説明

手動発光玩具

【課題】 乾電池を用いることなく鮮やかな色彩光模様を演出可能な玩具を提供する。
【解決手段】 玩具本体1に対して移動可能に支持されるハンドル体2と、玩具本体1に格納されハンドル体2に連動して回転運動をなしハンドル体2の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車3と、弾み車3に連結され弾み車3の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段4と、弾み車3に連結され弾み車3によって回転する回転体5と、回転体5に下端部を支持され回転体5とともに回転する複数本の光ファイバー6と、発電手段4に配線され光を放出する発光手段7と、複数の光ファイバー6の下端部と発光手段7との間に設けられ発光手段7から放出される光に種々の色彩を付加して複数の光ファイバー6へと導く色彩光生成手段8と、を備えて構成し、手動発光玩具の駆動時において複数本の光ファイバー6を遠心力によって放射状に広げるとともにこれら複数本の光ファイバー6の先端より種々の色彩光を放つように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発電手段を備え乾電池を使用することなく鮮やかな色彩からなる模様光を表現可能な手動発光玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クリスマスツリーの装飾手段として用いられる複数の発光ライトや、店先等を鮮やかに色取るネオンサインに代表されるように、洋の東西にかかわらず人は種々の色彩からなる光を好む傾向がある。
また、日本では昔から火薬を用いて鮮やかな色彩光を放つ「花火」が親しまれており、多くのゲーム機や娯楽装置が提供されている今日においても花火の人気は一向に衰えることはない。
【0003】
こうした多くの人の要求を背景に、玩具においても色彩を帯びた光を放つものが提案されている。特に近年では発光ダイオードや光ファイバーが比較的安価で製造可能となったことによりこうした部材を利用した玩具が提案されている。
下記特許文献1ないし文献3は、いずれも発光ダイオードを利用した玩具である。これらの玩具は複数個の発光ダイオードを点灯させるとともに、それを回転させることによって鮮やかな光模様が楽しめるよう構成されている。
すなわち、発光ダイオードはフィラメントを利用した従来の豆電球とは異なり振動や衝撃に対して充分な耐久性を有しており、更に小型軽量である為、こうした動きを伴う玩具への利用に適している。
【0004】
一方、下記の特許文献4および文献5は、光ファイバーを利用した玩具である。これらの玩具は光源から放たれる光を複数本の光ファイバーで目的の部位まで送り、複数の光ファイバーの先端から放たれる光を楽しもうとするものである。
これは光ファイバーの柔軟性をうまく利用したもので、光ファイバーは外力によって容易に弓状に撓り、光を目的の部位へと送ることが出来る。また、光ファイバーは金属のように堅くない上に、熱を帯びる事もないので子供が遊ぶ玩具に利用しても安全であるという利点がある。
【0005】
なお、光ファイバーを利用した商品として複数本の光ファイバーをツリー状に束ね、各々の光ファイバーの先端より種々の色彩光を放つようにした室内用の装飾品が提案されており、この光ファイバーを用いた室内用装飾品は飲食店の室内や一般家庭の室内等に広く利用されている。
【特許文献1】特開2006−106430号公報
【特許文献2】特開平6−285270号公報
【特許文献3】実開平7−27685号公報
【特許文献4】実開平5−050482号公報
【特許文献5】実用新案登録3074385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の光を放つ玩具には次に挙げるような問題がある。
上記特許文献1ないし文献3に開示されている光を放つ玩具は、複数の発光ダイオードを回転させることにより動きのある光の演出が出来るが、光の運動が単調であるという不都合がある。
すなわち、上記の玩具は光を放つ面積が大きく変化することはなく、限られた範囲内でのみ光を放つ玩具である。
【0007】
また、上記特許文献4および文献5に開示されている玩具は、光ファイバーを用いて光を楽しむ玩具であるが、これらの玩具には全く動きがなく、発光部が移動する様子を楽しむことが出来ない。これによって光の模様も単調なもとのなってしまう。
【0008】
また、上記の従来の玩具は、いずれも電源として乾電池を利用しているので玩具の駆動時において回転速度あるいは光の強さが常に一定で変化に乏しく光の模様が味気ないものとなってしまうという不都合もある。
