手動ポンプ式流体ディスペンサー、及びそのディスペンサーの製造方法
容器から少なくとも1つの液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、キャップは静止位置及び作動位置の間でベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、ディスペンサーは更に、少なくとも1つの液体を分注する第1のポンプチャンバーを規定するためにベースとキャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、挿入部は、分注される少なくとも1つの液体が第1のポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するためベースに係合するよう構成され、ディスペンサーは更に、液体が入口を通って第1のポンプチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブと、第1のポンプチャンバーから出口を通る液体の放出を調整するよう作動する出口バルブ装置とを含み、挿入部はさらに、第2の液体を分注する第2のポンプチャンバーを規定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手動で作動するポンプ式流体ディスペンサーに関する。この発明は又、手動ポンプ式流体ディスペンサーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手動で作動するポンプ式流体ディスペンサーは、それによって流体が非加圧容器から分注されることができる手段を提供するために一般に用いられる。典型的には、この種のディスペンサーは、使用時に容器の上に配置されるポンプ装置を有する。このポンプは、入口バルブを有する入口によって容器に接続されると共に、出口バルブを通る分注出口に接続されるポンプチャンバーを含む。このディスペンサーを作動させるため、使用者はアクチュエータ(actuator)に手動で力を加えて前記ポンプチャンバーの体積を減少させ、その中の流体を加圧する。チャンバーの圧力が所定の値に到達すると出口バルブが開き、流体が出口を通って放出される。使用者が作動力を解除すると、チャンバーの体積が増加すると共にその圧力が低下する。このことは出口バルブを閉塞させ、入口を通ってチャンバーにさらなる流体の量を引き込む。ペースト、ジェル、液胞(liquid foams)、及び液体を含む幅広い流体がこの方法で分注されることができる。ある種の応用では、流体が霧状スプレーの形態で分注され、この場合に出口は噴霧ノズルを含むであろう。アクチュエータは押しボタン又はキャップであってよいが、いくつかの応用ではアクチュエータは使用者の指によって引き寄せられる引き金を含む。
【0003】
例えば歯磨き粉、制汗剤、消臭剤、香水、芳香剤、防腐剤、塗料、殺虫剤、艶出し剤、ヘアケア製品、薬剤、髭剃りジェル及びフォーム、水及び潤滑剤を含む多数の商品は、手動ポンプ式ディスペンサーで消費者に提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のポンプアクション(action)ディスペンサーに関して多くの欠点が存在する。第1に、従来の装置の多くは、構造が極めて複雑な傾向にあると共に、典型的には多数の異なる構成部品を含む。いくつかの構造では8〜10の間の独立した部品が存在し、引き金式アクチュエータを含むディスペンサーでは10〜14の独立した部品が用いられる。結果として、独立した部品を形成するのに要求される多量の材料、及び関係する組立てプロセスに起因して、これらの装置は製造するのが高価であり得る。第2に、従来の装置の多くは大きい傾向があると共に(このことも原料コストを増大させる)、この大きさの一部は装置が取り付けられる容器の内部に常に曝される。このことは、ノズル装置が容器の内容積の一部を占めるという欠点を引き起こし、容器内部の利用可能空間が限定される小さい容器で特別の問題となり得る。最後に、ポンプの大きさも、それが取り付けられる容器の大きさによって特定の範囲に決定される。従って、ポンプの大きさは通常は小容器、特に細い頸部を有する小容器に限定され、このことは、分注される流体の量と同様にポンプによって生じ得る圧力の量を限定し、さらにこのために装置の性能に不利となり得る。
【0005】
手動ポンプアクションディスペンサーで提供される製品の多くは、極めてコストに敏感であり、ディスペンサーの製造には、ディスペンサーの性能に悪影響を与えずに製造コストを下げるという、ディスペンサーの製造における圧力が常に存在する。
【0006】
手動で作動するポンプディスペンサーには、構造が単純で、少ない部品を利用し、かつ操作が簡単で有効に働く、という要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、容器から少なくとも1つの液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、前記ディスペンサーは更に、前記少なくとも1つの液体を分注する第1のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記少なくとも1つの液体が前記第1のポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するよう構成され、前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記第1のポンプチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブと、前記第1のポンプチャンバーから前記出口を通る液体の放出を調整するよう作動する出口バルブ装置とを含み、前記挿入部はさらに、第2の液体を分注する第2のポンプチャンバーを規定する手動ポンプアクションディスペンサーが提供される。
【0008】
前記ディスペンサーは、流体源から第2の流体が前記第2のチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブを含んでよい。
前記ディスペンサーは、前記第2のポンプチャンバーから通過した前記第2の流体が前記出口に入ることができるよう作動する出口バルブを含んでよい。
前記挿入部の一体部分が前記第1のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
前記第1のチャンバーの前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブであってもよい。
前記挿入部の一体の部分が前記第1のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
【0009】
前記第2のポンプチャンバーは空気を分注するよう構成され、前記第2のポンプチャンバーの前記入口バルブは、前記第2のポンプチャンバーの圧力が外気圧より所定の量だけ低いときに、前記第2のポンプチャンバーに外気が入ることを許容するため開くよう構成されていてもよい。
その代わりに、前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成され、前記挿入部は、それを通して前記第2の液体が前記第2のポンプチャンバーに吸い込まれる第2の入口を規定してもよい。
前記可撓性の挿入部は前記第1のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する孔を規定する本体を有し、浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられてもよい。
前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成される場合に、前記本体は前記第2のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する第2の孔を規定し、第2の浸漬管が前記第2の孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記第2の浸漬管に取り付けられてもよい。
【0010】
前記ベースは環状壁又は頸部を有し、前記キャップは閉塞端と、前記頸部の外側の周囲に位置し前記閉塞端から延びる環状側壁とを有し、前記挿入部の少なくとも一部が前記頸部内に収容され、前記挿入部は、自身と前記キャップとの間で前記第1及び第2のポンプチャンバーを規定するため前記キャップの内面に接する部分を有してもよい。
一実施形態において、前記本体は少なくとも部分的に前記頸部内に収容され、前記挿入部は、前記本体から延びて前記キャップの内面に接し前記第1のポンプチャンバーを規定する第1の鐘状部と、前記本体から延びて前記頸部の内面と接しつつこれとシールを形成する第2の鐘状部とを有し、前記第2の鐘状部は、前記第2のポンプチャンバーを規定するために前記第1の鐘状部から間隔を開けた関係で、前記キャップの側壁に接するシール部材を有してもよい。
【0011】
前記孔は前記挿入部の前記本体の内部に規定されつつ前記第1のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第1の液体が前記孔を通って前記第1のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有してもよい。
前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成される場合に、前記第2の孔は前記本体の内部に規定されつつ前記第2のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第2の液体が前記第2の孔を通って前記第2のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有してもよい。
前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の出口に取り付けられるのに適するか、又は前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の構成部分であってもよい。
【0012】
前記第2のポンプチャンバーが空気を分注するよう構成される場合に、空気と前記少なくとも1つの液体の混合物を泡として分注するよう配置されてもよい。この実施形態において、前記ディスペンサーが作動する使用時に、前記第2のポンプチャンバーからの空気が前記第1のポンプチャンバーからの少なくとも1つの液体と混合されるよう、前記第1及び第2のチャンバーからの出口流路が合流してもよい。空気及び液体の混合物が分注される前にそれに沿って通る出口流路の内部に、泡を精製するためのフィルターが配置されてもよい。前記フィルターはあらゆる適切なタイプであってよいが、開細胞材料、若しくはいくつかの他の3次元メッシュ構造の栓であってよく、又は1又はそれ以上の濾過網の形態であってよい。前記ディスペンサー出口は、拡径の出口流路へ開口する噴霧オリフィスを有する前記第1のポンプチャンバーからの流体流路と、前記拡径の出口流路へ入る流体流路を含む前記第2のポンプチャンバーからの前記出口とを含んでよく、使用の際にこの装置は、液体が前記噴霧オリフィスを通り、泡を形成するため空気と混合する前記拡径の出口流路へ入るときに当該液体がスプレーを形成するようになっている。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、容器とキャップとを含む手動ポンプディスペンサーであって、前記容器は、分注される大量の液体を保持するための本体と、分注される前記液体がそれを通って前記容器に導入される蓋のない頸部と、前記頸部の内部から又はそれに近接して前記容器の底部に向かって延びる一体浸漬管とを有し、前記キャップは液体の出口を有し、かつ静止位置及び作動位置の間で移動するため前記容器に取付けられ、前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記容器の前記頸部と前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記液体が前記浸漬管から前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定し、前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記ポンプチャンバーに入るのを可能とするように作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含む手動ポンプディスペンサーが提供される。
【0014】
前記キャップが可撓性の引き綱によって前記容器と接続されていてよく、この引き綱は引き綱の縦軸の周りにねじるのに適してもよい。前記引き綱は、壊れ易い環によって前記キャップ及び前記容器に接続されてもよい。
前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成してもよく、それは、アヒル又はフラップバルブであってもよい。
前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成してもよい。
【0015】
前記可撓性の挿入部は、前記ポンプチャンバーの前記入口を含む孔を有する本体を備え、前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられてもよい。前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定されてもよい。前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含む。前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じてもよい。前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じてもよい。
【0016】
前記可撓性の挿入部は、前記容器の前記頸部の内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含んでよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の内面に接するため、前記フランジを超えて前記頸部内に延びてもよく、及び弾性的に付勢されて前記頸部の内面に接してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記容器への空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成するよう配置されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記可撓性の挿入部は追加のシール部材を含み、前記キャップ、前記第1のダイアフラム部材、及び前記追加のシール部材の間に前記第2のポンプチャンバーを規定するため、前記追加のシール部材は前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接する。前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材の延長部を含んでよい。前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を加圧するよう構成され、この場合に前記追加のシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの大気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成されてもよい。その代わりに、前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成され、前記容器は、前記第1の液体を収容する第1の区画と第2の液体を収容する第2の区画との2つの区画に分割され、前記第1の容器区画は前記第1のポンプチャンバーと流体接続され、前記第2の容器区画は前記第2のポンプチャンバーと流体接続されてもよい。前記ディスペンサーは前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続する流体流路を有してもよく、前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成される。
【0018】
前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含んでよい。
【0019】
前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含んでよい。一の実施形態において、前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベース又は容器に取り付けられ、前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されている。別の実施形態において、前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記容器に取り付けられ、前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、前記アクチュエータは前記容器に枢動可能に取付けられて前記キャップに係合するのに適合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動する。
【0020】
本発明の第3の態様によれば、容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、前記キャップは前記ベースと一体に製造され、可撓性の引き綱によってそれに接続されている手動ポンプアクションディスペンサーが提供される。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む手動ポンプアクションディスペンサーが提供される。
【0022】
本発明の第1及び第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記キャップは、可撓性の引き綱によって前記ベースに接続されていてもよい。
本発明の第1、第3又は第4のいずれかの態様に従い、前記キャップが可撓性の引き綱によって前記ベースに接続されている手動ポンプディスペンサーにおいて、前記引き綱は該引き綱の縦軸の周りにねじるのに適し、かつ壊れ易い環によって前記キャップ及び前記ベースに接続されていてもよい。
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成し、それはアヒル又はフラップバルブであってもよい。
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成してもよい。
本発明の第1、第3又は第4のいずれかの態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記ディスペンサーはさらに浸漬管を含んでもよい。
【0023】
本発明の第1、第3又は第4のいずれかの態様に従い、浸漬管を含む手動ポンプディスペンサーにおいて、前記可撓性の挿入部は、前記(第1の)ポンプチャンバーの前記入口を形成する孔を有する本体を備え、前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられてもよい。前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定されてもよい。前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含んでもよい。前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じてもよい。前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じてもよい。前記可撓性の挿入部は、前記ベースの内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含んでもよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの内面に接するため、前記フランジを超えて前記ベース内に延びてもよく、弾性的に付勢されて前記ベースの内面に接してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記ベースを通って前記容器へ入る空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成してもよい。
【0024】
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記挿入部はさらに、前記液体と共に第2の流体を分注するための第2のポンプチャンバーを規定してもよい。
本発明の第3又は第4の態様に従い、前記液体と共に第2の流体を分注するための第2のポンプチャンバーを前記挿入部が規定する手動ポンプディスペンサーにおいて、前記可撓性の挿入部は追加のシール部材を含み、前記キャップ、前記第1のダイアフラム部材、及び前記追加のシール部材の間に前記第2のポンプチャンバーを規定するため、前記追加のシール部材は前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接してもよい。前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材の延長部であってもよい。前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を加圧するよう構成され、前記追加的なシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの大気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成されてもよい。その代わりに、前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成されてもよい。ディスペンサーは、前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続する流体流路を有してもよく、前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成されてもよい。
【0025】
本発明のあらゆる態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含んでもよい。
本発明の第1又は第3の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含んでもよい。
本発明のあらゆる態様に従い、引き金式の作動面を含む手動ポンプディスペンサーにおいて、前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベースに取り付けられ、前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されていてもよい。その代わりに、前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記ベースに取り付けられ、この場合に前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、前記アクチュエータは前記ベースに枢動可能に取付けられて前記キャップに係合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動するのに適合してもよい。
【0026】
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記ベースは、前記液体の容器に取り付けられるのに適合してもよい。その代わりに、前記ベースは、分注される液体を保持するための容器の頸部を含んでもよい。
本発明の第2の態様に従う手動ポンプディスペンサー、又は前記ベースが前記容器の一体部分である場合に本発明の第1、第3若しくは第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記全部のディスペンサーは、第1の部分である可撓性の挿入部と、第2の部分であって一体に形成された構成部分である前記キャップ及び前記容器とからなる2つの別個に製造された部分のみからなっていてもよい。
【0027】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第2の態様に従う手動ポンプディスペンサー、又は前記ベースが前記容器の一体部分である場合に本発明の第1、第3若しくは第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーの製造方法が提供され、前記方法は、内層と少なくとも1つの外層とを有する前記容器のプリフォームを形成する工程と、続いて、前記容器の本体部を形成するために前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる工程とを有する。
前記プリフォームの前記内層が前記容器の一体浸漬管を形成してもよい。
前記キャップが引き綱によって前記頸部又はベースに接続されている場合に、本発明の第5の態様に従う方法はさらに、前記キャップと引き綱とを射出成形する工程をさらに有し、前記キャップと前記引き綱とを射出成形する前記工程は、前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる前記工程と少なくとも部分的に重なる。
【0028】
本発明の第5の態様に従う方法はさらに、第1の成形位置で前記プリフォームを射出成形することを含み、前記プリフォームは前記少なくとも1つの外層が膨張される第2の成形位置へ運ばれる。この場合、前記キャップと前記引き綱とは、前記第2の成形位置で成形されてもよい。前記第1の成形位置が前記第2の成形位置の上に配置される。前記第1及び第2の成形位置は、1つの金型の一部として形成され、かつ前記プリフォームは、前記金型内の内部通路を通って前記第1の位置から前記第2の位置に運ばれてもよい。前記方法は、前記第1及び第2の成形位置の間の少なくとも1つの中間位置で前記プリフォームを保持することを含んでもよい。
【0029】
以下の図を参照し、本発明のいくつかの実施形態がほんの一例としてここでは記述される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従うディスペンサーの少なくとも一部を製造するのに用いることができる第1の実施形態の成形装置の側面図であり、プリフォーム射出成形キャビティの底面部を形成する閉鎖部材が閉じられた状態の装置を示す図である。
【図2】図1と同様な図であるが、射出成形キャビティで成形されたプリフォームが射出成形キャビティから下側の工程位置へ移動できるよう、閉鎖部材が開いた位置にある状態の成形装置を示す図である。
【図3】ブローピンスライド設備を含む、図1の装置の下部の拡大図である。
【図4】図2と同様な図であるが、本発明に従うディスペンサーの少なくとも一部を製造するのに適した成形装置の別の実施形態を示す図である。
【図5】作動に先立って示される、本発明に従うディスペンサーの第1の実施形態の斜視図である。
【図6】図5と同様な図であるが、キャップ部が押下げられた中間作動中のディスペンサーを示す図である。
【図7】図5のディスペンサーの分解図である。
【図8】図5のディスペンサーの一部を通る断面図であるが、噴霧ノズルを組み込んだ別の出口を示す図である。
【図9】図8のディスペンサーの一部を形成するキャップを通る断面図である。
【図10】作動に先立つ図5のディスペンサーの変形態様を示す、図8と同様な断面図である。
【図11】図10と同様な図であるが、中間作動中のディスペンサーを示す図である。
【図12】本発明に従うディスペンサーのさらに他の実施形態の斜視図である。
【図13】図12と同様な図であるが、可撓性の挿入部を挿入後のキャップを示す図である。
【図14】本発明に従うディスペンサーのさらに別の実施形態における図8と同様な図である。
【図15】入口バルブが開いた戻り段階での図14のディスペンサーを示す、図14と同様な図である。
【図16】本発明に従うディスペンサーのさらなる代替の実施形態における図8と同様な図である。
【図17】引き金式アクチュエータを備えた本発明に従うディスペンサーのさらに他の代替の実施形態における図8と同様な図である。
【図18】本発明に従い、液体製品と空気との混合物を泡として分注するのに適したディスペンサーのさらに別の実施形態を示す、図8と同様な図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に従うディスペンサーは、あらゆる適切な装置及び方法を用いて製造することができるが、少なくとも一部は、本出願人の同時係属の特許出願PCT/GB2006/002751及びGB0701210に記述された種々の成形装置及び方法を用いる便利で経済的な方法で製造することができ、これらの両方の内容は参照することにより本書に援用される。読者は、装置及び方法のすべての記述について、これら及び関連する特許出願を参照すべきである。しかし、完全を期するため、GB0701210に開示された積層(stacked)成形装置及び方法の簡単な説明を図1〜図4を参照して追随する。
【0032】
最初に図1〜図3を参照し、本発明に従い手動で作動するポンプディスペンサーの少なくとも一部の製造に用いるのに適する、第1の実施形態に係る積層成形装置10が示される。装置は、射出成形位置12と、ブロー成形位置14と、射出及びブロー成形位置の中間の安定位置16との3つの工程位置を含む。3つの全ての位置12、14、16は上下に垂直に配置され、シャフト又は通路18によって相互に接続されている。
【0033】
装置10は本体20を有し、本体20は、後に詳述されるシャフト、種々の成形キャビティ、及び他の機構を規定するため互いに接する1対のボルスタープレート(bolster plate)22によって形成される。図1及び図2は、図示しない他のボルスタープレート上の対応する隣接面に接する、ボルスタープレート22上の1つの隣接面24を示す。他のボルスタープレートは、多くの点で当技術分野で周知の方法で図1及び図2に示すプレート22の鏡像である。
【0034】
成形装置1において、ボルスタープレート22は、鋼又はアルミニウムのような金属から製造されるが、あらゆる適切な材料又は材料の組合せによって製造することができる。当技術分野で周知の方法で、いくつかの又は全てのプレートの外観を規定するためにインサート(挿入物)が使用されてもよい。この配置は、プレート全体を交換又は変更する必要なく、インサートを交換又は変更することにより装置が変更されることを可能とする。
【0035】
ボルスタープレート22の隣接面24は凹部を有し、2つのプレートが接したときに凹部は、ブロー成形キャビティ26と、ブロー成形キャビティ26から上方に向かって本体の上面30に延びるシャフト18とを形成する。シャフトは、その長さの大部分にわたって円形であり、射出成形位置で製造されるプリフォームの直径と同一か又はわずかに大きい直径を有する。ブロー成形キャビティは、シャフトの延長とみなされてもよい。コアピ
ン32はシャフト18内に位置すると共に、シャフト18の開放上端を通って上方に突出するロッド34に取り付けられている。ロッド34は、プレート38内の軸受36によって上部に支持される。プレート38は本体の上面30と間隔を開けつつ、自身がボルスタープレート22の1つに取り付けられたロッド40によって支持される。コアピン32はロッド34と一体に形成されてもよく、ロッドと同一の直径であってもよく、又はロッドより大きな最大直径を有してもよい。
【0036】
駆動機構42は、制御された方法でコアピン32がシャフト18に沿って移動されるのを可能に備えられる。この実施形態では、駆動機構はボールねじを含む。この装置では、ロッド34の上部は、リサーキュレーティングボールナット(recirculating ball nut)46に係合する外面ねじ山44を有している。サーボモータ48はプレート38に取り付けられ、ロッド34、従ってコアピン32を上下に移動させるためにリサーキュレーティングボールナットを駆動する。
【0037】
サーボモータの操作は、図示しない制御システムによって制御される。コアピン32の移動を制御するため、他の駆動機構が用いられることができることは理解されるであろう。例えば、送りネジ装置、又は電子的若しくは流体圧力アクチュエータのようなあらゆる適切な形態の線形アクチュエータを用い、コアピン32が移動されることができる。
