したシューブロック列が無限軌道上を旋回移動する構成の旋回ユニットを採用し、あたかも巨大直径の成形ロールの使用と同様の成形を実現した成形装置とそのシュー及び成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺金属製品の連続製造プロセスとしては成形ロールを用いる方法が一般的である。その中で電縫溶接管を代表とするプロセスとしては、素材の金属コイルを巻き戻して成形工程に供給する前工程、ブレークダウンロールやクラスターロール、フィンパスロールで行われる初期成形工程、そして対向する帯材縁部同士を例えば高周波溶接する溶接工程、矯正ロールにより管の真円度と真直度の矯正を行うサイジング工程、製造された金属管を所定の長さに切断する切断工程の各工程を経ることが一般的である。
【0003】
長尺金属製品の成形方法には、主に上述のロール成形とプレス成形がある。プレス成形では、被成形素材が基本的には断面内の2次元変形のみを受け、余分な歪と残留応力が少なく、製品寸法精度も得やすい。しかし、金型を含む設備投資が高く、生産性が悪く、製品長さに制約がある。ロール成形では、設備投資が少ないうえに、連続生産が可能なので生産性も高い。また、製品長さの制約も少ない。しかし、成形ロールによって被成形素材が3次元変形を受けるので、下記の欠点がある。
【0004】
ロール成形における殆どの問題点の根底は、成形工具が回転体のロールであり、且つその回転半径が製造能力・コストなどの制約で大きくできないことにある。そのため、具体的には、
(1)ロールへの巻き付きを代表とする3次元変形の特徴が強く、成形の目的である断面内の変形だけではなく、他の方向にも様々な付加的変形ひずみが発生する。その結果、トータル歪が大きく残留応力の形態も複雑で、製品の寸法精度と内在品質に悪影響を及ぼす、
(2)ロールと被成形素材との接触領域における周速差が大きく、両者の相対滑りによる製品表面品質が問題になることが多い、
(3)変形が激しい割にロールと被成形素材との接触領域が小さいので、両者間の面圧が高い。この高い面圧と上記周速差の総合効果として、ロールの磨耗が激しく、製品寸法精度を維持するためのコストが高い、
(4)被成形素材が受けるロールからの進入抵抗が大きく、推力不足の問題がしばしば発生し、必要な駆動エネルギーも大きい、という問題を生じる。
【0005】
例えば、前記金属管の連続製造プロセスでのサイジング工程では、中心軸が管軸線に垂直である同一の平面に配置される2方ロールまたは3方ロールあるいは4方ロールが用いられ、これらのロールはいずれの組合せも素管外表面のほぼ全周を抱くような孔型を形成している。
このサイジング装置の成形ロールスタンド段数を減らす目的で1段で高い絞り率を得る構成として、4方ロールのうち左右対向のロールの外径を上下対向のロールの外径より小さくし、かつ左右対向のロールを上下対向のロールの位置より上流側に配置する方法が提案されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開2000-167620
【特許文献2】特開平08-187516
【特許文献3】特公平08-018075
【特許文献4】特表2002-529252(WO00/29164)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電縫溶接管の製造に際し、ブレークダウンロールやクラスターロール、フィンパスロールで行われる初期成形工程を経た後に、寸法精度の高い製品を得る目的で前述したサイジング工程で2方ロールや4方ロールなどの対向ロールによる絞りを素管に与えるが、上述のごとくロールという成形工具が持つ特性によって、成形の目的である断面内の曲げと絞りだけではなく、他の方向にも様々な付加的変形歪みが発生して蓄積され、断面の成形に大きな影響を与えることが多い。
【0007】
従って、例えば前記サイジング工程では、製品断面内での弾性回復挙動が極めて複雑なものとなり、目標とする製品寸法の精度は容易に得られないなど、前述の成形ロール特有の問題を解決できないでいる。
【0008】
この発明は、丸管や角管、開口断面材などの成形におけるいずれの成形工程でも従来のロール成形の生産性を損なうことなく、被成形素材へ与える付加的変形歪みが少なく所要の成形を行い、寸法精度が高く高品質の製品を製造できる新規な成形装置とその成形工具及び成形方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、前述の成形ロールの問題点を調査するため、ロール成形の際の被成形素材が受ける応力分布を解析したところ、被成形素材と接触しているのがロール直下(ロールの軸線を含む材料の横断面)付近のごく限られた表面のみであり、点接触や線接触に近い状態で局部的に極めて強い荷重が加えられることを知見した。
【0010】