【0009】
そして、上記従来の玩具はいずれも電源として乾電池が必要であるので、乾電池の電気残量が無くなればおのずと電池を交換しなければならない。また、乾電池は未使用時であっても僅かに電気を消費するので、しばらく使用していなかったこれら玩具を動かそうとしても乾電池が電気切れとなっている場合もある。
なお、乾電池自体は安価であるが、こうした玩具で遊ぶ子供達にとっては乾電池の交換作業は困難なものであり、また乾電池を入れる方向等を誤れば思わぬ事件を誘発しかねない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る手動発光玩具は、上記従来の課題を解決するためになされたもので手動発光玩具であって、この手動発光玩具を、玩具本体に対して移動可能に支持されるハンドル体と、玩具本体に格納され前記ハンドル体に連動して回転運動をなしハンドル体の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車と、弾み車に連結され弾み車の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段と、前記弾み車に連結され弾み車によって回転する回転体と、前記回転体に下端部を支持され回転体とともに回転する複数本の光ファイバーと、前記発電手段に配線され光を放出する発光手段と、前記複数の光ファイバーの下端部と前記発光手段との間に設けられ発光手段から放出された光に種々の色彩を付加して複数の光ファイバーへと導く色彩光生成手段と、を備えて構成する。そして手動発光玩具の駆動時において複数本の光ファイバーを遠心力によって放射状に広げるとともにこれら複数本の光ファイバーの先端より種々の色彩光を放つようにすることで上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0011】
また手動発光玩具を、玩具本体に対して移動可能に支持されるハンドル体と、玩具本体に格納され前記ハンドル体に連動して回転運動をなしハンドル体の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車と、弾み車に連結され弾み車の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段と、前記弾み車に連結され弾み車によって回転する回転体と、前記回転体に下端部を支持され回転体とともに回転する複数本の光ファイバーと、前記回転体に下端部を支持され常には複数本の光ファイバーを収納するように複数本の光ファイバーを覆う複数枚の花びら体と、前記発電手段に配線され光を放出する発光手段と、前記複数の光ファイバーの下端部と前記発光手段との間に設けられ発光手段から放出された光に種々の色彩を付加して複数の光ファイバーへと導く色彩光生成手段と、を備えて構成する。そして手動発光玩具の駆動時において複数枚の花びら体および複数本の光ファイバーを遠心力によって放射状に広げるとともに複数本の光ファイバーの先端より種々の色彩光を放つようにすることで上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0012】
また手動発光玩具を、玩具本体に対して移動可能に支持されるハンドル体と、玩具本体に格納され前記ハンドル体に連動して回転運動をなしハンドル体の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車と、弾み車に連結され弾み車の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段と、前記弾み車に連結され弾み車によって回転する回転体と、前記回転体の上方に設けられ前記玩具本体に回転することがないように連結され透明な底板を具えた装飾部材と、前記回転体の側面部に下端部を支持され回転体とともに回転する複数本の光ファイバーと、前記発電手段に配線され光を放出する発光手段と、前記装飾部材の底板および複数の光ファイバーの下端部と前記発光手段との間に設けられ発光手段から放出された光に種々の色彩を付加し前記装飾部材の透明底板および前記複数の光ファイバーへと導く色彩光生成手段と、を備えて構成し、手動発光玩具の駆動時において複数本の光ファイバーを遠心力によって放射状に広げるとともにこれら複数本の光ファイバーの先端および装飾部材より種々の色彩光を放つようにすることで上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0013】