【0038】
上記したように、第1の工程位置12は、1又はそれ以上の高分子材料からプリフォーム49が成形される射出成形位置である。さもなければトラップ扉(trap door)として知られる1対の閉鎖部材50は、シャフト18の環状凹部53内の軸52によって第1の位置の下端に取り付けられる。各扉50は空気圧アクチュエータ54に動作可能なように接続され、空気圧アクチュエータ54は、図1に示される閉鎖位置から図2に示される開位置へ軸52周りに扉50を移動させる。閉鎖位置では、上部内に射出成形キャビティを規定するため、扉50は互いに隣接してシャフトの残部から第1の位置内のシャフト18の上部を閉鎖する。開位置では、射出成形キャビティで成形されたプリフォームが扉を通って工程位置16の1/3の範囲内のシャフト部分18内へ移動できるよう、扉50はシャフトの主要部の外周の外側にあるシャフト18の凹部53内に配置される。
【0039】
プリフォーム49が第1の位置で成形されると、扉50は閉鎖位置へ移動し、コアピン32の下端32aが扉上でシャフト18内に配置されるようにコアピン32が位置する。このようにして、シャフト18の壁とコアピン32の側面との間、及びコアピン32の下側自由端32aと閉鎖したトラップ扉50の対向する上面56との間に、プリフォーム射出成形キャビティが規定される。その後、閉端を有する概して円筒形のプリフォーム49を形成するため、高分子材料がコアピン32とシャフト18との間の空間、及びコアピンと扉50との間の空間に射出される。
【0040】
本実施形態では、材料が加圧下でキャビティを通って流れるよう、装置は射出成形キャビティの上端に位置し58で図示される射出リングゲートを有する。リングゲートは、成形キャビティから等距離にあると共に1又はそれ以上の射出ゲートから供給される環状凹部を含む。リングゲートは成形キャビティより前に充填され、2又はそれ以上の供給路(図示せず)が成形キャビティに材料を案内する。好ましくは、材料が供給路を通って成形キャビティに均一に流入するよう、リングゲートは成形キャビティより上方に配置される。
【0041】
材料が射出されている間にコアピン32が一方又は他方へ移動するのを防ぐため、射出の最初の段階でコアピン32は閉鎖した扉50に接触させられる。射出成形キャビティの側壁が充填されるか又は少なくとも実質的に充填されると、高分子材料がピンの自由端32aと扉50との間の隙間に流入してベース又はプリフォームの閉端を形成するよう、コアピン32は閉鎖した扉50からわずかに離れて引き上げられる。コアピン32の自由端32aと扉50の対向する面56とは、対応して相互に係合する表面外観(surface feature)を有するように形成され、この表面外観は射出成形キャビティ内でコアピン32を実質的に中心に保持するのを助ける。プリフォーム成形キャビティ内でコアピン32を中心に保持するため、他の固定部材装置が用いられることができる。例えば、射出成形の最初の段階でコアピン32に接触させられ、その後にピンによって残された隙間が高分子材料で充填されるように引き込められることができる格納式の固定部材が備えられてもよい。固定部材は止めピンであってもよい。コアピンを固定する他の手段が用いられる場合、又は材料が射出される間のコアピン32の横移動が問題にならない用途では、射出成形の最初の段階の間であってもコアピン32がトラップ扉50から間隔を開けられてもよい。
【0042】
プリフォーム49の射出成形が完了すると、プリフォームがシャフトに沿って中間位置16に移動できるよう、アクチュエータ54はトラップ扉50を開位置へ移動させる。射出成形工程の間、プリフォーム49が中間位置に移動される前に除去されなければならない余分の高分子材料がリングゲート及び供給路に蓄積されるであろう。この余分の材料を除去するため、装置は、射出成形キャビティの上端にスライド可能に配置されるカッター又は裁断機60を有する。図2に最も良く示されるように、カッターは穴62を有するプレート61を含む。空気圧又は他のアクチュエータ63によって、プレート61は、図1に示されるシャフト18と穴62が並ぶ射出位置から、本体の下方に傾斜した孔64の上に穴62が並ぶ除去位置へ移動可能である。カッタープレート61が射出位置にあるとき、コアピン32及び/又はロッド34は、穴62を通って射出成形キャビティへ入り、それを越えることができる。射出工程が完了すると、コアピン32がカッタープレート61の上に引き込められた後の間、プリフォームは冷却される。その後、カッタープレート61は図2に示す位置に移動させられ、余分の材料又は湯口(sprue)を除去し、収集及び再生又は廃棄のため、傾斜孔64に落ちるまでそれを運ぶ。その後、カッター61は射出位置へ戻り、コアピン32が下がってプリフォームに再び係合すると共に開いたトラップ扉50を通ってプリフォームを中間位置16へ押し下げる。
【0043】
余分の高分子材料を除去するため、他の装置が製造されることができる。例えば、ある種の用途では、プリフォームが中間位置16へ移動させられる前にプリフォームからコアピン32を引き抜かないことが好ましいかもしれない。
この場合、コアピン32の周囲に位置する刃先を有する半円形の開口をそれぞれ備えた1対の切断プレートを用い、余分な材料が除去されることができる。コアピンの表面に刃先が接触させられ、又は極めて近接してプリフォームから余分な材料を切断するように、プレートが移動可能である。切断後に余分な材料を除去するため、適切な機構が備えられることができる。これは機械的であってよく、又は吸引若しくは吹き付けを用いて材料が除去されることができる。
【0044】
プリフォーム49が中間工程区域(section)16内の49bで示される位置へ配置されるまで、コアピン32はプリフォーム49を下げる。1対の駆動トラクター66が中間区域16の下端に配置されている。駆動トラクターはそれぞれ、プリフォームを適切な位置に保持するためにプリフォームの外面に軽く接するよう配置される可撓性の駆動ベルト66aを有する。矢印Aの方向にベルトを回転させてプリフォーム49bを中間位置から後で詳述するブロー成形位置14へ移動させるため、各トラクターは制御システムによって作動可能な駆動機構を有する。
【0045】
コアピン32が中間工程位置内でプリフォーム49を位置49bに移動させると、他のプリフォームが成形されるよう、コアピンが射出成形キャビティ内に引っ込んで戻る。プリフォームが中間位置16内に留まるのを確実にするため、装置は、アクチュエータ70(図2にのみ示される)によって移動させられる1対の格納式プリフォーム抜き取り板(stripper plate)68を有し、プリフォーム抜き取り板はコアピン32が引き込まれる前にプリフォーム49b上のコアピン32に接触する。これは、プリフォーム49bがコアピン32と共に射出成形キャビティに戻ることを防止する。プリフォームが射出成形位置から中間位置へ移動するときはいつでも、抜き取り板68はシャフト18を塞がないように引き込まれることができる。
【0046】
本実施形態では、中間位置は、ブロー成形位置に入る前にプリフォームが保持される安定位置又は冷却位置である。射出成形後、プリフォームの内面及び外面の間にはしばしば温度勾配が存在する。ブローされる前にプリフォーム内の材料の温度を完全に正常化させることが有利であることが知られている。プリフォームがブローされる前に、プリフォームの温度を射出成形直後の温度から直ちに下げることも好ましいことが多い。一般的にいえば、プリフォームの壁部が厚いほど、許容できる範囲内で正常化するには時間がかかる。冷却時間も、同一の材料で製造されるが壁部がより薄い同等のプリフォームに比べて通常は長い。
【0047】
下側の位置14は、ボルスタープレート22の対応する凹部がブロー成形キャビティ26を規定するブロー成形位置である。ブロー成形位置14と中間位置16との間には、プリフォームがブローされる時、シャフト18の残部からブロー成形キャビティを閉鎖するための第2の閉鎖装置として作動するブローピンスライドユニット72が存在する。ユニット72は空気圧又は他のアクチュエータ73に接続される本体を含み、アクチュエータは図1に示される移動位置と図2に示されるブロー成形位置との間でユニットを移動させる。本体は貫通孔74を含み、貫通孔は実質的にシャフト18と同一直径であると共に本体が移動位置にある時にシャフトと並ぶ。この位置でトラクターユニット66は、中間位置内のプリフォーム49bを、孔74を通ってブロー成形キャビティ26に駆動することができる。
【0048】
ブローピンスライドユニット72の本体は、本体の下面に開く環状凹部75をも有する。凹部75は孔74から横方向にオフセットされ、ブローピンピストン76を収容する。ピストンは、凹部の側壁に密封して係合すると共に、ピストン76から下方に突出する小径のブローピン部77を運ぶ。示されるように上方の引っ込んだ位置と、下方の伸ばされた位置との間でブローピン部77を移動させるため、ピストン76は凹部内で上下に移動可能であり、この伸ばされた位置では、ユニット72がブロー成形位置にある時にブローピンがブロー成形キャビティ内でプリフォームの頸部に係合する。1対のダクト78、79は、それぞれピストン76の上部及び下部で凹部75と連通し、さらに(空気のような)加圧流体源と排気孔に交互に接続され、引っ込んだ位置と伸ばされた位置との間でピストンを動かす。ピストンの上部で凹部と連通する第1のダクト78は、ブローピンスライドユニット72の本体に形成される。ピストンの下方で凹部と連通する第2のダクト79は、ボルスタープレート22の一方又は両方に形成される。
【0049】
第3のダクト80は、ブローピンスライドユニットの本体を通って延びると共に、ピストン76が伸ばされた位置にある時にブローピンピストン内で追加ダクト81と並ぶ。第3のダクト80は窒素又は空気のような加圧流体源と接続可能であり、プリフォームをブロー成形キャビティ内で膨張させるため、この加圧流体は追加ダクト81を通ってプリフォーム内部に供給される。
【0050】
シャフト18に沿ってプリフォームを移動するための他の機構が提供されることができる。例えば、プリフォームを載置する(rest on)ためにシャフト18内に延ばされる、1又はそれ以上の引き込み式の迫台(abutment)又は出っ張り部材が提供されてもよい。プリフォームがブロー成形位置14内に移動させられると、プリフォームが重量の影響下でブロー成形キャビティに落下するよう、出っ張り部材が引き込まれる。1又はそれ以上の引き込み式の迫台又は出っ張り部材は、溝又は凹部に引き込まれて最初の位置に戻る前にプリフォームを案内するよう、シャフトの長さの一部を超えて縦方向に移動するよう配置されることができる。中間位置16でプリフォームを保持するための追加的な迫台を備えるよりは、ブローピンスライドユニット72がブロー成形位置にある時に、ブローピンスライドユニットの上面に載るようにプリフォーム49bが配置されることができる。ユニット72が移動位置に移動させられると、プリフォームは孔74を通ってブロー成形キャビティ26に落下するであろう。
【0051】
装置10の全体の操作がこれから記述される。
【0052】
装置10が最初に起動すると、どの工程位置にもプリフォームが存在せず、装置10は射出成形位置12で最初のプリフォームを成形するよう設定される。従って、トラップ扉50が閉じられると共に、自由端32aが扉に接しつつコアピン32が射出成形キャビティ内に引き上げられる。その後、プリフォーム49が成形され、リングゲート及び供給路の余分の材料が上述のように除去される。最初のプリフォーム49を中間位置16へ移動させるため、トラップ扉50が開かれ、抜き取り板68が引っ込み、さらにコアピン32が下がる。その後、最初のプリフォームが中間の安定位置16に留まる一方で、第2のプリフォームが成形されるよう、抜き取り板68が伸ばされると共にコアピン32が射出成形キャビティ内に後退して引っ込む。
【0053】
第2のプリフォームが成形され、かつ最初のプリフォームがブローされるため十分に安定させられると、最初のプリフォームは駆動トラクター66により、移動位置にあるブローピンユニット72内の孔74を通ってブロー成形キャビティ内に移動させられる。第2のプリフォームは中間位置16に移動させられ、追加のプリフォーム49が成形されるよう、コアピン32が射出成形キャビティ内に引き込まれる。
【0054】
追加のプリフォームが成形される一方、ブロー成形キャビティ26内で最初のプリフォームがブローされる。この目的を達成するため、ブローピンユニット72がブロー成形位置へ移動させられると共に、ブローピン部77が最初のプリフォームの頸部に係合できるよう、加圧空気がピストン76上の第1のダクト78を通って伸ばされた位置へ導入される。その後、加圧流体は、ダクト80及び追加(further)ダクト81を通ってプリフォーム内に導入される。最初のプリフォームが完全に膨張させられると、加圧流体源への第2のダクト79と、排気孔又は他の低圧環境への第1のダクト78とを接続することは、ブローピンピストン76を引っ込めて今ブロー成形された構成材の頸部からブローピンを外す。この段階又は後で、ブローピンスライドユニット72は移動位置に戻されることができる。ブロー成形キャビティ26からブロー成形された構成材を取り除くため、ボルスタープレート22が簡単に分離され、突き出しピン(図示せず)又はいくつかの他の適切な機構を用いて構成材が下方に排出される。通常、射出成形位置でプリフォームが成形された後にボルスタープレート22は分離される。その後、ボルスタープレート22はその後戻されて接触させられ、追加のプリフォームが射出成形位置で成形されるよう、第2のプリフォームがブロー成形位置に移動させられ、第3のプリフォームが中間位置に移動させられる工程が繰り返される。全ての位置が充填されると、工程は周期的に続く。
【0055】
ボルスタープレート22が分離される間、射出成形位置12及び中間位置16内部のプリフォームが空気に曝される。しかし、プリフォームの温度が適切に管理されるよう、プレートは非常に早く分離かつ再結合される。必要であれば、ボルスタープレート22の全てが分離されるよりは、ブローされた物品が排出されるようにブロー成形キャビティを形成するプレートの一部のみが分離されるよう、装置10が変更されることができる。ボルスタープレート22を完全に分離せず、装置のベースを通ってブローされた構成材を排出するための他の装置も、当業者に知られた方法で採用されることができる。
【0056】
装置10の種々の構成が移動させられる正確な順序は、上記したものから当業者に明らかなものに変更可能である。
【0057】
既に述べたように、図1及び図2は1つのボルスタープレート22のみを示す。裁断機62、トラップ扉50、駆動トラクター66、ブローピンスライドユニット72及びそれらのアクチュエータのような、これらの図に示される全ての付加的な設備は、示されるように典型的にはボルスタープレートの一方に取り付けられる。他のボルスタープレートは、示されるプレート22の鏡像コピー(mirror copy)である必要があるが、ボルスタープレート22の隣接面と接して結合することができる付加的な設備が収容され得る適切な凹部を有してもよい。
【0058】
成形装置10が完全に稼動すると、個々の構成材が製造される工程時間は、3つの位置のうち最も遅いサイクル時間によって決定される。例えば、典型的な用途では、プリフォームが射出成形され、安定化され、その後に通常の装置を用いてブローされる全体の工程時間は30秒のオーダーであり、そのうち23秒はプリフォームを安定化させるために必要とされる時間であろう。一旦フル稼動された装置10において、ユニットが製造される当りの工程時間は約23秒であり、これは安定化のためにプリフォームが中間位置16で保持される時間によって影響される。射出成形位置とブロー成形位置との間に2又はそれ以上の中間位置を設けることは、ユニット当りの工程時間をさらに低減させることができる。このようにして、安定化期間が2又はそれ以上の中間位置に分けられることができる。従って上記した例では、射出成形及びブロー成形位置に要求される工程時間がこれ(11.5秒)と等しいか又はこれ以下であるとき、2つの中間位置によって11.5秒毎にブロー成形された構成材を製造することが可能である。最適化されたシステムではサイクル時間は最小限に低減され、それは射出成形又はブロー成形位置の最も遅い方で要求される工程時間によって決定される。
【0059】
最小限の水平方向の断面積を占めるため、装置10の位置群が上下に配置されるとさらに有利である。この配置では、所定の面積当りに組み込み可能な金型の数が最大になる。実際には1つの成形型は、上記したような複数の成形装置又は型(impression)10を解決することが期待される。装置の水平方向の設置面積を低減させ、さらに1つの成形型内に組み込み可能な型の数を増大させるため、トラップ扉50、裁断機62、プリフォーム抜き取り板、及びブローピンスライドユニット72のような種々の移動部分のためのアクチュエータ装置54、63、70、73は、実質的に縦に延びるよう配置されることができる。特定の用途では、2又はそれ以上の隣接する装置10上で構成材を動かすために通常のアクチュエータが配置されてもよい。
【0060】
安定化に必要な時間が全体のサイクル時間の比較的少ない一部である場合、中間位置が省略され、装置10が射出成形位置12及びブロー成形位置14の2つの位置のみを有してもよい。この装置では、プリフォーム49は、2つの位置の間に備えられるコアピン32及び1つの閉鎖部により、射出成形キャビティからブロー成形キャビティへ移動させられることができる。例えば、改変されたスライディングブローピンユニット72は、ブロー成形キャビティを閉鎖する第2の閉鎖装置と射出成形キャビティを閉鎖する第1の閉鎖装置の両方の機能を実行するのに適合することができる。
【0061】
1つのボトルや容器から極めて複雑な構成材まで多くの異なるタイプの構成材を成形するため、上記した装置10は多種様々な方法で改変されることができる。例えば、装置10が延伸ブロー成形の公知の工程を実行するのに適合することができる。プリフォーム49の延伸は、中間位置又はブロー成形キャビティ内部のいずれかで実行されることができる。2つの位置を有する装置では、コアピン32を用い、プリフォームがブロー成形キャビティ内で延伸されることができる。装置が1又はそれ以上の中間位置を有する場合、プリフォームを延伸するためにブロー成形位置14で追加の引き込みピンが備えられる。このことは、延ばされたピンがブロー成形された構成材から引っ込むことができるための室をブロー成形キャビティ上に設けるため、ブロー成形キャビティ26がプリフォーム成形キャビティから横方向にオフセットされることを必要とする。このことは、シャフト18内部に、プリフォームを横方向に動かしてブロー成形キャビティ上に配置するための機構を必要とする。これは、例えばラム機構を含む。プリフォームを延伸するために用いられるピンは、それを通って加圧流体がプリフォーム内に導入される1又はそれ以上のダクトを有するブローピンであってよい。これは例えば、上記したブローピンピストン76及びブローピン77の変形態様を含んでもよい。ブロー成形された物品は一般にプリフォームより幅が広いため、装置全体の幅を広げずにブロー成形キャビティがオフセットされることが要求される。
【0062】
他の代替装置では、ピンでなく加圧流体を用いてプリフォームが延伸されてもよい。1つの装置では、加圧流体がプリフォームに導入されたとき、プリフォームが所定の長さになるまで主に縦方向に延びるよう規制されるよう、ブロー成形キャビティ内でプリフォームの外側への延伸を制限するためプリフォームを囲むように延びることができる管状部材をブロー成形位置が含む。このとき、プリフォームが膨張成形キャビティ(expansion mould cavity)へ向かって外側に膨張できるよう、管が引き込まれることができる。管状部材がブロー成形位置のベースから下方に引き込まれることが好ましい。
【0063】
又、前段階で成形された第1の高分子材料の上に追加的な高分子材料が外側被覆(over moulded)される2回射出(bi-injection)タイプの成形タイプ工程を実行するため、装置10が改変されてもよい。第1及び追加的な高分子材料は同一であっても異なる材料であってもよい。例えば、外側被覆される材料は、第1の材料に対して異なる色からなっていてもよい。2回射出成形は、プリフォーム成形位置12、ブロー成形位置14、及び/又は1若しくはそれ以上の中間処理位置16の内部で実行されることができる。例えば、キャップ又は蓋を有するボトル又は他の容器を成形する場合、プリフォームがブロー成形キャビティ内にある時に、キャップがプリフォームの頸部上に成形されることができる。このようにして、キャップの型は、ボルスタープレート22又はブローピンユニット72と、溶融高分子材料を型に導入するために設けられる手段とに組込み可能である。プリフォーム49cがブローされている時にキャップの成形が実行されることが有利であるが、その前又は後で実行されてもよい。同様にして他の機構がプリフォームの頸部上に成形されることができ、又は第2の材料がキャップ上若しくはプリフォーム内に外側被覆されてもよい。
【0064】
さらなる改変では、プリフォーム管の壁をより薄くすることができるよう、プリフォーム管の内面にリブを形成するためにコア32の表面に溝が設けられても良い。コア内の溝からより簡単にリブが除去されるよう、プリフォームが延伸された時にリブが薄くなる。
【0065】
特定の用途では、同一又は異なる材料からなる多層を含む積層プリフォームを製造するのが好ましい。この配置は、例えばボトル又は他の容器を形成するために用いられる材料の透過性によって生じる問題を克服するために用いられる。この特有の例は、ボトルの材料を通してガスを常に放出する炭酸飲料のボトルである。この問題は、2又はそれ以上の管であるプラスチックを共押出しすることで生成されるバリアライニング(barrier lining)の使用によって、従来技術で解決されている。2つのプラスチックが互いにつながり、一方のプラスチックがボトルの透過性を低減するバリアライニングを形成するプリフォームを作るよう、管の一端が切断される。
【0066】
複数の層、内壁、及び多数の他の特徴を有するプリフォームを成形するため、プリフォーム射出成形位置12が様々に改変されることができる。特に、プリフォーム成形位置12は、本出願人の同時係属の国際特許出願PCT/GB2006/002751に開示された配置に従うプリフォームを成形するのに適することができる。このようにして、プリフォーム成形位置12は、プリフォームの第1層を形成する高分子材料が注入される射出成形キャビティを規定するため、コアピン32又は他の移動可能な型部材に所定の位置で間隔を開けて延ばされる1又はそれ以上の移動可能な型部材を含むことができる。プリフォームの追加層を形成する追加の高分子材料が注入される少なくとも1つの追加の射出成形キャビティを規定するため、1又はそれ以上の型部材がさらなる位置へ引っ込み又は移動させられる。
【0067】
図4は、高分子材料からなる内層85及び外層86の2層を有するプリフォーム49’を製造するのに適した装置10’の典型的な実施形態を示す。
【0068】
改変された装置は、コアピン32の回りに位置する筒状成形部材又はスリーブ87を有する。スリーブの上端は、シャフト18内でスリーブを上下に移動させるための一般に88で示される機構によって支持される。機構88は、上板38又は他の何らかの固定された構成部材に取り付けられるサーボモータ89を含む。2つの送りネジ90は、スリーブ87の上端が置かれる追加板91の上面に取り付けられる。追加板91を移動させるため、1対のリサーキュレーティングボールナットを介してモータ89が送りネジ90を駆動し、従ってスリーブ87が制御システムの制御下で上下する。追加板91は、その移動をガイドするロッド40が通る孔を有してもよい。スリーブ87の外径は、外層86の所定厚みの差でシャフト18の内面から間隔を開けている。一方、コアピン32の外面はスリーブ内でぴったりと滑り嵌めされている。
【0069】
プリフォーム成形位置12は、プリフォーム49’の外層86を形成するために注入される第1の材料が通る第1の下部ゲート58と、プリフォームの内層85を形成するために注入される第2の高分子材料が通りつつ第1の下部ゲートより高い第2のゲート58’との2つの射出ゲートを有する。カッター60は増加する厚みのカッタープレート61を有し、カッタープレートはプリフォームが射出された後に両ゲートから余分な材料又は湯口を除去するよう配置されている。
【0070】
装置10’の改変された実施形態の操作がこれから記述される。
【0071】
トラップ扉50が閉鎖すると同時に、閉鎖されたトラップ扉50の上の射出成形キャビティ内部にコアピン32及びスリーブ87の両方が配置される。好ましい配置では、材料が注入された時にそれらが横方向に移動する傾向を低減するよう適所に固定されるように、スリーブ87及びコアピン32の一方又は両方が最初にトラップ扉50に係合する。構成材が記載された位置にある状態で、環状のキャビティがシャフト18の壁及びスリーブ87の外面の間に規定され、このキャビティ内にプリフォーム49’の外層86の側壁部を形成するための第1の材料が注入される。側壁部が満たされ又は実質的に満たされると、第1の高分子材料がトラップ扉50、コアピン32の自由端、及びスリーブ87の間を流れてプリフォームの外層86のベース部を形成するよう、コアピン32及びスリーブ87が閉鎖されたトラップ扉から間隔を開けて上方に移動させられる。
【0072】
代替の配置では、ベース部を形成するため、トラップ扉50がスリーブ87及びコアピン32の端から下方へ移動するように配置される。さらなる代替の配置では、最初にコアピン32のみがトラップ扉に係合すると共に、最初からベース部の所定厚みの差でスリーブ87がトラップ扉から間隔を開けていてもよい。コアピン32がスリーブ87内でぴったりと滑り嵌めされているため、ピン32とトラップ扉50との間の係合は、コアピン32とスリーブ87の両方を適所に固定する。コアピン32及び/又はスリーブ87の固定のための代替の配置が提供される場合、又はピン32とスリーブ87の横方向移動が問題ではない場合、射出成形工程の開始時にスリーブ87及びコアピン32がトラップ扉から間隔を開けていてもよいことはまた理解されるだろう。
【0073】
第1の外層86が形成されると、スリーブ87は射出成形キャビティから上部射出ゲート58’の上方に移動させられる。これは、内層又はライニング85を形成するため、コアピン32の外面と外層86の間の環状キャビティに上部射出ゲート58’を通って第2の材料が注入されることを許容する。最初に、内層85の側壁部を形成するために第2の材料が注入される間、コアピン32は外層のベース部に依然として接触し、それをしっかりと保持する。内層の側壁が満たされ又は実質的に満たされると、形成された隙間に第2の高分子材料が流れて内層85のベース部を形成するのを許容するため、外層のベース部から間隔を開けられるようにコアピン32が上方に引っ込む。
【0074】
内層85が注入された後、プリフォーム49’が冷却される。その後、コアピン32は、第1の実施形態に関して上述したのと同様な方法で両ゲート58、58’から余分な材料又は湯口を除去するためにアクチュエータ63によって横切って移動させられるカッタープレート61の上方に引っ込む。図4に示されないが、装置10’は、それを通って余分な材料が落下する第1の実施形態のシャフト64と同様な傾斜したシャフトを有してもよい。孔62をシャフト18と整列させるようにカッタープレート61が後ろへ移動すると、コアピン32がプリフォーム49’内に後退して戻り、トラップ扉50が開き、さらにコアピン32はプリフォームを更なる処理位置16へ押し込む。その後、第1の実施形態に関して上述したのと同様な方法で、装置が操作される。ブロー成形位置では、両層が完全に膨張し、又は以下により詳細に議論されるように内層のみが部分的に膨張するか、又は実際に全く膨張しない。
【0075】
上記したように、改変された成形装置10’は、一方が他のキャップの上に形成される2つ層85,86を有するプリフォームを製造する。当業者であれば、2又はそれ以上のスリーブ87を用いることにより、3、4、5,6又はそれ以上の層を有するプリフォームを製造できることが容易に理解されるであろう。又、追加のスリーブを用いることにより、あらゆる2つの隣接する層の側壁の間に隙間が形成されるがそこにベース部が接触するプリフォームを生成するよう、装置10’が配置されることができることも理解されるであろう。以前の実施形態に関して上述のものと同様な方法で、ブロー成形段階に先立ち又はその間に、積層プリフォーム49’が延伸されてもよい。
【0076】
これから、本発明に従って手動で作動するポンプディスペンサーの幾つかの実施形態の記述に続く。実施形態のそれぞれと同一か又は同様な機能を果たす機構を指定するため、同一の参照数字が用いられる。
【0077】
明細書及び請求の範囲に用いられる上方の、上方に、頂上、下方、及び底部などのような相対語は、添付の図に示されるようにディスペンサーが直立して配置された時にディスペンサー及びその種々の部分に関係する。ディスペンサーが他の方向に保持されてもよく、そのような用語がそれに応じて解釈されるべきであることは理解されるであろう。
【0078】
図5〜図11は、本発明に従って手動で作動するポンプディスペンサー110の第1の実施形態を示す。ディスペンサー110は、容器112、作動キャップ114及び弾性的に撓みやすい挿入部116の3つの構成部品を有する。
【0079】
容器は、分注される流体を収容する本体118と、ディスペンサーポンプの第1の部分又はベース部を形成する開口した頸部120とを有する。キャップ114は頸部120に取り付けられ、ディスペンサーポンプの第2の部分又は上部を形成する。可撓性の挿入部116は、キャップ114と頸部120との間に取り付けられて主ポンプチャンバー122を規定すると共に、この実施形態では第2のポンプチャンバー123を規定する。
【0080】
容器112及びキャップ114は、後で詳細に議論される射出及び/又はブロー成形技術を用い、ポリエチレン、ポリエチレン(polythene)又は同種のもののような高分子材料から形成されるのが好ましい。可撓性の挿入部116も、射出成形によって高分子材料から形成されてもよい。典型的に、挿入部116はTPV,TPE,PP、シリコン又は同種のもののような、一旦成形されると弾性的に撓み続ける材料から形成される。しかしながら、可撓部分が外側被覆されるそれより硬質な材料の芯又は骨格を有するため、2回射出技術を用いて可撓性の挿入部が製造されてもよい。このことは、さらなる強度を提供する。典型的には容器のキャップ114及び少なくとも頸部120は、一旦成形されると実質的に硬質であるか、又は可撓性の挿入部と比較したときに少なくとも実質的に硬質の材料から形成される。容器の本体118も成形後に実質的に硬質であるか、又は柔軟であってもよい。
【0081】
容器112の頸部120は形状が実質的に環状であり、かつ頸部120はその外面の周りに延びると共に下部120bから頸部の上部120aを分離する隆起部124を有する。上部120aは下部120bよりわずかに小さい外径を有する。そのうちの一方のみが見られるが、2つの直径方向に対向する溝126が隆起部124を通って下部120bまで長手方向に延びる。隆起部124に隣接し、止め具128、130の2つの対が上部120aの外面から径方向外側に突出する。止め具128の第1の対はそれぞれの溝126に隣接して配置され、一方で止め具130の他の対は第1の対に対して約90度で並ぶ。
【0082】
以下により詳細に記述するように、可撓性の挿入部116を支持するため、頸部120の上端は内側に曲がるフランジ132を有する。以下に同様により詳細に記述するように、容器の空気吸入口を提供するため、小孔134が頸部の壁を通って延びる。
【0083】
キャップ114は、容器の頸部120を収容する環状の本体部136を有する。取付け後に頸部120からキャップ114が誤って外されるのを防止するため、本体の下端には、容器の頸部表面の隆起部124と協同するために内側に向くフランジ138が形成されている。装置は、フランジ138が隆起部124を横切って隆起部の下面に係合するよう、キャップ114が頸部120に押し付けられるようになっている。通常の使用では、図1に示すように頸部120に対するキャップ114の上方への移動は、フランジ138と隆起部124との間の接触によって上部静止位置に限定される。
【0084】
