所定経路に沿った禁止動作を検知するための監視システムおよび方法
本発明は、道路に沿った1つまたは複数の位置において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムに関する。この監視システムは、制御局とデータを通信し禁止動作を検知するためのカメラと、道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、カメラを可動基台に接続し、カメラと可動基台との間に調節可能な空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、カメラからデータを受信して処理を行い、1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に監視システムに関する。特に、本発明は所定の経路に沿って起こる禁止動作を検知するための監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に禁止されている行為または動作の種類は多く、それぞれは経路に沿った異なった場所で起こる可能性があり、1つまたはそれ以上の法律を犯す場合がある。ある種の禁止動作は歩行者と同様に車両の運転者によっても道路に沿って起こり得る。検知されずに放置されると、いくつかの行為は直接的または間接的に不都合を生じさせる可能性があり、金銭的な損害および/または身体的な損傷を引き起こす結果となる。
【0003】
例えば、不適当な車線変更、逆側または十分な間隔を取らない追い越し、車間距離が近すぎる追従(前車に非常に近接した走行)、信号無視、急速な速度変更、速度制限を超えた走行、逆車線への旋回等を含む交通違反は、多くの場合、致命的な衝突を引き起こし得ることがよく知られている。
【0004】
世界中の警察はさまざまな方策を用いて交通違反者を取り締まり罰則を科している。1つの方法は、警察官にレーダガンを帯同させ、道路の脇に沿って計略的に配置して速度違反の車両を検知し取り締まることである。更に、警察官が他の種類の交通違反の発生に気づけば、この警察官は違反者を追跡する場合もある。
【0005】
しかし、警察官は一定の場所にいるために、この警察官の一定の視野を通してのみ対応可能である。他の場所で起こる違反、または警察官が十分に注意を払っていない間に起こる違反は検知されないままである。
【0006】
代わりに、警察官が典型的に自動車またはオートバイによって、道路を巡察し交通違反を検知することができる。
【0007】
禁止動作を検知するための先行技術の監視システムには、典型的に静止および可動カメラが含まれる。
【0008】
特許文献1には、懸架ケーブルから懸架されたモータ駆動の架台上に装着された遠隔運転のカメラシステムが開示されている。この架台は一連の滑車によって駆動され、これによってカメラを懸架ケーブルに沿って駆動する。
【0009】
特許文献2には、広範囲を巡視するための無人の視覚監視システムが開示されている。監視カメラは架台の下に装着されている。架台は離間配置された平行な2つの軌道ケーブルに沿って走行し、電気モータでそれぞれが動力を供給される2つの対向するプロペラによって駆動される。このケーブルは、ケーブル間に延伸し木製の電柱等の直立した垂直な部材に装着された上部構造によって地面の上方に支持される。
【0010】
先行技術の監視システムの全てにおいて、カメラは、固定または可動にかかわらず、道路から一定の距離で一定の面に沿った行為の検知のみが可能である。車両が前車に非常に近接して走行する場合には、車両に対するカメラ角度のためにナンバープレートを検知することが困難である。
【0011】
他の監視方法は、特許文献3で開示されているような無人飛行機(UAV)使用を含み、この無人飛行機は遠隔制御され、カメラおよびデータ送信手段からなる搭載物を含む。
【0012】
監視飛行機に関連するいくつかの問題には、特に離着陸の間に起こる事故が含まれる。監視中、これらの飛行機は一般に比較的高速で飛行している。着陸過程の間、飛行機は着陸区域に近づくにつれ減速しなければならない。減速して飛行する際には、空中安定性が低下するので、これらの飛行機は空気力学的な変化や外乱 (例えば、風速や風向の変化) に非常に影響を受ける。このため、着陸区域に安全な環境でこれらの飛行機を着陸させることを可能とし、飛行機の損害を回避することが重要である。
【0013】
経路または道路に沿って起こり、監視および検知が必要な禁止動作の更なる例には、自動車侵入および/または窃盗、スリ、強盗等、歩行者によって実行される犯罪行為が含まれる。警察官が犯罪行為の付近にいる場合は、その行為を警戒し犯罪者を追跡することも可能である。しかしながら、犯罪が警察官の見えない所で行われる場合には、その行為は検知されずに遂行され得る。
【0014】
更なる禁止動作は、ボートまたは灌漑用の運河または規定された水路を含む延在する所定の経路に沿って起こり得る。ボートが違法な製品を運搬するケース、及び/または、ボートが特定の運河または水路の規則に従って航行しないケースがある。運河が長距離に渡り延在している場合には、沿岸警備隊が運河の全長を監視下に置くことができない可能性がある。
【0015】
更なる禁止行為または動作は、ガソリン等の原料を輸送するパイプまたは輸送管のネットワークに沿って起こる可能性がある。そのような行為は、パイプに穴を空ける破壊行為、または輸送される原料を違法に多量に吸い出すための破壊行為を含み得る。
【0016】
ある場合には、それに沿って禁止動作が行われる経路または道路は、立入禁止区域の外側の領域である。壁または有刺鉄線の塀等の物理的な障壁であっても、時として、侵入者が立入禁止区域に入ることを防止するには不十分であることは良く知られている。頭の良い侵入者は、気づかれずに障壁を迂回する方法を発見し立入禁止区域に侵入するであろう。この問題を克服する1つの方法は、立入禁止区域の境界上を移動する、有人または無人の巡視陸上車両を配置し、これによって、巡視者が侵入を企てるいかなる者も検知可能とし立入禁止区域に入ることを防止することである。
【0017】
しかしながら、侵入者は巡視者の視界の外になるまで単に待ってから立入禁止区域への立入を試みればよいため、この種の巡視システムは一般に十分に効果的ではない。更に、陸上車両はある種の地形を走行するのが困難であり、従って、巡視能力が阻害される可能性がある。
【0018】
上に説明したように、特許文献1には、懸架ケーブルから懸架されたモータ駆動の架台上に装着された遠隔運転のカメラシステムが開示されている。この架台は一連の滑車によって駆動され、これによってカメラを懸架ケーブルに沿って駆動する。高架されたカメラは、陸上車両巡視に関連する障害を回避する。しかし、侵入者は、陸上車両に対するのと同様の方法で、自身がカメラの視野から外れるまで検知されずに留まることによって、カメラを迂回することが可能である。
【0019】
上述のように、特許文献2の発明に対しても同様の欠点が存在する。
【0020】
先行技術の監視システム、特に立入禁止区域内に位置するシステムに関連する更なる問題では、カメラが静止しており、かつ塀の高さよりも低く配置される場合には、外部の立入禁止ではない区域が塀自身によって部分的に遮られることである。更に、カメラが塀の周囲に沿って移動し一定の速度に達すると、塀の中の開口部の大きさによっては、立入禁止ではない区域のカメラの視界は、どうしても塀によって完全に遮られる場合がある。塀によって遮られないようにカメラを塀よりも高く位置させる場合であっても、カメラを立入禁止区域内に設置することによって、望ましくない死角が立入禁止区域の外側に生じ、潜在的な侵入者は検知されずにそこに隠れることが可能である。
【0021】
他の監視方法は、特許文献3で開示されているような無人飛行機(UAV)の使用を含み、この無人飛行機は遠隔制御され、カメラおよびデータ送信手段を含むものである。しかし、遠隔制御無人飛行機、すなわちUAVは、典型的に、高価で重い制御システムが付加されており、一般的には、所定の区域の境界の周囲を単に移動するだけに制限されない。更に、UAVは飛行可能な時間が限られているために、一般に監視が必要な区域から遠方にある飛行場からの移動および飛行場までの移動に、貴重な時間と燃料を使わなければならない。
【0022】
監視飛行機に関連する他のとしては、上述のように、特に離着陸の間に起こる事故が含まれる。
【特許文献1】米国特許第5225863号
【特許文献2】米国特許第6339448号
【特許文献3】米国特許第5035382号
【特許文献4】国際公開06/035429号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
従って、本発明の目的は、所定の経路に沿って起こる禁止動作を検知するための監視システムおよび方法を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、道路に沿って起こる交通違反を検知するための監視システムを提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、道路に沿って起こる犯罪行為を検知するための監視システムを提供することにある。
【0026】
本発明の他の目的は、禁止動作に対してさまざまな角度からこの行為を検知することが可能な監視システムを提供することにある。
【0027】
本発明の他の目的は、地上から高くされていない位置から区域を観察可能な監視システムを提供することにある。
【0028】
本発明の他の目的は、立入禁止区域の外側の潜在的な侵入者を検知するための監視システムを提供することにある。
【0029】
本発明の他の目的は、地上から高くされた位置から区域を観察可能な監視システムを提供することにある。
【0030】
本発明の他の目的は、遠隔の使用者によって制御可能な監視システムを提供することにある。
【0031】
本発明の他の目的は、必要とする離着陸手続きが最小な監視システムを提供することにある。
【0032】
本発明の他の目的は、安全な着陸環境を含む監視システムを提供することにある。
【0033】
本発明の他の目的は、カメラが短時間で所望の区域に到達可能な監視システムを提供することにある。
【0034】
本発明の他の目的は、カメラが長時間所望の区域に配置可能な監視システムを提供することにある。
【0035】
本発明の他の目的は、飛行物体に連続して動力の供給が可能な監視システムを提供することにある。
【0036】
本発明の他の目的および利点は、説明の進行と共に明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明は、道路に沿った1箇所または複数箇所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムに関する。このシステムは、a)禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うものであり、b)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが道路に沿った所望の経路に沿って移動可能であり、c)カメラのうちの少なくとも1つを可動基台のうちの少なくとも1つに接続し、これによってカメラと可動基台との間に空間的隔たり領域(projection)を生成する機械的接続具と、d)1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、領域の長さを調節することが可能な監視システムである。
【0038】
好ましくは、機械的接続具は、a)剛性の柱、b)空気力学的に柔軟な弓状体、c)少なくとも2つの回転可能に接続された剛性の部材、およびd)巻き上げ可能な柔軟なケーブルからなる群の中の任意の1つから選択してよい。
【0039】
好ましくは、カメラは遠隔制御される副基台の上に更に装着されており、副基台が独立に動作可能であって、カメラはケーブルによって可動基台に接続されている。
【0040】
遠隔制御される副基台は、a)遠隔制御されるヘリコプタ、b)VTOL航空機、c)動力付きパラシュート、d)パラグライダ、e)遠隔制御される小型飛行船型、およびf)遠隔制御される飛行機からなる群の中の任意の1つから選択してよい。
【0041】
任意選択的に、カメラは、空気力学的な力を生成する、または空気力学的な力によって作動させられる副基台の上に装着されており、a)ヘリウム気球、b)凧、c)パラシュート、およびd)グライダからなる群の中の任意の1つから選択してよい。
【0042】
可動基台は、好ましくは、副基台がそこから離陸し、そこに着陸する離着陸機構を更に含む。離着陸機構は、好ましくは、少なくとも台と、この台を可動基台に接続するための伸張可能なアームとを含む。離着陸機構は、好ましくは、副基台を離着陸機構に案内するための案内システムを更に含み、案内システムは、a)離着陸機構の上に位置する送信機および受信機を含むセンサと、b)副基台に位置する送信機および受信機を含むセンサとを含み、送信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を送信可能であって受信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を受信可能であり、案内システムが、飛行の間および着陸手続きの間に信号を解釈して副基台を案内する制御信号を発生させる。
【0043】
任意選択的に、離着陸機構は、着陸の間に副基台を受けて固定するための伸張可能かつ折りたたみ可能な網を更に含む。任意選択的に、離着陸機構は、着陸の間に副基台の衝撃を吸収するための緩衝材を更に含む。
【0044】
好ましくは、副基台は、遠隔電気エネルギ源から供給される電気であって、機械的接続具を通して副基台に伝送される電気によって動力が供給される。副基台は、a)電池、b)太陽電池、c)燃料電池、および、d)ガソリンからなる群の中の任意の1つによって動力を供給してよい。
【0045】
好ましくは、少なくとも1つのモータが副基台を移動または浮揚させるための推進機構に接続される。
【0046】
本発明によると、可動基台がそれに沿って移動する経路は、a)ケーブルライン、およびb)レールからなる群の中の任意の少なくとも1つを含む。本発明によると、可動基台は、a)ガソリン発動機、b)ケーブルラインまたはレールを通して電気が伝導される電気モータからなる群の中の任意の1つによって駆動される。
【0047】
任意選択的に、副基台は、公共サービス公告を有する自身に取り付けられた横断幕を更に含む。
【0048】
可動基台は副基台によって経路に沿って牽引してよい。
【0049】
本発明は、好ましくは、少なくとも1つの移送基台を含む移送システムを更に含み、少なくとも1つの可動基台を経路の1つの部分から経路の他の部分に移送し、これによって可動基台のうちの1つが他の可動基台を追い越すことを可能にする。移送基台は、好ましくは、a)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第1の固定端部と、b)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第2の固定端部と、c)中央レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、中央レールを端レールのうちのいずれか1つに整列させることが可能な滑動する中央部とを含む。
【0050】
好ましくは、副基台は、ケーブルを繰り出しかつ巻き上げるためのリールと、端部でリールに接続されたバネ機構と、ケーブルが完全に繰り出されることを防止するためのセンサとを更に含む。リールは、好ましくは、可動基台と副基台との間の距離を検知するためのセンサを更に含む。
【0051】
本発明は、好ましくは、ケーブルを副基台から分離するための機構を含む。
【0052】
任意選択的に、副基台は、副基台の動作を安定化させるための安定化システムを含む。
【0053】
いくつかの実施形態によると、副基台は、折りたたみ可能または退行可能な翼を含む。
【0054】
本発明の制御局は、好ましくは、入力装置と出力装置とを含むコンピュータを含む。制御局はPDAを含んでよい。制御局は、好ましくは、可動基台、副基台、およびカメラの動作を制御する。
【0055】
好ましくは、可動基台は、上垂直車輪と、下垂直車輪と、水平車輪とを含む車輪部材システムによってケーブルまたはレールに沿って移動可能である。下垂直車輪は、バネ機構によって上垂直車輪から分離可能である。
【0056】
本発明は、任意選択的に、立入禁止区域の外側の外部区域を更に含み、少なくとも1つの可動基台が立入禁止区域の中に位置し、カメラが少なくとも外部区域の中に配置可能であり、外部区域の少なくとも一部を観察可能である。
【0057】
本発明は、更に、道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムであって、この監視システムは、a)禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うカメラと、b)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、c)カメラのうちの少なくとも1つを可動基台のうちの1つに接続し、これによってカメラと可動基台との間に空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、d)1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、領域が固定されており、領域の長さは、カメラと禁止動作の場所との間の空間的隔たり領域と、禁止動作の場所と可動基台との間の空間的隔たり領域の合計距離以上である監視システムに関する。
【0058】
本発明は、更に、道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための方法であって、この方法は、
a)監視システムを提供する工程であって、この監視システムは、
1)禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、1つまたは複数のカメラが制御局とデータを通信するカメラと、
2)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、
3)カメラのうちの少なくとも1つが接続された副基台と、
4)副基台を可動基台のうちの1つに接続するための巻き上げ可能なケーブルと、
5)1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い1つまたは複数のカメラにデータを伝送し、可動基台、副基台、およびカメラの動作を制御するための制御局とを含むものである工程と、
b)可動基台および副基台に動力を伝送するための動力源を提供する工程と、
c)ケーブルを通して副基台に動力を伝送する工程と、
d)任意選択的に、可動基台を経路に沿って移動するように導く工程と、
e)道路に沿った禁止動作をカメラによって検知する工程と、
f)カメラからデータを制御局に伝送する工程とを含む方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明は請求項によって定義され、その内容は本明細書の開示内に含まれると理解すべきであり、添付の図面を参照して実施例を通じて説明する。
【0060】
本発明は、所定の経路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向で起こる禁止動作を検知するための監視システムに関する。禁止動作または行為の多くの種類は、経路、例えば長い道路に沿った種々の場所で起こり得る。それにもかかわらず、とりわけ、財源および/または人的資源の制約が原因で、そのような行為を検知するために、限られた数の法の執行者またはカメラがそのような区域に沿って配置されているのみである。道路の長さに沿って移動可能な少なくとも1つのカメラを有する監視システムを提供することによって、禁止動作または行為をその区域に沿った全ての場所で検知可能である。
【0061】
本明細書で用いる用語「道路」は、用語「経路」を含み、かつ、これと互換的であり、これに沿ってまたはこれを渡って歩行者および/または動物が移動可能である高速道路、街路または往来、または通路、更には、これらに沿ってボートが航行する運河や水路、更には、所定の原料が輸送されるパイプ系を有する経路を含み、そこで禁止動作が起こり得る任意に規定された経路を含むものと理解される。
【0062】
本明細書で用いる用語「禁止動作」には、交通違反、更には、強盗、スリ、自動車侵入および/または窃盗を含む犯罪行為等の非合法な行為の全ての種類、更に、非合法に輸送する物品または非合法な物品を輸送することを含む。「禁止動作」には、所定の区域または経路の外側での動物の運動等の、合法であっても他の場所では禁止されているいかなる動作をも含む。更に、用語「禁止動作」は、潜在的な侵入者の行為等の、その時点では禁止されていなくても、潜在的に、または結果として非合法な行為に結びつく可能性のある行為を指してもよい。「禁止動作」の検知は、将来時点で禁止動作が潜在的に起こり得る、例えば、原料が輸送されるパイプまたはパイプ系を破損させるまたは漏洩させる、静的または動的にかかわらず、1つまたは複数の物体の状態の検知を指してよい。
【0063】
本明細書で用いる用語「立入禁止区域」は、立入禁止区域の境界を描き禁止区域内への好ましくない立入を防止するための塀、壁または延在する空き地等、実在または仮想を問わず、分離構造または境界区分を有する規定された区域を指す。
【0064】
本明細書で用いる用語「境界」は、立入禁止区域の周囲を指す。立入禁止区域は境界の片側に位置し、その外部区域が境界のもう一方の側に位置する。
【0065】
本明細書で用いる用語「外部区域」は、立入禁止区域の外側の区域を指し、そこでの行為は監視システムのカメラを介して観察される。
【0066】
本明細書で用いる用語「カメラ」は、物体から反射してこの物体の可視的な画像を生成する、光学的な光線(静止、動画)または電磁放射(レーダに基づく)を受けることが可能な任意の画像取得装置を指す。
【0067】
本明細書で用いる用語「死角」は、そこでの行為が監視システムのカメラを介して観察不可能な外部区域の部分を指す。