発明者らは、かかる解析に関して例えば応力分布表示を行うと、ロール直下の直前のある局部に極めて強い接触応力のピークが発生することを知見するに至り、かかる応力のピークを発生させることなく、被成形素材と接触する広い範囲で一様な力が作用する、新規な成形装置と成形方法の開発が必要であると考えた。
【0011】
例えば、素材の単純な2次元変形が得られるプレス成形では、ロール成形の利点である連続成形が不可能であり、金型による引き抜き成形では、製品表面の傷発生と金型の激しい磨耗とが不可避で、かつロール成形と同等の生産効率は到底得られない。
【0012】
そこで、特許文献2のごとく、ロールあるいはシューにベルトを併用することにより、傷の防止と駆動力の付与が考えられる。しかし、剛性の低いベルトを介在させるため、厚みの薄い材料には最適であるが、一般的なロール成形のような高い成形能力を得ることは不可能である。
また、特許文献3、4のごとく、所要の孔型を有する多数のシューを連結してチェーン化し、これを小判型、長円形などの無限軌道を回るエンドレス成形シュー群となして用いることが想定できる。この装置は、帯材両端の突き合わせ面を溶接するために、前工程ですでに円筒状に成形された素管を正しく保持する目的には適しているが、ロール成形のように多種多様な成形や前述のサイジング工程には不向きであった。
【0013】
発明者らは、ロールの問題を解消できる新規な成形装置と成形方法の提供を目的に、さらに従来のロール成形やプレス成形などについて検討した結果、例えばサイジングに際し、目的管の口径の数十倍、数百倍、数千倍の直径の成形ロールを用いた場合をシミュレーションしたところ、被成形素材寸法などの諸条件で効果の飽和点が存在するが、前述した従来成形ロールによる局部的な接触応力のピークを大きく緩和できることに着目した。
【0014】
しかし、上記巨大直径の成形ロールは製造自体が非現実的であるため、発明者らは、巨大直径の成形ロールの使用と同等の効果が得られる小型の成形装置の具現化を目指し、巨大成形ロールとは言え被成形素材と接触する部分は極一部の限られた部分であることに着目し、これを実現できる構成について検討を加えた。
その結果、発明者らは、旋回曲面の孔型を有するシューを多数個連結し、孔型を外向きに無限軌道上を連続移動可能にしたシューブロック列を用い、被成形素材と当接して同期移動する成形区間の無限軌道面に、想定される巨大成形ロールの直径を有する仮想円の所要円弧部分と同じ曲率半径と円弧長さを与えることで、成形区間の軌道面を通過するシューブロック列が仮想巨大成形ロールと同様の作用を被成形素材に与えることができ、ロールの諸問題を解消できる成形装置が得られることを知見した。
【0015】
さらに発明者らは、上述のシューブロック列を構成するシューの成形孔型が、成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線が前記仮想円の中心軸あるいはそれに近い位置にある軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面で構成されることによって、仮想巨大成形ロールにて成形するのと同様の効果が得られることを知見した。
【0016】
発明者らは、上述の新規な成形装置を、例えば目的断面形状へサイジングする工程に採用すると、前述の被成形素材に局部的な接触応力のピークが大きく緩和され、さらに従来のロール成形装置などと比較して長時間、孔型部で被成形素材を拘束できるため、長手並びに周方向に均一な塑性加工を付与することにより真円度、真直度を向上させ、また生産性も従来のロール成形と同様であること、さらに従来の成形ロールの場合に比較して被成形素材の進入抵抗が小さく、要求される駆動力が小さくなることを知見し、この発明を完成した。
【0017】
すなわち、この発明は、成形目標断面の表面形状の一部又は全部に沿う所要形状を有する成形孔型を外向きに設けた複数のシューを備えたシューブロック列が無限軌道上を移動する構成の旋回ユニットを単数又は複数有し、シューの成形孔型が被成形素材に当接して同期移動する区間を成形区間とした成形装置、あるいはこれを用いる成形方法であって、該無限軌道のうち成形区間の軌道面にはある仮想円の曲率半径と所要円弧長さとを与えて被成形素材を成形することを特徴とする成形装置並びに成形方法である。
【0018】
さらに発明者らは、上記構成の成形装置並びに成形方法において、(a)シューブロック列が無端列を構成すること、(b)成形区間にある複数のシューは隣接面を相互に当接させて連続する成形孔型を形成すること、(c)シューの成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線がある軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有すること、(d)成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線が前記仮想円の中心軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有すること、(e)複数の旋回ユニットは被成形素材に対して並列配置または該素材を介して対向配置されること、(f)上記成形装置の成形区間で当該シュー以外に成形ロールまたは他のシューあるいはその両方を組み合せて被成形素材に当接すること、(g)無限軌道の外周表面が内レース面を形成し、この無限軌道面に対向するシューブロック列の内表面が外レースを形成し、両者間に転動体を配置して少なくとも成形区間に転がり軸受構造を構成すること、を特徴とする成形装置並びに成形方法を提案する。