キャップの本体部136の内面から半径方向内側に向かい、直径方向に対向する縦方向の1対の固定タブ140が突出する。図1に示すようにキャップ114がその上部静止位置に存在するとき、頸部120上の環状の隆起部124の上面に丁度位置するよう、タブ140の下端142が配置される。この位置でキャップ114は、タブ140が頸部上の止め具130の第2の対に隣接する固定された位置と、タブ140が止め具128の第1の対に隣接する固定されない位置との間でねじられる。キャップ114が固定された位置にある時、タブ140が頸部上の隆起部124の上面に接するので、キャップが押し下げられることが防止される。しかしながら、キャップ114が固定されない位置にある時、タブ140が溝126と並び、タブ140が溝126に入って溝に沿って滑りながら、キャップ114が図2に示す位置へ押し下げられることができる。このことは、誤った作動に対して使用者がディスペンサー10をロック可能にする簡単なねじり固定機構を提供する。誤った作動に対してキャップを固定する、あらゆる他の適切な手段が用いられることができる。
【0085】
出口144がキャップ114の上部に形成される。図5〜図7において、出口は、ペースト、ジェル又は泡を分注するのに適する大きな内部出口流路146を有する楕円形の断面形を持つ細長い噴出口の形状に形成されている。その一方、図8〜図11に示される出口144’は、液体を霧状スプレーとして分注するのに適した噴霧ノズルを内蔵する。用途及び分注される流体の種類により、出口144が多数の手段で改変可能なことは当業者に理解されるであろう。例えば、本実施形態では、ディスペンサーが直立した位置の時に水平に延びるよう、出口144は容器112の縦軸に概ね垂直に向いている。しかしながら、ディスペンサーが直立した位置の時に、又は実際にあらゆる所定の角度の時に上方に突出するよう、出口144が容器の縦軸に水平に延びるように配置されてもよい。
【0086】
出口144’が噴霧ノズルの形状である場合、当業者に知られた方法で液体がオリフィスの軸の周りに回転するのを促進するよう、最終出口オリフィスのちょうど手前に渦チャンバー又は他の装置が備えられてもよい。
【0087】
図8〜図11に最もよく示されるように、キャップ114の上面は、内側に突出するカラー148を有する。2つの環状壁の間に環状チャンネル154を規定するため、カラー148は第1の径方向内側環状壁150と第2の径方向外側環状壁152とを有し、第1の径方向内側環状壁は外端又は上端で第2の径方向外側環状壁に接続されている。截頭円錐状部158によって内側環状壁150の内端又は下端が中央ボタン156に接続される一方、第2の環状壁の内端又は下端は本体部136に接続されている。外側環状壁152と本体部136との接合部位で、キャップ114の内面の周りに溝160が形成される。
【0088】
前記したように、図8〜図11に示される出口144’は、液体の霧状スプレーを生成するよう構成されたノズルを有する。出口144’は、短い環状の噴出口162、噴出口内の中央に位置する概ね円形の突部164、及び突部の周りで噴出口内に位置する後端キャップ又はスプレー挿入部166を含む。挿入部166は噴出口162にぴったり嵌るものの、液体の流路を形成するよう、挿入部の内面が突部の外面から空間を開けている。挿入部の端壁168は、それを通って液体が放出されて霧状スプレーを形成する少なくとも1つの微小なオリフィス又はノズル170を有する。図示しない代替の装置では、円形の突部が省略され、噴出口に取り付けられる挿入部又はキャップ内の他の開口によって出口ノズルが形成される。
【0089】
本実施形態では、ディスペンサー100は、容器から液体をくみ上げる主ポンプチャンバー122と、液体と混合するために出口ノズルに加圧空気を供給する第2チャンバー123との2つのポンプチャンバーを有する。第1の開口172は、第1及び第2の環状壁150、152の間の環状空間154と出口噴出口162の内部とを流体接続し、この開口は主ポンプチャンバー122からの液体の出口流路の一部を形成する。第2の開口174は、出口噴出口162の内部と第2のポンプチャンバー123とを流体接続し、第2のポンプチャンバーからの空気が出口に入って液体と混合することを可能とする。当業者に知られる方法で、液体と空気が出口オリフィス170の軸の周りに回転するように案内される渦チャンバーを形成するよう、突部の端面164a及び/又は挿入部の端壁168の内面が形成されてもよい。空気と液体とは、渦チャンバーに入る前は出口内部で分離されていてもよい。このことは、例えば挿入部166の内面及び/又は突部164の外面に、液体と空気の分離した流路を形成するための溝及び/又は凹部を形成することで実現することができる。
【0090】
スプレー挿入部166は、好ましくはキャップ114と同一の金型内で成形され、図9に示すような可撓性の引き綱166aによってキャップと接続されている。この配置は、1つの構成部品を事実上形成するようにキャップ114と挿入部166が結びつけられるので、ディスペンサーの組み立てに役立つ。
【0091】
可撓性の挿入部116は、中心コア176と、コアを通って縦方向に延びる中心孔178とを有する。孔178の内端又は下端は、浸漬管180の上端部に位置するのに適合する拡径部178aを有する。浸漬管180は容器112の底へ向かって延び、公知の方法で容器の内容物が分注されるのを可能とする。拡径部178aの表面に微小な隆起部178bが設けられている。隆起部178bは浸漬管180の外面に接し、Oリングと同様な点接触シールを形成する。
【0092】
後にさらに詳細に記述されるように、本実施形態では浸漬管180は容器と一体に形成される。浸漬管の下端は、それを通って流体が中心孔182に流れる開口を有する。図示しないが、容器の底部は、浸漬管の下端が位置する容器の中央に向かって下方に曲がっている。この配置は、ディスペンサーが直立に配置された時に、実質的に容器内の全ての流体が分注されることを確実にする。浸漬管180が容器の一体部分であることが好ましいものの、公知の方法で浸漬管が分離した部分であってもおいことは理解されるであろう。
【0093】
可撓性の挿入部116は二重鐘(double bell)状に形成される。第1の上部鐘状部又はダイアフラム部材184はキャップ114の内面に接し、主ポンプチャンバー122を規定する。第2の下部鐘状部又はダイアフラム部材186は主コアから外側に延び、容器の頸部120に接してシールする。第2のポンプチャンバー123は、キャップ114内で上部鐘状部184及び下部鐘状部186の間に規定される。
【0094】
上部鐘状部184は、コア176の上端からキャップの本体部136の内面に向かい上側及び外側に突出する截頭円錐状部184aと、截頭円錐状の上端から延びてカラー148の内側環状壁150の外面に接する管状部184bとを含む。截頭円錐状部184aと管状部184bとの間の接合部位で、第1の鐘の外面の周りに半円形のシール184cが形成される。シール184cは溝160内に係合してシールする。管状部184bは弾性的に付勢されて内側環状壁150の外面に係合し、主ポンプチャンバー122を出口144から分離するシールを形成する。管状部184bは、主チャンバー122からの液体の放出を制御する可撓性バルブ部材として作動する。
【0095】
可撓性の挿入部は、浸漬管から主ポンプチャンバー122へ入る液体の流れを制御する一方向入口バルブ185も形成する。バルブ185はあらゆる適切な形状であることができ、例えばフラップバルブ又はカモノハシ(duckbill)バルブを含むことができる。
【0096】
下部鐘状部186は、容器112の頸部120に向かい径方向外側に突出する肩部186aと、頸部120の内部に延びてシールする下方に延びたスカート186bとを有する。下部鐘状部186の截頭円錐状の外面が頸部のフランジ132上に置かれる一方、スカートの傾斜した突起部186cがフランジ132下方の切り込み(undercut)に係合する。このことは、容器112の頸部120に可撓性の挿入部116をしっかりと固定する。スカートのさらなる截頭円錐状延長部186dが頸部120の内面に係合して点シールを形成する。延長部は空気取入口134より下の地点で頸部に接し、空気が容器内に入ることを許容するバルブとして作動する。内容物が使い切られるにつれて容器内の圧力が大気より低下すると、延長部186dが頸部120の表面から離れ、大気が容器に入ることを許容する。他の全ての時間では延長部186dは頸部に接し、空気取入口134及び頸部自身を通って液体が漏れることを防止するシールを形成する。
【0097】
下部鐘状部は上方に延びてキャップ114の本体部136の内面に接してシールする追加の截頭円錐状延長部186eを有し、この截頭円錐状延長部は上部及び下部鐘状部184、186とキャップ114との間に第2のポンプチャンバー123を規定する。追加の截頭円錐状延長部186eは可撓性であり、ディスペンサーの各動作の後で第2のチャンバーに大気を導入することを許容する一方向バルブとして作動する。
【0098】
特に図10及び図11を参照し、ディスペンサー110の操作がこれから記述される。図10及び図11に示すディスペンサーは、主ポンプチャンバーの入口バルブ185がアヒル(duck)又はファート(fart)タイプの形状のバルブ185である、変更された可撓性の挿入部116を有する。このタイプの入口バルブ185は、スリット185aを有する閉口を備えた管を含む。可撓性の挿入部116が以下の各動作へ戻るにつれて主ポンプチャンバー122内の圧力が低下すると、スリット185aが開かれ、チャンバー内に液体が吸い込まれるのを許容する。さらなる改変では、下方切り込みに係合する突起部186aの代わりに、一連のフィン188によって可撓性の挿入部116が容器の頸部120内に保持される。容器の頸部120内で下方切り込みを除くことは、成形を容易にする。これらの違いの他は、図10及び図11に示されるディスペンサー110は、図5〜図9に示されるディスペンサーと同様な方法で構成されかつ動作する。
【0099】
主ポンプチャンバー122及び第2のポンプチャンバー123がそれぞれ液体及び空気で完全に充填されたと仮定すると、キャップを固定されない位置へ回して押下げることにより、使用者はディスペンサーの動作を開始する。キャップ114が押下げられると、可撓性の挿入部の上部鐘状部184の円錐部184aが下方に屈折され、主ポンプチャンバー122及び第2のポンプチャンバーの体積が減少する。これは主ポンプチャンバー122内の液体の圧力の上昇、及び第2のポンプチャンバー123内の空気の圧力の上昇をもたらす。液体は非圧縮性であるため、第2のポンプチャンバー123の体積を低減するために最初に円錐部184aが下方に屈折されても、主ポンプチャンバー122の体積は少ししか変化しない。
【0100】
主チャンバー122内の液体の圧力の増大は、入口バルブ185が閉鎖し続けることを確実にするよう作用し、かつ上部鐘状部184の管状部184bに作用する。主ポンプチャンバー122内の圧力が所定レベルに到達すると、圧力下で液体がカラーの内側及び外側環状壁150、152の間の環状チャンネル154内へ流れ、それから開口172を通って出口144へ流れるよう、管状部184bがカラー148の内側環状壁150から離れて付勢される。このように管状部184bは、所望のスプレー品質を作り出すのに適した所定の動作圧力に到達した時に液体が主ポンプチャンバー122から出口144へのみ流れるのを確実にする、予備圧縮(pre-compression)出口バルブとして作動する。出口予備圧縮バルブ184bが開く圧力は、可撓性の挿入部116を形成するのに使用された材料の特性及び管状部184bの厚みによって決められる。適切な材料と厚みを選択することにより、設計者はあらゆる特定の用途について適切なバルブの開圧力を決定することができる。
【0101】
同時に、第2のチャンバー123内の空気の圧力の増大は、下部鐘状部の追加の截頭円錐状延長部186eに作用してキャップ114の本体部136の壁にしっかりと押し付け、密閉したシールを形成する。図10に示されるように、第2のチャンバー123を出口144に接続する開口174は、通常は可撓性の挿入部190の一部によって閉じられ、可撓性の挿入部は、上記した管状部184bのそれと同様な方法で第2のポンプチャンバー123の予備圧縮出口バルブ部材として作動する。このように、空気の圧力が所定の値に到達すると、開口174を閉塞する可撓性の挿入部190の一部は、空気が出口144に入るのを許容するよう移動する。主及び第2のチャンバー122、123の出口バルブは、同一の所定圧力又は異なる圧力で開くように準備されてもよい。例えば、液体よりわずかに早く、空気が出口に入ることを許容されてもよい。
【0102】
図11に示すように、ポンプチャンバーの出口バルブが一旦開くと、出口オリフィス170を通って出る前に液体と空気が混合され、霧状スプレーとしてそれらが出口を通って流れ続けるよう、使用者はキャップ114を押し続けてさらにチャンバーの体積を減少させる。一旦キャップが完全に押し下げられ、又は使用者がキャップ114を押すのを停止すると、ポンプチャンバー122、123内の圧力が低下して出口バルブ184b、190が閉じる。
【0103】
使用者がキャップ114から作動力を取り除くと、可撓性の挿入部116の弾性力と、特に上部鐘状部184の弾性力とがキャップ114を静止位置に向かって付勢する。キャップ114が自身の静止位置に後退されるにつれて、主及び第2のチャンバー122,123の体積が増大し、チャンバー内の圧力が低下して部分的減圧を形成する。主ポンプチャンバー122内の圧力が所定値へ低下すると、入口バルブ185が開いて液体の新たな分量がチャンバーに引き込まれる。第2のポンプチャンバー123内の低下した圧力が、大気に下部鐘状部の追加の截頭円錐状延長部186eをキャップ114の壁から押しのけさせるにつれて、空気の新たな分量が入ることも許容される。キャップ114が完全に自身の静止位置に戻る時までに、さらなる作動に備えて主及び第2のポンプチャンバーの両方が完全に満たされる。使用者はキャップ114を押して再びさらなる液体を分注するか、又は保管のため固定された位置へキャップを捻ることができる。
【0104】
それによりキャップ114が静止位置へ付勢して戻されるスプリング力を増大させるため、補強リブ又は支柱を追加することにより、可撓性の挿入部116と、特に上部鐘状部184とが補強されることができる。図11は、中間作動(mid-actuation)においてキャップ114が自身の完全に押し下げられた位置に達した時のディスペンサーを示す。主ポンプチャンバー122から出口144へ流路を開くため、挿入部の管状部184bがカラー148の内側環状壁150から離れるように曲がることが示される。第2のポンプチャンバーから第2の開口174を通って出口144へ流路を開くため、可撓性の挿入部190も又、曲げられる。キャップ114が完全に押し下げられた時に、ポンプチャンバー122、123のデッドスペースが最小になるようにディスペンサーが設計されていることは留意すべきである。
【0105】
本発明に従うディスペンサー110は、あらゆる適切な方法と装置を用いて製造されることができる。しかし、容器のプリフォームが上部位置12で射出成形され下部位置14でブローされる状態で、図1〜図4に関して上記した積層射出/ブロー成形装置及び方法を用い、容器116及びキャップ114が費用効果的に製造されることができる。容器の頸部120は、上部位置12で成形されるか、又はブロー成形段階の間に下部位置14で成形されてもよい。場合によっては、頸部の一部が上部位置で成形される一方、付加的な特徴が下部位置で加えられる。キャップ114は、割型内の適切な型彫(impression)と共に、下部位置14で射出成形されることもできる。出口144が噴霧ノズル挿入部166を含む場合、これはキャップと共に下部位置で成形されることもできる。可撓性の挿入部116は通常、別の射出成形装置で製造されてディスペンサーに取り付けられる。図7に示されるように、挿入部は最初にキャップ114に取り付けられ、それからキャップが容器の頸部120に押し付けられ、可撓性の挿入部116が頸部120に係合するよう、キャップが完全に押し下げられる。ディスペンサーはその後に呼び水を差される(primed)。
【0106】
要求される金型スペースを低減するため、キャップ114の金型は通常、容器112のブロー成形キャビティの肩部の上に配置される。このことは、1つの金型で製造できるユニットの数を最大にすることを可能とする。多くの用途では、容器の本体118は図に示されるより大きく、かつ側面より正面又は背面から見た方が広幅になるよう、水平方向の断面が非円形(例えば、卵形(oval)又は楕円形)を有していてもよい。この場合、容器のブロー成形キャビティの上に配置されるキャップ114の全ての金型のために十分な空間がある。しかしながら、容器が小さいか又は円形であっても、容器及びキャップの金型の全設置面積を最小にするようにキャップの金型が配置されることができる。
【0107】
本実施形態では、キャップ114は、キャップを容器112と接続する可撓性の引き綱192と共に成形される。このことは組み立て工程を最小にし、かつ製造及び管理(制御)される必要がある分離した部品の全体数を低減するので好ましい。しかしながら、引き綱は省略されてもよい。キャップ114が容器112に嵌合されるのを可能にし、かつ挿入部を取り付けるのが容易になるよう、容器付近でキャップ114が垂直に逆さまにひっくり返るのを可能にするため、引き綱は柔軟である。挿入部116が取り付けられた時にキャップが容器の肩部又は側壁に存在するよう、キャップ114及び引き綱192が配置されることができる。
【0108】
図12及び図13は、引き綱192がねじられるのに適する、変更されたディスペンサー110を示す。図12に示すように、この配置は、底面が分離した成形金型(mould tool)の一部分で製造され上側が金型の他の部分で製造された状態で、キャップ114が水平に成形されるのを可能とするので有益である。この配置では出口噴出口144が垂直に延び、それは引き込みピンを用いて成形されることができる。図13に示すように、容器112とキャップ114とが金型から取り除かれると、容器付近でキャップ114が逆さまにひっくり返るのを可能にするために引き綱をねじる。ねじれを生じさせるよう、異なる角度の一連の孔193で引き綱192が形成されている。キャップ114が容器112に取り付けられた後、又はディスペンサーの最初の使用時に容易に除去できるよう、この実施形態及び全ての実施形態における引き綱192は壊れ易い環によってキャップ114及び容器112に接続された状態で製造されることができる。
【0109】
キャップが容器と共に成形され、かつ引き綱によって接続されることが有利である一方、キャップが容器と別個に成形されてもよいことは理解されるであろう。図4に示される改変された成形装置10’に関して上記したように、多層を有するプリフォームを製造することにより、浸漬管180が容器と一体に成形されることができる。この場合、浸漬管はプリフォームの内層から形成される。プリフォームがブローされると、外層のみが膨張して容器112の本体を形成する一方で、内層は膨張しないか又はさらに大きさを減じられて浸漬管180を形成する。浸漬管180の底部の入口穴は、その内側に浸漬管層が成形されているスリーブの一部を上昇させ、浸漬管層の底部を通る穴を破裂させるために浸漬管内へ空気を吹き込むことによって形成されることができる。容器112が満たされた時に管が満たされるような一体浸漬管180を有することは有利である。このことは、必要とされる呼び水の量を低減する。
【0110】
多くの用途では、容器112に対して異なる色でキャップ114を製造することが好ましい。これは、上記した装置10、10’を用い、所望の顔料(colour)をシリンダ(barrel)内で混合せずに、キャップ114及び容器112の一方又は両方の湯道(runner)に顔料を供給することによって実現されることができる。このようにして、あらゆる所望の色の組み合わせを作り出すことができる。
【0111】
記述されたディスペンサー110は、種々の方法で変更されることができる。例えば、出口ノズル144で空気を液体と混合する必要がない場合、第2のポンプチャンバー123が省略されることができる。この場合、下部鐘状部186は追加の截頭円錐状延長部186eを備える必要はなく、さらに出口144へ入る第2の開口174も省略されることができる。その代わり、2つの液体を分注するのが要求される場合、各部分の内部に延びる浸漬管180を備えた内壁により、容器112が2つに分割されることができる。この配置では、一の浸漬管が主ポンプチャンバー122に流体接続し、他が第2のポンプチャンバー123に流体接続し、さらに各浸漬管の入口バルブを形成するよう、可撓性部分116が変更される。2つの液体を分注する2つのチャンバーをディスペンサーが有する場合、2つの液体はノズルで混合されることができ、又はディスペンサーノズルの外部で空気中で混合されるよう、それらが別の出口を通って案内されることができる。
【0112】
図14及び図15は1つのポンプチャンバー122のみを有するディスペンサー110の実施形態を示す。この実施形態において可撓性の挿入部116は、一連のフィン188によって容器の頸部120内に保持され、ポンプの入口バルブ185がアヒル(duck)又はファート(fart)バルブの形状である点で、図10及び図11に関して上記したものと同様である。この実施形態は第2のポンプチャンバーを有しないため、可撓性の挿入部116の追加の截頭円錐状延長部186eは除かれる。
【0113】
さらなる変更されたディスペンサーの実施形態10が図16に示される。この実施形態は、図10及び図11に関して上記したものと同様であり、主ポンプチャンバー122にアヒル(duck)又はファート(fart)型の入口バルブ185を含む。さらなる変更は、上部鐘状部184をキャップ114に取り付ける方法を含む。先の実施形態にあるように溝160に係合する半円形シール184cを有するのでなく、上部鐘状部184は、截頭円錐状部184aと管状部184bとの間の接合部位で、キャップの内側及び外側環状壁150、152内の凹部の間に延びると共に該凹部に保持される厚み増大部184dを有する。出口バルブとして作動する管状部184bが外側に曲がった時に内側及び外側壁の間の環状チャンネル154に液体が流入することができる開口194が、内壁150を貫通して設けられる。
【0114】
本発明に従うディスペンサーは、引き金式アクチュエータを組み込むように変形されることができる。これは、容器の頸部120にヒンジ構造を追加し、ヒンジ構造に取り付けられてキャップ114に嵌合される分離した引き金式アクチュエータを備えることで実現されることができる。アクチュエータは、それを通して出口144が突出する開口を有してもよい。
【0115】
代わりに、図17に示すように、一体の引き金式アクチュエータを組み込むようキャップ114が変形されることができる。この実施形態では、容器の頸部120の一方に、1又はそれ以上の鉤状部196が成形される。キャップ114は対応するロッド部198を備えられ、ロッド部は鉤196に係合してその周りにキャップ114が回転するヒンジを形成する。キャップ114は、使用者によって握られてディスペンサーを作動させる引き金部200を有する。2つのポンプチャンバーを有するディスペンサーを含む、記述されたどの実施形態も、引き金式アクチュエータを組み込むよう変形されることができる。
【0116】
個々の作動時に分注される液体の放出又は投与量(dose)を調整するために主ポンプチャンバー122の大きさを変えることにより、本発明に従うディスペンサーは、ディスペンサーを投与する使用に適合させることができる。ディスペンサーの投与は、医薬品の分注を含む多くの用途を有することができる。投与ディスペンサーは、空気を液体と混合し又は2つの液体を分注するための第2のチャンバー123を含んでもよい。2つの分注ポンプを提供するため、第2のチャンバー123の体積も決められてもよい。
【0117】
主ポンプチャンバー及び、第2のポンプチャンバーを有する場合は第2のポンプチャンバーの入口及び出口バルブは、可撓性の挿入部116によって形成されることが好ましい一方で、代替のバルブ配置が使用されることができる。例えば、どのバルブも、例えばボールタイプ(ball type)バルブを含むバルブインサート(valve insert)によって置き換えられることができる。
【0118】
ディスペンサーの出口144は、分注される流体の種類によって種々の方法で変更されることができる。例えば流体が泡として分注される場合、ろ過網(filter mesh)が出口内に組み込まれることができる。図18は、泡として生成される空気と液体の混合物を分注するのに適したディスペンサー110の実施形態を示す。
【0119】
図18のディスペンサー110は、図5〜図11に関して上記したディスペンサー110と同様であり、ディスペンサーは、容器から液体製品を分注する主ポンプチャンバー122と、出口144で液体製品と混合される空気を分注する第2のポンプチャンバー123とを規定する可撓性の挿入部116を含む。この実施形態では、出口144は、噴霧又はスプレー出口145を囲む大径の出口流路146を有する細長い噴出口を含み、液体製品は主ポンプチャンバー122からスプレー出口を通って流路146に噴射される。第2のチャンバー122からの空気は、第2のポンプチャンバーから空気出口流路174を通って出口流路146に直接導入され、そこで空気は液体製品と混合されて泡を生成する。泡の精製手段が出口流路146内に包含されることができる。これは、当業者に知られるように、1又はそれ以上のろ過網(mesh filter screen)を含んでよい。しかしながら本実施形態では、開細胞型の発泡体(open celled foam)、又は他の適切な3次元メッシュ構造の栓210が出口流路146内に配置される。便利のため、示されるように出口流路146の外端に位置する挿入部212内に栓210が保持されてもよく、又は出口流路内に栓が直接配置されてもよい。
【0120】
図18に示すディスペンサー110は、その他の点では上記した図5〜図11のディスペンサー110と同様にして構成され及び操作される。主な違いは、上部鐘状部184がキャップ114及び排気装置の内側に位置することである。
【0121】
本実施形態では、可撓性の挿入部の上部鐘状部114はフランジ184dを有し、このフランジは、キャップ114の上面から内部に突出する2つの離間した環状壁150、152の間の環状隙間154内に収容される。内側環状壁150及びフランジ184dは、適切な位置にフランジ184dを固定する相互係合(inter-engaging)構造184e、150aを有する。外側リップシール184fがキャップの側壁の内面に係合し、下部鐘状部186及びキャップ114の側壁と共に第2の空気チャンバー123を規定する。空気出口流路174に隣接するリップシール184fの一部184gは第2のチャンバーの出口バルブとして作動すると共に、ディスペンサーが動作する時に壁から離れて内側に曲がり、空気が空気出口流路174に入るのを許容する。下部鐘状部は、キャップの壁に係合して第2のチャンバーの下端をシールするシール186eを有する。図5〜図11に示される実施形態及び上記したのと同様、個々の作動の後でキャップ114が静止位置に戻るにつれて、シール186eは大気が第2のチャンバー123に入ることを許容する一方向バルブとして作動する。
【0122】
上部鐘状部184の第2のリップシール184hはキャップ114の上面に係合し、上部鐘状部184とキャップの上面との間で主液体ポンプチャンバー122を規定する。液体出口流路172に隣接する第2のリップシール184hの少なくとも一部184iは、ポンプが作動した時に主ポンプチャンバー122からの液体の放出を調整する予備圧縮バルブとして作動する。このようにしてキャップ114が押し下げられると、主ポンプチャンバー122内の液体の圧力が上昇する。液体の圧力が所定の要求された値に達した時、主ポンプチャンバー内の液体の圧力上昇は第2のリップシール184hに作用し、少なくとも一部184iをキャップから離れて曲がらせ、液体が流路172に入るのを許容する。この実施形態では主ポンプチャンバーの入口バルブ185は、カモノハシ又はファート(fart)型バルブの形状を持つ。
【0123】
主ポンプチャンバー内の液体の非圧縮性に起因して、液体チャンバー122の出口バルブが開く前に第2のチャンバー123内の空気の圧力は著しく上昇しない。結果として、空気チャンバー123からの空気は実質的に大気圧で出口流路に供給され、空気チャンバーの出口バルブ184gは出口バルブ184iと同時に、又はちょうど前に、又はちょうど後に開くように構成されることができる。
【0124】
典型的には、ディスペンサー110は空気と液体とを体積で6:1〜10:1の範囲の比で供給する。必要であれば、キャップの直径を示されるより大きくすることによって空気チャンバー123の体積が増大されることができ、キャップは頸部120より著しく大きい直径を有してもよい。
【0125】
いくつかの状況では、空気チャンバー123内の空気圧を大気より上昇させるのが好ましい。この場合、液体チャンバー出口バルブ184iが開く前に空気チャンバー123の体積が減少するのを可能にするよう、ディスペンサーが変更されることができる。これは多数の方法で実現することができる。例えば、気体を含む風船又は他の圧縮可能な胴部(body)が液体チャンバー内に配置されてもよい。ディスペンサーが作動すると、主チャンバー122内の液体の圧力が上昇する前に空気チャンバーの体積が低減し、かつ空気圧が上昇するよう、風船又は胴部が最初に圧縮してキャップが頸部120に対し移動することを許容する。
【0126】
本実施形態では、空気が容器内に入るのを許容するための頸部120を貫通する開口134は存在しない。むしろ、空気が容器内に入るのが可能な微小な空気流路(図示せず)が、可撓性の挿入部116と頸部内面との間に備えられる。流路は常に開いていてもよく、又は容器内の圧力が大気より低い時に流路が形成されるように挿入部が構成されていてもよい。この配置は、本出願に記述されるあらゆる実施形態に空気穴134の代わりに採用されることができる。
【0127】
本実施形態では、キャップ114の上面の中央部156は凹み(indent)、ドーム状に形成されている。これは、主チャンバー122のデッドスペースの量を低減する。しかしながら、これ及び他の実施形態では、キャップの上面は単なる平らな面として備えられる。さらに、本発明に従うディスペンサーは、キャップ内にただ1つの同心の環状壁150、152を備えられていてもよい。上記した全ての実施形態では、ディスペンサーポンプは容器と一体に成形される。この配置は、部品の全体数と組み立て工程を最小にした一体の容器とポンプディスペンサーを製造する極めて費用効果の高い方法を提供する点で有利である。しかしながら、特定の用途では、容器と別にポンプディスペンサーを提供するのが好ましい。本発明に従うディスペンサーの多くの利点は、このようにしてさらに実現することができる。この目的を実現するため、開示された実施形態では容器の頸部に形成されるディスペンサーポンプの第1又はベース部112は、容器と別の部品として形成され、容器に取り付けるのに適している。第1又はベース部112は、例えばネジ山又は他のねじり嵌合装置によって容器の頸部に取り付けるのに適している。
【0128】
本発明に従うディスペンサーは構造が単純であり、そのため製造するのが比較的安価で、それにも関わらず極めて有効である。可撓性の挿入部と一体に形成される各チャンバーの入口及び出口バルブの全ての可撓性バルブ部材と共に、ディスペンサーはキャップ、ベース部(それは容器も含んでよい)及び挿入部のたった3つの分離した構成部品を含む。キャップとベース部が同時に成形され、かつ引き綱によって相互接続される場合、ディスペンサーはたった2つの分離した構成部品を含む。
【0129】
さらに、様々なポンプを提供するため、同一の基本設計が変更されることができる。このようにして、変更された可撓性の挿入部116を用いることで1つのチャンバーポンプ又は2つのチャンバーポンプを形成するため、同一のキャップ114及びベース部112が使用されることができる。例えば、噴霧ノズル、泡ディスペンサー等の異なる出口装置を有するキャップアクチュエータ114を製造するために同一の基本金型が使用できるよう、キャップの出口144、144’は交換可能な成形型内のインサートによって成形されることができる。さらに、挿入部116及びアクチュエータキャップ114を変更することにより、様々なポンプサイズが製造されることができる。代わりに、ベース部112に対するキャップ114の移動範囲をその可能な最大移動範囲未満に制限するため、協同(cooperating)止め具をキャップ114及びベース部112上に設けることによりディスペンサーの放出体積を変えることができる。異なる放出体積を有するが、同一の基本的なキャップ114、ベース部112及び挿入部116を用いる様々なポンプを提供するよう、止め具の位置が変更されることができる。止め具は成形型内のインサートによって成形されることができ、これにより、同一の基本金型を用いて様々なポンプが製造されることが可能となる。各ポンプサイズ及び種類に応じて別の金型が要求される従来技術に比べたとき、これら全ては、著しく低減された金型コストを持つ新たなポンプ群が市場にもたらされることを可能とする。
【0130】
