手延べ風麺類の延伸方法及び麺線取り出し方法
【課題】 連続する多数の麺線を長板状の掛け棒を立てた状態で段階的に拡縮を行いながら漸次拡大する延伸工程において、下掛け棒が常時抱持して外れることのない方法を提案する。
【解決手段】 上掛け棒1は無端チェーンに固定し、コンベアー6に連設された昇降ガイドと昇降アーム8の交差部に下掛け棒を抱持させ、上掛け棒と昇降ガイドを1ピッチずつ進行させ、1ピッチごとに昇降アーム8を上下させて麺線を段階的に引き伸ばしては緩め、緩めた際に上掛け棒1と昇降ガイドを進行させることを繰り返す。
【解決手段】 上掛け棒1は無端チェーンに固定し、コンベアー6に連設された昇降ガイドと昇降アーム8の交差部に下掛け棒を抱持させ、上掛け棒と昇降ガイドを1ピッチずつ進行させ、1ピッチごとに昇降アーム8を上下させて麺線を段階的に引き伸ばしては緩め、緩めた際に上掛け棒1と昇降ガイドを進行させることを繰り返す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続する麺を段階的に引き伸ばす手延べ風麺類の延伸方法において、長板状の麺掛棒を立てた状態で移行させる方法、及び麺線取り出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の麺線を段階的に短時間で延伸する発明の開示は複数見られる。例えば、麺線の上部が巻き掛けられる上管の端部を下側から受け止める上管取枠と、麺線の下部が巻き掛けられる下管の端部を上側から受け止める下管取枠とを備え、これら上下各管取枠の間隔を拡張させることにより麺線の延伸を行う麺線延伸装置において、上記上管取枠と下管取枠とをそれぞれ上下一対の搬送装置に取着して、これら搬送装置の搬送路を搬送方向後方に広がる逆テーパ状に形成するとともに、少なくとも一方の搬送路に、他方の搬送路に近づく谷状部と遠のく山状部とを交互に複数形成せしめる方法が開示されている。(特許文献1参照)
【0003】
しかし、特許文献1の延伸方法は、連続する麺線を対象としておらず、また丸棒状の掛棒を前提として長板状の掛け棒の頂部を立てた状態を維持して移行させるものではない。
【0004】
連続する多列状の麺線を長板状の掛け棒により段階的に引き伸ばす麺線延伸方法については、引き伸ばされた麺線を両端部にバチ部が形成されるように切断するバチ形成工程を有する手延べ風麺類の製造方法の中で、本願発明者らが次の開示をしている。麺線と直角の向きに一定のピッチで配置された上掛け棒を、尖った頂部を上向きにして麺線を支持しながら麺線と同じ方向に一定の速度で移動させ、複数の麺線を同時にかつ一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、尖った頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、多列状の麺線を掛け棒により引き延ばした後、下掛け棒を引き上げて緩める操作を複数回、例えば5〜15回、好ましくは10回前後繰り返しながら、掛け棒延伸間隔を漸次拡大して、麺線を引き伸ばすことが好ましく、また、最終の引き伸ばしの状態で30秒程度保持することが好ましい。(特許文献2 段落0031参照)
【0005】
しかし、長板状の下掛け棒を立てた状態で移動させる方法については開示していない。
【0006】
長板状の下掛け棒を立てた状態で移動させる方法に関しては、以下の伸長機構に基づく装置が開示されている。製麺装置本体の内面に固定され、下麺掛け棒を架乗するための複数の麺掛け棒受部が階段上に形成された左右一対の固定板と、該固定板に対し前後移動する左右一対の支持板と、下麺掛け棒を架乗するための複数個の麺掛け棒架乗部を有し、上下前後に周回移動することにより固定板上の下麺掛け棒を一段ずつ下段に移送する左右一対の移動板と、移動板と共に上下前後に周回移動し、かつ、移動板に対し前後移動する左右一対のツメ付き板と、移動板及びツメ付き板を周回移動させる左右一対の誘導体と、該誘導体の駆動源となる駆動手段と、から構成される。(特許文献3 段落0025参照)
【0007】
しかし、特許文献3による麺線の引き伸ばし方法は、導入された下麺掛け棒をツメ付き移動板によって掴んでは離すことを繰り返す為、問題があった。当該方法によれば、移動板のツメにより下麺掛け棒の上部を押さえ、固定板の溝状の麺掛け棒受部で、下麺掛け棒を所定の位置まで引き下げてツメを外す。そして、引き下げられた下麺掛け棒は固定板に備えられた支持板によって下麺掛け棒を横から押さえ、引き下げられた位置を保持することになる。この時、引き伸ばされた麺は上方に収縮反発しようとする力を蓄えているから、ツメを外すタイミングは支持板による押さえの後である。そうすると、ツメは下麺掛け棒と強く当たった状態で横に外すことになるから、ツメと下麺掛け棒との摺接部に大きな摩擦抵抗が生じて動作不良が起こり易い問題があった。
【0008】
その後、周回した移動板は、後方の麺掛け棒受部に待機する下麺掛け棒を架乗部に乗せて持ち上げる。麺掛け棒受部では、引き伸ばされた麺は上方に収縮反発しようとする力を残しているから、下麺掛け棒を押さえていた支持板を解除するより先にツメにより下麺掛棒の上部を押さえる必要がある。ところが、引き下げられた下麺掛棒は収縮反発に耐えかねて上方にずれることがあり、常に定位置とは限らない。よって、ツメを掛けるタイミングは架乗され上昇移動の後半にならざるを得ず、その間は支持板と麺掛け棒受部に押さえられた下麺掛け棒を無理に擦りながら上昇移動することになるから、摺接部品の損耗が避けられない問題があった。
【0009】
【特許文献1】特開2000−116309号公報
【特許文献2】特開2006−67845号公報
【特許文献3】特開2007−252224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
多数まとめて段階的に引き伸ばした際の麺の収縮による反発は侮れない。反発に耐えうる延伸方法が望まれる。また、麺線の一部が途切れ掛け棒の左右で力のアンバランスが発生する場合や、麺線がなく掛け棒のみ空で移動させる場合もある。故に、連続する多数の麺線を長板状の掛け棒を立てた状態で段階的に拡縮を行いながら漸次拡大する延伸工程において、下掛け棒が常時抱持して外れることのない方法を提案する。また、製麺当日の気温や湿度の関係で、麺線の伸びや収縮の程度に差が出る場合の対策を提案する。更に、引き伸ばされた麺線を掛け棒から切り落とした後、真っ直ぐに吊り下げた状態で麺線を取り出す方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者らは、常時抱持して外れることのない延伸方法を考える過程で、段階延伸工程初期の麺の特性に着目した。すなわち、10回程度拡縮を行いながら漸次引き伸ばす初期の麺は伸展性を有し収縮が僅かだから、下掛け棒を導入して引き下げてしまえば、直後の押さえは無用である。故に、初期段階で下掛け棒を直線状アームの下に横から入れてしまえば、工程中の麺の収縮に対処でき、同直線状アームで麺線の拡縮を行えば一石二鳥であると考えた。一方、長板上の下掛け棒を立てた状態で移行させるには少なくとも縦溝を切ったガイドで上掛け棒を追尾させる必要がある。そこで、これら機能を組み合わせ互いに連携させる実験を行ったところ、麺線を緩める間に掛け棒の間隔を相応に拡げれば、上下の掛け棒の動作に無理のない理想的な連続延伸が可能であることを見出した。