また、前記色彩光生成手段は、透明容器と、この透明容器内に貯留される透明液と、この透明液と略同一の比重をなし透明液内を浮遊する種々色彩の異なる複数の色彩フィルムと、により構成することで種々の色彩を有した光を生成しようとするものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る手動発光玩具は、手動によって回転動作と発光の両者を実現しているので、回転速度や光の強さを利用者各人が自由に調節出来、これによって常に変化に富んだ動きと光を楽しむ事が可能となる。
すなわち、ハンドル体を繰り返し強く操作すれば複数本の光ファイバーの回転速度は速くなり遠心力によって複数本の光ファイバーは各々放射状に曲がり光の演出面積を広くすることが出来る。そして回転速度が早くなることによって発電量が増し各光ファイバーの先端の光はよりハッキリしたものとなる。
【0015】
一方、ハンドル体の操作をゆっくり行えば複数本の光ファイバーの回転速度は遅くなり僅かな遠心力によって複数の光ファイバーはそれぞれ微かな動きをなし、その動きは生命の誕生を思わせるような魅惑的な動きとなる。またこの際、回転速度の遅い発電手段は僅かな電力を作り、これによって複数の光ファイバーの先端は僅かな光を放つことになり神秘的な雰囲気が演出可能である。
【0016】
また、この手動発光玩具は乾電池を必要としないので面倒な乾電池の交換作業を省略するとともに乾電池による思わぬ事故を回避することが出来る。
【実施例】
【0017】
図面にもとづいてこの発明の実施例を説明する。図1はこの発明の請求項1および請求項3に係る手動発光玩具の一実施例を示す図であり、図2は図1に示した手動発光玩具の構成状態を示す断面図である。
【0018】
図1において1は手動発光玩具の玩具本体であり、2は玩具本体1に矢符に示すように移動可能に支持されるハンドル体2である。これらの各部材は子供が片手で操作し易い大きさをなしていて、図において玩具本体1の右側に親指側を、ハンドル体2に他の指を、掛けるようにしてこれら両者を握るようになっている。
ハンドル体2は、図2に示すようにピンPによって玩具本体1に対して軸支されていて上部には僅かに弓型の形状をなすラックが設けられている。
そしてこのハンドル体2はハンドル体2を、握るあるいは開放することによってラックを矢符に示すように往復運動させることが出来るようになっている。なお、Bは板バネであり、この板バネBは玩具本体1の内部に収納されていて常にはハンドル体2を外方向へと付勢している。
【0019】
一方3は弾み車であり、この弾み車3は回転軸の先端にハンドル体2のラックに螺合するピニオンを備えている。すなわちこの弾み車3はハンドル体2の操作によって回転することが出来るようになっている。
ところで、この弾み車3は玩具等に頻繁に利用されるものであり、その詳細な構造の説明は省略するが、ハンドル体2の操作によって回転運動をなし、ハンドル体2の運動を停止しても慣性回転運動を続けることが出来、ハンドル体2の操作を繰り返し行えば勢いを増して高速での回転も可能である。また勿論ハンドル体2をゆっくり操作すれば低回転の状態を維持することも可能である。
【0020】
また、図に示す4は発電手段であり、この発電手段4は玩具本体1に固定されるコイルと、弾み車3に固定されコイルの内側で弾み車3とともに回転する円形磁石と、を備えて構成されている。
すなわちこの発電手段4はハンドル体2の操作によって電気を発生することが出来、その発電量は弾み車3の回転速度と比例し、回転速度が速ければ高い電力を、回転速度が遅ければ低い電力を生じることになる。
【0021】
一方図に示す7は発光手段としての複数個の発光ダイオードであり、これら各発光ダイオードは玩具本体1に設けられ回転することがないよう固定されている。そして、これら発光ダイオードは色彩を有さない、いわゆる白色発光ダイオードである。
これら発光ダイオードはそれぞれ発電手段4に配線され発電手段4からの電流で白色の光を放出するよう構成されている。
【0022】
そして図に示す8は色彩光生成手段であり、この色彩光生成手段8もまた玩具本体1に固定されていて回転することがないようになっている。図3は色彩光生成手段8の構造を示す断面図であり、色彩光生成手段8は光を通過可能な透明容器10と、この透明容器10内に貯留する透明液11、そして透明液11と略同じ比重をなし種々異なる色彩、例えば「赤」「黄」「青」「紫」等を有してなる複数の色彩フィルム12と、を備えて構成されている。
【0023】