【0068】
用語「空気力学的な力」、「浮力」および「揚力」は、本明細書では互換的に用いられ、飛行機構を空気中に保つ力を表す。
【0069】
以下に説明される本発明のシステムの用途は、特に交通違反を検知するシステムに関する第1の実施例において提示されるが、必要な変更を加えることにより、このシステムは上に説明したような全ての種類の道路に沿った非合法な行為の全ての種類にも利用可能である。
【0070】
本明細書でのカメラの場所への参照は、特にカメラシステムの物理的な位置に関し、地面に対してレンズが配向されている角度に関するものではない。それにもかかわらず、レンズの角度は、本明細書で以下に説明するように、適宜、遠隔制御、再配置および/または再配向してよい。
【0071】
本発明の用途の第1の実施例を図1〜図8dに示す。図1では、二車線高速道路(10)の片側の長さに沿って離間配置された電灯柱(12a)、(12b)、(12c)を有する高速道路(10)の図式的な斜視図を示す。本発明の好適な実施形態によると、可動基台(16)は、高速道路(10)の長さに沿ったケーブルライン(12)に沿って移動し、機械的な接続を介して自身に接続されたカメラ(14)を有する。第1の実施例の第1の実施形態では、機械的な接続は剛性の柱(22)の形態を取る。剛性の柱(22)は、単一部材で製作された伸張した棒を含み、この一端(24)でカメラ(14)に、もう一方の端(25)で可動基台(16)に接合される。剛性の柱(22)は直線形でも湾曲しても良く、一端(24)が高架され、好ましくは高速道路(10)の上になるように、配置される。端部(24)、(25)はカメラ(14)および可動基台(16)にそれぞれ固定的に接合、または端部(24)、(25)を回転可能に接合しても良く、柱(22)の回転はモータ(図示せず)によって制御可能としてよい。
【0072】
可動基台(16)は、特許文献1に説明されているような、トロリー型の輸送装置で良く、ケーブルライン(12)を介して軌道の経路に沿って移動する。
【0073】
典型的には、カメラ(14)は、IR、UVおよび/または昼夜対応能力のうちから少なくとも1つを、更に音声および運動センサを含む。
【0074】
少なくとも2つのケーブル、レールまたは軌道、あるいはモノレールを含む従来の線路を含み、任意の高架線路システムからもなり得るケーブルライン(12)は、図示されるように電灯柱(12a)、(12b)、(12c)、または塀等道路の長さに沿った任意の既存の支持構造、塀の長さに沿って位置する専用の支持柱、電柱、樹木等、またはこれらの組み合わせによって支持されてよい。代わりに、ケーブルライン(12)は、基本的に地面またはわずかに地面から高架されたものに沿って延在するケーブルまたは軌道に沿って延在してよい。支持構造は、図示するように高速道路のいずれかの側に沿って、または、対面交通の高速道路の場合には、車線間の分離帯に沿って位置してよい。更に、ケーブルライン(12)は可動基台(16)の上方、下方、または側方に沿って延在して良く、または、代わりに、ケーブルライン(12)は、特許文献1のように可動基台(16)を通して延在してよい。運河または水路に沿って利用される場合には、支持構造は水路の底から上方に伸張してよい。更に、またはその代わりに、ケーブルライン(12)は、水路の長さに沿って延在する、任意の浮遊体のシステムによって支持してよい。
【0075】
可動基台(16)に対する柱(22)の長さおよび角度は、可動基台(16)の地面からの高さ、および高速道路(10)からの距離、および塀(図示せず)の高さに関連して決定される。
【0076】
本発明の第1の実施例の第2の実施形態を、図1の線A-Aに沿って見た図式的な断面側面図にて図2に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、機械的な接続は柔軟な弓状体(32)の形態で提供され、弓状体(32)の自由端(35)が高速道路(10)に向かって配置されるようなっている。少なくとも1つの翼状の突起(図示せず)が、弓状体(32)の自由端(35)のそれぞれの側から可動基台(16)の移動方向に平行な方向に延びる。可動基台(16)はケーブルライン(12)に沿って移動するので、翼状の突起の空気中の動作は空気力学的な力(揚力)を翼状の突起の上に発生させる。従って、可動基台が移動する速度によって、弓状体(32)はしかるべく上昇および下降する。更に、または代わりに、この翼状の突起はカメラ自体に取り付けられる。弓状体(32)の下端(33)は、好ましくは可動基台(16)に回転可能に取り付けられて、弓状体(32)が可動基台(16)の移動方向に基本的に直角に回転することができる。下端(33)の回転の軸の回りの弓状体(32)の回転は、好ましくは所定の制限角度に拘束される。
【0077】
本発明の第1の実施例の第3の実施形態を図式的に図3に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の形態で提供される。更に、カメラ(14)は、ヘリウム気球(45)、凧(図示せず)、パラシュート(図示せず)、またはグライダ(図示せず)等の、空気力学的な揚力を発生させる、または空気力学的な揚力によって作用を受ける、副基台に装着される。副基台はケーブル(42)を介して可動基台(16)に接続される。
【0078】
図3のカメラ(14)の位置は、力を作用させてヘリウム気球(45)を上方に浮揚させる気球(45)の浮力(矢印(46)で示す)、および気球(45)を水平方向(矢印(48)で示す)に移動させるまたは地面(10)に対して浮揚させる推進機構に接続されたモータ(49)の組み合わせによって制御される。重力、風力、ケーブルの張力等の付加的な力も同様に気球に作用する。気球(45)を望ましい方向に導くために、特に、望ましくない方向に気球(45)に作用する風力に対抗するために、複数のモータ(49)を備えてもよい。所望するカメラ(14)の位置に従って、巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)は、リール(41)によって適宜繰り出しまたは巻き上げてよい。
【0079】
カメラ(14)が可動基台(16)に、例えば凧を介して接続されている場合、可動基台(16)がケーブルライン(12)に沿って移動し、凧が空中に引かれる際に凧の上で流れる風によって発生する揚力に加え、現存の風によって空気力学的な力が発生する。
【0080】
本発明の第1の実施例の第2および第3の実施形態については、風の吹きつけに起因するカメラの不安定性による、カメラ(14)によって受信した画像の歪みを補正するために、高速画像収集機能を有したカメラが利用される。
【0081】
巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)を利用することによって、使用者は、第1および第2の実施形態のカメラ(14)では位置させることが不可能な場所に、カメラ(14)を位置させることができる。
【0082】
本発明の第1の実施例の第4の実施形態を図式的に図4に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は2つの部材(52a)、(52b)を有する剛性の柱(52)を含み、2つの部材それぞれが回転可能に互いに一端で接合され、他方の端はそれぞれカメラ(14)と可動基台(16)に接合される。代わりに、2つより多い柱部材が存在してもよい。柱部材(52a)、(52b)は、矢印(51)で示されるように、それぞれの軸の回りに回転可能である。少なくとも1つのモータ(図示せず)が、それぞれの柱部材(52a)、(52b)およびカメラ(14)の動作を互いに対して制御する。
【0083】
本発明の第1の実施例の第5の実施形態を図式的に図5aおよび図5bに示すが、これら実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第3の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、カメラ(14)は、遠隔制御の飛行機(65)(UAV(無人飛行機)とも本明細書では称する)、CUAV(ケーブルUAV)、またはTCUAV(トレインケーブルUAV)等の遠隔制御される副基台によって支持される。飛行機(65)は所望の全ての方向に移動可能であるが、それにもかかわらず、移動可能な距離は少なくとも巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の長さによって制限される。上に説明したように、従来の遠隔制御飛行機の飛行経路は、一般に、この方法に制限されないが、本発明では、高速道路(10)に沿って監視が必要な区域に比較的近接した飛行を維持するために、飛行経路の制限が好ましい。飛行機(65)をケーブル(42)を介して可動基台(16)に接合することに関連して、更なる利点を以下に説明する。これによって、飛行機(65)、特にカメラを、短時間で異なった所望の位置に再配置することが可能となる。代わりに、遠隔制御のヘリコプタ(図示せず)、動力付きパラシュート(図示せず)、動力付きパラシュートグライダ(パラグライダ)(44)(図5b参照)、遠隔制御の小型飛行船型、またはツェッペリン飛行船型の航空機(図示せず)、または垂直離着陸航空機(VTOL)を利用してもよい。
【0084】
第1の実施例の第5の実施形態では、飛行機(65)は、道路(10)に沿って移動する車両に対して所望の角度でカメラ(14)を位置決め可能である。これは、車両のナンバープレートが遮られているまたは検知が困難で、他に方法がない場合、例えば、車両が非常に近接した走行を行っている、または近接走行を受けている場合に必要である。
【0085】
好適な実施形態によると、電気エネルギが外部電源から巻き上げ可能なケーブル(42)を通して飛行機(65)に伝送され、飛行機(65)の飛行ならびにカメラおよび他の搭載機器に動力を供給するために利用される。他の制御信号やデータが巻き上げ可能なケーブル(42)を介して遠隔制御局と飛行機(65)(およびカメラ(14))との間で伝送される。これによって、あまり好ましくはないがあり得る代替手段であるガソリンエンジンの使用に対して、実質上無制限の飛行時間を可能にする。
【0086】
飛行機(65)をケーブル(42)を介して可動基台(16)に接合する配置は、規定の経路によって制限されることなく飛行可能な航空機の機能を一般に利用する、従来および本来的なUAVの利用方法と逆であることを、更に強調しておくべきである。本明細書で説明するような本発明の配置に関連する多くの利点がこれまで活用されておらず、このため、全ての既知の先行技術のUAVシステムに対して発明的である。例えば、本発明の飛行機は、本明細書で以下に説明するように、主要なシステムの万一の故障に対する高価なバックアップ飛行システムを必要としない。更に、飛行航路が所定の経路に限定されているために、複雑な飛行制御システムは必要ない。
【0087】
第1の実施例の第5の実施形態の他の態様によると、エネルギ源のバックアップまたは交換が必要な場合等では、太陽電池、電池、燃料電池等の任意の他の動力供給手段が好ましい場合もある。第1の実施例の第5の実施形態の1つの態様(図5a)によると、ケーブル(42)の下部分(すなわち、リール(41)に取り付けられており部分的に飛行機(65)に延びるケーブル(42)の部分)は自身を通して電気を伝導可能であるが、一方、ケーブル(42)の上部分は電気を通さない。この態様では、太陽電池、電池、燃料電池等の動力供給手段が、初期飛行の間に飛行機(65)に動力を供給する。バックアップまたは交換用の動力源が必要な場合、または動力源の再充電が必要な場合には、ケーブル(42)の上部分は飛行機(65)内に巻き取られ、飛行機はケーブル(42)の下部分に接続して、この部分を通して電力を受けることが可能である。適合するプラグ部分がケーブル(42)の下部分から延び、飛行機(65)の下側に位置する適合するソケット部分に挿入される。または、プラグ部分が飛行機(65)の下側に位置して、適合するソケット部分がケーブル(42)の下部分に位置する。
【0088】
一態様によると、モータ(図示せず)等の内部動力源が可動基台(16)をケーブルライン(12)に沿って駆動する。代わりに、電気的なケーブルからなるケーブルライン(12)が動力源を供給し、可動基台(16)をケーブルライン(12)に沿って駆動する。
【0089】
飛行機(65)は、先行技術の航空システムにより知られている自動離着陸機構、失速防止、および簡単な制御システムを任意選択的に含む。
【0090】
好ましくは、飛行機(65)は気象条件、飛行機(65)の強度、重量変化等に応じて安定化変数を調節する動的変数群を有する安定化システムを含む。このような安定化システムの1つは特許文献4に説明されており、その全てを本明細書を構成するものとして援用する。
【0091】
好ましくは、リール(41)は、少なくとも1つのセンサを含み、巻き上げ可能なケーブル(42)が完全に繰り出されて張りつめ状態になることを防止する。風速や風向、飛行機(65)の強度、可動基台(16)からの飛行機(65)の距離、およびケーブル(42)の長さ等の要因が考慮される。飛行機(65)が飛行中にケーブル(42)が張りつめ状態になると、飛行機(65)の適切な飛行が阻害される。従って、飛行機(65)と可動基台(16)との間の距離よりも繰り出されたケーブル(42)が長くなるように維持し、ケーブル(42)が常に弛むようにすることが好ましい。更に、または代わりに、バネをリール(41)に固定されたケーブル(42)の終端に位置させて、ケーブル(42)が完全に繰り出された場合にケーブルが張りつめ状態になることを防止する。
【0092】
図5cは、飛行機がケーブル(図示せず)を介して可動基台(図示せず)に取り付けられた場合に、飛行機の飛行経路制限(矢印(64)に示すように座標軸の原点に配置された)を図式的に表す仮想的な半球を示す。静止状態では、飛行機(65)の最大飛行距離はドーム(66)によって示される。飛行機(65)の飛行経路を制限する同様のドームがケーブル(12)の下にも存在しているが、明瞭化の目的により、上のドーム(66)と飛行経路のみ図示して説明することが理解される。飛行機(65)はx軸、y軸およびz軸で形成される平面の全ての方向に沿って移動してよい。更に、飛行機(65)がケーブル(12)に沿って移動する場合には、飛行機(65)の境界ドーム(66)もそれに沿って移動する。
【0093】
図5dを参照すると、禁止行為がカメラ(図示せず)の視野の外側で起こる状況に対して、または、飛行機(65)がケーブル(42)によって制限されている場合には到達不可能な目的地に到達可能とし、より望ましい角度または近距離から特定の画像を観察する状況に対して、飛行機(65)は自身からケーブル(42)を分離するための機構を含む。好ましくは、ケーブル(42)の末端は、解放可能なパラシュート(85)を含む分室(80)を介して飛行機(65)に接続される。ケーブル(42)は分室(80)の低面に位置するリング(82)に接合される。分室(80)は、分室の側壁(81)の開口部(88)から解放される少なくとも1つの解放可能なピン(図示せず)によって、飛行機(図示せず)に接合される。所望すれば、このピンは第1のバネ機構(図示せず)によって解放し、飛行機と分室(80)との間に位置する第2のバネ機構(図示せず)が延びケーブル(42)を地面に落とすようにしてもよい。ケーブル(42)が地面に接触することを防止するために、分室(80)は小パラシュート(85)を含む。ピンが解放された際に、同時に小パラシュート(85)がその収容室から解放されケーブルをゆっくりと地面に落下させる。好ましくは、ケーブル(42)の自由端が地面に到達する前にリール(41)がケーブル(42)を巻き取る。いくつかの用途では、敵によって発射された航空物体を迎撃または射撃するために、飛行機(65)をケーブル(42)から分離することが必要な場合がある。飛行機がケーブル(42)から分離されると、もはや電力はケーブル(42)を通じて飛行機に伝送されないことが分かる。分離手続きの間に、電気コネクタまたはプラグ(図示せず)が、分室(80)の側壁(83)に位置するソケット(86)から引き抜かれる。
【0094】
更に、地面に非常に近接して飛行し地面中の足跡または他の痕跡を識別および追跡するために、本発明が利用可能である。地理情報システム(GIS)を利用して、土地の地図化、および/または走査、および地理学的採鉱(geomining)もまた、本発明を用いて実施可能である。更に、GISは、飛行経路を制限し得る樹木や柱等、飛行機(65)に近接する周囲の物体に関する情報を提供可能である。
【0095】
好適な実施形態によると、図6は台(68)を含む離着陸機構を示し、伸縮自在なアーム(70)を介して可動基台(16)に接続され、また、この台は輪(72)の軸回りに回転する。飛行機の離陸後にはアーム(70)が伸張し、着陸後にはアーム(70)が退行する。アーム(70)は可動基台(16)に沿った好都合な任意の位置に配置することが可能であり、図示するような伸縮自在を含めどのような方法でも、折りたたみまたは圧縮可能である。
【0096】
上に説明したように、着陸の間の低速飛行による安定性の低下は着陸衝突を起こし得る。本発明では、飛行機(65)が移動する基台上に着陸するために、地面に対する対気速度はゼロにはならず、従って、飛行機(65)は着陸の間も安定性を保ち、従って、着陸衝突の可能性を減少させる。代わりに、飛行機(65)は可動基台(16)が静止している間に着陸してもよい。
【0097】
UAVのいくつかは極端な気象条件の間は飛行が不可能であり、従って、この時には基本的に監視システムとしては利用できないが、飛行機(65)では台(68)の上に着陸した位置で所望の経路の周りを巡察可能であり、これによって、非最適気象条件の間でも自身の役割を少なくとも部分的に遂行し得るという、従来のUAVに対して更なる利点を本発明は含む。
【0098】
着陸案内(76)は台(68)をケーブル(42)に接合させ、着陸の間に所望の経路に沿って飛行機(65)を案内する際に一層の支援を行う。着陸案内(76)は、代わりにアーム(70)または可動基台(16)自体に接続してもよい。更に、または代わりに、ケーブル(42)は、回転部材(78)によって回転可能に接合された基部(77)と案内(79)とを含む制御可能な機構によって一層安定化してよい。
【0099】
更に、または代わりに、台(68)に飛行機(65)を案内して台(68)の上に着陸させるために、離着陸機構に接合された少なくとも1つのセンサ(図示せず)を含むシステムが提供され、好ましくは、このシステムは飛行機(65)の下側に配置された送受信センサに対して信号を送信および受信する送受信機である。このシステムは送信された信号を解釈し、これを使って制御信号を生成し、例えば、ケーブル(42)の繰り出し長さおよび台(68)から飛行機(65)までの距離を指示することによって、飛行機を飛行させて(または牽引して)安全に着陸させる。送信機は、飛行機(65)の圏内にいる、追加の監視飛行機等の物体との間で更にデータを送信してもよい。
【0100】
好適な実施形態によると、飛行機(65)は自動操縦に加えGPSを利用する自動飛行制御システムを含み、監視システムに存在する他の可動基台(16)に対して飛行中に案内および位置決めを行い、収集した画像の位置の特定等を行う。グローバル制御システムを用い飛行経路に対し公開空域を照合することは可能だが、必要ではない。更に、または代わりに、センサ(図示せず)をケーブル(12)の支持柱等の可動基台(16)に沿った複数の場所に配置し、それぞれのセンサの正確な地理上の座標を示す信号を提供する。従って、可動基台(16)が特定のセンサの所に来る、または近くに来ると、この可動基台の地理上の座標を知ることができる。
【0101】
任意選択的に、飛行機(65)は周囲の物体を検知するためにレーダ等の視覚機器を含む。
【0102】
好適な実施形態によると、飛行機(65)は緊急着陸機構を含み、エネルギ源からの出力が低下、またはGPS信号との通信が低下する等の場合に、可動基台がケーブル(12)に沿って移動することを停止し飛行機(65)を即座に着陸させる。更に、または代わりに、上に説明したようにバックアップ動力源を備えられており、飛行機(65)を飛行継続可能にし、または飛行機(65)が緊急着陸する際に衝突することを回避可能にする。
【0103】
飛行機(65)が実施必要な動作の数を、特に着陸手続きの間に、最小限にするために、本明細書で上述したように、好ましくは、可動基台(16)が、ケーブル(42)を張りつめ状態にすることなしに飛行機(65)に最も近接する位置にケーブル(12)に沿って配置される。
【0104】
第1の実施例の第5の実施形態の1つの態様によると、公共サービス公告を有する横断幕(図示せず)が飛行機(65)に取り付けられる。
【0105】
他の態様によると、1つまたは複数の更なるカメラ(図示せず)が可動基台(16)に直接取り付けられる。
【0106】
第1の実施例の第5の実施形態の他の態様によると、拡張可能な網(90)が図7aに示されており、可動基台(16)から伸張する伸縮自在なアーム(92)に接続されている。網(90)は、監視飛行機が着陸のために台(図示せず)に帰還する際に、これを受けるように構成される。網(90)は、伸縮自在なアーム(92)を伸張および退行させることによって、それぞれ、着陸のための拡張、または飛行機(65)の離陸を可能にするための折りたたみが可能である。更に、または代わりに、伸縮自在なアーム(92)は回転可能に折りたたみ可能としても、または所望すれば網(90)を拡張および折りたたむために他のいかなる形態を取ってもよい。好ましくは、アーム(92)は飛行機(65)の翼の衝撃を吸収するための緩衝材(94)を含み、これによって、安全な着陸環境を提供し、着陸の間に飛行機(65)の翼に起こり得る損傷を防止する。緩衝材(94)は、任意のパッドまたはスポンジ状の材料を含む。更に、または代わりに、可動基台(16)の上表面(17)は、安全な着陸環境を提供するために1つまたは複数の緩衝材(図示せず)を含む。
【0107】