【0012】
また、段階延伸工程の後半の麺の特性は、伸展性を失い収縮は大きいが細められた結果反発力は僅かである。すなわち、相応の重量の下掛け棒であれば引き下げ直後の押さえは無用だから、延伸操作の最後部の引き下げを適宜キャンセルして適したレベルで移動させれば、引き下げ効果の強弱調整も容易になることを見出した。
【0013】
更に発明者らは、延伸を終えた下掛け棒の回収路を検討した結果、下掛け棒を近道で戻すには伸ばされた麺線の間を急上昇させて上掛け棒の上方で回収させれば早いが、麺線の揺れの関係で麺を引っ掛ける不都合が度々あった。そこで、掛け棒の進行に合わせ漸次持ち上げる為の傾斜角度を検討する一方で、麺線を取り出す検討を行っていたところ、搬送中の下掛け棒で麺線を押さえつつ切り落とすと、引き出しコンベアへの乗せ換えがスムースになり、理想的な形で直角方向に引き出せることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち本発明は、多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、該下掛け棒を複数回昇降させながら、掛け棒延伸間隔を漸次拡大する方法において、移動する多列状麺線の外側に、複数の昇降ガイドを一定のピッチで連設したコンベアを設け、該昇降ガイドの縦溝により下掛け棒を立てた状態で上掛け棒を追動させる上掛け棒追動手段と、移動する多列状麺線の外側に、下掛け棒を上から押さえる押さえバーと下掛け棒を下から支える支持バーよりなる昇降アームを設け、前記昇降ガイドと交差して下掛け棒を昇降させる下掛け棒引き下げ手段を、連携させることによって下掛け棒を移動させる方法で、前記した昇降ガイドと昇降アームの交差部に下掛け棒を抱持させ、一定間隔で昇降アームを下降、上昇させ麺線を延伸させると共に麺線を緩ませ、上下の掛け棒を移動させることを特徴とする麺線延伸方法。(請求項1)や、上掛け棒追動手段に用いるコンベアが麺線の移動方向下向きに傾斜して設けられた直線コンベアで、該コンベアに連設された昇降ガイドが前後の上掛け棒と平面上の位置関係を不変とするように、該コンベアの傾斜角度と連設された昇降ガイドのピッチを決定する請求項1に記載の麺線延伸方法。(請求項2)や、前記昇降アームが、下掛け棒導入位置では支持バーのみである請求項1または2のいずれかに記載の麺線延伸方法。(請求項3)や、上掛け棒と昇降ガイドを1ピッチずつ同期して間欠移動させ、1ピッチごとに昇降アームで下掛け棒を昇降させ、上掛け棒と昇降ガイドの移動が下掛け棒を持ち上げる間に行われる請求項1〜3のいずれかに記載の麺線延伸方法。(請求項4)に関する。
【0015】
また本発明は、昇降アーム終端部の押さえバーを着脱可能とする請求項1〜4のいずれかに記載の麺線延伸方法。(請求項5)に関する。
【0016】
更に本発明は、多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、掛け棒延伸間隔を漸次拡大して麺線を引き伸ばし、麺線下部を切断した後、移動方向に直角に配置したコンベアにより麺線を取り出す方法において、上掛け棒が前記コンベアを通過した後、上掛け棒とコンベアベルトに渡された麺線を下掛け棒で押し込み、その状態で麺線上部をカットして、吊り下げられた麺線を上掛け棒からコンベアに移載することを特徴とする麺線取り出し方法。(請求項6)や、コンベアベルトが丸ベルトで、ベルトに接触する麺線の位置、及び下掛け棒で押し込まれた麺線の位置が、麺線長中央の40%の範囲である請求項6に記載の麺線取り出し方法。(請求項7)に関する。
【発明の効果】
【0017】
昇降ガイドと昇降アームの交差部に下掛け棒の両端を抱持させるから、傾きなく真っ直ぐに立てて進行できると共に下掛け棒が外れることがない。下掛け棒による麺線の引き延ばしは昇降アームの下降によって行い、下掛け棒の進行は昇降アームを上昇させて麺線を緩める間に行うことができるから、麺線間隔を漸次拡大させる為に昇降ガイドやコンベアに無理な負荷を与えることがない。故に、機械や部品の損耗は最小限に抑えられる。また、昇降アーム終端部の押さえバーを着脱可能にすることで、麺線の伸びや収縮の程度に差が出た場合の修正手段が得られる。更に、引き伸ばされた麺線を掛け棒から切り落とした後、真っ直ぐに吊り下げた状態で麺線を取り出すことで麺線に折れ癖が付かないから手延べ風麺類の品位を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願発明は、溝幅5〜10mmの切歯により連続して切り出された麺線を、茹上げすべき太さに、引き伸ばす場合に有効に利用できる。麺線を所望の延伸率に引き伸ばすには、44〜48%の加水率で混練すると共に、麺帯に成形し、圧延する各工程の途中に、複数回の熟成をそれぞれ30分以上行うと良い。とりわけ、切歯細断直前の熟成を有効に行えば、延伸工程に至る麺線の移動を制御し易い。また、切歯で細断された麺線は隣り合う麺線との間隔が実質的にないから、麺線1本程度の隙間が空くように適宜拡幅し麺線の再接着を防止する必要がある。
【0019】
また、本願発明は、長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばすことを前提としている。麺線を引き伸ばす速度が増すほどに麺線の反発は強まり、引き伸ばす麺線が多いほど掛け棒に掛かる負荷は増大すると共に掛け棒は長さを要するから、掛け棒は処理能力を高めるほどたわみ易い。掛け棒のたわみは麺線の延伸率が一定しない原因でもあるが、何より延伸後の麺線をロスなく切り分けるには掛け棒に沿って切断する必要がある。すなわち、掛け棒を長板状にする理由は、麺の反発に負けずに掛け棒を真っ直ぐに保持し、処理能力を高める為である。
【0020】
多列状の麺線を連続して上掛けするには、平行な垂直面を周回する一対の無端チェーンに対し、直角に、一定ピッチで、頂部を周回面の外向きに、上掛け棒の両端部を連接し、その頂部が上向きの区間で麺線を移載すれば良い。麺線の長さを一定に上掛けするには、移動する上掛け棒と麺線をそれぞれ一定速度で合流させ、麺線の長さは上掛け棒のピッチと両者の速度差により決められる。上掛けされることで麺線は、以後の移動手段を得る。下掛け棒により、上掛けされた麺線の中央を正確に引き下げれば、下掛け棒の前後の麺線を等しい長さと延伸率に引き伸ばすことができる。逆に異なる太さの麺線を混ぜて調製する場合は上掛けされた麺線の中央から前後にずれた位置を引き下げれば良い。
【0021】
掛け棒延伸間隔を漸次拡大するには、上掛け棒の延伸区間を水平にして下掛け棒を下り傾斜にして漸次引き下げる方法や、下掛け棒の延伸区間を水平にして上掛け棒の延伸区間を上り傾斜にして上掛け棒を漸次持ち上げる方法や、上掛け棒の延伸区間を上り傾斜にして漸次持ち上げると共に、下掛け棒を下り傾斜にして漸次引き下げる方法から自由に選択できる。中でも、上掛け棒の延伸区間を水平にして下掛け棒を下り傾斜にして漸次引き下げる方法は、装置をシンプルに設計する上で利点が多い。
【0022】
