手巻き寿司用テンプレート
【課題】手巻き寿司を巻く際の補助具として使用することができ、初めて巻く者でも形の整った手巻き寿司を簡単に巻くことができる手巻き寿司用テンプレートを提供する。
【解決手段】海苔Pをのせる可撓性のプレート本体1を形成する。該プレート本体1に、海苔Pの巻き始めとなる角部の位置を合せる基準位置を設定する。プレート本体1に、基準位置上に合せた海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻き始める方向を示す巻方向表示部3を形成する。プレート本体1の裏面に押圧表示部4を設定する。この押圧表示部4の位置で、巻き始めた海苔Pを一旦酢飯Qに押し付けて海苔Pの巻き付け位置を仮止めする。
【解決手段】海苔Pをのせる可撓性のプレート本体1を形成する。該プレート本体1に、海苔Pの巻き始めとなる角部の位置を合せる基準位置を設定する。プレート本体1に、基準位置上に合せた海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻き始める方向を示す巻方向表示部3を形成する。プレート本体1の裏面に押圧表示部4を設定する。この押圧表示部4の位置で、巻き始めた海苔Pを一旦酢飯Qに押し付けて海苔Pの巻き付け位置を仮止めする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誰でも簡単に形の整った手巻き寿司を巻くことができる手巻き寿司用テンプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
手巻き寿司は、一般に各人が好みの具を選択し自分の手で逆円錐形状に巻いて食するものである。この手巻き寿司を作る手順は、まず手巻き用の海苔の上に酢飯を盛り付け、次に、酢飯の上に好みの具をのせ、この状態から海苔を逆円錐形状に巻付けて手巻き寿司を形成する。
【0003】
このとき使用する手巻き寿司用の海苔は、全型のサイズ(縦21cm×横19
cm)を半分にした半切サイズの海苔が使用されている。このほか、好みによって半切サイズをさらに半分にした四切サイズ、あるいは三切サイズの海苔なども使用される。四切サイズや三切サイズの海苔は、半切サイズとくらべると海苔の面積が小さくなるので比較的容易に逆円錐形状に巻くことができる。一方、半切サイズでは、横長の四角形状の海苔に酢飯を盛り付けて逆円錐形状に巻くことになるため、形の整った手巻き寿司を巻くには、それなりのコツを要する。
【0004】
すなわち、半切サイズの海苔を使用して形の良い手巻き寿司を巻くには、まず横長にした海苔の片側に酢飯を盛り付ける。そして、巻き始めとなる海苔の角部を正確な方向に巻き付けなければ、形の整った逆円錐形状の形にすることができない。
【0005】
次に、巻き始めた海苔の一部を、一旦、酢飯に押し付けて仮止めした後に、海苔全体を巻き付けることが形の良い手巻き寿司を巻く大事なコツになる。仮に、海苔の一部を酢飯に仮止めしないで海苔全体を巻き付けようとすると、海苔が緩み易くなり、形の整った逆円錐形状になり難くなる。
【0006】
このため、手巻き寿司を形良く巻くには、ある程度巻き慣れる必要があった。そこで、初めて巻く者でも簡単に手巻き寿司を巻くことができるように、各種の手巻き用器具が提案されている。
【0007】
たとえば、特許文献1に記載されている手巻き寿司巻き器では、三角板状の本体に海苔の角部を固定し、この状態で海苔に酢飯や具をのせた後、本体ごと海苔を巻き付けるように構成されている。
【0008】
また、特許文献2に記載の手巻き寿司具は、半円錐形状の固型体を成す本体に海苔をのせ、この本体に酢飯を盛り込み、その上に具をのせ、別途形成した屈曲自在な屈折部材を海苔と共に巻き付けるものである。
【0009】
一方、特許文献3には、自動機で成型された手巻き寿司を包装する包装用フィルムが記載されている。このフィルムによると、業務用として自動機で成型した逆円錐形状の手巻き寿司を販売する際に、酢飯と海苔とを別々にして包装することで、海苔を乾燥させたまま販売できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開平5‐4893号公報
【特許文献2】特開2003‐88315号公報
【特許文献3】特開2000‐201636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、これら従来の手巻き用器具では、形の整った手巻き寿司を巻くための重要なコツを提供するものではなかった。特に、海苔を巻き付ける正確な方向や、巻き始めた海苔の一部を仮止めするといった大事なコツさえ実施できると、簡単に形の整った手巻き寿司を巻くことができるようになる。しかしながら、従来の手巻き用器具には、このような大事なコツを提供するものはひとつも提案されていなかった。
【0012】
たとえば、特許文献1に記載の巻き器では、四切サイズの海苔のように小さいサイズの海苔を一度に巻き付けるための巻き器が記載されている。そのため、この巻き器では、四切サイズの海苔で手巻き寿司を巻くことはできるとしても、半切サイズの海苔を使用することはできない。この半切サイズの海苔は、手巻き寿司用として使用される基本的なサイズであり、この半切サイズの海苔を使用して逆円錐形状に形成したものが一般の手巻き寿司といえる。しかしながら、特許文献1の巻き器では、一般的な半切サイズの手巻き寿司を巻くことはできない。
【0013】
一方、特許文献2に記載の手巻き寿司具は、半切サイズの海苔を用いることができる。ところが、この手巻き寿司具によると、半円錐形状の固型体に酢飯を押し込み、その後、別途形成した屈折部材を操作して酢飯に海苔を巻き付けるものなので、これらの固型体や屈折部材の操作自体が複雑な作業になっている。しかも、屈折部材の内側に海苔を重ねて巻き付けると、巻き終えた後に、海苔と屈折部材とが重なった状態手になるので、この屈折部材をのりから離して引き抜く作業が困難になるおそれもある。
【0014】
また、特許文献3のフィルムは、各人が好みの具材を選択して手巻き寿司を巻くためのものではなく、自動機で成型した手巻き寿司用の酢飯を、フィルムに包んだ海苔で巻き付ける包装フィルムとして提供されている。したがって、このフィルムは、各人が手巻き寿司を形成する際の補助具として使用することはできない。