図7bは第1の実施例の第5の実施形態の代替えの態様を示し、台(68)はリール(41)に向かって伸張する2つの表面(69)を含む。2つの網(91)のそれぞれは、一端で各表面(69)に蝶番で取り付けられ、もう一方の端は円弧状部材(84)に取り付けられる。緩衝材(94)は台(68)の縦の縁に沿って位置し、着陸の間に飛行機(65)の翼の衝撃を吸収する。ケーブル(42)が更に飛行機(65)(図示せず)を引っ張ると、翼が網(91)に接触する。所望すれば、網(91)は自身の蝶番の回りに内に向かって回転し、それによって、台(68)上の翼を円弧状部材(84)で折りたたんで覆い、翼を固定する。
【0108】
任意選択的に、飛行機(65)の翼は、着陸に続いて折りたたみ可能、または退行可能であって、使用しない間に起こり得る翼の損傷を防止できる。
【0109】
本発明の好適な実施形態によると、複数の可動基台(16)がケーブルライン(12)に沿って移動し、それぞれの可動基台(16)は、上に説明した実施形態の任意の1つを含んでもよい。全ての可動基台(16)は、1本の弦上のビーズのように同じケーブルライン(12)に沿って移動するため、ケーブルライン(12)に沿って1つの可動基台(16)が互いの位置を交換する、または追い越す唯一の方法は、ケーブルライン(12)から取り外され、ケーブルライン(12)に沿った異なる位置に置き直されることである。
【0110】
図8aは、2つの可動基台(16a)および(16b)を示しており、可動基台(16a)および(16b)のそれぞれはケーブル(42)を介して接続された遠隔制御の飛行機(65a)および(65b)をそれぞれ備える。可動基台(16a)がケーブル(12)に沿って可動基台(16b)と位置を相互に交換することが所望される場合には、本明細書に以下に説明する本発明の移送システム(100)が使用される。
【0111】
図8a〜8cに示すケーブルライン(12)、(12b)〜(12d)は、軌道当たり1つのケーブルのみを含み、それゆえ、付随する説明では1つのケーブルに対する実施形態に関して行うが、これは例示目的のためだけであることを留意すべきである。上に説明したように、本発明のケーブルラインは、どのような数のケーブルを含んでも良く、それゆえ、必要な変更を加えることにより、本明細書に説明した原理に従って運転可能である。
【0112】
図8aに示すように、可動基台(16a)、(16b)はケーブルライン(12)に沿って移送基台(110a)および(110b)まで移動する。図8bは図8aの移送基台(110a)を拡大した詳細を示し、固定端部(104)および(106)と、滑動する中央部(108)とを含む。各部(104)、(106)、(108)のそれぞれは、本明細書に以下に説明するように、少なくとも1つのケーブルと、ケーブルを支持するためのレールとを含む。
【0113】
可動基台(16a)は、ケーブル(12)に沿って端レール(112a)(図8cに詳細図示)によって支持されるケーブル(112a')まで移動する。更に、図8cは可動基台(16a)の移動手段の1つの実施形態を示し、モータ(図示せず)で動力を供給される車輪(120)が回転し、これによって可動基台(16a)をケーブル(12)(図示せず)に沿って駆動する。図8bを参照すると、中央レール(112b)が端レール(112a)に整列され、これによって、可動基台(16a)がストッパ(106b)に到達するまでケーブル(112')に沿って移動継続可能になる。ケーブルライン(12c)および(12d)は、それぞれ端レール(112c)および(112d)によって支持されたケーブル(112c')および(112d')から連続する。滑動する中央部(108)は、溝(114)に沿って横にシフト可能であり、ケーブルライン(12c)またはケーブルライン(12d)のどちらが他の可動基台(16b)を支持しているかによって、下に説明するように、中央レール(112b)を端レール(112c)または端レール(112d)に整列させる。換言すると、例えば、ケーブルライン(12c)が可動基台(16b)を支持している場合には、中央レール(112b)はケーブルライン(12d)に整列される。可動基台(16a)は、適宜、ケーブル(112c')または(112d')に沿ってケーブルライン(12c)または(12d)まで移動を継続する。
【0114】
同時に、または別々に、可動基台(16b)は、それぞれがケーブル(112c')または(112d')に連続するケーブルライン(12c)または(12d)に沿って移動することによって、移送基台(110a)の固定端部(106)上にまで移動する。可動基台(16b)は、ストッパ(106c)または(106d)に到達するまで移動を続ける。可動基台(16a)が移送基台(110a)上に位置していない場合には、滑動する中央部(108)がシフトして中央レール(112b)を端レール(112c)または(112d)に整列させることが可能で、これによって、可動基台(16b)がストッパ(106c')または(106d')に到達するまで、ケーブル(112b')に沿って移動継続可能になる。次に、滑動する中央部はシフトして中央レール(112b)を端レール(112a)に整列させ、これによって、可動基台(16b)がケーブル(12)まで移動可能になる。
【0115】
図示していないが、移送基台(110b)も基本的に移送基台(110a)と全く同様であり、上に説明したような同じ運転を実施し、可動基台(16b)をケーブルライン(12)から端レール(112c)または(112d)まで適宜移送し、可動基台(16a)を端レール(112c)または(112d)のうちの1つからケーブルライン(12)に移送する。
【0116】
他の配置では、1つの移送基台(110a)または(110b)のみが提供され、可動基台が同じケーブルラインに沿って異なる方向に移動することを可能にする。この場合には、可動基台(16a)および(16b)は、それぞれ固定端部(104)および(106)まで移動する。可動基台(16b)がケーブル(12d)またはケーブル(112d')上に位置する場合には、上に説明したような運転に従って、可動基台(16a)はケーブルライン(12c)まで移動する。図8dは、ケーブルライン(12p)を示し、好ましくはケーブルライン(12d)から離れており、図示しないが移送基台(110a)から支持柱(図示せず)にまで延在する。可動基台(16a)は、可動基台(16b)がケーブル(12)まで移送される、または少なくとも固定端部(104)まで移送される間は、一時的にケーブルライン(12p)上に待機する。次に、可動基台(16a)は固定端部(106)まで戻り、続けて滑動する中央部分(108)に移動し、上述の運転に従って、次に端レール(12d)に移動する。
【0117】
監視下にある高速道路(10)の特性や長さ、ならびに、可動基台の数、種類、および速度によって、複数の移送システム(100)を互いに所定の間隔で高速道路(10)に沿って配置してよい。
【0118】
更に、上に説明した工程は、飛行機が可動基台上の着陸位置にある時または飛行中に実施可能であることを留意すべきである。着陸している場合には、移送基台(110a)の幅は飛行機(65a)と飛行機(65b)の両方を収容するに十分である。
【0119】
全ての実施形態に対し、カメラ(14)からデータを受信して処理を行い、カメラ(14)にデータを伝送するための制御局(各図面において図示せず)を備える。特に、制御局は、地面に対してレンズが位置する角度を含みカメラ(14)の動作を制御すること可能であり、他の可動構成要素の位置も同様に制御可能である。更に、制御局は、可動基台(16)、飛行機(65)、モータ(49)、剛性の柱部材(52a)、(52b)等を含む本発明の他の可動構成要素の動作および運転を制御する。制御局はケーブルライン(12)の遠方に配置、または近接して配置してもよい。更に、制御システムは可搬または固定されたものでもよい。更に、全ての実施形態の機械的接続具はカメラ(14)と制御局との間で制御信号、動力、およびデータを伝送するための伝送手段を備える。
【0120】
制御局は、典型的に、データを入力するための入力装置、および/または上述の可動構成要素に伝送されるべき命令を有する少なくとも1つのコンピュータを含む。情報はワイヤ/ケーブル、または無線で伝送してよい。制御局は、好ましくは、可動構成要素に関する関連データを表示するための表示モニタ等の出力装置を更に含む。表示モニタは、好ましくは、少なくとも本発明の監視システムの他の構成要素に対する飛行機(65)の位置を視覚的に表示すると共に、周囲環境に対する飛行機(65)の位置も同様に表示する。
【0121】
図21は、カメラを制御して所望の方位と倍率で画像を提供するための可搬装置を含む制御局の実施形態を図式的に例示する図である。この実施例では、制御局は携帯式の情報端末(PDA)を含み、これは、本発明の可動構成要素を制御、例えば、カメラの焦点および禁止動作に対するカメラ角度を制御するための必要な全ての機能を含む。
【0122】
それに沿って禁止動作が検知される経路または道路は予め決められるため、好ましくは、制御局は、経路、または窓のある建物である対象物(210)の形状の立体的な詳細画像を表示する。従って、特定の場所、または場面(この実施例では窓(211))が、カメラがその場所に到達する前に、例えばPDA(212)によって、予め立体的に観察可能である。所望の場面を得ようとする使用者は、建物(210)の画像(214)に対して仮想的な立体の円錐(213)等のグラフィック表示を用いて場面に対して所望する倍率と方位を規定できる。円錐(213)の底面(215)の大きさはグラフィックで制御可能であり、必要な倍率を規定する。円錐(213)の頂点は窓(211)の画像を指す。その頂点の周りの所望する円錐(213)の立体配向も同様にグラフィックで制御可能であり、必要とする場面の方位を規定する。次に、仮想的な円錐(213)は送信されて、拡大された仮想的な円錐(216)に変換され、これは飛行機(65)の到着経路の物理的立体配向に対応する。こうして使用者はPDA(212)のグラフィック機能を使用し、所望するカメラ(14)の立体到着経路を予め完全に規定することが可能である。
【0123】
GPS等の衛星システムを利用して、観察を所望する固有の座標または代わりに特定の対象物(211)を制御局の入力装置に入力すると、自動操縦システムおよび自動安定化システム(VTOL)を使用して、飛行機を自動的にこの座標または対象物に導くことが可能である。飛行機(65)に取り付けられたカメラ(14)は、制御局から更なる指令なしに、所望の対象物(211)を観察するようにしかるべく配向されることができる。
【0124】
第5の実施形態の飛行機(65)が可動基台(16)上に着陸の準備を行っている際は、制御局の表示モニタは、好ましくは、使用すべき好ましい飛行経路を表示し、制御局にいる使用者が飛行機(65)をガイドし可動基台(16)上に安全に着陸させるようにする。飛行経路は、飛行機(65)が表示モニタ上に現れた際に、飛行機(65)のいずれかの側に仮想的な好ましい境界を表示することによって指示し、着陸の間に好ましい経路から逸れないように可動基台(16)を導いてもよい。
【0125】
本明細書に説明する本発明の全ての実施形態によると、本明細書に以下に説明される第1の実施例と第2実施例の両方において、機械的接続具はカメラと可動基台との間に空間的隔たり領域(projection)を生成することが理解される。第1の実施形態(両方の実施例で)では、可動接続具、すなわちその領域は固定され、典型的に監視道路の幅よりも長い。従って、領域の長さは、カメラと禁止動作の場所との間の空間的隔たり領域と、禁止動作の場所と可動基台との間の空間的隔たり領域の合計距離以上である。他の全ての実施形態では、領域の長さは、機械的接続具および/または副基台を所望するように移動しカメラの位置を変更することによって調節可能である。
【0126】
本発明の用途の第2の実施例が図9〜15に示され、潜在的な侵入者を検知するための監視システムとして本発明が利用可能である。立入禁止区域に侵入を試みる際、侵入者は一般に立入禁止区域の外側の死角内に隠れ、監視システムによって検知されないようにする。立入禁止区域の外側にカメラを配置することによって、侵入者が隠れる利用可能な死角の量が減少する。
【0127】
第2の実施例のために本明細書に以下に説明する実施形態および各構成要素は、必要な変更を加えることにより、第1の実施例のために本明細書に説明する実施形態の特徴および利点の全てを含む。
【0128】
先行技術の監視システムの図式的な断面側面図を図9に示すが、区域(1)(本明細書で「立入禁止区域」とも称する)を囲む塀(11)の外側の区域(2)(本明細書で「外部区域」とも称する)が監視下に保たれる。監視システムは可動基台(16)と、可動基台(16)に装着されたカメラ(14)とを含む。このような監視システムは、刑務所の周囲の監視のため等比較的小さな区域のために、または、もっと大きな規模、例えば、隣接国との間の国境の巡視のために利用可能である。
【0129】
潜在的な侵入者(19)は樹木等の物体(18)の陰に隠れる、または、潜在的な侵入者(21)は斜線で表示された死角(4)にいるかも知れないが、このいずれの場所もカメラ(14)の視野内ではなく、従って検知されない。
【0130】
本発明の第2の実施例の第1の実施形態が図10に示され、これは図1および第1の実施例の第1の実施形態にある先行技術の監視システムの全ての特徴を含むが、本発明では、カメラ(14)は外部区域(2)の上に位置している。カメラ(14)は機械的な接続で可動基台(16)に接続されており、この実施形態では剛性の柱(22)の形態を取る。剛性の柱(22)は、単一部材で製作された伸張した棒を含み、この一端(24)でカメラ(14)に、もう一方の端(25)で可動基台(16)に強固に固定される。剛性の柱(22)は、直線形でも湾曲しても良く、一端(24)は高架され、好ましくは、外部区域(2)の上方に配置される。よって、カメラ(14)は、塀(11)を囲む外部区域(2)の広範囲に遮られない視野を得ることが可能である。
【0131】
可動基台(16)に対する柱(22)の長さおよび角度は、可動基台(16)の地面からの高さおよび塀(11)からの距離に、および塀の高さに関連して決定される。本システムが国境の巡視に利用される用途においては、カメラ(14)は国際法に従って許容される区域内にのみ配置する必要がある。
【0132】
本発明の第2の実施例の第2の実施形態を図式的に図11に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、機械的な接続は柔軟な弓状体(32)の形態で提供され、弓状体(32)の自由端(35)が外部区域(2)内に塀(11)を越えて配置されるようになっている。
【0133】
本発明の第2の実施例の第3の実施形態を図式的に図12に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の形態で提供される。更に、カメラ(14)は、ヘリウム気球(45)、凧(図示せず)、パラシュート(図示せず)、またはグライダ(図示せず)等の、空気力学的な揚力を発生させる、または空気力学的な揚力によって作用を受ける、副基台に装着されている。副基台は、ケーブル(42)を介して可動基台(16)に接続される。
【0134】
巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)を利用することによって、使用者は、第1および第2の実施形態のカメラ(14)では、位置させることが不可能な場所にカメラ(14)を位置させることが可能である。これによって、第1および第2実施形態のカメラ(14)からは得ることが不可能だった動作の観察が可能となり、すなわち、外部区域(2)内の死角の量が最小になる。
【0135】
本発明の第2の実施例の第4の実施形態を図式的に図13に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は2つの部材を有する剛性の柱(52)を含み、それぞれが回転可能に互いに一端で接合され、他方の端はカメラ(14)と可動基台(16)にそれぞれ接合される。代わりに、2つより多い部材が存在してもよい。この部材は、矢印(51)で示されるように、それぞれの軸の回りに回転可能である。少なくとも1つのモータ(図示せず)が、それぞれの柱(52)およびカメラの互いに対する動作を制御する。
【0136】
本発明の第2の実施例の第5の実施形態を図式的に図14aおよびに図14bに示すが、この実施形態は、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施例の第5の実施形態、ならびに第2の実施例の第3の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態において、カメラ(14)は、遠隔制御の飛行機(65)(UAV(無人飛行機)とも本明細書では称する)、CUAV(ケーブルUAV)、またはTCUAV(トレインケーブルUAV)等の遠隔制御される副基台によって支持される。飛行機(65)は所望する全ての方向に移動可能であるが、移動可能な距離は、少なくとも巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の長さによって制限される。上述のように、遠隔制御飛行機の飛行経路は、一般にこのような方法に制限されないが、本発明では、立入禁止区域(1)の境界に沿って監視が必要な区域に比較的近接した飛行を維持するために、飛行経路の制限が好ましい。これによって、飛行機(65)、特にカメラは、短時間で異なる所望の位置に再配置が可能である。代わりに、遠隔制御のヘリコプタ(図示せず)、動力付きパラシュート(図示せず)、動力付きパラシュートグライダ(パラグライダ)(44)(図14b参照)、または遠隔制御の小型飛行船型、またはツェッペリン飛行船型の航空機(図示せず)、または垂直離着陸航空機(VTOL)を利用してもよい。
【0137】
VTOL航空機は、特に着陸手続きの間に、その浮揚機能のため、本発明と共に使用する利点がある。
【0138】
図15は本発明の移送システム(100)を示し、第2の実施例に用いられた場合に立入禁止区域(1)内に配置される。可動基台(16a)は、ケーブルライン(12)に沿ってケーブルライン(12a)まで移動するが、ケーブルライン(12a)はケーブルライン(12)の単なる延長であって塀(11)から所定の距離に位置するが、通常これと平行ではない。同様に、可動基台(16b)はケーブルライン(12b)まで移動する。支持体(102)によって支持されたケーブルライン(12a)および(12b)は、それぞれ移送基台(110a)および(110b)まで連続する。ケーブルライン(12)に沿って可動基台(16a)および(16b)の位置を相互に交換する方法は、必要な変更を加えることにより、第1の実施例の第5の実施形態の説明に従って実施される。
【0139】
監視下にある立入禁止区域の特性、および境界の長さ、ならびに、可動基台の数、種類、および速度によって、複数の移送システム(100)を互いに所定の間隔で境界に沿って配置してよい。
【0140】
第1の実施例に関して本明細書で上に説明したように、制御局(図示せず)は塀(11)の遠方に配置、または近接して配置してよい。
【0141】
図16〜19を参照して、本発明の第1と第2の両実施例の第5の実施形態の好適な構成要素を示す。図16に示すように、更に本発明の全ての実施形態に適用可能であるが、支持柱(13)はその上端に位置し、ケーブル(12)が所定の経路に渡って延在することを支持するための基礎ユニット(15)を含む。
【0142】
ケーブルライン(12)に沿って走行する可動基台(116)を図17に示す。可動基台(116)は、着陸の間に飛行機(図示せず)の衝撃を吸収するための縦方向の緩衝材(194)を有する離着陸の台(168)を含む。着陸案内(176)は台(168)をリール(141)から延びるケーブル(図示せず)に接合させ、着陸の間に所望の経路に沿って飛行機を案内する際に支援を行う。円弧状部材(184)は、飛行機の翼を受けて翼を適所に固定するために蝶番(185)の回りに回転してもよい。この実施形態では、カメラ(113)が可動基台(116)の前方部分に配置される。
【0143】
図17を参照すると(図18にも詳細図示されている)、可動基台(116)は、接続部材(117)によって可動基台(116)の下部に接合される互いに直交する車輪部材(122)のシステムを介して、ケーブル(12)に沿って移動する。この実施形態に示すようにケーブルライン(12)が2つのケーブルを含む場合は、少なくとも2セットの車輪部材(122)がそれぞれのケーブルの回りに配置されことが望ましいが、少なくとも1セットの車輪部材(122)がそれぞれのケーブルの回りに配置される。図18は一組の直交する車輪部材(122)の拡大図である。車輪部材(122)は、一組の上垂直車輪(124a)、一組の下垂直車輪(124b)、および一組の水平車輪(126)を含み、ここで垂直および水平は可動基台(116)がその上方を移動する地面に対しての配向である。垂直車輪(124a)および(124b)は、剛性の接合部材(125)の1つによって、それぞれ水平車輪(126)に接合される。上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)はケーブルの上下からケーブルに沿って回転する。水平車輪(126)は、基本的に垂直車輪(124a)および(124b)に直角であり、好ましくは垂直車輪(124a)および(124b)よりも直径が小さく、ケーブル(12)に接触しない。
【0144】