また、掛け棒延伸間隔を漸次拡大するのに際し、段階的に複数回拡縮を行うのは、伸ばしては緩める操作を繰り返しながら麺を延伸するものである。この緩め操作は、その都度数分以上滞留させて麺線のグルテン組織の伸展性を回復させる熟成に相当するものではない。本発明によれば、5〜15回の拡縮を行うことで、20〜90秒、望ましくは30〜60秒の所要時間で麺線を4〜5倍の長さに延伸できる。
【0023】
以下、上掛け棒を水平に、下掛け棒の上掛け棒追動手段に用いるコンベアを麺線の移動方向下向きに傾斜して設け、掛け棒を1ピッチずつ進行させると共に1ピッチごとに下掛け棒を昇降させ、麺線を段階的に伸ばしては緩める拡縮を10回行いながら下掛け棒を漸次引き下げる方法について図面に基づき説明するが、本願発明はこの事例に限定されない。なお、側面図においては、反対側面でも上下の掛け棒の逆の端部について対称する状況にあることとする。
【0024】
図1、図2は右から左に進行する麺線の延伸工程を示す側面図である。図1は、下掛け棒を導入し麺線を引き下げた状態を示し、図2は麺線を緩め上下の掛け棒を1ピッチ進行させた状態を示す。図3は、図1の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示し、図4は、図2の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す。図5は、図1の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示し、図6は、図2の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す。
【0025】
上掛け棒1は、長板状の上掛け棒の尖った頂部が真上に向けられ、麺線カット後の麺線剥離補助装置1bの付属する状態の断面形状で示されている。上掛け棒1は、一定間隔、一定速度で1ピッチずつ間欠的に進行し、多列状の麺線2が上掛け棒1に一定の長さで上掛けされている。
【0026】
待機中の下掛け棒3は尖った頂部が真下に向けられた断面形状で示され、下掛け棒3aは導入手段5で挟持された断面形状で示されている。下掛け棒3は回収手段4によって1本ずつ供給され、供給された下掛け棒3aは、断面Aの下掛け棒導入位置において導入手段5によって昇降ガイド6aの縦溝に導入され引き下げられる。その際、後方の麺線が引きずり込まれるのを防止する為、押さえパイプ7により後方の麺線が押さえられている。
【0027】
昇降アーム8は、押さえバー8aと支持バー8bよりなり、図1に示す上げた状態と、図2に示す下げた状態を繰り返し、下掛け棒引き下げ手段を成す。断面Aの下掛け棒導入位置である図3において、支持バー8bのみが下掛け棒端部の下に示されている。その後、下掛け棒を持ち上げ1ピッチ進行することで、下掛け棒3aは1ピッチ先に進み図4には不在となる。図4には上掛けされた延伸前の麺線が示されている。また、断面Bの引き下げ位置である図5においては、押さえバー8aが下掛け棒端部の上にあって下掛け棒3bを引き下げた状態が示されている。支持バー8bが下掛け棒端部の下にあって下掛け棒を持ち上げ、1ピッチ進行することで下掛け棒3aは断面Bより1ピッチ先に進み、図6では不在となる。図6には1ピッチ後の下掛け棒3b−1の引き下げを待つ状態が示されている。導入手段5によって下掛け棒3aが引き下げられるタイミングと、昇降アーム8が他の下掛け棒を引き下げるタイミングは同じだと麺線が均一に伸ばされて良い。
【0028】
チェーンコンベア6の無端チェーンには、昇降ガイドが直立状態で上掛け棒のピッチ中央真下に来るように切れ目なく連接され、上掛け棒追動手段を成す。チェーンコンベア6を上掛け棒と同期して1ピッチずつ間欠的に追動させれば、昇降ガイドは前後の上掛け棒と平面上の位置関係がずれることなく進行方向の動きを一致でき、その結果、麺線の動きが安定して良い。
【0029】
すなわち、下掛け棒3aは、導入手段5によって昇降ガイド6aの縦溝に導入され引き下げられ、その後、支持バー8bによって持ち上げられ、チェーンコンベア6の作動により昇降ガイド6aが1ピッチ進行することで押さえバー8aの下に横から導入される。下掛け棒3aは、両端部の上下を昇降アーム8によって遮へいされ、長板部分の両端部の前後を昇降ガイドによって遮へいされることで抱持され、外れることがない。その後、上掛け棒と同期して追動する下掛け棒は、昇降アーム8によって引き下げられる度に麺線はそれまでを超える長さに引き伸ばされ、昇降アーム8によって持ち上げられる度に緩められ、その緩んだ隙に昇降ガイドによって進行方向下向きに移動され、本願発明による段階延伸が実現する。なお、図1、図2に示された昇降アーム8と10箇所の昇降ガイドの交差部は、段階的に10回引き下げされる下掛け棒の移動の軌跡と重なりその位置を示すものである。
【0030】
その後、相応の太さに細められた麺線は、下掛け棒の重さを支えられない程度に収縮力が低下し、爪付きチェーンコンベア9に乗せ換えできる。
【0031】
昇降アーム終端部の押さえバーを取り外し10回目の引き下げをキャンセルする方法を図7〜9より説明する。図7は、右から左に進行する麺線の7〜9回目に引き下げられた状態と、10回目の引き下げをキャンセルした状態を示す側面図である。図8は進行方向左側の図7に相当する部分を示す平面図である。図9は、図8の昇降ガイド6及び昇降アーム8からツメ付きチェーン9に下掛け棒を乗せ換える部分の詳細を示す平面図である。
【0032】
図9に示したように、下掛け棒の引き下げ10回目の位置では、昇降アームの押さえバー8a10は基板8cから取り外され、支持バー8bが残されている。更に、乗せ換え治具10と共に固定壁から支持された下降防止治具11が固定されている。
【0033】
乗せ換え治具10とツメ付きチェーン9の高さは、10回目の引き下げの後に1ピッチ進行した昇降ガイドの先端が、ツメ付きチェーンの下に隠れるレベルに合わせている。一方、下降防止治具11を固定する高さは昇降ガイドの縦溝の範囲で、下掛け棒の落ち込みを止めるべき所望のレベルに固定すれば良い。
【0034】
更に、延伸効果を抑制したい場合は10回目に加えて9回目の引き下げをキャンセルする。その場合は押さえバー8aの9回目の引き下げを担う部分を更に取り外し、新たな下降防止治具を所望のレベルに固定すれば良い。
【0035】
次に、本願発明の麺線を取り出す方法について図10、図11、図12、図13より説明する。図10は麺線の取り出しと下掛け棒の移行状態を示す側面図、図11は、丸ベルトコンベアを設置した麺線の取り出し部分で、上部カット前を示す側面図、図12は、丸ベルトコンベアを設置した麺線の取り出し部分で、コンベア移載状態の詳細を示す側面図、図13は、図10の断面Cから見た麺線取り出し部分の上部カット前を示した図である。
【0036】
図10に示したように、ツメ付きチェーン9に載せ換えられ、付着する麺線下部を切り離された下掛け棒は、麺線の間を漸次持ち上げて回収手段4に投入する工程を経る。麺線下部を切り離す方法は、ローラーカッター12のように、掛け棒の頂部にローラーを当てて転がしても良いし、掛け棒の頂部が曲面であれば、頂部中央に沿ってカッター刃を走らせても良い。いずれにしても、下掛け棒の下向きの頂部で麺線をカットし前後に分割すれば麺線の端部までロスなく利用できる。
【0037】