本発明は、現在のところ最も実用的で好ましいと考えられる実施形態に関して記述されてきたが、本発明は記述された装置に限定されず、本発明の精神と範囲に含まれる様々な変形及び均等な構造に及ぶことを意図するのは理解されるであろう。例えば、幾つかの場合、可撓性の挿入部116が頸部120の外側に延びるように構成されることができる。幾つかの実施形態においては、ディスペンサーは逆さまに動作するのに適していてもよい。このような装置では、ディスペンサーは浸漬管を有しなくてよい。その代わりに、分注される液体は、主ポンプチャンバーの入口に流体接続する出口を有する柔らかい袋内に含まれる。2つの液体が分注される場合、各ポンプチャンバーに流体接続する出口を有する柔らかい袋内に、2つの液体がそれぞれ保持されることができる。
【技術分野】
【0001】
この発明は、手動で作動するポンプ式流体ディスペンサーに関する。この発明は又、手動ポンプ式流体ディスペンサーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手動で作動するポンプ式流体ディスペンサーは、それによって流体が非加圧容器から分注されることができる手段を提供するために一般に用いられる。典型的には、この種のディスペンサーは、使用時に容器の上に配置されるポンプ装置を有する。このポンプは、入口バルブを有する入口によって容器に接続されると共に、出口バルブを通る分注出口に接続されるポンプチャンバーを含む。このディスペンサーを作動させるため、使用者はアクチュエータ(actuator)に手動で力を加えて前記ポンプチャンバーの体積を減少させ、その中の流体を加圧する。チャンバーの圧力が所定の値に到達すると出口バルブが開き、流体が出口を通って放出される。使用者が作動力を解除すると、チャンバーの体積が増加すると共にその圧力が低下する。このことは出口バルブを閉塞させ、入口を通ってチャンバーにさらなる流体の量を引き込む。ペースト、ジェル、液胞(liquid foams)、及び液体を含む幅広い流体がこの方法で分注されることができる。ある種の応用では、流体が霧状スプレーの形態で分注され、この場合に出口は噴霧ノズルを含むであろう。アクチュエータは押しボタン又はキャップであってよいが、いくつかの応用ではアクチュエータは使用者の指によって引き寄せられる引き金を含む。
【0003】
例えば歯磨き粉、制汗剤、消臭剤、香水、芳香剤、防腐剤、塗料、殺虫剤、艶出し剤、ヘアケア製品、薬剤、髭剃りジェル及びフォーム、水及び潤滑剤を含む多数の商品は、手動ポンプ式ディスペンサーで消費者に提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のポンプアクション(action)ディスペンサーに関して多くの欠点が存在する。第1に、従来の装置の多くは、構造が極めて複雑な傾向にあると共に、典型的には多数の異なる構成部品を含む。いくつかの構造では8〜10の間の独立した部品が存在し、引き金式アクチュエータを含むディスペンサーでは10〜14の独立した部品が用いられる。結果として、独立した部品を形成するのに要求される多量の材料、及び関係する組立てプロセスに起因して、これらの装置は製造するのが高価であり得る。第2に、従来の装置の多くは大きい傾向があると共に(このことも原料コストを増大させる)、この大きさの一部は装置が取り付けられる容器の内部に常に曝される。このことは、ノズル装置が容器の内容積の一部を占めるという欠点を引き起こし、容器内部の利用可能空間が限定される小さい容器で特別の問題となり得る。最後に、ポンプの大きさも、それが取り付けられる容器の大きさによって特定の範囲に決定される。従って、ポンプの大きさは通常は小容器、特に細い頸部を有する小容器に限定され、このことは、分注される流体の量と同様にポンプによって生じ得る圧力の量を限定し、さらにこのために装置の性能に不利となり得る。
【0005】
手動ポンプアクションディスペンサーで提供される製品の多くは、極めてコストに敏感であり、ディスペンサーの製造には、ディスペンサーの性能に悪影響を与えずに製造コストを下げるという、ディスペンサーの製造における圧力が常に存在する。
【0006】
手動で作動するポンプディスペンサーには、構造が単純で、少ない部品を利用し、かつ操作が簡単で有効に働く、という要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、容器から少なくとも1つの液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、前記ディスペンサーは更に、前記少なくとも1つの液体を分注する第1のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記少なくとも1つの液体が前記第1のポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するよう構成され、前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記第1のポンプチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブと、前記第1のポンプチャンバーから前記出口を通る液体の放出を調整するよう作動する出口バルブ装置とを含み、前記挿入部はさらに、第2の液体を分注する第2のポンプチャンバーを規定する手動ポンプアクションディスペンサーが提供される。
【0008】
前記ディスペンサーは、流体源から第2の流体が前記第2のチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブを含んでよい。
前記ディスペンサーは、前記第2のポンプチャンバーから通過した前記第2の流体が前記出口に入ることができるよう作動する出口バルブを含んでよい。
前記挿入部の一体部分が前記第1のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
前記第1のチャンバーの前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブであってもよい。
前記挿入部の一体の部分が前記第1のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成してもよい。
【0009】
前記第2のポンプチャンバーは空気を分注するよう構成され、前記第2のポンプチャンバーの前記入口バルブは、前記第2のポンプチャンバーの圧力が外気圧より所定の量だけ低いときに、前記第2のポンプチャンバーに外気が入ることを許容するため開くよう構成されていてもよい。
その代わりに、前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成され、前記挿入部は、それを通して前記第2の液体が前記第2のポンプチャンバーに吸い込まれる第2の入口を規定してもよい。
前記可撓性の挿入部は前記第1のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する孔を規定する本体を有し、浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられてもよい。
前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成される場合に、前記本体は前記第2のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する第2の孔を規定し、第2の浸漬管が前記第2の孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記第2の浸漬管に取り付けられてもよい。
【0010】
前記ベースは環状壁又は頸部を有し、前記キャップは閉塞端と、前記頸部の外側の周囲に位置し前記閉塞端から延びる環状側壁とを有し、前記挿入部の少なくとも一部が前記頸部内に収容され、前記挿入部は、自身と前記キャップとの間で前記第1及び第2のポンプチャンバーを規定するため前記キャップの内面に接する部分を有してもよい。
一実施形態において、前記本体は少なくとも部分的に前記頸部内に収容され、前記挿入部は、前記本体から延びて前記キャップの内面に接し前記第1のポンプチャンバーを規定する第1の鐘状部と、前記本体から延びて前記頸部の内面と接しつつこれとシールを形成する第2の鐘状部とを有し、前記第2の鐘状部は、前記第2のポンプチャンバーを規定するために前記第1の鐘状部から間隔を開けた関係で、前記キャップの側壁に接するシール部材を有してもよい。
【0011】
前記孔は前記挿入部の前記本体の内部に規定されつつ前記第1のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第1の液体が前記孔を通って前記第1のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有してもよい。
前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成される場合に、前記第2の孔は前記本体の内部に規定されつつ前記第2のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第2の液体が前記第2の孔を通って前記第2のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有してもよい。
前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の出口に取り付けられるのに適するか、又は前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の構成部分であってもよい。
【0012】
前記第2のポンプチャンバーが空気を分注するよう構成される場合に、空気と前記少なくとも1つの液体の混合物を泡として分注するよう配置されてもよい。この実施形態において、前記ディスペンサーが作動する使用時に、前記第2のポンプチャンバーからの空気が前記第1のポンプチャンバーからの少なくとも1つの液体と混合されるよう、前記第1及び第2のチャンバーからの出口流路が合流してもよい。空気及び液体の混合物が分注される前にそれに沿って通る出口流路の内部に、泡を精製するためのフィルターが配置されてもよい。前記フィルターはあらゆる適切なタイプであってよいが、開細胞材料、若しくはいくつかの他の3次元メッシュ構造の栓であってよく、又は1又はそれ以上の濾過網の形態であってよい。前記ディスペンサー出口は、拡径の出口流路へ開口する噴霧オリフィスを有する前記第1のポンプチャンバーからの流体流路と、前記拡径の出口流路へ入る流体流路を含む前記第2のポンプチャンバーからの前記出口とを含んでよく、使用の際にこの装置は、液体が前記噴霧オリフィスを通り、泡を形成するため空気と混合する前記拡径の出口流路へ入るときに当該液体がスプレーを形成するようになっている。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、容器とキャップとを含む手動ポンプディスペンサーであって、前記容器は、分注される大量の液体を保持するための本体と、分注される前記液体がそれを通って前記容器に導入される蓋のない頸部と、前記頸部の内部から又はそれに近接して前記容器の底部に向かって延びる一体浸漬管とを有し、前記キャップは液体の出口を有し、かつ静止位置及び作動位置の間で移動するため前記容器に取付けられ、前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記容器の前記頸部と前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記液体が前記浸漬管から前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定し、前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記ポンプチャンバーに入るのを可能とするように作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含む手動ポンプディスペンサーが提供される。
【0014】
前記キャップが可撓性の引き綱によって前記容器と接続されていてよく、この引き綱は引き綱の縦軸の周りにねじるのに適してもよい。前記引き綱は、壊れ易い環によって前記キャップ及び前記容器に接続されてもよい。
前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成してもよく、それは、アヒル又はフラップバルブであってもよい。
前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成してもよい。
【0015】
前記可撓性の挿入部は、前記ポンプチャンバーの前記入口を含む孔を有する本体を備え、前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられてもよい。前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定されてもよい。前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含む。前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じてもよい。前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じてもよい。
【0016】
前記可撓性の挿入部は、前記容器の前記頸部の内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含んでよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の内面に接するため、前記フランジを超えて前記頸部内に延びてもよく、及び弾性的に付勢されて前記頸部の内面に接してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記容器への空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成するよう配置されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記可撓性の挿入部は追加のシール部材を含み、前記キャップ、前記第1のダイアフラム部材、及び前記追加のシール部材の間に前記第2のポンプチャンバーを規定するため、前記追加のシール部材は前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接する。前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材の延長部を含んでよい。前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を加圧するよう構成され、この場合に前記追加のシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの大気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成されてもよい。その代わりに、前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成され、前記容器は、前記第1の液体を収容する第1の区画と第2の液体を収容する第2の区画との2つの区画に分割され、前記第1の容器区画は前記第1のポンプチャンバーと流体接続され、前記第2の容器区画は前記第2のポンプチャンバーと流体接続されてもよい。前記ディスペンサーは前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続する流体流路を有してもよく、前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成される。
【0018】
前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含んでよい。
【0019】
前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含んでよい。一の実施形態において、前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベース又は容器に取り付けられ、前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されている。別の実施形態において、前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記容器に取り付けられ、前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、前記アクチュエータは前記容器に枢動可能に取付けられて前記キャップに係合するのに適合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動する。
【0020】
本発明の第3の態様によれば、容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、前記キャップは前記ベースと一体に製造され、可撓性の引き綱によってそれに接続されている手動ポンプアクションディスペンサーが提供される。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む手動ポンプアクションディスペンサーが提供される。
【0022】
本発明の第1及び第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記キャップは、可撓性の引き綱によって前記ベースに接続されていてもよい。
本発明の第1、第3又は第4のいずれかの態様に従い、前記キャップが可撓性の引き綱によって前記ベースに接続されている手動ポンプディスペンサーにおいて、前記引き綱は該引き綱の縦軸の周りにねじるのに適し、かつ壊れ易い環によって前記キャップ及び前記ベースに接続されていてもよい。
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成し、それはアヒル又はフラップバルブであってもよい。
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成してもよい。
本発明の第1、第3又は第4のいずれかの態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記ディスペンサーはさらに浸漬管を含んでもよい。
【0023】
本発明の第1、第3又は第4のいずれかの態様に従い、浸漬管を含む手動ポンプディスペンサーにおいて、前記可撓性の挿入部は、前記(第1の)ポンプチャンバーの前記入口を形成する孔を有する本体を備え、前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられてもよい。前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定されてもよい。前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含んでもよい。前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じてもよい。前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じてもよい。前記可撓性の挿入部は、前記ベースの内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含んでもよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの内面に接するため、前記フランジを超えて前記ベース内に延びてもよく、弾性的に付勢されて前記ベースの内面に接してもよい。前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記ベースを通って前記容器へ入る空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成してもよい。
【0024】
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記挿入部はさらに、前記液体と共に第2の流体を分注するための第2のポンプチャンバーを規定してもよい。
本発明の第3又は第4の態様に従い、前記液体と共に第2の流体を分注するための第2のポンプチャンバーを前記挿入部が規定する手動ポンプディスペンサーにおいて、前記可撓性の挿入部は追加のシール部材を含み、前記キャップ、前記第1のダイアフラム部材、及び前記追加のシール部材の間に前記第2のポンプチャンバーを規定するため、前記追加のシール部材は前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接してもよい。前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材の延長部であってもよい。前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を加圧するよう構成され、前記追加的なシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの大気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成されてもよい。その代わりに、前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成されてもよい。ディスペンサーは、前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続する流体流路を有してもよく、前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成されてもよい。
【0025】
本発明のあらゆる態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含んでもよい。
本発明の第1又は第3の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含んでもよい。
本発明のあらゆる態様に従い、引き金式の作動面を含む手動ポンプディスペンサーにおいて、前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベースに取り付けられ、前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されていてもよい。その代わりに、前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記ベースに取り付けられ、この場合に前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、前記アクチュエータは前記ベースに枢動可能に取付けられて前記キャップに係合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動するのに適合してもよい。
【0026】
本発明の第3又は第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記ベースは、前記液体の容器に取り付けられるのに適合してもよい。その代わりに、前記ベースは、分注される液体を保持するための容器の頸部を含んでもよい。
本発明の第2の態様に従う手動ポンプディスペンサー、又は前記ベースが前記容器の一体部分である場合に本発明の第1、第3若しくは第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーにおいて、前記全部のディスペンサーは、第1の部分である可撓性の挿入部と、第2の部分であって一体に形成された構成部分である前記キャップ及び前記容器とからなる2つの別個に製造された部分のみからなっていてもよい。
【0027】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第2の態様に従う手動ポンプディスペンサー、又は前記ベースが前記容器の一体部分である場合に本発明の第1、第3若しくは第4の態様に従う手動ポンプディスペンサーの製造方法が提供され、前記方法は、内層と少なくとも1つの外層とを有する前記容器のプリフォームを形成する工程と、続いて、前記容器の本体部を形成するために前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる工程とを有する。
前記プリフォームの前記内層が前記容器の一体浸漬管を形成してもよい。
前記キャップが引き綱によって前記頸部又はベースに接続されている場合に、本発明の第5の態様に従う方法はさらに、前記キャップと引き綱とを射出成形する工程をさらに有し、前記キャップと前記引き綱とを射出成形する前記工程は、前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる前記工程と少なくとも部分的に重なる。
【0028】
本発明の第5の態様に従う方法はさらに、第1の成形位置で前記プリフォームを射出成形することを含み、前記プリフォームは前記少なくとも1つの外層が膨張される第2の成形位置へ運ばれる。この場合、前記キャップと前記引き綱とは、前記第2の成形位置で成形されてもよい。前記第1の成形位置が前記第2の成形位置の上に配置される。前記第1及び第2の成形位置は、1つの金型の一部として形成され、かつ前記プリフォームは、前記金型内の内部通路を通って前記第1の位置から前記第2の位置に運ばれてもよい。前記方法は、前記第1及び第2の成形位置の間の少なくとも1つの中間位置で前記プリフォームを保持することを含んでもよい。
【0029】
以下の図を参照し、本発明のいくつかの実施形態がほんの一例としてここでは記述される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従うディスペンサーの少なくとも一部を製造するのに用いることができる第1の実施形態の成形装置の側面図であり、プリフォーム射出成形キャビティの底面部を形成する閉鎖部材が閉じられた状態の装置を示す図である。
【図2】図1と同様な図であるが、射出成形キャビティで成形されたプリフォームが射出成形キャビティから下側の工程位置へ移動できるよう、閉鎖部材が開いた位置にある状態の成形装置を示す図である。
【図3】ブローピンスライド設備を含む、図1の装置の下部の拡大図である。
【図4】図2と同様な図であるが、本発明に従うディスペンサーの少なくとも一部を製造するのに適した成形装置の別の実施形態を示す図である。
【図5】作動に先立って示される、本発明に従うディスペンサーの第1の実施形態の斜視図である。
【図6】図5と同様な図であるが、キャップ部が押下げられた中間作動中のディスペンサーを示す図である。
【図7】図5のディスペンサーの分解図である。
【図8】図5のディスペンサーの一部を通る断面図であるが、噴霧ノズルを組み込んだ別の出口を示す図である。
【図9】図8のディスペンサーの一部を形成するキャップを通る断面図である。
【図10】作動に先立つ図5のディスペンサーの変形態様を示す、図8と同様な断面図である。
【図11】図10と同様な図であるが、中間作動中のディスペンサーを示す図である。
【図12】本発明に従うディスペンサーのさらに他の実施形態の斜視図である。
【図13】図12と同様な図であるが、可撓性の挿入部を挿入後のキャップを示す図である。
【図14】本発明に従うディスペンサーのさらに別の実施形態における図8と同様な図である。
【図15】入口バルブが開いた戻り段階での図14のディスペンサーを示す、図14と同様な図である。
【図16】本発明に従うディスペンサーのさらなる代替の実施形態における図8と同様な図である。
【図17】引き金式アクチュエータを備えた本発明に従うディスペンサーのさらに他の代替の実施形態における図8と同様な図である。
【図18】本発明に従い、液体製品と空気との混合物を泡として分注するのに適したディスペンサーのさらに別の実施形態を示す、図8と同様な図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に従うディスペンサーは、あらゆる適切な装置及び方法を用いて製造することができるが、少なくとも一部は、本出願人の同時係属の特許出願PCT/GB2006/002751及びGB0701210に記述された種々の成形装置及び方法を用いる便利で経済的な方法で製造することができ、これらの両方の内容は参照することにより本書に援用される。読者は、装置及び方法のすべての記述について、これら及び関連する特許出願を参照すべきである。しかし、完全を期するため、GB0701210に開示された積層(stacked)成形装置及び方法の簡単な説明を図1〜図4を参照して追随する。
【0032】
最初に図1〜図3を参照し、本発明に従い手動で作動するポンプディスペンサーの少なくとも一部の製造に用いるのに適する、第1の実施形態に係る積層成形装置10が示される。装置は、射出成形位置12と、ブロー成形位置14と、射出及びブロー成形位置の中間の安定位置16との3つの工程位置を含む。3つの全ての位置12、14、16は上下に垂直に配置され、シャフト又は通路18によって相互に接続されている。
【0033】
装置10は本体20を有し、本体20は、後に詳述されるシャフト、種々の成形キャビティ、及び他の機構を規定するため互いに接する1対のボルスタープレート(bolster plate)22によって形成される。図1及び図2は、図示しない他のボルスタープレート上の対応する隣接面に接する、ボルスタープレート22上の1つの隣接面24を示す。他のボルスタープレートは、多くの点で当技術分野で周知の方法で図1及び図2に示すプレート22の鏡像である。
【0034】
成形装置1において、ボルスタープレート22は、鋼又はアルミニウムのような金属から製造されるが、あらゆる適切な材料又は材料の組合せによって製造することができる。当技術分野で周知の方法で、いくつかの又は全てのプレートの外観を規定するためにインサート(挿入物)が使用されてもよい。この配置は、プレート全体を交換又は変更する必要なく、インサートを交換又は変更することにより装置が変更されることを可能とする。
【0035】
ボルスタープレート22の隣接面24は凹部を有し、2つのプレートが接したときに凹部は、ブロー成形キャビティ26と、ブロー成形キャビティ26から上方に向かって本体の上面30に延びるシャフト18とを形成する。シャフトは、その長さの大部分にわたって円形であり、射出成形位置で製造されるプリフォームの直径と同一か又はわずかに大きい直径を有する。ブロー成形キャビティは、シャフトの延長とみなされてもよい。コアピ
ン32はシャフト18内に位置すると共に、シャフト18の開放上端を通って上方に突出するロッド34に取り付けられている。ロッド34は、プレート38内の軸受36によって上部に支持される。プレート38は本体の上面30と間隔を開けつつ、自身がボルスタープレート22の1つに取り付けられたロッド40によって支持される。コアピン32はロッド34と一体に形成されてもよく、ロッドと同一の直径であってもよく、又はロッドより大きな最大直径を有してもよい。
【0036】
駆動機構42は、制御された方法でコアピン32がシャフト18に沿って移動されるのを可能に備えられる。この実施形態では、駆動機構はボールねじを含む。この装置では、ロッド34の上部は、リサーキュレーティングボールナット(recirculating ball nut)46に係合する外面ねじ山44を有している。サーボモータ48はプレート38に取り付けられ、ロッド34、従ってコアピン32を上下に移動させるためにリサーキュレーティングボールナットを駆動する。
【0037】
サーボモータの操作は、図示しない制御システムによって制御される。コアピン32の移動を制御するため、他の駆動機構が用いられることができることは理解されるであろう。例えば、送りネジ装置、又は電子的若しくは流体圧力アクチュエータのようなあらゆる適切な形態の線形アクチュエータを用い、コアピン32が移動されることができる。
【0038】
上記したように、第1の工程位置12は、1又はそれ以上の高分子材料からプリフォーム49が成形される射出成形位置である。さもなければトラップ扉(trap door)として知られる1対の閉鎖部材50は、シャフト18の環状凹部53内の軸52によって第1の位置の下端に取り付けられる。各扉50は空気圧アクチュエータ54に動作可能なように接続され、空気圧アクチュエータ54は、図1に示される閉鎖位置から図2に示される開位置へ軸52周りに扉50を移動させる。閉鎖位置では、上部内に射出成形キャビティを規定するため、扉50は互いに隣接してシャフトの残部から第1の位置内のシャフト18の上部を閉鎖する。開位置では、射出成形キャビティで成形されたプリフォームが扉を通って工程位置16の1/3の範囲内のシャフト部分18内へ移動できるよう、扉50はシャフトの主要部の外周の外側にあるシャフト18の凹部53内に配置される。