図17に示すように、ケーブル(12)の断面の直径(d1)は典型的に、ケーブルライン(12)が通過する基礎ユニット(15)の部分(15a)の直径(d2)よりも大きさが小さい。図18aは、ケーブルから取り外した車輪部材(122) の後方の斜視図である。更に、バネ機構(130a)および(130b)が上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)をそれぞれ水平車輪(126)に接合する。上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)は基本的に180度の位置でケーブルに沿って移動する。上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)が部分(15a)に到達すると、バネ機構(130a)および(130b)のそれぞれが収縮する。水平車輪(126)は上蝶番(132)および下蝶番(134)の回りに回転し、従って、接触するまで部分(15a)に向かってシフトする。下垂直車輪(124b)は、これによって、上垂直車輪(124a)から離れ、車輪部材(122)が基礎ユニット(15)の部分(15a)に沿って移動することを可能にする(図17)。基礎ユニット(15)を通過後には、バネ機構(130a)および(130b)は拡張し、水平車輪(126)および垂直車輪(124a)および(124b)を共に引き寄せケーブル(12)を握持する。代わりに、ケーブル(12)は部分(15a)よりも断面の直径が小さくてよい。このバネ機構は遠隔制御されてもよいし、または自身で調節してもよい。代わりに、伸縮自在な部材は個々に拡張および収縮し、車輪部材(122)がケーブル(12)および基礎ユニット(15)に沿って移動可能とする。4つのバネ機構(130a)および(130b)を示したが、どちらかの下垂直車輪(124b)を上垂直車輪(124a)から離すためには1つのバネ機構のみ必要であることが理解される。
【0145】
図19は移送基台(1110a)の好適な実施形態を示し、これは、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、図8bおよび本明細書で上に説明した移送基台(110a)の全ての特徴を含む。移送基台(110a)は第1の固定端部(1104)を含み、この上に固定基礎ユニット(1115a)が配置され、ケーブルライン(12)から可動基台(図示せず)を受ける。可動基台は、この実施形態では滑動する基礎ユニット(1115b)を含む、滑動する中央部に連続する。基礎ユニット(1115a)〜(1115d)は、その端部に位置し図8dに示したストッパと同様な適合するストッパ(図示せず)を含む。ストッパ(図示せず)は、好ましくは上昇および下降可能であり、それぞれ可動基台(16)を移動から停止させ、および可動基台(16)を移動可能にする。滑動する基礎ユニット(1115b)はシフトし、それぞれが固定端部(1106)に位置する固定基礎ユニット(1115c)または(1115d)のいずれかに整列する。基礎ユニット(1115a)〜(1115d)は、本明細書で上に説明および図16に示すように、基礎ユニット(15)の要素と基本的に同じものを含む。本発明の第2の実施例の第6の実施形態を図20に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第5の実施形態の全ての特徴を含む。この実施形態の可動基台(1116)はケーブルライン(12)に沿って地面の上を移動する無人陸上車両(UGV)を含む。UGV(1116)は、可動基台(16)に対して上で説明したように動力を供給され、好ましくは、本明細書で上に説明したように飛行機(65)はケーブル(42)を通して電力を受ける。
【0146】
必ずしも必要ではないが、機械モータと比べモータに関連する消耗および破損が少ないために、本発明で使用されるモータは全て電気モータであることが好ましい。
【0147】
先行技術の静止した監視システムに対して本発明の多くの利点の中でも、本明細書で上に説明したように、本発明によって、カメラ、可動基台および副基台等の破損または損傷した物品を、物理的に交換することを必要とせずに置換可能である。先行技術の静止した監視システムでは、監視経路に沿って破損または損傷した監視システムの物品は、監視システムの最適効率を回復するために物理的に除去かつ交換しなければならない。しかし、本発明によると、可動基台は経路に沿ってシフトし、代替えの可動基台が破損した物品の区画に配置されることを可能とする。
【0148】
前の説明では、本発明のいくつかの特定の実施形態についてのみ詳細に説明したが、当業者には、本発明はそれらに限定されず、例えば、役割を完了した後UAVを捕獲する機能のある装置を追加する等、本明細書に開示された本発明の範囲および趣旨から逸脱することなしに、または特許請求の範囲から超えることなしに、形態や詳細さにおいて他の変形が可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の用途の第1の実施例を図式的に例示する図であり、片側の長さに沿って離間配置された電灯柱を有する二車線高速道路の斜視図であり、カメラが剛性の柱部材に取り付けられている本発明の第1の実施形態を含む。
【図2】本発明の第1の実施例の第2の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラは弓状部材に取り付けられている。
【図3】本発明の第1の実施例の第3の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラはヘリウム気球に取り付けられており、このヘリウム気球は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図4】本発明の第1の実施例の第4の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラは少なくとも2つの回転可能な剛性の柱部材に取り付けられている。
【図5a】本発明の第1の実施例の第5の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラは飛行機に取り付けられており、この飛行機は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図5b】図5aによる第3の実施形態を例示する図であり、カメラはパラグライダに取り付けられている。
【図5c】図5aの飛行機の飛行経路を示す仮想的な半球を例示する図であり、ケーブルラインの上で各方向にこの飛行機が飛行可能な最大距離を示す。
【図5d】本発明の分離機構を例示する図であり、これによってケーブルは飛行機から分離可能となる。
【図6】第5の実施形態の離着陸機構を図式的に例示する図である。
【図7a】第5の実施形態の追加的な態様を図式的に例示する図であり、飛行機の着陸を支援するために少なくとも1つの網が備えられる。
【図7b】第5の実施形態の追加的な態様を図式的に例示する図であり、飛行機の着陸を援助するために少なくとも1つの網が備えられる。
【図8a】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を相互に交換可能である。
【図8b】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を交換可能である。
【図8c】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を交換可能である。
【図8d】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を交換可能である。
【図9】立入禁止区域の境界に位置し先行技術の監視システムを含む塀を図式的に例示する断面図である。
【図10】本発明の用途の第2の実施例の第1の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは剛性の柱部材に取り付けられている。
【図11】本発明の第2の実施例の第2の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは弓状部材に取り付けられている。
【図12】本発明の第2の実施例の第3の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラはヘリウム気球に取り付けられており、ヘリウム気球は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図13】本発明の第2の実施例の第4の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは少なくとも2つの回転可能な剛性の柱部材に取り付けられている。
【図14a】本発明の第2の実施例の第5の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは飛行機に取り付けられており、この飛行機は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図14b】図14aによる第3の実施形態を例示する図であり、カメラはパラグライダに取り付けられている。
【図15】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を相互に交換可能である。
【図16】ケーブルを支持するための基礎ユニットを有する支持柱の好適な実施形態を例示する図である。
【図17】ケーブルに沿って移動する、本発明の第5の実施形態の可動基台の好適な実施形態を例示する図である。
【図18】図17の可動基台の下に位置した直交する車輪部材を例示する拡大図である。
【図18a】図18aは、ケーブルから取り外した車輪部材の後方の斜視図である。
【図19】本発明の移送基台の好適な実施形態を例示する図である。
【図20】本発明の第2の実施例の第6の実施形態を例示する図であり、可動基台は無人陸上車両(UGV)である。
【図21】カメラを制御して所望の方位と倍率で画像を提供するための可搬装置を含む制御局の実施形態を図式的に例示する図である。
【符号の説明】
【0150】
1 立入禁止区域
2 外部区域
4 死角
10 高速道路
11 塀
12 ケーブルライン
14 カメラ
16 可動基台
22 柱
41 リール
42 ケーブル
65 飛行機
68 台
100 移送システム
110a 移送基台
110b 移送基台
116 可動基台
168 台
141 リール
113 カメラ
1110a 移送基台
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に監視システムに関する。特に、本発明は所定の経路に沿って起こる禁止動作を検知するための監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に禁止されている行為または動作の種類は多く、それぞれは経路に沿った異なった場所で起こる可能性があり、1つまたはそれ以上の法律を犯す場合がある。ある種の禁止動作は歩行者と同様に車両の運転者によっても道路に沿って起こり得る。検知されずに放置されると、いくつかの行為は直接的または間接的に不都合を生じさせる可能性があり、金銭的な損害および/または身体的な損傷を引き起こす結果となる。
【0003】
例えば、不適当な車線変更、逆側または十分な間隔を取らない追い越し、車間距離が近すぎる追従(前車に非常に近接した走行)、信号無視、急速な速度変更、速度制限を超えた走行、逆車線への旋回等を含む交通違反は、多くの場合、致命的な衝突を引き起こし得ることがよく知られている。
【0004】
世界中の警察はさまざまな方策を用いて交通違反者を取り締まり罰則を科している。1つの方法は、警察官にレーダガンを帯同させ、道路の脇に沿って計略的に配置して速度違反の車両を検知し取り締まることである。更に、警察官が他の種類の交通違反の発生に気づけば、この警察官は違反者を追跡する場合もある。
【0005】
しかし、警察官は一定の場所にいるために、この警察官の一定の視野を通してのみ対応可能である。他の場所で起こる違反、または警察官が十分に注意を払っていない間に起こる違反は検知されないままである。
【0006】
代わりに、警察官が典型的に自動車またはオートバイによって、道路を巡察し交通違反を検知することができる。
【0007】
禁止動作を検知するための先行技術の監視システムには、典型的に静止および可動カメラが含まれる。
【0008】
特許文献1には、懸架ケーブルから懸架されたモータ駆動の架台上に装着された遠隔運転のカメラシステムが開示されている。この架台は一連の滑車によって駆動され、これによってカメラを懸架ケーブルに沿って駆動する。
【0009】
特許文献2には、広範囲を巡視するための無人の視覚監視システムが開示されている。監視カメラは架台の下に装着されている。架台は離間配置された平行な2つの軌道ケーブルに沿って走行し、電気モータでそれぞれが動力を供給される2つの対向するプロペラによって駆動される。このケーブルは、ケーブル間に延伸し木製の電柱等の直立した垂直な部材に装着された上部構造によって地面の上方に支持される。
【0010】
先行技術の監視システムの全てにおいて、カメラは、固定または可動にかかわらず、道路から一定の距離で一定の面に沿った行為の検知のみが可能である。車両が前車に非常に近接して走行する場合には、車両に対するカメラ角度のためにナンバープレートを検知することが困難である。
【0011】
他の監視方法は、特許文献3で開示されているような無人飛行機(UAV)使用を含み、この無人飛行機は遠隔制御され、カメラおよびデータ送信手段からなる搭載物を含む。
【0012】
監視飛行機に関連するいくつかの問題には、特に離着陸の間に起こる事故が含まれる。監視中、これらの飛行機は一般に比較的高速で飛行している。着陸過程の間、飛行機は着陸区域に近づくにつれ減速しなければならない。減速して飛行する際には、空中安定性が低下するので、これらの飛行機は空気力学的な変化や外乱 (例えば、風速や風向の変化) に非常に影響を受ける。このため、着陸区域に安全な環境でこれらの飛行機を着陸させることを可能とし、飛行機の損害を回避することが重要である。
【0013】
経路または道路に沿って起こり、監視および検知が必要な禁止動作の更なる例には、自動車侵入および/または窃盗、スリ、強盗等、歩行者によって実行される犯罪行為が含まれる。警察官が犯罪行為の付近にいる場合は、その行為を警戒し犯罪者を追跡することも可能である。しかしながら、犯罪が警察官の見えない所で行われる場合には、その行為は検知されずに遂行され得る。
【0014】
更なる禁止動作は、ボートまたは灌漑用の運河または規定された水路を含む延在する所定の経路に沿って起こり得る。ボートが違法な製品を運搬するケース、及び/または、ボートが特定の運河または水路の規則に従って航行しないケースがある。運河が長距離に渡り延在している場合には、沿岸警備隊が運河の全長を監視下に置くことができない可能性がある。
【0015】
更なる禁止行為または動作は、ガソリン等の原料を輸送するパイプまたは輸送管のネットワークに沿って起こる可能性がある。そのような行為は、パイプに穴を空ける破壊行為、または輸送される原料を違法に多量に吸い出すための破壊行為を含み得る。
【0016】
ある場合には、それに沿って禁止動作が行われる経路または道路は、立入禁止区域の外側の領域である。壁または有刺鉄線の塀等の物理的な障壁であっても、時として、侵入者が立入禁止区域に入ることを防止するには不十分であることは良く知られている。頭の良い侵入者は、気づかれずに障壁を迂回する方法を発見し立入禁止区域に侵入するであろう。この問題を克服する1つの方法は、立入禁止区域の境界上を移動する、有人または無人の巡視陸上車両を配置し、これによって、巡視者が侵入を企てるいかなる者も検知可能とし立入禁止区域に入ることを防止することである。
【0017】
しかしながら、侵入者は巡視者の視界の外になるまで単に待ってから立入禁止区域への立入を試みればよいため、この種の巡視システムは一般に十分に効果的ではない。更に、陸上車両はある種の地形を走行するのが困難であり、従って、巡視能力が阻害される可能性がある。
【0018】
上に説明したように、特許文献1には、懸架ケーブルから懸架されたモータ駆動の架台上に装着された遠隔運転のカメラシステムが開示されている。この架台は一連の滑車によって駆動され、これによってカメラを懸架ケーブルに沿って駆動する。高架されたカメラは、陸上車両巡視に関連する障害を回避する。しかし、侵入者は、陸上車両に対するのと同様の方法で、自身がカメラの視野から外れるまで検知されずに留まることによって、カメラを迂回することが可能である。
【0019】
上述のように、特許文献2の発明に対しても同様の欠点が存在する。
【0020】
先行技術の監視システム、特に立入禁止区域内に位置するシステムに関連する更なる問題では、カメラが静止しており、かつ塀の高さよりも低く配置される場合には、外部の立入禁止ではない区域が塀自身によって部分的に遮られることである。更に、カメラが塀の周囲に沿って移動し一定の速度に達すると、塀の中の開口部の大きさによっては、立入禁止ではない区域のカメラの視界は、どうしても塀によって完全に遮られる場合がある。塀によって遮られないようにカメラを塀よりも高く位置させる場合であっても、カメラを立入禁止区域内に設置することによって、望ましくない死角が立入禁止区域の外側に生じ、潜在的な侵入者は検知されずにそこに隠れることが可能である。
【0021】
他の監視方法は、特許文献3で開示されているような無人飛行機(UAV)の使用を含み、この無人飛行機は遠隔制御され、カメラおよびデータ送信手段を含むものである。しかし、遠隔制御無人飛行機、すなわちUAVは、典型的に、高価で重い制御システムが付加されており、一般的には、所定の区域の境界の周囲を単に移動するだけに制限されない。更に、UAVは飛行可能な時間が限られているために、一般に監視が必要な区域から遠方にある飛行場からの移動および飛行場までの移動に、貴重な時間と燃料を使わなければならない。
【0022】
監視飛行機に関連する他のとしては、上述のように、特に離着陸の間に起こる事故が含まれる。
【特許文献1】米国特許第5225863号
【特許文献2】米国特許第6339448号
【特許文献3】米国特許第5035382号
【特許文献4】国際公開06/035429号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
従って、本発明の目的は、所定の経路に沿って起こる禁止動作を検知するための監視システムおよび方法を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、道路に沿って起こる交通違反を検知するための監視システムを提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、道路に沿って起こる犯罪行為を検知するための監視システムを提供することにある。
【0026】
本発明の他の目的は、禁止動作に対してさまざまな角度からこの行為を検知することが可能な監視システムを提供することにある。
【0027】
本発明の他の目的は、地上から高くされていない位置から区域を観察可能な監視システムを提供することにある。
【0028】
本発明の他の目的は、立入禁止区域の外側の潜在的な侵入者を検知するための監視システムを提供することにある。
【0029】
本発明の他の目的は、地上から高くされた位置から区域を観察可能な監視システムを提供することにある。
【0030】
本発明の他の目的は、遠隔の使用者によって制御可能な監視システムを提供することにある。
【0031】
本発明の他の目的は、必要とする離着陸手続きが最小な監視システムを提供することにある。
【0032】
本発明の他の目的は、安全な着陸環境を含む監視システムを提供することにある。
【0033】
本発明の他の目的は、カメラが短時間で所望の区域に到達可能な監視システムを提供することにある。
【0034】
本発明の他の目的は、カメラが長時間所望の区域に配置可能な監視システムを提供することにある。
【0035】
本発明の他の目的は、飛行物体に連続して動力の供給が可能な監視システムを提供することにある。
【0036】
本発明の他の目的および利点は、説明の進行と共に明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明は、道路に沿った1箇所または複数箇所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムに関する。このシステムは、a)禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うものであり、b)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが道路に沿った所望の経路に沿って移動可能であり、c)カメラのうちの少なくとも1つを可動基台のうちの少なくとも1つに接続し、これによってカメラと可動基台との間に空間的隔たり領域(projection)を生成する機械的接続具と、d)1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、領域の長さを調節することが可能な監視システムである。
【0038】
好ましくは、機械的接続具は、a)剛性の柱、b)空気力学的に柔軟な弓状体、c)少なくとも2つの回転可能に接続された剛性の部材、およびd)巻き上げ可能な柔軟なケーブルからなる群の中の任意の1つから選択してよい。
【0039】
好ましくは、カメラは遠隔制御される副基台の上に更に装着されており、副基台が独立に動作可能であって、カメラはケーブルによって可動基台に接続されている。
【0040】
遠隔制御される副基台は、a)遠隔制御されるヘリコプタ、b)VTOL航空機、c)動力付きパラシュート、d)パラグライダ、e)遠隔制御される小型飛行船型、およびf)遠隔制御される飛行機からなる群の中の任意の1つから選択してよい。
【0041】
任意選択的に、カメラは、空気力学的な力を生成する、または空気力学的な力によって作動させられる副基台の上に装着されており、a)ヘリウム気球、b)凧、c)パラシュート、およびd)グライダからなる群の中の任意の1つから選択してよい。
【0042】
可動基台は、好ましくは、副基台がそこから離陸し、そこに着陸する離着陸機構を更に含む。離着陸機構は、好ましくは、少なくとも台と、この台を可動基台に接続するための伸張可能なアームとを含む。離着陸機構は、好ましくは、副基台を離着陸機構に案内するための案内システムを更に含み、案内システムは、a)離着陸機構の上に位置する送信機および受信機を含むセンサと、b)副基台に位置する送信機および受信機を含むセンサとを含み、送信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を送信可能であって受信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を受信可能であり、案内システムが、飛行の間および着陸手続きの間に信号を解釈して副基台を案内する制御信号を発生させる。