【0019】
また、この発明は、上記構成の成形装置に用いるシューであり、上記シューの成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線がある軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有することを特徴とする成形装置用シューである。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、例えば、旋回曲面の孔型を有するシューを多数個連結し、孔型を外向きに無限軌道上を連続移動可能にした無端シューブロック列等からなる旋回ユニットを用い、被成形素材と接触する成形区間の無限軌道面に、想定される巨大直径の仮想円の所要円弧部分と同じ曲率半径と長さを与えて、あたかも巨大直径の成形ロールの使用を実現化した構成の成形装置を使用するため、従来のロール成形の特徴である連続性と高生産性を維持しながら、プレス成形とほぼ同じように被成形素材を2次元的に変形させることを可能にした。
【0021】
この発明による成形装置並びに方法は、上記の構成を有することから、(1)被成形素材に与える3次元的な変形による付加的歪が極力小さく抑止され、さらに残留応力の分布も均一になる、(2)成形工具と被成形素材との周速度差による相対滑りが殆どなくなる、(3)接触領域が広く、被成形素材が進入する際の接触応力のピークの発生が抑制され、かかる面圧が格段に低くなる、(4)進入抵抗が大幅に軽減され、駆動エネルギーが大幅に減少される、という作用効果を奏する。
【0022】
従って、この発明による成形装置並びに方法は、従来のロール成形における前述の欠点が抜本的に改善され、(1)製品の寸法精度、表面品質および内在品質を大幅に向上させる、(2)成形の限界(肉厚外径比や成形可能な材質)を拡大する、(3)成形工具のコストを削減し、その寿命を大幅に伸ばす、(4)省エネの製品製造が可能となる、という作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明による成形方法を図面に基づいて説明する。図1A,Bは被成形素管をサイジングする成形装置の斜視説明図、図1Cは巨大直径を有する仮想成形ロールと図1A,Bの成形装置との関係を示す概念説明図、図1Dはシューの成形孔型の概念説明図である。なお、図の白抜き矢印は成形方向を示し、他の図においても同様である。
以下、巨大な成形ロールの使用と同等の作用効果が得られる成形装置を具現化する概念を説明する。図1Cに示すごとく、巨大な仮想成形ロールRと被成形素管Pと接触する領域に相当する巨大直径の仮想円のある長さの円弧部分のみを使用することが、本発明の基本コンセプトである。例えば、被成形素管Pの直径が50mmである場合、7000mmの半径を有する仮想成形ロールRを用いると、被成形素管Pに当接する仮想成形ロールの円弧部分の長さが100mm程度である。なお、図面では紙面の都合で想定半径よりもずっと小さな半径で作図している。
【0024】
この半径7000mmの仮想成形ロールRにおける長さ100mm程度の接触領域となる円弧部分を実現するために、一対の旋回ユニット100,100は、図1Aに示すごとく、成形孔型面を外向きに設けたシュー1sを治具を介して連結して無端シューブロック列101を形成し無限軌道上を旋回移動させる構成を有する。図1Bに示すごとく、連結用治具のシューホルダー2は鞍型で上面がシュー1sの載置面であり、垂下両側面部には前後二対のピン孔を設けたホルダー連結部を有し、シューホルダー2を同じ方向に並べて該連結部を交互に組み込み、鞍型部内には転動可能なローラーフォロワー3を配置してピン孔より貫通配置した軸端を連結ピン4とする構成を有する。
【0025】
従って、無端シューブロック列101は、シュー1sを載置しかつローラーフォロワー3に跨るシューホルダー2がチェーンプレート5にて連結されてチェーン化され、スプロケット6を連結ピン4に歯合させて回転駆動可能にした構成である。ここで上記ローラーフォロワー3群が無限軌道面を転動することで連結されたシュー1sは所要成形孔型1aを外向きにして連続移動可能となる。
【0026】
この無限軌道面を形成しかつ無端シューブロック列101を支持するビーム7の成形区間該当部では、複数のシュー1s同士が当接して一体となり剛体化される。上記成形区間の軌道面には、上述の仮想成形ロールRの曲率半径(7000mm)が与えられている。