【0039】
プリフォーム49が第1の位置で成形されると、扉50は閉鎖位置へ移動し、コアピン32の下端32aが扉上でシャフト18内に配置されるようにコアピン32が位置する。このようにして、シャフト18の壁とコアピン32の側面との間、及びコアピン32の下側自由端32aと閉鎖したトラップ扉50の対向する上面56との間に、プリフォーム射出成形キャビティが規定される。その後、閉端を有する概して円筒形のプリフォーム49を形成するため、高分子材料がコアピン32とシャフト18との間の空間、及びコアピンと扉50との間の空間に射出される。
【0040】
本実施形態では、材料が加圧下でキャビティを通って流れるよう、装置は射出成形キャビティの上端に位置し58で図示される射出リングゲートを有する。リングゲートは、成形キャビティから等距離にあると共に1又はそれ以上の射出ゲートから供給される環状凹部を含む。リングゲートは成形キャビティより前に充填され、2又はそれ以上の供給路(図示せず)が成形キャビティに材料を案内する。好ましくは、材料が供給路を通って成形キャビティに均一に流入するよう、リングゲートは成形キャビティより上方に配置される。
【0041】
材料が射出されている間にコアピン32が一方又は他方へ移動するのを防ぐため、射出の最初の段階でコアピン32は閉鎖した扉50に接触させられる。射出成形キャビティの側壁が充填されるか又は少なくとも実質的に充填されると、高分子材料がピンの自由端32aと扉50との間の隙間に流入してベース又はプリフォームの閉端を形成するよう、コアピン32は閉鎖した扉50からわずかに離れて引き上げられる。コアピン32の自由端32aと扉50の対向する面56とは、対応して相互に係合する表面外観(surface feature)を有するように形成され、この表面外観は射出成形キャビティ内でコアピン32を実質的に中心に保持するのを助ける。プリフォーム成形キャビティ内でコアピン32を中心に保持するため、他の固定部材装置が用いられることができる。例えば、射出成形の最初の段階でコアピン32に接触させられ、その後にピンによって残された隙間が高分子材料で充填されるように引き込められることができる格納式の固定部材が備えられてもよい。固定部材は止めピンであってもよい。コアピンを固定する他の手段が用いられる場合、又は材料が射出される間のコアピン32の横移動が問題にならない用途では、射出成形の最初の段階の間であってもコアピン32がトラップ扉50から間隔を開けられてもよい。
【0042】
プリフォーム49の射出成形が完了すると、プリフォームがシャフトに沿って中間位置16に移動できるよう、アクチュエータ54はトラップ扉50を開位置へ移動させる。射出成形工程の間、プリフォーム49が中間位置に移動される前に除去されなければならない余分の高分子材料がリングゲート及び供給路に蓄積されるであろう。この余分の材料を除去するため、装置は、射出成形キャビティの上端にスライド可能に配置されるカッター又は裁断機60を有する。図2に最も良く示されるように、カッターは穴62を有するプレート61を含む。空気圧又は他のアクチュエータ63によって、プレート61は、図1に示されるシャフト18と穴62が並ぶ射出位置から、本体の下方に傾斜した孔64の上に穴62が並ぶ除去位置へ移動可能である。カッタープレート61が射出位置にあるとき、コアピン32及び/又はロッド34は、穴62を通って射出成形キャビティへ入り、それを越えることができる。射出工程が完了すると、コアピン32がカッタープレート61の上に引き込められた後の間、プリフォームは冷却される。その後、カッタープレート61は図2に示す位置に移動させられ、余分の材料又は湯口(sprue)を除去し、収集及び再生又は廃棄のため、傾斜孔64に落ちるまでそれを運ぶ。その後、カッター61は射出位置へ戻り、コアピン32が下がってプリフォームに再び係合すると共に開いたトラップ扉50を通ってプリフォームを中間位置16へ押し下げる。
【0043】
余分の高分子材料を除去するため、他の装置が製造されることができる。例えば、ある種の用途では、プリフォームが中間位置16へ移動させられる前にプリフォームからコアピン32を引き抜かないことが好ましいかもしれない。
この場合、コアピン32の周囲に位置する刃先を有する半円形の開口をそれぞれ備えた1対の切断プレートを用い、余分な材料が除去されることができる。コアピンの表面に刃先が接触させられ、又は極めて近接してプリフォームから余分な材料を切断するように、プレートが移動可能である。切断後に余分な材料を除去するため、適切な機構が備えられることができる。これは機械的であってよく、又は吸引若しくは吹き付けを用いて材料が除去されることができる。
【0044】
プリフォーム49が中間工程区域(section)16内の49bで示される位置へ配置されるまで、コアピン32はプリフォーム49を下げる。1対の駆動トラクター66が中間区域16の下端に配置されている。駆動トラクターはそれぞれ、プリフォームを適切な位置に保持するためにプリフォームの外面に軽く接するよう配置される可撓性の駆動ベルト66aを有する。矢印Aの方向にベルトを回転させてプリフォーム49bを中間位置から後で詳述するブロー成形位置14へ移動させるため、各トラクターは制御システムによって作動可能な駆動機構を有する。
【0045】
コアピン32が中間工程位置内でプリフォーム49を位置49bに移動させると、他のプリフォームが成形されるよう、コアピンが射出成形キャビティ内に引っ込んで戻る。プリフォームが中間位置16内に留まるのを確実にするため、装置は、アクチュエータ70(図2にのみ示される)によって移動させられる1対の格納式プリフォーム抜き取り板(stripper plate)68を有し、プリフォーム抜き取り板はコアピン32が引き込まれる前にプリフォーム49b上のコアピン32に接触する。これは、プリフォーム49bがコアピン32と共に射出成形キャビティに戻ることを防止する。プリフォームが射出成形位置から中間位置へ移動するときはいつでも、抜き取り板68はシャフト18を塞がないように引き込まれることができる。
【0046】
本実施形態では、中間位置は、ブロー成形位置に入る前にプリフォームが保持される安定位置又は冷却位置である。射出成形後、プリフォームの内面及び外面の間にはしばしば温度勾配が存在する。ブローされる前にプリフォーム内の材料の温度を完全に正常化させることが有利であることが知られている。プリフォームがブローされる前に、プリフォームの温度を射出成形直後の温度から直ちに下げることも好ましいことが多い。一般的にいえば、プリフォームの壁部が厚いほど、許容できる範囲内で正常化するには時間がかかる。冷却時間も、同一の材料で製造されるが壁部がより薄い同等のプリフォームに比べて通常は長い。
【0047】
下側の位置14は、ボルスタープレート22の対応する凹部がブロー成形キャビティ26を規定するブロー成形位置である。ブロー成形位置14と中間位置16との間には、プリフォームがブローされる時、シャフト18の残部からブロー成形キャビティを閉鎖するための第2の閉鎖装置として作動するブローピンスライドユニット72が存在する。ユニット72は空気圧又は他のアクチュエータ73に接続される本体を含み、アクチュエータは図1に示される移動位置と図2に示されるブロー成形位置との間でユニットを移動させる。本体は貫通孔74を含み、貫通孔は実質的にシャフト18と同一直径であると共に本体が移動位置にある時にシャフトと並ぶ。この位置でトラクターユニット66は、中間位置内のプリフォーム49bを、孔74を通ってブロー成形キャビティ26に駆動することができる。
【0048】
ブローピンスライドユニット72の本体は、本体の下面に開く環状凹部75をも有する。凹部75は孔74から横方向にオフセットされ、ブローピンピストン76を収容する。ピストンは、凹部の側壁に密封して係合すると共に、ピストン76から下方に突出する小径のブローピン部77を運ぶ。示されるように上方の引っ込んだ位置と、下方の伸ばされた位置との間でブローピン部77を移動させるため、ピストン76は凹部内で上下に移動可能であり、この伸ばされた位置では、ユニット72がブロー成形位置にある時にブローピンがブロー成形キャビティ内でプリフォームの頸部に係合する。1対のダクト78、79は、それぞれピストン76の上部及び下部で凹部75と連通し、さらに(空気のような)加圧流体源と排気孔に交互に接続され、引っ込んだ位置と伸ばされた位置との間でピストンを動かす。ピストンの上部で凹部と連通する第1のダクト78は、ブローピンスライドユニット72の本体に形成される。ピストンの下方で凹部と連通する第2のダクト79は、ボルスタープレート22の一方又は両方に形成される。
【0049】
第3のダクト80は、ブローピンスライドユニットの本体を通って延びると共に、ピストン76が伸ばされた位置にある時にブローピンピストン内で追加ダクト81と並ぶ。第3のダクト80は窒素又は空気のような加圧流体源と接続可能であり、プリフォームをブロー成形キャビティ内で膨張させるため、この加圧流体は追加ダクト81を通ってプリフォーム内部に供給される。
【0050】
シャフト18に沿ってプリフォームを移動するための他の機構が提供されることができる。例えば、プリフォームを載置する(rest on)ためにシャフト18内に延ばされる、1又はそれ以上の引き込み式の迫台(abutment)又は出っ張り部材が提供されてもよい。プリフォームがブロー成形位置14内に移動させられると、プリフォームが重量の影響下でブロー成形キャビティに落下するよう、出っ張り部材が引き込まれる。1又はそれ以上の引き込み式の迫台又は出っ張り部材は、溝又は凹部に引き込まれて最初の位置に戻る前にプリフォームを案内するよう、シャフトの長さの一部を超えて縦方向に移動するよう配置されることができる。中間位置16でプリフォームを保持するための追加的な迫台を備えるよりは、ブローピンスライドユニット72がブロー成形位置にある時に、ブローピンスライドユニットの上面に載るようにプリフォーム49bが配置されることができる。ユニット72が移動位置に移動させられると、プリフォームは孔74を通ってブロー成形キャビティ26に落下するであろう。
【0051】
装置10の全体の操作がこれから記述される。
【0052】
装置10が最初に起動すると、どの工程位置にもプリフォームが存在せず、装置10は射出成形位置12で最初のプリフォームを成形するよう設定される。従って、トラップ扉50が閉じられると共に、自由端32aが扉に接しつつコアピン32が射出成形キャビティ内に引き上げられる。その後、プリフォーム49が成形され、リングゲート及び供給路の余分の材料が上述のように除去される。最初のプリフォーム49を中間位置16へ移動させるため、トラップ扉50が開かれ、抜き取り板68が引っ込み、さらにコアピン32が下がる。その後、最初のプリフォームが中間の安定位置16に留まる一方で、第2のプリフォームが成形されるよう、抜き取り板68が伸ばされると共にコアピン32が射出成形キャビティ内に後退して引っ込む。
【0053】
第2のプリフォームが成形され、かつ最初のプリフォームがブローされるため十分に安定させられると、最初のプリフォームは駆動トラクター66により、移動位置にあるブローピンユニット72内の孔74を通ってブロー成形キャビティ内に移動させられる。第2のプリフォームは中間位置16に移動させられ、追加のプリフォーム49が成形されるよう、コアピン32が射出成形キャビティ内に引き込まれる。
【0054】
追加のプリフォームが成形される一方、ブロー成形キャビティ26内で最初のプリフォームがブローされる。この目的を達成するため、ブローピンユニット72がブロー成形位置へ移動させられると共に、ブローピン部77が最初のプリフォームの頸部に係合できるよう、加圧空気がピストン76上の第1のダクト78を通って伸ばされた位置へ導入される。その後、加圧流体は、ダクト80及び追加(further)ダクト81を通ってプリフォーム内に導入される。最初のプリフォームが完全に膨張させられると、加圧流体源への第2のダクト79と、排気孔又は他の低圧環境への第1のダクト78とを接続することは、ブローピンピストン76を引っ込めて今ブロー成形された構成材の頸部からブローピンを外す。この段階又は後で、ブローピンスライドユニット72は移動位置に戻されることができる。ブロー成形キャビティ26からブロー成形された構成材を取り除くため、ボルスタープレート22が簡単に分離され、突き出しピン(図示せず)又はいくつかの他の適切な機構を用いて構成材が下方に排出される。通常、射出成形位置でプリフォームが成形された後にボルスタープレート22は分離される。その後、ボルスタープレート22はその後戻されて接触させられ、追加のプリフォームが射出成形位置で成形されるよう、第2のプリフォームがブロー成形位置に移動させられ、第3のプリフォームが中間位置に移動させられる工程が繰り返される。全ての位置が充填されると、工程は周期的に続く。
【0055】
ボルスタープレート22が分離される間、射出成形位置12及び中間位置16内部のプリフォームが空気に曝される。しかし、プリフォームの温度が適切に管理されるよう、プレートは非常に早く分離かつ再結合される。必要であれば、ボルスタープレート22の全てが分離されるよりは、ブローされた物品が排出されるようにブロー成形キャビティを形成するプレートの一部のみが分離されるよう、装置10が変更されることができる。ボルスタープレート22を完全に分離せず、装置のベースを通ってブローされた構成材を排出するための他の装置も、当業者に知られた方法で採用されることができる。
【0056】
装置10の種々の構成が移動させられる正確な順序は、上記したものから当業者に明らかなものに変更可能である。
【0057】
既に述べたように、図1及び図2は1つのボルスタープレート22のみを示す。裁断機62、トラップ扉50、駆動トラクター66、ブローピンスライドユニット72及びそれらのアクチュエータのような、これらの図に示される全ての付加的な設備は、示されるように典型的にはボルスタープレートの一方に取り付けられる。他のボルスタープレートは、示されるプレート22の鏡像コピー(mirror copy)である必要があるが、ボルスタープレート22の隣接面と接して結合することができる付加的な設備が収容され得る適切な凹部を有してもよい。
【0058】
成形装置10が完全に稼動すると、個々の構成材が製造される工程時間は、3つの位置のうち最も遅いサイクル時間によって決定される。例えば、典型的な用途では、プリフォームが射出成形され、安定化され、その後に通常の装置を用いてブローされる全体の工程時間は30秒のオーダーであり、そのうち23秒はプリフォームを安定化させるために必要とされる時間であろう。一旦フル稼動された装置10において、ユニットが製造される当りの工程時間は約23秒であり、これは安定化のためにプリフォームが中間位置16で保持される時間によって影響される。射出成形位置とブロー成形位置との間に2又はそれ以上の中間位置を設けることは、ユニット当りの工程時間をさらに低減させることができる。このようにして、安定化期間が2又はそれ以上の中間位置に分けられることができる。従って上記した例では、射出成形及びブロー成形位置に要求される工程時間がこれ(11.5秒)と等しいか又はこれ以下であるとき、2つの中間位置によって11.5秒毎にブロー成形された構成材を製造することが可能である。最適化されたシステムではサイクル時間は最小限に低減され、それは射出成形又はブロー成形位置の最も遅い方で要求される工程時間によって決定される。
【0059】
最小限の水平方向の断面積を占めるため、装置10の位置群が上下に配置されるとさらに有利である。この配置では、所定の面積当りに組み込み可能な金型の数が最大になる。実際には1つの成形型は、上記したような複数の成形装置又は型(impression)10を解決することが期待される。装置の水平方向の設置面積を低減させ、さらに1つの成形型内に組み込み可能な型の数を増大させるため、トラップ扉50、裁断機62、プリフォーム抜き取り板、及びブローピンスライドユニット72のような種々の移動部分のためのアクチュエータ装置54、63、70、73は、実質的に縦に延びるよう配置されることができる。特定の用途では、2又はそれ以上の隣接する装置10上で構成材を動かすために通常のアクチュエータが配置されてもよい。
【0060】
安定化に必要な時間が全体のサイクル時間の比較的少ない一部である場合、中間位置が省略され、装置10が射出成形位置12及びブロー成形位置14の2つの位置のみを有してもよい。この装置では、プリフォーム49は、2つの位置の間に備えられるコアピン32及び1つの閉鎖部により、射出成形キャビティからブロー成形キャビティへ移動させられることができる。例えば、改変されたスライディングブローピンユニット72は、ブロー成形キャビティを閉鎖する第2の閉鎖装置と射出成形キャビティを閉鎖する第1の閉鎖装置の両方の機能を実行するのに適合することができる。
【0061】
1つのボトルや容器から極めて複雑な構成材まで多くの異なるタイプの構成材を成形するため、上記した装置10は多種様々な方法で改変されることができる。例えば、装置10が延伸ブロー成形の公知の工程を実行するのに適合することができる。プリフォーム49の延伸は、中間位置又はブロー成形キャビティ内部のいずれかで実行されることができる。2つの位置を有する装置では、コアピン32を用い、プリフォームがブロー成形キャビティ内で延伸されることができる。装置が1又はそれ以上の中間位置を有する場合、プリフォームを延伸するためにブロー成形位置14で追加の引き込みピンが備えられる。このことは、延ばされたピンがブロー成形された構成材から引っ込むことができるための室をブロー成形キャビティ上に設けるため、ブロー成形キャビティ26がプリフォーム成形キャビティから横方向にオフセットされることを必要とする。このことは、シャフト18内部に、プリフォームを横方向に動かしてブロー成形キャビティ上に配置するための機構を必要とする。これは、例えばラム機構を含む。プリフォームを延伸するために用いられるピンは、それを通って加圧流体がプリフォーム内に導入される1又はそれ以上のダクトを有するブローピンであってよい。これは例えば、上記したブローピンピストン76及びブローピン77の変形態様を含んでもよい。ブロー成形された物品は一般にプリフォームより幅が広いため、装置全体の幅を広げずにブロー成形キャビティがオフセットされることが要求される。
【0062】
他の代替装置では、ピンでなく加圧流体を用いてプリフォームが延伸されてもよい。1つの装置では、加圧流体がプリフォームに導入されたとき、プリフォームが所定の長さになるまで主に縦方向に延びるよう規制されるよう、ブロー成形キャビティ内でプリフォームの外側への延伸を制限するためプリフォームを囲むように延びることができる管状部材をブロー成形位置が含む。このとき、プリフォームが膨張成形キャビティ(expansion mould cavity)へ向かって外側に膨張できるよう、管が引き込まれることができる。管状部材がブロー成形位置のベースから下方に引き込まれることが好ましい。
【0063】
又、前段階で成形された第1の高分子材料の上に追加的な高分子材料が外側被覆(over moulded)される2回射出(bi-injection)タイプの成形タイプ工程を実行するため、装置10が改変されてもよい。第1及び追加的な高分子材料は同一であっても異なる材料であってもよい。例えば、外側被覆される材料は、第1の材料に対して異なる色からなっていてもよい。2回射出成形は、プリフォーム成形位置12、ブロー成形位置14、及び/又は1若しくはそれ以上の中間処理位置16の内部で実行されることができる。例えば、キャップ又は蓋を有するボトル又は他の容器を成形する場合、プリフォームがブロー成形キャビティ内にある時に、キャップがプリフォームの頸部上に成形されることができる。このようにして、キャップの型は、ボルスタープレート22又はブローピンユニット72と、溶融高分子材料を型に導入するために設けられる手段とに組込み可能である。プリフォーム49cがブローされている時にキャップの成形が実行されることが有利であるが、その前又は後で実行されてもよい。同様にして他の機構がプリフォームの頸部上に成形されることができ、又は第2の材料がキャップ上若しくはプリフォーム内に外側被覆されてもよい。
【0064】
さらなる改変では、プリフォーム管の壁をより薄くすることができるよう、プリフォーム管の内面にリブを形成するためにコア32の表面に溝が設けられても良い。コア内の溝からより簡単にリブが除去されるよう、プリフォームが延伸された時にリブが薄くなる。
【0065】
特定の用途では、同一又は異なる材料からなる多層を含む積層プリフォームを製造するのが好ましい。この配置は、例えばボトル又は他の容器を形成するために用いられる材料の透過性によって生じる問題を克服するために用いられる。この特有の例は、ボトルの材料を通してガスを常に放出する炭酸飲料のボトルである。この問題は、2又はそれ以上の管であるプラスチックを共押出しすることで生成されるバリアライニング(barrier lining)の使用によって、従来技術で解決されている。2つのプラスチックが互いにつながり、一方のプラスチックがボトルの透過性を低減するバリアライニングを形成するプリフォームを作るよう、管の一端が切断される。
【0066】
複数の層、内壁、及び多数の他の特徴を有するプリフォームを成形するため、プリフォーム射出成形位置12が様々に改変されることができる。特に、プリフォーム成形位置12は、本出願人の同時係属の国際特許出願PCT/GB2006/002751に開示された配置に従うプリフォームを成形するのに適することができる。このようにして、プリフォーム成形位置12は、プリフォームの第1層を形成する高分子材料が注入される射出成形キャビティを規定するため、コアピン32又は他の移動可能な型部材に所定の位置で間隔を開けて延ばされる1又はそれ以上の移動可能な型部材を含むことができる。プリフォームの追加層を形成する追加の高分子材料が注入される少なくとも1つの追加の射出成形キャビティを規定するため、1又はそれ以上の型部材がさらなる位置へ引っ込み又は移動させられる。
【0067】
図4は、高分子材料からなる内層85及び外層86の2層を有するプリフォーム49’を製造するのに適した装置10’の典型的な実施形態を示す。
【0068】
改変された装置は、コアピン32の回りに位置する筒状成形部材又はスリーブ87を有する。スリーブの上端は、シャフト18内でスリーブを上下に移動させるための一般に88で示される機構によって支持される。機構88は、上板38又は他の何らかの固定された構成部材に取り付けられるサーボモータ89を含む。2つの送りネジ90は、スリーブ87の上端が置かれる追加板91の上面に取り付けられる。追加板91を移動させるため、1対のリサーキュレーティングボールナットを介してモータ89が送りネジ90を駆動し、従ってスリーブ87が制御システムの制御下で上下する。追加板91は、その移動をガイドするロッド40が通る孔を有してもよい。スリーブ87の外径は、外層86の所定厚みの差でシャフト18の内面から間隔を開けている。一方、コアピン32の外面はスリーブ内でぴったりと滑り嵌めされている。
【0069】
プリフォーム成形位置12は、プリフォーム49’の外層86を形成するために注入される第1の材料が通る第1の下部ゲート58と、プリフォームの内層85を形成するために注入される第2の高分子材料が通りつつ第1の下部ゲートより高い第2のゲート58’との2つの射出ゲートを有する。カッター60は増加する厚みのカッタープレート61を有し、カッタープレートはプリフォームが射出された後に両ゲートから余分な材料又は湯口を除去するよう配置されている。
【0070】
装置10’の改変された実施形態の操作がこれから記述される。
【0071】
トラップ扉50が閉鎖すると同時に、閉鎖されたトラップ扉50の上の射出成形キャビティ内部にコアピン32及びスリーブ87の両方が配置される。好ましい配置では、材料が注入された時にそれらが横方向に移動する傾向を低減するよう適所に固定されるように、スリーブ87及びコアピン32の一方又は両方が最初にトラップ扉50に係合する。構成材が記載された位置にある状態で、環状のキャビティがシャフト18の壁及びスリーブ87の外面の間に規定され、このキャビティ内にプリフォーム49’の外層86の側壁部を形成するための第1の材料が注入される。側壁部が満たされ又は実質的に満たされると、第1の高分子材料がトラップ扉50、コアピン32の自由端、及びスリーブ87の間を流れてプリフォームの外層86のベース部を形成するよう、コアピン32及びスリーブ87が閉鎖されたトラップ扉から間隔を開けて上方に移動させられる。
【0072】
代替の配置では、ベース部を形成するため、トラップ扉50がスリーブ87及びコアピン32の端から下方へ移動するように配置される。さらなる代替の配置では、最初にコアピン32のみがトラップ扉に係合すると共に、最初からベース部の所定厚みの差でスリーブ87がトラップ扉から間隔を開けていてもよい。コアピン32がスリーブ87内でぴったりと滑り嵌めされているため、ピン32とトラップ扉50との間の係合は、コアピン32とスリーブ87の両方を適所に固定する。コアピン32及び/又はスリーブ87の固定のための代替の配置が提供される場合、又はピン32とスリーブ87の横方向移動が問題ではない場合、射出成形工程の開始時にスリーブ87及びコアピン32がトラップ扉から間隔を開けていてもよいことはまた理解されるだろう。
【0073】
第1の外層86が形成されると、スリーブ87は射出成形キャビティから上部射出ゲート58’の上方に移動させられる。これは、内層又はライニング85を形成するため、コアピン32の外面と外層86の間の環状キャビティに上部射出ゲート58’を通って第2の材料が注入されることを許容する。最初に、内層85の側壁部を形成するために第2の材料が注入される間、コアピン32は外層のベース部に依然として接触し、それをしっかりと保持する。内層の側壁が満たされ又は実質的に満たされると、形成された隙間に第2の高分子材料が流れて内層85のベース部を形成するのを許容するため、外層のベース部から間隔を開けられるようにコアピン32が上方に引っ込む。
【0074】
内層85が注入された後、プリフォーム49’が冷却される。その後、コアピン32は、第1の実施形態に関して上述したのと同様な方法で両ゲート58、58’から余分な材料又は湯口を除去するためにアクチュエータ63によって横切って移動させられるカッタープレート61の上方に引っ込む。図4に示されないが、装置10’は、それを通って余分な材料が落下する第1の実施形態のシャフト64と同様な傾斜したシャフトを有してもよい。孔62をシャフト18と整列させるようにカッタープレート61が後ろへ移動すると、コアピン32がプリフォーム49’内に後退して戻り、トラップ扉50が開き、さらにコアピン32はプリフォームを更なる処理位置16へ押し込む。その後、第1の実施形態に関して上述したのと同様な方法で、装置が操作される。ブロー成形位置では、両層が完全に膨張し、又は以下により詳細に議論されるように内層のみが部分的に膨張するか、又は実際に全く膨張しない。
【0075】
上記したように、改変された成形装置10’は、一方が他のキャップの上に形成される2つ層85,86を有するプリフォームを製造する。当業者であれば、2又はそれ以上のスリーブ87を用いることにより、3、4、5,6又はそれ以上の層を有するプリフォームを製造できることが容易に理解されるであろう。又、追加のスリーブを用いることにより、あらゆる2つの隣接する層の側壁の間に隙間が形成されるがそこにベース部が接触するプリフォームを生成するよう、装置10’が配置されることができることも理解されるであろう。以前の実施形態に関して上述のものと同様な方法で、ブロー成形段階に先立ち又はその間に、積層プリフォーム49’が延伸されてもよい。
【0076】
これから、本発明に従って手動で作動するポンプディスペンサーの幾つかの実施形態の記述に続く。実施形態のそれぞれと同一か又は同様な機能を果たす機構を指定するため、同一の参照数字が用いられる。
【0077】
明細書及び請求の範囲に用いられる上方の、上方に、頂上、下方、及び底部などのような相対語は、添付の図に示されるようにディスペンサーが直立して配置された時にディスペンサー及びその種々の部分に関係する。ディスペンサーが他の方向に保持されてもよく、そのような用語がそれに応じて解釈されるべきであることは理解されるであろう。
【0078】
図5〜図11は、本発明に従って手動で作動するポンプディスペンサー110の第1の実施形態を示す。ディスペンサー110は、容器112、作動キャップ114及び弾性的に撓みやすい挿入部116の3つの構成部品を有する。
【0079】
容器は、分注される流体を収容する本体118と、ディスペンサーポンプの第1の部分又はベース部を形成する開口した頸部120とを有する。キャップ114は頸部120に取り付けられ、ディスペンサーポンプの第2の部分又は上部を形成する。可撓性の挿入部116は、キャップ114と頸部120との間に取り付けられて主ポンプチャンバー122を規定すると共に、この実施形態では第2のポンプチャンバー123を規定する。
【0080】
容器112及びキャップ114は、後で詳細に議論される射出及び/又はブロー成形技術を用い、ポリエチレン、ポリエチレン(polythene)又は同種のもののような高分子材料から形成されるのが好ましい。可撓性の挿入部116も、射出成形によって高分子材料から形成されてもよい。典型的に、挿入部116はTPV,TPE,PP、シリコン又は同種のもののような、一旦成形されると弾性的に撓み続ける材料から形成される。しかしながら、可撓部分が外側被覆されるそれより硬質な材料の芯又は骨格を有するため、2回射出技術を用いて可撓性の挿入部が製造されてもよい。このことは、さらなる強度を提供する。典型的には容器のキャップ114及び少なくとも頸部120は、一旦成形されると実質的に硬質であるか、又は可撓性の挿入部と比較したときに少なくとも実質的に硬質の材料から形成される。容器の本体118も成形後に実質的に硬質であるか、又は柔軟であってもよい。
【0081】
容器112の頸部120は形状が実質的に環状であり、かつ頸部120はその外面の周りに延びると共に下部120bから頸部の上部120aを分離する隆起部124を有する。上部120aは下部120bよりわずかに小さい外径を有する。そのうちの一方のみが見られるが、2つの直径方向に対向する溝126が隆起部124を通って下部120bまで長手方向に延びる。隆起部124に隣接し、止め具128、130の2つの対が上部120aの外面から径方向外側に突出する。止め具128の第1の対はそれぞれの溝126に隣接して配置され、一方で止め具130の他の対は第1の対に対して約90度で並ぶ。
【0082】
以下により詳細に記述するように、可撓性の挿入部116を支持するため、頸部120の上端は内側に曲がるフランジ132を有する。以下に同様により詳細に記述するように、容器の空気吸入口を提供するため、小孔134が頸部の壁を通って延びる。
【0083】
キャップ114は、容器の頸部120を収容する環状の本体部136を有する。取付け後に頸部120からキャップ114が誤って外されるのを防止するため、本体の下端には、容器の頸部表面の隆起部124と協同するために内側に向くフランジ138が形成されている。装置は、フランジ138が隆起部124を横切って隆起部の下面に係合するよう、キャップ114が頸部120に押し付けられるようになっている。通常の使用では、図1に示すように頸部120に対するキャップ114の上方への移動は、フランジ138と隆起部124との間の接触によって上部静止位置に限定される。
【0084】
キャップの本体部136の内面から半径方向内側に向かい、直径方向に対向する縦方向の1対の固定タブ140が突出する。図1に示すようにキャップ114がその上部静止位置に存在するとき、頸部120上の環状の隆起部124の上面に丁度位置するよう、タブ140の下端142が配置される。この位置でキャップ114は、タブ140が頸部上の止め具130の第2の対に隣接する固定された位置と、タブ140が止め具128の第1の対に隣接する固定されない位置との間でねじられる。キャップ114が固定された位置にある時、タブ140が頸部上の隆起部124の上面に接するので、キャップが押し下げられることが防止される。しかしながら、キャップ114が固定されない位置にある時、タブ140が溝126と並び、タブ140が溝126に入って溝に沿って滑りながら、キャップ114が図2に示す位置へ押し下げられることができる。このことは、誤った作動に対して使用者がディスペンサー10をロック可能にする簡単なねじり固定機構を提供する。誤った作動に対してキャップを固定する、あらゆる他の適切な手段が用いられることができる。
【0085】