【0043】
任意選択的に、離着陸機構は、着陸の間に副基台を受けて固定するための伸張可能かつ折りたたみ可能な網を更に含む。任意選択的に、離着陸機構は、着陸の間に副基台の衝撃を吸収するための緩衝材を更に含む。
【0044】
好ましくは、副基台は、遠隔電気エネルギ源から供給される電気であって、機械的接続具を通して副基台に伝送される電気によって動力が供給される。副基台は、a)電池、b)太陽電池、c)燃料電池、および、d)ガソリンからなる群の中の任意の1つによって動力を供給してよい。
【0045】
好ましくは、少なくとも1つのモータが副基台を移動または浮揚させるための推進機構に接続される。
【0046】
本発明によると、可動基台がそれに沿って移動する経路は、a)ケーブルライン、およびb)レールからなる群の中の任意の少なくとも1つを含む。本発明によると、可動基台は、a)ガソリン発動機、b)ケーブルラインまたはレールを通して電気が伝導される電気モータからなる群の中の任意の1つによって駆動される。
【0047】
任意選択的に、副基台は、公共サービス公告を有する自身に取り付けられた横断幕を更に含む。
【0048】
可動基台は副基台によって経路に沿って牽引してよい。
【0049】
本発明は、好ましくは、少なくとも1つの移送基台を含む移送システムを更に含み、少なくとも1つの可動基台を経路の1つの部分から経路の他の部分に移送し、これによって可動基台のうちの1つが他の可動基台を追い越すことを可能にする。移送基台は、好ましくは、a)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第1の固定端部と、b)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第2の固定端部と、c)中央レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、中央レールを端レールのうちのいずれか1つに整列させることが可能な滑動する中央部とを含む。
【0050】
好ましくは、副基台は、ケーブルを繰り出しかつ巻き上げるためのリールと、端部でリールに接続されたバネ機構と、ケーブルが完全に繰り出されることを防止するためのセンサとを更に含む。リールは、好ましくは、可動基台と副基台との間の距離を検知するためのセンサを更に含む。
【0051】
本発明は、好ましくは、ケーブルを副基台から分離するための機構を含む。
【0052】
任意選択的に、副基台は、副基台の動作を安定化させるための安定化システムを含む。
【0053】
いくつかの実施形態によると、副基台は、折りたたみ可能または退行可能な翼を含む。
【0054】
本発明の制御局は、好ましくは、入力装置と出力装置とを含むコンピュータを含む。制御局はPDAを含んでよい。制御局は、好ましくは、可動基台、副基台、およびカメラの動作を制御する。
【0055】
好ましくは、可動基台は、上垂直車輪と、下垂直車輪と、水平車輪とを含む車輪部材システムによってケーブルまたはレールに沿って移動可能である。下垂直車輪は、バネ機構によって上垂直車輪から分離可能である。
【0056】
本発明は、任意選択的に、立入禁止区域の外側の外部区域を更に含み、少なくとも1つの可動基台が立入禁止区域の中に位置し、カメラが少なくとも外部区域の中に配置可能であり、外部区域の少なくとも一部を観察可能である。
【0057】
本発明は、更に、道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムであって、この監視システムは、a)禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うカメラと、b)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、c)カメラのうちの少なくとも1つを可動基台のうちの1つに接続し、これによってカメラと可動基台との間に空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、d)1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、領域が固定されており、領域の長さは、カメラと禁止動作の場所との間の空間的隔たり領域と、禁止動作の場所と可動基台との間の空間的隔たり領域の合計距離以上である監視システムに関する。
【0058】
本発明は、更に、道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための方法であって、この方法は、
a)監視システムを提供する工程であって、この監視システムは、
1)禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、1つまたは複数のカメラが制御局とデータを通信するカメラと、
2)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、
3)カメラのうちの少なくとも1つが接続された副基台と、
4)副基台を可動基台のうちの1つに接続するための巻き上げ可能なケーブルと、
5)1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い1つまたは複数のカメラにデータを伝送し、可動基台、副基台、およびカメラの動作を制御するための制御局とを含むものである工程と、
b)可動基台および副基台に動力を伝送するための動力源を提供する工程と、
c)ケーブルを通して副基台に動力を伝送する工程と、
d)任意選択的に、可動基台を経路に沿って移動するように導く工程と、
e)道路に沿った禁止動作をカメラによって検知する工程と、
f)カメラからデータを制御局に伝送する工程とを含む方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明は請求項によって定義され、その内容は本明細書の開示内に含まれると理解すべきであり、添付の図面を参照して実施例を通じて説明する。
【0060】
本発明は、所定の経路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向で起こる禁止動作を検知するための監視システムに関する。禁止動作または行為の多くの種類は、経路、例えば長い道路に沿った種々の場所で起こり得る。それにもかかわらず、とりわけ、財源および/または人的資源の制約が原因で、そのような行為を検知するために、限られた数の法の執行者またはカメラがそのような区域に沿って配置されているのみである。道路の長さに沿って移動可能な少なくとも1つのカメラを有する監視システムを提供することによって、禁止動作または行為をその区域に沿った全ての場所で検知可能である。
【0061】
本明細書で用いる用語「道路」は、用語「経路」を含み、かつ、これと互換的であり、これに沿ってまたはこれを渡って歩行者および/または動物が移動可能である高速道路、街路または往来、または通路、更には、これらに沿ってボートが航行する運河や水路、更には、所定の原料が輸送されるパイプ系を有する経路を含み、そこで禁止動作が起こり得る任意に規定された経路を含むものと理解される。
【0062】
本明細書で用いる用語「禁止動作」には、交通違反、更には、強盗、スリ、自動車侵入および/または窃盗を含む犯罪行為等の非合法な行為の全ての種類、更に、非合法に輸送する物品または非合法な物品を輸送することを含む。「禁止動作」には、所定の区域または経路の外側での動物の運動等の、合法であっても他の場所では禁止されているいかなる動作をも含む。更に、用語「禁止動作」は、潜在的な侵入者の行為等の、その時点では禁止されていなくても、潜在的に、または結果として非合法な行為に結びつく可能性のある行為を指してもよい。「禁止動作」の検知は、将来時点で禁止動作が潜在的に起こり得る、例えば、原料が輸送されるパイプまたはパイプ系を破損させるまたは漏洩させる、静的または動的にかかわらず、1つまたは複数の物体の状態の検知を指してよい。
【0063】
本明細書で用いる用語「立入禁止区域」は、立入禁止区域の境界を描き禁止区域内への好ましくない立入を防止するための塀、壁または延在する空き地等、実在または仮想を問わず、分離構造または境界区分を有する規定された区域を指す。
【0064】
本明細書で用いる用語「境界」は、立入禁止区域の周囲を指す。立入禁止区域は境界の片側に位置し、その外部区域が境界のもう一方の側に位置する。
【0065】
本明細書で用いる用語「外部区域」は、立入禁止区域の外側の区域を指し、そこでの行為は監視システムのカメラを介して観察される。
【0066】
本明細書で用いる用語「カメラ」は、物体から反射してこの物体の可視的な画像を生成する、光学的な光線(静止、動画)または電磁放射(レーダに基づく)を受けることが可能な任意の画像取得装置を指す。
【0067】
本明細書で用いる用語「死角」は、そこでの行為が監視システムのカメラを介して観察不可能な外部区域の部分を指す。
【0068】
用語「空気力学的な力」、「浮力」および「揚力」は、本明細書では互換的に用いられ、飛行機構を空気中に保つ力を表す。
【0069】
以下に説明される本発明のシステムの用途は、特に交通違反を検知するシステムに関する第1の実施例において提示されるが、必要な変更を加えることにより、このシステムは上に説明したような全ての種類の道路に沿った非合法な行為の全ての種類にも利用可能である。
【0070】
本明細書でのカメラの場所への参照は、特にカメラシステムの物理的な位置に関し、地面に対してレンズが配向されている角度に関するものではない。それにもかかわらず、レンズの角度は、本明細書で以下に説明するように、適宜、遠隔制御、再配置および/または再配向してよい。
【0071】
本発明の用途の第1の実施例を図1〜図8dに示す。図1では、二車線高速道路(10)の片側の長さに沿って離間配置された電灯柱(12a)、(12b)、(12c)を有する高速道路(10)の図式的な斜視図を示す。本発明の好適な実施形態によると、可動基台(16)は、高速道路(10)の長さに沿ったケーブルライン(12)に沿って移動し、機械的な接続を介して自身に接続されたカメラ(14)を有する。第1の実施例の第1の実施形態では、機械的な接続は剛性の柱(22)の形態を取る。剛性の柱(22)は、単一部材で製作された伸張した棒を含み、この一端(24)でカメラ(14)に、もう一方の端(25)で可動基台(16)に接合される。剛性の柱(22)は直線形でも湾曲しても良く、一端(24)が高架され、好ましくは高速道路(10)の上になるように、配置される。端部(24)、(25)はカメラ(14)および可動基台(16)にそれぞれ固定的に接合、または端部(24)、(25)を回転可能に接合しても良く、柱(22)の回転はモータ(図示せず)によって制御可能としてよい。
【0072】
可動基台(16)は、特許文献1に説明されているような、トロリー型の輸送装置で良く、ケーブルライン(12)を介して軌道の経路に沿って移動する。
【0073】
典型的には、カメラ(14)は、IR、UVおよび/または昼夜対応能力のうちから少なくとも1つを、更に音声および運動センサを含む。
【0074】
少なくとも2つのケーブル、レールまたは軌道、あるいはモノレールを含む従来の線路を含み、任意の高架線路システムからもなり得るケーブルライン(12)は、図示されるように電灯柱(12a)、(12b)、(12c)、または塀等道路の長さに沿った任意の既存の支持構造、塀の長さに沿って位置する専用の支持柱、電柱、樹木等、またはこれらの組み合わせによって支持されてよい。代わりに、ケーブルライン(12)は、基本的に地面またはわずかに地面から高架されたものに沿って延在するケーブルまたは軌道に沿って延在してよい。支持構造は、図示するように高速道路のいずれかの側に沿って、または、対面交通の高速道路の場合には、車線間の分離帯に沿って位置してよい。更に、ケーブルライン(12)は可動基台(16)の上方、下方、または側方に沿って延在して良く、または、代わりに、ケーブルライン(12)は、特許文献1のように可動基台(16)を通して延在してよい。運河または水路に沿って利用される場合には、支持構造は水路の底から上方に伸張してよい。更に、またはその代わりに、ケーブルライン(12)は、水路の長さに沿って延在する、任意の浮遊体のシステムによって支持してよい。
【0075】
可動基台(16)に対する柱(22)の長さおよび角度は、可動基台(16)の地面からの高さ、および高速道路(10)からの距離、および塀(図示せず)の高さに関連して決定される。
【0076】
本発明の第1の実施例の第2の実施形態を、図1の線A-Aに沿って見た図式的な断面側面図にて図2に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、機械的な接続は柔軟な弓状体(32)の形態で提供され、弓状体(32)の自由端(35)が高速道路(10)に向かって配置されるようなっている。少なくとも1つの翼状の突起(図示せず)が、弓状体(32)の自由端(35)のそれぞれの側から可動基台(16)の移動方向に平行な方向に延びる。可動基台(16)はケーブルライン(12)に沿って移動するので、翼状の突起の空気中の動作は空気力学的な力(揚力)を翼状の突起の上に発生させる。従って、可動基台が移動する速度によって、弓状体(32)はしかるべく上昇および下降する。更に、または代わりに、この翼状の突起はカメラ自体に取り付けられる。弓状体(32)の下端(33)は、好ましくは可動基台(16)に回転可能に取り付けられて、弓状体(32)が可動基台(16)の移動方向に基本的に直角に回転することができる。下端(33)の回転の軸の回りの弓状体(32)の回転は、好ましくは所定の制限角度に拘束される。
【0077】
本発明の第1の実施例の第3の実施形態を図式的に図3に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の形態で提供される。更に、カメラ(14)は、ヘリウム気球(45)、凧(図示せず)、パラシュート(図示せず)、またはグライダ(図示せず)等の、空気力学的な揚力を発生させる、または空気力学的な揚力によって作用を受ける、副基台に装着される。副基台はケーブル(42)を介して可動基台(16)に接続される。
【0078】
図3のカメラ(14)の位置は、力を作用させてヘリウム気球(45)を上方に浮揚させる気球(45)の浮力(矢印(46)で示す)、および気球(45)を水平方向(矢印(48)で示す)に移動させるまたは地面(10)に対して浮揚させる推進機構に接続されたモータ(49)の組み合わせによって制御される。重力、風力、ケーブルの張力等の付加的な力も同様に気球に作用する。気球(45)を望ましい方向に導くために、特に、望ましくない方向に気球(45)に作用する風力に対抗するために、複数のモータ(49)を備えてもよい。所望するカメラ(14)の位置に従って、巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)は、リール(41)によって適宜繰り出しまたは巻き上げてよい。
【0079】
カメラ(14)が可動基台(16)に、例えば凧を介して接続されている場合、可動基台(16)がケーブルライン(12)に沿って移動し、凧が空中に引かれる際に凧の上で流れる風によって発生する揚力に加え、現存の風によって空気力学的な力が発生する。
【0080】
本発明の第1の実施例の第2および第3の実施形態については、風の吹きつけに起因するカメラの不安定性による、カメラ(14)によって受信した画像の歪みを補正するために、高速画像収集機能を有したカメラが利用される。
【0081】
巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)を利用することによって、使用者は、第1および第2の実施形態のカメラ(14)では位置させることが不可能な場所に、カメラ(14)を位置させることができる。
【0082】
本発明の第1の実施例の第4の実施形態を図式的に図4に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は2つの部材(52a)、(52b)を有する剛性の柱(52)を含み、2つの部材それぞれが回転可能に互いに一端で接合され、他方の端はそれぞれカメラ(14)と可動基台(16)に接合される。代わりに、2つより多い柱部材が存在してもよい。柱部材(52a)、(52b)は、矢印(51)で示されるように、それぞれの軸の回りに回転可能である。少なくとも1つのモータ(図示せず)が、それぞれの柱部材(52a)、(52b)およびカメラ(14)の動作を互いに対して制御する。
【0083】
本発明の第1の実施例の第5の実施形態を図式的に図5aおよび図5bに示すが、これら実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第3の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、カメラ(14)は、遠隔制御の飛行機(65)(UAV(無人飛行機)とも本明細書では称する)、CUAV(ケーブルUAV)、またはTCUAV(トレインケーブルUAV)等の遠隔制御される副基台によって支持される。飛行機(65)は所望の全ての方向に移動可能であるが、それにもかかわらず、移動可能な距離は少なくとも巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の長さによって制限される。上に説明したように、従来の遠隔制御飛行機の飛行経路は、一般に、この方法に制限されないが、本発明では、高速道路(10)に沿って監視が必要な区域に比較的近接した飛行を維持するために、飛行経路の制限が好ましい。飛行機(65)をケーブル(42)を介して可動基台(16)に接合することに関連して、更なる利点を以下に説明する。これによって、飛行機(65)、特にカメラを、短時間で異なった所望の位置に再配置することが可能となる。代わりに、遠隔制御のヘリコプタ(図示せず)、動力付きパラシュート(図示せず)、動力付きパラシュートグライダ(パラグライダ)(44)(図5b参照)、遠隔制御の小型飛行船型、またはツェッペリン飛行船型の航空機(図示せず)、または垂直離着陸航空機(VTOL)を利用してもよい。
【0084】
第1の実施例の第5の実施形態では、飛行機(65)は、道路(10)に沿って移動する車両に対して所望の角度でカメラ(14)を位置決め可能である。これは、車両のナンバープレートが遮られているまたは検知が困難で、他に方法がない場合、例えば、車両が非常に近接した走行を行っている、または近接走行を受けている場合に必要である。
【0085】
好適な実施形態によると、電気エネルギが外部電源から巻き上げ可能なケーブル(42)を通して飛行機(65)に伝送され、飛行機(65)の飛行ならびにカメラおよび他の搭載機器に動力を供給するために利用される。他の制御信号やデータが巻き上げ可能なケーブル(42)を介して遠隔制御局と飛行機(65)(およびカメラ(14))との間で伝送される。これによって、あまり好ましくはないがあり得る代替手段であるガソリンエンジンの使用に対して、実質上無制限の飛行時間を可能にする。
【0086】
飛行機(65)をケーブル(42)を介して可動基台(16)に接合する配置は、規定の経路によって制限されることなく飛行可能な航空機の機能を一般に利用する、従来および本来的なUAVの利用方法と逆であることを、更に強調しておくべきである。本明細書で説明するような本発明の配置に関連する多くの利点がこれまで活用されておらず、このため、全ての既知の先行技術のUAVシステムに対して発明的である。例えば、本発明の飛行機は、本明細書で以下に説明するように、主要なシステムの万一の故障に対する高価なバックアップ飛行システムを必要としない。更に、飛行航路が所定の経路に限定されているために、複雑な飛行制御システムは必要ない。
【0087】
第1の実施例の第5の実施形態の他の態様によると、エネルギ源のバックアップまたは交換が必要な場合等では、太陽電池、電池、燃料電池等の任意の他の動力供給手段が好ましい場合もある。第1の実施例の第5の実施形態の1つの態様(図5a)によると、ケーブル(42)の下部分(すなわち、リール(41)に取り付けられており部分的に飛行機(65)に延びるケーブル(42)の部分)は自身を通して電気を伝導可能であるが、一方、ケーブル(42)の上部分は電気を通さない。この態様では、太陽電池、電池、燃料電池等の動力供給手段が、初期飛行の間に飛行機(65)に動力を供給する。バックアップまたは交換用の動力源が必要な場合、または動力源の再充電が必要な場合には、ケーブル(42)の上部分は飛行機(65)内に巻き取られ、飛行機はケーブル(42)の下部分に接続して、この部分を通して電力を受けることが可能である。適合するプラグ部分がケーブル(42)の下部分から延び、飛行機(65)の下側に位置する適合するソケット部分に挿入される。または、プラグ部分が飛行機(65)の下側に位置して、適合するソケット部分がケーブル(42)の下部分に位置する。
【0088】
一態様によると、モータ(図示せず)等の内部動力源が可動基台(16)をケーブルライン(12)に沿って駆動する。代わりに、電気的なケーブルからなるケーブルライン(12)が動力源を供給し、可動基台(16)をケーブルライン(12)に沿って駆動する。
【0089】
飛行機(65)は、先行技術の航空システムにより知られている自動離着陸機構、失速防止、および簡単な制御システムを任意選択的に含む。
【0090】
好ましくは、飛行機(65)は気象条件、飛行機(65)の強度、重量変化等に応じて安定化変数を調節する動的変数群を有する安定化システムを含む。このような安定化システムの1つは特許文献4に説明されており、その全てを本明細書を構成するものとして援用する。
【0091】