この無限軌道上をシュー1sが旋回移動する無端シューブロック列101からなる旋回ユニット100,100を上下一対に対向配置し、各シュー1sの成形孔型1a面に所要の旋回曲面を設定すると、サイジング工程に用いる成形装置を構成することができる。
【0027】
換言すると、この発明の技術思想は、巨大な直径を有する仮想成形ロールRの使用を想定することにある。例えばシュー1sは被成形素管Pの目標断面形状に応じた成形孔型1aを有する。そのシュー1sを複数連結しシューブロック列101を形成する。かかるシューブロック列が無限軌道上を旋回移動可能なように旋回ユニット100を構成する。更に、旋回ユニット100を単独又は複数配置して被成形素材を成形する装置を構成する。成形区間を通過するシューブロック列には、巨大半径の円弧移動軌跡を与えることによって、同じ巨大な半径を有する仮想成形ロールとほぼ同等の成形作用効果を奏することができる。
【0028】
この成形装置において、前述の無端シューブロック列の他、複数のシューブロック列が所定間隔で配置され、無限軌道上を旋回移動する構成など、被成形素材の成形目標断面形状などに応じ、種々構成からなるシューブロック列を適宜選定できる。
【0029】
次に、成形装置に用いるシューの成形孔型について詳述する。成形区間で巨大な仮想成形ロールの成形孔型を具現化するために、図1Dに示すごとく、シュー1sの成形孔型1aは、製品Pの成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線aが、前記仮想成形ロールRの軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面(circular curved
surface)から構成する。そして、巨大な仮想成形ロールRの成形孔型を実現し、それと同等の成形作用効果を奏する。
【0030】
本成形装置において、シューの成形方向(仮想円の周方向)長さが仮想円の半径に対して十分小さいという条件下では、各シューの成形孔型が上述の旋回曲面でなくとも、実質上厳密な旋回曲面と同等の作用効果が得られる。また、さらに上記旋回曲面の中心軸が前記仮想円の中心軸と完全に一致しなくても、上述の条件下では厳密な旋回曲面とほぼ同じ実質効果が得られる。
【0031】
本成形方法において、成形目標断面形状とは、一つの成形装置で成形を終えた段階での形状を指すことはもちろんであるが、従来の成形ロールの孔型設計ではロール通過後の製品寸法が目標に近くなるように、孔型形状と目標断面形状があえて異なるように設定することがある。すなわち、弾性回復量を想定して目標よりもオーバーベンドし、ロール通過後に所定形状になるようにしている。この発明においても、成形目標断面形状と多少異なる孔型形状を設定することがある。
【0032】
本成形方法において、成形区間の軌道が直線ではなく、有限で且つ適切な曲率半径を有する理由は、以下のとおりである。
図1Eに示すごとく成形区間の前半の弾塑性変形領域では、シューが被成形素材の表面を圧下し続けて変形させるので、その部分の無限軌道は成形区間の入側からシュー圧下の最下点に向かって傾斜しなければならない。一方、金属変形挙動の特徴として、負荷を除く過程では被成形素材の弾性回復に伴う形状変化が必ず発生するので、成形区間の後半の弾性回復領域では、被成形素材を弾性回復させながらシューと円滑に分離させるためには、シュー圧下の最下点から成形区間の出側に向かって無限軌道を前半と逆方向に傾斜させる必要がある。更に、上記成形区間の全域では連続した成形孔型面を形成しなければならない。従って、上記全ての条件を満足できる無限軌道の軌跡は直線ではなく円弧である。
【0033】
これに対して従来のシュー列を利用する装置は、従来技術の特許文献3、4で説明したように、本発明の成形方法のごとき成形を行うものではなく、単なるガイドの機能や推力を目的とする引っ張り装置のような機能を有するもので、素材との当接領域では素材を単に抱えるもので大きな変形を想定しておらず、無限軌道の軌跡を直線にしても問題が発生しない。
【0034】
この発明において、丸管製造に適用する際、被成形素管の目標口径と仮想成形ロールの直径との関係について説明すると、従来の成形ロールが被成形素材との接触領域における局部的な集中荷重を解消するには、仮想成形ロールの直径が大きいほど好ましいと言える。しかし、ロール直径が大きいほど装置に掛かる荷重が大きくなること、成形対象や成形工程の種類などによって仮想成形ロールの大径化による効果の飽和点が存在することなどを総合的に勘案し、仮想成形ロールの直径を適宜選定する必要がある。このことは、製品がオープンプロファイルの場合であっても同じである。
【0035】
この発明において、成形装置の無限軌道の形状は、成形区間の軌道面にのみ巨大直径を有する仮想成形ロールと同じ曲率の円弧部分を形成できれば、他部分は回帰区間であって単にシューを帰還させるための形状を有すればよく、公知のいずれの形状も採用できる。
【0036】