図11、図13のように、上掛け棒1cがベルトコンベア13を通過した後、上掛け棒1cと丸ベルト13aの間の麺線は下掛け棒3cで押し込まれている。その状態で麺線上部をローラーカッター12によりカットし、麺線剥離補助装置1bを作動させれば、図12に示したように、吊り下げられた麺線は全て上掛け棒1cから丸ベルトコンベア13に移載できる。
【0038】
更に、該下掛け棒3cと該直線ベルト区間13aが、垂れ下がる麺線長中央の上下各20%、合計40%の範囲、好ましくは垂れ下がる麺線長中央の上下各10%、合計20%の範囲に合わせれば、図12のように麺線は丸ベルトコンベア13に左右バランス良く懸架され、真っ直ぐな半折りの状態で取り出すことができる。
【実施例】
【0039】
原料小麦粉100重量部に対し、10%の食塩水46容量部を投入し、減圧度80kPaで均一なうどん生地を得た。該生地は、堆積高8cmに成型し、30℃で40分熟成し、その後生地の厚さ2.5cmの麺帯にロール成形した。該麺帯は、室温下60分熟成し、その後段階的にロール圧延を行い厚さ7mm、幅45cmの麺帯として再び室温下30分熟成し十分にグルテン組織の伸展性を回復させた。その後、溝幅8mmの切歯によって細断し、連続多列の麺線を製出した後は速やかに、隣り合う麺線の間隔を8mm程度、全体の麺線幅を90cm程度に拡幅し、図1〜9に示した延伸工程により、ピッチ24cmに上掛けし、9回の引き伸ばしによって最大65cm(9回目引き下げ掛け棒間隔)の延伸を行い10回目はキャンセルし、片側48〜52cmの麺線を得た。
【0040】
この9回の延伸に要する時間を135秒から36秒迄段階的にと速度を上げたところ、速度の上昇に伴い、昇降アームによって下掛け棒を引き下げる為に負荷の追加を要したものの、上下の掛け棒の進行には何ら支障なく掛け棒間隔を漸次拡大することができた。
【0041】
その後、下掛け棒の麺線を前後に切り離し、下掛け棒を漸次持ち上げ、図10〜13に示した方法で麺線を取り出したところ、毎分10kg相当の生麺を手延べ風麺の品位を保った状態で取り出すことができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】 下掛け棒を導入し麺線を引き下げた状態を示す側面図
【図2】 麺線を緩め上下の掛け棒を1ピッチ進行させた状態を示す側面図
【図3】 図1の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図4】 図2の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図5】 図1の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図6】 図2の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図7】 10回目の引き下げをキャンセルした状態を示す側面図
【図8】 進行方向左側の図7に相当する部分を示す平面図
【図9】 図8の下掛け棒を乗せ換える部分の詳細を示す平面図
【図10】 麺線の取り出しと下掛け棒の移行状態を示す側面図
【図11】 図10の麺線の取り出し部分で上部カット前の詳細を示す側面図
【図12】 図10の麺線の取り出し部分でコンベア移載状態の詳細を示す側面図
【図13】 図10の断面Cから見た麺線取り出し部分の上部カット前を示す図
【符号の説明】
【0043】
A :図1、図2において下掛け棒3aを導入し引き下げる断面
B :図1、図2において下掛け棒3bを引き下げる断面
C :図10において麺線の取り出し部分直前の断面
1 :尖った頂部を上に向けて水平に進行する上掛け棒
1b :上掛け棒に付属する麺線剥離補助装置
1c :丸ベルトコンベアを通過した直後の上掛け棒
2 :上掛けされた延伸前の麺線
3 :回収装置で待機する下掛け棒
3a :位置Aで導入、引き下げされる下掛け棒
3b :位置Bで引き下げられる下掛け棒
3b−1:1ピッチ進行させたことで位置Bに移動した、3bの1ピッチ前の下掛け棒
3c :上掛け棒1cとベルト13aの間の麺線を押さえる下掛け棒
4 :下掛け棒の回収手段
5 :下掛け棒導入手段
6 :昇降ガイドが連接された、下掛け棒の上掛け棒追動手段に用いるコンベア
7 :下掛け棒導入の際、麺線が引きずり込まれるのを防止する押さえパイプ
8 :昇降アーム
8a :昇降アームの押さえバー
8b :昇降アームの支持バー
8c :昇降アームで押さえバーと支持バーを固定する基板
9 :延伸後の下掛け棒を移動させるツメ付きチェーン
10 :昇降アームからツメ付きチェーンに下掛け棒を乗せ換える際の乗せ換え治具
11 :10回目の引き下げをキャンセルする際に取り付ける下掛け棒下降防止治具
12 :上掛け棒の頂部で麺線を切り離すローラーカッター
13 :本願発明の、麺線を取り出す丸ベルトコンベア
13a :丸ベルトコンベア13の、麺線をキャッチする直線ベルト区間
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続する麺を段階的に引き伸ばす手延べ風麺類の延伸方法において、長板状の麺掛棒を立てた状態で移行させる方法、及び麺線取り出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の麺線を段階的に短時間で延伸する発明の開示は複数見られる。例えば、麺線の上部が巻き掛けられる上管の端部を下側から受け止める上管取枠と、麺線の下部が巻き掛けられる下管の端部を上側から受け止める下管取枠とを備え、これら上下各管取枠の間隔を拡張させることにより麺線の延伸を行う麺線延伸装置において、上記上管取枠と下管取枠とをそれぞれ上下一対の搬送装置に取着して、これら搬送装置の搬送路を搬送方向後方に広がる逆テーパ状に形成するとともに、少なくとも一方の搬送路に、他方の搬送路に近づく谷状部と遠のく山状部とを交互に複数形成せしめる方法が開示されている。(特許文献1参照)
【0003】
しかし、特許文献1の延伸方法は、連続する麺線を対象としておらず、また丸棒状の掛棒を前提として長板状の掛け棒の頂部を立てた状態を維持して移行させるものではない。
【0004】
連続する多列状の麺線を長板状の掛け棒により段階的に引き伸ばす麺線延伸方法については、引き伸ばされた麺線を両端部にバチ部が形成されるように切断するバチ形成工程を有する手延べ風麺類の製造方法の中で、本願発明者らが次の開示をしている。麺線と直角の向きに一定のピッチで配置された上掛け棒を、尖った頂部を上向きにして麺線を支持しながら麺線と同じ方向に一定の速度で移動させ、複数の麺線を同時にかつ一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、尖った頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、多列状の麺線を掛け棒により引き延ばした後、下掛け棒を引き上げて緩める操作を複数回、例えば5〜15回、好ましくは10回前後繰り返しながら、掛け棒延伸間隔を漸次拡大して、麺線を引き伸ばすことが好ましく、また、最終の引き伸ばしの状態で30秒程度保持することが好ましい。(特許文献2 段落0031参照)
【0005】
しかし、長板状の下掛け棒を立てた状態で移動させる方法については開示していない。
【0006】