【0015】
そこで本発明は上述の課題を解決すべく創出されたもので、各人が手巻き寿司を巻く際の補助具として使用することができ、手巻き寿司を初めて巻く者でも形の整った手巻き寿司を簡単に巻くことができる手巻き寿司用テンプレートの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的を達成するため本発明における第1の手段は、手巻き寿司サイズの海苔Pに酢飯Qと任意の具Rを盛り付けた後、海苔Pを逆円錐形状に巻き付けるための手巻き寿司用テンプレートであって、プレート状又はシート状又はフィルム状の材質でプレート本体1を形成し、該プレート本体1に重ねた状態の海苔Pの巻き始めとなる角部を示す基準位置2がプレート本体1に設定されると共に、該基準位置2に合せた海苔Pの角部を巻き付ける方向を示す巻方向表示部3がプレート本体1に形成され、該巻方向表示部3に向けて巻き始めた海苔Pの一部を酢飯Qに押し付けて仮止めする位置を示す押圧表示部4がプレート本体1に形成されたことにある。
【0017】
第2の手段において、前記プレート本体1は、該プレート本体1の表面に横長の海苔Pを重ねたまま折り曲げ自在に形成され、重ねた海苔Pの左右側縁いずれかの下端部に位置する角部に合せて前記基準位置2が設定されると共に、該海苔Pの上端縁に沿った位置に前記巻方向表示部3が形成され、前記押圧表示部4は、重ねた海苔Pをプレート本体1ごと巻き始めたときに見えるプレート本体1の裏面又は側面に設定されている。
【0018】
第3の手段は、前記プレート本体1に、前記海苔Pに盛り付ける酢飯Qの位置を示す盛り付け表示部5を形成している。
【0019】
第4の手段は、前記プレート本体1に重ねる重合体7を設け、該重合体7に前記盛り付け表示部5を形成したものとする。
【0020】
第5の手段は、前記重合体7に、酢飯Qを盛り付ける範囲を切り抜いて盛り付けスペース7Aを形成し、該盛り付けスペース7Aを前記盛り付け表示部5とし、プレート本体1上の海苔Pに重ねた重合体7の盛り付けスペース7Aから海苔Pの上に酢飯Qを盛り付けた後、重合体7をプレート本体1上から外すように構成している。
【0021】
第6の手段において、前記プレート本体1は、海苔Pを収納する袋に設けられたことにある。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1によると、プレート本体1に、重基準位置2と巻方向表示部3とを形成しているので、手巻き寿司の海苔Pを巻き始める位置や、海苔Pを巻く方向が明確になっている。しかも、押圧表示部4が設定されており、この押圧表示部4の位置で海苔Pを押圧すると、海苔Pの巻き始めの位置が仮止めされることになる。この結果、本発明テンプレートの各表示に沿って手巻き寿司を巻くと、手巻きに重要なコツを簡単に実施することができ、誰が巻いても形の良い手巻き寿司を形成することが可能になった。さらに、これら基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、半切りサイズの海苔Pは勿論、四つ切サイズや三つ切りサイズの海苔Pでも共通する目印になるので、従来手巻き寿司用として使用されているすべてのサイズの海苔Pを用いることができる。
【0023】
また、請求項2のごとく、プレート本体1は、横長の海苔Pを重ねたまま折り曲げ自在に形成され、押圧表示部4は、海苔Pをプレート本体1ごと巻き付けたときに見えるプレート本体1の裏面や側面に設定されており、この部分の海苔Pを仮止めすることで、どのような海苔Pでもきれいに巻きつけることが可能になる。たとえば、安価な薄い海苔や、韓国海苔のように、味付けされて比較的柔軟性のない海苔でも手巻き寿司に使用することができる。
【0024】
さらに、請求項3乃至請求項5のように、海苔Pに盛り付ける酢飯Qの位置を示す盛り付け表示部5を形成することで、酢飯Qを盛り付ける位置に、適量の酢飯Qを確実に盛り付けることができる。この結果、より見栄えの良い手巻き寿司を巻くことが可能になった。
【0025】
請求項4乃至5のごとく、海苔Pの上に重ねる重合体7を形成することで、プレート本体1上の海苔Pを安定させることができる。この結果、海苔Pに酢飯Q等を盛り付ける作業が容易になる。
【0026】
そして、請求項6のごとく、プレート本体1が海苔Pを収納するフィルム状の袋に設けられることにより、本発明テンプレートを包装袋等として多用途に使用できるので、極めて合理的な使用が可能になる。また、海苔Pを使用するまで乾燥状態を保つようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施例に海苔をのせた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例に酢飯と具をのせた状態を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施例の押圧表示部を示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施例で海苔を仮止めした状態を示す平面図である。
【図6】(イ)は仮止め後に海苔を巻き付ける状態、(ロ)は完成した状態を示す正面図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施例に酢飯と具をのせた状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3実施例に酢飯をのせた状態を示す平面図である。
【図11】本発明の第3実施例において重合体7を外した状態を示す平面図である。
【図12】本発明の第4実施例を示す平面図である。
【図13】本発明の第4実施例に酢飯と具を盛り付けた状態を示す平面図である。
【図14】本発明の第4実施例を巻き付けて仮止めする状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明によると、誰でも簡単に形の整った手巻き寿司を巻くことができるなどといった当初の目的を達成した。