シューブロック列を無限軌道面に沿って旋回移動させる機構には、所謂ベアリングである公知の摺動機構あるいは転動機構を利用できる。例えば低摩擦係数を有する摺動材料を無限軌道の外表面やシューホルダーの内表面に装着し摺動移動させる構成、図1A,Bに示したごときローラーフォロア型やカムフォロア型ベアリングを内蔵した構成、実施例1に示すようにシューホルダーの内表面を外レース、無限軌道面を内レースとし、両者間にボール列又はころ列あるいはそれらの組合せ列などの転動体を挟み込み、少なくとも無限軌道の成形区間をベアリング化する構成等、公知の機械機構を適宜選定することが可能である。
【0037】
この発明において、成形装置は丸管製造のいずれの工程にも採用可能である。例えば、ブレークダウン工程のエッジ曲げに適用し、従来の上下ロールを一対の旋回ユニットに換える構成、あるいは上側は従来の成形ロールで下側に旋回ユニットを配置する構成が採用できる。さらには、クラスター、フィンパス、突合せ溶接、サイジングなどの種々工程で、従来の成形ロールに換えて旋回ユニットを適宜採用できる。
【0038】
即ち、この発明において、被成形素材の成形目標断面形状、成形段階に応じ、旋回ユニットを並列や対向配置したり、その旋回ユニットの各相方に成形ロールや他のシューなどの金型とを組合せることが可能である。
【実施例】
【0039】
実施例1
図2A,Bに示す成形装置は、被成形素管2を四方から拘束してサイジングする構成になっている。垂直方向並びに水平方向に一対ずつ対向配置される無端シューブロック列102,103,104,105は、それぞれビーム11,11,12,12に支持される。ビーム11,11,12,12は、その支持位置を調整可能にするためのジャッキ13,14,15,16を介してハウジング10,10に支持される。
【0040】
無端シューブロック列102,103,104,105は、図3に示すごときシュー組立体20をピン26で連結して無端化され、ビーム11,11,12,12に支持される無限軌道面との間に図6に示す3条のボール列を入れてボールベアリング部を形成し、旋回自在に構成される。なお、駆動軸ユニット17,17は四方のうち垂直方向に対向配置される無端シューブロック列102,103からなる旋回ユニットを駆動する。
【0041】
シュー組立体20は、所謂鞍型のシューホルダー21の上面部に所要の孔型22a形状を有するシュー(金型)22sを載置固定し、内表面部には外レースピース23が固着される。当該ホルダー21にはその鞍型垂下両側面にピン孔24を設けたホルダー連結部25,25を有し、当該前後二対のホルダー連結部25、25は交互に組み込み、そのピン孔24にピン26を嵌めて連結する。
【0042】
図4に示すごとく、軌道面35、35、35と略平坦軌道面36とから構成される上記ボールのレースのうち、成形区間の軌道面に該当する軌道面36は、仮想巨大成形ロールの成形効果を得るための曲率と長さを有する。
【0043】
また、図4に示す駆動用のスプロケット33,33は、図3に示す無端シューブロック列106を構成するシュー組立体20を連結するピン27に歯合することで駆動部を構成することができ、このスプロケット33,33には小径のスプロケット34,34が同軸で配置され、図2A,Bに示す駆動軸ユニット及びチェーンを介して電動機からの動力を伝達することができる。なお、チェーンに変えてギア駆動とすることも容易である。
【0044】
かかる無端シューブロック列と軌道面部組立体とを支持するめのビームを説明すると、図5は、図4の軌道面部組立体にビーム11が貫通装着されて無端シューブロック列103が外装された状態を示す。
【0045】
ここで、素管は4方の旋回ユニットのシューブロック列にて拘束されながら、所定の成形を受けて目標公差内の外径を有するようにサイジングされ、従来の4方ロールによる3段〜4段のサイジングスタンドを、この成形装置では、図2に示す上記寸法の1段構成で完了させることができた。更に、素管と成形装置との当接領域が長手方向に長い距離を有するため、素管は成形区間を通過する間に無数の3点曲げを受けて真直な管となり、反りや曲がりを取るためのタークスヘッドスタンドの機能も有する。
【0046】
図2から図6に示す、本実施例の成形装置の全体寸法を説明すると、最大製品口径が50mmである場合は、軌道面部組立体を内蔵する無端シューブロック列102、103、104、105の外寸は、長さ・高さ・幅が約800mm×500mm×140mmであり、ビームを組み込んだハウジング10,10を含めた装置全体の外寸法は、同様に約1,100mm×1,800mm×1,000mmであり、想定する仮想成形ロールの直径14,000mmに比較して極めて小型の装置を実現できた。
【0047】
実施例2
実施例1と同様構成の成形装置を目標口径100mm、肉厚7mmの製品のサイジング工程に適用した。材料は熱延鋼、絞り率は1%であった。