長板状の下掛け棒を立てた状態で移動させる方法に関しては、以下の伸長機構に基づく装置が開示されている。製麺装置本体の内面に固定され、下麺掛け棒を架乗するための複数の麺掛け棒受部が階段上に形成された左右一対の固定板と、該固定板に対し前後移動する左右一対の支持板と、下麺掛け棒を架乗するための複数個の麺掛け棒架乗部を有し、上下前後に周回移動することにより固定板上の下麺掛け棒を一段ずつ下段に移送する左右一対の移動板と、移動板と共に上下前後に周回移動し、かつ、移動板に対し前後移動する左右一対のツメ付き板と、移動板及びツメ付き板を周回移動させる左右一対の誘導体と、該誘導体の駆動源となる駆動手段と、から構成される。(特許文献3 段落0025参照)
【0007】
しかし、特許文献3による麺線の引き伸ばし方法は、導入された下麺掛け棒をツメ付き移動板によって掴んでは離すことを繰り返す為、問題があった。当該方法によれば、移動板のツメにより下麺掛け棒の上部を押さえ、固定板の溝状の麺掛け棒受部で、下麺掛け棒を所定の位置まで引き下げてツメを外す。そして、引き下げられた下麺掛け棒は固定板に備えられた支持板によって下麺掛け棒を横から押さえ、引き下げられた位置を保持することになる。この時、引き伸ばされた麺は上方に収縮反発しようとする力を蓄えているから、ツメを外すタイミングは支持板による押さえの後である。そうすると、ツメは下麺掛け棒と強く当たった状態で横に外すことになるから、ツメと下麺掛け棒との摺接部に大きな摩擦抵抗が生じて動作不良が起こり易い問題があった。
【0008】
その後、周回した移動板は、後方の麺掛け棒受部に待機する下麺掛け棒を架乗部に乗せて持ち上げる。麺掛け棒受部では、引き伸ばされた麺は上方に収縮反発しようとする力を残しているから、下麺掛け棒を押さえていた支持板を解除するより先にツメにより下麺掛棒の上部を押さえる必要がある。ところが、引き下げられた下麺掛棒は収縮反発に耐えかねて上方にずれることがあり、常に定位置とは限らない。よって、ツメを掛けるタイミングは架乗され上昇移動の後半にならざるを得ず、その間は支持板と麺掛け棒受部に押さえられた下麺掛け棒を無理に擦りながら上昇移動することになるから、摺接部品の損耗が避けられない問題があった。
【0009】
【特許文献1】特開2000−116309号公報
【特許文献2】特開2006−67845号公報
【特許文献3】特開2007−252224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
多数まとめて段階的に引き伸ばした際の麺の収縮による反発は侮れない。反発に耐えうる延伸方法が望まれる。また、麺線の一部が途切れ掛け棒の左右で力のアンバランスが発生する場合や、麺線がなく掛け棒のみ空で移動させる場合もある。故に、連続する多数の麺線を長板状の掛け棒を立てた状態で段階的に拡縮を行いながら漸次拡大する延伸工程において、下掛け棒が常時抱持して外れることのない方法を提案する。また、製麺当日の気温や湿度の関係で、麺線の伸びや収縮の程度に差が出る場合の対策を提案する。更に、引き伸ばされた麺線を掛け棒から切り落とした後、真っ直ぐに吊り下げた状態で麺線を取り出す方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者らは、常時抱持して外れることのない延伸方法を考える過程で、段階延伸工程初期の麺の特性に着目した。すなわち、10回程度拡縮を行いながら漸次引き伸ばす初期の麺は伸展性を有し収縮が僅かだから、下掛け棒を導入して引き下げてしまえば、直後の押さえは無用である。故に、初期段階で下掛け棒を直線状アームの下に横から入れてしまえば、工程中の麺の収縮に対処でき、同直線状アームで麺線の拡縮を行えば一石二鳥であると考えた。一方、長板上の下掛け棒を立てた状態で移行させるには少なくとも縦溝を切ったガイドで上掛け棒を追尾させる必要がある。そこで、これら機能を組み合わせ互いに連携させる実験を行ったところ、麺線を緩める間に掛け棒の間隔を相応に拡げれば、上下の掛け棒の動作に無理のない理想的な連続延伸が可能であることを見出した。
【0012】
また、段階延伸工程の後半の麺の特性は、伸展性を失い収縮は大きいが細められた結果反発力は僅かである。すなわち、相応の重量の下掛け棒であれば引き下げ直後の押さえは無用だから、延伸操作の最後部の引き下げを適宜キャンセルして適したレベルで移動させれば、引き下げ効果の強弱調整も容易になることを見出した。
【0013】
更に発明者らは、延伸を終えた下掛け棒の回収路を検討した結果、下掛け棒を近道で戻すには伸ばされた麺線の間を急上昇させて上掛け棒の上方で回収させれば早いが、麺線の揺れの関係で麺を引っ掛ける不都合が度々あった。そこで、掛け棒の進行に合わせ漸次持ち上げる為の傾斜角度を検討する一方で、麺線を取り出す検討を行っていたところ、搬送中の下掛け棒で麺線を押さえつつ切り落とすと、引き出しコンベアへの乗せ換えがスムースになり、理想的な形で直角方向に引き出せることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち本発明は、多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、該下掛け棒を複数回昇降させながら、掛け棒延伸間隔を漸次拡大する方法において、移動する多列状麺線の外側に、複数の昇降ガイドを一定のピッチで連設したコンベアを設け、該昇降ガイドの縦溝により下掛け棒を立てた状態で上掛け棒を追動させる上掛け棒追動手段と、移動する多列状麺線の外側に、下掛け棒を上から押さえる押さえバーと下掛け棒を下から支える支持バーよりなる昇降アームを設け、前記昇降ガイドと交差して下掛け棒を昇降させる下掛け棒引き下げ手段を、連携させることによって下掛け棒を移動させる方法で、前記した昇降ガイドと昇降アームの交差部に下掛け棒を抱持させ、一定間隔で昇降アームを下降、上昇させ麺線を延伸させると共に麺線を緩ませ、上下の掛け棒を移動させることを特徴とする麺線延伸方法。(請求項1)や、上掛け棒追動手段に用いるコンベアが麺線の移動方向下向きに傾斜して設けられた直線コンベアで、該コンベアに連設された昇降ガイドが前後の上掛け棒と平面上の位置関係を不変とするように、該コンベアの傾斜角度と連設された昇降ガイドのピッチを決定する請求項1に記載の麺線延伸方法。(請求項2)や、前記昇降アームが、下掛け棒導入位置では支持バーのみである請求項1または2のいずれかに記載の麺線延伸方法。(請求項3)や、上掛け棒と昇降ガイドを1ピッチずつ同期して間欠移動させ、1ピッチごとに昇降アームで下掛け棒を昇降させ、上掛け棒と昇降ガイドの移動が下掛け棒を持ち上げる間に行われる請求項1〜3のいずれかに記載の麺線延伸方法。(請求項4)に関する。
【0015】
また本発明は、昇降アーム終端部の押さえバーを着脱可能とする請求項1〜4のいずれかに記載の麺線延伸方法。(請求項5)に関する。
【0016】
更に本発明は、多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、掛け棒延伸間隔を漸次拡大して麺線を引き伸ばし、麺線下部を切断した後、移動方向に直角に配置したコンベアにより麺線を取り出す方法において、上掛け棒が前記コンベアを通過した後、上掛け棒とコンベアベルトに渡された麺線を下掛け棒で押し込み、その状態で麺線上部をカットして、吊り下げられた麺線を上掛け棒からコンベアに移載することを特徴とする麺線取り出し方法。(請求項6)や、コンベアベルトが丸ベルトで、ベルトに接触する麺線の位置、及び下掛け棒で押し込まれた麺線の位置が、麺線長中央の40%の範囲である請求項6に記載の麺線取り出し方法。(請求項7)に関する。