この色彩光生成手段8の複数の色彩フィルム12は、透明液11よりも重く無く、かつ軽くも無いので、沈んでしまう事もない反面、浮き上がる事もない。すなわちこれら複数の色彩フィルム12は透明液11内をふわふわと漂うように浮遊している。
また透明液11は水でも良いが、複数の色彩フィルム12の動きをゆっくりとしたものにしたい場合には水よりも粘性が高いオイル等を利用しても良い。
【0024】
この色彩光生成手段8は、図に示すように下面を複数の発光ダイオード7と対向するように設置されており、発光ダイオード7から放出される白色の光を複数の色彩フィルム12によって色付けすることが可能である。すなわち発光ダイオード7から放たれた白色の光は複数の色彩フィルム12を通過する際にその色彩フィルムが有する色彩へと変化して色彩光生成手段8を通過することになる。また、なんらの色彩フィルムにも通過しない光は白色のままで色彩光生成手段8を通過することになる。
【0025】
一方図に示す5は回転体であり、この回転体5は中心部に前記弾み車3に連結される回転軸を備えていて弾み車3とともに回転可能となっている。そしてこの回転体5は色彩光生成手段8の上面と対向するように設置されている。
そして回転体5は複数本の光ファイバー6を支持し複数本の光ファイバー6とともに回転するようになっている。
複数本の光ファイバー6はそれぞれ下端面を色彩光生成手段8の上面と対向するようにして回転体5に支持されていて、色彩光生成手段8を通過した色彩を帯びた光をその下端面から受光することが出来るようになっている。
【0026】
また、複数本の光ファイバー6はそれぞれ下端部のみを回転体5に支持されているので僅かな力が加わるだけでも弓型状に撓むことが出来る。そして複数の光ファイバー6の先端部には光を拡散する透明樹脂からなるボールが取り付けられている。
なお、この実施例において複数の光ファイバー6は図に示すように中心位置から外側に向かうに従って全長が長くなるよう構成されている。
【0027】
次に以上の構成からなる手動発光玩具の作用を説明する。
手動発光玩具のハンドル体2を操作すると、弾み車3、発電手段4、回転体5、そして複数の光ファイバー6が回転する。そして発電手段4は電力を作り発光ダイオード7へと送り発光ダイオードは白色の光を放出する。
そして色彩光生成手段8は発光ダイオード7からの白色の光を種々の色彩を有した色彩光へと変色して複数の光ファイバー6の下端面へ送る。
これによって複数の光ファイバー6の先端部はそれぞれ異なる色彩光を放ち、この色彩光は色彩光生成手段8の色彩フィルム12の浮遊移動によって常に変化し、さまざまな色彩の光模様を演出することが出来る。
【0028】
一方、複数の光ファイバー6は遠心力によって外側方向へと撓むことになる。図4は複数の光ファイバー6の回転速度の変化による撓み状態を示す図であり、図4(a)は回転速度が早い際の光ファイバー6を示す図である。
光ファイバー6の回転が速いと光ファイバー6は大きく弓形に撓んで光を表現する面積を拡大する。この際、回転体5の外側に位置する長い光ファイバー6は最も強い遠心力を受けることになり最も大きく撓むことになる。
【0029】
また、この回転が速い際は発電手段4の発電量も強い状態となっているので各光ファイバー6の先端からは生き生きとした種々の色彩光がハッキリと放たれ、生命が力強く活動しているかのような鮮やかな光を楽しむ事が出来る。
【0030】
一方、図4(b)はハンドル体2の操作をゆっくりと行い回転速度の遅い状態の光ファイバー6を示す図である。
光ファイバー6の回転が遅いと光ファイバー6は図に示すように傾く程度に撓むことになる。また回転が遅いと発電手段4は僅かな電力しか発電しないので各光ファイバー6からの光は弱いものとなる。
この状態は生物が眠りから覚める状態、あるいは逆に生物が眠りに付く状態を連想させるような、ゆったりとした光を楽しむ事が出来る。
この発明に係る手動発光玩具は、以上説明したように簡単な操作によって誰もが鮮やかな色彩光を楽しむ事が出来、利用者各人が回転速度を調整することで変化に富んだ光の演出可能である。
【0031】
一方、図5および図6は、この発明の請求項第2項に係る手動発光玩具を示す図であり、次にこの手動発光玩具の説明をする。なお、図1ないし図4に示した手動発光玩具と同一箇所には同一符号を付して重複説明は省略する。
図5に示す手動発光玩具は基本的に図1ないし図4に示した手動発光玩具と同様の構造をなしているが、図5に示す手動発光玩具は、花びら体9を備えている。
この花びら体9は、植物の花びらの形成なした柔軟性のある布やビニールシートに対し白色、薄いピンク色、黄色等の色彩で着色され本物の植物の花びらを模倣して構成されている。