出口144がキャップ114の上部に形成される。図5〜図7において、出口は、ペースト、ジェル又は泡を分注するのに適する大きな内部出口流路146を有する楕円形の断面形を持つ細長い噴出口の形状に形成されている。その一方、図8〜図11に示される出口144’は、液体を霧状スプレーとして分注するのに適した噴霧ノズルを内蔵する。用途及び分注される流体の種類により、出口144が多数の手段で改変可能なことは当業者に理解されるであろう。例えば、本実施形態では、ディスペンサーが直立した位置の時に水平に延びるよう、出口144は容器112の縦軸に概ね垂直に向いている。しかしながら、ディスペンサーが直立した位置の時に、又は実際にあらゆる所定の角度の時に上方に突出するよう、出口144が容器の縦軸に水平に延びるように配置されてもよい。
【0086】
出口144’が噴霧ノズルの形状である場合、当業者に知られた方法で液体がオリフィスの軸の周りに回転するのを促進するよう、最終出口オリフィスのちょうど手前に渦チャンバー又は他の装置が備えられてもよい。
【0087】
図8〜図11に最もよく示されるように、キャップ114の上面は、内側に突出するカラー148を有する。2つの環状壁の間に環状チャンネル154を規定するため、カラー148は第1の径方向内側環状壁150と第2の径方向外側環状壁152とを有し、第1の径方向内側環状壁は外端又は上端で第2の径方向外側環状壁に接続されている。截頭円錐状部158によって内側環状壁150の内端又は下端が中央ボタン156に接続される一方、第2の環状壁の内端又は下端は本体部136に接続されている。外側環状壁152と本体部136との接合部位で、キャップ114の内面の周りに溝160が形成される。
【0088】
前記したように、図8〜図11に示される出口144’は、液体の霧状スプレーを生成するよう構成されたノズルを有する。出口144’は、短い環状の噴出口162、噴出口内の中央に位置する概ね円形の突部164、及び突部の周りで噴出口内に位置する後端キャップ又はスプレー挿入部166を含む。挿入部166は噴出口162にぴったり嵌るものの、液体の流路を形成するよう、挿入部の内面が突部の外面から空間を開けている。挿入部の端壁168は、それを通って液体が放出されて霧状スプレーを形成する少なくとも1つの微小なオリフィス又はノズル170を有する。図示しない代替の装置では、円形の突部が省略され、噴出口に取り付けられる挿入部又はキャップ内の他の開口によって出口ノズルが形成される。
【0089】
本実施形態では、ディスペンサー100は、容器から液体をくみ上げる主ポンプチャンバー122と、液体と混合するために出口ノズルに加圧空気を供給する第2チャンバー123との2つのポンプチャンバーを有する。第1の開口172は、第1及び第2の環状壁150、152の間の環状空間154と出口噴出口162の内部とを流体接続し、この開口は主ポンプチャンバー122からの液体の出口流路の一部を形成する。第2の開口174は、出口噴出口162の内部と第2のポンプチャンバー123とを流体接続し、第2のポンプチャンバーからの空気が出口に入って液体と混合することを可能とする。当業者に知られる方法で、液体と空気が出口オリフィス170の軸の周りに回転するように案内される渦チャンバーを形成するよう、突部の端面164a及び/又は挿入部の端壁168の内面が形成されてもよい。空気と液体とは、渦チャンバーに入る前は出口内部で分離されていてもよい。このことは、例えば挿入部166の内面及び/又は突部164の外面に、液体と空気の分離した流路を形成するための溝及び/又は凹部を形成することで実現することができる。
【0090】
スプレー挿入部166は、好ましくはキャップ114と同一の金型内で成形され、図9に示すような可撓性の引き綱166aによってキャップと接続されている。この配置は、1つの構成部品を事実上形成するようにキャップ114と挿入部166が結びつけられるので、ディスペンサーの組み立てに役立つ。
【0091】
可撓性の挿入部116は、中心コア176と、コアを通って縦方向に延びる中心孔178とを有する。孔178の内端又は下端は、浸漬管180の上端部に位置するのに適合する拡径部178aを有する。浸漬管180は容器112の底へ向かって延び、公知の方法で容器の内容物が分注されるのを可能とする。拡径部178aの表面に微小な隆起部178bが設けられている。隆起部178bは浸漬管180の外面に接し、Oリングと同様な点接触シールを形成する。
【0092】
後にさらに詳細に記述されるように、本実施形態では浸漬管180は容器と一体に形成される。浸漬管の下端は、それを通って流体が中心孔182に流れる開口を有する。図示しないが、容器の底部は、浸漬管の下端が位置する容器の中央に向かって下方に曲がっている。この配置は、ディスペンサーが直立に配置された時に、実質的に容器内の全ての流体が分注されることを確実にする。浸漬管180が容器の一体部分であることが好ましいものの、公知の方法で浸漬管が分離した部分であってもおいことは理解されるであろう。
【0093】
可撓性の挿入部116は二重鐘(double bell)状に形成される。第1の上部鐘状部又はダイアフラム部材184はキャップ114の内面に接し、主ポンプチャンバー122を規定する。第2の下部鐘状部又はダイアフラム部材186は主コアから外側に延び、容器の頸部120に接してシールする。第2のポンプチャンバー123は、キャップ114内で上部鐘状部184及び下部鐘状部186の間に規定される。
【0094】
上部鐘状部184は、コア176の上端からキャップの本体部136の内面に向かい上側及び外側に突出する截頭円錐状部184aと、截頭円錐状の上端から延びてカラー148の内側環状壁150の外面に接する管状部184bとを含む。截頭円錐状部184aと管状部184bとの間の接合部位で、第1の鐘の外面の周りに半円形のシール184cが形成される。シール184cは溝160内に係合してシールする。管状部184bは弾性的に付勢されて内側環状壁150の外面に係合し、主ポンプチャンバー122を出口144から分離するシールを形成する。管状部184bは、主チャンバー122からの液体の放出を制御する可撓性バルブ部材として作動する。
【0095】
可撓性の挿入部は、浸漬管から主ポンプチャンバー122へ入る液体の流れを制御する一方向入口バルブ185も形成する。バルブ185はあらゆる適切な形状であることができ、例えばフラップバルブ又はカモノハシ(duckbill)バルブを含むことができる。
【0096】
下部鐘状部186は、容器112の頸部120に向かい径方向外側に突出する肩部186aと、頸部120の内部に延びてシールする下方に延びたスカート186bとを有する。下部鐘状部186の截頭円錐状の外面が頸部のフランジ132上に置かれる一方、スカートの傾斜した突起部186cがフランジ132下方の切り込み(undercut)に係合する。このことは、容器112の頸部120に可撓性の挿入部116をしっかりと固定する。スカートのさらなる截頭円錐状延長部186dが頸部120の内面に係合して点シールを形成する。延長部は空気取入口134より下の地点で頸部に接し、空気が容器内に入ることを許容するバルブとして作動する。内容物が使い切られるにつれて容器内の圧力が大気より低下すると、延長部186dが頸部120の表面から離れ、大気が容器に入ることを許容する。他の全ての時間では延長部186dは頸部に接し、空気取入口134及び頸部自身を通って液体が漏れることを防止するシールを形成する。
【0097】
下部鐘状部は上方に延びてキャップ114の本体部136の内面に接してシールする追加の截頭円錐状延長部186eを有し、この截頭円錐状延長部は上部及び下部鐘状部184、186とキャップ114との間に第2のポンプチャンバー123を規定する。追加の截頭円錐状延長部186eは可撓性であり、ディスペンサーの各動作の後で第2のチャンバーに大気を導入することを許容する一方向バルブとして作動する。
【0098】
特に図10及び図11を参照し、ディスペンサー110の操作がこれから記述される。図10及び図11に示すディスペンサーは、主ポンプチャンバーの入口バルブ185がアヒル(duck)又はファート(fart)タイプの形状のバルブ185である、変更された可撓性の挿入部116を有する。このタイプの入口バルブ185は、スリット185aを有する閉口を備えた管を含む。可撓性の挿入部116が以下の各動作へ戻るにつれて主ポンプチャンバー122内の圧力が低下すると、スリット185aが開かれ、チャンバー内に液体が吸い込まれるのを許容する。さらなる改変では、下方切り込みに係合する突起部186aの代わりに、一連のフィン188によって可撓性の挿入部116が容器の頸部120内に保持される。容器の頸部120内で下方切り込みを除くことは、成形を容易にする。これらの違いの他は、図10及び図11に示されるディスペンサー110は、図5〜図9に示されるディスペンサーと同様な方法で構成されかつ動作する。
【0099】
主ポンプチャンバー122及び第2のポンプチャンバー123がそれぞれ液体及び空気で完全に充填されたと仮定すると、キャップを固定されない位置へ回して押下げることにより、使用者はディスペンサーの動作を開始する。キャップ114が押下げられると、可撓性の挿入部の上部鐘状部184の円錐部184aが下方に屈折され、主ポンプチャンバー122及び第2のポンプチャンバーの体積が減少する。これは主ポンプチャンバー122内の液体の圧力の上昇、及び第2のポンプチャンバー123内の空気の圧力の上昇をもたらす。液体は非圧縮性であるため、第2のポンプチャンバー123の体積を低減するために最初に円錐部184aが下方に屈折されても、主ポンプチャンバー122の体積は少ししか変化しない。
【0100】
主チャンバー122内の液体の圧力の増大は、入口バルブ185が閉鎖し続けることを確実にするよう作用し、かつ上部鐘状部184の管状部184bに作用する。主ポンプチャンバー122内の圧力が所定レベルに到達すると、圧力下で液体がカラーの内側及び外側環状壁150、152の間の環状チャンネル154内へ流れ、それから開口172を通って出口144へ流れるよう、管状部184bがカラー148の内側環状壁150から離れて付勢される。このように管状部184bは、所望のスプレー品質を作り出すのに適した所定の動作圧力に到達した時に液体が主ポンプチャンバー122から出口144へのみ流れるのを確実にする、予備圧縮(pre-compression)出口バルブとして作動する。出口予備圧縮バルブ184bが開く圧力は、可撓性の挿入部116を形成するのに使用された材料の特性及び管状部184bの厚みによって決められる。適切な材料と厚みを選択することにより、設計者はあらゆる特定の用途について適切なバルブの開圧力を決定することができる。
【0101】
同時に、第2のチャンバー123内の空気の圧力の増大は、下部鐘状部の追加の截頭円錐状延長部186eに作用してキャップ114の本体部136の壁にしっかりと押し付け、密閉したシールを形成する。図10に示されるように、第2のチャンバー123を出口144に接続する開口174は、通常は可撓性の挿入部190の一部によって閉じられ、可撓性の挿入部は、上記した管状部184bのそれと同様な方法で第2のポンプチャンバー123の予備圧縮出口バルブ部材として作動する。このように、空気の圧力が所定の値に到達すると、開口174を閉塞する可撓性の挿入部190の一部は、空気が出口144に入るのを許容するよう移動する。主及び第2のチャンバー122、123の出口バルブは、同一の所定圧力又は異なる圧力で開くように準備されてもよい。例えば、液体よりわずかに早く、空気が出口に入ることを許容されてもよい。
【0102】
図11に示すように、ポンプチャンバーの出口バルブが一旦開くと、出口オリフィス170を通って出る前に液体と空気が混合され、霧状スプレーとしてそれらが出口を通って流れ続けるよう、使用者はキャップ114を押し続けてさらにチャンバーの体積を減少させる。一旦キャップが完全に押し下げられ、又は使用者がキャップ114を押すのを停止すると、ポンプチャンバー122、123内の圧力が低下して出口バルブ184b、190が閉じる。
【0103】
使用者がキャップ114から作動力を取り除くと、可撓性の挿入部116の弾性力と、特に上部鐘状部184の弾性力とがキャップ114を静止位置に向かって付勢する。キャップ114が自身の静止位置に後退されるにつれて、主及び第2のチャンバー122,123の体積が増大し、チャンバー内の圧力が低下して部分的減圧を形成する。主ポンプチャンバー122内の圧力が所定値へ低下すると、入口バルブ185が開いて液体の新たな分量がチャンバーに引き込まれる。第2のポンプチャンバー123内の低下した圧力が、大気に下部鐘状部の追加の截頭円錐状延長部186eをキャップ114の壁から押しのけさせるにつれて、空気の新たな分量が入ることも許容される。キャップ114が完全に自身の静止位置に戻る時までに、さらなる作動に備えて主及び第2のポンプチャンバーの両方が完全に満たされる。使用者はキャップ114を押して再びさらなる液体を分注するか、又は保管のため固定された位置へキャップを捻ることができる。
【0104】
それによりキャップ114が静止位置へ付勢して戻されるスプリング力を増大させるため、補強リブ又は支柱を追加することにより、可撓性の挿入部116と、特に上部鐘状部184とが補強されることができる。図11は、中間作動(mid-actuation)においてキャップ114が自身の完全に押し下げられた位置に達した時のディスペンサーを示す。主ポンプチャンバー122から出口144へ流路を開くため、挿入部の管状部184bがカラー148の内側環状壁150から離れるように曲がることが示される。第2のポンプチャンバーから第2の開口174を通って出口144へ流路を開くため、可撓性の挿入部190も又、曲げられる。キャップ114が完全に押し下げられた時に、ポンプチャンバー122、123のデッドスペースが最小になるようにディスペンサーが設計されていることは留意すべきである。
【0105】
本発明に従うディスペンサー110は、あらゆる適切な方法と装置を用いて製造されることができる。しかし、容器のプリフォームが上部位置12で射出成形され下部位置14でブローされる状態で、図1〜図4に関して上記した積層射出/ブロー成形装置及び方法を用い、容器116及びキャップ114が費用効果的に製造されることができる。容器の頸部120は、上部位置12で成形されるか、又はブロー成形段階の間に下部位置14で成形されてもよい。場合によっては、頸部の一部が上部位置で成形される一方、付加的な特徴が下部位置で加えられる。キャップ114は、割型内の適切な型彫(impression)と共に、下部位置14で射出成形されることもできる。出口144が噴霧ノズル挿入部166を含む場合、これはキャップと共に下部位置で成形されることもできる。可撓性の挿入部116は通常、別の射出成形装置で製造されてディスペンサーに取り付けられる。図7に示されるように、挿入部は最初にキャップ114に取り付けられ、それからキャップが容器の頸部120に押し付けられ、可撓性の挿入部116が頸部120に係合するよう、キャップが完全に押し下げられる。ディスペンサーはその後に呼び水を差される(primed)。
【0106】
要求される金型スペースを低減するため、キャップ114の金型は通常、容器112のブロー成形キャビティの肩部の上に配置される。このことは、1つの金型で製造できるユニットの数を最大にすることを可能とする。多くの用途では、容器の本体118は図に示されるより大きく、かつ側面より正面又は背面から見た方が広幅になるよう、水平方向の断面が非円形(例えば、卵形(oval)又は楕円形)を有していてもよい。この場合、容器のブロー成形キャビティの上に配置されるキャップ114の全ての金型のために十分な空間がある。しかしながら、容器が小さいか又は円形であっても、容器及びキャップの金型の全設置面積を最小にするようにキャップの金型が配置されることができる。
【0107】
本実施形態では、キャップ114は、キャップを容器112と接続する可撓性の引き綱192と共に成形される。このことは組み立て工程を最小にし、かつ製造及び管理(制御)される必要がある分離した部品の全体数を低減するので好ましい。しかしながら、引き綱は省略されてもよい。キャップ114が容器112に嵌合されるのを可能にし、かつ挿入部を取り付けるのが容易になるよう、容器付近でキャップ114が垂直に逆さまにひっくり返るのを可能にするため、引き綱は柔軟である。挿入部116が取り付けられた時にキャップが容器の肩部又は側壁に存在するよう、キャップ114及び引き綱192が配置されることができる。
【0108】
図12及び図13は、引き綱192がねじられるのに適する、変更されたディスペンサー110を示す。図12に示すように、この配置は、底面が分離した成形金型(mould tool)の一部分で製造され上側が金型の他の部分で製造された状態で、キャップ114が水平に成形されるのを可能とするので有益である。この配置では出口噴出口144が垂直に延び、それは引き込みピンを用いて成形されることができる。図13に示すように、容器112とキャップ114とが金型から取り除かれると、容器付近でキャップ114が逆さまにひっくり返るのを可能にするために引き綱をねじる。ねじれを生じさせるよう、異なる角度の一連の孔193で引き綱192が形成されている。キャップ114が容器112に取り付けられた後、又はディスペンサーの最初の使用時に容易に除去できるよう、この実施形態及び全ての実施形態における引き綱192は壊れ易い環によってキャップ114及び容器112に接続された状態で製造されることができる。
【0109】
キャップが容器と共に成形され、かつ引き綱によって接続されることが有利である一方、キャップが容器と別個に成形されてもよいことは理解されるであろう。図4に示される改変された成形装置10’に関して上記したように、多層を有するプリフォームを製造することにより、浸漬管180が容器と一体に成形されることができる。この場合、浸漬管はプリフォームの内層から形成される。プリフォームがブローされると、外層のみが膨張して容器112の本体を形成する一方で、内層は膨張しないか又はさらに大きさを減じられて浸漬管180を形成する。浸漬管180の底部の入口穴は、その内側に浸漬管層が成形されているスリーブの一部を上昇させ、浸漬管層の底部を通る穴を破裂させるために浸漬管内へ空気を吹き込むことによって形成されることができる。容器112が満たされた時に管が満たされるような一体浸漬管180を有することは有利である。このことは、必要とされる呼び水の量を低減する。
【0110】
多くの用途では、容器112に対して異なる色でキャップ114を製造することが好ましい。これは、上記した装置10、10’を用い、所望の顔料(colour)をシリンダ(barrel)内で混合せずに、キャップ114及び容器112の一方又は両方の湯道(runner)に顔料を供給することによって実現されることができる。このようにして、あらゆる所望の色の組み合わせを作り出すことができる。
【0111】
記述されたディスペンサー110は、種々の方法で変更されることができる。例えば、出口ノズル144で空気を液体と混合する必要がない場合、第2のポンプチャンバー123が省略されることができる。この場合、下部鐘状部186は追加の截頭円錐状延長部186eを備える必要はなく、さらに出口144へ入る第2の開口174も省略されることができる。その代わり、2つの液体を分注するのが要求される場合、各部分の内部に延びる浸漬管180を備えた内壁により、容器112が2つに分割されることができる。この配置では、一の浸漬管が主ポンプチャンバー122に流体接続し、他が第2のポンプチャンバー123に流体接続し、さらに各浸漬管の入口バルブを形成するよう、可撓性部分116が変更される。2つの液体を分注する2つのチャンバーをディスペンサーが有する場合、2つの液体はノズルで混合されることができ、又はディスペンサーノズルの外部で空気中で混合されるよう、それらが別の出口を通って案内されることができる。
【0112】
図14及び図15は1つのポンプチャンバー122のみを有するディスペンサー110の実施形態を示す。この実施形態において可撓性の挿入部116は、一連のフィン188によって容器の頸部120内に保持され、ポンプの入口バルブ185がアヒル(duck)又はファート(fart)バルブの形状である点で、図10及び図11に関して上記したものと同様である。この実施形態は第2のポンプチャンバーを有しないため、可撓性の挿入部116の追加の截頭円錐状延長部186eは除かれる。
【0113】
さらなる変更されたディスペンサーの実施形態10が図16に示される。この実施形態は、図10及び図11に関して上記したものと同様であり、主ポンプチャンバー122にアヒル(duck)又はファート(fart)型の入口バルブ185を含む。さらなる変更は、上部鐘状部184をキャップ114に取り付ける方法を含む。先の実施形態にあるように溝160に係合する半円形シール184cを有するのでなく、上部鐘状部184は、截頭円錐状部184aと管状部184bとの間の接合部位で、キャップの内側及び外側環状壁150、152内の凹部の間に延びると共に該凹部に保持される厚み増大部184dを有する。出口バルブとして作動する管状部184bが外側に曲がった時に内側及び外側壁の間の環状チャンネル154に液体が流入することができる開口194が、内壁150を貫通して設けられる。
【0114】
本発明に従うディスペンサーは、引き金式アクチュエータを組み込むように変形されることができる。これは、容器の頸部120にヒンジ構造を追加し、ヒンジ構造に取り付けられてキャップ114に嵌合される分離した引き金式アクチュエータを備えることで実現されることができる。アクチュエータは、それを通して出口144が突出する開口を有してもよい。
【0115】
代わりに、図17に示すように、一体の引き金式アクチュエータを組み込むようキャップ114が変形されることができる。この実施形態では、容器の頸部120の一方に、1又はそれ以上の鉤状部196が成形される。キャップ114は対応するロッド部198を備えられ、ロッド部は鉤196に係合してその周りにキャップ114が回転するヒンジを形成する。キャップ114は、使用者によって握られてディスペンサーを作動させる引き金部200を有する。2つのポンプチャンバーを有するディスペンサーを含む、記述されたどの実施形態も、引き金式アクチュエータを組み込むよう変形されることができる。
【0116】
個々の作動時に分注される液体の放出又は投与量(dose)を調整するために主ポンプチャンバー122の大きさを変えることにより、本発明に従うディスペンサーは、ディスペンサーを投与する使用に適合させることができる。ディスペンサーの投与は、医薬品の分注を含む多くの用途を有することができる。投与ディスペンサーは、空気を液体と混合し又は2つの液体を分注するための第2のチャンバー123を含んでもよい。2つの分注ポンプを提供するため、第2のチャンバー123の体積も決められてもよい。
【0117】
主ポンプチャンバー及び、第2のポンプチャンバーを有する場合は第2のポンプチャンバーの入口及び出口バルブは、可撓性の挿入部116によって形成されることが好ましい一方で、代替のバルブ配置が使用されることができる。例えば、どのバルブも、例えばボールタイプ(ball type)バルブを含むバルブインサート(valve insert)によって置き換えられることができる。
【0118】
ディスペンサーの出口144は、分注される流体の種類によって種々の方法で変更されることができる。例えば流体が泡として分注される場合、ろ過網(filter mesh)が出口内に組み込まれることができる。図18は、泡として生成される空気と液体の混合物を分注するのに適したディスペンサー110の実施形態を示す。
【0119】
図18のディスペンサー110は、図5〜図11に関して上記したディスペンサー110と同様であり、ディスペンサーは、容器から液体製品を分注する主ポンプチャンバー122と、出口144で液体製品と混合される空気を分注する第2のポンプチャンバー123とを規定する可撓性の挿入部116を含む。この実施形態では、出口144は、噴霧又はスプレー出口145を囲む大径の出口流路146を有する細長い噴出口を含み、液体製品は主ポンプチャンバー122からスプレー出口を通って流路146に噴射される。第2のチャンバー122からの空気は、第2のポンプチャンバーから空気出口流路174を通って出口流路146に直接導入され、そこで空気は液体製品と混合されて泡を生成する。泡の精製手段が出口流路146内に包含されることができる。これは、当業者に知られるように、1又はそれ以上のろ過網(mesh filter screen)を含んでよい。しかしながら本実施形態では、開細胞型の発泡体(open celled foam)、又は他の適切な3次元メッシュ構造の栓210が出口流路146内に配置される。便利のため、示されるように出口流路146の外端に位置する挿入部212内に栓210が保持されてもよく、又は出口流路内に栓が直接配置されてもよい。
【0120】
図18に示すディスペンサー110は、その他の点では上記した図5〜図11のディスペンサー110と同様にして構成され及び操作される。主な違いは、上部鐘状部184がキャップ114及び排気装置の内側に位置することである。
【0121】
本実施形態では、可撓性の挿入部の上部鐘状部114はフランジ184dを有し、このフランジは、キャップ114の上面から内部に突出する2つの離間した環状壁150、152の間の環状隙間154内に収容される。内側環状壁150及びフランジ184dは、適切な位置にフランジ184dを固定する相互係合(inter-engaging)構造184e、150aを有する。外側リップシール184fがキャップの側壁の内面に係合し、下部鐘状部186及びキャップ114の側壁と共に第2の空気チャンバー123を規定する。空気出口流路174に隣接するリップシール184fの一部184gは第2のチャンバーの出口バルブとして作動すると共に、ディスペンサーが動作する時に壁から離れて内側に曲がり、空気が空気出口流路174に入るのを許容する。下部鐘状部は、キャップの壁に係合して第2のチャンバーの下端をシールするシール186eを有する。図5〜図11に示される実施形態及び上記したのと同様、個々の作動の後でキャップ114が静止位置に戻るにつれて、シール186eは大気が第2のチャンバー123に入ることを許容する一方向バルブとして作動する。
【0122】
上部鐘状部184の第2のリップシール184hはキャップ114の上面に係合し、上部鐘状部184とキャップの上面との間で主液体ポンプチャンバー122を規定する。液体出口流路172に隣接する第2のリップシール184hの少なくとも一部184iは、ポンプが作動した時に主ポンプチャンバー122からの液体の放出を調整する予備圧縮バルブとして作動する。このようにしてキャップ114が押し下げられると、主ポンプチャンバー122内の液体の圧力が上昇する。液体の圧力が所定の要求された値に達した時、主ポンプチャンバー内の液体の圧力上昇は第2のリップシール184hに作用し、少なくとも一部184iをキャップから離れて曲がらせ、液体が流路172に入るのを許容する。この実施形態では主ポンプチャンバーの入口バルブ185は、カモノハシ又はファート(fart)型バルブの形状を持つ。
【0123】
主ポンプチャンバー内の液体の非圧縮性に起因して、液体チャンバー122の出口バルブが開く前に第2のチャンバー123内の空気の圧力は著しく上昇しない。結果として、空気チャンバー123からの空気は実質的に大気圧で出口流路に供給され、空気チャンバーの出口バルブ184gは出口バルブ184iと同時に、又はちょうど前に、又はちょうど後に開くように構成されることができる。
【0124】
典型的には、ディスペンサー110は空気と液体とを体積で6:1〜10:1の範囲の比で供給する。必要であれば、キャップの直径を示されるより大きくすることによって空気チャンバー123の体積が増大されることができ、キャップは頸部120より著しく大きい直径を有してもよい。
【0125】
いくつかの状況では、空気チャンバー123内の空気圧を大気より上昇させるのが好ましい。この場合、液体チャンバー出口バルブ184iが開く前に空気チャンバー123の体積が減少するのを可能にするよう、ディスペンサーが変更されることができる。これは多数の方法で実現することができる。例えば、気体を含む風船又は他の圧縮可能な胴部(body)が液体チャンバー内に配置されてもよい。ディスペンサーが作動すると、主チャンバー122内の液体の圧力が上昇する前に空気チャンバーの体積が低減し、かつ空気圧が上昇するよう、風船又は胴部が最初に圧縮してキャップが頸部120に対し移動することを許容する。
【0126】
本実施形態では、空気が容器内に入るのを許容するための頸部120を貫通する開口134は存在しない。むしろ、空気が容器内に入るのが可能な微小な空気流路(図示せず)が、可撓性の挿入部116と頸部内面との間に備えられる。流路は常に開いていてもよく、又は容器内の圧力が大気より低い時に流路が形成されるように挿入部が構成されていてもよい。この配置は、本出願に記述されるあらゆる実施形態に空気穴134の代わりに採用されることができる。
【0127】
本実施形態では、キャップ114の上面の中央部156は凹み(indent)、ドーム状に形成されている。これは、主チャンバー122のデッドスペースの量を低減する。しかしながら、これ及び他の実施形態では、キャップの上面は単なる平らな面として備えられる。さらに、本発明に従うディスペンサーは、キャップ内にただ1つの同心の環状壁150、152を備えられていてもよい。上記した全ての実施形態では、ディスペンサーポンプは容器と一体に成形される。この配置は、部品の全体数と組み立て工程を最小にした一体の容器とポンプディスペンサーを製造する極めて費用効果の高い方法を提供する点で有利である。しかしながら、特定の用途では、容器と別にポンプディスペンサーを提供するのが好ましい。本発明に従うディスペンサーの多くの利点は、このようにしてさらに実現することができる。この目的を実現するため、開示された実施形態では容器の頸部に形成されるディスペンサーポンプの第1又はベース部112は、容器と別の部品として形成され、容器に取り付けるのに適している。第1又はベース部112は、例えばネジ山又は他のねじり嵌合装置によって容器の頸部に取り付けるのに適している。
【0128】
本発明に従うディスペンサーは構造が単純であり、そのため製造するのが比較的安価で、それにも関わらず極めて有効である。可撓性の挿入部と一体に形成される各チャンバーの入口及び出口バルブの全ての可撓性バルブ部材と共に、ディスペンサーはキャップ、ベース部(それは容器も含んでよい)及び挿入部のたった3つの分離した構成部品を含む。キャップとベース部が同時に成形され、かつ引き綱によって相互接続される場合、ディスペンサーはたった2つの分離した構成部品を含む。
【0129】
さらに、様々なポンプを提供するため、同一の基本設計が変更されることができる。このようにして、変更された可撓性の挿入部116を用いることで1つのチャンバーポンプ又は2つのチャンバーポンプを形成するため、同一のキャップ114及びベース部112が使用されることができる。例えば、噴霧ノズル、泡ディスペンサー等の異なる出口装置を有するキャップアクチュエータ114を製造するために同一の基本金型が使用できるよう、キャップの出口144、144’は交換可能な成形型内のインサートによって成形されることができる。さらに、挿入部116及びアクチュエータキャップ114を変更することにより、様々なポンプサイズが製造されることができる。代わりに、ベース部112に対するキャップ114の移動範囲をその可能な最大移動範囲未満に制限するため、協同(cooperating)止め具をキャップ114及びベース部112上に設けることによりディスペンサーの放出体積を変えることができる。異なる放出体積を有するが、同一の基本的なキャップ114、ベース部112及び挿入部116を用いる様々なポンプを提供するよう、止め具の位置が変更されることができる。止め具は成形型内のインサートによって成形されることができ、これにより、同一の基本金型を用いて様々なポンプが製造されることが可能となる。各ポンプサイズ及び種類に応じて別の金型が要求される従来技術に比べたとき、これら全ては、著しく低減された金型コストを持つ新たなポンプ群が市場にもたらされることを可能とする。
【0130】
本発明は、現在のところ最も実用的で好ましいと考えられる実施形態に関して記述されてきたが、本発明は記述された装置に限定されず、本発明の精神と範囲に含まれる様々な変形及び均等な構造に及ぶことを意図するのは理解されるであろう。例えば、幾つかの場合、可撓性の挿入部116が頸部120の外側に延びるように構成されることができる。幾つかの実施形態においては、ディスペンサーは逆さまに動作するのに適していてもよい。このような装置では、ディスペンサーは浸漬管を有しなくてよい。その代わりに、分注される液体は、主ポンプチャンバーの入口に流体接続する出口を有する柔らかい袋内に含まれる。2つの液体が分注される場合、各ポンプチャンバーに流体接続する出口を有する柔らかい袋内に、2つの液体がそれぞれ保持されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から少なくとも1つの液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、