【発明の効果】
【0017】
昇降ガイドと昇降アームの交差部に下掛け棒の両端を抱持させるから、傾きなく真っ直ぐに立てて進行できると共に下掛け棒が外れることがない。下掛け棒による麺線の引き延ばしは昇降アームの下降によって行い、下掛け棒の進行は昇降アームを上昇させて麺線を緩める間に行うことができるから、麺線間隔を漸次拡大させる為に昇降ガイドやコンベアに無理な負荷を与えることがない。故に、機械や部品の損耗は最小限に抑えられる。また、昇降アーム終端部の押さえバーを着脱可能にすることで、麺線の伸びや収縮の程度に差が出た場合の修正手段が得られる。更に、引き伸ばされた麺線を掛け棒から切り落とした後、真っ直ぐに吊り下げた状態で麺線を取り出すことで麺線に折れ癖が付かないから手延べ風麺類の品位を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願発明は、溝幅5〜10mmの切歯により連続して切り出された麺線を、茹上げすべき太さに、引き伸ばす場合に有効に利用できる。麺線を所望の延伸率に引き伸ばすには、44〜48%の加水率で混練すると共に、麺帯に成形し、圧延する各工程の途中に、複数回の熟成をそれぞれ30分以上行うと良い。とりわけ、切歯細断直前の熟成を有効に行えば、延伸工程に至る麺線の移動を制御し易い。また、切歯で細断された麺線は隣り合う麺線との間隔が実質的にないから、麺線1本程度の隙間が空くように適宜拡幅し麺線の再接着を防止する必要がある。
【0019】
また、本願発明は、長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばすことを前提としている。麺線を引き伸ばす速度が増すほどに麺線の反発は強まり、引き伸ばす麺線が多いほど掛け棒に掛かる負荷は増大すると共に掛け棒は長さを要するから、掛け棒は処理能力を高めるほどたわみ易い。掛け棒のたわみは麺線の延伸率が一定しない原因でもあるが、何より延伸後の麺線をロスなく切り分けるには掛け棒に沿って切断する必要がある。すなわち、掛け棒を長板状にする理由は、麺の反発に負けずに掛け棒を真っ直ぐに保持し、処理能力を高める為である。
【0020】
多列状の麺線を連続して上掛けするには、平行な垂直面を周回する一対の無端チェーンに対し、直角に、一定ピッチで、頂部を周回面の外向きに、上掛け棒の両端部を連接し、その頂部が上向きの区間で麺線を移載すれば良い。麺線の長さを一定に上掛けするには、移動する上掛け棒と麺線をそれぞれ一定速度で合流させ、麺線の長さは上掛け棒のピッチと両者の速度差により決められる。上掛けされることで麺線は、以後の移動手段を得る。下掛け棒により、上掛けされた麺線の中央を正確に引き下げれば、下掛け棒の前後の麺線を等しい長さと延伸率に引き伸ばすことができる。逆に異なる太さの麺線を混ぜて調製する場合は上掛けされた麺線の中央から前後にずれた位置を引き下げれば良い。
【0021】
掛け棒延伸間隔を漸次拡大するには、上掛け棒の延伸区間を水平にして下掛け棒を下り傾斜にして漸次引き下げる方法や、下掛け棒の延伸区間を水平にして上掛け棒の延伸区間を上り傾斜にして上掛け棒を漸次持ち上げる方法や、上掛け棒の延伸区間を上り傾斜にして漸次持ち上げると共に、下掛け棒を下り傾斜にして漸次引き下げる方法から自由に選択できる。中でも、上掛け棒の延伸区間を水平にして下掛け棒を下り傾斜にして漸次引き下げる方法は、装置をシンプルに設計する上で利点が多い。
【0022】
また、掛け棒延伸間隔を漸次拡大するのに際し、段階的に複数回拡縮を行うのは、伸ばしては緩める操作を繰り返しながら麺を延伸するものである。この緩め操作は、その都度数分以上滞留させて麺線のグルテン組織の伸展性を回復させる熟成に相当するものではない。本発明によれば、5〜15回の拡縮を行うことで、20〜90秒、望ましくは30〜60秒の所要時間で麺線を4〜5倍の長さに延伸できる。
【0023】
以下、上掛け棒を水平に、下掛け棒の上掛け棒追動手段に用いるコンベアを麺線の移動方向下向きに傾斜して設け、掛け棒を1ピッチずつ進行させると共に1ピッチごとに下掛け棒を昇降させ、麺線を段階的に伸ばしては緩める拡縮を10回行いながら下掛け棒を漸次引き下げる方法について図面に基づき説明するが、本願発明はこの事例に限定されない。なお、側面図においては、反対側面でも上下の掛け棒の逆の端部について対称する状況にあることとする。
【0024】
図1、図2は右から左に進行する麺線の延伸工程を示す側面図である。図1は、下掛け棒を導入し麺線を引き下げた状態を示し、図2は麺線を緩め上下の掛け棒を1ピッチ進行させた状態を示す。図3は、図1の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示し、図4は、図2の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す。図5は、図1の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示し、図6は、図2の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す。
【0025】
上掛け棒1は、長板状の上掛け棒の尖った頂部が真上に向けられ、麺線カット後の麺線剥離補助装置1bの付属する状態の断面形状で示されている。上掛け棒1は、一定間隔、一定速度で1ピッチずつ間欠的に進行し、多列状の麺線2が上掛け棒1に一定の長さで上掛けされている。
【0026】
待機中の下掛け棒3は尖った頂部が真下に向けられた断面形状で示され、下掛け棒3aは導入手段5で挟持された断面形状で示されている。下掛け棒3は回収手段4によって1本ずつ供給され、供給された下掛け棒3aは、断面Aの下掛け棒導入位置において導入手段5によって昇降ガイド6aの縦溝に導入され引き下げられる。その際、後方の麺線が引きずり込まれるのを防止する為、押さえパイプ7により後方の麺線が押さえられている。
【0027】
昇降アーム8は、押さえバー8aと支持バー8bよりなり、図1に示す上げた状態と、図2に示す下げた状態を繰り返し、下掛け棒引き下げ手段を成す。断面Aの下掛け棒導入位置である図3において、支持バー8bのみが下掛け棒端部の下に示されている。その後、下掛け棒を持ち上げ1ピッチ進行することで、下掛け棒3aは1ピッチ先に進み図4には不在となる。図4には上掛けされた延伸前の麺線が示されている。また、断面Bの引き下げ位置である図5においては、押さえバー8aが下掛け棒端部の上にあって下掛け棒3bを引き下げた状態が示されている。支持バー8bが下掛け棒端部の下にあって下掛け棒を持ち上げ、1ピッチ進行することで下掛け棒3aは断面Bより1ピッチ先に進み、図6では不在となる。図6には1ピッチ後の下掛け棒3b−1の引き下げを待つ状態が示されている。導入手段5によって下掛け棒3aが引き下げられるタイミングと、昇降アーム8が他の下掛け棒を引き下げるタイミングは同じだと麺線が均一に伸ばされて良い。
【0028】