【0029】
以下、本発明の一実施例を説明する。本発明テンプレートは、プラスチック等の合成樹脂を使用したプレート状、シート状、フィルム状などにて形成されるほか、紙材や木材、金属材、合成ゴム材などやこれらの複合材にて形成することも可能である。このプレート本体1の面積は、基本的に半切サイズの海苔Pとほぼ同じ形状に形成するのが好適であるが、プレート本体1のサイズは任意に変更することができる。
【0030】
このプレート体1には、手巻き寿司を形良く巻くための重要なコツを実施する表示、すなわち、基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4が表示されている(図1、図4参照)。このようなコツを実施するための目印となる各表示は、たとえば印刷手段やシール等の接着手段等にてプレート本体1に設けることができる。また、プレート本体1の一部を切り欠いて各表示部を形成するなど、プレート本体1の材質や形状に合せて任意の表示手段が選択される。
【0031】
基準位置2は、プレート本体1に重ねた状態の海苔Pの巻き始めとなる角部の位置を示す目印である。さらに、巻方向表示部3は、基準位置2で示された海苔Pの角部を巻き始める方向を示す目印である。
【0032】
押圧表示部4は、特に手巻き寿司を形良く巻くための重要なコツを実施する目印である(図4、図14参照)。図示の押圧表示部4は、プレート本体1の裏面に沿って表示されており、該巻方向表示部3に向けて巻き始めたときに確認できるようにしている。そして、この位置で海苔Pの一部を酢飯Qに押し付けて仮止めする。このように、押圧表示部4を指で押し付けて海苔Pを酢飯Qに仮止めすると(図5参照)、海苔Pが正確な方向へ巻き付いた状態で固定されているので、あとは残った海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い手巻き寿司が形成される(同図(ロ)参照)。この押圧表示部4は、プレート本体1の側面や表面に設けることも可能である。
【実施例1】
【0033】
図1乃至図5は、本発明の第1実施例を示している。このプレート本体1は、半切りサイズの海苔Pを横長に重ねた状態で折り曲げ自在に形成されている。そして、この海苔Pの左側縁の下端部に位置する角部に合せて基準位置2を設定する。
【0034】
図示例の基準位置2は、プレート本体1の角部に三角形状の目印として形成しているが、目印の形状や位置は図示例に限られるものではない。また、この三角形状を袋状に形成して海苔Pの角部を保持するように設けることも可能である。
【0035】
さらに、海苔Pの上端縁に沿った中央に近い左寄りの位置に巻方向表示部3を形成している。図示例の巻方向表示部3は、逆三角形状の目印を3箇所に並設している。これは、海苔Pに盛り付ける酢飯Qの量に応じて目印の位置を変更できるようにしたもので、酢飯Qの量を少なくした場合は左寄りの目印に合わせ、酢飯Qの量を多くした場合は右よりの目印に合せるなど、酢飯Qの量に応じた巻き方ができるようにしている。
【0036】
そして、海苔Pの左側縁に沿った位置のプレート本体1裏面に押圧表示部4を設定している(図4参照)。この押圧表示部4は、重ねた海苔Pをプレート本体1ごと巻き始めたときに見えるプレート本体1の裏面や側面に設定されている。このとき、押圧表示部4の形状や面積、長さなどは図示例に限定されるものではなく、海苔Pの左側縁に沿って適宜に変更することが可能である。尚、このプレート本体1には、酢飯Qを盛り付ける位置を示す盛り付け表示部5や、海苔Pを重ねる位置を示す位置表示部6を設けている(図1参照)。
【0037】
実施例1のプレート本体1を使用するには、まず、プレート本体1の位置表示部6に合わせて海苔Pをのせる(図2参照)。次に、海苔Pをのせる前に見えていた盛り付け表示部5(図1参照)を参考にして海苔Pの上に酢飯Qを盛り付ける(図3参照)。そして、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付けると、押圧表示部4が現れるので、この押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めする(図4参照)。海苔Pを仮止めした後は、巻き付けていたプレート本体1を元の位置に戻しても、海苔Pが酢飯Q上に止まっている(図5参照)。この状態から残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【実施例2】
【0038】
図7及び図8は、本発明の第2実施例を示している。この実施例では、プレート本体1にのせた海苔Pの上にさらに重ねる重合体7を用いたものである。図示の重合体7は、プレート本体1の略半分の形状を成し、右側縁をプレート本体1に揺動自在に接合している。さらに、重合体7の表面に、巻き付け手順を示す説明図8が記載されている(図7参照)。また、この説明図8と共に、縮小した本発明テンプレートが記載されている。さらに、この実施例では、海苔Pに重合体7が重ならない部分が盛り付けスペースとなっている(図8参照)。実施例2のこのほかの構成である基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、実施例1と同じ構成を採用している。
【0039】
実施例2のプレート本体1を使用するには、プレート本体1上の海苔Pに重合体7を重ねた後、重合体7が重ならない海苔Pの上に酢飯Qや具Rを盛り付ける(図8参照)。その後は、実施例1と同様に、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付け、押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めし(図4参照)、残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【実施例3】
【0040】