そして花びら体9は下端部のみを回転体5に支持されていて、図に示すように複数枚の花びら体9によって複数の光ファイバー6を覆い隠すようになっている。
【0032】
図6は、図5に示した手動発光玩具の駆動時の状態を示す図である。
この手動発光玩具は、回転体5の回転運動時の遠心力によって複数の花びら体9がそれぞれ放射状に広がり、これによって種々の色彩光を放つ複数の光ファイバー6が表れ、その動きは植物の花が開くような美しい動きとなる。
この手動発光玩具は、植物の花を模倣したものであるので、花を好む人、例えば女性が利用するのに適している。
【0033】
一方、図7および図8に示す図は、この発明の請求項第3項に係る手動発光玩具を示す図である。
次にこの手動発光玩具を説明する。なお、図1ないし図4に示した手動発光玩具と同一箇所には同一符号を付して重複説明は省略する。
【0034】
図7においてAは装飾部材であり、図に示す装飾部材Aは透明部材から形成されるカプセルと、このカプセル内に収納される人形と、を具えている。
そして、カプセルは内側面が適宜の角度を持って傾斜する複数の平面を有してなる、いわゆるダイヤカット面となっていて、またカプセルの底板、換言すれば人形が立っているお立ち台は透明な平板で構成されていて、この底板は図に示すように色彩光生成手段8と対向するよう色彩光生成手段8の上方に設けられている。
そしてこのカプセルおよび人形からなる装飾部材Aは、回転することがないように玩具本体1に固定されている。すなわち、カプセルの下端には円柱形状の軸棒13が固定されていて、この軸棒13の下端は玩具本体1に固定されている。
【0035】
一方、この軸棒13の外周にはパイプ状の回転筒14が設けられていて、この回転筒14の下端部にはピニオンが形成されていて、ハンドル体2の操作によって回転するようになっている。
そして、弾み車3、発電手段4、回転体5は、この回転筒14に固定されハンドル体2の操作によって回転筒14とともに回転可能となっている。
【0036】
また、この手動発光玩具の回転体5は、図に示すように上方に向けて傾斜する側面を有していて、この側面に複数の光ファイバー6が設けられている。なお、この回転体5の側面は透明材により形成され、その内側にもダイヤカット面が設けられている。
また、図に示す15はミラーであり、このミラーは上端部を外側に向けて傾斜するように設けられていて発光手段7からの光を反射し、色彩光生成手段8を介して光ファイバー6の下端へと送ることが出来るようになっている。
【0037】
以上の構成からなる手動発光玩具は、ハンドル体2の操作によって上述のように回転体5が回転し、図8に示すようにこの回転体5に設けられた複数の光ファイバー6は先端から鮮やかな色彩光を放しつつ回転し、光模様を演出することが出来る。
また、回転体5の透明な側面からも色彩光は放たれ、この色彩光はダイヤカット面によって他方行へと乱反射され鮮やかな光となる。
【0038】
一方、装飾部材Aもまた鮮やかな光を放つことになる。すなわちカプセルの底板は透明な板で構成されているので色彩光生成手段8を通過した色彩光は底板を通過してカプセル内へ投影される。これによってカプセル内の人形は鮮やかな色彩光を放つお立ち台の上に立っている状態となり、その姿を鮮やかに演出可能である。
そしてカプセル内の光はダイヤカット面を通過して外部へと放出され、このダイヤカット面によって色彩光は他方行へと乱反射し鮮やかな光の模様を表現することになる。
【0039】
以上説明したように、この発明に係る手動発光玩具は、簡単な操作によって誰もが鮮やかで神秘的な色彩光を楽しむ事が出来、手元の力を調節することで回転速度および光の強弱が行え、従来の玩具には無かった光の演出を体験することが可能である。
また、この手動発光玩具は乾電池を利用していないので乾電池の交換作業が省略可能である上、乾電池に伴う事故も回避することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の請求項第1項および第3項に係る手動発光玩具を示す外観正面図である。
【図2】図1に示した手動発光玩具の内部を示す断面図である。
【図3】色彩光生成手段の構成例を示す断面図である。
【図4】図1に示した手動発光玩具の回転速度の変化による表現の変化を示す説明図である。
【図5】この発明の請求項第2項に係る手動発光玩具を示す外観正面図である。
【図6】図5に示した手動発光玩具の駆動時を示す正面図である。
【図7】この発明の請求項第3項に係る手動発光玩具を示す断面図である。
【図8】図7に示した手動発光玩具の駆動時を示す正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 玩具本体