チェーンコンベア6の無端チェーンには、昇降ガイドが直立状態で上掛け棒のピッチ中央真下に来るように切れ目なく連接され、上掛け棒追動手段を成す。チェーンコンベア6を上掛け棒と同期して1ピッチずつ間欠的に追動させれば、昇降ガイドは前後の上掛け棒と平面上の位置関係がずれることなく進行方向の動きを一致でき、その結果、麺線の動きが安定して良い。
【0029】
すなわち、下掛け棒3aは、導入手段5によって昇降ガイド6aの縦溝に導入され引き下げられ、その後、支持バー8bによって持ち上げられ、チェーンコンベア6の作動により昇降ガイド6aが1ピッチ進行することで押さえバー8aの下に横から導入される。下掛け棒3aは、両端部の上下を昇降アーム8によって遮へいされ、長板部分の両端部の前後を昇降ガイドによって遮へいされることで抱持され、外れることがない。その後、上掛け棒と同期して追動する下掛け棒は、昇降アーム8によって引き下げられる度に麺線はそれまでを超える長さに引き伸ばされ、昇降アーム8によって持ち上げられる度に緩められ、その緩んだ隙に昇降ガイドによって進行方向下向きに移動され、本願発明による段階延伸が実現する。なお、図1、図2に示された昇降アーム8と10箇所の昇降ガイドの交差部は、段階的に10回引き下げされる下掛け棒の移動の軌跡と重なりその位置を示すものである。
【0030】
その後、相応の太さに細められた麺線は、下掛け棒の重さを支えられない程度に収縮力が低下し、爪付きチェーンコンベア9に乗せ換えできる。
【0031】
昇降アーム終端部の押さえバーを取り外し10回目の引き下げをキャンセルする方法を図7〜9より説明する。図7は、右から左に進行する麺線の7〜9回目に引き下げられた状態と、10回目の引き下げをキャンセルした状態を示す側面図である。図8は進行方向左側の図7に相当する部分を示す平面図である。図9は、図8の昇降ガイド6及び昇降アーム8からツメ付きチェーン9に下掛け棒を乗せ換える部分の詳細を示す平面図である。
【0032】
図9に示したように、下掛け棒の引き下げ10回目の位置では、昇降アームの押さえバー8a10は基板8cから取り外され、支持バー8bが残されている。更に、乗せ換え治具10と共に固定壁から支持された下降防止治具11が固定されている。
【0033】
乗せ換え治具10とツメ付きチェーン9の高さは、10回目の引き下げの後に1ピッチ進行した昇降ガイドの先端が、ツメ付きチェーンの下に隠れるレベルに合わせている。一方、下降防止治具11を固定する高さは昇降ガイドの縦溝の範囲で、下掛け棒の落ち込みを止めるべき所望のレベルに固定すれば良い。
【0034】
更に、延伸効果を抑制したい場合は10回目に加えて9回目の引き下げをキャンセルする。その場合は押さえバー8aの9回目の引き下げを担う部分を更に取り外し、新たな下降防止治具を所望のレベルに固定すれば良い。
【0035】
次に、本願発明の麺線を取り出す方法について図10、図11、図12、図13より説明する。図10は麺線の取り出しと下掛け棒の移行状態を示す側面図、図11は、丸ベルトコンベアを設置した麺線の取り出し部分で、上部カット前を示す側面図、図12は、丸ベルトコンベアを設置した麺線の取り出し部分で、コンベア移載状態の詳細を示す側面図、図13は、図10の断面Cから見た麺線取り出し部分の上部カット前を示した図である。
【0036】
図10に示したように、ツメ付きチェーン9に載せ換えられ、付着する麺線下部を切り離された下掛け棒は、麺線の間を漸次持ち上げて回収手段4に投入する工程を経る。麺線下部を切り離す方法は、ローラーカッター12のように、掛け棒の頂部にローラーを当てて転がしても良いし、掛け棒の頂部が曲面であれば、頂部中央に沿ってカッター刃を走らせても良い。いずれにしても、下掛け棒の下向きの頂部で麺線をカットし前後に分割すれば麺線の端部までロスなく利用できる。
【0037】
図11、図13のように、上掛け棒1cがベルトコンベア13を通過した後、上掛け棒1cと丸ベルト13aの間の麺線は下掛け棒3cで押し込まれている。その状態で麺線上部をローラーカッター12によりカットし、麺線剥離補助装置1bを作動させれば、図12に示したように、吊り下げられた麺線は全て上掛け棒1cから丸ベルトコンベア13に移載できる。
【0038】
更に、該下掛け棒3cと該直線ベルト区間13aが、垂れ下がる麺線長中央の上下各20%、合計40%の範囲、好ましくは垂れ下がる麺線長中央の上下各10%、合計20%の範囲に合わせれば、図12のように麺線は丸ベルトコンベア13に左右バランス良く懸架され、真っ直ぐな半折りの状態で取り出すことができる。
【実施例】
【0039】
原料小麦粉100重量部に対し、10%の食塩水46容量部を投入し、減圧度80kPaで均一なうどん生地を得た。該生地は、堆積高8cmに成型し、30℃で40分熟成し、その後生地の厚さ2.5cmの麺帯にロール成形した。該麺帯は、室温下60分熟成し、その後段階的にロール圧延を行い厚さ7mm、幅45cmの麺帯として再び室温下30分熟成し十分にグルテン組織の伸展性を回復させた。その後、溝幅8mmの切歯によって細断し、連続多列の麺線を製出した後は速やかに、隣り合う麺線の間隔を8mm程度、全体の麺線幅を90cm程度に拡幅し、図1〜9に示した延伸工程により、ピッチ24cmに上掛けし、9回の引き伸ばしによって最大65cm(9回目引き下げ掛け棒間隔)の延伸を行い10回目はキャンセルし、片側48〜52cmの麺線を得た。
【0040】
この9回の延伸に要する時間を135秒から36秒迄段階的にと速度を上げたところ、速度の上昇に伴い、昇降アームによって下掛け棒を引き下げる為に負荷の追加を要したものの、上下の掛け棒の進行には何ら支障なく掛け棒間隔を漸次拡大することができた。
【0041】
その後、下掛け棒の麺線を前後に切り離し、下掛け棒を漸次持ち上げ、図10〜13に示した方法で麺線を取り出したところ、毎分10kg相当の生麺を手延べ風麺の品位を保った状態で取り出すことができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】 下掛け棒を導入し麺線を引き下げた状態を示す側面図
【図2】 麺線を緩め上下の掛け棒を1ピッチ進行させた状態を示す側面図
【図3】 図1の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図4】 図2の断面Aから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図5】 図1の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図6】 図2の断面Bから進行方向に連なる麺線と上掛け棒の状態を示す図
【図7】 10回目の引き下げをキャンセルした状態を示す側面図
【図8】 進行方向左側の図7に相当する部分を示す平面図
【図9】 図8の下掛け棒を乗せ換える部分の詳細を示す平面図
【図10】 麺線の取り出しと下掛け棒の移行状態を示す側面図
【図11】 図10の麺線の取り出し部分で上部カット前の詳細を示す側面図
【図12】 図10の麺線の取り出し部分でコンベア移載状態の詳細を示す側面図
【図13】 図10の断面Cから見た麺線取り出し部分の上部カット前を示す図
【符号の説明】
【0043】
A :図1、図2において下掛け棒3aを導入し引き下げる断面
B :図1、図2において下掛け棒3bを引き下げる断面
C :図10において麺線の取り出し部分直前の断面