図9乃至図11は、本発明の第3実施例を示している。この実施例でもプレート本体1に重ねる重合体7を用いたもので、特に、この重合体7に切り欠き状の盛り付けスペース7Aを形成したものである(図9参照)。そして、この盛り付けスペース7Aを盛り付け表示部5とし、プレート本体1上の海苔Pに重ねた重合体7の盛り付けスペース7Aから海苔Pの上に酢飯Qを盛り付け(図10参照)、その後、重合体7をプレート本体1上から外すように構成している(図11参照)。また、このほかの構成、基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、実施例1と同じ構成を採用している。
【0041】
実施例3のプレート本体1を使用する際は、まず、プレート本体1と重合体7との間に海苔Pを設置する(図9参照)。次に、重合体7の盛り付けスペース7Aの範囲内で海苔Pの上に酢飯Qを盛り付ける(図10参照)。そして、プレート本体1上から重合体7を外し、酢飯Q上に好みの具Rをのせる。その後は、実施例1と同様に、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付け、押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めし(図4参照)、残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【実施例4】
【0042】
図12乃至図14は、本発明の第4実施例を示している。この実施例は、海苔Pを収納するフィルム状の袋を利用してプレート本体1を設けたものである。図示例では、フィルム状の袋の片面をプレート本体1として基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4を印刷し(図13、14参照)、残る片面を重合体7として設けたものである。この重合体7には、重合体7の一部を引き剥がすために切離し線7Bを設けてある(図12参照)。この切離し線7Bから重合体7の一部を引き剥がすと、袋に収納されていた海苔Pが表出して盛り付けスペースが形成されるものである(図13参照)。また、袋の形態は、図示例の他、海苔Pの一部を収納する袋など、任意の形状にすることができる。実施例4のこのほかの構成、基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、実施例1と同じ構成を採用している。更に、図7と同様の説明図8や、図1のような盛りつけ表示部5、あるいは本発明テンプレートの縮小版などを重合体7に印刷することも可能である。
【0043】
実施例4のプレート本体1を使用する際は、重合体7の切離し線7Bから重合体7の一部を切り離すと、海苔Pの一部が現れるので、この海苔P上に酢飯Qや具Rを盛り付ける(図13参照)。その後は、前記実施例1と同様に、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付け、押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めする(図14参照)。更に、残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によると、本発明テンプレートを海苔Pの代わりにチーズやスライスハム、クレープ生地などの食材を巻き付けるなど、あらゆる食材に使用する際に利用することも可能である。さらに、本発明の基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4の形状やサイズ等は図示例に限られるものではなく、本発明のプレート本体1や重合体7など、各部材の形状変更や材質の置換なども、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。たとえば、本発明テンプレートを縮小又は拡大し、各種カードや説明書等の一部などに記載しても本発明テンプレートとして利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
P 海苔
Q 酢飯
R 具
1 プレート本体
2 基準位置
3 巻方向表示部
4 押圧表示部
5 盛り付け表示部
6 位置表示部
7 重合体
7A 盛り付けスペース
7B 切離し線
8 説明図
【技術分野】
【0001】
本発明は、誰でも簡単に形の整った手巻き寿司を巻くことができる手巻き寿司用テンプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
手巻き寿司は、一般に各人が好みの具を選択し自分の手で逆円錐形状に巻いて食するものである。この手巻き寿司を作る手順は、まず手巻き用の海苔の上に酢飯を盛り付け、次に、酢飯の上に好みの具をのせ、この状態から海苔を逆円錐形状に巻付けて手巻き寿司を形成する。
【0003】
このとき使用する手巻き寿司用の海苔は、全型のサイズ(縦21cm×横19
cm)を半分にした半切サイズの海苔が使用されている。このほか、好みによって半切サイズをさらに半分にした四切サイズ、あるいは三切サイズの海苔なども使用される。四切サイズや三切サイズの海苔は、半切サイズとくらべると海苔の面積が小さくなるので比較的容易に逆円錐形状に巻くことができる。一方、半切サイズでは、横長の四角形状の海苔に酢飯を盛り付けて逆円錐形状に巻くことになるため、形の整った手巻き寿司を巻くには、それなりのコツを要する。
【0004】
すなわち、半切サイズの海苔を使用して形の良い手巻き寿司を巻くには、まず横長にした海苔の片側に酢飯を盛り付ける。そして、巻き始めとなる海苔の角部を正確な方向に巻き付けなければ、形の整った逆円錐形状の形にすることができない。
【0005】
次に、巻き始めた海苔の一部を、一旦、酢飯に押し付けて仮止めした後に、海苔全体を巻き付けることが形の良い手巻き寿司を巻く大事なコツになる。仮に、海苔の一部を酢飯に仮止めしないで海苔全体を巻き付けようとすると、海苔が緩み易くなり、形の整った逆円錐形状になり難くなる。
【0006】
このため、手巻き寿司を形良く巻くには、ある程度巻き慣れる必要があった。そこで、初めて巻く者でも簡単に手巻き寿司を巻くことができるように、各種の手巻き用器具が提案されている。
【0007】