成形装置の無限軌道の成形区間に種々の仮想巨大ロールの曲率半径(2,500〜20,000mm)を与え、無端シューブロック列と被成形素材との接触状態と荷重分布を調査した。また、比較対象として、従来の4方ロール(半径200mm)によるサイジング装置と、本実施例と同じ構成で直線状の成形区間を持つ装置を用意した。
【0048】
図12に被成形素管に作用する接触状態と荷重分布を示す。同グラフの横軸は、旋回ユニットのシュー圧下の最下点(ロール直下)からの長手方向の距離を示し、縦軸は素管の各断面が受ける荷重(線圧)を示す。図から明らかなように、半径200mmのロールを用いた場合は、ロール直下の直前のある位置に荷重が集中しており、接触長さは極僅かしかない。これに対して本実施例装置では、成形荷重が著しく分散されている。但し、仮想ロールの半径が大きくなるにつれてかかる効果が飽和することが分かる。
一方、直線状の成形区間を持つ比較装置を用いた場合は、成形区間と回帰区間との繋ぎ部で接触傷の発生及び不連続な素管寸法変化が見られ、所定の成形が全くできなかった。
【0049】
実施例3
実施例2において、被成形素管の材料を普通鋼からステンレス鋼材に変えてサイジングを実施したところ、従来のロール成形の場合は、無潤滑では成形ロールとの相対滑りによる素管表面の焼き付きの発生が見られた。これに対して本実施例装置では無潤滑でも焼き付きは発生しなかった。
【0050】
実施例4
図7はブレークダウン成形に適用した成形装置の斜視説明図であり、従来の上下一対の成形ロールの代替となるもので、帯材40Pに縁曲げを行うものである。上下一対の無端シューブロック列111,112は図3に示したものと同様構成を有しており、各シュー1sの成形孔型1aは帯材40Pに準じた幅を有し、シュー1sが帯材40Pに当接して同期移動する成形区間に、ここでは従来成形ロールの100倍の直径を有する仮想円の曲率半径と所要長さを与えてある。
【0051】
無端シューブロック列111,112の各シュー1s,1sは、上下で帯材40Pを挟み込むもので、各成形孔型は成形目標断面の表面形状のほぼ全部を含む母線が前記仮想円の中心軸の周りに所要長さに相当する角度を旋回して形成した旋回曲面を有するものである。
また、成形区間におけるシューの成形は従来の成形ロールの成形と比較するとあたかもプレス成形と同等であるため、従来は不可避であったロールへの巻き付きによる帯材40Pに大きな歪みが付与される現象がほぼ解消され、成形後の反りがすくないことを確認できた。
【0052】
実施例5
図8に示すブレークダウン成形は、前段にて帯材エッジ部の曲げを完了した後、帯材エッジ部の隣接箇所を曲げることを目的としている。上下成形ロールで成形する従来に比較して、下ロールの代りに無端シューブロック列113,114による旋回ユニットを採用することにより、前段で成形された帯材50Pの導入噛み込みが極めて円滑であるとともに、旋回ユニットにて成形方向に帯材50Pエッジ部を広範囲で支えることが可能であり、前段での成形箇所を保持しながら隣接する成形予定箇所に上ロール51,51からの入力があるために、正確かつ十分な成形が行われることが確認できた。
特に、従来ロールを使用して薄肉材料を成形する場合は、エッジ部が他の部位より長手方向の伸びが大きくなることでバックリング(縁波)現象が起こりやすいが、この実施例では、巻き付きやスプリングバックが抑制され、バックリング現象が起こり難くなり、高品質のブレークダウン成形が可能になることが確認できた。
【0053】
実施例6
図9はフィンパス成形に適用した4方の無端シューブロック列を示す。4方の無端シューブロック列121,122,123,124並びに図示しない他の部分からなる旋回ニュットなどは、基本的に図2A,Bに示したものと同様な構成である。
いずれのシューブロック列のシューの成形孔型も成形目標断面の表面形状の一部を含む母線が所要の巨大直径の仮想円の中心軸の周りに所要長さに相当する角度を旋回して形成した旋回曲面を採用してある。そのうち、両サイドと下側の無端シューブロック列122,123,124の各シューの成形孔型の母線は円弧状であり、上側の無端シューブロック列121のシューは、対向するエッジに当接する所謂フィン形状を有する。
【0054】
従来のフィンパスロールによる成形装置では、2〜4段のロール成形を必要とするが、本実施例のフィンパス成形装置では、巨大直径の成形ロールによる成形機能が得られ、1段でも従来と同等の成形を実施することができた。また、被成形素材のエッジ部に対する長手方向の拘束が長く、素材の捻じれを抑制する効果が高い。
【0055】
実施例7
図10に示す成形装置は、TIGやレーザー溶接装置と連動するスクイズロールの代替となるもので、両サイドの無端シューブロック列131,132からなる旋回ユニット並びに図示しない他の機構は、基本的に図1A,Bに示したものと同様な構成である。また、被成形素管70Pとシューブロック列が接触する区間及びシューの孔型は、他の実施例における成形区間及び成形孔型と同様構成のものを採用してある。
【0056】