1 :尖った頂部を上に向けて水平に進行する上掛け棒
1b :上掛け棒に付属する麺線剥離補助装置
1c :丸ベルトコンベアを通過した直後の上掛け棒
2 :上掛けされた延伸前の麺線
3 :回収装置で待機する下掛け棒
3a :位置Aで導入、引き下げされる下掛け棒
3b :位置Bで引き下げられる下掛け棒
3b−1:1ピッチ進行させたことで位置Bに移動した、3bの1ピッチ前の下掛け棒
3c :上掛け棒1cとベルト13aの間の麺線を押さえる下掛け棒
4 :下掛け棒の回収手段
5 :下掛け棒導入手段
6 :昇降ガイドが連接された、下掛け棒の上掛け棒追動手段に用いるコンベア
7 :下掛け棒導入の際、麺線が引きずり込まれるのを防止する押さえパイプ
8 :昇降アーム
8a :昇降アームの押さえバー
8b :昇降アームの支持バー
8c :昇降アームで押さえバーと支持バーを固定する基板
9 :延伸後の下掛け棒を移動させるツメ付きチェーン
10 :昇降アームからツメ付きチェーンに下掛け棒を乗せ換える際の乗せ換え治具
11 :10回目の引き下げをキャンセルする際に取り付ける下掛け棒下降防止治具
12 :上掛け棒の頂部で麺線を切り離すローラーカッター
13 :本願発明の、麺線を取り出す丸ベルトコンベア
13a :丸ベルトコンベア13の、麺線をキャッチする直線ベルト区間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、該下掛け棒を複数回昇降させながら、掛け棒延伸間隔を漸次拡大する方法において、
移動する多列状麺線の外側に、複数の昇降ガイドを一定のピッチで連設したコンベアを設け、該昇降ガイドの縦溝により下掛け棒を立てた状態で上掛け棒を追動させる上掛け棒追動手段と、
移動する多列状麺線の外側に、下掛け棒を上から押さえる押さえバーと下掛け棒を下から支える支持バーよりなる昇降アームを設け、前記昇降ガイドと交差して下掛け棒を昇降させる下掛け棒引き下げ手段を、
連携させることによって下掛け棒を移動させる方法で、前記した昇降ガイドと昇降アームの交差部に下掛け棒を抱持させ、一定間隔で昇降アームを下降、上昇させ麺線を延伸させると共に麺線を緩ませ、上下の掛け棒を移動させることを特徴とする麺線延伸方法。
【請求項2】
上掛け棒追動手段に用いるコンベアが麺線の移動方向下向きに傾斜して設けられた直線コンベアで、該コンベアに連設された昇降ガイドが前後の上掛け棒と平面上の位置関係を不変とするように、該コンベアの傾斜角度と連設された昇降ガイドのピッチを決定する請求項1に記載の麺線延伸方法。
【請求項3】
前記昇降アームが下掛け棒導入位置では支持バーのみである請求項1または2のいずれかに記載の麺線延伸方法。
【請求項4】
上掛け棒と昇降ガイドを1ピッチずつ同期して間欠移動させ、1ピッチごとに昇降アームで下掛け棒を昇降させ、上掛け棒と昇降ガイドの移動が下掛け棒を持ち上げる間に行われる請求項1〜3のいずれかに記載の麺線延伸方法。
【請求項5】
昇降アーム終端部の押さえバーを着脱可能とする請求項1〜4のいずれかに記載の麺線延伸方法。
【請求項6】
多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、掛け棒延伸間隔を漸次拡大して麺線を引き伸ばし、麺線下部を切断した後、移動方向に直角に配置したコンベアにより麺線を取り出す方法において、
上掛け棒が前記コンベアを通過した後、上掛け棒とコンベアベルトに渡された麺線を下掛け棒で押し込み、その状態で麺線上部をカットして、吊り下げられた麺線を上掛け棒からコンベアに移載することを特徴とする麺線取り出し方法。
【請求項7】
コンベアベルトが丸ベルトで、ベルトに接触する麺線の位置、及び下掛け棒で押し込まれた麺線の位置が、麺線長中央の40%の範囲である請求項6に記載の麺線取り出し方法。
【請求項1】
多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、該下掛け棒を複数回昇降させながら、掛け棒延伸間隔を漸次拡大する方法において、
移動する多列状麺線の外側に、複数の昇降ガイドを一定のピッチで連設したコンベアを設け、該昇降ガイドの縦溝により下掛け棒を立てた状態で上掛け棒を追動させる上掛け棒追動手段と、
移動する多列状麺線の外側に、下掛け棒を上から押さえる押さえバーと下掛け棒を下から支える支持バーよりなる昇降アームを設け、前記昇降ガイドと交差して下掛け棒を昇降させる下掛け棒引き下げ手段を、
連携させることによって下掛け棒を移動させる方法で、前記した昇降ガイドと昇降アームの交差部に下掛け棒を抱持させ、一定間隔で昇降アームを下降、上昇させ麺線を延伸させると共に麺線を緩ませ、上下の掛け棒を移動させることを特徴とする麺線延伸方法。
【請求項2】
上掛け棒追動手段に用いるコンベアが麺線の移動方向下向きに傾斜して設けられた直線コンベアで、該コンベアに連設された昇降ガイドが前後の上掛け棒と平面上の位置関係を不変とするように、該コンベアの傾斜角度と連設された昇降ガイドのピッチを決定する請求項1に記載の麺線延伸方法。
【請求項3】
前記昇降アームが下掛け棒導入位置では支持バーのみである請求項1または2のいずれかに記載の麺線延伸方法。
【請求項4】
上掛け棒と昇降ガイドを1ピッチずつ同期して間欠移動させ、1ピッチごとに昇降アームで下掛け棒を昇降させ、上掛け棒と昇降ガイドの移動が下掛け棒を持ち上げる間に行われる請求項1〜3のいずれかに記載の麺線延伸方法。
【請求項5】
昇降アーム終端部の押さえバーを着脱可能とする請求項1〜4のいずれかに記載の麺線延伸方法。
【請求項6】
多列状の麺線を長板状の上掛け棒と下掛け棒により引き伸ばす麺線延伸工程で、一定のピッチで配置された上掛け棒を、頂部を上向きにして麺線を支持しながら移動させ、複数の麺線を一定の長さに上掛けし、次いで上掛けされた麺線の中央を、頂部を下向きにした下掛け棒により引き下げ、掛け棒延伸間隔を漸次拡大して麺線を引き伸ばし、麺線下部を切断した後、移動方向に直角に配置したコンベアにより麺線を取り出す方法において、
上掛け棒が前記コンベアを通過した後、上掛け棒とコンベアベルトに渡された麺線を下掛け棒で押し込み、その状態で麺線上部をカットして、吊り下げられた麺線を上掛け棒からコンベアに移載することを特徴とする麺線取り出し方法。
【請求項7】
コンベアベルトが丸ベルトで、ベルトに接触する麺線の位置、及び下掛け棒で押し込まれた麺線の位置が、麺線長中央の40%の範囲である請求項6に記載の麺線取り出し方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−68792(P2010−68792A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267949(P2008−267949)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000151232)シマダヤ株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000151232)シマダヤ株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
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