好ましくは、リール(41)は、少なくとも1つのセンサを含み、巻き上げ可能なケーブル(42)が完全に繰り出されて張りつめ状態になることを防止する。風速や風向、飛行機(65)の強度、可動基台(16)からの飛行機(65)の距離、およびケーブル(42)の長さ等の要因が考慮される。飛行機(65)が飛行中にケーブル(42)が張りつめ状態になると、飛行機(65)の適切な飛行が阻害される。従って、飛行機(65)と可動基台(16)との間の距離よりも繰り出されたケーブル(42)が長くなるように維持し、ケーブル(42)が常に弛むようにすることが好ましい。更に、または代わりに、バネをリール(41)に固定されたケーブル(42)の終端に位置させて、ケーブル(42)が完全に繰り出された場合にケーブルが張りつめ状態になることを防止する。
【0092】
図5cは、飛行機がケーブル(図示せず)を介して可動基台(図示せず)に取り付けられた場合に、飛行機の飛行経路制限(矢印(64)に示すように座標軸の原点に配置された)を図式的に表す仮想的な半球を示す。静止状態では、飛行機(65)の最大飛行距離はドーム(66)によって示される。飛行機(65)の飛行経路を制限する同様のドームがケーブル(12)の下にも存在しているが、明瞭化の目的により、上のドーム(66)と飛行経路のみ図示して説明することが理解される。飛行機(65)はx軸、y軸およびz軸で形成される平面の全ての方向に沿って移動してよい。更に、飛行機(65)がケーブル(12)に沿って移動する場合には、飛行機(65)の境界ドーム(66)もそれに沿って移動する。
【0093】
図5dを参照すると、禁止行為がカメラ(図示せず)の視野の外側で起こる状況に対して、または、飛行機(65)がケーブル(42)によって制限されている場合には到達不可能な目的地に到達可能とし、より望ましい角度または近距離から特定の画像を観察する状況に対して、飛行機(65)は自身からケーブル(42)を分離するための機構を含む。好ましくは、ケーブル(42)の末端は、解放可能なパラシュート(85)を含む分室(80)を介して飛行機(65)に接続される。ケーブル(42)は分室(80)の低面に位置するリング(82)に接合される。分室(80)は、分室の側壁(81)の開口部(88)から解放される少なくとも1つの解放可能なピン(図示せず)によって、飛行機(図示せず)に接合される。所望すれば、このピンは第1のバネ機構(図示せず)によって解放し、飛行機と分室(80)との間に位置する第2のバネ機構(図示せず)が延びケーブル(42)を地面に落とすようにしてもよい。ケーブル(42)が地面に接触することを防止するために、分室(80)は小パラシュート(85)を含む。ピンが解放された際に、同時に小パラシュート(85)がその収容室から解放されケーブルをゆっくりと地面に落下させる。好ましくは、ケーブル(42)の自由端が地面に到達する前にリール(41)がケーブル(42)を巻き取る。いくつかの用途では、敵によって発射された航空物体を迎撃または射撃するために、飛行機(65)をケーブル(42)から分離することが必要な場合がある。飛行機がケーブル(42)から分離されると、もはや電力はケーブル(42)を通じて飛行機に伝送されないことが分かる。分離手続きの間に、電気コネクタまたはプラグ(図示せず)が、分室(80)の側壁(83)に位置するソケット(86)から引き抜かれる。
【0094】
更に、地面に非常に近接して飛行し地面中の足跡または他の痕跡を識別および追跡するために、本発明が利用可能である。地理情報システム(GIS)を利用して、土地の地図化、および/または走査、および地理学的採鉱(geomining)もまた、本発明を用いて実施可能である。更に、GISは、飛行経路を制限し得る樹木や柱等、飛行機(65)に近接する周囲の物体に関する情報を提供可能である。
【0095】
好適な実施形態によると、図6は台(68)を含む離着陸機構を示し、伸縮自在なアーム(70)を介して可動基台(16)に接続され、また、この台は輪(72)の軸回りに回転する。飛行機の離陸後にはアーム(70)が伸張し、着陸後にはアーム(70)が退行する。アーム(70)は可動基台(16)に沿った好都合な任意の位置に配置することが可能であり、図示するような伸縮自在を含めどのような方法でも、折りたたみまたは圧縮可能である。
【0096】
上に説明したように、着陸の間の低速飛行による安定性の低下は着陸衝突を起こし得る。本発明では、飛行機(65)が移動する基台上に着陸するために、地面に対する対気速度はゼロにはならず、従って、飛行機(65)は着陸の間も安定性を保ち、従って、着陸衝突の可能性を減少させる。代わりに、飛行機(65)は可動基台(16)が静止している間に着陸してもよい。
【0097】
UAVのいくつかは極端な気象条件の間は飛行が不可能であり、従って、この時には基本的に監視システムとしては利用できないが、飛行機(65)では台(68)の上に着陸した位置で所望の経路の周りを巡察可能であり、これによって、非最適気象条件の間でも自身の役割を少なくとも部分的に遂行し得るという、従来のUAVに対して更なる利点を本発明は含む。
【0098】
着陸案内(76)は台(68)をケーブル(42)に接合させ、着陸の間に所望の経路に沿って飛行機(65)を案内する際に一層の支援を行う。着陸案内(76)は、代わりにアーム(70)または可動基台(16)自体に接続してもよい。更に、または代わりに、ケーブル(42)は、回転部材(78)によって回転可能に接合された基部(77)と案内(79)とを含む制御可能な機構によって一層安定化してよい。
【0099】
更に、または代わりに、台(68)に飛行機(65)を案内して台(68)の上に着陸させるために、離着陸機構に接合された少なくとも1つのセンサ(図示せず)を含むシステムが提供され、好ましくは、このシステムは飛行機(65)の下側に配置された送受信センサに対して信号を送信および受信する送受信機である。このシステムは送信された信号を解釈し、これを使って制御信号を生成し、例えば、ケーブル(42)の繰り出し長さおよび台(68)から飛行機(65)までの距離を指示することによって、飛行機を飛行させて(または牽引して)安全に着陸させる。送信機は、飛行機(65)の圏内にいる、追加の監視飛行機等の物体との間で更にデータを送信してもよい。
【0100】
好適な実施形態によると、飛行機(65)は自動操縦に加えGPSを利用する自動飛行制御システムを含み、監視システムに存在する他の可動基台(16)に対して飛行中に案内および位置決めを行い、収集した画像の位置の特定等を行う。グローバル制御システムを用い飛行経路に対し公開空域を照合することは可能だが、必要ではない。更に、または代わりに、センサ(図示せず)をケーブル(12)の支持柱等の可動基台(16)に沿った複数の場所に配置し、それぞれのセンサの正確な地理上の座標を示す信号を提供する。従って、可動基台(16)が特定のセンサの所に来る、または近くに来ると、この可動基台の地理上の座標を知ることができる。
【0101】
任意選択的に、飛行機(65)は周囲の物体を検知するためにレーダ等の視覚機器を含む。
【0102】
好適な実施形態によると、飛行機(65)は緊急着陸機構を含み、エネルギ源からの出力が低下、またはGPS信号との通信が低下する等の場合に、可動基台がケーブル(12)に沿って移動することを停止し飛行機(65)を即座に着陸させる。更に、または代わりに、上に説明したようにバックアップ動力源を備えられており、飛行機(65)を飛行継続可能にし、または飛行機(65)が緊急着陸する際に衝突することを回避可能にする。
【0103】
飛行機(65)が実施必要な動作の数を、特に着陸手続きの間に、最小限にするために、本明細書で上述したように、好ましくは、可動基台(16)が、ケーブル(42)を張りつめ状態にすることなしに飛行機(65)に最も近接する位置にケーブル(12)に沿って配置される。
【0104】
第1の実施例の第5の実施形態の1つの態様によると、公共サービス公告を有する横断幕(図示せず)が飛行機(65)に取り付けられる。
【0105】
他の態様によると、1つまたは複数の更なるカメラ(図示せず)が可動基台(16)に直接取り付けられる。
【0106】
第1の実施例の第5の実施形態の他の態様によると、拡張可能な網(90)が図7aに示されており、可動基台(16)から伸張する伸縮自在なアーム(92)に接続されている。網(90)は、監視飛行機が着陸のために台(図示せず)に帰還する際に、これを受けるように構成される。網(90)は、伸縮自在なアーム(92)を伸張および退行させることによって、それぞれ、着陸のための拡張、または飛行機(65)の離陸を可能にするための折りたたみが可能である。更に、または代わりに、伸縮自在なアーム(92)は回転可能に折りたたみ可能としても、または所望すれば網(90)を拡張および折りたたむために他のいかなる形態を取ってもよい。好ましくは、アーム(92)は飛行機(65)の翼の衝撃を吸収するための緩衝材(94)を含み、これによって、安全な着陸環境を提供し、着陸の間に飛行機(65)の翼に起こり得る損傷を防止する。緩衝材(94)は、任意のパッドまたはスポンジ状の材料を含む。更に、または代わりに、可動基台(16)の上表面(17)は、安全な着陸環境を提供するために1つまたは複数の緩衝材(図示せず)を含む。
【0107】
図7bは第1の実施例の第5の実施形態の代替えの態様を示し、台(68)はリール(41)に向かって伸張する2つの表面(69)を含む。2つの網(91)のそれぞれは、一端で各表面(69)に蝶番で取り付けられ、もう一方の端は円弧状部材(84)に取り付けられる。緩衝材(94)は台(68)の縦の縁に沿って位置し、着陸の間に飛行機(65)の翼の衝撃を吸収する。ケーブル(42)が更に飛行機(65)(図示せず)を引っ張ると、翼が網(91)に接触する。所望すれば、網(91)は自身の蝶番の回りに内に向かって回転し、それによって、台(68)上の翼を円弧状部材(84)で折りたたんで覆い、翼を固定する。
【0108】
任意選択的に、飛行機(65)の翼は、着陸に続いて折りたたみ可能、または退行可能であって、使用しない間に起こり得る翼の損傷を防止できる。
【0109】
本発明の好適な実施形態によると、複数の可動基台(16)がケーブルライン(12)に沿って移動し、それぞれの可動基台(16)は、上に説明した実施形態の任意の1つを含んでもよい。全ての可動基台(16)は、1本の弦上のビーズのように同じケーブルライン(12)に沿って移動するため、ケーブルライン(12)に沿って1つの可動基台(16)が互いの位置を交換する、または追い越す唯一の方法は、ケーブルライン(12)から取り外され、ケーブルライン(12)に沿った異なる位置に置き直されることである。
【0110】
図8aは、2つの可動基台(16a)および(16b)を示しており、可動基台(16a)および(16b)のそれぞれはケーブル(42)を介して接続された遠隔制御の飛行機(65a)および(65b)をそれぞれ備える。可動基台(16a)がケーブル(12)に沿って可動基台(16b)と位置を相互に交換することが所望される場合には、本明細書に以下に説明する本発明の移送システム(100)が使用される。
【0111】
図8a〜8cに示すケーブルライン(12)、(12b)〜(12d)は、軌道当たり1つのケーブルのみを含み、それゆえ、付随する説明では1つのケーブルに対する実施形態に関して行うが、これは例示目的のためだけであることを留意すべきである。上に説明したように、本発明のケーブルラインは、どのような数のケーブルを含んでも良く、それゆえ、必要な変更を加えることにより、本明細書に説明した原理に従って運転可能である。
【0112】
図8aに示すように、可動基台(16a)、(16b)はケーブルライン(12)に沿って移送基台(110a)および(110b)まで移動する。図8bは図8aの移送基台(110a)を拡大した詳細を示し、固定端部(104)および(106)と、滑動する中央部(108)とを含む。各部(104)、(106)、(108)のそれぞれは、本明細書に以下に説明するように、少なくとも1つのケーブルと、ケーブルを支持するためのレールとを含む。
【0113】
可動基台(16a)は、ケーブル(12)に沿って端レール(112a)(図8cに詳細図示)によって支持されるケーブル(112a')まで移動する。更に、図8cは可動基台(16a)の移動手段の1つの実施形態を示し、モータ(図示せず)で動力を供給される車輪(120)が回転し、これによって可動基台(16a)をケーブル(12)(図示せず)に沿って駆動する。図8bを参照すると、中央レール(112b)が端レール(112a)に整列され、これによって、可動基台(16a)がストッパ(106b)に到達するまでケーブル(112')に沿って移動継続可能になる。ケーブルライン(12c)および(12d)は、それぞれ端レール(112c)および(112d)によって支持されたケーブル(112c')および(112d')から連続する。滑動する中央部(108)は、溝(114)に沿って横にシフト可能であり、ケーブルライン(12c)またはケーブルライン(12d)のどちらが他の可動基台(16b)を支持しているかによって、下に説明するように、中央レール(112b)を端レール(112c)または端レール(112d)に整列させる。換言すると、例えば、ケーブルライン(12c)が可動基台(16b)を支持している場合には、中央レール(112b)はケーブルライン(12d)に整列される。可動基台(16a)は、適宜、ケーブル(112c')または(112d')に沿ってケーブルライン(12c)または(12d)まで移動を継続する。
【0114】
同時に、または別々に、可動基台(16b)は、それぞれがケーブル(112c')または(112d')に連続するケーブルライン(12c)または(12d)に沿って移動することによって、移送基台(110a)の固定端部(106)上にまで移動する。可動基台(16b)は、ストッパ(106c)または(106d)に到達するまで移動を続ける。可動基台(16a)が移送基台(110a)上に位置していない場合には、滑動する中央部(108)がシフトして中央レール(112b)を端レール(112c)または(112d)に整列させることが可能で、これによって、可動基台(16b)がストッパ(106c')または(106d')に到達するまで、ケーブル(112b')に沿って移動継続可能になる。次に、滑動する中央部はシフトして中央レール(112b)を端レール(112a)に整列させ、これによって、可動基台(16b)がケーブル(12)まで移動可能になる。
【0115】
図示していないが、移送基台(110b)も基本的に移送基台(110a)と全く同様であり、上に説明したような同じ運転を実施し、可動基台(16b)をケーブルライン(12)から端レール(112c)または(112d)まで適宜移送し、可動基台(16a)を端レール(112c)または(112d)のうちの1つからケーブルライン(12)に移送する。
【0116】
他の配置では、1つの移送基台(110a)または(110b)のみが提供され、可動基台が同じケーブルラインに沿って異なる方向に移動することを可能にする。この場合には、可動基台(16a)および(16b)は、それぞれ固定端部(104)および(106)まで移動する。可動基台(16b)がケーブル(12d)またはケーブル(112d')上に位置する場合には、上に説明したような運転に従って、可動基台(16a)はケーブルライン(12c)まで移動する。図8dは、ケーブルライン(12p)を示し、好ましくはケーブルライン(12d)から離れており、図示しないが移送基台(110a)から支持柱(図示せず)にまで延在する。可動基台(16a)は、可動基台(16b)がケーブル(12)まで移送される、または少なくとも固定端部(104)まで移送される間は、一時的にケーブルライン(12p)上に待機する。次に、可動基台(16a)は固定端部(106)まで戻り、続けて滑動する中央部分(108)に移動し、上述の運転に従って、次に端レール(12d)に移動する。
【0117】
監視下にある高速道路(10)の特性や長さ、ならびに、可動基台の数、種類、および速度によって、複数の移送システム(100)を互いに所定の間隔で高速道路(10)に沿って配置してよい。
【0118】
更に、上に説明した工程は、飛行機が可動基台上の着陸位置にある時または飛行中に実施可能であることを留意すべきである。着陸している場合には、移送基台(110a)の幅は飛行機(65a)と飛行機(65b)の両方を収容するに十分である。
【0119】
全ての実施形態に対し、カメラ(14)からデータを受信して処理を行い、カメラ(14)にデータを伝送するための制御局(各図面において図示せず)を備える。特に、制御局は、地面に対してレンズが位置する角度を含みカメラ(14)の動作を制御すること可能であり、他の可動構成要素の位置も同様に制御可能である。更に、制御局は、可動基台(16)、飛行機(65)、モータ(49)、剛性の柱部材(52a)、(52b)等を含む本発明の他の可動構成要素の動作および運転を制御する。制御局はケーブルライン(12)の遠方に配置、または近接して配置してもよい。更に、制御システムは可搬または固定されたものでもよい。更に、全ての実施形態の機械的接続具はカメラ(14)と制御局との間で制御信号、動力、およびデータを伝送するための伝送手段を備える。
【0120】
制御局は、典型的に、データを入力するための入力装置、および/または上述の可動構成要素に伝送されるべき命令を有する少なくとも1つのコンピュータを含む。情報はワイヤ/ケーブル、または無線で伝送してよい。制御局は、好ましくは、可動構成要素に関する関連データを表示するための表示モニタ等の出力装置を更に含む。表示モニタは、好ましくは、少なくとも本発明の監視システムの他の構成要素に対する飛行機(65)の位置を視覚的に表示すると共に、周囲環境に対する飛行機(65)の位置も同様に表示する。
【0121】
図21は、カメラを制御して所望の方位と倍率で画像を提供するための可搬装置を含む制御局の実施形態を図式的に例示する図である。この実施例では、制御局は携帯式の情報端末(PDA)を含み、これは、本発明の可動構成要素を制御、例えば、カメラの焦点および禁止動作に対するカメラ角度を制御するための必要な全ての機能を含む。
【0122】
それに沿って禁止動作が検知される経路または道路は予め決められるため、好ましくは、制御局は、経路、または窓のある建物である対象物(210)の形状の立体的な詳細画像を表示する。従って、特定の場所、または場面(この実施例では窓(211))が、カメラがその場所に到達する前に、例えばPDA(212)によって、予め立体的に観察可能である。所望の場面を得ようとする使用者は、建物(210)の画像(214)に対して仮想的な立体の円錐(213)等のグラフィック表示を用いて場面に対して所望する倍率と方位を規定できる。円錐(213)の底面(215)の大きさはグラフィックで制御可能であり、必要な倍率を規定する。円錐(213)の頂点は窓(211)の画像を指す。その頂点の周りの所望する円錐(213)の立体配向も同様にグラフィックで制御可能であり、必要とする場面の方位を規定する。次に、仮想的な円錐(213)は送信されて、拡大された仮想的な円錐(216)に変換され、これは飛行機(65)の到着経路の物理的立体配向に対応する。こうして使用者はPDA(212)のグラフィック機能を使用し、所望するカメラ(14)の立体到着経路を予め完全に規定することが可能である。
【0123】
GPS等の衛星システムを利用して、観察を所望する固有の座標または代わりに特定の対象物(211)を制御局の入力装置に入力すると、自動操縦システムおよび自動安定化システム(VTOL)を使用して、飛行機を自動的にこの座標または対象物に導くことが可能である。飛行機(65)に取り付けられたカメラ(14)は、制御局から更なる指令なしに、所望の対象物(211)を観察するようにしかるべく配向されることができる。
【0124】
第5の実施形態の飛行機(65)が可動基台(16)上に着陸の準備を行っている際は、制御局の表示モニタは、好ましくは、使用すべき好ましい飛行経路を表示し、制御局にいる使用者が飛行機(65)をガイドし可動基台(16)上に安全に着陸させるようにする。飛行経路は、飛行機(65)が表示モニタ上に現れた際に、飛行機(65)のいずれかの側に仮想的な好ましい境界を表示することによって指示し、着陸の間に好ましい経路から逸れないように可動基台(16)を導いてもよい。
【0125】
本明細書に説明する本発明の全ての実施形態によると、本明細書に以下に説明される第1の実施例と第2実施例の両方において、機械的接続具はカメラと可動基台との間に空間的隔たり領域(projection)を生成することが理解される。第1の実施形態(両方の実施例で)では、可動接続具、すなわちその領域は固定され、典型的に監視道路の幅よりも長い。従って、領域の長さは、カメラと禁止動作の場所との間の空間的隔たり領域と、禁止動作の場所と可動基台との間の空間的隔たり領域の合計距離以上である。他の全ての実施形態では、領域の長さは、機械的接続具および/または副基台を所望するように移動しカメラの位置を変更することによって調節可能である。
【0126】
本発明の用途の第2の実施例が図9〜15に示され、潜在的な侵入者を検知するための監視システムとして本発明が利用可能である。立入禁止区域に侵入を試みる際、侵入者は一般に立入禁止区域の外側の死角内に隠れ、監視システムによって検知されないようにする。立入禁止区域の外側にカメラを配置することによって、侵入者が隠れる利用可能な死角の量が減少する。
【0127】
第2の実施例のために本明細書に以下に説明する実施形態および各構成要素は、必要な変更を加えることにより、第1の実施例のために本明細書に説明する実施形態の特徴および利点の全てを含む。
【0128】
先行技術の監視システムの図式的な断面側面図を図9に示すが、区域(1)(本明細書で「立入禁止区域」とも称する)を囲む塀(11)の外側の区域(2)(本明細書で「外部区域」とも称する)が監視下に保たれる。監視システムは可動基台(16)と、可動基台(16)に装着されたカメラ(14)とを含む。このような監視システムは、刑務所の周囲の監視のため等比較的小さな区域のために、または、もっと大きな規模、例えば、隣接国との間の国境の巡視のために利用可能である。
【0129】
潜在的な侵入者(19)は樹木等の物体(18)の陰に隠れる、または、潜在的な侵入者(21)は斜線で表示された死角(4)にいるかも知れないが、このいずれの場所もカメラ(14)の視野内ではなく、従って検知されない。
【0130】