たとえば、特許文献1に記載されている手巻き寿司巻き器では、三角板状の本体に海苔の角部を固定し、この状態で海苔に酢飯や具をのせた後、本体ごと海苔を巻き付けるように構成されている。
【0008】
また、特許文献2に記載の手巻き寿司具は、半円錐形状の固型体を成す本体に海苔をのせ、この本体に酢飯を盛り込み、その上に具をのせ、別途形成した屈曲自在な屈折部材を海苔と共に巻き付けるものである。
【0009】
一方、特許文献3には、自動機で成型された手巻き寿司を包装する包装用フィルムが記載されている。このフィルムによると、業務用として自動機で成型した逆円錐形状の手巻き寿司を販売する際に、酢飯と海苔とを別々にして包装することで、海苔を乾燥させたまま販売できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開平5‐4893号公報
【特許文献2】特開2003‐88315号公報
【特許文献3】特開2000‐201636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、これら従来の手巻き用器具では、形の整った手巻き寿司を巻くための重要なコツを提供するものではなかった。特に、海苔を巻き付ける正確な方向や、巻き始めた海苔の一部を仮止めするといった大事なコツさえ実施できると、簡単に形の整った手巻き寿司を巻くことができるようになる。しかしながら、従来の手巻き用器具には、このような大事なコツを提供するものはひとつも提案されていなかった。
【0012】
たとえば、特許文献1に記載の巻き器では、四切サイズの海苔のように小さいサイズの海苔を一度に巻き付けるための巻き器が記載されている。そのため、この巻き器では、四切サイズの海苔で手巻き寿司を巻くことはできるとしても、半切サイズの海苔を使用することはできない。この半切サイズの海苔は、手巻き寿司用として使用される基本的なサイズであり、この半切サイズの海苔を使用して逆円錐形状に形成したものが一般の手巻き寿司といえる。しかしながら、特許文献1の巻き器では、一般的な半切サイズの手巻き寿司を巻くことはできない。
【0013】
一方、特許文献2に記載の手巻き寿司具は、半切サイズの海苔を用いることができる。ところが、この手巻き寿司具によると、半円錐形状の固型体に酢飯を押し込み、その後、別途形成した屈折部材を操作して酢飯に海苔を巻き付けるものなので、これらの固型体や屈折部材の操作自体が複雑な作業になっている。しかも、屈折部材の内側に海苔を重ねて巻き付けると、巻き終えた後に、海苔と屈折部材とが重なった状態手になるので、この屈折部材をのりから離して引き抜く作業が困難になるおそれもある。
【0014】
また、特許文献3のフィルムは、各人が好みの具材を選択して手巻き寿司を巻くためのものではなく、自動機で成型した手巻き寿司用の酢飯を、フィルムに包んだ海苔で巻き付ける包装フィルムとして提供されている。したがって、このフィルムは、各人が手巻き寿司を形成する際の補助具として使用することはできない。
【0015】
そこで本発明は上述の課題を解決すべく創出されたもので、各人が手巻き寿司を巻く際の補助具として使用することができ、手巻き寿司を初めて巻く者でも形の整った手巻き寿司を簡単に巻くことができる手巻き寿司用テンプレートの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的を達成するため本発明における第1の手段は、手巻き寿司サイズの海苔Pに酢飯Qと任意の具Rを盛り付けた後、海苔Pを逆円錐形状に巻き付けるための手巻き寿司用テンプレートであって、プレート状又はシート状又はフィルム状の材質でプレート本体1を形成し、該プレート本体1に重ねた状態の海苔Pの巻き始めとなる角部を示す基準位置2がプレート本体1に設定されると共に、該基準位置2に合せた海苔Pの角部を巻き付ける方向を示す巻方向表示部3がプレート本体1に形成され、該巻方向表示部3に向けて巻き始めた海苔Pの一部を酢飯Qに押し付けて仮止めする位置を示す押圧表示部4がプレート本体1に形成されたことにある。
【0017】
第2の手段において、前記プレート本体1は、該プレート本体1の表面に横長の海苔Pを重ねたまま折り曲げ自在に形成され、重ねた海苔Pの左右側縁いずれかの下端部に位置する角部に合せて前記基準位置2が設定されると共に、該海苔Pの上端縁に沿った位置に前記巻方向表示部3が形成され、前記押圧表示部4は、重ねた海苔Pをプレート本体1ごと巻き始めたときに見えるプレート本体1の裏面又は側面に設定されている。
【0018】
第3の手段は、前記プレート本体1に、前記海苔Pに盛り付ける酢飯Qの位置を示す盛り付け表示部5を形成している。
【0019】
第4の手段は、前記プレート本体1に重ねる重合体7を設け、該重合体7に前記盛り付け表示部5を形成したものとする。
【0020】
第5の手段は、前記重合体7に、酢飯Qを盛り付ける範囲を切り抜いて盛り付けスペース7Aを形成し、該盛り付けスペース7Aを前記盛り付け表示部5とし、プレート本体1上の海苔Pに重ねた重合体7の盛り付けスペース7Aから海苔Pの上に酢飯Qを盛り付けた後、重合体7をプレート本体1上から外すように構成している。
【0021】
第6の手段において、前記プレート本体1は、海苔Pを収納する袋に設けられたことにある。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1によると、プレート本体1に、重基準位置2と巻方向表示部3とを形成しているので、手巻き寿司の海苔Pを巻き始める位置や、海苔Pを巻く方向が明確になっている。しかも、押圧表示部4が設定されており、この押圧表示部4の位置で海苔Pを押圧すると、海苔Pの巻き始めの位置が仮止めされることになる。この結果、本発明テンプレートの各表示に沿って手巻き寿司を巻くと、手巻きに重要なコツを簡単に実施することができ、誰が巻いても形の良い手巻き寿司を形成することが可能になった。さらに、これら基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、半切りサイズの海苔Pは勿論、四つ切サイズや三つ切りサイズの海苔Pでも共通する目印になるので、従来手巻き寿司用として使用されているすべてのサイズの海苔Pを用いることができる。