本実施例装置による突合せ溶接は、従来のスクイズロールと比較すると、素材に対してシューブロック列による拘束時間とその距離がはるかに長い利点がある。また、従来の単なるガイドあるいは推力を付与するキャタピラタイプと比較すると、巨大直径の成形ロールの成形機能により、良好なエッジ部突き合わせ状態に形成し、且つ十分な時間を以って保持することが可能であり、溶接条件の最適化と安定化とを容易に実現できた。
【0057】
実施例8
所要長さに切断された丸管80Pを、図11に示す2段構成の本発明の成形装置で角管に再成形した。無端シューブロック列141,142,143,144からなる4方の旋回ユニットによる第1段スタンド、無端シューブロック列145,146,147,148からなる4方の旋回ユニットによる第2段スタンドは、いずれも基本的に図2A,Bに示した実施例1と同様の構成である。
【0058】
従来の成形ロールでは丸管をロール成形機に導入する際に管先端が閉じるように内側に折れ曲がる現象が発生して製品公差を大きく外れる問題がある。これは丸管先端が管中央部より剛性が弱く、成形ロールとぶつかる際に、当該成形ロールの長手方向の曲率半径を与えられるためである。これに対して本実施例の成形装置では、仮想巨大成形ロールの使用と同じく極めて良好な素管の誘い込み性を有し、上記問題は発生しない。
【0059】
当該再成形は断面形状の変化量が多く、成形ロールでは大きな進入抵抗が発生し、推力の確保が困難である。本実施例の成形装置では、進入抵抗が少なくなるだけでなく、旋回ユニットの駆動によって素管に十分な推力を与える。そのため、従来の角管成形装置は、多数の駆動ロールスタンドが必要であったが、本実施例の成形装置は上述の2段構成のみで実施できた。
【産業上の利用可能性】
【0060】
この発明による成形装置並びに成形方法は、実施例で明らかなように、成形能力が高く、製品の寸法精度、表面品質および内在品質を大幅に向上させることが可能となる。
また、この発明による成形装置並びに成形方法は、従来の成形ロールと同等の生産性が維持でき、成形ロールによる成形の限界を拡大するとともに、生産方式を変革し、成形ラインの設備構成を簡素化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1A】図1Aは成形装置の一構成例を示すもので、上下2方より被成形素管を拘束する構成で、図の手前から奥への素管進行方向に見た斜視説明図である。
【図1B】図1Bは成形装置の無端シューブロック列の斜視説明図である。
【図1C】図1Cは図1Aに示す成形装置と仮想巨大成形ロールとの関係を示す概念説明図である。
【図1D】図1Dはシューの成形孔型の概念説明図である。
【図1E】図1Eは成形区間にあるシューとその軌道面との関係を示す概念説明図である。
【図2A】図2Aは成形装置の一実施例を示すもので、上下左右4方向から被成形素管を拘束する構成で、図の左から右への素管進行方向に見た側面図である。
【図2B】図2Bは成形装置の一実施例を示すもので、上下左右4方向から被成形素管を拘束する構成で、素管進行方向から見た正面図である。
【図3】図3は無端シューブロック列の一構成例を示す斜視説明図である。
【図4】図4は無端シューブロック列が旋回する上下の駆動型の軌道面の組立構成を示す斜視説明図である。
【図5】図5は無端シューブロック列が旋回する上下の駆動型の軌道面の組立体を支持するためのビームの斜視説明図である。
【図6】図6は軌道面上の溝部に配置されて無端シューブロック列を自由旋回させるためのボール列の構成を示す斜視説明図である。
【図7】図7はブレークダウン成形のエッジ曲げに適用した成形装置の斜視説明図である。
【図8】図8は帯材エッジ部の曲げを完了した後のブレークダウン成形に適用した成形装置の斜視説明図である。
【図9】図9はフィンパス成形に使用する成形装置の斜視説明図である。
【図10】図10はスクイズロールの代りに突合せ溶接工程に使用する成形装置の斜視説明図である。
【図11】図11は丸管を素管とする角管の再成形装置の斜視説明図である。
【図12】図12は、被成形素管に作用する接触状態と荷重分布を示すグラフである。
【符号の説明】
【0062】
a 母線
P 被成形素管
R 仮想成形ロール
1s シュー
1a 成形孔型
2 シューホルダー
3 ローラーフォロワー
4 連結ピン
5 チェーンプレート
6 スプロケット
7 ビーム
10 ハウジング
11,12 ビーム
13〜16 ジャッキ
17 駆動軸ユニット
20 シュー組立体
21 シューホルダー
22s,53s シュー
22a 孔型
23 外レースピース
24 ピン孔
25 ホルダー連結部
26 ピン
33,34 スプロケット
35 回帰区間におけるボールの軌道面部
36 成形区間におけるボールの軌道面部
40P,50P 素板
60P,70P,80P 素管
51 上ロール
52 下側中央ロール
100 旋回ユニット