本発明の第2の実施例の第1の実施形態が図10に示され、これは図1および第1の実施例の第1の実施形態にある先行技術の監視システムの全ての特徴を含むが、本発明では、カメラ(14)は外部区域(2)の上に位置している。カメラ(14)は機械的な接続で可動基台(16)に接続されており、この実施形態では剛性の柱(22)の形態を取る。剛性の柱(22)は、単一部材で製作された伸張した棒を含み、この一端(24)でカメラ(14)に、もう一方の端(25)で可動基台(16)に強固に固定される。剛性の柱(22)は、直線形でも湾曲しても良く、一端(24)は高架され、好ましくは、外部区域(2)の上方に配置される。よって、カメラ(14)は、塀(11)を囲む外部区域(2)の広範囲に遮られない視野を得ることが可能である。
【0131】
可動基台(16)に対する柱(22)の長さおよび角度は、可動基台(16)の地面からの高さおよび塀(11)からの距離に、および塀の高さに関連して決定される。本システムが国境の巡視に利用される用途においては、カメラ(14)は国際法に従って許容される区域内にのみ配置する必要がある。
【0132】
本発明の第2の実施例の第2の実施形態を図式的に図11に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、機械的な接続は柔軟な弓状体(32)の形態で提供され、弓状体(32)の自由端(35)が外部区域(2)内に塀(11)を越えて配置されるようになっている。
【0133】
本発明の第2の実施例の第3の実施形態を図式的に図12に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の形態で提供される。更に、カメラ(14)は、ヘリウム気球(45)、凧(図示せず)、パラシュート(図示せず)、またはグライダ(図示せず)等の、空気力学的な揚力を発生させる、または空気力学的な揚力によって作用を受ける、副基台に装着されている。副基台は、ケーブル(42)を介して可動基台(16)に接続される。
【0134】
巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)を利用することによって、使用者は、第1および第2の実施形態のカメラ(14)では、位置させることが不可能な場所にカメラ(14)を位置させることが可能である。これによって、第1および第2実施形態のカメラ(14)からは得ることが不可能だった動作の観察が可能となり、すなわち、外部区域(2)内の死角の量が最小になる。
【0135】
本発明の第2の実施例の第4の実施形態を図式的に図13に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第1の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態では、監視システムの機械的な接続は2つの部材を有する剛性の柱(52)を含み、それぞれが回転可能に互いに一端で接合され、他方の端はカメラ(14)と可動基台(16)にそれぞれ接合される。代わりに、2つより多い部材が存在してもよい。この部材は、矢印(51)で示されるように、それぞれの軸の回りに回転可能である。少なくとも1つのモータ(図示せず)が、それぞれの柱(52)およびカメラの互いに対する動作を制御する。
【0136】
本発明の第2の実施例の第5の実施形態を図式的に図14aおよびに図14bに示すが、この実施形態は、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第1の実施例の第5の実施形態、ならびに第2の実施例の第3の実施形態の全ての要素を含む。この実施形態において、カメラ(14)は、遠隔制御の飛行機(65)(UAV(無人飛行機)とも本明細書では称する)、CUAV(ケーブルUAV)、またはTCUAV(トレインケーブルUAV)等の遠隔制御される副基台によって支持される。飛行機(65)は所望する全ての方向に移動可能であるが、移動可能な距離は、少なくとも巻き上げ可能な柔軟なケーブル(42)の長さによって制限される。上述のように、遠隔制御飛行機の飛行経路は、一般にこのような方法に制限されないが、本発明では、立入禁止区域(1)の境界に沿って監視が必要な区域に比較的近接した飛行を維持するために、飛行経路の制限が好ましい。これによって、飛行機(65)、特にカメラは、短時間で異なる所望の位置に再配置が可能である。代わりに、遠隔制御のヘリコプタ(図示せず)、動力付きパラシュート(図示せず)、動力付きパラシュートグライダ(パラグライダ)(44)(図14b参照)、または遠隔制御の小型飛行船型、またはツェッペリン飛行船型の航空機(図示せず)、または垂直離着陸航空機(VTOL)を利用してもよい。
【0137】
VTOL航空機は、特に着陸手続きの間に、その浮揚機能のため、本発明と共に使用する利点がある。
【0138】
図15は本発明の移送システム(100)を示し、第2の実施例に用いられた場合に立入禁止区域(1)内に配置される。可動基台(16a)は、ケーブルライン(12)に沿ってケーブルライン(12a)まで移動するが、ケーブルライン(12a)はケーブルライン(12)の単なる延長であって塀(11)から所定の距離に位置するが、通常これと平行ではない。同様に、可動基台(16b)はケーブルライン(12b)まで移動する。支持体(102)によって支持されたケーブルライン(12a)および(12b)は、それぞれ移送基台(110a)および(110b)まで連続する。ケーブルライン(12)に沿って可動基台(16a)および(16b)の位置を相互に交換する方法は、必要な変更を加えることにより、第1の実施例の第5の実施形態の説明に従って実施される。
【0139】
監視下にある立入禁止区域の特性、および境界の長さ、ならびに、可動基台の数、種類、および速度によって、複数の移送システム(100)を互いに所定の間隔で境界に沿って配置してよい。
【0140】
第1の実施例に関して本明細書で上に説明したように、制御局(図示せず)は塀(11)の遠方に配置、または近接して配置してよい。
【0141】
図16〜19を参照して、本発明の第1と第2の両実施例の第5の実施形態の好適な構成要素を示す。図16に示すように、更に本発明の全ての実施形態に適用可能であるが、支持柱(13)はその上端に位置し、ケーブル(12)が所定の経路に渡って延在することを支持するための基礎ユニット(15)を含む。
【0142】
ケーブルライン(12)に沿って走行する可動基台(116)を図17に示す。可動基台(116)は、着陸の間に飛行機(図示せず)の衝撃を吸収するための縦方向の緩衝材(194)を有する離着陸の台(168)を含む。着陸案内(176)は台(168)をリール(141)から延びるケーブル(図示せず)に接合させ、着陸の間に所望の経路に沿って飛行機を案内する際に支援を行う。円弧状部材(184)は、飛行機の翼を受けて翼を適所に固定するために蝶番(185)の回りに回転してもよい。この実施形態では、カメラ(113)が可動基台(116)の前方部分に配置される。
【0143】
図17を参照すると(図18にも詳細図示されている)、可動基台(116)は、接続部材(117)によって可動基台(116)の下部に接合される互いに直交する車輪部材(122)のシステムを介して、ケーブル(12)に沿って移動する。この実施形態に示すようにケーブルライン(12)が2つのケーブルを含む場合は、少なくとも2セットの車輪部材(122)がそれぞれのケーブルの回りに配置されことが望ましいが、少なくとも1セットの車輪部材(122)がそれぞれのケーブルの回りに配置される。図18は一組の直交する車輪部材(122)の拡大図である。車輪部材(122)は、一組の上垂直車輪(124a)、一組の下垂直車輪(124b)、および一組の水平車輪(126)を含み、ここで垂直および水平は可動基台(116)がその上方を移動する地面に対しての配向である。垂直車輪(124a)および(124b)は、剛性の接合部材(125)の1つによって、それぞれ水平車輪(126)に接合される。上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)はケーブルの上下からケーブルに沿って回転する。水平車輪(126)は、基本的に垂直車輪(124a)および(124b)に直角であり、好ましくは垂直車輪(124a)および(124b)よりも直径が小さく、ケーブル(12)に接触しない。
【0144】
図17に示すように、ケーブル(12)の断面の直径(d1)は典型的に、ケーブルライン(12)が通過する基礎ユニット(15)の部分(15a)の直径(d2)よりも大きさが小さい。図18aは、ケーブルから取り外した車輪部材(122) の後方の斜視図である。更に、バネ機構(130a)および(130b)が上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)をそれぞれ水平車輪(126)に接合する。上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)は基本的に180度の位置でケーブルに沿って移動する。上垂直車輪(124a)および下垂直車輪(124b)が部分(15a)に到達すると、バネ機構(130a)および(130b)のそれぞれが収縮する。水平車輪(126)は上蝶番(132)および下蝶番(134)の回りに回転し、従って、接触するまで部分(15a)に向かってシフトする。下垂直車輪(124b)は、これによって、上垂直車輪(124a)から離れ、車輪部材(122)が基礎ユニット(15)の部分(15a)に沿って移動することを可能にする(図17)。基礎ユニット(15)を通過後には、バネ機構(130a)および(130b)は拡張し、水平車輪(126)および垂直車輪(124a)および(124b)を共に引き寄せケーブル(12)を握持する。代わりに、ケーブル(12)は部分(15a)よりも断面の直径が小さくてよい。このバネ機構は遠隔制御されてもよいし、または自身で調節してもよい。代わりに、伸縮自在な部材は個々に拡張および収縮し、車輪部材(122)がケーブル(12)および基礎ユニット(15)に沿って移動可能とする。4つのバネ機構(130a)および(130b)を示したが、どちらかの下垂直車輪(124b)を上垂直車輪(124a)から離すためには1つのバネ機構のみ必要であることが理解される。
【0145】
図19は移送基台(1110a)の好適な実施形態を示し、これは、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、図8bおよび本明細書で上に説明した移送基台(110a)の全ての特徴を含む。移送基台(110a)は第1の固定端部(1104)を含み、この上に固定基礎ユニット(1115a)が配置され、ケーブルライン(12)から可動基台(図示せず)を受ける。可動基台は、この実施形態では滑動する基礎ユニット(1115b)を含む、滑動する中央部に連続する。基礎ユニット(1115a)〜(1115d)は、その端部に位置し図8dに示したストッパと同様な適合するストッパ(図示せず)を含む。ストッパ(図示せず)は、好ましくは上昇および下降可能であり、それぞれ可動基台(16)を移動から停止させ、および可動基台(16)を移動可能にする。滑動する基礎ユニット(1115b)はシフトし、それぞれが固定端部(1106)に位置する固定基礎ユニット(1115c)または(1115d)のいずれかに整列する。基礎ユニット(1115a)〜(1115d)は、本明細書で上に説明および図16に示すように、基礎ユニット(15)の要素と基本的に同じものを含む。本発明の第2の実施例の第6の実施形態を図20に示すが、この実施形態では、以下の差異に対し必要な変更を加えることにより、上に説明した第2の実施例の第5の実施形態の全ての特徴を含む。この実施形態の可動基台(1116)はケーブルライン(12)に沿って地面の上を移動する無人陸上車両(UGV)を含む。UGV(1116)は、可動基台(16)に対して上で説明したように動力を供給され、好ましくは、本明細書で上に説明したように飛行機(65)はケーブル(42)を通して電力を受ける。
【0146】
必ずしも必要ではないが、機械モータと比べモータに関連する消耗および破損が少ないために、本発明で使用されるモータは全て電気モータであることが好ましい。
【0147】
先行技術の静止した監視システムに対して本発明の多くの利点の中でも、本明細書で上に説明したように、本発明によって、カメラ、可動基台および副基台等の破損または損傷した物品を、物理的に交換することを必要とせずに置換可能である。先行技術の静止した監視システムでは、監視経路に沿って破損または損傷した監視システムの物品は、監視システムの最適効率を回復するために物理的に除去かつ交換しなければならない。しかし、本発明によると、可動基台は経路に沿ってシフトし、代替えの可動基台が破損した物品の区画に配置されることを可能とする。
【0148】
前の説明では、本発明のいくつかの特定の実施形態についてのみ詳細に説明したが、当業者には、本発明はそれらに限定されず、例えば、役割を完了した後UAVを捕獲する機能のある装置を追加する等、本明細書に開示された本発明の範囲および趣旨から逸脱することなしに、または特許請求の範囲から超えることなしに、形態や詳細さにおいて他の変形が可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の用途の第1の実施例を図式的に例示する図であり、片側の長さに沿って離間配置された電灯柱を有する二車線高速道路の斜視図であり、カメラが剛性の柱部材に取り付けられている本発明の第1の実施形態を含む。
【図2】本発明の第1の実施例の第2の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラは弓状部材に取り付けられている。
【図3】本発明の第1の実施例の第3の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラはヘリウム気球に取り付けられており、このヘリウム気球は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図4】本発明の第1の実施例の第4の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラは少なくとも2つの回転可能な剛性の柱部材に取り付けられている。
【図5a】本発明の第1の実施例の第5の実施形態を図式的に例示する側面図であり、カメラは飛行機に取り付けられており、この飛行機は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図5b】図5aによる第3の実施形態を例示する図であり、カメラはパラグライダに取り付けられている。
【図5c】図5aの飛行機の飛行経路を示す仮想的な半球を例示する図であり、ケーブルラインの上で各方向にこの飛行機が飛行可能な最大距離を示す。
【図5d】本発明の分離機構を例示する図であり、これによってケーブルは飛行機から分離可能となる。
【図6】第5の実施形態の離着陸機構を図式的に例示する図である。
【図7a】第5の実施形態の追加的な態様を図式的に例示する図であり、飛行機の着陸を支援するために少なくとも1つの網が備えられる。
【図7b】第5の実施形態の追加的な態様を図式的に例示する図であり、飛行機の着陸を援助するために少なくとも1つの網が備えられる。
【図8a】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を相互に交換可能である。
【図8b】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を交換可能である。
【図8c】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を交換可能である。
【図8d】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を交換可能である。
【図9】立入禁止区域の境界に位置し先行技術の監視システムを含む塀を図式的に例示する断面図である。
【図10】本発明の用途の第2の実施例の第1の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは剛性の柱部材に取り付けられている。
【図11】本発明の第2の実施例の第2の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは弓状部材に取り付けられている。
【図12】本発明の第2の実施例の第3の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラはヘリウム気球に取り付けられており、ヘリウム気球は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図13】本発明の第2の実施例の第4の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは少なくとも2つの回転可能な剛性の柱部材に取り付けられている。
【図14a】本発明の第2の実施例の第5の実施形態を図式的に例示する図であり、カメラは飛行機に取り付けられており、この飛行機は巻き上げ可能な柔軟なケーブルに取り付けられている。
【図14b】図14aによる第3の実施形態を例示する図であり、カメラはパラグライダに取り付けられている。
【図15】本発明の移送機構の好適な態様を例示する図であり、ケーブルに沿って少なくとも1つの可動基台が他の可動基台と位置を相互に交換可能である。
【図16】ケーブルを支持するための基礎ユニットを有する支持柱の好適な実施形態を例示する図である。
【図17】ケーブルに沿って移動する、本発明の第5の実施形態の可動基台の好適な実施形態を例示する図である。
【図18】図17の可動基台の下に位置した直交する車輪部材を例示する拡大図である。
【図18a】図18aは、ケーブルから取り外した車輪部材の後方の斜視図である。
【図19】本発明の移送基台の好適な実施形態を例示する図である。
【図20】本発明の第2の実施例の第6の実施形態を例示する図であり、可動基台は無人陸上車両(UGV)である。
【図21】カメラを制御して所望の方位と倍率で画像を提供するための可搬装置を含む制御局の実施形態を図式的に例示する図である。
【符号の説明】
【0150】
1 立入禁止区域
2 外部区域
4 死角
10 高速道路
11 塀
12 ケーブルライン
14 カメラ
16 可動基台
22 柱
41 リール
42 ケーブル
65 飛行機
68 台
100 移送システム
110a 移送基台
110b 移送基台
116 可動基台
168 台
141 リール
113 カメラ
1110a 移送基台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムであって、
a)前記禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、前記1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うものであるカメラと、
b) それぞれが前記道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である1つまたは複数の可動基台と、
c)前記カメラのうちの少なくとも1つを前記可動基台のうちの少なくとも1つに接続し、それによって前記カメラと前記可動基台との間に空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、
d)前記1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い前記1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、
前記領域の長さを調節することが可能である監視システム。
【請求項2】
前記機械的接続具は、
a)剛性の柱、
b)空気力学的に柔軟な弓状体、
c)少なくとも2つの回転可能に接続された剛性の部材、および
d)巻き上げ可能な柔軟なケーブルからなる群の中の任意の1つから選択される請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記カメラは遠隔制御される副基台の上に装着されており、前記副基台が独立に動作可能であって、前記カメラは前記ケーブルによって前記可動基台に接続されている請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記遠隔制御される副基台は、
a)遠隔制御されるヘリコプタ、
b)VTOL航空機、
c)動力付きパラシュート、
d)パラグライダ、
e)遠隔制御される小型飛行船型、および
f)遠隔制御される飛行機からなる群の中の任意の1つから選択される請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記カメラは、空気力学的な力を生成する、または空気力学的な力によって作動させられる副基台の上に装着されている請求項2に記載の監視システム。
【請求項6】
空気力学的な力を生成する、または空気力学的な力によって作動させられる前記副基台は、
a)ヘリウム気球、
b)凧、
c)パラシュート、および
d)グライダからなる群の中の任意の1つから選択される請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
前記可動基台は、前記副基台がそこから離陸し、そこに着陸する離着陸機構を更に含む請求項3から6のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項8】
前記離着陸機構は、少なくとも台と、前記台を前記可動基台に接続するための伸張可能なアームとを含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項9】
前記離着陸機構は前記副基台を前記離着陸機構に案内するための案内システムを更に含み、前記案内システムは、
a)前記離着陸機構の上に位置する送信機および受信機を含むセンサと、
b)前記副基台に位置する送信機および受信機を含むセンサとを含み、