【0023】
また、請求項2のごとく、プレート本体1は、横長の海苔Pを重ねたまま折り曲げ自在に形成され、押圧表示部4は、海苔Pをプレート本体1ごと巻き付けたときに見えるプレート本体1の裏面や側面に設定されており、この部分の海苔Pを仮止めすることで、どのような海苔Pでもきれいに巻きつけることが可能になる。たとえば、安価な薄い海苔や、韓国海苔のように、味付けされて比較的柔軟性のない海苔でも手巻き寿司に使用することができる。
【0024】
さらに、請求項3乃至請求項5のように、海苔Pに盛り付ける酢飯Qの位置を示す盛り付け表示部5を形成することで、酢飯Qを盛り付ける位置に、適量の酢飯Qを確実に盛り付けることができる。この結果、より見栄えの良い手巻き寿司を巻くことが可能になった。
【0025】
請求項4乃至5のごとく、海苔Pの上に重ねる重合体7を形成することで、プレート本体1上の海苔Pを安定させることができる。この結果、海苔Pに酢飯Q等を盛り付ける作業が容易になる。
【0026】
そして、請求項6のごとく、プレート本体1が海苔Pを収納するフィルム状の袋に設けられることにより、本発明テンプレートを包装袋等として多用途に使用できるので、極めて合理的な使用が可能になる。また、海苔Pを使用するまで乾燥状態を保つようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施例に海苔をのせた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例に酢飯と具をのせた状態を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施例の押圧表示部を示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施例で海苔を仮止めした状態を示す平面図である。
【図6】(イ)は仮止め後に海苔を巻き付ける状態、(ロ)は完成した状態を示す正面図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施例に酢飯と具をのせた状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3実施例に酢飯をのせた状態を示す平面図である。
【図11】本発明の第3実施例において重合体7を外した状態を示す平面図である。
【図12】本発明の第4実施例を示す平面図である。
【図13】本発明の第4実施例に酢飯と具を盛り付けた状態を示す平面図である。
【図14】本発明の第4実施例を巻き付けて仮止めする状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明によると、誰でも簡単に形の整った手巻き寿司を巻くことができるなどといった当初の目的を達成した。
【0029】
以下、本発明の一実施例を説明する。本発明テンプレートは、プラスチック等の合成樹脂を使用したプレート状、シート状、フィルム状などにて形成されるほか、紙材や木材、金属材、合成ゴム材などやこれらの複合材にて形成することも可能である。このプレート本体1の面積は、基本的に半切サイズの海苔Pとほぼ同じ形状に形成するのが好適であるが、プレート本体1のサイズは任意に変更することができる。
【0030】
このプレート体1には、手巻き寿司を形良く巻くための重要なコツを実施する表示、すなわち、基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4が表示されている(図1、図4参照)。このようなコツを実施するための目印となる各表示は、たとえば印刷手段やシール等の接着手段等にてプレート本体1に設けることができる。また、プレート本体1の一部を切り欠いて各表示部を形成するなど、プレート本体1の材質や形状に合せて任意の表示手段が選択される。
【0031】
基準位置2は、プレート本体1に重ねた状態の海苔Pの巻き始めとなる角部の位置を示す目印である。さらに、巻方向表示部3は、基準位置2で示された海苔Pの角部を巻き始める方向を示す目印である。
【0032】
押圧表示部4は、特に手巻き寿司を形良く巻くための重要なコツを実施する目印である(図4、図14参照)。図示の押圧表示部4は、プレート本体1の裏面に沿って表示されており、該巻方向表示部3に向けて巻き始めたときに確認できるようにしている。そして、この位置で海苔Pの一部を酢飯Qに押し付けて仮止めする。このように、押圧表示部4を指で押し付けて海苔Pを酢飯Qに仮止めすると(図5参照)、海苔Pが正確な方向へ巻き付いた状態で固定されているので、あとは残った海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い手巻き寿司が形成される(同図(ロ)参照)。この押圧表示部4は、プレート本体1の側面や表面に設けることも可能である。
【実施例1】
【0033】
図1乃至図5は、本発明の第1実施例を示している。このプレート本体1は、半切りサイズの海苔Pを横長に重ねた状態で折り曲げ自在に形成されている。そして、この海苔Pの左側縁の下端部に位置する角部に合せて基準位置2を設定する。
【0034】
図示例の基準位置2は、プレート本体1の角部に三角形状の目印として形成しているが、目印の形状や位置は図示例に限られるものではない。また、この三角形状を袋状に形成して海苔Pの角部を保持するように設けることも可能である。
【0035】
さらに、海苔Pの上端縁に沿った中央に近い左寄りの位置に巻方向表示部3を形成している。図示例の巻方向表示部3は、逆三角形状の目印を3箇所に並設している。これは、海苔Pに盛り付ける酢飯Qの量に応じて目印の位置を変更できるようにしたもので、酢飯Qの量を少なくした場合は左寄りの目印に合わせ、酢飯Qの量を多くした場合は右よりの目印に合せるなど、酢飯Qの量に応じた巻き方ができるようにしている。
【0036】
そして、海苔Pの左側縁に沿った位置のプレート本体1裏面に押圧表示部4を設定している(図4参照)。この押圧表示部4は、重ねた海苔Pをプレート本体1ごと巻き始めたときに見えるプレート本体1の裏面や側面に設定されている。このとき、押圧表示部4の形状や面積、長さなどは図示例に限定されるものではなく、海苔Pの左側縁に沿って適宜に変更することが可能である。尚、このプレート本体1には、酢飯Qを盛り付ける位置を示す盛り付け表示部5や、海苔Pを重ねる位置を示す位置表示部6を設けている(図1参照)。