前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、
前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、
前記ディスペンサーは更に、前記少なくとも1つの液体を分注する第1のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記少なくとも1つの液体が前記第1のポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するよう構成され、
前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記第1のポンプチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブと、前記第1のポンプチャンバーから前記出口を通る液体の放出を調整するよう作動する出口バルブ装置とを含み、
前記挿入部はさらに、第2の液体を分注する第2のポンプチャンバーを規定する手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項2】
前記ディスペンサーは、流体源から第2の流体が前記第2のチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブを含む請求項1記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項3】
前記ディスペンサーは、前記第2のポンプチャンバーから通過した前記第2の流体が前記出口に入ることができるよう作動する出口バルブを含む請求項2記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項4】
前記挿入部の一体部分が前記第1のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項5】
前記第1のチャンバーの前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブである請求項4記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項6】
前記可撓性の挿入部の一部が前記第1のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜5のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項7】
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜6のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項8】
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜7のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項9】
前記第2のポンプチャンバーは空気を分注するよう構成され、前記第2のポンプチャンバーの前記入口バルブは、前記第2のポンプチャンバーの圧力が外気圧より所定の量だけ低いときに、前記第2のポンプチャンバーに外気が入ることを許容するため開くよう構成されている請求項7に記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項10】
前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成され、前記挿入部は、それを通して前記第2の液体が前記第2のポンプチャンバーに吸い込まれる第2の入口を規定する請求項1〜8のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項11】
前記可撓性の挿入部は前記第1のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する孔を規定する本体を有し、
浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられる先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項12】
前記本体は前記第2のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する第2の孔を規定し、
第2の浸漬管が前記第2の孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記第2の浸漬管に取り付けられる請求項10に従属する請求項11記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項13】
前記ベースは環状壁又は頸部を有し、前記キャップは閉塞端と、前記頸部の外側の周囲に位置し前記閉塞端から延びる環状側壁とを有し、前記挿入部の少なくとも一部が前記頸部内に収容され、前記挿入部は、自身と前記キャップとの間で前記第1及び第2のポンプチャンバーを規定するため前記キャップの内面に接する部分を有している先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項14】
前記本体は少なくとも部分的に前記頸部内に収容され、
前記挿入部は、前記本体から延びて前記キャップの内面に接し前記第1のポンプチャンバーを規定する第1の鐘状部と、前記本体から延びて前記頸部の内面と接しつつこれとシールを形成する第2の鐘状部とを有し、
前記第2の鐘状部は、前記第2のポンプチャンバーを規定するために前記第1の鐘状部から間隔を開けた関係で、前記キャップの側壁に接するシール部材を有する請求項13に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項15】
前記孔は前記挿入部の前記本体の内部に規定されつつ前記第1のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第1の液体が前記孔を通って前記第1のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有する請求項11に従属する請求項14に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項16】
前記第2の孔は前記本体の内部に規定されつつ前記第2のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第2の液体が前記第2の孔を通って前記第2のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有する請求項12に従属する請求項15に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項17】
前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の出口に取り付けられるのに適する先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項18】
前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の構成部分である請求項1〜16のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項19】
容器とキャップとを含む手動ポンプディスペンサーであって、
前記容器は、分注される大量の液体を保持するための本体と、分注される前記液体がそれを通って前記容器に導入される蓋のない頸部と、前記頸部の内部から又はそれに近接して前記容器の底部に向かって延びる一体浸漬管とを有し、
前記キャップは液体の出口を有し、かつ静止位置及び作動位置の間で移動するため前記容器に取付けられ、
前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記容器の前記頸部と前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記液体が前記浸漬管から前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定し、
前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記ポンプチャンバーに入るのを可能とするように作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含む手動ポンプディスペンサー。
【請求項20】
前記キャップが可撓性の引き綱によって前記容器と接続されている請求項19に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項21】
前記引き綱は縦軸を有し、前記縦軸の周りにねじるのに適している請求項20に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項22】
前記引き綱は、壊れ易い環によって前記キャップ及び前記容器に接続されている請求項20又は21に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項23】
前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成する請求項19〜22のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項24】
前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブである請求項23に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項25】
前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成する請求項19〜24のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項26】
前記可撓性の挿入部は、前記ポンプチャンバーの前記入口を含む孔を有する本体を備え、
前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられる請求項19〜25のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項27】
前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定される請求項11又は26に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項28】
前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含む請求項27に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項29】
前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じる請求項27又は28に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項30】
前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じる請求項29に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項31】
前記可撓性の挿入部は、前記容器の前記頸部の内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含む請求項27〜30のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項32】
前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有する請求項31に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項33】
前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の内面に接するため、前記フランジを超えて前記頸部内に延びる請求項32に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項34】
前記第2のダイアフラム部材は弾性的に付勢されて前記頸部の内面に接する請求項33に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項35】
前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記容器への空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成する請求項34に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項36】
前記可撓性の挿入部は、前記キャップ内の第2のポンプチャンバーを規定するため、前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接する追加のシール部材を含む請求項27〜35のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項37】
前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材の延長部を含む請求項31に従属する請求項36に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項38】
前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を分注するよう構成され、
前記追加のシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの外気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成される請求項36又は37に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項39】
前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成され、
前記容器は、前記第1の液体を収容する第1の区画と第2の液体を収容する第2の区画との2つの区画に分割され、
前記第1の容器区画は前記第1のポンプチャンバーと流体接続され、前記第2の容器区画は前記第2のポンプチャンバーと流体接続される請求項36又は37に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項40】
流体流路が前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続し、
前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成される請求項38又は39に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項41】
前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含む先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項42】
前記ディスペンサーはさらに、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項43】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベース又は容器に取り付けられ、
前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されている請求項42に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項44】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記ベース又は容器に取り付けられ、
前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、
前記アクチュエータは前記容器に枢動可能に取付けられて前記キャップに係合するのに適合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動する請求項42に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項45】
容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、
前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、
前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、
前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、
前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、
前記キャップは前記ベースと一体に製造され、可撓性の引き綱によってそれに接続されている手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項46】
容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、
前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、
前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、
前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、
前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、
前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項47】
前記キャップは、可撓性の引き綱によって前記ベースに接続されている請求項46記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項48】
前記引き綱は縦軸を有し、前記縦軸の周りにねじるのに適している請求項45又は47に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項49】
前記引き綱は、壊れ易い環によって前記キャップ及び前記ベースに接続されている請求項45、47又は48のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項50】
前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成する請求項45〜49のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項51】
前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブである請求項50に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項52】
前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成する請求項45〜51のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項53】
前記ディスペンサーはさらに浸漬管を含む請求項45〜52のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項54】
前記可撓性の挿入部は、前記ポンプチャンバーの前記入口を形成する孔を有する本体を備え、
前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられる請求項53に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項55】
前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定される請求項54に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項56】
前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含む請求項55に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項57】
前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じる請求項55又は56に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項58】
前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じる請求項57に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項59】
前記可撓性の挿入部は、前記ベースの内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含む請求項55〜58のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項60】
前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有する請求項59に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項61】
前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの内面に接するため、前記フランジを超えて前記ベース内に延びる請求項60に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項62】
前記第2のダイアフラム部材は弾性的に付勢されて前記ベースの内面に接する請求項61に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項63】
前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記ベースを通って前記容器へ入る空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成する請求項62に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項64】
前記挿入部はさらに、前記液体と共に第2の流体を分注するための第2のポンプチャンバーを規定する請求項45若しくは請求項46、又は請求項45、46に従属する47〜63のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項65】
前記可撓性の挿入部は追加のシール部材を含み、前記キャップ、前記第1のダイアフラム部材、及び前記追加のシール部材の間に前記第2のポンプチャンバーを規定するため、前記追加のシール部材は前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接する請求項64に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項66】
前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材上に設けられる請求項59に従属する請求項65に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項67】
前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を分注するよう構成され、
前記追加的なシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの大気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成される請求項65又は66に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項68】
前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成される請求項65又は66に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項69】
流体流路が前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続し、
前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成される請求項67又は68に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項70】
前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含む請求項45〜69のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項71】
前記ディスペンサーはさらに、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む請求項45、又は請求項45に従属する請求項47〜70のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項72】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベースに取り付けられ、
前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されている請求項46〜71のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項73】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記ベースに取り付けられ、
前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、
前記アクチュエータは前記ベースに枢動可能に取付けられて前記キャップに係合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動するのに適合する請求項46〜71のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項74】
前記ベースは、前記液体の容器に取り付けられるのに適合する請求項45〜73のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項75】
前記ベースは、分注される液体を保持するための容器の頸部を含む請求項45〜73のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項76】
前記ディスペンサーは、第1の部分である可撓性の挿入部と、第2の部分であって一体に形成された構成部分である前記キャップ及び前記容器とからなる2つの別個に製造された部分のみからなる先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項77】
請求項19に記載の手動ポンプディスペンサーの製造方法であって、内層と少なくとも1つの外層とを有する前記容器のプリフォームを形成する工程と、
続いて、前記容器の本体部を形成するために前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる工程と
を有する方法。
【請求項78】
前記プリフォームの前記内層が一体浸漬管を形成する請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記キャップと、前記キャップを前記容器に接続する引き綱とを射出成形する工程をさらに有し、
前記キャップと前記引き綱とを射出成形する前記工程は、前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる前記工程と少なくとも部分的に重なる請求項77又は78に記載の方法。
【請求項80】
前記プリフォームは第1の成形位置で射出成形され、前記プリフォームは前記少なくとも1つの外層が膨張される第2の成形位置へ運ばれる請求項77〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記キャップと前記引き綱とは、前記第2の成形位置で成形される請求項79に従属する請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の成形位置が前記第2の成形位置の上に配置される請求項80又は81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1及び第2の成形位置は、1つの金型の一部として形成される請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記プリフォームは、前記金型内の内部通路を通って前記第1の位置から前記第2の位置に運ばれる請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記プリフォームは、前記第1及び第2の成形位置の間の少なくとも1つの中間位置で保持される請求項80〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
前記ディスペンサーは泡ディスペンサーである請求項9に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項87】
前記ディスペンサーが作動する使用時に、前記第2のポンプチャンバーからの空気が前記第1のポンプチャンバーからの少なくとも1つの液体と出口流路で混合されるよう、前記第1及び第2のチャンバーからの出口流路が合流する請求項86に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項88】
前記ディスペンサーは、空気及び前記少なくとも1つの液体の混合物が分注される前に通る出口流路と、少なくとも1つの泡精製フィルターとを含む請求項86又は87に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項89】
前記フィルターは、開細胞材料又は他の3次元メッシュ構造の栓を含む請求項88に記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項90】
前記フィルターは、少なくとも1つの濾過網を含む請求項88に記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項91】
前記ディスペンサー出口は、拡径の出口流路へ開口する噴霧オリフィスを有する前記第1のポンプチャンバーからの流体流路と、前記拡径の出口流路へ入る流体流路を含む前記第2のポンプチャンバーからの前記出口とを含む請求項86〜90のいずれかに記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項92】
図5〜図11、又は図12及び図13、又は図14及び図15、又は図16、又は図17、又は図18に実質的に参照され図示された上述のような手動ポンプディスペンサー。
【請求項93】
添付の図に参照され図示された上述のような手動ポンプディスペンサーの製造方法。
【請求項1】
容器から少なくとも1つの液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、