前記送信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を送信可能であって前記受信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を受信可能であり、前記案内システムが、飛行および着陸手続きの間に前記信号を解釈して前記副基台を案内する制御信号を発生させる請求項8に記載の監視システム。
【請求項10】
前記離着陸機構は、着陸の間に前記副基台を受けるための伸張可能かつ折りたたみ可能な網を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項11】
前記離着陸機構は、着陸の後に前記副基台を固定するための拡張可能かつ折りたたみ可能な網を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項12】
前記離着陸機構は、着陸の間に前記副基台の衝撃を吸収するための緩衝材を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項13】
前記副基台は、遠隔電気エネルギ源から供給される電気であって、前記機械的接続具を通して前記副基台に伝送される電気によって動力が供給される請求項4に記載の監視システム。
【請求項14】
前記副基台は、
a)電池、
b)太陽電池、
c)燃料電池、および、
d)ガソリンからなる群の中の任意の1つによって動力が供給される請求項4に記載の監視システム。
【請求項15】
前記副基台は、前記副基台を移動または浮揚させるための推進機構に接続された少なくとも1つのモータを更に含む請求項6に記載の監視システム。
【請求項16】
前記可動基台がそれに沿って移動する前記経路は、
a)ケーブルライン、および
b)レールからなる群の中の任意の1つの少なくとも1つを含む請求項1に記載の監視システム。
【請求項17】
前記可動基台は、
a)ガソリン発動機、
b)前記ケーブルラインまたはレールを通して前記電気が伝導される電気モータからなる群の中の任意の1つによって駆動される請求項16に記載の監視システム。
【請求項18】
前記副基台は、公共サービス公告を有する自身に取り付けられた横断幕を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項19】
前記可動基台は、前記副基台によって前記経路に沿って牽引される請求項7に記載の監視システム。
【請求項20】
前記監視システムは、少なくとも1つの移送基台を含む移送システムを更に含み、少なくとも1つの可動基台を前記経路の1つの部分から前記経路の他の部分に移送し、これによって前記可動基台のうちの1つが他の可動基台を追い越すことを可能にする請求項1に記載の監視システム。
【請求項21】
前記移送基台は、
a)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第1の固定端部と、
b)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第2の固定端部と、
c)中央レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、前記中央レールを前記端レールのうちのいずれか1つに整列させることが可能な滑動する中央部とを含む請求項20に記載の監視システム。
【請求項22】
前記副基台は、前記ケーブルを繰り出しかつ巻き上げるためのリールを更に含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項23】
前記ケーブルは、端部で前記リールに接続されたバネ機構を含む請求項22に記載の監視システム。
【請求項24】
前記リールは、前記ケーブルが完全に繰り出されることを防止するためのセンサを含む請求項22に記載の監視システム。
【請求項25】
前記リールは、前記可動基台と前記副基台との間の距離を検知するためのセンサを含む請求項22に記載の監視システム。
【請求項26】
前記ケーブルを前記副基台から分離するための機構を更に含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項27】
前記副基台は、前記副基台の動作を安定化させるための安定化システムを含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項28】
前記副基台は、折りたたみ可能または退行可能な翼を含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項29】
前記制御局は、入力装置と出力装置とを含むコンピュータを含む請求項1に記載の監視システム。
【請求項30】
前記制御局はPDAを含む請求項29に記載の監視システム。
【請求項31】
前記制御局は、前記可動基台、前記副基台、および前記カメラの動作を制御する請求項29に記載の監視システム。
【請求項32】
前記可動基台は、上垂直車輪と、下垂直車輪と、水平車輪とを含む車輪部材システムによって前記ケーブルまたはレールに沿って移動可能である請求項16に記載の監視システム。
【請求項33】
前記下垂直車輪は、バネ機構によって前記上垂直車輪から分離可能である請求項32に記載の監視システム。
【請求項34】
立入禁止区域の外側の外部区域を更に含み、少なくとも1つの可動基台が前記立入禁止区域の中に位置し、前記カメラが少なくとも前記外部区域の中に配置可能であり、前記外部区域の少なくとも一部を観察可能な請求項1に記載の監視システム。
【請求項35】
道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムであって、前記監視システムは、
a)前記禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、前記1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うものであるカメラと、
b)それぞれが前記道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である1つまたは複数の可動基台と、
c)前記カメラのうちの少なくとも1つを前記可動基台のうちの1つに接続し、それによって前記カメラと前記可動基台との間に空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、
d)前記1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い前記1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、
前記領域が固定されており、前記領域の長さは、前記カメラと前記禁止動作の場所との間の空間的隔たり領域と、前記禁止動作の場所と前記可動基台との間の空間的隔たり領域の合計距離以上である監視システム。
【請求項36】
道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための方法であって、
a)監視システムを提供する工程であって、前記監視システムは、
1)前記禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、前記1つまたは複数のカメラが制御局とデータを通信するカメラと、
2)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが前記道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、
3)前記カメラのうちの少なくとも1つが接続された副基台と、
4)前記副基台を前記可動基台のうちの1つに接続するための巻き上げ可能なケーブルと、
5)前記1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い前記1つまたは複数のカメラにデータを伝送し、前記可動基台、前記副基台、および前記カメラの動作を制御するための制御局とを含むものである工程と、
b)前記可動基台および前記副基台に動力を伝送するための動力源を提供する工程と、
c)前記ケーブルを通して前記副基台に動力を伝送する工程と、
d)任意選択的に、前記可動基台を前記経路に沿って移動するように導く工程と、
e)前記道路に沿った禁止動作を前記カメラによって検知する工程と、
f)前記カメラからデータを前記制御局に伝送する工程と、を含む方法。
【請求項37】
前記副基台は、独立動作が可能である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記遠隔制御される副基台は、a)遠隔制御されるヘリコプタ、b)VTOL航空機、c)動力付きパラシュート、d)パラグライダ、e)遠隔制御される小型飛行船型、およびf)遠隔制御される飛行機からなる群の中の任意の1つから選択される請求項37記載の方法。
【請求項1】
道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムであって、
a)前記禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、前記1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うものであるカメラと、
b) それぞれが前記道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である1つまたは複数の可動基台と、
c)前記カメラのうちの少なくとも1つを前記可動基台のうちの少なくとも1つに接続し、それによって前記カメラと前記可動基台との間に空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、
d)前記1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い前記1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、
前記領域の長さを調節することが可能である監視システム。
【請求項2】
前記機械的接続具は、
a)剛性の柱、
b)空気力学的に柔軟な弓状体、
c)少なくとも2つの回転可能に接続された剛性の部材、および
d)巻き上げ可能な柔軟なケーブルからなる群の中の任意の1つから選択される請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記カメラは遠隔制御される副基台の上に装着されており、前記副基台が独立に動作可能であって、前記カメラは前記ケーブルによって前記可動基台に接続されている請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記遠隔制御される副基台は、
a)遠隔制御されるヘリコプタ、
b)VTOL航空機、
c)動力付きパラシュート、
d)パラグライダ、
e)遠隔制御される小型飛行船型、および
f)遠隔制御される飛行機からなる群の中の任意の1つから選択される請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記カメラは、空気力学的な力を生成する、または空気力学的な力によって作動させられる副基台の上に装着されている請求項2に記載の監視システム。
【請求項6】
空気力学的な力を生成する、または空気力学的な力によって作動させられる前記副基台は、
a)ヘリウム気球、
b)凧、
c)パラシュート、および
d)グライダからなる群の中の任意の1つから選択される請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
前記可動基台は、前記副基台がそこから離陸し、そこに着陸する離着陸機構を更に含む請求項3から6のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項8】
前記離着陸機構は、少なくとも台と、前記台を前記可動基台に接続するための伸張可能なアームとを含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項9】
前記離着陸機構は前記副基台を前記離着陸機構に案内するための案内システムを更に含み、前記案内システムは、
a)前記離着陸機構の上に位置する送信機および受信機を含むセンサと、
b)前記副基台に位置する送信機および受信機を含むセンサとを含み、
前記送信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を送信可能であって前記受信機のそれぞれが少なくとも1つの信号を受信可能であり、前記案内システムが、飛行および着陸手続きの間に前記信号を解釈して前記副基台を案内する制御信号を発生させる請求項8に記載の監視システム。
【請求項10】
前記離着陸機構は、着陸の間に前記副基台を受けるための伸張可能かつ折りたたみ可能な網を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項11】
前記離着陸機構は、着陸の後に前記副基台を固定するための拡張可能かつ折りたたみ可能な網を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項12】
前記離着陸機構は、着陸の間に前記副基台の衝撃を吸収するための緩衝材を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項13】
前記副基台は、遠隔電気エネルギ源から供給される電気であって、前記機械的接続具を通して前記副基台に伝送される電気によって動力が供給される請求項4に記載の監視システム。
【請求項14】
前記副基台は、
a)電池、
b)太陽電池、
c)燃料電池、および、
d)ガソリンからなる群の中の任意の1つによって動力が供給される請求項4に記載の監視システム。
【請求項15】
前記副基台は、前記副基台を移動または浮揚させるための推進機構に接続された少なくとも1つのモータを更に含む請求項6に記載の監視システム。
【請求項16】
前記可動基台がそれに沿って移動する前記経路は、
a)ケーブルライン、および
b)レールからなる群の中の任意の1つの少なくとも1つを含む請求項1に記載の監視システム。
【請求項17】
前記可動基台は、
a)ガソリン発動機、
b)前記ケーブルラインまたはレールを通して前記電気が伝導される電気モータからなる群の中の任意の1つによって駆動される請求項16に記載の監視システム。
【請求項18】
前記副基台は、公共サービス公告を有する自身に取り付けられた横断幕を更に含む請求項7に記載の監視システム。
【請求項19】
前記可動基台は、前記副基台によって前記経路に沿って牽引される請求項7に記載の監視システム。
【請求項20】
前記監視システムは、少なくとも1つの移送基台を含む移送システムを更に含み、少なくとも1つの可動基台を前記経路の1つの部分から前記経路の他の部分に移送し、これによって前記可動基台のうちの1つが他の可動基台を追い越すことを可能にする請求項1に記載の監視システム。
【請求項21】
前記移送基台は、
a)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第1の固定端部と、
b)端レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、少なくとも1つの可動基台がそこに、およびそこから移動することを可能にする第2の固定端部と、
c)中央レールによって支持された少なくとも1つのケーブルを含み、前記中央レールを前記端レールのうちのいずれか1つに整列させることが可能な滑動する中央部とを含む請求項20に記載の監視システム。
【請求項22】
前記副基台は、前記ケーブルを繰り出しかつ巻き上げるためのリールを更に含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項23】
前記ケーブルは、端部で前記リールに接続されたバネ機構を含む請求項22に記載の監視システム。
【請求項24】
前記リールは、前記ケーブルが完全に繰り出されることを防止するためのセンサを含む請求項22に記載の監視システム。
【請求項25】
前記リールは、前記可動基台と前記副基台との間の距離を検知するためのセンサを含む請求項22に記載の監視システム。
【請求項26】
前記ケーブルを前記副基台から分離するための機構を更に含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項27】
前記副基台は、前記副基台の動作を安定化させるための安定化システムを含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項28】
前記副基台は、折りたたみ可能または退行可能な翼を含む請求項4に記載の監視システム。
【請求項29】
前記制御局は、入力装置と出力装置とを含むコンピュータを含む請求項1に記載の監視システム。
【請求項30】
前記制御局はPDAを含む請求項29に記載の監視システム。
【請求項31】
前記制御局は、前記可動基台、前記副基台、および前記カメラの動作を制御する請求項29に記載の監視システム。
【請求項32】
前記可動基台は、上垂直車輪と、下垂直車輪と、水平車輪とを含む車輪部材システムによって前記ケーブルまたはレールに沿って移動可能である請求項16に記載の監視システム。
【請求項33】
前記下垂直車輪は、バネ機構によって前記上垂直車輪から分離可能である請求項32に記載の監視システム。
【請求項34】
立入禁止区域の外側の外部区域を更に含み、少なくとも1つの可動基台が前記立入禁止区域の中に位置し、前記カメラが少なくとも前記外部区域の中に配置可能であり、前記外部区域の少なくとも一部を観察可能な請求項1に記載の監視システム。
【請求項35】
道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための監視システムであって、前記監視システムは、
a)前記禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、前記1つまたは複数のカメラが制御局とデータ通信を行うものであるカメラと、
b)それぞれが前記道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である1つまたは複数の可動基台と、
c)前記カメラのうちの少なくとも1つを前記可動基台のうちの1つに接続し、それによって前記カメラと前記可動基台との間に空間的隔たり領域を生成する機械的接続具と、
d)前記1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い前記1つまたは複数のカメラにデータを伝送するための制御局とを含み、
前記領域が固定されており、前記領域の長さは、前記カメラと前記禁止動作の場所との間の空間的隔たり領域と、前記禁止動作の場所と前記可動基台との間の空間的隔たり領域の合計距離以上である監視システム。
【請求項36】
道路に沿った1つまたは複数の場所において、任意の方向の禁止動作を検知するための方法であって、
a)監視システムを提供する工程であって、前記監視システムは、
1)前記禁止動作を検知するための1つまたは複数のカメラであって、前記1つまたは複数のカメラが制御局とデータを通信するカメラと、
2)1つまたは複数の可動基台であって、それぞれが前記道路に沿った所望の経路に沿って移動可能である可動基台と、
3)前記カメラのうちの少なくとも1つが接続された副基台と、
4)前記副基台を前記可動基台のうちの1つに接続するための巻き上げ可能なケーブルと、
5)前記1つまたは複数のカメラからデータを受信して処理を行い前記1つまたは複数のカメラにデータを伝送し、前記可動基台、前記副基台、および前記カメラの動作を制御するための制御局とを含むものである工程と、
b)前記可動基台および前記副基台に動力を伝送するための動力源を提供する工程と、
c)前記ケーブルを通して前記副基台に動力を伝送する工程と、
d)任意選択的に、前記可動基台を前記経路に沿って移動するように導く工程と、
e)前記道路に沿った禁止動作を前記カメラによって検知する工程と、
f)前記カメラからデータを前記制御局に伝送する工程と、を含む方法。
【請求項37】
前記副基台は、独立動作が可能である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記遠隔制御される副基台は、a)遠隔制御されるヘリコプタ、b)VTOL航空機、c)動力付きパラシュート、d)パラグライダ、e)遠隔制御される小型飛行船型、およびf)遠隔制御される飛行機からなる群の中の任意の1つから選択される請求項37記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18a】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18a】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2008−545324(P2008−545324A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519138(P2008−519138)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000764
【国際公開番号】WO2007/004217
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(508004269)プラナム・ビジョン・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000764
【国際公開番号】WO2007/004217
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(508004269)プラナム・ビジョン・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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