【0037】
実施例1のプレート本体1を使用するには、まず、プレート本体1の位置表示部6に合わせて海苔Pをのせる(図2参照)。次に、海苔Pをのせる前に見えていた盛り付け表示部5(図1参照)を参考にして海苔Pの上に酢飯Qを盛り付ける(図3参照)。そして、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付けると、押圧表示部4が現れるので、この押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めする(図4参照)。海苔Pを仮止めした後は、巻き付けていたプレート本体1を元の位置に戻しても、海苔Pが酢飯Q上に止まっている(図5参照)。この状態から残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【実施例2】
【0038】
図7及び図8は、本発明の第2実施例を示している。この実施例では、プレート本体1にのせた海苔Pの上にさらに重ねる重合体7を用いたものである。図示の重合体7は、プレート本体1の略半分の形状を成し、右側縁をプレート本体1に揺動自在に接合している。さらに、重合体7の表面に、巻き付け手順を示す説明図8が記載されている(図7参照)。また、この説明図8と共に、縮小した本発明テンプレートが記載されている。さらに、この実施例では、海苔Pに重合体7が重ならない部分が盛り付けスペースとなっている(図8参照)。実施例2のこのほかの構成である基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、実施例1と同じ構成を採用している。
【0039】
実施例2のプレート本体1を使用するには、プレート本体1上の海苔Pに重合体7を重ねた後、重合体7が重ならない海苔Pの上に酢飯Qや具Rを盛り付ける(図8参照)。その後は、実施例1と同様に、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付け、押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めし(図4参照)、残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【実施例3】
【0040】
図9乃至図11は、本発明の第3実施例を示している。この実施例でもプレート本体1に重ねる重合体7を用いたもので、特に、この重合体7に切り欠き状の盛り付けスペース7Aを形成したものである(図9参照)。そして、この盛り付けスペース7Aを盛り付け表示部5とし、プレート本体1上の海苔Pに重ねた重合体7の盛り付けスペース7Aから海苔Pの上に酢飯Qを盛り付け(図10参照)、その後、重合体7をプレート本体1上から外すように構成している(図11参照)。また、このほかの構成、基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、実施例1と同じ構成を採用している。
【0041】
実施例3のプレート本体1を使用する際は、まず、プレート本体1と重合体7との間に海苔Pを設置する(図9参照)。次に、重合体7の盛り付けスペース7Aの範囲内で海苔Pの上に酢飯Qを盛り付ける(図10参照)。そして、プレート本体1上から重合体7を外し、酢飯Q上に好みの具Rをのせる。その後は、実施例1と同様に、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付け、押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めし(図4参照)、残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【実施例4】
【0042】
図12乃至図14は、本発明の第4実施例を示している。この実施例は、海苔Pを収納するフィルム状の袋を利用してプレート本体1を設けたものである。図示例では、フィルム状の袋の片面をプレート本体1として基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4を印刷し(図13、14参照)、残る片面を重合体7として設けたものである。この重合体7には、重合体7の一部を引き剥がすために切離し線7Bを設けてある(図12参照)。この切離し線7Bから重合体7の一部を引き剥がすと、袋に収納されていた海苔Pが表出して盛り付けスペースが形成されるものである(図13参照)。また、袋の形態は、図示例の他、海苔Pの一部を収納する袋など、任意の形状にすることができる。実施例4のこのほかの構成、基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4は、実施例1と同じ構成を採用している。更に、図7と同様の説明図8や、図1のような盛りつけ表示部5、あるいは本発明テンプレートの縮小版などを重合体7に印刷することも可能である。
【0043】
実施例4のプレート本体1を使用する際は、重合体7の切離し線7Bから重合体7の一部を切り離すと、海苔Pの一部が現れるので、この海苔P上に酢飯Qや具Rを盛り付ける(図13参照)。その後は、前記実施例1と同様に、基準位置2近くの海苔Pの角部をプレート本体1ごと巻方向表示部3に向けて巻き付け、押圧表示部4の位置の海苔Pを酢飯Qに押し付けてこの海苔Pを仮止めする(図14参照)。更に、残りの海苔Pを自然に巻き付けるだけで(図6(イ)参照)、形の良い逆円錐形状の手巻き寿司が完成する(図6(ロ)参照)。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によると、本発明テンプレートを海苔Pの代わりにチーズやスライスハム、クレープ生地などの食材を巻き付けるなど、あらゆる食材に使用する際に利用することも可能である。さらに、本発明の基準位置2、巻方向表示部3、押圧表示部4の形状やサイズ等は図示例に限られるものではなく、本発明のプレート本体1や重合体7など、各部材の形状変更や材質の置換なども、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。たとえば、本発明テンプレートを縮小又は拡大し、各種カードや説明書等の一部などに記載しても本発明テンプレートとして利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