前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、
前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、
前記ディスペンサーは更に、前記少なくとも1つの液体を分注する第1のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記少なくとも1つの液体が前記第1のポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するよう構成され、
前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記第1のポンプチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブと、前記第1のポンプチャンバーから前記出口を通る液体の放出を調整するよう作動する出口バルブ装置とを含み、
前記挿入部はさらに、第2の液体を分注する第2のポンプチャンバーを規定する手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項2】
前記ディスペンサーは、流体源から第2の流体が前記第2のチャンバーに入ることができるよう作動する入口バルブを含む請求項1記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項3】
前記ディスペンサーは、前記第2のポンプチャンバーから通過した前記第2の流体が前記出口に入ることができるよう作動する出口バルブを含む請求項2記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項4】
前記挿入部の一体部分が前記第1のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項5】
前記第1のチャンバーの前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブである請求項4記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項6】
前記可撓性の挿入部の一部が前記第1のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜5のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項7】
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー入口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜6のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項8】
前記挿入部の一体部分が前記第2のポンプチャンバー出口バルブの可撓性バルブ部材を形成する請求項1〜7のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項9】
前記第2のポンプチャンバーは空気を分注するよう構成され、前記第2のポンプチャンバーの前記入口バルブは、前記第2のポンプチャンバーの圧力が外気圧より所定の量だけ低いときに、前記第2のポンプチャンバーに外気が入ることを許容するため開くよう構成されている請求項7に記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項10】
前記第2のポンプチャンバーが第2の液体を分注するよう構成され、前記挿入部は、それを通して前記第2の液体が前記第2のポンプチャンバーに吸い込まれる第2の入口を規定する請求項1〜8のいずれか記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項11】
前記可撓性の挿入部は前記第1のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する孔を規定する本体を有し、
浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられる先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項12】
前記本体は前記第2のポンプチャンバーの前記入口の一部を形成する第2の孔を規定し、
第2の浸漬管が前記第2の孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記第2の浸漬管に取り付けられる請求項10に従属する請求項11記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項13】
前記ベースは環状壁又は頸部を有し、前記キャップは閉塞端と、前記頸部の外側の周囲に位置し前記閉塞端から延びる環状側壁とを有し、前記挿入部の少なくとも一部が前記頸部内に収容され、前記挿入部は、自身と前記キャップとの間で前記第1及び第2のポンプチャンバーを規定するため前記キャップの内面に接する部分を有している先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項14】
前記本体は少なくとも部分的に前記頸部内に収容され、
前記挿入部は、前記本体から延びて前記キャップの内面に接し前記第1のポンプチャンバーを規定する第1の鐘状部と、前記本体から延びて前記頸部の内面と接しつつこれとシールを形成する第2の鐘状部とを有し、
前記第2の鐘状部は、前記第2のポンプチャンバーを規定するために前記第1の鐘状部から間隔を開けた関係で、前記キャップの側壁に接するシール部材を有する請求項13に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項15】
前記孔は前記挿入部の前記本体の内部に規定されつつ前記第1のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第1の液体が前記孔を通って前記第1のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有する請求項11に従属する請求項14に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項16】
前記第2の孔は前記本体の内部に規定されつつ前記第2のポンプチャンバーに開口し、前記挿入部は、第2の液体が前記第2の孔を通って前記第2のポンプチャンバーに流れることを許容するが逆方向への流れを許容しないよう構成される1又はそれ以上の可撓性バルブ部材を有する請求項12に従属する請求項15に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項17】
前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の出口に取り付けられるのに適する先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項18】
前記ベースは前記少なくとも1つの液体の容器の構成部分である請求項1〜16のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項19】
容器とキャップとを含む手動ポンプディスペンサーであって、
前記容器は、分注される大量の液体を保持するための本体と、分注される前記液体がそれを通って前記容器に導入される蓋のない頸部と、前記頸部の内部から又はそれに近接して前記容器の底部に向かって延びる一体浸漬管とを有し、
前記キャップは液体の出口を有し、かつ静止位置及び作動位置の間で移動するため前記容器に取付けられ、
前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記容器の前記頸部と前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記液体が前記浸漬管から前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定し、
前記ディスペンサーは更に、液体が前記入口を通って前記ポンプチャンバーに入るのを可能とするように作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含む手動ポンプディスペンサー。
【請求項20】
前記キャップが可撓性の引き綱によって前記容器と接続されている請求項19に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項21】
前記引き綱は縦軸を有し、前記縦軸の周りにねじるのに適している請求項20に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項22】
前記引き綱は、壊れ易い環によって前記キャップ及び前記容器に接続されている請求項20又は21に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項23】
前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成する請求項19〜22のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項24】
前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブである請求項23に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項25】
前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成する請求項19〜24のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項26】
前記可撓性の挿入部は、前記ポンプチャンバーの前記入口を含む孔を有する本体を備え、
前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられる請求項19〜25のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項27】
前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定される請求項11又は26に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項28】
前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含む請求項27に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項29】
前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じる請求項27又は28に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項30】
前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じる請求項29に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項31】
前記可撓性の挿入部は、前記容器の前記頸部の内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含む請求項27〜30のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項32】
前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有する請求項31に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項33】
前記第2のダイアフラム部材は、前記頸部の内面に接するため、前記フランジを超えて前記頸部内に延びる請求項32に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項34】
前記第2のダイアフラム部材は弾性的に付勢されて前記頸部の内面に接する請求項33に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項35】
前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記容器への空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成する請求項34に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項36】
前記可撓性の挿入部は、前記キャップ内の第2のポンプチャンバーを規定するため、前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接する追加のシール部材を含む請求項27〜35のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項37】
前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材の延長部を含む請求項31に従属する請求項36に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項38】
前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を分注するよう構成され、
前記追加のシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの外気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成される請求項36又は37に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項39】
前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成され、
前記容器は、前記第1の液体を収容する第1の区画と第2の液体を収容する第2の区画との2つの区画に分割され、
前記第1の容器区画は前記第1のポンプチャンバーと流体接続され、前記第2の容器区画は前記第2のポンプチャンバーと流体接続される請求項36又は37に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項40】
流体流路が前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続し、
前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成される請求項38又は39に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項41】
前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含む先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項42】
前記ディスペンサーはさらに、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項43】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベース又は容器に取り付けられ、
前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されている請求項42に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項44】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記ベース又は容器に取り付けられ、
前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、
前記アクチュエータは前記容器に枢動可能に取付けられて前記キャップに係合するのに適合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動する請求項42に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項45】
容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、
前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、
前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、
前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、
前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、
前記キャップは前記ベースと一体に製造され、可撓性の引き綱によってそれに接続されている手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項46】
容器から液体を分注するための手動ポンプアクションディスペンサーであって、
前記ディスペンサーは、ベースと、液体の出口を有するキャップとを含み、
前記ベースは容器に取付け可能か又は容器の一部を形成し、前記キャップは静止位置及び作動位置の間で前記ベースに対して移動するため該ベースに取付け可能であり、
前記ディスペンサーは更に、前記液体のポンプチャンバーを規定するために前記ベースと前記キャップとの間に配置される可撓性の挿入部を含み、
前記挿入部は、分注される前記液体が前記ポンプチャンバーに入ることができる入口を規定するため前記ベースに係合するのに適合し、
前記ディスペンサーは更に、前記入口を通って前記ポンプチャンバーに液体が入ることができるよう作動する一方向入口バルブと、前記ポンプチャンバーから前記出口に入る液体の放出を調整するよう作動する一方向出口バルブ装置とを含み、
前記ディスペンサーは、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため前記容器に向かって引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項47】
前記キャップは、可撓性の引き綱によって前記ベースに接続されている請求項46記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項48】
前記引き綱は縦軸を有し、前記縦軸の周りにねじるのに適している請求項45又は47に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項49】
前記引き綱は、壊れ易い環によって前記キャップ及び前記ベースに接続されている請求項45、47又は48のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項50】
前記挿入部の一部が前記ポンプチャンバー入口バルブのバルブ部材を形成する請求項45〜49のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項51】
前記入口バルブは、アヒル、ファート、又はフラップバルブである請求項50に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項52】
前記可撓性の挿入部の一部が前記ポンプチャンバー出口バルブのバルブ部材を形成する請求項45〜51のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項53】
前記ディスペンサーはさらに浸漬管を含む請求項45〜52のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項54】
前記可撓性の挿入部は、前記ポンプチャンバーの前記入口を形成する孔を有する本体を備え、
前記浸漬管が前記孔と流体接続するよう、前記挿入部が前記浸漬管に取り付けられる請求項53に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項55】
前記挿入部は、前記キャップに接するため前記本体から延びる第1のダイアフラム部材を有し、前記ポンプチャンバーは前記第1のダイアフラム部材と前記キャップとの間に規定される請求項54に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項56】
前記第1のダイアフラム部材は、前記本体から離れて延びる概して截頭円錐状部と、前記キャップに係合する増大された厚みのシール部とを含む請求項55に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項57】
前記第1のダイアフラム部材はさらに、前記キャップの表面に係合してポンプチャンバー出口バルブ部材を規定する部分を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記表面に接触して前記ポンプチャンバーと前記キャップの前記液体出口とを接続する出口流路を閉じる請求項55又は56に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項58】
前記キャップは、それらの間で前記ポンプチャンバーの出口流路を規定する内側及び外側環状壁部材を含み、
前記出口バルブ部材は、弾性的に付勢されて前記壁部材の1つに接触し、前記ポンプチャンバーの出口を閉じる請求項57に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項59】
前記可撓性の挿入部は、前記ベースの内面に接するために前記本体から延びる第2のダイアフラム部材を含む請求項55〜58のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項60】
前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの外端に形成されるフランジ上に載置される肩部を有する請求項59に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項61】
前記第2のダイアフラム部材は、前記ベースの内面に接するため、前記フランジを超えて前記ベース内に延びる請求項60に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項62】
前記第2のダイアフラム部材は弾性的に付勢されて前記ベースの内面に接する請求項61に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項63】
前記第2のダイアフラム部材は、使用時に前記ベースを通って前記容器へ入る空気の流入を調整する入口バルブ部材を形成する請求項62に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項64】
前記挿入部はさらに、前記液体と共に第2の流体を分注するための第2のポンプチャンバーを規定する請求項45若しくは請求項46、又は請求項45、46に従属する47〜63のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項65】
前記可撓性の挿入部は追加のシール部材を含み、前記キャップ、前記第1のダイアフラム部材、及び前記追加のシール部材の間に前記第2のポンプチャンバーを規定するため、前記追加のシール部材は前記第1のダイアフラム部材から間隔を開けた関係で前記キャップの内面に接する請求項64に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項66】
前記追加のシール部材は、前記第2のダイアフラム部材上に設けられる請求項59に従属する請求項65に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項67】
前記第2のポンプチャンバーは前記液体と混合するため空気を分注するよう構成され、
前記追加的なシール部材は、使用時に前記第2のポンプチャンバーへの大気の流入を調整する入口バルブ部材として動作するよう構成される請求項65又は66に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項68】
前記第2のポンプチャンバーは第2の液体を分注するよう構成される請求項65又は66に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項69】
流体流路が前記第2のポンプチャンバーと前記キャップ内の前記出口とを接続し、
前記可撓性の挿入部の一部は、使用時に前記第2のポンプチャンバーから前記出口への流体の放出を調整する出口バルブ部材として動作するよう構成される請求項67又は68に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項70】
前記出口は、使用時に自身を通過する液体の霧状スプレーを形成するのに適したノズルを含む請求項45〜69のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項71】
前記ディスペンサーはさらに、使用者の指によって握られ、前記ディスペンサーを動作させるため引き寄せられるのに適した引き金式の作動面を含む請求項45、又は請求項45に従属する請求項47〜70のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項72】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で枢動移動するよう前記ベースに取り付けられ、
前記引き金式の作動面は、前記キャップと一体に形成されている請求項46〜71のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項73】
前記キャップは、静止及び作動位置の間で概して直線移動するよう前記ベースに取り付けられ、
前記ディスペンサーはさらに、前記引き金式の作動面を有する引き金式アクチュエータを含み、
前記アクチュエータは前記ベースに枢動可能に取付けられて前記キャップに係合し、かつ使用者によって引かれたときに静止位置から作動位置へ移動するのに適合する請求項46〜71のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項74】
前記ベースは、前記液体の容器に取り付けられるのに適合する請求項45〜73のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項75】
前記ベースは、分注される液体を保持するための容器の頸部を含む請求項45〜73のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項76】
前記ディスペンサーは、第1の部分である可撓性の挿入部と、第2の部分であって一体に形成された構成部分である前記キャップ及び前記容器とからなる2つの別個に製造された部分のみからなる先行する請求項のいずれかに記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項77】
請求項19に記載の手動ポンプディスペンサーの製造方法であって、内層と少なくとも1つの外層とを有する前記容器のプリフォームを形成する工程と、
続いて、前記容器の本体部を形成するために前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる工程と
を有する方法。
【請求項78】
前記プリフォームの前記内層が一体浸漬管を形成する請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記キャップと、前記キャップを前記容器に接続する引き綱とを射出成形する工程をさらに有し、
前記キャップと前記引き綱とを射出成形する前記工程は、前記プリフォームの前記少なくとも1つの外層を膨張させる前記工程と少なくとも部分的に重なる請求項77又は78に記載の方法。
【請求項80】
前記プリフォームは第1の成形位置で射出成形され、前記プリフォームは前記少なくとも1つの外層が膨張される第2の成形位置へ運ばれる請求項77〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記キャップと前記引き綱とは、前記第2の成形位置で成形される請求項79に従属する請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の成形位置が前記第2の成形位置の上に配置される請求項80又は81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1及び第2の成形位置は、1つの金型の一部として形成される請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記プリフォームは、前記金型内の内部通路を通って前記第1の位置から前記第2の位置に運ばれる請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記プリフォームは、前記第1及び第2の成形位置の間の少なくとも1つの中間位置で保持される請求項80〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
前記ディスペンサーは泡ディスペンサーである請求項9に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項87】
前記ディスペンサーが作動する使用時に、前記第2のポンプチャンバーからの空気が前記第1のポンプチャンバーからの少なくとも1つの液体と出口流路で混合されるよう、前記第1及び第2のチャンバーからの出口流路が合流する請求項86に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項88】
前記ディスペンサーは、空気及び前記少なくとも1つの液体の混合物が分注される前に通る出口流路と、少なくとも1つの泡精製フィルターとを含む請求項86又は87に記載の手動ポンプディスペンサー。
【請求項89】
前記フィルターは、開細胞材料又は他の3次元メッシュ構造の栓を含む請求項88に記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項90】
前記フィルターは、少なくとも1つの濾過網を含む請求項88に記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項91】
前記ディスペンサー出口は、拡径の出口流路へ開口する噴霧オリフィスを有する前記第1のポンプチャンバーからの流体流路と、前記拡径の出口流路へ入る流体流路を含む前記第2のポンプチャンバーからの前記出口とを含む請求項86〜90のいずれかに記載の手動ポンプアクションディスペンサー。
【請求項92】
図5〜図11、又は図12及び図13、又は図14及び図15、又は図16、又は図17、又は図18に実質的に参照され図示された上述のような手動ポンプディスペンサー。
【請求項93】
添付の図に参照され図示された上述のような手動ポンプディスペンサーの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2010−535138(P2010−535138A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518729(P2010−518729)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002558
【国際公開番号】WO2009/016352
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(502393958)リーフグリーン リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002558
【国際公開番号】WO2009/016352
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(502393958)リーフグリーン リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
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