2 ハンドル体
3 弾み車
4 発電手段
5 回転体
6 光ファイバー
7 発光手段(発光ダイオード)
8 色彩光生成手段
9 花びら体
10 透明容器
11 透明液
12 色彩フィルム
A 装飾部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電手段を備え乾電池を使用することなく鮮やかな色彩からなる模様光を表現可能な手動発光玩具であって、
この手動発光玩具を、
玩具本体に対して移動可能に支持されるハンドル体を、
玩具本体に格納され前記ハンドル体に連動して回転運動をなしハンドル体の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車と、
弾み車に連結され弾み車の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段と、
前記弾み車に連結され弾み車によって回転する回転体と、
前記回転体に下端部を支持され回転体とともに回転する複数本の光ファイバーと、
前記発電手段に配線され光を放出する発光手段と、
前記複数の光ファイバーの下端部と前記発光手段との間に設けられ発光手段から放出された光に種々の色彩を付加して複数の光ファイバーへと導く色彩光生成手段と、
を備えて構成し、手動発光玩具の駆動時において複数本の光ファイバーを遠心力によって放射状に広げるとともにこれら複数本の光ファイバーの先端より種々の色彩光を放つよう構成したことを特徴とする手動発光玩具。
【請求項2】
発電手段を備え乾電池を使用することなく鮮やかな色彩からなる模様光を表現可能な手動発光玩具であって、
この手動発光玩具を、
玩具本体に対して移動可能に支持されるハンドル体と、
玩具本体に格納され前記ハンドル体に連動して回転運動をなしハンドル体の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車と、
弾み車に連結され弾み車の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段と、
前記弾み車に連結され弾み車によって回転する回転体と、
前記回転体に下端部を支持され回転体とともに回転する複数本の光ファイバーと、
前記回転体に下端部を支持され常には複数本の光ファイバーを収納するように複数本の光ファイバーを覆う複数枚の花びら体と、
前記発電手段に配線され光を放出する発光手段と、
前記複数の光ファイバーの下端部と前記発光手段との間に設けられ発光手段から放出された光に種々の色彩を付加して複数の光ファイバーへと導く色彩光生成手段と、
を備えて構成し、手動発光玩具の駆動時において複数枚の花びら体および複数本の光ファイバーを遠心力によって放射状に広げるとともに複数本の光ファイバーの先端より種々の色彩光を放つよう構成したことを特徴とする手動発光玩具。
【請求項3】
発電手段を備え乾電池を使用することなく鮮やかな色彩からなる模様光を表現可能な手動発光玩具であって、
この手動発光玩具を、
玩具本体に対して移動可能に支持されるハンドル体と、
玩具本体に格納され前記ハンドル体に連動して回転運動をなしハンドル体の操作を停止しても慣性回転運動をなす弾み車と、
弾み車に連結され弾み車の回転エネルギーを電力へと変換する発電手段と、
前記弾み車に連結され弾み車によって回転する回転体と、
前記回転体の上方に設けられ前記玩具本体に回転することがないように連結され透明な底板を具えた装飾部材と、
前記回転体の側面部に下端部を支持され回転体とともに回転する複数本の光ファイバーと、
前記発電手段に配線され光を放出する発光手段と、
前記装飾部材の底板および複数の光ファイバーの下端部と前記発光手段との間に設けられ発光手段から放出された光に種々の色彩を付加し前記装飾部材の透明底板および前記複数の光ファイバーへと導く色彩光生成手段と、
を備えて構成し、手動発光玩具の駆動時において複数本の光ファイバーを遠心力によって放射状に広げるとともにこれら複数本の光ファイバーの先端および装飾部材より種々の色彩光を放つよう構成したことを特徴とする手動発光玩具。
【請求項4】
前記色彩光生成手段は、透明容器と、この透明容器内に貯留される透明液と、この透明液と略同一の比重をなし透明液内を浮遊する種々色彩の異なる複数の色彩フィルムと、により構成したことを特徴とする請求項1および3いずれか記載の手動発光玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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