101〜107,111〜114,121〜124,131〜132,141〜148 無端シューブロック列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形目標断面の表面形状の一部又は全部に沿う所要形状を有する成形孔型を外向きに設けた複数のシューを備えたシューブロック列が無限軌道上を移動する構成の旋回ユニットを単数又は複数有し、シューの成形孔型が被成形素材に当接して同期移動する間を成形区間とした成形装置であって、該無限軌道面のうち成形区間の軌道面にはある仮想円の半径と所要円弧長さとを有する成形装置。
【請求項2】
シューブロック列が無端列を構成していることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
成形区間にある複数のシューは隣接面を相互に当接させて連続する成形孔型を形成したことを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項4】
シューの成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線がある軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項5】
成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線が前記仮想円の中心軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項6】
複数の旋回ユニットは被成形素材に対して並列配置または該素材を介して対向配置されたことを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項7】
成形装置の成形区間で当該シュー以外に成形ロールまたは他のシューあるいはその両方を組み合せて被成形素材に当接することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項8】
無限軌道の外周表面が内レース面を形成し、これに対向するシューブロック列の内表面が外レースを形成し、両者間に転動体を配置して少なくとも成形区間に転がり軸受構造を構成したことを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項9】
請求項1に記載の成形装置に用いるシューであり、上記シューの成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線がある軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有する成形装置用シュー。
【請求項10】
成形目標断面の表面形状の一部又は全部に沿う所要形状を有する成形孔型を外向きに設けた複数のシューを用いて形成したシューブロック列が無限軌道上を移動する構成の旋回ユニットを単数又は複数有し、シューの成形孔型が被成形素材に当接して同期移動する間を成形区間とした成形装置を用い、該無限軌道面のうち成形区間の軌道面にある仮想円の半径と所要円弧長さとを与えて前記素材の成形を行う成形方法。
【請求項11】
シューブロック列が無端列を構成していることを特徴とする請求項10に記載の成形方法。
【請求項12】
成形区間にある複数のシューは隣接面を相互に当接させて連続する成形孔型を形成したことを特徴とする請求項10に記載の成形方法。
【請求項13】
シューの成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線がある軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有することを特徴とする請求項10に記載の成形方法。
【請求項14】
成形孔型は成形目標断面の表面形状の一部又は全部を含む母線が前記仮想円の中心軸の周りに一定の角度を旋回して形成した旋回曲面を有することを特徴とする請求項10に記載の成形方法。
【請求項15】
複数の旋回ユニットは被成形素材に対して並列配置または該素材を介して対向配置されたことを特徴とする請求項10に記載の成形方法。
【請求項16】
成形装置の成形区間で当該シュー以外に成形ロールまたは他のシューあるいはその両方を組み合せて被成形素材に当接することを特徴とする請求項10に記載の成形方法。
【請求項17】
無限軌道の外周表面が内レース面を形成し、これに対向するシューブロック列の内表面が外レースを形成し、両者間に転動体を配置して少なくとも成形区間に転がり軸受構造を構成したことを特徴とする請求項10に記載の成形方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−208104(P2009−208104A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52571(P2008−52571)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000150419)株式会社中田製作所 (10)
【Fターム(参考)】