P 海苔
Q 酢飯
R 具
1 プレート本体
2 基準位置
3 巻方向表示部
4 押圧表示部
5 盛り付け表示部
6 位置表示部
7 重合体
7A 盛り付けスペース
7B 切離し線
8 説明図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手巻き寿司サイズの海苔に酢飯と任意の具を盛り付けた後、海苔を逆円錐形状に巻き付けるための手巻き寿司用テンプレートであって、プレート状又はシート状又はフィルム状の材質でプレート本体を形成し、該プレート本体に重ねた状態の海苔の巻き始めとなる角部を示す基準位置がプレート本体に設定されると共に、該基準位置に合せた海苔の角部を巻き付ける方向を示す巻方向表示部がプレート本体に形成され、該巻方向表示部に向けて巻き始めた海苔の一部を酢飯に押し付けて仮止めする位置を示す押圧表示部がプレート本体に形成されたことを特徴とする手巻き寿司用テンプレート。
【請求項2】
前記プレート本体は、該プレート本体の表面に横長の海苔を重ねたまま折り曲げ自在に形成され、重ねた海苔の左右側縁いずれかの下端部に位置する角部に合せて前記基準位置が設定されると共に、該海苔の上端縁に沿った位置に前記巻方向表示部が形成され、前記押圧表示部は、重ねた海苔をプレート本体ごと巻き始めたときに見えるプレート本体の裏面又は側面に設定された請求項1記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項3】
前記プレート本体に、前記海苔に盛り付ける酢飯の位置を示す盛り付け表示部を形成した請求項1又は2記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項4】
前記プレート本体に重ねる重合体を設け、該重合体に前記盛り付け表示部を形成した請求項1又は2記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項5】
前記重合体に、酢飯を盛り付ける範囲を切り抜いて盛り付けスペースを形成し、該盛り付けスペースを前記盛り付け表示部とし、プレート本体上の海苔に重ねた重合体の盛り付けスペースから海苔の上に酢飯を盛り付けた後、重合体をプレート本体上から外すように構成した請求項4記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項6】
前記プレート本体は、海苔を収納する袋に設けられた請求項1乃至5いずれか記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項1】
手巻き寿司サイズの海苔に酢飯と任意の具を盛り付けた後、海苔を逆円錐形状に巻き付けるための手巻き寿司用テンプレートであって、プレート状又はシート状又はフィルム状の材質でプレート本体を形成し、該プレート本体に重ねた状態の海苔の巻き始めとなる角部を示す基準位置がプレート本体に設定されると共に、該基準位置に合せた海苔の角部を巻き付ける方向を示す巻方向表示部がプレート本体に形成され、該巻方向表示部に向けて巻き始めた海苔の一部を酢飯に押し付けて仮止めする位置を示す押圧表示部がプレート本体に形成されたことを特徴とする手巻き寿司用テンプレート。
【請求項2】
前記プレート本体は、該プレート本体の表面に横長の海苔を重ねたまま折り曲げ自在に形成され、重ねた海苔の左右側縁いずれかの下端部に位置する角部に合せて前記基準位置が設定されると共に、該海苔の上端縁に沿った位置に前記巻方向表示部が形成され、前記押圧表示部は、重ねた海苔をプレート本体ごと巻き始めたときに見えるプレート本体の裏面又は側面に設定された請求項1記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項3】
前記プレート本体に、前記海苔に盛り付ける酢飯の位置を示す盛り付け表示部を形成した請求項1又は2記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項4】
前記プレート本体に重ねる重合体を設け、該重合体に前記盛り付け表示部を形成した請求項1又は2記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項5】
前記重合体に、酢飯を盛り付ける範囲を切り抜いて盛り付けスペースを形成し、該盛り付けスペースを前記盛り付け表示部とし、プレート本体上の海苔に重ねた重合体の盛り付けスペースから海苔の上に酢飯を盛り付けた後、重合体をプレート本体上から外すように構成した請求項4記載の手巻き寿司用テンプレート。
【請求項6】
前記プレート本体は、海苔を収納する袋に設けられた請求項1乃至5いずれか記載の手巻き寿司用テンプレート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−177168(P2011−177168A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−281093(P2010−281093)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(308038727)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281093(P2010−281093)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(308038727)
【Fターム(参考)】
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